特許第6279216号(P6279216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6279216-クリーム状組成物 図000003
  • 特許6279216-クリーム状組成物 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279216
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】クリーム状組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20180205BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20180205BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20180205BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20180205BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61Q5/06
   A61K8/06
   A61K8/37
   A61K8/41
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-42160(P2013-42160)
(22)【出願日】2013年3月4日
(65)【公開番号】特開2014-169249(P2014-169249A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2016年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177976
【弁理士】
【氏名又は名称】根木 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100184697
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100117167
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 隆嗣
(72)【発明者】
【氏名】瀧野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】三村 真理奈
【審査官】 中村 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−241244(JP,A)
【文献】 特開2013−032398(JP,A)
【文献】 特開2001−213735(JP,A)
【文献】 特開2004−231615(JP,A)
【文献】 特開2008−239590(JP,A)
【文献】 特開2007−099683(JP,A)
【文献】 特開2008−291027(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0203003(US,A1)
【文献】 特開2002−097118(JP,A)
【文献】 特開2008−127337(JP,A)
【文献】 特開昭50−100246(JP,A)
【文献】 Glossy Shine Leave-In Cream,Mintel GNPD,2011年 5月,[online], [検索日 2017. 06. 30], インターネット<URL: http://www.gnpd.com/ , ID#: 1533199>,URL,http://www.gnpd.com/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
[A]ヒドロキシ酸エステル、[B]カチオン界面活性剤、[C]高級アルコール及び[D]水が配合され、
上記[A]ヒドロキシ酸エステルとして、乳酸と1価の直鎖状飽和アルコールとのエステル、リンゴ酸と1価アルコールとのジエステル(但し、当該ジエステルの配合量が0.5質量%以上5質量%以下)、又は、乳酸と1価の直鎖状飽和アルコールとのエステル及びリンゴ酸と1価アルコールとのジエステルが配合されており、
整髪剤として用いられるクリーム状組成物。
【請求項2】
上記[A]ヒドロキシ酸エステルの配合量が0.5質量%以上5質量%以下である請求項1に記載のクリーム状組成物。
【請求項3】
pHが3以上9以下である請求項1又は請求項2に記載のクリーム状組成物。
【請求項4】
25℃における粘度が6,000mPa・s以上40,000mPa・s以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のクリーム状組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪剤として使用するのに好適なクリーム状組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、毛髪をセットするための整髪剤として、ワックスのような固形整髪料が、再整髪性や、毛髪への柔軟性に優れることから幅広く用いられている。しかし、固形整髪料は、毛髪に対して均一に塗布することが難しい。
【0003】
上記不都合に対し、毛髪全体に整髪剤を均一に塗布することが容易なエアゾールスプレー整髪剤が開発されている(特開2007−099683号公報参照)。しかし、整髪力を保持するための成分である固体の油性成分を整髪剤原液中の溶媒に溶解させることは、常温では困難な場合がある。また、油性成分が析出することで、これらを十分に噴霧できない場合もある。
【0004】
他方、整髪剤の剤型をクリーム状とすることも考えられる。クリーム状整髪剤は、ワックス状の剤型のものに比べて手の平で伸ばし易いと共に毛髪に対して均一に塗布することが容易で、油性成分の析出も少ないものの、温度変化のために粘性が変化してしまう場合がある。この粘性変化は、温度変化に伴った手延ばしの感触の安定性を損なうことを意味し、使用者に品質劣化の不安を抱かせる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−099683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような不都合に鑑みてなされたものであり、温度変化による粘性変化が低減され、整髪剤として使用されるのが好適なクリーム状組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記不都合を解決するために鋭意検討を重ねた結果、[B]カチオン界面活性剤、[C]高級アルコール及び[D]水が配合されるクリーム状組成物において、特定の[A]ヒドロキシ酸エステルをも配合すれば、温度変化による粘性変化の低減を図れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A]ヒドロキシ酸エステル、[B]カチオン界面活性剤、[C]高級アルコール及び[D]水が配合され、
上記[A]ヒドロキシ酸エステルが乳酸と1価アルコールとのエステル及び/又はリンゴ酸と1価アルコールとのジエステルであるクリーム状組成物である。
【0009】
上記1価アルコールの炭素数は、6以上24以下であると良い。
【0010】
当該クリーム状組成物における上記[A]ヒドロキシ酸エステルの配合量は、0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。0.5質量%以上にすることで、温度変化による粘性変化低減に特に適し、5質量%以下にすることで、常温における粘度が極端に高まることを抑制できる。
【0011】
本発明に係るクリーム状組成物を、整髪剤として使用すると良い。[B]カチオン界面活性剤、[C]高級アルコール及び[D]水が配合されたクリーム状組成物は、整髪剤として広く使用されており、本発明に係るクリーム状組成物も整髪剤として使用できる。整髪剤として使用した場合、例えば、ポンプ容器から吐出させるときに要する圧力や、手の平で延ばすときに要する力が、温度変化により変動することを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るクリーム状組成物は、[A]ヒドロキシ酸エステルが[B]カチオン界面活性剤、[C]高級アルコール及び[D]水と配合されたものなので、温度変化による粘性変化が低減されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施例1のクリーム状組成物等の50℃での粘性安定性を示す写真である。
図2図2は、実施例1のクリーム状組成物等の45℃での粘性安定性を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を以下に詳述する。
本発明のクリーム状組成物は、特定の[A]ヒドロキシ酸エステル、[B]カチオン界面活性剤、[C]高級アルコール及び[D]水が配合されたものである。また、当該クリーム状組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記4成分以外に[E]その他の成分を任意に配合されたものでも良い。以下、当該クリーム状組成物について詳説する。
【0015】
<[A]ヒドロキシ酸エステル>
当該クリーム状組成物に配合される[A]ヒドロキシ酸エステルは、乳酸と1価アルコールとのエステル及び/又はリンゴ酸と1価アルコールとのジエステルであり、この[A]ヒドロキシ酸エステルの一種又は二種以上が当該クリーム状組成物に配合される。なお、「及び/又は」とは、両方或いはいずれか一方をいう。
【0016】
上記1価アルコールは、直鎖状飽和アルコール又は分枝状飽和アルコールであると良く、当該アルコールの炭素数は、例えば6以上24以下であり、12以上20以下であると良い。
【0017】
乳酸と1価アルコールとのエステルとしては、例えば乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等が挙げられる。
【0018】
リンゴ酸と1価アルコールとのジエステルとしては、例えばリンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジエチルヘキシル等が挙げられる。
【0019】
当該クリーム状組成物における[A]ヒドロキシ酸エステルの配合量は、0.5質量%以上5質量%以下が好ましく、1質量%以上2質量%以下がより好ましい。当該配合量が0.5質量%以上であれば、温度変化による粘性変化の低減に好適であり、その配合量が5質量%以下であれば、[A]ヒドロキシ酸エステルによる極端な高粘性化が抑えられる。
【0020】
<[B]カチオン界面活性剤>
当該クリーム状組成物に[B]カチオン界面活性剤を配合することで、[C]高級アルコール及び[D]水と共に液晶形成し、クリーム状の感触が付される。また、水中油滴型エマルション(O/W型乳化物)の形態を安定に保つこともできる。
【0021】
[B]カチオン界面活性剤は、一種又は二種以上が用いられる。[B]カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等のモノ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジオレイルジメチルアンモニウム等のジ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩;塩化ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウム等の長鎖アルコキシアルキル型4級アンモニウム塩;塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のベンザルコニウム型4級アンモニウム;塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。なお、ここでの「長鎖アルキル」とは、炭素数が8以上の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味し、その炭素数が16以上22以下であると皮膚への刺激の抑制や毛髪に付与する感触の観点から好ましい。
【0022】
当該クリーム状組成物における[B]カチオン界面活性剤の配合量は、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上2質量%以下が更に好ましい。上記配合量を5質量%以下にすることで、頭皮に与える刺激の抑制に好適である。また、上記配合量を0.1質量%以上であれば、柔軟性の向上に好適である。
【0023】
<[C]高級アルコール>
[C]高級アルコールは、一種又は二種以上が用いられる。[C]高級アルコールは、炭素数16以上22以下のものが良く、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状飽和アルコール;オレイルアルコールなどの直鎖状不飽和アルコール;ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコールなどの分岐状飽和アルコール;が挙げられる。
【0024】
当該クリーム状組成物における油滴の分散安定性の観点から、[C]高級アルコールは、炭素数16以上22以下の直鎖状飽和アルコールが良く、セチルアルコール、ステアリルアルコールがより好ましい。
【0025】
当該クリーム状組成物における[C]高級アルコールの配合量は、通常0.5質量%以上8質量%以下であり、1質量%以上5質量%以下が好ましい。当該クリーム状組成物にクリーム状の感触を付与するには、[C]高級アルコール及び[B]カチオン界面活性剤及び[D]水による液晶形成が必要であることから、[C]高級アルコールの配合量を0.5質量%以上にするのが通常である。また、[B]カチオン界面活性剤に対する[C]高級アルコールの量が多すぎると、当該クリーム状組成物の粘性が大幅に増加する場合があるので、[C]高級アルコールの配合量を8質量%以下にするのが通常である。
【0026】
<[D]水>
当該クリーム状組成物における水の配合量は、例えば40質量%以上である。
【0027】
<[E]その他の成分>
当該クリーム状組成物は、上記4成分以外の[E]その他の成分が配合されたものであっても良い。
【0028】
[E]その他の成分は、公知の整髪剤に配合されているものから適宜選定したものであると良い。[E]その他の成分としては、例えば、25℃で液状の油分(液状油脂、液状エステル油、液状炭化水素)、25℃で固形の油分(固形ロウ、固形油脂、固形エステル油、固形炭化水素)、多価アルコール、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、界面活性剤(ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤など)、高分子化合物、香料、防腐剤が挙げられる。
【0029】
当該クリーム状組成物に一種又は二種以上の25℃で液状の油分を配合すれば、整髪剤として使用したときに、毛髪のはり、柔らかさ等の感触調整を行うことができる。当該クリーム状組成物における同油分の配合量は、例えば0.1質量%以上5質量%以下である。
【0030】
25℃で液状の油分としては、例えば、
マカデミアンナッツ油、ホホバ種子油、オリーブ油、ローズヒップ油、アボカド油、パーシック油、アーモンド種子油、コーン油、ヒマワリ種子油、ハイブリッドヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、ヤシ油、マンゴー種子油、アボカド油不ケン化物等の油脂;
ミリスチン酸ブチル、2−エチルヘキサン酸アルキル[2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸アルキル(14,16,18)(括弧内の数値はアルキル部分の炭素数)等]、セバシン酸ジエチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸フィトステリル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル等の液状エステル油;
植物性スクワラン、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素;が挙げられる。
【0031】
当該クリーム状組成物に一種又は二種以上の多価アルコールを配合することで、整髪剤として使用したときに、毛髪の保湿性を向上させることができる。当該クリーム状組成物における多価アルコールの配合量は、例えば1質量%以上8質量%以下である。
【0032】
多価アルコールとしては、例えばプロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ブチレングリコール等が挙げられる。
【0033】
当該クリーム状組成物に一種又は二種以上の揮発性シリコーンを配合することで、整髪剤と使用した後の毛髪のべたつきをより低減することができる。
【0034】
揮発性シリコーンとしては、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシクロメチコン;
ジメチコンが挙げられる。
【0035】
<粘度特性>
当該クリーム状組成物は、上記の通り、[A]ヒドロキシ酸エステルを配合していないものに比して粘性の温度依存が小さいものである。このことは、例えば、[A]ヒドロキシ酸エステルを配合したクリーム状組成物を収容した密閉透明容器を、加温後に傾けたときの前記組成物の流動性が、[A]ヒドロキシ酸エステルを配合していないものよりも低くなることから確認できる。
【0036】
また、B型粘度計を用いて測定したクリーム状組成物の25℃における粘度は、通常6,000mPa・s以上40,000mPa・s以下であり、好ましくは7,000mPa・s以上30,000mPa・s以下である。
【0037】
<pH>
当該クリーム状組成物のpHは、通常3以上9以下であり、3以上7以下がより好ましい。なお、pHの調整は、例えば有機酸、無機酸、アルカリ金属の水酸化物等を用いて行うことができる。
【0038】
<整髪剤>
当該クリーム状組成物を整髪剤とするときの使用方法としては、濡れているか、或いは乾燥した毛髪に当該クリーム状組成物を塗布することで対象毛髪をスタイリングすることができる。対象毛髪としては、パーマ処理、カラーリング処理、又はブリーチ処理の履歴がある毛髪、及びその履歴がない毛髪のいずれであっても良い。
【実施例】
【0039】
以下、整髪剤として使用できる実施例のクリーム状組成物を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、クリーム状組成物における各成分の配合量としては、全体で100%となるように各成分の配合量を%で示し、表1ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
【0040】
<評価方法>
実施例及び比較例で行なった評価方法について説明する。
【0041】
(温度変化による粘性変化)
実施例又は比較例のクリーム状組成物を収容した密閉透明容器(直径3cmの円筒容器)を、45℃又は50℃の恒温槽内に3時間以上放置した。その後、恒温槽内から取り出した密閉透明容器を傾け、クリーム状組成物の流動性を目視にて確認した。また、以下の評価基準で評価した。
基準:比較例2
○:基準よりも流動性がない
×:基準よりも流動性がある
【0042】
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
実施例1〜4及び比較例1〜4のクリーム状組成物を、表1に示す組成で調製した。なお、調製後の実施例1〜4及び比較例1〜4のクリーム状組成物は、クリーム状O/W型乳化物の形態を有していた。
【0043】
【表1】
【0044】
表1における精製水の欄の「計100とする」とは、クリーム状組成物を構成する精製水以外の各成分の合計量に、精製水の量を加えて100質量%となるようにしたことを意味している。
【0045】
実施例のクリーム状組成物は、比較例のものと比べて温度変化による粘性変化が低減されていた。このことは表1の実施例2〜4において明確に表されている。すわなち、25℃の粘度は、実施例2〜4が比較例1〜4よりも低いが、温度変化による粘性変化は、実施例2〜4が比較例1〜4よりも低くなっていた。
【0046】
図1は、左より実施例1及び比較例2のクリーム状組成物を収容した密閉透明容器を、50℃の恒温槽内に3時間以上放置した後に傾けたときの写真である。実施例1に係るクリーム状組成物の傾斜面は、比較例2のものと比べて急傾斜(低流動性)となっていたことが分かる。また、図2は、左より比較例1、実施例1、比較例4及び比較例3のクリーム状組成物を収容した密閉透明容器を、45℃の恒温槽内に3時間以上放置した後に傾けたときの写真である。実施例1に係るクリーム状組成物の傾斜面は、比較例のものと比べて急傾斜(低流動性)となっていたことが分かる。
図1
図2