【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の電気コネクタのハウジングは、
相手側導電部材と接触することになる接触部、および上記接触部よりも高さ方向の高い側に設けられ、上記高さ方向と交差する方向に沿って導入される導体の終端を接続する接続部を有し、上記高さ方向の高い側へ向かうと上記高さ方向と交差する方向へ向かって落ち込む段部が設けられた端子を収容する電気コネクタのハウジングであって、
内部に、上記高さ方向に延びると共に上記高さ方向の両端が外部へ開放された第1収容室、および上記第1収容室の高い側の端に連通して上記高さ方向と交差する方向に延びると共に上記高さ方向の高い側が外部へ開放された第2収容室が形成されるように設けられたハウジング本体と、
上記高さ方向に真っ直ぐに延びて上記第1収容室に面して配置され、上記高さ方向の低い側の端が上記ハウジング本体に設けられ、上記高さ方向の高い側の端に上記第1収容室側に突き出る係止部が設けられ、弾性を有するランスとを備え、
上記端子の上記接触部が上記第1収容室に収容され、上記端子の上記接続部が上記第2収容室に収容されると共に、上記端子の上記段部に上記ランスの上記係止部が掛かるように構成されており、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記段部
が落ち込む側と反対側の壁が平板状に形成されており、上記ランスは、上記平板状の壁の一部を形成して
おり、
上記第1収容室のなかで上記端子の上記接触部と上記ランスとが上記高さ方向および上記ランスの上記係止部が突き出る方向に対して直交する方向からみて重ならないように構成されており、
上記係止部の上記高さ方向の高い側の端面が、上記高さ方向の低い側に向かうにつれて上記第1収容室に向かうように傾斜している、電気コネクタのハウジングである。
【0011】
上記嵌合方向に対して交差する方向へ上記導体が延びる上記端子を上記高さ方向に沿って上記ハウジングへ挿入すると、上記端子が上記第1収容室および上記第2収容室に収容され、上記導体が上記第2収容室に収容される。その間、上記ランスが弾性変形して上記係止部が上記端子を係止する。その場合、上記端子に上記反嵌合方向に向かう外力が作用すると、この外力は上記ランスに受け止められるので、上記ハウジングは上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備える。また、上記ランスが上記高さ方向の低い側から高い側へ延びるので、上記高さ方向の高い側から低い側へ延びる上記従来のランスに較べると、上記導体、又は上記端子における上記導体との接続部と干渉しにくい。そのため、上記ランスを内側に寄せて配置することが可能となり、しかも、上記ランスが上記平板状の壁の一部を形成しているので、上記ハウジングのコンパクト化が実現する。さらに、従来の上記共通カバーのように上記端子をその上記反嵌合側で受け止める補強部材を設けないことも可能となり、このような補強部材を設けないときは、上記ハウジングの上記嵌合方向の寸法が短くなってコンパクト化が実現し、さらに上記ハウジングに上記補強部材を組み付ける手間も省ける。
【0012】
上記係止部の上記高さ方向の高い側の端面が、上記高さ方向の低い側に向かうにつれて上記第1収容室に向かうように傾斜しているので、上記端子を上記高さ方向に沿って上記ハウジングへ挿入するときに、上記端子が上記高さ方向の高い側の端面に案内されて上記第1収容室へ誘い込まれると共に、上記係止部を上記第1収容室の外側へ押しやるので、上記端子が上記ランスと干渉する可能性が低減される。
【0013】
本発明の第
2の電気コネクタのハウジングは、
相手側導電部材と接触することになる接触部、および上記接触部よりも高さ方向の高い側に設けられ、上記高さ方向と交差する方向に沿って導入される導体の終端を接続する接続部を有し、上記高さ方向の高い側へ向かうと上記高さ方向と交差する方向へ向かって落ち込む段部が設けられた端子を収容する電気コネクタのハウジングであって、
内部に、上記高さ方向に延びると共に上記高さ方向の両端が外部へ開放された第1収容室、および上記第1収容室の高い側の端に連通して上記高さ方向と交差する方向に延びると共に上記高さ方向の高い側が外部へ開放された第2収容室が形成されるように設けられたハウジング本体と、
上記高さ方向に真っ直ぐに延びて上記第1収容室に面して配置され、上記高さ方向の低い側の端が上記ハウジング本体に設けられ、上記高さ方向の高い側の端に上記第1収容室側に突き出る係止部が設けられ、弾性を有するランスとを備え、
上記端子の上記接触部が上記第1収容室に収容され、上記端子の上記接続部が上記第2収容室に収容されると共に、上記端子の上記段部に上記ランスの上記係止部が掛かるように構成されており、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記段部
が落ち込む側と反対側の壁が平板状に形成されており、上記ランスは、上記平板状の壁の一部を形成して
おり、
上記第1収容室のなかで上記端子の上記接触部と上記ランスとが上記高さ方向および上記ランスの上記係止部が突き出る方向に対して直交する方向からみて重ならないように構成されており、
上記ハウジング本体には支持部が設けられ、上記支持部は、上記ランスにとって上記第1収容室側と反対側に位置すると共に、上記ランスから許容量だけ離れて位置しており、上記ランスの上記係止部に対応する部位から上記高さ方向の高い側へ延びている、電気コネクタのハウジングである。
【0014】
上記嵌合方向に対して交差する方向へ上記導体が延びる上記端子を上記高さ方向に沿って上記ハウジングへ挿入すると、上記端子が上記第1収容室および上記第2収容室に収容され、上記導体が上記第2収容室に収容される。その間、上記ランスが弾性変形して上記係止部が上記端子を係止する。その場合、上記端子に上記反嵌合方向に向かう外力が作用すると、この外力は上記ランスに受け止められるので、上記ハウジングは上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備える。また、上記ランスが上記高さ方向の低い側から高い側へ延びるので、上記高さ方向の高い側から低い側へ延びる上記従来のランスに較べると、上記導体、又は上記端子における上記導体との接続部と干渉しにくい。そのため、上記ランスを内側に寄せて配置することが可能となり、しかも、上記ランスが上記平板状の壁の一部を形成しているので、上記ハウジングのコンパクト化が実現する。さらに、従来の上記共通カバーのように上記端子をその上記反嵌合側で受け止める補強部材を設けないことも可能となり、このような補強部材を設けないときは、上記ハウジングの上記嵌合方向の寸法が短くなってコンパクト化が実現し、さらに上記ハウジングに上記補強部材を組み付ける手間も省ける。
【0015】
上記ハウジング本体には支持部が設けられ、上記支持部は、上記ランスにとって上記第1収容室側と反対側に位置すると共に、上記ランスから許容量だけ離れて位置しており、上記ランスの上記係止部に対応する部位から上記高さ方向の高い側へ延びているので、弾性変形した上記ランスを上記支持部が支えて上記ランスの過変形が阻止される。また、上記ハウジング本体の外部から上記ランスの付近に外力を受けた場合、上記外力が上記支持部で受け止められたときには、上記ランスの過変形が阻止される。
【0016】
本発明の第
3の電気コネクタのハウジングは、上記第1
又は上記第
2の電気コネクタのハウジングにおいて、
上記ハウジング本体の上記第2収容室の上記高さ方向の高い側に、蓋が設けられている電気コネクタのハウジングである。
【0017】
このようにすれば、上記蓋により上記端子が外部から遮断され、上記端子の例えば絶縁性、防塵などの性能が向上する。また上記蓋の上記ハウジング本体への取り付け強度によっては、上記ハウジングの上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度が向上する。
【0018】
本発明の第1の電気コネクタは、
相手側導電部材と接触することになる接触部、および上記接触部よりも高さ方向の高い側に設けられ、上記高さ方向と交差する方向に沿って導入される導体の終端を接続する接続部を有し、上記高さ方向の高い側へ向かうと上記高さ方向と交差する方向へ向かって落ち込む段部が設けられた端子と、
上記端子を収容するハウジングとを備え、上記ハウジングは、
内部に、上記高さ方向に延びると共に上記高さ方向の両端が外部へ開放された第1収容室、および上記第1収容室の高い側の端に連通して上記高さ方向と交差する方向に延びると共に上記高さ方向の高い側が外部へ開放された第2収容室が形成されるように設けられたハウジング本体と、
上記高さ方向に真っ直ぐに延びて上記第1収容室に面して配置され、上記高さ方向の低い側の端が上記ハウジング本体に設けられ、上記高さ方向の高い側の端に上記第1収容室側に突き出る係止部が設けられ、弾性を有するランスとを備え、
上記端子の上記接触部が上記第1収容室に収容され、上記端子の上記接続部が上記第2収容室に収容されていると共に、上記端子の上記段部に上記ランスの上記係止部が掛かっており、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記段部
が落ち込む側と反対側の壁が平板状に形成されており、上記ランスは、上記平板状の壁の一部を形成し
ており、
上記第1収容室のなかで上記端子の上記接触部と上記ランスとが上記高さ方向および上記ランスの上記係止部が突き出る方向に対して直交する方向からみて重ならないように構成されており、
上記係止部の上記高さ方向の高い側の端面が、上記高さ方向の低い側に向かうにつれて上記第1収容室に向かうように傾斜している電気コネクタである。
【0019】
上記端子に上記反嵌合方向に向かう外力が作用すると、この外力は上記ランスに受け止められるので、上記ハウジングは上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備える。また、上記ランスが上記高さ方向の低い側から高い側へ延びるので、上記高さ方向の高い側から低い側へ延びる上記従来のランスに較べると、上記導体、又は上記端子における上記導体との接続部と干渉しにくい。そのため、上記ランスを内側に寄せて配置することが可能となり、しかも、上記ランスが上記平板状の壁の一部を形成しているので、上記ハウジングのコンパクト化が実現する。さらに、従来の上記共通カバーのように上記端子をその上記反嵌合側で受け止める補強部材を設けないことも可能となり、このような補強部材を設けないときは、上記ハウジングの上記嵌合方向の寸法が短くなってコンパクト化が実現し、さらに上記ハウジングに上記補強部材を組み付ける手間も省ける。
【0020】
上記係止部の上記高さ方向の高い側の端面が、上記高さ方向の低い側に向かうにつれて上記第1収容室に向かうように傾斜しているので、上記端子を上記高さ方向に沿って上記ハウジングへ挿入するときに、上記端子が上記高さ方向の高い側の端面に案内されて上記第1収容室へ誘い込まれると共に、上記係止部を上記第1収容室の外側へ押しやるので、上記端子が上記ランスと干渉する可能性が低減される。
【0021】
本発明の第
2の電気コネクタは、
相手側導電部材と接触することになる接触部、および上記接触部よりも高さ方向の高い側に設けられ、上記高さ方向と交差する方向に沿って導入される導体の終端を接続する接続部を有し、上記高さ方向の高い側へ向かうと上記高さ方向と交差する方向へ向かって落ち込む段部が設けられた端子と、
上記端子を収容するハウジングとを備え、上記ハウジングは、
内部に、上記高さ方向に延びると共に上記高さ方向の両端が外部へ開放された第1収容室、および上記第1収容室の高い側の端に連通して上記高さ方向と交差する方向に延びると共に上記高さ方向の高い側が外部へ開放された第2収容室が形成されるように設けられたハウジング本体と、
上記高さ方向に真っ直ぐに延びて上記第1収容室に面して配置され、上記高さ方向の低い側の端が上記ハウジング本体に設けられ、上記高さ方向の高い側の端に上記第1収容室側に突き出る係止部が設けられ、弾性を有するランスとを備え、
上記端子の上記接触部が上記第1収容室に収容され、上記端子の上記接続部が上記第2収容室に収容されていると共に、上記端子の上記段部に上記ランスの上記係止部が掛かっており、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記段部
が落ち込む側と反対側の壁が平板状に形成されており、上記ランスは、上記平板状の壁の一部を形成し
ており、
上記第1収容室のなかで上記端子の上記接触部と上記ランスとが上記高さ方向および上記ランスの上記係止部が突き出る方向に対して直交する方向からみて重ならないように構成されており、
上記ハウジング本体には支持部が設けられ、上記支持部は、上記ランスにとって上記第1収容室側と反対側に位置すると共に、上記ランスから許容量だけ離れて位置しており、上記ランスの上記係止部に対応する部位から上記高さ方向の高い側へ延びている電気コネクタである。
【0022】
上記端子に上記反嵌合方向に向かう外力が作用すると、この外力は上記ランスに受け止められるので、上記ハウジングは上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備える。また、上記ランスが上記高さ方向の低い側から高い側へ延びるので、上記高さ方向の高い側から低い側へ延びる上記従来のランスに較べると、上記導体、又は上記端子における上記導体との接続部と干渉しにくい。そのため、上記ランスを内側に寄せて配置することが可能となり、しかも、上記ランスが上記平板状の壁の一部を形成しているので、上記ハウジングのコンパクト化が実現する。さらに、従来の上記共通カバーのように上記端子をその上記反嵌合側で受け止める補強部材を設けないことも可能となり、このような補強部材を設けないときは、上記ハウジングの上記嵌合方向の寸法が短くなってコンパクト化が実現し、さらに上記ハウジングに上記補強部材を組み付ける手間も省ける。
【0023】
上記ハウジング本体には支持部が設けられ、上記支持部は、上記ランスにとって上記第1収容室側と反対側に位置すると共に、上記ランスから許容量だけ離れて位置しており、上記ランスの上記係止部に対応する部位から上記高さ方向の高い側へ延びているので、弾性変形した上記ランスを上記支持部が支えて上記ランスの過変形が阻止される。また、上記ハウジング本体の外部から上記ランスの付近に外力を受けた場合、上記外力が上記支持部で受け止められたときには、上記ランスの過変形が阻止される。
【0024】
本発明の第
3の電気コネクタは、上記第1
又は第
2の電気コネクタにおいて、
上記端子の上記接触部が、第1基片と、上記第1基片の板幅方向の両端から立ち上がり、互いに接近する側へ曲げられたバネ片とを備え、上記バネ片の上記高さ方向の高い側の端縁が上記段部になっており、
上記端子の上記接続部が、上記第1基片の上記高さ方向の高い側に設けられた第2基片と、上記第2基片の上記高さ方向両側のうち少なくとも一方側から立ち上がり、上記第2基片に向かって曲げられて上記導体の上記終端をかしめるバレルとを備えている電気コネクタである。
【0025】
このようにすれば、この種のバネ片、およびバレルを備えた端子に対して本発明が適用される。そして、上記バネ片が上記段部として利用される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の上記第1の電気コネクタのハウジングは、収容する端子の嵌合方向に対して対向する方向へ延びる上記ランスを備え、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記端子の上記段部
が落ち込む側と反対側の平板状の壁の一部で上記ランスを形成しているので、上記嵌合方向に対して交差する方向へ上記導体が延びる上記端子を収容すると共に、上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備えることができ、しかもコンパクト化を実現することができる。
【0027】
さらに、上記端子を上記高さ方向に沿って上記ハウジングへ挿入するときに、上記端子の上記第1収容室への誘い込みを行えると共に、上記端子が上記ランスと干渉する可能性を低減することができる。
【0028】
本発明の上記第
2の電気コネクタのハウジングは、収容する端子の嵌合方向に対して対向する方向へ延びる上記ランスを備え、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記端子の上記段部
が落ち込む側と反対側の平板状の壁の一部で上記ランスを形成しているので、上記嵌合方向に対して交差する方向へ上記導体が延びる上記端子を収容すると共に、上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備えることができ、しかもコンパクト化を実現することができる。
【0029】
さらに、上記ランスの過変形を防止することができる。
【0030】
本発明の上記第
3の電気コネクタのハウジングは、上記第1
又は上記第
2の電気コネクタのハウジングにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記端子の例えば絶縁性、防塵などの性能を向上させることができ、また上記蓋の上記ハウジング本体への取り付け強度によっては、上記ハウジングの上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を向上させることができる。
【0031】
本発明の上記第1の電気コネクタは、上記ハウジングが、収容する端子の嵌合方向に対して対向する方向へ延びる上記ランスを備え、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記端子の上記段部
が落ち込む側と反対側の平板状の壁の一部で上記ランスを形成しているので、上記嵌合方向に対して交差する方向へ上記導体が延びる上記端子を収容すると共に、上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備えることができ、しかもコンパクト化を実現することができる。
【0032】
さらに、上記端子を上記高さ方向に沿って上記ハウジングへ挿入するときに、上記端子の上記第1収容室への誘い込みを行えると共に、上記端子が上記ランスと干渉する可能性を低減することができる。
【0033】
本発明の上記
第2の電気コネクタは、上記ハウジングが、収容する端子の嵌合方向に対して対向する方向へ延びる上記ランスを備え、
内側に上記第1収容室を形成するように設けられた上記ハウジング本体の壁のうち上記端子の上記段部
が落ち込む側と反対側の平板状の壁の一部で上記ランスを形成しているので、上記嵌合方向に対して交差する方向へ上記導体が延びる上記端子を収容すると共に、上記反嵌合方向に向かう外力に対する強度を備えることができ、しかもコンパクト化を実現することができる。
【0034】
さらに、上記ランスの過変形を防止することができる。
【0035】
本発明の上記
第3の電気コネクタは、上記第1
又は第2の電気コネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記バネ片、および上記バレルを備えた上記端子に対して本発明を適用した例を示すことができた。