(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【0016】
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。
外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
【0017】
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
なお、ヒンジ53が設けられている外枠51と逆側(ここでは右側)には、外枠51と内枠70及び内枠70と前枠52との施錠等を行うためのスライド錠39が設けられている。
前枠52の上側左右及び外枠下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の外周中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0018】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘が打ち付けられている(
図2では省略)。
【0019】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
【0020】
センターケース5のほぼ中央下方には、第1の普通図柄の始動口10が配置され、更にそのセンターケース5の右斜め下方位置には、第2の普通図柄の始動口11が配置されている。両始動口10、11は遊技球が通過可能なゲートで構成してある。
普通図柄(以下、単に普図という)の始動口10、11は普図の当否抽選を実行する始動口であり、第1の普図の始動口10又は第2の普図の始動口11のいずれかに遊技球が入球すると普図の当否判定用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は普図の保留記憶として記憶される。
【0021】
センターケース5の直下に位置する第1普図始動口10の右横位置には、普図の当否抽選が当選したときに開放される普通電動役物からなる特別図柄の始動口12が配設されている。該始動口12は特別図柄(以下、単に特図という)の当否抽選用の始動口であり、特図の始動口12に遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、これらの乱数に基づいて特図の当否判定が行われる。特図の始動口12は普通電動役物で構成され、普図の当選時に、予め設定された所定時間および所定回数で開放する。例えば、通常の遊技状態であれば約1秒の開放が3回行なわれる。なお、始動口12に入球させるにはセンターケース14の上方を通過させて遊技領域の右側に発射(いわゆる右打ち)すると入球し易いように配置されている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる特別図柄が変動表示される特別図柄表示装置9等が配置されている。
【0022】
特図の始動口12の左斜めの下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。該大入賞口14の内部には、転落口91が搭載されている。
また、第1普図始動口10の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33が設けられている。また、大入賞口14の右横には、第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。これら普通入賞口を総じて一般入賞口31ともいう。
【0023】
パチンコ遊技機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(
図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0024】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0025】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0026】
主制御装置80には、第1普図始動口10に入球した遊技球を検出する第1普図始動口スイッチ10a、第2普図始動口11に入球した遊技球を検出する第2普図始動口スイッチ11a、特図始動口12に入球した遊技球を検出する特図始動口スイッチ12a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、転落口91に入球した遊技球を検出するための転落口スイッチ91a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4右入賞口34に入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。なお、入賞口スイッチ31aの符号は第1左入賞口31に対応しているが、前記各一般入賞口、すなわち第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4右入賞口34に対してそれぞれ入賞口スイッチが設けられており、各一般入賞口に遊技球が入ったことを個別に検出可能に構成されている。
【0027】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、及び普通図柄保留数表示装置8等の点灯を制御する。
【0028】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(
図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで特図の始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0029】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0030】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0031】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0032】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0033】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0034】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドは演出中継端子板65を介して受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者がこれら各ボタン67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0035】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6に表示させる。
【0036】
メインルーチンを
図5に従って説明する。メインルーチンは、約2msec毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0037】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0038】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0039】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0040】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0041】
なお、大当り決定用乱数が1巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「249」の250個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0042】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄(特図ともいう)の抽選に使用する。
【0043】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0044】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。続く入賞確認処理(S50)では、第1普通図柄の始動口10、第2普通図柄の始動口11又は特別図柄の始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が始動口10,11,12に入賞すると当り決定用乱数又は大当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数又は大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1の普図始動口10又は第2の普図始動口11とで4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が対応する始動口(第1普図始動口10又は第2普図始動口11)に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0045】
続いて、普図当り又は大当りか否かを判定する条件成立判定手段としてのS55の当否判定処理(普図当否判定処理又は特別図柄当否判定処理)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて不正監視処理(S60)が実行される。不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0046】
続く各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0047】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0048】
図6に示す「普図始動入賞確認処理」は、第1又は第2の普図始動口10、11への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、普図の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S105)。否定判定の場合には(S105:no)、S110の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリに記憶される(最大4つ)。そして、普図保留数表示装置8の表示制御、演出図柄表示装置6やサブ統合制御装置83への普図保留数コマンド送信処理を行い(S115)、リターン(終了)する。また、否定判定(S100:no)及び肯定判定(S105:yes)の場合には、そのまま終了となる。
【0049】
図7に示す「普通図柄当否判定処理」は、特図の始動口12を開放させるための普通電動役物が作動中であるか否かを判定する(S150)。普通電動役物が作動していない場合には(S150:no)、普図が変動中である否かを判定する(S155)。変動中でなければ(S155:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S160)。なお、普通電動役物が作動中である場合には(S160:yes)、「普通図柄遊技処理」に移行する。
【0050】
普図が変動中の場合には(S155:yes)、
図8に示すS250に移行する。S250では、図柄変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S250:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S255)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S250:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0051】
図7に戻る。確定図柄が表示中でなければ(S160:no)、普図の保留記憶があるか否かを判定し(S165)、普図の保留記憶があれば(S165:yes)、普図の保留記憶数をデクリメントし(S170)、S175に移行する。なお、普図の保留記憶がなければ(S165:no)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。
【0052】
確定図柄表示中の場合には(S160:yes)、
図9に示すS300に移行する。S300で確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了した場合には(S300:yes)、確定図柄の表示を終了し(S305)、普図の当りの組合せであるか否かを判定する(S310)。固定判定の場合には(S310:yes)、普図当り開始演出処理を行い(S315)、普通図柄遊技処理へと移行する。確定図柄表示時間を終了していない場合(S300:no)及び普図当りの組合せではない場合は(S310:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0053】
図7に戻る。S175では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が、普図高確率変動機能が作動する遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S175:yes)、読み込んだ普通図柄の当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S180)、S190に移行する。否定判断された場合(S175:no)は、S185にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し、S190へと移行する。なお、本実施例では普通図柄の通常確率は、21/4933に設定し、高確率は4933/4933に設定している。よって、普図高確率変動機能が作動する遊技状態に移行すると、必ず当りを得ることができる構成となっている(
図22(a))。
【0054】
S190では普図の当りか否かを判定し、当りであれば(S190:yes)、当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S195)、変動パターン決定用乱数に基づいて当りの変動パターンを決定する(S200)。一方、普図が当りでなければ(S190:no)、ハズレの変動パターンを決定する(S205)。
次にS210の処理では、普通図柄表示装置7の変動開始、およびサブ統合制御装置83へ普図変動開始コマンドを送信し、「普通図柄遊技処理」に移行する
【0055】
S55の当否判定処理の内、特別図柄に係る当否判定などを行なう処理は、
図10〜13に示すようなもので、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S350)。S350の判定が否定判断で(S350:no)、特別図柄が変動中でなく(S355:no)、確定図柄の表示中であるか否かを判定する(S360)。なお、S350の判定が肯定判定の場合には(S350:yes)、「特別遊技処理」へと移行する(
図17を参照)。
【0056】
図10のS355で肯定判定の場合には(S355:yes)、
図11のS450に移行する。S450では図柄変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S450:yes)、確定図柄表示処理を行い(S455)、「特別遊技処理」へと移行する。なお、否定判定の場合には(S450:no)、そのまま「特別遊技処理」へと移行する。
【0057】
図10のS360で肯定判定の場合には(S360:yes)、
図12のS500に移行する。S500では確定図柄表示時間を終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S500:yes)、確定図柄表示を終了し(S505)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S510)。
【0058】
確定表示された特別図柄が大当りになる図柄の場合には(S510:yes)、S515に移行し、S515において確変フラグが1か否かを判定する。確変フラグが1であれば(S515:yes)、S520にて確変フラグを0にし、S525に移行する。確変フラグが1でなければ(S515:no)、そのままS525に合流する。S525では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S525:yes)、S530にて時短フラグを0にし、S535に移行する。時短フラグが1でなければ(S525:no)、そのままS535に合流する。
【0059】
S535では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS540にて役物連続作動装置を作動させ、S545にて大当り開始演出処理を行ない、特別遊技処理へと移行する。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。
【0060】
S510で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S550で確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S550:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S555)。確変回数が0であれば(S555:yes)、S560にて確変フラグを0にしてS565に進む。なお、本実施例においては、確変回数は10000回が設定されており、特別図柄の当選確率が65520/65221なので、まず間違いなく大当りすることになる(
図22(a))。なお、特別図柄の当選確率から確変回数は10000回に限定されることなく、例えば1回でもよい。確変フラグが1でないとき(S550:no)又は確変回数が0ではないとき(S555:no)はそのままS565に移行する。
S565では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S565:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S570)。時短回数が0であれば(S570:yes)、S575にて時短フラグを0にしてS580に進む。時短フラグが1でないとき(S565:no)又は時短回数が0ではないとき(S570:no)はそのままS580に移行する。なお、時短回数は100回に設定してもよい。無論、これに限定されることなく、例えば、時短回数1回にしてもよい。時短フラグを1にすると本実施例では普通図柄の普図高確率変動機能と普通電動役物12の開放延長機能をセットする。これにより、普通図柄の当選確率は、4933/4933に設定され、普通電動役物の開放延長時は1回の開放時間を5.800秒に設定されている(
図22(a))。
【0061】
図10にもどる。確定図柄が表示中でなければ(S360:no)、特図の始動口12(普通電動役物)への入球があるか否かを判定する(S365)。特図の始動口12への入球があれば(S365:yes)、次にS380の処理で、確変フラグが1であれば(S380:yes)、高確率の当否判定用テーブルで当否判定を行うようにセットする(S385)。確変フラグが1でなければ(S380:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで当否判定を行うようにセットする(S390)。そしてS395の処理では、S385またはS390の処理でセットした当否判定用テーブルと大当り判定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う。なお、特図の始動口12への入球がなければ(S365:no)、そのまま、「特別遊技処理」へと移行する。
【0062】
大当りではない場合(S395:no)、大当り図柄決定用乱数によってハズレ図柄を決定する(S400)。変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S405)、ハズレ設定処理(S410)を行って
図13のS670に合流する。
【0063】
図10に戻る。大当りの場合には(S395:yes)、
図13のS600に移行する。大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄(当り図柄ともいう)を決定し(S600)、変動パターン決定用乱数に基づいて大当りの変動パターンを決定する(S605)。
続いて、S610〜S645の処理において、確定された特別図柄に基づいて大当り遊技終了後に移行する遊技状態が設定される。
【0064】
先ず
図13のS610の処理において、特別図柄の当り遊技の連続回数を制限するリミッタのカウンタを判定し、リミッタが作動していないか判定する。例えば、リミッタの規制回数は10回に設定し、カウンタが10に達するとリミッタが作動する。
リミッタが作動していなければ(S610:yes)、リミッタのカウンタを加算し(S615)、S620の処理において、特別図柄の確変機能を作動するための確変設定フラグに1をセットする。
続くS625の処理において、普通図柄の普図高確率変動機能および普通電動役物の開放延長機能を作動するための時短設定フラグに1をセットする。なお、時短機能は特図高確率変動機能と普通電動役物の開放延長機能との両機能を含む機能である。これは、特別図柄の大当り遊技終了後の遊技状態は普図高確率変動機能、普通電動役物の開放延長機能と、特図確率変動機能が作動する特別遊技状態となる。
なお、本実施例のリミッタ未作動時の大当り遊技終了後の遊技状態は、必ず特別図柄確率変動機能、普図高確率変動機能と開放延長機能が作動する特別遊技状態に移行することになる(
図22(a)を参照)。
【0065】
S610の処理において、カウンタが10に達し、リミッタが作動していれば(S610:no)、カウンタをクリアし(S630)、確変設定フラグを0にセットする(S635)。
続くS640の処理ではリミッタが作動したときの大当り図柄は普図高確変変動機能と開放延長機能を合わせた時短機能を作動する時短有図柄であるか否か判定し、時短有図柄であれば(S640:yes)、S625の処理で時短設定フラグに1をセットする。
この場合、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄は、図柄Aが選択されているため、リミッタ作動時の大当り遊技終了後の遊技状態は、普図高確率変動機能と開放延長機能が作動する特別遊技状態に移行する(
図22(b)参照)。
一方、時短有図柄でなければ(S640:no)、時短設定フラグに0をセットする(S645)。この場合、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄は、図柄Bが選択されているため、リミッタ作動時の大当り遊技終了後の遊技状態は、特図高確率変動機能、普図高確率変動機能と開放延長機能が作動する特別遊技状態に移行しないため、通常の遊技状態に移行する(
図22(b)参照)。
【0066】
S625、S645又はS410のいずれかの処理に続く特別図柄変動開始コマンド送信処理(S650)では特図表示装置9の特別図柄の変動開始、サブ統合制御装置83へ特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0067】
S65の各出力処理の内、普通図柄遊技処理は、
図14〜16に示すようなもので、先ず、普通電動役物が開放中か判定する(S700)。普通電動役物が開放中でなければ(S700:no)、普図当り終了演出中か判定し(S705)、普図当り終了演出中でなければ(S705:no)、普図当り開始演出時間が経過したか確認し(S710)、普図当り開始演出時間が経過していれば(S710:yes),S715の普通電動役物の開放処理で普通電動役物を開放して終了する。
【0068】
図14のS700の処理で普通電動役物が開放中であれば(S700:yes)、
図15に示すように、普通電動役物に10個(規定数)の入球があったか否かの判定し(S720)、または普通電動役物の開放時間が終了したか否かを判定して(S725)、いずれか判定できれば普通電動役物を閉鎖し(S730)、普図当り演出終了処理を実行して(S735)リターンする。
【0069】
図14のS750の処理で普図当り終了演出中であれば(S750:yes)、
図16に示すように、普図当り終了演出時間が経過したか否か確認し(S750)、経過していれば(S750:yes)、普図当り終了コマンド送信の処理(S755)を実行し、この処理でサブ統合制御装置83に普図当り終了コマンドを送信し、普通図柄遊技を終了する。なお、普図当り終了演出時間が経過していない場合には(S750:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。
【0070】
図17に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S800)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S800:no)は、そのまま本処理を終了(リターン)する。役物連続作動装置が作動中なら(S800:yes)、転落口通過確認処理(S801)を行い、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S805)。なお、S801の転落口通過確認処理については、後述する。
大入賞口14の開放中ではない場合は(S805:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S810)。インターバル中でもない場合は(S810:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S815)。これも否定判断の場合は(S815:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S820)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S820:yes)、大入賞口開放処理(S825)を行なって本処理を終了する。
【0071】
S805で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、
図18のS850に進み、大入賞口14に1個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では1個だが、2個、3個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に1個入賞した場合(S850:yes)にはS855に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして、転落口正常フラグをクリアし(S860)、確変フラグ1となっているか否かを判定する(S865)。確変フラグが1セットされている場合には(S865:yes)、確変フラグを0にし(S870)、S875に移行する。その後、大当りインターバル処理(S875)を行なって、特別遊技処理を終了する。なお、確変フラグが1セットされていない場合には(S865:no)、そのままS875に合流する。大入賞口14に1個入賞していない場合(S850:no)には、S880進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、2ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は1秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。なお、大入賞口14の開放時間を1秒に設定することにより、約5%の確率で転落口91に入球するように構成されている。
開放時間が終了した場合(S880:yes)には、S855に合流し、終了していない場合(S880:no)は、転落口正常フラグを1セットして(S885)、特別遊技処理を終了する。
【0072】
図17のS810でインターバル中であると判定された場合は、
図19のS900に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S900:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S905)。最終ラウンドであれば(S905:yes)、大当り終了演出処理(S910)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S905:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S915)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S900:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0073】
図17のS815で大当りの終了演出中であると判定された場合は、
図20のS950に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S950:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S955)、条件装置の作動を停止する(S960)。そして、現在のリミッタカウンタを参照し、リミッタ作動時又はリミッタ未作動時次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S965)。確変に移行する場合(S965:yes)は、確変回数を設定し(S970)、確変フラグを1に設定し(S975)、S980に移行する。確変フラグを1にすると、特別図柄の特図高確率変動機能をセットする。本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。特別図柄の当選確率が向上すると、当選確率は65520/65221に設定される。また、確変に移行しない場合(S965:no)はそのままS980に移行する。確変に移行しない場合の特別図柄の当選確率は、65519/65221に設定される。
【0074】
S980では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S980:yes)は、時短回数を設定し(S985)、時短フラグを1に設定し(S990)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S995)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S996)し、特別遊技処理を終了する。
S985で設定する時短回数は、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の普図高確率変動機能、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。これにより、普通図柄の当選確率は、4933/4933に設定され、普通電動役物の開放延長時は1回の開放時間を5.800秒に設定されている(
図22(a))。時短に移行しない場合(S980:no)はS995に直行する。また、時短に移行しない場合には、普通図柄の当選確率は、21/4933に設定され、普通電動役物の開放延長時は1回の開放時間を5.780秒に設定されている(
図22(a))。
【0075】
次に、大当り遊技中に、大入賞口14に設けられた転落口91への入球を検出する転落口通過確認処理について、
図21のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、
図17のS801にて実行される処理として構成されている。
S1000では、転落口入賞フラグが0となっているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1000:yes)、S1005に処理を移行する。否定判定の場合には(S1000:no)、本処理を終了する。
S1005では、転落口スイッチ91aからの検出信号に基づき、転落口91へ入球したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S1005:yes)、S1010に処理を移行する。否定判定の場合には(S1005:no)、本処理を終了する。
S1010では、転落口正常フラグが1となっているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1010:yes)、S1015に処理を移行する。否定判定の場合には(S1010:no)、本処理を終了する。S1015では、転落口入賞フラグを1にし、本処理を終了する。
【0076】
図22(a)は、本実施例のパチンコ機50の基本的仕様を示すテーブルを示す。
始めに、本実施例のパチンコ機50の普通図柄当選確率について説明する。通常確率遊技状態の普通図柄の当り確率は、21/4933、普図高確率変動機能が作動する特別遊技状態の当り確率は、4933/4933と設定されている。次に、普通電動役物12について、説明する。開放延長機能が未作動時の場合には、普通電動役物12の1回の開放時間は、5.780秒、開放延長機能が作動している場合には、普通電動役物12の1回の開放時間は、5.800秒と設定されている。普通電動役物の規定入賞数は10個となっている。
本実施例のパチンコ機50の特別図柄当選確率について説明する。通常確率遊技状態の特別図柄の大当り確率は、65519/65521、特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態の大当り確率は、65520/65521と設定されている。特図高確率変動機能が作動する確率変動の割合は、100/100と設定されている。次に、大当り遊技中の特別電動役物について説明する。大入賞口14の1回の開放時間は、1秒と設定されている。また、大入賞口14の規定入賞数は、1個となっている。
各々の始動口等の入球した際に、払い出される賞球数について説明する。普通電動役物を備えた第1の特図始動口の賞球は8個、大入賞口14の賞球は3個、その他の入賞口の賞球は4個と設定されている。
【0077】
図22(b)は、リミッタ未作動時、リミッタ作動時又は転落口入賞の特別図柄の当否判定時の確定された特別図柄の大当り図柄と大当り遊技終了後の遊技状態の関係を示す。
本実施例のパチンコ機50は、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄は、図柄Aと図柄Bが選択される。なお、本実施例では特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄は図柄A又は図柄Bから選択される構成となっている。無論、選択される図柄の種類は、図柄Aと図柄Bの2種類に限定されることはない。
リミッタ未作動時に、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄が、図柄A又は図柄Bを選択した場合には、大当り遊技終了後の遊技状態は、必ず特別図柄の大当り遊技終了後に特図高確率変動機能、普図高確率変動機能及び開放延長機能が作動する特別遊技状態へと移行する。
次に、本実施例では、確変連続回数10回でリミッタ作動により特図高確率変動機能の作動時に、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄が、図柄Aの場合には、大当り遊技終了後の遊技状態は、特別図柄の大当り遊技終了後に特図高確率変動機能の作動が終了し、普図高確率変動機能及び開放延長機能が作動する特別遊技状態へと移行する。
また、確変連続回数10回でリミッタ作動により特図高確率変動機能の作動時に、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄が、図柄Bの場合には、大当り遊技終了後の遊技状態は、特別図柄の大当り遊技終了後に特図高確率変動機能の作動、普図高確率変動機能及び開放延長機能の作動が終了する。
【0078】
リミッタ未作動時に、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄が、図柄A又は図柄Bの場合に、大入賞口14内部の転落口91に入球するとリミッタ解除となるため、確定図柄は大当り遊技終了後に特図高確率変動機能の作動する特別遊技状態へと移行する図柄から大当り遊技終了後に特図高確率変動機能の作動が終了する図柄へと変更される。そのため、大当り遊技終了後の普通図柄変動機能と開放延長機能が作動する特別遊技状態へと移行する。
【0079】
図23及び
図24は、本発明の演出図柄表示装置6での演出態様を示す。
図23(a)は、初めて特別図柄で大当り遊技後に特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態に移行する大当り時の演出態様を示す。
演出図柄表示装置6の中央には、普通図柄に対応する左演出図柄92、中演出図柄93及び右演出図柄94の図柄変動を示している。演出図柄表示装置6の上方には、「達吉チャンス」という表示例95が設けられている。なお、「達吉チャンス」とは、大当り遊技終了後に特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態に移行する大当りから、リミッタが作動するまで、特別図柄に基づく大当り遊技を連続して獲得できるチャンスが開始されたことを示す。演出図柄表示装置6の中央には、リミッタ上限表示例96として「連チャン最大可能回数10回」が示されている。なお、特別図柄に基づく大当り遊技の連続(連チャン)回数(制限回数)が最大10回可能であることを示している。演出図柄表示装置6の右上には、演出キャラクタ98の熊の達吉が示されている。
【0080】
図23(b)は、リミッタ未作動時の演出態様を示す。
演出図柄表示装置6の中央には、普通図柄に対応する左演出図柄92、中演出図柄93及び右演出図柄94の図柄変動を示している。演出図柄の上方には、特別図柄の大当り遊技の連続した回数/制限回数の表示例97として、「8/10回」と示されている。なお、特別図柄の当否判定時の大当りが確定された確定図柄が、図柄A又は図柄Bを選択した場合には、大当り遊技終了後の遊技状態は、必ず特別図柄の大当り遊技終了後に特図高確率変動機能、普図高確率変動機能及び開放延長機能が作動する特別遊技状態へと移行する(
図22(b)参照)。
【0081】
図23(c)は、特別図柄に基づく大当り遊技の連続8回目に大入賞口14内部に設けた転落口91に入球した場合の演出態様を示す。
図例は、連続8回目の特別図柄に基づく大当り遊技中に、大入賞口14内部に搭載されている転落口91に入球することで、リミッタのカウント数がクリアされ、新たに特別図柄に基づく大当り遊技の連続回数(連チャン)が最大10回可能となる。そこで、演出図柄表示装置6の上方には、「達吉チャンス終了!V入賞!リミッタクリア」とリミッタのカウント数がクリアされたことが示され、演出図柄表示装置6の下方には、「連チャン最大可能上乗せ!回数18回にアップ!9/18回」と大当り遊技の連続が可能な10回から18回に更新されたことを示す表示99がなされている。なお、厳密には転落口91に入球すると、第9回目の大当りは、大当り遊技終了後に通常の状態に移行する大当りではあるため、リミッタ回数がクリアされ、普図高確率変動機能及び普通電動役物の開放延長機能が付与されることからリミッタのカウントは作動していない。ただし、表示99に示すように、表示上はリミッタ回数の上限回数が伸びているように見せるため、転落口91に入球の際に上限回数の更新表示を行う。このようにすれば、連チャン回数を表示することにもなり、遊技者がどこまで連チャンが伸びたのか分からないようになる。なお、
図23(c)では、特別図柄の当否判定時の大当りが確定された確定図柄が、図柄A又は図柄Bの場合に、大入賞口14内部の転落口91に入球するとリミッタ解除となるため、確定図柄は大当り遊技終了後に特図高確率変動機能の作動する特別遊技状態へと移行する図柄から大当り遊技終了後に特図高確率変動機能の作動が終了する図柄へと変更されている
【0082】
次に
図24は、リミッタ作動による演出図柄表示装置6で実行される演出態様を示す。
図24(a)は、リミッタ作動して特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態が終了した場合に、普通図柄変動機能と開放延長機能が付与されなかった演出態様を示す。演出図柄表示装置6の中央には、普通図柄に対応する左演出図柄92、中演出図柄93及び右演出図柄94の図柄変動を示している。演出図柄表示装置6の上方には、「達吉チャンス終了!」という表示例95が表示されている。図例は、リミッタ作動により特別図柄の図柄変動が終了したことを報知している。表示例95の下方のリミッタ作動時の継続回数表示例100は、「連チャン回数10回」と示されている
図例は、表示例95及び表示例100が示すように第9回目の大当り遊技で次回の大当りがリミッタ回数の上限回数10回に至り、特図高確率変動機能、普図高確率変動機能及び開放延長機能が付与されず、特別図柄に基づく大当り遊技の連続回数(連チャン)が終了となりますという表示を行っている。なお、
図24(a)では特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄は、図柄Bが選択されていたことになる(
図22(b)参照)。
【0083】
図24(b)は、リミッタ作動して普通図柄変動機能と開放延長機能が付与された場合の演出図柄表示装置6で実行される演出態様を示す。
演出図柄表示装置6の中央には、普通図柄に対応する左演出図柄92、中演出図柄93及び右演出図柄94の図柄変動を示している。演出図柄表示装置6の上方には、「継続チャンス!」という表示例95が設けられている。左演出図柄93の上方には、特別図柄の大当り遊技の連続した回数/制限回数の表示例97として、「10/10回」と示されている。
図例は、特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態が9回継続後、リミッタ作動により10回目の大当り遊技が通常確率遊技状態へと移行する大当り遊技の場合、特図確率変動機能が作動する遊技状態は終了となる。なお、本実施例では普図高確率変動機能と開放延長機能が付与されているため、普通図柄の当り確率が4933/4933に設定されている。(
図22(a)参照)。また、特別図柄の当否判定時の確定された大当り図柄は、図柄Aが選択されていたことになる(
図22(b)参照)。
【0084】
図24(c)は、
図24(b)の状態から特別図柄で大当りが当選した場合の演出図柄表示装置6で実行される演出態様を示す。
演出図柄表示装置6の下方には「連チャン最大可能上乗せ!回数20回にアップ!」という表示例95が設けられている。これは、普図高確率変動機能と開放延長機能が付与された状態で、特別図柄で大当りが当選したことで連続(連チャン)回数(制限回数)の上限数が更新されたことを報知する表示例の一つである。
図例は、リミッタ作動により
図24(b)の状態で、特図高確率変動機能が作動する大当りが当選したときは、特別図柄に基づく大当り遊技の制限回数が更新され、特別図柄の大当り遊技の連続した回数/制限回数の表示例97として、「11/20回」と示されている。特別図柄の当否判定時の大当りが確定された確定図柄が、図柄A又は図柄Bを選択した場合には、大当り遊技終了後の遊技状態は、必ず特別図柄の大当り遊技終了後に特図高確率変動機能、普図高確率変動機能及び開放延長機能が作動する特別遊技状態へと移行する(
図22(b)参照)。
【0085】
従来の普通図柄の当否抽選時に演出図柄表示装置6の図柄変動を行なうパチンコ機は、一旦、大当り遊技が発生すると、リミッタが作動するまで繰り返し大当り遊技が実行され賞球の獲得が可能となる。しかしながら、大当り遊技が連続すると遊技者は大当り遊技の発生に慣れてしまい、獲得する賞球数がほぼ一定であるため、遊技者の緊張感が低下する。更にリミッタが作動して連続する大当り遊技が途切れると、通常の遊技状態に戻るため次回の大当り遊技に対する遊技者の期待感も低下する。
また、特別図柄の役目は特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態、普図高確率変動機能や開放延長機能を付与するか否か決定するため、遊技者にとって殆ど大当り遊技が発生するため当否判定の結果に興味は生じず、高確率状態が付与されるか否かしか興味が生じていない。それに付随して、大入賞口14も入球が殆どない用い方をしているため、大入賞口は十分に活用されていなかった。
以上の遊技機によれば、大入賞口14に転落口91を設けたことで、大当り遊技中の大入賞口14に遊技球を入球により、大当り遊技後に特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態又は通常遊技状態に移行するか否かを決定することになるため、例え獲得する賞球数が少ない又はほぼ一定であっても、遊技者は大入賞口14に注目することになる。また、パチンコ機50の制御的に大当り遊技終了後に特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態へと移行するか否か決定するのではなく、大入賞口14に設けた転落口91に遊技球が入球するか否かで決定されるため、遊技者は大入賞口14への遊技球の帰趨に興趣が発生する。
【0086】
ここで第1実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「遊技盤」が遊技盤1に相当し、「普通図柄始動口」が第1の普図始動口10及び第2の普図始動口11に相当し、「普通図柄当否判定手段」が
図7から
図9の普通図柄当否判定処理に相当し、「普通電動役物」が普通電動役物12に相当し、「特別電動役物」が大入賞口14に相当し、「当り遊技実行手段」が
図14から
図16の普通図柄遊技処理に相当し、「特別図柄始動口」が特図始動口12に相当し、「特別図柄当否判定手段」が
図10から
図13の特別図柄当否判定処理に相当し、「大当り遊技実行手段」が
図17から
図21の特別遊技処理に相当し、「遊技状態制御手段」が
図13のS610からS645の処理に相当し、「第1遊技状態」が、普図高確率変動機能、開放延長機能及び特図高確率変動機能が作動する特別遊技状態に相当し、「第2遊技状態」が普図高確率変動機能及び開放延長機能が作動する遊技状態に相当し、「リミッタ手段」が
図13のS610からS620及びS630からS635の処理に相当し、「特定領域」が転落口91に相当する。
[実施例2]
【0087】
第2実施例について
図25〜
図29を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
図25は、第2実施例におけるパチンコ機50の遊技盤1の正面図を示す。第1実施例とは、大入賞口14の下方に転落口91を備えた転落決定装置101が搭載されているか点が異なっている。
【0088】
次に、
図26を用いて転落決定装置101の構成について説明する。
図26に記載されているように、転落決定装置101は、大入賞口14に入球した遊技球が排出される排出口101aと、特別図柄に基づく大当り遊技の連続回数の制限(リミッタ)をクリアするための転落口91と、転落口91を閉鎖或いは開放する振分羽根役物102を備える。
図26(a)は、通常時の転落決定装置101を示し、
図26(b)は特別図柄によって振分動作設定された場合に実行された転落決定装置101を示す。通常時は、振分羽根役物103は閉鎖状態となっており、大当りを示す特別図柄によって振分動作設定された場合には、振分羽根役物102は開放状態となる。
【0089】
通常の大当り遊技中に大入賞口14に入球した遊技球は、遊技盤の背部に配された経路を流下して転落決定装置101に誘導され、排出口101aから排出される。振分羽根役物102が開放されているときに排出口101aから遊技球が排出されると、遊技球は転落口91に入球する(
図26(b)参照)。一方、振分羽根役物102が閉鎖されているときに排出口101aから遊技球が排出されると、遊技球は、振分羽根役物102によりハズレ口101bに誘導される(
図26(a)参照)。
【0090】
図27は、第2実施例におけるパチンコ機50の電気構成図を示す。
第2実施例のパチンコ機50が上述した転落決定装置101を搭載していることから、主制御装置80には、振分羽根ソレノイド102bを制御することで振分羽根役物102の開閉を制御する。
【0091】
図28は、第2実施例の主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャートを示す。
S395の判定で大当りの場合には(S395:yes)、
図28のS1050に移行する。その後、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄(当り図柄ともいう)を決定し(S1050)、変動パターン決定用乱数に基づいて大当りの変動パターンを決定する(S1055)。続いて、S1060〜S1105の処理において、確定された特別図柄に基づいて大当り遊技終了後に移行する遊技状態が設定される。
【0092】
先ず
図28のS1060の処理において、特別図柄の当り遊技の連続回数を制限するリミッタのカウンタを判定し、リミッタが作動していないか判定する。例えば、リミッタの規制回数は10回に設定し、カウンタが10に達するとリミッタが作動する。
リミッタが作動していなければ(S1060:yes)、リミッタのカウンタを加算し(S1065)、S1070の処理において、特別図柄の確変機能を作動するための確変設定フラグに1をセットする。続くS1075の処理において、普図高確率変動機能および普通電動役物の開放延長機能を作動するための時短設定フラグに1をセットする。その後、S1080に移行し、振分羽根役物102の振分動作設定を行い、S1110に移行する。なお、S1080の処理は、後述する。
【0093】
S1060の処理において、カウンタが10に達し、リミッタが作動していれば(S1060:no)、カウンタをクリアし(S1085)、確変設定フラグを0にセットする(S1090)。
続くS1095の処理ではリミッタが作動したときの大当り図柄は普図確変機能と開放延長機能を合わせた時短機能を作動する時短有図柄であるか否か判定し、時短有図柄であれば(S1095:yes)、S1075の処理で時短設定フラグに1をセットする。 一方、時短有図柄でなければ(S1095:no)、時短設定フラグに0をセットする(S1100)。その後、S1105に移行し、振分羽根役物102の振分動作設定を行い、S1110に合流する。
【0094】
S1080及びS1105の振分動作設定の処理とは、S1050で決定した特別図柄で決定した大当り図柄によって、振分羽根役物102の振分動作を設定する処理である。本実施例では特別図柄によって、大当り遊技中の振分羽根役物102の開放回数又は開放時間を変化させる構成となっている。なお、振分羽根役物102だけでなく、大入賞口14の開放タイミングと組み合わせることも考えられる。このようにすれば、大入賞口14のパターンと振分羽根役物102の組合せで豊富なパターンを持つことができ、遊技者に豊富な入賞確率の遊技を提供することができる。
また、S1080及びS1105の振分動作設定として、振分羽根役物102は常に一定の動作をさせつつ、大入賞口14の開放タイミングで入賞率に変化を持たせる事が考えられる。このようにすれば、振分羽根役物102は一定動作のために直接には遊技の結果に影響を与えず、大入賞口14の開放タイミングだけで入賞率に変化を持たせることができ、また制御として最もシンプルにすることができる。
【0095】
S1080、S1105又はS410のいずれかの処理に続く特別図柄変動開始コマンド送信処理(S1110)では特図表示装置9の特別図柄の変動開始、サブ統合制御装置83へ特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0096】
図29は、第2実施例の主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャートを示す。
図17のS850で、大入賞口14が開放中の場合には(S850:yes)、
図29のS1150に移行する。S1150では、大入賞口14に遊技球が1個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では1個だが、2個、3個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に1個入賞した場合(S1150:yes)にはS1155に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして、大入賞口の閉鎖処理を行い(S1160)、振分羽根役物102が開放中であるか否かを判定する(S1165)。肯定判定の場合には(S1165:yes)、振分羽根役物102の閉鎖処理を行う(S1170)。その後、転落口91の正常フラグをクリアにし(S1175)、大当りインターバル処理(S1180)を行なって、特別遊技処理を終了する。なお、振分羽根役物102が閉鎖中の場合には(S1165:no)、S1175に合流する。
【0097】
大入賞口14に1個入賞していない場合(S1155:no)にはS1155に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、2ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は30秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S1155:yes)には、S1160に合流し、終了していない場合(S1155:no)はS1185に移行する。
【0098】
S1185では、振分羽根役物102が閉鎖中であるか否かを判定する。閉鎖中の場合には(S1185:yes)、大入賞口14の開放から3秒経過したか否かを判定する(S1190)。肯定判定の場合には(S1190:yes)、振分羽根役物102の開放処理を行い(S1195)、転落口正常フラグに1をセットする(S1200)。その後、特別遊技処理を終了する。なお、振分羽根役物102が開放中の場合(S1185:no)又は、大入賞口14の開放から3秒経過していない場合には(S1190:no)、そのまま特別遊技処理を終了する。
【0099】
以上の遊技機によれば、転落決定装置101には大入賞口14、転落口91と振分羽根役物102が設けられており、振分羽根役物102の開閉動作は、特別図柄で表示される大当り図柄によって、振分羽根役物102の動作が制御されているため、特別図柄がどの大当り図柄で表示されるかにより、大当り遊技中の転落口91への遊技球の入球率が変化する。また、どの大当り図柄で大当り遊技が発生するかにも興趣が発生する。
【0100】
ここで第2実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「遊技状態制御手段」が
図27のS1060からS1075及びS1085からS1100の処理に相当し、「リミッタ手段」が
図27のS1060からS1070及びS1085からS1090の処理に相当し、「振分手段」が振分羽根役物102に相当し、「振分決定手段」が
図28のS1080及びS1105に相当する。
[実施例3]
【0101】
第3実施例について
図30を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例及び第2実施例と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0102】
図30は、第3実施例の主制御装置80が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャートを示す。S395の判定で大当りの場合には(S390:yes)、
図30のS1250に移行する。S1250では大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄を決定する。その後、S1255の変動パターン決定処理で、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する。続いて、S1260の処理において、特別図柄の大当り遊技の連続回数を制限するリミッタのカウンタを判定し、リミッタが作動していないか判定する。例えば、リミッタの規制回数は10回に設定し、カウンタが10に達するとリミッタが作動する。
リミッタが作動していなければ(S1260:yes)、確変連続回数を1セットして(S1265)、S1270の処理において、特別図柄の確変機能を作動するための確変設定フラグに1をセットする。続くS12750の処理において、普通図柄の確変機能および普通電動役物の開放延長機能を作動するための時短設定フラグに1をセットする。その後、S1280に移行し、確変連続回数のカウント数を参照し(S1280)、振分羽根の動作設定を行い(S1285)、S1320に移行する。なお。確変連続回数のカウント数とは、本実施例のパチンコ機50が初めて特別図柄で大当り遊技を発生させてから、継続している大当り遊技の発生回数をいう。
【0103】
S1260の処理において、カウンタが10に達し、リミッタが作動していれば(S1260:no)、確変連続回数カウンタをクリアし(S1290)、確変設定フラグを0にセットする(S1295)。続くS1300の処理ではリミッタが作動したときの大当り図柄は普図確変変動機能と開放延長機能を合わせた時短機能を作動する時短有図柄であるか否か判定し、時短有図柄であれば(S1300:yes)、S1275の処理で時短設定フラグに1をセットする。一方、時短有図柄でなければ(S1305:no)、時短設定フラグに0をセットする(S1305)。その後、S1310では確変連続回数のカウンタ数を参照し、振分羽根役物の動作設定を行い(S1315)、S1320に合流する。
【0104】
S1285又はS1315のいずれかの処理後に、特別図柄変動開始コマンド送信処理(S1320)を行う。S1320は、特図表示装置9の特別図柄の変動開始、サブ統合制御装置83へ特図の変動開始に対応するコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0105】
本実施例のS1285及びS1315の振分羽根役物102の動作設定は、現在のパチンコ機50の確変連続回数に応じて開放回数又は開放時間を制御する構成となっている。例えば、初回の大当り遊技では、振分羽根役物102の開放回数を大当り遊技中に開放回数中で一番多く設定し、又は/及び振分羽根役物102の開放時間を大当り遊技中に開放時間中で一番開放時間を長く設定する。その後確変連続回数が多くなればなるほど、振分羽根役物102の開放回数が少なくなり、又は/及び振分羽根役物102の開放時間が短くする構成にしてもよい。
初回の大当り遊技では、振分羽根役物102の開放回数を大当り遊技中に開放回数中で一番少なく設定し、又は/及び振分羽根役物102の開放時間を大当り遊技中に開放時間中で一番開放時間を短く設定する。その後確変連続回数が多くなればなるほど、振分羽根役物102の開放回数が多くなり、又は/及び振分羽根役物102の開放時間が長くする構成にしてもよい。なお、ここでも大入賞口14の開放パターンと組合せてもよいし、振分羽根役物102は一定動作で大入賞口14の開放タイミング、開放時間、開放回数で転落口91への入賞率に変化を与えることが考えられる。大入賞口14と組み合わせれば、より豊富なパターンを備えることができるし、大入賞口14の開放タイミング等で設計すれば、振分羽根役物102は遊技の結果に影響を与えずに、豊富な入賞率を備えることができる。
【0106】
以上の遊技機によれば、パチンコ機50の確変連続回数に応じて、振分羽根役物102の開放時間や開放回数の動作設定が変化することで、大入賞口14に設けられた転落口91への入球させることが可能な期間を限定され、遊技者にとって、緊張度の高い遊技を楽しむことができる。
【0107】
ここで第3実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「遊技状態制御手段」が
図30のS1260からS1275及びS1290からS1305の処理に相当し、「リミッタ手段」が
図30のS1260からS1270及びS1290からS1295の処理に相当し、「振分決定手段」が
図30のS1280からS1285及びS1310からS1315に相当する。