(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジンの駆動力が、断接機構を介して遠心振子ダンパが連絡された動力伝達軸と変速機構とを介して駆動輪側に伝達される遠心振子ダンパ付きパワートレインを制御する制御装置であって、
前記断接機構の断接制御を行う断接制御手段と、
前記変速機構の変速制御を行う変速制御手段と、
該変速制御手段による変速制御中は、前記断接制御手段による断接制御を抑制する断接抑制手段と、を備える
ことを特徴とする遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載の先行技術では、変速制御の実行中に断接機構が接続されると、遠心振子ダンパの慣性モーメント(イナーシャ)が動力伝達軸に負荷モーメントとして加わり、動力伝達軸の慣性モーメントが急激に増加するため、この慣性モーメントの変化に変速制御が対応しきれずに、変速動作が長期化するおそれがある。一方で、変速制御の実行中に断接機構が遮断されると、動力伝達軸に負荷モーメントとして加わっていた遠心振子ダンパの慣性モーメントがなくなり、動力伝達軸の慣性モーメントが急激に減少するため、変速ショックが発生するおそれがある。
【0008】
本発明は、遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置に関する上述のような実情に鑑みてなされたもので、変速機構の変速制御の実行中に断接機構が断接されることによる変速性能の低下を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置は、次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
エンジンの駆動力が、断接機構を介して遠心振子ダンパが連絡された動力伝達軸と変速機構とを介して駆動輪側に伝達される遠心振子ダンパ付きパワートレインを制御する制御装置であって、
前記断接機構の断接制御を行う断接制御手段と、
前記変速機構の変速制御を行う変速制御手段と、
該変速制御手段による変速制御中は、前記断接制御手段による断接制御を抑制する断接抑制手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置において、
前記断接抑制手段は、前記変速制御手段によって前記変速機構の変速比を所定以上変化させる変速制御を行うときに前記断接制御手段による断接制御を抑制する
ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置において、
前記変速機構は、変速比を段階的に変化させる有段変速制御を行うことができるように構成され、
前記断接抑制手段は、前記変速制御手段によって変速段を2段以上変化させる有段変速制御を行うときに前記断接制御手段による断接制御を抑制する
ことを特徴とする。
【0013】
なお、「変速機構」は、変速比を段階的に切り替える機構を備えた有段の変速機構のみならず、変速比を連続的に変化させる機構を備えた無段の変速機構(CVT)も含むものとする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置において、
前記変速機構は、変速比を段階的に変化させる有段変速制御を行うことができるように構成され、
前記断接抑制手段は、変速制御の実行中のイナーシャフェーズのときに前記断接制御手段による断接制御を抑制する
ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置において、
前記断接抑制手段は、少なくとも前記変速制御手段によってエンジンの過回転防止のための変速制御を行うときには前記断接制御手段による断接制御を抑制する
ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から5のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置において、
前記断接抑制手段は、少なくとも前記変速制御手段によってエンジンストール防止のための変速制御を行うときには前記断接制御手段による断接制御を抑制する
ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1から6のいずれか1項に記載の遠心振子ダンパ付きパワートレインの制御装置において、
前記断接抑制手段による断接制御の抑制は、前記断接制御手段による断接制御を禁止することである
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
前記の構成により、請求項1に記載の発明によれば、変速制御手段による変速制御中は、断接抑制手段が断接制御手段による断接制御を抑制するので、変速機構の変速制御の実行中は動力伝達軸の慣性モーメントの変化が抑制され、変速時間の長期化や変速ショックの発生を防止することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明によれば、断接抑制手段は、変速制御手段によって変速機構の変速比を所定以上変化させる変速制御を行うときに断接制御手段による断接制御を抑制するので、変速時間の長期化や変速ショックが比較的発生し易い変速比の変化が所定以上の場合にのみ断接制御を抑制すると共に、変速時間の長期化や変速ショックが比較的発生し難い変速比の変化が所定未満の場合には断接制御を行うことで、変速性能の低下を防止しながら断接制御の制御性が犠牲にされることが少なくなる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明によれば、変速機構は、変速比を段階的に変化させる有段変速制御を行うことができるように構成され、断接抑制手段は、変速制御手段によって変速段を2段以上変化させる有段変速制御を行うときに断接制御手段による断接制御を抑制するので、変速時間の長期化や変速ショックが比較的発生し易い変速段の変化が2段以上の場合にのみ断接制御を抑制すると共に、変速時間の長期化や変速ショックが比較的発生し難い変速段の変化が1段の場合には断接制御を行うことで、変速性能の低下を防止しながら断接制御の制御性が犠牲にされることが少なくなる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明によれば、断接抑制手段は、変速制御の実行中のイナーシャフェーズのときに断接制御手段による断接制御を抑制するので、例えば、変速制御と断接制御が並行して開始された場合に、変速制御がイナーシャフェーズ(変速動作)に入ったときに、その変速動作の完了まで断接制御の実行を中断する、又は、イナーシャフェーズ中に断接指令が出力されたときに、その指令を無視する或いはイナーシャフェーズの終了まで断接制御の開始を待たせる、等することにより、慣性モーメントの変化が直接的に変速性能に影響するイナーシャフェーズにおいて慣性モーメントの変化が抑制され、変速性能の低下を防止することができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明によれば、断接抑制手段は、変速制御手段によってエンジンの過回転(以下、「オーバレブ」という。)防止のための変速制御を行うときに断接制御手段による断接制御を抑制するので、特に断接手段を接続する制御を抑制する場合には、慣性モーメントの増加による変速時間の長期化が生じず、エンジンのオーバレブを素早く確実に防止することができる。また、断接手段を切断する制御を抑制する場合には、慣性モーメントの減少による変速ショックを防止しながらエンジンのオーバレブを防止することができる。更に、オーバレブ防止以外の目的で変速制御を行うときにも断接制御を抑制する場合には、断接制御の制御性が犠牲にされることがより少なくなる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明によれば、断接抑制手段は、変速制御手段によってエンジンストール(以下、「エンスト」という。)防止のための変速制御を行うときに断接制御手段による断接制御を抑制するので、変速時間の長期化が生じず、エンストを素早く確実に防止することができる。また、断接制御手段によって断接手段を切断する制御を抑制する場合には、変速ショックを防止しながらエンストを防止することができる。更に、エンスト防止以外の目的で変速制御を行うときにも断接制御を抑制する場合には、断接制御の制御性が犠牲にされることがより少なくなる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明によれば、断接制御の抑制として、その断接制御を禁止するので、変速制御の実行中は動力伝達軸の慣性モーメントの変化を無くすことができ、変速性能の低下をより確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遠心振子ダンパ付きパワートレイン10(以下、単に「パワートレイン10」という。)の構成を示す骨子図である。
図1に示すように、このパワートレイン10は、エンジン1と、該エンジン1の駆動力を駆動輪2に伝達する自動変速機3の変速機構3aと、エンジン1の出力軸1aと変速機構3aの入力軸3bとの間を連絡するねじりダンパ機構4と、変速機構3aの入力軸3bに連絡された遠心振子ダンパ機構5と、を備える。
【0028】
自動変速機3は、複数の摩擦締結要素を選択的に締結することによって変速比を段階的に切り替える変速機構3aを備えた有段変速機である。なお、自動変速機3は、変速比を連続的に変化させる変速機構を備えた無段の自動変速機(CVT)であってもよい。また、ねじりダンパ機構4に対して、代替的又は付加的にトルクコンバータが設けられていてもよい。
【0029】
ねじりダンパ機構4は、出力軸1aに並列に連絡された第1ばね部材4a及び第2ばね部材4bを備える。これにより、出力軸1aの回転がばね部材4a、4bを介して入力軸3b側に伝達されるようになっている。なお、本実施形態の「入力軸3b」は、請求項1における「動力伝達軸」に相当する。
【0030】
遠心振子ダンパ機構5は、入力軸3bの回転を増速する増速機構である遊星歯車セット12と、該遊星歯車セット12を介して入力軸3bに連絡された遠心振子ダンパ13と、入力軸3bから遊星歯車セット12への動力伝達を断接可能な断接機構であるクラッチ機構14と、を備える。なお、クラッチ機構14は、遊星歯車セット12と遠心振子ダンパ13との間に設けられてもよい。
【0031】
遊星歯車セット12は、シングルピニオンタイプであり、回転要素として、サンギヤ21と、リングギヤ23と、サンギヤ21及びリングギヤ23に噛み合うピニオン22を支持するピニオンキャリヤ24(以下、単に「キャリヤ24」と略記する。)と、を有する。
【0032】
そして、この遊星歯車セット12のキャリヤ24には入力軸3bがクラッチ機構14を介して連絡されると共に、サンギヤ21には遠心振子ダンパ13が連絡されている。また、リングギヤ23には変速機ケース3dが連結されることでその回転が制止されている。
【0033】
遠心振子ダンパ13は、遊星歯車セット12のサンギヤ21に連結された図示しない支持部材と、該支持部材にその軸心から所定半径の円周上の点を中心として揺動可能に支持された質量体である図示しない振子と、を備えている。遠心振子ダンパ13は、トルク変動によって振子が揺動すれば、振子に作用する遠心力を受ける支持部材に周方向の分力が発生し、この分力が支持部材のトルク変動を抑制する反トルクとして働く結果、入力軸3bのねじり振動を吸収できるように構成されている。
【0034】
クラッチ機構14は、図示しないクラッチハブ及びクラッチドラムと、該クラッチハブ及びクラッチドラムに交互に係合された図示しない複数の摩擦板と、該摩擦板を押圧する図示しないピストンと、を備えている。クラッチ機構14は、ピストンの背面側に設けられた油圧室に供給する締結用油圧を制御することによって、締結度合いが変化する、すなわち締結、解放又はスリップ状態に切り替わるように構成されている。
【0035】
ここで、上述のパワートレイン10の作用について説明する。
【0036】
まず、エンジン1が駆動されると、その動力はねじりダンパ機構4に伝達され、このとき、エンジン1のトルク変動は、ねじりダンパ機構4によってある程度は吸収される。このねじりダンパ機構4に伝達された動力の一部は、更に変速機構3aの入力軸3bから遠心振子ダンパ機構5に伝達される。遠心振子ダンパ機構5のクラッチ機構14が締結されると、このクラッチ機構14を介して入力軸3bから遊星歯車セット12へ動力が伝達される。このとき、遊星歯車セット12のリングギヤ23の回転が変速機ケース3dによって制止されているので、入力軸3bと連結されたキャリヤ24の回転に伴って、サンギヤ21が回転する。サンギヤ21の回転は、キャリヤ24の回転に対して、サンギヤ21に対するキャリヤ24の歯数比に応じて増速される。遠心振子ダンパ13は、増速されたサンギヤ21の回転数で駆動される。このとき、ねじりダンパ機構4で吸収しきれなかったトルク変動が遠心振子ダンパ13で吸収される。
【0037】
また、本実施形態おけるパワートレイン10には、エンジン1の出力軸1aの回転数を検出するエンジン回転数センサ101と、変速機構3aの入力軸3bの回転数を検出する変速機構入力軸回転数センサ102(以下、「変速機構入力軸回転数」を単に「入力軸回転数」という。)と、変速機構3aの出力軸3cの回転数を検出する車速センサ103と、遠心振子ダンパ13の回転数を検出する振子回転数センサ104と、がそれぞれ設けられている。これら回転数センサ101〜104として、例えば、ピックアップコイル型、ホール素子型、磁気抵抗素子型等の磁気センサを用いることができる。
【0038】
更に、上述のように構成されるパワートレイン10には、エンジン1、自動変速機3及び遠心振子ダンパ機構5のクラッチ機構14等、パワートレイン10に関係する構成を総合的に制御するコントロールユニット100(
図1には図示しない)が設けられている。なお、コントロールユニット100は、マイクロコンピュータを主要部として構成されている。
【0039】
次に、
図2を参照しながら、コントロールユニット100によって構成されたパワートレイン10の制御システムについて説明する。
【0040】
図2は、パワートレイン10の制御システム図である。
図2に示すように、コントロールユニット100には、エンジン回転数センサ101、入力軸回転数センサ102、車速センサ103、振子回転数センサ104、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ105、シフトレバーの操作位置を検出するレンジセンサ106等からの信号が入力されるように構成されている。
【0041】
また、コントロールユニット100は、上述の各種センサ等からの入力信号に基づき、エンジン1に対して制御信号を出力するエンジン制御部110と、変速指令に基づいて自動変速機3に変速比を変更する制御信号を出力する変速制御部120と、変速制御部120による変速制御を抑制する変速抑制部130と、断接指令に基づいてクラッチ機構14に締結度合いを制御する制御信号を出力する断接制御部140と、を備える。
【0042】
エンジン制御部110は、エンジン1の燃料噴射制御、点火制御を行うことができる。なお、エンジン制御部110は、気筒数制御等も行ってもよい。
【0043】
変速制御部120は、車速センサ103、アクセル開度センサ105、レンジセンサ106等からの入力信号に基づいて、変速機構3aの変速段(変速比)を変更する変速制御を行う。すなわち、変速制御部120は、現在の車速、アクセル開度から図示しない変速マップに従って決定された所望の変速段に変更する変速指令を出力し、この変速指令に基づいて変速機構3aを所望の変速段に変更する制御を行う。
【0044】
断接制御部130は、エンジン回転数センサ101からの入力信号に基づいて、
図3に示された制御マップに従って断接指令を出力し、クラッチ機構14を接続状態又は切断状態に切り替える断接制御を行う。
【0045】
すなわち、断接制御部130は、エンジン回転数がN
1以下の低速域又はN
2(N
2>N
1)以上の高速域ではクラッチ機構14を切断状態で維持し、エンジン回転数がN
1からN
2までの中速域ではクラッチ機構14を接続状態に維持するように制御を行う。また、断接制御部130は、エンジン回転数が低速域から中速域まで上昇中に回転数N
1に達した時、又は高速域から中速域まで下降中に回転数N
2に達した時、クラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替える接続指令をコントロールユニット100内の内部指令として出力し、この接続指令に基づいてクラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替えるように制御を行う。更に、断接制御部130は、エンジン回転数が中速域から低速域まで下降中に回転数N
1に達した時、又は中速域から高速域まで上昇中に回転数N
2に達した時、クラッチ機構14を接続状態から切断状態に切り替える切断指令をコントロールユニット100内の内部指令として出力し、この切断指令に基づいてクラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替えるように制御を行う。
【0046】
ここで、エンジン回転数N
1には、アイドリング回転よりも高い回転数が設定されている。また、エンジン回転数N
2には、オーバレブとなる回転数よりも低く、増速機構によって増速された遠心振子ダンパが著しく高速回転となってその信頼性に影響を及ぼす懸念のある回転数が設定されている。なお、クラッチ機構14が摩擦クラッチである場合、クラッチ機構14の接続とは「締結」を意味し、切断とは「解放」を意味する。
【0047】
断接抑制部140は、前述の断接制御部130に設けられており、断接指令の出力から断接完了までの期間と変速指令の出力から変速完了までの期間とが少なくとも一部で互いに重なるとき、変速制御部120による変速制御を実行すると共に、断接制御部130による断接制御を抑制するように構成されている。ここでいう、断接制御の「抑制」には、断接制御自体を禁止する場合、クラッチ機構14を接続状態又は切断状態からスリップ状態に切り替える場合等が含まれる。
【0048】
したがって、断接制御部130及び断接抑制部140によって制御されるクラッチ機構14は、通常は、制御マップに従って接続状態又は切断状態に切り替えられるが、断接指令の出力から断接完了までの期間と変速指令の出力から変速完了までの期間とが少なくとも一部で互いに重なる場合には、接続状態又は切断状態がそのまま維持されるか、接続状態又は切断状態からスリップ状態に切り替えられる。
【0049】
なお、上述の変速指令又は断接指令の出力とは、条件成立等によってコントロールユニット100内で変速指令又は断接指令が生成されることを意味し、変速制御部120又は断接制御部130から自動変速機3やクラッチ機構14等の外部へ出力されるものではない。
【0050】
(パワートレインの制御方法)
パワートレイン10は、コントローラユニット100によって、例えば、
図4に示すフローチャートに従って制御される。
【0051】
まず、
図4に示すように、ステップS1では、各種センサから出力された信号を読み込み、次のステップS2では、変速制御部120から変速指令が出力されているか否かを判定する。
【0052】
ステップS2において変速指令が出力されていると判定されると、ステップS3では、読み込まれた信号に基づいて、断接指令が出力されているか否かを判定する。
【0053】
ステップS3において断接指令が出力されていると判定されると、ステップS4では、断接抑制部140によって断接抑制が開始され、断接指令を無視する或いは変速終了まで断接制御の開始を待たせることにより、変速制御部120による変速制御が実行されると共に、断接制御部130による断接制御が抑制される。
【0054】
次に、ステップS5では、変速制御が終了したか否かが判定される。ステップS5において変速制御が終了したと判定されると、次のステップS6では、断接抑制部140によって断接抑制が終了され、無視されていた断接指令に基づいて或いは変速終了まで開始を待たせていた断接制御部130による断接制御の実行が開始される。
【0055】
一方で、ステップS3において、断接指令が出力されていないと判定されると、次のステップS7では、変速制御部120による変速制御のみが実行される。
【0056】
また、一方で、ステップS2において変速指令が出力されていないと判定されると、次にステップS8で、断接指令が出力されているか否かを判定する。ステップS8において断接指令が出力されていると判定されると、次のステップS9で、変速制御の終了を待たずに、断接制御部130による断接制御が実行される。
【0057】
この場合におけるパワートレイン10の具体的動作について、
図5、
図6に示すタイムチャートを参照しながら説明する。なお、
図5は変速制御としてアップシフトを行う場合、
図6はダウンシフトを行う場合の例をそれぞれ示す。
【0058】
図5に示すように、時刻0において、クラッチ機構14が切断状態であり、変速機構3aが変速制御の実行中ではなく、入力軸回転数が上昇中に、時刻t1において、変速制御部120から変速機構3aをアップシフトさせる変速指令が出力され、該変速指令に基づいて変速機構3aの変速制御が実行開始されるのに伴い、断接抑制部140による断接抑制も開始される。次に、時刻t2において、クラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替える接続指令が出力されるが、変速制御の実行中はクラッチ機構14の断接が抑制されているため、クラッチ機構14は切断状態を維持する、又はスリップ状態に切り替えられる。次に、時刻t3において、変速機構3aの変速制御が終了するのに伴い、断接抑制が終了するため、クラッチ機構14が接続状態に切り替えられ、時刻t4において、クラッチ機構14の接続が完了する。
【0059】
なお、
図5に破線で比較例として示すように、時刻t2において、接続指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態に切り替えられた場合、入力軸3bと遠心振子ダンパ機構5がクラッチ機構14によって連結されて、変速制御の実行中に入力軸3bの慣性モーメントが増大することになるため、変速時間が長期化する。
【0060】
したがって、アップシフトさせる変速制御の実行中に接続指令が出力された場合、上述のように断接抑制を行うことで、慣性モーメントの増加による変速時間の長期化を防止することができる。なお、ダウンシフトさせる変速制御の実行中に接続指令が出力された場合にも同様に断接抑制を行うことで、上述の効果を得ることができる。
【0061】
また、
図6に示すように、時刻0において、クラッチ機構14が接続状態であり、変速機構3aが変速制御の実行中ではなく、入力軸回転数が下降中に、時刻t11において、変速制御部120から変速機構3aをダウンシフトさせる変速指令が出力され、該変速指令に基づいて変速機構3aの変速制御が実行開始されるのに伴い、断接抑制部140による断接抑制も開始される。次に、時刻t12において、クラッチ機構14を接続状態から切断状態に切り替える切断指令が出力されるが、変速制御の実行中はクラッチ機構14の断接が抑制されているため、クラッチ機構14は接続状態を維持する、又はスリップ状態に切り替えられる。次に、時刻t13において、変速機構3aの変速制御が終了するのに伴い、断接抑制が終了するため、クラッチ機構14が切断状態に切り替えられ、時刻t14において、クラッチ機構14の切断が完了する。
【0062】
なお、
図6に破線で比較例として示すように、時刻t12において、切断指令に基づいてクラッチ機構14が切断状態に切り替えられた場合、入力軸3bと遠心振子ダンパ機構5との連結がクラッチ機構14によって切断されて、変速制御の実行中に入力軸3bの慣性モーメントが減少することになるため、変速時間が短くなり、変速ショックが発生するおそれがある。
【0063】
したがって、ダウンシフトさせる変速制御の実行中に切断指令が出力された場合、上述のように断接抑制を行うことで、慣性モーメントの減少による変速ショックの発生を防止することができる。なお、アップシフトさせる変速制御の実行中に切断指令が出力された場合にも、同様に断接抑制を行うことで上述の効果を得ることができる。
【0064】
(第2の実施形態)
次に、
図7を参照しながら、第2の実施形態に係るパワートレイン10を制御するコントローラユニット100による制御方法について説明する。なお、以下の説明では、上述の第1の実施形態の制御方法と共通するステップについては、説明を省略する。
【0065】
図7のフローチャートは、上述の
図4のフローチャートとは、断接抑制を開始する条件が異なる。すなわち、ステップS13において断接指令が出力されていると判定されると、次にステップS14では、変速指令が変速段を2段以上変化させるものであるか否かが判定される。
【0066】
ステップS14において変速指令が変速段を2段以上変化させるものであると判定されると、断接抑制が開始される一方で、変速指令が変速段を2段以上変化させるものではない、すなわち変速指令が変速段を1段変化させるものであると判定されると、ステップS18では、変速制御が行われ、次にステップS19で、この変速制御の終了を待たずに断接制御が行われる。
【0067】
なお、ステップS14では、断接抑制を開始する条件として、変速指令が変速比を所定値以上変化させるものであるか否かを判定してもよい。
【0068】
この場合におけるパワートレイン10の具体的動作について、
図8に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
【0069】
図8に示すように、時刻0において、クラッチ機構14が切断状態であり、変速機構3aが変速制御の実行中ではなく、入力軸回転数が上昇中に、時刻t21において、変速制御部120から変速機構3aを2段以上アップシフトさせる変速指令が出力され、該変速指令に基づいて変速機構3aの変速制御が実行開始されるのに伴い、断接抑制部140による断接抑制も開始される。次に、時刻t22において、クラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替える接続指令が出力されるが、変速制御の実行中はクラッチ機構14の断接が抑制されているため、クラッチ機構14は切断状態を維持する、又はスリップ状態に切り替えられる。次に、時刻t23において、変速機構3aの変速制御が終了するのに伴い、断接抑制が終了するため、クラッチ機構14が接続状態に切り替えられ、時刻t24において、クラッチ機構14の接続が完了する。
【0070】
なお、
図8に破線で比較例として示すように、時刻t22において、接続指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態に切り替えられた場合、入力軸3bと遠心振子ダンパ機構5がクラッチ機構14によって連結されて、変速制御の実行中に入力軸3bの慣性モーメントが急激に増大することになるため、変速時間が長期化する。
【0071】
したがって、2段以上アップシフトさせる変速制御の実行中に接続指令が出力された場合、上述のように断接抑制を行うことで、慣性モーメントの急激な増加による変速時間の長期化を防止することができる。なお、2段以上ダウンシフトさせる変速制御の実行中に接続指令が出力された場合にも同様に断接抑制を行うことで、上述の効果を得ることができる。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、
図9を参照しながら、第3の実施形態に係るパワートレイン10を制御するコントローラユニット100による制御方法について説明する。なお、以下の説明では、上述の第1の実施形態の制御方法と共通するステップについては、説明を省略する。
【0073】
図9のフローチャートは、上述の
図4のフローチャートとは、断接抑制を開始する条件が異なる。すなわち、ステップS33において断接指令が出力されていると判定されると、次にステップS34では、現在の変速がイナーシャフェーズ(変速動作)であるか否かが判定される。
【0074】
ステップS34において現在の変速がイナーシャフェーズであると判定されると、断接抑制が開始される一方で、現在の変速がイナーシャフェーズではない、すなわち現在の変速がトルクフェーズであると判定されると、ステップS38では、変速制御が行われ、次にステップS39で、この変速制御の終了を待たずに断接制御が行われる。
【0075】
この場合におけるパワートレイン10の具体的動作について、
図10に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
【0076】
図10に示すように、時刻0において、クラッチ機構14が切断状態であり、自動変速機3が変速制御の実行中ではなく、入力軸回転数が上昇中に、時刻t31において、変速制御部120から変速機構3aをアップシフトさせる変速指令が出力され、該変速指令に基づいて変速機構3aの変速制御が実行開始される。次に、時刻t32において、変速がトルクフェーズからイナーシャフェーズに移行するのに伴い、断接抑制部140による断接抑制も開始される。次に、変速がイナーシャフェーズである時刻t33において、クラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替える接続指令が出力されるが、イナーシャフェーズではクラッチ機構14の断接が抑制されているため、クラッチ機構14は切断状態を維持する、又はスリップ状態に切り替えられる。次に、時刻t34において、変速機構3aの変速制御が終了するのに伴い、断接抑制が終了するため、クラッチ機構14が接続状態に切り替えられ、時刻t35において、クラッチ機構14の接続が完了する。
【0077】
なお、
図10に破線で比較例として示すように、時刻t33において、接続指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態に切り替えられた場合、入力軸3bと遠心振子ダンパ機構5がクラッチ機構14によって連結されて、特に入力軸3bの慣性モーメントが影響するイナーシャフェーズ中に入力軸3bの慣性モーメントが増大することになるため、変速時間が長期化する。
【0078】
したがって、変速がイナーシャフェーズにある間に接続指令が出力された場合、上述のように、クラッチ機構14を切断状態に維持することで慣性モーメントの変化を無くす、又はクラッチ機構14をスリップ状態に切り替えることで慣性モーメントの増加を抑制することができるので、慣性モーメントの増加による変速時間の長期化を防止することができる。なお、変速がイナーシャフェーズにある間に切断指令が出力された場合には、断接抑制を行うことで、慣性モーメントの急激な減少による変速ショックが発生するのを防止することができる。
【0079】
(第4の実施形態)
次に、
図11を参照しながら、第4の実施形態に係るパワートレイン10を制御するコントローラユニット100による制御方法について説明する。なお、以下の説明では、上述の第1の実施形態の制御方法と共通するステップについては、説明を省略する。
【0080】
ここで、第4の実施形態に係るパワートレイン10を構成する自動変速機3は、変速比を無段階に変更可能な無段変速機(CVT)であり、走行状態に応じて変速比を自動的に変化させる自動変速モードと、運転者の手動操作によって変速比を段階的に切り替える手動変速モードと、を有し、手動変速モード用に複数の変速段が予め設定されている。また、コントローラユニット100には、自動変速機3が手動変速モード時に運転者が手動操作によって変速比を段階的に高速側に切り替えるためのシフトアップスイッチ、及び自動変速機3が手動変速モード時に運転者が手動操作によって変速比を段階的に低速側に切り替えるためのシフトダウンスイッチ等からの信号が入力されるように構成されている。
【0081】
図11のフローチャートは、上述の
図4のフローチャートとは、断接抑制を開始する条件が異なる。すなわち、ステップS53において断接指令が出力されていると判定されると、次にステップS54では、変速指令がオーバレブ又はエンストを防止するものであるか否かが判定される。
【0082】
ステップS54において変速指令がオーバレブ又はエンストを防止するものであると判定されると、断接抑制が開始される一方で、変速指令が変速段をオーバレブ又はエンストを防止するものではないと判定されると、ステップS58では、変速制御が行われ、次にステップS59で、この変速制御の終了を待たずに断接制御が行われる。
【0083】
この場合におけるパワートレイン10の具体的動作について、
図12、
図13に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
【0084】
図12に示すように、時刻0において、クラッチ機構14が接続状態であり、自動変速機3が手動変速モードに設定され、変速制御が実行中ではなく、入力軸回転数が上昇中に、時刻t41において、
図3で示したように、エンジン回転数がN
2に達すると、断接制御部130から切断指令が出力され、該切断指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態から切断状態に切り替えられる。次に、手動操作がないまま、時刻t42において、エンジン回転数が上限値N
maxに達すると、変速制御部120から自動変速機3をオーバレブ防止のためにアップシフトさせる変速指令が出力され、該変速指令に基づいて変速機構3aの変速制御が実行開始されるのに伴い、断接抑制部140による断接抑制も開始される。次に、時刻t43において、クラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替える接続指令が出力されるが、変速終了までクラッチ機構14の断接が抑制されているため、クラッチ機構14は切断状態を維持する、又はスリップ状態に切り替えられる。次に、時刻t44において、変速機構3aの変速制御が終了するのに伴い、断接抑制が終了するため、クラッチ機構14が接続状態に切り替えられ、時刻t45において、クラッチ機構14の接続が完了する。
【0085】
なお、
図12に破線で比較例として示すように、時刻t43において、接続指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態に切り替えられた場合、入力軸3bと遠心振子ダンパ機構5がクラッチ機構14によって連結されて、変速制御の実行中に入力軸3bの慣性モーメントが増大することになるため、変速時間が長期化する。
【0086】
したがって、オーバレブ防止のための変速制御の実行中に接続指令が出力された場合、上述のように断接抑制を行うことで、慣性モーメントの急激な増加による変速時間の長期化を防止することができる。
【0087】
また、
図13に示すように、時刻0において、クラッチ機構14が接続状態であり、自動変速機3が手動変速モードに設定され、変速制御が実行中ではなく、入力軸回転数が下降中に、時刻t51において、
図3で示したように、エンジン回転数がN
1に達すると、断接制御部130から切断指令が出力され、該切断指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態から切断状態に切り替えられる。次に、手動操作がないまま、時刻t52において、エンジン回転数が下限値N
minに達すると、変速制御部120から自動変速機3をエンスト防止のためにダウンシフトさせる変速指令が出力され、該変速指令に基づいて変速機構3aの変速制御が実行開始されるのに伴い、断接抑制部140による断接抑制も開始される。次に、時刻t53において、クラッチ機構14を切断状態から接続状態に切り替える接続指令が出力されるが、変速終了までクラッチ機構14の断接が抑制されているため、クラッチ機構14は切断状態を維持する、又はスリップ状態に切り替えられる。次に、時刻t54において、変速機構3aの変速制御が終了するのに伴い、断接抑制が終了するため、クラッチ機構14が接続状態に切り替えられ、時刻t55において、クラッチ機構14の接続が完了する。
【0088】
なお、
図13に破線で比較例として示すように、時刻t53において、接続指令に基づいてクラッチ機構14が接続状態に切り替えられた場合、入力軸3bと遠心振子ダンパ機構5がクラッチ機構14によって連結されて、変速制御の実行中に入力軸3bの慣性モーメントが増大することになるため、変速時間が長期化する。
【0089】
したがって、エンスト防止のための変速制御の実行中に接続指令が出力された場合、上述のように断接抑制を行うことで、慣性モーメントの急激な増加による変速時間の長期化を防止することができる。
【0090】
以上の構成により、第1の実施形態によれば、変速制御部120による変速制御を実行中に断接条件が成立した場合、変速制御部120による変速制御が完了するまで、断接制御部130による断接制御を抑制する断接抑制部140を備えるので、変速機構3aの変速制御の実行中は入力軸3bの慣性モーメントの変化が抑制され、変速機構3aに供給される油圧を精度良く制御することができ、変速時間の長期化や変速ショックの発生を防止することができる。したがって、本発明によれば、変速機構3aの変速制御の実行中に断接機構が断接されることによる変速性能の低下を防止することができる。
【0091】
また、第2の実施形態によれば、変速機構3aは、変速比を段階的に変化させる有段変速制御を行うことができるように構成され、断接抑制部140は、変速制御部120によって変速段を2段以上変化させる有段変速制御を行うときに断接制御部130による断接制御を抑制するので、変速時間の長期化や変速ショックが比較的発生し易い変速比の変化が2段以上の場合にのみ断接制御を抑制すると共に、変速時間の長期化や変速ショックが比較的発生し難い変速比の変化が1段の場合には断接制御を行うことで、変速性能の低下を防止しながら断接制御の制御性を向上させることができる。
【0092】
また、第2の実施形態において、断接抑制部140が、変速制御部120によって変速機構3aの変速比を所定以上変化させる変速制御を行うときに断接制御部130による断接制御を抑制する場合にも、上述と同様の効果を実現することができる。
【0093】
また、第3の実施形態によれば、断接抑制部140は、変速制御の実行中のイナーシャフェーズのときに断接制御部130による断接制御を抑制するので、慣性モーメントの変化が直接的に変速性能に影響するイナーシャフェーズにおいて慣性モーメントの変化が抑制され、変速性能の低下を防止することができる。
【0094】
また、第4の実施形態によれば、断接抑制部140は、変速制御部120によってエンジン1のオーバレブ防止のための変速制御を行うときに断接制御部130による断接制御を抑制するので、変速時間の長期化が生じず、エンジン1のオーバレブを素早く確実に防止することができる。
【0095】
また、第4の実施形態によれば、断接抑制部140は、変速制御部120によってエンスト防止のための変速制御を行うときに断接制御部130による断接制御を抑制するので、変速時間の長期化が生じず、エンストを素早く確実に防止することができる。
【0096】
また、第1乃至4の実施形態において、断接抑制部140が、断接制御部130による断接制御を禁止することで断接制御の抑制を行う場合、入力軸3bの慣性モーメントを一定にすることができ、変速性能の低下をより確実に防止することができる。
【0097】
本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
【0098】
例えば、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる(例えば、第2の実施形態と第3の実施形態の組み合わせ、第2の実施形態と第4の実施形態の組み合わせ、第3の実施形態と第4の実施形態の組み合わせ、第2の実施形態と第3の実施形態と第4の実施形態の組み合わせ等の)実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0099】
また、本実施形態では、断接機構としてクラッチ機構14を用いた例について記載したが、これに限定されず、例えば、遊星歯車セット12のリングギヤ23と変速機ケース3d間にブレーキ機構を断接機構として設けてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、駆動源として内燃機関からなるエンジン1を用いた例について記載したが、これに限定されず、例えば、エンジンに発電機を付設し、この発電機によって発電を行うと共に、加速時に発電機をモータとして利用してエンジンをアシストするように構成された所謂ハイブリッドエンジンを用いてもよい。
【0101】
更に、本実施形態では、トルコンレスの自動変速機3を搭載したパワートレインについて記載したが、これに限定されず、トルクコンバータを備えた自動変速機を搭載したものであってもよい。