特許第6279512号(P6279512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279512
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】適応ビデオ通信用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/637 20110101AFI20180205BHJP
   H04N 21/4363 20110101ALI20180205BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20180205BHJP
   H04N 21/643 20110101ALI20180205BHJP
【FI】
   H04N21/637
   H04N21/4363
   H04N21/438
   H04N21/643
【請求項の数】29
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-94157(P2015-94157)
(22)【出願日】2015年5月1日
(62)【分割の表示】特願2014-523911(P2014-523911)の分割
【原出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-173477(P2015-173477A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2015年5月1日
(31)【優先権主張番号】61/514,009
(32)【優先日】2011年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】オイマン,オズガー
【審査官】 後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−515123(JP,A)
【文献】 特開2009−38804(JP,A)
【文献】 特表2010−522450(JP,A)
【文献】 特開2013−21574(JP,A)
【文献】 特表2014−513449(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0135860(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0277001(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ネットワークの第1のリンクによる1つ以上のメディアストリームを受信するパケットベースのネットワークインターフェースと、
機能情報を前記第1のリンクにより送信するパケット交換ストリーミングサービス(PSS)クライアントであって、前記機能情報は、前記第1のリンクで前記1つ以上のメディアストリームを受信するために用いる装置機能を記述する装置機能属性を指定し、前記装置機能属性は無線ローカルエリアネットワークの第2のリンクを通してアクセスできる表示装置の機能を記述し、前記PSSクライアントは、セッション記述プロトコル(SDP)又はメディアプレゼンテーション記述(MPD)を用いてPSSサーバとのセッションレベルシグナリングから収集した情報に基づき、前記第2のリンクでの前記表示装置との通信を管理する、PSSクライアントと
を備えるユーザ装置(UE)。
【請求項2】
前記パケットベースのネットワークインターフェースは、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)によりメディアストリームを受信する
請求項1記載のUE。
【請求項3】
前記パケットベースのネットワークインターフェースは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)によりメディアストリームを受信する
請求項1記載のUE。
【請求項4】
前記パケットベースのネットワークインターフェースは、dynamic adaptive streaming over hypertext transfer protocol (DASH)によりメディアストリームを受信する
請求項1記載のUE。
【請求項5】
前記PSSクライアントは、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)及びセッション記述プロトコル(SDP)により機能情報を送信する
請求項1記載のUE。
【請求項6】
前記機能情報は、プリデコーダのバッファサイズ、初期バッファ期間、復号器の機能、ディスプレイの特性、ストリーミング方式、適応化対応情報、体感品質(QoE)対応情報、拡張リアルタイムトランスポートコントロールプロトコル(RTCP)通知対応、急速コンテンツ切り替え(fast content switching)対応、対応するリアルタイムトランスファープロトコル(RTP)プロファイルの情報、又はセッション記述プロトコル(SDP)属性のうちの1つ以上を含む
請求項1記載のUE。
【請求項7】
前記PSSクライアントは、前記表示装置の前記機能に基づきネゴシエートセッションパラメータを前記第1のリンクにより送信する
請求項1記載のUE。
【請求項8】
前記セッションパラメータは、コーデック情報、コンテナフォーマット、復号器機能、動画品質要件、サービス品質(QoS)パラメータ、前記第2のリンクの特性を考慮したトランスポートプロトコル、又は前記表示装置の機能のうち1つ以上を含む
請求項7記載のUE。
【請求項9】
前記第2のリンクにより情報を通信する無線周波数(RF)送受信部を備え、前記PSSクライアントは、前記RF送受信部を通して前記第2のリンクで前記表示装置機能を記述する属性を受信し、かつ前記RF送受信部を通して前記第2のリンクで前記1つ以上のメディアストリームを転送する
請求項1記載のUE。
【請求項10】
前記PSSクライアントは、セッションパラメータの変更、動画パラメータの適応化、前記第2のリンクによるトラフィックの優先順位付け、リソースの割り当て及び帯域幅割り当ての最適化のうち1つ以上を前記第2のリンクにより実行する
請求項9記載のUE。
【請求項11】
前記PSSクライアントは、前記第2のリンクの特性又は前記表示装置の機能のうちの1つ以上に基づき、メディア適応化処理を実行する
請求項9記載のUE。
【請求項12】
前記装置機能属性は、それぞれ、属性名、許容される値、及び定義された語彙のセマンティクスを含む
請求項1記載のUE。
【請求項13】
タッチスクリーンディスプレイを備える請求項1記載のUE。
【請求項14】
プロセッサ回路と、
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボルーション(LTE)又はLTEアドバンス(LTE−A)ネットワークのリンクで、メディアストリームに対する機能情報の受信を前記プロセッサ回路により実行するパケット交換ストリーミングサービス(PSS)クライアントであって、前記機能情報は、前記リンクで前記メディアストリームを受信するために用いる装置機能属性を指定し、かつ表示装置の機能を記述するために、前記装置機能属性を一時的に調整する、PSSクライアントと、
無線ローカルエリアネットワークの第2のリンクにより1つ以上のメディアストリームを前記表示装置に転送する無線周波数(RF)送受信部と、
を備え、
前記PSSクライアントは、前記第2のリンクの特性及び表示装置の機能情報に基づき、リアルタイムトランスポートコントロールプロトコル(RTCP)受信機レポート、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)メッセージ、temporary maximum media stream bit rate request (TMMBR)メッセージ、又はdynamic adaptive streaming over HTTP (DASH)表現に対するハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)GETリクエストのうちの1つ以上を導出するユーザ装置(UE)。
【請求項15】
前記PSSクライアントは、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、又はdynamic streaming over HTTP(DASH)を通して前記メディアストリームを受信する
請求項14記載のUE。
【請求項16】
前記PSSクライアントは、前記第2のリンクによる伝送の信頼性又は前記表示装置の実行するメディア処理の特性に基づき、体感品質(QoE)レポートを生成する
請求項15記載のUE。
【請求項17】
前記メディア処理は、メディアバッファリング処理又はメディア復号化処理を含む
請求項16記載のUE。
【請求項18】
前記PSSクライアントは、前記第2のリンクでリアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)及びセッション記述プロトコル(SDP)プロトコルスタックを用いて、セッション管理又は装置機能交換シグナリングを実行する
請求項14記載のUE。
【請求項19】
タッチスクリーンディスプレイを備える請求項14記載のUE。
【請求項20】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボルーション(LTE)又はLTEアドバンス(LTE−A)の第1のリンクでPSSサーバから1つ以上のメディアストリームを受信する無線周波数(RF)送受信部と、
機能情報を前記第1のリンクで前記RF送受信部に送信させる動画適応モジュールであって、前記機能情報は、前記第1のリンクで前記1つ以上のメディアストリームを受信するために用いる装置機能属性を指定し、かつ前記動画適応モジュールは、無線ローカルエリアネットワークの第2のリンクを通してアクセス可能な表示装置の機能を記述するために、前記装置機能属性を一時的に調整し、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)スタック及びメディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータを用いてマルチメディア関連情報シグナリングを実行させる、動画適応モジュールと
を備える無線装置。
【請求項21】
前記RF送受信部は、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、又はdynamic adaptive streaming over HTTP(DASH)によりメディアストリームを受信する
請求項20記載の無線装置。
【請求項22】
前記動画適応モジュールは、装置機能交換シグナリング、セッションパラメータのネゴシエーション、又はマルチメディア関連情報交換シグナリングを行わせるために、セッション開始プロトコル(SIP)及びセッション記述プロトコル(SDP)のプロトコルスタックを使用する
請求項20記載の無線装置。
【請求項23】
前記動画適応モジュールは、装置機能交換シグナリング、セッションパラメータのネゴシエーション、又はマルチメディア関連情報交換シグナリングを行わせるために、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)及びセッション記述プロトコル(SDP)のプロトコルスタックを使用する
請求項20記載の無線装置。
【請求項24】
タッチスクリーンディスプレイを備える請求項20記載の無線装置。
【請求項25】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ネットワークの第1のリンクにより1つ以上のメディアストリームを受信するステップと、
機能情報を前記第1のリンクにより送信するステップであって、前記機能情報は、前記第1のリンクにより前記1つ以上のメディアストリームを受信するのに用いられる装置機能を記述する装置機能属性を指定し、前記装置機能属性は、無線ローカルエリアネットワークの第2のリンクによりアクセス可能な表示装置の機能を記述する、ステップと、
セッション記述プロトコル(SDP)又はメディアプレゼンテーション記述(MPD)を用いてPSSサーバとのセッションレベルシグナリングから収集した情報に基づき、前記第2のリンクでの前記表示装置との通信を管理するステップと、
を備える方法。
【請求項26】
リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)及びセッション記述プロトコル(SDP)により前記機能情報を送信するステップを備える
請求項25記載の方法。
【請求項27】
リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)により前記メディアストリームを受信するステップを備える
請求項25記載の方法。
【請求項28】
ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)により前記メディアストリームを受信するステップを備える
請求項25記載の方法。
【請求項29】
dynamic adaptive streaming over hypertext transfer protocol (DASH)により前記メディアストリームを受信するステップを備える
請求項25記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2011年8月1日に出願された米国仮特許出願第61/514,009の優先権を主張し、参照することにより、その全内容をここに援用する。
【0002】
各種実施例は、異機種環境(heterogeneous environment)における動画の機能拡張に関する。ここで、動画は、周辺表示装置にローカル接続されたユーザ装置(user equipmentとも呼ばれる)に対して配信されてもよく、かつ周辺装置にローカル接続されたユーザ装置から配信されてもよい。実施例は、高いQoEの動画コンテンツを、遍在的な方式で、周辺表示装置に配信する機能を高める。そして、具体的には、様々な表示装置の種類及び機能に対して最適化した媒体処理手順及びセッション管理プロトコルを提供する。
【背景技術】
【0003】
現在、無線ネットワークは、データトラフィックの増大が支配している現代及び音声トラフィックにより支配されていた以前の時代にとって代わる、成長の第3のフェーズの寸前となっている。成長の第3のフェーズにおいて、動画(video)は、無線トラフィックの支配的な要素になると予想される。最近の一つの研究において、動画は全世界の消費者トラフィックの91パーセントを超えると予想され、かつ2014年までに世界のモバイルデータトラフィックの約66パーセントに等しくなると予想されている。
【0004】
従って、ストリーミング及び対話型のサービスを含む動画サービスの成長は、新しいモバイルブロードバンド技術及びスタンダードの発展の主要な促進力の一つである。メディア圧縮及び無線ネットワークインフラストラクチャの発展に関連した動画サービスに対して、このような高い消費需要があるため、どのような場所からでも、いつでも、どのような装置及び技術を使用しても、動画コンテンツ及びサービスに対して、普遍的にアクセスできるようにするために、将来のセルラ方式及びモバイルブロードバンド方式の動画機能を向上させること及び高い体感品質(QoE)を実現することは、消費者にとって興味深いものである。特に、広域ネットワークに無線接続される携帯端末は、(例えば、テレビ、モニター等の)周辺表示装置に対してデジタル回線又は無線接続で配信される動画アプリケーションのホットスポットとしての役割を局所的に果たすことがある。従って、高いQoEの動画コンテンツの周辺機器への配信を改良することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの事項及びその他の事項に対して、本改良が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施例は、対話型サービス及びストリーミングサービスに対する動画適応化及び体感品質(QoE)制御に関連するであろう。いくつかの実施例において、動画は、当該動画を広域ネットワークから受信する第2の無線接続を介して結合しているユーザ装置から、ローカル無線接続といった接続を介して、表示装置に提供されるであろう。いくつかの実施例において、ユーザ装置は、表示装置に対する接続のために、ワイヤレス・ディスプレイ(WiDi)又はピアツーピア(P2P)無線接続を利用するその他の技術といった、無線技術を利用するであろう。この無線接続は、WiFi P2P、WFA、WiFiDisplay、WiDiDirect、myWiFi、60GHztechnology、Bluetooth、wireless USB及びその他の既知の技術を含む、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)に基づく無線インターフェース又は無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)に基づく無線インターフェースを通じて行ってもよい。
【0007】
通信システムの実施例のいくつかは、Institute of Electrical and Electronics Engineering (IEEE) 802.16 (WiMAX)、IEEE 802.11 (WiFi)、IEEE 802−20、3rd Generation Partnership Project (3GPP) Evolved Universal Mobile Telecommunication System (UMTS) Terrestrial Radio Access (UTRA) (E−UTRA)等といった無線技術により実施されてもよい。IEEE 802.16mは、IEEE 802.16eの進化したものでり、IEEE 802.16システムに対する後方互換性を提供する。UTRAは、UMTSの一部分である。3GPPロングタームエボルーション(LTE)は、E−UTRAを使用する進化したUMTS(E−UMTS)の一部分である。LTEアドバンスト(LTE−A)は、3GPP LTEの進化したものである。本明細書で使用される、「LTE」という用語に対する言及はいずれも、LTE−A及びその改訂版、後継版及び変形版を含む、LTEの任意のバージョンを含む。実施例は、この文脈においては限定されない。実施例は、また、Bluetooth(登録商標)又はその他のローカル無線通信規格を使用して実施してもよい。
【0008】
各種実施例において、外部の情報源から動画を受信したユーザ装置から送信された当該動画などのビジュアルコンテンツ(visual content)を表示するために、表示装置を使用してもよい。典型的な実施例において、動画通信を制御するため及び適応させるために、ユーザ装置と表示装置とはお互いに制御情報を通信し、これにより対話型動画セッション又はストリーミング動画セッションの品質を高める。いくつかの実施例において、装置は、無線周波数(RF)送受信部であって、第1のリンクにおけるセッションにおいて無線広域ネットワーク(WWAN)からマルチメディアコンテンツを受信し、かつ第2のリンクにおいて表示装置に情報を転送する無線周波数送受信部を1つ以上含んでもよい。ここで、第1のリンク及び第2のリンクは、異種リンク(heterogeneous link)を構成する。装置は、さらに、当該1つ以上のRF送受信部と通信可能に結合されたプロセッサ回路及び動画適応モジュール(video adaptation module)を備えてもよい。動画適応モジュールは、プロセッサ回路において、表示装置から装置機能情報を収集するために動作してもよく、また、表示装置から収集した装置機能情報に基づき、WWANに対する装置機能交換シグナリング(device capability exchange signaling)を変更してもよい。ここで、装置機能交換シグナリングは、第1のリンク、第2のリンク、又は第1のリンク及び第2のリンクでのマルチメディアコンテンツの交換を規定する。その他の実施例が説明され、かつ特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施例と整合するシステムを示す図である。
図2】テレビ会議機能を提供可能なシステムの実施例を示す図である。
図3】追加の実施例に整合する動画ストリーミング用のシステムを示す図である。
図4】マルチメディアテレフォニーオーバーIPマルチメディアサブシステム(multimedia−telephony−service−over−IP Multimedia Subsystem (MTSI))のシステムにおける携帯端末又はユーザ装置(UE)の装置機能のシグナリング及びセッションパラメータのネゴシエーション動作の一実施例を示す図である。
図5】MTSIクライアントが実行するQoE通知機構の実施例を示す図である。
図6】パケット交換ストリーミング(PSS)システムにおけるUE端末の、RTST/SDPに基づく、装置機能のシグナリング及びセッションパラメータネゴシエーション動作の実施例を示す図である。
図7】UEとHTTPサーバとの間のマルチメディアストリーミングのための、追加の実施例に整合するシステムを示す図である。
図8】DASHに基づくセッション管理シグナリングの実施例を示す図である。
図9】一つの典型的な論理フローを示す図である。
図10】別の典型的な論理フローを示す図である。
図11】追加の典型的な論理フローを示す図である。
図12】別の典型的な論理フローを示す図である。
図13】コンピュータシステムの実施例を示す図である。
図14】コンピュータの機能構成の一実施例を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施例と整合するシステム100を図示する。いくつかの実施例において、システム100は、対話型サービス及びストリーミングサービスのための動画コンテンツの提供の際の品質を高める。ここで、動画は、サービスの全体又は一部分として供給される。図示するように、動画情報源102は、無線広帯域ネットワーク104に接続され、その一方で、当該無線広帯域ネットワーク104は、無線リンク108によって、ユーザ装置(UE) 106に結合されている。各種実施例において、無線広域ネットワーク104は、非ローカルネットワーク(non−local network)であってもよい。ここで、一般に、非ローカルネットワークとは、例えば、IEEE 802.16 (WiMAX)、3GPP、又はIEEE802.11 (WiFi)といった無線技術による公衆無線アクセスネットワーク構成部分を含む場合のあるネットワークのことを言う。この点について、本明細書で使用される「WWAN」という用語は、WiMAXネットワーク又は3GPPネットワークといった、無線アクセスネットワーク及びコアネットワークの組合せのことであってもよく、また、公衆WiFiネットワークといった、ローカルエリアネットワークを含んでもよい。また、非ローカルネットワークは、IPネットワーク構成部分及びその他コアネットワーク構成部分を含んでもよく、無線アクセスネットワークと共に、動画情報源をUEに接続してもよい。この点について、UEから公衆陸上移動通信網への無線リンク及び、特に、WWANへの無線リンクのことを、本明細書においては、「非ローカル」リンクと言う。
【0011】
動画情報源102の例は、デジタルビデオ録画装置(DVR)、コンピュータ、パーソナルビデオレコーダ(PVR)、ディジタル多用途ディスク(DVD)装置、VHS装置、デジタルVHS装置、ディスクドライブ、ハードドライブ、光ディスク装置、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、メモリーカード、SDメモリーカード、大容量記憶装置、フラッシュドライブゲームコンソール、コンパクトディスク(CD)プレーヤー、コンピュータ可読メモリ又は機械可読メモリ、デジタルカメラ、カムコーダ、映像監視システム、テレビ会議システム、電話システム、医用測定器具、スキャナーシステム、コピーシステム、テレビシステム、デジタルテレビシステム、セットトップボックス、パーソナルビデオレコード(personal video records)、サーバシステム、コンピュータシステム、パーソナルコンピュータシステム、スマートフォン、タブレット、ノートブック型パソコン、ハンドヘルドコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、携帯型メディアプレーヤ(PMP)、携帯型メディアレコーダ(PMR)、デジタルオーディオ機器(例えば、MP3プレーヤ)、デジタルメディアサーバ等といった動画コンテンツを記録及び/又は配信可能ないかなるハードウェア要素又はソフトウェア要素をも含み得る。動画情報源102の別の例は、UE106に、放送又はストリーミングのアナログAV信号又はデジタルAV信号を配信するメディア配信システムを含み得る。実施例は、この文脈においては限定されない。
【0012】
各種実施例において、UE106は、動画情報源102から受信した動画コンテンツ等の視覚情報を表示する表示装置(図示せず)を含んでもよい。UE106の例は、これらに限定することはないが、モバイルコンピューティング機器、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティング機器、タブレットコンピューティング機器、ノートブックコンピューティング機器、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルコンピュータ等を含んでもよい。実施例は、この文脈においては限定されない。
【0013】
本実施例と整合して、UE106は、リンク112によって、表示装置110と接続されてもよい。各種実施例において、表示装置110は、デジタル表示装置、テレビジョン表示装置、モバイルコンピューティング機器、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティング機器、タブレットコンピューティング機器、ノートブックコンピューティング機器、スマートフォン等であってもよい。実施例は、この文脈においては限定されない。
【0014】
いくつかの実施例において、リンク112は、上記説明の通り、P2P接続を形成するローカル無線接続であってもよい。UE106は、表示装置110で表示するために、動画情報源102から受信した動画コンテンツを転送するために使用可能であってもよい。このことは、表示装置110が動画情報源102から受信した動画コンテンツの表示の品質を向上する場合において好適であるかもしれない。UE106と表示装置110との間のローカル接続を形成するリンク112の各種実施例において、ユーザは、UE106及び表示装置110の一つ又は双方の近くに位置してもよい。このように、動画インターネット通話(video internet telephone call)又は動画ストリーミングセッションなどにおいて、ユーザは、動画コンテンツを受信するためのUE106の動作を取り扱うことができる。それと同時に、当該ユーザの近くに位置する表示装置110で表示されるので、動画装置102から受信した動画をユーザは見ることができる。
【0015】
各種実施例において、UE106は、当該UE106、動画情報源102及び表示装置110との間で設定される動画通信セッションの処理を向上する動画適応モジュール114を備える。具体的には、動画適応モジュール114は、通信セッションにおける、メディア適応化(media adaptation)、トランスポートシグナリング(transport signaling)、機能ネゴシエーション(capability negotiation)、バッファ管理及びQoE測定及び通知といった機能を向上する場合がある。以下において、動画適応モジュールが実行する動作の例を、図4−6及び8−12を参照して説明する。
【0016】
図2は、発信側装置202とUE204との間でテレビ会議機能を提供し得るシステム200の実施例を図示する。説明する実施例において、発信側装置202は、インターネットプロトコル(IP)に基づいたリンクを用いて行われるテレビ会議セッションなどといった、通信セッションを起動することができる。一つの実施例において、発信側装置202を使用する発信者は、既知の動画通信アプリケーション(例えば、スカイプ(登録商標))を使用して、UE204に位置するユーザに対してインターネット電話を発呼してもよい。また、UE204に送信される動画は、無線リンク208によってUE204に結合される表示装置206で表示されてもよい。各種実施例において、発信側装置202とUE204との間の動画通信セッションは、multimedia telephony service over IMS (MTSI)に基づく3GPPネットワークなどの、IPマルチメディアサブシステム(IMS)に基づくネットワークによって提供されてもよい。図2に図示する具体的な実施例において、UE204のユーザがオペレータ212を利用する一方で、発信側装置202を使用する発信者は、オペレータ210を利用してもよい。
【0017】
オペレータ210は、3GPPネットワーク又はWiMAXネットワークといった、無線アクセスネットワーク(RAN)214を備えてもよい。RAN214は、その地理的サービスエリア内の無線装置からのデータパケット及びその地理的サービスエリア内の無線装置へのデータパケットを配信する、従来のサービングGPRSサポートノード(SSGN)216に対して接続されてもよい。オペレータ210は、さらに、SSGN216に接続されるゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)218を含む。図示するように、オペレータ210は、さらに、従来のゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)218、プロキシ呼セッション制御機能(P−CSCF)220、サービング呼セッション制御機能(P−CSCF)222、及びアプリケーションサーバ(AS)224を備えてもよい。
【0018】
同様に、オペレータ212は、3GPPネットワーク又はWiMAXネットワークなどの、RAN228を備えてもよい。RAN228は、SSGN230と接続され、かつそれを通じてGGSN232と接続されてもよい。図示するように、オペレータ212は、また、従来のP−CSCF234、S−CSCF236及びAS238を備えてもよい。また、オペレータ212は、ホーム加入者サーバ240及び問い合わせ呼セッション制御機能(I−CSCF)242を備えてもよい。
【0019】
図2に図示するように、発信側装置202において発呼がなされた場合、制御信号は、RAN214、SGSN216、GGSN218、P−CSCF220、S−CSCF222、I−CSCF242、S−CSCF236、P−CSCF234、GGSN232、SGSN230及びRAN228を通じた接続によって、発信側装置202からUE204に至る信号経路をたどってもよい。また、図2に示すように、動画及びその他のメディアを発信側装置202とUE204との間で送信するためのメディア経路224は、RAN214、SGSN216、GGSN128、GGSN232、SGSN230及びRAN228によって構成されてもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、表示装置206は、動画及び制御信号を伝送可能なWLAN、WPAN又はその他の無線ネットワークの中で、リンク208によってUE204と接続されてもよい。表示装置206の電源が投入された場合、発信側装置202からUE204に伝送される動画コンテンツは、示すように、表示装置206で表示するために転送されてもよい。各種実施例と整合して、UE204は、発信側装置202とUE204との間の動画通信セッションの際のメディア適応化、トランスポートシグナリング、機能ネゴシエーション、バッファ管理、QoE測定及び/又は通知を向上するために、動画適応モジュール114(図1参照)といったような、動画適応モジュールを備えてもよい。
【0021】
図3は、追加の実施例に適合する、動画情報源302とUE304との間の動画ストリーミングのためのシステム300を図示する。動画情報源は、UE304がオンデマンドでアクセス可能な、パケット交換ストリーミングサービスを提供するサーバであってもよい。動画情報源302は、UE304の近傍のユーザに対して出力され得る、動画コンテンツを含むマルチメディアコンテンツを提供してもよく、及び/又はいくつかの実施例において、ローカルP2P接続であり得るリンク308によって表示装置306に伝送され得る動画コンテンツを含むマルチメディアコンテンツを提供してもよい。図示される実施例において、動画情報源302は、インターネットの一部分を形成してもよい公衆ネットワーク310に結合される。公衆ネットワーク310は、IPネットワーク312と結合され、同様に、IPネットワーク312は、UE304に無線接続される無線ネットワーク314に接続される。いくつかの実施例において、IPネットワーク312及び無線ネットワーク314は、3GPPネットワークとして構成されてもよい。ユーザが動画ストリーミングセッションを起動すると、マルチメディアコンテンツは、公衆ネットワーク310、IPネットワーク312のコアネットワーク318、アクセスネットワーク320及び無線ネットワーク314の基地局322を通じた経路によって、動画情報源302からUE304に提供される。各種実施例において、パケット動画は、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)に基づく、オンデマンドのパケット交換ストリーミングとして提供されてもよく、或いはプログレッシブダウンロード及びdynamic adaptive streaming over HTTP (DASH)を含む、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)に基づくストリーミングとして提供されてもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、表示装置306は、リンク308により動画及び制御信号などの信号を伝送可能なWLAN、WPAN、又はその他の無線ネットワーク(ネットワーク316として示される)において、UE304と接続されてもよい。表示装置306が備え付けられる場合、動画情報源302からUE304に伝送される動画コンテンツは、示されるように、表示装置306で表示するために転送されてもよい。図2の実施例の場合と同様に、UE304は、また、動画情報源302とUE304との間の動画ストリーミングセッションの際のメディア適応化、トランスポートシグナリング、機能ネゴシエーション、バッファ管理、QoE測定及び/又は通知を向上するために、動画適応モジュール114(図1参照)といったような、動画適応モジュールを備えてもよい。
【0023】
図2を再度参照して、各種実施例において、オペレータネットワーク210と212は、それぞれ、IPマルチメディアサブシステム用のマルチメディア電話サービス(MTSI)として動作してもよい。IPマルチメディアサブシステム(IMS)は、IPベースの電話方式及びマルチメディアサービスを実行するためのアーキテクチャである。MTSIアーキテクチャの一般的な仕様は、3GPP TS 26.114 V11.1.0 (3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; IP Multimedia Subsystem (IMS); Multimedia Telephoneyh; Media handling and interaction; Release 11、 September 2011)(以下、「TS 26.114」)という文書において規定されている。PSSアーキテクチャの一般的な仕様は、3GPP TS 26.234 V10.2.0 (3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Transparent end−to−end packet switched streaming service (PSS); Protocols and codecs; Release 10, September 2011)(以下、「TS 26.234」)という文書において規定されている。プログレッシブダウンロード及びDASHプロトコルの一般的な仕様は、3GPP TS 26.247 V10.0.0(3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Transparent end−to−end packet switched streaming service (PSS); Progressive download and dynamic adaptive streaming over HTTP (3GP−DASH); Release 10, June 2011)(以下、「TS 26.247」)という文書において規定されている。
【0024】
特に、3GPP標準規格において規定されるMTSI及びPSS技術は、図2及び図3においてそれぞれ図示されるUE204及び304に対する複数のリンクといったように、UEが周辺表示装置に対してローカル接続、及び場合によっては異種接続されるネットワークによる対話型及びストリーミングサービスのための高い動画品質を提供するための、まだ規定されていない機能を必要とする。UEと関連する無線リンク、接続又は接続性についてここで用いられる「異種(heterogeneous)」という用語は、所定のUEが当該所定のUEへのデータ及び当該所定のUEからのデータを複数の無線リンクによってやり取りする状況に関連する。ここで、第1の無線リンクは、第2の無線リンクとは異なる技術又は規格を使用し、かつ/又は第1の無線リンクは、第2の無線リンクの無線ネットワークと比較して、異なる無線ネットワークの一部分として動作する。他に断りのない限り、本実施例に関してここに記載されるローカルリンクは、異種リンクであってもよい。
【0025】
テレビ会議及びインターネット電話の通話等の対話型マルチメディアセッションを設定、変更及び/又は終了するために、いくつかの実施例において、アプリケーションレイヤの制御プロトコルとしてのセッション開始プロトコル(SIP)の一部分としてのローカルのUEの接続性情報を用いて、対話型動画アプリケーションの品質を高めてもよい。
【0026】
図4は、ローカル無線リンクを使用して、動画コンテンツがUEに対して配信及び動画コンテンツがUEから配信される対話型動画サービスにおいて行われ得る、MTSIシステムにおけるUEの動作の一実施例を図示する。図2の例に従い、第1のMTSI UEは、発信側装置202に対応してもよく、かつ図2のUE204に対応し得る第2のMTSI UEに対する信号の送信装置としての役割を果たす。図4に図示するシナリオにおいて、ローカル接続情報を含むUE204の接続性情報は、セッション開始プロトコル(SIP)の一部分として用いられる。SIPは、IETFによって定義された、IPによる音声通信及び動画通信を含む通信セッションを制御するために広く用いられるシグナリングプロトコルである。具体的には、図4は、セッション記述プロトコル(SDP)によるMTSIサービスのための機能ネゴシエーションの際の、UE204による情報のやりとりの例示的な処理を図示する。ストリーミングメディア初期化パラメータを記述するために、一般的なSDPフォーマットは、IETFにより策定された。SDPは、セッションアナウンスメント(session announcement)、セッションインビテーション(session invitation)、パラメータネゴシエーション(parameter negotiation)を目的とするマルチメディア通信セッションを記述するために用いられてもよい。SDPは、メディアそのものは配信しないが、エンドポイント間でのメディアの種類、フォーマット及び全ての関連する特性についてのネゴシエーションに使用される。特性及びパラメータのセットは、セッションプロファイル(session profile)と呼ばれることが多い。SDPは、新しいメディアの種類及びフォーマットに対応するために拡張可能に設計されている。
【0027】
図4に図示するように、発呼者202は、IPベースの通信を開始してもよく、これにより、SIPメッセージ402がUE204に送信される。当該SIPメッセージは、UE204により受信されるSDPオファー(SDP offer)を含む。SIPメッセージ402は、トリガーメッセージとしての役割を果たし、これにより、UE204は1つ以上の動作を実行してもよい。図2の例において、UE204は、それ(UE204)がローカルリンクにより表示装置206に接続されていることを判定してもよい。ここで、表示装置206は、UE204が、発呼者202からの通信中に受信した動画等のメディアコンテンツを転送することを要望する表示装置206である。例えば、発呼者202からの通信中において動画通信を最適に管理するために、UE204は、SIPメッセージ402の受信により、表示装置206を含めてUE204がローカルに結合されているいかなる端末(装置)との情報交換を開始してもよい。このことは、図4−12に関連して以下に開示する各種タスクを実行する動画適応モジュール114の支援によって行われてもよい。
【0028】
トリガーメッセージを受信した後、UE204は、初期段階として、ローカルリンクによってUE204と結合した表示装置に送信されるRTSP GET_PARAMETERメッセージ、装置の機能の情報を要求するメッセージ又はその他のメッセージであり得る取得メッセージを送信してもよい。いくつかの実施例において、UE204などのUEは、例えばRTSPシグナリングを用いて、ローカルP2P接続の接続特性などの情報を収集してもよい。図4に示す具体例において、UE204は、表示装置206に対するRTSP GET_PARAMETERメッセージ404の送信を開始する。表示装置206に対するRTSP GET_PARAMETERメッセージ404は、表示装置206の装置機能についての情報に対する要求を含んでもよい。
【0029】
RTSP GET_PARAMETERメッセージ404の受信後、表示装置206は、RTSP 200 OKメッセージ406をUE204に返してもよい。RTSP 200_OKメッセージ406は、表示装置206の装置機能に関する情報を含んでもよい。例えば、表示装置206がテレビ装置である場合において、RTSP 200_OKメッセージ406は、例えば、画面サイズ、解像度、ビット深度等のテレビ画面機能についての情報を含んでもよい。また、表示装置からの装置機能情報は、限定はしないが、プリコーダのバッファサイズ(pre−coder buffer size)、初期バッファ期間(initial buffering period)、復号器の機能、ディスプレイの特性(画面サイズ、解像度、ビット深度等)、ストリーミング方法(RTSP、HTTP等)、適応化対応情報、体感品質(QoE)対応情報、拡張リアルタイムトランスポートコントロールプロトコル(RTCP)通知対応、急速コンテンツ切り替え(fast content switching)対応、対応するリアルタイムトランスファープロトコル(RTP)プロファイルの情報及びセッション記述プロトコル(SDP)属性を含んでもよい。
【0030】
RTSP 200_OKメッセージ406を表示装置206から受信すると、UE204は、SIP OKメッセージ408を発信側装置202に返してもよい。SIP OK 200メッセージ406は、発信側装置202とUE204との間の通信に用いられる特性及びパラメータのセット(セッションプロファイル)に関する情報を含むSDPネゴシエーションデータを含んでもよい。従って、本実施例に整合して、SDPネゴシエーションデータは、表示装置206の装置機能に関する情報を含んでもよい。このようにして、発信側装置202及び通信に対応するオペレータ(210、212)は、発信側装置202から動画コンテンツを受信することができ、かつUE204に接続される装置であって、発信側装置202と直接には接続されない装置(表示装置206)の機能について通知されてもよい。
【0031】
発信側装置202は、SIP OKメッセージ408を受信すると、SIP ACKメッセージ410をUE204に返してもよい。SIP ACKメッセージ410は、発信側装置202及び/又はオペレータ210、212が表示装置206の機能の通知を受けたことを、UE204に示してもよい。動画コンテンツを表示及び/又は生成する各種装置(202、204、206)の間での動画コンテンツのやり取りを最適化するために、SIP ACKメッセージ410は、SIP OKメッセージ408の中で受信した情報に基づいて変更された、調整された通信パラメータを含んでもよい。
【0032】
本実施例に整合して、MTSIのSIP/SDPベースのセッション管理の一部分として、コーデック、コンテナフォーマット、復号器の機能、QoSパラメータ(例えば、保証されるビットレート)、表示装置の機能(例えば、画面サイズ、解像度等)及びUEと当該UEの近傍に位置するディスプレイとの間のリンクの特性を考慮したトランスポートプロトコルといった要素に関する追加の情報を、UE204に接続される装置の間でやり取りしてもよい。そのようなローカル接続は、ローカルP2P接続であってもよく(図4のリンク208を参照する)、またチャネル品質、容量、スループット等の接続特性を含んでもよい。
【0033】
各種実施例において、ローカルP2P接続の接続特性といった情報を収集することに加えて、UE204等のUEは、さらに、IP電話の通信中などといった、動画ストリーミングセッションにおける通信を管理してもよい。いくつかの実施例において、UEは、動画ストリーミングセッションの各種側面を管理するために、動画適応モジュール114を使用してもよい。例えば、UEは、動画ストリーミングセッションの際に、新しいRTSP/SDPセッションパラメータを導出することを含めて、セッションパラメータを変更することができる。いくつかの実施例において、UEは、ローカルP2P接続又は複数の接続のセットに対して、トラフィックの優先順位付け、リソースの割り当て及び帯域幅/QoSの最適化を含む追加のタスクを実行してもよい。再度図2を参照して、追加のタスクは、いくつかの実施例において3GPPネットワークを含み得るオペレータ210、212のネットワーク等の、オペレータのネットワークにおけるセッションレベルのシグナリングからのマルチメディア情報を考慮して設定又は変更されてもよい。ローカルP2P接続において実行される追加のタスクの変更又は設定のために使用されるマルチメディア情報は、例えば、コーデック情報、品質要求事項及びレート歪特性(rate−distortion characteristics)を含んでもよい。
【0034】
また、図4は、発信側装置202からUE204に返されたSIP ACKメッセージ410の中で受信する更新情報に基づきローカルP2Pタスクを変更してもよい実施例を図示する。SIP ACKメッセージ410の受信の後、UEは、表示装置206に対するローカル接続により転送されるRTSP SET_PARAMETERメッセージ412を生成してもよい。応答において、表示装置は、UE204と表示装置206との間の通信において使用される新しいセッションパラメータを含む、RTSP SETUPメッセージ414をUE204に送信してもよい。これに応答して、UEは、確認メッセージであるRTSP 200 OKメッセージ416を表示装置206に送信してもよい。その後、RTSP SETUPメッセージ414の中の新しいセッションパラメータに従って、UE204と表示装置206との間の通信は調整されてもよい。
【0035】
追加の実施例において、UEは、ローカルP2P接続を含むローカル接続による通信を、ネットワークオペレータにより指定される追加の要件に従って調整してもよい。例えば、発信者202からの通信セッションにおいて、リンク208による通信を、オペレータにより規定されたOpen Mobile Alliance (OMA) device management (DM) management objects (MO)に基づいて、調整することができる。当該Open Mobile Alliance (OMA) device management (DM) management objects (MO)は、動画通信セッションの際に、ローカル接続により動作するUEのSIP/SDPセッション管理に対して、特定の要件のセットを課すことがある。
【0036】
対話型マルチメディアセッションの設定、変更、及び/又は終了に加えて、追加の実施例では、メディア適応化、バッファ管理、及び/又はQoE通知の一部分として、UEのローカルの接続性情報を用いてもよい。
【0037】
例えば、図2を参照すると、UE204の動画適応モジュール114は、オペレータ210、212、及び/又は発信側装置202に、ローカル接続情報を提供してもよく、そして、ビットレート、パケットレート及び/又は誤り耐性の適応化を含むメディア適応化機能が、リンク208の特性及び表示装置206の装置機能を考慮した上で実行されるようにしてもよい。いくつかの実施例において、リアルタイムコントロールプトロコル(RTCP)受信機レポート及び/又はTemporary Maximum Media Stream Bit Rate Requirement (TMMBR)メッセージは、表示装置206によって生成され、UE204によってオペレータ210、212及び/又は発信側装置202に提供されてもよい。RTCPは、RTPフローについての、アウトオブバンド統計(out−of−band statistics)及び制御情報を提供する。RTCP受信機レポートは、送信者にサービス品質を通知するために用いるレポートである。RTCP受信機レポートは、送信者にサービス品質を通知するために用いるレポートである。従って、いくつかの実施例において、情報源(発信側装置202)における動画適応化に影響を与えて、確実な端末相互間の動画配信及び高いQoEを確保するために、RTCP及び/又はTMMBR情報を用いることができる。
【0038】
その他の各種実施例において、UE204等のUEは、当該UEの受信するストリーミング動画セッションを処理しているネットワークからのQoSトリガーメッセージを受信してもよい。QoEトリガーメッセージは、SIP/SDPシグナリング又はOMA DM MOメッセージを通して伝えられてもよく、そして、動画ストリーミングセッション中に、UEに対してQoEメトリック(QoE metric)測定及び通知を要求することができる。これに応答して、UEは、受信品質といった要因に関するQoEレポートを生成してもよい。QoEレポートは、UEが1つ以上のローカル接続から収集したQoE情報に基づくものであってもよい。いくつかの実施例において、UE204は、リンク208による伝送の信頼性及びリンク208によりUE204に結合される機器において行われるメディアバッファリング、復号化及びその他のメディア処理などといった、その他の要因から成るQoEレポートを返してもよい。一つの実施例において、結合される機器は、インテル(登録商標)ワイヤレス・ディスプレイ(WiDi)用のアダプタといったような、ノートスクリーンなどのUE装置とテレビ型ディスプレイとの間での動画コンテンツの転送を容易にする無線アダプタ(図2には明示的には示さない)を備えてもよい。
【0039】
3GPPネットワークにおける動画通信の各種実施例において、UE204の返すQoEメトリックは、TS26.114のセクション16.2に規定されるような1つ以上のメトリックを含んでもよい。これらのメトリックは、破損期間、RTPパケットの連続的な損失、フレームレート、ジッタ期間、同期外れ期間、ラウンドトリップタイム、平均コーデックビットレート、及びコーデック情報を含む。
【0040】
図5は、ローカルP2P接続(リンク208)による通信の同期に基づく、MTSIクライアント(UE204)によって実行されるQoE通知機構の実施例を図示する。図5に図示されるシナリオにおいて、OMA DM設定サーバ502等のサーバは、QoE通知を開始するためにQoEトリガーメッセージ504を、OMA DM MOを通して送信する。QoEトリガーメッセージ504は、UE204により受信され、これに応答して、UE204はQoEリクエストメッセージ506を表示装置206に送信する。次に、表示装置206は、QoE情報返送メッセージ508の中でQoE情報を伝送し、それはUE204によって受信される。その後、UE204は、QoEメトリックを導出するために、QoE情報返送メッセージの中のQoE情報を使用する。いくつかの実施例において、動画適応モジュール114は、破損期間、RTPパケットの連続的な損失、フレームレート、ジッタ期間、同期外れ期間、ラウンドトリップタイム、平均コーデックビットレート及びコーデック情報の1つ以上を含むメトリックを計算してもよい。
【0041】
QoEメトリックを導出した後、UE204は、導出したメトリックに基づきQoEレポートを送信してもよく、それは、インターネット電話通信等の、現時点における動画ストリーミングセッションを提供するネットワークのQoE通知サーバによって受信されてもよい。
【0042】
その他の各種実施例において、RTSPがアプリケーションレイヤのプロトコルとして使用される場合、ローカル接続によって複数の表示装置に接続されるUEの接続情報を、ストリーミングマルチメディアセッションを設定、変更及び/又は終了するために使用してもよい。
【0043】
RTSPセッションを設定するためのいくつかの実施例において、SDPを通してのPSSサービスのためのPSSサーバとの機能ネゴシエーションの際に、周辺機器にローカル接続によってローカルに接続されているPSSクライアント(UE)は、P2P接続等のローカル接続によりUEの結合されているローカル機器の装置機能に関する情報をやり取りしてもよい。そのような情報は、例えば、ローカル表示装置がテレビを含む場合、テレビ画面機能を含んでもよい。UEからの装置機能シグナリングの際に対象となるその他の表示装置属性は、以下のパラメータを含んでもよい:プリコーダのバッファサイズ、初期バッファ期間、復号器の機能、ディスプレイの特性(画面サイズ、解像度、ビット深度等)、ストリーミング方式(RTSP、HTTP等)、適応化対応、QoE対応、拡張RTCP通知対応、急速コンテンツ切り替え対応、及び対応するRTPプロファイルとSDP属性。
【0044】
追加の実施例において、PSSに対してのRTSP/SDPベースのセッション管理の一部分として、UEとPSSサーバとの間で追加の情報をやり取りしてもよい。そのようなやり取りされる情報は、例えば、コーデック、コンテナフォーマット、復号器の機能、QoSパラメータ(例えば、保証されるビットレート)及びトランスポートプロトコルについての情報を含んでもよい。ここで、当該やり取りされる情報は、ローカルP2P接続の特性(例えば、チャネル品質、容量、スループット等)及び例えば画面サイズ、解像度、ビット深度等のローカルP2P接続によりUEに接続される機器に対応する機能から成る。いくつかの実施例において、UEは、そのような情報をRTSPシグナリングを用いてローカルP2P接続から収集してもよく、また、この情報をPSSサーバに提供してもよい。UEは、さらに、ストリーミングマルチメディアセッションを管理し、セッションパラメータを変更し(例えば、新しいRTSP/SDPセッションパラメータを導出する)、そしてローカルP2P接続に影響を与える追加のタスクを実行してもよい。そのような追加のタスクは、3GPPネットワーク等の、PSSサーバをPSSクライアントに接続するネットワークにおけるセッションレベルのシグナリングから収集されるマルチメディア情報に基づく、ローカルP2P接続に対するトラフィックの優先順位付け、リソースの割り当て及び/又は帯域幅/サービス品質(QoS)の最適化を含んでもよい。そのようなマルチメディア情報の例は、コーデック情報、品質要求事項及びレート歪特性を含む。
【0045】
図6は、ローカルP2P接続において、RTSPベースのストリーミングプロトコル対応が生じるRTSP/SDPベースのセッション管理の実施例を図示する。図示する通り、UE(PSSクライアント)304は、RTSP DESCRIBEメッセージ602をネットワークを通してPSSサーバ302に送信することにより、RTSPセッションを開始することができる。DESCRIBEメッセージ602は、RTSP URL及び処理可能なリプレイデータの種類を含んでもよい。応答において、PSSサーバ302は、UE304に一つ以上の動作を実行させるトリガーメッセージとしての役割を果たすSDP情報を含むRTSP OK 200メッセージ604を送信してもよい。RTSP OK 200メッセージ604を受信すると、UE304は、RTSP_GET PARAMETERメッセージ606を表示装置306に送信してもよい。応答において、表示装置306は、当該表示装置306の機能情報を含むRTSP OK 200メッセージ608を送信してもよい。これにより、UE304は、SDPオファーメッセージ610を伴うRTSP SETUPをPSSサーバ302に送信してもよい。その後、PSSサーバ302は、PSSセッションにおいて使用されるSDP情報を含むRTSP 200 OKメッセージ612を送信してもよい。このSDP情報は、少なくとも部分的に、表示装置306により提供される機能情報に基づくものであってもよい。各種実施例において、UEがPSSサーバからSDP情報を受信する場合、PSSセッションは、受信したSDP情報に従って管理されてもよい。
【0046】
いくつかの実施例において、さらに図6に図示するように、その後、UEは、RTSP SET PARAMETERメッセージ614を表示装置306に転送してもよい。RTSP SET_PARAMETERメッセージ614は、RTSP OKメッセージ612の中で受信したSDP情報に基づくものであってもよい。RTSP SET_PARAMETERメッセージ614を受信した後、続いて、表示装置306は、新たに提示されるセッションパラメータをRTSP SETUPメッセージ616を通してUEに提供してもよい。UE304は、RTSP 200 OKメッセージ618を通して、表示装置306に返信を送信してもよく、その後、当該新たに提示されるセッションパラメータが通信に対して適用される。
【0047】
追加の実施例において、UEは、ローカルP2P接続を含むローカル接続による通信を、ネットワークオペレータにより指定される追加の要件に従って調整してもよい。例えば、ストリーミングセッション中に、リンク308による通信は、オペレータにより規定されたOpen Mobile Alliance (OMA) device management (DM) management objectsに基づいて、調整することができる。当該Open Mobile Alliance (OMA) device management (DM) management objectsは、マルチメディアストリーミングセッションの際に、ローカル接続により動作するUEのRTSP/SDPセッション管理に対して、特定の要件のセットを課すことがある。
【0048】
追加の各種実施例において、マルチメディアストリーミングセッション中に、所定のUEに関連するローカル接続性情報を、メディア適応化、バッファ管理及び/又はQoE通知機構の一部分として使用してもよい。具体的には、いくつかの実施例において、UEに対するローカルP2P接続の特性及び当該ローカルP2P接続を通してUEに対して結合される表示装置に対応する装置機能を考慮することで、ビットレート適応化を含むメディア適応化機能を実行してもよい。従って、情報源(PSSサーバ)における動画適応化に影響を与えて、確実な端末相互間の動画配信及び高いQoEを確保するために、受信機(UE)からのRTCP受信機レポート又はRTSPメッセージ(例えば、RTSP SETUP又はSET_PARAMETER)を生成してもよい。
【0049】
別の実施例において、QoEメトリック測定及び通知は、RTSP/SDPシグナリングを通して開始されてもよい。例えば、図6を再度参照して、QoEメトリック通知規則は、概してメッセージ610及び612において図示されるSDPネゴシエーション処理の一部分として伝えられてもよい。追加の実施例において、一般的に図5のメッセージ504、506において説明されるように、QoE測定及び通知は、PSS UEに送信されるOMA MD MOメッセージによって開始されてもよい。
【0050】
QoEメトリック測定及び通知を開始すると、UEは、受信品質を示すQoEレポートを生成することができる。具体的には、QoEレポートは、その表示装置に対するローカル接続からPSS UEが収集したQoE情報に基づいてもよく、また、ローカルP2P接続による通信の信頼性及びP2Pリンク(例えば、WiDiアプリケーションの場合におけるWiDiアダプタ)によりUEに接続される機器に関連するメディアバッファリング、復号化及びその他のメディア処理といった要因を考慮するものであってもよい。各種実施例において、RTSPベースのストリーミングに対するQoEメトリックは、3GPP TS 26.234, Release 10において規定されるように、破損期間、RTPパケットの連続的な損失、フレームレートの偏差、ジッタ期間、コンテンツ切り替えの時間、初期バッファリング期間、再バッファリング期間、平均コーデックビットレート、コーデック情報及びバッファ状態のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0051】
各種実施例において、UEに対するローカル接続の情報は、メディアプレゼンテーション記述(MPD)メタデータファイルと共に、dynamic adaptive HTTP streaming(又は「DASH」)ベースのマルチメディアセッションを管理するために用いることができる。MPDは、HTTPサーバからメディアセグメントのダウンロードによるメディアコンテンツの適応的ストリーミングのための、DASHクライアントに対する十分な情報を提供する。DASHにおいて、セッション起動遅延を低減するために、MPDを分解して部分的に配信することができる。また、ストリーミングセッションにおいて、MPDを更新することができる。いくつかの実施例において、HTTPサーバからどのマルチメディア表現を要求するなどといった、(異なるビットレート、フレームレート、解像度、コーデック形式等を含む、サーバに記憶されるメディアコンテンツの構造及び異なるバージョンを記述する、DASHセッションの開始時に取得したMPDに基づく)DASHクライアント(UE)でのストリーミングの決定の一部分として、追加の情報はDASHクライアントに利用されてもよい。この追加の情報は、例えば、ローカルP2P接続の特性、チャネル品質、容量、スループット等の要因及びローカルP2P接続によりUEに結合された装置に対応する機能より成る、コーデック、コンテナフォーマット、復号器機能、QoSパラメータ(例えば、保証されるビットレート)及び/又はトランスポートプロトコルに関する情報を含んでもよい。
【0052】
UEは、さらに、ストリーミングマルチメディアセッションを管理し、セッションパラメータを変更し(例えば、新しいRTSP/SDPセッションパラメータを導出する)、そしてローカルP2P接続に影響する追加のタスクを実行してもよい。そのような追加のタスクは、3GPPネットワーク等の、HTTPサーバをDASHクライアントに接続するネットワークにおけるセッションレベルのシグナリングから収集されるマルチメディア情報に基づく、ローカルP2P接続に対するトラフィックの優先順位付け、リソースの割り当て及び/又は帯域幅/サービス品質(QoS)の最適化を含んでもよい。MPDに基づく場合のある、そのようなマルチメディア情報の例は、コーデック情報、品質要求事項及びレート歪特性を含む。
【0053】
追加の実施例と整合して、図7は、UE304とストリーミング動画の情報源としての役割を果たすHTTPサーバ702との間でのマルチメディアストリーミングのためのシステム700を図示する。システム700は、先に説明したシステム300と同様に構成されてもよく、ここでHTTPサーバ702はPSSサーバ302の代わりにストリーミングコンテンツを提供する。
【0054】
図8は、(WiDiアダプタを使用する実施例におけるような)ローカルP2P接続において、RTSPベースのストリーミングプロトコル対応が生じるDASHベースのセッション管理シグナリングの例を図示する。図8において、UE304はDASHクライアントとしての役割を果たす。ユーザがストリームセッションの開始を希望する場合、HTTPサーバ702にHTTP GET MPDメッセージ802を送信するためにUE304が使用される。HTTPサーバ702は、MPD情報と共に、HTTP 200 OKメッセージ804をUE304に返してもよい。ここで、HTTP 200 OKメッセージ804は、UEに1つ以上の動作を実行させるためのトリガーメッセージとしての役割を果たす。その後、例えば、UE304は、表示装置から装置機能のデータを得るために、RTSP GET_PARAMETERメッセージ806を表示装置306に送信してもよい。応答において、表示装置306は、表示装置306の機能情報を含むRTSP 200 OKメッセージ808をUE304に送信してもよい。
【0055】
追加の通信において、UE装置304は、現時点のHTTPメディアストリーミングセッションに対するセッション変更を含むRTSP SET_PARAMETERメッセージ812を表示装置に送信してもよい。応答において、表示装置306は、新規セッションパラメータを含むRTSP SETUPメッセージ814を送信してもよい。その後、UEは、RTSP 200 OKメッセージ814をUE304に送信してもよい。
【0056】
その他の実施例において、HTTPストリーミングセッションの際に、ローカルUE接続に関する情報を、メディア適応化、バッファ管理及びQoE通知の一部分として使用してもよい。具体的な実施例において、ビットレート適応化を含むDASHクライアントにおけるメディア適応化機能は、ローカル装置とDASHクライアントとの間のローカルP2P接続及びローカル装置に対応する装置機能を考慮して実行されてもよい。
【0057】
その他のさらなる実施例において、QoEメトリック測定及び通知は、MPDシグナリングを通して開始されてもよい。代替的な実施例において、一般的に図5のメッセージ504、506において説明されるように、QoE測定及び通知は、DASHクライアントに送信されるOMA MD MOメッセージによって開始されてもよい。ここで、DASHクライアントは、UE204により表されてもよい。
【0058】
QoEメトリック測定及び通知を開始すると、UEは、受信品質を示すQoEレポートを生成することができる。具体的には、QoEレポートは、ローカル接続からDASHクライアントが収集したQoE情報に基づいてもよく、また、ローカルP2P接続による通信の信頼性及びP2Pリンク(例えば、WiDiアプリケーションの場合におけるWiDiアダプタ)によりUEに接続される表示装置に関連するメディアバッファリング、復号化及びその他のメディア処理といった要因を考慮するものであってもよい。各種実施例において、DASHベースのストリーミングに対するQoEメトリックは、3GPP TS 26.247, Release 10において規定されるように、HTTPリクエスト/レスポンストランザクション、表示切り替えイベント(Representation Switch Event)、平均スループット、初期プレイアウト遅延(Initial Playout Delay)、バッファレベル、プレイリスト、MPD情報のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0059】
本実施例は、UEがWWAN及び単一のローカル表示装置に同時に接続されている場合において、動画通信等の通信の適応化のために使用することが可能であり、各種実施例は、複数のローカル接続が同時に又は連続的に機能している場合において、通信の適応化のために使用することが可能である。本実施例に整合する一つのユースケースにおいて、移動端末(UE)を持つユーザは、放送されるニュースを目で追いながら、試合を表示するためにUEを用いることを希望するかもしれない。どちらの種類のコンテンツも、UEを用いて、3GPPベースのWWANからダウンロードすることができる。UEは、視聴体験を向上させるため、複数の周辺(ローカル)装置に接続してもよい。例えば、UEは、2つのローカル接続によって、テレビ(第1のローカル表示装置)及びタブレットコンピュータ(第2の表示装置)に同時に接続してもよい。具体的には、ユーザは、ニュース放送をタブレットコンピュータで見ながら、試合をテレビで観戦することを選択してもよい。本実施例に整合して、UEで動作する動画適応モジュールは、対応する第1及び第2のローカル表示装置への両方の種類の動画コンテンツの配信を最適化することができる。一実施例において、UEの動画適応モジュールは、接続される各ローカル表示装置(この場合においてはテレビ及びタブレットコンピュータである)の機能情報を別々に収集することができる。各ローカル表示装置の機能情報は、その後、WWANネットワークに通知されてもよく、そして、セッションパラメータは各ローカル表示装置に対してネゴシエートされてもよい。セッションパラメータが設定された後、さらに、UEは、各ローカル表示装置に対する動画配信を最適化するために、2つのローカル接続それぞれによる2つの異なるセッションを管理してもよい。
【0060】
追加の実施例において、単一のセッション内で、例えば、WWANからのものなどの、第1の非ローカル接続でUEにより受信されるコンテンツのルーティングは、異なるローカル接続によってUEに結合される異なるローカル装置の間で切り替えることができる。一つのユースケースにおいて、UEで試合を観戦するためにストリーミング動画を受信するユーザは、異なる時間に異なるローカル周辺装置で試合を観戦することを希望するかもしれない。例えば、ユーザは、試合の第1の部分をテレビで見る一方で、タブレットコンピュータを用いて試合の第2の部分を見るために、別の部屋に移動してもよい。本実施例は、所定の時間に使用される各周辺ローカル装置へのコンテンツ配信の最適化を支援する。例えば、テレビが表示装置として使用される場合に、UEはシグナリング処理の第1のセットを実行し、その後、タブレットコンピュータが表示装置として使用される場合に、シグナリング処理の第2のセットを開始してもよい。さらに、現時点でUEが選択している装置に応じて、シグナリング処理を複数回切り替えてもよい。
【0061】
本明細書に含まれているのは、開示されるシステム及びアーキテクチャの新規な側面を実行するための例示的な方法を表すフローチャートのセットである。説明を容易にするために、例えば、フローチャート又はフロー図の形式で本明細書において示す1つ以上の方法は、一連の動作として示され説明される。しかしながら、いくつかの動作は、本明細書によれば、本明細書に示され説明されるその他の動作とは異なる順序及び/又は同時に発生する場合があるので、当該方法は、動作の順序に限定されないということが理解され、認められるべきである。例えば、当業者は、状態図といった、相互に関連する一連の状態又は事象として、方法を代替的に表現することができることを理解し、認めるであろう。また、方法において説明される動作の全てが、新規の実施において必要とされるわけではない。
【0062】
図9は、例示的な論理フロー900を図示する。ブロック902において、SDPオファーを含むSIP INVITEメッセージを受信する。ブロック904において、RTSP GET_PARAMETERメッセージは、ローカル接続により、表示装置等のローカル装置に転送される。ブロック906において、ローカル装置に対応する機能情報を含むRTSP 200 OKメッセージが受信される。ブロック908において、RTSP 200 OKメッセージの中で受信した装置機能情報から成る場合があるSDPネゴシエーションデータを含むSIP OKメッセージが、ネットワークにより送信される。ブロック910において、SIP ACKメッセージが受信される。ブロック912において、セッション変更を含むRTSP SET_PARAMETERメッセージが、ローカル接続によりローカル表示装置に送信される。ブロック914において、新規セッションパラメータを含むRTSP SETUPメッセージが受信される。ブロック916において、新規セッションパラメータが許容できる場合、RTSP 200 OKメッセージがローカル接続により送信される。
【0063】
図10は、一つの例示的な論理フロー1000を図示する。ブロック1002において、OMA ADP MOメッセージが受信される。ブロック1004において、QoE情報のリクエストがローカル接続により送信される。ブロック1006において、QoE情報がローカル接続により受信される。ブロック1008において、ローカル接続により受信したQoE情報からQoEメトリックが導出される。ブロック1010において、QoEメトリックを含むQoEレポートが非ローカルネットワークにより送信される。
【0064】
図11は、別の例示的な論理フロー1100を図示する。ブロック1102において、RTSP記述メッセージ(RTSP describe message)が非ローカルネットワークにより送信される。ブロック1104において、SDP情報と共に、RTSP 200 OKメッセージが受信される。ブロック1106において、ローカル装置の機能情報を要求するRTSP GET_PARAMETERメッセージがローカル接続により送信される。ブロック1108において、ローカル装置の機能情報を含むRTSP OKメッセージが受信される。ブロック1110において、SDPオファーを含むRTSP SETUPメッセージが非ローカルネットワークにより送信される。ブロック1122において、非ローカルネットワークによりRTSP 200 OKメッセージが受信される。ブロック1114において、セッション変更のために、RTSP SET_PARAMETERがローカル接続により送信される。ブロック1116において、新規パラメータを伴うRTSP SETUPメッセージ616がローカル接続により受信される。ブロック1118において、RTSP 200 OKメッセージがローカル接続により送信される。
【0065】
図12は、別の例示的な論理フロー1200を図示する。ブロック1202において、HTTP GET MPDメッセージ802がHTTPサーバに送信される。ブロック1204において、MPD情報と共に、HTTP 200 OKメッセージが受信される。ブロック1206において、RTSP GET_PARAMETERメッセージがローカルリンクにより送信される。ブロック1208において、ローカル装置の機能情報を含むRTSP 200 OKメッセージが受信される。ブロック1210において、現時点におけるHTTPメディアストリーミングセッションに対するセッション変更を含むRTSP SET_PARAMETERメッセージがローカル接続により送信される。ブロック1212において、新規パラメータを含むRTSP SETUPメッセージがローカル接続により受信される。ブロック1214において、ローカル接続によりRTSP 200 OKメッセージが送信される。
【0066】
図13は、例示的なシステム実施例の図である。特に、図13は各種要素を含み得るプラットフォーム1300を示す図である。図13は、例えば、プラットフォーム(システム)1310が、プロセッサ/グラフィックスコア1302、チップセット/プラットフォームコントロールハブ(PCH)1304、入力/出力(I/O)デバイス1306、ランダムアクセスメモリ(RAM)(ダイナミックRAM(DRAM)等)1308、読み取り専用メモリ(ROM)1310、表示電子回路1320、ディスプレイのバックライト1322、及び各種その他のプラットフォーム部品1314(例えば、ファン、クロスフロー送風機、ヒートシンク、DTMシステム、冷却システム、筐体、通気口など)を含む場合があることを示す。また、システム1300は、無線通信チップ616及びグラフィックス・デバイス1318を含んでもよい。しかしながら、実施例は、これらの要素には限定されない。
【0067】
図13に示すように、I/Oデバイス1306、RAM1308及びROM1310は、チップセット1304を介してプロセッサ1302に結合されている。チップセット1304は、バス1312によってプロセッサ1302に結合されてもよい。従って、バス1312は複数の導線を含んでもよい。
【0068】
プロセッサ1302は、1つ以上のコアを含む中央処理装置であってもよく、また、任意の数のプロセッサコアを有する任意の数のプロセッサを含んでもよい。プロセッサ1302は、例えば、CPU、多重処理部、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、パイプラインを有するプロセッサ、複合命令セットコンピュータ(CISC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)等といった任意の種類の処理部を含んでもよい。いくつかの実施例において、プロセッサ1302は、別個の集積回路チップ上に配置された複数の別個のプロセッサであってもよい。いくつかの実施例において、プロセッサ1302は内蔵グラフィックスを有するプロセッサであってもよく、その一方で、別の実施例において、プロセッサ1302はグラフィックスコア又は複数のコアであってもよい。
【0069】
図14は、前述のような各種実施例の実施に適した例示的なコンピュータシステム(アーキテクチャ)1400の実施例を図示する。本出願で使用される場合、用語「システム」、「デバイス」及び「コンポーネント」は、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組合せ、ソフトウェア又は実行中のソフトウェアのいずれかのコンピュータ関連の構成要素への言及を意図している。その例は、例示的なコンピュータアーキテクチャ1400により提供される。例えば、構成要素は、それであることには限定しないが、プロセッサで実行されるプロセス、プロセッサ、ハードディスクドライブ、(光学及び/又は磁気記憶媒体の)マルチストレージドライブ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム及び/又はコンピュータであってもよい。実例として、サーバ上で実行されるアプリケーション及び当該サーバの両方が構成要素であり得る。1つ以上の構成要素は、プロセス及び/又は実行のスレッド内に常駐することができ、また、構成要素は1つのコンピュータに位置する及び/又は2つ以上のコンピュータに分散されてもよい。また、構成要素は、動作を連動するために、各種通信媒体によって通信可能に結合されてもよい。連動は、一方向性の情報のやり取り又は双方向性の情報のやり取りに関連するものであってもよい。例えば、構成要素は、通信媒体により通信される信号の型式で情報を通信してもよい。情報は、各種信号線に割り当てられる信号として実現されてもよい。このような割当において、各メッセージは信号である。しかしながら、追加の実施形態では、これに代えて、データメッセージを用いてもよい。そのようなデータメッセージは、様々な接続を介して送信されてもよい。例示的な接続は、パラレルインターフェース、シリアルインターフェース及びバスインターフェースを含む。
【0070】
一実施例において、コンピュータアーキテクチャ1400は、電子機器を含んでもよく、或いは電子機器の一部分として実現されてもよい。限定することなく、電子機器の例は、携帯機器、パーソナルデジタルアシスタント、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、携帯電話、ハンドセット、片方向ページャ、双方向ページャ、メッセージング装置、コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、サーバアレイもしくはサーバーファーム、ウェブサーバ、ネットワークサーバ、インターネットサーバ、ワークステーション、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、スーパーコンピュータ、ネットワークアプライアンス、ウェブアプライアンス、分散コンピューティングシステム、マルチプロセッサシステム、プロセッサベースのシステム、家庭用電化製品、プログラム可能な家庭用電化製品、テレビ、デジタルテレビ、セットトップボックス、無線アクセスポイント、基地局、加入者局、携帯電話の加入者センタ、無線ネットワークコントローラ、ルータ、ハブ、ゲートウェイ、ブリッジ、スイッチ、マシン又はそれらの組合せを含んでもよい。実施例は、この文脈においては限定されない。
【0071】
コンピュータアーキテクチャ1400は、1つ以上のプロセッサ、コプロセッサ、メモリユニット、チップセット、コントローラ、周辺機器、インターフェース、発信器、タイミングデバイス、ビデオカード、オーディオカード、マルチメディア入力/出力(I/O)構成要素等といった各種共通のコンピュータの構成要素を含む。しかしながら、実施例は、コンピュータアーキテクチャ1400の実施に限定されない。
【0072】
図14に示すように、コンピュータアーキテクチャ1400は、処理部1404、システムメモリ1406及びシステムバス1408を含む。処理部1404は、各種市販のプロセッサのいずれであってもよい。また、デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャを、処理部1404として使用してもよい。システムバス1408は、システムメモリ1406から処理部1404までを含む、これらに限定されないシステムの構成要素に対するインターフェースを提供する。システムバス1408は、各種の市販のバスアーキテクチャのいずれかを使用するメモリバス(コントローラあり又はなし)、周辺バス及びローカルバスとさらに相互接続することができるバス構造の複数の種類のいずれかとすることができる。
【0073】
コンピュータアーキテクチャ1400は、各種製品を備えてもよく、或いは各種製品を実装してもよい。製品は、プログラムロジックの各種形態を記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリ、リムーバブルメモリ又は非リムーバブルメモリ、消去可能メモリ又は消去不能メモリ、書き込み可能メモリ又は再書き込み可能メモリ等を含む、電子データを記憶可能な任意の有形の媒体を含んでもよい。プログラミングロジックの例は、ソースコード、コンパイルされたコード、解釈されたコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、オブジェクト指向のコード、視覚コード等の、任意の種類のコードを使用した実行可能なコンピュータプログラム指令を含んでもよい。
【0074】
システムメモリ1406は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、強誘電ポリマーメモリ、オボニックメモリ、相変化又は強誘電体メモリ等のポリマーメモリ、シリコン−酸化物−窒化物−酸化物−シリコン(SONOS)メモリ、磁気又は光学カード、又は情報を記憶するのに適したその他の種類の媒体といった、1つ以上の高速メモリユニットの形態の各種コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。図14において図示される実施例において、システムメモリ1406は、不揮発性メモリ1410及び/又は揮発性メモリ1412を含んでもよい。基本入力/出力システム(BIOS)は、不揮発メモリ1410に記憶してもよい。
【0075】
コンピュータ1402は、内蔵ハードディスクドライブ(HDD)1414、取り外し可能な磁気ディスク1418からの読み出し又はリムーバブル磁気ディスク1418への書き込みのための磁気Bluetooth(登録商標)ディスクドライブ(FDD)1416、及び取り外し可能な光ディスク1422(例えばCD−ROM又はDVD)からの読み出し又は取り外し可能な光学ディスク1422への書き込みのための光ディスクドライブを含む、1つ以上の低速メモリユニットの形態の各種コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。HDD1414、FDD1416及び光ディスクドライブ1420は、それぞれHDDインターフェース1424、FDDインターフェース1426及び光ドライブインターフェース1428により、システムバス1408に接続することができる。外部ドライブの実装のためのHDDインターフェース1424は、ユニバーサルシリアルバス(USB)及びIEEE1294インターフェース技術の少なくとも一つ又は両方を含んでもよい。
【0076】
これらのドライブ及び関連するコンピュータ可読媒体は、データの揮発性の記憶及び/又は不揮発性の記憶、データ構造、コンピュータで実行可能な指令等を提供する。例えば、オペレーティングシステム1430、1つ以上のアプリケーションプログラム1432、他のプログラムモジュール1434及びプログラムデータ1436を含む多くのプログラムモジュールをこれらのドライブ及びメモリーユニット1410、1412の中に記憶することができる。
【0077】
ユーザは、1つ以上の有線/無線入力装置、例えば、キーボード1438及びマウス1440等のポインティング装置、によって、コンピュータ1402にコマンド及び情報を入力することができる。その他の入力装置は、マイクロフォン、赤外線(IR)リモコン、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン等を含んでもよい。これらの及びその他の入力装置は、システムバス1408に結合された入力装置インターフェース1442を通して、処理部1404と接続されることが多いが、パラレルポート、IEEE 1294シリアルポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース等のその他のインターフェースによって接続することもできる。
【0078】
また、モニター1444又はその他の種類の表示装置は、ビデオアダプタ1446等のインターフェースを通してシステムバス1408に接続される。コンピュータは、典型的には、モニタ1444に加えて、スピーカ、プリンタ等の周辺出力装置を備える。
【0079】
コンピュータ1402は、リモートコンピュータ1448等の1つ以上のリモートコンピュータへの有線及び/又は無線通信を通した論理接続を使用するネットワーク環境において動作してもよい。リモートコンピュータ1448は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、マイクロプロセッサベースの娯楽機器、ピアデバイス又はその他の共通のネットワークであってもよく、コンピュータ1402に関して説明した多くの又は全ての要素を典型的には含む。しかしながら、簡潔にするために、メモリ/記憶装置1450だけが図示されている。図示される論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)1452及び/又は、例えば、広域ネットワーク(WAN)1454といった、より大きなネットワークに対する有線/無線接続性を含む。このようなLAN及びWANネットワーク環境は、オフィスや企業で一般的であり、インターネット等のグローバル通信ネットワークに接続可能なイントラネット等の企業規模のコンピュータネットワーク全てに対して、役に立つ。
【0080】
LANネットワーク環境で使用される場合、コンピュータ1402は、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェース又はアダプタ1456を通してLAN1452に接続される。アダプタ1456は、LAN1452に対する有線及び/又は無線通信を容易にする。また、LAN1452は、アダプタ1456の無線機能と通信するための、LAN1452に設置される無線アクセスポイントを含む。
【0081】
WANネットワーク環境で使用される場合、コンピュータ1402はモデム1458を備えてもよく、或いはWAN1454の通信サーバに対して接続されるか、或いはインターネットを経由するなど、WAN1454による通信を設定するための他の手段を有する。内部又は外部の有線及び/又は無線装置であり得るモデム1458は、入力装置インターフェース1442を通して、システムバス1408に接続する。ネットワーク環境において、コンピュータ1402に関して図示されるプログラムモジュール又はその一部を、遠隔のメモリ/記憶装置1450に記憶することができる。示されたネットワーク接続は代表的なものであり、コンピュータ間の通信接続を設定する他の手段を使用することが可能であることが理解されるであろう。
【0082】
コンピュータ1402は、IEEE 802規格のファミリーを使用して、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップ及び/又はポータブルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、通信衛星、無線で検出可能なタグと一体とされた機器又は場所のいずれかの部分(例えば、キオスク、新聞売店、トイレ)との無線通信(例えば、IEEE802.11のover−the−air変調技術)のために動作するように配置された無線装置等の有線及び無線の装置又は構成要素と通信するために、動作可能である。これは、少なくとも、Wi−Fi(又はWireless Fidelity)、WiMax及びBluetooth(登録商標)の無線技術を含む。従って、通信は、従来のネットワークと同様な予め定義された仕組みであってもよく、或いは少なくとも2つの装置の間における単なるアドホック通信であってもよい。Wi−Fiネットワークは、安全で信頼性の高い、高速な無線接続を提供するために、IEEE 802.11x(a, b, g, n等)と呼ばれる無線技術を使用する。コンピュータを相互に接続するため、インターネットに接続するため及び(IEEE 802.3に関連する媒体及び機能を使用する)有線ネットワークに接続するために、Wi−Fiネットワークを使用することができる。
【0083】
前述のように、実施例は各種ハードウェア要素、ソフトウェア要素、又は両方の組合せを用いて実施することができる。ハードウェア要素の例は、デバイス、論理デバイス、コンポーネント、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、プロセッサ回路、(例えば、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタなどの)回路素子、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PDL)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、メモリユニット、論理ゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセット等を含んでもよい。ソフトウェア要素の例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、ソフトウェア開発プログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、メソッド、プロシージャ、ソフトウェアインタフェース、アプリケーションプログラムインタフェース(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、シンボル、またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。実施例をハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を用いて実施するか否かの決定は、所定の実施に対して要望されるような、所望の計算速度、電力レベル、耐熱性、処理サイクルバジェット、入力データレート、出力データレート、メモリーリソース、データバススピード及び他の設計又は性能の制約等の任意の数の要因に従って変動し得る。
【0084】
いくつかの実施例において、要素は、1つ以上の動作を実行する具体的な構造として定義される。しかしながら、特定の機能を実行する特定の構造として定義された如何なる要素も、その根拠となる構造、物質、又は動作の記述なしで、当該特定の機能を実行するための手段又はステップとして表現することができることが認められるであろう。そして、そのような手段又はステップは、詳細な説明における対応する構造、物質、又は動作及びその均等物を包含することを意味する。実施例は、この文脈においては限定されない。
【0085】
いくつかの実施例は、「一実施例」又は「実施例」という表現と共にその派生語を用いて記述される場合がある。これらの用語は、当該実施例に関連して記述される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。明細書の様々な箇所における「一実施例」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施例に対する参照ということではない。さらに、いくつかの実施例は、「結合(couple)」及び「接続している(connected)」という表現と共にその派生語を用いて記述される場合がある。これらの用語は、必ずしも互いに同義語であると意図されてはいない。例えば、いくつかの実施例は2つ以上の要素がお互いに直接物理的に又は電気的に接触していることを示すために、「接続される(connected)」及び/又は「結合される(coupled)」という用語を用いて記述される場合がある。しかしながら、「結合している(coupled)」という用語は、また、2つの要素は互いに直接接触していないが、それでも互いに連動又は相互作用することを意味する場合がある。
【0086】
開示の要約は、読者が迅速に技術開示の特徴を確認することを可能とするために設けられていることを強調する。それは、特許請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないという理解のもとに提出されている。また、前述の詳細な説明において、開示を簡素化する目的で、各種特徴が1つの実施例にまとめられていることを確認できる。この開示方法は、記載されている実施例が、各クレームにおいて明示的に記載されている特徴より多くの特徴を必要としているという意図を反映しているものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の主題は、開示される単一の実施例の全ての特徴よりも少ない特徴に基づいている。従って、各請求項は、それ自身が別個の実施例として独立すると共に、以下の特許請求の範囲は、ここで、詳細な説明に組み込まれる。添付の特許請求の範囲において、「including」及び「in which」という用語は、それぞれ「comprising」及び「wherein」という用語の平易な英語の均等物として用いられる。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単なる符号として用いられるのであって、それらの対象に対する数値的な要件を課すことは意図されない。
【0087】
上述したものは、開示されたアーキテクチャの例を含む。当然ながら、想到し得る構成要素及び/又は方法の組合せ全てを記述することは不可能であり、その一方で、当業者はさらなる組合せ及び置換が可能であることを認識かもしれない。従って、新規なアーキテクチャは、添付の特許請求項の精神及び範囲に属する、そのような改変、変更及び変形の全てを包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14