特許第6279871号(P6279871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279871
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】ハンモック
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/22 20060101AFI20180205BHJP
   A45F 3/26 20060101ALI20180205BHJP
   A47C 9/10 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   A45F3/22
   A45F3/26
   A47C9/10 Z
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-208673(P2013-208673)
(22)【出願日】2013年10月3日
(65)【公開番号】特開2015-16286(P2015-16286A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年5月27日
(31)【優先権主張番号】特願2013-126179(P2013-126179)
(32)【優先日】2013年6月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】710008464
【氏名又は名称】川口 潔
(72)【発明者】
【氏名】川口 潔
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05860175(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/22
A45F 3/26
A47C 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠イス座席と、一対の足側枠イス座席吊下げチェーンと、一対のサイドロープと、一対の頭側枠イス座席吊下げチェーンと、金属製頭側チェーンと、背もたれと、を備え、
前記枠イス座席は、一対の前記足側枠イス座席吊下げチェーンと枠イス座席吊下げチェーンサイドロープ連結フックを介して一対の前記サイドロープと、一対の前記頭側枠イス座席吊下げチェーンとチェーン連結フックを介して前記金属製頭側チェーンによって吊り下げられており
前記サイドロープは、頭側上支点と足側下支点につながれており、
前記金属製頭側チェーンの両端は、一対の前記頭側上支点につながれており、一対の前記頭側上支点の2点を結んだ直線の中点を通る、直線に垂直な平面は、一対の前記足側下支点の2点を結んだ直線の中点を通る、直線に垂直な平面と同一であって、この平面は地面に垂直であり
前記金属製頭倒チェーンの中央部には、鋼管製の円筒型頭載せフレームが前記金属製頭側チェーンを中に通して配置されており、前記円筒型頭載せフレームの両端外側の前記金属製頭側チェーン部に前記頭側枠イス座席吊下げチェーンが前記チェーン連結フックによって繋がれており
一対の前記頭側枠イス座席吊下げチェーンの同水平位置にチェーン連結フックにより、背もたれ固定チェーンが繋がれており、前記背もたれ固定チェーンを中に通して背もたれ固定円筒管を配置しており
前記背もたれは、これらの前記円筒型頭載せフレームおよび前記背もたれ固定円筒管に固定され
前記枠イス座席は、4本の座席フレームと4個の座席フレームジョイントと任意枚数の座席横バンドと座席縦バンドで構成されており、鋼管製の4本の前記座席フレームはフックの付いた4個の前記座席フレームジョイントによって長方形に繋がれそれぞれの前記座席フレームジョイントに付いたフックは一対の前記足側枠イス座席吊下げチェーンと一対の前記頭側枠イス座席吊下げチェーンに繋がれ、任意枚数の前記座席横バンドと前記座席縦バンドは、織物等のフレキシブルな材料で作られたバンドの両端を曲げ、座席バンド縫合部を縫合し、座席フレーム通し輪が作られ前記座席フレーム通し輪に前記座席フレームを通し、前記座席横バンドは前記座席フレームでできた長方形フレームの横方向に、前記座席縦バンドは縦方向に並べて配置され前記座席横バンドと前記座席縦バンドの重なりは、隣りどうしが交互に上下になるように配置されており
前記枠イス座席を収納する際は、一対の前記枠イス座席吊下げチェーンサイドロープ連結フックを前記サイドロープから外して前記金属製頭側チェーンの適当な位置に取り付け、前記座席フレームと前記背もたれ部が重なるよう折り曲げて収納されることを特徴とする、4支点吊り下げ式のイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イスおよび就寝用としての快適性を追求した新方式のハンモックに関する。
【背景技術】
【0002】
図11により従来のハンモックについて説明する。ハンモックは人を乗せる布製のハンモック本体と、これを空中で浮かせるために、固定された2点の支点に取り付けるためのハンモック本体の両端に連結された一対の吊り下げロープによって構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2010−173235
【特許文献2】特願2012−030693
【特許文献3】特願2013−126179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1枚の布で作られたハンモックは、通気性が良く体の熱を容易に放出するので、気温の高い環境で屋外だけでなく屋内で家具として使用することは冷房コスト等の削減になる。また、空中に浮いているので、ベッド(寝具)の上などで使用すれば、家庭内スペースの有効活用となる。
また、ハンモックの形態にこだわらず、空中に浮かす形態のイスができれば、ベッド(寝具)の上などで使用し、家庭内スペースの有効活用となる。
従来のハンモックは、図11に示したごとく通常2点の支点で吊り下げられ、中央部が最も下がった形状から逸脱することはできない。これでは、家庭内でイスとして使用、または限られたスペース内での水平に横になれる就寝用として使用する場合において、通常の家具と同等の快適性を有する家具として使用することは困難である。
また、従来のハンモックは、図11に示したごとく、2点の吊り下げを紐で行っており、
限られたスペースで使用するとき、この紐用にスペースがとられ理想的なハンモックの設置が行えない。
【0005】
本発明は、ハンモックを吊り下げる支点の数を従来の2点から増加させて簡単な機構を付加することにより、ハンモックをイスまたは就寝用の家具として、その快適性を向上させることを目的とする。
また、同等の目的で、ハンモックの形態以外の吊り下げイスの発明を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図1により、本発明の4支点吊り下げ式布イスの基本形態について説明する。布イス本体(1)は、サイドロープ取り付けバンド(2)を介して一対のサイドロープ(4l、4r)と、円筒型頭載せフレーム(3)を介して一対の円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)、計4本のロープによって吊り下げられている。サイドロープ(4l、4r)は、頭側上支点(6a)と足側下支点(6b)につながれており、円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)は、頭側上支点(6a)と円筒型頭載せフレーム(3)の端につながれている。一対の頭側上支点(6a)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b) の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。図2に布イス本体(1)を展開した図を示す。長方形の母体布(7)の足側の端の両サイドの位置において、サイドロープ取り付けバンド(2)の一方の端と母体布(7)の裏側を補強ラバー(8)を介して縫合により接合し、サイドロープ取り付けバンド(2)の他方の端と母体布(7)の表側を縫合により接合された補強ラバー(8)を介して縫合により接合されたマジックテープ(登録商標)(9)を使用して接合するようにする。これでできたサイドロープ取り付けバンド(2)の輪っかにサイドロープ(4l、4r)を通して使用する。長方形の母体布(7)の頭側の端は、アコーディオン状に折り曲げて円筒型頭載せフレーム(3)の長さに合わせる(折り曲げ部(12))。これを、円筒型頭載せフレーム通し穴(10)ができるよう折り曲げ縫合する(縫合部(11))。
【0007】
図3により、本発明の5支点布ハンモックの基本形態について説明する。布ハンモック本体(13)は、サイドロープ取り付けバンド(2)を介して一対のサイドロープ(4l、4r)と、頭側取り付けバンド(14l)を介して頭側吊り下げロープ(16)、計3本のロープ、及び頭側取り付けバンド(14r)を介して頭側下支点(6c)、及び足側取り付けバンド(15)を介して足側チェーン(17)によって吊り下げられている。サイドロープ(4l、4r)は、図1と同様、頭側上支点(6a)と 足側下支点(6b)につながれており、頭側吊り下げロープ(16)は、頭側上支点(6a)と頭側取り付けバンド(14l)につながれている。足側チェーン(17)は、両足側下支点(6b)につながれている。図1と同様に、一対の頭側上支点(6a)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b) の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。頭側下支点(6c)は、一方の頭側上支点(6a)の真下に位置する。図4に布ハンモック本体(13)を展開した図を示す。長方形の母体布(7)の中央部両サイドの位置に、サイドロープ取り付けバンド(2)の一方の端と母体布(7)の裏側を補強ラバー(8)を介して縫合により接合し、サイドロープ取り付けバンド(2)の他方の端と母体布(7)の表側を縫合により接合された補強ラバー(8)を介して縫合により接合されたマジックテープ(登録商標)(9)を使用して接合する。これでできたサイドロープ取り付けバンド(2)の輪っかにサイドロープ(4l、4r)を通して使用する。長方形の母体布(7)の頭側両角部の位置に、頭側取り付けバンド(14l、14r)の両端をそれぞれ母体布(7)の表側および裏側に補強ラバー(8)を介して縫合またはマジックテープ(登録商標)を用いて接合し、頭側取り付けバンド(14l、14r)の輪っかを作る。頭側取り付けバンド(14l)の輪っかは頭側吊り下げロープ(16)との結合に使用され、頭側取り付けバンド(14r)の輪っかは頭側下支点(6c)との結合に使用される。長方形の母体布(7)の足側の端は、足側取り付けバンド(15)の両端をそれぞれ母体布(7)の表側および裏側を縫合またはマジックテープ(登録商標)を用いて接合し、足側取り付けバンド(15)の輪っかを作る。この輪っかが足側チェーン(17)との結合に使用される。
【0008】
図5により本発明の4支点吊り下げ式布イスの耐久性向上、コスト削減方法について説明する。図1では2本の円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)が円筒型頭載せフレーム(3)の両端につながった構造であるが、円筒型頭載せフレーム(3)を円鋼管にして金属製頭側チェーン(27)をその管の中に通し、これを図1の円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ(5)として使用する。また、円鋼管製の円筒型頭載せフレーム(3)が 金属製頭側チェーン(27)の中心位置からずれないようにストッパー(28)を取り付ける。これにより耐久性の向上とコストの削減ができる。
【0009】
図12により、本発明の4支点吊り下げ式枠イスの基本形態について説明する。枠イス座席(29)は、一対の足側枠イス座席吊下げチェーン(30b)と枠イス座席吊下げチェーンサイドロープ連結フック(31)を介して一対のサイドロープ(4l、4r)と、一対の頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)を介して金属製頭側チェーン(27)によって吊り下げられている。サイドロープ(4l、4r)は、頭側上支点(6a)と足側下支点(6b)につながれており、金属製頭側チェーン(27)の両端は、一対の頭側上支点(6a)につながれている。図1図3と同様に、一対の頭側上支点(6a)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b) の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。背もたれ(32)が、金属製頭側チェーン(27)と一対の頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)でできたフレームに固定されている。このチェーンのフレームについて、図13の4支点吊り下げ式枠イスの背もたれを外した斜視図で説明する。金属製頭側チェーン(27)の中央部には、図5と同様に鋼管製の円筒型頭載せフレーム(3)が金属製頭側チェーン(27)を中に通して配置されており、円筒型頭載せフレーム(3)の両端外側の金属製頭側チェーン(27)にチェーン連結フック(33)により、各頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)が繋がれている。また、両頭側枠イス座席吊下げチェーン(30a)の同水平位置にチェーン連結フック(33)により、背もたれ固定チェーン(34)が繋がれており、その背もたれ固定チェーン(34)を中に通して背もたれ固定円筒管(35)を配置する。背もたれ(32)は、これらの円筒型頭載せフレーム(3)および背もたれ固定円筒管(35)に固定される。図14により枠イス座席(29)について説明する。鋼管製の4本の座席フレーム(36)はフックの付いた4個の座席フレームジョイント(37)によって長方形に繋がれる。座席フレームジョイント(37)のフックは、図12の枠イス座席吊下げチェーン(30a、30b)と繋がれる。任意枚数の座席横バンド(38)と座席縦バンド(39)は、織物等のフレキシブルな材料で作られたバンドの両端を曲げ、座席バンド縫合部(40) を縫合し、座席フレーム通し輪(41)を作る。座席横バンド(38)の両端の座席フレーム通し輪(41)間の距離は座席フレーム(36)でできた長方形フレームの横方向の距離、座席縦バンド(39)の両端の座席フレーム通し輪(41)間の距離は座席フレーム(36)でできた長方形フレームの縦方向の距離に合わせる。座席フレーム通し輪(41)に座席フレーム(36)を通し、座席横バンド(38)は座席フレーム(36)でできた長方形フレームの横方向に、座席縦バンド(39)は縦方向に並べて配置される。座席横バンド(38)と座席横バンド(39)の重なりは、隣りどうしが交互に上下になるように配置される。
【0010】
図5図6図15により、ハンモックへの乗降時の利便性の改善やリクライニング調整を目的とした本発明の4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、および4支点吊り下げ式枠イスの昇降機能について説明する。
サイドロープ(4l、4r)を引っ張ることによりハンモック本体や枠イス座席を上昇させ、緩めることによりハンモック本体や枠イス座席を下降させるメカニズムであり、本発明の4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、および4支点吊り下げ式枠イスで同じ機構である。サイドロープ(4l)は、同サイドの頭側上支点(6a)に設置された滑車(18a)と反対サイドの頭側上支点(6a)に設置された滑車(18b)を介してサイドロープ共通引っ張り動支点(19)に至る。サイドロープ(4r)は、同サイドの頭側上支点(6a)に設置された滑車(18c)を介してサイドロープ共通引っ張り動支点(19)に至る。このサイドロープ共通引っ張り動支点(19)の位置で、サイドロープ(4l)とサイドロープ(4r)を同時に同距離だけ引っ張ったり緩めたりすることが出来るので、左右対称な昇降が可能となる。
【0011】
図7図8図16により、本発明の4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、および4支点吊り下げ式枠イスを昇降させるためのロープ巻き取り機構について説明する。
動滑車式巻き上げ機(20)の一方の端に、サイドロープ共通引っ張り動支点(19)の位置でサイドロープ(4l)およびサイドロープ(4r)を結び付ける。動滑車式巻き上げ機(20)の他方の端は足側上支点(21)に固定する。動滑車式巻き上げ機(20)の引き綱(22)は、引綱用支点(23)に固定された滑車(18d)を介してウインチ(24)に至る。ウインチ(24)は人が回しやすい位置にセットされる。ウインチ(24)を回して引き綱(22)を巻き取ることにより動滑車式巻き上げ機(20)が収縮され、サイドロープ(4l、4r)が引っ張られハンモック本体や枠イス座席が上昇し、ウインチ(24)のロックによりその位置に保持される。ウインチ(24)をロック解除することにより引き綱(22)が緩められ、人の重みにより動滑車式巻き上げ機(20)が伸びて、ハンモック本体や枠イス座席が下降する。
【0012】
図17により、本発明の4支点簡易布ハンモックについて説明する。簡易布ハンモック本体(42)は、フレキシブルな高分子樹脂製の保護ホース(43)を介して、一対の簡易布ハンモック用チェーン(44)により吊り下げられている。一方の簡易布ハンモック用チェーン(44)の両端は一対の足側下支点(6b)に、他方の簡易布ハンモック用チェーン(44)の両端は一対の頭側下支点(6c)に繋がれている。2点の足側下支点(6b)と2点の頭側下支点(6c)は同一水平面上にあり、一対の足側下支点(6b)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面は、一対の足側下支点(6b)の2点を結んだ直線の中点を通る直線に垂直な平面と同一であり、この平面は地面に垂直である。図18に簡易布ハンモック本体の展開図を示す。長方形の母体布(7)の両端を折り曲げ、縫合ライン(46)に沿って縫合する。これでできた簡易布ハンモック留め輪(45)の中に図17の簡易布ハンモック用チェーン(44)を通し使用する。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、4支点吊り下げ式布イスの形態よって母体布(7)1枚から快適なイスとしてのハンモックが実現できる。また、5支点布ハンモックの形態によって母体布(7)1枚から、限られたスペースでも水平で快適な就寝用ハンモックが実現できる。また、4支点吊り下げ式枠イスにより、通常と同じ形態のイスを吊下げ方式で使用できる。また、上述した昇降機構およびロープ巻き取り機構を付加することによって、4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、または4支点吊り下げ式枠イスへの人間の乗降動作が簡便になる。また、4支点簡易布ハンモックにより、母体布(7)1枚から、限られたスペースでも使用できる非常に簡単な構造のハンモックを実現することができた。また、これらのハンモック等では、各支点(6a、6b、6c)、サイドロープ(4l、4r)、昇降機構、及びロープ巻き取り機構等が共通して使用できるので、ハンモック本体または枠イスのみの取り換えにより同じ環境で使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の4支点吊り下げ式布イスの斜視図
図2】本発明の4支点吊り下げ式布イスの布イス本体の展開斜視図
図3】本発明の5支点布ハンモックの斜視図
図4】本発明の5支点布ハンモックの布ハンモック本体の展開斜視図
図5】本発明の昇降機構が付加された4支点吊り下げ式布イスの斜視図
図6】本発明の昇降機構が付加された5支点布ハンモックの斜視図
図7】本発明の昇降機構およびロープ巻取り機構が付加された4支点吊り下げ式布イスの斜視図
図8】本発明の昇降機構およびロープ巻取り機構が付加された5支点布ハンモックの斜視図
図9図7の本発明品がハンモックスタンド及びベッドに設置され、これに人が乗ったときの斜視図
図10図8の本発明品がハンモックスタンド及びベッドに設置され、これに人が乗ったときの斜視図
図11】従来のハンモックの斜視図
図12】本発明の4支点吊り下げ式枠イスの斜視図
図13】本発明の4支点吊り下げ式枠イスの背もたれを外した斜視図
図14】本発明の4支点吊り下げ式枠イスの枠イス座席分解斜視図
図15】本発明の昇降機構が付加された4支点吊り下げ式枠イスの斜視図
図16】本発明の昇降機構およびロープ巻取り機構が付加された4支点吊り下げ式枠イスの斜視図
図17】本発明の4支点簡易布ハンモックの斜視図
図18】本発明の4支点簡易布ハンモックの簡易布ハンモック本体の展開斜視図
図19図16の本発明品がハンモックスタンド及びベッドに設置され、これに人が乗ったときの斜視図
図20図17の本発明品がハンモックスタンド及びベッドに設置され、これに人が乗ったときの斜視図
図21】ハンモックスタンド及びベッドに設置された本発明の4支点簡易布ハンモックの収納形態を示した斜視図
図22】本発明の要約説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図9,10,19,20,21に基づいて説明する。
【0016】
図9はベッド(26)に設置されたハンモックスタンド(25)に本発明の4支点吊り下げ式布イスと昇降機構とロープ巻取り機構をセットした図である。ハンモックスタンド(25)には各支点(6a,6b,21,23)に対応する位置にフックが有り、各ロープ、チェーン、滑車が取り付けられるようになっている。ウインチ(24)を緩めた時、4支点吊り下げ式布イスの布イス本体(1)がベッド(26)に付く様、サイドロープ(4l、4r)および金属製頭側チェーン(27)の長さを調整する。人は、布イス本体(1)がベッド(26)に付いた状態でイスに座り、ウインチ(24)を回して引き綱(22)を巻き取ることにより布イス本体(1)を上昇させ、適当な高さでウインチ(24)をロックしその位置を保持する。降りる時は、ウインチ(24)のロックを解除すると人の重みで自然に布イス本体(1)が下降し、ベッド(26)に付いたところで降りる。
【0017】
図10はベッド(26)に設置されたハンモックスタンド(25)に本発明の5支点布ハンモックと昇降機構とロープ巻取り機構をセットした図である。ハンモックスタンド(25)には各支点(6a,6b,6c,21,23)に対応する位置にフックが有り、各ロープ、チェーン、滑車が取り付けられるようになっている。ウインチ(24)を緩めた時、5支点布ハンモックの布ハンモック本体(13)がベッド(26)に付く様、サイドロープ(4l、4r)の長さを調整する。人は、布ハンモック本体(13)がベッド(26)に付いた状態でハンモックに横になり、ウインチ(24)を回して引き綱(22)を巻き取ることにより布ハンモック本体(13)を上昇させ、適当な高さでウインチ(24)をロックしその位置を保持する。降りる時は、ウインチ(24)のロックを解除すると人の重みで自然に布ハンモック本体(13)が下降しベッド(26)に付いたところで降りる。本発明の5支点布ハンモックの特徴として、2点の頭側上支点(6a)および2点の足側下支点(6b)を地面に垂直に投影した4点を結んだ長方形の領域内において、布ハンモック本体(13)が占める領域と何も無い領域を意図的に作っている。図10の中では、何も無い領域はベッド(26)の手前側に対応するが、人の乗降時にこの何も無い領域のベッド(26)を足場として行う。
【0018】
図19はベッド(26)に設置されたハンモックスタンド(25)に本発明の4支点吊り下げ式枠イスと昇降機構とロープ巻取り機構をセットした図である。ハンモックスタンド(25)には各支点(6a,6b,21,23)に対応する位置にフックが有り、各ロープ、チェーン、滑車が取り付けられるようになっている。ウインチ(24)によるサイドロープ(4l、4r)の調整、枠イス座席吊下げチェーン(30a、30b)の長さを調整することにより、枠イス座席(29)を水平にさせる。人は、ベッド(26)への乗降時にサイドロープ(4l、4r)が邪魔になるため、ウインチ(24)でサイドロープ(4l、4r)を下げてその上を通る。4支点吊り下げ式枠イスに座る時、ウインチ(24)でサイドロープ(4l、4r)を上げて適当な高さでウインチ(24)をロックしその位置を保持させて座る。
【0019】
図20はベッド(26)に設置されたハンモックスタンド(25)に本発明の4支点簡易布ハンモックをセットした図である。ハンモックスタンド(25)には各支点(6a,6c)に対応する位置にフックが有り、一対の簡易布ハンモック用チェーン(44)が取り付けられるようになっている。
【0020】
図9の4支点吊り下げ式布イスを使用しない時は、両サイドロープ取り付けバンド(2)のマジックテープ(登録商標)(9)を剥がしてサイドロープ(4l、4r)から外すことにより、ハンモックスタンド(25)の頭側の端に吊り下げたまま収納できる。また、使用する時は、両サイドロープ取り付けバンド(2)を各サイドロープ(4l、4r)に巻いてマジックテープ(登録商標)(9)で接合し使用する。図10の5支点布ハンモックを使用しない時は、サイドロープ取り付けバンド(2)のマジックテープ(登録商標)(9)を剥がすことによるサイドロープ(4l、4r)からの取り外しと頭側取り付けバンド(14l、14r)部の取り外しで、ハンモックスタンド(25)の足側の端に吊り下げたまま収納できる。また、使用する時は、両サイドロープ取り付けバンド(2)を各サイドロープ(4l、4r)に巻いてマジックテープ(登録商標)(9)で接合することと頭側取り付けバンド(14l、14r)部を取り付けることにより使用する。
図21に4支点吊り下げ式枠イスの収納図を示す。4支点吊り下げ式枠イスを使用しない時は、枠イス座席吊下げチェーンサイドロープ連結フック(31)をサイドロープ(4l、4r)から外して金属製頭側チェーン(27)の適当な位置に取り付けるという簡単な作業によって、図21のごとくスペースを取らない収納ができる。
図20の4支点簡易布ハンモックを使用しない時は、一方の簡易布ハンモック用チェーン(44)の片側を支点((6a)または(6c))から外し、そこから簡易布ハンモック留め輪(45)を取り外す。簡易布ハンモック本体(42)は、そのまま他方の簡易布ハンモック用チェーン(44)に掛けたままにして収納する。
以上の簡単な作業で取り換えることにより、同じ環境で4支点吊り下げ式布イス、5支点布ハンモック、4支点吊り下げ式枠イス、および4支点簡易布ハンモックが使用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 布イス本体
2 サイドロープ取り付けバンド
3 円筒型頭載せフレーム
4l、4r サイドロープ
5 円筒型頭載せフレーム吊り下げロープ
6a 頭側上支点
6b 足側下支点
6c 頭側下支点
7 母体布
8 補強ラバー
9 マジックテープ(登録商標)
10 円筒型頭載せフレーム通し穴
13 布ハンモック本体
14l、14r 頭側取り付けバンド
15 足側取り付けバンド
16 頭側吊り下げロープ
17 足側チェーン
18a、18b、18c、18d 滑車
19 サイドロープ共通引っ張り動支点
20 動滑車式巻き上げ機
21 足側上支点
22 引き綱
23 引き綱用支点
24 ウインチ
27 金属製頭側チェーン
28 ストッパー
29 枠イス座席
30a 頭側枠イス座席吊下げチェーン
30b 足側枠イス座席吊下げチェーン
31 枠イス座席吊下げチェーンサイドロープ連結フック
32 背もたれ
33 チェーン連結フック
34 背もたれ固定チェーン
35 背もたれ固定円筒管
36 座席フレーム
37 座席フレームジョイント
38 座席横バンド
39 座席縦バンド
40 座席バンド縫合部
41 座席フレーム通し輪
42 簡易布ハンモック本体
43 保護ホース
44 簡易布ハンモック用チェーン
45 簡易布ハンモック留め輪
46 縫合ライン


図1
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