特許第6281043号(P6281043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6281043鍔付き帽子、及び、鍔付き帽子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6281043
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】鍔付き帽子、及び、鍔付き帽子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/18 20060101AFI20180208BHJP
   A42C 1/08 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   A42B1/18 Z
   A42C1/08
【請求項の数】4
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-161820(P2017-161820)
(22)【出願日】2017年8月25日
【審査請求日】2017年9月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504028894
【氏名又は名称】株式会社安藤
(74)【代理人】
【識別番号】100167081
【弁理士】
【氏名又は名称】本谷 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】安藤 俊介
【審査官】 田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−029222(JP,A)
【文献】 特表2015−506418(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3119696(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 1/00,1/04,1/18,1/20
A42C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に装着する帽体(102)に一体化した鍔部(104)の先端に先端部弧状片(116)を付設し、前記先端部弧状片(116)の鍔部(104)に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子(100)であって、
袋状に形成した鍔部形成袋(114)と、
前記鍔部形成袋(114)の先端部に挿入された前記先端部弧状片(116)と、
当該先端部弧状片(116)の先端部弧状片帽体側端縁(116B)に沿って形成した先端部弧状片封入結合部(118)と、
前記先端部弧状片封入結合部(118)に鍔部芯体先端縁(122P)が接する状態に前記鍔部形成袋(114)に挿入され、前記先端部弧状片(116)よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体(122)と、
前記鍔部芯体(122)の鍔部芯体帽体側端縁(122B)に沿って形成した鍔部芯体封入結合部(124)と、
を含むことを特徴とする鍔付き帽子。
【請求項2】
前記先端部弧状片(116)の前記先端部弧状片帽体側端縁(116B)は弧状である
ことを特徴とする請求項1に記載した鍔付き帽子。
【請求項3】
前記先端部弧状片(116)の厚みよりも前記鍔部芯体(122)の厚みを厚くすることにより、前記先端部弧状片(116)の剛性は、前記鍔部芯体(122)の剛性よりも低く設定されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載した鍔付き帽子。
【請求項4】
頭部に装着する帽体(102)に一体化した鍔部(104)の先端に先端部弧状片(116)を付設し、前記先端部弧状片(116)の鍔部(104)に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子(100)の製造方法であって、
鍔部(104)の鍔部先端(104P)に対する左端縁(114L)及び右端縁(114R)が閉止され、かつ、前記鍔部(104)の先端の対辺側が開口されて袋状に形成された鍔部形成袋(114)に前記先端部弧状片(116)を挿入した後、
前記先端部弧状片(116)の先端部弧状片帽体側端縁(116B)に沿って先端部弧状片封入結合部(118)を形成して前記先端部弧状片(116)を前記鍔部形成袋(114)の先端部に封入し、
次いで、前記先端部弧状片(116)よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体(122)を前記先端部弧状片封入結合部(118)に鍔部芯体先端縁(122P)が接する状態に前記鍔部形成袋(114)に挿入した後、前記鍔部芯体(122)の弧状の鍔部芯体帽体側端部(122B)に沿って鍔部芯体封入結合部(124)を形成して前記鍔部芯体(122)を前記鍔部形成袋(114)に封入し、
次いで、前記鍔部形成袋(114)の鍔部芯体封入結合部(124)側を帽体(102)に結合してなる
ことを特徴とする鍔付き帽子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用、釣り用、野球用等の鍔付き帽子、及び、その製造方法に関する。
【0002】
詳しくは、例えば雨天時において、鍔の先端から水滴が滴り落ちないようにした鍔付き帽子、及び、その製造方法に関する。
【0003】
さらに詳しくは、鍔の先端部分を鍔の本体部分に対して折り曲げた状態を維持することにより、例えば雨天時において鍔の先端から水滴が滴り落ちないようにした鍔付き帽子、及び、その製造方法に関する。
【0004】
なお、本明細書で使用する「帽子」には、頭部全体を覆う帽体を有するものの他、サンバイザーのように、頭部全体を覆わないが、頭部を利用して鍔部を頭部に装着する方式をも含む概念である。
【背景技術】
【0005】
屋外でのスポーツや娯楽、例えば、ゴルフ、釣り、登山やトレッキング等の野外活動に際し、通常、日よけのため帽子を着用する。特に直射日光が直接、目に差し込まないように、又は、降水時に雨水が目に入らないようにするため、キャップ型又はサンバーザー型の鍔付き帽子が重用される。しかしながら、雨天時において、鍔付き帽子は、不都合な場合がある。例えば、ゴルフにおいて、パッティングをする場合、当然に下向きとなることから、鍔上に滞留している雨水が下を向いた瞬間に纏まって鍔先からしたたり落ち、その後も、継続して滴り落ちることから、パッティングに集中力できないとの指摘がある。また、釣りにおいては釣り針等の処理に集中できないとの指摘がある。更には、登山などにおいて地図を確認する場合、鍔先から地図上に雨水がしたたり落ちて地図が見にくい等の指摘がある。これらの指摘を解決するため、各種の技術が提案されている。
【0006】
第1の従来技術として、ツバ部が、芯材と庇部からなり、当該芯材と庇部の境界周縁部には隙間部が形成され、両周縁部は1〜複数の連結部材で連結され、それらの間は木綿糸又は軟質樹脂製糸により片倒し(押し上げ)可能に縫合され、庇部を芯材に対して連結部材によって回動可能とし、必要に応じて庇部を押し上げることにより、下向きになった場合、庇部と芯材とにより形成された溝部に沿わせて鍔部の左右から雨水を滴下させる帽子が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
第2の従来技術として、防水性素材で縫製するかまたは防水処理をしたゴルフ競技用鍔付き帽子において、該帽子のクラウン部の全周に構成されたブリム部の前部から側部に亙って、端縁を上方に屈折または屈曲した樋構造を構成したことを特徴とし、クラウン部及びブリム部への降雨をブリム部前側縁部から滴下させないようにしたハット型ゴルフ競技用雨除け帽子が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
第3の従来技術として、鍔の表地を吸水性及び速乾性を有する生地で構成し、裏地を防水性、撥水性及び透湿性を有する生地で構成すると共に、芯材を吸水性及び保水性を有する不織布で構成したことを特徴とする帽子が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
第4の従来技術として、頭に被せる帽体と、この帽体から延出したつば部とを備えており、つば部には、帽子上の水滴を視界から外れる方向に速やかに流すことが可能な複数の凹凸部が設けられていることを特徴とする帽子が知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
第5の従来技術として、前方のみに鍔のある野球帽タイプの帽子であって、鍔の先端に水滴の直進を妨げる障害物を設け、当該障害物が帽子先端部を折り曲げて形成したことを特徴とする水垂れ防止機能を有する帽子が知られている(例えば、特許文献5参照)。
【0011】
第6の従来技術として、帽体の下縁から下り傾斜で外方に突出して取り付けられる庇本体を備えた帽子用庇であって、庇本体の上面におけるその先端縁に沿った帯状の領域に帯状のポケット形成材を重ね、ポケット形成材の下端縁を庇本体の先端縁近傍に縫合した固定端縁とし、ポケット形成材の上端縁を庇本体に縫合しない開放端縁とすることにより、庇本体の先端縁近傍にポケットを形成したものが知られている(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実用新案登録第3152836号(図1図9、段落0016〜0040)
【特許文献2】実用新案登録第3072311号(図1図4、段落0004〜0016)
【特許文献3】実用新案登録第3066562号(図1図2、段落0003〜0011)
【特許文献4】特開2000-008218(図1図3、段落0004〜0013)
【特許文献5】特開2001-040519(図1図4、段落0003〜0013)
【特許文献6】特許第5508062号(図1図4、段落0006〜0028)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
第1の従来技術において、芯材と庇部の間には隙間が形成され、その隙間に連結部材が配置されることから、その隙間及び連結部材を隠して外見を良くするため、縫合が施されている。したがって、芯材と庇部に連結部材を装着、及び、隙間及び連結部材を隠すための縫合に多数の工数が必要であり、高価となる問題がある。また、隙間及び連結部材を隠す縫合は第1の従来技術における図面から明らかなように、帽体側と鍔部先端側とを接続する縫い目にならざるを得ず、外形デザインの制約を受ける問題がある。
【0014】
第2の従来技術において、ハット型帽子のプリム部(鍔部)の前部から側部に亘って先端縁を上方に折曲又は屈曲させて樋構造に形成し、水滴を鍔部前側縁部から滴下させない構造にしたので、パッティング時の水滴落下による集中力低下を防止できる反面、常時、前部から側部の先端縁が上方に折曲又は屈曲されているので、外形デザインに制約を受ける問題がある。
【0015】
第3の従来技術において、鍔の表地を吸水性及び速乾性を有する生地で構成し、裏地を防水性、撥水性及び透湿性を有する生地で構成すると共に、芯材を吸水性及び保水性を有する不織布で構成したので、鍔に落下した雨水は鍔内の吸水性を有する生地に吸収されるため、その吸収力が維持されている間は雫が鍔先から滴り落ちることがない。しかし、雨水の量が芯材の吸水力を上回った場合、鍔部先端の表地を通して滴下するという問題がある。
【0016】
第4の従来技術において、つば部上面には、帽子に降った雨水滴を視界から外れる方向に速やかに流すことが可能な複数の凹凸部が設けられていることから、水滴によって集中力を低下させられることは無いが、鍔部上面の凹凸が必須であることから、外形デザインに制約を受ける問題がある。
【0017】
第5の従来技術において、鍔部の先端を折り曲げて鍔部に対し横方向に延在する溝部を形成し、鍔部上の雨水が当該溝部に案内されて鍔部の左右端から滴下するようしたので、水滴が鍔部先端から落下することは無い。しかし、どのような構造によって鍔部の先端を折り曲げ可能にするかの開示がない問題がある。
【0018】
第6の従来技術において、鍔部の先端部にポケット部を設け、当該ポケット部に鍔部上の雨水を受け入れるため、水滴が鍔部先端から落下することは無い。しかし、鍔部先端部にポケットを形成することから、外形デザインに制約を受ける問題がある。
【0019】
本発明の第1の目的は、帽子の鍔部先端から雨水が滴下しない鍔付き帽子を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の従的な第2の目的は、帽子の鍔部先端から雨水が滴下しないようにすると共に、鍔部の外形デザインに実質的に影響を与えない鍔付き帽子を提供することを目的とする。
【0021】
本発明の従的な第3の目的は、帽子の鍔部先端から雨水が滴下しない帽子を、熟練をそれほど要せずに高品質、かつ、安価に製造できるようにした鍔付き帽子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的を達成するため、請求項1に係る第1の発明は以下のように構成されている。
【0023】
頭部に装着する帽体に一体化した鍔部の先端に先端部弧状片を付設し、前記先端部弧状片の鍔部に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子であって、袋状に形成した鍔部形成袋と、前記鍔部形成袋の先端部に挿入された前記先端部弧状片と、当該先端部弧状片の先端部弧状片帽体側端縁に沿って形成した先端部弧状片封入結合部と、前記先端部弧状片封入結合部に鍔部芯体先端縁が接する状態に前記鍔部形成袋に挿入され、前記先端部弧状片よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体と、前記鍔部芯体の鍔部芯体帽体側端縁に沿って形成した鍔部芯体封入結合部と、を含むことを特徴とする鍔付き帽子である。
【0024】
本発明に係る第2の発明は、前記先端部弧状片の前記先端部弧状片帽体側端縁は弧状であることを特徴とする第1の発明の鍔付き帽子である。
【0025】
本発明に係る第3の発明は、前記先端部弧状片の厚みよりも前記鍔部芯体の厚みを厚くすることにより、前記先端部弧状片の剛性が、前記鍔部芯体の剛性よりも低く設定されていることを特徴とする第1又は第2の発明の鍔付き帽子である。
【0026】
本発明に係る第4の発明は、頭部に装着する帽体に一体化した鍔部の先端に先端部弧状片を付設し、前記先端部弧状片の鍔部に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子の製造方法であって、鍔部の鍔部先端に対する左右端縁が閉止され、かつ、前記鍔部の先端の対辺側が開口されて袋状に形成された鍔部形成袋に前記先端部弧状片を挿入した後、前記先端部弧状片の先端部弧状片帽体側端縁に沿って先端部弧状片封入結合部を形成して前記先端部弧状片を前記鍔部形成袋の先端部に封入し、次いで、前記先端部弧状片よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体を前記先端部弧状片封入結合部に鍔部芯体先端縁が接する状態に前記鍔部形成袋に挿入した後、前記鍔部芯体の弧状の鍔部芯体帽体側端部に沿って鍔部芯体封入結合部を形成して前記鍔部芯体を前記鍔部形成袋に封入し、次いで、前記鍔部形成袋の鍔部芯体封入結合部側を帽体に結合してなることを特徴とする鍔付き帽子の製造方法である。
【発明の効果】
【0027】
第1の発明によれば、鍔部形成袋の先端部に挿入された前記先端部弧状片は先端部弧状片帽体側端縁に沿って形成した先端部弧状片封入結合部によって封入され、先端部弧状片よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体は、先端部弧状片封入結合部によって区分けされて鍔部形成袋に収納され、先端部弧状片封入結合部において柔軟性を有することから、先端部弧状片を鍔部芯体に対し角度を付けた状態にして、鍔部の横方向に延在する誘導溝を形成することができ、かつ、鍔部芯体の中央部が上側に凸状に湾曲していることから、その誘導溝を維持することができる。したがって、鍔部上の雨水は、着帽者が下向きになった場合、当該誘導溝が最も下位に位置することになり、鍔部上の雨水は当該誘導溝に流れ込み、誘導溝の端部、換言すれば、鍔部の左右の端部から落下する。したがって、雨水が鍔部先端から落下しないので、集中力の維持を邪魔されることがない。よって、本発明の第1の目的を達成することができる。また、先端部弧状片と鍔部芯体とは一体の鍔部形成袋に挿入されているので、鍔部は全体として一体化された形態になり、デザイン上の制約を実質的に与えることはないので、本願発明の従的目的である第2目的を達成できる利点がある。
【0028】
第2の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的、並びに、第2の目的を達成することができる。さらに、第2の発明において、先端部弧状片帽体側端縁は弧状である。これによって、鍔部芯体の上向き凸状湾曲と湾曲方向が同じであるため、弧状先端部を鍔部芯体に対し跳ね上げる際、小さな力で行うことができると共に、収納されている鍔部形成袋に無理な力が作用しないので、耐久性を向上させることができる利点がある。
【0029】
第3の発明は、第1の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的、並びに第2の目的を達成することができる。さらに、第3の発明においては、 前記先端部弧状片の厚みよりも前記鍔部芯体の厚みを厚くすることにより、前記先端部弧状片の剛性は、前記鍔部芯体の剛性よりも低く設定されている。この構成によって、先端部弧状片と鍔部芯体を同一材質により形成できる等、製造コストを安価にでき利点がある。
【0030】
第4の発明は、頭部に装着する帽体に一体化した鍔部の先端に先端部弧状片を付設し、前記先端部弧状片の鍔部に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子の製造方法であって、鍔部先端側及び前記鍔部先端に対する左右端縁が閉止され、かつ、前記鍔部先端の対辺側が開口されて袋状に形成された鍔部形成袋に前記先端部弧状片を挿入した後、前記先端部弧状片の先端部弧状片帽体側端縁に沿って先端部弧状片封入結合部を形成して前記先端部弧状片を前記鍔部形成袋の先端部に封入し、次いで、前記先端部弧状片よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体を前記先端部弧状片封入結合部に鍔部芯体先端縁が接する状態に前記鍔部形成袋に挿入した後、前記鍔部芯体の弧状の鍔部芯体帽体側端部に沿って鍔部芯体封入結合部を形成して前記鍔部芯体を前記鍔部形成袋に封入し、次いで、前記鍔部形成袋の鍔部芯体封入結合部側の端部を帽体に結合してなることを特徴とする鍔付き帽子の製造方法である。
これによって、袋状の鍔部形成袋に、先端部弧状片を挿入して後、その内側の先端部弧状片帽体側端縁に沿って先端部弧状片封入結合部を形成し、次いで鍔部芯体を鍔部形成袋に挿入して後、鍔部芯体封入結合部を形成する。そして当該鍔部を鍔部芯体封入結合部側の鍔部形成袋の端部を帽体に結合する。したがって、鍔部形成袋に先端部弧状片を挿入して当該先端部弧状片の先端部弧状片帽体側端縁に沿って結合し、次いで、鍔部芯体を鍔部形成袋に挿入して後、その鍔部芯体帽体側縁に沿って鍔部芯体封入結合部を形成して鍔部構成品を構成した後、当該鍔部構成品を帽体に結合する。よって、鍔付き帽子の製造が極めて容易であり、安価に製造できることから、本発明の従的目的である第3の目的を達成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の通常状態における右斜め上方からの斜視図である。
図2図2は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の先端部を跳ね上げた状態の右斜め上方からの斜視図である。
図3図3は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の右斜め下方からの斜視図である。
図4図4は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の平面図である。
図5図5は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子を構成する部品図であり、(A)は上側鍔部形成袋用布帛の平面図、(B)は下側鍔部形成袋用布帛の平面図である。
図6図6は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子を構成する部品図であり、(A)は先端部弧状片の平面図、(B)は鍔部芯体の平面図、(C)は鍔部芯体の正面図である。
図7図7は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、(A)は裏返し袋を縫合する図、(B)は鍔部形成袋に先端部弧状片を挿入する図である。
図8図8は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、(C)は先端部弧状片収納本縫い後の図、(D)本縫いを説明する断面図である。
図9図9は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、(E)は鍔部芯体を挿入する図、(F)は鍔部芯体収納本縫い後の図である。
図10図10は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の鍔部の断面図であり、(A)は通常時、(B)先端部弧状片を跳ね上げた状態である。
図11図11は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、鍔部を帽体への縫合を説明するための断面図である。
図12図12は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の製造手順を説明するフローチャートである。
図13図13は、本発明にかかる実施例1の鍔付き帽子の着帽者が前屈みになった状態の鍔付き帽子の正面図である。
図14図14は、本発明にかかる実施例2の鍔付き帽子の平面図である。
図15図15は、本発明にかかる実施例3の鍔付き帽子の左斜め上方からの斜視図である。
図16図16は、本発明にかかる実施例3の鍔付き帽子の鍔部の説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB―B断面図である。
図17図17は、本発明にかかる実施例4の鍔付き帽子の右斜め上方からの斜視図である。
図18図18は、本発明にかかる実施例5の鍔付き帽子の平面図である。
図19図19は、本発明にかかる実施例6の鍔付き帽子の斜視図であり、(A)は通常状態、(B)は先端部弧状体を跳ね上げた状態である。
図20図20は、本発明にかかる実施例6の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、(A)は鍔部形成袋の構成布体を縫合する前の図、(B)は鍔部形成袋の構成布体を縫合した図である。
図21図21は、本発明にかかる実施例6の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、(C)は鍔部形成袋の構成布体を裏返した図、(D)は鍔部形成袋に先端部弧状片を挿入する図、(E)は先端部弧状片収納本縫い後の図である。
図22図22は、本発明にかかる実施例6の鍔付き帽子を製造する際の手順を説明する図であり、(F)は先端部弧状片収納本縫い後鍔部芯体を挿入する図、(G)は鍔部芯体を挿入した後、鍔部芯体収納本縫い後の図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に係る鍔付き帽子の最良の形態は、頭部に装着する帽体に一体化した鍔部の先端に先端部弧状片を付設し、前記先端部弧状片の鍔部に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子であって、袋状に形成した鍔部形成袋と、前記鍔部形成袋の先端部に挿入され、先端部弧状片帽体側端縁が弧状に形成された前記先端部弧状片と、前記先端部弧状片帽体側端縁に沿って形成した先端部弧状片封入本縫い部と、前記先端部弧状片本縫い部に鍔部芯体先端縁が接する状態に前記鍔部形成袋に挿入され、前記先端部弧状片よりも厚く形成されることによって高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体と、前記鍔部芯体の鍔部芯体帽体側端縁に沿って形成した鍔部芯体封入本縫い部と、を含むことを特徴とする鍔付き帽子である。
また、頭部に装着する帽体に一体化した鍔部の先端に先端部弧状片を付設し、前記先端部弧状片の鍔部に対する角度を変更できるようにした鍔付き帽子の製造方法であって、鍔部先端側及び前記鍔部先端に対する左右端縁が閉止され、かつ、前記鍔部先端の対辺側が開口されて袋状に形成された鍔部形成袋に前記先端部弧状片を挿入した後、前記先端部弧状片の先端部弧状片帽体側端縁に沿って先端部弧状片封入本縫い部を形成して前記先端部弧状片を前記鍔部形成袋の先端部に封入し、次いで、前記先端部弧状片よりも高剛性であって、中央部が上側に凸状に湾曲された鍔部芯体を前記先端部弧状片封入本縫い部に鍔部芯体先端縁が接する状態に前記鍔部形成袋に挿入した後、前記鍔部芯体の鍔部芯体帽体側端縁に沿って鍔部芯体封入本縫い部を形成して前記鍔部芯体を前記鍔部形成袋に封入し、次いで、前記鍔部形成袋の鍔部芯体封入本縫い部側を帽体に縫合してなることを特徴とする鍔付き帽子の製造方法である。
【実施例1】
【0033】
図1は、実施例1の、所謂キャップ型の鍔付き帽子100の通常時の斜視図であり、概括的には帽体102と鍔部104によって構成されている。一層詳細には、図3に示すように、帽体102の内側に帯状のスベリ106が縫合されて一体化されている。
【0034】
まず帽体102を図1図3を参照しつつ説明する。
【0035】
帽体102は、着帽者の頭部を被覆し、又は、挟み込んで頭部に保持される機能を有し、本実施例1においては、6枚の蓮華片108によって半球形状に構成されている。蓮華片108は、シート体から花びら状に切り出して形成される。シート体は、合成繊維、特に、ポリアミド繊維やポリエステル繊維を用いた布帛、ニット、不織布、又は、紙、樹脂、若しくは、皮革によって形成されるが、本実施例1においては、ポリアミド繊維によって製織された布帛が用いられている。本鍔付き帽子100は雨天時の使用が前提であるため、布帛、ニット、不織布、紙、又は、皮革によって構成されるシート体は、表面に防水加工が施されている。防水加工とは、シートに疎水性(撥水性)を持たせる加工である。防水加工としては、不通気加工、及び、通気加工が知られているが、快適性を考慮すると、通気加工による防水加工が好ましい。また、防水加工としては、乾性油又はパラフィン等を付着させる一時的なもの、若しくは、ベランシリコンなどの撥水物質などで繊維を化学的に処理するもので長期使用が可能な永久的なものがあるが、利便性を考慮すると、永久的な防水加工を施すことが好ましい。なお、樹脂製シートは、本来的に不通気であるので、特別な防水加工は不要である。帽体102の頂部には、蓮華片108の縫い目を隠すための天ボタン112が縫合又は接着によって固定されている。
【0036】
次に鍔部104を説明する。
【0037】
鍔部104は、帽体102の全周ではなく、帽体102の一部分に対する鍔部104を構成する機能を有し、先端可動部104Tと、鍔基部104Bとによって構成されている。本実施例1において鍔部104は、図9に示すように、鍔部形成袋114、先端部弧状片116、先端部弧状片封入結合部118、鍔部芯体122、及び、鍔部芯体封入結合部124によって構成されている。
【0038】
まず先端可動部104Tを説明する。
【0039】
先端可動部104Tは、鍔基部104Bに対し跳ね上げできる機能を有し、本実施例1においては、鍔部形成袋114、先端部弧状片116、及び、先端部弧状片封入結合部118によって構成されている。先端可動部104Tは、鍔基部104Bと一体的に形成されているが、別体的に異なる状態、すなわち、鍔基部104Bに対し跳ね上げ状態にすることができる。また、鍔基部104Bよりも小さい剛性を有している。換言すれば、先端可動部104Tの剛性は、鍔基部104Bの剛性よりも小さい。したがって、先端可動部104Tは後述する鍔基部104Bの上側に凸状の湾曲の影響によって、上側に凸状に変形される。上側とは、着帽した際の鍔部104の上側である。
【0040】
次に鍔基部104Bを説明する。
【0041】
鍔基部104Bは、帽体102に基部を固定され、先端可動部104Tを跳ね上げ可能に支持する機能を有し、本実施例1においては、鍔部形成袋114鍔部芯体122、及び、鍔部芯体封入結合部124によって構成されている。鍔基部104Bは、帽体102に対し一体に設けられ、上側に向かって凸状に弧状に湾曲され、所定の弾性を有している。
【0042】
次に鍔部形成袋114を主に図5を参照しつつ説明する。
【0043】
鍔部形成袋114は、先端部弧状片116、及び、鍔部芯体122を内包し、鍔部104の外表面を形成する機能を有し、本実施例1においては、帽体102と同一材質で構成された布帛によって袋状に構成されている。しかし、帽体102とは異なる材質や色にすることができる。鍔部形成袋114は、鍔部形成袋114と相似形にやや大きく形成された型紙の外縁に沿って手動、又は、コンピュータ制御の自動裁断機によって切り出された弧帯状の布帛からなる上側鍔部形成袋用布帛126Aと下側鍔部形成袋用布帛126Lの周縁、換言すれば、先端縁114F、左端縁114L、及び、右端縁114Rが結合されて構成されている。すなわち、上側鍔部形成袋用布帛126Aと下側鍔部形成袋用布帛126Lはそれぞれ突出する上側先端縁126AF、下側先端縁126LF、それら上側先端縁126AF、下側先端縁126LFに対しそれぞれ左側に位置する左上側縁126AL、左下側縁126LL、右側に位置する右上側縁126AR、右下側縁126LRが、及び、上側先端縁126AF、下側先端縁126LFの対辺を構成する上側凹状縁126AC、下側凹状縁126LCを有する。そして、上側鍔部形成袋用布帛126Aと下側鍔部形成袋用布帛126Lの上側先端縁126AF、下側先端縁126LF、左上側縁126AL、左下側縁126LL、及び、右上側縁126AR、右下側縁126LRの三辺のそれぞれの所定長さ内側を結合されて袋状に構成されている。本実施例1においては、結合はミシンによって図7(A)に図示するように本縫い縫製されている。しかし、先端縁114F、左端縁114L、及び、右端縁114Rは、溶着又は接着によって結合されても良い。
【0044】
次に先端部弧状片116を主に図6(A)を参照して説明する。
【0045】
先端部弧状片116は鍔部104の先端可動部104Tの形状を画定すると共に、任意時、特に、雨天時は鍔基部104Bに対し跳ね上げられる機能を有し、本実施例1においては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニール、ナイロン等の合成樹脂によって平面視において三日月型に成形されている。合成樹脂は疎水性であるため、雨水に接しても形状や剛性が変化しない性質を有することから、好ましい材料である。しかしながら、不織布や表面に樹脂フィルムを配置したミルクカートン紙等を用いることができる。また、鍔部形成袋114が完璧に防水される場合、紙製の厚紙を用いることができる。先端部弧状片116は、先端可動部104Tが三日月状を呈するように、所定の剛性を有すると共に、跳ね上げ状態になるための変形が可能な柔軟性を有する。このため、本実施例1においては、厚さ1ミリメートルのPE又はPP材料によって平板状に形成されている。先端部弧状片116は、図6(A)に示すように、鍔部104の鍔部先端104Pに相対して湾曲形成された弧状片先端縁116Pと、鍔基部104B側、換言すれば帽体102側の弧状の先端部弧状片帽体側端縁116Bによって、三日月形に形成されている。弧状片先端縁116Pは、鍔部形成袋114の先端形状と同一に形成されている。具体的には、弧状に形成されている。先端部弧状片帽体側端縁116Bは図4に示すように、所定位置を中心C2とし、第2半径R2によって描かれる第2円CR2の一部に、大よそ重なるように形成されている。弧状片先端縁116Pの湾曲形状は鍔付き帽子100全体のデザインを考慮して形成され、円弧の一部、円弧の組み合わせ、直線と円弧の組み合わせ、又は、直線の組み合わせによって全体として弧状に形成されるが、直線であっても良い。さらに換言すれば、先端部弧状片116は、少なくとも先端部弧状片帽体側端縁116Bが弧状に形成されている。しかし、弧状片先端縁116Pは直状にすることができる。
【0046】
次に先端部弧状片封入結合部118を説明する。
【0047】
先端部弧状片封入結合部118は、先端部弧状片116が鍔部形成袋114の先端部から戻らないように規制する機能を有し、本実施例1においては、鍔部形成袋114に先端部弧状片116を挿入し、当該先端部弧状片116の弧状片先端縁116Pが鍔部形成袋114の先端内側に密着した状態において、先端部弧状片116の先端部弧状片帽体側端縁116Bに密接した状態で、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lが先端部弧状片封入結合部118によって接続(結合)されている。本実施例1において、先端部弧状片封入結合部118は、ミシンによって直線的に本縫いされて縫合されている。直線的とは、ジグザグ縫いではなく、実質的に縫い目が伸縮しない縫い方である。本縫いとは、図8(D)に示すよう、上糸128Aと下糸128Lとが上側鍔部形成袋用布帛126Aと下側鍔部形成袋用布帛126Lとが重ね合わされた中間において、絡み合う縫い方であり、実質的に縫い目が伸縮しない縫い方である。しかし、環縫いであっても良い。ミシン糸は、布帛126と同一材質であって、80〜100番手が好ましい。ミシン糸が太すぎると外観に影響を及ぼすからである。しかし、先端部弧状片封入結合部118は、本縫いの他、前述のように、溶着や接着によって構成できるが、ミシン縫いが柔軟性に優れるため好ましい。
【0048】
次に鍔部芯体122を主に図6を参照して説明する。
【0049】
鍔部芯体122は、鍔部104の鍔基部104Bを構成する機能、換言すれば、鍔基部104Bの大略外形を形成する機能を有し、本実施例1においては、平面視、及び、正面視において、弧状に形成されている。詳述すれば、弧状の鍔部芯体先端縁122P及び鍔部芯体帽体側端縁122Bを有し、先端部弧状片116と同様の材料である、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニール、ナイロン等の合成樹脂によって、所定の剛性と柔軟性を有するように成型されている。しかし、先端部弧状片116と同様に、各種の材料によって構成することができる。鍔部芯体先端縁122Pは、先端部弧状片帽体側端縁116Bと同一の弧状に形成されている。換言すれば、鍔部芯体先端縁122Pは、図4に示すように、第2円CR2と大凡重なる弧状に形成されている。鍔部芯体帽体側端縁122Bは、図4に示すように、第1中心C1を中心とする第1円CR1と大凡重なる円弧状に形成されている。しかし、円弧状に限らず、前頭部形状に近づけた楕円形であっても良い。鍔部芯体先端縁122Pは、図6(C)に示すように、正面視において、上側に凸状を呈するように湾曲されている。換言すれば、常態において、上側に凸形状となるように比較的大きな曲率で円弧状に形成されている。鍔部芯体122の剛性は、先端部弧状片116の剛性よりも高く設定されている。換言すれば、鍔部芯体122の上側に凸形状に倣って、先端部弧状片116も上側に凸形状を呈するように設定されている。換言すれば、鍔部芯体122は、先端部弧状片116が鍔部芯体122の延長上に位置する通常時、及び、先端部弧状片116を跳ね上げた時に、上側に凸形状を維持する剛性が必要である。本実施例1においては、この剛性の関係を設定するため、鍔部芯体122の厚みは、同一の材料の樹脂材料で成型された場合、先端部弧状片116の3倍程度に設定されている。換言すれば、鍔部芯体122は約3ミリメートルの厚みを有する。先端部弧状片116と鍔部芯体122の材質を異ならせれば、両者をほぼ同一の厚さに設定することもできる。
【0050】
次に鍔部芯体封入結合部124を主に図9を参照して説明する。
【0051】
鍔部芯体封入結合部124は、鍔部芯体122を鍔部形成袋114内に保持する機能を有する。本実施例1においては、鍔部形成袋114に鍔部芯体122を挿入し、鍔部芯体122の鍔部芯体先端縁122Pが先端部弧状片封入結合部118に密着した状態で、鍔部芯体帽体側端縁122Bに沿って、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lが鍔部芯体封入結合部124によって接続されている。本実施例1において、鍔部芯体封入結合部124は、先端部弧状片封入結合部118と同様に、ミシンによって直線的に本縫いされる。しかし、先端部弧状片封入結合部118と同様に、環縫いであっても良い。ミシン糸は、先端部弧状片封入結合部118と同様に決定される。しかし、鍔部芯体封入結合部124は、前述のように、溶着や接着によって構成できるが、ミシン縫いが柔軟性に優れるため好ましい。
【0052】
次にスベリ106を主に図3を参照して説明する。
【0053】
スベリ106は、公知のように、帽体102の下部内面に配置され、着帽者の頭部周囲と直に接する機能を有し、本実施例1においては、メッシュ状の帯体によって構成され、帽体102の内側下端部の全周にその下端部が縫合されている。
【0054】
次に実施例1に係る鍔付き帽子100の製造方法を主に図7図12をも参照して説明する。
【0055】
まず、ステップS1において、裏返し袋114RBを作成する。具体的には、裁断した上側鍔部形成袋用布帛126A(図5(A))及び下側鍔部形成袋用布帛126L(図5(B))を、図7(A)及び(B)に示すように、裏面を表側にして、換言すれば、表面を向かい合わせにして上下に重ね合わせた状態において、布端CTから所定長の内側を袋結合部132によって結合し、一体化する。すなわち、突出先端縁126F、下側鍔部形成袋用布帛126L、及び、右側縁126Rが結合されて下側鍔部形成袋用布帛126L側に開口134が形成された裏返し袋114RBが作成される。袋結合部132は、本実施例1においてはミシンによって本縫いされている。しかし、袋結合部132は、溶着や接着によって形成することができる。したがって、袋結合部132の外側には上端縁布126AE、下端縁布126LEが形成される(両者を一体的に説明する場合、「端縁布126E」という)。なお、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lに表裏が存在しない場合、表裏を考慮せずに裏返し袋114RBを作成することができる。
【0056】
次にステップS2において、作成した裏返し袋114RBを、裏返し、図7(B)に示す鍔部形成袋114を作成する。換言すれば、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lの表面が表面側に位置し、両者によって開口134に連なる収納空間SSが形成され、それらの端縁布126Eが収納空間SS内に位置する。
【0057】
次にステップS3において、鍔部形成袋114に先端部弧状片116を挿入する。
【0058】
すなわち、鍔部形成袋114の開口134から先端部弧状片116を収納空間SSに挿入し、図8(C)に図示するように、弧状片先端縁116Pを鍔部形成袋114の突出先端縁126Fに密着させる。この場合、端縁布126Eは、図10(A)に示すように先端部弧状片116の下側に配置され、外見上目立たないようにされている。なお、図10において、先端部弧状片116と鍔部芯体122との間隔は先端部弧状片封入結合部118の図示の便宜上、誇張して描いてある。
【0059】
次にステップS4において、先端部弧状片116が鍔部形成袋114内において移動しないように先端部弧状片封入結合部118を形成する。本実施例1においては、先端部弧状片116の弧状片先端縁116Pを鍔部形成袋114の突出先端縁126Fに密着させた状態において、先端部弧状片封入結合部118を形成する。本実施例1においては、先端部弧状片116の先端部弧状片帽体側端縁116Bに沿ってミシンによって図8(D)に示す本縫いをすることによって、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lを先端部弧状片帽体側端縁116Bに沿って結合する。この場合、先端部弧状片116の上側に位置する上側鍔部形成袋用布帛126A、及び、下側に位置する下側鍔部形成袋用布帛126Lに皺が生じないよう、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lがピンと伸長した状態でミシン縫いをする必要がある。上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lをピンと伸長した状態にするため、先端部弧状片116の先端片幅W1(図6(A))を、鍔部形成袋114の鍔部袋幅W2(図7(B))よりも僅かに大きくすることにより、鍔部形成袋114が幅方向に拡幅され、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lがピンと張られた状態にすることができる。以上の説明から明らかなように、先端可動部104Tは、先端部弧状片116、先端部弧状片封入結合部118、及び、鍔部形成袋114によって構成される。
【0060】
次にステップS5において、図9(E)に示すように、鍔部芯体122を鍔部形成袋114の開口134から収納空間SSに挿入する。
【0061】
この場合も、鍔部芯体122の上下に配置される上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lがピンと張られた状態になるよう、鍔部芯体122の芯体幅W3(図9(E))を鍔部袋幅W2(図7(B))よりも僅かに大きくすることが好ましい。
【0062】
次にステップS6において、図9(F)に示すように、鍔部芯体122が鍔部形成袋114内において移動しないように鍔部芯体封入結合部124を形成する。本実施例1においては、鍔部芯体122の鍔部芯体先端縁122Pを先端部弧状片封入結合部118に密着させた状態において、鍔部芯体封入結合部124を形成する。本実施例1においては、鍔部芯体122の鍔部芯体帽体側端縁122Bに沿ってミシンによって図8(D)に示す本縫いをすることによって、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lを鍔部芯体帽体側端縁122Bに沿って結合する。鍔部芯体122の上面、又は、下面に対して、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lがピンと張られた状態になるよう、鍔部芯体封入結合部124がミシン縫製によって形成される。これにより、鍔部104の製造が終了する。図10に示すように、鍔部芯体封入結合部124よりも外側(図10において左側)には、帽体縫付端部126Pが帯状に形成される。以上の説明から明らかなように、鍔基部104Bは、先端部弧状片封入結合部118、鍔部芯体122、鍔部芯体封入結合部124、及び、先端部弧状片封入結合部118と鍔部芯体封入結合部124とによって画定された鍔部形成袋114によって構成される。
【0063】
次いでステップS7において、この鍔部104を帽体102に固定する。すなわち、図11に示すように、帽体102の帽体下端部102Lとスベリ106の折返したスベリ端部106Lとの間に帽体縫付端部126Pを挟み込んでそれらを帽体結合部136によって結合し、一体化してある。本実施例1において、帽体結合部136は、ミシンによる本縫い(図8(D))によって形成されている。しかし、帽体結合部136は、融着、接着等によっても構成することができる。これにより、帽体102と鍔部104が一体化され、本発明の実施例1の鍔付き帽子100が製造される。
【0064】
実施例1の鍔付き帽子100は、通常時、図1に示すように、先端可動部104Tは鍔基部104Bの延長線上に配置され、換言すれば、鍔基部104Bに対し跳ね上げられず用いられる。したがって、先端可動部104Tは、鍔基部104Bにおける鍔部芯体122と同一の鍔部形成袋114に内包されているので、当該鍔部形成袋114を構成する上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lを介して鍔部芯体122の上側に凸状を呈する湾曲の影響を受け、僅かに上側に凸状を呈している。
【0065】
着帽者が、雨天時にパッティングをする場合、図2に示すように、先端可動部104Tを上側に押し上げる(跳ね上げる)。これにより、先端部弧状片帽体側端縁116Bが湾曲しているため、直線状に形成されている場合に対し、抵抗を受けつつ押し上げることができる。すなわち、先端部弧状片帽体側端縁116Bが湾曲しているため、先端部弧状片帽体側端縁116Bが直状にならなければ上方へ押し上げられることができない。しかし、先端部弧状片116は剛性が低く、また、それを内包している鍔部形成袋114も柔軟性を有しているため、押し上げられた部位を起点に短い長さづつ直線状になって上方へ押し上げられ、最終的に先端可動部104T全体が上方へ押し上げられる(跳ね上げられる)。全体が上方へ押し上げられると、元の形態に戻るためには、再び短い長さづつ直線状にならなければならない、換言すれば、先端可動部104Tに対し下方への外力が作用しなければ、元に戻ることができない。したがって、先端可動部104Tが跳ね上げられた場合、意識的に下方へ押し下げられなければ、跳ね上げられた状態を維持する。
【0066】
先端可動部104Tが鍔基部104Bに対し跳ね上げられた場合、鍔基部104Bと先端可動部104Tとは、図10(B)に示すように、鋭角を呈し、図13に示すように、それらは鍔部104の先端部に鍔部104を横断するV字状の集水溝138を構成する。この集水溝138は、鍔基部104Bの先端(鍔部芯体122の鍔部芯体先端縁122P)が湾曲していることから、パッティング時には鍔部104の中央部Cが最も深く、左右の端部Eが最も浅くなる深さDの溝である。したがって、パッティングしようとして、下向きとなり、鍔部104が前下がりになった場合、鍔部104の鍔基部104B上の雨水、及び、帽体102から鍔基部104Bに落下した雨水は、集水溝138に流れ込んで貯水される。そして、その貯水量が鍔部104の集水溝138の深さDを上回った場合、鍔部104の左端部LE又は右端部REから滴り落ちることになる。換言すれば、パッティング時に、鍔部104の先端から雨水が滴下することがないので、着帽者が集中力を乱されないという利点がある。
【0067】
ステップS1〜S7によって、鍔付き帽子100を製造する製造方法は、鍔部形成袋114に先端部弧状片116を挿入して、先端部弧状片封入結合部118を形成し、次いで、鍔部芯体122を挿入して後、鍔部芯体封入結合部124を形成するという、きわめて簡単な手順で製造することができる利点がある。これにより、さほど熟練を要せずとも、高品質の鍔付き帽子を製造できることから、安価に製造できる利点がある。
【実施例2】
【0068】
次に本発明の実施例2の鍔付き帽子200を図14を参照して説明する。
【0069】
実施例2は、先端部弧状片封入結合部118の形状が、実施例1とは異なる、大円弧部142と小円弧部144とからなる実施例である。実施例1と同一部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。実施例2は、先端部弧状片封入結合部118の形状が、第2中心C2を中心とし、かつ、半径が第2半径R2である第2円CR2に重なる大円弧部142と、その左右に配置された小円弧部144、具体的には、第1中心C1と第2中心C2とを通る直線Lの左側に配置された、第3中心C3を中心とし、半径が第3半径R3である第3円CR3と重なる左小円弧部144L、右側に配置された第4中心C4を中心として半径が第3半径R3である第4円CR4と重なる右小円弧部144Rとにより構成されている。換言すれば、先端部弧状片封入結合部118は、中央部分の大円弧部142の曲率よりも左右の端部である左小円弧部144L及び右小円弧部144Rの方が曲率が小さい、複合曲率によって形成されている。このように、先端部弧状片封入結合部118の形状を複合曲率の弧状に構成することにより、多様なデザインを構成することができる。
【実施例3】
【0070】
次に本発明の実施例3の鍔付き帽子300を図15及び図16を参照して説明する。
【0071】
実施例3は、先端可動部104Tを第1先端部弧状片116Fと第2先端部弧状片116Sの二つの先端部弧状片によって構成した例、換言すれば、先端部弧状片封入結合部118が、第1先端部弧状片封入結合部118Fと、第2先端部弧状片封入結合部118Sの二つが設けられている。実施例1と同一部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。本実施例3において、先端可動部104Tは、鍔部形成袋114に第1先端部弧状片116Fが挿入されて後、その第1先端部弧状片帽体側端縁116F1に沿って、第1先端部弧状片封入結合部118Fが形成され、次いで、第2先端部弧状片116Sが挿入されて後、その第2先端部弧状片帽体側端縁116S1に沿って第2先端部弧状片封入結合部118Sが形成されることにより構成されている。第1先端部弧状片封入結合部118F及び第2先端部弧状片封入結合部118Sとも実施例1と同様に、ミシンにより本縫いされる。実施例3のように、先端可動部104Tを複数の先端部弧状片116と先端部弧状片封入結合部118との組み合わせによって構成した場合、集水溝138の断面がU字型に近づくため、デザインのバリエーションが増える利点がある。なお、先端部弧状片116と先端部弧状片封入結合部118との組み合わせは、2組に限らず、3組以上でも良い。
【実施例4】
【0072】
次に本発明の実施例4の鍔付き帽子400を実施例4を図17を参照しつつ説明する。
【0073】
実施例1と同一部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。実施例4の帽体102は、実施例1における、半球形型の帽体102ではなく、サンバイザーのように、帯状帽体402によって構成されている。すなわち、着帽者の頭部の一部を所定の弾力を有する帯状帽体402によって挟み込み、頭部に保持させる構成である。鍔部104の構成は、実施例1と同一である。本実施例4の鍔付き帽子400も、作用効果は、実施例1と同様である。帯状帽体402としては、図17に示すように一部が解放されたC型の他、頭部全周を囲うO型であってもよい。実施例4においても、デザインのバリエーションが増える利点がある。また、実施例3において説明した、複数の先端部弧状片116と先端部弧状片封入結合部118との組み合わせによって構成した先端可動部104Tと組み合わせることができる。
【実施例5】
【0074】
次に本発明の実施例5の鍔付き帽子500を図18を参照しつつ説明する。
【0075】
実施例1と同一部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。実施例5の鍔付き帽子500において、先端部弧状片封入結合部118は、中央部の直状結合部118L、直状結合部118Lの左側に形成された左弧状結合部118CL、及び、右側に形成された右弧状結合部118CRによって構成されている。本実施例5においても、先端部弧状片封入結合部118が中央部の直状結合部118Lと、その左弧状結合部118CL、右弧状結合部118CRによって構成されているので、デザインのバリエーションが増える利点がある。
【0076】
次に本発明の実施例6の鍔付き帽子600を図19図22を参照しつつ説明する。
【0077】
実施例1と同一部には同一符号を付し、異なる構成を説明する。実施例6の鍔付き帽子600において、鍔部104を構成する先端可動部104Tと鍔基部104Bとが外見上異なるように構成された例である。換言すれば、先端可動部104Tと鍔基部104Bとが、異なる色、異なる材質等により構成され、鍔基部104Bと先端可動部104Tとの異なる態様による調和を図ったデザインを採用することができ、デザインのバリエーションが増える利点がある。本実施例6においては、先端可動部104Tと鍔基部104Bとが異なる色の布帛によって構成された例である。
【0078】
次に実施例6に係る鍔付き帽子600の製造手順を図20図22を参照して説明する。
【0079】
まず、上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lを製造する。上側鍔部形成袋用布帛126A及び下側鍔部形成袋用布帛126Lとは同一構成であるので、上側鍔部形成袋用布帛126Aを代表して説明する。具体的には、図20(A)に示すように、先端部弧状片116に対しやや大型相似形に先端可動部104Tを構成する先端部可動部布帛104TAを大凡三日月型に裁断する。また、鍔部芯体122に対しやや大型相似形に鍔基部布帛104BBを異なる着色の布帛から弧状に裁断する。
【0080】
次に、先端部可動部布帛104TAの先端部基部側104TBと鍔基部布帛104BBの鍔基部先端側104BPとの所定長内側を先端部弧状片116の先端部弧状片帽体側端縁116Bに沿うようミシンによって縫合し、先端部本縫い部602を形成し、同図(B)に示すように、裏側に布端が位置するように一体化して上側鍔部形成袋用布帛126Aを構成する。
【0081】
次に同様に形成した下側鍔部形成袋用布帛126Lと上側鍔部形成袋用布帛126Aを裏面が向かい合う状態において、実施例1において説明したステップS1を実行し、図21(C)に示すように裏返し袋114RBを作成する。
【0082】
次に、実施例1において説明したステップS2を実行し、裏返し袋114RBを裏返しして図21(D)に示すように、鍔部形成袋114を作成する。
【0083】
次に実施例1において説明したステップS3を実行し、図21(D)に示すように、先端部弧状片116を鍔部形成袋114内に挿入する。
【0084】
次に実施例1において説明したステップS4を実行し、図21(E)に示すように、ミシンによって先端部弧状片帽体側端縁116Bに沿って、縫合して先端部弧状片封入結合部118を形成し、先端部弧状片116を鍔部形成袋114内に内包させる。これによって、先端部弧状片116に相対して先端部可動部布帛104TAが位置する。
【0085】
次に実施例1において説明したステップS5を実行し、図22(F)に示すように鍔部芯体122を鍔部形成袋114内に挿入する。次いで、実施例1において説明したステップS6を実行し、図22(G)に示すように、ミシンによって鍔部芯体帽体側端縁122Bに沿って縫合して鍔部芯体封入結合部124を形成し、鍔部芯体122を鍔部形成袋114内に内包させる。次いで、実施例1において説明したステップS7を実行し、帽体102に鍔部104を縫合して鍔付き帽子600を製造する。
これによって、先端可動部104Tが鍔基部104Bと異なる色や材質によって構成することができ、デザインの自由度が高まる効果がある。
【符号の説明】
【0086】
100 鍔付き帽子
102 帽体
104 鍔部
114 鍔部形成袋
116 先端部弧状片
116B 先端部弧状片帽体側端縁
118 先端部弧状片封入結合部
122 鍔部芯体
122B 鍔部芯体帽体側端縁
122P 鍔部芯体先端縁
124 鍔部芯体封入結合部
【要約】
【課題】
本発明は、帽子の鍔部先端から雨水が滴下しない鍔付き帽子を提供することを目的とする。
【解決手段】
鍔付き帽子は、鍔部と帽体とからなり、鍔部は、先端部と鍔基部によって構成される。鍔部は鍔部形成袋に先端部弧状片が挿入されて後、先端部弧状片帽体側端縁に沿ってミシン縫製によって先端部弧状片封入結合部が形成される。次いで、鍔部芯体が鍔部形成袋に挿入され、鍔部芯体先端縁が先端部弧状片封入結合部に接した状態で鍔部芯体帽体側端縁に沿って鍔部芯体封入結合部が形成され、鍔部が製造される。当該鍔部の帽体縫付端部を帽体に縫合して鍔付き帽子が製造される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図18
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図22