特許第6280605号(P6280605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6280605
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】給紙装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/56 20060101AFI20180205BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20180205BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   B65H3/56 330S
   B65H3/52 330D
   G03G21/16 138
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-176254(P2016-176254)
(22)【出願日】2016年9月9日
(62)【分割の表示】特願2014-5197(P2014-5197)の分割
【原出願日】2014年1月15日
(65)【公開番号】特開2016-216264(P2016-216264A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松島 利弘
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−83932(JP,A)
【文献】 実開昭62−17651(JP,U)
【文献】 特開平10−139196(JP,A)
【文献】 特開平3−272923(JP,A)
【文献】 実開平2−66533(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H1/00−1/24、3/46−3/64、11/00−11/02
G03G13/00、15/00、21/16−21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を取り出すピックアップ領域および前記ピックアップ領域により取り出された前記記録媒体を搬送する搬送領域を備える給紙ローラと、
前記ピックアップ領域にて接離され、前記ピックアップ領域により前記記録媒体を取り出す時に、前記記録媒体をガイドし、前記記録媒体を1枚ずつ前記ピックアップ領域との間に挟み込む加圧トレイと、
前記搬送領域にて前記給紙ローラとの間でニップを形成し、前記加圧トレイの移動に従って、前記ニップが形成される位置と、前記給紙ローラから離間した位置と、の間を移動する分離部と、
前記加圧トレイと前記分離部との間に移動して、前記給紙ローラと前記分離部との間隙を塞ぎ、前記記録媒体が前記給紙ローラと前記分離部との間隙に進入するのを防止するストッパと、
前記加圧トレイおよび前記ストッパを移動可能に支持する支持バーと、を備え、
前記支持バーは、一方向の移動によって、前記加圧トレイおよび前記分離部を前記給紙ローラから離間させるとともに、前記ストッパを前記給紙ローラと前記分離部との間隙を塞ぐ位置に移動させ、前記一方向と逆方向の移動によって、前記加圧トレイおよび前記分離部を前記給紙ローラに近づけるとともに、前記間隙を塞ぐ位置から退避位置に前記ストッパを移動させる、
給紙装置。
【請求項2】
前記ストッパは、前記支持バーの移動に従って、前記退避位置と前記間隙を塞ぐ位置との間で回動移動する、
請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記ストッパは、前記ニップに記録媒体が挟まった場合は、当該挟まった記録媒体の背面に面接触する、
請求項1または2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記分離部は、前記給紙ローラより径の小さい分離ローラである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記支持バーは、
前記加圧トレイを移動可能に支持する第1バーと、
前記ストッパを移動可能に支持する第2バーと、を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記支持バーの一方向の移動によって、前記第1バーは、前記加圧トレイおよび前記加圧トレイの移動に従って移動する前記分離部を前記給紙ローラから離間させ、前記第2バーは、前記ストッパを前記給紙ローラと前記分離部との間隙を塞ぐ位置に移動させ、
前記支持バーの前記一方向と逆方向の移動によって、前記第1バーは、前記加圧トレイおよび前記加圧トレイの移動に従って移動する前記分離部を前記給紙ローラに近づけ、前記第2バーは、前記間隙を塞ぐ位置から退避位置に前記ストッパを移動させる、
請求項5に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記分離部を移動可能に支持するとともに、前記加圧トレイによって移動可能に支持されるブラケットをさらに備え、
前記ブラケットは、前記加圧トレイの移動に従って移動し、
前記分離部は、前記ブラケットの移動に従って、前記ニップが形成される位置と、前記給紙ローラから離間した位置と、の間を移動する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の給紙装置。
【請求項8】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体を前記画像形成部方向に搬送する請求項1から7のいずれか1項に記載の給紙装置と、を備える、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、プリンタあるいはMFP(multi-functional peripheral)等の画像形成装置にて、シートを供給する給紙装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、トレイ上のシートに接触するとともに、分離部とニップを形成する径の大きい給紙ローラを用いて、トレイから取り出したシートをレジストローラ方向に搬送する装置がある。径の大きい給紙ローラを用いる装置では、給紙ローラと分離部との隙間に用紙先端が進入するのを防ぐために、給紙ローラと分離部とを加圧したままの状態で、トレイにシートをセットし、あるいは紙詰まりを除去している。
【0003】
このため、紙詰まり除去時にニップからシートを引き抜くのに要する力が大きくなり、ユーザが処理し難いために操作性に劣る恐れがある。またニップ内のシートを無理に引抜くと、給紙ローラあるいは分離部の表面が傷つき、ピックアップ性能あるいは分離性能を低下する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−1180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、紙詰まり除去時等に給紙ローラと分離部との加圧を解除した場合に、給紙ローラと分離部との隙間に用紙先端が進入するのを防ぐ、給紙装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、実施形態の給紙装置は、記録媒体を取り出すピックアップ領域および前記ピックアップ領域により取り出された前記記録媒体を搬送する搬送領域を備える給紙ローラと、前記ピックアップ領域にて接離され、前記ピックアップ領域により前記記録媒体を取り出す時に、前記記録媒体をガイドし、前記記録媒体を1枚ずつ前記ピックアップ領域との間に挟み込む加圧トレイと、前記搬送領域にて前記給紙ローラとの間でニップを形成し、前記加圧トレイの移動に従って、前記ニップが形成される位置と、前記給紙ローラから離間した位置と、の間を移動する分離部と、前記加圧トレイと前記分離部との間に移動して、前記給紙ローラと前記分離部との間隙を塞ぎ、前記記録媒体が前記給紙ローラと前記分離部との間隙に進入するのを防止するストッパと、前記加圧トレイおよび前記ストッパを移動可能に支持する支持バーと、を備え、前記支持バーは、一方向の移動によって、前記加圧トレイおよび前記分離部を前記給紙ローラから離間させるとともに、前記ストッパを前記給紙ローラと前記分離部との間隙を塞ぐ位置に移動させ、前記一方向と逆方向の移動によって、前記加圧トレイおよび前記分離部を前記給紙ローラに近づけるとともに、前記間隙を塞ぐ位置から退避位置に前記ストッパを移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のMFPを示す概略構成図。
図2】実施形態の給紙トレイ示す一部斜視図。
図3】実施形態の大径ローラと小径ローラとでニップを形成する状態を示す概略構成図。
図4】実施形態の大径ローラと小径ローラとが離間した状態を示す概略構成図。
図5】実施形態の大径ローラと加圧トレイを示す一部省略斜視図。
図6】実施形態の手差し給紙部が給紙可能である場合のスライドバーを示す概略説明図。
図7】実施形態の加圧トレイを大径ローラから離間した場合のスライドバーを示す概略説明図。
図8】実施形態の紙詰まり除去時のストッパ位置を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下実施形態について説明する。
【0009】
実施形態の画像形成装置について図1乃至図8を参照して説明する。図1は、実施形態の画像形成装置の一例であるカラーのMFP(Multi-Function Peripherals)10を示す。MFP10は、筐体10a内部に画像形成部であるプリンタ部11、スキャナ部12、カセット給紙部16及び手差し給紙部17を備える。
【0010】
プリンタ部11は、矢印m方向に回転する中間転写ベルト18の下側に沿って並列に配置される、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4組の画像形成ステーション20Y、20M、20C及び20Kを備える。プリンタ部11は、各画像形成ステーション20Y、20M、20C及び20Kの上方に、補給カートリッジ21Y、21M、21C及び21Kを備える。
【0011】
4組の画像形成ステーション20Y、20M、20C及び20Kは、それぞれ、感光体ドラム22の周囲に、帯電チャージャ23、露光走査ヘッド24、現像装置26、及び感光体クリーナ27を備える。現像装置26は、各画像形成ステーション20Y、20M、20C及び20K毎に、夫々Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)或いはK(ブラック)のトナーと、キャリアとからなる二成分の現像剤を備える。トナーは、例えば非消色のトナー或いは消色トナーを用いる。
【0012】
消色トナーは、例えば所定の消色温度以上に加熱することにより消色可能なトナーである。消色トナーは、例えば色材として、呈色性化合物、顕色剤及び消色剤を備える。消色トナーを用いて形成したトナー画像を所定の消色温度以上に加熱すると、消色トナー中の呈色性化合物と顕色剤とが解離してトナー画像を消色する。
【0013】
バックアップローラ18a、従動ローラ18b及びテンションローラ19は、中間転写ベルト18を支持する。プリンタ部11は、中間転写ベルト18を介して、各画像形成ステーション20Y、20M、20C及び20Kの感光体ドラム22と対向する位置にそれぞれ1次転写ローラ28を備える。プリンタ部11は、中間転写ベルト18を介してバックアップローラ18aと対向する位置に2次転写ローラ30を備える。
【0014】
プリンタ部11下方のカセット給紙部16は、シートPを収納する給紙カセット16a及び給紙カセット16aからシートPを取り出すピックアップローラ16bを備える。MFP10の筐体10aの側面の手差し給紙部17は、給紙トレイ37、給紙ローラである大径ローラ40を備える。手差し給紙部17は、分離部であり、大径ローラ40に比べて径の小さい分離ローラである小径ローラ41を備える。カセット給紙部16及び手差し給紙部17は、未使用のシート或いはリユースのシート(例えば画像を消色処理により消色したシート)等を給紙可能である。プリンタ部11は、搬送路31に沿って、レジストローラ31a、2次転写ローラ30の下流に定着装置32、排紙ローラ対33を備える。
【0015】
MFP10は、スキャナ部12等からの画像データに従い、プリンタ部11でシートPにトナー像を形成し、排紙部10aに排紙する。画像形成装置はMFP10に限らない。画像形成装置は、モノクロの画像形成装置であっても良く、画像形成ステーションの数も限定されない。画像形成装置は、感光体から直接シートにトナー像を転写しても良い。また画像形成装置は複数のプリンタ部を備えていても良い。
【0016】
手差し給紙部17について詳述する。手差し給紙部17は、図2に示すように筐体10aの側面で開閉する給紙トレイ37を備える。給紙トレイ37は、給紙トレイ37上のシートPを幅方向に規制するサイドガイド37aを備える。手差し給紙部17は、筐体10aに設けられる支点38aを中心に回動する加圧トレイ38を備える。
【0017】
図3図4に示すように、手差し給紙部17は、加圧トレイ38の先端38bを大径ローラ40方向に押し上げるトレイスプリング38cを備える。手差し給紙部17の小径ローラ41は、ブラケット41aに支持され、ブラケット支点41bを中心に回動して大径ローラ40と接離する。手差し給紙部17は、小径ローラ41を大径ローラ40に押圧するローラスプリング41cを備える。ローラスプリング41cにより小径ローラ41が大径ローラ40を押圧して、大径ローラ40と小径ローラ41との間にニップ42を形成する。
【0018】
手差し給紙部17は、給紙時には、加圧トレイ38がトレイスプリング38cにより押し上げられ、小径ローラ41がローラスプリング41cにより大径ローラ40に押圧される。給紙時、大径ローラ40周囲には、ピックアップ領域40aと搬送領域40bが形成される。給紙時、大径ローラ40のピックアップ領域40aは図5に示すように加圧トレイ38に対向する。給紙時、大径ローラ40の搬送領域40bは小径ローラ41とニップ42を形成する。
【0019】
給紙時に、大径ローラ40は矢印r方向に駆動回転し、小径ローラ41は、矢印s方向に従動回転する。複数枚のシートPがニップ42に入った場合、小径ローラ41に接するシートPが小径ローラ41を連れ回そうとする力が、小径ローラ41を静止させようとするトルクを下回る。複数枚のシートPがニップ42に入った場合は、小径ローラ41は回転停止する。
【0020】
ニップ42に入ったシートPが1枚の場合、シートPが小径ローラ41を連れ回そうとする力が、小径ローラ41を静止させようとするトルクより上回る。ニップ42入ったシートPが1枚の場合は、小径ローラ41は大径ローラ40に従動回転する。
【0021】
給紙時に、手差し給紙部17は、給紙トレイ37の最上位のシートPを、大径ローラ40のピックアップ領域40aと加圧トレイ38とで挟んで給紙トレイから矢印t方向にピックアップする。手差し給紙部17は、ピックアップしたシートPを、大径ローラ40の搬送領域40bと小径ローラ41とのニップ42にて分離搬送する。ニップ42では、最上位のシートPの1枚のみを、レジストローラ31a方向に分離搬送する。
【0022】
手差し給紙部17は、ストッパ43を備える。大径ローラ40と小径ローラ41との間にニップ42が形成されている場合に、ストッパ43は、ストッパスプリング43aの付勢力に抗して図3に示す退避位置に在る。ストッパ43は、大径ローラ40と小径ローラ41とが離間した場合に、図4に示すように矢印u方向に回動移動して、ニップ42位置の隙間を塞いで、レジストローラ31a方向に向かうシートPの手差し搬送路44を塞ぐ。
【0023】
手差し給紙部17は、図6に示すように、トレイスプリング38cのスプリング力に抵抗して、加圧トレイ38を大径ローラ40に接離するためのスライドバー51を備える。スライドバー51は、加圧トレイ38を回動するための第1バー51aを備える。スライドバー51は、ストッパ43を回動するための第2バー51bを備える。第2レバー51bに押圧されて、ストッパ43は退避位置に保持される。第2レバー51bをストッパ43から離間すると、ストッパ43はストッパスプリング43aの付勢力によりニップ42方向に回動する。
【0024】
スライドバー51は、給紙トレイ37のサイドに支持され、レバー51cの操作により、矢印w方向およびx方向にスライドする。第1バー51aは、加圧トレイ38のリンクシャフト38dに作用する。第2バー51bは、ストッパ43に作用する。スライドバーの形状はこれに限らない。
【0025】
(給紙時)
手差し給紙部17からシートPを給紙する場合、ユーザは給紙トレイ37を矢印q方向に回動して筐体10aから引き出す。給紙トレイ37を筐体10aから引き出した場合、レバー51cは例えば矢印i方向に倒されている。レバー51cが矢印i方向に倒されていると、スライドバー51は、図6に示す給紙可能位置に在る。スライドバー51が給紙可能位置に在る場合、加圧トレイ38は、トレイスプリング38cにより大径ローラ40方向に押し上げられ、小径ローラ41は、ローラスプリング41cにより大径ローラ40を押圧し、ストッパ43は、ストッパスプリング43aに抗して退避位置に在る。
【0026】
給紙トレイ37上にシートPを載せるためにユーザは、図7に示すようにレバー51cを矢印h方向に倒して、スライドバー51を矢印x方向にスライドする。スライドバー51の矢印x方向のスライドにより第1バー51aは矢印x方向にスライドして、トレイスプリング38cの付勢力に抗して、リンクシャフト38dを、支点38aを中心に第1バー51aに沿って矢印y方向に回動する。従ってリンクシャフト38dと一体の加圧トレイ38の先端38bは、矢印y方向に回動して大径ローラ40から離間する。
【0027】
加圧トレイの先端38bは矢印y方向に回動する際に、小径ローラ41のブラケット41aを矢印j方向に押しながら回動して、小径ローラ41を大径ローラ40から離間する。小径ローラ41が大径ローラ40から離間することにより、ニップ42位置に隙間を生じる。
【0028】
スライドバー51の矢印x方向へのスライドに伴い第2バー51bが矢印x方向にスライドすると、ストッパ43はストッパスプリング43aの付勢力により支点43bを中心に退避位置から矢印l方向に回動する。ストッパ43は矢印l方向に回動して、大径ローラ40と小径ローラ41とのニップ42位置に生じた隙間位置に達する。大径ローラ40と小径ローラ41とが離間した場合に、ストッパ43は、矢印l方向に回動移動して、ニップ42位置の隙間を塞ぐ。
【0029】
加圧トレイ38を大径ローラ40から離間することにより、ニップ42位置に隙間を生じても、ストッパ43が隙間位置にあってシートPが手差し搬送路44に進入するのを防止する。給紙トレイ37にシートPを載せた場合に、シートP先端は、ストッパ43により規制される。
【0030】
給紙トレイ37にシートPを載せたら、レバー51cを矢印i方向に倒して、スライドバー51を矢印w方向にスライドする。スライドバー51の矢印w方向のスライドに伴い第1バー51aが矢印w方向にスライドすると、リンクシャフト38dは、支点38aを中心に第1バー51aに沿って矢印z方向に回動する。リンクシャフト38dの矢印z方向の回動に伴い加圧トレイ38の先端38bは矢印z方向に回動して、シートPを大径ローラ40方向に加圧する。
【0031】
加圧トレイの先端38bが矢印z方向に戻るのに従い、小径ローラ41のブラケット41はローラスプリング41cにより矢印k方向に戻り、大径ローラ40に加圧接触する。加圧トレイの先端38bが矢印z方向に戻るのに従い、小径ローラ41は大径ローラ40に加圧接触して、大径ローラ40とニップ42を形成する。
【0032】
スライドバー51を矢印w方向にスライドすると、第2バー51bが矢印w方向にスライドして、ストッパスプリング43aの付勢力に抗して、ストッパ43を矢印n方向に回動する。ストッパ43は第2バー51bに押されて、退避位置に退避して、レジストローラ31a方向へのシートPの手差し搬送路44を開放する。
【0033】
給紙トレイ37にシートPを載せて給紙開始を開始すると、矢印r方向に回転する大径ローラ40は、ピックアップ領域40aにて、最上位のシートPをピックアップする。大径ローラ40は、ピックアップしたシートPを、搬送領域40bにて、レジストローラ31a方向に分離搬送する。搬送領域40bでは、最上位のシートPの1枚のみを分離搬送する。
【0034】
シートPを給紙トレイ37にセットする場合に加圧トレイ38を大径ローラ40から離間する際に、小径ローラ41が大径ローラ40から離間して、ニップ42位置に隙間を生じる。ニップ42位置に隙間を生じる場合でも、ストッパ43がニップ42位置の隙間を塞ぐことから、シートPがニップ42位置の隙間に進入するのを防止する。給紙時に、ニップ42位置の隙間にシートPが3枚以上入ってしまうのを防止する。
【0035】
(紙詰まり除去時)
手差し給紙部17で紙詰まりを生じた場合、ニップ42に挟まったシートPを除去するため、ユーザはニップ42を離間する。ユーザは、レバー51cを矢印h方向に倒してスライドバー51を矢印x方向にスライドして、加圧トレイ38を大径ローラ40から離間し、小径ローラ41を大径ローラ40から離間してニップ42を離間する。またスライドバー51を矢印x方向にスライドして、ストッパ43を退避位置からニップ42方向に回動する。ストッパ43は、図8に示すように、手差し搬送路44に残っているシートPに下側から面接触する。ストッパ43は、手差し搬送路44に残っているシートPに当接すると、シートPを損傷しないように回動を停止する。紙詰まりが除去されると、ストッパ43は更に矢印l方向に回動して、図7に示すように、ニップ42位置の隙間を塞ぐ。
【0036】
紙詰まりを除去したら、ユーザはレバー51cを矢印i方向に倒して、スライドバー51を矢印w方向にスライドする。スライドバー51を矢印w方向にスライドして、加圧トレイ38を大径ローラ40方向に加圧し、小径ローラ41を大径ローラ40に加圧接触して、大径ローラ40とニップ42を形成する。スライドバー51を矢印w方向にスライドして、ストッパ43を退避位置に退避して、レジストローラ31a方向へのシートPの手差し搬送路44を開放する。
【0037】
紙詰まり除去時にニップ42を離間することから、ユーザは無理にシートPを引っ張る事無く、紙詰まりを容易に除去できる。紙詰まり除去時に、シートPを無理に引っ張って大径ローラ40あるいは小径ローラ41の表面を損傷するのを防止できる。またニップ42を離間した場合に、ストッパ43がニップ42位置の隙間を塞ぐので、給紙トレイ37上のシートPがニップ42位置の隙間に3枚以上進入するのを防止する。紙詰まり除去後またはシートPを給紙トレイ37にセットする場合に、ニップ42位置の隙間にシートPが3枚以上入ってしまうことを防止する。
【0038】
実施形態によれば、大径ローラ40と小径ローラ41の加圧を解除してニップ42を離間した場合に、ストッパ43を退避位置から移動して、ニップ42位置の隙間を塞ぐ。給紙トレイ37へのシートP補給あるいは、手差し給紙部17での紙詰まり除去時に、小径ローラ41と大径ローラ40とのニップ42位置に隙間を生じた場合に、ストッパ43によりニップ42位置の隙間を塞ぐ。シートPを給紙トレイ37にセットする場合に、ニップ42位置の隙間にシートPが3枚以上進入するのを防止する。ユーザによる紙詰まり除去を容易にし、シートPを無理に引っ張って大径ローラ40あるいは小径ローラ41の表面を損傷するのを防止する。紙詰まり除去時に、ニップ42位置の隙間にシートPが進入するのを防止してシートPの重送を防止する。
【0039】
この発明は上記実施形態に限られるものではなく種々変更が可能である。分離部として分離パッドを用い、給紙時あるいは紙詰まり除去時にローラと分離パットを離間するものであっても良い。またストッパは、ローラと分離部との間隙に記録媒体が進入するのを防止できれば、形状および移動方向等限定されない。例えばニップ部を離間した場合に、ストッパをニップと垂直な方向に移動しても良い。
【0040】
この発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10…MFP
10a…筐体
17…手差し給紙部
37…給紙トレイ
38…加圧トレイ
40…大径ローラ
41…小径ローラ
42…ニップ
43…ストッパ
44…手差し搬送路
51…スライドバー
51a…第1バー
51b…第2バー
51c…レバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8