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特許6279711腐りやすい品物を監視するための検出装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279711
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】腐りやすい品物を監視するための検出装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/02 20060101AFI20180205BHJP
   G01K 1/08 20060101ALI20180205BHJP
   G01K 13/00 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   G08C17/02
   G01K1/08 C
   G01K13/00
【請求項の数】35
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-507960(P2016-507960)
(86)(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公表番号】特表2016-522920(P2016-522920A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】CA2014000354
(87)【国際公開番号】WO2014169375
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2016年10月28日
(31)【優先権主張番号】2813285
(32)【優先日】2013年4月18日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】515289738
【氏名又は名称】ディジ インターナショナル カナダ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ワーケンティン,コーリン
(72)【発明者】
【氏名】ディラッラ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ウォジョトウィックス,ミレク
(72)【発明者】
【氏名】スティール,サラ
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/072296(WO,A2)
【文献】 特開2012−071755(JP,A)
【文献】 米国特許第07075442(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 17/02
G01K 1/08
G01K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐りやすい品物を収容する局所的な環境内の状態を監視するとともに、前記監視状態を無線で通信するための検出装置において、
食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる防水材料から構成されるシール体と、
前記シール体内に収容される低エネルギー無線通信器と、
前記シール体内に収容される状態センサと、
前記状態センサと前記無線通信器とに対して動作可能に接続されるプロセッサであって、該プロセッサが前記シール体内に収容されるプロセッサと、
前記シール体内に収容され、前記プロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続されるエネルギー源と、
前記シール体内に収容され、前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサとを備え、
前記プロセッサは、ユーザによって引き起こされる検出装置に対する所定の動作を前記モーションセンサが検出したことに反応して、オンまたはオフに切り替えられ、
前記所定の動作は、検出装置を、一方向に所定角度回転させ、その後に、反対方向に所定角度回転させるものであり、
前記検出装置は、前記腐りやすい食品に影響を及ぼす状態を監視してその監視状態を前記無線通信器を用いて通信するために前記腐りやすい食品と接触した状態で配置され得る
検出装置。
【請求項2】
前記検出装置は、前記状態センサにより得られる監視状態を記憶するために前記状態センサに動作可能に接続されるメモリを更に備え、前記メモリが前記シール体内に収容される
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記シール体上の状態表示インタフェースを更に備え、該状態表示インタフェースは、前記プロセッサに動作可能に接続されて、前記検出装置の現在の状態を示す
請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記低エネルギー無線通信器は、低エネルギープロトコル無線モジュールを更に備える
請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記エネルギー源がバッテリである
請求項1に記載の検出装置。
【請求項6】
前記バッテリがリチウムバッテリである
請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記検出装置は、前記モーションセンサによって検出される動きにより作動される
請求項1に記載の検出装置。
【請求項8】
前記検出装置が温度検出装置であり、前記状態センサが温度センサである
請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記モーションセンサによって検出されている前記シール体の動きに応じて環境内の温度を前記温度センサに検出させるようになっている
請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記メモリおよび前記プロセッサがいずれも前記無線モジュールの内部プロセッサに組み込まれる
請求項4に記載の検出装置。
【請求項11】
前記シール体は、食品グレード材料から構成されるとともに、殺菌されるように構成される
請求項1に記載の検出装置。
【請求項12】
検出装置を使用して腐りやすい食品の状態を監視する方法において、
前記検出装置は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる防水材料から構成されるシール体と、前記シール体内に収容される低エネルギー無線通信器と、前記シール体内に収容される状態センサと、前記状態センサと前記無線通信器とに対して動作可能に接続されるプロセッサであって、該プロセッサが前記シール体内に収容されるプロセッサと、前記シール体内に収容され、前記プロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続されるエネルギー源と、前記シール体内に収容され、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサとを備え、
前記プロセッサは、ユーザによって引き起こされる検出装置に対する所定の動作を前記モーションセンサが検出したことに反応して、オンまたはオフに切り替えられるものであり、
前記方法は、
前記腐りやすい食品を収容する環境内に配置される検出装置を用意し、前記モーションセンサにより検出される所定の動作を引き起すことによって前記検出装置が作動されるステップであって、前記所定の動作は、検出装置を、一方向に所定角度回転させ、その後に、反対方向に所定角度回転させるものである、ステップと、
前記状態センサを使用して前記環境内の状態を検出するステップと、
前記検出された環境内の状態を記憶状態データの形態で前記検出装置に記憶するステップと、
前記低エネルギー無線通信器を使用して前記記憶状態データを受信器へ送信するステップとを備える
方法。
【請求項13】
前記環境は、ウォークイン冷凍庫または冷蔵庫、ディスプレイケース、倉庫、および、車両貨物領域のうちの1つである
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記環境内の状態を検出する前記ステップ、前記検出された状態を記憶する前記ステップ、および、前記記憶状態データを送信する前記ステップの全てがリアルタイムで行なわれる
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記記憶状態データを受信器へ送信する前記ステップは、前記記憶状態データをサーバへアップロードするステップを更に備える
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記環境内の状態を検出する前記ステップおよび前記検出された状態を記憶する前記ステップは、前記記憶された状態データを送信する前記ステップが行なわれる前に複数回繰り返される
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサは、閾値状態を複数の事象の発生に関連付けるコンフィギュレーション記録を記憶し、前記方法は、
前記状態センサを使用した前記環境内の状態の監視、および、
前記モーションセンサを使用した前記シール体の動きの監視、のうちの少なくとも1つを行なうステップと、
前記環境内の状態および前記モーションセンサにより検出される動きのうちの少なくとも一方が前記複数の事象の中の1つの事象に関連があるときに事象の発生を記録するステップとを更に備える
請求項12に記載の方法。
【請求項18】
温度センサを使用して前記環境内の状態を検出する前記ステップは、前記モーションセンサによって動きが検出された後に引き起こされる
請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記環境内の状態を検出する前記ステップは、設定された間隔で前記プロセッサのより引き起こされる
請求項12に記載の方法。
【請求項20】
腐りやすい食品の状態を監視するためのシステムにおいて、
少なくとも1つの検出装置であって、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる防水材料から構成されるシール体と、
前記シール体内に収容される低エネルギー無線通信器と、前記シール体内に収容される状態センサと、
前記状態センサと前記無線通信器とに対して動作可能に接続されるプロセッサであって、該プロセッサが前記シール体内に収容されるプロセッサと、
前記シール体内に収容され、前記プロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続されるエネルギー源と、
前記シール体内に収容され、前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサとを備え
前記プロセッサは、ユーザによって引き起こされる検出装置に対する所定の動作を前記モーションセンサが検出したことに反応して、オンまたはオフに切り替えられ、
前記所定の動作は、検出装置を、一方向に所定角度回転させ、その後に、反対方向に所定角度回転させるものである、
少なくとも1つの検出装置と、
前記検出装置の前記低エネルギー無線通信器と通信する無線通信器を有する手持ち式携帯機器とを備える
システム。
【請求項21】
前記低エネルギー無線通信器が低エネルギープロトコル無線モジュールであり、前記手持ち式携帯機器の前記無線通信器が低エネルギープロトコルを使用する
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムが少なくとも2つの検出装置を更に備え、前記少なくとも2つの検出装置が互いに通信するように構成される
請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記検出装置が温度検出装置であり、前記状態センサが温度センサである
請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記モーションセンサが加速度計である
請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記エネルギー源がリチウムバッテリである
請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
腐りやすい品物を収容する局所的な環境内の状態を監視するとともに、前記監視状態を無線で通信するための検出装置において、
食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる防水材料から構成されるシール体であって、該シール体が楔状端部を有する、シール体と、
前記シール体内に収容される低エネルギー無線通信器と、
前記シール体内に収容され、前記シール体の前記楔状端部内に位置される状態センサと、前記状態センサと前記無線通信器とに対して動作可能に接続されるプロセッサであって、該プロセッサが前記シール体内に収容されるプロセッサと、
前記シール体内に収容され、前記プロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続されるエネルギー源と、
前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサとを備え、
前記プロセッサは、ユーザによって引き起こされる検出装置に対する所定の動作を前記モーションセンサが検出したことに反応して、オンまたはオフに切り替えられ、
前記所定の動作は、検出装置を、一方向に所定角度回転させ、その後に、反対方向に所定角度回転させるものであり、
前記検出装置の前記楔状端部は、前記腐りやすい食品に影響を及ぼす状態を監視してその監視状態を前記無線通信器を用いて通信するために前記腐りやすい食品を収容する前記局所的な環境内に配置され得る
検出装置。
【請求項27】
前記楔状端部の反対側にある前記シール体の一部を形成するブロック端部を更に備える
請求項26に記載の検出装置。
【請求項28】
前記状態センサが温度センサを更に備える
請求項26に記載の検出装置。
【請求項29】
前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサを更に備える
請求項26に記載の検出装置。
【請求項30】
前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサを更に備える
請求項27に記載の検出装置。
【請求項31】
前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するために前記プロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサを更に備える
請求項28に記載の検出装置。
【請求項32】
前記プロセッサは、ユーザによる一または二以上のタップのパターンを前記モーションセンサが検出したことに反応して、オンまたはオフに切り替えられる
請求項1に記載の検出装置。
【請求項33】
前記所定角度は少なくとも180度である
請求項1に記載の検出装置。
【請求項34】
前記シール体は、前記材料のシームレスな個片として形成されている
請求項1に記載の検出装置。
【請求項35】
前記シール体は、再使用のための洗浄の妨げとなる隙間がない
請求項1に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に検出装置に関し、特に食品などの腐りやすい物品の周囲の環境内の状態を検出するための検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
腐りやすい食品の適切な管理は、食品が保たれる状態の記録を適切に監視して維持するべく食品を輸送し、保管し、または、用意することに関与するものを必要とする。HACCPおよびFDA食品安全強化法(FSMA)などの食品安全規則は、腐りやすい食品の安全性および品質を管理するために特定の手続きの実施および監視プロトコルを要求とする。腐りやすい品物としては、新鮮な、または冷凍の肉、野菜、果物、パン、ミルク、および、チーズ等の乳製品などの腐りやすい食品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0003】
そのような腐りやすい食品は、しばしば、特定の状態が制御される必要がある環境内で輸送されるとともに、保管される。例えば、腐りやすい食料品は、鮮度を維持するために冷蔵され、または冷凍される必要があるかもしれない。食品が適切な状態下で環境内に保管されなければ、食品は、即座に、またはその予期される賞味期限の前に腐る場合がある。腐りやすい品物の所有者にとっては、それらの品物が保管される環境内の状態を追跡できることが重要である。また、腐りやすい品物の購入者にとっては、そのような購入品が適切な状態で保たれてきたのかを知ることも重要である。
【0004】
例えば、腐りやすい食品にとって冷蔵車両内で輸送されることは一般的である。食品は、倉庫から出荷されて冷蔵トレーラー内で輸送される場合がある。多くの場合、食品が移送の継続期間にわたって適切な温度に保たれるようにするための監視が行なわれない。多くの場合、ドライバーは、食品が適切な状態に保たれたことを確認する目的で移送の終わりに用紙に署名する。ドライバーがトレーラードアを開放したままにしたかどうか、または道程中のある時点で冷蔵ユニットが一時的に機能しなくなったかどうかを自主的に確かめることが不可能な場合がある。
【0005】
環境の状態を追跡することが重要である他の場所は、レストランや食料品店における冷凍庫内および冷蔵庫内である。レストランは、しばしば、温度調節を必要とするウォークイン冷凍ユニットおよび/または冷蔵ユニットを有する。食料品店は、販売用の食品を展示するための複数の冷凍ユニットおよび冷蔵ユニットを有する。食品が腐らないようにするためにこれらの冷凍ユニットまたは冷蔵ユニットの温度を特定のレベルに保つことは非常に重要である。冷凍ユニット内の温度は、頻繁に、ある場合には一日に複数回チェックされて記録される必要があるかもしれない。ある場合、人は、ユニット内の温度をチェックするために冷凍庫内または冷蔵庫内に物理的に入り、その後、測定された温度をログに入力する必要があるかもしれない。冷凍ユニット内に物理的に入ることは、それが冷凍庫からの熱の損失を引き起こすとともに、ドアが誤って開放されたままになり、それにより、食品を腐らせるリスクを増大させる場合があるため、望ましくない。レストランで冷凍ユニット内の温度を追跡することは難しい場合がある。これは、規制においては、レストランの冷蔵庫内または冷凍庫内に配置される任意の物品が特定の温度計を必要とする食品グレード材料から形成されなければならないことを要求することが一般的だからである。
【0006】
また、冷凍庫はしばしば霜取りサイクルを有し、このサイクル中にユニット内の温度が上昇する場合がある。霜取りサイクルの動作は、簡単な温度スイッチの使用を妨げる場合がある。温度スイッチは、冷凍庫内の温度が設定レベルを超えて上昇したときに警報状態を引き起こす。しかしながら、温度スイッチは、霜取りサイクル中に間違った警報を同定する。一方、霜取りサイクルを無視するようにプログラミングされるセンサが役に立たない場合もある。これは、霜取りサイクルが完了された後に冷凍ユニットが機能しなくなる可能性があり、その時点でユニットが復帰できないからである。
【0007】
低い温度を伴う環境内の状態を検出するための技術を扱う際に存在する他の問題点は、低温状態でしばしばバッテリが殆ど有効でないという点である。例えば、リチウムバッテリは−40℃未満まで動作し得るが、バッテリ容量は、その温度で半分以上減少される場合がある。携帯型温度センサが有効となるためには、長いバッテリ寿命を有することが重要である。一方、高出力バッテリは、重くて嵩張る場合があり望ましくない。また、携帯型センサにおける能動的な無線送信器は、従来の受動的なRFIDタグとは異なり、エネルギー源を必要とする。能動的な無線送信器を有する多くの携帯型センサは、センサが低温状態に晒される用途で使用されるときに非常に短いバッテリ寿命を有する場合がある。
【0008】
一部の携帯型センサシステムはスリープ機能を含み、このスリープ機能中にセンサが休止状態となる。例えば、Pope et al.(「Pope」)の米国特許第7,495,558号は、パッケージ製品の保管寿命を追跡するためにパッケージ製品に貼り付けられてもよいRFラベルについて記載する。いくつかの実施形態において、システムは、センサ測定値を収集するために鮮度監視構成要素をスリープ状態または他の低電力状態から定期的に復帰させる電力管理モジュールを有する。システムは、個々のパッケージ物品に接続されて、設定された間隔で鮮度を追跡する。
【0009】
Popeのシステムは、設定された時間間隔で鮮度を追跡する。しかしながら、製品鮮度は、製品を取り囲む環境の状態の変化中に、例えば製品が2つの別個の環境間で移動されるときに、または冷蔵庫が開放される場合に、大きく影響される場合がある。例えば、暑い日に製品が輸送トレーラーから降ろされて最終的にレストランの冷凍庫内に取り込まれる前に屋外に配置される場合、時限センサは、製品が屋外に置きっぱなしにされる短時間の間に読み取り値を取得しない場合がある。しかしながら、パッケージ製品は、暑い状態でかなり急速に腐る場合があり、これは、Popeのシステムによって検出されない場合がある。
【0010】
また、Popeシステムは、殺菌および食品安全性が懸案事項とならない、ワインまたは医薬品などの物品のための外側パッケージ上に配置されるように記載される。食品の配送および小売りは、一般に、薄利多売な活動である。このように、一般に高価である新たな技術は、費用関連に起因して食品産業へと容易に適合されない。したがって、食品産業における任意の解決策は、非常に費用効率が高くなければならない。製品のそれぞれのパッケージごとの個々のセンサは、非常に高価となり得るとともに、技術を非経済的にする場合がある。
【0011】
携帯型センサの分野における一般対象の他の特許および特許出願としては、米国特許第5,313,848号,第6,285,282号,第7,151,455号,第7,495,558号,第7,538,672号,第7,592,916号,第7,784,707号,第7,808,383号,第7,828,345号,第7,866,555号,第7,937,244号,第8,047,432号,第8,223,680号,第RE40,073号、および、米国特許出願公開第2003/0163287号,第2004/0100379号,第2007/0171076号,第2011/0029413号,第2012/0111044号,第2012/0252488号が挙げられる。
【0012】
したがって、持ち運びでき、長いバッテリ寿命を有するとともに、食料品と接触するのに適し、装置の動作中に重要な事象の効率的な追跡を可能にする検出装置の必要性が引き続き存在する。また、そのような装置は、費用効率が高く、多種多様な腐りやすい物品に関して有用でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7,495,558号
【特許文献2】米国特許第5,313,848号
【特許文献3】米国特許第6,285,282号
【特許文献4】米国特許第7,151,455号
【特許文献5】米国特許第7,538,672号
【特許文献6】米国特許第7,592,916号
【特許文献7】米国特許第7,784,707号
【特許文献8】米国特許第7,808,383号
【特許文献9】米国特許第7,828,345号
【特許文献10】米国特許第7,866,555号
【特許文献11】米国特許第7,937,244号
【特許文献12】米国特許第8,047,432号
【特許文献13】米国特許第8,223,680号
【特許文献14】米国特許第RE40,073号
【特許文献15】米国特許米国特許出願公開第2003/0163287号
【特許文献16】米国特許米国特許出願公開第2004/0100379号
【特許文献17】米国特許米国特許出願公開第2007/0171076号
【特許文献18】米国特許米国特許出願公開第2011/0029413号
【特許文献19】米国特許米国特許出願公開第2012/0111044号
【特許文献20】米国特許米国特許出願公開第2012/0252488号
【発明の概要】
【0014】
本発明は、例えば腐りやすい製品を収容する局所的な環境内の状態を監視する検出装置であって、該検出装置が動きに応答する、改良された検出装置を対象とする。好ましくは、検出装置は、再使用のために洗浄できるとともに、無線通信器を使用して通信できる。最も好ましくは、検出装置は、全てのパッケージに配置される必要がなく、費用効率が高くなるようにパレット内または他の大量の腐りやすい食品中に配置され得る。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、腐りやすい品物を収容する局所的な環境内の状態を監視するとともに、前記監視状態を無線で通信するための検出装置が提供される。検出装置は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる材料から構成されるシール体を有することが好ましい。低エネルギー無線通信器が前記シール体内に収容されてもよく、また、状態センサが前記シール体によって支持される。プロセッサが温度センサおよび無線通信器に対して動作可能に接続される。プロセッサも前記シール体内に収容されることが好ましい。エネルギー源がプロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続される。モーションセンサが前記シール体の動きを検出するためにプロセッサに動作可能に接続される。モーションセンサは前記プロセッサのためのスイッチとして作用する。装置は、腐りやすい食品と接触した状態で配置されることにより、前記腐りやすい食品に影響を及ぼす状態を監視して、その監視状態を前記無線通信器を用いて通信してもよい。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、検出装置を使用して腐りやすい食品の状態を監視する方法が提供される。検出装置は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために食品安全標準規格に合わせて洗浄できる材料から構成されるシール体を備える。低エネルギー無線通信器が前記シール体内に収容される。状態センサが前記シール体内に収容される。プロセッサが状態センサおよび無線通信器に対して動作可能に接続される。プロセッサは前記シール体内に収容される。エネルギー源がプロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続される。モーションセンサが前記シール体の動きを検出するためにプロセッサに動作可能に接続される。腐りやすい食品を収容する環境内に配置される検出装置が提供され、この場合、検出装置は、モーションセンサにより検出されるべき誘導動作によって作動される。状態センサは環境内の状態を検出する。検出装置は、検出された環境内の状態を記憶状態データの形態で記憶する。低エネルギー通信器は、記憶状態データを受信器へ送信する。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、腐りやすい食品の状態を監視するためのシステムが提供される。少なくとも1つの検出装置が存在する。少なくとも1つの検出装置は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる材料から構成されるシール体と、前記シール体内に収容される低エネルギー無線通信器と、前記シール体内に収容される状態センサと、状態センサと無線通信器とに対して動作可能に接続されるプロセッサ、およびプロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続されるエネルギー源と、前記プロセッサのためのスイッチとして作用するべく、前記シール体の動きを検出するためにプロセッサに対して動作可能に接続されるモーションセンサとを有する。プロセッサは前記シール体内に収容される。無線通信器を有する手持ち式携帯機器が、検出装置の低エネルギー無線通信器と通信する。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、腐りやすい品物を収容する局所的な環境内の状態を監視するとともに、前記監視状態を無線で通信するための検出装置が提供される。検出装置は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる材料から構成されるシール体を備える。シール体は、楔状端部と、前記シール体内に収容される低エネルギー無線通信器と、前記シール体により支持されるとともにシール体の楔状端部内に位置される状態センサとを有する。プロセッサが状態センサおよび無線通信器に対して動作可能に接続される。プロセッサは前記シール体内に収容される。エネルギー源がプロセッサに対して電力を供給するべく動作可能に接続される。検出装置の楔状端部は、腐りやすい食品を収容する環境内に配置されることにより、前記腐りやすい食品に影響を及ぼす状態を監視して、その監視状態を前記無線通信器を用いて通信してもよい。
【0019】
ここで、以下の図面を単なる一例として参照して、本発明の好ましい実施形態について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、検出装置の一実施形態の平面図である。
図2図2は、検出装置および腐りやすい食品を収容するディスプレイケースの正面図である。
図3図3は、腐りやすい食品の状態を監視する方法のフロー図である。
図4図4は、状態ライトを有する2つの検出装置の一実施形態および携帯装置の平面図である。
図5図5は、検出装置の監視を開始する方法を説明するフロー図である。
図6図6は、検出装置の監視を終了する方法を説明するフロー図である。
図7図7は、輸送中に検出装置を動作させる方法を説明するフロー図である。
図8図8は、検出装置とゲートウェイまたはアクセスポイントとの間で通信する方法を説明するフロー図である。
図9図9は、検出装置に放送信号を引き起こさせる事象を説明するフロー図である。
図10図10は、検出装置の他の実施形態の斜視図である。
図11図11は、箱の中に挿入された図10の検出装置の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態を参照して、本発明を更に詳しく説明する。以下、好ましい実施形態を含めて本発明を説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本明細書中の教示内容にアクセスできる当業者は、本明細書中に開示されて特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内に入る更なる実施、修正、および、実施形態を認識できる。明確にするために、全ての図において全ての構成要素に符号が付されるとは限らず、また、当業者が本発明を理解できるようにするために図示される本発明の各実施形態の全ての構成要素が必要であるとも限らない。
【0022】
図1はシール体22内に収容された検出装置20を示す。シール体22は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できる材料を用いて形成される。例えば、シール体22は、容易に成形されるとともに洗浄できるパッケージへと形成され得るプラスチックまたはステンレス鋼などの材料から形成されてもよい。最も好ましいシール体材料は、NSFインターナショナル(以前は国際衛生機関(National Sanitization Organization))により食品器具に関して認可されるタイプのものである。好ましくは、シール体22は、食品グレード材料から構成されるとともに、食品グレード標準規格に合わせて容易に殺菌されるように構成される。シール体22は、防水であることが好ましく、また、それを容易に洗浄できるようにするために外部ボタンを有さない。シール体22のシール性もシール体の不正開封が防止されるようにする。
【0023】
低エネルギー無線通信器26が前記シール体内に収容される。好ましくは、低エネルギー無線通信器28は、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)プロトコル無線モジュールである。状態センサ28が前記シール体22によって支持される。プロセッサ30が状態センサ28および無線通信器26に対して動作可能に接続される。プロセッサ30もシール体22内に収容される。エネルギー源32がプロセッサに対して電力を供給するために動作可能に接続されて示される。この実施形態において、エネルギー源32は、食品保存で使用される典型的な温度範囲で電力を供給する一種のバッテリである。シール体22内でリチウム系のバッテリを用いると良好な結果が得られた。例えば、リチウムバッテリが3.3Vリチウムバッテリであってもよい。好ましくは、バッテリは、以下に記載される使用状態下で少なくとも1年以上にわたって電力を供給してもよい。ある場合には、バッテリは、例えばシール体を開放せずに済む、または外部接点さえも何ら必要としない誘導充電器などを用いて、再充電可能にされてもよい。シール体22が再使用のために依然として洗浄可能なままである限り、他のエネルギー源も想定し得る。モーションセンサ34がプロセッサに対して動作可能に接続される。好ましくは、モーションセンサ34は、3軸加速度計などのMEMS装置であるが、シール体22の動きを検出できる任意の他の加速度計、ジャイロスコープ、または、コンパスなどの任意の他の装置を本発明が含んでもよいと考えられる。
【0024】
状態センサ28によって得られる監視状態を記憶するために、メモリ38が状態センサ28に対して動作可能に接続されることが好ましい。メモリ38はシール体22内に収容される。メモリは固体メモリであってもよい。
検出装置20は、腐りやすい製品を収容する環境内の様々な異なる位置に配置されてもよい。例えば、検出装置20は、例えば農産物や果物等の食料品の箱と共にゆるやかに配置されることにより、自立態様で環境内に配置されてもよい。検出装置20は、腐りやすい物品が監視されている環境内の製品箱、パレット、または、構造体などの物品に対して検出装置を接続するために、例えばボール紙、ペーパークリップ、面ファスナ付着物(Velcro(登録商標))、磁気クリップ、または、粘着性パッド等を使用して製品に取り付けられてもよい。図10および図11に関連して以下で更に詳しく論じられるように、段ボール箱などの容器内へ検出装置20を部分的に挿入することもできる。また、監視されるべき腐りやすい品物を収容するパレットまたはドアに対して検出装置を固定することもできる。本発明の一態様は、1つの検出装置を使用して多くの個々の製品の周囲の局所的な状態を追跡できることであり、それにより、薄利多売の食品産業において本発明を費用効率高くならしめることができる。
【0025】
図9において更に詳しく説明されるように、モーションセンサ34は、前記プロセッサのためのスイッチとして作用してもよい。例えば、検出装置は、モーションセンサ34によって検出される動きにより作動されてもよい。検出装置20は、腐りやすい食品と接触した状態で配置されることにより、前記腐りやすい食品に影響を及ぼす状態を監視して、その監視状態を無線通信器26を用いて通信してもよい。状態センサ28が温度センサである場合、検出装置20は、モーションセンサ34によって検出されているシール体22の特定のタイプの動きに応じて環境内の温度を温度センサ28に検出させてもよい。状態センサ28は、本発明にしたがって温度以外の様々な状態を追跡してもよい。例えば、状態センサ28は、トレーラーによって移動される距離を追跡してもよく、ドアに取り付けられる場合には、トレーラー、クーラー、または、冷凍庫におけるドア開閉履歴、および、湿度や露光などを追跡するのに望ましい場合がある他の状態を追跡することができる。したがって、本発明は、食品などの腐りやすい物品が晒される経時的な状態に関連し得る多様な状態を検出することを包含する。当初、本発明は、検出されるべき1つ、または2つのそのような局所的状態のみを包含するが、本発明はこの点において限定されず、また、より多くの状態を同時に検出することができる。ただし、十分なバッテリ電力が存在し、そのような更なる状態を検出することが費用的に効率が良い場合に限る。
【0026】
状態センサ28は、トレーラーの内側の周囲空気、製品パッケージの内側、パレットを取り囲む空気、あるいは、ディスプレイケース、冷凍庫、または、クーラーの内側の空気などのセンサを取り囲む環境の状態を検出する。また、状態センサは、検出ネットワークの一部であってもよい。検出装置は、検出装置とネットワーク内の他の検出装置との間の最新の既知の通信に基づいて、タープ、台車、フォークリフト、ラック、および、他の物品などの様々な物の近接性を決定するために使用することもできる。例えば、検出装置がトレーラーに配置されるとともに、他の検出装置またはゲートウェイまたはアクセスポイントがトレーラーを牽引する輸送車両上にある場合には、2つの装置が最後に通信した時間を決定することができ、この時間は、トレーラーと車両とが分離された場所を決定するために使用され得る。
【0027】
図2では、検出装置20が温度検出装置として機能し、また、状態センサ28(図1)が温度センサである。温度検出装置20は、腐りやすい食品36を収容する環境内、例えば食料品店ディスプレイケース56内に配置される。検出装置をディスプレイケース56内に配置することにより、クーラー温度を毎日複数回にわたって手作業でチェックする必要性が排除される。検出装置20は、監視される必要があるものおよび場所に応じて様々な場所に配置され得る。例えば、検出装置は、温度感受性の在庫品を連続的に監視するために、ウォークイン冷凍庫または冷蔵庫または予備クーラーの内側に取り付けられてもよい。倉庫内の全ての温度区域のリアルタイム監視を行なうために、倉庫の全体にわたっていくつかの検出装置20が配置されてもよい。また、検出装置20は、格納庫から集結棚および輸送に至るまで正確な温度データ履歴を与えるために製品パッケージまたはパレットの内側に配置されてもよい。検出装置20は、車両積荷領域内またはトレーラー内に配置されてもよい。検出装置20は、食品または他の腐りやすい物品を収容する環境内の温度を監視する、または検出することが望ましい任意の他の場所で使用されてもよい。
【0028】
本発明による無線通信器26および状態センサ28のそれぞれを動作させるために検出装置20内に複数のプロセッサを有する必要はない。BLE無線プロセッサは、状態記録のための統合コードおよび省電力コード、並びに、低エネルギー無線通信器26を作動させるためのコードを有してもよい。BLEモジュールのプロセッサへと処理を統合させることは、電力消費量およびコストを減少させる。このようにして、メモリ38およびプロセッサ30がBLEプロトコル無線モジュールの内部プロセッサに組み込まれてもよい。好ましい実施形態では、プロセッサが8マイクロアンペア未満で動作できてもよい。
【0029】
図3に示されるように、検出装置20を使用して腐りやすい食品の状態を監視する方法が記載される。検出装置は、腐りやすい食品を収容する環境内、例えばディスプレイケース56(図2)内または他の環境内に配置される(42)。検出装置は、モーションセンサによって検出されるべき誘導動作によって作動される(44)。例えば、図5において論じられるように、検出装置20は、ダブルタップされることによって作動されてもよい。この方法の動作にとって、検出装置20が環境内で配置される、または作動される順序は重要ではない。検出装置20は、環境内に配置される前に作動され得る、あるいは、環境内に配置された後に作動されてもよい。環境内の状態は、状態センサ28を使用して検出される(46)。検出された環境内の状態は、記憶状態データの形態で検出装置に記憶される(48)。記憶状態データは、低エネルギー無線通信器を使用して受信器へ送信される(50)。受信器への記憶状態データの送信は、記憶状態データをサーバあるいはゲートウェイまたはアクセスポイントへアップロードすることを含んでもよい。
【0030】
プロセッサは、動きが加速度計によって検出された後に、またはプロセッサにより決定される設定時間間隔で環境内の状態を検出するべく状態センサを起動させてもよい。プロセッサは、動きが検出されるとき、および設定間隔の両方で環境内の状態を検出するべく状態センサを起動させてもよい。当業者であれば分かるように、プロセッサはプログラム可能であり、また、異なる時間系列またはトリガー事象が、異なる最終用途に適する場合がある。しかしながら、本発明は全てのそのような用途を包含する。
【0031】
検出装置は、温度情報をリアルタイムで更新するように構成されてもよい。その場合には、環境内の状態を検出するステップ46、検出された状態を記憶するステップ48、および、記憶状態データを送信するステップ50の全てがリアルタイムで行なわれる。状態データの記憶は、データを送るべく十分長く格納されるだけでよく、非常に即座にメモリに記憶されなくてもよい。リアルタイムの状態データは、検出装置20から、無線通信器26を介して、警報を引き起こす、または警報を引き起こす別個の処理場所に接続する無線装置へ送ることができる。システムは、ユーザが警報状態およびその状態の程度に気付くようにするために、電子メール、テキスト、または、ツイッタ(登録商標)などの様々な方法によって警報をユーザに出してもよい。
【0032】
検出装置20は、記憶データを受信器、ゲートウェイ、または、アクセスポイントへ送信する前に様々なデータポイントを収集するように構成されてもよい。例えば、検出装置20がトラックトレーラーに配置される場合、検出装置20は、それがその最終目的地に到着するまで受信器と通信状態になくてもよい。検出装置20で検出された状態を移送継続期間にわたって記憶することは、特にそのような移送中にセンサが任意の受信器と通信しない場合に重要である。状態情報が送信間で記憶される状況では、記憶状態データを送信するステップ50の発生前に、環境内の状態を検出するステップ46と検出された状態を記憶するステップ48とが複数回繰り返されてもよい。
【0033】
図9において更に詳しく説明されるように、プロセッサ30は、状態センサ28により検出された状態の発生またはモーション検出器34により検出された動きの発生のいずれかに応じてデータを受信器、ゲートウェイ、または、アクセスポイントへ送信するように構成されてもよい。プロセッサ30は、閾値状態を複数の事象の発生に関連付けるコンフィギュレーション記録を記憶してもよい。プロセッサは、状態センサを使用した環境内の状態およびモーションセンサにより検出される動きの一方または両方を監視してもよい。事象の発生は、環境内の状態およびモーションセンサにより検出される動きのうちの一方が複数の事象の中の1つの事象に関連があるときに記録される。
【0034】
図4に示されるように、検出装置20は、状態表示インタフェースをシール体22に有する。状態表示インタフェースが2つの状態ライト40として示される。状態表示インタフェース40は、プロセッサ30に接続されて、検出装置20の現在の状態を示す。状態表示インタフェースがバッテリ32の不釣り合いな消費のもとでない限り、スクリーンなどの他の状態表示インタフェースが使用されてもよい。図4に示されるように、検出装置がポケットサイズであってもよい。検出装置20は、バーコード54などの固有のラベルをその上に有する。本発明の範囲から逸脱することなくマトリックスバーコードまたは識別チップなどの他の固有のラベルを使用することができる。
【0035】
検出装置の低エネルギー無線通信器26と通信することができ、それにより、腐りやすい食品の状態を監視するためのシステムを形成する、無線通信器を有する手持ち式携帯機器52が示される。携帯機器52および無線通信器26はいずれもブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)プロトコルを介して通信してもよい。複数の検出装置26は、互いに通信するように構成されてもよい。例えば、検出装置20は、ウォークイン冷凍庫のドアまたは車両貨物ドアに取り付けられてもよく、フリーザ内または貨物ドア内の、例えば製品パッケージ上またはパレット上の第2の検出装置に通信してもよい。
【0036】
図5および図6は、検出装置20(図1)が商店環境内の腐りやすい物品を監視するときの監視のための期間を特定する一実施形態を開示する。本実施形態では、ユーザが商店従業員と見なされ、また、状態が決定される環境がストア内のクーラーと見なされる。監視されるべき場所および監視されるべき状態に応じて検出装置を作動させる、および作動停止させる方法が変えられてもよいことが分かる。例えば、監視されるべき場所がトラックトレーラーである場合、監視のための期間は、トラックトレーラーのドアの開閉に応じて初期化されてもよい。
【0037】
図5は、検出装置20(図1)を初期化する方法の一実施形態を表わす。従業員が検出装置を拾い上げる(100)。従業員は、検出装置を起動させる(104)ために、検出装置をダブルタップする(102)。検出装置は、この実施形態では、従業員がシール体22(図1)をダブルタップするときに引き起こされる動きを検出するように構成される。検出装置の起動に応じて状態表示インタフェースが作動される(106)。状態表示インタフェースは2つの状態ライト40の形態を成す(図4)。検出装置が起動した後に両方のライトが点灯する場合には、検出装置が監視状態にあり、従業員は、必要に応じて監視を終了させてもよい(108)。商店監視を終了させる1つの方法が図6に記載される。検出装置が起動した後にライトが点灯しない場合には、従業員がバッテリをチェックしてもよい(110)。一方のライトがONである場合、装置は、作動せず、監視状態にない。監視状態を引き起こすために、商店モニタは、検出装置で初期化動作を誘導することによって検出装置を作動させることができる。例えば、従業員は、112で、検出装置を180度回転させた後、検出装置を反対方向に180度回転させてもよい。検出装置は、その動きに応じて作動するように構成される。この特定の作動要件は、検出装置が監視を引き起こすパラメータ内にない態様で落下され、または移動される場合に誤って作動されないようにする。検出装置は、監視を引き起こすために様々な他のタイプの動きように応答するように構成されてもよい。従業員が検出装置を再びダブルタップ(114)して、検出装置が監視を始める(116)。状態表示インタフェースは、例えば両方の状態ライトを数秒間にわたって表示する(118)ことによって検出装置が動作中であることを示す。検出装置は、このとき動作中であり、それが監視を始めることができるクーラーなどの環境内に配置されてもよい(120)。ここで、作動の方法は、装置自体におけるボタンまたは同様のものの必要性を排除し、それにより、費用を節減するとともに、装置を洗浄して清浄な殺菌状態に維持することを更に容易にするのが分かる。
【0038】
図6は、検出装置20(図1)を用いて監視するための期間を終了させる方法の一実施形態を記載する。従業員は、検出装置をクーラーから除去して(122)、検出装置をダブルタップする(124)。検出装置は、起動する(126)とともに、状態を状態ライトに表示する(128)。ライトが存在しない場合には、バッテリがチェックされる(130)。1つのライトが点灯する場合、検出装置は監視しておらず(132)、また、検出装置は、図5に示される方法に従うことによって監視するように設定され得る。両方のライトがONである場合、検出装置は、動作中であって監視しており、従業員は、検出装置を一方向に180度回転させた後(134)、反対方向に180度回転させ、監視のための期間の終わりに区切りをつける(136)。検出装置は、1つの状態ライトを数秒間にわたって表示し(138)、また、商店モニタは、検出装置を格納場所へ格納し、もしくは戻してもよく、または、検出装置を別個の場所へ移動させてもよい(140)。
【0039】
図7は、車両によって輸送されている腐りやすいものを監視する方法を記載する。ドライバーは、一般に、事務処理を行なう(200)ことによって出発し、運転を始める(202)。ドライバーは、所定の場所で停止して(204)、何らかの製品を積み込む、または降ろす(206)。このとき、ドライバーは、検出装置をダブルタップすることにより検出装置を作動させる(208)。情報を受けるためにサーバを利用できる場合、状態表示インタフェースは、例えば表示ライトを点滅させることによって接続の存在を知らせる(210)。ドライバーは、手持ち式機器52(図4)を使用して検出装置のバーコード54(図4)を走査する(212)。検出装置は、ゲートウェイまたはアクセスポイントとして作用してもよい手持ち式機器へデータを転送する(216)。ドライバーはデータ例外(220)を精査し(218)、例外が存在する場合、ドライバーは、会社の方針にしたがってそれらの例外を処理する(222)。ドライバーは、手持ち式機器を使用して、監視終了コマンドを検出装置へ送る(226)ことによって監視期間を終わらせる(224)。手持ち式機器228は、検出装置から収集されたデータを、記録が記憶されるサーバまたは他の場所などの別個の場所へ転送し、該場所には、例えば図8に示されるようにコンフィギュレーション記録が記憶されてもよい。データが別個の場所へ転送された後、検出装置は、230において移送終了を認識し、また、ドライバーは、移送および事象の後に検出装置を回収してそれを倉庫に戻し(232)、検出装置は検出および記録を続ける。ステップ204〜230は、それぞれの停止地の配達において検出装置ごとに繰り返される。
【0040】
この意味で、移送中に状態を監視することは、出荷場所と受け取り場所またはより大きな移送の区分との間の期間などの対象期間中にデータを収集し、記録し、または、送信することを意味する。主な態様は、検出装置が動作していてデータを記録している期間に対象期間が相当するとともに、データが開始事象と終了事象とによって特定されることである。
【0041】
図8は、検出装置20(図1)、ゲートウェイ、または、アクセスポイント、例えば手持ち式機器52(図4)と別個の処理位置との間の通信方法を示すフローチャートである。別個の処理位置は、物理的なプロセッサ、またはクラウドとして知られるコンピュータのネットワークで作動する仮想的なプロセッサであってもよい。いくつかの実施形態において、ゲートウェイまたはアクセスポイントは、インターネットを介して接続されるサーバと通信してもよい。例えば、別個の処理位置は、インターネットを介してアクセスできるサーバであってもよく、あるいは、ゲートウェアイまたはアクセスポイントの一部であってもよい。別個の処理位置の物理的な属性は、別個の処理位置がコンフィギュレーション記録および1つ以上の検出装置により受けられる記憶状態データの記憶を可能にする限りでは重要ではない。別個の処理位置は、サービスとしてのソフトウェアとして示されてもよい。これは、そのようなソフトウェアにより、検出装置のユーザがセンサにより検出される状態に関する情報を追跡できるとともに、ユーザが検出装置の構成を変えることができるからである。ゲートウェイまたはアクセスポイントは手持ち式機器と見なされるが、他の機器を、それらの機器が検出装置と別個の処理位置との間で通信できる限りにおいて使用することができる。ある場合には、ゲートウェイまたはアクセスポイントは、記録を受けてコンフィギュレーション記録を更新するためのソフトウェアを含むことによって別個の処理位置の機能性を含んでもよい。言い換えると、ゲートウェイまたはアクセスポイントが処理位置であってもよい。
【0042】
別個の処理位置は、ロバスト性が高い報告をオンラインで利用できるようにする。オンライン報告は、所有者が輸送中に在庫と在庫の状態とを追跡できるとともに在庫が倉庫内にあるときに該在庫を追跡できるように利用可能にされてもよい。システム故障を追跡するために、および、腐りやすい製品に関して頻繁に注意を怠るドライバーなど、問題を特定するために、あるいは、欠陥のある冷却システムを特定するために、様々な報告を使用できる。また、温度情報の記憶も、記録を食品安全規則に準拠する状態に維持できるようにする。別個の処理位置に記憶されるデータは、任意の通信装置を介して、例えばインターネットを介して、または手持ち式機器を介してユーザによりアクセスされ得る。
【0043】
図8に示されるように、検出装置が監視を始める(300)。検出装置は、有効範囲内で任意のゲートウェイまたはアクセスポイントに対して放送し(302)、また、ゲートウェイまたはアクセスポイントは検出装置を走査する(304)。検出装置からゲートウェイまたはアクセスポイントへ向けて(306)、およびゲートウェイまたはアクセスポイントから検出装置へ向けて(308)双方向接続が確立される。検出装置における記憶状態データは、検出装置から転送されて(310)ゲートウェイまたはアクセスポイントによって受けられる(312)。この場合、記憶状態データは、即座に、またはしばらく経って別個の処理位置へ転送される。別個の処理位置が記憶状態データを受ける(314)。別個の処理位置は、新たなコンフィギュレーション記録をチェックする(316)。コンフィギュレーション記録は、例えば、検出装置の初期化中に、または検出装置が異なる操作のために変更されているときに変えられてもよい。例えば、検出装置が腐りやすい製品を伴うパレット上で使用されていた場合であって、検出装置がディスプレイクーラー内で使用される商店位置に達した場合、検出装置は、新たな環境に適合するために新たなコンフィギュレーション設定を必要とする場合がある。同様に、監視されるべき腐りやすい製品が異なる場合には、異なる状態検出設定が必要とされる場合がある。任意の新たなコンフィギュレーション記録がゲートウェイまたはアクセスポイントを介して検出装置へ転送され(322)、また、コンフィギュレーション記録は検出装置によって受信される(326)。ゲートウェイまたはアクセスポイントと検出装置とが互いに接続を断ち(324,328)、検出装置が監視を始める(330)。検出装置は、例えば図9に表わされる方法にしたがって監視を始める(332)。
【0044】
図9は、検出装置20(図1)を使用する監視の方法の一実施形態である。検出装置は、環境内の温度を監視する(400)。コンフィギュレーション記録の範囲内に含まれる(404)変化である温度または時間の変化が起こる(402)場合には、事象が引き起こされて(406)、事象が記憶される(408)。事象を記憶することは、温度または時間を含む環境内の1つ以上の状態を記憶することを含んでもよい。その後、検出装置は放送モード状態となるように設定される(410)。このことは、ゲートウェイまたはアクセスポイントが有効範囲に入ってくる場合に検出装置がゲートウェイまたはアクセスポイントに接続することを意味する。検出装置における放送モードは、検出装置とゲートウェイまたはアクセスポイントとの間の通信が終了した後、検出装置がゲートウェイまたはアクセスポイントによってOFFに切り換えられるまで、作動したままである。
【0045】
検出装置におけるモーションセンサが監視される(412)。コンフィギュレーション記録の範囲内に含まれる(416)変化である動きがモーションセンサによって検出される(414)場合には、事象が引き起こされて(418)、事象に関連する状態が記憶される(420)。その後、検出装置は、放送モード状態となるように設定される(422)。モーションセンサは、ジャイロスコープ、コンパス、または、加速度計であってもよく、それにより、検出装置の正常な動作における障害を検出する。
【0046】
検出装置がゲートウェイまたはアクセスポイントを検出すると、例えば、ブルートゥース対応の手持ち式機器が有効範囲内にあって(424)、放送が真(true)に設定される(426)と、手持ち式機器によって接続が要求されれば(428)、例えば図8に関連して説明された接続プロセス(430)が開始される。
【0047】
モーションセンサによって検出される事象は、いくつかのトリガーのうちのいずれか1つの存在によって引き起こされてもよい。例えば、検出装置は、人が装置を時計回りに180度回転させた後に反時計回りに180度回転させることに応答してもよい。事象を引き起こすために他のタイプの動きを使用することができる。ユーザによってもたらされる正確な動きは、その動きをうっかり引き起こすことが難しく且つユーザがその動きを容易に生じさせることができる限りにおいて、重要ではない。ユーザにより引き起こされる動きは、移送の始まり、または終了を示唆し得る。移送が始まった後、検出装置により記録される任意の事象は、ゲートウェイまたはアクセスポイントが有効範囲内にあるときにゲートウェイまたはアクセスポイントへ送信される。事象が通信された後、検出装置は、節電のために動作停止状態になってもよい。
【0048】
検出装置が冷凍庫ドアにある場合、冷凍庫ドアの開放は、現在の温度が記録されるようにしてもよい。また、冷凍庫ドアの開放は、ドアが完全に閉じていないことに起因して温度が増大することがないようにするために、ドアが開放された後のより頻繁な読み取りを検出装置にさせてもよい。
【0049】
検出装置がロールドアに配置される場合、90度回転の方向変化の検出は、ドア開放事象を引き起こしてもよい。−90度の方向変化の検出は、ドア閉塞事象を引き起こす。同様に、検出装置がヒンジドアに配置される場合には、一方向の加速がドア開放事象をもたらしてもよく、一方、反対方向の加速がドア閉塞事象をもたらしてもよい。ドア開放事象は、検出装置の通信システムをそれが荷下ろし場所でゲートウェイまたはアクセスポイントと通信できるように動作状態にするべく起動させてもよく、また、ドア閉塞事象は、検出装置の通信システムを動作停止状態にさせるように作用し得る。
【0050】
検出装置がパレットに配置される場合、重力に逆らう加速に続く所定期間の振動後の所定期間の加速停止の検出は、事象の開始を引き起こすことができる。同様に、下向きの加速に続く所定期間の振動後の所定期間の加速停止の検出は、事象の終了を引き起こしてもよい。
【0051】
検出装置は、トレーラーまたはクーラーに対する不法侵入などの事象を追跡するために使用されてもよい。
【0052】
これにより、検出装置20(図1)は、例外が生じた正確な時間および例外の程度を含む製品温度の全履歴を形成してもよい。これにより、腐りやすい品物の所有者は、システムのコールドチェーンの不正改ざん防止監査が保たれるように、貨物容器、ドック、トレーラー、ウォークイン冷凍庫あるいは冷蔵庫、ディスプレイケース、食肉ディスプレイ、調製食料品ケース、乳製品ケース、または、他の任意の場所などの環境内で品物が適切な状態に維持されるようにすることができる。
【0053】
検出装置は、腐りやすい品物を取り囲む環境を追跡するために様々な場所に配置され得る。検出装置は、それが荷積みから荷下ろしにわたって温度および例外を連続的に監視できる製品箱またはパレットの内側に配置されてもよい。
【0054】
移送の終わりに、ドライバーまたは受信者は、また、荷造り以後に生じた任意の例外に関する状態データを見直すことができ、このデータは、報告および解析のために自動的にダウンロードされてもよい。その後、検出装置が他の移送のために再使用されてもよい。検出装置は、該検出装置がどのように再使用されるべきかに応じて、再使用前に洗浄され得る。
【0055】
システムの使用は、温度の手動記録の必要性を除去するとともに、温度例外を捕えることができるようにする。温度センサは、食品安全規則の順守も確保する。
【0056】
図8および図9に記載されるように、検出装置20は、ゲートウェイまたはアクセスポイントに接続されてもよい。ゲートウェイまたはアクセスポイントは、例えば、携帯電話またはユーザ固有の機器などの手持ち式機器52(図4)であってもよい。ユーザ固有の機器は、ディスプレイスクリーンを含むタッチに応答する単純なキーチェーンサイズの機器であってもよい。ユーザ固有の機器を検出装置に抗して軽く叩くことにより、ユーザ固有の機器は、状態データを検出装置に表示することができる。ユーザ固有の機器は、検出装置20(図1)と同様の態様でタッチ作動されてもよい。ゲートウェイまたはアクセスポイントは、任意のブルートゥース(登録商標)低エネルギー対応携帯電話であってもよい。携帯電話が1つ以上の検出装置と通信できるようにするために、Appなどのソフトウェアが携帯電話にインストールされてもよい。
【0057】
図10および図11は、図1の検出装置20の特定の形態を表わす検出装置520を示す。したがって、検出装置520は、食品と接触するのに適するとともに再使用のために洗浄できるシール体522を用いて形成されてもよい。図1に示されるような低エネルギー無線通信器26が前記シール体522内に収容される。
【0058】
好ましくは、検出装置520は、温度センサの形態を成す状態センサ528を収容する。温度センサ528は、検出装置520の楔状端部524内でシール体522中に封入される。検出装置520上には、楔状端部524とは反対側の端部に、ブロック端部526が位置される。
【0059】
図1に示されるようなプロセッサ30が、状態センサ528と図1に示されるような無線通信器26とに対して動作可能に接続される。図1に示されるようなエネルギー源32がプロセッサ30(図1)に対して電力を供給するべく動作可能に接続される。検出装置520は、状態センサ528によって得られる監視状態を記憶するために、状態センサ528に対して動作可能に接続される図1に示されるようなメモリ38を含むことが好ましい。
【0060】
図11に示されるように、検出装置520の楔状端部524は、段ボール箱530の上端フラップ534と内側フラップ536との間に挿入されてもよい。そうしなければ、包装および内容物を乱してしまう。例えば、検出装置520は、梱包テープ532を除去することなく、またはフラップを開放することなく箱530内へ挿入されてもよい。温度センサ528を収容する楔状端部524は、検出装置520が箱530内に挿入されるときに箱530の中心に最も近い検出装置520の部分に位置される。検出装置520のブロック端部526は、作業者によって装置が箱530内へ完全に挿入されることを防止するべく機能する。
【0061】
温度を検出するための検出装置520の使用は、箱内容物の温度のより正確な読み取りを可能にする。上端フラップ534は、箱530付近の外気変動により引き起こされる誤った測定を減らすために、楔状端部524が箱530内に挿入されるときに絶縁層としての役目を果たす。検出装置520をパッケージ内へ直接に配置することにより、箱を開放する必要なく、箱内容物の温度をより正確に測定することができる。検出装置520は、容易に挿入され、たやすく見ることができ、読み取り値が取得された後に迅速に除去できる。
【0062】
パッケージが荷送人によって所有されない状況、または、外装の乱れ、または破壊が禁止される、またはさもなければ回避されることが望ましい状況において、荷送人または他の当事者は、箱を開放する必要なく、またはシールを破壊する必要なく箱530の内容物を監視することができる。
【0063】
本発明の様々な好ましい実施形態について言及してきたが、他の変形、実施、改変、修正、および、実施形態が添付の特許請求項の広い範囲によって包含される。この明細書中でこれらの一部について論じられてきたが、他の部分は当業者に明らかである。本明細書中の教示内容にアクセスできる当業者は、その全てが本発明の範囲内に入るこれらの更なる変形、実施、改変、修正、および、実施形態を認識することができ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11