(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上ハウジングへの脱着可能な接続に関してフィルタをカバーするよう構成されたフィルタカバーをさらに具備してなり、かつ前記上ハウジングは、前記フィルタとフィルタカバーとを受容するよう構成されたフィルタ流入部を具備してなり、前記フィルタ流入部は、前記空気流入開口に連結されることを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の流れ発生器。
前記ハウジング内にプリント基板をさらに具備してなり、前記プリント基板は、壁によって前記送風機から離間されており、かつ前記壁はフレキシブルであることを特徴とする請求項15から請求項30のいずれか一項に記載の流れ発生器。
前記プリント基板に接続される導線と、前記導線のうちの前記ハウジングの外側にある部分を包囲するよう、前記上ハウジングと前記下ハウジングとの間に固定されたグロメットと、をさらに具備してなることを特徴とする請求項31に記載の流れ発生器。
前記懸架支持部は、前記下ハウジングに固定されており、かつ前記送風機が前記ハウジングの側面に接触せずに前記ハウジング内を左右に移動できるようにすることを特徴とする請求項34に記載の流れ発生器。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示される本発明の一態様は、最小のCPAPシステム、その使用法、および少なくとも患者へのインパクトを低減する(影響を与えにくい)よう構成されたデバイスに関するものである。
【0008】
開示される本発明の別の態様は、CPAPシステム、その使用法、および少なくともサイズおよび嵩が小さくなり、振動が低減され、発生するノイズが小さくなり、あるいはそれらが組み合わされたものとなるよう構成されたデバイスに関するものである。
【0009】
別の態様は、睡眠時無呼吸処置に適した様式の、加圧された呼吸に適した気体(例えば空気)を供給するよう構成された小さなCPAPデバイスに関するものである。
【0010】
開示される本発明の別の態様は、国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示された送風機の、例えばその送風機のノイズを軽減するなどの改善点および/または代替的な実施例に関するものである。
【0011】
開示される本発明の別の態様は、例えば聞こえる音調のピークを低減すべく、送風機のシャフトを回転可能に支持するベアリングを保持するための接着剤を受容するよう構成された固定構成要素に関するものである。
【0012】
開示される本発明の別の態様は、例えばロータの機械的共振を減衰させて不均衡の大きさを小さくしかつ/または使用時に送風機ナローバンド音響特性におけるベアリングの振動数のピークを低減するために、シャフトの剛性を小さくしかつ損失率を増大させるよう、少なくとも1つの環状溝を含む、送風機のロータまたはシャフトに関するものである。
【0013】
一実施例において、ロータは一対のベアリングに支持されており、かつ少なくとも1つの溝がベアリング同士の間に配置されるよう構成されている。
【0014】
一実施例において、少なくとも1つの溝は、ロータの外径の約50%から95%の直径を有する。
【0015】
一実施例において、少なくとも1つの溝は、ロータの外径の約20%から約50%の幅を有する。
【0016】
一実施例において、ロータは、ロータの長さに沿って、複数のより小さな溝を含んでもよい。例えば複数のより小さな溝は、インペラの保持性を高めるよう、二重らせん構成で配置される。
【0017】
一実施例において、ロータはより小さな環状溝を含んでもよく、当該環状溝は、ロータを送風機内に保持するよう構成された保持リングを保持するよう構成された保持リングを受容するよう配置される。例えばロータは、一対のベアリングとロータとを受容するよう構成されたチューブ部分内に保持される。
【0018】
開示される本発明の別の態様は、複数の取り付け突出部、例えば3つ以上の取り付け突出部を含む送風機の固定アセンブリに関するものである。これは、固定アセンブリに対して正確にプリント基板アセンブリ(PCBA)およびその付属構成要素を高精度で位置決めしかつ整列させるためのものである。
【0019】
開示される本発明の別の態様は、送風機のハウジング部に関するものである。ハウジング部は筒または流入チューブ部分を含む。筒または流入チューブ部分は、例えばTPEから構成されかつハウジング部にオーバーモールドされ、ハウジング部の流入部に供給される空気流に著しい制限をかけることなく、乱流ノイズを減少させるよう構成される。
【0020】
開示される本発明の別の態様は、取り外し可能なカバーを含むケーシング内に送風機を配置して整列させるための送風機ブラケットに関するものである。
【0021】
開示される本発明の別の態様は、ハウジングの上ハウジングに設けられた空気流入開口からハウジングの下ハウジングへ向けて空気流を方向付けるよう構成された流れ発生器の流入エルボに関するものである。
【0022】
一実施例において、流入エルボの下端部は、ギャップによって、下ハウジングの上方で終端をなしている。
【0023】
一実施例において、空気流は、流入エルボの下端部を出たときに、ハウジングの内部領域内へ、例えば360°の全方向に分散される。
【0024】
一実施例において、流入エルボは、送風機によって生じるノイズをさらに減少させるために音の波長を跳ね返し得る湾曲形状を有してもよい。
【0025】
開示される本発明の別の態様は、流入部と流出部とを含むハウジングと、ハウジングに設けられる固定構成要素と、ハウジングの流入部と固定構成要素との間に位置決めされるインペラと、インペラを駆動するよう構成されたモータと、を含む送風機に関するものである。固定構成要素は、インペラが連結されるロータを回転可能に支持する一対のベアリングを保持して整列させるよう構成されたチューブ部分を含む。チューブ部分は、インペラに最も近接する側において、ベアリングの一方を保持するための接着剤を受容するのに十分なサイズの直径を含む。
【0026】
開示される本発明の別の態様は、流入部と流出部とを含むハウジングと、ハウジングに設けられる固定構成要素と、ハウジングの流入部と固定構成要素との間に位置決めされるインペラと、インペラを駆動するよう構成されたモータと、を含む送風機に関するものである。モータは、インペラが連結されるロータを含み、ロータは、少なくとも1つの環状溝を含み、例えば溝は、一対のベアリング同士の間にあるいはベアリングに隣接するロータの長さに沿って配置される。
【0027】
開示される本発明の別の態様は、ケーシングと、ケーシング内に設けられた送風機と、送風機をケーシング内に配置して整列させるための送風機ブラケットと、を含むPAPデバイスに関するものである。
【0028】
開示される本発明の別の態様は、流入部と流出部とを含むハウジングと、ハウジングに設けられる固定構成要素と、ハウジングの流入部と固定構成要素との間に位置決めされるインペラと、インペラを駆動するよう構成されたモータと、を含む送風機に関するものである。モータは、インペラに連結されるロータを含む。少なくとも2つの以下のノイズ低減特徴部が送風機に備えられる:
(i)固定構成要素は、ロータを回転可能に支持する一対のベアリングを保持して整列させるよう構成されたチューブ部分を含み、チューブ部分は、インペラに最も近接する側において、ベアリングの一方を保持するための接着剤を受容するのに十分なサイズの直径を含んでおり;(ii)ロータは、少なくとも1つの環状溝を含んでおり;(iii)固定構成要素とモータのステータアセンブリとは、固定アセンブリを提供するよう互いにオーバーモールドされており、固定アセンブリは、固定アセンブリに対して正確にプリント基板アセンブリとその付随構成要素とを高精度で位置決めしかつ整列するために、複数の取り付け突出部を含み、かつ突出部の少なくとも1つは、プリント基板アセンブリのホール(Hall)センサの付近に配置されており:(iv)送風機をケーシング内に配置して整列するために送風機ブラケットが設けられ、かつ/または、(v)筒または流入部チューブ部分がハウジングの流入部に設けられている。
【0029】
開示される本発明の別の態様は、流入部と流出部とを含むハウジングと、ハウジングに設けられる固定構成要素と、ハウジングの流入部と固定構成要素との間に位置決めされるインペラと、インペラを駆動するよう構成されたモータと、を含む送風機に関するものである。固定構成要素とモータのステータアセンブリとは、固定アセンブリを提供するよう互いにオーバーモールドされている。固定アセンブリは、固定アセンブリに対して正確にプリント基板アセンブリとその付随構成要素とを高精度で位置決めしかつ整列するために、複数の取り付け突出部を含む。突出部の少なくとも1つは、プリント基板アセンブリのホールセンサの付近に配置される。
【0030】
開示される本発明の別の態様は、呼吸器疾患または睡眠呼吸障害の処置のための加圧された呼吸に適した気体の供給源を提供するよう構成された流れ発生器に関するものである。流れ発生器は:ハウジングであって、当該ハウジングは気密状態で相互連結される上ハウジングと下ハウジングとを含み、上ハウジングは空気流入開口を含む、ハウジングと;空気流入開口と流体連通状態にある流入エルボと;送風機と;を含む。送風機は、流入部と流出部とを含む送風機ハウジングと;送風機ハウジングに設けられた固定構成要素と;送風機ハウジングの流入部と固定構成要素との間に配置されたインペラと;インペラを駆動するよう構成されたモータとを含み、モータは、インペラに連結されるロータを含む。流入エルボは、空気流入開口から下ハウジングへ空気流を方向付けるよう構成される。
【0031】
本発明のその他の態様、特徴および利点は、添付の図面と関連付けて参照した際に、本開示の一部であり本発明の原理を実施例として示す以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0032】
添付された図面によって、本発明のさまざまな実施例の理解が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】開示される本発明の一実施例に基づくPAPシステムの側面図である。
【
図2】
図1のPAPシステムのヘッドギアの斜視図である。
【
図3】
図1のPAPシステムのPAPデバイスの斜視図である。
【
図4-1】開示される本発明の一実施例に基づくコネクタチューブおよび短放出チューブの分解図である。
【
図4-2】本発明の一実施例に基づくコネクタチューブおよび短放出チューブの分解図である。
【
図4-3】本発明の一実施例に基づくコネクタチューブおよび短放出チューブの分解図である。
【
図4-4】本発明の一実施例に基づくコネクタチューブおよび短放出チューブの分解図である。
【
図5-1】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-2】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-3】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-4】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-5】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-6】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-7】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-8】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-9】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-10】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-11】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-12】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図5-13】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図6-1】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図6-2】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-1】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-2】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-3】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-4】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-5】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-6】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-7】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-8】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-9】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-10】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-11】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図7-12】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図8】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図9】開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスまたは流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図10】開示される本発明の一実施例に基づく流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図11】開示される本発明の一実施例に基づく流れ発生アセンブリを示す図である。
【
図12】開示される本発明の一実施例に基づく送風機の断面図である。
【
図13】開示される本発明の一実施例に基づく送風機のチューブ部分の拡大断面図である。
【
図14A】開示される本発明の一実施例に基づく送風機のシャフトの拡大断面図である。
【
図14C】開示される本発明の一実施例に基づく
図14Aのシャフトを含む送風機の断面図である。
【
図15】開示される本発明の一実施例に基づくオーバーモールドされた固定構成要素およびステータアセンブリの斜視図である。
【
図16】開示される本発明の一実施例に基づくPCBA取り付け突出部の平面図である。
【
図17】
図16に示されるPCBA取り付け突出部の断面図である。
【
図18A】開示される本発明の一実施例に基づく固定アセンブリへのPCBAのアセンブリのヒートステーキングを示す断面図である。
【
図18B】開示される本発明の一実施例に基づくPCBA取り付け突出部に関するPCBAのホールセンサを示す図である。
【
図18C】開示される本発明の一実施例に基づくPCBA取り付け突出部に関するPCBAのホールセンサを示す図である。
【
図19】開示される本発明の一実施例に基づくオーバーモールドされた筒を備える第1のハウジング部分の断面図である。
【
図20】ケーシングがカバーを備えない状態で示される、開示される本発明の一実施例に基づくPAPデバイスのケーシング内に取り付けられた送風機の斜視図である。
【
図21】ケーシングがカバーを備えない状態で示される、開示される本発明の一実施例に基づく送風機ブラケットによってPAPデバイスのケーシング内に配置されかつ整列させられた送風機の斜視図である。
【
図22】開示される本発明の一実施例に基づく送風機ブラケットの平面図である。
【
図24】ケーシングおよびカバー内に設けられた
図21の送風機および送風機ブラケットの断面図である。
【
図25】ケーシングおよびカバー内に設けられた
図21の送風機および送風機ブラケットの別の断面図である。
【
図26】ケーシングおよびカバー内に設けられた
図21の送風機および送風機ブラケットの拡大断面図である。
【
図27】開示される本発明の別の実施例に基づく送風機ブラケットの平面図である。
【
図29】開示される本発明の一実施例に基づくベアリングカートリッジの断面図である。
【
図30】開示される本発明の一実施例に基づく送風機および付随PCBAの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明は、共通の特性と主要部とを共有し得るいくつかの実施例(そのいくつかが図示され、そのいくつかは図示されない)に関連して提供される。いずれか1つの実施形態の1つ以上の特徴部を、他の実施形態の1つ以上の特徴部と組み合わせ可能であることを理解されたい。さらに、いずれかの実施例における単一の特徴部または特徴部の組み合わせは、さらなる実施例を構成してもよい。
【0035】
本明細書において、「備える(comprising)」との語は、その「オープンな(open)」意味であり、つまり「含む(including)」という意味であり、したがって「クローズな(closed)」意味であり、つまり「だけからなる(consisting only of)」という意味に限定されないことを理解されたい。対応する意味は、対応する用語「備える(comprise)」、「備えた(comprised)」、「備える(comprises)」が記載される場合には、これら用語に起因する。
【0036】
本発明の態様は、本明細書においては、CPAPなどの非侵襲的換気(NIVV)処置装置(例えば陽圧気道(PAP)デバイス)への用途において説明されるが、本発明の態様は、送風機が例えば陽圧用途および負圧用途の両方に使用されるような他の分野への用途を有してもよいことを理解されたい。
【0037】
本明細書において、「空気ポンプ」および「送風機」との語が相互置換可能に使用されてもよい。「空気」との語は、呼吸に適した気体、例えば酸素が補給された空気を含むよう使用されてもよい。また、本明細書に記載される送風機が空気以外の流体を吸入排出するよう構成されてもよいことも認識される。
【0038】
さらに、各送風機の以下の実施例は、単段構成を含むように記載されているが、当然のことながら、本発明の複数の実施例は、2、3、4またはそれ以上の多段構成のものに適用されてもよい。
【0039】
送風機のさらなる実施例および本発明に関連する態様は、2010年11月19日に出願された国際出願第PCT/US2010/003010号に開示される。この引用によって、その全体が本明細書中に組み込まれる。
【0040】
図示された実施例の各々は、当業者には明らかであるように、国際出願第PCT/US2010/003010号に記載された送風機の実施例および/または構成要素への使用に適するようになされかつ/またはそれに組み込まれ得る1つ以上の特徴部を含む。
【0041】
図示された実施形態の各々は、国際出願第PCT/US2010/003010号に記載されたタイプの送風機に実施されるよう記載されるが、図示された実施形態の各々は、他の送風機に実施されてもよい。
【0042】
例示的なPAPシステムおよび送風機
PAPシステム(実施例えばCPAPシステム)は、一般的に、PAPデバイス(陽圧で空気をもたらすための送風機を含む)と、空気供給管(チューブまたは導管とも称される)と、患者用インターフェースと、を含む。使用時に、PAPデバイスは、空気供給管を介して患者用インターフェースに送り出される加圧された空気(例えば2〜30cmH
2O、通常は約8〜12cmH
2O)の供給源を提供する。患者用インターフェースまたはマスクは、当技術分野で公知の適切な構造、例えばフルフェイスマスク、鼻マスク、口−鼻マスク、口マスク、ノズル、鼻プロングなどを有してもよい。また、患者の顔の所望の位置で患者用インターフェースを快適に支持するために、ヘッドギアが使用されてもよい。
【0043】
PAPデバイスまたは送風機が患者の頭部に着用されるよう適合されたPAPシステムに関連する特定の実施例が、患者用インターフェースまたはマスクに組み込まれるかまたは組み合わせられ、それは、着用可能であるかまたは患者に支持され、持ち運び可能であり、そのサイズが低減される、あるいはそれらを組み合わせたものである。特定の実施例において、PAPデバイスは、国際出願PCT US2010/001106に記載されるタイプのものであってもよい(この引用によって、その全体が本明細書中に組み込まれる)。以下の実施例は、例えばデバイスのノイズを低減するための、PAPデバイスに対する改善点および/または代替案を含む。特定の実施例において、送風機は、国際出願PCT US2010/003010に記載されたタイプのものであってもよい(この引用によって、その全体が本明細書中に組み込まれる)。以下の実施例は、例えばデバイスのノイズを低減するための、この送風機に対する改善点および/または代替案を含む。
【0044】
PAPシステムの実施例
図1から
図3には、頭部着用PAPシステムの実施例を示す。このシステムは、国際出願PCT/AU2010/001106に開示されるような送風機または流れ発生器を含むPAPデバイス8000を備える。
図1を参照すると、PAPデバイス8000は、ヘッドギア8010の延長部8003で支持され、かつヘッドギアの延長部8003から延在する2つの隆起部分8150間に固定される。上ヘッドギアストラップ8002は、患者の顔と密閉係合状態で患者用インターフェースデバイスつまりクッション9042を支持する患者用インターフェースシステムのフレーム9020の上ヘッドギアコネクタ9034に接続される。上ヘッドギアストラップ8002は、固定部8004によってヘッドギアに接続される。
【0045】
下ヘッドギアストラップ8005は、フレーム9020に取り付けられるヘッドギアコネクタクリップ8007によってフレーム9020に接続される。
図1に示されるように、下ヘッドギアストラップ8005は、固定部8004によって患者の頭部の後方にヘッドギアの後頭リング8001に接続される。上ヘッドギアストラップ8002および下ヘッドギアストラップ8005のための固定部8004は、例えばVelcro(登録商標)などの面ファスナーであってもよい。
【0046】
延長部8003は、流れ発生器が取り付けられる時に、流れ発生器8014の底面全体を覆うように形状付けられてもよい。延長部分8003は、ヘッドギア内に挿入または被包されるよう構成された電磁力(EMF)シールドを含んでもよい。このEMFシールドは、シート状金属からなる相対的に小さな部片を備えてもよい。この部片は、丸みのある底部と丸みのある角を備える、流れ発生器の接地領域に対応する形状となるようにおおむね切断される。なおEMFシールドは、他の形状に形成されてもよい。EMFシールドは、流れ発生器8014のモータおよび電子装置と患者の頭部との間に配置されてもよく、これにより、長期間にわたってPAPデバイスを使用した場合にあるいは繰り返し使用した場合に患者に悪影響を及ぼすEMFまたは電離放射線を防ぐか、制限するか、もしくは軽減し得る。またEMFシールドは、EMFシールドの質量の増加が振動を軽減し得るため、ノイズの軽減に役に立つ。
【0047】
患者用インターフェースシステムは、例えば鼻マスクシステムまたはフルフェイスマスクシステムであってもよく、かつシーリング構造9040を支持するフレーム9020を備える。シーリング構造9040は、患者の顔に密接に係合するよう構成されたクッション9042を備える。
【0048】
流れ発生器は、相対的に短い長さの導管9100によって、患者用インターフェースシステムへ加圧された呼吸に適した気体を供給してもよい。導管9100はまた、中間チューブまたはコネクタチューブまたは放出チューブにも接続される。放出チューブは、患者用インターフェースシステムの流入チューブ9070に連結されるよう構成される。
【0049】
コネクタチューブおよび放出チューブの実施例
図4−1から
図4−4に示される代替的な構成において、患者用インターフェースシステムは、PAPデバイスに接続されるよう構成された短放出チューブ9100に取り付けられるよう構成された第1の端部9201を有するコネクタチューブ9200を含んでもよい。コネクタチューブ9200の第1の端部9201は、短放出チューブ9100の第2の端部9103に挿入されるよう構成される。
【0050】
短放出チューブ9100、あるいは流れ発生器と患者用インターフェース(例えばマスク)との間のコネクタチューブ9200と組み合わせられる短放出チューブ9100は、空気流の抵抗およびインピーダンスを低減する。送風機の放出部から患者用インターフェースへの空気の経路全体が、空気流のボリュームが繰り返し膨張収縮して最終的に患者用インターフェースへ向けて広がるように、構成されていてもよい。繰り返される膨張および収縮ならびに患者用インターフェースへの最終的な広がりは、空気流を緩やかにして圧力を増大させる。この空気流経路には、なだらかな、ゆるやかな変化部が設けられていてもよい。変化部は、例えば流入ノイズを低減する流入部において、送風機内部をよりチョークさせる(空気流量を減少させる)ことができ、かつ流れ発生器内により大きな抵抗性をもたらす。これはノイズも低減する。
【0051】
PAPデバイスの実施例
図5−1から
図5−13を参照すると、特定の実施例に基づくPAPデバイス100が示される。このPAPデバイス100は、加圧された呼吸に適した気体流を発生させるよう構成された送風機つまり流れ発生器105のためのハウジングを形成する上ハウジング101と下ハウジング102とを備える。フィルタカバー103が、フィルタをカバーするために上ハウジング101に設けられている。フィルタは、取り外し可能に上ハウジング101に設けられてもよい。フィルタカバー103は、送風機つまり流れ発生器105のためのハウジングにおけるフィルタ流入部131をカバーする。フィルタ流入部131は、フィルタ材料の縁部が適所に留まるように、フィルタ材料を支持する。フィルタカバー103はまた、空気がフィルタを通過する際にフィルタの脱落を防止するよう構成された保持特徴部またはリブを含む。空気流Fは、上ハウジング101における空気流入クリアランスつまり開口152を通って流入部131に進入し、下ハウジング102へ向けて空気を下方垂直方向へ方向付ける流入チューブ129を降下する。流入チューブ129は、約150mm
2から約300mm
2の断面積を有するか、あるいは約150mm
2から約250mm
2または約200mm
2の断面積を有してもよい。流入チューブ129は、フィルタ流入部131から下ハウジング102へ向けて延在する垂直方向開口を有する。流入チューブ129の下端部は、ギャップによって下ハウジング102の上方で終端をなしている。このギャップは、流入チューブ129の下端部から空気が流出しかつハウジング101,102の内部領域へ空気が流入できるように、10〜18mmのギャップ、例えば13〜15mmのギャップである。流入チューブ129は、
図5−12および
図5−13に示されるように送風機105まで流入部127における経路長さを増大させる。流入チューブ129は、流入チューブ129の壁が可動となるように、例えばシリコンなどの軟質材料から形成されてもよい。また流入チューブ129は、送風機105の流入部127に指が入ることを防止する。より大きな量の空気が流入部内に存在する場合、それはほとんど振動することがなく、それゆえPAPデバイス100内でのノイズを減少するために、流入チューブ129は消音器(マフラ)としても機能する。
【0052】
流入チューブ129は、流入チューブ129内に外部からの物質が捕捉されて流入チューブ129が塞がれることを防止するために、流入チューブ129の下端部に2つのベーン133を備えてもよい。当然のことながら、流入チューブ129の閉塞を防止するために、1つ以上のベーンまたは他の構造体が使用されてもよい。一度流入チューブの下端部から空気が送出されると、空気は、ハウジングの内部容積内の全方向つまり360°にわたって分散され、そして送風機105の流入部127へ進む。送風機105のインペラ112の回転は、流入部127へ向けて空気を吸引して引き込むことに役立つ。特定の実施例において、流入部131から発生するノイズを低減するかまたは消音するのに役立つように、流入チューブ129の下方において、下ハウジング102には、フォーム(foam)、例えばAccusorb(商標)フォームなどのノイズ吸収材料134が取り付けられる。フォーム134は、約3〜8mm、例えば4〜6mm、例えば4.5mmの厚さを有してもよい。当然のことながら、ハウジングのサイズに合わせて、他の厚さのフォームを使用することもできる。作動中、流入空気流は、フィルタ流入部131を通って流入チューブ129を降下し、流入チューブ129の下方のフォーム134と接触して、ハウジング101,102の内部キャビティ全体にわたって分散される。フィルタ流入部131および流入チューブ129の方向および空気流経路は、流入部131から伝達するノイズレベルを低減する。
【0053】
図5−2を参照すると、送風機105は、フォーム支持体106同士の間においてハウジング内に設けられる。空気流入ガイドつまり筒109が送風機105に設けられてもよい。例えば筒109は、送風機105上にオーバーモールドされてもよい。送風機105の上方の固定ポジションに上フォーム支持体106を支持しかつ送風機の筒109への固定流入経路を形成するために、流入部保持器107が、フォーム支持体106と筒109との間に設けられる。
【0054】
図5−1および
図5−2に示されるように、消音チャンバ104を有する放出チューブ154が、送風機105の放出部151に接続され、送風機105によって生じる空気流のノイズを低減する。放出チューブ154は、じゃばら部159をさらに含んでもよい。放出チューブ154は、例えばシリコンなどのフレキシブル材料またはエラストマー材料から形成されてもよい。放出チューブ154は、上ハウジング101の放出部166を通って延在する放出部167を含む。
【0055】
フォーム支持体106は、送風機105の上下に設けられてもよい。送風機105の振動の大部分は一軸上において左右に生じる。送風機105は、送風機105が、PAPデバイスのハウジング内の構造的な特徴部と接触せずにあるいは実質的に接触することなく左右に移動でき、それにより送風機105が空気に包囲されるように、構成されてもよい。導線は送風機105から取り外されている。
【0056】
振動は、反対の軸線における、つまり上下における振動に関して吸収される。フォーム支持体106は、送風機105の上部および底部に配置される。フォーム支持体106は、例えば10〜15%の圧縮比の低圧縮フォームであってもよい。フォーム支持体106は、例えばAccusorb(商標)から形成されてもよい。
【0057】
PAPデバイス100の上ハウジング101は湾曲している。上ハウジング101の湾曲はフォーム支持体106がその両側でより圧縮されることを防止するため、フォーム支持体106は、
図5−8および
図5−9に示されるような直線状の側部119を含んでいてもよい。また上フォーム支持体106は、PAPデバイス100の上ハウジング101の湾曲に対応する対応湾曲部を有するように形状付けられていてもよい。
【0058】
筒109は、送風機105内へより大きな層流をもたらすよう促す。より高さのある筒は音響特性を向上させ得るがPAPデバイス100内の空間は限定されているため、筒109は例えば約4mmの高さを有する。筒の直径は、例えば約15mm、約16mm、または約17mmの直径の流入孔と適合するよう構成されるが、送風機のサイズに応じて、かつ例えば10〜30mmの、10〜25mmの、または10〜20mmの範囲の流入孔に合わせて、より大きな直径のものを使用することもできる。
【0059】
図5−3を参照すると、送風機は、送風機流入部127を有する送風機カバー111を含む。インペラ112が空気流を半径方向に加速させるために設けられている。インペラ112は、例えば米国特許出願公開第2008/0304986号明細書に図示されかつ開示されるようなものであってもよい(この参照により当該文献の開示事項の全体が本明細書に組み込まれる)。
【0060】
送風機105はまた、以下に詳述するようにモータから放出される電磁界から患者を保護するよう構成された電磁シールド108(
図5−2参照)を支持する底カバー118を含む。組み立てられたモータにおいて、モータ磁石117およびベアリング116が、
図5−3に示されるステータ114内の円形空間内に挿入される。ベアリング116はモータシャフトを包囲し、かつモータシャフトはインペラ112の取り付けを可能にする中央開口を通って延在する。磁石は、例えば国際公開第2007/048205号パンフレットおよび国際公開第2007/048206号パンフレットに図示されかつ開示されるようなものであってもよい(この参照により当該文献の開示事項の全体が本明細書に組み込まれる)。ベアリング116は、例えば米国特許出願公開第2008/0304986号明細書に図示されかつ開示されるようなものであってもよい。
【0061】
送風機105は、送風機105の動作を制御するよう構成された回路を含むプリント基板(PCB)115をさらに備える。ステータ114が、PCB115に連結される。ステータ114は、例えば国際公開第2007/048205号パンフレットおよび国際公開第2007/048206号パンフレットに図示されかつ開示されるようなものであってもよい。オーバーモールド部113が、ステータ114とインペラ112との間に設けられる。
図5−2を参照すると、電磁シールド108は、制振に役立つように底カバー118に取り付けられていてもよい。電磁力(EMF)シールド108は、例えば55mmの直径および例えば0.6mmの厚さの平坦な円形状を有してもよい。EMFシールド108は、例えばステンレススチール430などの磁気伝導材料から形成されてもよい。EMFシールド108は、接着剤、例えば両面感圧接着剤によって、送風機105の底カバー118に接着されてもよい。
【0062】
図5−1、
図5−2および
図5−12を参照すると、PAPシステムは、PCB115の適所にあるいはPCB115に加えてPCB163を含んでもよい。PCB163は、ハウジング101,102内に設けられてもよく、かつ壁164によって送風機105から離間されてもよい。壁164は、上ハウジング101の一部、下ハウジング102の一部、または上および下ハウジング101,102を組み合わせたものの一部であってもよい。壁164は、ハウジング101,102の消音性を増大させかつPAPシステム100のノイズを減少させるようフレキシブルなものであってもよい。PCBは、ハウジング101,102に取り付けられるグロメット165によって、例えば送風機105に電力を供給するための導線に接続されていてもよい。ハウジング101および/またはハウジング102の剛性は、グロメットが存在する領域において増大されてもよく、かつ付加的なシーリングが、グロメットが存在する領域においてハウジング101,102間に設けられてもよい。グロメット165は、PAPシステム100の外観の美しさを向上させかつPAPシステム100を人間工学的に改善するよう、ハウジング101,102に一体化されてもよい。
【0063】
代替的な実施例において、PCB163は、ハウジング101,102から除去されてもよく、電力は、ケーブルを介して制御部から提供されてもよく、かつハウジング101,102内の付加的な空間は、さらなる消音部として使用されてもよい。
【0064】
図5−6、
図5−8および
図5−9を参照すると、流入部保持器107は、筒109回りに挿入されるよう構成されたリング124を含んでもよい。流入部保持器107はまたリブ125を含んでもよく、リブ125は、送風機105の上方の固定ポジションに上フォーム支持体106を支持するようにかつ筒109への固定流入経路を形成するように流入部保持器107を位置合わせするために、筒109における凹部126(
図5−5参照)に受容されるよう構成される。なお、流入部保持器を筒109に対する適所に保持する他の手段が使用されてもよい。他の手段として、筒109におけるリブおよび流入部保持器107におけるスロットまたは溝、リング124と筒109との間の締まり嵌めまたはスナップ嵌合、クリップ、もしくはファスナーなどが挙げられる。当然のことながら、さらに流入部保持器107は、他の形態および形状に形成されてもよく、そのうえ筒109を介して送風機流入部に固定流入部を提供しかつ/またはフォーム支持体106を支持してもよい。流入部保持器107は、フォームを流入部保持器107上に正しく位置決めするために、
図5−7に示されるようにフォーム支持体106と係合する上面においてフォーム位置決め部123を備える。流入部保持器107の下面には、流入部保持器107を筒109上に正しく位置決めするために、フォーム位置決め部123のポジションに対応するポジションにおいて、より短いリブ128が設けられる。
【0065】
補助チャンバの実施例
図6−1および
図6−2を参照すると、PAPシステム100は、下ハウジング102の底部に追加される補助チャンバ110を含んでもよい。補助チャンバ110は、ヘルムホルツ共鳴器として機能しかつ例えば40mlの容積を有してもよい。補助チャンバ110の容積とPAPデバイス100のハウジング101,102の容積との比率は、PAPデバイス100によって生じるノイズを調整できる。一実施例において、ハウジングの容積に対する補助チャンバの容積の比率は、約10%から50%、好ましくは20%から40%、例えば25%から30%の範囲にあってもよい。当業者には当然のことであるが、さまざまな容積を有するチャンバが使用されてもよい。加えて、補助チャンバ110は、スプリングとして機能することによって振動を抑制する効果を有する。
【0066】
PAPデバイスの実施例
図7−1から
図7−12を参照すると、特定の実施例に基づくPAPデバイスが示される。
図7−1および
図7−2に示されるように、PAPデバイス100は、上ハウジング101と、下ハウジング102とを備える。フィルタカバー103が、以下に詳述されるフィルタをカバーするように、上ハウジング101に着脱可能に連結される。PAPデバイス100の認識される高さを低減するために、フィルタカバー103が連結ポジションにあるときに上ハウジング101に連結される領域において、フィルタカバー103は、スカラップ形状(扇形状)の細部または部分138を含んでもよい。PAPデバイス100のハウジング101,102はまた、PAPデバイス100の後方におけるハウジング101,102の全体の容積およびサイズを減少させるためにPAPデバイス100の後方においてハウジング101,102の容積の一部を集中させるように、ハウジング101,102の後部に湾曲部137を有してもよい。ハウジング101,102は、PAPデバイス100の認識されるサイズを低減するために、例えば
図7−1から
図7−3に示されるように、隆起ベース側部139を有してもよい。
【0067】
図7−3から
図7−5を参照すると、PAPデバイス100は、ハウジング101,102内に設けられる送風機つまり流れ発生器105を含む。送風機105は、
図5−1から
図5−13に開示される特定の実施例に関して上述した送風機と同様のものであってもよい。上ハウジング101はフィルタ流入部131を含み、フィルタ流入部131は、フィルタ流入部131にわたって設けられるフィルタ140を保持するために保持特徴部つまりリブ132を有する。フィルタ140は、
図7−11に示されるように、リブ132とともにフィルタ流入部131にフィルタ140を保持するフィルタオーバーモールド149を有してもよい。上ハウジング101はまた、空気流入クリアランス152を含んでもよい。空気は、空気流入クリアランス152を通って、送風機105によってフィルタ流入部131に引き込まれてもよい。
【0068】
放出コネクタ153がハウジング101,102に取り付けられる。放出コネクタ153は、例えば上述の短放出チューブ9100に接続されてもよい。
図7−4および
図7−5に示されるように、放出コネクタ153は、上ハウジング101における凹部135と下ハウジング102における凹部136とに受容されるタブ150を備えてもよい。放出コネクタ153は、上ハウジング101内へ垂直方向にスライドし、続いて下ハウジング102を上ハウジング101に連結することによって保持される。
【0069】
図7−3および
図7−6から
図7−9を参照すると、PAPデバイス100は、
図7−10に示されるように、フィルタ流入部131からの空気流を受け取る流入エルボ142を含む。空気流は、
図5−10から
図5−13に関して上述した流入チューブ129と同様の様式で、空気流入クリアランス152を介してハウジング101,102へ引き込まれ、そしてフィルタ流入部131へ引き込まれ、次いで流入エルボ142へもたらされる。流入エルボ142の下端部は、
図7−9に示されるようなギャップによって下ハウジング102の上方で終端をなしている。一度、空気流が流入エルボ142の下端部から流出すると、空気流は、ハウジング101,102の内部領域内に全方向(つまり360°)に拡散され、送風機105の筒109を上昇して、送風機流入部127へ移動する。
図7−7に示されるように、流入エルボ142は、送風機105によって生じるノイズをさらに低減させるようも音の波長を後方反射し得る湾曲形状を有してもよい。好ましくは、流入エルボ142は、シリコンなどのフレキシブルな材料またはエラストマー材料から形成されており、空気が流入エルボ142を通過する際のその膨張(たわみ)が、放出されるノイズの低減にさらに役立つ。
【0070】
図7−3に示されるように、PAPデバイス100は、送風機放出部151に接続された放出部消音器143を含む。放出部消音器143は、送風機放出部151に接続される放出部消音器流入部144を含む。放出部消音器143はさらに放出部消音器チャンバ146を備え、放出部消音器チャンバ146は、
図7−6および
図7−10に示されるように、放出部消音器流入部144の反対側において流入エルボ142の周囲に延在する伸長部分147を有する。好ましくは、放出部消音器143は、シリコンなどのフレキシブルな材料またはエラストマー材料から形成されており、空気が放出部消音器143を通過する際のその膨張(たわみ)が、放出されるノイズの低減にさらに役立つ。放出部消音器143はまた、
図7−5および
図7−9に示されるように、放出部コネクタ153と密封関係にある放出部消音器放出部145を含む。
図7−9に示されるように、流入エルボ142と放出部消音器チャンバ146とは入れ子関係となっており、これにより、例えば
図5−1から
図5−13に示される実施例の消音チャンバ104と比較して、放出部消音器チャンバ146のサイズを大きくすることができる。
【0071】
図7−1から
図7−12に示される実施例のハウジング101,102は、
図5−1から
図5−13に示される実施例で開示されたハウジング101,102よりも大きな容積を有してもよい。より大きな容積のハウジングは、PAPデバイス100の音響特性に影響を及ぼすことなく、送風機105の圧力降下を低減する。
図7−1から
図7−12に示される実施例のハウジング101,102のより大きな容積が原因となって、サイズがより大きいと認識されることは、例えばフィルタカバー103のスカラップ部分138(
図7−1)によって、かつ増大された容積をPAPデバイス100の下側の視認領域へ再分配することによって軽減され得る。PAPデバイス100の下側の視認領域は、例えばハウジング101,102の後部の湾曲部137、およびハウジング101,102に設けられた隆起ベース側部139である。
【0072】
図7−1から
図7−12に示される実施例のフィルタ流入部131はまた、
図5−1から
図5−13に示される実施例のフィルタ流入部131よりも、大きな面積を有してもよい。これにより、フィルタ面積が増大されて、送風機105の圧力降下/揺動特性が向上される。
図7−1から
図7−12に示される実施例の空気流入クリアランス152はまた、
図5−1から
図5−13に示される実施例の空気流入クリアランスに比べて、より改善された圧力降下/揺動特性を提供する。
【0073】
屈折構造の実施例
図8および
図9を参照すると、PAPデバイスは屈折構造148を含んでもよい。屈折構造148は、空気流入クリアランス152を使用者の耳から離れるよう方向付けて、使用者に聞き取られるPAPデバイス100の音を減少させる。
【0074】
不定懸架部(Transient Suspension)の実施例
図10を参照すると、上ハウジング101の壁に送風機の振動が伝達することを防止するために、送風機105のための不定懸架システム160が設けられる。不定懸架システム160は、下ハウジング102に取り付けられる送風機105のための支持部を含んでもよい。支持部は、送風機105が上ハウジング101の側面に接触せずに左右に動けるようにする。この不定支持システム160は、送風機105の少なくとも片側に近接している。こうした左右への移動は、下方向へはあまり伝達しない。
【0075】
図11に示される他の実施例によれば、不定懸架システムは、例えばゴムバンドである懸架バンド161と上ハウジング101の側壁の各々との間に送風機を懸架してもよい。ゴムバンドには、送風機105の上下における隆起部または足162が取り付けられる。上下方向の振動は、左右方向においては壁に伝達されない。
【0076】
送風機の実施例
図12には国際出願PCT/US2010/003010号明細書に詳細に開示される送風機510を示す。図示されるように、送風機510は、第1および第2のハウジング部分522,524を備えるハウジング520と、一体型オーバーモールド固定アセンブリ549を形成するようステータアセンブリ544とのオーバーモールド部を含む(例えばLCPなどのプラスチックから構成される)固定構成要素530と、磁石支持部580によってロータまたはシャフト550に連結される磁石542と、シャフト550の端部に連結されるインペラ560と、モータ制御のためのプリント基板アセンブリ(PCBA)590と、を含む。シャフトまたはロータ550は、ベアリング552,554によってチューブ部分532に支持される。
【0077】
増大されたベアリング穴サイズ
図12に示されかつさらに国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示されるように、固定構成要素530のチューブ部分532の内面は、シャフト550を回転可能に支持するベアリング552,554を保持しかつ整列させるように構成されている。インペラに最も近接して配置されるベアリング552は、チューブ部分532に圧力嵌めされもよい(つまりチューブ部分にベアリングの外側レースが圧力嵌めされる)。
【0078】
代替実施例において、
図13に示されるように、チューブ部分532の穴サイズまたは直径は変更可能である。例えばインペラに最も近接する側において、穴は、圧力嵌めに加えてあるいはそれに代えて、チューブ部分532内に、インペラに最も近接するようベアリング552を保持するために接着剤を受容できる付加的な空間を提供するよう増大されてもよい(例えば段付けまたはフレア状になされてもよい)。つまり、インペラに最も近接する側における穴の直径は、保持のために接着剤を使用できるような適切なサイズとなるよう開口されてもよい。例えば
図13における直径d1は、接着剤を受容できるように0.005から0.025mm、例えば0.015mmまで増大されてもよい。そうした増大は、残りのチューブ部分に対するステップ付けによる増大であってよく、あるいは所望の直径までフレア形状にすることによる増大であってもよい。一実施例において、直径d1は、約9.005から9.025mm、例えば9.015mmであってもよい。なお、当然のことながら他の適切な穴直径を用いることもできる。
【0079】
また、インペラに最も近接するチューブ部分の内面は、保持性の向上のために、1つ以上の細長突出部531(例えば3つの突出部)を含んでもよい。突出部は、チューブ部分のキャビティ内に突出して障害物を形成するため、ベアリングの外側レースは、一度設置されると、チューブ部分またはベアリングの穴から抜け出るためにはその障害物を克服しなければならない。つまり突出部は、チューブ部分を効果的にベアリングの外側レースまたは外径よりも小さいものとする。
【0080】
そうした保持特徴部は、使用時に聞こえる音調のピークを除去するかまたは引き下げることに役立つ。
【0081】
ベアリングカートリッジ
代替実施例において、
図29に示されるように、ベアリング552,554のベアリングアセンブリは、固定構成要素530のチューブ部分532に挿入されるよう構成されたカートリッジ557内に設けられてもよい。個別のベアリングと比較すると、このベアリングカートリッジは、送風機アセンブリラインにおける組立ステップを少なくし、かつ接着する必要がないものとし得る。
【0082】
シャフトにおける溝
上述しかつ国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示されるように、シャフトまたはロータ550は、ベアリング552,554によってチューブ部分532に回転可能に支持される。
【0083】
代替実施例において、
図14Aおよび
図14Bに示されるように、少なくとも1つの環状溝551がシャフトまたはロータ550に設けられてもよく、かつベアリング552,554間に配置されるかまたは使用時にベアリングに隣接するシャフトの長さに沿って配置されるよう構成されてもよい。
図14Cには、送風機510内のそうしたシャフトの一実施例を示す。そうした溝551は、ロータの機械的共振を弱めて不均衡の大きさを小さくさせてかつ/または使用時の送風機ナローバンド音響特性におけるベアリング周波数ピークを低減させるために、シャフトの剛性を減少させかつ損失率を増加させるように構成されている。使用時において、溝付きシャフトは、溝のないシャフトと比較して、送風機ナローバンド音響特性における周波数損失および振幅を提供する。
【0084】
一実施例において、
図14Aに示されるように、シャフトまたはロータにおける溝の直径d1は、シャフトまたはロータの外径の約50%から約95%、約50%から約75%、好ましくは約60%から約70%、例えば約66%であってもよく、溝の幅d2は、シャフトまたはロータの外径の、約20%から約50%、好ましくは約30%から約40%,例えば約33%であってもよい。例えば
図14Aに示されるように、d1は約2mmから約2.5mm、例えば約2.3mmであってもよく、d2は、約1mmから約2mm、例えば約1.5mmであってもよく、d3における曲率半径は、約0.1mmから約0.5mm、例えば約0.2mmであってもよく、d4における曲率半径は、約0.25mmから約0.75mm、例えば約0.5mmであってもよい。なお、当然のことながら他の適切な寸法のシャフトまたはロータも使用可能である。
【0085】
もちろん、シャフトは、その長さに沿って1つ以上の溝(例えば1、2、3またはそれ以上の溝)を含んでもよい。そうした1つ以上の溝は、シャフトの剛性を減少させるのに適した寸法を含んでもよい。また、溝のサイズ(例えば長さおよび深さ)は、シャフトの可撓性を調節するよう互いに関連して変更されてもよい。1つ以上の溝が、ベアリング同士の間に位置決めされるよう構成されており、ベアリング同士の間におけるシャフトに沿ったそうした溝の位置決めは、調整可能である。
【0086】
一実施例において、溝の寸法(例えば長さ、深さ、半径)は、シャフトまたはロータの構造上の強度を維持しつつもシャフトの可撓性を高めるように、例えば破損または変形のない程度の可撓性となるように、選択されてもよい。一実施例において、溝の直径は、シャフトまたはロータの直径の約50〜95%、約50〜80%、約50〜60%であってもよい。なお、例えばシャフトまたはロータの材料に応じて、他の適切な寸法を採用することもできる(例えば、溝の直径は、シャフトまたはロータの直径の90%以上であってもよい)。
【0087】
図14Aおよび
図14Bに示されるように、シャフト550の長さに沿って、より小さな溝553を設けてもよい。図示された実施形態において、溝553は、シャフトに沿って二重らせん構成で配置される。なおこれら溝は、他の適切な構成でシャフトに配置されてもよい。一実施例において、これら溝は、インペラ560の保持性を向上させるために、例えばねじが緩むことを防止するために、設けられてもよい。
【0088】
また、
図14Bおよび
図14Cに示されるように、より小さな環状溝555が設けられてもよい。溝555は、シャフトまたはロータ550をチューブ部分内に保持するよう構成された保持リング556を受容する。
【0089】
付加的なPCBA保持特徴部
図15に図示されかつさらに国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示されるように、オーバーモールド固定アセンブリ549は、複数のピンタイプの取り付け突出部547(1)を含む。突出部547(1)は、PCBA590に設けられた対応する孔に係合して、アセンブリ549およびその組み込まれたステータアセンブリに対して正確にPCBA590およびその付属構成要素を高精度で位置決めしかつ整列するよう構成されている。この構成は、例えばヒートステーキングを用いて、突出部547(1)のうちの1つ以上の突出部の先端部にヘッドを形成するよう処理される。それにより、突出部547(1)は、PCBA590をアセンブリ549にしっかりと取り付けるためのリベットとなるように形成される。
【0090】
一実施例において、オーバーモールド固定アセンブリ549に設けられたピンタイプの取り付け突出部547(1)とPCBA590に設けられる対応する孔(またヒートステーキ可能な保持特徴部として称される)との数は、3以上であってもよく、例えば3つの取り付け突出部と対応するホールとが、PCBAの内径に沿って設けられ、かつ3つの突出部と対応オールとが、PCBAの外径に沿って設けられる。当然のことながら、6つ以上の突出部あるいは1つまたは2つの突出部を使用することもできる。そうした保持特徴部は、送風機ナローバンド音響特性における振動数ピークを低減させ得る。
【0091】
図16および
図17には、ピンタイプの取り付け突出部547(1)の実施例を示す。ピンタイプの取り付け突出部547(1)は、オーバーモールド固定アセンブリ549に設けられ、この突出部の付近の隆起面541がPCBA590の支持部となるよう構成される。
図18Aには、PCBA590をアセンブリ549にしっかりと取り付けるために突出部の先端にヘッドを形成するよう例えばヒートステーキングの使用により処理された後の突出部547(1)が示される。
【0092】
図18Bには、6つのピンタイプの取り付け突出部547(1)を含むオーバーモールド固定アセンブリ549が示される。6つのピンタイプの取り付け突出部547(1)は、言い換えると、PCBA590の内径部を支持するよう構成された3つの内側突出部IPと、PCBA590の外径部を支持するよう構成された3つの外側突出部OPである。
図18Bおよび
図18Cに示されるように、3つの内側突出部IPは、PCBAの内側部分の支持性を向上させるために、PCBAの内径に沿って配置されたホールセンサ591の付近に設けられている。これらホールセンサ591は、言い換えると、PCBAの他の構成要素の大部分と比較して相対的に重くかつ/またはより大きいホールセンサである。図示されるように内側突出部IPは、隣り合うホールセンサ591間に設けられているが、他の適切な構成も考えられる。3つの内側突出部IPは、PCBAの内側部分の振動を抑制することによって特定の可聴音の音調を低減する。
【0093】
図18Bに示されるような一実施例において、内側突出部IPおよびホールセンサ591の両方が、互いに対して所定の範囲rngにある半径rに沿って配置される。例えば所定の範囲rngは、約5〜30mm、例えば5〜10mmである。内側突出部IPおよびホールセンサ591は、その中心から10〜50mmであってもよい。
【0094】
図18Bおよび
図18Vに図示されるように、内側突出部IPは、第2のハウジング部またはベースカバー524(例えば
図2参照)の内側にバンパー525のためのクリアランスを提供するために、外側突出部OPよりも低い高さでステーキ処理される。バンパー525は、カバー524が支持部またはハブ580と接触して撓むことを防止するよう構成されている。バンパー525は、ノイズを低減するようために、通常作動中は他の構成要素とは接触しない。
【0095】
ステーキ処理後の内側突出部IPの高さの低減を達成するために、内側突出部の上部は、突出部の上部中央領域が減少するように凹状になされるが、一方で所定の位置にいては、より厚みのある材料断面が保持される。この所定の位置は、PCBAにおいて孔の内径部にせん断応力がかけられる位置である。突出部のステーキ処理されたヘッドの外径は増大されて、流動する余分な物質のための領域を提供する。
【0096】
第1のハウジング部に設けられた筒
図12に示されかつ国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示されるように、筒または流入チューブ部分527は、第1のハウジング部522の流入部526に設けられてもよい。筒は、流入部に供給される空気流に著しい制限をかけることなく、乱流ノイズを減少させるよう構成される。(例えばTPU合金、例えばTPEまたは他の適切な材料から構成された)筒527は、第1のハウジング部522に対してオーバーモールドされてもよい。
図19は、オーバーモールドされた筒527を備える第1のハウジング部522のみを示す図である。
【0097】
そうした筒は、第1のハウジング部の制音性を向上させること、および可聴音のパワーレベルを減少させることに役立ち得る。例えば、平均3オクターブの可聴音のパワーレベルを例えば2dBAまで減少させる。
【0098】
送風機ブラケット
図20に示されかつ国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示されるように、送風機510は、取り外し可能なカバーまたは端部壁を含むPAPデバイスのケーシング512内に支持されてもよい(取り外し可能なカバーは
図20では取り外されているため図示されない)。送風機をケーシング内に安定して支持しかつ使用時に送風機からの振動/ノイズ(例えばナローバンドおよび1/3オクターブ帯域の両方におけるより低い音レベル)を吸収するように、遮音材513(1),513(2)が送風機の各端部に設けられてもよい。
【0099】
図21から
図26に図示されるような代替実施例において、送風機ブラケット600は、ケーシング512内に送風機510を配置しかつケーシング内で整列されるよう設けられてもよい。図示されるように、送風機ブラケット600(一例として
図23に示されるようにステンレススチールなどから構成される例えば圧縮部分である)は本体602を含む。本体602は、本体の両側部における第1の対の開口604と、本体の両側部における第2の対の開口606とを有する。第2の対の開口606は、第1の対の開口604よりも大きい。
【0100】
使用時に、送風機ブラケット600は、送風機510のベースに取り付けられており、かつ開口604,606は、ケーシングおよびカバーに設けられた整列ピン/ボスのそれぞれを受容するよう構成される。特に、一対のより小さな開口604は、ケーシング512に設けられた整列ピン511の各々を受容するよう構成されており(例えば
図21および
図23から
図26参照)、かつ一対のより大きな開口606は、カバー512(1)に設けられたボス517を受容するよう構成される(例えば
図24から
図26参照)。(例えばケーシングに成型された)2つの整列ピン511は、送風機ブラケット600と送風機510とをケーシング512内で整列させ、かつ(例えばカバーに成型された)2つのボス517は、送風機を適所に保持するのに役立つ、つまり使用時に送風機がケーシング内で移動することを防止する。送風機ブラケット600は、送風機の底部における(例えばフォームから構成される)遮音材513(2)と、取り外し可能なカバーとの間に狭持されてもよい(例えば
図24参照)。
【0101】
送風機ブラケットは、例えば修理のために必要であれば送風機の分解を可能にする。任意では、送風機ブラケットは、EMFシールドの機能も果たしてもよい。
【0102】
図27および
図28に示されるように代替実施例において、送風機ブラケット700が、3つ足構造を有してもよい。図示されるように、送風機ブラケット700は、ケーシングに設けられた整列ピンをそれぞれ受容するよう構成された開口706をそれぞれ有する3つの足704を備える本体702を含む。
【0103】
なお、当然のことながら、送風機ブラケットは、使用時にケーシング内で送風機が移動することを防止するのに適した他の形状を有してもよい。
【0104】
高度スイッチ
図30に示されかつさらに国際出願PCT/US2010/003010号明細書に開示されるように、送風機810内のPCBAは、付随のPCBA885に連結されてもよい。付随のPCBA885は、オーバーモールドされた電源コードアセンブリ887に連結されている。一実施例において、付随のPCBAは、速度制御部および高度スイッチを含んでもよい。高度スイッチは、旅行目的で、高度変化を補償するよう設定をアップデートするよう使用されてもよい。また、高度スイッチは、サービス提供者ではなく患者によって操作されてもよい。
【0105】
ノイズの低減に関する特定の実施例
特定の実施例によれば、PAPシステムには、アクティブノイズキャンセレーションシステムが設けられてもよい。他の特定の実施形態によれば、流れ発生器のベアリングまたは送風機によって生じるノイズは、ベアリングの特定のパラメータを使用することおよび調和音を制御することによって心地よい音をもたらすように調整されてもよい。付加的にかつ/または代替的に、送風機のノイズ特性のノイズピークの大きさを減少させるために、送風機の速度は変更されてもよい。送風機のインペラブレードはまた、インペラの周囲に不規則に離間されていてもよく、かつ/または、インペラのブレードの数は、PAPシステムのノイズを減少させるために増加されてもよい。
【0106】
本発明をいくつかの実施例に関連して説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施例には限定されず、むしろ多様な変更ならびに本発明の趣旨および範囲内に含まれる構成と同等のものが含まれるよう意図されていることを理解されたい。また、上記さまざまな実施例は、他の実施例に関連して実施されてもよく、例えば実施例の1つ以上の態様が、さらに他の実施例を実現するように、他の実施例の1つ以上の態様と組み合わせられてもよい。さらに、所定のアセンブリのそれぞれ独立した特徴部または構成要素は、付加的な実施例を構成してもよい。加えて、本発明はOSAを患う患者への特定の用途を有するが、他の病気(例えば鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満症治療)を患う患者も上記技術の利益を受けることができることを理解されたい。さらに、上記開示は、患者への適用可能性および非医療用途におけるような病気ではない人への適用性を有する。