【実施例1】
【0045】
以下では
図2から
図10を参照しながら、第1の実施例の電子ペーパー能動基板製造方法の具体的な実施方式を説明する。図面にただ1つの画素ユニットを示すが、他の画素ユニットも同じステップにて形成することができる。
【0046】
図12は本発明の第1の実施例の電子ペーパー能動基板製造方法のフローチャートである。
図12に示すように、本実施例の電子ペーパー能動基板製造方法は以下のステップを備える。
【0047】
ゲート電極と第1の共通電極形成ステップS1では、例えば光エッチング工程により基板にゲート電極2と第1の共通電極3を形成する。
図2は能動基板にゲート電極2と第1の共通電極3とが形成された後の断面概略図である。同図から見られるように、第1の共通電極3はほぼ画素ユニットの大部分の領域を占める。例えば、第1の共通電極3の面積と対応する画素ユニットにおける画素電極の面積との比率は、30%よりも小さくない。ゲート電極2と第1の共通電極3は同一の導電材料、例えば金属材料または導電酸化物材料、または異なる導電材料により形成されることができる。当該ステップにて、ゲート線を同時に形成することができる。ゲート電極2は対応するゲート線に電気的に接続される。
【0048】
ゲート電極絶縁層形成ステップS2では、ゲート電極2、第1の共通電極3及び基板表面にゲート電極絶縁層4(例えば、ゲート電極絶縁層の材料としては二酸化珪素を採用する)を形成する。
図3は能動基板にゲート電極絶縁層4が形成された後の断面概略図である。同図から見られるように、ゲート電極絶縁層はほぼ画素ユニット上方の全体領域を被覆する。
【0049】
能動層処理ステップS3では、能動層(図示なし)に対して堆積、活性化、エッチングパターン化などの処理を行う。能動層(又は能動領域と称する)の構造と処理は従来技術を採用して行われるため、ここでは省略する。
【0050】
ソースドレイン電極形成ステップS4では、ゲート電極絶縁層上にソースドレイン電極5を形成する。ソースドレイン電極5は、少なくとも一部分が第1共通電極3におけるゲート電極絶縁層4上に配置され、かつ、ソースドレイン電極5は完全に第1の共通電極3上のゲート電極絶縁層4を被覆せず、後続のステップにおいてビアホールを形成するように、ただ小さい領域を残す(例えば、
図6に示す第2のビアホール11)。
図5においてあけておく領域は図面の右側部分である。該ステップS4において、ソースドレイン電極5を自己整合マスクとして、例えばエッチング工程により能動層のチャンネルを形成する(図示なし)。これらの工程ステップは従来技術の工程を採用して行われる。
図4は能動基板にソースドレイン電極5が形成された後の断面概略図である。該ステップにおいて、複数のデータ線を同時に形成することができる。同一の薄膜トランジスターのソースドレイン電極5のうちの一つは対応するデータ線に電気的に接続され、他のソースドレイン電極5はその後に形成される対応する画素電極に接続される。
【0051】
パッシベーション層形成ステップS5では、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)を利用してSiO
2あるいはSiNx又は他の適合可能な材料で得られた構造上にパッシベーション層6を堆積する。例えば、ソースドレイン電極5、第1の共通電極3におけるゲート電極絶縁層4、ゲート電極2におけるゲート電極絶縁層4、およびその近傍領域にパッシベーション層6が形成される。
図5は能動基板にパッシベーション層6が形成された後の断面概略図である。
【0052】
第2のビアホール形成ステップS6では、例えば光エッチング工程により一つの第2のビアホール11が形成され、それはパッシベーション層6とゲート電極絶縁層4を同時に通過する。このように、第2のビアホール11により第1の共通電極3の一部分を露出することができる。
図6は能動基板に第2のビアホール11が形成された後の断面概略図である。
【0053】
第2の共通電極形成ステップS7では、第2の共通電極9を形成する。該第2の共通電極9は前のステップにて形成された第2のビアホール11により第1の共通電極3に接続される。
図7は能動基板に第2の共通電極9が形成された後の断面概略図である。
図7に示す水平方向に、第2の共通電極9のソースドレイン電極5との大きな重複被覆部分がある。第2の共通電極9の面積とその後に形成される対応する画素ユニットにおける画素電極の面積との比率は、30%よりも小さくないため、大きな蓄積容量を形成するようになる。かつ、該第2の共通電極9は、後続ステップにて形成される樹脂パッシベーション層7とソースドレイン電極5との間に接続される第1のビアホール(
図9と
図10に示される)を被覆しない。第2の共通電極9はMo、Al、Cu、Al、Ndなどの金属、およびその合金であってもよいし、酸化インジウム錫などの材料であってもよい。
【0054】
樹脂パッシベーション層形成ステップS8では、ステップS7から得られた構造表面上に樹脂パッシベーション層7を形成する。該樹脂パッシベーション層7の材料を選択する際の要求は、低誘電定数、即ち、ε<5である。例えば、JSR株式会社のPC403、PC405G、PC411B、PC415G、PC542であり、東進株式会社のDA-2009などである。
図8は能動基板に樹脂パッシベーション層7が形成された後の断面概略図である。
【0055】
第1のビアホール形成ステップS9では、一つの第1のビアホール10を形成することで樹脂パッシベーション層7とパッシベーション層6を通過させ、ソースドレイン電極5の一部分を露出させることにより、ソースドレイン電極5の露出部分を後続に形成される画素電極層8における画素電極に接触して接続させる。該ステップS9において、樹脂パッシベーション層7をエッチングするだけではなく、パッシベーション層6をエッチングする必要もあるため(例えばSiO
2又はSiNx)、乾式エッチングで一回に前記2種類の材料をエッチングすることができる。または、他の例示において、2つのステップに分けられる。先ずは湿式エッチングで樹脂パッシベーション層7に第1のビアホール10の上部分を形成し、そして、乾式エッチングでSiO
2又はSiNxのパッシベーション層に対応する第1のビアホール10の下部分を形成する。
図9は能動基板に第1のビアホール10が形成された後の断面概略図である。異なる樹脂パッシベーション層7のパターン化方法は異なるため、具体的な樹脂パッシベーション層7によりエッチング工程(例えば、乾式エッチング又は湿式エッチング)を選択することができる。これは公知常識で選択することができるため、ここでは省略する。
【0056】
画素電極層形成ステップS10では、電子ペーパー能動基板の表面に画素電極層8を形成する。該画素電極層8は各画素ユニットの画素電極を備え、該画素電極は第1のビアホール10によりソースドレイン電極5の露出部分に接続される。
図10は能動基板に画素電極層が形成された後の断面概略図である。
【0057】
本実施例の前記電子ペーパー能動基板製造方法によって、
図10と
図11に示す電子ペーパー能動基板構造を得る。
図11は
図10に示す電子ペーパー能動基板の一つの可能な平面図である。
図11は6つの画素ユニット構造の能動基板を備える概略図である。しかし、本実施例における画素ユニットはそれに限らない。
図10は
図11に示すA-Aに沿って切り取った電子ペーパー能動基板の断面概略図である。
図10と
図11はいずれも電子ペーパー能動基板における第2のビアホール11の位置を明確に示す。
【0058】
前記は
図1〜12を参照しながら、本実施例の電子ペーパー能動基板及びその製造方法について各ステップで説明したが、本発明は前記ステップ以外の他のステップを排除しない。そのため、本発明の範囲を脱離しない場合に、説明したステップに他のステップを加えて他の構造を形成する、または他の目的を実現することができる。
【実施例2】
【0059】
本実施例が第1の実施例と異なるところは、第1の実施例に記載の電子ペーパー能動基板製造方法では、第1のビアホール形成ステップS9において、樹脂パッシベーション層7とパッシベーション層6とをエッチングして第1のビアホール10を形成する必要があることである。これに対して、本実施例では、第1のビアホール10形成ステップS9の工程を省略する。即ち、パッシベーション層6形成ステップS5または第2のビアホール11形成ステップS6の後に、パッシベーション層6に第1のビアホール10を形成する第1の形成ステップ(例えば、エッチングで)を加えることで、第2のビアホール11及び第1のビアホール10の下部分の構造を便利に得られる。
【0060】
第2のビアホール形成ステップと第1のビアホール第1の形成ステップとは、同一のエッチングステップで完成されることができる。即ち、一つのマスクを用いて一回で両者の形成を完成する。
図13に示すように、形成工程を省略する。
【0061】
そして、樹脂パッシベーション層形成ステップS8では、該第1のビアホール下部分を充填する。その後、第1のビアホール形成ステップS9において樹脂パッシベーション層の材料を一回エッチングすることのみで
図9に示す構造を形成することができる。
【0062】
本実施例の電子ペーパー能動基板製造方法における他のステップは第1の実施例と同じであるため、省略する。
【0063】
本発明の実施例に記載の電子ペーパー能動基板は第2の共通電極構造を備えるため、単一の共通電極から2つの共通電極に拡張することで、容量板の面積をほぼ一倍に増大させ、画素の蓄積容量をほぼ一倍に増大させるとともに、形成された薄膜トランジスター(TFT)の部材性能に影響を及ぼさない。
【0064】
また、本発明の実施例は電子ペーパーディスプレイスクリーンを提供する。当該電子ペーパーディスプレイスクリーンは、第1の実施例または第2の実施例に記載の電子ペーパー能動基板と電気泳動型基板とを備える。例えば、電気泳動型基板に共通電極が設けられるとともに、電気泳動型粒子層が塗布される。能動基板はデータ信号を入力することで画像をリアルタイムに制御し、マトリックス状に配列される複数の画素ユニットを備える。本発明の実施例の電子ペーパー能動基板は比較的大きな蓄積容量を有するため、電子ペーパーディスプレイスクリーンの耐圧が高く、漏洩電流が大きい能力を有効的に高められる。
【0065】
本発明の技術案から脱離しない内容、本発明の技術案による前記実施例に対するいずれの簡単な補正、均等変更及び修飾は、いずれも本発明の保護範囲内に入る。