(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2印刷部が前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドを前記主走査方向に移動させるときの移動速度は、前記第1印刷部が前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドを前記主走査方向に移動させるときの移動速度よりも速い、請求項1または5に記載されたインクジェットプリンタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクジェットプリンタ100では、第1記録ヘッド141の主走査方向Yの中間位置L101と第1紫外線照射装置151の主走査方向Yの中間位置L103とにおける主走査方向Yの距離D101と、第1記録ヘッド141の中間位置L101と第2紫外線照射装置152の主走査方向Yの中間位置L104とにおける主走査方向Yの距離D102とは異なる。同様に、第2記録ヘッド142の主走査方向Yの中間位置L102と第1紫外線照射装置151の中間位置L103とにおける主走査方向Yの距離D103と、第2記録ヘッド142の中間位置L102と第2紫外線照射装置152の中間位置L104とにおける主走査方向Yの距離D104とは異なる。そのため、例えば、行き方向Y1において、第1記録ヘッド141から吐出された紫外線硬化インクが硬化するまでの時間と、帰り方向Y2において、第1記録ヘッド141から吐出された紫外線硬化インクが硬化するまでの時間とは異なる。紫外線硬化インクは、硬化するまでの時間が長い程、インクのドット径が大きくなってしまう。よって、この場合、行き方向Y1と帰り方向Y2とにおいて、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクのそれぞれのドット径が異なることがある。その結果、印刷に斑が生じるおそれがある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷に斑が生じにくくすることが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のインクジェットプリンタは、主走査方向に延びたガイドレールと、前記ガイドレールにスライド自在に係合し、前記主走査方向の一方から他方に向かう行き方向の移動中、または、他方から一方に向かう帰り方向の移動中の少なくとも一方において、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する第1記録ヘッドと、前記第1記録ヘッドよりも前記主走査方向の一方または他方の側に設けられ、前記ガイドレールにスライド自在に係合し、前記行き方向の移動中、または、前記帰り方向の移動中の少なくとも一方において、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する第2記録ヘッドと、前記第1記録ヘッドにおける前記主走査方向の他方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第1紫外線照射装置と、前記第1記録ヘッドにおける前記主走査方向の一方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第2紫外線照射装置と、前記第2記録ヘッドにおける前記主走査方向の他方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第3紫外線照射装置と、前記第2記録ヘッドにおける前記主走査方向の一方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第4紫外線照射装置と、を備えている。前記主走査方向の一方側から見たとき、前記第1紫外線照射装置、前記第2紫外線照射装置、前記第3紫外線照射装置および前記第4紫外線照射装置の少なくとも一部は、それぞれ前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドと重なる。前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第1紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第2紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離と等しい。前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第3紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第4紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離と等しい。
【0008】
前記インクジェットプリンタによれば、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第1紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離は、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第2紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離と等しい。第1記録ヘッドが行き方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第2紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。また、第1記録ヘッドが帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第1紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。そのため、第1記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクが記録媒体に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。よって、第1記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクのそれぞれのドット径は等しい。したがって、第1記録ヘッドから記録媒体に紫外線硬化インクが吐出されて出来た印刷物に印刷の斑が生じにくくすることができる。
【0009】
また、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第3紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離は、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第4紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離と等しい。第2記録ヘッドが行き方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第4紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。また、第2記録ヘッドが帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第3紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。そのため、第2記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクが記録媒体に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。よって、第2記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクのそれぞれのドット径は等しい。したがって、第2記録ヘッドから記録媒体に紫外線硬化インクが吐出されて出来た印刷物の印刷の斑が生じにくくすることができる。
【0010】
本発明の他のインクジェットプリンタは、主走査方向に延びたガイドレールと、前記ガイドレールにスライド自在に係合し、前記主走査方向の一方から他方に向かう行き方向の移動中、または、他方から一方に向かう帰り方向の移動中の少なくとも一方において、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する第1記録ヘッドと、前記第1記録ヘッドよりも前記主走査方向の一方または他方の側に設けられ、前記ガイドレールにスライド自在に係合し、前記行き方向の移動中、または、前記帰り方向の移動中の少なくとも一方において、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する第2記録ヘッドと、前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドにおける前記主走査方向の他方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第1紫外線照射装置と、前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドにおける前記主走査方向の一方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第2紫外線照射装置と、前記第2記録ヘッドにおける前記主走査方向の他方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第3紫外線照射装置と、前記第2記録ヘッドにおける前記主走査方向の一方側に設けられ、前記記録媒体に吐出された前記紫外線硬化インクに紫外線を照射する第4紫外線照射装置と、を備えている。前記主走査方向の一方側から見たとき、前記第1紫外線照射装置、前記第2紫外線照射装置、前記第3紫外線照射装置および前記第4紫外線照射装置の少なくとも一部は、それぞれ前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドと重なる。前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第1紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第2紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離と等しい。前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第3紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第2紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離と等しい。前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第1紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第4紫外線照射装置の前記主走査方向の中間位置とについての前記主走査方向の距離と等しい。
【0011】
前記インクジェットプリンタによれば、第1記録ヘッドが行き方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第2紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。また、第1記録ヘッドが帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第1紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。そのため、第1記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクが記録媒体に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。よって、第1記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクのそれぞれのドット径は等しい。したがって、第1記録ヘッドから記録媒体に紫外線硬化インクが吐出されて出来た印刷物に印刷の斑が生じにくくすることができる。
【0012】
また、第2記録ヘッドが行き方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第2紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。また、第2記録ヘッドが帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクは、第3紫外線照射装置から紫外線が照射されることで硬化する。そのため、第2記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクが記録媒体に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。よって、第2記録ヘッドが行き方向および帰り方向に移動しているときに吐出した紫外線硬化インクのそれぞれのドット径は等しい。したがって、第2記録ヘッドから記録媒体に紫外線硬化インクが吐出されて出来た印刷物の印刷の斑が生じにくくすることができる。
【0013】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1記録ヘッドと、前記第2記録ヘッドと、前記第1紫外線照射装置と、前記第2紫外線照射装置と、前記第3紫外線照射装置と、前記第4紫外線照射装置とを制御する制御装置を備えている。前記制御装置は、前記第1記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第2紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第1記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第1紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第2記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第4紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第2記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第3紫外線照射装置から紫外線を照射させる第1印刷部と、前記第1記録ヘッドまたは前記第2記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第2紫外線照射装置および第4紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第1記録ヘッドまたは前記第2記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第1紫外線照射装置および第3紫外線照射装置から紫外線を照射させる第2印刷部と、を有する。
【0014】
上記態様によれば、第1印刷部における印刷と、第2印刷部における印刷とにおいて、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに照射される紫外線の光量が異なる。よって、必要に応じて、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに照射される紫外線の光量を調節することができる。
【0015】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1記録ヘッドと、前記第2記録ヘッドと、前記第1紫外線照射装置と、前記第2紫外線照射装置と、前記第3紫外線照射装置と、前記第4紫外線照射装置とを制御する制御装置を備えている。前記制御装置は、前記第1記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第2紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第1記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第1紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第2記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第2紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第2記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第3紫外線照射装置から紫外線を照射させる第1印刷部と、前記第1記録ヘッドまたは前記第2記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第2紫外線照射装置および第4紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第1記録ヘッドまたは前記第2記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに前記紫外線硬化インクを吐出する際に、前記第1紫外線照射装置および第3紫外線照射装置から紫外線を照射させる第2印刷部と、を有する。
【0016】
上記態様によれば、第1印刷部による印刷と、第2印刷部による印刷とでは、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに照射される紫外線の光量が異なる。よって、紫外線硬化インクに照射される紫外線の光量を適宜調節することができる。
【0017】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第2印刷部が前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドを前記主走査方向に移動させるときの移動速度は、前記第1印刷部が前記第1記録ヘッドおよび前記第2記録ヘッドを前記主走査方向に移動させるときの移動速度よりも速い。
【0018】
上記態様によれば、第1印刷部によって低速印刷が行われ、第2印刷部によって高速印刷が行われる。低速印刷では、各紫外線照射装置が、紫外線硬化インクが吐出された記録媒体上を通過する時間は、高速印刷の場合に比べて遅い。そのため、低速印刷では、紫外線硬化インクに照射される紫外線の単位時間当たりの量が高速印刷の場合に比べて多い。よって、低速印刷では、例えば、行き方向における第1記録ヘッドによる印刷の場合、第1印刷部は、第2紫外線照射装置から紫外線を照射させる。帰り方向における第1記録ヘッドによる印刷の場合、第1印刷部は、第1紫外線照射装置から紫外線を照射させる。
【0019】
一方、高速印刷では、各紫外線照射装置が、紫外線硬化インクが吐出された記録媒体上を通過する時間は、低速印刷の場合に比べて早い。そのため、高速印刷では、紫外線硬化インクに照射される紫外線の単位時間当たりの量が低速印刷の場合に比べて少ない。そこで、高速印刷では、例えば、行き方向における第1記録ヘッドによる印刷の場合、第2印刷部は、第2紫外線照射装置および第4紫外線照射装置から紫外線を照射させる。帰り方向における第1記録ヘッドによる印刷の場合、第2印刷部は、第1紫外線照射装置および第3紫外線照射装置から紫外線を照射させる。このことによって、高速印刷において、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに照射される紫外線の光量を多くしている。よって、低速印刷および高速印刷において、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を十分に照射させることができる。したがって、紫外線硬化インクを十分に硬化させることができる。第1記録ヘッドおよび第2記録ヘッドの移動速度に応じて、記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに照射する紫外線の光量を調節することができる。
【0020】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第2記録ヘッドは、前記第1記録ヘッドよりも前記主走査方向の一方側に設けられている。前記第2紫外線照射装置は、前記第2記録ヘッドと前記第4紫外線照射装置との間に設けられている。前記第3紫外線照射装置は、前記第1記録ヘッドと前記第1紫外線照射装置との間に設けられている。
【0021】
例えば、第2紫外線照射装置が第4紫外線照射装置よりも主走査方向の一方側(第2記録ヘッドと反対側)に設けられているとする。この場合、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第2紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離は、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第4紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離よりも長くなる。また、例えば、第3紫外線照射装置が第1紫外線照射装置よりも主走査方向の他方側(第1記録ヘッドと反対側)に設けられているとする。この場合、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第3紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離は、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置と第1紫外線照射装置の主走査方向の中間位置とについての主走査方向の距離よりも長くなる。そのため、これらの場合、第1記録ヘッド、第2記録ヘッド、第1紫外線照射装置、第2紫外線照射装置、第3紫外線照射装置および第4紫外線照射装置の全体における主走査方向の長さが長くなる。しかし、上記態様によれば、第1記録ヘッドと第2記録ヘッドを隣接させ、かつ、第2記録ヘッドの主走査方向の一方側(第1記録ヘッドと反対側)に、第2記録ヘッドと隣接するように第2紫外線照射装置を配置することができる。また、第1記録ヘッドの主走査方向の他方側(第2記録ヘッドと反対側)に、第1記録ヘッドと隣接するように第3紫外線照射装置を配置することができる。よって、第1記録ヘッド、第2記録ヘッド、第1紫外線照射装置、第2紫外線照射装置、第3紫外線照射装置および第4紫外線照射装置の全体における主走査方向の長さを短くすることができる。そのため、インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0022】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1記録ヘッドと前記第2記録ヘッドとは、前記主走査方向に並んだ位置に設けられている。
【0023】
例えば、第2記録ヘッドが、第1記録ヘッドに対して、主走査方向に直交する方向(以下、副走査方向という。)にずれた位置に設けられている場合、第1記録ヘッドおよび第2記録ヘッドの全体における副走査方向の長さが長くなる。しかし、上記態様によれば、第1記録ヘッドと第2記録ヘッドとは、主走査方向に並んだ位置に設けられている。そのため、第1記録ヘッドおよび第2記録ヘッドの全体における副走査方向の長さを短くすることができる。
【0024】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1記録ヘッドは、前記主走査方向に直交する副走査方向に配列された複数のノズルを有する第1ノズル列、第2ノズル列、第3ノズル列および第4ノズル列を備えている。前記第1ノズル列および前記第2ノズル列は、第1のインクを吐出する。前記第3ノズル列および前記第4ノズル列は、第2のインクを吐出する。前記第1ノズル列および前記第3ノズル列は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置よりも前記主走査方向の一方側に配置されている。前記第2ノズル列および前記第4ノズル列は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置よりも前記主走査方向の他方側に配置されている。前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第1ノズル列とについての前記主走査方向の距離は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第2ノズル列とについての前記主走査方向の距離と等しい。前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第3ノズル列とについての前記主走査方向の距離は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第4ノズル列とについての前記主走査方向の距離と等しい。
【0025】
上記態様によれば、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の一方側に配置された第1ノズル列と第2紫外線照射装置との距離は、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の他方側に配置された第2ノズル列と第1紫外線照射装置との距離と等しい。また、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の一方側に配置された第3ノズル列と第2紫外線照射装置との距離は、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の他方側に配置された第4ノズル列と第1紫外線照射装置との距離と等しい。そのため、主走査方向の一方側に配置された第1ノズル列から吐出された第1のインクと、主走査方向の他方側に配置された第2ノズル列から吐出された第1のインクとが紫外線によって硬化される時間はそれぞれ等しい。よって、第1ノズル列および第2ノズル列から吐出された第1のインクのそれぞれのドット径は等しい。また、同様に、主走査方向の一方側に配置された第3ノズル列から吐出された第2のインクと、主走査方向の他方側に配置された第4ノズル列から吐出された第2のインクとが紫外線によって硬化される時間はそれぞれ等しい。よって、第3ノズル列および第4ノズル列から吐出された第2のインクのそれぞれのドット径は等しい。したがって、第1記録ヘッドから記録媒体に紫外線硬化インクが吐出されて出来た印刷物に対する印刷の斑が更に生じにくくすることができる。
【0026】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第2記録ヘッドは、前記主走査方向に直交する副走査方向に配列された複数のノズルを有する第5ノズル列、第6ノズル列、第7ノズル列および第8ノズル列を備えている。前記第5ノズル列および前記第6ノズル列は、第3のインクを吐出する。前記第7ノズル列および前記第8ノズル列は、第4のインクを吐出する。前記第5ノズル列および前記第7ノズル列は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置よりも前記主走査方向の一方側に配置されている。前記第6ノズル列および前記第8ノズル列は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置よりも前記主走査方向の他方側に配置されている。前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第5ノズル列とについての前記主走査方向の距離は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第6ノズル列とについての前記主走査方向の距離と等しい。前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第7ノズル列とについての前記主走査方向の距離は、前記第2記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第8ノズル列とについての前記主走査方向の距離と等しい。
【0027】
上記態様によれば、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の一方側に配置された第5ノズル列と第4紫外線照射装置との距離は、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の他方側に配置された第6ノズル列と第3紫外線照射装置との距離と等しい。また、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の一方側に配置された第7ノズル列と第4紫外線照射装置との距離は、第2記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の他方側に配置された第8ノズル列と第3紫外線照射装置との距離と等しい。そのため、主走査方向の一方側に配置された第5ノズル列から吐出された第3のインクと、主走査方向の他方側に配置された第6ノズル列から吐出された第3のインクとが紫外線によって硬化される時間はそれぞれ等しい。よって、第5ノズル列および第6ノズル列から吐出された第3のインクのそれぞれのドット径は等しい。また、同様に、主走査方向の一方側に配置された第7ノズル列から吐出された第4のインクと、主走査方向の他方側に配置された第8ノズル列から吐出された第4のインクとが紫外線によって硬化される時間はそれぞれ等しい。よって、第7ノズル列および第8ノズル列から吐出された第4のインクのそれぞれのドット径は等しい。したがって、第2記録ヘッドから記録媒体に紫外線硬化インクが吐出されて出来た印刷物に対する印刷の斑が更に生じにくくすることができる。
【0028】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1記録ヘッドは、前記主走査方向に直交する副走査方向に配列された複数のノズルを有する第1ノズル列および第2ノズル列を有している。前記第1ノズル列は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置よりも前記主走査方向の一方側に配置されている。前記第2ノズル列は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置よりも前記主走査方向の他方側に配置されている。前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第1ノズル列とについての前記主走査方向の距離は、前記第1記録ヘッドの前記主走査方向の中間位置と前記第2ノズル列とについての前記主走査方向の距離と等しい。前記第1記録ヘッドが前記行き方向に移動しているときに、前記第1ノズル列および前記第2ノズル列の一方から前記紫外線硬化インクを吐出させかつ前記第2紫外線照射装置から紫外線を照射させ、前記第1記録ヘッドが前記帰り方向に移動しているときに、前記第1ノズル列および前記第2ノズル列の他方から前記紫外線硬化インクを吐出させかつ前記第1紫外線照射装置から紫外線を照射させる制御装置を備えている。
【0029】
上記態様によれば、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の一方側に配置された第1ノズル列と第2紫外線照射装置との距離は、第1記録ヘッドの主走査方向の中間位置よりも主走査方向の他方側に配置された第2ノズル列と第1紫外線照射装置との距離と等しい。そのため、行き方向の印刷において、第1ノズル列から吐出されたインクのドット径と、帰り方向の印刷において、第2ノズル列から吐出されたインクのドット径とは、等しい。したがって、第1記録ヘッドから記録媒体にインクが吐出されて出来た印刷物に対する印刷の斑が更に生じにくくすることができる。
【0030】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記第1記録ヘッドは、プロセスカラーインクを吐出する。前記第2記録ヘッドは、特色インクを吐出する。前記第1記録ヘッドと前記第2記録ヘッドとは別体に形成されている。
【0031】
プロセスカラーインクとは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクである。特色インクとは、例えば、グロスインク、ホワイトインク、プライマーインクである。プロセスカラーインクは、特色インクと比べて使用頻度が高い。仮に、第1記録ヘッドと第2記録ヘッドとが一体的に形成されている場合、ヘッドクリーニングをする際、第1記録ヘッドおよび第2記録ヘッドを共にクリーニングする。そのため、本来ならヘッドクリーニングをする必要がない記録ヘッドもクリーニングすることがあり得る。しかし、上記態様では、第1記録ヘッドと第2記録ヘッドとが別体に形成されているため、第1記録ヘッドと第2記録ヘッドとを別々にクリーニングすることができる。よって、無駄なヘッドクリーニングを削減することができると共に、無駄なインクの消費を防止することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、印刷に斑が生じにくくすることが可能なインクジェットプリンタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)について説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0035】
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係るプリンタ1について説明する。
図1は、第1本実施形態に係るプリンタ1の斜視図である。
図2は、プリンタ1の内部構成を示す平面図である。なお、以下の図面において、符号F、Rr、LおよびRは、それぞれ前、後、左および右を示している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、プリンタ1の設置態様を何ら限定するものではない。また、符号Yは主走査方向を示している。符号Xは、主走査方向Yと直交する副走査方向を示している。ただし、主走査方向Yおよび副走査方向Xの各方向は特に限定されない。主走査方向Yおよび副走査方向Xは、プリンタ1の形態などに応じて適宜に設定可能である。
【0036】
図1に示すように、プリンタ1は、記録紙5に印刷を行う。記録紙5は記録媒体の一例である。記録紙5はロール状の記録媒体である。記録紙5はいわゆるロール紙である。しかし、本発明の記録媒体は、記録紙5に限定されない。例えば、記録媒体は、樹脂製のシートであってもよい。また、記録媒体は、可撓性を有するシートに限定されない。例えば、記録媒体は、ガラス基板などの材質が硬い記録媒体であってもよい。
【0037】
本実施形態では、プリンタ1は、主走査方向Yに延びるプリンタ本体10と、プリンタ本体10を支持する脚11とを備えている。プリンタ本体10の右側には、操作パネル12が設けられている。図示は省略するが、操作パネル12は、表示部と入力部とを備えている。上記表示部には、モノクロ印刷またはカラー印刷、解像度、インクの濃さなどの印刷に関する情報が表示される。上記入力部は、上記表示部に表示された情報を利用者が入力するものである。
【0038】
プリンタ本体10には、カバー15が設けられている。ここでは、カバー15は、プリンタ本体10の上側部分に取り付けられている。カバー15は、開閉自在である。プリンタ本体10の下側部分には、記録紙5を排出する排出口13が形成されている。排出口13の前方かつ下方の位置には、排出口13から排出される記録紙5を前方斜め下向きに案内するガイド14が設けられている。
【0039】
次に、プリンタ本体10の内部構成について説明する。
図2に示すように、プリンタ1は、ガイドレール20とプラテン25とを備えている。ガイドレール20は、プリンタ本体10の内部に設けられている。ガイドレール20は、主走査方向Yに延びている。
【0040】
プラテン25は、記録紙5へ印刷する際、記録紙5を支持するものである。記録紙5への印刷は、プラテン25上で行われる。プラテン25は、ガイドレール20の中央部の前方に配置されている。プラテン25は、主走査方向Yに延びている。
【0041】
ガイドレール20の右端部分の近傍には、プーリ21が設けられている。ガイドレール20の左端部分の近傍には、プーリ22が設けられている。プーリ21とプーリ22とには、無端状のベルト23が巻き掛けられている。プーリ21には、サーボモータ24が連結されている。サーボモータ24がプーリ21を駆動すると、プーリ21とプーリ22との間においてベルト23が走行する。なお、本実施形態では、プーリ21が駆動されるが、プーリ22が駆動されるように構成されてもよい。この場合、プーリ22には、サーボモータ24が連結される。
【0042】
ベルト23には、キャリッジ30が取り付けられている。図示は省略するが、キャリッジ30は、ガイドレール20に係合している。そのため、キャリッジ30は、ベルト23の走行に従って、ガイドレール20に沿って主走査方向Yに移動する。
【0043】
プラテン25の左端部および右端部には、記録紙5を副走査方向Xに搬送させる上下一対のローラ26(なお、
図2では上側のローラ26のみ図示されている。)がそれぞれ配置されている。ただし、上下一対のローラ26の設置位置は、プラテン25の左端部および右端部に限定されない。上下一対のローラ26のうち、何れか一方のローラ26は自ら回転する駆動ローラである。他方のローラ26は、当該駆動ローラと共に記録紙5を挟み込むためのピンチローラである。ローラ26のうちピンチローラは、記録紙5の厚さに応じて上下方向の位置を設定可能に構成されており、利用者により操作可能に構成されている。
【0044】
本実施形態では、プリンタ1は、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とを備えている。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42は、下方に向かって記録紙5にインクを吐出する。このインクは、紫外線が照射されると硬化するインク、すなわち、紫外線硬化インクである。
【0045】
第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42は、主走査方向Yに移動自在なようにガイドレール20にスライド自在に係合している。本実施形態では、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42は、キャリッジ30に取り付けられている。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42は、主走査方向Yの行き方向Y1の移動中、および、帰り方向Y2の移動中に記録紙5に向かってインクを吐出する。ここで、
図2などにおいて、行き方向Y1とは、右から左へ向かう方向のことをいい、帰り方向Y2とは、左から右へ向かう方向のことをいう。以下の説明では、行き方向を左方向Y1ともいい、帰り方向を右方向Y2ともいう。本実施形態では、プリンタ1は、双方向印刷が可能なものである。図示は省略するが、プリンタ本体10の後部には、インクが充填されたインクカードリッジが取り付けられている。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42は、チューブ(図示せず)などを介して上記インクカードリッジに接続されている。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42には、上記インクカードリッジからインクが供給される。本実施形態では、主走査方向Yの左方向Y1および右方向Y2において、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42のうち一方の記録ヘッドからのみインクを吐出する。すなわち、第1記録ヘッド41からインクが吐出されているときは、第2記録ヘッド42からインクは吐出されない。また、第2記録ヘッド42からインクが吐出されているときは、第1記録ヘッド41からインクは吐出されない。
【0046】
図3は、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53、および、第4紫外線照射装置54を模式的に示す平面図である。
図3に示すように、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、別体に形成されている。ここでは、第1記録ヘッド41は、連結部材48を介して第2記録ヘッド42と連結している。ただし、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、一体的に形成されていてもよい。第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、主走査方向Yにずれた位置に設けられている。本実施形態では、第1記録ヘッド41は、第2記録ヘッド42の左側に設けられている。ただし、第1記録ヘッド41は、第2記録ヘッド42の右側に設けられてもよい。第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、主走査方向Yに並んで配置されている。ここでは、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、副走査方向Xに完全に一致した位置に設けられている。ただし、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、副走査方向Xにずれた位置に設けられていてもよい。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の大きさは特に限定されない。第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、同じ大きさであってもよいし、異なった大きさであってもよい。例えば、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の主走査方向Yの長さは約30mmである。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の副走査方向Xの長さは約40mmである。
【0047】
第1記録ヘッド41から吐出されるインクは、例えば、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)、ブラックインク(K)である。シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクは、カラー画像を形成するためのインクであり、いわゆるプロセスカラーインクと呼ばれる。ただし、第1記録ヘッド41から吐出されるインクの種類および数は特に限定されない。例えば、第1記録ヘッド41から吐出されるインクは、上述したシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクの他に、ライトシアンおよびライトマゼンタを含めた6種類のインクであってもよい。ここでは、例えば、シアンインクが「第1のインク」に対応し、マゼンタインクが「第2のインク」に対応する。
【0048】
図4は、第1記録ヘッド41の吐出部43C、43M、43Y、43Kを模式的に示す図であり、第1記録ヘッド41を下から見た図である。
図4に示すように、第1記録ヘッド41は、副走査方向Xに配列された複数のノズルを有する複数の吐出部を備えている。第1記録ヘッド41は、シアンインクを吐出する2つの吐出部43Cと、マゼンタインクを吐出する2つの吐出部43Mと、イエローインクを吐出する2つの吐出部43Yと、ブラックインクを吐出する2つの吐出部43Kとを備えている。
【0049】
これらの吐出部43C、43M、43Y、43Kには、それぞれ副走査方向Xに並ぶ複数のノズル45が形成されている。なお、
図4には、第1記録ヘッドの各吐出部には8個のノズル45しか図示されていないが、実際には多数のノズル45が形成されている。吐出部43C、43M、43Y、43Kは、主走査方向Yに並んでいる。ここでは、吐出部43Cのうち一方、吐出部43Mのうち一方、吐出部43Yのうち一方、および、吐出部43Kのうち一方は、それぞれ第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1よりも主走査方向Yの一方側、すなわち、右側に配置されている。吐出部43Cのうち他方、吐出部43Mのうち他方、吐出部43Yのうち他方、および、吐出部43Kのうち他方は、それぞれ第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1よりも主走査方向Yの他方側、すなわち、左側に配置されている。ここでは、例えば、2つの吐出部43Cのうち右側の吐出部43Cが「第1ノズル列」に対応し、左側の吐出部43Cが「第2ノズル列」に対応する。また、例えば、吐出部43Mのうち右側の吐出部43Mが「第3ノズル列」に対応し、左側の吐出部43Mが「第4ノズル列」に対応する。
【0050】
第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と左側の吐出部43Cの主走査方向Yの中間位置L11aとの距離D11aは、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と右側の吐出部43Cの主走査方向Yの中間位置L11bとの距離D11bと等しい。同様に、第1記録ヘッド41の中間位置L1と左側の吐出部43Mの主走査方向Yの中間位置L12aとの距離D12aは、第1記録ヘッド41の中間位置L1と右側の吐出部43Mの主走査方向Yの中間位置L12bとの距離D12bと等しい。第1記録ヘッド41の中間位置L1と左側の吐出部43Yの主走査方向Yの中間位置L13aとの距離D13aは、第1記録ヘッド41の中間位置L1と右側の吐出部43Yの主走査方向Yの中間位置L13bとの距離D13bと等しい。第1記録ヘッド41の中間位置L1と左側の吐出部43Kの主走査方向Yの中間位置L14aとの距離D14aは、第1記録ヘッド41の中間位置L1と右側の吐出部43Kの主走査方向Yの中間位置L14bとの距離D14bと等しい。
【0051】
ここでは、左方向Y1および右方向Y2において、第1記録ヘッド41の複数の吐出部は、共に吐出部43C、43M、43Y、43K、43K、43Y、43M、43Cの順序で並んでいる。本実施形態では、平面視において、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1を対象軸とすると、この対象軸を中心にして線対称となるように各吐出部43C、43M、43Y、43Kが配置されている。ただし、各吐出部43C、43M、43Y、43Kの配置される順序は特に限定されない。ここでは、各吐出部43C、43M、43Y、43Kは、互いが等間隔になるように主走査方向Yに並んで配置されている。本実施形態では、吐出部43C、43M、43Y、43Kはそれぞれ別体に形成されている。しかし、吐出部43C、43M、43Y、43Kは、それらの一部または全部が一体的に形成されていてもよい。また、各吐出部では、
図4に示すように、ノズル45が1列に並んでいてもよいし、ノズル45が2列以上に並んでいてもよい。ここでは、吐出部43C、43M、43Y、43Kのそれぞれの複数のノズル45のうち、主走査方向Yに隣合うノズル45は、主走査方向Yに並んで配置されている。例えば、吐出部43C、43M、43Y、43Kの一端に設けられた各ノズル45は、主走査方向Yに並んで配置されている。ただし、吐出部43C、43M、43Y、43Kのそれぞれの複数のノズル45のうち主走査方向Yに隣合うノズル45は、互いが副走査方向Xにずれた位置に配置されていてもよい。すなわち、ノズル45は、千鳥状に配列されていてもよい。
【0052】
第2記録ヘッド42から吐出されるインクは、例えば、グロスインク(G)、ホワイトインク(W)、プライマーインク(P)である。グロスインクは、主として、記録紙5に吐出されたプロセスカラーインクの表面に吐出されるインクである。グロスインクは、透明なインクであり、表面に光沢のある印刷を行いたいときに使用される。ホワイトインクは、白色の印刷をする際に使用される。ホワイトインクは、例えば、記録紙5が白色以外の色であるとき、下地印刷として使用され得る。ホワイトインクが吐出された記録紙5上にプロセスカラーインクを吐出することで、記録紙5の色に影響されずに、プロセスカラーインクの本来の色を記録紙5に残すことができる。プライマーインクとは、いわゆる下地処理剤と呼ばれるインクであり、プロセスカラーインクを記録紙5に吐出する前に記録紙5に吐出するものである。グロスインク、ホワイトインク、プライマーインクは、いわゆる特色インクと呼ばれる。特色インクは、プロセスカラーインク以外のインクである。特色インクは、プロセスカラーインクに付随して使用されるインクである。ここでは、例えば、グロスインクが「第3のインク」に対応し、ホワイトインクが「第4のインク」に対応する。
【0053】
図5は、第2記録ヘッド42の吐出部44G、44W、44Pを模式的に示す図であり、第2記録ヘッド42を下から見た図である。
図5に示すように、第2記録ヘッド42は、副走査方向Xに配列された複数のノズルを有する複数の吐出部を備えている。第2記録ヘッド42は、グロスインクを吐出する2つの吐出部44Gと、ホワイトインクを吐出する2つの吐出部44Wと、プライマーインクを吐出する2つの吐出部44Pとを備えている。
【0054】
これらの吐出部44G、44W、44Pには、それぞれ副走査方向Xに並ぶ複数のノズル46が形成されている。なお、
図5には、第2記録ヘッド42の各吐出部には8個のノズル46しか図示されていないが、実際には多数のノズル46が形成されている。吐出部44G、44W、44Pは、主走査方向Yに並んでいる。ここでは、吐出部44Gのうち一方、吐出部44Wのうち一方、および、吐出部44Pのうち一方は、それぞれ第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2よりも主走査方向Yの一方側、すなわち、右側に配置されている。吐出部44Gのうち他方、吐出部44Wのうち他方、および、吐出部44Pのうち他方は、それぞれ第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2よりも主走査方向Yの他方側、すなわち、左側に配置されている。ここでは、例えば、2つの吐出部44Gのうち右側の吐出部44Gが「第5ノズル列」に対応し、左側の吐出部44Gが「第6ノズル列」に対応する。また、例えば、2つの吐出部44Wのうち右側の吐出部44Wが「第7ノズル列」に対応し、左側の吐出部44Wが「第8ノズル列」に対応する。
【0055】
第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と左側の吐出部44Gの主走査方向Yの中間位置L21aとの距離D21aは、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と右側の吐出部44Gの主走査方向Yの中間位置L21bとの距離D21bと等しい。同様に、第2記録ヘッド42の中間位置L2と左側の吐出部44Wの主走査方向Yの中間位置L22aとの距離D22aは、第2記録ヘッド42の中間位置L2と右側の吐出部44Wの主走査方向Yの中間位置L22bとの距離D22bと等しい。第2記録ヘッド42の中間位置L2と左側の吐出部44Pの主走査方向Yの中間位置L23aとの距離D23aは、第2記録ヘッド42の中間位置L2と右側の吐出部44Pの主走査方向Yの中間位置L23bとの距離D23bと等しい。
【0056】
ここでは、左方向Y1および右方向Y2において、第2記録ヘッド42の複数の吐出部は、共に吐出部44G、44W、44P、44P、44W、44Gの順序で並んでいる。本実施形態では、平面視において、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2を対象軸とすると、この対象軸を中心にして線対称となるように各吐出部44G、44W、44Pが配置されている。ただし、各吐出部44G、44W、44Pの配置される順序は特に限定されない。ここでは、各吐出部44G、44W、44Pは、互いが等間隔になるように主走査方向Yに並んで配置されている。本実施形態では、吐出部44G、44W、44Pは、それぞれ別体に形成されている。しかし、吐出部44G、44W、44Pは、それらの一部または全部が一体的に形成されていてもよい。また、各吐出部では、
図5に示すように、ノズル46が1列に並んでいてもよいし、ノズル46が2列以上に並んでいてもよい。ここでは、吐出部44G、44W、44Pのそれぞれの複数のノズル46のうち隣合うノズル46は、主走査方向Yに並んで配置されている。例えば、吐出部44G、44W、44Pの一端に設けられた各ノズル46は、主走査方向Yに並んで配置されている。ただし、吐出部44G、44W、44Pのそれぞれの複数のノズル46のうち隣合うノズル46は、互いが副走査方向Xにずれた位置に配置されていてもよい。すなわち、ノズル46は、千鳥状に配列されていてもよい。
【0057】
図2に示すように、プラテン25の右方には、上向きに開口した容器16と、ワイパー17a、17bが配置されている。容器16は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42が待機場所であるホームポジションHPに移動したとき、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42から吐出されるインクを受けるものである。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42内のインクが空気に触れると、インクの粘度が増加する。インクの粘度が増加すると、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の吐出性能が変化してしまうおそれがある。そこで、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42は、吐出性能の信頼性向上のために、容器16に向かってインクを吐出する動作を適宜行う。容器16は、そのような動作時に第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42から吐出されるインクを回収するものである。容器16は、第1記録ヘッド41から吐出されるプロセスカラーインクと、第2記録ヘッド42から吐出される特色インクを回収する。ここでは、第1記録ヘッド41から容器16に向かって吐出されるプロセスカラーインクが第2記録ヘッド42に付着しにくくなる。また、第2記録ヘッド42から容器16に向かって吐出される特色インクが第1記録ヘッド41に付着しにくくなる。
【0058】
ワイパー17aは、第1記録ヘッド41のノズル面(吐出部が形成されている面)を清掃する。ワイパー17bは、第2記録ヘッド42のノズル面を清掃する。第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42がホームポジションHPに移動するとき、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42が、それぞれワイパー17aおよびワイパー17bによって適度に擦られ、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42に付着している不要なインクなどが除去される。本実施形態では、ワイパー17bが除去した第2記録ヘッド42の特色インクが、第1記録ヘッド41のノズル面に付着することを防止することができる。また、ワイパー17aが除去した第1記録ヘッド41のプロセスカラーインクが、第2記録ヘッド42のノズル面に付着することを防止することができる。ここでは、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42が容器16に向かってインクを吐出する動作、および、ワイパー17a、17bが第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42のそれぞれのノズル面を清掃する動作を「ヘッドクリーニング」という。
【0059】
図3に示すように、プリンタ1は、第1紫外線照射装置51と、第2紫外線照射装置52と、第3紫外線照射装置53と、第4紫外線照射装置54とを備えている。紫外線照射装置51、52、53、54は、記録紙5に吐出されたインクに紫外線を照射するものである。本実施形態では、紫外線照射装置51、52、53、54は、複数の紫外線発光ダイオードによって構成されている。なお、紫外線照射装置51、52、53、54は、例えばハロゲンランプなどで構成されてもよい。
【0060】
次に、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54の位置関係について説明する。紫外線照射装置51、52、53、54は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42と共に移動するように設けられている。主走査方向Yの一方側から見たとき、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54の少なくとも一部は、それぞれ第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42と重なっている。紫外線照射装置51、52、53、54は、それぞれ第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42と完全に重なっていてもよいし、その一部のみが重なっていてもよい。紫外線照射装置51、52、53、54の副走査方向Xのそれぞれの長さは、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42のうち最も前方に位置する端部から最も後方に位置する端部までの長さと同じまたはそれよりも長い。例えば、紫外線照射装置51、52、53、54の副走査方向Xの長さは、それぞれ約60mmである。また、例えば、紫外線照射装置51、52、53、54の主走査方向Yの長さは、それぞれ約10mmである。ここでは、紫外線照射装置51、52、53、54の副走査方向Xの長さは、それぞれ第1記録ヘッド41の副走査方向Xの長さ、および、第2記録ヘッド42の副走査方向Xの長さと同じまたはそれよりも長い。なお、本実施形態では、紫外線照射装置51、52、53、54のそれぞれの大きさは同じであるが、互いに異なっていてもよい。
【0061】
第1紫外線照射装置51と、第2紫外線照射装置52と、第3紫外線照射装置53と、第4紫外線照射装置54とは、主走査方向Yに並んで配置されている。第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の左側に配置されている。第3紫外線照射装置53は、第1記録ヘッド41と第1紫外線照射装置51との間に設けられている。第1紫外線照射装置51は、連結部材58aを介して第3紫外線照射装置53の左側に取り付けられている。第3紫外線照射装置53は、連結部材58bを介して第1記録ヘッド41の左側に取り付けられている。第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の右側に配置されている。第2紫外線照射装置52は、第2記録ヘッド42と第4紫外線照射装置54との間に設けられている。第2紫外線照射装置52は、連結部材58cを介して第2記録ヘッド42の右側に取り付けられている。第4紫外線照射装置54は、連結部材58dを介して第2紫外線照射装置52の右側に取り付けられている。
【0062】
第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D1は、第1記録ヘッド41の中間位置L1と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D2と等しい。ここでは、第1記録ヘッド41の複数の吐出部のうち同じ色のインクを吐出する吐出部において、左側の吐出部の主走査方向Yの中間位置と第1紫外線照射装置51の中間位置L3との距離は、右側の吐出部の主走査方向Yの中間位置と第2紫外線照射装置52の中間位置L4との距離と等しい。例えば、
図4において、シアンインクを吐出する吐出部43Cのうち左側の吐出部43Cの中間位置L11aと第1紫外線照射装置51の中間位置L3との距離は、右側の吐出部43Cの中間位置L11bと第2紫外線照射装置52の中間位置L4との距離と等しい。ここで、「等しい」には、完全に等しい場合、および、実質的に等しい場合が含まれる。また、上述した距離同士に多少の誤差があったとしても、後述するように、印刷の斑が生じにくくすることができるものであれば、その多少の誤差は、「実質的に等しい」に含まれる。以下の説明においても、「等しい」とは、同様の意味である。
【0063】
また、
図3に示すように、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D3は、第2記録ヘッド42の中間位置L2と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D4と等しい。本実施形態では、距離D1と、距離D2と、距離D3と、距離D4とは等しい。ここでは、第2記録ヘッド42の複数の吐出部のうち同じインクを吐出する吐出部において、左側の吐出部の主走査方向Yの中間位置と第3紫外線照射装置53の中間位置L5との距離は、右側の吐出部の主走査方向Yの中間位置と第4紫外線照射装置54の中間位置L6との距離と等しい。例えば、
図5において、グロスインクを吐出する吐出部44Gのうち左側の吐出部44Gの中間位置L21aと第3紫外線照射装置53の中間位置L5との距離は、右側の吐出部44Gの中間位置L21bと第4紫外線照射装置54の中間位置L6との距離と等しい。なお、ここでは、各紫外線照射装置の主走査方向Yの中間位置L3〜L6とは、それぞれの紫外線照射装置が紫外線を発光する範囲における主走査方向Yの中間位置である。また、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L1、L2とは、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42がインクを吐出する範囲における主走査方向Yの中間位置である。
【0064】
なお、本実施形態では、第1紫外線照射装置51と、第2紫外線照射装置52と、第3紫外線照射装置53と、第4紫外線照射装置54とは、別体で形成されている。しかし、第1紫外線照射装置51と、第2紫外線照射装置52と、第3紫外線照射装置53と、第4紫外線照射装置54とは、それらの一部または全部が一体的に形成されていてもよい。例えば、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42よりも左側に設けられた紫外線照射装置、すなわち、第1紫外線照射装置51と第3紫外線照射装置53とは、一体的に形成されていてもよい。また、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42よりも右側に設けられた紫外線照射装置、すなわち、第2紫外線照射装置52と第4紫外線照射装置54とは、一体的に形成されていてもよい。例えば、複数の発光ダイオード(LED)が配列されたLEDアレイ型の紫外線照射装置を用いてもよい。この場合、後述する制御装置60は、各紫外線照射装置51、52、53、54に相当する発光領域に含まれるLEDを選択的に点灯または消灯させるように制御する。これらのことによって、部品点数を少なくすることができる。
【0065】
図6は、プリンタ1の主要要素を示すブロック図である。
図6に示すように、プリンタ1は、制御装置60を備えている。制御装置60は、マイクロコンピュータからなっており、プリンタ1の内部に設けられている。制御装置60は、ベルト23を走行させるサーボモータ24と、ローラ26のうち駆動ローラと、第1記録ヘッド41と、第2記録ヘッド42と、第1紫外線照射装置51と、第2紫外線照射装置52と、第3紫外線照射装置53と、第4紫外線照射装置54とを制御する。制御装置60は、サーボモータ24を制御することによってキャリッジ30の移動の速度などを制御する。制御装置60は、ローラ26のうち駆動ローラの動作を制御することによって、記録紙5における副走査方向Xへの移動を制御する。制御装置60は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42のインクの吐出動作を制御する。制御装置60は、紫外線照射装置51、52、53、54のそれぞれの発光ダイオードを制御することによって、記録紙5に吐出されたインクに紫外線を照射するタイミングを制御する。制御装置60は、第1印刷部61と、第2印刷部62とを備えている。
【0066】
第1印刷部61は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を主走査方向Yに移動させる。第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が記録紙5へインクを吐出する際、第1紫外線照射装置51または第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させる。具体的には、第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させる。第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第1紫外線照射装置51から紫外線を照射させる。
【0067】
また、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が記録紙5へインクを吐出する際、第3紫外線照射装置53または第4紫外線照射装置54から紫外線を照射させる。具体的には、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第4紫外線照射装置54から紫外線を照射させる。第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第3紫外線照射装置53から紫外線を照射させる。
【0068】
第2印刷部62は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を主走査方向Yに移動させる。第2印刷部62は、第1印刷部61よりも高速で印刷を行う。ここでは、第2印刷部62が第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を主走査方向Yに移動させるときの移動速度は、第1印刷部61が第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を主走査方向Yに移動させるときの移動速度よりも速い。例えば、第1印刷部61が第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を移動させるときの移動速度は、500mm/秒である。一方、第2印刷部62が第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を移動させるときの移動速度は、1,000mm/秒である。以下の説明において、第1印刷部61によって行われる印刷を低速印刷といい、第2印刷部62によって行われる印刷を高速印刷という。第2印刷部62は、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42から記録紙5にインクを吐出する際、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53、または、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54から紫外線を照射させる。具体的には、第2印刷部62は、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54から紫外線を照射させる。また、第2印刷部62は、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53から紫外線を照射させる。
【0069】
次に、本実施形態に係るプリンタ1の印刷動作について説明する。本実施形態では、制御装置60の第1印刷部61による低速印刷と、第2印刷部62による高速印刷との2つの印刷モードがある。ただし、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の移動速度が異なる3つ以上の印刷モードがあってもよい。例えば、利用者が操作パネル12を操作することで低速印刷を行うか高速印刷を行うかを選択する。
【0070】
低速印刷では、第1印刷部61によって印刷が行われる。例えば、制御装置60は、サーボモータ24を制御することによって、キャリッジ30をガイドレール20に沿って移動させる。このとき、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、紫外線照射装置51、52、53、54は、ガイドレール20に沿って主走査方向Yへ移動する。また、制御装置60は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42が行き方向Y1(言い換えると、往路ともいう。)、または、帰り方向Y2(言い換えると、復路ともいう。)への一回の走査を行った、あるいは、一往復または複数回往復の走査を行った後に、駆動ローラ26を駆動させることで、記録紙5を副走査方向Xへ搬送させる。記録紙5にプロセスカラーインクによる印刷を行う場合、第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が左方向Y1および右方向Y2へ移動中、第1記録ヘッド41から記録紙5へ向かってインクを吐出させる。左方向Y1への移動中では、第1印刷部61は、第1記録ヘッド41の複数の吐出部のうち右側に設けられた吐出部43C、43M、43Y、43Kのノズル45からインクを吐出させる。その後、制御装置60の制御によって、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、紫外線照射装置51、52、53、54は、共に左方向Y1へ更に移動する。このとき、第1印刷部61は、第2紫外線照射装置52を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。なお、このとき、第1紫外線照射装置51、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54は発光していない。
【0071】
第1記録ヘッド41の右方向Y2への移動中では、第1印刷部61は、第1記録ヘッド41の複数の吐出部のうち左側に設けられた吐出部43C、43M、43Y、43Kのノズル45からインクを吐出させる。その後、制御装置60の制御によって、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、紫外線照射装置51、52、53、54は、右方向Y2へ更に移動する。このとき、第1印刷部61は、第1紫外線照射装置51を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。なお、このとき、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54は発光していない。
【0072】
低速印刷において記録紙5に特色インクによる印刷を行う場合、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が左方向Y1および右方向Y2へ移動中、第2記録ヘッド42から記録紙5へ向かってインクを吐出させる。左方向Y1への移動中では、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42の複数の吐出部のうち右側に設けられた吐出部44G、44W、44Pの何れかのノズル46からインクを吐出させる。その後、制御装置60によって、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、紫外線照射装置51、52、53、54は、共に左方向Y1へ更に移動する。このとき、第1印刷部61は、第4紫外線照射装置54を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。なお、このとき、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52および第3紫外線照射装置53は発光していない。
【0073】
第2記録ヘッド42の右方向Y2への移動中では、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42の複数の吐出部のうち左側に設けられた吐出部44G、44W、44Pの何れかのノズル46からインクを吐出させる。その後、制御装置60によって、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、紫外線照射装置51、52、53、54は、右方向Y2へ更に移動する。このとき、第1印刷部61は、第3紫外線照射装置53を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。なお、このとき、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54は発光していない。
【0074】
高速印刷では、第2印刷部62によって印刷が行われる。高速印刷において、記録紙5にプロセスカラーインクによる印刷を行う場合、および、記録紙5に特色インクによる印刷を行う場合において、記録紙5にインクを吐出するまでの動作は、低速印刷のときと同様のため、この動作の詳しい説明は省略する。プロセスカラーインクの印刷および特色インクの印刷の左方向Y1の印刷では、記録紙5へインクが吐出された後、第2印刷部62は、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。このとき、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53は発光していない。一方、右方向Y2の印刷では、記録紙5へインクが吐出された後、第2印刷部62は、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。このとき、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54は発光していない。
【0075】
以上、本実施形態では、
図3に示すように、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D1は、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D2と等しい。例えば、低速印刷では、第1記録ヘッド41が左方向Y1に移動しているときに吐出したインクは、第2紫外線照射装置52による紫外線が照射されることで硬化する。また、第1記録ヘッド41が右方向Y2に移動しているときに吐出したインクは、第1紫外線照射装置51による紫外線が照射されることで硬化する。そのため、第1記録ヘッド41が左方向Y1および右方向Y2に移動しているときに吐出したインクが記録紙5に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。
【0076】
また、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D3は、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D4と等しい。例えば、低速印刷では、第2記録ヘッド42が左方向Y1に移動しているときに吐出したインクは、第4紫外線照射装置54による紫外線が照射されることで硬化する。また、第2記録ヘッド42が右方向Y2に移動しているときに吐出したインクは、第3紫外線照射装置53による紫外線が照射されることで硬化する。そのため、第2記録ヘッド42が左方向Y1および右方向Y2に移動しているときに吐出したインクが記録紙5に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。
【0077】
図7は、記録紙5に吐出されたインクAの時間経過に伴う変化を示す図である。
図7に示すように、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42から記録紙5に吐出されたインクAは、紫外線が照射されていない状態において、時間が経過するに伴いドット径が大きくなる。換言すると、記録紙5に吐出されたインクAが記録紙5に接する面積は、時間が経過するに伴って大きくなる。記録紙5に吐出されたインクAは、時間が経過するに従って横に広がる。例えば、時間t1におけるインクAのドット径は、時間t2〜時間t4におけるインクAのドット径よりも小さい。前述のように、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42による印刷において、左方向Y1および右方向Y2に移動しているときに吐出したインクが記録紙5に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミング(時間)はそれぞれ等しい。そのため、本実施形態では、左方向Y1と右方向Y2における第1記録ヘッド41から吐出されたインクのそれぞれのドット径は等しくなる。同様に、左方向Y1と右方向Y2における第2記録ヘッド42から吐出されたインクのそれぞれのドット径は等しくなる。したがって、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42から記録紙5にインクが吐出されて出来た印刷物の印刷の斑が生じにくくすることができる。
【0078】
例えば、第2紫外線照射装置52が第4紫外線照射装置54よりも右側に設けられているとする。この場合、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D2は、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D4よりも長い。また、例えば、第3紫外線照射装置53が第1紫外線照射装置51よりも主走査方向Yの左側に設けられているとする。この場合、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D3は、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D1よりも長い。そのため、これらの場合、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54の全体における主走査方向Yの長さが長くなる。
【0079】
しかし、本実施形態では、
図3に示すように、第2紫外線照射装置52は、第2記録ヘッド42と隣接するように、第2記録ヘッド42と第4紫外線照射装置54との間に設けられている。第3紫外線照射装置53は、第1記録ヘッド41と隣接するように、第1記録ヘッド41と第1紫外線照射装置51との間に設けられている。ここでは、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D2は、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D4と等しい。また、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D3は、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D1と等しい。よって、第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54の全体における主走査方向Yの長さを短くすることができる。そのため、インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0080】
本実施形態では、第2印刷部62が第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を主走査方向Yに移動させるときの移動速度は、第1印刷部61が第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を主走査方向Yに移動させるときの移動速度よりも速い。第1印刷部61によって低速印刷が行われ、第2印刷部62によって高速印刷が行われる。低速印刷では、紫外線照射装置51、52、53、54が、インクが吐出された記録紙5上を通過する時間は、高速印刷の場合に比べて遅い。そのため、低速印刷では、インクに照射される紫外線の単位時間当たりの量が高速印刷の場合に比べて多い。よって、低速印刷では、例えば、左方向Y1における第1記録ヘッド41による印刷の場合、第1印刷部61は、第2紫外線照射装置52から紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。右方向Y2における第1記録ヘッド41による印刷の場合、第1印刷部61は、第1紫外線照射装置51から紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。
【0081】
一方、高速印刷では、紫外線照射装置51、52、53、54が、インクが吐出された記録紙5上を通過する時間は、低速印刷の場合に比べて早い。そのため、高速印刷では、インクに照射される紫外線の単位時間当たりの量が低速印刷の場合に比べて少ない。そこで、高速印刷では、紫外線を照射する紫外線照射装置の照度を強くすることも考えられる。しかし、この場合、照度を変化させるための制御が新たに必要となり、コストアップの要因となると共に、印刷制御が複雑になる。また、照度を強くすることで発生した熱によって、第1記録ヘッド41のノズル45および第2記録ヘッド42のノズル46のインクが硬化するおそれがある。このことに起因して、ノズル45、46が詰まってしまうおそれがある。また、照度を強くすることで発生した熱を放熱させることは容易ではない。しかし、本実施形態の高速印刷では、例えば、左方向Y1における第1記録ヘッド41による印刷の場合、第2印刷部62は、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。右方向Y2における第1記録ヘッド41による印刷の場合、第2印刷部62は、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53を発光させることで、紫外線を記録紙5に吐出されたインクに照射させる。このことによって、高速印刷において、記録紙5に吐出されたインクに照射される紫外線の光量を多くしている。よって、低速印刷および高速印刷において、記録紙5に吐出されたインクに紫外線を十分に照射させることができる。したがって、インクを十分に硬化させることができる。このように、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の移動速度に応じて、記録紙5に吐出されたインクに照射する紫外線の光量を調節することができる。
【0082】
なお、高速印刷では、左方向Y1の移動中に第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42から記録紙5に吐出されたインクが紫外線に照射されて硬化するまでの時間と、右方向Y2の移動中に第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42から記録紙5に吐出されたインクが紫外線に照射されて硬化するまでの時間とは、若干異なる。そのため、左方向Y1の印刷におけるインクのドット径と、右方向Y2の印刷におけるインクのドット径とが若干異なる。しかし、高速印刷では、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の主走査方向Yへの移動速度は速い。そのため、左方向Y1と右方向Y2とにおいて、インクが硬化するまでの時間差は小さい。よって、高速印刷において、印刷の斑はそれ程気にならない。また、高速印刷では、利用者は画質よりも印刷時間を優先することが多い。そのため、これらのインクのドット径の違いは、画質よりも印刷時間を優先するという目的に応じた最適化を行った結果として許容範囲といえる。
【0083】
例えば、第2記録ヘッド42が第1記録ヘッド41に対して副走査方向Xにずれた位置に設けられている場合、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の全体における副走査方向Xの長さが長くなる。しかし、本実施形態では、
図3に示すように、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは、主走査方向Yに並んだ位置に設けられている。そのため、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の全体における副走査方向Xの長さを短くすることができる。
【0084】
本実施形態では、
図4に示すように、第1記録ヘッド41の吐出部43C、43M、43Y、43Kは、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1を対称軸としたとき、この対称軸を中心にして線対称となるように主走査方向Yにそれぞれ並んで配置されている。例えば、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と左側の吐出部43Cとについての主走査方向Yの距離D11aは、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と右側の吐出部43Cとについての主走査方向Yの距離D11bと等しい。また、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と左側の吐出部43Mとについての主走査方向Yの距離D12aは、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と右側の吐出部43Mとについての主走査方向Yの距離D12bと等しい。このことによって、例えば、左側の吐出部43Cと第1紫外線照射装置51との距離は、右側の吐出部43Cと第2紫外線照射装置52との距離と等しい。そのため、左側の吐出部43Cから吐出されたインクと、右側の吐出部43Cから吐出されたインクとが紫外線によって硬化される時間はそれぞれ等しい。よって、2つの吐出部43Cから吐出されたインクのドット径は等しくなる。同様に、2つの吐出部43Mから吐出されたインクのドット径は等しい。2つの吐出部43Yから吐出されたインクのドット径は等しい。2つの吐出部43Kから吐出されたインクのドット径は等しい。したがって、第1記録ヘッド41から記録紙5にインクが吐出されて出来た印刷物に対する印刷の斑が更に生じにくくすることができる。
【0085】
また、本実施形態では、
図5に示すように、第2記録ヘッド42の吐出部44G、44W、44Pは、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2を対称軸にしたとき、この対称軸を中心にして線対称となるように主走査方向Yにそれぞれ並んで配置されている。例えば、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と左側の吐出部44Gとについての主走査方向Yの距離D21aは、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と右側の吐出部44Gとについての主走査方向Yの距離D21bと等しい。また、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と左側の吐出部44Wとについての主走査方向Yの距離D22aは、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と右側の吐出部44Wとについての主走査方向Yの距離D22bと等しい。このことによって、例えば、左側の吐出部44Gと第3紫外線照射装置51との距離は、右側の吐出部44Gと第4紫外線照射装置54との距離と等しい。そのため、左側の吐出部44Gから吐出されたインクと、右側の吐出部44Gから吐出されたインクとが紫外線によって硬化される時間はそれぞれ等しい。よって、2つの吐出部44Gから吐出されたインクのドット径は等しくなる。同様に、2つの吐出部44Wから吐出されたインクのドット径は等しい。2つの吐出部44Pから吐出されたインクのドット径は等しい。したがって、第2記録ヘッド42から記録紙5にインクが吐出されて出来た印刷物に対する印刷の斑が更に生じにくくすることができる。
【0086】
本実施形態では、例えば、第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が左方向Y1に移動しているときに、右側の吐出部43Cからインクを吐出させ、かつ、第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させている。また、第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が右方向Y2に移動しているときに、左側の吐出部43Cからインクを吐出させ、かつ、第1紫外線照射装置51から紫外線を照射させている。このことによって、左方向Y1の印刷において、第1記録ヘッド41の右側の吐出部43Cから吐出されたインクのドット径と、右方向Y2の印刷において、第1記録ヘッド41の左側の吐出部43Cから吐出されたインクのドット径とは、等しい。したがって、第1記録ヘッド41から記録紙5にインクが吐出されて出来た印刷物に対する印刷の斑が更に生じにくくすることができる。
【0087】
本実施形態では、第1記録ヘッド41は、プロセスカラーインクを吐出する。第2記録ヘッド42は、特色インクを吐出する。
図3に示すように、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とは別体に形成されている。プロセスカラーインクは、特色インクと比べて使用頻度が高い。仮に、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とが一体的に形成されている場合、ヘッドクリーニングをする際、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42を共にクリーニングする。そのため、本来ならヘッドクリーニングをする必要がない記録ヘッドもクリーニングをしてしまうことがあり得る。しかし、本実施形態では、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とが別体に形成されているため、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とを別々にクリーニングすることができる。よって、無駄なヘッドクリーニングを削減することができると共に、無駄なインクの消費を防止することができる。
【0088】
本実施形態では、低速印刷および高速印刷の左方向Y1および右方向Y2の印刷において、インクが記録紙5に吐出される前に記録紙5上を通過する紫外線照射装置は、発光していない。左方向Y1と右方向Y2との印刷において、発光する紫外線照射装置を切り替えていた。このことによって、紫外線照射装置51、52、53、54を発光させるために消費する電力を削減することができる。ここでは、各紫外線照射装置51、52、53、54は、発光ダイオードによって構成されているため、発光する紫外線照射装置を切り替えることが容易である。
【0089】
以上、第1実施形態に係るプリンタ1について説明した。しかし、本発明に係るプリンタは、第1実施形態に係るプリンタ1に限らず、他の種々の形態で実施することが可能である。次に、第2実施形態について簡単に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した構成と同様の構成は同じ符号を付し、その説明は省略することとする。
【0090】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るプリンタについて説明する。
図8は、第2実施形態に係るプリンタ1Aの第1記録ヘッド41、第2記録ヘッド42、第1紫外線照射装置51、第2紫外線照射装置52、第3紫外線照射装置53、および、第4紫外線照射装置54を模式的に示す図である。本実施形態では、
図8に示すように、第1実施形態と同様に、第1紫外線照射装置51と、第2紫外線照射装置52と、第3紫外線照射装置53と、第4紫外線照射装置54とは、主走査方向Yに並んで配置されている。
【0091】
第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42における主走査方向Yの左方向Y1側(ここでは、左側)に配置されている。ここでは、第3紫外線照射装置53は、第1記録ヘッド41の左側に隣接し、第1紫外線照射装置51は、第3紫外線照射装置53の左側(第1記録ヘッド41と反対側)に隣接している。第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42における主走査方向Yの右方向Y2側(ここでは、右側)に配置されている。ここでは、第2紫外線照射装置52は、第2記録ヘッド42の右側に隣接し、第4紫外線照射装置54は、第2紫外線照射装置52の右側(第2記録ヘッド42の反対側)に隣接している。
【0092】
第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D1は、第1記録ヘッド41の中間位置L1と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D2と等しい。
【0093】
第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D3は、第2記録ヘッド42の中間位置L2と第2紫外線照射装置52の中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D9と等しい。また、第2記録ヘッド42の中間位置L2と第1紫外線照射装置51の中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D10は、第2記録ヘッド42の中間位置L2と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D11と等しい。
【0094】
本実施形態では、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53と、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54とは、第2記録ヘッド42の中間位置L2を中心にして対称となるように配置されている。しかし、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53と、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54とは、第1記録ヘッド41の中間位置L1を中心にして対称となるように配置されていない。
【0095】
なお、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42における主走査方向Yの右方向Y2側に配置されてもよい。この場合、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54は、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42における主走査方向Yの左方向Y1側に配置されているとよい。
【0096】
本実施形態では、制御装置60は、低速印刷を行う第1印刷部61と、高速印刷を行う第2印刷部62とを備えている。第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させる。第1印刷部61は、第1記録ヘッド41が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第1紫外線照射装置51から紫外線を照射させる。
【0097】
また、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が記録紙5へインクを吐出する際、第3紫外線照射装置53または第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させる。具体的には、第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させる。第1印刷部61は、第2記録ヘッド42が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第3紫外線照射装置53から紫外線を照射させる。このように、本実施形態では、低速印刷を行う第1印刷部61では、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42の左方向Y1への印刷の際には、第2紫外線照射装置52から紫外線が照射されるが、第4紫外線照射装置54から紫外線は照射されない。
【0098】
第2印刷部62は、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54から紫外線を照射させる。また、第2印刷部62は、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53から紫外線を照射させる。本実施形態では、第4紫外線照射装置54は、高速印刷でのみ使用される。
【0099】
本実施形態であっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。ここでは、高速印刷における第2記録ヘッド42の左方向Y1と右方向Y2との印刷では、インクが記録紙5に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミングはそれぞれ等しい。しかし、高速印刷における第1記録ヘッド41の左方向Y1と右方向Y2との印刷では、インクが記録紙5に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミングはそれぞれ若干異なる。そのため、本実施形態では、第2記録ヘッド42では、紫外線による硬化の影響が受けやすいインクを吐出し、第1記録ヘッド41では、第2記録ヘッド42が吐出するインクよりも、紫外線による硬化の影響が受けにくいインクを吐出する際に、特に有用である。
【0100】
<変形例>
次に、本発明に係るプリンタの変形例について説明する。上記各実施形態では、
図4に示すように、第1記録ヘッド41の吐出部43C、43M、43Y、43Kは、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1を対称軸としたとき、その対称軸を中心にして、色毎に一対(ここでは、2つ)の吐出部が線対称となるように主走査方向Yにそれぞれ並んで配置されていた。しかし、吐出部43C、43M、43Y、43Kは、第1記録ヘッド41の中間位置L1を対称軸としたとき、その対称軸を中心にして、色毎に一対の吐出部が線対称となるように主走査方向Yにそれぞれ並んで配置されていなくてもよい。例えば、第1記録ヘッド41は、各吐出部43C、43M、43Y、43Kを1つずつ備えている。そして、各吐出部は、左側から順に吐出部43C、43M、43Y、43Kとなるように主走査方向Yに並んで配置されていてもよい。このことによって、各吐出部43C、43M、43Y、43Kにおいて、第1紫外線照射装置51までの距離と、第2紫外線照射装置52までの距離とはそれぞれ若干異なる。しかし、これらの距離は若干異なるのみなので、画素数、印刷速度および印刷精度などの印刷条件によっては、印刷の斑はそれ程気にならない。よって、これらの距離の若干の異なりは許容範囲であるといえる。また、第1記録ヘッド41は、各吐出部43C、43M、43Y、43Kをそれぞれ3つずつ以上備えていてもよい。
【0101】
上記各実施形態では、
図5に示すように、第2記録ヘッド42の吐出部44G、44W、44Pは、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2を対称軸としたとき、その対称軸を中心にして、色毎に一対(ここでは、2つ)の吐出部が線対称となるように主走査方向Yにそれぞれ並んで配置されていた。しかし、吐出部44G、44W、44Pは、第2記録ヘッド42の中間位置L2を対称軸としたとき、その対称軸を中心にして、色毎に一対の吐出部が線対称となるように主走査方向Yにそれぞれ並んで配置されていなくてもよい。例えば、第2記録ヘッド42は、各吐出部44G、44W、44Pを1つずつ備えている。そして、各吐出部は、左側から順に吐出部44G、44W、44Pとなるように主走査方向Yに並んで配置されていてもよい。このことによって、各吐出部44G、44W、44Pにおいて、第1紫外線照射装置51までの距離と、第2紫外線照射装置52までの距離とはそれぞれ若干異なる。しかし、これらの距離は若干異なるのみなので、画素数、印刷速度および印刷精度などの印刷条件によっては、印刷の斑はそれ程気にならない。よって、これらの距離の若干の異なりは許容範囲であるといえる。また、第2記録ヘッド42は、各吐出部44G、44W、44Pをそれぞれ3つずつ以上備えていてもよい。
【0102】
低速印刷と高速印刷とにおいて、制御装置60は、同一の紫外線照射装置を発光させることで、紫外線をインクに照射させてもよい。例えば、制御装置60は、低速印刷および高速印刷において、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42が左方向Y1に移動しているときにインクを吐出する際に、第2紫外線照射装置52から紫外線を照射させ、第4紫外線照射装置54から紫外線を照射させなくてもよい。また、制御装置60は、低速印刷および高速印刷において、第1記録ヘッド41または第2記録ヘッド42が右方向Y2に移動しているときにインクを吐出する際に、第3紫外線照射装置53から紫外線を照射させ、第1紫外線照射装置51から紫外線を照射させなくてもよい。これらの場合、第1紫外線照射装置51および第4紫外線照射装置54を省略してもよい。
【0103】
上記各実施形態では、第1印刷部61と第2印刷部62とは、第1記録ヘッド41が左方向Y1に移動しているときに、第1記録ヘッド41の吐出部43C、43M、43Y、43Kのうち右側の吐出部43C、43M、43Y、43Kからインクを吐出させていた。そして、第1印刷部61と第2印刷部62とは、第1記録ヘッド41が右方向Y2に移動しているときに、第1記録ヘッド41の吐出部43C、43M、43Y、43Kのうち左側の吐出部43C、43M、43Y、43Kからインクを吐出させていた。しかし、左方向Y1の印刷と右方向Y2の印刷とで、インクを吐出する吐出部43C、43M、43Y、43Kを逆にしてもよい。例えば、第1印刷部61と第2印刷部62とは、第1記録ヘッド41が左方向Y1に移動しているときに、左側の吐出部43C、43M、43Y、43Kからインクを吐出させてもよい。第1印刷部61と第2印刷部62とは、第1記録ヘッド41が右方向Y2に移動しているときに、右側の吐出部43C、43M、43Y、43Kからインクを吐出させてもよい。また、左方向Y1の印刷および右方向Y2の印刷において、左右両側の吐出部43C、43M、43Y、43Kからインクを吐出させてもよい。また、第1印刷部61と第2印刷部62とは、左方向Y1の印刷および右方向Y2の印刷において、左側および右側のどちらの吐出部43C、43M、43Y、43Kからインクを吐出させるかを印刷毎に選択できるように制御してもよい。このことによって、印刷毎に印刷の質を変えることができる。なお、上述したことは、第2記録ヘッド42の印刷についても同様のことがいえる。
【0104】
上記各実施形態では、低速印刷および高速印刷の左方向Y1および右方向Y2の印刷において、インクが記録紙5に吐出される前に記録紙5上を通過する紫外線照射装置は、発光していなかった。左方向Y1と右方向Y2との印刷において、発光する紫外線照射装置を切り替えていた。例えば、低速印刷における第1記録ヘッド41の左方向Y1の印刷において、第1紫外線照射装置51は発光していなかった。一方、右方向Y2の印刷において、第2紫外線照射装置52は発光していなかった。しかし、左方向Y1および右方向Y2の印刷において、インクが記録紙5に吐出される前に記録紙5上を通過する紫外線照射装置を発光させてもよい。例えば、低速印刷における第1記録ヘッド41の左方向Y1の印刷において、第1紫外線照射装置51は発光していてもよい。一方、右方向Y2の印刷において、第2紫外線照射装置52は発光していてもよい。これは特に、マルチパスによる印刷において有効である。マルチパスによる印刷とは、記録ヘッドの各ノズルを複数のパスに分割し、記録ヘッドを複数回走査することによって、各一走査において、異なるパスで記録紙5の同一の記録領域に補完的に印刷をすることで、同一の記録領域内の印刷を完成させるものである。この場合、紫外線照射装置が記録紙5上を複数回通過して発光するため、記録紙5に吐出されたインクを十分に硬化させることができる。
【0105】
なお、高速印刷において、インクが記録紙5に吐出される前に記録紙5上を通過する紫外線照射装置を発光させる、すなわち、紫外線照射装置51、52、53、54を点灯させる場合、それぞれの紫外線照射装置51、52、53、54の照度を異ならせてもよい。例えば、第1記録ヘッド41および第2記録ヘッド42による印刷において、左方向Y1および右方向Y2に移動しているときに吐出したインクが記録紙5に着弾後、紫外線によって硬化を開始するまでのタイミングが異なることで、各インクのドット径がばらつくおそれがある。このとき、紫外線照射装置51、52、53、54の照度を異ならせることで、それぞれのインクのドット径のばらつきを抑えることができる。
【0106】
例えば、低速印刷時の第1記録ヘッド41による印刷における、第1紫外線照射装置51および第2紫外線照射装置52の照度を基準照度とする。このとき、例えば、高速印刷時の第1記録ヘッド41による印刷の場合、第3紫外線照射装置53および第4紫外線照射装置54の照度を基準照度よりも弱くし、第1紫外線照射装置51および第2紫外線照射装置52の照度を基準照度よりも強くする。このことによって、第1記録ヘッド41に最も近い位置に配置されている第3紫外線照射装置53が、右方向Y2において印刷直後に照射を行う際、照度を基準照度よりも弱くすることで、インクが硬化する速度を遅らせることができる。よって、紫外線照射装置51、52、53、54の照度を均一にする場合に比べて、左方向Y1および右方向Y2に移動しているときに吐出したインクのドット径のばらつきを抑えることができる。なお、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53を1つのLEDアレイ型で構成した場合、第1紫外線照射装置51および第3紫外線照射装置53に該当する領域の間に位置するLEDを、
図9に示したような照度カーブの照度分布を持つように点灯させて照射させてもよい。また、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54を1つのLEDアレイ型で構成した場合、第2紫外線照射装置52および第4紫外線照射装置54に該当する領域の間に位置するLEDを、
図9に示したような照度カーブの照度分布を持つように点灯させて照射させてもよい。このことによっても、同様の効果が得られる。
【0107】
上記各実施形態では、記録ヘッドとして、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42とを備えていた。しかし、
図10に示すように、3つの記録ヘッド、すなわち、第1記録ヘッド41と第2記録ヘッド42と第3記録ヘッド47とを備えてもよい。この場合、例えば、第1記録ヘッド41は、プロセスカラーインクを吐出する。第2記録ヘッド42は、特色インクのうちグロスインクを吐出する。第3記録ヘッド47は、特色インクのうちホワイトインクおよび/またはプライマーインクを吐出する。第1記録ヘッド41の右側に第3記録ヘッド47が配置され、第3記録ヘッド47の右側に第2記録ヘッド42が配置される。第1記録ヘッド41の左側に第3紫外線照射装置53が配置され、第3紫外線照射装置53の左側に第1紫外線照射装置51が配置される。第2記録ヘッド42の右側に第2紫外線照射装置52が配置され、第2紫外線照射装置52の右側に第4紫外線照射装置54が配置される。
【0108】
このとき、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D1は、第1記録ヘッド41の主走査方向Yの中間位置L1と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4とについての主走査方向Yの距離D2と等しい。第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D3は、第2記録ヘッド42の主走査方向Yの中間位置L2と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D4と等しい。第3記録ヘッド47の主走査方向Yの中間位置L7と第3紫外線照射装置53の主走査方向Yの中間位置L5とについての主走査方向Yの距離D5は、第3記録ヘッド47の主走査方向Yの中間位置L7と第2紫外線照射装置52の主走査方向Yの中間位置L4についての主走査方向Yの距離D6と等しい。また、第3記録ヘッド47の主走査方向Yの中間位置L7と第1紫外線照射装置51の主走査方向Yの中間位置L3とについての主走査方向Yの距離D7は、第3記録ヘッド47の主走査方向Yの中間位置L7と第4紫外線照射装置54の主走査方向Yの中間位置L6とについての主走査方向Yの距離D8と等しい。このことによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。