特許第6277619号(P6277619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6277619
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】画像形成装置および像保持体ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20180205BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20180205BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20180205BHJP
   B41J 2/447 20060101ALI20180205BHJP
   H04N 1/036 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   G03G21/16 166
   G03G21/18 128
   G03G15/04
   B41J2/447 101F
   H04N1/036 A
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-145894(P2013-145894)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-18132(P2015-18132A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正
【審査官】 杉山 輝和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−262569(JP,A)
【文献】 特開2014−024241(JP,A)
【文献】 特開平09−160470(JP,A)
【文献】 特開2001−117331(JP,A)
【文献】 実開平01−073867(JP,U)
【文献】 実開平04−003455(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
G03G 21/00
G03G 15/04
B41J 2/447
H04N 1/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像を保持する像保持体を有し、軸方向に移動することで本装置に対して着脱可能に設けられる像保持体ユニットと、
光を照射する光照射面を有し、前記像保持体ユニットが本装置に装着された状態にて当該像保持体ユニットと対向して配置され、前記像保持体を露光する露光手段と、
前記像保持体ユニット側に保持される根元部と、当該像保持体ユニットを取り外し方向に移動させる際に当該根元部よりも当該取り外し方向に位置しながら前記光照射面に接触して当該光照射面を清掃する清掃部が設けられる先端部とを有し、当該像保持体ユニットが前記軸方向に移動することに伴って当該清掃部の清掃面が変化することで当該光照射面を清掃する清掃手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記清掃手段は、前記清掃部を前記軸方向に揺動可能に支持する支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記清掃手段は、前記光照射面に前記清掃部の清掃面を押付ける押付部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記清掃部は、前記像保持体ユニットが前記軸方向に移動することに伴って、前記光照射面と接触する面にて生じる摩擦力により回転する回転体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記露光手段は、前記像保持体ユニットが本装置に装着された状態にて前記清掃手段と対向する位置に設けられるとともに、当該清掃手段の前記先端部を前記根元部よりも当該取り外し方向に位置させるよう当該清掃手段を支持する支持面を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体を保持する保持部と、
像保持体ユニット側に保持される根元部と、当該像保持体ユニットを取り外し方向に移動させる際に当該根元部よりも当該取り外し方向に位置しながら光照射面に接触して当該光照射面を清掃する清掃部が設けられる先端部とを有し、当該像保持体ユニットが軸方向に移動することに伴って当該清掃部の清掃面が変化することで当該光照射面を清掃する清掃手段と、を備えることを特徴とする像保持体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、像保持体ユニットおよび清掃部材に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、感光体等の像保持体に対向して配置され、像保持体を露光する露光装置がある。そして、画像形成装置では、露光装置の光を照射する光照射面にクラウドトナー等が付着すると画像ムラの発生や発光光量の低下につながる。これに対し、露光装置の光照射面の清掃を行えるように構成された画像形成装置が知られている。
【0003】
公報記載の従来技術として、特許文献1には、例えば、LPH(LEDプリントヘッド)の光射出面を清掃する清掃部材の技術が記載されている。ここで、清掃部材は、基部と、基部に設けられるLPHの光射出面を清掃するブレードと、基部に形成される案内部とを備えている。そして、清掃部材は、感光体ドラムとLPHとが対向する領域に向けて、ハウジングに形成される開口に通され、感光体ドラムとLPHとの間に向けて挿入される。このとき、清掃部材の案内部が挿入口に接触することで、清掃部材の挿入方向が方向付けられると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−230954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光照射面を清掃する際に効率良く清掃することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、像を保持する像保持体を有し、軸方向に移動することで本装置に対して着脱可能に設けられる像保持体ユニットと、光を照射する光照射面を有し、前記像保持体ユニットが本装置に装着された状態にて当該像保持体ユニットと対向して配置され、前記像保持体を露光する露光手段と、前記像保持体ユニット側に保持される根元部と、当該像保持体ユニットを取り外し方向に移動させる際に当該根元部よりも当該取り外し方向に位置しながら前記光照射面に接触して当該光照射面を清掃する清掃部が設けられる先端部とを有し、当該像保持体ユニットが前記軸方向に移動することに伴って当該清掃部の清掃面が変化することで当該光照射面を清掃する清掃手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記清掃手段は、前記清掃部を前記軸方向に揺動可能に支持する支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記清掃手段は、前記光照射面に前記清掃部の清掃面を押付ける押付部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記清掃部は、前記像保持体ユニットが前記軸方向に移動することに伴って、前記光照射面と接触する面にて生じる摩擦力により回転する回転体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記露光手段は、前記像保持体ユニットが本装置に装着された状態にて前記清掃手段と対向する位置に設けられるとともに、当該清掃手段の前記先端部を前記根元部よりも当該取り外し方向に位置させるよう当該清掃手段を支持する支持面を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体を保持する保持部と、像保持体ユニット側に保持される根元部と、当該像保持体ユニットを取り外し方向に移動させる際に当該根元部よりも当該取り外し方向に位置しながら光照射面に接触して当該光照射面を清掃する清掃部が設けられる先端部とを有し、当該像保持体ユニットが軸方向に移動することに伴って当該清掃部の清掃面が変化することで当該光照射面を清掃する清掃手段と、を備えることを特徴とする像保持体ユニットである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、光照射面を効率良く清掃できる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、より簡易な構成で、清掃面の良好な変化を実現できる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、光照射面に清掃面をより確実に接触させることが可能となり、より良好な清掃を実現できる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、回転体の表面全体を使用し清掃面を変化させて光照射面を効率良く清掃できる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、光照射面を効率良く清掃できる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合と比較して、清掃部材を用いて露光部材を効率良く清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の全体構成の一例を示した図である。
図2】本実施形態が適用される画像形成ユニットを説明するための図である。
図3】本実施形態の感光体モジュールの装着状態におけるLPHと感光体モジュールとを示した図である。
図4】LPHの光照射側から見た斜視図である。
図5】(a)および(b)は、LPHの構成を説明するための図である。
図6】本実施形態の感光体モジュールの脱離状態におけるLPHと感光体モジュールとを示した図である。
図7】(a)および(b)は、パット型清掃部材の全体構成を示した図である。
図8】(a)および(b)は、パット型清掃部材を用いた清掃の様子を示した側面図である。
図9】(a)および(b)は、ローラ型清掃部材の全体構成を示した図である。
図10】(a)および(b)は、ローラ型清掃部材を用いた清掃の様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。
画像形成装置1は、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部5と、画像データに画像処理を施す画像処理部6と、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10とを備える。また、画像形成装置1は、ユーザの端末装置であるパーソナルコンピュータ(PC)2、画像を読み取るための画像読取装置3等に接続される。さらに、画像形成装置1は、制御部5、画像処理部6、画像形成プロセス部10等を囲って覆う本体ハウジング8を有する。そして、画像形成装置1は、PC2、画像読取装置3等から入力される画像データに対し、画像処理部6が画像処理を施し、画像形成プロセス部10にて画像形成する。
【0010】
本実施形態の画像形成プロセス部10は、4つの画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)を備えている。また、画像形成プロセス部10は、画像形成ユニット11の各感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト20、感光体ドラム12のトナー像を中間転写ベルト20に転写させる一次転写ロール21、中間転写ベルト20に転写された重畳トナー像を用紙に二次転写させる二次転写ロール22、および転写後の用紙上の未定着トナー像を加熱、加圧して定着する定着器30を備えている。
【0011】
図2は、本実施形態が適用される画像形成ユニット11を説明するための図である。
各画像形成ユニット11は、感光体ドラム12と感光体保持部50(後述)とを有する像保持体ユニットの一例としての感光体モジュール100と、矢印Aの方向に回転する感光体ドラム12の周囲に、感光体ドラム12上を一様に帯電する帯電器13、帯電された感光体ドラム12を制御部5(図1参照)から送られてくる画像データに基づいて露光する露光手段および露光部材の一例としてのLPH(LEDプリントヘッド)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像器15、感光体ドラム12上から転写残トナーを除去するクリーナ16を備えている。
【0012】
そして、感光体モジュール100は、後述する画像形成装置1に設けられる本体ハウジング8(図1参照)に対して着脱自在に設けられる。すなわち、感光体モジュール100は、画像形成装置1に対して装着された状態において、本体ハウジング8に保持され、画像形成装置1に対して着脱される場合、本体ハウジング8から脱離される。
これにより、感光体モジュール100は、画像形成装置1に設けられた本体ハウジング8に対して着脱自在に構成されるため、感光体ドラム12の寿命等に応じて交換可能である。
【0013】
なお、感光体モジュール100は、LPH14とは別体に、感光体ドラム12を含む1つの構成単位として画像形成ユニット11に設けられる。感光体モジュール100は、感光体ドラム12に加えて帯電器13やクリーナ16を含む構成や、さらに現像器15を含む構成としても良い。すなわち、感光体ドラム12を含んだものであれば、感光体モジュール100は、如何なる構成要素との組合せによっても構成することができる。しかし、何れの場合においても、本実施形態においては、比較的寿命が長く交換頻度が低いLPH14と、感光体モジュール100とは別体として構成されることを前提とする。
【0014】
図3は、本実施形態の感光体モジュール100の装着状態におけるLPH14と感光体モジュール100とを示した図である。
本実施形態において、図3に示すように、感光体モジュール100の装着状態において、感光体モジュール100とLPH14とは、一定の間隔を空けて対向し、LPH14の長手方向が感光体ドラム12の回転軸方向に沿うように固定される。
なお、以下では、図3中左側をユーザが感光体モジュール100を引抜く方向であるフロント側Fと称し、図3右側を差込む方向であるリア側Rと称して説明を行う。
【0015】
ここで、画像形成装置1の本体ハウジング8に設けられる各構成について説明する。
本実施形態では、図3に示すように、画像形成装置1の本体ハウジング8は、感光体モジュール100を保持するフロントピン84と、感光体モジュール100を保持するとともに感光体ドラム12を駆動する駆動部材80と、LPH14を保持する下側保持部85と、LPH仮保持部86とを有する。
フロントピン84は、感光体モジュール100の装着状態において、感光体モジュール100のフロント側Fを保持する。
駆動部材80は、感光体モジュール100の装着状態において、感光体モジュール100を支持し、感光体ドラム12に回転駆動力を伝えるカップリング部材82およびシャフト81と、駆動部Mの駆動力をカップリング部材82およびシャフト81に伝えるギア83とを有する。また、下側保持部85は、LPH14のリア側Rを保持して固定し、LPH仮保持部86は、LPH14のフロント側Fを仮保持する。
【0016】
感光体ドラム12は、円筒状の基体上に感光層が形成された感光基体12aと、この感光基体12aの両端に、フロント側フランジ部材12bfおよびリア側フランジ部材12brとを備えている。そして、感光体ドラム12は、感光体保持部50によって回転可能に支持されている。
感光基体12aは、円筒状の基体上に感光層が形成され、フロント側フランジ部材12bfおよびリア側フランジ部材12brが両端に設けられている。
フロント側フランジ部材12bfおよびリア側フランジ部材12brは、それぞれ感光体保持部50に回転可能に支持されている。また、感光体モジュール100の装着状態において、リア側フランジ部材12brは、シャフト81が差込まれ、カップリング部材82と接触して滑る。そして、リア側フランジ部材12brは、ギア83とシャフト81およびカップリング部材82とを介して、駆動部Mの回転駆動力が伝達される。これにより、リア側フランジ部材12brが回転することで、感光体ドラム12全体は回転する。
【0017】
感光体保持部50は、保持部の一例としてのハウジング51と、フロント側Fに軸状部分を有するフロントスリーブ53と、リア側Rにリング状のリアスリーブ54とを有する。また、感光体保持部50は、フロントスリーブ53と隙間を空けて設けられ、LPH14を支持する支持部52をさらに有する。さらに、感光体保持部50は、LPH14を保持するため、フロントスリーブ53と支持部52とによって形成される開口である保持口520を有する。
【0018】
ハウジング51は、LPH14と対向する箇所などの一部を除いて感光体ドラム12を覆う。また、ハウジング51は、画像形成装置1の本体ハウジング8のフロントピン84が挿入可能な開口部51a(図3の破線部分)を有する。そして、感光体モジュール100の装着状態において、開口部51aは、感光体モジュール100のフロント側Fを固定するため、フロントピン84が差込まれる。
【0019】
フロントスリーブ53は、ハウジング51のフロント側Fに設けられる。そして、フロントスリーブ53は、感光体ドラム12を回転自在となるようにフロント側フランジ部材12bfにて支持する。具体的には、フロントスリーブ53は、ハウジング51に固定される。また、ハウジング51より感光体ドラム12側に突出した軸状部分は、フロント側フランジ部材12bfが回転自在となるように、フロント側フランジ部材12bfに差込まれる。
リアスリーブ54は、ハウジング51のリア側Rに設けられる。そして、感光体モジュール100の装着状態において、リアスリーブ54は、リア側フランジ部材12brを回転可能に支持する。さらに、リアスリーブ54には、感光体モジュール100の装着状態において、駆動部材80のカップリング部材82およびシャフト81が差込まれることにより、感光体モジュール100のリア側Rは支持される。なお、このとき、カップリング部材82およびシャフト81は、回転可能な状態となる。
このようにして、フロントスリーブ53とリアスリーブ54とは、感光体ドラム12を回転可能に保持する。
さらに、リアスリーブ54は、感光体モジュール100の装着状態において、図3に拡大図で示すように、LPH14と接触するLPH受面540aを有し、後述するパット型清掃部材70が設けられるリアスリーブ突出部540を有する。このパット型清掃部材70とリアスリーブ突出部540とについては、後に詳しく説明する。
【0020】
支持部52は、フロントスリーブ53と保持口520を挟んで設けられる。また、支持部52は、水平な平面である支持面52aと、滑らかに傾斜する平面である滑支面52bとを備えて構成される。
保持口520は、フロントスリーブ53のフロントスリーブ受面53aと、支持部52の支持面52aとにより形成される開口により構成される。ここで、フロントスリーブ受面53aは、フロントスリーブ53の支持部52側に設けられた面である。そして、保持口520は、後述するように、感光体モジュール100が装着された状態において、フロント側LPH被保持部450を保持する。
【0021】
図4は、LPH14の全体構成を示しており、LPH14の光照射側から見た斜視図である。
LPH14は、図4に示すように、発光チップアレイ41(後述する図5参照)と、発光チップアレイ41から出射された光を感光体ドラム12表面に結像させる光照射面の一例としてのロッドレンズアレイ43とを備える。また、LPH14は、発光チップアレイ41及びロッドレンズアレイ43を保持するホルダ45をさらに備えている。
【0022】
図5(a)および(b)は、LPH14の構成を説明するための図である。図5(a)は、LPH14における発光チップアレイ41の上面図である。また、図5(b)は、LPH14におけるロッドレンズアレイ43およびホルダ45の上面図である。
発光チップアレイ41は、複数のLEDを備えた発光チップCと、各発光チップCを駆動する信号発生回路や各種配線などが設けられる回路基板42とを備えている。そして、図5(a)に示すように、発光チップアレイ41は、回路基板42上に、40個の発光チップC(C1〜C40)を、LPH14の長手方向に二列に千鳥状に配置して構成されている。
【0023】
また、図5(b)に示すように、ロッドレンズアレイ43は、複数のロッドレンズ44を、互い違いとなるようにLPH14の長手方向に二列に整列配置した状態で、ホルダ45に保持させることによって構成されている。各ロッドレンズ44は、例えば円柱状の形状を有しており、その半径方向に屈折率分布を有し正立等倍実像を形成する屈折率分布型レンズにて構成される。このような屈折率分布型レンズとしては、例えばセルフォック(日本板硝子株式会社の登録商標)レンズが挙げられる。
【0024】
ここで、図4を参照しながらホルダ45の詳細な説明をする。
ホルダ45は、ホルダ45のフロント側Fに位置するフロント側LPH被保持部450と、リア側Rに位置するリア側LPH被保持部460とを有する。フロント側LPH被保持部450は、感光体モジュール100の装着状態において、感光体モジュール100の保持口520に保持される。すなわち、フロント側LPH被保持部450は、保持口520の支持面52aにより支持され、フロントスリーブ受面53aと接触することで固定される。また、フロント側LPH被保持部450は、感光体モジュール100を着脱する際に、滑支面52bの傾斜する面に沿って移動し、LPH14の移動が案内される。
【0025】
リア側LPH被保持部460は、ホルダ45のリア側Rに設けられるLPH凸部461と、下側被保持部462とを有する。そして、リア側LPH被保持部460は、感光体モジュール100の装着状態において、感光体モジュール100のリアスリーブ突出部540と画像形成装置1の本体ハウジング8の下側保持部85とに保持される。
LPH凸部461は、ホルダ45のリア側Rにて感光体モジュール100側に向けて突出して設けられる。そして、LPH凸部461は、感光体モジュール100側に平面である凸部端面461aと、凸部端面461aからLPH14の長手方向にロッドレンズアレイ43に向けて下方に傾斜する清掃部材受面461bとを有する。凸部端面461aは、感光体モジュール100の装着状態において、リアスリーブ突出部540のLPH受面540aと接触する。また、清掃部材受面461bは、後述するパット型清掃部材70を受ける面を構成する。
下側被保持部462は、ホルダ45の感光体モジュール100とは反対側に設けられた凹状の穴である。そして、下側被保持部462には、本体ハウジング8に設けられた下側保持部85が差込まれて支持される。
【0026】
このように、感光体モジュール100の装着状態において、LPH14のフロント側Fは、フロント側LPH被保持部450が保持口520に保持されることで固定される。また、LPH14のリア側Rは、リア側LPH被保持部460において、凸部端面461aがLPH受面540aと接触し、下側被保持部462が下側保持部85に支持されることで固定される。
【0027】
以上のようにして、感光体モジュール100の装着状態において、LPH14と感光体モジュール100とは、一定の間隔を空けて対向し、LPH14の長手方向が感光体ドラム12の回転軸方向に沿うように固定される。
【0028】
引き続いて、感光体モジュール100の取外し時における感光体モジュール100とLPH14との動作について説明する。図6は、本実施形態の感光体モジュール100の脱離状態におけるLPH14と感光体モジュール100を示した図である。
【0029】
感光体モジュール100は、感光体モジュール100を画像形成装置1から取外す際、リアスリーブ54からカップリング部材82が、リア側フランジ部材12brからシャフト81が引抜かれる。また、感光体モジュール100は、ハウジング51の開口部51aからフロントピン84が引抜かれる。そして、感光体モジュール100は、本体ハウジング8から脱離される。
【0030】
このとき、本実施形態では、図6に示すように、LPH14は、フロント側Fが装着状態の感光体モジュール100と離れた位置まで移動する。すなわち、LPH14は、フロント側LPH被保持部450が保持口520から離れ、LPH仮保持部86に仮保持される位置まで移動する。
具体的には、感光体モジュール100を引抜くに従い、保持口520は、フロント側Fに移動し、フロント側LPH被保持部450から離れていく。そのため、フロント側LPH被保持部450は、支持面52a上を滑り保持口520から外れる。そして、さらに感光体モジュール100を引抜くと、支持部52もさらにフロント側Fに移動するため、フロント側LPH被保持部450は、滑支面52b上を滑って下降する。すなわち、LPH14は、感光体モジュール100と離れる方向に移動していく。そして、LPH14は、画像形成装置1の本体ハウジング8に設けられたLPH仮保持部86に仮保持されることにより下降が止まる。
なお、LPH仮保持部86は、下方にてバネ等に支持されて設けられるようにしても良い。この場合に、LPH仮保持部86は、感光体モジュール100の装着状態ではLPH14と接触する。そして、感光体モジュール100を着脱する際にLPH14が自重で下降する際、LPH仮保持部86は、バネが下方向に押圧されて縮むことで下がる構成とする。
【0031】
また、リア側LPH被保持部460では、凸部端面461aは、LPH受面540aから離隔するが、下側被保持部462は、感光体モジュール100の装着状態と同様に、本体ハウジング8の下側保持部85に支持された状態のままとなる。
すなわち、LPH14のフロント側Fは、保持口520からLPH仮保持部86にて停止する位置まで移動する一方、リア側Rは、感光体モジュール100が装着された状態と同様に支持される。このように、感光体モジュール100を取外す際、LPH14は、フロント側Fが装着状態の感光体モジュール100から離れて傾斜した状態となる。
【0032】
一方、感光体モジュール100を画像形成装置1に取付ける際、LPH14は、LPH仮保持部86に仮保持される位置から、フロント側LPH被保持部450が保持口520に保持される位置へ移動する。
具体的には、感光体モジュール100を差込むに従い、LPH14は、LPH仮保持部86に仮保持される位置から、感光体モジュール100に近付く方向へと移動する。そして、フロント側LPH被保持部450は、支持部52の滑支面52bに沿って保持口520まで移動し、保持口520にて保持される。
【0033】
LPH14のリア側Rでは、凸部端面461aは、LPH受面540aと接触する方へ移動し、下側被保持部462は、下側保持部85に支持されたままの状態である。
すなわち、感光体モジュール100の取付け時においては取外し時とは逆方向に移動する。つまり、LPH14は、傾斜した状態から装着時の感光体モジュール100と一定間隔を空けて対向し、LPH14の長手方向が感光体ドラム12の回転軸方向に沿うように移動する。
本実施形態の画像形成装置1では、このように、感光体モジュール100を着脱する際にLPH14が傾斜する構成とすることで、LPH14が感光体モジュール100に接触することにより生じ得るLPH14の損傷を抑制している。
なお、本実施形態では、LPH14は、フロント側Fが装着状態の感光体モジュール100から離れて傾斜した状態となる構成としたが、これに限定するものではない。例えば、LPH14は、リア側Rが装着状態の感光体モジュール100から離れて傾斜した状態となる構成としてもよい。
【0034】
本実施形態では、後述するように、清掃手段および清掃部材の一例としてのパット型清掃部材70を用いてLPH14の清掃を行う。
図7(a)および(b)は、パット型清掃部材70の全体構成を示した図である。
パット型清掃部材70は、図7(a)に示すように、リアスリーブ54のリアスリーブ突出部540に揺動可能に設けられる支持部の一例としての清掃軸710と、清掃軸710に固定して保持される清掃部の一例としての清掃パット720と、清掃軸710を押圧する押付部材の一例としてのねじりバネ730とを有する。そして、パット型清掃部材70は、図3および図6に示すように、感光体モジュール100と一体に設けられる。
【0035】
清掃軸710は、清掃軸710を揺動可能に支持する揺動ピン711と、清掃軸710に後述する清掃パット720を取り付けるための取付凸部712とを有する。また、清掃軸710は、棒状の形状を有しており、樹脂等により形成される。そして、清掃軸710は、LPH14の長手方向に揺動可能となるように端部を揺動ピン711に支持されている。さらに、清掃軸710は、リアスリーブ突出部540に、ロッドレンズアレイ43をLPH14の短手方向に跨いで1本ずつ設けられる。
【0036】
清掃パット720は、図7(b)に示すように、清掃パット720を清掃軸710に取り付けるための取付凹部721を有する。また、清掃パット720は、断面が楕円形の円筒形状を有している。そして、清掃パット720の材料としては、フェルト、紙、または布等のロッドレンズアレイ上面43aを傷付けないような表面が柔らかい材質のものにより形成される。そして、清掃パット720は、揺動ピン711の長手方向における幅が、ロッドレンズアレイ上面43aの短手方向の幅と同じか少し大きく形成される。さらに、清掃パット720は、清掃パット720の長手方向がLPH14の短手方向に沿うように設けられる。
【0037】
また、取付凹部721は、清掃パット720の円筒軸方向における一端部および他端部の双方に、清掃軸710の取付凸部712を差込み固定できる形状に形成される。そして、取付凹部721は、取付凸部712を差込むことで清掃軸710を固定して保持する。
【0038】
ねじりバネ730は、図7(a)および(b)に示すように、ねじりバネ730の端部である第1端部731がリアスリーブ突出部540(図3参照)に固定される。また、第1端部731とは異なるもう一方の端部である第2端部732は、清掃軸710に固定される。そして、ねじりバネ730は、清掃軸710が揺動して傾くに従い、揺動する方向とは反対方向に清掃軸710を押圧する。
【0039】
図8(a)および(b)は、パット型清掃部材70を用いた清掃の様子を示した側面図である。
図8(a)は、感光体モジュール100を取外すときの様子を示す図である。また、図8(b)は、感光体モジュール100を挿込むときの様子を示す図である。
パット型清掃部材70は、感光体モジュール100を着脱する際、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する。そして、パット型清掃部材70は、感光体モジュール100とともに移動し、ロッドレンズアレイ上面43aとの接触面を変化させながら、ロッドレンズアレイ上面43aのクラウドトナーCTや埃等(以下、クラウドトナーCT。)を除去する。
【0040】
以下、パット型清掃部材70が清掃する様子の詳細について説明する。
本実施形態では、上述したように、感光体モジュール100を取外す際、図8(a)に示すように、矢印の方向に感光体モジュール100が引き出される(図6参照)。このとき、感光体モジュール100と一体となったパット型清掃部材70は、感光体モジュール100の移動に伴って移動する。そして、清掃軸710に固定された清掃パット720は、ロッドレンズアレイ上面43aと接触しながら移動する。
【0041】
ここで、前述した通り、感光体モジュール100を取外す際、LPH14は、フロント側Fが、装着時の感光体モジュール100と対向する位置から離れた傾斜した状態となる(図6参照)。そのため、リアスリーブ突出部540(図6参照)と、リアスリーブ突出部540の直下のロッドレンズアレイ43の上面との距離は、感光体モジュール100を引抜くに従って徐々に大きくなる。
そして、感光体モジュール100を引抜くに従って、パット型清掃部材70は、揺動ピン711に支持される清掃軸710がフロント側Fに揺動する。また、清掃パット720は、清掃軸710に固定されるため、清掃軸710が揺動して傾くに伴い、清掃パット720も傾く。
【0042】
さらに、清掃パット720は、例えば、図8(a)に示すように、自身の揺動により傾きが変化し、清掃パット720の接触面720aがロッドレンズアレイ上面43aと接触する位置から離れる。そして、清掃パット720は、接触面720aと異なる接触面720bでロッドレンズアレイ上面43aと接触する。
このように、本実施形態において、パット型清掃部材70は、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する清掃パット720の面が変化する。
【0043】
ここで、本実施形態では、ロッドレンズアレイ上面43aのクラウドトナーCTは、清掃パット720がロッドレンズアレイ上面43aと接触して移動することにより運ばれて行く。
つまり、具体的には、クラウドトナーCTは、清掃パット720の接触面よりも進行方向先にて、ロッドレンズアレイ上面43aと清掃パット720の表面との間に堆積して運ばれる。
【0044】
このとき、本実施形態では、清掃パット720とロッドレンズアレイ上面43aとの接触面は、接触面720aから接触面720bへと変化する。そのため、パット型清掃部材70は、ロッドレンズアレイ上面43aを、清掃パット720の清掃によってクラウドトナーCTが付着していない面で拭き取る。したがって、本実施形態は、クラウドトナーCTが付着した面を使って常に拭き取る場合よりも、ロッドレンズアレイ上面43aのクラウドトナーCTの取りこぼしを防ぎながら除去する。
このように、本実施形態では、パット型清掃部材70が揺動することにより、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する清掃パット720の清掃面が変化する。これにより、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する面が変化しない場合に比べ、清掃効率が高くなる。
【0045】
なお、上述した例では、感光体モジュール100を取外す場合について述べたが、図8(b)に示すように、感光体モジュール100を差込む場合も同様である。
この場合には、リア側Rに感光体モジュール100が移動し、清掃軸710および清掃パット720がリア側Rに揺動する。そのため、清掃パット720は、ロッドレンズアレイ上面43aとの接触面が接触面720cから接触面720dへと変わる。これにより、本実施形態は、本実施形態を採用しない場合に比べて、清掃効率が高くなる。
このとき、パット型清掃部材70は、感光体ドラム12の軸方向と直交する方向に対して少し傾斜して沿うような状態で、最初にロッドレンズアレイ上面43aと接触する構成がよい。
【0046】
このように、本実施形態では、パット型清掃部材70は、リアスリーブ突出部540(図6参照)と、リアスリーブ突出部540の直下のロッドレンズアレイ43の上面との距離に応じて揺動する。これにより、感光体モジュール100に対してLPH14が傾斜した状態においても、パット型清掃部材70は、ロッドレンズアレイ上面43aを清掃するものである。
さらに、本実施形態におけるパット型清掃部材70は、上述した通り、感光体モジュール100を取外す場合は、清掃軸710および清掃パット720がフロント側Fに揺動する。また、感光体モジュール100を取り付ける場合には、清掃軸710および清掃パット720はリア側Rに揺動する。そのため、パット型清掃部材70は、感光体モジュール100の取外しおよび取付け時の双方において、ロッドレンズアレイ上面43aを清掃する構成としても良い。
【0047】
また、感光体モジュール100を差込むに従って、リアスリーブ突出部540と、リアスリーブ突出部540の直下のロッドレンズアレイ43の上面との距離は徐々に小さくなる。そのため、感光体モジュール100がリア側Rに移動するに従い、ねじりバネ730が清掃軸710を介して、清掃パット720を押圧する力は次第に強くなる。また、これにより、清掃パット720と、ロッドレンズアレイ上面43aとの接触面にかかる圧力は、次第に高くなる。
【0048】
ここで、通常、感光体モジュール100のリア側Rへの移動に従い、ロッドレンズアレイ上面43aと、清掃パット720表面との間に堆積して運ばれるクラウドトナーCTの量は、徐々に増えていく。そして、クラウドトナーCTの堆積量が増加した場合に、パット型清掃部材70は、清掃軸710と清掃パット720とが堆積したクラウドトナーCTを十分に押し運ぶことができない。そのため、パット型清掃部材70は、クラウドトナーCTを取りこぼす可能性がある。
これに対して、本実施形態においては、感光体モジュール100の移動に伴って、清掃パット720とロッドレンズアレイ上面43aとの接触面にかかる圧力が次第に高くなる。そのため、クラウドトナーCTの堆積量が徐々に増加しても、清掃パット720の接触面にかかる圧力も次第に高くなるため、パット型清掃部材70は、クラウドトナーCTを最後まで押し運ぶ。
【0049】
また、本実施形態では、感光体モジュール100が装着された状態において、パット型清掃部材70は、ロッドレンズアレイ43よりもリア側Rに配置される。具体的には、パット型清掃部材70は、図3に示すように、清掃軸710と清掃パット720とがLPH凸部461の清掃部材受面461bに沿うように置かれる。そのため、パット型清掃部材70は、画像形成装置1が画像形成する際に、ロッドレンズアレイ43の感光体ドラム12に対する光照射を妨げない。
【0050】
さらに、本実施形態では、清掃パット720の取付凹部721から清掃軸710の取付凸部712を引き抜くことで、清掃軸710から清掃パット720を取外すことができる。そのため、清掃によって清掃パット720が汚れても、パット型清掃部材70は、清掃パット720を容易に交換できる構成となる。
【0051】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態が適用される画像形成装置1について説明する。なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態において説明した部材等と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態では、パット型清掃部材70と同様に接触面が変化する清掃手段および清掃部材の一例としてのローラ型清掃部材90を用いて、ロッドレンズアレイ上面43aの清掃を行う。
ただし、第2の実施形態においては、感光体モジュール100を着脱する際、LPH14は、移動せず、装着時の感光体モジュール100の位置とLPH14との位置関係は変わらない。すなわち、LPH14は、LPH14の長手方向が感光体ドラム12の回転軸方向に沿った状態で、感光体モジュール100が脱離される構成である。
【0052】
図9(a)および(b)は、ローラ型清掃部材90の全体構成を示した図である。
ローラ型清掃部材90は、リアスリーブ54のリアスリーブ突出部540に固定して設けられる清掃軸910と、清掃軸910に回転可能に支持される回転体の一例としての清掃ローラ920とを有する。
【0053】
清掃軸910は、清掃軸910のLPH14側に後述する清掃ローラ920を取り付けるための取付凹部911を有する。そして、清掃軸910は、ローラ型清掃部材90がLPH凸部461の清掃部材受面461bに沿う方向に傾けて、リアスリーブ突出部540に固定される。
【0054】
清掃ローラ920は、清掃ローラ920の回転軸となるローラ回転軸921を有する。そして、清掃ローラ920は、ローラ回転軸921とともに回転可能に清掃軸910に取り付けられる。
ローラ回転軸921は、清掃軸910の取付凹部911をローラ回転軸921に差込むことで、回転可能に保持される。そして、ローラ回転軸921は、清掃ローラ920とともに回転するように、清掃ローラ920に固定して設けられる。
【0055】
図10(a)および(b)は、ローラ型清掃部材90を用いた清掃の様子を示した図である。
ローラ型清掃部材90は、感光体モジュール100と一体となって、感光体モジュール100の移動とともに移動する。また、図10(a)に示すように、ローラ型清掃部材90は、感光体モジュール100を着脱する際、清掃ローラ920がロッドレンズアレイ上面43aと接触する。そして、ローラ型清掃部材90の移動に伴い、清掃ローラ920は、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する面にて摩擦が生じる。したがって、清掃ローラ920は、固定された清掃軸910に回転可能に保持されているため、この摩擦により回転する。
【0056】
そして、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する面は、清掃ローラ920が回転することにより変化する。例えば、図10(a)の実線および破線で示すように、清掃ローラ920は、自身の回転により、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する面が、接触面920aから接触面920bへと変化する。このように、ロッドレンズアレイ43を接触する面が変化するため、ロッドレンズアレイ上面43aをクラウドトナーCTが付着していない面で清掃する構成となる。そのため、第2の実施形態は、本構成を採用しない場合に比べて、清掃効率が向上する。
【0057】
また、本実施形態では、感光体モジュール100が装着された状態においても、パット型清掃部材70と同様に、ローラ型清掃部材90は、ロッドレンズアレイ43よりもリア側Rに配置される。すなわち、ローラ型清掃部材90は、清掃軸910と清掃ローラ920とがLPH凸部461の清掃部材受面461bに沿うようにして置かれる。これにより、画像形成装置1が画像形成する際に、ロッドレンズアレイ43の感光体ドラム12に対する光照射を妨げない。
【0058】
さらに、本実施形態では、清掃軸910の取付凹部911からローラ回転軸921を引き抜き、清掃ローラ920を容易に取外すことができる。そのため、ローラ型清掃部材90においても、清掃後に汚れが付着した清掃ローラ920を容易に交換できる構成となる。
【0059】
また、ローラ型清掃部材90を揺動可能に設ける構成としてもよい。これにより、ローラ型清掃部材90は、感光体モジュール100を着脱する際にLPH14が移動する構成においても、ロッドレンズアレイ上面43aと接触してロッドレンズアレイ上面43aを清掃する。
なお、本実施形態と同様に、感光体モジュール100を着脱する際にLPH14が移動しない構成においては、ローラ型清掃部材90の揺動に伴い、清掃ローラ920がロッドレンズアレイ上面43aに接触しないことや、接触により揺動しないことが生じ得る。
そのため、清掃軸910は、図10(b)に示すように、軸方向に長い空洞912を有し、清掃軸を揺動可能に支持する清掃ピン913を差込み、清掃軸910が空洞912に沿って軸方向に動く構成とする。
【0060】
ここで、本実施形態と同様に、感光体モジュール100を着脱する際にLPH14が移動しない構成においても、パット型清掃部材70を設けてもよい。この場合、上述した様に、清掃パット720がロッドレンズアレイ上面43aに接触しないことや、接触により揺動しないことが生じ得る。そのため、清掃軸710に軸方向に長い空洞を設けて、清掃軸710が空洞に沿って軸方向に動く構成とする。
また、清掃軸710に空洞を設ける構成ではなく、清掃パット720の代わりに弾力性のあるスポンジやはたきなど、ロッドレンズアレイ上面43aと接触する際に変形してパット型清掃部材70が滞りなく揺動するものを採用してもよい。
【0061】
このように、感光体モジュール100とは別途設けられ、ユーザが意識的に清掃部材を用いて光照射面を清掃する必要がある従来の構成とは異なるものである。すなわち、清掃部材の一例であるパット型清掃部材70およびローラ型清掃部材90は、ユーザが意識しなくても、感光体ドラム12を交換する際に、感光体モジュール100を着脱することに伴ってロッドレンズアレイ上面43aが清掃される。
したがって、ユーザがロッドレンズアレイ上面43aの清掃を忘れている場合や、清掃手段の存在を認知していない場合でも、ロッドレンズアレイ上面43aは、感光体ドラム12の交換時には清掃されることとなる。もちろん、ユーザは、感光体ドラム12の交換に関わらず、感光体モジュール100を抜差しすることでロッドレンズアレイ上面43aを清掃してもよい。
【0062】
なお、本実施形態においては、清掃部材として、パット型清掃部材70およびローラ型清掃部材90について説明した。しかし、清掃部材は、これらに限られるものではなく、被清掃部材との接触面が変わるような構成であればよく、他の態様であっても構わない。
【0063】
また、本実施形態では、光照射面の一例としてLPH14のロッドレンズアレイ上面43aを清掃する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、画像形成装置としては、LPH14以外の光源であってもその光源からの光を射出する光射出面を清掃するように構成すればよい。
【符号の説明】
【0064】
1…画像形成装置、11…画像形成ユニット、100…感光体モジュール、12…感光体ドラム、14…LPH、70…パット型清掃部材、90…ローラ型清掃部材
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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図10