特許第6278664号(P6278664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6278664
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20060101AFI20180205BHJP
   G02B 7/08 20060101ALI20180205BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   G02B7/04 E
   G02B7/08 A
   H04N5/225 700
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-239382(P2013-239382)
(22)【出願日】2013年11月19日
(65)【公開番号】特開2015-99274(P2015-99274A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
(72)【発明者】
【氏名】渡部 博之
【審査官】 川俣 洋史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−055776(JP,A)
【文献】 特開2008−058391(JP,A)
【文献】 特開2011−039481(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/108430(WO,A1)
【文献】 特開2012−163770(JP,A)
【文献】 特開2006−065352(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0122495(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0246035(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 − 7/16
H04N 5/222 − 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着するレンズの光軸方向に移動自在なレンズ枠部材と、
前記レンズ枠部材の周囲に配置され前記レンズ枠部材を移動自在に保持する枠部材と、
前記レンズ枠部材に固定される第1駆動部材と前記枠部材に固定される第2駆動部材を備え、前記レンズ枠部材を前記光軸方向に駆動する駆動手段と、
前記レンズ枠部材の前記光軸方向の移動を弾性的に規制する弾性規制部材とを備え、
前記第1駆動部材と前記第2駆動部材の一方がコイルであって他方がマグネットであり、
前記コイルの芯部に前記マグネットの磁界を検出することで前記レンズ枠部材の位置を検出するレンズ位置検出手段を設け、
前記コイルの両端が接続される端子と前記レンズ位置検出手段の端子は、前記枠部材を支持するベース部材の外側に延びて同方向に延設されており、
前記ベース部材は導電性部材であって、前記コイルの両端が接続される端子は、絶縁性部材を介して前記ベース部材に取り付けられていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記レンズ位置検出手段の出力とフォーカス信号によって前記駆動手段を駆動して前記レンズ枠部材の位置をフォーカス位置に調整するフォーカス位置調整部を備えることを特徴とする請求項記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置を備えたカメラ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置を備えた撮像装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置を備えた携帯情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ駆動装置、このレンズ駆動装置を備えたカメラ,撮像装置,携帯情報端末,電子機器などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイルとマグネットを駆動手段として備える電磁駆動式のレンズ駆動装置が知られている(下記特許文献1参照)。このレンズ駆動装置は、レンズを備えたレンズ枠部材と、このレンズ枠部材の周囲に配置される枠部材と、レンズ枠部材と枠部材との間に配置される駆動手段を備えている。そして、この駆動手段は、光軸方向に沿った側面が対向して配置されるコイルとマグネットとを有し、コイルとマグネットのうちの一方がレンズ枠部材に固定され、コイルとマグネットのうちの他方が枠部材に固定されている。また、このような従来のレンズ駆動装置は、レンズを備えたレンズ枠部材の移動を光軸方向に沿って弾性的に規制する弾性規制部材(板バネ)を備えており、この弾性規制部材の弾性力と前述した駆動手段の駆動力が釣り合う位置でレンズの光軸方向位置を可変調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−156436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来のレンズ駆動装置は、レンズ位置の検出は困難であり、板バネの弾性力と制御電流による駆動力の釣り合い位置を可変させてレンズ枠部材の位置調整を行っている。このため、板バネの弾性力のばらつきをある程度考慮せざるを得ず、フォーカス位置については後調整できない機構であるため、高い精度でのフォーカス制御が困難な問題であった。これに対して、フォーカス位置を検出するために、フォトインタラプタやフォトリフレクタなどの検出機構を用いることは一般に知られているが、これらの機構では装置の小型化への対応が困難な問題であった。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、装置の小型化に対応でき、レンズ位置を検出した精度の高いフォーカス制御を可能にすること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明によるレンズ駆動装置は、以下の構成を具備するものである。
装着するレンズの光軸方向に移動自在なレンズ枠部材と、前記レンズ枠部材の周囲に配置され前記レンズ枠部材を移動自在に保持する枠部材と、前記レンズ枠部材に固定される第1駆動部材と前記枠部材に固定される第2駆動部材を備え、前記レンズ枠部材を前記光軸方向に駆動する駆動手段と、前記レンズ枠部材の前記光軸方向の移動を弾性的に規制する弾性規制部材とを備え、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材の一方がコイルであって他方がマグネットであり、前記コイルの芯部に前記マグネットの磁界を検出することで前記レンズ枠部材の位置を検出するレンズ位置検出手段を設け、前記コイルの両端が接続される端子と前記レンズ位置検出手段の端子は、前記枠部材を支持するベース部材の外側に延びて同方向に延設されており、前記ベース部材は導電性部材であって、前記コイルの両端が接続される端子は、絶縁性部材を介して前記ベース部材に取り付けられていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の全体構成を示した説明図(斜視図)である。
図3】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の全体構成を示した説明図(分解斜視図)である。
図4】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の全体構成を示した説明図(断面図)である。
図5】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置の実装状態を示した説明図(斜視図)である。
図6】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を備えたカメラ(撮像装置)を示した説明図である。
図7】本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を備えたカメラ携帯情報端末を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置は、レンズ枠部材、枠部材、駆動手段、弾性規制部材を備える。駆動手段は、レンズ枠部材に固定される第1駆動部材と枠部材に固定される第2駆動部材を備えており、第1駆動部材と第2駆動部材の一方がコイルであって他方がマグネットである。そして、コイルの芯部にマグネットの磁界を検出することでレンズ枠部材の位置を検出するレンズ位置検出手段を設けている。このようなレンズ駆動装置によると、駆動手段内部の空きスペースであるコイルの芯部を利用してレンズ位置検出手段を配備することで、レンズ駆動装置の小型化に対応しながら、レンズ枠部材の位置検出を可能にしている。また、レンズ位置検出手段を設けることでレンズ位置を検出して駆動手段を制御することができ、弾性規制部材の弾性力に多少ばらつきがあった場合にも精度の高いフォーカス制御を行うことができる。
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の図においてZ軸方向が光軸方向を示し、光軸に垂直な平面(X−Y平面)内で互いに直交する方向をX軸方向とY軸方向としている。また、以下の図において、同一部位には共通符号を付して、重複説明を一部省略している。
【0010】
図1に示すように、レンズ駆動装置1は、レンズ枠部材2、枠部材3、駆動手段4を備える。レンズ枠部材2は、レンズが装着されるレンズ装着口20を備え、装着されるレンズの光軸Oa方向に移動自在に配備される。枠部材3は、レンズ枠部材2の周囲に配置され、レンズ枠部材2を移動自在に保持する。駆動手段4は、レンズ枠部材2に固定される第1駆動部材4Aと枠部材3に固定される第2駆動部材4Bとを備える。ここでは第1駆動部材4Aがマグネット41であり、第2駆動部材4Bがコイル40であるが、それとは逆に第1駆動部材4Aをコイル40にして第2駆動部材4Bをマグネット41にすることもできる。
【0011】
駆動手段4は、コイル40の側面40Aとマグネット41の側面41Aを設定間隔で対面させており、マグネット41の磁界内でコイル40に電流を流すことによって生じる駆動力(ローレンツ力)によりレンズ枠部材2を光軸Oa方向に駆動する。すなわち、コイル40はY軸方向に沿った直線部を有する長円状に巻かれており、コイル40の巻方向及び直線部の方向とマグネット41の磁極配置は前述した駆動力が光軸Oaに沿った図示Z軸方向に作用するように適宜配備されている。図示の例では、マグネット41における側面41Aと反対側の面にヨーク(磁性体)42を固定しており、これによってコイル40を通過するX方向に沿った磁界の成分を増やしている。
【0012】
また、レンズ駆動装置1は、レンズ枠部材2の光軸Oa方向の移動を弾性的に規制する弾性規制部材5(5A,5B)を備え、また枠部材3を支持するベース部材6を備える。弾性規制部材5(5A,5B)は、レンズ枠部材2と枠部材3に取り付けられ、レンズ枠部材2をベース部材6に向けて押圧する弾性力を付与している。この弾性力はレンズ枠部材2がベース部材6から離れるに従って大きくなる。駆動手段4はこの弾性力と釣り合う駆動力を発生させることでレンズ枠部材2の光軸方向に沿った位置を可変に調整する。
【0013】
コイル40の芯部には、レンズ位置検出手段7が設けられている。レンズ位置検出手段7は、マグネット41の磁界を検出することでレンズ枠部材2の位置を検出するものであって、例えば、ホール素子70によって構成することができる。レンズ位置検出手段7は、検出する磁界の大きさの変化によって、自身がマグネット41の中心から離れた距離を検出する。図示の例では、枠部材3に固定されたコイル40の芯部にレンズ位置検出手段7を設けているが、レンズ枠部材2にコイル40を固定して枠部材3にマグネット41を固定している場合には、レンズ枠部材2に固定されたコイル40の芯部にレンズ位置検出手段7が設けられる。
【0014】
レンズ駆動装置1は、フォーカス位置調整部72を備えている。このフォーカス位置調整部72は、フォーカス信号が入力されると共に、レンズ位置検出手段7の出力端子71とコイル40の導線の両端が接続される端子12(12A,12B)が接続されており、レンズ位置検出手段7の出力とフォーカス信号によって駆動手段4を駆動し、コイル40の通電電流を制御してレンズ枠部材2の位置をフォーカス位置に調整する。
【0015】
このレンズ駆動装置1は、図2の組み立て斜視図と図3の分解斜視図に示されるように、ベース部材6に対して各部品を積み上げるように組み立てることができる。ベース部材6には、レンズ枠部材2に装着されるレンズ(図示省略)の光軸を略中心とする開口6Cが設けられており、この開口6Cを通った光がベース部材6の背面側に配置される受光面に入射する。ベース部材6には、その底面6Aから光軸方向に突出した位置に支持面6Sと基準当接面6Pが形成されている。支持面6Sは、その上に支持する枠部材3の平面形状に応じた形状を有して複数箇所に形成されており、その全ての面が底面6Aから突出した突端面6Bであって同一面(X−Y平面)上に形成されている。基準当接面6Pは、底面6Aからスポット状に突出した同一平面上の複数の突端面6Bによって形成されている。また、ベース部材6の底面6Aからは開口6Cの周囲に複数の回転規制部60が突出して形成されている。
【0016】
ベース部材6の開口6Cを挟んだ一対の支持面6Sには、板状弾性部材50からなる弾性規制部材5Bの外側取付部50Aを介して、枠部材3がそれぞれ支持される。ベース部材6の他の支持面6Sには、開口部6Cを挟んで一対のコイルホルダ30が支持される。一対の枠部材3と一対のコイルホルダ30には、それぞれ第2駆動部材4Bであるコイル40が互いに対向するように固定される。枠部材3へのコイル40の固定は、枠部材3の側面3Dから突起する突起部3Eをコイル40の芯部40Bに挿入することによって行う。この突起部3Eは一対設けられており、この一対の突起部3E間のスペースにレンズ位置検出手段7(ホール素子70)が設置される。枠部材3は一対の腕部3Cを有することで傾きや変形が生じ難い断面形状を有しており、コイル40とマグネット41との間隔を一定に保ちながらコイル40を支持している。
【0017】
弾性規制部材5Bは、左右一対の外側取付部50Aと中央の内側取付部50Bとその間を連結する弾性変形部50Cを備えており、外側取付部50Aにおける位置決め孔50A1に支持面6S上の位置決め突起6Dを挿入し、支持面6S上に外側取付部50Aを介して枠部材3の端面3Bを載せて固定することで、左右の外側取付部50Aがベース部材6の支持面6Sに固定される。弾性規制部材5Bの内側取付部50Bには、レンズ枠部材2の一方の端部2Bが取り付けられる。この際には、取付部材51が内側取付部50Bを挟んでレンズ枠部材2の端部2Bに取り付けられる。
【0018】
一対の枠部材3の端面3Aには、板状弾性部材50からなる弾性規制部材5Aの一対の外側取付部50Aが支持される(この弾性規制部材5Aも弾性規制部材5Bと同様に左右一対の外側取付部50Aと中央の内側取付部50Bとその間を連結する弾性変形部50Cを備えている。)。端面3Aに弾性規制部材5Aの外側取付部50Aを載せて押さえ部材52で押さえて固定することで、弾性規制部材5Aの左右の外側取付部50Aが一対の枠部材3の端面3Aに固定される。この際、端面3A上の位置決め突起3Fを外側取付部50Aの位置決め孔50A1と押さえ部材52の位置決め孔52Aに挿入する。弾性規制部材5Aの内側取付部50Bには、レンズ枠部材2の他方の端部2Aが取り付けられる。この際には、取付部材53が内側取付部50Bを挟んでレンズ枠部材2の端部2Aに取り付けられる。
【0019】
レンズ枠部材2は、その側面2Cに突起部22を備えており、一対の突起部22間に第1駆動部材4Aであるマグネット41が第2駆動部材4Bであるコイル40に対面するように取り付けられている。ここでは、駆動手段4として、レンズ枠部材2の光軸周りに4組のコイル40とマグネット41を設けているが、図示Y軸方向に沿って配置される2組のコイル40とマグネット41は必要に応じて省略することが可能である。その場合にはコイルホルダ30を支持する支持面6Sを省くことができるのでベース部材6の専有面積の省スペース化が可能になる。
【0020】
図2は、シールドカバー14を取り外した状態の組み立て完了状態を示している。ベース部材6には、その外周縁付近に2つの端子引出部61が設けられており、その端子引出部61にそれぞれ絶縁性部材13を介して端子12(12A,12B)が取り付けられている。複数のコイル40は連続した導線によって構成されており、その一端が端子12Aに接続され、他端が端子12Bに接続されている。
【0021】
コイル40に電流が流れていない無通電状態では、レンズ枠部材2は、弾性規制部材5A,5Bの弾性変形部50Cによってベース部材6側に押圧(与圧)されており、レンズ枠部材2の基準端面2Sがベース部材6の基準当接面6Pに当接することで安定した状態を保持している。このような与圧を付与するためには、弾性規制部材5Bの外側取付部50Aが支持される支持面6Sの光軸方向高さに対して弾性規制部材5Bの内側取付部50Bが取り付けられるレンズ枠部材2の端部2Bの光軸方向高さが高くなるように基準当接面6Pの高さが設定されている。この際、基準端面2Sと基準当接面6Pをレンズの光軸に対して垂直な面に設定しておくことで、弾性規制部材5A,5Bは光軸に対して偏った変形を起こすこと無く光軸に対称な弾性力をレンズ枠部材2に付与し続けることができる。
【0022】
図4は、レンズ枠部材の繰り出し状態を示した説明図(断面図)である。端子12(12A,12B)に駆動信号が送られコイル40に電流が流れると、図示のように、弾性規制部材5A,5Bによって動きが規制されているレンズ枠部材2は、駆動手段4の駆動力によって光軸方向に沿ってベース部材6から離間するように移動し、駆動手段4の駆動力と弾性規制部材5A,5Bの変形によって高められる弾性力が釣り合うところでレンズ枠部材2の位置が保持される。このように、駆動手段4の駆動力を制御することでレンズ枠部材2の光軸方向に沿った位置を任意に調整することが可能になる。
【0023】
図5は、レンズ駆動装置の実装状態を示している。前述したレンズ駆動装置1は、撮像素子が実装された回路基板17上に配備され、ベース部材6から引き出された端子12A,12Bが回路基板17の接続端子17A,17Bに半田などで接続される。この回路基板17には前述したフォーカス位置調整部72が搭載されており、レンズ位置検出手段7の出力端子71もこの回路基板17に接続される。
【0024】
ベース部材6の外周縁に設けたカバー取付部6R上にシールドカバー14の外周端が載置される。シールドカバー14は、駆動手段4(第1駆動部材4A,第2駆動部材4B)や端子12A,12Bのレンズ枠部材2側(支持面6S側)を覆うように配置され、その天板部にはレンズ枠部材2のレンズ装着口20に装着されるレンズバレル21を露出させる開口14Aが形成されている。このようなシールドカバー14を設けることで駆動手段4から発せられる電磁ノイズの輻射を効果的に抑止することができる。
【0025】
図6図7は、レンズ駆動装置を備えた電子機器の例を示している。レンズ駆動装置1は、図6に示すように、集光や結像機能或いは撮像機能を有する光学機器や電子機器、例えば、カメラ100,撮像装置200に装着される。また、レンズ駆動装置1は、図7に示すように、集光や結像機能或いは撮像機能を有する携帯情報端末300(携帯電話,スマートフォン,タブレット型PC,ノート型PCなど)に装着される。
【0026】
レンズ駆動装置1を備えた光学機器や電子機器(カメラ100,撮像装置200,携帯情報端末300など)は、レンズ駆動装置1がコイル40の芯部40Bにレンズ位置検出手段7を備えていることで、小型化を実現しながら、レンズ位置を検出した精度の高いフォーカス制御を行うことができる。また、導電性部材のベース部材6とシールドカバー14によって外郭が覆われていることで、電磁ノイズの外部輻射を抑止することができるので、その周囲に配置される電子部品を安定して動作させることができる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、本発明の具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0028】
1:レンズ駆動装置;
100:カメラ;200:撮像装置;300:携帯情報端末;
2:レンズ枠部材;2A,2B:端部;2C:側面;2S:基準端面;
20:レンズ装着口;21:レンズバレル;22:突起部;
3:枠部材;3A,3B:端面;3C:腕部;3D:側面;
3E:突起部;3F:位置決め突起;
30:コイルホルダ;
4:駆動手段;4A:第1駆動部材;4B:第2駆動部材;
40:コイル;40A:側面;40B:芯部;
41:マグネット;41A:側面;42:ヨーク;
12(12A,12B):端子;13:絶縁性部材;
14:シールドカバー;14A:開口;
17:回路基板;17A,17B:接続端子;
5,5A,5B:弾性規制部材;
50:板状弾性部材;50A:外側取付部;50A1:位置決め孔;
50B:内側取付部;50C:弾性変形部;
6:ベース部材;
7:レンズ位置検出手段;71:出力端子,72:フォーカス位置調整部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7