特許第6279870号(P6279870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279870
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】マイクロチップの電荷パターン形成
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20180205BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20180205BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   H01L21/60 311Z
   H01L21/90 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-206542(P2013-206542)
(22)【出願日】2013年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-82491(P2014-82491A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2016年9月30日
(31)【優先権主張番号】13/652,220
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502096543
【氏名又は名称】パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ユージン・エム・チャウ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンピン・ルー
(72)【発明者】
【氏名】アーミン・アール・フォルケル
(72)【発明者】
【氏名】ビング・アール・シェ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エル・ホワイティング
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0178316(US,A1)
【文献】 特開2004−14959(JP,A)
【文献】 特開2002−148901(JP,A)
【文献】 特開平2−250073(JP,A)
【文献】 米国特許第7332361(US,B2)
【文献】 特開2012−85515(JP,A)
【文献】 特開2014−79756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D7/12
G03G15/00−15/18
H01L21/027
H01L21/033
H01L21/60−21/607
H01L21/66
H01L21/768
H01L23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロチップ上に電荷パターンを作成する方法であって、
前記マイクロチップが形成されたウェハの上に乾燥フィルムフォトレジストを積層することと、
積層された乾燥フィルムフォトレジストを露光して低導電性領域を形成することと、
前記乾燥フィルムフォトレジストに形成された低導電性領域の少なくとも1つの領域を第1の電荷に帯電させることと、
前記乾燥フィルムフォトレジストに形成された低導電性領域における前記第1の電荷に帯電されていない領域を前記第1の電荷とは反対の第2の電荷に帯電させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記露光した乾燥フィルムフォトレジストを前記第1の電荷または第2の電荷に帯電させることは、コロトロンまたはスコロトロンの何れか1つを用いて前記乾燥フィルムフォトレジストを帯電させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
帯電後に、ウェハを個々のマイクロチップに分けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電荷を発生させることは、摩擦帯電を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術分野は、マイクロチップ上に電荷パターンを形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
静電コーディングまたは磁気コーディングのようなある程度のエンコーディングに基づき、マイクロチップを自動的に組み立てるシステムが存在する。このシステムは、組み立てプロセスの一部として、マイクロチップを特定し、配置するためにエンコーディングを使用する。
【0003】
これらのシステムの例は、本出願の譲受人が所有する米国特許第7,861,405号および関連する事例、米国特許公開第20100192365号、第20100186221号および第20100186222号に見つけることができる。別の例は、米国特許7,332,361号に示されており、電荷制御剤を用いて非極性液体に電荷を保有することができる塩基性または酸性の表面を有する電荷がエンコーディングされた要素を教示する。例としては、二粒子電気泳動インク、液体トナー、無機酸化物、ポリマーが挙げられる。標準的なフォトリソグラフィーまたはインクジェット技術を用い、これらの物質にパターン形成し、電荷がエンコーディングされた要素を作成することができる。これらの参考文献はすべて本明細書に参考として組み込まれる。このシステムは、チップ上の電荷または磁気の極性を使用してマイクロチップを並べ、配置する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの参考文献は、どのようにしてチップが電荷または極性を有するようになるかについて、可能な方法を一般的に言及しているが、詳細は記載されていない。例えば、電荷または極性の堆積に伴い、課題が生じることがある。現時点で、隔離したマイクロチップの上に電荷パターンを堆積させる現行技術は存在しない。ナノワイヤの片方の末端を帯電させる方法、また対称形のマイクロチップの片側まで帯電させる別の方法があるが、隔離されたマイクロチップに対して堆積させるか、または電荷をパターン形成すると思われる研究は存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
加工プロセスは、チップ上に存在するデバイスにも対応可能であるべきである。それに加え、このプロセスは、製造費用を上げるものであってはならないが、なおかつ、大きな領域と、小さな特徴部とで大きさを変更可能な状態でパターン形成することができなければならない。柔軟性のあるシステムを提供するために、このシステムは、チップの制御および特定について多様な状態でさまざまな大きさの電荷密度(必須ではないが理想的には、正および負の極性の両方)が可能でなければならない。電荷パターンは、パターン形成したデバイスの貯蔵寿命が長くなるように良好な安定性を有していなければならない。
【0006】
パターン形成に伴う別の課題は、チップが互いに引き付け合うことによって生じることがある。それぞれの電荷によっては、チップが集まってしまうか、または密集してしまうことがある。チップの密度は、チップが互いに接触することによって電荷を交換してしまわないように、低い状態に保たれる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、マイクロチップ上に電荷パターンを形成する全体的な方法の一実施形態を示す。
図2図2は、マイクロチップ上に電荷パターンを作成する一実施形態を示す。
図3図3は、マイクロチップ上に電荷パターンを印刷する方法の一実施形態を示す。
図4図4は、マイクロチップ上に電荷パターンをフォトリソグラフィーによって作成する方法の一実施形態を示す。
図5図5は、マイクロチップ上に電荷パターンをフォトリソグラフィーによって作成する方法の一実施形態を示す。
図6図6は、マイクロチップ上に電荷パターンをフォトリソグラフィーによって作成する方法の一実施形態を示す。
図7図7は、マイクロチップ上に電荷パターンをフォトリソグラフィーによって作成する方法の一実施形態を示す。
図8図8は、スコロトロンを用いて電荷パターンを作成する方法の一実施形態を示す。
図9図9は、スコロトロンを用いて電荷パターンを作成する方法の一実施形態を示す。
図10図10は、スコロトロンを用いて電荷パターンを作成する方法の一実施形態を示す。
図11図11は、両極性電荷テンプレートを作成する方法の一実施形態を示す。
図12図12は、両極性電荷テンプレートを作成する方法の一実施形態を示す。
図13図13は、両極性電荷テンプレートを作成する方法の一実施形態を示す。
図14図14は、両極性電荷テンプレートを作成する代替的な方法の一実施形態を示す。
図15図15は、両極性電荷テンプレートを作成する代替的な方法の一実施形態を示す。
図16図16は、両極性電荷テンプレートを作成する代替的な方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、マイクロチップ上に電荷パターンを形成する全体的な方法の一実施形態を示す。11では、マイクロチップが基材(例えば、シリコン、ヒ化ガリウム、相補型金属酸化物半導体(CMOS)など)上で加工される。次いで、このプロセスでは、13において、マイクロチップの上に物質を堆積させ、帯電させる。ある手法では、図2〜7にさらに詳細に示されるように、マイクロチップを流体に沈め、堆積させた物質に対し、電荷を発生させる。別の手法では、図8〜16にさらに詳細に示されるように、マイクロチップ上の物質を外部デバイスを用いて帯電させる。最終的な結果は、19において、表面に電荷パターンを有するマイクロチップとなる。
【0009】
図2は、マイクロチップ上に電荷パターンを作成する方法の一実施形態を示す。このプロセスは、10において、ウエハ上に個々のマイクロチップを製造した後に、おそらくウエハの状態で始まることが多いように思われる。これにより、電荷パターン形成のプロセスは、チップ加工プロセスと適合する技術を用い、もっと大量生産に向いた様式で行うことができる。しかし、この考察による限定はなんら意図しておらず、暗示もないとすべきである。ウエハを個々のチップに分けた後、個々のチップに同じ技術を用いてパターン形成することができる。
【0010】
チップ加工に適合する製造技術を用い、製造したマイクロチップ12は、チップ上の回路を保護するためにシールド14を有している。シールドは、絶縁体16を有する。絶縁体によって、表面に堆積した電荷または物質パターンが、マイクロチップ上の回路と相互作用を起こすのを防ぐことができる。ABBABというパターンは、例えば、+−−+−といった異なる電荷を表していてもよく、または電荷が発生するような物質パターンを表していてもよい。この技術について以下にさらに詳細に記載するが、電荷パターンは、異なる大きさおよび/または極性の電荷を交互に有する領域からなっていてもよい。この考察の一部である実施形態は、帯電しているパターンを有する。
【0011】
個々のチップに分けたら、マイクロチップを流体に入れ、「インク」瓶22または他のディスペンサーを作成することができる。この流体は、電荷制御剤のような他の添加剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、電荷をチップ12の表面に安定な状態で維持してもよく、またはウエハ表面で電荷を発生させてもよい。電荷の生成は、物質を堆積させ、電荷パターンを形成する物質と、インクの流体成分との相互作用によって物質中に電荷を発生する形態で行われてもよい。
【0012】
ある手法は、溶液処理技術(例えば、スピンコーティング、印刷、浸漬コーティングまたは自己集積)または蒸着技術(例えば、プラズマ促進化学蒸着(PECVD)または原子層堆積(ALD))の後、膜を堆積させた後に溶液中に浸す技術を用い、電荷パターンを形成する物質の薄膜の堆積を利用する。溶液技術または蒸気技術によって堆積させることが可能な物質の例としては、ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、パリレンおよびポリビニルアルコール)、カチオン性およびアニオン性の高分子電解質(例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド))が挙げられる。他の例としては、有機金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸アルミニウム)および酸化物(例えば、シリカ、アルミナまたはチタニア)が挙げられる。それに加え、自己集積する単層を形成する物質(例えば、オクタデシルトリクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルトリメトキシシランまたはペルフルオロオクチルトリクロロシラン)を使用してもよい。
【0013】
電荷パターンを形成する物質は、純粋な物質でなくてもよく、おそらく電荷発生性を高め、処理性能を高めるか、または光感受性などの新しい機能を膜に付与するために、1つ以上の物質のブレンドであってもよい。溶液から堆積させる物質の場合、まずは、溶液処理を可能にするために、おそらく溶媒(例えば、トルエン、ヘキサン、水、イソプロパノールまたはテトラヒドロフラン)に溶解するだろう。プロセスの一例は、マイクロチップ表面に物質をスピンコーティングし、電荷パターンを形成する物質の光感受性配合物を使用する場合には、直接光を利用して、またはフォトリソグラフィー/エッチングサイクルによって別個の工程で物質をパターン形成し、溶液にチップを浸し、流体と物質との相互作用によって自由電荷を作成することを含んでいてもよい。
【0014】
図4において、第1のポリマーを絶縁体16の上にスピンコーティングし、図5において、フォトリソグラフィーによって輪郭を定め、絶縁体16の一部を露出させる。次いで、図6において、第2のポリマー42を第1のポリマーおよび露出した絶縁体の上にスピンコーティングするか、または他の方法で堆積させる。次いで、第2のポリマーをパターン形成し、典型的には絶縁体の領域を有する第1の領域とは隔離された領域の輪郭を定める。次いで、この2種類の異なるポリマーには、異なる電荷が保持されているか、または異なる大きさの電荷が保持されており、電荷パターンを形成する。2種類の溶液によって処理されたポリマーの使用に加え、他の実施形態は、ある極性/大きさの電荷を作成するための溶液によって処理された物質と、別の極性/大きさの電荷を作成するための蒸着した物質の組み合わせを用いてもよく、他の実施形態では、2種類の異なる蒸着物質を使用してもよい。
【0015】
極性の液(例えば、水)に浸す場合、表面分子の一部が解離するため、ほとんどの表面は帯電する。表面の化学組成によって、電荷は、さらに負または正になる傾向がある。負の表面電荷を発生させる典型的な官能基としては、特に、スルホン酸、ホスホン酸およびカルボン酸が挙げられる。正の表面電荷を発生させる典型的な官能基としては、特に、アミンおよびイミダゾールが挙げられる。帯電したマイクロチップのクーロン相互作用の範囲は、溶液のイオン強度によって制御されるが、典型的には短い範囲であり、高いイオン含有量に起因して、1〜10マイクロメートルの範囲である。
【0016】
この実施形態では、帯電した物体間のこのようなクーロン相互作用は、10〜100マイクロメートルのようなもっと長い範囲に入るため、非極性の流体を用いることも望ましい。非極性の流体の例としては、イソパラフィン系の液、例えば、イソパールシリーズの液、他の炭化水素の液(例えば、ドデカン)が挙げられる。非極性の液体である電荷制御剤において、典型的には、電荷を発生させやすくするために、両親媒性界面活性剤材料(イオン系および非イオン系)、例えば、特に、フォスファチジルコリン(レシチン)、ソルビタンモノオレエート(スパン−80)、アルミニウム−ジ−tert−ブチルサリチレート(ALOHOS)、ポリイソブチレンコハク酸イミド(OLOA)、またはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(AOT)を液に加えることが必要な場合がある。
【0017】
周囲の液が空気である場合、表面の帯電は、摩擦作用によって行うことができる。例えば、ゼログラフィーにおいて、特定的に設計された現像剤粒子と接触させることによってトナー粒子を帯電させる。電荷パターンを形成する物質は、現像剤物質と接触したときに特定の様式で帯電するように選択されなければならない。チップの密度は、マイクロチップが互いに偶発的に衝突して電荷を交換するのを制御するのに十分なほど低い状態に保たれなければならない。
【0018】
別の手法では、図3に示されるように、インクジェットヘッド30によって、電荷をパターン形成する物質を堆積させることができる。候補物質としては、特に、ワックス、ポリマー(例えば、高分子電解質)または物質のブレンドが挙げられる。電荷パターンを形成する物質を堆積した後、すでに記載したように、個々のチップに分け、流体に浸し、その流体中で自由電荷を作成するだろう。
【0019】
別の手法では、自己集積する単層を別の物質(例えば、酸化物)とともに使用し、チップの上に帯電した領域を作成することができる。この作成は、例えば、まず、酸化物を堆積させ、次いで、酸化物の上に、望ましい機能を有する自己集積する単層を堆積させることによって行うことができる。フォトリソグラフィーおよびエッチングを用い、次いで、この自己集積する単層をパターン形成し、その下にある酸化物を露出させてもよい。別の手法では、酸化物を堆積させた後、遮断する犠牲物質(例えば、フォトレジスト)をパターン形成し、次いで、自己集積する単層の堆積を行った後、犠牲物質を除去し、その下にある酸化物表面を再び露出させ、酸化物と、自己集積する単層パターンを作成する。この第2の手法は、自己集積する単層の堆積および遮断物質の除去という工程を、ウエハの状態で、またはウエハを個々のチップに分けた後、チップの状態で行うことができるという利点を有する。
【0020】
図4〜7は、フォトリソグラフィーによってパターン形成するポリマー、無機物質またはこれら2種の混合物を使用する一実施形態のプロセスを示す。これらの物質は、摩擦によって帯電させてもよく、または誘電性の液中、電荷制御剤を用いて化学的に帯電させ、異なる極性の電荷を保持してもよい。コロナデバイスを用い、フォトリソグラフィーによって輪郭が定まる絶縁体の帯電は別の手法であり、乾燥フィルムのレジストを用いる。市販の乾燥フィルムのレジストは、紫外線に露光した領域とあてなかった領域とでかなり異なる導電性を表す。図4〜7は、フォトリソグラフィーによる物質のためのプロセスを示す。
【0021】
光伝導体コーティングの実施形態では、無機光伝導体物質(例えば、アモルファスシリコンおよびセレン)または単層または多層の有機光伝導体を使用してもよい。このような光伝導体コーティングを使用する場合、コロトロンまたはスコロトロンから電荷を受け取り、望ましい電荷の徴候およびパターンを与える。本明細書でこの用語を使用する場合、コロトロンは、典型的には、高電圧電源に接続したワイヤを有する電子写真/ゼログラフィーで用いられるコロナ帯電デバイスである。典型的な用途では、ワイヤは電場を作り出し、帯電したトナー粒子を受け取るための調製において、光受容体まで帯電させる。スコロトロンは、スクリーンのコロトロンである。
【0022】
別の実施形態は、コロナデバイスを用い、絶縁体をフォトリソグラフィーによって輪郭を定めつつ帯電することを利用する。市販の乾燥フィルムのレジストは、紫外線に露光した領域と露光しなかった領域とでかなり異なる導電性を表す。図8〜10は、このようなプロセスの一実施形態を示す。図8では、乾燥フィルムのレジストは、マイクロチップまたはマイクロチップウエハ12の上にある絶縁体層16の上に積層させる。図9では、乾燥レジストの部分52に紫外線を露光し、伝導性が高い領域と低い領域を作成する。図10では、ウエハまたはマイクロチップ12を接続54によって接地し、スコロトロンまたはコロトロン56で帯電させ、乾燥フィルムのレジストのうち、すでに露光した領域50および52に応じて電荷パターンを作成する。これにより、1個の帯電テンプレートを作成し、その表面は、1種類の極性の電荷を有する。既知の電荷を有するビーズを広げ、カメラで撮影することによって、または、非接触型静電電圧計を用い、空気中で直接電場を測定することによって、電荷パターンを確認してもよい。
【0023】
図11〜13は、二重の帯電テンプレートを作成する方法の一実施形態を示す。乾燥フィルムレジスト50の一部に紫外線を露光し、低伝導性領域52を作成する。乾燥フィルムレジストの上部にステンシルマスク62を用いることで、UVを露光することによって作られた低伝導性領域の部分のみが露出する。スコロトロン64は、マスク62によって保護されていない低伝導性領域の一部に第1の極性を有する電荷を与える。このプロセスで、低伝導性領域の帯電した部分を覆うようにマスク62を移動させる。次いで、スコロトロンは、反対の徴候を有する低量のイオンを用い、低伝導性領域のうち、帯電していない部分を帯電し、他の徴候の電荷パターンを作成する。2種類のスコロトロンプロセスを区別するために、反対の徴候の電荷のスコロトロンの通過を66と呼ぶ。
【0024】
代替的な実施形態では、双極性または二重の電荷テンプレートは、図14〜16に示す二重の露光から生じてもよい。図14は、乾燥フィルムのレジスト50の上に第1の低伝導性領域52を露光によって作成することを示す。次いで、この第1の領域は、スコロトロン62から第1の極性を有する電荷を受け取る。次いで、乾燥フィルムのレジストは、第2のUV光の露光を受け、第2の低伝導性領域70を作成する。次いで、この第2の領域は、スコロトロン64から反対の極性を有する電荷を受け取る。
【0025】
この様式で、ウエハを個々のチップに分ける前または分けた後に、マイクロチップ表面に電荷パターンを作成することができる。使用する技術は、スコロトロンまたはコロトロンによる帯電、摩擦帯電のいずれかを用いるか、または帯電した物質を塗布することによる半導体加工プロセスと適合性である。次いで、直接的に、またはこれらの物質と、チップの「インク」の周囲にある流体との相互作用によって間接的に自由電荷が発生してもよい。電荷パターンは、マイクロチップを並べ、組織化し、整列させて大きな回路にする自動化システムで使用可能な情報を含んでいる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16