(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サウンディング信号および第1の通信信号を送信するように構成された送信ユニットであって、前記サウンディング信号が、前記第1の通信信号に重畳される様式で送信されるとともに、前記サウンディング信号の送信に用いられる電力が、前記第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい、送信ユニットと、
入力信号を受信するように構成された受信ユニットであって、前記入力信号が、エコー信号および別の装置により送信された第2の通信信号を含み、前記エコー信号が、前記サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む、受信ユニットと、
前記近接場反射信号を前記エコー信号から分離するように構成された信号分離ユニットと、
前記近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成された、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニットと、
前記近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、前記第2の通信信号から前記再構成された近接場反射自己干渉信号を減算するように構成された、近接場反射自己干渉信号用の除去ユニットと
を備えた装置であって、
前記送信ユニットが、サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットで前記サウンディング信号を送信するとともに、前記サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットで前記サウンディング信号の送信を休止するように特に構成され、前記アイドルタイムスロットが、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む、装置。
前記送信ユニットが、前記第1の通信信号の送信に用いられる前記帯域よりも大きい帯域を用いて前記サウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の前記処理ユニットが、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために前記近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施するとともに、前記フィルタリングされた近接場反射信号に従って前記近接場反射チャネルパラメータを決定するように特に構成される、請求項2に記載の装置。
前記送信ユニットが、前記第1の通信信号の送信に用いられる前記帯域に等しい帯域を用いて前記サウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の前記処理ユニットが、高分解能遅延アルゴリズムを用いて前記近接場反射チャネルパラメータを決定するように特に構成される、請求項2に記載の装置。
前記送信ユニットが、無線全二重通信をサポートする隣接する装置によるサウンディング信号の送信のために用いられるタイムスロットとずらされるタイムスロットを用いて、前記サウンディング信号を送信するように特に構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
サウンディング信号および第1の通信信号を送信するように構成された送信アンテナであって、前記サウンディング信号が、前記第1の通信信号に重畳される様式で送信されるとともに、前記サウンディング信号の送信に用いられる電力が、前記第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい、送信アンテナと、
エコー信号を受信するように構成された受信アンテナであって、前記エコー信号が、前記サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む、受信アンテナと、
前記近接場反射信号を前記エコー信号から分離するように構成された信号セパレータと、
前記近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成された、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサと、
前記近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定するとともに、第2の通信信号から前記再構成された近接場反射自己干渉信号を減算するように構成された、近接場反射自己干渉信号用のキャンセラと
を備えた装置であって、
前記送信アンテナが、サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットで前記サウンディング信号を送信するとともに、前記サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットで前記サウンディング信号の送信を休止するように特に構成され、前記アイドルタイムスロットが、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む、装置。
前記送信アンテナが、前記第1の通信信号の送信に用いられる前記帯域よりも大きい帯域を用いて前記サウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の前記プロセッサが、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために前記近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施するとともに、前記フィルタリングされた近接場反射信号に従って前記近接場反射チャネルパラメータを決定するように特に構成される、請求項10に記載の装置。
前記送信アンテナが、前記第1の通信信号の送信に用いられる前記帯域に等しい帯域を用いて前記サウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の前記プロセッサが、高分解能遅延アルゴリズムを用いて前記近接場反射チャネルパラメータを決定するように特に構成される、請求項10に記載の装置。
前記送信アンテナが、無線全二重通信をサポートする隣接する装置によりサウンディング信号を送信するために用いられるタイムスロットとずらされるタイムスロットを用いて、前記サウンディング信号を送信するように特に構成される、請求項9から14のいずれか一項に記載の装置。
前記第1のサイレントタイムスロットの持続時間が、近接場反射チャネルの最大マルチパス遅延に等しく、前記第2のサイレントタイムスロットの値が、エコーマルチパス成分の遅延が前記第1のサイレントタイムスロットの前記持続時間と前記第2のサイレントタイムスロットの持続時間との合計を超えることを可能にし、前記エコーマルチパス成分の電力が、事前設定閾値よりも小さい、請求項17に記載の方法。
前記サウンディング信号の送信に用いられる帯域が、前記第1の通信信号の送信に用いられる前記帯域よりも大きいとき、前記近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定する前記ステップが、
フィルタリングされた近接場反射信号を得るために前記近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、前記フィルタリングされた近接場反射信号に従って前記近接場反射チャネルパラメータを決定するステップを含む、請求項19に記載の方法。
前記サウンディング信号の送信に用いられる帯域が、前記第1の通信信号の送信に用いられる前記帯域に等しいとき、前記近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定する前記ステップが、
高分解能遅延アルゴリズムを用いて前記近接場反射チャネルパラメータを決定するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、通信システムの自己干渉信号を低減するための方法および装置を提供し、それらは、近接場反射自己干渉信号の推定に用いられる近接場反射チャネルパラメータを決定し、近接場反射チャネルパラメータを用いて受信信号中の近接場自己干渉信号を低減させることができる。
【0005】
第1の態様によれば、本発明のある実施形態は、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するように構成された送信ユニットであって、サウンディング信号が、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディング信号の送信に用いられる電力が、第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい、送信ユニットと、入力信号を受信するように構成された受信ユニットであって、入力信号が、エコー信号および別の装置により送信された第2の通信信号を含み、エコー信号が、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む、受信ユニットと、近接場反射信号をエコー信号から分離するように構成された信号分離ユニットと、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニットであって、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成された処理ユニットと、近接場反射自己干渉信号用の除去ユニットであって、近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を第2の通信信号から減算するように構成された除去ユニットと、を含む装置を提供する。
【0006】
第1の態様を参照して、第1の可能な実施様式において、送信ユニットは、具体的に、サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信し、サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットでサウンディング信号の送信を休止するように構成され、アイドルタイムスロットは、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む。
【0007】
第1の態様または第1の可能な実施様式を参照して、第2の可能な実施様式において、送信ユニットは、具体的に、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいか等しい帯域を用いて、サウンディング信号を送信するように構成される。
【0008】
第2の可能な実施様式を参照して、第3の可能な実施様式において、送信ユニットが、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニットは、具体的に、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0009】
第2の可能な実施様式を参照して、第4の可能な実施様式において、送信ユニットが、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニットは、具体的に、フィルタリングされた複数の近接場反射信号を得るために複数の近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値を決定し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値により近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成され、または、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニットは、具体的に、複数の近接場反射信号に対応する平均近接場反射信号を決定し、フィルタリングされた平均近接場反射信号を得るために平均近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた平均近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0010】
第2の可能な実施様式を参照して、第5の可能な実施様式において、送信ユニットが、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニットは、具体的に、高分解能遅延アルゴリズムを用いて近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0011】
第1の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第6の可能な実施様式において、装置がマルチ入力マルチ出力MIMOをサポートするとき、送信ユニットは、具体的に、装置のマルチアンテナを用いてサウンディング信号を別々に送信するように構成され、マルチアンテナがサウンディング信号を別々に送信するタイムスロットは、相互にずらされる。
【0012】
第1の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第7の可能な実施様式において、送信ユニットは、具体的に、無線全二重通信をサポートする隣接する装置によるサウンディング信号の送信のために用いられるタイムスロットとずらされるタイムスロットを用いて、サウンディング信号を送信するように構成される。
【0013】
第1の態様または第1の可能な実施様式から第5の可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第8の可能な実施様式において、送信ユニットは、具体的に、M個のランダムサウンディングタイムスロットを用いてサウンディング信号を送信するように構成され、Mは、サウンディング信号に対応し、かつエコー信号を受信するためのコヒーレント累積時間内に無線全二重通信に対応する装置により累積される、近接場反射信号の平均量である。
【0014】
第2の態様によれば、本発明のある実施形態は、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するように構成された送信アンテナであって、サウンディング信号が、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディング信号の送信に用いられる電力が、第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい、送信アンテナと、エコー信号を受信するように構成された受信アンテナであって、エコー信号が、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む、受信アンテナと、近接場反射信号をエコー信号から分離するように構成された信号セパレータと、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサであって、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、近接場反射自己干渉信号用のキャンセラであって、近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を第2の通信信号から減算するように構成されたキャンセラと、を含む装置を提供する。
【0015】
第2の態様を参照して、第1の可能な実施様式において、送信アンテナは、具体的に、サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信し、サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットでサウンディング信号の送信を休止するように構成され、アイドルタイムスロットは、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む。
【0016】
第2の態様または第1の可能な実施様式を参照して、第2の可能な実施様式において、送信アンテナは、具体的に、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいか等しい帯域を用いて、サウンディング信号を送信するように構成される。
【0017】
第2の可能な実施様式を参照して、第3の可能な実施様式において、送信アンテナが、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサは、具体的に、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0018】
第2の可能な実施様式を参照して、第4の可能な実施様式において、送信アンテナが、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサは、具体的に、フィルタリングされた複数の近接場反射信号を得るために複数の近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値を決定し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値により近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成され、または、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサは、具体的に、複数の近接場反射信号に対応する平均近接場反射信号を決定し、フィルタリングされた平均近接場反射信号を得るために平均近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた平均近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0019】
第2の可能な実施様式を参照して、第5の可能な実施様式において、送信アンテナが、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサは、具体的に、高分解能遅延アルゴリズムを用いて近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0020】
第2の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第6の可能な実施様式において、装置がマルチ入力マルチ出力MIMOをサポートするとき、送信アンテナは、具体的に、装置のマルチアンテナを用いてサウンディング信号を別々に送信するように構成され、マルチアンテナがサウンディング信号を別々に送信するタイムスロットは、相互にずらされる。
【0021】
第2の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第7の可能な実施様式において、送信アンテナは、具体的に、無線全二重通信をサポートする隣接する装置によりサウンディング信号を送信するために用いられるタイムスロットとずらされるタイムスロットを用いて、サウンディング信号を送信するように構成される。
【0022】
第2の態様または第1の可能な実施様式から第5の可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第8の可能な実施様式において、送信アンテナは、具体的に、M個のランダムサウンディングタイムスロットを用いてサウンディング信号を送信するように構成され、Mは、サウンディング信号に対応し、かつエコー信号を受信するためのコヒーレント累積時間内に無線全二重通信に対応する装置により累積される、近接場反射信号の平均量である。
【0023】
第3の態様によれば、本発明のある実施形態は、通信システムの自己干渉信号を低減するための方法であって、方法が、無線全二重通信に対応する装置により実施され、方法は、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するステップであって、サウンディング信号が、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディング信号の送信に用いられる電力が、第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい、ステップと、入力信号を受信するステップであって、入力信号が、エコー信号および別の装置から受信された第2の通信信号を含み、エコー信号が、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む、ステップと、近接場反射信号をエコー信号から分離するステップと、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するステップと、近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を第2の通信信号から減算するステップと、を含む方法を提供する。
【0024】
第3の態様を参照して、第1の可能な実施様式において、サウンディング信号を送信するステップは、
サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信するステップを含み、方法は、サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットでサウンディング信号の送信を休止するステップであって、アイドルタイムスロットが、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む、ステップをさらに含む。
【0025】
第1の可能な実施様式を参照して、第2の可能な実施様式において、第1のサイレントタイムスロットの持続時間は、近接場反射チャネルの最大マルチパス遅延に等しく、第2のサイレントタイムスロットの値は、エコーマルチパス成分の遅延が第1のサイレントタイムスロットの持続時間と第2のサイレントタイムスロットの持続時間との合計を超えることを可能にし、エコーマルチパス成分の出力は、事前設定閾値よりも小さい。
【0026】
第1の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第3の可能な実施様式において、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するステップは、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいか等しい帯域を用いて、サウンディング信号を送信するステップを含む。
【0027】
第3の可能な実施様式を参照して、第4の可能な実施様式において、サウンディング信号の送信に用いられる帯域が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいとき、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するステップは、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するステップを含む。
【0028】
第3の可能な実施様式を参照して、第5の可能な実施様式において、サウンディング信号の送信に用いられる帯域が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいとき、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するステップは、フィルタリングされた複数の近接場反射信号を得るために複数の近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値を決定し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値により近接場反射チャネルパラメータを決定するステップ、または、複数の近接場反射信号に対応する平均近接場反射信号を決定し、フィルタリングされた平均近接場反射信号を得るために平均近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた平均近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するステップを含む。
【0029】
第3の可能な実施様式を参照して、第6の可能な実施様式において、サウンディング信号の送信に用いられる帯域が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しいとき、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するステップは、
高分解能遅延アルゴリズムを用いて近接場反射チャネルパラメータを決定するステップを含む。
【0030】
第3の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第7の可能な実施様式において、装置がマルチ入力マルチ出力MIMOをサポートするとき、サウンディング信号を送信するステップは、装置のマルチアンテナを用いてサウンディング信号を別々に送信するステップであって、マルチアンテナがサウンディング信号を別々に送信するタイムスロットが、相互にずらされる、ステップを含む。
【0031】
第3の態様または前記可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第8の可能な実施様式において、サウンディング信号を送信するステップは、無線全二重通信をサポートする隣接する装置によりサウンディング信号の送信のために用いられるタイムスロットとずらされるタイムスロットを用いて、サウンディング信号を送信するステップを含む。
【0032】
第3の態様または第1の可能な実施様式から第6の可能な実施様式のいずれか1つを参照して、第9の可能な実施様式において、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するステップは、M個のランダムサウンディングタイムスロットを用いてサウンディング信号を送信するステップであって、Mが、サウンディング信号に対応し、エコー信号を受信するためのコヒーレント累積時間内に無線全二重通信に対応する装置により累積される、近接場反射信号の平均量である、ステップを含む。
【0033】
本発明によれば、無線全二重通信に対応する装置は、サウンディング信号を送信し、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を分離することにより、近接場反射信号に対応する近接場反射チャネルパラメータを決定し、近接場反射チャネルパラメータを用いて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を受信された第2の通信信号中の近接場反射自己干渉信号から減算することができる。このことは、受信信号中の近接場反射自己干渉信号を効果的に低減させることができる。
【0034】
本発明の実施形態の技術的解決策をより明確に記述するために、以下では、本発明の実施形態を記述するために必要とされる添付の図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下の説明における添付の図面は、本発明の幾つかの実施形態を単に示すものであり、当業者は、それらの添付の図面から創作的努力を伴わずに他の図面を導出してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、本発明の実施形態の添付の図面を参照して、本発明の実施形態の技術的解決策を明確かつ完全に記述する。明らかなように、記述される実施形態は、本発明の実施形態の単なる一部であり、全てではない。創作的努力を伴わずに本発明の実施形態に基づいて当業者により得られる全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲に属するものである。
【0037】
本発明の実施形態の技術的解決策は、無線全二重通信システムに適用され得ることを理解されたい。本発明の実施形態において提供される、ユーザ機器および基地局などの通信ノードは、無線全二重通信システムに対応する。
【0038】
モバイル端末(Mobile Terminal、MT)、モバイルユーザ機器などとも称され得るユーザ機器(User Equipment、UE)は、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)を用いて1つ以上のコアネットワークと通信し得る。ユーザ機器は、モバイルフォン(「セルラー」フォンとも称される)およびモバイル端末を伴うコンピュータなどの、モバイル端末であり得る。例えば、ユーザ機器は、ポータブル式の、ポケットサイズの、ハンドヘルド式の、コンピュータ組込式の、または車載式のモバイル装置であり得る。
【0039】
図1は、本発明のある実施形態による通信システムの自己干渉信号を低減するための方法の概略フローチャートである。
図1に示される方法は、無線全二重通信に対応する装置により実施され、装置は、ユーザ機器および基地局などの通信ノードに位置し得る。
【0040】
101:サウンディング信号および第1の通信信号を送信し、サウンディング信号は、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディング信号の送信に用いられる電力は、第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい。
【0041】
102:入力信号を受信し、入力信号は、第2の通信信号およびエコー信号を含み、エコー信号は、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含み、第2の通信信号は、別の装置により送信される。
【0042】
103:サウンディング信号に対応する近接場反射信号をエコー信号から分離する。
【0043】
104:近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定する。
【0044】
105:近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を第2の通信信号から減算する。
【0045】
図1に示される方法によれば、近接場自己干渉信号の再構成に用いられる近接場反射チャネルパラメータを決定することができ、再構成された近接場反射自己干渉信号は、近接場反射チャネルパラメータを用いて決定され、再構成された近接場反射自己干渉信号は、受信された第2の通信信号中の近接場反射自己干渉信号から減算される。
図1に示される方法によれば、近接場反射信号を効果的に認識および再構成することができ、受信信号中の近接場反射自己干渉信号を低減することができる。
【0046】
図2は、本発明のある実施形態による通信システムの自己干渉信号を低減するための方法の概略フローチャートである。
図2の実施形態は、
図1に示される方法の特定の実施形態である。
【0047】
201:サウンディング信号および第1の通信信号を送信し、サウンディング信号は、第1の通信信号に重畳される様式で送信される。
【0048】
具体的に、無線全二重通信に対応する装置を含む通信ノード(直ぐ下の第1の通信ノード)が別の通信ノードと通信する。第1の通信ノードにより生成され別の通信ノードと通信するために用いられる信号が第1の通信信号と称され、第1の通信信号は、別の通信ノードと通信するために用いられる、データ情報および制御情報などの全ての情報を含む。第1の通信信号の生成に加えて、第1の通信ノードは、サウンディング信号をさらに生成し、サウンディング信号は、近接場反射チャネルパラメータを測定するために用いられる。
【0049】
装置は、サウンディングタイムスロットT
1中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信し、サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットでサウンディング信号の送信を休止し、アイドルタイムスロットは、第1のサイレントタイムスロットδ
1および第2のサイレントタイムスロットδ
2を含む。具体的に、帯域Bおよび時間長Tを伴うサウンディング信号がT
1中の送信タイムスロットで送信され、サウンディング信号は、大きな時間帯域積信号であり、TB>>1である。サウンディング信号のために用いられる典型的な大きな時間帯域積(略して「時間帯域積」)信号は、直線周波数変調信号、非直線周波数変調信号などであり得る。通常、帯域外発射を低減するために、サウンディング信号は、ウィンドウ処理の後に得られる大きな時間帯域積信号であり得、ウィンドウ処理のために用いられる典型的なウィンドウ関数は、ハミング(Hamming)ウィンドウ、ハニング(Hanning)ウィンドウ、テイラー(Tayler)ウィンドウなどであり得る。次いで、装置は、アイドルタイムスロット中にサイレントに留まり、この期間中に信号を送信しないので、装置はエコー検出を実施することができる。任意選択的に、アイドルタイムスロット中の第1のサイレントタイムスロットδ
1の持続時間は、近接場反射チャネルの最大マルチパス遅延に等しくなり得、アイドルタイムスロット中の第2のサイレントタイムスロットδ
2の値は、エコーマルチパス成分の遅延が第1のサイレントタイムスロットの持続時間と第2のサイレントタイムスロットの持続時間との合計を超えることを可能にし、エコーマルチパス成分の出力は、事前設定閾値よりも小さい。したがって、サウンディング信号は、次のサウンディングタイムスロット中のサウンディング信号に関する検出に対して干渉を生じさせず、典型的にδ
2=3δ
1〜4δ
1である。サウンディング信号は、第1の通信信号に重畳される様式で送信されるため、アイドルタイムスロットでの装置の送信器によるサウンディング信号の送信は、装置の送信器による第1の通信信号の送信に影響を及ぼさない。加えて、サウンディング信号は、近接場反射チャネルの推定に用いられるのみであり、したがってδ
1<<Tである。さらに、サウンディング信号の送信に用いられる電力は、第1の通信信号の送信に用いられる電力
よりも小さい。典型的に、サウンディング信号の送信出力が、第1の通信信号の送信出力よりも20dBを超えて小さいとき、サウンディング信号から通信反対端の送信に対する干渉は無視され得る。
【0050】
任意選択的に、ある実施形態において、装置は、
図3に示されるタイムスロット構造を用いてサウンディング信号を送信してもよく、すなわち、サウンディングタイムスロットは連続的に送信される。
【0051】
任意選択的に、別の実施形態において、装置は、
図4に示されるタイムスロット構造を用いてサウンディング信号を送信してもよく、すなわち、N個の連続サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信してもよく、装置の送信器は、休止タイムスロットでサウンディング信号の送信を休止し、次いで、N個の連続サウンディングタイムスロットでサウンディング信号を再び送信し、Nは、2よりも大きいか等しい正の整数である。サウンディング信号が第1の通信信号に重畳されるため、サウンディング信号の送信の休止は、装置の送信器による第1の通信信号の送信に影響を及ぼさない。
図3または
図4に示されるタイムスロット構造が用いられるとき、それは、δ
2=3δ
1〜4δ
1、例えば、δ
2=1.6μsであってもよい。
【0052】
任意選択的に、別の実施形態において、装置は、
図5に示されるタイムスロット構造を用いてサウンディング信号を送信してもよく、すなわち、サウンディングタイムスロットでサウンディング信号を送信してもよく、装置の送信器は、休止タイムスロットでサウンディング信号の送信を休止し、次いで、サウンディングタイムスロットでサウンディング信号を再び送信する。
図5に示されるタイムスロット構造を用いてサウンディング信号が送信されるとき、休止タイムスロットの時間が長い場合、δ
2の値は0であってもよい。例えば、装置の半径60m内の近接場反射チャネルが考慮されるとき、それは、δ
1=400nsおよびδ
2=0nsであってもよい。サウンディング信号の送信を休止するための休止タイムスロットが、
図5に示されるタイムスロットに加えられるので、サウンディング信号の送信を休止するためのタイムスロットが延長される。このようにして、近接場反射チャネルの検出効率を向上させることができ、通信信号に対する干渉を可能な限り低減することができる。
【0053】
任意選択的に、ある実施形態において、装置によりサウンディング信号の送信に用いられる帯域は、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しくてもよい。例えば、第1の通信信号が位置する通信チャネルの帯域が20MHzであり、第1の通信信号が2.44GHz〜2.46GHzであり、中心周波数2.45GHzであり、サウンディング信号は、同じ周波数帯に位置し、大きな時間帯域積TB=80を有する直線周波数変調信号を用い、帯域B=20MHzおよびT=4μsである。このケースにおいて、
図3または
図4に示されるタイムスロット構造が用いられる場合、サウンディングタイムスロットT
1は6μsに等しくてもよい。
【0054】
任意選択的に、別の実施形態において、装置によるサウンディング信号の送信に用いられる帯域は、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きくてもよい。例えば、第1の通信信号が位置する通信チャネルの帯域は20MHzに位置し、サウンディング信号の帯域Bは80MHzである。このようにして、装置は、12nsのマルチパス遅延を認識し得る。このケースにおいて、サウンディング信号の帯域が第1の通信信号の帯域よりも大きいが、サウンディング信号および第1の通信信号は、同じ周波数帯にあり、サウンディング信号を用いて測定される無線チャネルパラメータは、第1の通信信号が位置する通信チャネルのチャネルパラメータとほぼ同じであることが確保され得る。別の例の場合、第1の通信信号の帯域が20MHzであり、第1の通信信号は、2.44GHz〜2.46GHzであり、中心周波数2.45GHzを有し、サウンディング信号は、ハニングウィンドウで非直線周波数変調信号を用い、160の時間帯域積TBを有する。このケースにおいて、
図3または
図4に示されるタイムスロット構造が用いられる場合、サウンディングタイムスロットT
1は4μsに等しくてもよい。
【0055】
任意選択的に、ある実施形態において、装置がマルチ入力マルチ出力(Multiple−Input Multiple−Output、MIMO)に対応するとき、装置は、マルチアンテナを用いてサウンディング信号を別々に送信し、マルチアンテナを用いて入力信号を別々に受信し、マルチアンテナがサウンディング信号を送信する送信タイムスロットは、相互にずらされる。すなわち、いつ何時も、1つのブランチのみが、サウンディング信号を送信し、サウンディング信号のエコー信号を受信する。このようにして、ブランチは互いに干渉しない。したがって、全てのアンテナは、1つのサウンディング信号を共有することができる。このケースにおいて、ブランチの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロットがδ
3、ここでδ
3≧0により分離される場合、各ブランチの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロット中の第2のサイレントタイムスロットδ
2の値は、δ
1+δ
2+δ
3を超える遅延のサウンディング信号のエコーマルチパス成分の出力が十分低くなることを可能にするので、サウンディング信号は、別の次のブランチの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロット中の近接場反射エコー信号に関する検出に対して干渉しない。
【0056】
任意選択的に、ある実施形態において、無線全二重通信をサポートする隣接する装置のために、装置がサウンディング信号を送信する送信タイムスロットと、無線全二重通信に対応する(例えば、数メートル〜数十メートルの距離で)隣接する装置がサウンディング信号を送信する送信タイムスロットとは相互にずらされる。言い換えれば、互いに隣接する通信ノードAおよび通信ノードBの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロットは、相互にずらされ、いずれかのノードがサウンディング信号を送信しエコー信号を受信するとき、他の通信ノードの送信器は、サウンディング信号を送信しない。ブランチの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロットがδ
3、ここでδ
3≧0により分離される場合、各ノードの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロット中の第2のサイレントタイムスロットδ
2の値は、δ
1+δ
2+δ
3を超える遅延のサウンディング信号のエコーマルチパス成分の出力が十分低くなることを可能にするので、サウンディング信号は、別の次のノードの近接場反射チャネルのサウンディングタイムスロット中の近接場反射エコー信号に関する検出に対して干渉を生じさせない。
【0057】
任意選択的に、別の実施形態において、短い距離で分離されるk個の通信ノードがあり、k個の通信ノードの間でサウンディング信号が干渉し得ることが仮定される。サウンディング信号に対応し、かつエコー信号を検出するためのコヒーレント時間T
n内にk個の通信ノード中の各通信ノードにより累積される、近接場反射信号の平均量がmであり、k個の通信ノード中の各通信ノードは、m個のサウンディングタイムスロットをT
n≧mkT
1中にランダムに割り当てることができる。このようにして、k個の通信ノード中の各通信ノードについて、各通信ノードのm個のサウンディングタイムスロット中の近接場反射信号がコヒーレントに累積され、別の通信ノードのサウンディングタイムスロットがランダムに現れる。複数のランダム信号のうちの一部が正であり、一部が負であるため、複数のランダム信号は、累積プロセスで互いにキャンセルし得、そのことは、したがって、短い距離で分離される通信ノードの間でサウンディング信号の相互干渉を効果的に低下させる。この実施形態において、通信ノードの間の弧状配置またはシステムによる集中割振りは必要とされず、そのことは、システムの複雑さを低下させる。
【0058】
202:入力信号を受信し、入力信号は、第2の通信信号およびエコー信号を含み、エコー信号は、サウンディング信号に対応する近接場反射信号と、第1の通信信号に対応するデータ反射信号を含み、第2の通信信号は、別の装置により第1の通信ノードに送信される通信信号である。
【0059】
203:サウンディング信号に対応する近接場反射信号をエコー信号から分離する。
【0060】
具体的に、近接場反射信号は、サウンディング信号のタイムスロット構造による時間に基づいて区別される。
【0061】
204:近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定する。
【0062】
任意選択的に、ある実施形態において、装置によるサウンディング信号の送信に用いられる帯域が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいとき、近接場反射チャネルパラメータは、対応するフィルタリングを用いて計算されてもよい。
【0063】
任意選択的に、別の実施形態において、装置は、コヒーレント累積法を用いて近接場反射チャネルパラメータをさらに決定してもよい。具体的に、装置は、フィルタリングされた複数の近接場反射信号を得るために複数の近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値を決定し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値により近接場反射チャネルパラメータを決定してもよい。代わりに、装置は、複数の近接場反射信号に対応する平均近接場反射信号を決定し(すなわち、複数の近接場反射信号の平均値を得る)、フィルタリングされた平均近接場反射信号を得るために平均近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた平均近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定してもよい。
【0064】
任意選択的に、別の実施形態において、装置によりサウンディング信号の送信に用いられる帯域が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しいとき、近接場反射信号は、サンプリングされてもよく、近接場反射チャネルパラメータは、サンプリング結果により高分解能遅延アルゴリズムを用いて決定され、典型的な高分解能遅延アルゴリズムは、最大尤度推定、アレイ信号処理に基づく高分解能到来方向推定アルゴリズム、一致追跡、直交性一致追跡などを含む。
【0065】
205:近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定する。
【0066】
具体的に、再構成された近接場反射自己干渉信号は、以下の公式を用いて決定され得る。
y(t)=x(t)*h(t)..........1.1
ここで、y(t)は再構成された近接場反射自己干渉信号を表し、x(t)は再構成された基準信号を表し、h(t)は近接場反射チャネルパラメータを表し、記号「*」は畳込みを表し、再構成された基準信号は既知である。したがって、近接場反射チャネルパラメータが決定されるとき、再構成された近接場反射自己干渉信号は、公式1.1を用いて決定され得る。
【0067】
206:再構成された近接場反射自己干渉信号を、受信された第2の通信信号から減算し、第2の通信信号は別の装置により送信される。
【0068】
図2に示される方法によれば、近接場自己干渉信号の再構成に用いられる近接場反射チャネルパラメータを決定することができ、再構成された近接場反射自己干渉信号は、近接場反射チャネルパラメータを用いて決定され、再構成された近接場反射自己干渉信号は、受信された第2の通信信号の近接場反射自己干渉信号から減算される。
図1に示される方法によれば、近接場反射信号を効果的に認識および再構成することができ、受信信号中の近接場反射自己干渉信号を低減することができる。
【0069】
図3は、本発明のある実施形態によるタイムスロット構造の概略図である。
図3に示されるように、サウンディング信号が第1の通信信号に重畳され、サウンディングタイムスロットが連続する。
【0070】
図4は、本発明のある実施形態による別のタイムスロット構造の概略図である。
図4に示されるように、サウンディング信号が第1の通信信号に重畳され、N個のサウンディングタイムスロットと1つの休止タイムスロットとが交互に現れ、Nは、2よりも大きいか等しい正の整数である。
【0071】
図5は、本発明のある実施形態による別のタイムスロット構造の概略図である。
図5に示されるように、サウンディング信号が、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディングタイムスロットと休止タイムスロットとが交互に現れる。
【0072】
図6は、本発明のある実施形態による装置の構造ブロック図である。
図6に示される装置600は、無線全二重通信に対応する装置であり、
図1または
図2のステップを実施することができる。
図6に記述されるように、装置600は、送信ユニット601、受信ユニット602、信号分離ユニット603、および、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニット604を含む。
【0073】
送信ユニット601は、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するように構成され、サウンディング信号は、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディング信号の送信に用いられる電力は、第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい。
【0074】
受信ユニット602は、エコー信号を受信するように構成され、エコー信号は、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む。
【0075】
信号分離ユニット603は、近接場反射信号をエコー信号から分離するように構成される。
【0076】
近接場反射自己干渉信号用の処理ユニット604は、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0077】
近接場反射自己干渉信号用の除去ユニット605は、近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を第2の通信信号から減算するように構成される。
【0078】
図6に示される装置600は、近接場自己干渉信号の更なる除去を準備する目的を達成するように、近接場自己干渉信号の再構成に用いられる近接場反射チャネルパラメータを決定することができる。
【0079】
さらに、送信ユニット601は、具体的に、サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信し、サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットでサウンディング信号の送信を休止するように構成され、アイドルタイムスロットは、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む。
【0080】
さらに、送信ユニット601は、具体的に、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいか等しい帯域を用いて、サウンディング信号を送信するように構成される。
【0081】
任意選択的に、別の実施形態において、送信ユニット601が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニット604は、具体的に、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0082】
任意選択的に、別の実施形態において、送信ユニット601が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニット604は、具体的に、フィルタリングされた複数の近接場反射信号を得るために複数の近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値を決定し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値により近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。代わりに、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニット604は、具体的に、複数の近接場反射信号に対応する平均近接場反射信号を決定し、フィルタリングされた平均近接場反射信号を得るために平均近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた平均近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0083】
任意選択的に、別の実施形態において、送信ユニット601が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用の処理ユニット604は、具体的に、高分解能遅延アルゴリズムを用いて近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0084】
さらに、装置600がマルチ入力マルチ出力MIMOをサポートするとき、送信ユニット601は、具体的に、装置のマルチアンテナを用いてサウンディング信号を別々に送信するように構成され、マルチアンテナがサウンディング信号を別々に送信するタイムスロットは、相互にずらされる。
【0085】
さらに、送信ユニット601は、具体的に、サウンディング信号が送信されるタイムスロットと、無線全二重通信をサポートする隣接する装置がサウンディング信号を送信するタイムスロットとを相互にずらすように構成される。
【0086】
さらに、送信ユニット601は、具体的に、M個のランダムサウンディングタイムスロットを用いてサウンディング信号を送信するように構成され、Mは、サウンディング信号に対応し、エコー信号を受信するためのコヒーレント累積時間内に無線全二重通信に対応する装置により累積される、近接場反射信号の平均量である。
【0087】
図7は、本発明のある実施形態による装置の構造ブロック図である。
図7に示される装置700は、無線全二重通信に対応する装置であり、
図1または
図2のステップを実施することができる。
図7に記述されるように、装置700は、送信アンテナ701、受信アンテナ702、信号セパレータ703、および近接場反射自己干渉信号用のプロセッサ704を含む。
【0088】
送信アンテナ701は、サウンディング信号および第1の通信信号を送信するように構成され、サウンディング信号は、第1の通信信号に重畳される様式で送信され、サウンディング信号の送信に用いられる電力は、第1の通信信号の送信に用いられる電力よりも小さい。
【0089】
受信アンテナ702は、エコー信号を受信するように構成され、エコー信号は、サウンディング信号に対応する近接場反射信号を含む。
【0090】
信号セパレータ703は、近接場反射信号をエコー信号から分離するように構成される。
【0091】
近接場反射自己干渉信号用のプロセッサ704は、近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0092】
近接場反射自己干渉信号用のキャンセラ705は、近接場反射チャネルパラメータに基づいて、再構成された近接場反射自己干渉信号を決定し、再構成された近接場反射自己干渉信号を第2の通信信号から減算するように構成される。
【0093】
図7に示される装置700は、近接場自己干渉信号の更なる除去を準備する目的を達成するように、近接場自己干渉信号の再構成に用いられる近接場反射チャネルパラメータを決定することができる。
【0094】
さらに、送信アンテナ701は、具体的に、サウンディングタイムスロット中の送信タイムスロットでサウンディング信号を送信し、サウンディングタイムスロット中のアイドルタイムスロットでサウンディング信号の送信を休止するように構成され、アイドルタイムスロットは、第1のサイレントタイムスロットおよび第2のサイレントタイムスロットを含む。
【0095】
さらに、送信アンテナ701は、具体的に、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きいか等しい帯域を用いて、サウンディング信号を送信するように構成される。
【0096】
任意選択的に、ある実施形態において、送信アンテナ701が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサ704は、具体的に、フィルタリングされた近接場反射信号を得るために近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0097】
任意選択的に、別の実施形態において、送信アンテナ701が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域よりも大きい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサ704は、具体的に、フィルタリングされた複数の近接場反射信号を得るために複数の近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値を決定し、フィルタリングされた複数の近接場反射信号の平均値により近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。代わりに、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサ704は、具体的に、複数の近接場反射信号に対応する平均近接場反射信号を決定し、フィルタリングされた平均近接場反射信号を得るために平均近接場反射信号に関して整合したフィルタリングを実施し、フィルタリングされた平均近接場反射信号に従って近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0098】
任意選択的に、別の実施形態において、送信アンテナ701が、第1の通信信号の送信に用いられる帯域に等しい帯域を用いてサウンディング信号を送信するとき、近接場反射自己干渉信号用のプロセッサ704は、具体的に、高分解能遅延アルゴリズムを用いて近接場反射チャネルパラメータを決定するように構成される。
【0099】
さらに、装置700がマルチ入力マルチ出力MIMOをサポートするとき、送信アンテナ701は、具体的に、装置のマルチアンテナを用いてサウンディング信号を別々に送信するように構成され、マルチアンテナがサウンディング信号を別々に送信するタイムスロットは、相互にずらされる。
【0100】
さらに、送信アンテナ701は、具体的に、サウンディング信号が送信されるタイムスロットと、無線全二重通信をサポートする隣接する装置がサウンディング信号を送信するタイムスロットとを相互にずらすように構成される。
【0101】
さらに、送信アンテナ701は、具体的に、M個のランダムサウンディングタイムスロットを用いてサウンディング信号を送信するように構成され、Mは、サウンディング信号に対応し、エコー信号を受信するためのコヒーレント累積時間内に無線全二重通信に対応する装置により累積される、近接場反射信号の平均量である。
【0102】
当業者は、この明細書に開示される実施形態に記述される例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組合せにより実施されてもよいことに気付くかもしれない。機能がハードウェアにより実施されるかソフトウェアにより実施されるかは、個々の用途および技術的解決策の設計制約条件に依存する。当業者は、各々個々の用途について記述された機能を実施するために、異なる方法を用いてもよいが、実施が本発明の範囲を超えるとみなされるべきではない。
【0103】
前記システム、装置、およびユニットの詳細な作用プロセスについての簡便で簡単な説明を目的として、前記方法実施形態の対応するプロセスが参照されてもよいことは、当業者により明確に理解され得、本明細書において詳細は再び記述されない。
【0104】
本出願において提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置、および方法が他の様式で実施されてもよいことを理解されたい。例えば、記述される装置実施形態は単なる例示である。例えば、ユニット区分は、単なる論理的機能の区分であり、実際の実施においては他の区分であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが別のシステムに組み合わされてもよく、集積されてもよく、幾つかの特徴が省略されてもよく、実施されなくてもよい。加えて、表示または議論された相互結合もしくは直接結合または通信接続は、幾つかのインターフェイスを通じて実施されてもよい。装置の間またはユニットの間の間接結合または通信接続は、電子形態、機械的形態、または他の形態で実施されてもよい。
【0105】
個別の部品として記述されたユニットは、物理的に分離されてもよく、分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部品は、物理的ユニットであってもよく、物理的ユニットでなくてもよく、1箇所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するように実際の必要性により選択されてもよい。
【0106】
加えて、本発明の実施形態の機能的ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよく、ユニットのそれぞれは、物理的に単独で存在してもよく、2つ以上のユニットは、1つのユニットに集積される。
【0107】
機能がソフトウェアの機能的ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売または使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本質的に本発明の技術的解決策、従来技術に対して寄与する部分、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実施されてもよい。ソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本発明の実施形態に記述された方法ステップの全てまたは一部を実施するために、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)またはプロセッサ(processor)に命令するための幾つかの命令を含む。前記記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる任意の媒体を含む。
【0108】
前記説明は、本発明の単なる特定の実施形態であり、本発明の保護範囲を限定することを意図していない。当業者により容易に理解される、本発明の開示される技術範囲内の任意の変形または置換は、本発明の保護範囲に属するものである。したがって、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲の対象となるものである。