特許第6280704号(P6280704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6280704
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】制御バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/34 20060101AFI20180205BHJP
   F16K 15/06 20060101ALI20180205BHJP
   F16K 47/02 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   F16K1/34 H
   F16K1/34 C
   F16K15/06
   F16K47/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-152595(P2013-152595)
(22)【出願日】2013年7月23日
(65)【公開番号】特開2015-21609(P2015-21609A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】中村 善也
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−032980(JP,A)
【文献】 実開平02−087178(JP,U)
【文献】 特開2007−292148(JP,A)
【文献】 特開昭61−136065(JP,A)
【文献】 特開2007−032979(JP,A)
【文献】 特表2005−500484(JP,A)
【文献】 実開昭62−046864(JP,U)
【文献】 特開平11−037311(JP,A)
【文献】 特開平10−037804(JP,A)
【文献】 特開2010−265998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00− 1/54
F16K 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れを制御する制御バルブであって、
流体が通過するシート部と、
前記シート部に対して移動するポペットの弁体部と、
前記シート部と前記弁体部の間に画成されるポペット絞り流路と、を備え、
前記ポペット絞り流路は、前記シート部及び前記弁体部の中心線に直交する横断面の流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成され
前記シート部及び前記弁体部の中心線を含む縦断面において、前記シート部の内周面に沿う2つの仮想線間の弁座角度は、前記弁体部の外周面に沿う2つの仮想線間の弁体角度より大きく、
前記弁座角度と前記弁体角度の角度差は、1.5度以下の範囲にあることを特徴とする制御バルブ。
【請求項2】
前記ポペット絞り流路における前記シート部の中心線方向の長さが前記シート部の最小開口径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の制御バルブ。
【請求項3】
前記シート部の上流側に弁座部を有し、
前記弁体部の外周にはシールリングが装着され、
前記シールリングは弁座部に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の制御バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを制御する制御バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧燃料ガスの供給源から燃料ガスを取り出して燃料タンクに充填する燃料充填システムにおいて、燃料ガスが通路を高速で流れる場合に、通路に介装された逆止弁等の制御バルブから騒音が発生することがあった。
【0003】
この対処方法として、特許文献1には、弁体の内部にエアダンパを備え、エアダンパが付与する抵抗によって弁体の振動を抑える逆止弁が開示されている。
【0004】
特許文献2には、弁体の軸部に摺接するガイドリングを備え、ガイドリングが付与する摺動抵抗によって弁体の振動を抑える逆止弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−99340号公報
【特許文献2】特開2011−80571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の制御バルブにあっては、高圧、大流量のガスが高速で流れる場合に、弁体の下流側に渦流が生じ、ガス流自体から騒音が発生するという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、制御バルブの騒音を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、流体の流れを制御する制御バルブであって、流体が通過するシート部と、シート部に対して移動するポペットの弁体部と、シート部と弁体部の間に画成されるポペット絞り流路と、を備え、ポペット絞り流路は、シート部及びポペットの弁体部の中心線に直交する横断面の流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成され、シート部及び前記弁体部の中心線を含む縦断面において、シート部の内周面に沿う2つの仮想線間の弁座角度は、弁体部の外周面に沿う2つの仮想線間の弁体角度より大きく、弁座角度と弁体角度の角度差は、1.5度以下の範囲にあることを特徴とする制御バルブ。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるポペット絞り流路において、流体がシート部の内周面とポペットの弁体部の外周面に沿って流れることによって整流され、流体の流れに渦流が生じることを抑えられる。これにより、制御バルブの騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る制御バルブの断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る制御バルブの一部を示す断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るバルブストロークと流路断面積の関係を示す線図。
図4】本発明の第2実施形態に係る制御バルブの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示す制御バルブ100は、供給源から供給される高圧の燃料ガス(以下ガスという)を燃料タンクに充填する燃料充填システムにおいて、燃料ガスの通路に介装される逆止弁として用いられる。
【0013】
制御バルブ100は、ガスを通過させるシート部11を有するバルブハウジング10と、シート部11に対して移動する弁体部51を有するポペット50と、弁体部51をシート部11に当接する閉弁方向に付勢するスプリング70と、を備える。
【0014】
制御バルブ100の開弁作動時には、供給源から導かれるガス圧力が高まるのに応じてポペット50がスプリング70に抗して図1の紙面上にて下方向に移動し、弁体部51がシート部11から離れ、供給源からのガスが図中矢印で示すように流れる。
【0015】
制御バルブ100は、そのケーシングとして、円筒状のバルブハウジング10と、バルブハウジング10の開口端を塞ぐ円盤状のカバー20と、を備える。バルブハウジング10とカバー20の間にポペット50及びスプリング70が収容される。
【0016】
バルブハウジング10の内側には、円筒面状の入口ポート13、円錐筒面状のシート部11、円筒面状の内壁部15が、それぞれ中心線Oを中心とする同心上に形成される。入口ポート13は、供給源からガスが導かれる入口流路29を画成する。シート部11は、弁体部51との間で下流側にガスを導くポペット絞り流路30を画成する。内壁部15は、ポペット絞り流路30の下流側でガスを導くポペット下流路31を画成する。
【0017】
カバー20は、中心線Oを中心とする円盤状に形成され、その外周がバルブハウジング10の内壁部15の開口端に嵌合して固定される。カバー20は、その中央部に開口するガイド穴25と、出口流路32を画成する複数の出口ポート23と、を有する。ガイド穴25は中心線Oを中心とする円筒面状に形成される。各出口ポート23は、中心線Oを中心とする円周上に均等な間隔に設けられる。
【0018】
ポペット50は、円錐状の弁体部51と、弁体部51の下流側に連接して形成される円盤状のスプリング受け部55と、スプリング受け部55の下流側に連接して形成される円柱状のロッド部69と、を有する。これらの弁体部51、スプリング受け部55、ロッド部69は、中心線Oを中心とする同心上に形成される。
【0019】
ポペット50は、ロッド部69がカバー20のガイド穴25に摺動自在に挿入される。これにより、ポペット50は、バルブハウジング10に対して中心線Oが延在するポペット50の軸方向に移動するように支持され、シート部11に対する弁体部51の同心度が確保される。
【0020】
コイル状のスプリング70は、スプリング受け部55とカバー20との間に圧縮して介装され、ポペット50をバルブハウジング10のシート部11に押し付ける。
【0021】
制御バルブ100では、ポペット50が中心線O方向に変位するのに伴って、シート部11と弁体部51との間に画成される流路断面積が増減し、これを通過するガスの流量が制御される。
【0022】
シート部11と弁体部51は、それぞれの縦断面が中心線Oを中心とするテーパー状に形成され、下流側から上流側に向けて拡径するように形成される。
【0023】
シート部11は、ポペット50の弁体部51より大きい角度で拡径するように形成される。入口ポート13に連接するシート部11の上流端には、環状のシート部上流端12が形成される。
【0024】
制御バルブ100の閉弁時には、弁体部51がシート部上流端12に着座することにより、入口流路29とポペット絞り流路30が閉塞される。制御バルブ100の開弁時には、弁体部51がシート部11から離れることにより、供給源からのガスがポペット絞り流路30に流れる。
【0025】
ところで、従来の制御バルブにおいて、高圧、大流量のガスが導かれる場合には、ポペットの弁体部を通過するガスの流れが乱れ、弁体部の下流側に渦流を含む噴流が生じる。噴流から高周波の騒音が生じたり、渦流に起因して弁体部がシート部に繰り返し衝突して騒音が生じることがあった。
【0026】
この対処方法として、ポペット絞り流路30は、シート部11及びポペット50の弁体部51の中心線Oに直交する横断面の流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成される。これにより、ポペット絞り流路30を流れるガスがシート部11の内周面と弁体部51の外周面に沿って流れることによって整流される構成とする。
【0027】
図2に示す中心線Oを含む縦断面図上において、シート部11の内周面に沿う2つの仮想線A11間の弁座角度θ1は、弁体部51の外周面に沿う2つの仮想線A51間の弁体角度θ2より大きく形成される。これにより、ポペット絞り流路30の中心線Oに直交する流路幅及び流路断面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成される。
【0028】
図3において破線は、比較例としてシート部の弁座角度θ1と弁体部の弁体角度θ2が等しく形成されたポペット絞り流路の下流端(出口)の流路面積B´を示すものである。この比較例では、ポペット絞り流路の下流端の流路面積B´に対する上流端の流路面積Aの比率(A/B´)は、バルブストロークXが小さい開度域で小さくなっている。この比較例の場合には、バルブストロークXが小さい開度域において、ポペット絞り流路からポペット下流路にかけて渦流が生じやすい。
【0029】
図3は、ポペット絞り流路30の中心線Oに直交する横断面の流路面積と、ポペット50が軸方向(中心線O方向)に移動するバルブストロークXとの関係を示す線図である。これに示すように、ポペット絞り流路30の上流端(入口)の流路面積Aは、ポペット絞り流路30の下流端(出口)の流路面積Bに比べて全ストローク域にわたって小さい。そして、ポペット絞り流路30の下流端の流路面積Bに対する上流端の流路面積Aの比率(A/B)は、比較例に比べてバルブストロークXが小さい開度域で大きくなっている。
【0030】
制御バルブ100を通過するガスの流れは、バルブストロークXが大きい開度域に比べてバルブストロークXが小さい開度域にて大きく絞られるため、ポペット絞り流路30からポペット下流路31に流れるガスが渦流を含む噴流となりやすい。制御バルブ100では、上記のようにポペット絞り流路30の下流端の流路面積Bに対する上流端の流路面積Aの比率(A/B)は、比較例に比べてバルブストロークXが小さい開度域で大きくなる。このため、バルブストロークXが小さい開度域において、ポペット絞り流路30を流れるガスの圧力が上流側から下流側にかけて適度に低下し、ポペット絞り流路30からポペット下流路31にかけて渦流が生じることが抑えられる。
【0031】
ポペット絞り流路30におけるシート部11の中心線O方向の長さLがシート部11の最小開口径Dより大きくなるように形成される。これにより、ポペット絞り流路30は十分な流路長さLを持つことによって、ガスがシート部11の内周面と弁体部51の外周面に沿って流れる流路長さが確保され、ガスに渦流が生じることを抑制する整流作用が得られる。
【0032】
以下、制御バルブ100の作動について説明する。
【0033】
供給源から入口流路29に導かれる圧力が設定された開弁圧より低い状態では、弁体部51がスプリング70の付勢力によってシート部11に当接し、入口流路29とポペット絞り流路30の間を閉塞する。
【0034】
供給源から入口流路29に導かれる圧力が開弁圧を超えて上昇すると、弁体部51がスプリング70の付勢力に抗してシート部11から離れ、入口流路29とポペット絞り流路30が開通する。これにより、供給源からのガスが、図1中矢印で示すよう、入口流路29、ポペット絞り流路30、ポペット下流路31、出口流路32を通じて流れる。
【0035】
ポペット絞り流路30では、シート部11と弁体部51間の流路幅及び流路断面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなっているため、ポペット絞り流路30を流れるガスの圧力が上流側から下流側にかけて次第に低下し、ポペット絞り流路30からポペット下流路31にかけて渦流が生じることが抑えられる。
【0036】
ポペット50のバルブストロークXが小さい開度域では、ポペット絞り流路30を流れるガスの流速が高まって渦流が生じやすいが、ポペット絞り流路30の下流端の流路面積Bに対する上流端の流路面積Aの比率が十分に大きく確保されるため、ポペット絞り流路30からポペット下流路31に流出する噴流に渦流が生じることを抑えられる。
【0037】
また、角度差(θ1−θ2)を変えて制御バルブ100から発生する騒音レベルを測定した実験を行った。この実験の結果として、角度差(θ1−θ2)が1.5度以下の範囲では、騒音レベルが小さく抑えられることがわかった。一方、角度差(θ1−θ2)が1.5度より大きくなると、騒音レベルが著しく上昇することがわかった。この実験の結果に基づいて、角度差(θ1−θ2)は、1.5度以下の範囲に設定される。
【0038】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0039】
〔1〕制御バルブ100は、流体(ガス)が通過する円錐筒面状のシート部11と、シート部11の中心線O方向に移動するポペット50の弁体部51と、シート部11と弁体部51の間に画成されるポペット絞り流路30と、を備え、ポペット絞り流路30は、シート部11及び弁体部51の中心線に直交する横断面の流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成される。
【0040】
上記構成に基づき、制御バルブ100では、流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるポペット絞り流路30において、流体がシート部11の内周面とポペット50の弁体部51の外周面に沿って流れることによって整流され、ポペット絞り流路30から下流側に流出する噴流に渦流が生じることを抑えられる。
【0041】
これにより、ポペット絞り流路30から下流側に流出する噴流から高周波の音が発生することを防止できる。また、渦流による圧力変動によってポペット50が振動することを抑えられ、弁体部51がシート部11に繰り返し衝突して騒音を発生することを防止できる。
【0042】
〔2〕ポペット絞り流路30は、シート部11及びポペット50の弁体部51の中心線Oを含む縦断面において、シート部11の内周面に沿う2つの仮想線A11間の弁座角度θ1が、弁体部51の外周面に沿う2つの仮想線A51間の弁体角度θ2より大きくなるように形成される。
【0043】
上記構成に基づき、制御バルブ100では、ポペット絞り流路30を流れる流体の圧力が次第に低下し、流体の流れを整流する効果が高められるとともに、ガスの流れに付与する抵抗を抑えられる。
【0044】
〔3〕ポペット絞り流路30は、弁座角度θ1と弁体角度θ2の角度差(θ1−θ2)が1.5度以下の範囲にあるように形成される。
【0045】
上記構成に基づき、制御バルブ100では、ポペット絞り流路30の流路幅及び流路断面積が適度に変化するため、ポペット絞り流路30を流れる流体の圧力が緩やかに低下して流体の流れを整流する作用が得られ、ポペット絞り流路30から下流側に流出する噴流に渦流が生じることを抑えられる。
【0046】
〔4〕ポペット絞り流路30におけるシート部11の中心線O方向の長さLがシート部11の最小開口径Dより大きくなるように形成される。
【0047】
上記構成に基づき、制御バルブ100では、ポペット絞り流路30を流れる流体がシート部11の内周面と弁体部51の外周面に沿って流れる過程で整流されるのに必要な流路長さが確保され、ポペット絞り流路30から下流側に流出する噴流に渦流が生じることを抑えられる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態の制御バルブと同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
上記第1実施形態に係る制御バルブ100では、シート部11の上流端にポペット50の弁体部51が着座するシート部上流端12が形成されている。これに対して、第2実施形態に係る制御バルブは、弁体部61の外周にはシールリング76が装着され、整流壁部71はシート部73と、シート部73の上流側にシールリング76に当接する弁座部72を有する。
【0050】
弁体部61には、その外周に開口する環状の収容溝62が形成される。収容溝62にシールリング76が収容される。
【0051】
整流壁部71は、シート部73と、シート部73の上流側にシールリング76に当接する弁座部72と、を有する。制御バルブの閉弁時には、シールリング76が弁座部72に当接することにより、制御バルブの密封性が高められる。
【0052】
シート部73の内周面に沿う2つの仮想線A73の弁座角度θ3は、弁体部61の外周面に沿う2つの仮想線A61の弁体角度θ4より大きく形成される。整流壁部71のシート部73と弁体部61の間にポペット絞り流路35が画成される。
【0053】
ポペット絞り流路35は、中心線Oに直交する流路幅及び流路面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成される。これにより、ポペット絞り流路35を流れるガスは、シート部73の内周面と弁体部61の外周面に沿って流れることによって整流され、渦流の発生を抑えられる。
【0054】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕〜〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0055】
〔5〕制御バルブは、シート部73の上流側に弁座部72を有し、弁体部61の外周にはシールリング76が装着され、シールリング76は弁座部72に当接する。
【0056】
上記構成に基づき、制御バルブは、シールリング76を介して閉弁時の密封性が確保されるとともに、開弁時にポペット絞り流路35から下流側に流出する噴流に渦流が生じることが抑えられ、渦流に起因する騒音が発生することを抑えられる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0058】
例えば、上記実施形態では、ポペット絞り流路30、35をポペット50、60の全周にわたって設けたが、スリット状のポペット絞り流路をポペットに複数設けてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態の制御バルブ100は、燃料充填システムにおいて、燃料ガスの通路に介装される逆止弁として用いられるが、これに限らず、他の機械、設備において、高圧、大流量のガスが流れる回路に介装される逆止弁またはリリーフ弁として用いてもよい。また、制御バルブ100を流れる流体は、燃料ガスであったが、これに限らず、他の気体であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
11、73 シート部
30、35 ポペット絞り流路
50、60 ポペット
51 弁体部
71 整流壁部
72 弁座部
76 シールリング
100 制御バルブ
図1
図2
図3
図4