【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1枚の布で作られたハンモックは、通気性が良く体の熱を容易に放出するので、気温の高い環境で屋外だけでなく屋内で家具として使用することは冷房コスト等の削減になる。また、空中に浮いているので、ベッド(寝具)の上などで使用すれば、家庭内スペースの有効活用となる。
また、ハンモックの形態にこだわらず、空中に浮かす形態のイスができれば、ベッド(寝具)の上などで使用し、家庭内スペースの有効活用となる。
従来のハンモックは、
図11に示したごとく通常2点の支点で吊り下げられ、中央部が最も下がった形状から逸脱することはできない。これでは、家庭内でイスとして使用、または限られたスペース内での水平に横になれる就寝用として使用する場合において、通常の家具と同等の快適性を有する家具として使用することは困難である。
また、従来のハンモックは、
図11に示したごとく、2点の吊り下げを紐で行っており、
限られたスペースで使用するとき、この紐用にスペースがとられ理想的なハンモックの設置が行えない。
【0005】
本発明は、ハンモックを吊り下げる支点の数を従来の2点から増加させて簡単な機構を付加することにより、ハンモックをイスまたは就寝用の家具として、その快適性を向上させることを目的とする。
また、同等の目的で、ハンモックの形態以外の吊り下げイスの発明を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1により、本発明の4支点吊り下げ式布イスの基本形態について説明する。布イス本体(1)は、サイドロープ取り付けバンド(2)を介して一対のサイドロープ(4l、4r)と、円筒型頭載せフレーム(3)を介して一対の円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)、計4本のロープによって吊り下げられている。サイドロープ(4l、4r)は、頭側上支点(6a)と足側下支点(6b)につながれており、円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)は、頭側上支点(6a)と円筒型頭載せフレーム(3)の端につながれている。一対の頭側上支点(6a)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b) の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。
図2に布イス本体(1)を展開した図を示す。長方形の母体布(7)の足側の端の両サイドの位置において、サイドロープ取り付けバンド(2)の一方の端と母体布(7)の裏側を補強ラバー(8)を介して縫合により接合し、サイドロープ取り付けバンド(2)の他方の端と母体布(7)の表側を縫合により接合された補強ラバー(8)を介して縫合により接合されたマジックテープ(登録商標)(9)を使用して接合するようにする。これでできたサイドロープ取り付けバンド(2)の輪っかにサイドロープ(4l、4r)を通して使用する。長方形の母体布(7)の頭側の端は、アコーディオン状に折り曲げて円筒型頭載せフレーム(3)の長さに合わせる(折り曲げ部(12))。これを、円筒型頭載せフレーム通し穴(10)ができるよう折り曲げ縫合する(縫合部(11))。
【0007】
図3により、本発明の5支点布ハンモックの基本形態について説明する。布ハンモック本体(13)は、サイドロープ取り付けバンド(2)を介して一対のサイドロープ(4l、4r)と、頭側取り付けバンド(14l)を介して頭側吊り下げロープ(16)、計3本のロープ、及び頭側取り付けバンド(14r)を介して頭側下支点(6c)、及び足側取り付けバンド(15)を介して足側チェーン(17)によって吊り下げられている。サイドロープ(4l、4r)は、
図1と同様、頭側上支点(6a)と 足側下支点(6b)につながれており、頭側吊り下げロープ(16)は、頭側上支点(6a)と頭側取り付けバンド(14l)につながれている。足側チェーン(17)は、両足側下支点(6b)につながれている。
図1と同様に、一対の頭側上支点(6a)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b) の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。頭側下支点(6c)は、一方の頭側上支点(6a)の真下に位置する。
図4に布ハンモック本体(13)を展開した図を示す。長方形の母体布(7)の中央部両サイドの位置に、サイドロープ取り付けバンド(2)の一方の端と母体布(7)の裏側を補強ラバー(8)を介して縫合により接合し、サイドロープ取り付けバンド(2)の他方の端と母体布(7)の表側を縫合により接合された補強ラバー(8)を介して縫合により接合されたマジックテープ(登録商標)(9)を使用して接合する。これでできたサイドロープ取り付けバンド(2)の輪っかにサイドロープ(4l、4r)を通して使用する。長方形の母体布(7)の頭側両角部の位置に、頭側取り付けバンド(14l、14r)の両端をそれぞれ母体布(7)の表側および裏側に補強ラバー(8)を介して縫合またはマジックテープ(登録商標)を用いて接合し、頭側取り付けバンド(14l、14r)の輪っかを作る。頭側取り付けバンド(14l)の輪っかは頭側吊り下げロープ(16)との結合に使用され、頭側取り付けバンド(14r)の輪っかは頭側下支点(6c)との結合に使用される。長方形の母体布(7)の足側の端は、足側取り付けバンド(15)の両端をそれぞれ母体布(7)の表側および裏側を縫合またはマジックテープ(登録商標)を用いて接合し、足側取り付けバンド(15)の輪っかを作る。この輪っかが足側チェーン(17)との結合に使用される。
【0008】
図5により本発明の4支点吊り下げ式布イスの耐久性向上、コスト削減方法について説明する。
図1では2本の円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)が円筒型頭載せフレーム(3)の両端につながった構造であるが、円筒型頭載せフレーム(3)を円鋼管にして金属製頭側チェーン(27)をその管の中に通し、これを
図1の円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)として使用する。また、円鋼管製の円筒型頭載せフレーム(3)が 金属製頭側チェーン(27)の中心位置からずれないようにストッパー(28)を取り付ける。これにより耐久性の向上とコストの削減ができる。
【0009】
図12により、本発明の4支点吊り下げ式枠イスの基本形態について説明する。枠イス座席(29)は、一対の足側枠イス座席吊下げチェーン(30b)と枠イス座席吊下げチェーンサイドロープ連結フック(31)を介して一対のサイドロープ(4l、4r)と、一対の頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)を介して金属製頭側チェーン(27)によって吊り下げられている。サイドロープ(4l、4r)は、頭側上支点(6a)と足側下支点(6b)につながれており、金属製頭側チェーン(27)の両端は、一対の頭側上支点(6a)につながれている。
図1、
図3と同様に、一対の頭側上支点(6a)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b) の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。背もたれ(32)が、金属製頭側チェーン(27)と一対の頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)でできたフレームに固定されている。このチェーンのフレームについて、
図13の4支点吊り下げ式枠イスの背もたれを外した斜視図で説明する。金属製頭側チェーン(27)の中央部には、
図5と同様に鋼管製の円筒型頭載せフレーム(3)が金属製頭側チェーン(27)を中に通して配置されており、円筒型頭載せフレーム(3)の両端外側の金属製頭側チェーン(27)にチェーン連結フック(33)により、各頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)が繋がれている。また、両頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)の同水平位置にチェーン連結フック(33)により、背もたれ固定チェーン(34)が繋がれており、その背もたれ固定チェーン(34)を中に通して背もたれ固定円筒管(35)を配置する。背もたれ(32)は、これらの円筒型頭載せフレーム(3)および背もたれ固定円筒管(35)に固定される。
図14により枠イス座席(29)について説明する。鋼管製の4本の座席フレーム(36)はフックの付いた4個の座席フレームジョイント(37)によって長方形に繋がれる。座席フレームジョイント(37)のフックは、
図12の枠イス座席吊下げチェーン(30a、30b)と繋がれる。任意枚数の座席横バンド(38)と座席縦バンド(39)は、織物等のフレキシブルな材料で作られたバンドの両端を曲げ、座席バンド縫合部(40) を縫合し、座席フレーム通し輪(41)を作る。座席横バンド(38)の両端の座席フレーム通し輪(41)間の距離は座席フレーム(36)でできた長方形フレームの横方向の距離、座席縦バンド(39)の両端の座席フレーム通し輪(41)間の距離は座席フレーム(36)でできた長方形フレームの縦方向の距離に合わせる。座席フレーム通し輪(41)に座席フレーム(36)を通し、座席横バンド(38)は座席フレーム(36)でできた長方形フレームの横方向に、座席縦バンド(39)は縦方向に並べて配置される。座席横バンド(38)と座席横バンド(39)の重なりは、隣りどうしが交互に上下になるように配置される。
【0010】
図5、
図6、
図15により、ハンモックへの乗降時の利便性の改善やリクライニング調整を目的とした本発明の4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、および4支点吊り下げ式枠イスの昇降機能について説明する。
サイドロープ(4l、4r)を引っ張ることによりハンモック本体や枠イス座席を上昇させ、緩めることによりハンモック本体や枠イス座席を下降させるメカニズムであり、本発明の4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、および4支点吊り下げ式枠イスで同じ機構である。サイドロープ(4l)は、同サイドの頭側上支点(6a)に設置された滑車(18a)と反対サイドの頭側上支点(6a)に設置された滑車(18b)を介してサイドロープ共通引っ張り動支点(19)に至る。サイドロープ(4r)は、同サイドの頭側上支点(6a)に設置された滑車(18c)を介してサイドロープ共通引っ張り動支点(19)に至る。このサイドロープ共通引っ張り動支点(19)の位置で、サイドロープ(4l)とサイドロープ(4r)を同時に同距離だけ引っ張ったり緩めたりすることが出来るので、左右対称な昇降が可能となる。
【0011】
図7、
図8、
図16により、本発明の4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、および4支点吊り下げ式枠イスを昇降させるためのロープ巻き取り機構について説明する。
動滑車式巻き上げ機(20)の一方の端に、サイドロープ共通引っ張り動支点(19)の位置でサイドロープ(4l)およびサイドロープ(4r)を結び付ける。動滑車式巻き上げ機(20)の他方の端は足側上支点(21)に固定する。動滑車式巻き上げ機(20)の引き綱(22)は、引綱用支点(23)に固定された滑車(18d)を介してウインチ(24)に至る。ウインチ(24)は人が回しやすい位置にセットされる。ウインチ(24)を回して引き綱(22)を巻き取ることにより動滑車式巻き上げ機(20)が収縮され、サイドロープ(4l、4r)が引っ張られハンモック本体や枠イス座席が上昇し、ウインチ(24)のロックによりその位置に保持される。ウインチ(24)をロック解除することにより引き綱(22)が緩められ、人の重みにより動滑車式巻き上げ機(20)が伸びて、ハンモック本体や枠イス座席が下降する。
【0012】
図17により、本発明の4支点簡易布ハンモックについて説明する。簡易布ハンモック本体(42)は、フレキシブルな高分子樹脂製の保護ホース(43)を介して、一対の簡易布ハンモック用チェーン(44)により吊り下げられている。一方の簡易布ハンモック用チェーン(44)の両端は一対の足側下支点(6b)に、他方の簡易布ハンモック用チェーン(44)の両端は一対の頭側下支点(6c)に繋がれている。2点の足側下支点(6b)と2点の頭側下支点(6c)は同一水平面上にあり、一対の足側下支点(6b)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。
図18に簡易布ハンモック本体の展開図を示す。長方形の母体布(7)の両端を折り曲げ、縫合ライン(46)に沿って縫合する。これでできた簡易布ハンモック留め輪(45)の中に
図17の簡易布ハンモック用チェーン(44)を通し使用する。