特許第6279910号(P6279910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝シュネデール・インバータ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6279910-インバータ装置 図000002
  • 特許6279910-インバータ装置 図000003
  • 特許6279910-インバータ装置 図000004
  • 特許6279910-インバータ装置 図000005
  • 特許6279910-インバータ装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6279910
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】インバータ装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20180205BHJP
   H04B 3/36 20060101ALI20180205BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   H02M7/48 J
   H04B3/36
   H04Q9/00 301A
   H04Q9/00 321E
   H04Q9/00 311P
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-7732(P2014-7732)
(22)【出願日】2014年1月20日
(65)【公開番号】特開2015-139226(P2015-139226A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】302038844
【氏名又は名称】東芝シュネデール・インバータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郷司 陽一
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−504864(JP,A)
【文献】 上野 玲子,建築エレクトロニクス,National TECHNICAL REPORT,日本,松下電器産業株式会社,1991年12月18日,第37巻 第6号,第51〜58ページ,【ISSN】0028-0291
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H04B 3/36
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信装置との間で無線によるデータ通信を行う無線通信手段と、
通信線を介して他の機器との間で有線によるデータ通信を行う有線通信手段と、
前記無線通信手段と前記有線通信手段との間に設けられ、閉成状態において前記無線通信手段の受信データを前記有線通信手段に伝送するとともに前記有線通信手段の受信データを前記無線通信手段に伝送し、開放状態において前記無線通信手段と前記有線通信手段との間を遮断するゲートウェイと、
前記無線通信手段の受信データが前記他の機器に対するデータである場合には前記ゲートウェイを閉成し、前記無線通信手段の受信データが本インバータ装置に対するデータである場合には前記ゲートウェイを開放する制御手段とを備えていることを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ゲートウェイを閉成した状態で、前記通信線を介して伝送されている通信データを前記有線通信手段により受信し、その通信データを前記無線通信手段により前記外部通信装置に送信することを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記無線通信手段の受信データを蓄積可能に構成され、前記有線通信手段が前記他の機器に対して送信権限を有しているときに前記ゲートウェイを閉成状態に制御し、前記蓄積した受信データを前記有線通信手段により前記他の機器に送信することを特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記有線通信手段の受信データが前記外部通信装置に対する応答データであると判定すると、その応答データを前記無線通信手段により前記外部通信装置に送信することを特徴とする請求項3記載のインバータ装置。
【請求項5】
インバータ本体と、前記インバータ本体から取り外し可能な操作パネルまたは前記インバータ本体に直接もしくはケーブルを介して取り付け可能な操作パネルを備えており、
前記無線通信手段は前記操作パネルに設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のインバータ装置。
【請求項6】
前記無線通信手段は着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のインバータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はインバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インバータ装置は、パラメータの設定または運転/停止などの制御を行うために、1系統または複数系統の通信手段を標準的に備えるようになってきている。パラメータは、インバータ装置の動作や機能を決定するためのソフトウェア設定項目であり、インバータ装置が組み込まれた機器に適した動作となるように種々に変更されて用いられる。通信手段には、例えばRS−485などの有線のシリアル通信が用いられている。
【0003】
システムの一例として、複数のインバータ装置を通信ケーブルで相互に接続し、PLC(Programmable Logic Controller)などの上位側コントローラとの間で有線通信によりデータや制御信号を送受信して、パラメータの設定やインバータ装置の制御などを行っているものがある。このようなシステムでインバータ装置のパラメータを変更するには、システムの運転が停止しているときにインバータ装置の通信ケーブルをパソコンなどの外部通信装置に繋ぎ替え、パソコンからパラメータの変更操作を行う。
【0004】
しかし、PLCと通信を行いながら24時間連続して稼働しているシステムにおいて、メンテナンスのために通信手段を使って電圧、電流、周波数、トルクなどのデータを読み出し、或いはパラメータの設定などを行うためには、制御に用いる通信手段とは別系統の通信手段が必要となる。この別系統の通信手段は、一般に有線通信手段である。
【0005】
この場合、データのモニタ、パラメータの変更等が必要になった稼働中のインバータ装置に、上記別系統の有線通信手段を用いてパソコンを電気的に接続する必要がある。インバータ装置は接地されて用いられるが、浮遊容量や配線インピーダンスによりインバータ装置の電位は大地電位に対して変動する。一方、パソコンなどの外部通信装置も大地に対して浮遊容量を有している。その結果、インバータ装置にパソコンを電気的に接続した時、浮遊容量を介してパルス電流が流れ、PLCとインバータ装置との間で行われている制御のための有線通信がノイズにより一時的に停止する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−93954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
パソコン接続時の上記不具合を防止するためには、パソコンと商用電源との間に絶縁トランスを介在させ、或いはインバータ装置とパソコンにそれぞれサージアブソーバを設ける必要がある。しかし、これらの対策は装置の大型化およびコスト高を招く。また、複数のインバータ装置に対しパソコンを個々に繋ぎかえるのは手間を要し、設置環境によってはインバータ装置との通信ケーブルの繋ぎ替え作業自体が困難な場合もあり得る。
【0008】
そこで、外部通信装置との接続時における有線通信への障害を防止し、外部通信装置との接続の手間を低減できるインバータ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のインバータ装置は、外部通信装置との間で無線によるデータ通信を行う無線通信手段と、通信線を介して他の機器との間で有線によるデータ通信を行う有線通信手段を備えている。また、インバータ装置は、無線通信手段と有線通信手段との間に設けられ、閉成状態において無線通信手段の受信データを有線通信手段に伝送するとともに有線通信手段の受信データを無線通信手段に伝送し、開放状態において無線通信手段と有線通信手段との間を遮断するゲートウェイを備えている。制御手段は、無線通信手段の受信データが他の機器に対するデータである場合にはゲートウェイを閉成し、無線通信手段の受信データが本インバータ装置に対するデータである場合にはゲートウェイを開放する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態を示すインバータシステムの構成図
図2】通信のシーケンス図
図3】第2の実施形態を示す図1相当図
図4図2相当図
図5】第3の実施形態を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。図1に示すインバータシステム1は、制御盤2、制御盤2の扉などに配設された操作パネル3、および外部通信装置としてのパソコン4から構成されている。制御盤2の内部には、複数のインバータ装置5a〜5d、コントローラ6、センサユニット7、入出力端子台8などが収納されている。本発明で言うインバータ装置は、インバータ装置5a(インバータ本体)と操作パネル3とから構成されている。操作パネル3は、インバータ装置5aに対しケーブルを介して取り付けられている。
【0012】
インバータ装置5a〜5d、コントローラ6、センサユニット7および入出力端子台8は、それぞれ有線通信ユニット9を備えており、共通の通信線10を介して互いに有線のデータ通信を行うようになっている。有線通信ユニット9は、例えばRS−485通信規格による有線通信手段である。
【0013】
インバータ装置5aは、2系統の有線通信ユニット9(9a、9b)を備えている。操作パネル3は、1系統の有線通信ユニット9と1系統の無線通信ユニット11を備えている。パソコン4は無線通信ユニット11を備えている。無線通信ユニット11は、例えばBluetooth(登録商標)などの通信規格による近距離無線通信手段である。インバータ装置5aと操作パネル3との間は有線によるデータ通信が可能であり、操作パネル3とパソコン4との間は無線によるデータ通信が可能である。つまり、インバータ装置5aは、操作パネル3を介してパソコン4との間で無線通信を行うことができる。
【0014】
インバータ装置5a〜5dは汎用のインバータ装置である。インバータ装置5a〜5dのCPU12は、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って運転モードの設定処理、周波数やトルクの制御、異常検出処理、保護動作、通信の制御、入出力インターフェースの制御などを実行する。インバータ装置5aのCPU12は、有線通信ユニット9bと有線通信ユニット9aとの間の伝送路、ひいては無線通信ユニット11と有線通信ユニット9aとの間の伝送路を開閉するゲートウェイ13としての機能を備えている。
【0015】
インバータ装置5aのCPU12は、ゲートウェイ13の閉成状態において、有線通信ユニット9bの受信データ(すなわち無線通信ユニット11の受信データ)を有線通信ユニット9aに伝送するとともに、有線通信ユニット9aの受信データを操作パネル3の無線通信ユニット11を介してパソコン4に伝送する。CPU12は、ゲートウェイ13の開放状態において、有線通信ユニット9b(すなわち無線通信ユニット11)と有線通信ユニット9aとの間を遮断する。
【0016】
コントローラ6はPLCにより構成されている。コントローラ6のCPU14は、インバータ装置5a〜5dに対し制御信号を送信してインバータ装置5a〜5dの運転/停止を統括制御する。センサユニット7は、例えばインバータ装置5a〜5dや制御盤2内部の温度を検出し、要求に応じてインバータ装置5a〜5dやコントローラ6に送信する。入出力端子台8は、接点入出力を増設する場合などに用いられる。操作パネル3は、図示しないLCD表示部と操作部およびCPU15などから構成されている。
【0017】
次に、図2も参照しながら本実施形態の作用を説明する。パソコン4は、無線通信ユニット11を備えた操作パネル3を介してインバータ装置5aと通信を行うことにより、インバータ装置5a〜5dに設定されているパラメータの読み出しと書き込み、インバータ装置5a〜5dからのモニタデータの読み出し、通信線10を介して伝送されている通信データの収集などを行う。モニタデータは、電圧、電流、周波数、トルクなどのデータである。
【0018】
インバータ装置5a〜5d、コントローラ6、センサユニット7および入出力端子台8からなる有線通信のネットワークは、トークンパッシング方式のアクセス制御を採用している。有線通信ユニット9、9aは、通信線10を介して伝送されている通信データを常に受信している。
【0019】
コントローラ6が送信権(トークン)を取得すると、インバータ装置5a〜5dに対し運転指令、周波数指令などを送信する。インバータ装置5a〜5dが送信権を取得すると、コントローラ6および他のインバータ装置に対し応答要求を送信し、応答の有無に基づいてこれらの装置との接続状態を確認する。
【0020】
インバータ装置5aは、有線通信ユニット9bの受信データ(つまり操作パネル3に設けられた無線通信ユニット11の受信データ)がインバータ装置5b〜5dに対する通信データである場合には、自ら送信権を取得するのを待ってゲートウェイ13を閉成する。そして、インバータ装置5b〜5dに対し、パソコン4から送信されたインバータ装置5b〜5dに対するパラメータの読み出し要求、書き込み要求またはモニタデータの読み出し要求を送信する。インバータ装置5aは、その要求に応じてインバータ装置5b〜5dから送信されたパラメータ、書き込み完了応答またはモニタデータを受信し、それを操作パネル3を介してパソコン4に無線送信する。
【0021】
一方、インバータ装置5aは、有線通信ユニット9bの受信データが自身に対する通信データである場合にはゲートウェイ13を開放し、応答データを無線通信によりパソコン4に送信する。また、インバータ装置5aは、有線通信ユニット9bの受信データが通信線10を介して伝送されている通信データの収集要求である場合には、ゲートウェイ13を閉成し、有線通信ユニット9aが受信した通信データをパソコン4に送信する。
【0022】
図2は、有線通信および無線通信に係るシーケンスの一例を示している。図面の都合上、インバータ装置5d、センサユニット7および入出力端子台8との通信シーケンスは省略されている。コントローラ6とインバータ装置5a〜5cについて、実線で囲まれた期間が送信権を有している期間である。図中に示すPLCはコントローラ6、INV1〜INV3はインバータ装置5a〜5c、PCはパソコン4を表している。
【0023】
コントローラ6は、送信権を取得するとインバータ装置5a〜5cに対し順に運転指令と周波数指令を送信し、その応答を受信する(期間1)。インバータ装置5aが送信権を取得すると、パソコン4からの受信データがない場合にゲートウェイ13を開放する。そして、コントローラ6およびインバータ装置5b、5cに対し順に応答要求を送信し、その応答を受信する(期間2)。
【0024】
これに対し、インバータ装置5aが送信権を有している期間にパソコン4からインバータ装置5aに対するパラメータ等の読み出し要求を受信すると、インバータ装置5aはゲートウェイ13を開放し、自身のパラメータ等を無線通信によりパソコン4に送信する。また、インバータ装置5aが送信権を有している期間にパソコン4から他の装置に対するパラメータ等の読み出し要求を受信すると、インバータ装置5aはゲートウェイ13を閉成し、その読み出し要求を有線通信により送信する。インバータ装置5aは、有線通信により受信したデータが応答データとしてのパラメータ等であると判定すると、それを無線通信によりパソコン4に送信する。
【0025】
インバータ装置5b、5cが送信権を取得すると、それぞれコントローラ6および自身を除く他のインバータ装置に対し順に応答要求を送信し、その応答を受信する(期間3、4)。
【0026】
インバータ装置5aが、送信権を有していない期間4にパソコン4から無線通信によりインバータ装置5bのパラメータの読み出し要求を受信すると、ゲートウェイ13を開放したままその読み出し要求を蓄積する。その後、コントローラ6が送信権限を持つ期間5を経て、インバータ装置5aが送信権限を持つ期間6に移行すると、インバータ装置5aはゲートウェイ13を閉成し、蓄積されているインバータ装置5bに対するパラメータの読み出し要求を有線通信により送信する。
【0027】
インバータ装置5aは、インバータ装置5bから送信されたパラメータを受信すると、そのパラメータを無線通信によりパソコン4に送信する。インバータ装置5aは、蓄積された全ての要求の送信と応答の受信およびパソコン4への応答の送信が完了すると、ゲートウェイ13を開放して期間2と同様にして他の装置に対する応答要求の送信と応答の受信を行う。以降のシーケンスも同様である。
【0028】
以上説明した実施形態によれば、インバータ装置5aと外部通信装置であるパソコン4との間の接続を無線通信により構成した。これにより、浮遊容量の存在などにより電位が相違するインバータ装置5aとパソコン4との電気的な接続がなくなるので、通信のための接続時にパルス電流によるノイズが発生せず、有線通信のネットワークにおける通信障害の発生を防止することができる。その結果、インバータシステム1により駆動される製造設備等の稼働中であっても、パソコン4を用いてパラメータの変更作業、データのモニタ作業を行うことができる。
【0029】
インバータ装置5aは、操作パネル3とゲートウェイ13を介して無線通信ユニット11と有線通信ユニット9aとの間でデータの授受を行うことができる。このため、パソコン4は、特定のインバータ装置5aを介して、通信線10に接続されている他のインバータ装置5b〜5dのパラメータの読み出しと書き込み、モニタデータの読み出しなどを行うことができる。
【0030】
この構成は、パソコン4が各インバータ装置5a〜5dと個別に無線通信を行う構成に比べて簡単であり、無線チャネルの切り替え制御も不要になる。また、インバータ装置5aは、パソコン4から受信したデータを一時的に蓄積する記憶手段を備えているので、送信権を有していない期間にパソコン4から受信した要求を、送信権を得た後に他の機器に送信することができる。
【0031】
パソコン4は、インバータ装置5a内のゲートウェイ13を介して通信線10上の通信データをモニタリングすることができる。これにより、伝送路(通信線10)に物理的な変更を加えることなく、インバータシステム1の故障診断を容易に行うことができる。
【0032】
無線通信ユニット11は、制御盤2内のインバータ装置本体ではなく、操作パネル3に設けられているので、電波を遮蔽する制御盤2の扉を開けることなく制御盤2の外に無線通信の電波を送出することができる。
【0033】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3および図4を参照しながら説明する。図3に示すインバータシステム21はコントローラ6を備えておらず、代わりにインバータ装置5aがインバータ装置5b〜5dの運転/停止を制御する。インバータ装置5a〜5d、センサユニット7および入出力端子台8からなる有線通信のネットワークは、インバータ装置5aがマスタとなり、他の装置がスレーブとなるマスタ・スレーブ方式のアクセス制御を採用している。従って、送信権はインバータ装置5aが有している。その他の構成およびゲートウェイ13の制御は、図1に示したインバータシステム1と同じである。
【0034】
図4は、有線通信および無線通信に係るシーケンスの一例を示している。図2と同じくインバータ装置5d、センサユニット7および入出力端子台8との通信シーケンスは省略されている。インバータ装置5aについてゲートウェイ13を通過するデータも明示されている。
【0035】
インバータ装置5aは、必要に応じてインバータ装置5b〜5cに対し順に運転指令と周波数指令を同報送信する。図4では省略されているが、インバータ装置5b〜5cからの応答を受信するようにしてもよい。
【0036】
インバータ装置5aがパソコン4からインバータ装置5aに対するパラメータ等の読み出し要求を受信すると、インバータ装置5aはゲートウェイ13を開放し、パラメータ等を無線通信によりパソコン4に送信する。インバータ装置5aがパソコン4から他の装置に対するパラメータ等の読み出し要求を受信すると、インバータ装置5aはゲートウェイ13を閉成し、その読み出し要求を有線通信により送信する。インバータ装置5aは、他の装置から送信されたパラメータ等を受信すると、それを無線通信によりパソコン4に送信する。
【0037】
インバータ装置5aは、パソコン4からの受信データが通信線10を介して伝送されている通信データの収集要求である場合には、ゲートウェイ13を閉成し、有線通信ユニット9aが受信した通信データをパソコン4に送信する。本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0038】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図5を参照しながら説明する。インバータシステム31のインバータ装置5a〜5dは、制御盤内に配設されておらず、個々の製造設備に並設されている。このため操作パネル3は設けられていない。その他の構成は、図3に示したインバータシステム21と同じである。本実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
【0039】
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態に加えて以下のような構成を採用してもよい。
第2、第3の実施形態でもトークンパッシング方式のアクセス制御を採用してもよい。外部通信装置はパソコンに限られない。
【0040】
パソコン4は、無線通信によりインバータ装置5aに制御信号を送信し、インバータ装置5aは、受信した制御信号を有線通信によりインバータ装置5b〜5dなどの他の機器に送信してもよい。すなわち、パソコン4とインバータ装置5aとの間のデータ通信には制御信号(運転指令信号、周波数指令信号など)の通信も含まれる。
【0041】
パソコン4は、コントローラ6に対する要求信号をインバータ装置5aに送信してもよい。すなわち、本発明で言う他の機器にコントローラ6を含めることができる。
第1、第2の実施形態において、無線通信ユニット11が予め操作パネル3に接続されている構成のみならず、無線通信が必要なときに無線通信ユニット11を操作パネル3に接続する構成であってもよい。また、無線通信ユニット11を操作パネル3に着脱可能に設けてもよい。
【0042】
第3の実施形態において、無線通信ユニット11が予めインバータ装置5aに接続されている構成のみならず、無線通信が必要なときに無線通信ユニット11をインバータ装置5aに接続する構成であってもよい。また、無線通信ユニット11をインバータ装置5aに着脱可能に設けてもよい。
【0043】
操作パネル3は、インバータ装置5a(インバータ本体)から取り外し可能に設けられていてもよい。操作パネル3は、操作パネル3またはインバータ装置5a(インバータ本体)に直接もしくはケーブルを介して取り付け可能に構成することができる。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、外部通信装置との接続時における有線通信への障害を防止し、外部通信装置との接続の手間を低減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
図面中、3は操作パネル、4はパソコン(外部通信装置)、5aはインバータ装置(インバータ本体)、9、9a、9bは有線通信ユニット(有線通信手段)、10は通信線、11は無線通信ユニット(無線通信手段)、13はゲートウェイ、12はCPU(制御手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5