(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6279797
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】名刺情報管理サーバ、名刺情報管理システム、名刺情報管理方法、および、名刺情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20180205BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-154851(P2017-154851)
(22)【出願日】2017年8月10日
【審査請求日】2017年8月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510007528
【氏名又は名称】パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(74)【代理人】
【識別番号】100187089
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】笹川 智永
【審査官】
山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−182117(JP,A)
【文献】
特開2004−86620(JP,A)
【文献】
特開2014−153939(JP,A)
【文献】
特表2003−531432(JP,A)
【文献】
特開2001−306766(JP,A)
【文献】
特開平11−66082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバであって、
前記グループ内の第1の企業に所属する第1のユーザが所有者から取得した名刺に基づいて、該名刺の所有者に関する名刺情報と該名刺の取得日とを入力する入力手段と、
前記第1のユーザおよび前記名刺の取得日と関連付けて、前記名刺情報を記憶する記憶手段と、
前記グループ内の第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って、前記記憶手段に記憶されている前記名刺情報を検索する処理手段と、
前記処理手段による制御に基づいて、前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を、前記第2のユーザの操作端末の表示手段に表示するための信号を出力する出力手段と、を有し、
前記処理手段は、
前記名刺の取得日と前記第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示するように前記出力手段を制御し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示しないように前記出力手段を制御する、
ことを特徴とする名刺情報管理サーバ。
【請求項2】
前記処理手段は、前記第1の企業に所属するユーザが前記名刺情報を参照する際、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記名刺情報が前記グループ内の前記複数の企業のユーザの間で共同利用可能な名刺情報であることを示す情報を、前記ユーザの操作端末の表示手段に表示するように前記出力手段を制御し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記名刺情報が前記第1の企業のユーザにのみ利用可能な名刺情報であることを示す情報を、前記ユーザの操作端末の前記表示手段に表示するように前記出力手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の名刺情報管理サーバ。
【請求項3】
前記処理手段は、
前記グループ内の企業ごとに前記共同利用宣言日を設定することが可能であり、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後であって、かつ前記グループ内の第3の企業に関する共同利用宣言日よりも前である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を該第2のユーザの操作端末の前記表示手段に表示するように前記出力手段を制御し、前記第3の企業に所属する第3のユーザによる検索操作に従って検索された前記名刺情報を該第3のユーザの操作端末の表示手段に表示しないように前記出力手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の名刺情報管理サーバ。
【請求項4】
前記処理手段は、前記名刺の取得日と前記共同利用宣言日とを比較して、名刺の検索、名刺の名寄せ、同一名刺取得通知、及び、同一名刺変更通知のそれぞれを実行するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の名刺情報管理サーバ。
【請求項5】
前記処理手段は、前記第1のユーザにより前記名刺に書き込まれた前記名刺の取得日に関する情報をOCR認識技術で読み込むことにより、前記名刺の取得日を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の名刺情報管理サーバ。
【請求項6】
グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバと、
インターネットを介して前記名刺情報管理サーバにアクセス可能な操作端末と、を有する名刺情報管理システムであって、
前記名刺情報管理サーバは、
前記グループ内の第1の企業に所属する第1のユーザが所有者から取得した名刺に基づいて、該名刺の所有者に関する名刺情報と該名刺の取得日とを入力する入力手段と、
前記第1のユーザおよび前記名刺の取得日と関連付けて、前記名刺情報を記憶する記憶手段と、
前記グループ内の第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って、前記記憶手段に記憶されている前記名刺情報を検索する処理手段と、
前記処理手段による制御に基づいて、前記検索操作に従って検索された前記名刺情報に関する信号を出力する出力手段と、を有し、
前記操作端末は、前記出力手段から出力された前記信号に基づいて前記名刺情報を表示する表示手段を有し、
前記処理手段は、
前記名刺の取得日と前記第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示しない、
ことを特徴とする名刺情報管理システム。
【請求項7】
グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理方法であって、
前記グループ内の第1の企業に所属する第1のユーザが所有者から取得した名刺に基づいて、入力手段により、該名刺の所有者に関する名刺情報と該名刺の取得日とを入力する入力ステップと、
前記第1のユーザおよび前記名刺の取得日と関連付けて、前記名刺情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記グループ内の第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って、処理手段により、前記記憶手段に記憶されている前記名刺情報を検索する検索ステップと、
前記処理手段による制御に基づいて、前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を表示手段に表示する表示ステップと、を有し、
前記検索ステップにおいて、前記処理手段は、前記名刺の取得日と前記第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較し、
前記表示ステップにおいて、前記処理手段による比較の結果、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記処理手段は、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記処理手段は、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示しない、
ことを特徴とする名刺情報管理方法。
【請求項8】
グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理プログラムであって、
前記グループ内の第1の企業に所属する第1のユーザが所有者から取得した名刺に基づいて、入力手段により、該名刺の所有者に関する名刺情報と該名刺の取得日とを入力する入力ステップと、
前記第1のユーザおよび前記名刺の取得日と関連付けて、前記名刺情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記グループ内の第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って、処理手段により、前記記憶手段に記憶されている前記名刺情報を検索する検索ステップと、
前記処理手段による制御に基づいて、前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を表示手段に表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記検索ステップにおいて、前記処理手段は、前記名刺の取得日と前記第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較し、
前記表示ステップにおいて、前記処理手段による比較の結果、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記処理手段は、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示し、
前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記処理手段は、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示しない、
ことを特徴とする名刺情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一つの企業に所属するユーザにおいて名刺情報を共有(共同利用)する名刺情報管理システムが知られている。特許文献1には、名刺に記載された名義人およびその情報が登録されたデータベースと、このデータベースへのアクセス手段と、このアクセス手段から登録人がもらった知人の名刺を登録する手段と、このアクセス手段から入力される検索操作にしたがって登録された情報を検索する手段とを備えた名刺情報検索装置において、前記データベースは複数の登録人により共有され、他の登録人が登録した情報を検索し閲覧することが可能に設定され名刺情報検索装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−66082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、一つの企業に所属するユーザのみにより名刺情報を共有するだけでなく、グループ企業、すなわちグループ内の複数の企業に所属するユーザにより名刺情報を共有することが要望されている。このようなグループ企業間で名刺情報を共有する場合、名刺情報に関するコンプライアンス上の問題が生じるおそれがある。すなわち、グループ内のある企業に所属するユーザが所有者から名刺を受け取った場合、その名刺情報をその企業に所属する他のユーザと共有することは問題ないが、その名刺情報をグループ内の他の企業に所属するユーザと共有することは、所定の条件を満たす場合を除き、コンプライアンスの観点で疑義が生じる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された名刺情報検索装置では、グループ企業間で名刺情報を共有する場合、このようなコンプライアンス上の問題を解決することは困難である。一方、グループ内の特定の企業ごとにそれぞれ複数のシステムを利用すると、名刺情報管理が煩雑になるとともにコストが高くなる。
【0006】
そこで本発明は、コンプライアンス上の問題を解決しつつ、簡易かつ低コストでグループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバ、名刺情報管理システム、名刺情報管理方法、および、名刺情報管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての名刺情報管理サーバは、グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバであって、前記グループ内の第1の企業に所属する第1のユーザが所有者から取得した名刺に基づいて、該名刺の所有者に関する名刺情報と該名刺の取得日とを入力する入力手段と、前記第1のユーザおよび前記名刺の取得日と関連付けて、前記名刺情報を記憶する記憶手段と、前記グループ内の第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って、前記記憶手段に記憶されている前記名刺情報を検索する処理手段と、前記処理手段による制御に基づいて、前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を、前記第2のユーザの操作端末の表示手段に表示するための信号を出力する出力手段とを有し、前記処理手段は、前記名刺の取得日と前記第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較し、前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示するように前記出力手段を制御し、前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示しないように前記出力手段を制御する。
【0008】
本発明の他の側面としての名刺情報管理システムは、前記名刺情報管理サーバと、インターネットを介して前記名刺情報管理サーバにアクセス可能な操作端末とを有する。
【0009】
本発明の他の側面としての名刺情報管理方法は、グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理方法であって、前記グループ内の第1の企業に所属する第1のユーザが所有者から取得した名刺に基づいて、入力手段により、該名刺の所有者に関する名刺情報と該名刺の取得日とを入力する入力ステップと、前記第1のユーザおよび前記名刺の取得日と関連付けて、前記名刺情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記グループ内の第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って、処理手段により、前記記憶手段に記憶されている前記名刺情報を検索する検索ステップと、前記処理手段による制御に基づいて、前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を表示手段に表示する表示ステップとを有し、前記検索ステップにおいて、前記処理手段は、前記名刺の取得日と前記第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較し、前記表示ステップにおいて、前記処理手段によ
る比較の結果、前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも後である場合、前記処理手段は、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示し、前記名刺の取得日が前記第2の企業に関する前記共同利用宣言日よりも前である場合、前記処理手段は、前記第2のユーザによる前記検索操作に従って検索された前記名刺情報を前記表示手段に表示しない。
【0010】
本発明の他の側面としての名刺情報管理プログラムは、前記名刺情報管理方法をコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンプライアンス上の問題を解決しつつ、簡易かつ低コストでグループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバ、名刺情報管理システム、名刺情報管理方法、および、名刺情報管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態における名刺情報管理システムのブロック図である。
【
図2】本実施形態における名刺情報管理サーバの処理手段のブロック図である。
【
図3】本実施形態における名刺情報管理方法を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態におけるデータベースの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(用語の定義)
本実施形態は、コンプライアンス上の問題を解決しつつ、簡易かつ低コストでグループ内の複数の企業間で名刺情報を共有(共同利用)することが可能な名刺情報管理サーバを含む名刺情報管理システムに関する。まず、本実施形態について具体的に説明する前に、本実施形態における用語の定義について説明する。
【0016】
「名刺情報管理システム」は、本実施形態における一連の名刺情報管理サービスを提供するためのシステムであり、後述のように、サーバと、インターネットを介してサーバにアクセス可能なユーザ端末とを備えて構成される。
【0017】
「サーバ」は、名刺情報管理サービス(名刺情報管理方法)を提供する主体となる名刺情報管理サーバであり、サービス提供者(ベンダーまたはシステム管理者)により所有または管理されている。なお、サーバはサービス提供者とは物理的に離れた場所に配置されていてもよい(クラウドコンピューティング)。この場合、サービス提供者は、インターネット(ネットワーク)を介して、名刺情報管理システムの管理および運用を行う。
【0018】
「グループ」は、複数の企業から構成される統合体である。「企業」は、グループを構成する組織体である。「ユーザ」は、企業に所属する個人である。本実施形態では、グループ内の複数の企業が名刺情報管理システムを利用することにより、グループ内の複数の企業間で、すなわち複数の企業に所属する別々のユーザ間で、名刺情報を共有することができる。
【0019】
(名刺情報管理システムの構成)
次に、
図1を参照して、本実施形態における名刺情報管理システムの概略構成について説明する。
図1は、名刺情報管理システム10のブロック図である。
【0020】
名刺情報管理システム10は、サーバ(名刺情報管理サーバ)100とユーザ端末(操作端末)200とを備えて構成される。サーバ100およびユーザ端末200は、インターネット(ネットワーク)300を介して、互いに有線または無線通信が可能である。本実施形態において、ユーザとして、ユーザA〜Xが存在するものとする。このため
図1には、ユーザA〜Xが有するユーザ端末200a〜200xが示されている。
【0021】
サーバ100は、入力手段101、処理手段(CPUなどのプロセッサ、コンピュータ)102、記憶手段(メモリまたはストレージ)103、および、出力手段104を備えて構成される。サーバ100には、名刺情報の入力(登録)、検索、および、出力等の管理を行うためのプログラム(名刺情報管理プログラム)105がインストールされており、記憶手段103に記憶されている。また記憶手段103には、ユーザにより取り込まれた名刺の画像から作成された名刺情報(名刺データ)に関するデータベース106が記憶されている。プログラム105は、インターネット300を介して、ユーザ端末200の操作に応じて名刺画像を取り込むように入力手段101を制御する。またプログラム105は、インターネット300を介して、ユーザ端末200の操作に応じてデータベース106の中から所望の名刺情報をユーザ端末200の表示手段204に表示するように出力手段104を制御する。なお、サーバ100の少なくとも一部の機能を、サービス提供者が所有および管理するサーバとは異なるサーバを用いたクラウドコンピューティングにより実現してもよい。
【0022】
入力手段101は、ユーザ端末200の取込手段203により取り込まれた名刺の画像を入力する。処理手段102は、プログラム105を実行することにより、入力手段101を介して入力された名刺の画像から名刺情報を生成し、生成した名刺情報をデータベース106に登録する。また処理手段102は、プログラム105を実行することにより、ユーザ端末200からの指令に基づいてデータベース106の名刺情報を検索する。出力手段104は、処理手段102による検索結果に対応する名刺情報に対応する信号を、ユーザ端末200へ出力する。
【0023】
ユーザ端末200は、操作手段201、処理手段(プロセッサ)202、取込手段203、および、表示手段(ディスプレイ)204を備えて構成される。取込手段203は、例えば撮像部(カメラ)を有し、撮像部で撮像した名刺の画像(画像データ)を取り込む。なお、カメラに代えて、スキャナを用いて名刺の画像を取り込むように構成してもよい。操作手段201は、キーボードやマウスであるが、これらに限定されるものではなく、表示手段204に設けられたタッチパネルでもよい。
【0024】
(サーバの処理手段の構成)
次に、
図2を参照して、本実施形態におけるサーバ100の処理手段102の構成について説明する。
図2は、サーバ100の処理手段102のブロック図である。
【0025】
図2に示されるように、処理手段102は、制御手段1021、画像取得手段1022、画像認識手段1023、名刺情報生成手段1024、取得日付加手段1025、および、名刺情報検索手段1026を有する。
【0026】
制御手段1021は、処理手段102の各手段の動作を制御する。画像取得手段1022は、ユーザ端末200から入力手段101を介して入力された名刺の画像(画像データ)を取得する。画像認識手段1023は、画像取得手段1022により取得された名刺の画像(イメージデータ)を、OCR認識技術により、文字コードの列(文字データ)に変換する。名刺情報生成手段1024は、画像認識手段1023により変換された文字データから必要なデータを抽出し、名刺情報を生成する。名刺情報は、名刺の所有者の氏名、所属企業、部署、肩書、電子メールアドレス等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
取得日付加手段1025は、名刺の取得日を名刺情報に付加する。名刺情報は、名刺の取得日と関連付けられて記憶手段103(データベース106)に記憶される。「名刺の取得日」は、ユーザが所有者から名刺を取得した日(名刺交換日)であり、例えばユーザ端末200の操作手段201を介してユーザにより入力される。ただし本実施形態はこれに限定されるものではなく、取得日付加手段1025は、名刺の画像がユーザ端末200からサーバ100に入力(アップロード)された日を自動的に名刺の取得日として設定してもよい。この場合、ユーザは、取得日付加手段1025により自動的に設定された取得日を初期値として、ユーザ端末200の操作手段201を介して任意に変更することも可能である。または、ユーザが名刺上に手書き等で取得日を書き込んだ状態で画像取得手段1022が名刺の画像を取得し、画像認識手段1023が、OCR認識技術により、名刺上に書き込まれた取得日に関するデータを取得するように構成してもよい。
【0028】
名刺情報検索手段1026は、データベース106の中から、ユーザ端末200の操作手段201を介して指定された名刺情報を検索する。また名刺情報検索手段1026は、名刺の取得日が、ユーザが所属する企業に関する共同利用宣言日よりも後である場合、その名刺情報をユーザ端末200の表示手段204に表示する。「共同利用宣言日」は、グループ内のある企業が本実施形態の名刺情報管理サービスを利用して名刺情報の共有(共同利用)を開始することを宣言した日であり、グループ内の企業ごとに設定することが可能な基準日である。本実施形態では、コンプライアンス上の問題を簡易かつ低コストで解決するため、「共同利用宣言日」を基準として、グループ内企業での名刺の共同利用が可能であるか否かを判定する。
【0029】
(名刺情報管理方法)
次に、
図3を参照して、本実施形態における名刺情報管理方法について説明する。
図3は、名刺情報管理方法を示すフローチャートである。
図3の各ステップは、主にサーバ100の処理手段(コンピュータ)102が、記憶手段103に記憶されたプログラム(名刺情報管理プログラム)105を実行することにより実現される。なお
図3では、同一グループにおいて、名刺を取り込むユーザ(第1のユーザ)の所属企業(第1の企業)と、名刺を検索するユーザ(第2のユーザ)の所属企業(第2の企業)とが異なる場合について説明する。
【0030】
まず、ステップS101において、グループ内のある企業(第1の企業)に所属するユーザ(第1のユーザ)は、ユーザ端末200の取込手段203を用いて、名刺交換等により名刺の所有者から取得した名刺の画像を取り込む。名刺の画像は、例えば、ユーザ端末200に所定のアプリ(アプリケーションソフト)をインストールし、カメラやスキャナ等の取込手段203を利用して取り込むことができる。このように、グループ内の複数の企業のいずれかに所属するユーザは、各自のユーザ端末200を用いて、各自が名刺交換等により所有者から取得した名刺の画像を取り込むことが可能である。ユーザ端末200の取込手段203により取り込まれた名刺画像は、インターネット300を介して、サーバ100の入力手段101に入力され、処理手段102の画像取得手段1022により取得される。
【0031】
続いてステップS102において、画像認識手段1023は、名刺画像のOCR認識を行う。そして名刺情報生成手段1024は、OCR認識に基づいて名刺情報(名刺に記載された文字列に関するデジタルデータ)を生成する。
【0032】
続いてステップS103において、取得日付加手段1025は、名刺情報に名刺の取得日を付加する。名刺の取得日は、第1のユーザ(名刺の所有者との名刺交換等により取得した名刺をサーバ100にアップロードしたユーザ)が、ユーザ端末200の操作手段201を利用して入力することができる。または、取得日付加手段1025は、名刺がサーバ100にアップロードされた日を自動的に名刺の取得日として設定してもよい。または、第1のユーザが名刺上に手書き等で名刺の取得日を書き込み、名刺の取得日が記載された名刺を画像認識手段1023がOCR認識技術で取得し、OCR認識技術で認識された名刺の取得日を取得日付加手段1025が名刺情報に付加することもできる。続いてステップS104において、制御手段1021は、名刺の取得日と関連付けて、名刺情報をデータベース106に登録する。
【0033】
ここで、
図4を参照して、本実施形態における記憶手段103に記憶されたデータベース106の一例について説明する。
図4は、データベース106の一例である。
図4に示されるように、データベース106は、グループ、企業(共同利用宣言日)、ユーザ、名刺情報、および、名刺の取得日に関するデータを含む。「グループ」は、本実施形態の名刺情報管理サービスを利用する複数の企業が所属する統合体である。
図4には、グループA、Bの2つのグループが示されているが、実際には、名刺情報管理サービスを利用する全てのグループが登録されている。なお、ユーザは、ユーザごとに割り当てられた識別情報(ユーザID)として管理されてもよい。
【0034】
図4において、グループAには「企業A1」および「企業A2」の2つの企業が所属しており、それらの各企業に関する共同利用宣言日は2017年7月1日であることが示されている。また、企業A1には「ユーザA1−1」および「ユーザA1−2」の2人のユーザが所属し、企業A2には「ユーザA2−1」および「ユーザA2−2」の2人のユーザが所属していることが示されている。
【0035】
ユーザA1−1は、名刺情報として、「名刺A1−1−1」、「名刺A1−1−2」、および、「名刺A1−1−3」の3つの名刺情報を有している。これらの3つの名刺情報は、ユーザA1−1が名刺交換等により取得した名刺を取り込んで生成された名刺情報である。また、名刺A1−1−1の取得日は2017年7月18日、名刺A1−1−2の取得日は2017年7月11日、名刺A1−1−3の取得日は2017年7月1日である。同様に、他のグループ、企業、ユーザ、名刺情報、名刺の取得日に関しても、それぞれが関連付けられてデータベース106に登録されている。新たな名刺が取り込まれる毎に、新たな名刺情報がデータベース106に登録される。
【0036】
続いて、
図2のステップS105において、グループ内のある企業(第1の企業とは別の第2の企業)に所属するユーザ(第2のユーザ)が、自身のユーザ端末200の操作手段201を操作することにより、サーバ100のデータベース106を用いて所望の名刺情報を検索する。名刺情報は、処理手段102の名刺情報検索手段1026により検索される。ここで、第2のユーザが第2の企業に所属するユーザであること、および、第2のユーザによる検索対象の名刺情報の取得者が第1の企業に所属する第1のユーザであることは、例えば各ユーザのユーザIDで特定される。
【0037】
続いてステップS106において、処理手段102(制御手段1021)は、第2のユーザが検索した名刺情報に関する名刺の取得日と第2の企業に関する共同利用宣言日とを比較する。名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも後(または共同利用宣言日と同一の日)である場合、処理手段102はその名刺が通常名刺であると判定し、ステップS107へ進む。ステップS107において、処理手段102(制御手段1021)は、第2のユーザによる検索操作に従って検索された名刺情報をユーザ端末200の表示手段204に表示するように出力手段104を制御する。
【0038】
一方、ステップS106にて名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも前である場合、処理手段102はその名刺が特定名刺(コンプライアンス上の問題で共同利用が制限される名刺)であると判定し、ステップS108へ進む。ステップS108において、処理手段102(制御手段1021)は、第2のユーザによる検索操作に従って検索された名刺情報を表示手段204に表示しないように出力手段104を制御する。
【0039】
例えば、
図4において、グループAに関する名刺A1−2−3および名刺A2−2−3の取得日はそれぞれ2017年6月30であり、企業A1、A2のそれぞれの共同利用宣言日である2017年7月1日よりも前である。このため、名刺A1−2−3および名刺A2−2−3は特定名刺である。従って、企業A1に所属するユーザA1−2により取り込まれた名刺A1−2−3は、企業A1に所属するユーザのみが閲覧することができ、企業A2に所属するユーザは閲覧することができない。また、企業A2に所属するユーザA2−2により取り込まれた名刺A2−2−3は、企業A2に所属するユーザのみが閲覧することができ、企業A1に所属するユーザは閲覧することができない。一方、その他の名刺は、通常名刺であるため、企業A1、A2のいずれに所属する全てのユーザにより閲覧することが可能である。
【0040】
また本実施形態において、処理手段102は、第1の企業に所属するユーザが名刺情報を参照する際に、名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも後である場合、名刺情報がグループ内の複数の企業のユーザの間で共同利用可能な名刺情報(通常名刺)であることを示す情報を、ユーザ端末200の表示手段204に表示するように出力手段104を制御する。一方、処理手段102は、名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも前である場合、名刺情報が第1の企業のユーザにのみ利用可能な名刺情報(特定名刺)であることを示す情報を、表示手段204に表示するように出力手段104を制御する。ここで、通常名刺または特定名刺であることを示す情報としては、「通常名刺」または「特定名刺」の表記を表示する場合だけでなく、名刺の種類を区別するために色分けをすることや、名刺の種類に応じた特定のマーク等の印を付加することにより区別するものであってもよい。このような構成により、第1の企業のユーザは、第1の企業のあるユーザにより取り込まれた名刺が通常名刺であるか特定名刺であるかを、ユーザ端末200で容易に把握することができる。
【0041】
また本実施形態において、処理手段102は、グループ内の企業ごとに共同利用宣言日を設定することが可能である。そして処理手段102は、名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも後であって、かつグループ内の第3の企業に関する共同利用宣言日よりも前である場合、第2の企業に所属する第2のユーザによる検索操作に従って検索された名刺情報を第2のユーザ端末200の表示手段204に表示するように出力手段104を制御する。一方、この場合、処理手段102は、第3の企業に所属する第3のユーザによる検索操作に従って検索された名刺情報を第3のユーザ端末200の表示手段204に表示しないように出力手段104を制御する。例えば
図4において、グループBに関し、企業B1に所属するユーザにより取り込まれた名刺B1−1−3、B1−2−1、B1−2−2、B1−2−3は、企業B1に所属するユーザのみが閲覧することができ、企業B2に所属するユーザは閲覧することができない。また、企業B2に所属するユーザにより取り込まれた名刺B2−2−3は、企業B2に所属するユーザのみが閲覧することができ、企業B1に所属するユーザは閲覧することができない。このような構成により、グループ内の企業ごとに異なる共同利用宣言日が設定されている場合でも、コンプライアンス上の問題を解決することができる。
【0042】
また本実施形態は、コンプライアンス上の問題を解決しつつグループ内の複数の企業間で名刺情報の共有(共同利用)を可能とするものであるが、この共有(共同利用)とは、単に「名刺の閲覧」機能の共有(名刺情報の閲覧を許可するか禁止するかの判定)に限定されるものではなく、「名刺の検索」機能、「名刺の名寄せ」機能、「同一名刺取得通知」機能、及び、「同一名刺変更通知」機能等の他の名刺情報管理機能の共有を含む。
【0043】
「名刺の検索」機能に関し、処理手段102は、あるユーザによる検索対象の名刺の取得日と共同利用宣言日とを比較して、そのユーザが検索対象の名刺情報を検索可能であるか否かを判定し、その判定結果に応じて制御を変更する(名刺情報の検索を許可するか禁止するかを判定する)。
【0044】
「名刺の名寄せ」機能、すなわちグループ内で取得された名刺として複数の同一名刺が取得されているか否かを検出して複数の同一名刺を一つにまとめる(または、重複する名刺を削除する)機能に関し、処理手段102は、データベース106に登録済みの複数の同一名刺のそれぞれの取得日と共同利用宣言日とを比較して、この機能を実行するか否かを判定する。例えば、処理手段102は、複数の同一名刺のうち、取得日が共同利用宣言日よりも後である同一名刺のみについて、この機能を実行し、取得日が共同利用宣言日よりも前である同一名刺についてはこの機能を実行しない。
【0045】
「同一名刺取得通知」機能、すなわちグループ内の他のユーザが新たに同一名刺を取得した旨を通知する機能に関し、処理手段102は、新たに取得された名刺の取得日と共同利用宣言日とを比較して、この機能を実行するか否かを判定する。例えば、処理手段102は、共同利用宣言日よりも後に新たに取得した名刺に関しては、この通知機能を実行するが、共同利用宣言日よりも前に取得した名刺に関しては、この通知機能を実行しない。
【0046】
「同一名刺変更通知」機能、すなわちグループ内の他ユーザの同一名刺に関する情報が異なっている旨を通知する機能に関し、処理手段102は、同一名刺に関する情報が異なっている名刺の取得日と共同利用宣言日とを比較して、この機能を実行するか否かを判定する。例えば、処理手段102は、共同利用宣言日よりも後に取得された名刺に関しては、この通知機能を実行するが、共同利用宣言日よりも前に取得された名刺に関しては、この通知機能を実行しない。
【0047】
なお、処理手段102は、企業ごと(企業に所属するユーザごと)に、共同利用宣言日を基準として各機能を実行するか否かを判定することができる。すなわち処理手段102は、ある企業のユーザに対しては、ある名刺に関する各機能を実行し、他の企業のユーザに対しては、各機能を実行しないように制御することが可能である。
【0048】
本実施形態によれば、コンプライアンス上の問題を解決しつつ、簡易かつ低コストでグループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバ、名刺情報管理システム、名刺情報管理方法、および、名刺情報管理プログラムを提供することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 名刺情報管理システム
100 サーバ(名刺情報管理サーバ)
101 入力手段
102 処理手段
103 記憶手段
104 出力手段
105 プログラム(名刺情報管理プログラム)
105 データベース
200 ユーザ端末
201 操作手段
202 処理手段
203 取込手段
204 表示手段
【要約】
【課題】コンプライアンス上の問題を解決しつつ、簡易かつ低コストでグループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバを提供する。
【解決手段】グループ内の複数の企業間で名刺情報を共有することが可能な名刺情報管理サーバ(100)であって、第1の企業に所属する第1のユーザが取得した名刺の所有者に関する名刺情報と名刺の取得日とを入力する入力手段(106)と、第1のユーザおよび名刺の取得日と関連付けて名刺情報を記憶する記憶手段(102)と、第2の企業に所属する第2のユーザによる操作に従って名刺情報を検索する処理手段(101)とを有し、処理手段は、名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも後である場合、第2のユーザによる検索操作に従って検索された名刺情報を表示手段に表示し、名刺の取得日が第2の企業に関する共同利用宣言日よりも前である場合、名刺情報を表示手段に表示しない。
【選択図】
図2