【文献】
荻野長生,横田英俊,ネットワーク仮想化におけるリソース共用を最大化するフロー割当,電子情報通信学会2014年総合大会講演論文集 通信2,一般社団法人電子情報通信学会,2014年 3月 4日,第168頁
【文献】
片山陽平ほか,ネットワーク仮想化基盤における資源分離のための階層化資源管理制御方式,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.113 No.7 CQ2013−10,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2013年 4月11日,第53−58頁
【文献】
近藤拓也,日下部茂,アドレス空間を共有するプロセスの集約を行う定数オーダースケジューリング,先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS2003 論文集,日本,社団法人情報処理学会,2003年 5月28日,第21−24頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記物理リソース帯域が物理リンク帯域であり、最小化するスケジューリングコストが、各物理リンクにおけるパケット転送のスケジューリングコストの総和であることを特徴とする請求項1に記載の仮想ネットワーク割当装置。
前記物理リソース帯域が物理ノード帯域であり、最小化するスケジューリングコストが、各物理ノードにおけるサービス処理のスケジューリングコストの総和であることを特徴とする請求項1に記載の仮想ネットワーク割当装置。
前記物理リソース帯域が物理リンク帯域および物理ノード帯域であり、最小化するスケジューリングコストが、各物理リンクにおけるパケット転送のスケジューリングコストおよび各物理ノードにおけるサービス処理のスケジューリングコストの重み付き総和であることを特徴とする請求項1に記載の仮想ネットワーク割当装置。
前記物理ノード候補を選択する手段は、仮想ノードごとに当該仮想ノードと予め対応付けられた一の物理ノード及びこれに隣接する少なくとも一つの物理ノードを選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の仮想ネットワーク割当装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2013-262879号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「Software Defined Networkにおける制御プレーンアプリケーション開発・運用監視を目的とした統合状態収集・解析機構の検討」電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム 111(408), 127-132, 2012-01-19
【非特許文献2】「OpenFlow/SDNとネットワーク仮想化」信学技報, vol. 112, no. 230, IN2012-96, pp. 115-119, 2012年10月,進藤資訓
【非特許文献3】(Y. Zhu and M. Ammar, "Algorithms for assigning substrate network resources to virtual network components," Proc. of IEEE Infocom 2006, April 2006.)
【非特許文献4】N. Chowdhury, M. Rahman, and R. Boutaba, "Virtual network embedding with coordinated node and link mapping," Proc. of IEEE Infocom 2009, April 2009.
【非特許文献5】(S. Zhang, Z. Qian, J. Wu, and S. Lu, "An opportunistic resource sharing and topology-aware mapping framework for virtual networks," Proc. of IEEE Infocom 2012, April 2012.)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。ここでは初めに、SDNにおけるスライス間での物理リソース帯域の共用によるスケジューリングコストの削減について、(1)パケット転送キューの共用による物理リンク帯域の共用および(2)トランザクションキューの共用による物理ノード容量の共用を例に説明する。
【0022】
なお、本実施形態では、物理リンク帯域および物理ノード容量を併せて物理リソース帯域と表現するものとし、物理ノード容量についても、物理リンク帯域に合わせて物理ノード帯域と表現する場合もある。
【0023】
図1は、一の物理リンクに着目して、SDNスライス間でのパケット転送キューの共用による物理リンク帯域の共用方法を模式的に表現した図であり、同図(a)は共用前、同図(b)は共用後を表している。
【0024】
本発明では、いずれのスライスにおいても、フロー単位で優先度設定が可能であり、高優先のフローを収容する仮想リンクは高優先仮想リンクとされ、低優先のフローを収容する仮想リンクは低優先仮想リンクとされる。
【0025】
図示の例では、着目した物理リンクを、スライス#1,#2では高優先仮想リンクおよび低優先仮想リンクが通過し、スライス#3,#4では高優先の仮想リンクのみが通過し、スライス#5,#6では低優先の仮想リンクのみが通過している。高優先仮想リンクのパケット転送キューには、低優先仮想リンクのパケット転送キューよりも高い優先度でスケジューリング機会が与えられる。
【0026】
ここで、異なるスライス上の仮想リンク同士であっても、同一の優先クラスに属する仮想リンク同士での物理リンク帯域の共用であれば、一方のスライスにおける仮想リンクのトラヒックフロー量の増加が、他方のスライスにおける仮想リンクのトラヒックフローのパケット転送品質へ与える影響は小さい。
【0027】
そこで、本発明ではスライス#3,#4の組み合わせ、およびスライス#5,#6の組み合わせのように、各物理リンクにおいて、通過する仮想リンクの優先クラスが1種類のみのスライス同士であって、かつ通過する仮想リンクの優先クラスが互いに同一のスライス間でのみ、同図(b)に示したように、パケット転送キューの共用による物理リンク帯域の共用が図られる。
【0028】
これに対して、スライス#1,#2の組み合わせのように、通過する仮想リンクの優先クラスが複数であるようなスライス間では、パケット転送キューおよび物理リンク帯域の共用は行わない。これは、もしパケット転送キューおよびリンク帯域の共用を行うと、一方のスライスにおいて高優先仮想リンクのトラヒックフロー量が増加した場合、他方のスライスにおいて低優先仮想リンクのトラヒックフローのパケット転送品質が不当に劣化する恐れがあるためである。
【0029】
図2は、一の物理ノードに着目して、SDNスライス間でのトランザクションキューの共用による物理ノード帯域(容量)の共用方法を模式的に表現した図であり、同図(a)は共用前、同図(b)は共用後を表している。本発明では、仮想ノードで実行されるサービス処理について、高優先のフローに対応するサービス処理は高優先サービス処理とされ、低優先のフローに対応するサービス処理は低優先サービス処理とされる。
【0030】
図示の例では、着目した物理ノードにおいて、スライス#1,#2の仮想ノードは高優先サービス処理および低優先サービス処理を実行し、スライス#3,#4の仮想ノードは高優先のサービス処理のみを実行し、スライス#5,#6の仮想ノードは低優先のサービス処理のみを実行する。高優先サービス処理をスケジューリングするトランザクションキューには、低優先サービス処理のトランザクションキューよりも高い優先度でスケジューリング機会が与えられる。
【0031】
ここで、異なるスライス上の仮想ノード同士であっても、同一優先クラスに属するサービス処理同士でのトランザクションキューの共用による物理ノード帯域の共用であれば、一方のスライスにおけるサービス処理量の増加が、他方のスライスにおけるサービス処理の実行品質に与える影響は小さい。
【0032】
そこで、本発明ではスライス#3,#4の組み合わせ、およびスライス#5,#6の組み合わせのように、各物理ノードにおいて、実行されるサービス処理の優先クラスが1種類のみのスライス同士であって、かつ実行されるサービス処理の優先クラスが互いに同一のスライス間でのみ、同図(b)に示したように、トランザクションキューの共用による物理ノード帯域の共用が図られる。
【0033】
これに対して、スライス#1,#2の組み合わせのように、実行されるサービス処理の優先クラスが複数であるようなスライス間では、トランザクションキューおよび物理ノード帯域の共用は行わない。これは、もしトランザクションキューおよび物理ノード帯域の共用を行うと、一方のスライスで実行される高優先サービス処理量が増加した場合、他方のスライスで実行される低優先サービス処理の実行品質が不当に劣化する恐れがあるためである。
【0034】
次いで、物理リンク帯域および物理ノード帯域の共用を促進して、スライス実行におけるスケジューリングコストを最小化する仮想ネットワーク割当について説明する。
【0035】
本実施形態において最小化されるスケジューリングコストは、各物理リンクにおけるパケット転送に関するスケジューリングコストおよび各物理ノードにおけるサービス処理に関するスケジューリングコストの重み付き総和である。
【0036】
各物理リンクにおけるスケジューリングコストは、スケジューリングの対象数で表され、各スライスによる物理リンク帯域共用後の物理リンク帯域の分割数となる。
図1に示した例では、スケジューリングコストが物理リンク帯域共用によって6から4に削減されている。
【0037】
同様に、各物理ノードにおけるスケジューリングコストも、スケジューリングの対象数で表され、各スライスによる物理ノード帯域共用後の物理ノード帯域の分割数となる。
図2に示した例では、スケジューリングコストが物理ノード帯域共用によって6から4に削減されている。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態に係る仮想ネットワーク割当装置1の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、汎用のコンピュータやサーバに各機能を実現するアプリケーション(プログラム)を実装することで構成できる。あるいはアプリケーションの一部がハードウェア化またはROM化された専用機や単能機としても構成できる。
【0039】
ネットワーク情報入力部10には、物理ネットワークのトポロジー情報、物理ネットワークへ割当済の既存仮想ネットワークの情報、および物理ネットワークへの仮想ネットワークの新規割り当てを要求する仮想ネットワーク割当要求が入力される。
【0040】
前記物理ネットワークのトポロジー情報は、物理ネットワークを構成する物理ノード集合および物理リンク集合で表される。既存割当仮想ネットワーク情報は、各物理リンクおよび物理ノードに割当てられている仮想ネットワークと、その中でパケット転送またはサービス処理が行われる優先クラスによって表される。
【0041】
前記仮想ネットワーク割当要求では、新たに割り当てられる仮想ネットワーク(割当要求仮想ネットワーク)の仮想ノードおよび仮想リンクで構成される仮想ネットワークトポロジーと、各仮想リンクが属する優先クラスとが指定される。各仮想リンク上では、指定された優先クラスに基づくパケット転送が行われ、各仮想リンクが接続する仮想ノードペア上では、指定された優先クラスに基づくサービス処理が実行される。
【0042】
物理ノード候補選択部20は、入力された各情報に基づいて、割当要求仮想ネットワークの各仮想ノードを割り当て可能な物理ネットワークの物理ノード(候補)を選択する。本実施形態では、仮想ノードへのアクセス遅延の観点から、各仮想ノードは、予め当該仮想ノードと対応付けられた物理ノードおよび当該物理ノードに隣接する物理ノードの中のいずれか1つに割当てられる。
【0043】
物理ネットワーク拡張部30は、
図4に示したように、与えられた物理ネットワークのトポロジー[同図(a)]に、割当対象である仮想ネットワークの各仮想ノードに対応する擬似ノードを仮想的に追加し、当該仮想ノードを割当てることが可能な全ての物理ノード(候補)と擬似ノードとの間に、破線で示した擬似リンクを設定する[同図(b)]ことで物理ネットワークを拡張する。
【0044】
図示の例では、擬似ノードNv1が4つの物理ノードNp7,Np8,Np1,Np2と擬似リンクにより接続されている。同様に、擬似ノードNv2が3つの物理ノードNp1,Np2,Np3と擬似リンクにより接続されている。
【0045】
仮想ネットワーク割当部40は、拡張された物理ネットワーク上で、各仮想ノードが対応する擬似ノードに割り当てられたものとして、スライス実行におけるスケジューリングコストの総和を最小化する仮想ネットワーク割当を整数計画法モデルの解として計算する。
【0046】
例えば
図4(b)の例であれば、擬似ノード(仮想ノード)Nv5,Nv8を発着ノードとするパスについては、物理ノードNp4,Np5,Np6のいずれか(Nv5側)と物理ノードNp7,Np8,Np1,Np3(Nv8側)のいずれかとの組み合わせが発着ノードペアの候補となる。
【0047】
その結果、アクセス遅延を生じさせない範囲でパスの多様性を確保することができ、また、全ての物理ノード候補を仮想ネットワークの発着ノードとするよりも、擬似ノードのみを発着ノードとすることにより、発着ノード数が減ぜられて計算量が減るので、整数計画法モデルの求解時における使用リソース量を低減できるようになる。
【0048】
ここで、本実施形態では拡張された物理ネットワークに対する整数計画法モデルの定数および集合を以下の様に定義する。
Node:物理ノード集合
node:物理ノード
ENode:物理ノードと擬似ノードを合わせた拡張ノード集合
enode:拡張ノード
Link:物理リンク集合
link:物理リンク
VLink:擬似リンク集合
vlink:擬似リンク
ELink:物理リンクと擬似リンクを合わせた拡張リンク集合
elink:拡張リンク
Inout (enode):拡張ノードenodeに接続する拡張リンクの集合
Sl:既存スライス集合
sl:既存スライス
Pr:優先クラス集合
pr:優先クラス
EQ
pr, sl (link):既存スライスslにおいて、優先クラスprに属する仮想リンクが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー定数
EQ1
sl (link):既存スライスslにおいて、1つ以上の優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー定数
EQ2
sl (link):既存スライスslにおいて、2つ以上の優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー定数
EQ
pr, sl (node):既存スライスslにおいて、優先クラスprに属するサービス処理が物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー定数
EQ1
sl (node):既存スライスslにおいて、1つ以上の優先クラスに属するサービス処理が物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー定数
EQ2
sl (node):既存スライスslにおいて、2つ以上の優先クラスに属するサービス処理が物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー定数
Flow:割当対象スライスにおける仮想リンク集合
f:割当対象スライスにおける仮想リンク
FPr (pr):割当対象スライスにおける優先クラスprに属する仮想リンク集合
s
f:仮想リンクfが接続する一方の仮想ノードに対応する擬似ノード
d
f:仮想リンクfが接続する他方の仮想ノードに対応する擬似ノード
A:十分大きな値を持つ定数
【0049】
また、本実施形態では変数を以下の様に定義する。
X
f, elink:割当対象スライスにおける仮想リンクfが拡張リンクelinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Y
f, node:割当対象スライスにおける仮想リンクfが物理ノードnodeを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Z
vlink:割当対象スライスにおいて、擬似リンクvlinkが接続する擬似ノードに対応する仮想ノードが擬似リンクvlinkが接続する物理ノードに割当てられる時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Q
pr (link):割当対象スライスにおいて、優先クラスprに属する仮想リンクが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Q1
(link):割当対象スライスにおいて、1つ以上の優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Q2
(link):割当対象スライスにおいて、2つ以上の優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー変数
NQ
pr (link):既存スライスと割当対象スライスの少なくとも1つのスライスにおいて、優先クラスprに属する仮想リンクのみが物理リンクlinkを通過する時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Q
pr (node):割当対象スライスにおいて、優先クラスprに属するサービス処理が物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Q1
(node):割当対象スライスにおいて、1つ以上の優先クラスに属するサービス処理が物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー変数
Q2
(node):割当対象スライスにおいて、2つ以上の優先クラスに属するサービス処理が物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー変数
NQ
pr (node):既存スライスと割当対象スライスの少なくとも1つのスライスにおいて、優先クラスprに属するサービス処理のみが物理ノードnodeで実行される時1、そうでない時0であるバイナリー変数
【0050】
本実施形態では、整数計画法モデルにおける制約式が、仮想リンク経路の保存則として次式(1)〜(3)で与えられる。
【0054】
次式(4)は、仮想ノードが物理ノードに割当てられる条件であり、Zvlinkは、ΣXf,linkが0以下であれば「0」、1以上であれば「1」となる。
【0056】
次式(5)は、割当対象スライスにおいて、各優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクを通過する条件であり、Q pr(link)は、ΣXf,linkが0以下であれば「0」、1以上であれば「1」となる。
【0058】
次式(6)は、割当対象スライスにおいて、1つ以上の優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクを通過する条件であり、Q1(link)は、ΣQpr(link)が0以下であれば「0」、1以上であれば「1」となる。
【0060】
次式(7)は、割当対象スライスにおいて、2つ以上の優先クラスに属する仮想リンクが物理リンクを通過する条件であり、Q2 sl (link)は、ΣQ pr, sl (link)-1が0以下であれば「0」、1以上であれば「1」となる。
【0062】
次式(8),(9)は、既存スライスと割当対象スライスの少なくとも1つのスライスにおいて、各優先クラスに属する仮想リンクのみが物理リンクを通過する条件である。
【0065】
次式(10)は、割当対象スライスにおいて、各優先クラスに属するサービス処理が物理ノードで実行される条件である。
【0067】
次式(11)は、割当対象スライスにおいて、1つ以上の優先クラスに属するサービス処理が物理ノードで実行される条件である。
【0069】
次式(12)は、割当対象スライスにおいて、2つ以上の優先クラスに属するサービス処理が物理ノードで実行される条件である。
【0071】
次式(13),(14)は、既存スライスおよび割当対象スライスの少なくとも1つのスライスにおいて、各優先クラスに属するサービス処理のみが物理ノードで実行される条件である。
【0074】
最小化すべきスライス実行におけるスケジューリングコストは、各物理リンクにおけるパケット転送に関するスケジューリングコストおよび各物理ノードにおけるサービス処理に関するスケジューリングコストの重み付き総和として、次式(14)で与えられる。
【0076】
ここで、定数W1は、パケット転送に関するスケジューリングコストの重み値を表し、定数W2は、サービス処理に関するスケジューリングコストの重み値を表す。仮想ネットワークの割当結果は、変数X
f, elinkまたはY
f, nodeの値で示される。
【0077】
図5は、前記ネットワーク情報入力部10に入力される物理ネットワークのトポロジー情報[同図(a)]、割当要求仮想ネットワーク[同図(b)]および仮想ネットワークの割当結果[同図(c)]の一例を示した図である。
【0078】
各仮想ノードNvは1個の物理ノードNpへ割り当てられる。また、複数個の仮想ノードNvが1個の物理ノードNpに割り当てられることはない。一方、各仮想リンクlは、当該仮想リンクlが接続する2個の仮想ノードNvが割り当てられた2個の物理ノードNpを発着ノードとする1本の物理パスへ割り当てられる。
【0079】
図示の例では、物理ノードNp2,Np6,Np11,Np14に仮想ノードNv1,Nv4,Nv2,Nv3がそれぞれ割り当てられている。また、物理リンクl14-15,l1-15,l1-2から構成される物理パスに仮想リンクL1-3が割り当てられ、物理リンクl11-12,l12-13,l13-14から構成される物理パスに仮想リンクL2-3が割り当てられ、物理リンクl6-14から構成される物理パスに仮想リンクL3-4が割り当てられ、物理リンクl2-11から構成される物理パスに仮想リンクL1-2が割り当てられている。
【0080】
本実施形態によれば、各仮想ノードの割当候補となる物理ノードが、予め対応付けられた物理ノードおよびその隣接ノードに制限されるので、整数計画法モデルによる解法を採用しても計算リソースの使用量を大幅に減ぜられるようになる。のみならず、各仮想ノードは、予め当該仮想ノードと対応付けられた物理ノードまたは当該物理ノードに隣接する物理ノードの中のいずれか一つに割当てられるため、仮想ノードへのアクセス遅延を抑えながらパスの多様性を確保できるようになる。
【0081】
また、本実施形態によれば、SDNにおいて、指定された優先クラスに基づくサービス品質へ影響が及ばない範囲で、各スライス間での物理リンク帯域および物理ノード帯域の共用を促進して、スライス実行におけるスケジューリングコストを最小化する仮想ネットワーク割当を実現できる。
【0082】
さらに、本実施形態によれば、各スライス間で物理リンク帯域および物理ノード帯域の共用が促進されるので、統計多重効果によって物理リンク帯域および物理ノード帯域の利用効率が向上する。