特許第6278776号(P6278776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川崎重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000002
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000003
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000004
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000005
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000006
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000007
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000008
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000009
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000010
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000011
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000012
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000013
  • 特許6278776-サンドイッチパネルとその製造方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6278776
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】サンドイッチパネルとその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/18 20060101AFI20180205BHJP
   B61D 17/18 20060101ALI20180205BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20180205BHJP
   B61D 19/00 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   B32B5/18 101
   B61D17/18
   B32B7/12
   B61D19/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-65110(P2014-65110)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-186875(P2015-186875A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2016年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 貴宏
【審査官】 相田 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−246934(JP,A)
【文献】 特開2006−213037(JP,A)
【文献】 実開昭55−120918(JP,U)
【文献】 特表2011−506150(JP,A)
【文献】 米国特許第4568585(US,A)
【文献】 特表平11−509492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B61D 17/18
B61D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体を用いてなる板状の芯体と、
前記芯体における一対の面にそれぞれ重ねて配された一対の面板と、
前記芯体と前記各面板とを接着するように配され、硬化後の強度が前記芯体の強度よりも高い接着剤と、を備え、
前記芯体は、前記一対の面のそれぞれに形成された溝部を有し、前記芯体を平面視する際、前記一対の面のうち一方の面に形成された溝部と、他方の面に形成された溝部とが前記芯体の内部で互いに交差し、且つその交差部分において連通しており、
前記溝部の内部に前記接着剤が充填されて硬化しており、前記一対の面のそれぞれに形成された前記溝部が、当該各溝部の深さの1/4以上1/3以下の範囲で、前記芯体の厚み方向において互いに重なり合っている、サンドイッチパネル。
【請求項2】
前記芯体の前記一対の面のうち少なくとも一方の面に形成された溝部が格子状に形成されている、請求項1に記載のサンドイッチパネル。
【請求項3】
前記溝部の少なくとも一部領域に繊維部材が挿入され、
前記繊維部材に前記接着剤が含浸されて硬化している、請求項1または2に記載のサンドイッチパネル。
【請求項4】
前記繊維部材はガラス繊維またはカーボン繊維を含んでなる、請求項3に記載のサンドイッチパネル。
【請求項5】
前記各面板の間における前記芯体の外周面を囲繞するように配された枠体部を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル。
【請求項6】
前記各面板は曲板状であり、
前記芯体が曲板状の前記各面板の表面に沿って屈曲され、
前記芯体の屈曲状態が硬化した前記接着剤により維持されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル。
【請求項7】
前記サンドイッチパネルは鉄道車両の構成部品である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル。
【請求項8】
前記芯体は無機発泡材料からなり、
前記接着剤はエポキシ系樹脂を含んでなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル。
【請求項9】
一対の面のそれぞれに溝部が形成された発泡体を用いてなる板状の芯体を、第一面板の一方の面に載置する第一ステップと、
前記第一面板の前記一方の面における前記芯体の外周面を枠体部で囲繞した状態で、前記芯体の前記面及び前記溝部に接着剤を付着させる第二ステップと、
前記芯体の上方に第二面板を載置する第三ステップと、
前記第一面板と、前記芯体と、前記第二面板とを積層した状態で互いに接着し、且つ、前記各溝部の内部に付着させた前記接着剤を硬化させる第四ステップとを有し、
前記芯体は、これを平面視する際、前記一対の面のうち一方の面に形成された前記溝部と、他方の面に形成された前記溝部とが前記芯体の内部で互いに交差し、且つその交差部分において連通した構成を有し、前記一対の面のそれぞれに形成された前記溝部が、当該各溝部の深さの1/4以上1/3以下の範囲で、前記芯体の厚み方向において互いに重なり合っており、
前記接着剤として硬化後の強度が前記芯体の強度よりも高い接着剤を用いる、サンドイッチパネルの製造方法。
【請求項10】
前記第一面板は曲板状であり、
前記第一ステップでは曲板状の前記第一面板の表面に沿って前記芯体を屈曲して載置し、
前記第二ステップでは前記芯体が屈曲した状態で前記接着剤を前記芯体の前記各溝部に付着させる、請求項9に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
【請求項11】
前記第四ステップにおいて、前記第一面板及び第二面板に対する前記芯体の接着と、前記各溝部における前記接着剤の硬化とを同時に実施する、請求項9または10に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンドイッチパネルとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両の車体や航空機体の構成要素としてサンドイッチパネルが用いられている。サンドイッチパネルは、例えば板状の芯材をその両面側から一対の面板で挟み、心材と各面板とを接着剤で接着してなる。サンドイッチパネルにはその用途に合わせ、例えば軽量且つ機械的強度に優れるとともに一定の断熱性及び防音性(吸音性と遮音性とを含む)を有することが求められる。このような要求に応えるための一例として、一対の面板に金属板を用い、芯体に有機材料又は無機材料からなる発泡体が用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−71899号公報
【特許文献2】特開2001−162692号公報
【特許文献3】特公昭60−21540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状のサンドイッチパネルに対しては、たとえば以下の2つの課題が存在している。
【0005】
第一に、断熱性及び防音性に優れる芯体を構成要素に使い、且つ完成後に良好な曲げ強度及び圧縮強度を発揮できるサンドイッチパネルが望まれている。ここで芯体に上記した発泡体を用いると、ある程度の良好な断熱性及び防音性を得ることは可能であるが、完成後に十分な曲げ強度及び圧縮強度を含む機械的強度を得ることは難しい。
【0006】
第二に、断熱性及び防音性に優れる芯体を用い、且つ製造時には加工し易く、たとえ曲板状のサンドイッチパネルを製造する場合であってもこれを良好に製造できることが望まれている。
【0007】
ここで特許文献3には、ドアや床板等に用いた場合に掛かるような高い面圧にも耐えられるハニカム状の芯体を用い、芯体の内部空間に発泡体を配設して一定の断熱性及び防音性を得ることが可能なサンドイッチパネルが開示されている。しかしながら、このようなサンドイッチパネルは生産コストが比較的高く、容易に用いることができない。また芯体の構造上、加工が難しいため、たとえば曲板状のサンドイッチパネルを製造する場合等に用いることが困難である。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、容易に作製することが可能であり、且つ、発泡体を用いた芯体により優れた遮音性及び断熱性、並びに機械的強度を発揮することが可能なサンドイッチパネルを、比較的低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るサンドイッチパネルは、発泡体を用いてなる板状の芯体と、前記芯体における一対の面にそれぞれ重ねて配された一対の面板と、前記芯体と前記各面板とを接着するように配され、硬化後の強度が前記芯体の強度よりも高い接着剤と、を備え、前記芯体は、前記一対の面のそれぞれに形成された溝部を有し、前記芯体を平面視する際、前記一対の面のうち一方の面に形成された溝部と、他方の面に形成された溝部とが前記芯体の内部で互いに交差し、且つその交差部分において連通しており、前記溝部の内部に前記接着剤が充填されて硬化している構成を有する。
【0010】
また上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るサンドイッチパネルの製造方法は、一対の面のそれぞれに溝部が形成された発泡体を用いてなる板状の芯体を、第一面板の一方の面に載置する第一ステップと、前記第一面板の前記一方の面における前記芯体の外周面を枠体部で囲繞した状態で、前記芯体の前記面及び前記溝部に接着剤を付着させる第二ステップと、前記芯体の上方に第二面板を載置する第三ステップと、前記第一面板と、前記芯体と、前記第二面板とを積層した状態で互いに接着し、且つ、前記各溝部の内部に付着させた前記接着剤を硬化させる第四ステップとを有し、前記芯体は、これを平面視する際、前記一対の面のうち一方の面に形成された前記溝部と、他方の面に形成された前記溝部とが前記芯体の内部で互いに交差し、且つその交差部分において連通した構成を有し、前記接着剤として硬化後の強度が前記芯体の強度よりも高い接着剤を用いる。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明の各一態様におけるサンドイッチパネルは、発泡体を用いてなる板状の芯体がその両面に形成された溝部を有している。これにより接着剤が硬化する前であれば、芯体の実質的な厚みが各溝部により小さくなる分、芯体は柔軟になって取扱いし易くなり、芯体の加工も容易になる。また、芯体を溝部の周辺において比較的軽い力で曲げることができるので、例えば面板が曲板の場合、面板の表面に芯体を容易に沿わせて曲げ加工することができる。芯体を曲げ加工する場合には、曲げ加工に伴って芯体内部に発生しうる残留応力も低減できる。
【0012】
さらに芯体の両面に溝部を形成しているので、接着剤が硬化する前であれば、芯体の両面において良好な柔軟性及び加工性が発揮され、サンドイッチパネルの製造時における作業性の向上や作業時間の短縮を期待できる。
【0013】
一方、芯体の一対の面に形成された溝部には接着剤が付着されて硬化され、硬化後の接着剤は芯体よりも高い強度を発揮する。これにより接着剤の硬化後においては、芯体の両面の溝部に沿って芯体を補強する補強部材が形成される。ここで前記一対の面のうち一方の面の溝部と、他方の面の溝部とが芯体の内部で互いに交差し、且つその交差部分において連通しているので、芯体の内部では前記一対の面から補強部材が繋がるように形成される。これにより完成後のサンドイッチパネルでは、補強部材によって芯体がその両面から補強されるので、芯体を屈曲させてサンドイッチパネルを構成しても、厚み方向に及び圧縮荷重や曲げ荷重等に対して高い機械的強度を発揮させることができる。また、発泡体を用いて芯体を構成したことにより、優れた遮音性及び断熱性を得ることが可能である。
【0014】
よって結果として、本発明の一態様におけるサンドイッチパネルによれば、容易に作製することが可能であり、且つ、発泡体を用いた芯体により優れた遮音性及び断熱性、並びに機械的強度を発揮することが可能なサンドイッチパネルを、比較的低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1に係る鉄道車両のドアパネルの構成を示す斜視図である。
図2図1におけるドアパネルの領域Aの内部構造を示す部分断面図である。
図3】芯体及び補強部材の部分構成を示す斜視図である。
図4】芯体内部の溝部の配置を示す部分透過図である。
図5】補強部材の部分構成を示す斜視図である。
図6】サンドイッチパネルの製造工程を示す図である。(a)は第一ステップ実施時の様子を示す。(b)は第二ステップ実施時の様子の一部を示す。
図7】サンドイッチパネルの製造工程を示す図である。(a)は第二ステップ実施時の様子の一部を示す。(b)は第三ステップ実施時の様子を示す。
図8】従来のサンドイッチパネルに外力が加わった場合の課題を説明するための図である。
図9】サンドイッチパネルの製造工程の変形例を示す図である。
図10】従来のサンドイッチパネルにおいて想定される課題を説明するための図である。
図11】サンドイッチパネルにおいて奏される効果を説明するための側面図である。
図12】実施形態2に係る芯体及び補強部材の一部構成を示す斜視図である。
図13】実施形態3に係る強化芯体の一部構成を示す、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を各図を参照して説明する。
【0017】
<実施形態1>
図1は実施形態1に係るサンドイッチパネルである、鉄道車両用ドアパネル1(以下、「ドアパネル1」と称する。)の構成を示す。図2は、図1におけるドアパネル1の屈曲部分Aの内部構成を部分的に示す。図3は芯体3の部分構成と、芯体3を平面視した際の溝部3A、3Bの配置を示す。図4は芯体3の内部における溝部3A、3Bの配置を示す。図5は補強部材4の部分構成と、補強部材4を平面視した際のリブ4A、4Bの配置を示す。
【0018】
ドアパネル1は長板状であり、鉄道車両の車体の側構体の形状に合わせて中央付近が厚み方向に若干屈曲され、車内側に配向され且つ谷折り状に屈曲した面(図1中、上方の面と、車外側に配向され且つ山折り状に屈曲した面(図1中、下方の面)とを有する。
【0019】
ドアパネル1は、長板状の第一面板2Aと第二面板2Bとを強化芯体5を挟んで対向配置し、強化芯体5の周囲を枠体部2Cで取り囲んでなる。第一面板2Aと第二面板2Bと枠体部2Cとは、一例としてステンレス板等の金属板で構成される。尚、図1に示すように第一面板2Aと第二面板2Bとには、その平坦部分にシール部材を介してガラス窓Gが填め込まれている。ドアパネル1は鉄道車両において、谷折り状に屈曲した面)を車内、山折り状に屈曲した面を車外に向けて取り付けられる。
【0020】
強化芯体5は、芯体3と、芯体3の両面及び内部にわたり配された補強部材4とを有する。
【0021】
芯体3は、図3に示すように一定の厚みを有し、且つ発泡体を用いてなる板状であって、優れた断熱性及び防音性、並びに難燃性及び軽量性を有する材料で構成される。このような材料としては、例えば炭酸カルシウム系の無機材料や樹脂材料からなる発泡材料を挙げることができる。尚、図3では説明上、芯体3の平板状の部分を抽出して図示しているが、芯体3はドアパネル1の屈曲部分Aにおいて図2のように屈曲している。
【0022】
芯体3は、その両面のうちの第一面に形成された溝部3Aと、第二面に形成された溝部3Bとを有する。図3では、第一面は下面、第二面は上面にそれぞれ相当する。溝部3A、3Bは図3の点線で囲んだ部分拡大図に示すように、芯体3を平面視する際にそれぞれ均等な間隔で配された格子状に形成されている。尚、図3の部分拡大図では下方に位置する溝部3Aを点線で示している。一例として、溝部3A、3Bを構成する格子状の溝はドアパネル1の長手方向及び幅方向の2方向に延びる。ここで図5の拡大図に示すように、芯体3を平面視した際、溝部3Aと溝部3Bとにおいて同一方向に延びる複数の溝は重なっておらず、互いにずれて配置されている。すなわち、溝部3Aと溝部3Bを構成する格子状の各溝の間隔の周期は一定であるが、この周期の位相がずれるように設定されている。位相のずれの大きさは適宜設定が可能であり、少なくともずれが存在する程度でよい。芯体3の加工性を考慮した場合、溝部3Aと溝部3Bの位相のずれは例えば位相の1/4以上1/2以下程度としてもよい。ここでは一例として位相の1/2のずれとしている。これにより溝部3A、3Bは、互いに溝の間隔の半分だけずれて配置される。溝部3A、3Bは、例えば芯体3の材料となる板状部材の表面にカッター等で切れ込みを入れることで形成できる。
【0023】
溝部3A、3Bの深さは、芯体3の厚み方向において互いに重なりを有する程度であればよい。この重なりは、例えば溝部3A、3Bの深さの1/4以上1/3以下程度としてもよい。ここでは一例として、溝部3A、3Bの深さの1/3の重なりとしている。これにより芯体3を平面視した際に、芯体3の内部において、溝部3A、3Bが互いに交差して連通する。この溝部3A、3Bの交差部分において、図4に示すように連通路3Cが形成される。尚、溝部3A、3Bを互いに連通路3Cにおいて連通させても、前述ように溝部3Aと溝部3Bの各位相がずれているため、芯体3は溝部3A、3Bにより完全には分断されていない。
【0024】
補強部材4は、芯体3に付着された接着剤10が硬化して形成されたものである。具体的に補強部材4は、ドアパネル1の製造時において、芯体3の溝部3A、3Bの内部に充填された接着剤10と、芯体3の第一面及び第二面とを被覆するように配された接着剤10とが連続して硬化してなる。これにより補強部材4は図2図3図5とにそれぞれ示すように、溝部3A、3Bの内部に形成された格子状のリブ4A、4Bと、リブ4Aと連続して芯体3の第一面を覆う第一層4Cと、リブ4Bと連続して芯体3の第二面を覆う第二層4Dとを有してなる。図3及び図5では補強部材4の内部構造を示す都合上、第二層4Dの図示を省略している。リブ4A、4Bは溝部3A、3Bの内部で形成されているので、格子状の位相が互いに1/2だけずれている。また図5の点線で囲んだ部分拡大図に示すように、リブ4A、4Bは互いの交差部分において連続し、全体として一体的に構成されている。尚、図5の部分拡大図では、下方に位置するリブ4Aを点線で示している。
【0025】
このような構造を有する補強部材4は、芯体3よりも機械的強度(圧縮強度及び曲げ強度を含む)が高い。これにより補強部材4は芯体3を補強する役目をなす。また、補強部材4は曲板状の第一面板2A及び第二面板2Bの各内面に沿って芯体3を曲げた状態で接着剤10を硬化することにより形成されており、芯体3の形態の保持部材としての役目もなす。さらに補強部材4は、芯体3の第一面を第一面板2Aに接着し、且つ、芯体3の第二面を第二面板2Bに接着する役目もなす。
【0026】
ここでドアパネル1の屈曲部分Aにおける補強部材4は、ドアパネル1の製造時において、図2に示すように芯体3を第一面板2Aの内面に沿って屈曲させた状態で接着剤10を芯体3に付着させ、且つ硬化させることにより形成されている。これにより屈曲部分Aでは、補強部材4は芯体3の屈曲構造を保持している。補強部材4では、格子状に形成されたリブ4A、4Bの位相は互いに1/2だけずれているが、強化芯体5を全体的にみると、強化芯体5の両面付近におけるリブ4A、4Bの各構造は互いに規則的に分布している。従って強化芯体5では、その両面付近において発揮される強度は実質的に同等である。
【0027】
次に、ドアパネル1の製造工程の一例と、その製造工程の実施時及びドアパネル1の完成後に奏される作用効果とを図6〜12を用いて説明する。
【0028】
まず第一ステップとして、第一面に溝部3A、第二面に溝部3Bが形成された板状の芯体3を用意する。また、ドアパネル1において内方に配向される内面の一部領域を囲繞するように枠体部2Cが配された第一面板2Aを用意する。芯体3を、枠体部2Cに囲繞された第一面板2Aの内面に載置する。このとき、芯体3の外周面を枠体部2Cで被覆する。さらに図6(a)に示すように、第一面板2Aの屈曲部分Aにおいては、第一面板2Aの表面形状に合わせて芯体3を屈曲させて載置する。
【0029】
芯体3は溝部3A、3Bを有しているため、芯体3を屈曲させる際には比較的小さな力で屈曲させることができる。すなわち図8に示すように、溝部を持たない芯体3Xを屈曲させた場合を想定したとき、芯体3Xはその厚みの全体において屈曲しなければならないが、芯体3では溝部の深さを差し引いた厚みにおいて屈曲させればよい。これにより芯体3を屈曲させた場合には、芯体3Xを屈曲させた場合に比べて内部で発生しうる応力を低減することも可能である。このように芯体3の実質的な厚みが溝部3A、3Bにより小さくなる分、芯体3は柔軟になって取扱いし易くなり、芯体3の加工が容易になる。さらに芯体3の両面に溝部3A、3Bを形成しているので、芯体3の両面で良好な柔軟性及び加工性が発揮される。従って、ドアパネル1の製造工程における作業性の向上や作業時間の短縮を期待できる。
【0030】
具体的に芯体3では、溝部3A、3Bを芯体3の厚みの半分以上の深さを有するように設定しているため、芯体3を実質的に屈曲させる厚みを相当に小さくするとともに、復元力の発生も小さくできる。従って比較的小さい力でも芯体3を第一面板2Aの表面に沿わせて屈曲でき、その後は屈曲状態をある程度維持することもできる。また、芯体3の屈曲に伴って発生しうる内部応力の発生も小さくできるので、比較的複雑な曲板形状を有するサンドイッチパネルを製造することが可能である。
【0031】
尚、溝部3A、3Bの溝幅は適宜設定が可能であるが、芯体3の屈曲部分の谷折り側の面に位置する溝部(ドアパネル1では溝部3B)の溝幅をある程度広く確保しておくと、屈曲した際に溝部の内部で対向する内壁同士の干渉を抑制し、良好に芯体3を屈曲できると考えられる。
【0032】
第二ステップとして、第一面板2A上における芯体3の外周面を被覆材(枠体部2C)で被覆した状態で、図6(b)に示すように例えばシリンジSを用いて芯体3に接着剤10を付着させる。この接着剤10としては、硬化後の強度が芯体3の強度よりも高い接着剤を用いる。具体的には芯体3の材料に例えば炭酸カルシウムを主成分とした発泡体を用いた場合、エポキシ系樹脂材料を含んでなる接着剤を好適に用いることができる。接着剤10としては例えば常温硬化性接着剤または熱硬化性接着剤を用いることができる。
【0033】
このとき、芯体3の溝部3A、3Bは連通路3Cにおいて連通しているので、芯体3の上方から接着剤10を溝部3Bに付着させるだけで接着剤10を連通路3Cを介して溝部3Aに流し込み、且つ芯体3と第一面板2Aとの間に流し込むことができ、作業効率が良い。
【0034】
尚、ドアパネル1のように屈曲部分Aを有するサンドイッチパネルを製造する場合に、第二ステップにおいて芯体3に接着剤10を付着させる方法としては、一例として、まず図6(b)に示すように屈曲部分Aを境界線とする第一面板2Aの一方の面(図中右側の面)を水平に保ち、水平になった芯体3の部分に接着剤10を付着させる。そしてある程度の流動性がなくなる程度まで接着剤10を硬化させた後、図7(a)に示すように屈曲部分Aを境界線とする第一面板2Aの他方の面(図中左側の面)を水平に保ち、水平になった芯体3の残りの部分に接着剤10を付着させる。このようにすれば、芯体3の全体に対して接着剤10を順次効率よく付着させることができ、接着剤10の無駄がない。
【0035】
第三ステップとして、図7(b)に示すように枠体部2Cで囲繞された芯体3の第二面の上方に第二面板2Bを載置する。このとき、芯体3の周囲を囲繞する枠体部2Cと第二面板2Bとの間に隙間が生じないように注意しながら第二面板2Bを配する。
【0036】
第四ステップとして、第一面板2Aと芯体3と第二面板2Bとを上記のように重ねた状態において、所定温度で一定時間静置することにより接着剤10を硬化させる。これにより、第一面板2A及び第二面板2Bに対する芯体3の接着と、各溝部3A、3Bにおける接着剤10の硬化とを同時に実施する。すなわち、第一面板2Aと、芯体3と、第二面板2Bとを同順に積層した状態で互いに接着する。また溝部3A、3Bの内部と、芯体3の第一面及び第二面に接着剤10を流し込んで付着させ、且つ硬化することでリブ4A、4B及び第一層4C、第二層4Dを有する補強部材4を形成する。これにより強化芯体5を構成する。その後、第一面板2Aと第二面板2Bと枠体部2Cとを溶接または締結具等により連結することにより、ドアパネル1が完成する。
【0037】
このように実施形態1のドアパネル1の製造工程においては、従来のドアパネルの製造工程と比べても追加の作業をほとんど発生させることなくドアパネル1を製造することが可能である。
【0038】
尚、ドアパネル1の製造工程では、第二ステップと第三ステップとを順次実施する方法に限定しない。例えば図9に示すように、第三ステップを第二ステップよりも先に実施することにより芯体3の第二面に第二面板2Bを配置した後、第一面板2A、芯体3、第二面板2Bを略垂直に立て、上方に位置する枠体部2Cの部分に予め設けた注入孔2Caを介し、第一面板2Aと第二面板2Bの間にシリンジSを用いて接着剤10を充填することにより、第二ステップを実施することもできる。この場合は、接着剤10が漏出しないように、第二ステップ実施後に注入孔2Caを閉塞するとよい。
【0039】
以上の製造工程を経ることにより、第一面板2Aと第二面板2Bと枠体部2Cとで挟まれた内部空間に、芯体3が補強部材4により補強されてなる強化芯体5が収納され、ドアパネル1が完成する。
【0040】
ここで、発泡体からなる芯体を用いた従来のサンドイッチパネルでは、その芯体の有する特性によって、通常のハニカム状の芯体を用いたサンドイッチパネルに比べ、良好な遮音性及び断熱性が得られる。しかしながら、発泡体からなる芯体を用いたサンドイッチパネルに部分的に高い圧力を掛けると、その部分に凹み等の変形を生じるおそれがある。また、当該サンドイッチパネルを鉄道車両のドアパネル等として利用した場合、車外と車内とで大きな温度差が発生すると、サンドイッチパネルを構成する一対の面板の車外に配された面板と車内に配された面板とで、熱膨張差及び熱収縮差がそれぞれ大きくなり、これに起因してサンドイッチパネルが変形を生じる恐れがある。
【0041】
これに対して実施形態1に係るドアパネル1は、上記した従来における各サンドイッチパネルの問題点を解決するものである。以下、具体的に説明する。
【0042】
図10に示すように、補強部材4を持たない芯体3Xを用いた従来のドアパネル1Xを装備した鉄道車両の使用時を想定する場合、例えばドアパネル1Xの屈曲部分Aの付近に対し、車内に臨む谷折り状の面側(図10の上方側)から荷重(圧縮荷重または曲げ荷重を含む)が加わると、ドアパネル1Xの内部の芯体3Xは荷重に耐えきれずに変形するおそれがある。これにより、ドアパネル1X全体も変形しうる。
【0043】
一方、図11に示すように、実施形態1のドアパネル1を装備した鉄道車両の使用時においては、例えばドアパネル1の屈曲部分Aに対し、車内に臨む谷折り状の面側(図11の上方側)から荷重が加わると、ドアパネル1の内部で補強部材4により補強された芯体3がこの荷重に対抗し、変形を防いで元の形態を保持することができる。ここでドアパネル1の強化芯体5は、補強部材4のリブ4A、4Bが芯体3の一対の面側から内部に向けて互いに繋がった三次元骨格を有し、しかもリブ4A、4Bが芯体3の各表面に対して立てた状態で配置されている。このため強化芯体5は、外部からドアパネル1の表面に荷重が掛かっても変形しにくい。これにより、ドアパネル1全体における変形も防止できる。このような効果は、強化芯体5における芯体3の材料に機械的強度が比較的低く、弾性(復元性)をあまり有さない材料を用いる場合において、特に有効に奏される。尚、上記例では谷折り状の面側から荷重をドアパネル1に加えたが、前述したように強化芯体5はその両面付近において同等の機械的強度を発揮できるため、例えば山折り状の面側(車外側の面)から荷重をドアパネル1に加えた場合においても、ドアパネル1の変形を防止して元の形態を保持する効果を期待できる。
【0044】
さらにドアパネル1の内部において、補強部材4は、芯体3の内部において第一面板2Aと第二面板2Bとを架け渡すように接続することにより、第一面板2Aと第二面板2Bの両方を拘束している。従って、車内と車外との温度差が比較的大きい場合であっても、第一面板2Aと第二面板2Bとの熱膨張差に起因したドアパネル1の変形や、第一面板2A又は第二面板2Bの剥がれを抑制することができる。
【0045】
また、補強部材4は芯体3における溝部3A、3Bの内部と芯体3の第一面及び第二面に接着剤10を付着させて硬化させることにより構成できるため、芯体3を補強するために別途骨材や金属ハニカム材等の部材を芯体3の内部に配置する必要がない。従って比較的低コストでドアパネル1を得ることができる。
【0046】
また、ドアパネル1内における補強部材4は接着剤10が硬化することにより形状が定まるため、補強部材4が保持部材となってドアパネル1の屈曲部分Aにおいて芯体3の屈曲形状を保持している。このため補強部材4においては、曲げのないパネルにおいて、接着剤10を先に硬化させた後に曲げ加工する場合と比べ、屈曲形状のまま接着剤10を硬化させることにより、補強部材4に生じうる残留応力の発生が回避されている。従って補強部材4は残留応力による劣化が防止され、比較的長期間にわたり安定した形態を保持できる。
【0047】
さらに、補強部材4を芯体3と組み合わせても芯体3が有する防音性及び断熱性、並びに難燃性等の各種特性は損なわれない。また、芯体に金属からなる格子状フレームを用いた場合等に比べ、芯体3を軽量化することも可能である。
【0048】
なお、上記ではドアパネル1が屈曲部分Aにおいて優れた機械的強度を発揮することを述べたが、ドアパネル1の屈曲部分A以外の部分でも同様に優れた機械的強度を発揮できることは言うまでもない。
【0049】
このように完成後のドアパネル1では、優れた断熱性及び防音性、並びに機械的強度(曲げ強度と圧縮強度を含む)の各性能を同時に達成して得ることができる。すなわち実施形態1によれば、たとえ曲板状のパネルを作製する場合でも、良好に加工して作製することが可能であり、且つ、発泡体を用いた芯体により優れた遮音性及び断熱性、並びに機械的強度を発揮することが可能なサンドイッチパネルを、比較的低コストで提供することが可能である。
【0050】
以下、本発明の別の実施形態について、実施形態1との差異を中心に説明する。
【0051】
<実施形態2>
図12に、実施形態2に係る強化芯体5Aの構成を示す。強化芯体5Aは、芯体3の第一面に溝部3D、第二面に溝部3Eを、それぞれ形成している。溝部3D、3Eは、芯体3を平面視する際、それぞれ複数の溝をストライプ状に並設してなる。溝部3D、3Eは、芯体3において、互いに直交する方向に延びており、芯体3の内部で不図示の連通路Cにおいて互いに連通している。強化芯体5Aでは溝部3D、3Eの内部と芯体3の第一面及び第二面とにわたり接着剤10が付着されて硬化されることにより補強部材が形成されている。図12では前記補強部材のうち、溝部3D、3Eの各内部に順に形成されたリブ4E、4Fと第一層4Cとを図示している。
【0052】
このような構成を有する強化芯体5Aにおいても、芯体3の内部に形成されたリブ4E、4Fを有する補強部材により良好な機械的強度を有する強化芯体5Aが形成されるので、この強化芯体5Aを内部に有するドアパネルにおいても、圧縮荷重や曲げ荷重に良好に対抗できる優れた強度の発揮を期待できる。また、芯体3が有する防音性及び断熱性、並びに難燃性等の各種特性も発揮させることが可能である。
【0053】
また、実施形態2では芯体3の溝部3D、3Eがそれぞれストライプ状に形成されているため、芯体3に溝部3D、3Eを形成する際の作業量及び作業時間が少なくて済み、低コストで強化芯体5Aを得ることが可能である。
【0054】
<実施形態3>
図13に、実施形態3に係る強化芯体5Bの部分構成を示す。強化芯体5Bでは、溝部3A、3Bの少なくとも一部領域に繊維部材6A、6Bが挿入され、繊維部材6A、6Bに接着剤10が含浸されて硬化している。これにより繊維部材6A、6Bと一体となったリブ4A、4Bが構成されている。
【0055】
繊維部材6A、6Bは、例えばガラス繊維やカーボン繊維等の材料からなり、接着剤10が硬化する前は柔軟な形態を有する。一例として、繊維部材6A、6Bは、当該繊維による織物や不織布、またはプリプレグ等によるシート体とすることができる。強化芯体5Bの製造時には、溝部3A、3Bに沿って予め繊維部材6A、6Bを挿入し、その後、溝部に接着剤10を流し込んでこれを硬化させて形成することができる。或いは、先に繊維部材6A、6Bに接着剤10を塗布しておき、これを溝部3A、3Bに挿入した後、接着剤10を硬化させて形成することもできる。ここで、溝部3A、3Bの格子が交差する部分では、繊維部材6A、6Bが重畳して若干変形するが、繊維部材6A、6Bは柔軟であるため、このような部分においても繊維部材6A、6Bを溝部3A、3Bの内部に良好に配置することができる。
【0056】
強化芯体5Bの溝部3A、3Bの内部には、リブ4A、4Bを繊維部材6A、6Bと一体化させることで、いわゆる繊維強化プラスチック(繊維部材6A、6Bにガラス繊維を用いた場合はGFRP、カーボン繊維を用いた場合にはCFRP)が構成される。従って、強化芯体5Bを内部に収納した実施形態3のドアパネルでは、芯体3の優れた断熱性及び防音性に加え、極めて良好な機械的強度を発揮させることが可能である。しかも、繊維部材6A、6Bの重量は比較的軽量であるため、繊維部材6A、6Bを用いたことによる重量増加は実質的に問題になりにくい。一方、繊維部材6A、6Bは柔軟なシート体であるため、製造時にはパネルが曲板状であってもこれを良好に製造することが可能である。
【0057】
<その他の事項>
実施形態1における溝部3A及び溝部3Bの形状は、図3及び図4に示したように、それぞれ芯体3を平面視する際に溝が直交した格子状に限定されない。例えば溝が斜方に交差する格子状(菱形状)とすることもできる。さらに芯体を平面視した際の溝部の升目形状は、実施形態1のように四角形に限定されず、三角形や五角形以上の多角形、或いは楕円形や円形、不定形のいずれかとしてもよい。
【0058】
サンドイッチパネルの内部に収納する芯体は1個に限定されず、複数個であってもよい。しかしながら芯体の数が少なければ、サンドイッチパネルを製造する際の作業量と作業時間を短縮できるので、芯体はなるべく分断せずに一体的に扱えるように図ることが望ましいと考えられる。
【0059】
本発明のサンドイッチパネルは当然ながら鉄道車両用途のドアパネルに限定されない。例えば鉄道車両の車体の床材、側材、内装パネル、天井板等のいずれかの用途のパネルに適用することができる。内装パネルに用いる場合には、車内側に配向される第二面板を一例としてアルミニウムベースのメラミン樹脂化粧板や、塗装板や、ヘアライン表面処理仕上げのSUSステンレス板のいずれかで構成することができる。一方、車外側(壁裏側や天井裏側等)に配向される第一面板を一例としてアルミニウム板で構成することができる。
【0060】
本発明のサンドイッチパネルにおける一対の面板は、同じ材料で構成する場合に限定されず、例えば一方の面板をステンレス板で構成し、他方の面板をアルミニウム板で構成することもできる。また、車外側に配向される面板をステンレス板で構成し、車内側に配向される面板をアルミニウム板で構成することもできる。この場合、車内側に配向される面板は内装材の一部、或いは化粧板のいずれかとして用いることができる。或いは車内側に配向される面板をステンレス板で構成し、当該面板を内装材として用いることも勿論可能である。
【0061】
本発明のサンドイッチパネルはさらに、船舶や航空機、一般車両等のいずれかの用途のサンドイッチパネルに適用することも可能である。
【0062】
溝部3A、3Bは実施形態1のように、互いの位相をずらせて配置することで連通する構成に限定されない。例えば芯体3を平面視した際、溝部3A、3Bをその位相が一致するように形成し、且つ溝部3A、3Bの深さが比較的深い領域を複数個所形成し、前記各領域において溝部3A、3Bを互いに連通させた構成とすることもできる。
【0063】
芯体の材料は無機発泡材料に限定されず、有機発泡材料であってもよい。また、芯体の屈曲前の形状は平板状に限定されず、予め屈曲された形状を有していてもよい。
【0064】
さらに芯体の材料としては、単一材料に限定されず、2種以上の複合材料からなる発泡材料を用いてもよい。
【0065】
本発明におけるサンドイッチパネルは実施形態1のドアパネル1のように屈曲部分Aを有する構成に限定されず、平板状の構成としてもよい。或いは、屈曲部分Aを複数有する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように本発明の一態様によれば、曲面状の形態を有する場合であっても比較的作製し易く、完成時には良好な強度及び曲げ強度を有するサンドイッチパネルを比較的低コストで提供できる、優れた効果を有する。従って、この効果の意義を発揮できるサンドイッチパネルとして広く適用すると有益である。
【符号の説明】
【0067】
S シリンジ
1 鉄道車両用ドアパネル
2A 第一面板
2B 第二面板
2C 枠体部
3 芯体
3A、3B、3D、3E 溝部
3C 連通路
4 補強部材
4A、4B、4E、4F リブ
5、5A、5B 強化芯体
6A、6B 繊維部材
10 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13