特許第6280156号(P6280156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インターデイジタル テクノロジー コーポレーションの特許一覧

特許6280156拡張専用チャンネル送信に対するデータライフスパンタイマーの実装
<>
  • 特許6280156-拡張専用チャンネル送信に対するデータライフスパンタイマーの実装 図000002
  • 特許6280156-拡張専用チャンネル送信に対するデータライフスパンタイマーの実装 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6280156
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】拡張専用チャンネル送信に対するデータライフスパンタイマーの実装
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20180205BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20180205BHJP
【FI】
   H04W28/04 110
   H04W28/14
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-98834(P2016-98834)
(22)【出願日】2016年5月17日
(62)【分割の表示】特願2014-236894(P2014-236894)の分割
【原出願日】2005年4月29日
(65)【公開番号】特開2016-167874(P2016-167874A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】60/568,937
(32)【優先日】2004年5月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン グゥオドン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン イー.テリー
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−209232(JP,A)
【文献】 国際公開第03/085934(WO,A1)
【文献】 特開2003−348668(JP,A)
【文献】 特開2003−78565(JP,A)
【文献】 特開2003−244087(JP,A)
【文献】 Samsung,Relationship between scheduling and HARQ[online],3GPP TSG-RAN WG1#35 R1-031224,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_35/Docs/Zips/R1-031224.zip,2003年11月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送受信装置(WTRU)であって、
上りリンク送信のための物理リソースの第1の割当を受信するように構成された制御装置であって、物理リソースの前記第1の割当は、下りリンク信号チャネル上で受信される制御装置を備え、
前記制御装置は、論理チャネルのデータを受信するようにさらに構成され、
前記制御装置は、前記論理チャネルの前記データの受信に応答して、前記第1の割当により割り当てられた第1の物理リソース上で、ハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)プロセスを用いて第1のメディアアクセスコントロール(MAC)データを送信するようにさらに構成され、
前記制御装置は、前記第1のMACデータの送信に応答して、タイマーを開始するようにさらに構成され、
前記制御装置は、前記タイマーの満了および物理リソースの第2の割当を受信していないことに応答して、上りリンク信号チャネル上で、物理リソースの前記第2の割当の要求を送信するようにさらに構成され、
前記制御装置は、物理リソースの前記第2の割当の前記要求に応答して、下りリンク信号チャネル上で、物理リソースの前記第2の割当を受信するようにさらに構成され、
前記制御装置は、物理リソースの前記第2の割当の受信に応答して、前記第2の割当により割り当てられた第2の物理リソース上で、H−ARQプロセスを用いて第2のMACデータを送信するようにさらに構成されたことを特徴とするWTRU。
【請求項2】
前記第1のMACデータの送信は、他のデータの送信より優先されることを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記第1のMACデータおよび前記第2のMACデータは、論理チャネルデータを含むことを特徴とする請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
無線送受信装置(WTRU)により実施される方法であって、
上りリンク送信のための物理リソースの第1の割当を受信するステップであって、物理リソースの前記第1の割当は、下りリンク信号チャネル上で受信される、ステップと、
論理チャネルのデータを受信するステップと、
前記論理チャネルの前記データの受信に応答して、前記第1の割当により割り当てられた第1の物理リソース上で、ハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)プロセスを用いて第1のメディアアクセスコントロール(MAC)データを送信するステップと、
前記第1のMACデータの送信に応答して、タイマーを開始するステップと、
前記タイマーの満了および物理リソースの第2の割当を受信していないことに応答して、上りリンク信号チャネル上で、物理リソースの前記第2の割当の要求を送信するステップと、
物理リソースの前記第2の割当の前記要求に応答して、下りリンク信号チャネル上で、物理リソースの前記第2の割当を受信するステップと、
物理リソースの前記第2の割当の受信に応答して、前記第2の割当により割り当てられた第2の物理リソース上で、H−ARQプロセスを用いて第2のMACデータを送信するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記第1のMACデータを送信するステップは、他のデータの送信より優先されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のMACデータおよび前記第2のMACデータは、論理チャネルデータを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの無線送受信装置(WTRU)、少なくとも1つのノードBおよび無線ネットワーク制御装置(RNC)を含む無線通信システムに関する。より詳細には、本発明は拡張専用チャンネル(E−DCH)送信を支援するためのデータライフスパンタイマーを実装する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上りリンク(UL)のカバレッジ、スループット、および送信レイテンシを改善する方法は現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:第3世代移動体通信システムの標準化プロジェクトによる移動体通信システムの標準規格)のリリース6で検討されている。この目標を達成するため、WTRUに対するULのスケジューリングおよび割り当てを行う責任責務をノードBが引き継ぐであろう。ノードBは短期間方式ではRNCよりも効率的な決定を行い、ULの無線リソースを管理することができる。RNCは、拡張上りリンク(EU)サービスを用いてセルを全体的に大まかに制御し続け、その結果RNCは呼承認制御(call admission control)および輻輳制御(congestion control)のような機能を実行できる。
【0003】
ハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)技術は、低いレイテンシ(待ち時間)で送信および再送信を生成する手続きを提供する。H−ARQ技術の主な態様は、送信失敗したデータを後続の再送信に滑らかに組み合わせて、受信が成功する確率を高めることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送信に対するH−ARQ方式とノードBのスケジューリングとを使用するとき、データ送信を成功させるために必要な時間は様々であろう。非常に低いレイテンシの送信を要求するアプリケーションに対しては、著しく遅延した送信によって逆効果悪影響を受ける可能性がある。例えば、遅延したデータは失敗した送信と考えられ、最終的にアプリケーションにより不必要に再送信される可能性がある。従って、送信レイテンシを制限するメカニズムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、E−DCHデータ送信を支援する無線通信システムで実施される。無線通信システムは、無線送受信装置(WTRU)、少なくとも1つのノードBおよび無線ネットワーク制御装置(RNC)を含む。WTRUはデータバッファ、データライフスパンタイマー、データ再送カウンタ(data transmission counter)、ハイブリッド自動再送要求(H−ARQ)プロセスおよび制御装置を含む。ライフスパンタイマーは、バッファ内に格納された少なくとも1つのデータブロックにライフスパン(寿命)を設定する。WTRUは以下のように構成される。即ち、(i)ライフスパンタイマーが満了したか否かを定期的に判定すること、(ii)データブロックが前もって送信すでに送信されたか否かを判定すること、(iii)ライフスパンタイマーが満了直前であるか否かを判定すること、および(iv)物理リソース(物理資源)が割り振られているか否かを判定することである。物理リソースが、満了直前のライフスパンタイマーに関連付けられたデータブロックに割り振られていない場合、WTRUは緊急チャンネル割り振り(allocateアロケーション)要求をノードBに送る。物理リソースが割り振られている場合、データブロックは他のデータブロックに対して優先的に送信される。ライフスパンタイマーが満了する場合、またはデータブロックがノードBにより成功裡に受信されたことを示すフィードバック情報をWTRUが受信する場合、データブロックは破棄される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に従って操作する無線通信システムのブロックダイアグラムである。
図2】本発明に従って図1のシステムのWTRU内でデータライフスパンタイマーを実装するプロセスのフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、実施例で示した一例として例示した好適な実施態様の以下の説明からより詳細に理解することができ、その実施態様は以下の付属添付図面を参照して理解することができる。
【0008】
以降、用語「WTRU」は、これらに限らないが、ユーザ機器(UE:user equipment)、モバイル移動局、固定または移動加入者ユニット(mobile subscriber unit)、ポケットベル(pager)、あるいは無線環境で操作(オペレーション)可能な任意の他のタイプの装置を含む。以降引用するとき、用語「ノードB」は、これらに限らないが、基地局、サイト制御装置、アクセスポイント、または無線環境内の任意の他のタイプのインターフェース装置(interface device)を含む。
【0009】
本発明の特徴は、集積回路(IC)に組み込むことができ、または多数の相互接続コンポーネントを備える回路内で構成することであろうができることである。
【0010】
図1は、本発明に従った無線通信システム100のブロックダイアグラム(ブロック図)である。システム100は少なくとも1つのWTRU102、少なくとも1つのノードB104および少なくとも1つのRNC106から成るを備える。WTRU102は制御装置122、データライフスパンタイマー124、バッファ126、複数のH−ARQプロセス128および任意に状況に応じて隋意的に再送カウンタ130を備える。制御装置122は、データライフスパンタイマー124の初期化およびH−ARQプロセス128の割り振りを含むデータ送信手順全体を制御する。
【0011】
RNC106は、ノードB104およびWTRU102に対するEUパラメータを構成設定することで、システム100のEU操作全体を制御する。そのようなパラメータには、転送チャンネル(TrCH)または論理チャンネルデータに対するライフスパン・タイム(耐久年数寿命)、初期送信電力レベル、EUの最大許容送信電力またはノードB104毎の利用可能なチャンネルリソースなどがある。E−DCHは、WTRU102とノードB104との間のEU送信を支援するために設定される。
【0012】
E−DCH送信に対して、WTRU102はULEUシグナリングチャンネル(signaling channel)110経由でノードB104にチャンネル割り振り要求を送る。チャンネル割り振り要求(または他のULEUシグナリング)は、ULEUシグナリングチャンネル110の代わりにE−DCH108経由で送信されてもよい。それに応答して、ノードB104は下りリンク(DL)EUシグナリングチャンネル112経由でWTRU102にチャンネル割り振り情報を送る。EU無線リソースがWTRU102に割り振られると、WTRU102はE−DCH108経由でデータを送信する。E−DCHデータ送信に応答して、ノードB104はH−ARQの操作に対する確認応答(ACK)または非確認応答(NACK)メッセージをDLEUシグナリングチャンネル112経由で送る。
【0013】
図2は、本発明に従ってE−DCH送信を支援する目的で、WTRU102内でデータライフスパンタイマー124を実装するプロセス200のフローダイアグラム(流れ図)である。WTRU102は、複数のデータライフスパンタイマー124を使用して多数のE−DCH送信を同時に処理することができる。
【0014】
E−DCH108経由で新規のデータブロックが送信用に受信されると、制御装置122はそのデータブロックに対してデータライフスパンタイマー124を起動し、H−ARQプロセス128をそのデータブロックに関連付け、その新規のデータブロックはバッファ126で待機する(ステップ202)。RNCは、各E−DCHのTrCHまたは各E−DCHの論理チャンネルに対してデータのライフスパンを設定構成する。MACまたはRLCでUL送信を受信すると、そのタイマーが各送信に対して初期化される。
【0015】
E−DCHデータライフスパンタイマー124の値は、WTRU102内の制御装置122が最大許容送信レイテンシ(待ち時間)、RLCの構成設定、およびTrCHブロックエラーレート(誤り率)(BLER)などのような、いくつかの要素を考慮して判定決定することができる。例えば、最大許容レイテンシは、配信前にバッファ可能な期間を判定決定する。さらに、BLERは、送信レイテンシに影響するH−ARQの再送信回数を判定決定する。データライフスパンタイマー124に割り当てた値は、WTRU102におけるEU(拡張上りリンク)の媒体アクセス制御エンティティー(MAC−e)外部の外側でのWTRUのデータ処理を考慮することもできる。
【0016】
アプリケーションのプロトコル(例えば、TCP/IP:通信制御プロトコル/インタネット・プロトコル)は最小の送信レイテンシと送信レイテンシにおける最小の分散とを要求し、最大のスループットを達成する。送信遅延が生じるときには、データが失敗および破棄されることが予期され、遅延および再送信されることは予期されない。このことにより、結果としてアプリケーションのビヘイビア(働き)が非効率的になる。
【0017】
ステップ204の各TTI(有効期間)に対して、制御装置122はWTRU102のバッファ126内のデータブロックに対するデータライフスパンタイマーが満了したか否かを判定する(ステップ206)。データライフスパンタイマー124が満了した場合、制御装置122はそのデータブロックを破棄し、関連付けられるH−ARQプロセス128を解除する(ステップ208)。WTRU102はこのイベント(事象、出来事)を、RNC106またはノードB104のいずれかに通知することができる(ステップ210)。WTRU102はさらにノードBに、一意な指示を有するチャンネル割り振り要求を送ることで、物理リソースの割り振りが十分でないことを通知することができる。
【0018】
ステップ206を再び参照すると、データブロックに対するデータライフスパンタイマー124が満了していない場合、制御装置122は、WTRU102のバッファ126内のデータブロックがWTRU102により前もって送信すでに送信されたか否かを判定する(ステップ212)。データブロックが前もって送信すでに送信された場合、データブロックに関連付けられるデータフィードバック情報がノードB104から受信されたか否かがさらに判定される(ステップ214)。データブロックの送信が成功したことを示す確認応答(ACK)メッセージが受信される場合、そのデータブロックはバッファ126から破棄され、関連付けられるH−ARQプロセス128が別のデータブロックを支援するために利用可能となり、データライフスパンタイマーがリセットされる(ステップ216)。フィードバックメッセージが受信されない場合、WTRU102は次のTTI(有効期間)までフィードバックメッセージを待つ(ステップ218)。
【0019】
ステップ212でデータブロックがWTRU102によりこれまでに前もって送信されていないことが判定される場合、またはそのデータブロックが送信されたが、そのデータブロックの送信が失敗したことを示す非確認応答(NACK)メッセージが受信される場合、そのデータブロックは再送信される。制御装置122は、そのデータブロックに対するデータライフスパンタイマー124が満了直前か否かを判定する(ステップ220)。データライフスパンタイマー124が満了直前でない場合、通常のH−ARQ操作が、そのデータブロックを送信するために初期化される(ステップ222)。
【0020】
ステップ224において、制御装置122は、データライフスパンタイマー124が満了直前であるときに物理リソースが割り振られたているか否かを判定する(ステップ224)。物理リソースが割り振られている場合、制御装置122はそのデータブロックの送信を随意的に任意に優先することができる(ステップ226)。物理リソースが割り振られていない場合、制御装置122は、そのデータブロックの送信を支援するために緊急チャンネル割り振り要求をノードBに随意的に任意に送ることができる(ステップ228)。
【0021】
ステップ214を再び参照すると、NACKメッセージが受信された場合、そのデータブロックは再送信され、制御装置122は再送カウンタ130が最大再送信制限に到達したか否かを判定することができる(ステップ230)。再送カウンタ130はデータブロックが再送信される度にインクリメント(増加)され、最大再送信制限はRNC106により構成設定される。再送カウンタ130が最大再送信制限に到達しない場合、プロセス200はステップ220に進む。再送カウンタ130が最大再送信制限に到達した場合、制御装置122は、そのデータブロックに対するライフスパンタイマー124が満了しない限り、H−ARQプロセス128を再初期化する(ステップ232)。再送カウンタ130が初期化され、新規のデータのインジケータ(指示子)がインクリメントされると、H−ARQプロセス128が再初期化されたことを示す。
【0022】
本発明の特徴および構成要素を特定の組み合わせにおける好適な実施態様で説明したが、各特徴および構成要素は、その好適な実施態様の他の特徴および構成要素なしに単独で、または本発明の他の特徴および構成要素を様々に組み合わせて、または本発明の他の特徴および構成要素なしに、使用することができる。
図1
図2