(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のターゲティング広告では、ターゲットを絞り込むために、サイトの閲覧といったウェブ上でのユーザ行動を用いていた。なお、ユーザ行動は、ウェブ上のものだけでなく、電話で問い合わせを行うことや、電話で予約を行うといった、電話によるユーザ行動もある。特に、電話によるユーザ行動は、詳細な問い合わせや、最終的な確認などといった商品購入が具体化した段階で行われることが多く、広告配信に有用な情報を有していることが多い。
【0006】
しかし、問い合わせ等のユーザ行動が、電話で行われた場合、この電話によるユーザ行動と、ウェブサイトへのアクセスとを結びつけることができないため、電話でのユーザ行動を広告配信に反映させることは出来なかった。
【0007】
そこで、本発明は、電話によるアクセスに基づいて広告配信を行う技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の広告配信システムは、
電話番号及び当該電話番号と対応する識別情報を含むウェブページをユーザ端末に送信し、前記識別情報を前記ユーザ端末に記憶させるウェブページ提供部と、
前記電話番号宛の呼を受ける通話制御部と、
前記呼の状況を示す情報を取得して架電情報とする架電情報取得部と、
前記呼の状況毎に対応する広告情報が記憶された広告記憶部から前記架電情報と対応する広告情報を抽出し、当該呼の電話番号に対応する識別情報と抽出した広告情報とを対応付けて広告配信情報とする配信情報生成部と、
を備える。
【0009】
前記広告配信システムは、
前記ユーザ端末から閲覧要求を受信した場合に、当該ユーザ端末から識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記ユーザ端末から取得した前記識別情報と対応する広告情報を前記広告配信情報から抽出して当該ユーザ端末に配信する広告配信部と、
を更に備えても良い。
【0010】
前記広告配信システムは、
広告記憶部に記憶された広告情報のうち、前記架電情報と適合する広告情報を抽出しても良い。
【0011】
また、本発明の広告配信方法は、
電話番号及び当該電話番号と対応する識別情報を含むウェブページをユーザ端末に送信し、前記識別情報を前記ユーザ端末に記憶させるステップと、
前記電話番号宛の呼を受けるステップと、
前記呼の状況を示す情報を取得して架電情報とするステップと、
前記呼の状況毎に対応する広告情報が記憶された広告記憶部から前記架電情報と対応する広告情報を抽出し、当該呼の電話番号に対応する識別情報と抽出した広告情報とを対応付けて広告配信情報とするステップと、
をコンピュータに実行させる。
【0012】
また、本発明の広告配信方法は、
前記ユーザ端末から閲覧要求を受信した場合に、当該ユーザ端末から識別情報を取得するステップと、
前記ユーザ端末から取得した前記識別情報と対応する広告情報を前記広告配信情報から抽出して当該ユーザ端末に配信するステップと、
を更に実行しても良い。
【0013】
前記広告配信方法は、
広告記憶部に記憶された広告情報のうち、前記架電情報と適合する広告情報を抽出しても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、電話によるアクセスに基づいて広告配信を行う技術を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態について説明する。以下の実施の形態の構成は例示であり、本発明は実施の形態の構成に限定されない。
〈システム構成〉
図1は、本発明に係る広告配信システムの概略図である。本例の広告配信システム10は、ウェブサーバ1や、アプリケーションサーバ2、呼制御装置7、広告配信サーバ8を有している。
【0017】
ユーザ端末3は、インターネット等のネットワークNを介してウェブの閲覧や電子メールの送受信を行うクライアント端末としての機能と、電話回線Dを介して音声通話を行う電話機としての機能を有している。なお、ユーザ端末3は、クライアント端末の機能と電話機の機能とを一体的に備えたものに限らず、クライアント端末(情報処理装置)と電話機とが別体であっても良い。
【0018】
図2は、本実施形態におけるウェブサーバ1の概略構成図である。
図2に示すように、ウェブサーバ1は、CPU(central processing unit)やメインメモリ等よりなる演算
処理部12、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶した記憶部(ハードディスク)13、入出力インタフェース14、通信制御部(CCU:Communication Control Unit)15等を備えたコンピュータである。
【0019】
該入出力インタフェース14は、入出力手段と接続し、信号の入出力を行うインタフェースである。入出力インタフェース14には、コンソール(キーボードやディスプレイを含む)や記憶媒体の読み書き装置等が入出力手段として適宜接続される。
【0020】
CCU15は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの接続を確立し、CPUからの命令に応じた他のコンピュータとの通信の制御を行う。
【0021】
記憶部13には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト(サーバプログラム)といったソフトウェアがインストールされていると共に、ウェブサイトを構成するウェブページ等のデータを記憶している。また、記憶部13は、ユーザ認証用の登録データや、ユーザの電話番号といったユーザ情報を記憶し、ユーザ情報記憶部としても機能する。
【0022】
演算処理部12は、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部13から適宜読み出して実行し、入出力インタフェース14やCCU15から入力された情報、及び記憶部13から読み出した情報を演算処理することにより、ウェブページ提供部42としても機能する。
【0023】
ウェブページ提供部42は、ユーザ端末3からURLで指定されたウェブページの閲覧要求を受けた場合に、当該ウェブページを記憶部13から読み出してユーザ端末3に送信する。ここで、ウェブページ提供部42は、リターゲティング用のタグ及び連絡用電話番号を含むウェブページを提供する。なお、本実施形態において、連絡用電話番号とは、識別情報と対応つけることによって電話に用いることができるようにしたCookieとしての電話番号であり、例えばPhoneCookie(登録商標、以下の明細書及び図面についても同様)
である。本実施形態では、このリターゲティング用のタグに含まれる識別情報や連絡用電話番号は、ユーザの識別を可能とするため、ユーザ毎にユニークなものが割り当てられている。例えば、ウェブページ中のリターゲティング用の識別情報や連絡用電話番号は、変数で記述され、ウェブページ提供部42によって動的に割り当てられる。本実施形態では、ウェブページ提供部42が、連絡用電話番号をアプリケーションサーバ2から取得し、ウェブページに挿入してユーザ端末3へ提供している。
図3は、ウェブページ101の表示例を示す図である。
図3に示すように、連絡用電話番号102は、ウェブページ101
上に表示される。
【0024】
また、ウェブページ提供部42は、リターゲティング用のタグとして、例えば、ウェブページのBodyに、
図4に示すようなスクリプトを記述しておく。これにより、ユーザ端末3が、リターゲティング用の識別情報としてID91やラベル92を定義し、外部のプロセス93を読み出して実行し、ID91及びラベル92をHTTPクッキーとして記憶すると共にID91、ラベル92及び連絡用電話番号をアプリケーションサーバ2へ送信するようにしている。
図4においてID91は、ウェブページ毎に割り当てられた識別情報であり、ラベル92はユーザ毎に割り当てられた識別情報である。
図4の例では、ID91,ラベル92と連絡用電話番号とを異ならせたが、本実施形態では、連絡用電話番号もウェブページ及びユーザ固有の番号であるので、識別情報として連絡用電話番号を用いてもよい。例えば、アプリケーションサーバ2が、ユーザ毎に割り当てた連絡用電話番号をウェブページ上に表示するように記述すると共にリターゲティング用のタグに識別情報として記述して、ウェブページをユーザ端末3に提供する。これにより連絡用電話番号と識別情報の対応テーブルを省略できる。
【0025】
図5はアプリケーションサーバ2の概略構成図である。
図5に示すように、アプリケーションサーバ2は、CPU(central processing unit)やメインメモリ等よりなる演算
処理部22、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶した記憶部(ハードディスク)23、入出力インタフェース24、通信制御部(CCU:Communication Control Unit)25等を備えたコンピュータである。
【0026】
該入出力インタフェース24は、入出力手段と接続し、信号の入出力を行うインタフェースである。入出力インタフェース24には、コンソール(キーボードやディスプレイを含む)や記憶媒体の読み書き装置等が入出力手段として適宜接続される。
【0027】
CCU25は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの接続を確立し、CPUからの命令に応じた他のコンピュータとの通信の制御を行う。
【0028】
記憶部23には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト(広告配信プログラム)といったソフトウェアがインストールされていると共に、連絡先のデータ等を記憶している。
【0029】
演算処理部22は、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部23から適宜読み出して実行し、入出力インタフェース24やCCU25から入力された情報、及び記憶部23から読み出した情報を演算処理することにより、PhoneCookie発行部(連絡番号発行
部)51、架電情報取得部57、配信情報生成部58としても機能する。
【0030】
PhoneCookie発行部51は、ウェブサーバ1から連絡要求情報を受信した場合に、当該
連絡要求情報と対応する連絡用電話番号を発行する。この連絡用電話番号は、後述のように当該PhoneCookieとしての電話番号は、ユーザ端末3或いは連絡先の電話機4からこの
電話番号宛に電話をかけた場合に呼制御装置7で着呼するように呼制御装置用に確保した電話番号である。例えば、050−ABCD−××××のような11桁の電話番号を用いる場合、末尾4桁が0000から末尾4桁が9999までの1万通りの電話番号を確保する。即ち、先頭の7ケタが050−ABCDであれば、末尾4桁が何番であっても全ての呼が呼制御装置7へ着信するようにする。従って末尾4桁を自由にナンバリングしてユーザに通知した場合であっても、この番号宛ての電話を全て呼制御装置7で受けることができる。このように呼制御装置7用の電話番号を複数確保しておき、PhoneCookie発行部5
1は、各連絡要求情報に前記呼制御装置7用の電話番号の一つをPhoneCookieとして割り
当て、各PhoneCookieが連絡要求情報に割り当てられた全てのPhoneCookieの中でユニーク
となるようにする。即ち、PhoneCookieに対応する連絡要求情報が一意に特定できるよう
にしている。
【0031】
架電情報取得部57は、呼制御装置7で受けた呼の状況を示す情報を呼制御装置7から取得して架電情報とする。
【0032】
配信情報生成部58は、前記呼の状況毎に対応する広告情報が記憶された状況テーブル(広告記憶部)から前記架電情報と対応する広告情報を抽出し、当該呼の電話番号に対応する識別情報と抽出した広告情報とを対応付けて広告配信情報とする。
【0033】
図6は、状況テーブルの一例を示す図である。
図6(a)に示すように状況テーブルは、呼の状況として、例えば、通話ステータス、待ち時間、通話時間、終話ステータス、顧客発信者電話番号、顧客電話機種別、顧客発信地域、性別、年齢、居住地域、勤務地、職業、学校、家族構成、顧客タイプ、趣味趣向、予算、感情等を記憶し、更にこれらと対応つけた広告情報を記憶している。
図6(a)において、通話ステータスは、話中呼、呼出中断(呼出中のまま通話状態を確立できなかった呼)、通話状態確立、放棄呼(通話状態確立後、待ち呼となり、オペレータが取る前に切られた呼)等の別を示す。待ち時間は、呼出中断の場合の顧客待ち時間や、放棄呼の場合の顧客待ち時間等を示す。終話ステータスは、顧客側から終話(切断)したのか、オペレータ側から終話(切断)したのかを示す。顧客電話機種別は、顧客(発信者)の電話番号に基づく固定電話、携帯電話、PHS、IP電話等の種別を示す。顧客発信地域は、顧客(発信者)の電話番号の市外局番や対向設備の基地局情報等に基づく発信地を示す。
【0034】
発呼回数は、同日中や所定期間内に同じ発信者番号から発呼された回数、又は、同じ連絡用電話番号に発呼された回数を示す。顧客タイプは、例えば車の広告の場合に、ファミリー、スポーツ、商用、貨物などとするように、顧客を所定のタイプ(セグメント)に区分した場合の種別を示す。感情は、顧客が怒っているのか、困っているのか等、顧客の感情を示す。なお、本実施形態において、通話ステータス、待ち時間、通話時間、終話ステータス、顧客発信者電話番号、顧客電話機種別、顧客発信地域は、呼制御装置7の検出に基づき、性別、年齢、居住地域、勤務地、職業、学校、家族構成、顧客タイプ、趣味趣向、予算、感情は、オペレータの入力に基づいて処理を行う。購買ステータスは、購入済、未購入、予約中などの購買の状況を示す。具体的には、
図6(b)に示すように、通話ステータスが話中呼で、待ち時間が60秒未満である架電状況と、Q&A集やサポート情報を記載したヘルプページとを対応付けている。また、通話ステータスが放棄呼で、待ち時間が60秒以上である架電状況と、電話することを思い出させる広告とを対応付けている。更に、購入ステータスが購入済である架電状況と、購入した商品と関連する商品の広告を対応付け、購入ステータスが予約中である架電状況と、広告を配信しない旨を示す情報とを対応付けている。
【0035】
図7は呼制御装置7の概略構成図である。呼制御装置7は、電話回線網Dを介して電話機間の呼を制御する装置である。本実施形態において、呼制御装置7は、SIP(Session Initiation Protocol)によって電話機間の呼を制御する所謂SIPサーバである。な
お、本実施形態の呼制御装置7は、SIPサーバに限らず、CTIサーバ、IP−PBX、他の方式の電話交換機であっても良い。
図7に示すように、呼制御装置7は、CPU(central processing unit)やメインメモリ等よりなる演算処理部72、演算処理の為の
データやソフトウェアを記憶した記憶部(ハードディスク)73、入出力インタフェース74、通信制御部(CCU:Communication Control Unit)75等を備えたコンピュータである。
【0036】
該入出力インタフェース74は、入出力手段と接続し、信号の入出力を行うインタフェ
ースである。入出力インタフェース74には、コンソール(キーボードやディスプレイを含む)や記憶媒体の読み書き装置等が入出力手段として適宜接続される。
【0037】
CCU75は、電話回線網Dを介して他の装置との接続を確立し、CPUからの命令に応じた通信の制御を行う。本実施形態のCCU75は、SIPに従って通信を行うものであり、電話回線網D内のVoIPゲートウェイや無線基地局を介して電話機4やユーザ端末3等の呼を制御する。例えば、電話機4は、電話回線網D内のVoIPゲートウェイに収容され、電話機4からの音声信号や制御信号はVoIPゲートウェイでVoIPパケットに変換されて呼制御装置7に送られる。また、呼制御装置7から電話機4へ送信したVoIPパケットは、VoIPゲートウェイで音声信号や制御信号に変換されて電話機4へ送られる。また、ユーザ端末3は携帯電話回線を介して無線基地局に収容され、ユーザ端末3からの音声信号や制御信号は、無線基地局でVoIPパケットに変換されて呼制御装置7に送られる。また、呼制御装置7からユーザ端末3へ送信したVoIPパケットは、無線基地局で音声信号や制御信号に変換されてユーザ端末3へ送られる。
【0038】
記憶部73には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトといったソフトウェアがインストールされていると共に、連絡先のデータ等を記憶している。
【0039】
演算処理部72は、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部73から適宜読み出して実行し、入出力インタフェース74やCCU75から入力された情報、及び記憶部73から読み出した情報を演算処理することにより、通話制御部79としても機能する。
【0040】
通話制御部79は、ユーザ端末3からの呼を受けて、連絡先の電話機4との間で呼を確立させ、ユーザ端末3と電話機4による通話を可能にする。通話制御部79は、ユーザ端末3から呼を受けた場合に、特定のコールセンタ内の電話機4を連絡先として接続するものでも良いし、アプリケーションサーバ2から、連絡先の情報を取得し、この連絡先の電話機4との間で呼を確立させるものでも良い。
【0041】
また、通話制御部79は、呼の確立や待ち時間、終話(切断)など、呼の状況を検出してアプリケーションサーバ2へ通知する。
【0042】
図8は広告配信サーバ8の概略構成図である。広告配信サーバ8は、CPU(central processing unit)やメインメモリ等よりなる演算処理部82、演算処理の為のデータや
ソフトウェアを記憶した記憶部(ハードディスク)83、入出力インタフェース84、通信制御部(CCU:Communication Control Unit)85等を備えたコンピュータである。広告配信サーバ8は、所謂アドサーバとしての処理を行う装置であるが、これに限らず、ユーザ端末3の識別情報に基づいて広告情報を配信する機能を有するものであれば、DSPやDMP、リコメンドエンジン等の装置であっても良い。
【0043】
該入出力インタフェース84は、入出力手段と接続し、信号の入出力を行うインタフェースである。入出力インタフェース84には、コンソール(キーボードやディスプレイを含む)や記憶媒体の読み書き装置等が入出力手段として適宜接続される。
【0044】
CCU85は、ネットワークNを介して他のコンピュータとの接続を確立し、CPUからの命令に応じた他のコンピュータとの通信の制御を行う。
【0045】
記憶部83には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト(広告配信プログラム)といったソフトウェアがインストールされていると共に、連絡先のデータ等を記憶している。
【0046】
演算処理部82は、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部83から適宜読み出して実行し、入出力インタフェース84やCCU85から入力された情報、及び記憶部83から読み出した情報を演算処理することにより、識別情報取得部88や広告配信部89としても機能する。
【0047】
識別情報取得部88は、前記ユーザ端末からウェブページの閲覧要求を受信した場合に、当該ユーザ端末から識別情報を取得する。
【0048】
広告配信部89は、前記ユーザ端末から取得した前記識別情報と対応する広告情報を前記広告配信情報から抽出して当該ユーザ端末に配信する。
【0049】
〈管理方法〉
次に
図9−
図12を用いて、上記広告配信システム10が実行する広告配信方法について説明する。
【0050】
まず、ウェブサーバ1は、
図9に示すように、ユーザ端末3からウェブページの閲覧要求を受信し(ステップS10)、当該ユーザ端末固有の識別情報をリターゲティング用のタグのラベルとして割り当てる(ステップS20)。また、ウェブサーバ1は、当該ウェブページが、連絡用電話番号を表示するページの場合、アプリケーションサーバ2から連絡用電話番号を取得して当該ウェブページに割り当て(ステップS30)、前記連絡用電話番号及びラベル(識別情報)を記述したウェブページをユーザ端末3に送信する(ステップS40)。
【0051】
ウェブページを受信したユーザ端末3は、この連絡用電話番号を含むウェブページを表示し、ID及びラベルからなる識別情報をHTTPクッキーとして記憶すると共に、当該識別情報及び連絡用電話番号をアプリケーションサーバ2へ送信する。アプリケーションサーバ2は、このユーザ端末3から受信した識別情報及び連絡用電話番号を記憶部23に記憶する。なお、識別情報及び連絡用電話番号をユーザ端末3がアプリケーションサーバ2へ送信する構成に限らず、ウェブサーバ1が連絡用電話番号と対応する識別情報をアプリケーションサーバ2へ送信する構成でも良い。例えば、ウェブサーバ1が連絡用電話番号を取得する際に識別情報をアプリケーションサーバ2へ送信し、これに対しアプリケーションサーバ2が連絡用電話番号を発行し、この識別情報及び連絡用電話番号を記憶部23に記憶しても良い。また、ウェブサーバ1がステップS30で予め割り当てられた複数の連絡用電話番号から一つを選択してユーザ端末3に割り当てる場合に、この識別情報及び連絡用電話番号をアプリケーションサーバ2へ送信し、受信したアプリケーションサーバ2が、この識別情報及び連絡用電話番号を記憶部23に記憶しても良い。
【0052】
また、ユーザが、前記ウェブページに表示された連絡用電話番号宛に電話をかけると、
図10に示すように、呼制御装置7が、呼の要求を受信し(ステップS210)、連絡先の電話機4と接続して呼を確立させる(ステップS220)。そして、呼制御装置7は、この呼が終了するまで呼の状態を検出し、この呼の状態と連絡用電話番号を対応付けて架電情報とし(ステップS230)、呼が終了した場合に(ステップS240、Yes)、当該架電情報をアプリケーションサーバ2へ送信する(ステップS250)。
【0053】
図11に示すように、アプリケーションサーバ2は、呼制御装置7から架電情報を受信し、記憶部23に記憶する(ステップS310)。次に、アプリケーションサーバ2は、状況テーブルに基づいて、受信した架電情報と対応する広告情報を選択する(ステップS320)。例えば、サポートセンターへの電話の通話ステータスが話中であったり、呼出中断であった場合にQ&Aの情報を選択する、特定の商品に関する電話であった場合に当該商品や、当該商品とは別の商品、当該商品の代替商品、関連商品の情報を選択する、或
は、顧客の年齢や顧客タイプに応じた商品の情報を選択する。関連する商品の広告を配信するような場合、ウエブサーバ1が連絡用電話番号を取得する際や、ユーザ端末3識別情報を送信する際に、当該ウェブページのURLや当該ウェブページに入力された情報をアプリケーションサーバ2へ送信し、アプリケーションサーバ2が、当該ウェブページのURLや当該ウェブページに入力された情報に基づいて、購入対象の商品を特定し、特定した商品と関連した商品の広告、特定した商品よりグレードの高い商品の広告等を選択しても良い。なお、架電情報が、商品の購入や予約の完了など、一定の成果を示していた場合、冗長な広告が配信されてしまわないように、広告を配信しないという選択があっても良い。
【0054】
このとき、受信した架電情報に限らず、受信した架電情報と発信者番号が同じ架電情報を記憶部23から抽出し、これら発信者番号が同一の架電情報と対応する広告情報を選択するようにしても良い。これにより、ユーザが、デスクトップPCやタブレットPC等、他のデバイスでウェブサーバ1にアクセスし、ウェブページを閲覧してユーザ端末3で電話をかけた場合に、発信者番号が同じであれば、同じユーザの行動履歴(架電情報)として広告情報の選択に用いることができ、複数デバイスに係る行動履歴を集約して精度を高めた広告情報を提供できる。
【0055】
また、アプリケーションサーバ2は、受信した架電情報と発信者番号が同じ架電情報、又はこれらの架電情報に基づいて選択された広告情報を過去実績データとして抽出し、この過去実績データに応じて、同タイプの広告の配信頻度や配信期間の長さといった配信条件を決定する(ステップS325)。
【0056】
次に、アプリケーションサーバ2は、ステップS310で受信した架電情報の連絡用電話番号と対応する識別情報を記憶部23から読み出し、この識別情報とステップS320で選択した広告情報、及びステップS325で決定した配信条件を対応付けて広告配信情報とし(ステップS330)、広告配信サーバ8へ送信する(ステップS340)。
【0057】
そして、
図12に示すように、広告配信サーバ8は、ユーザ端末3からウェブページの閲覧要求を受信した場合に(ステップS410)、当該ユーザ端末3からHTTPクッキーとして記憶されている識別情報を取得する(ステップS420)。広告配信サーバ8は、この識別情報と対応する広告情報を前記広告配信情報から抽出し(ステップS430)、当該ユーザ端末3に配信する(ステップS440)。
【0058】
このように、本実施形態の広告配信システムによれば、電話によるユーザ行動に基づいた広告情報をウェブを介して配信することができる。
【0059】
例えば、WEBサイトを見て顧客が企業に電話をかけたが、企業側で電話を取れなかった場合、この顧客に対して電話で折り返すことも考えられるが、一般的に電話で折り返す旨求められてもいないのに面識のない企業から電話がかかって来る事を顧客は望んでいない。顧客は本来電話する用事があったはずだが、また後でかけなおそうと思ってもその事を忘れてしまったり、いざかけなおす際に連絡先がわからなくなったりしてしまうことがある。一方、企業の側も、本来ニーズを持っていたにも関らず受け切れなかった顧客を取り戻したいが、面識のない状態では企業側から電話をかけにくいという問題があった。
【0060】
そこで、本実施形態の広告配信システムでは、WEBサイトを見て電話をかけて来たトランザクションのうち、通話結果が話中呼、呼出断、放棄呼となったものを特定し、その通話を行った顧客のユーザ端末(WEBブラウザ)に対して、「もう一度その企業に電話することを思い出させる広告」「連絡先がわからなくなった ユーザに電話番号やWEB
ページを簡単にナビゲーションする広告」を配信する。即ち、これらの広告をリターゲテ
ィング広告で配信することにより、顧客がその企業のWEBサイトに戻らなくても、WEBブラウザでwwwにアクセスしている中でアピールできる。
【0061】
また、非常にピーク性の高いコールセンタでは顧客からのコールを裁き切る事ができずに、大量の放棄呼を発生させている場合等がある。このような場合、電話がつながらなかった顧客は、何の解決策も得られていないために不満を感じるとともにリダイヤルを行う事になり、電話の混雑は長引いてしまう。本来このような顧客に対して、WEBのヘルプページを紹介するなどの対応が行えれば、コールセンタの人件費を上げずにある程度の対応ができるが、電話も繋がっていない顧客にそのような対応をする事は出来なかった。
【0062】
そこで、本実施形態の広告配信システムでは、WEBサイトを見て電話をかけて来たトラ
ンザクションのうち、通話結果が話中呼、呼出断、放棄呼である通話を特定し、その通話を行った顧客のWEBブラウザに対して、「その件に関するWEBの特設ページなどを案内する広告」を配信することにより対応できる。
【0063】
〈変形例1〉
上記実施形態では、ユーザ(顧客)が、連絡用電話番号を見て電話をする例を示したが、この場合、バナー広告等のリンクを選択した際に電話をかけるようにしても良い。
図13は、この変形例1を示す図である。
【0064】
図13の例では、ウェブページ105のバナー広告106を選択したときに、ユーザ端末3が識別情報をアプリケーションサーバ2へ送信し、連絡用電話番号を取得し、電話をかけるメッセージ107を表示する構成としたことが、前述の実施形態と異なり、その他の構成は同じである。例えば、ユーザ端末3が識別情報をアプリケーションサーバ2へ送信すると、これに対しアプリケーションサーバ2が連絡用電話番号を発行し、この識別情報及び連絡用電話番号を記憶部23に記憶する。なお、ユーザ端末3が、ウェブページ105を表示した際に識別情報(ID及びラベル)をHTTPクッキーとして記憶する構成は同じである。
【0065】
そして、ユーザがメッセージ107のOKボタン108を選択、即ち架電を選択し、電話をすることで、前述の実施形態と同様に、この電話によるユーザ行動に応じた広告配信を行うことができる。
【0066】
特に、スマートフォンなどの携帯端末向けのウェブページでは、表示領域が限られるために、連絡用電話番号を表示できるページが制限されるため、このウェブページにたどり着くまでの導線が長くなる(アクセスするページ数が多くなる)傾向にあるが、本変形例のようにバナー広告等のリンクを選択することで電話をかけることができれば、短い導線で容易に電話をかけることができる。
【0067】
なお、バナー広告のリンクのかわりに検索エンジンからの検索結果またはテキスト、広告に含まれるリンクを代替する事も出来て、その場合には検索に使われたキーワードも識別情報と共にアプリケーションサーバ2へ送信することができる。アプリケーションサーバ2は、このキーワードを識別情報と共に記憶し、配信する広告を選択する情報として用いても良い。
【0068】
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、これらの構成要素は可能な限り組み合わせることができる。