特許第6279901号(P6279901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 任▲徳堅▼の特許一覧

特許6279901自動予測式印刷カラー膜のスマートモニタリング方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279901
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】自動予測式印刷カラー膜のスマートモニタリング方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 33/00 20060101AFI20180205BHJP
   G01B 21/08 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   B41F33/00 238
   B41F33/00 246
   G01B21/08 101
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-500296(P2013-500296)
(86)(22)【出願日】2010年5月28日
(65)【公表番号】特表2013-528506(P2013-528506A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】CN2010000765
(87)【国際公開番号】WO2011147053
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2012年9月21日
【審判番号】不服2015-13275(P2015-13275/J1)
【審判請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】512048424
【氏名又は名称】任▲徳堅▼
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】任▲徳堅▼
(72)【発明者】
【氏名】任▲徳聡▼
【合議体】
【審判長】 黒瀬 雅一
【審判官】 藤本 義仁
【審判官】 吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−16196(JP,A)
【文献】 特開昭50−47706(JP,A)
【文献】 特開平9−201942(JP,A)
【文献】 特開平5−193118(JP,A)
【文献】 特開平8−54371(JP,A)
【文献】 特開平3−227240(JP,A)
【文献】 特開2009−107188(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/143647(WO,A1)
【文献】 特開2004−237521(JP,A)
【文献】 特開平8−267720(JP,A)
【文献】 特開平8−41369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 31/02
G01B 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め印刷カラー膜の厚さを制御することにより印刷工程の色値を制御する、自動予測式印刷カラー膜のモニタリング方法であって
前記方法は、
(a)顔料タンクから、適当量の顔料を均一化システム(52)に送り出し、該顔料を均一化してカラー膜を作る工程と、
(b)モニター(5)を操作して、サンプリング回転軸(9)上のカラー膜の各原色の厚さを測定し、測定された上記カラー膜の各原色の厚さに関するデータ情報を分析器(6)に送って、測定された上記カラー膜の各原色の厚さを、参照目標である事前設定された印刷カラー膜の各原色の厚さと比較し、印刷カラー膜の各原色の目標厚さを参照して、ニュートラルブラックの色値であるブラック「K」の値を予め設定し、前記ブラック「K」の値を、ニュートラルグレーと関連する原色・二次色で構成される色の組合せの色域に供給し、分析器(6)にて、上記ブラック「K」の値を用いてそれぞれの関連する色の組合せでのカラー膜の各原色の膜厚を正確に計算する工程と、
(c)前記比較及び計算の結果としてカラー膜の厚さの修正値を、分析器(6)から生産設備の制御台(7)までにリアルタイムに伝送し、前記均一化システムにより、顔料タンクからの顔料の供給をコントロールして、カラー膜の厚さを修正する工程と、
(d)上記(b)及び(c)工程を繰り返して行うことで、前記生産カラー膜の厚さを速やかに目標の範囲に制御し、最も狭い許容度範囲内に維持させ、持続的にカラー膜を受けるキャリア材料上に送って生産加工する工程と、
を含み、
上記工程(a)-(d)を繰り返して行い印刷カラー膜の厚さを制御することにより印刷工程の色値を制御し、
前記モニター(5)は、サンプリング回転軸(9)上から持続的に各色域の色値のデータを収集して、持続的に分析器(6)に供給し、各色域の色値を繰り返して調整する修正値をリアルタイムに得て、前記均一化システム(52)にて均一なカラー膜を作る
ことを特徴とする自動予測式印刷カラー膜のモニタリング方法
【請求項2】
前記モニター(5)と、前記サンプリング回転軸(9)と、データ変換システム(12)と、参照比較システム(6)と、生産制御システム(7)とからなる自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置において、
前記モニター(5)は軸(10)に取り付けられ、カラー膜の厚さをスキャニングして、サンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜の厚さのデータを読み取り、シグナルケーブル(11)によってデータ変換システム(12)に転送し、参照比較システム(6)によって生産制御システム(7)に 指令を発して、検出及び修正を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法を実施する自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項3】
モニター(5)と、参照比較システム(6)と、生産制御システム(7)と、データ変換システム(12)とを含む制御システムが設置されており、各生産ユニットにおいて、データ変換システム(12)によって、モニター(5)で得られたデータを参照比較システム(6)に送り、参照比較システム(6)で分析を行い、各生産ユニットにより加工されるカラー膜の厚さの調整案を決め、生産制御システム(7)により、繰り返して加工生産を制御することを特徴とする請求項2に記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項4】
生産の必要に応じる新しいモニタリング目標値を、マニュアル操作によって参照比較システム(6)に入力し、対応する調整とモニタリング操作をリアルタイムに行う請求項2に記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項5】
前記モニター(5)を、軸(10)方向に沿って往復に移動させ、サンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜をスキャニングしてその膜厚データを読み取ることを特徴とする請求項2に記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項6】
前記モニター(5)には、回転可能な方向検知プローブが取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項7】
前記モニター(5)は、軸(10)上に装着される反射装置又は類似機能パーツ(14)を90°の角度で測定方向を変えて、サンプリング軸(9)表面上に移動させることを特徴とする請求項2に記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項8】
前記モニター(5)は、複数の固定式モニターを取付けたものであり、その測定用プローブはサンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜をスキャニングしてその膜厚のデータを読み取ることを特徴とする請求項2に記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項9】
前記モニター(5)は機械式スキャナーまたは電磁式スキャナー、超音波式スキャナー、レーザー式スキャナー、光学式スキャナーであることを特徴とする請求項2から8までのいずれかに記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項10】
個別の生産のための色の組合せユニットのスキャナーを選択し、個別のカラー膜分析器(8)を利用して、当該生産のための色の組合せユニットにおいてカラー膜の厚さを繰り返して測定を行い、当該色域の色値状態をリアルタイムに分析して、顔料タンクに送って、色値の修正を行うことを特徴とする請求項2から8までのいずれかに記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項11】
機械型、電子型およびデジタル型生産設備と組み合わせて使用できることを特徴とする請求項2から10までのいずれかに記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【請求項12】
生産環境中の温度や、湿度などの物理密度の変化によって、生産されるカラー膜の厚さの調整に対して補正を行い、許容度誤差率をコントロールできる補正システムが設置されることを特徴とする請求項2から11までのいずれかに記載の自動予測式印刷カラー膜のモニタリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体カラー膜の生産を自動的にモニタリングする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
どうやって流体カラー膜の膜厚を正確且つ適当に設定するかは、技術課題として、数多くの業界の生産において注目されている。例えば、表装工業上のノリ薄膜の膜厚の設定や、食品工業上および各種顔料生産工業上の膜厚の設定などが課題となっている。食品工業において、安定なスラリーになるまで均一化して、全自動化生産ラインにて処理する時に、不適当な量でスラリーを加工炉の中に送って、一定の速度・温度で加工すると、結果として処理不足又は処理し過ぎになってしまい、ひいては火災になる可能性もある。表装工業において、ノリの使用量の設定も重要なポイントである。一般的に、ノリを塗ってから行う製造プロセスがかなり長いにもかかわらず、品管担当者は、生産完了後に限り、製品品質をチェックすることができる。よって、品質問題が起こった場合、チェックされるまでに生産している製品は、すでに不良な状態になって、コントロールできない程度のロスが発生してしまう。
【0003】
印刷工業において、カラー膜の膜厚を均一化することは、生産品質に繋がる重要なポイントの一つである。どうやって、適切な色値を正確に使って印刷するかということは、印刷業界のホットな話題となっている。現在、色値の調整は一般的に品管担当者の主観的な意志によって決められる。従来、色値調整は品管担当者の経験によって、トライアンドエラーの方法で色のバランスを取っていたが、品管担当者はかなり長い時間をかけて色値の調整を行わなければならないので、色値の修正の遅延を引き起こし、結果としてアンバランスな印刷となる。日常生活中に良く触れるのは、文房具である従来の印鑑の使用にあたって、印鑑表面において、スタンプ台からカラー膜を取得して紙上に捺印しなければならないことである。スタンプ台において、顔料が足りないと、カラー膜の膜厚が薄くなり、スタンプ画像も淡くなる。逆に、スタンプ台上の顔料が多すぎると、スタンプ画像が濃くなる。また、もし、スタンプ台において、一側に顔料が多くあり、もう一側に顔料が少なくなる場合、スタンプ画像は不均一になって不良捺印となる。そのため、毎度でも、トライアンドエラーの方法を使ってスタンプを試し、顔料の量が足りるかどうかを判断する。判断結果が良ければ、本番の捺印を行う。これは、印刷工業において、非常に難しい課題を解決するために良く使われるトライアンドエラー方法の例である。
【0004】
従来の印刷生産技術において、色値は、印刷済の紙から調整データを抽出することによって修正されており、品管担当者は、目視方式で、又は、従来の品質管理用カラーバーを走査することで、色値を調整する。但し、人工的に又は自動的に色域の色値を修正する方法の中で、いずれも、モニタリングされた製品をその場で分析し、色値修正の時間が遅れる。高速・大量の生産プロセスにおいて、修正が遅れる場合、大量の不良製品が製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明で解決しようとする課題は、どうやって、流体カラー膜の膜厚を正確且つ適切に自動的に設定・モニタリングする方法および装置を供給するかということである。印刷生産プロセスにおいて、このような自動予測式のモニタリング及び正確且つリアルタイムな色値の調整を行い、色域における色値を自動的に設定することで、最適な色値になってから伝送されて、生産を行うことにより、不要な時間や顔料のロスを減らすとともに、製品としての最高な品質を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
具体的に、本発明は、顔料を均一化して流体カラー膜を製作するプロセスにおいて、流体カラー膜の膜厚を測定することによって、顔料均一化の生産システムを自動的にコントロールする自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法である。
【0007】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法は、
顔料タンクから、適当量の顔料を均一化システム(52)に送り出して、均一にしてカラー膜を作り、サンプリング回転軸(9)に通させる工程と、
モニター(5)を操作して、サンプリング回転軸(9)上のカラー膜の膜厚を測定し、得られたデータ情報を分析器(6)に送って、設定された流体カラー膜の膜厚の参考値と比較する工程と、
分析器(6)により、カラー膜の修正値を、比較の結果として、生産設備制御台(7)にリアルタイムに伝送し、顔料均一化生産システムにより、顔料タンクからの顔料の供給をコントロールして、カラー膜の膜厚を修正する工程と、を備え、
カラー膜の膜厚が速やかに目標の範囲に入ると共に、最も狭い許容度範囲内に維持できるように、上記工程を繰り返して実行し、持続的にキャリア材料上へ送られて生産を行う。
【0008】
印刷用顔料も流体性材料の一種であり、顔料は均一化システムにて印刷カラー膜となり、また、印刷カラー膜の膜厚を量ることができる。当該カラー膜は、色値の測定媒質であり、これら色値のデータを利用して、均一化後の顔料の色値を分析する。
【0009】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法において、その流体カラー膜は印刷カラー膜とすることができる。
【0010】
本発明にかかる方法において、色値が均一に維持されているカラー膜を印刷紙面上にカバーさせる。このために、色域を正確に調整する必要がある。色域毎に、顔料タンクから十分な量の顔料を供給し、均一化システムを経てから印刷紙面上に転送し、印刷面積でカバーさせ、最後に、選択された材料上へ転写することが必要である。異なる印刷面積や色域には、異なる色値が必要である。優れた印刷品は、有効なバランス、生産の安定した顔料の供給および均一化システムを備える場合に限り、適当な顔料の分配を供給することができる。色値の調整には、印刷後の結果を使わなく、インク供給システムからのインクの供給を正確且つ持続的に調整し維持することは、もっとも理想的な目標である。
【0011】
本発明は自動予測式のものであり、流体カラー膜の膜厚を予め測定して、その色値を設定し、繰り返し式モニタリングおよびカラー膜の膜厚の誤差を最も狭い許容範囲内に維持しながら、応用システムに伝送して、生産を行い、その結果、出来上がった個々の製品はすべて最も優れた品質および最小の誤差許容度を達し、製品としての最終的な良品率を最も正確に予測することができる。
【0012】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法において、ニュートラルグレーバランス生産技術が用いられ、設定されたニュートラルブラックの色値であるブラック「K」を流体カラー膜の参照目標として、ニュートラルグレーと関連する色の組合せでの原色・二次色で構成される色の組合せの色域に供給し、分析器(6)にて、設定されたブラック「K」の値を利用して、それぞれと関連する生産のための色の組合せを算出し、お互いに組み合わせてカラー膜の膜厚を正確に決定し、均一化により、カラー膜が均一な状態になるように、顔料を供給してキャリア材料へ持続的に送って加工生産を行う。
【0013】
本発明に用いられるニュートラルグレーバランス生産技術は、国際出願番号PCT/CN2008/001021、PCT/CN2009/001490の特許文献に記載されているが、グレーバランス理論によれば、青となるシアン、赤となるマゼンタおよびイェローは、原色として、カラー印刷プロセスにてよく使われるものである。数多くの異なる量の三原色を組み合わせることによってカラーの画像になる。理論的に、等量の原色がお互いに結合されると、濃いブラックである「ニュートラルブラック」になる。「ニュートラルグレー」は等量の予め設定された網点の割合からなる。また、原色・二次色を組み合せて、例えば、その中の1種の原色と二次色とを組み合わせて、「ニュートラルグレー」になり、即ち、シアン+赤、マゼンタ+緑およびイェロー+青との組み合わせがある。そして、更なる次元の色域において、適当な組み合わせを通じても同じく「ニュートラルグレー」を形成することができる。
【0014】
本発明はニュートラルグレーバランス理論に基づくものであり、原色・二次色は既定の色値のバランス関係を持つため、正確な色値を供給することができ、必要とするカラー膜の膜厚を設定することができ、生産のための色の組合せのカラー膜の膜厚を自動的に予測や調整し、各色の組合せユニットに必要とするカラー膜の膜厚を自動的にモニタリングし、かつ、お互いにグレーバランス状態を維持することができる。本発明は多くの走査方法の利用に関するものであり、自動的に色値を繰り返して設定することにより調整を行い、印刷紙面上に均一に分配して、選択された材料上へ転写され、印刷領域において一致した色値/カラー膜の膜厚/色密度を得るように、生産を行う。
【0015】
本発明の自動的予測式の顔料供給方法では、カラー膜の膜厚を迅速且つ正確に設定して、印刷紙面に顔料を転送し、持続的な生産に使用することができ、その結果、個々の印刷紙面は均一性が高くなり、最小の誤差許容度が得られる。そのメリットは、設備を迅速に調整することができ、顔料および附属材料の消耗を大幅に減少し、技術者にとってのカラー技術の要求が低くなり、主観的なカラー調整を排除し、生産を無限に繰り返すことができる。また、出来上がった製品の品質を高度に且つ正確に予測できることは、最終的なメリットとなる。
【0016】
本発明の方法には、ニュートラルグレーバランス理論に基づく予測式の色値のスマート設定システムが用いられる。印刷プロセスにおいて、個別の色の組合せの色値の均一とは、各色の組合せの色値がお互いにバランスとなる情報を意味するものではなく、印刷の結果として色のアンバランスとなる可能性が高い。グレーバランス理論によれば、各原色・二次色は必ず適当な割合である場合に限り、ニュートラルグレーバランス印刷となる。純ブラック(ニュートラルブラック)のカラー膜を利用して、顔料の密度/色域の明度を決定し、各原色をお互いに結合してなるニュートラルグレーの参照目標とし、その結果、印刷作業が全面的にカラーバランスの取ったものになる。
【0017】
本発明の方法には、ニュートラルグレーバランス理論に基づくモニタリングシステムが用いられる。それぞれの色の組合せの色値供給システムには、カラー膜の膜厚のモニタリング装置があり、繰り返しデータを読み取って、演算や調整が行われる。グレーバランスの印刷効果として、グレーバランス理論により、適当なカラー膜の膜厚に達するように、予め設定されたブラックの色値を、グレーバランス成分の色の組合せの目標として、持続的に供給する。本発明の装置では、必要とするカラー膜の膜厚を予め設定し、色の組合せのユニットにおいて自動的に調整を行い、印刷完成品から色値の修正データを測定する必要がないため、モニタリングによる遅延及びグレーバランスの修正速度を大幅に低減することができる。
【0018】
グレーバランスの各原色の色値の分量は、各原色・二次色の密度や、色域の明度値によって算出される。本発明の独創的な所は自動予測式であり、カラー膜の膜厚の測定により、顔料の密度や、色域の明度値を算出し、各原色の色値の修正データを決める。また、その実用性は従来の測定方式に比べて簡単、直接、迅速、正確で、もっと効果的である。
【0019】
本発明は、自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法を実施する装置をも供給する。
【0020】
本発明の装置は、モニター(5)、サンプリング回転軸(9)、データ変換システム(12)、参照比較システム(6)、生産制御システム(7)からなる。モニター(5)は軸(10)に取り付けられ、サンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜を走査して、その膜厚のデータを読み取り、シグナルケーブル(11)によってデータ変換システム(12)へ転送し、参照比較システム(6)によって生産制御システム(7)へ指令を発送し、測定修正を行う。
【0021】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法を実施する装置には、モニター(5)、参照比較システム(6)、生産制御システム(7)、連接データ変換システム(12)からなるスマート制御システムが設置されており、各生産ユニットのモニター(5)によって得られたデータはデータ変換システム(12)よって参照比較システム(6)へ送られ、参照比較システム(6)によって各生産ユニットにて加工されるカラー膜の調整案を分析・確認してから、生産制御システム(7)にて加工生産の運行を制御し、このように繰り返してスマートコントロールが行われる。
【0022】
図21は、グレーバランス色値の設定、測定、分析、運算、修正の制御回路図を示したものである。設定された色値のデータをグレーバランス分析器(6)に入力した後に、カラー膜の膜厚の設定参照値を制御回路(64)へ送り出す。これと同時に、各印刷ユニット(1,2,3,4)の中に設置されるカラー膜測定システムのPLCプログラマブルロジックコントローラ(12)は、プローブ(5)へ指令を送り出し、カラー膜の膜厚データ収集を行い、測定された膜厚の値をシグナル受信部分(60)へ送って分析(61)を行う。そして、カラー膜の膜厚の設定参照値と比較(62)して、修正が必要であるかどうかを判断する。修正が必要である場合は、シグナル増幅器(63)にて処理を行い、最後に修正が必要であるかどうかについては、選択システム(65)によって選別され、ニュートラルグレー分析器(6)へ戻される。色値とカラー膜との対応表でデータを整理し、修正が必要である指令を生産設備制御台(7)へ送り、リアルタイムのモニタリングおよびリアルタイムの修正を繰り返して行う。
【0023】
それと同時に、本発明の自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置では、生産プロセスにおいて、品管担当者により、実際生産の必要に応じてマニュアル操作を行い、参照比較システム(6)に対して、生産の必要に応じる新しいモニタリング目標を入力して、リアルタイムに対応的な調整とモニタリング操作を行える。
【0024】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置において、そのモニター(5)を個別に取り付けることができ、軸(10)方向に沿って往復に作動し、サンプリング回転軸(9)表面におけるカラー膜を走査してその膜厚のデータを読み取る。(図4,5,6A,6Bを参照)
【0025】
モニター(5)には、回転可能な方向検知プローブを取り付けることもできる(図7A,7Bを参照)。
【0026】
モニター(5)は、軸(10)上に装着される反射装置又は類似な機能を有する部品(14)を、測定方向を90°の角度で変えて、サンプリング軸(9)表面におけるカラー膜を走査することもできる(図8A,8Bを参照)。
【0027】
モニター(5)は、固定式ブラケット上において複数で取付けることもでき、その測定用プローブはサンプリング回転軸(9)表面における膜を走査してその膜厚のデータを読み取る(図9,10,11A,11Bを参照)。
【0028】
本発明装置のモニターは下記のものを選択して配置されるものである。即ち、
【0029】
i)シングルプローブのモバイルスキャナーの配置において、そのプローブが往復に移動する又は反射設備による回転や往復に移動することで、カラー膜の膜厚のサンプリング軸を往復に移動させ、システムより収集された各色域のデータを供給する(図4,5,6A,6B,7A,7B,8A,8Bを参照)。
【0030】
ii)マルチプローブ式のポジショニング装置の配置において、複数のプローブが系列式に接続されており、設定の距離又はプローブ数が、色域の個数によって決められ、カラー膜の膜厚のサンプリング回転軸による供給システムから収集された各色域のデータを供給する(図9,10,11A,11Bを参照)。マルチプローブはシングルプローブより測定速度が速い。
【0031】
本発明は全面且つ総合的な色値評価および自動予測式の調整の機能を有する。モニターは、生産のための色の各組合せユニットの色域の色値を収集することができ、分析器を通じて、全体をカバーするために必要であるカラー膜の各原色の色値を算出してから、実際の必要に応じて適当な顔料の量を調整する。
【0032】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜スマートモニタリング装置には、生産されるカラー膜の膜厚を調整するために、生産環境中の温度や、湿度などの物理密度の変化によって、補正を行い、誤差許容度をコントロールする補正システムが設置される。
【0033】
次の2種の方式が選択できる。
【0034】
i)グレーバランス分析システム:各色の組合せの色値を組み合せてなるグレーバランスにおける相互関係を考慮して、ブラック「K」色値を参考としてグレーバランス生産を実現し、そして、分析システムにて、適当な色域データを生産のための色の各組合せユニットに送って、色域を増加又は減少することによって、結果として最適なグレーバランス及び最小の誤差が得られる。
【0035】
ii)ノングレーバランス分析システム:特定のカラーを予め設定して生産を行う場合、グレーバランス分析システムは、自動的に停止し、各色の組合せユニットは、局所の色域値の評価および能動予見性調整運行を回復し、各色の組合せユニットにおけるお互いの色値には、バランス関係がなく、操作者は、生産の要求を満たすように、色値をもっと自由に調整することができる。
【0036】
本発明にかかるモニター装置によってデータを走査して読み取るプロセスは下記の工程を備える。即ち、
1)グレーバランスのトーンの生産:製品に対する要求に従って予め設定されたブラック「K」値を、色値モニタリングシステム(6)に送って、持続的な色域値の調整分析に使用する。顔料のカラー膜の膜厚のモニター(5)は膜厚サンプリング回転軸(9)上から持続的に各色域の色値のデータを収集して、持続的にグレーバランス分析器に供給し、各色値をどれぐらい修正するかの計画を作り、生産設備の作業台を通じて、色域の色値を繰り返して調整する。
2)ノングレーバランスのトーンの生産:製品に対する要求に従って特別に予め設定された各色の組合せユニットの色値を、色値モニタリングシステムに送って、持続的な色域色値調整分析を行う。各色の組合せユニットの顔料からなるカラー膜の膜厚モニターは、当該ユニット中の各色値のデータを膜厚のサンプリング回転軸から持続的に収集して、色値をどれぐらい修正するかの計画を供給し、生産設備の作業台を通じて、色域の色値を繰り返して調整する。
【0037】
ニュートラルグレーバランスの分析システムにて、予めグレーバランスの参考基準データを入力し(その中には、各原色・二次色の正確なカラー膜と密度、色域の明度の色値のデータが含まれている)、そして、カラー膜のデータに変換される。スキャナーも持続的なモニタリングを行い、予め設定された参照データに照合して、修正を行う。色値が低過ぎ又は高過ぎると、直ちに生産設備の制御台に送られ、各色の組合せユニットへリアルタイムに発送され、正確なカラー膜の膜厚の調整が行われる。
【0038】
モニターの取付は、内蔵式と外設式に分けられる。内蔵式とは、生産設備の均一化システムの設置に必要な設計となっており、使用可能な空間があるかどうかを考慮し、適宜な装置ブラケット、永久固定モニターを均一化システムの中に取り付け、モニターが、シングルユニット往復式、シングルユニット固定と往復反射設備との組合せ、又は回転式及びマルチユニット式で、ブラケット上に固定して設置され、サンプリング回転軸上において、接触式又は非接触式で、正確にポジショニングし、データを読み取る。
【0039】
外設式とは、個別の独特な機械装置を設計してブラケットに設置する必要があり、モニターが固定され、シングルユニット往復式、シングルユニット固定及び往復反射設備の組合せ式、又は回転式及びマルチユニット固定式で、個別なユニットとして一体化して、ネジでコネクション装置に固定し、均一化システム上に付設して、サンプリング回転軸上に接触式又は非接触式で取付ける。また、さらに、外設式では、スキャナーの走査測定方式によって、サンプリング回転軸ありとサンプリング回転軸なしに分けられる。
【0040】
本発明にかかる装置において、モニター(5)は機械式スキャナーを使用することができるが、抵抗引張力式スキャナーを使用することもできる。回転軸においてカラー膜を形成する時、表面張力によって生じる抵抗値を測定し、得られるデータを用いてカラー膜の膜厚を設定することができる。また、電磁式スキャナーを使用することもでき、超音波型スキャナーを使用することもでき、レーザー型スキャナーを使用することもでき、光学式スキャナーを使用することもできる。
【0041】
本発明にかかる装置は、生産のための色の組合せの個別スキャナーを選択し、個別のカラー膜分析器(8)を利用して、当該生産のための色の組合せユニットのカラー膜の膜厚を繰り返して測定し、当該色域の色値の状態をリアルタイムに分析して、顔料タンクに送って色値の修正を行う。
【0042】
本発明の装置は、機械型、電子型およびデジタル型生産設備を組み合せて使用することができる。
【0043】
モニタースキャナーシステムは次の類型のものを使用することができる。即ち、
機械式スキャナー:機械接触を利用して、実際のカラー膜の膜厚を量る;
抵抗引張力式スキャナー:抵抗引張力式で、カラー膜の表面張力によって生じる抵抗値を測定し、膜の膜厚を算出する;
電磁波式スキャナー:適当な電磁波帳エネルギーを利用して、吸収、反射、又は浸透されるエネルギーによって、供給回転軸上に附着されたカラー膜の膜厚を算出する;
超音波型スキャナー:超音波の音声周波数を利用して、異なる膜厚のカラー膜と測定用プローブとの音声周波数の反射時間差によって、カラー膜の膜厚を算出する;
レーザー型スキャナー:レーザー光束の発信と回収の時間差分を利用して、ミクロン級の距離の差異を量る;
光学スキャナー(密度計や、分光計など):回転軸上に付着されているカラー膜の密度や、明度、色域濃度を直接に分析して、結果を表示する。
上記測定されたデータでは、いずれも、グレーバランス値を算出して、ブラック(ニュートラルブラック)にそれぞれ参照することができる。これらは、自動予測式の設定に関わる生産のための色の組合せユニットのカラー膜の膜厚として用いられ、お互いに組み合わせて、ニュートラルグレーとなり、印刷物上にプリントされる。ある一部の色はニュートラルグレー関係が存在しない範囲であった場合は、特別な色を選択するものとし、生産ユニットにおいて、事前設定したカラー膜に必要とするデータをグレーバランスモニターシステムから外し、自動的な走査や、モニタリングを行い、カラー膜の膜厚を調整し、供給回転軸システムを均一・完全にカバーするようにして、印刷工程を行わせる。
【0044】
スキャナーによって得られるデータは、PLCプログラマブルロジックコントローラ運算システムにてデジタル化し、光、電、デジタルとしてコンピュータに送られる。これにより、カラー膜の膜厚が定められ、生産設備の制御台により、カラー膜の適当な膜厚の修正指令を出すようにする。
【0045】
カラー膜と密度、色域の明度との対応表は図20の通りである。市場にて使われている顔料は異なる流体特徴を持っているが、流体カラー膜の膜厚は、その物理的流体化によって、色値の密度や、色域の明度との関係を反映する。対応表の内容は、各色の組合せでのカラー膜の膜厚の色密度、色域のスペクトラムの明度を記録したものである。
【0046】
上記各項選択は、走査方式や、取付方法、対応表の作成、データ読み取りなどに、グレーバランス分析器で、各原色に配置すべきカラー膜の膜厚を分析・予測することによって、必要とするグレーバランスに到達させ、予め設定された「K」ブラック参照値と比較するが、各色の組合せの色値の増加・減少又は維持が必要とする場合は、光、電、デジタルとして生産設備の制御台まで送って、色値に対して自動予測式のアルタイムな調整を繰り返して行う。当該色値のデジタル指令は、各生産のための色の組合せの色域に発され、予め適当なカラー膜を配置してグレーバランスの色値として、高品質且つ正確な生産が行われる。
【0047】
本発明にかかる自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置には、スマート制御ステムが設置されており、その中、モニター(5)、参照比較システム(6)、生産制御システム(7)、連接データ変換システム(12)が含まれており、各生産ユニットのモニター(5)によって得られたデータは、データ変換システム(12)を通じて参照比較システム(6)へ送られ、参照比較システム(6)の分析によって、各生産ユニットで加工されるカラー膜の調整計画が定められ、再び生産制御システム(7)によって生産加工がコントロールされ、このように繰り返される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、自動予測式の流体カラー膜のモニタリング方法および装置を示す模式図である。
図2図2は、ニュートラルグレーバランスのモニタリングシステムによる自動予測式の流体カラー膜のモニタリング方法および装置を示す模式図である。
図3図3は、生産のための色の各組合せユニットにおける色値にはバランス関係がない、生産のための色の組合せユニットの個別の色域における色値を持続的に繰り返して修正する方式の自動予測式の流体カラー膜のモニタリング方法および装置を示す模式図である。
図4図4は、内蔵式シングルユニットモニターの往復測定を示す模式図である。
図5図5は、サンプリング回転軸なしの外設式シングルユニットモニターの往復測定を示す模式図である。
図6A図6Aは、サンプリング回転軸付きの外設式シングルユニットモニターの往復測定を示す模式図である。
図6B図6Bは、サンプリング回転軸付きの外設式シングルユニットモニターの往復測定を示す立体図である。
図7A図7Aは、外設式シングルユニットモニターにおいて、回転ミラー又は類似な機能を有する部品を利用して、測定方向を揺らして射線を往復させるサンプリング回転軸を示す模式図である。
図7B図7Bは、外設式シングルユニットモニターにおいて、回転ミラー又は類似な機能を有する部品を利用して、測定方向を揺らして射線を往復させるサンプリング回転軸を示す立体図である。
図8A図8Aは、サンプリング回転軸付きの外設式シングルユニットモニターに設置されるミラー又は類似な機能を有する部品が、測定方向を90°だけ変えてサンプリングし、かつ往復移動する様子を示す模式図。
図8B図8Bは、サンプリング回転軸付きの外設式シングルユニットモニターに設置されるミラー又は類似な機能を有する部品が、測定方向を90°だけ変えてサンプリングし、かつ往復移動する様子を示す立体図である。
図9図9は、内蔵固定式マルチユニットモニターによる測定を示す模式図である。
図10図10は、サンプリング回転軸なしの外設式マルチユニットモニターによる測定を示す模式図である。
図11A図11Aは、サンプリング回転軸付きの外設式マルチユニットモニターによる測定を示す模式図である。
図11B図11Bは、サンプリング回転軸付きの外設式マルチユニットモニターによる測定を示す立体図である。
図12図12は、レーザー理論を示す図である。
図13図13は、レーザー距離測定によって測定される顔料からなるカラー膜を載せていないサンプリング回転軸までの距離を示す図である。
図14図14は、レーザー距離測定によって測定される顔料からなるカラー膜を載せているサンプリング回転軸までの距離を示す図である。
図15図15は、超音波理論を示す図である。
図16図16は、超音波距離測定によって測定される顔料からなるカラー膜を載せていないサンプリング回転軸までの距離を示す図である。
図17図17は、超音波距離測定によって測定される顔料からなるカラー膜を載せているサンプリング回転軸までの距離を示す図である。
図18図18は、光学色密度および色域の明度の反射での測定を示す図である。
図19図19は、光学色密度および色域の浸透での測定を示す図である。
図20図20は、カラー膜の膜厚と色密度や色域の明度との対応表モデルを示す図である。
図21図21は、グレーバランス色値の事前設定、測定、分析、運算、修正の制御回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
次は、実施例に合わせて、本発明の内容をさらに説明する。
【実施例1】
【0050】
自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法および装置
【0051】
図1に示すように、自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置は、生産設備の制御台(7)と、生産ユニット(1,2,3および4)と、均一化システム(52)と、スキャナー(5)と、品質基準分析器(6)とを備える。
【0052】
本発明にかかる方法による自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置において、先ず均一化される顔料の量の基準データを分析器(6)に入力して、生産モニタリングの参照として使用する。分析器は、予め設定されたカラー膜の膜厚とモニタリングされた顔料の量の対応表(図20)から、作成するカラー膜の膜厚を確定する。
【0053】
顔料タンクから、適当量の顔料を均一化システム(52)に送り出し、均一化にしてカラー膜を作り、サンプリング回転軸(9)に通させる。
【0054】
モニター(5)を操作して、サンプリング回転軸(9)上のカラー膜の膜厚を測定し、得られたデータ情報を分析器(6)に送って、設定された流体カラー膜の参照目標との比較を行う。
【0055】
比較の結果として標準値を満たさなければ、カラー膜の修正値を、分析器(6)によってリアルタイムに生産設備制御台(7)に送って、顔料の均一化システムにて顔料タンクをコントロールし、生産するカラー膜の膜厚を修正する。
【0056】
カラー膜の膜厚が速やかに目標の範囲に入るとともに、最も狭い許容度範囲に維持されるように、上記プロセスは繰り返して行われ、持続的にキャリア材料上へ送られて加工生産を行う。
【0057】
最適な製品品質を保つとともに、最小の誤差や不良率を実現することができる。各ユニットのカラー膜の膜厚が均一であり、かつお互いに関係が無ければ、製品の需要を満たすように、カラー膜の膜厚を直接に調整することは、操作者によって自由に選択できる。
【0058】
その他の次の実施例の方法と装置において、本実施例と同様である所については、繰り返して論述しない。
【実施例2】
【0059】
ニュートラルグレーバランスの生産技術を利用した自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング方法および装置
【0060】
当該装置は、図2に示すように、生産設備制御台(7)と、生産ユニット(1,2,3および4)、均一化システム(52)と、スキャナー(5)と、ニュートラルグレーバランス分析器(6)とを備える。その生産ユニット(1,2,3および4)は、必要に応じて、ブラック、シアン、マゼンタおよびイェローの顔料を顔料タンク上において自由に排列させる。そして、予め設定されたブラック色値をグレーバランス分析器(6)に入力して、グレーバランス生産の参照として使用する。分析器は、予め設定されたカラー膜の膜厚とモニタリングされた顔料の量の対応表(図20)から、作成するカラー膜の膜厚を確定する。ブラック、シアン、マゼンタおよびイェローの各色の組合せの色域のスキャナー(5)はカラー膜サンプルの各原色の膜厚(9)を測定して、自動予測式でグレーバランス分析器(6)に供給され、予め設定されたブラックの色値と照合して要求に達しているかを確認する。要求に達していなければ、グレーバランス関係および各グレーバランス成分の色の組合せの設定に必要とするカラー膜の膜厚を算出して、結果を調整する。そして、生産設備の制御台(7)に送り、引き続き、各色の組合せユニットの顔料タンクに指令を発送し、正確な顔料量を混合して均一化システム(52)にて均一なカラー膜となるまでに均一化する。プロセスにおいて、極めて正確なカラー膜の膜厚は、最も狭い許容度範囲に維持され、均一化されたものを生産ラインへ送って加工生産を行う。自動予測式によって、持続的に繰り返してモニタリングすることで、リアルタイムに自動的に修正を行い、最適な製品品質を保つとともに、誤差や不良率の最低化を実現する。
【実施例3】
【0061】
個別の生産ユニット式の自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0062】
図3に示すように、ユニット1などの色の組合せの各ユニットには、特別なカラーを自由に選んで生産に使用することができる。スキャナー(5)は、エリア的な自動予測式で、その色の組合せユニットの色値のデータを読み取る。結果として、不均一な色域を、当該色の組合せの色域コントローラー(8)に直接に送って、リアルタイムに繰り返して修正を行い、制御台(7)にて修正する必要はない。また、操作者は、設備制御台(7)を利用して色域値を自由に選択することもできる。その他の上記実施例と同様な所については、繰り返して説明しない。
【実施例4】
【0063】
内蔵式モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0064】
図4に示すように、生産設備の機械構造(13)には、シングルモニターを固定する回転軸(10)、測定用プローブ(5)が矢印の方向において往復に移動でき、機械の回転軸(10)に沿って、プローブを往復移動させ、正確にカラー膜サンプリング回転軸(9)表面におけるカラー膜を走査してその膜厚のデータを読み取り、光、電、又はデジタルとして、伝送コネクター(11)を通じて、データをPLCプログラマブルロジックコントローラ(12)へ転送し、運算システムにてデジタル化させ、自動予測式の生産システムにおいて、持続的なモニタリングや修正を行う。
【実施例5】
【0065】
個別の外設式モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0066】
図5のとおり、サンプリング回転軸を付設しない。システムには、個別の独特な機械装置を設計する必要があり、その中には、ブラケット(40)と、ネジ(41)で固定されるコネクション固定装置(42)と、生産設備に付設する均一化システム機械構造(13)とを備える。回転軸(10)上にはシングルモニターが取付けられており、測定用プローブ(5)は矢印方向において往復に移動し、モータ回転軸(10)に沿ってプローブを往復に移動させ、カラー膜サンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜を正確に走査してその膜厚のデータを読み取る。その他は上記実施例と同様な所については、繰り返して説明しない。
【実施例6】
【0067】
個別の外設式モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0068】
図6A、6Bに示すように、サンプリング回転軸を付設する。システムの基本機能の設計は図5と大体同じであるが、カラー膜サンプリング回転軸(9)が個別の一体化モニター装置のブラケット(40)上に付設されている点だけが違い。その他は実施例4と同様であるので、繰り返して説明しない。
【実施例7】
【0069】
個別の外設式モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0070】
図7A、7Bに示すように、サンプリング回転軸を付設する。システムには個別の独特な機械装置を設計する必要があり、その中には、ブラケット(40)と、ネジ(41)によって固定されるコネクション固定装置(42)と、生産設備に付設する均一化システム機械構造(13)とを備える。固定式ブラケットにはシングル測定用プローブ(5)が取付けられ、モニターは回転ミラー又は類似な機能を有する部品を利用して、測定方向を揺らして、サンプリング回転軸(9)表面を照射して、カラー膜の膜厚を正確に走査してデータを読み取る。その他は実施例4と同様であるため、繰り返して説明しない。
【実施例8】
【0071】
個別の外設式モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0072】
図8A図8Bに示すように、サンプリング回転軸を付設する。システムには個別の独特な機械装置を設計する必要があり、その中には、ブラケット(40)と、ネジ(41)によって固定されるコネクション固定装置(42)と、生産設備に付設する均一化システム機械構造(13)とを備える。シングル測定用プローブ(5)は、設備ブラケット(40)上に内蔵されており、回転軸(10)上にはミラー又は類似な機能を有する部品が取り付けられており、矢印方向において往復移動し、ミラー又は類似な機能を有する部品は90°の角度で測定方向を変えて、サンプリング軸(9)の表面に移動することができる。その他は実施例4と同様であるため、繰り返して説明しない。
【実施例9】
【0073】
内蔵式マルチプローブ型モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0074】
図9に示すように、生産設備の機械構造(13)は、固定式ブラケット装置に、複数のモニター用測定用プローブ(5)が取付けられ、カラー膜サンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜を正確に走査してその膜厚のデータを読み取る。その他は実施例4と同様であるため、繰り返して説明しない。
【実施例10】
【0075】
個別の外設式マルチプローブ型モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0076】
図10に示すように、サンプリング回転軸を付設する。システムには個別の独特な機械装置を設計する必要があり、その中には、ブラケット(40)と、ネジ(41)によって固定されるコネクション固定装置(42)と、生産設備に付設する均一化システム機械構造(13)とを備える。固定式ブラケットには複数の測定用プローブ(5)が取付けられ、カラー膜サンプリング回転軸(9)の表面におけるカラー膜を正確に走査してその膜厚のデータを読み取る。その他は実施例4と同様であるので、繰り返して説明しない。
【実施例11】
【0077】
個別の外設式マルチプローブ型モニター付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0078】
図11A、11Bに示すように、サンプリング回転軸を付設する。システムの基本機能の設計は図9と大体同じであり、カラー膜サンプリング回転軸(9)が個別の一体化モニター装置ブラケット(40)上に付設されている点だけが違い。その他は実施例4と同様であるため、繰り返して説明しない。
【実施例12】
【0079】
レーザー型スキャナー付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0080】
レーザー構造は、図12に示すように、一定量の活物質(17)が2枚の反射ミラー15,16の間に置かれる。この2枚のミラーとレーザー活性化物質によって、光学共振器(19)が構成され、光束を発生する。レーザー活性化物質のうちの原子は、外部からのエネルギー(21)によって活性化され、より高いエネルギー状態になる。2枚のミラーの間において繰り返して反射(20)される光により、正確な定速光波が形成される。光束がレーザー光束振動器から解放されるように、その中の1枚のミラー(16)一部の光線だけを反射するので、一部のレーザー(18)はこのミラーから漏れ出る。
【0081】
図13に示すように、レーザー光束振動発信器装置の探測器(5)はレーザー光束振動器と光束受信機によって構成され、光束の発信および受信にかかる時間の測定や、顔料を載せていないカラー膜回転軸(22)と距離探測器との間の距離(31)の運算や、記録に使われる。計算式:測定距離=光束×光束発信および回収にかかる時間の総和÷2回(往復の回数)。
【0082】
図14に示すように、レーザー光束振動発信器装置の探測器(5)は、光束の発信および受信にかかる時間の測定や、顔料を載せているカラー膜(23)と距離探測器との間の距離(32)の運算や、記録に使われる。距離測定結果によってカラー膜の膜厚が算出できる。カラー膜の計算式:カラー膜の膜厚=顔料を載せていないカラー膜サンプリング回転軸までの距離(31)−顔料を載せているカラー膜サンプリング回転軸までの距離(32)。
【実施例13】
【0083】
超音波スキャナー付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0084】
超音波発信器(24)は、図15に示すように、電気方式で超音波(27)を発生する。圧電式発信器は、2つの圧電チップ(25)と1つの共振板(26)を備え、外部から両極にパルスシグナルを加えると、その周波数により、圧電チップに振動を発生させ、共振となって超音波を発信する。これに対して、超音波受信機(30)は、2つの圧電チップ(25)を備え、共振板(26)が外部からの超音波(29)を受信すると、音波により、圧電チップが圧迫され、振動を発生する。このような機械的な振動は、タイマーでの運算のための電極シグナルに変換される。
【0085】
超音波振動発信器装置(5)は、図16に示すように、音波の発信および受信にかかる時間の測定や、顔料を載せていないカラー膜回転軸(22)と距離探測器との間の距離(31)の演算や、記録に使われる。計算式:測定距離=340(音波速度)×超音波の発信および回収にかかる時間の総和÷2回(往復の回数)。
【0086】
超音波振動発信器装置(5)は、図17に示すように、音波の発信および受信にかかる時間の測定や、顔料を載せているカラー膜(23)と距離探測器との間の距離(32)の演算や、記録に使われる。結果として、距離測定によってカラー膜の膜厚を算出できる。カラー膜の計算式:カラー膜の膜厚=顔料を載せていないカラー膜サンプリング回転軸までの距離(31)−顔料を載せているカラー膜サンプリング回転軸までの距離(32)。
【実施例14】
【0087】
光学スキャナー付きの自動予測式の流体カラー膜のスマートモニタリング装置
【0088】
図18に示すように、反射により、光学色密度および色域の明度を測定する。測定システムは、標準光源照明(43)と、光学レンズの構造モジュール(44)と、フィルター(45)と、分光計(46)と、光学計算器(50)とを備える。測定方法として、被測定物(47)で光束(48)を反射する割合の値を測定する。指定の標準光源D50、D60を利用して、被測定物を照射し、紙(47)などの反射を測定する。光束は被測定物を透過して被測定物の底層まで辿り、そして反射光は被測定物の密度(光線ろ過程度)を原因として減衰されるので、色密度又は色域の明度を算出することができる。被測定物は、照明システムによって照射され、反射されて得られる光値を、光学レンズ構造モジュールとフィルターを通じて、分光計に直接に送って、測定を行い、光学計算器にて色密度又は色域の明度を正確に分析する。
【0089】
図19に示すように、浸透により、光学色密度および色域の明度を測定する。測定システムは、標準光源照明(43)と、光学レンズの構造モジュール(44)と、フィルター(45)と、分光計(46)と、光学計算器(50)とを備える。測定方法として、被測定物(49)で光束(48)を通す割合の値を測定する。指定された標準光源D50、D60で、被測定物を照射し、透明フィルムなどの被測定物(49)の密度(光束の通過率に関する情報)を測定すると、被測定物での光束強度(光線ろ過程度)の減少によって、色密度又は色域の明度を算出することができる。被測定物は照明システムの照射によって、浸透される光値は、光学レンズ構造モジュールとフィルターを通じて、分光計に直接に送って測定を行い、光学計算器にて色密度又は色域の明度を正確に分析する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21