(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
以下、本開示を説明する前に、本開示の基礎となった知見について説明する。
【0012】
上述したように、画素には、画素回路に含まれるトランジスタのそれぞれに対してゲート信号線が形成されており、1画素回路あたりに含まれるトランジスタの数が増えるとゲート信号線の種類も増加する。なお、ゲート信号線の種類が異なるとは、異なるパルス(オン電圧またはオフ電圧を印加する電圧値、時間、周期など)が印加されるゲート信号線の意味である。
【0013】
また、1種類あたりのゲート信号線の数は垂直方向の画素回路の数に等しく、たとえばXGA仕様の画像表示素子であれば768本、SXGA仕様の画像表示素子であれば1024本である。したがって、たとえば4種類のゲート信号線が形成されたSXGA仕様の画像表示素子であれば、ゲート信号線の総数は、1024×4=4096本である。
【0014】
画像表示装置には、これら多数のゲート信号線を駆動するためのゲート信号線駆動回路が設けられている。そしてゲート信号線駆動回路は、ゲートドライバIC(回路)として集積化され、画像表示素子から引き出されたゲート信号線の端子の付近に実装されている。
【0015】
しかしながら、両側駆動を行うゲート信号線と両側駆動を行わない(片側駆動を行う)ゲート信号線とが混在する場合には、一般に、画像表示素子の一方から引き出されたゲート信号線の端子の数およびその配列と、他方から引き出されたゲート信号線の端子の数およびその配列とは異なる。
【0016】
EL素子を有する画像表示装置は、画素構成が多様で、1画素のゲート信号線数が異なる。そのため、画素構成に適合させて個別ゲートドライバIC(回路)を開発する必要がある。
【0017】
また、画像表示装置の仕様等が異なると、画素数が異なり1画素回路あたりに含まれるトランジスタの数も異なるので、駆動すべきゲート信号線の数も異なる。加えて、両側駆動すべきゲート信号線の数も異なる。
【0018】
画像表示素子から引き出されたゲート信号線の端子の数および配列に応じて、さらには画像表示装置の仕様等に応じて専用のゲートドライバIC(回路)を作成すると、多大な費用が発生し、また多大な時間が必要になるといった課題がある。
【0019】
そこで、本発明者らは、ゲート信号線の端子の数および配列にかかわらず、また画像表示装置の仕様等にかかわらず使用できる汎用性の高いゲートドライバIC(回路)を用いた画像表示装置を創作するに至った。
【0020】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0021】
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0022】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、実施の形態1を説明する。
【0023】
[1−1.構成]
[1−1−1.全体構成]
図1は、実施の形態1にかかる画像表示装置の構成を示す模式図である。
【0024】
同図に示す画像表示装置は、表示画面20を有する表示パネル21と、プリント基板23a〜23cと、表示パネル21とプリント基板23a〜23cとを接続するCOF22とを備える。表示画面20には、EL素子を有する画素16がマトリックス状に配置されている。各画素16は、ゲート信号線17a、ゲート信号線17bが接続されている。ゲート信号線17aは、COF22に実装されたゲートドライバIC12aおよびゲートドライバIC12bの接続端子35と接続されている。ゲート信号線17bは、COF22に実装されたゲートドライバIC12aの接続端子35と接続されている。
【0025】
なお、ソースドライバIC(回路)14は、発熱が大きいため、COFの裏面に放熱板あるいは放熱シートあるいは放熱膜が形成または配置される。また、ソースドライバIC(回路)14に放熱板あるいは放熱シートあるいは放熱膜が、直接的にあるいは間接的に接続される。
【0026】
図1において、ソースドライバIC(回路)14もCOF22に実装されている。ソースドライバIC(回路)14の出力端子は、ソース信号線18に接続されている。ソースドライバIC(回路)14は、ソース信号線18に映像信号あるいは映像信号電圧を印加する。
【0027】
なお、
図1において、プリント基板23cは映像信号系の回路が形成あるいは実装されたプリント基板である。また、プリント基板23、23bは走査系の回路が形成あるいは実装されたプリント基板である。
【0028】
以下、画像表示装置の主な構成要素について詳細に説明する。
【0029】
[1−1−2.画素]
図2は、画像表示装置の画素構成の回路図である。
【0030】
本開示では、駆動用トランジスタおよびスイッチ用トランジスタ11は、薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。なお、駆動用トランジスタ11a及びスイッチ用トランジスタ11b、11dを、それぞれトランジスタ11a、11b、11dと記載する場合がある。または、これら特に区別せずトランジスタ11と記載する場合がある。
【0031】
また、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもよい。たとえば、シリコンウエハでトランジスタを構成し、剥がしてガラス基板に転写したものが例示される。また、シリコンウエハでトランジスタチップを形成し、ガラス基板のボンディング実装した表示パネルが例示される。
【0032】
トランジスタ11は、もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。
【0033】
なお、本開示のトランジスタ11は、Nチャンネル、Pチャンネルのトランジスタとも、LDD(Lightly Doped Drain)構造を採用することが好ましい。
【0034】
また、トランジスタ11は、高温ポリシリコン(HTPS:High−Temperature Poly−Silicon)、低温ポリシリコン(LTPS:Low−Temperature Poly−Silicon)、連続粒界シリコン(CGS:Continuous Grain Silicon)、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors、IZO)、アモルファスシリコン(AS:Amorphous Silicon)、赤外線RTA(RTA:Rapid Thermal Annealing)で形成したもののうち、いずれでもよい。
【0035】
図2では、画素を構成するすべてのトランジスタ11はPチャンネルで構成している。しかし、本開示は、画素のトランジスタ11をPチャンネルで構成することのみに限定するものではない。Nチャンネルのみで構成してもよい。また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて構成してもよい。
【0036】
トランジスタ11はトップゲート構造にすることが好ましい。トップゲート構造にすることにより寄生容量が低減し、トップゲートのゲート電極パターンが、遮光層となり、EL素子15から出射された光を遮光層で遮断し、トランジスタの誤動作、オフリーク電流を低減できるからである。
【0037】
ゲート信号線17またはソース信号線18、もしくはゲート信号線17とソース信号線18の両方の配線材料として、銅配線または銅合金配線を採用できるプロセスを実施することが好ましい。信号線の配線抵抗を低減でき、より大型のEL表示パネルを実現できるからである。
【0038】
ゲートドライバIC(回路)12が駆動(制御)するゲート信号線17は、低インピーダンス化すること好ましい。したがって、ゲート信号線17の構成あるいは構造に関しても同様である。
【0039】
特に、低温ポリシリコン(LTPS:Low−Temperature Poly−Silicon)を採用することが好ましい。低温ポリシリコンは、トランジスタはトップゲート構造であり寄生容量が小さく、NチャンネルおよびPチャンネルトランジスタを作製でき、また、プロセスに銅配線または銅合金配線プロセスを用いることができる。なお、銅配線は、Ti−Cu−Tiの3層構造を採用することが好ましい。
【0040】
配線は、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductors)の場合には、モリブデン(Mo)−Cu−Moの3層構造を採用することが好ましい。
【0041】
本開示の画像表示装置では、画素16位置に対応して、赤(R)、緑(G)、青(B)からなるカラーフィルター(R、G、B)が形成されている。なお、カラーフィルターは、RGBに限定されものではない、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)色の画素を形成してもよい。また、白(W)の画素を形成してもよい。つまり、表示画面20にR、G、B、W画素をマトリックス状に配置する。
【0042】
画素はRGBの3画素で正方形の形状となるように作製されている。したがって、R、G、Bの各画素は縦長の画素形状となる。したがって、レーザー照射スポットを縦長にしてアニールすることにより、1画素内ではトランジスタ11の特性バラツキが発生しないようにすることができる。
【0043】
なお、R、G、Bの画素開口率は、異ならせてもよい。開口率を異ならせることにより、各RGBのEL素子15に流れる電流密度を異ならせることができる。電流密度を異ならせることにより、RGBのEL素子15の劣化速度を同一にすることができる。劣化速度を同一にすれば、画像表示装置のホワイトバランスずれが発生しない。
【0044】
また、必要に応じて、白(W)の画素を形成する。つまり、画素は、R、G、B、Wから構成される。R、G、B、Wに構成することにより、高輝度化が可能となる。また、R、G、B、Gとする構成も例示される。
【0045】
本開示は、RGBの3原色に加えて、W(白)の画素を有している。画素16を形成または配置することにより、色ピーク輝度を良好に実現できる。また、高輝度表示を実現できる。
【0046】
画像表示装置のカラー化は、マスク蒸着により行うが、本開示はこれに限定するものではない。たとえば、青色発光のEL層を形成し、発光する青色光を、R、G、Bの色変換層(CCM:カラーチェンジミディアムズ)でR、G、B光に変換してもよい。
【0047】
ソース信号線18、ゲート信号線17上にアノード電極40あるいはカソード電極を配置または形成することにより、ソース信号線18、ゲート信号線17からの電界が、アノード電極40あるいはカソード電極で遮蔽される。遮蔽により画像表示へのノイズを低減させることができる。
【0048】
ソース信号線18、ゲート信号線17に絶縁膜あるいはアクリル材料からなる絶縁膜(平坦化膜)を形成して絶縁し、絶縁膜上に画素電極40を形成する。
【0049】
このようにゲート信号線17等上の少なくとも1部に画素電極40を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)構造と呼ぶ。不要な干渉光などが低減し、良好な発光状態を実現できる。
【0050】
画素16の画素電極は、ITO、IGZO(インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、亜鉛(Zinc)、酸素(Oxygen))、IZO、透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)などからなる透明電極を用いることができる。
【0051】
なお、画像表示装置の光出射面には、円偏光板(円偏光フィルム)(図示せず)を配置している。偏光板と位相フィルムを一体したものは円偏光板(円偏光フィルム)と呼ばれる。
【0052】
本開示の一態様に係る表示装置は、マトリックス状にEL素子を有する表示画面20と、表示画面の画素行ごとに配置されたゲート信号線17(ゲート信号線17)と、表示画面の画素列ごとに配置されたソース信号線18と、ゲート信号線17を駆動するゲートドライバ回路(ゲートドライバIC)12と、ソース信号線18を駆動するソースドライバIC(ソースドライバ回路)14とを具備する。
【0053】
なお、本開示において、ソースドライバIC(回路)14は、各端子あるいはブロックごとに映像信号の出力タイミングを設定できるマルチディレイ機能を有する。
【0054】
図2の画素構成では、駆動用トランジスタ11aが発生する電流経路に、スイッチ用トランジスタ11dが配置されている。駆動用トランジスタ11aによって発生された電流は、EL素子15に供給され、EL素子15は供給される電流に比例した輝度で発光する。
【0055】
スイッチ用トランジスタ11bは、ソースドライバIC(回路)14が発生し、ソース信号線18に印加した映像信号電圧を画素16の駆動用トランジスタに印加する機能を有する。コンデンサ19は、印加された映像信号を1フレーム期間保持する機能を有する。
【0056】
図2に図示するように、ゲート信号線17aの両端には、ゲートドライバIC12aとゲートドライバIC12bが接続されている。ゲート信号線17bには、ゲートドライバIC12aのみが接続されている。
【0057】
映像信号電圧(映像信号)を画素16に印加するトランジスタ11bを駆動するゲート信号線17aは、ゲートドライバIC12aとゲートドライバIC12bとが接続されている。一例として、ゲートドライバIC12aは、表示画面20の左側に配置され、ゲートドライバIC12bは、表示画面20の右側に配置される。
【0058】
ゲート信号線17aに、2つのゲートドライバIC12(12a、12b)が配置されているのは、以下の理由による。なお、各ゲートドライバIC12a、12bを特に区別せず、ゲートドライバIC12と記載する場合がある。
【0059】
ゲート信号線17aは、トランジスタ11bに接続されている。トランジスタ11bは、映像信号を画素16に書き込むトランジスタであり、トランジスタ11bを高速のオンオフ(高スルーレート動作)をさせる必要があるからである。ゲート信号線17aは、2つのゲートドライバIC12(12a、12b)で駆動することにより、高スルーレート動作を実現できる。
【0060】
ゲート信号線17aを2つのゲートドライバIC12で駆動することにより、表示画面20の左右、中央での輝度傾斜などがなくなり、良好な画像表示を実現できる。また、ゲート信号線17の負荷容量が大きくても、良好にドライブすることができる。
【0061】
以上のように、ゲート信号線17aには、映像信号を画素16に印加するスイッチ用トランジスタ11bが接続されている。したがって、ゲート信号線17aは、2つのゲートドライバIC12により両側駆動が実施される。
【0062】
一方、スイッチ用トランジスタ11dは、EL素子15に流れる電流を遮断する機能を有するが、電流の遮断は高速に動作させる必要がない。したがって、高速のスルーレートは不要であるため、ゲートドライバIC12aのみの片側駆動で駆動している。
【0063】
本実施の形態に係る画像表示装置は、複数のEL素子15を有する表示画面20を備えている。また、画像表示装置は、表示画面20の周辺回路として、ゲート信号線17を駆動するゲートドライバIC(回路)12と、映像信号を発生し、出力するソースドライバIC(回路)14と、ドライバIC(回路)などを制御する制御回路(図示せず)とを備えている。
【0064】
表示画面20には、マトリックス状に配置されたEL素子15を備えている。表示画面20は、外部から画像表示装置へ入力された映像信号に基づいて画像を表示する。
【0065】
[1−1−3.ゲートドライバIC]
[1−1−3−1.詳細構成]
上述したように、ゲートドライバIC12a及び12bは、ゲート信号線17aを両側駆動し、ゲート信号線17bを片側駆動する。
図3は、ゲートドライバIC12の構成を示すブロック図である。
【0066】
図3に図示するように、ゲートドライバIC(回路)12は、複数の走査・出力バッファ回路31を備えている。ゲートドライバIC(回路)12は、ゲート信号線17に接続されており、ゲート信号線17に選択信号を出力することにより、EL素子15の有するスイッチ用トランジスタ11(11b、11d)の導通(オン、選択)・非導通(オフ、非選択)を制御する機能を有する駆動回路である。なお、走査・出力バッファ回路31a、31bを特に区別せず、単に走査・出力バッファ回路31と記載する場合がある。
【0067】
ゲートドライバIC12は、表示画面20の左右に配置されており(ゲートドライバIC12a、12b)、少なくとも各画素16のゲート信号線17は、ゲートドライバIC12aまたはゲートドライバIC12bと接続されている。
【0068】
特に、ゲート信号線17a(ゲート信号線GS)は、両方のゲートドライバIC12に接続されている。
【0069】
ゲートドライバIC12は、出力端子34から3値の電圧(Von、Voff1、Voff2)を出力できる。また、2値電圧(Von、Voff1)の出力モード(ゲート電圧2値駆動)と3値電圧(Von、Voff1、Voff2)の出力モード(ゲート電圧3値駆動)とを、選択信号線(SEL端子)で設定することができる。
【0070】
SEL端子での設定は、ゲートドライバIC12内に形成または配置された各走査・出力バッファ回路31ごとに設定ができるように構成している。
【0071】
ゲートドライバIC12には、2つの走査・出力バッファ回路31を具備している。走査・出力バッファ回路31は、主として、シフトレジスタ回路と出力バッファ回路とから構成される(
図9を参照)。なお、走査・出力バッファ回路31は、シフトレジスタ回路と出力バッファ回路から構成されるとしたが、シフトレジスタ回路と出力バッファ回路とは分離して配置あるいは形成してもよく、また、複数のシフトレジスタ回路を形成し、複数のシフトレジスタ回路の出力を、アンプあるいはバッファする1つの出力バッファ回路を形成あるいは配置してもよい。また、シフトレジスタ回路が各ゲート信号線17を十分に駆動できる場合は、出力バッファ回路を省略してもよいことは言うまでもない。
【0072】
なお、本開示の形態における実施例では、走査・出力バッファ回路31として説明するがこれに限定するものではない。シフトレジスタ回路と、出力バッファ回路とは一体とするものに限定されるものではなく、シフトレジスタ回路と、出力バッファ回路とが分離配置されたものであってもよい。本開示の形態では、シフトレジスタ回路に限定するものではなく、1つのゲート信号線に選択電圧または非選択電圧を印加できるゲートドライバ回路等が接続され、任意のゲート信号線を選択できる機能を有する回路であればいずれでもよい。また、シフトレジスタ回路は、シフトレジスタ機能を有するものに限定するものではなく、たとえば、kビットのデータから、1のゲート信号線を選択するデコーダ回路であってもよい。また、本開示の形態におけるゲートドライバ回路は、複数のシフトレジスタ回路等を有し、複数のシフトレジスタ回路等のうち、1つのシフトレジスタ回路等と、他のシフトレジスタ回路等とは、異なる画素行のゲート信号線17を選択できるように構成されたものである。
【0073】
走査・出力バッファ回路31aは、ゲート信号線17a(ゲート信号線GS)に選択電圧(オン電圧)または非選択電圧(オフ電圧)を印加する。
【0074】
走査・出力バッファ回路31bは、ゲート信号線17b(ゲート信号線GE)に選択電圧(オン電圧)または非選択電圧(オフ電圧)を印加する。
【0075】
走査・出力バッファ回路31には、クロック信号を入力する端子(CLK2A、CLK2B)、データ信号(スタートパルス)を入力する端子(STV2A、STV2B)、2値電圧駆動と3値電圧駆動を選択するロジック信号を入力する端子(SEL2A、SEL2B)、制御信号を入力する端子(CTL2A、CTL2B)を有する。CTL2A、CTL2B端子は、走査・出力バッファ回路31の出力状態を制御する機能を有する。
【0076】
なお、端子の数値は、2A、2Bと、説明を容易にするため便宜的に記述している。数値は、
図4などに示すように、端子名が明示できればよいものである。
【0077】
STV**端子(STV2A、STV2B)は、データの入力端子であり、端子に入力したデータをCLK**端子(CLK2A、CLK2B)に入力されたクロックの立ち上がりでシフトレジスタ内に入力される。
【0078】
CLK**端子(CLK2A、CLK2B)は、クロックの入力端子であり、端子に入力したクロックに同期して、シフトレジスタ回路内のデータをシフトさせる。
【0079】
[1−1−3−2.2値駆動/3値駆動]
SEL**端子(SEL2A、SEL2B)は、
図5に図示するゲート電圧2値駆動と、ゲート電圧3値駆動とを切り替える端子である。SEL**端子(SEL2A、SEL2B)に入力されるロジックデータが、“H”で、ゲート電圧3値駆動が選択される。SEL**端子(SEL2A、SEL2B)に入力されるロジックデータが、“L”で、ゲート電圧2値駆動が選択される。高スルーレートが要求されるゲート信号線17は3値駆動を実施し、高スルーレートが要求されないゲート信号線17は2値駆動を実施する。高スルーレートが要求されるゲート信号線17aは3値駆動、高スルーレートが要求されないゲート信号線17bは2値駆動とする。
【0080】
例えば、ゲート電圧3値駆動とゲート電圧2値駆動とは、ゲートドライバ回路12に配置または形成された入力端子へのロジック電圧によりハード的に選択する。もしくは、ゲートドライバ回路12に入力するコマンドによりソフト的に選択する。たとえば、
図35に図示するように、外部からコマンドとしてのDATAをゲートドライバIC12に入力し、コマンドデコーダ回路351a〜351dで、入力DATAを設定コマンドに変換し、動作あるいは機能を設定する構成が例示される。なお、各コマンドデコーダ回路351a〜351dを特に区別せず、コマンドデコーダ回路351と記載する場合がある。
【0081】
なお、ゲート電圧2値駆動とは、選択電圧(Von電圧、オン電圧)と、第1の非選択電圧(Voff1電圧、オフ電圧1)がゲート信号線17に印加される方式である。
【0082】
ゲート電圧3値駆動とは、選択電圧(Von電圧、オン電圧)と、第1の非選択電圧(Voff1電圧、オフ電圧1)と、第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)とがゲート信号線17に印加される方式である。第2の非選択電圧(Voff2電圧)がゲート信号線に印加される期間は1水平走査期間(1H期間)または、1画素行が選択されている期間あるいは、それ以下の期間である。オン電圧を印加する期間は、STV**端子(STV2A、STV2B)に印加するデータにより、1H期間以上の任意の期間が設定される。
【0083】
なお、
図5は、
図2のようにスイッチ用トランジスタ11bがpchトランジスタの場合の電圧2値駆動および電圧3値駆動について示すタイミングチャート図である。これに対して、
図21のようにスイッチ用トランジスタ11bがnchトランジスタの場合は、
図23に図示するように、電圧極性が反転する。
【0086】
図6は、ゲート電圧2値駆動と、ゲート電圧3値駆動とをゲート信号線17に印加するための説明図である。
図6の切り替え回路61はアナログスイッチにより構成される。オフ電圧1(Voff1)は、切り替え回路61のb端子に印加される。オフ電圧2(Voff2)は、切り替え回路61のa端子に印加される。オン電圧(Von)は、切り替え回路61のc端子に印加される。
【0087】
切り替え回路61のd端子は、2bitのロジック信号であり、d端子に印加されたロジック信号により、a、b、c端子のいずれかが選択され、選択された電圧(Von、Voff1、Voff2)が、ゲート信号線17に印加される。
【0088】
図3に図示するように、本開示のゲートドライバIC12は、各画素の2種類のゲート信号線17に対応できるように、2つの走査・出力バッファ回路を有している。走査・出力バッファ回路とは、各々がシフトレジスタを有する2つの走査・出力バッファ回路である。
【0089】
なお、
図3において、接続端子35はゲートドライバICの接続端子、出力端子34はゲート信号線17とドライバICの配線を接続する出力端子である。また、ゲートドライバICは、チップオンフレキ(COF)仕様となっている(フレキシブル基板にドライバICが実装されている)。
【0090】
走査・出力バッファ回路31aは、ゲート信号線17a(GS)を駆動する。走査・出力バッファ回路31aは、SEL2A端子を“H”として、ゲート電圧3値駆動が選択される。スイッチ用トランジスタ11bは、映像信号電圧を画素16に印加するトランジスタであり、高速スルーレートを必要とし、オンからオフまでを高速に動作させる必要があるからである。高速スルーレートを実現するため、ゲート信号線17aは、ゲートドライバIC12aとゲートドライバIC12bによる両側駆動を実施している。
【0091】
走査・出力バッファ回路31bは、SEL2B端子を“L”として、ゲート電圧2値駆動が選択される。スイッチ用トランジスタ11dの機能は、EL素子に流す電流を遮断あるいは供給する機能である。EL素子に流す電流を遮断あるいは供給は、高速動作を必要としない。そのため、ゲート信号線17bには、ゲート電圧2値駆動とし、オン電圧とオフ電圧1が印加される。また、ゲート信号線17bは、ゲートドライバIC12aのみによる片側駆動で駆動される。
【0092】
図9は、ゲート電圧3値駆動を実現する本開示のゲートドライバIC12の説明図である。
図9に図示するように、走査・出力バッファ回路31のシフトレジスタ回路は、2つのシフトレジスタ回路で構成されている(シフトレジスタ回路91a、91b)。
【0093】
図3は、2つの走査・出力バッファ回路を有しているゲートドライバIC(回路)12である。
図9は、ゲートドライバIC(回路)12の1つの走査・出力バッファ回路31の説明図である。
【0094】
STV2A信号から、STVA信号、STVB信号(ストローブ(データ)信号)が作成される。また、CTL2A信号から、FNC信号が作成される。CLK2A信号は、CLK信号として入力される。
【0095】
シフトレジスタ回路91aには、ストローブ(データ)信号がSTVA端子に入力され、シフトレジスタ回路91bには、ストローブ(データ)信号がSTVB端子に入力される。シフトレジスタ回路91は、同一のクロック(CLK)が印加され、シフトレジスタ回路91内のデータがシフトされる。
【0096】
シフトレジスタ回路91aの出力aと、シフトレジスタ回路91bの出力bとは選択回路92に印加され、選択回路92はロジック処理およびタイミング処理を行い、出力バッファ回路94の該当トランジスタ93をオンさせる。トランジスタ93a、93b、93cは、同一時間において、1つのトランジスタのみがオンするように制御される。選択回路92は、SEL1信号のロジックにより制御される。
【0097】
出力バッファ回路94のトランジスタ93aをオンさせることにより、Von電圧がゲート信号線17に印加される。出力バッファ回路94のトランジスタ93bをオンさせることにより、Vおff1電圧がゲート信号線17に印加される。同様に、出力バッファ回路94のトランジスタ93cをオンさせることにより、Voff2電圧がゲート信号線17に印加される。
【0098】
[1−1−3−3.表示画面との接続関係]
以上のように、本開示の画像表示装置において、ゲート信号線17aは両側駆動であり、ゲート信号線17bは片側駆動で構成されている。
【0099】
図4は、ゲートドライバIC12を実装した本開示の画像表示装置の構成図である。なお、表示画面20において画素16は、1画素列しか図示していないが、表示画面20内にマトリックス状に画素16が配置されている。また、ゲートドライバIC12aとゲートドライバIC12bとは同一仕様のドライバICである。つまり、表示画面20の左右辺に配置あるいは実装したゲートドライバIC12は、同一仕様の半導体チップである。
【0100】
なお、本明細書では、ゲートドライバIC12は、半導体チップとして説明するが、これに限定するものではない。たとえば、低温ポリシリコン技術で、ガラス基板に直接、ゲートドライバ回路を形成したものであってもよい。
【0101】
ゲート信号線17aは両側駆動であり、ゲート信号線17bは片側駆動である。ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aは、ゲート信号線17aを駆動し、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31bは、ゲート信号線17bを駆動する。
【0102】
ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aは、奇数番目の画素行のゲート信号線17aを駆動する。
図4では、奇数番目の画素行目として画素16a、16cが該当する。ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bは、偶数番目の画素行のゲート信号線17aを駆動する。
図4では、偶数番目の画素行目として画素16bが該当する。
【0103】
ゲート信号線17bは、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31bにより、片側駆動が実施される。したがって、走査・出力バッファ回路31bのSTV1B端子にデータを入力し、CLK1B端子のクロック信号に同期して、シフトレジスタ回路のデータの位置を順次、シフトさせていけば、ゲート信号線17bにオン電圧を印加する位置を移動できる。SEL1B端子は、“L”ロジック設定され、ゲート電圧2値駆動が実施される。CTL1B端子は、“L”レベルに設定される。
【0104】
なお、本明細書では、シフトレジスタ回路のデータがある位置にオン電圧が出力され、データがない位置にオフ電圧が出力されるとしている。
【0105】
ゲート信号線17aは、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aと、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aまたは走査・出力バッファ回路31bとにより、両側駆動が実施される。
【0106】
ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aは、奇数画素行を駆動し、走査・出力バッファ回路31bは偶数画素行を駆動する。したがって、ゲートドライバIC12bは、ゲートドライバIC12aの1/2の周波数のクロックで動作する。1画素行ずつ選択する場合を想定すると、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aが選択する奇数画素行のゲート信号線17aと、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bが選択する偶数画素行のゲート信号線17aとは、時間的に交互にオン電圧が印加される。ゲートドライバIC12bの動作速度は、ゲートドライバIC12bの動作速度の1/2である。または、ゲートドライバIC12aの動作クロック周波数は、ゲートドライバIC12bの動作クロック周波数の整数倍である。このように、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aは奇数画素行のゲート信号線17aの駆動を担当し、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bは偶数画素行のゲート信号線17aの駆動を担当する。したがって、ゲートドライバIC12bの必要個数は、ゲートドライバIC12aの必要個数の1/2でよい。
【0107】
例えば、
図1、
図4等に示すように、本開示の形態における実施例は、画素に複数のゲート信号線17が形成または配置され、複数のゲート信号線のうち、少なくとも1本のゲート信号線の両端にゲートドライバ回路12a、12bが接続されたものであり、複数のゲート信号線のうち、少なくとも1本のゲート信号線の一方のみにゲートドライバ回路12aが接続されたものである。また、表示画面20の左右に配置されたゲートドライバIC12a、12bは略同一仕様であり、表示画面20の左辺に配置されたゲートドライバIC12aと、表示画面20の右辺に配置されたゲートドライバIC12bの個数が異なる画像表示装置である。また、ゲートドライバIC12aとゲートドライバIC12bに入力されるクロック周波数がn倍(nは2以上の整数)異なるか、もしくは、ゲートドライバIC12aとゲートドライバIC12bに入力されるクロック周波数が略同一の場合、ゲートドライバIC12aに対して、ゲートドライバIC12bがn倍(nは2以上の整数)の動作でゲートドライバIC12aの1動作(たとえば、シフトレジスタの1シフト動作)を実現するものである。
【0108】
[1−2.駆動方法]
次に、以上のように構成された画像表示装置の駆動方法について説明する。
【0109】
まず、ゲート電圧2値駆動の場合、及び、ゲート電圧3値駆動の場合のそれぞれの走査・出力バッファ回路31の動作について、この走査・出力バッファ回路31に接続された複数のゲート信号線17のうち一のゲート信号線17に注目して説明する。
【0110】
ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31bのSTV1B端子にデータを入力し、CLK1B端子のクロック信号に同期して、シフトレジスタ回路のデータの位置を順次、シフトさせていけば、ゲート信号線17bにオン電圧を印加する位置を移動できる。SEL1B端子は、“L”ロジック設定され、ゲート電圧2値駆動が実施される。CTL1B端子は、“L”レベルに設定される。
【0111】
図5は、CTL**端子(CTL2A、CTL2B)に印加される信号と、ゲート信号線17a、17bに出力されるゲート電圧とを示すタイミングチャートであり、具体的には、ゲート電圧2値/3値駆動のそれぞれについて説明している。なお、
図5はスイッチ用トランジスタ11がPチャンネルトランジスタの場合の実施例である。スイッチ用トランジスタ11がNチャンネルトランジスタの場合は、
図23となる。つまり、ゲート信号線17に印加する電圧波形は、ゲート信号線17に接続されたスイッチ用トランジスタの極性で反対極性の電圧となる。
【0112】
CTL**端子(CTL2A、CTL2B)に印加する信号は、CLK**端子(CLK2A、CLK2B)のクロックと同期がとれた信号である。STV2A(STV2B)端子に入力されたデータは、CLK2A(CLK2B)端子に入力されるクロックにより走査・出力バッファ回路31(31a、31b)内をシフトされる。
【0113】
なお、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aとゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aとがゲート信号線17aに電圧を印加するタイミング、電圧の種類は同一になるように制御される。また、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aとゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bとがゲート信号線17aに電圧を印加するタイミング、電圧の種類は同一になるように制御される。
【0114】
SEL**端子(SEL1A、SEL1B,SEL2A、SEL2B)に印加するロジック信号により、ゲート電圧2値駆動とゲート電圧3値駆動が設定される。
図4では、SEL1A、SEL2A、SEL2B=“H”とし、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31a、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31a、31bをゲート電圧3値駆動している。また、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31bのSEL1B=“L”とし、ゲート電圧2値駆動に設定している。
【0115】
ゲート電圧2値駆動の場合は、CTL**端子(CTL1A、CTL1B、CTL2A、CTL2B)に印加する信号の立ち上がりに同期して、ゲート信号線17に印加される電圧は、VonからVoff1に変化する。印加する電圧の変更は、
図6、
図9の回路構成を用いる。
【0116】
ゲート電圧3値駆動の場合は、CTL**端子(CTL1A、CTL1B、CTL2A、CTL2B)に印加する信号の立ち上がりに同期して、ゲート信号線17に印加される電圧は、VonからVoff2に変化する。次に、CLK**端子(CLK1A、CLK1B、CLK2A、CLK2B)に印加される電圧の立ち上がりで、Voff2電圧からVoff1電圧に変化し、以降は、ゲート信号線17に印加される電圧は、Voff1に保持される。ここで、Voff2を印加する期間は、1H期間(1水平走査期間、1画素行選択期間)以下となるようにする。CTL**端子(CTL1A、CTL1B、CTL2A、CTL2B)に印加するパルスのHレベルの期間は、CLK**端子(CLK1A、CLK1B、CLK2A、CLK2B)に印加されるパルスのHレベルの期間以下とする。CTL**端子(CTL1A、CTL1B、CTL2A、CTL2B)に印加する信号は、CLK**端子(CLK1A、CLK1B、CLK2A、CLK2B)に印加する信号の反転信号でもよい。
【0117】
CLK**端子(CLK1A、CLK1B、CLK2A、CLK2B)に印加する信号、CTL**端子(CTL1A、CTL1B、CTL2A、CTL2B)に印加する信号は、
図7に図示するように、MCLK信号(クロック)に同期して、また、MCLK信号を分周して発生させる。
【0118】
次に、上述のようなタイミングでゲート電圧2値駆動/3値駆動する走査・出力バッファ回路31の動作について、この走査・出力バッファ回路31に接続された複数のゲート信号線17に注目して説明する。
【0119】
まず、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aの動作について説明する。
【0120】
図7は、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aの動作のタイミングチャート図である。SEL2A端子は、“H”とし、ゲート電圧3値駆動に設定されている。なお、走査・出力バッファ回路31のSEL2B端子は、“L”とし、ゲート電圧2値駆動に設定されている。
【0121】
STV2A信号は、データ信号(ストローブ信号)である。STV2A信号は、CLK2A信号の立ち上がりに同期して、走査・出力バッファ回路31aに入力される。Gb1は、ゲート信号線Gb1の出力波形であり、Gb3は、ゲート信号線Gb3の出力波形であり、Gb5は、ゲート信号線Gb5の出力波形である。以下、同様に、Gb717は、ゲート信号線Gb717の出力波形であり、Gb719は、ゲート信号線Gb719の出力波形である。
【0122】
本開示において、1つのゲートドライバIC12は、720チャンネルの出力端子を有していると想定している。また、本開示は、表示画面20の画素行数に適合させて、必要なゲートドライバIC12を実装あるいは接続する。
【0123】
ゲート信号線G1は、CLK2A信号の立ち上がりに同期してVon電圧が印加され、CTL2A信号の立ち上がりに同期してVoff2電圧が印加される。その後、CLK2A信号の立ち上がり信号に同期してVoff1電圧が印加され、次にゲート信号線Gb1が選択されるまで保持される。
【0124】
同様に、ゲート信号線Gb3は、CLK2A信号の立ち上がりに同期してVon電圧が印加され、CTL2A信号の立ち上がりに同期してVoff2電圧が印加される。その後、CLK2A信号の立ち上がりに同期してVoff1電圧が印加され、次にゲート信号線Gb3が選択されるまで保持される。
【0125】
また、ゲート信号線Gb5は、CLK2A信号の立ち上がりに同期してVon電圧が印加され、CTL2A信号の立ち上がりに同期してVoff2電圧が印加される。その後、CLK2A信号の立ち上がりに同期してVoff1電圧が印加され、次にゲート信号線Gb5が選択されるまで保持される。
【0126】
以下、同様に、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aが担当する奇数番目のゲート信号線17に対して順次、ゲート電圧3値駆動が実施される。なお、SEL2A端子が、“L”の場合は、ゲート電圧2値駆動が実施され、奇数番目の各ゲート信号線には、Voff2電圧は印加されず、Von電圧とVoff1電圧との印加となる。
【0127】
次に、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31a及び走査・出力バッファ回路31bの動作について説明する。
【0128】
図8は、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aおよび31bのタイミングチャート図である。走査・出力バッファ回路31aは、奇数行目の画素のゲート信号線17aを担当し、走査・出力バッファ回路31bは、偶数行目の画素のゲート信号線17aを担当する。つまり、走査・出力バッファ回路31aは、ゲート信号線Gb1、Gb3、Gb5、Gb7、・・・・・・・・Gb715、Gb717、Gb719と順次、オン電圧を印加する。走査・出力バッファ回路31bは、偶数行目の画素のゲート信号線17aを担当する。つまり、走査・出力バッファ回路31bは、ゲート信号線Gb2、Gb4、Gb6、Gb8、・・・・・・・・Gb716、Gb718、Gb720と順次、オン電圧を印加する。
【0129】
なお、以上の実施の形態において、ゲート信号線17にオン電圧(Von)を印加する期間は、1H期間として説明しているが、本願発明はこれに限定するものではない。オン電圧を印加する期間は、2H以上連続してもよい。また、表示画面20において、オン電圧を印加している箇所が、複数存在してもよい。
【0130】
以上の事項は、Voff2電圧に関しても同様である。また、オン電圧を1種類としたが、これに限定するものではない。たとえば、Von1、Von2などのように、複数種類のオン電圧をゲート信号線17に印加してもよい。
【0131】
図8のタイミングチャートの上段部(CLK2A、STV2A、CTL2A、Gb1、Gb3、Gb5、・・・・・・・)は、
図7で説明しているので説明を省略する。
【0132】
図8のタイミングチャートの下段部(CLK2B、STV2B、CTL2B、Gb2、Gb4、Gb6、・・・・・・・)はゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bの動作を示している。
【0133】
ゲート信号線Gb2は、CLK2B信号の立ち上がりに同期してVon電圧が印加され、CTL2B信号の立ち上がりに同期してVoff2電圧が印加される。その後、CLK2B信号の立ち上がり信号に同期してVoff1電圧が印加され、次にゲート信号線G2が選択されるまで保持される。
【0134】
同様に、ゲート信号線Gb4は、CLK2B信号の立ち上がりに同期してVon電圧が印加され、CTL2B信号の立ち上がりに同期してVoff2電圧が印加される。その後、CLK2B信号の立ち上がり信号に同期してVoff1電圧が印加され、次にゲート信号線G4が選択されるまで保持される。
【0135】
また、ゲート信号線Gb6は、CLK2B信号の立ち上がりに同期してVon電圧が印加され、CTL2B信号の立ち上がりに同期してVoff2電圧が印加される。その後、CLK2B信号の立ち上がり信号に同期してVoff1電圧が印加され、次にゲート信号線G6が選択されるまで保持される。
【0136】
以下、同様に、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bが担当する偶数番目のゲート信号線17が順次、ゲート電圧3値駆動が実施される。
【0137】
図8のタイミングチャートから、Gb1にオン電圧が印加される期間は、MCLKの1周期であり、1水平走査期間となっている。Gb2にオン電圧が印加される期間は、MCLKの1周期であり、1水平走査期間となっている。また、Gb1とGb2とは、1H期間で、オン電圧位置が変化している。以下、Gb2、Gb3、・・・・・・においても同様である。
【0138】
ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aも、また、Ga1とGa2とは、1H期間で、オン電圧位置が変化している。以下、Ga3、Ga4、・・・・・・においても同様である。
【0139】
以上のことから、各画素行のゲート信号線17aは、ゲートドライバIC12a、12bと同期をとって、オン電圧、オフ電圧の印加するタイミングが制御される。
【0140】
なお、オン電圧(Von)を印加する期間は、2H以上であってもよいことは言うまでもない。ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aと、ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31a、31bが同期をとり、両走査・出力バッファ回路31が選択したゲート信号線17に同一の電圧が、ずれなく印加できるように制御する。
【0141】
[1−3.効果等]
以上のように、本開示の画像表示装置は、EL素子を有する画素をマトリックス状に配置した表示画面と、ゲートドライバICなどの順次駆動回路とを含むことを特徴とする。
【0142】
本開示は、第1のゲートドライバICと、第2のゲートドライバICとを具備する。ゲートドライバICは、少なくとも、第1および第2のシフトレジスタ回路を有する。表示画面にマトリックス状に配置された画素には、第1のゲート信号線および第2のゲート信号線が形成されている。第1のゲート信号線の一端は、第1のゲートドライバICの出力端子に接続され、第1のゲート信号線の他端は、第2のゲートドライバICの出力端子に接続され、第2のゲート信号線の一端は、第1のゲートドライバICの出力端子に接続され、第2のゲート信号線の他端は、開放されている。第1のゲートドライバIC内に形成された第1のシフトレジスタ回路は、第1のゲート信号線を制御し、第1のゲートドライバIC内に形成された第2のシフトレジスタ回路は、第2のゲート信号線を制御する。第2のゲートドライバIC内に形成された第1のシフトレジスタ回路は、第1の画素行に位置する第1のゲート信号線を制御し、第2のゲートドライバIC内に形成された第2のシフトレジスタ回路は、第2の画素行に位置する第2のゲート信号線を制御する。
【0143】
本開示は、画素に印加する映像信号を出力するソースドライバ回路と、ソースドライバ回路が出力する映像信号を伝達するソース信号線と、第1のゲートドライバ回路と、第2のゲートドライバ回路と、画素を選択する選択電圧、または画素を非選択にする第1の非選択電圧、または画素を非選択にする第2の非選択電圧を伝達する第1のゲート信号線および第2のゲート信号線を具備する。
【0144】
第1のゲートドライバ回路および第2のゲートドライバ回路は、第1の非選択電圧と第2の非選択電圧と選択電圧から電圧を選択して第1のゲート信号線および第2のゲート信号線に出力し、画素は、駆動用トランジスタと、第1のスイッチ用トランジスタと、第2のスイッチ用トランジスタを有し、第1および第2のゲートドライバ回路は、第1の走査回路と、第2の走査回路とを有し、第2のゲードドライバ回路は、第1の走査回路を制御する第1の制御端子と、第2の走査回路を制御する第2の制御端子とを有する。
【0145】
第1のゲートドライバ回路の動作クロック周波数は、第2のゲートドライバ回路のクロック周波数の整数倍の周波数であり、走査回路は、クロック周波数に同期して動作する。
【0146】
表示画面には、第1の画素行と第2の画素行を有し、第1の画素行の第1のゲート信号線は、第1のゲートドライバ回路の第1の走査回路と、第2のゲートドライバ回路の第1の走査回路に接続され、第1の画素行の第2のゲート信号線は、第1のゲートドライバ回路の第2の走査回路に接続され、第2の画素行の第1のゲート信号線は、第1のゲートドライバ回路の第1の走査回路と、第2のゲートドライバ回路の第2の走査回路に接続され、ゲートドライバ回路の走査回路は、選択電圧を出力時に制御端子の制御により第2の非選択電圧を出力し、制御端子の制御後、クロック周波数に同期して第1の非選択電圧を出力することを特徴とする。
【0147】
この構成により、ゲート信号線の端子の数および配列にかかわらず、また画像表示装置の仕様等にかかわらず使用できる汎用性の高いゲートドライバIC(回路)を用いた画像表示装置を提供することができる。また、各ゲート信号線で必要とするスルーレートに対応させてゲートドライバ回路(IC)を配置あるいはパネルモジュールを構成することができる。
【0148】
なお、ゲートドライバIC(回路)12a及び12bはこの順に、第1のゲートドライバ回路及び第2のゲートドライバ回路に相当する。また、走査・出力バッファ回路31a及び31bはこの順に、第1の走査回路及び第2の走査回路に相当する。また、スイッチ用トランジスタ11b及び11dはこの順に、第1のスイッチ用トランジスタ及び第2のスイッチ用トランジスタに相当する。また、ゲート信号線17a及び17bはこの順に、第1のゲート信号線及び第2のゲート信号線に相当する。また、走査・出力バッファ回路31aのCTL**端子(CTL1A、CTL2A)は第1の制御端子に相当し、走査・出力バッファ回路31bのCTL**端子(CTL1B、CTL2B)は第2の制御端子に相当する。
【0149】
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例について説明する。
【0150】
図10は、本開示の実施の形態1の変形例におけるゲートドライバIC12の構成を示すブロック図である。
図3の実施の形態1との差異は、ゲートドライバIC12の入力端子のうちCTL**端子(CTL2A、CTL2B)がFNC**端子(FNC2A、FNC2B)となっている点である。
図4と
図11においても同様である。なお、
図11は、実施の形態1の変形例におけるゲートドライバIC12を実装した本開示の画像表示装置の構成図である。
【0151】
なお、クロックCLK**の1クロック周期とは、任意のCLK**の立ち上りエッジから次のクロックの立ち上りエッジとして例示しているが、これに限定されない。たとえば、任意のCLK**の立下りエッジから次のクロックの立下がりエッジを1クロック周期としてもよい。また、CLK**が立ち上がりと立下りの両方でシフト動作あるいは変化等を行う構成の場合は、CLK**が立ち上がりと立下りで2クロック周期であり、CLK**の立ち上がりまたはクロックの立下りが1クロック周期に対応する。また、CLK**の立下りエッジまたは、クロックの立下がりでなく、クロックの電圧レベルで動作あるいは変化等する場合は、所定のレベルを判定基準として、クロック周期を決定する。
【0152】
また、本開示の形態におけるゲートドライバ回路は、ゲートドライバ回路12a、12bが同一仕様で、かつ入力されるクロック信号が同一周波数の場合、ゲートドライバ回路12aが、1クロック周期(1動作)でシフトレジスタ等が1シフト動作するのに対し、ゲートドライバ回路12bが、n(nは2以上の整数)クロック周期(n動作)でシフトレジスタ等が1シフトするように構成あるいは設定できることを特徴とする。以上の事項は、本発明の開示例に適時適用される。たとえば、
図4、
図5、
図7、
図8などの開示例に対しても適用できる。また、
図10、
図11、
図12〜
図17などの開示例に対しても適用できることは言うまでもない。
【0153】
FNC**端子(FNC2A、FNC2B)は、ロジック端子であり、
図9のシフトレジスタ回路91へのデータ入力(STVA、STVB)およびクロック制御(CLK)と、選択回路92の制御を切り替える端子である。
図7のように、CLK2Aの立ち上がりとCTL2Aの立ち上がりの制御をシフトレジスタの制御で実施する。
【0154】
なお、本開示の形態において、CLK**の立ち上がりで「1動作」するとして説明するが、これに限定するものではなく、CLK**の立下りで、「1動作」するとしてもよい。また、CLK**の立ち上がりと、立下りの、それぞれで「1動作」するとしてもよい。CLK**の電位レベルで「動作」するとしてもよい。なお、以上の事項は、CLK**に限定されるものではなく、他の制御信号に関しても、適時、適用できることは言うまでもない。
【0155】
なお、
図9のシフトレジスタ回路では図示していないが、クロックCLKの分周回路、シフトレジスタ回路91のデータ位置のシフト位置の制御回路などが形成されている。つまり、FNC端子に印加するロジック信号により、
図12のシフト状態と
図15のシフト状態とを切り替える。
【0156】
図12の走査・出力バッファ回路3131(あるいはゲートドライバ回路12)のシフト状態を第2のモードと呼び、
図15の走査・出力バッファ回路3131(あるいはゲートドライバ回路12)のシフト状態を第1のモードと呼ぶ。
図15では、1クロック周期に同期して、走査・出力バッファ回路3131内のデータ位置がシフトされる。
図12では、
図15に比較してnクロック周期(開示例では2クロック周期)に同期して、走査・出力バッファ回路3131内のデータ位置がシフトされる。ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bのクロック端子(CLK**)には、同一クロックが入力される。
図11の本開示の形態における画像表示装置では、ゲートドライバ回路12aは、FNC1A端子=“L“にされ、第1のモードとして動作する。したがって、ゲートドライバ回路12aは、1クロック周期で、シフトレジスタ31内のデータ位置がシフトされる。ゲートドライバ回路12bは、FNC1A端子=“H“にされ、第2のモードとして動作する。したがって、ゲートドライバ回路12aは、2クロック周期で、シフトレジスタ31内のデータ位置がシフトされる。
【0157】
FNC端子へのロジックがHの場合は、
図12のように、各ゲート信号線にオン電圧(Von)を印加する位置は、2クロックでシフトされる(2クロック周期でシフトされる)。つまり、ゲートドライバ回路12aのシフト動作は、ゲートドライバ回路12bのシフト動作に比較して2倍となる。もしくは、ゲートドライバ回路12bのシフト動作に必要なクロック入力数は、ゲートドライバ回路12aのシフト動作に必要なクロック入力数に比較して2倍となる。したがって、オン電圧が印加されるゲート信号線は、2クロックごとに、ゲート信号線Gb1、Gb3、Gb5、・・・・・とオン電圧が印加される。一方、FNC端子へのロジックがLの場合は、
図15のように、各ゲート信号線にオン電圧(Von)を印加する位置は、1クロックでシフトされる。したがって、オン電圧が印加されるゲート信号線は、ゲート信号線Gb1、Gb3、Gb5、・・・・・となる。また、走査・出力バッファ回路31aのFNC**端子(FNC1A、FNC2A)は第1の制御端子に相当し、走査・出力バッファ回路31bのFNC**端子(FNC1B、FNC2B)は第2の制御端子に相当する。
【0158】
以上のように、FNC端子へのロジックがLの場合は、通常のように、1クロック(周期)で各画素行が順次、選択される。FNC端子へのロジックがHの場合は、2クロック(周期)で各画素行が選択される。
【0159】
なお、
図11の実施例では、ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ31aが奇数番目の画素行を担当し、ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ31bが偶数番目の画素行を担当する開示例である。
図11の実施例では、
図1に図示するように、表示画面20の右辺に配置したゲートドライバIC12bは、表示画面20の左辺に配置したゲートドライバ回路12aの1/2個の個数で、画像表示装置を構成できる。ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ31の1シフト動作に必要とするクロック数(クロック周期)は、ゲートドライバ回路12aのシフトレジスタ31の2倍である。
【0160】
また、ゲートドライバ回路12bが3つのシフトレジスタ31(31a、31b、31c)を内蔵し、走査・出力バッファ回路3131aが、3m−2(mは、1以上の整数)画素行を担当し、走査・出力バッファ回路3131bが、3m−1(mは、1以上の整数)画素行を担当し、走査・出力バッファ回路3131cが、3m(mは、1以上の整数)画素行を担当する場合、ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ31の1シフト動作に必要とするクロック数(クロック周期)は、ゲートドライバ回路12aのシフトレジスタ31の3倍である開示例が例示される。この場合は、表示画面20の右辺に配置したゲートドライバIC12bは、表示画面20の左辺に配置したゲートドライバ回路12aの1/3個の個数で、画像表示装置を構成できる。以上の事項は、たとえば、
図2、
図4、
図20、
図22などの他の本発明の開示例にも適用できることは言うまでもない。
【0161】
FNC端子に印加ロジックのHとLとは逆であってもよいことは言うまでもない。また、FNC端子がHの場合に、2クロック(周期)で各画素行が選択されるとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、3クロック(周期)、4クロック(周期)ごとに各画素行が選択されるように構成してもよい。
【0162】
クロック(CLK**)端子に入力されるクロックにより、ゲートドライバ回路12の走査・出力バッファ回路3131内のデータがシフト動作する。走査・出力バッファ回路3131のシフト動作を実施するクロック入力数は、ゲートドライバ回路12bは、ゲートドライバ回路12aにn倍(3は、2以上の整数)のクロック入力数となる。なお、以上の事項は、本発明の開示例に適時適用される。たとえば、
図4、
図5、
図7、
図8などの開示例に対しても適用できる。また、
図10、
図11、
図12〜
図17などの開示例に対しても適用できることは言うまでもない。
【0163】
FNCのロジック信号は、FNC=“H”で
図12のシフト動作(第2のモード)を実施する。
図4のゲートドライバIC12bの動作である。FNC=“L”で、
図15のシフト動作(第1のモード)を実施する。
図4のゲートドライバIC12aの動作である。FNC**端子は、動作モード(第1のモード、第2のモード)を設定する設定回路に接続されている端子である。FNC**端子へのロジック設定により、設定回路は、第1のモードまたは第2のモードを選択し、走査・出力バッファ回路3131の動作を設定する。
【0164】
なお、FNC**端子へのロジック設定により、第1のモードと第2のモードを設定するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、コマンド伝送配線を介して、設定回路にコマンド設定を行い、第1のモードと第2のモードを設定できるように構成してもよい。たとえば、
図35に図示するように、外部からコマンドとしてのDATAが、コマンド伝送線を介してゲートドライバIC12に入力され、コマンドデコーダ回路351で、入力DATAを設定コマンドに変換する、動作あるいは機能を設定する構成が例示される。コマンドデコーダ回路351が第1のモードと第2のモードを設定する設定回路として機能する。
【0165】
図12は、
図11のゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aのタイミングチャート図である。FNC2A端子には、ロジック“H”とされる。また、Von電圧を印加する時間は、1H(1画素行選択期間)である。また、SEL2A端子は、“H”とし、ゲート電圧3値駆動が実施されている。なお、ゲート電圧2値駆動とゲート電圧3値駆動の切り替えあるいは設定も、FNC**端子と同様に、ハード端子で設定してもよいし、
図35に図示するように、コマンド伝送信号DATAを介して、設定できるように構成してもよい。他の端子(STV**、CLK**、SEL**など)、あるいは設定に置いても同様である。
【0166】
CLK2A端子へのクロック入力と、STV2Aのデータ(ストローブ)信号により、走査・出力バッファ回路31aが制御される。ゲート信号線Gb1、Gb3、・・・・・・Gb717、Gb719に印加される電圧(Von、Voff1、Voff2)およびタイミングは、
図7と同様になる。
【0167】
図13は、
図11のゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bのタイミングチャート図である。FNC2B端子には、ロジック“H”とされる。また、Von電圧を印加する時間は、1H(1画素行選択期間)である。また、SEL2B端子は、“H”とし、ゲート電圧3値駆動が実施されている。
【0168】
CLK2B端子へのクロック入力と、STV2Bのデータ(ストローブ)信号により、走査・出力バッファ回路31bが制御される。ゲート信号線Gb2、Gb4、・・・・・・Gb718、Gb720に印加される電圧(Von、Voff1、Voff2)およびタイミングは、
図8の下段と同様になる。
【0169】
図14は、
図12において、Vonの印加期間を2Hとした実施の形態である。他の構成、動作などは
図12と同様であるので説明を省略する。Vonの印加期間を2Hとすることにより、ゲート信号線17には、2Hの期間(2画素行選択時間)の間、連続してオン電圧が印加される。したがって、選択されたゲート信号線には、十分なオン電圧を印加することができ、各ゲート信号線に接続されたトランジスタ11を十分にオンさせることができる。たとえば、
図11のスイッチ用トランジスタ11bに2H期間の間、オン電圧を印加することにより、ソースドライバIC(回路)14からの映像信号を良好に各画素16に印加することができる。上記の実施の形態は、Von期間を2Hとした実施の形態であるが本発明はこれに限定するものではなく、3H以上の複数H期間としてもよいことは言うまでもない。
【0170】
なお、Von期間を複数H期間とした場合でも、Voff2電圧を印加する期間は、1H期間とする(SEL端子がHの場合)。
【0171】
図15は、
図11のゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aのタイミングチャート図である。FNC1A端子には、ロジック“L”とされる。つまり、Ga1、Ga3、Ga5と1画素行ずつ選択位置がシフトされる。また、Von電圧を印加する時間は、1H(1画素行選択期間)である。また、SEL1A端子は、“H”とし、ゲート電圧3値駆動が実施されている。CLK1A端子へのクロック入力と、STV1Aのデータ(ストローブ)信号により、走査・出力バッファ回路31aが制御される。ゲート信号線Ga1、Ga3、・・・・・・Ga717、Ga719には、順次Von、Voff1、Voff2が印加される。
【0172】
図15のタイミングチャートをゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aに実施し、
図12のタイミングチャートをゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aに実施し、
図13のタイミングチャートをゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31bに実施することにより、各画素のゲート信号線17aは、両側駆動が実現される。
【0173】
また、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31bは、SEL1B端子を“L”とし、ゲート電圧2値駆動として、
図15のタイミングチャートを実施する(
図15のVoff2期間をVoff1期間とする。STV1AはSTV1B、Ga1はGa2、Ga3はGa4、Ga5はGa6、・・・・・・Ga717はGa718、Ga719はGa720と置き換える)。
【0174】
ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aにおいても、FNC1A=“H”とし、SEL1A=“L”とすれば、
図16の駆動方式を実現できる。また、ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31aにおいても、STV1A端子に入力するデータを2H幅とし、FNC1A=“H”とし、SEL1A=“L”とすれば、
図17の駆動方式を実現できる。
【0175】
(実施の形態2)
以上の実施の形態1及びその変形例は、各画素のゲート信号線17が2本(2種類)の場合であった。これに対し、本実施の形態に係る画像表示装置は、実施の形態1及びその変形例と比較して、各画素のゲート信号線が4本(4種類)である点が異なる。
図2の画素回路では、ソース信号線18からの映像信号は、スイッチ用トランジスタ11bをオンさせ、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に、直流的に印加される。
図18の画素回路では、ソース信号線18からの映像信号は、スイッチ用トランジスタ11bをオンさせ、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に、コンデンサ19bを介して交流的に印加される。
【0176】
また、
図18の画素回路では、スイッチ用トランジスタ11c、11e、11dを動作させることにより、駆動用トランジスタ11aの特性バラツキをキャンセルするオフセットキャンセル駆動を実施し、表示ムラのない良好な表示品位を実現する。以下、図面を参照しながら、実施の形態2を説明する。
【0177】
[2−1.構成]
[2−1−1.画素]
図18は、本実施の形態に係る画像表示装置の画素構成の説明図であり、各画素のゲート信号線17が4本(4種類)の場合である。なお、各ゲート信号線17a、17b、17c、17dを特に区別せず、上記のようにゲート信号線17と記載する場合がある。
【0178】
ゲート信号線17a(Ga)は、スイッチ用トランジスタ11eのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11eをオンオフ制御する。ゲート信号線17b(Gb)は、スイッチ用トランジスタ11bのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11bをオンオフ制御する。ゲート信号線17c(Gc)は、スイッチ用トランジスタ11cのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11cをオンオフ制御する。ゲート信号線17a(Gd)は、スイッチ用トランジスタ11dのゲート端子に接続され、スイッチ用トランジスタ11dをオンオフ制御する。各トランジスタ11、コンデンサ19の結線状態は、
図18の等価回路図に示しているので説明を省略する。
【0179】
図18の画素構成では、ゲート信号線17a、17bにゲートドライバIC12a、12bが接続され、両側駆動が実施される。ゲート信号線17c、17dには、ゲートドライバIC12aのみが接続され、片側駆動が実施される。
【0180】
図18において、Pチャンネルの駆動用トランジスタ11aのドレイン端子に、スイッチ用トランジスタ11dのソース端子が接続され、スイッチ用トランジスタ11dのドレイン端子にEL素子15のアノード端子が接続されている。また、EL素子15のカソード端子には、カソード電圧Vssが印加されている。駆動用トランジスタ11aのソース端子には、アノード電圧Vddが印加されている。
【0181】
ゲート信号線17dにオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11dがオンし、駆動用トランジスタ11aからの発光電流がEL素子15に供給される。EL素子15は、発光電流の大きさに基づき発光する。
【0182】
駆動用トランジスタ11aのゲート端子とドレイン端子間には、スイッチ用トランジスタ11cのソース端子とドレイン端子が接続され、ゲート信号線17cにオン電圧が印加されることにより、駆動用トランジスタ11aのゲート端子とドレイン端子間を短絡(接続)する。
【0183】
駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、コンデンサ19bの1端子が接続され、コンデンサ19bの他の端子は、スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子と接続されている。スイッチ用トランジスタ11bのソース端子は、ソース信号線18と接続されている。ゲート信号線17bのオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11bがオンして、ソース信号線18に印加された映像信号(電圧、電流)Vsが、画素16に印加される。なお、本開示において映像信号は、映像信号電圧としているが、映像信号電流であってもよい。
【0184】
コンデンサ19aの一端子は、トランジスタ11bのドレイン端子と接続され、他方の端子は、アノード電極と接続され、アノード電圧Vddが印加される。
【0185】
なお、コンデンサ19aの他方の端子は、アノード電極と接続され、アノード電圧Vddが印加されているとしたが、これに限定するものではない。たとえば、他の任意の直流電圧と接続してもよい。
【0186】
トランジスタ11dのソース端子は、アノード電極と接続され、アノード電圧Vddが印加されているとしたが、これに限定するものではない。たとえば、他の任意の直流電圧と接続してもよい。つまり、コンデンサ19aの他の端子と、トランジスタ11aのソース端子は、異なる電位の端子と接続してもよい。
【0187】
一例として、トランジスタ11aのソース端子は、アノード電圧Vddが印加された電極または配線と接続し、コンデンサ19aの一方の端子を、直流電圧Vb=5(V)の電圧が印加された電極または配線と接続する構成が例示される。
【0188】
トランジスタ11eのドレイン端子は、トランジスタ11bのドレイン端子と接続され、トランジスタ11eのソース端子は、リセット電圧Vaが印加された電極あるいは信号線と接続されている。ゲート信号線17aにオン電圧が印加されることにより、トランジスタ11eがオンし、リセット電圧Vaがコンデンサ19aに印加される。
【0189】
トランジスタ11c、トランジスタ11eはPチャンネルにし、LDD(Lightly Doped Drain)構造を採用する。また、このトランジスタ11c、11eは、少なくともダブルゲート(ディアルゲート)以上にする。このましくは、トリプルゲート以上にする。つまり、複数のトランジスタのゲートが直列に接続した構造を採用する。LDD構造、マルチゲート(ディアルゲート、トリプルゲート、あるいはそれ以上のゲート数)を採用することにより、トランジスタ11c、11eのオフ特性を良好にできる。トランジスタ11c、トランジスタ11eのオフ特性を良好にしないと、コンデンサ19の電荷の良好な保持ができなくなる。
【0190】
なお、トランジスタ11c、11e以外のトランジスタもPチャンネルを採用し、LDD構造を採用することが好ましい。また、必要に応じて、トランジスタはマルチゲート構造とする。
【0191】
トランジスタのマルチゲート(ディアルゲート以上)を用いることにより、また、LDD構造と組み合わせることにより、オフリークを抑制でき、良好なコントラスト、オフセットキャンセル動作を実現できる。また、良好な高輝度表示、画像表示を実現できる。
【0192】
[2−1−2.ゲートドライバIC]
図19は、
図18のような、画素のゲート信号線17の種類(独立に制御すべきゲート信号線17の数)が4の場合に対応する本開示のゲートドライバIC12のブロック図である。
【0193】
ゲートドライバIC12には、4つの走査・出力バッファ回路31(31a、31b、31c、31d)が形成または配置されている。走査・出力バッファ回路31aはゲート信号線17aを駆動し、走査・出力バッファ回路31bはゲート信号線17bを駆動する。走査・出力バッファ回路31cはゲート信号線17cを駆動し、走査・出力バッファ回路31dはゲート信号線17dを駆動する。他の構成は、他の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0194】
次に、このように構成されたゲートドライバIC12と表示画面20との接続関係について説明する。
【0195】
図20は、本開示の画像表示装置の模式図であり、すなわち、ゲートドライバIC12を実装した実施の形態2にかかる画像表示装置の構成図である。ゲートドライバIC12aの走査・出力バッファ回路31(31a、31b、31c、31d)は、それぞれ異なるゲート信号線17(17a、17b、17c、17d)を制御し、オン電圧、オフ電圧をゲート信号線17に印加する。ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31a、31bは、奇数番目の画素行のゲート信号線17(17a、17b)を制御し、オン電圧、オフ電圧をゲート信号線に印加する。ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31c、31dは、偶数番目の画素行のゲート信号線17(17c、17d)を制御し、オン電圧、オフ電圧をゲート信号線に印加する。
【0196】
ゲート信号線17a、ゲート信号線17bは、ゲートドライバIC12aおよび12bにより駆動される。つまり、ゲート信号線17a、17bは両側駆動が実施される。スイッチ用トランジスタ11eは、Va電圧を駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する機能を実施し、スイッチ用トランジスタ11bは、映像信号電圧を駆動用トランジスタ11aに供給するに機能を実施するため、高速なオンオフ動作が必要である。ゲート信号線17a、17bに、両側駆動を実施することにより、スイッチ用トランジスタ11b、11eを良好なスルーレートで動作させることができる。一方、スイッチ用トランジスタ11c、11dは、高速動作を必要としない。したがって、ゲートドライバIC12aのみによる片側駆動で十分な機能を実現できる。
【0197】
図20の実施例において、ゲートドライバIC12aは、すべての画素行のゲート信号線17(17a、17b、17c、17d)を担当する。ゲートドライバIC12bのシフトレジスタ・出力回路31a、31bは、奇数画素行のゲート信号線17a、17bを担当し、ゲートドライバIC12bのシフトレジスタ・出力回路31c、31dは、偶数画素行のゲート信号線17a、17bを担当する。
図20の構成においても、
図1、
図11と同様に、ゲートドライバIC12bの使用個数は、ゲートドライバIC12aの使用個数の1/2個でよい。したがって、ゲートドライバIC12の使用数量を削減でき、低コストの画像表示装置を提供できる。
【0198】
FNC端子、CLK端子、SEL端子、STV端子の制御、機能などは、他の実施の形態で説明しているので説明を省略する。また、タイミングチャートに関しても、他の実施の形態で説明しているので説明を省略する。
【0199】
[2−2.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る画像表示装置は、実施の形態1及びその変形例と比較して、各画素16のゲート信号線17が4本(4種類)である点が異なる。具体的には、これら4本のゲート信号線17a、17b、17c、17dのうち、2本のゲート信号線17a、17bが両側駆動され、2本のゲート信号線17a、17bが片側駆動される。このような画像表示装置においても、実施の形態1及びその変形例と同様の効果を奏する。つまり、ゲート信号線17の数および配列にかかわらず、また画像表示装置の仕様等にかかわらず使用できる汎用性の高いゲートドライバIC12a、12bを用いることができる。また、ゲートドライバIC12bの使用個数をゲートドライバIC12aの使用個数の半分に削減することができ、低コスト化できる。
【0200】
なお、上記説明では、ゲート信号線17a、17bが両側駆動され、ゲート信号線17c、17dが片側駆動されるとしたが、両側駆動されるゲート信号線の本数、及び、片側駆動されるゲート信号線の本数はこれに限らない。
【0201】
図18の4ゲート信号線/画素の構成で、たとえば、ゲート信号線17aが両側駆動で、他のゲート信号線17(17b、17c、17d)の片側駆動を実施する場合も考えられる。この場合は、ゲートドライバIC12bの使用個数は、ゲートドライバIC12aの使用個数の1/4個でよい。したがって、ゲートドライバIC12の使用数量を削減でき、低コストの画像表示装置を提供できる。
【0202】
(実施の形態2の変形例)
[3−1.構成]
[3−1−1.画素]
画素構成としては、
図21の構成も例示される。
図21は、実施の形態2の変形例における画素回路の回路図である。
図21においても、ゲート信号線17a、17bはゲートドライバIC12a、12bによる両側駆動が実施される。ゲート信号線17c、17dはゲートドライバIC12aによる片側駆動が実施される。
【0203】
ソースドライバIC(回路)14は、ソース信号線18に接続されており、表示画像に対応した映像信号電圧をEL素子15へ出力する機能を有する駆動回路である。
【0204】
なお、図示を省略した制御回路は、ゲートドライバIC(回路)12、ソースドライバIC(回路)14制御を行う機能を有する制御回路である。制御回路は、各EL素子15の補正データなどが記憶されたメモリ(図示せず)を備え、メモリに書き込まれた補正データ等を読み出し、外部から入力された映像信号を、その補正データに基づいて補正して、ソースドライバIC(回路)14へと出力する。
【0205】
また、
図21には記載されていないが、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss及び参照電圧(Vref、Vini)は、それぞれ、全画素16に共通接続されており、電圧発生回路(図示せず)に接続されている。また、駆動用トランジスタ11aの閾値電圧にEL素子15の発光開始電圧を加えた電圧が0Vよりも大きい場合は、Viniはカソード電圧Vssと略同一電圧としてもよい。これにより電圧発生回路(図示せず)の出力電圧の種類が減り、回路がより簡易になる。
【0206】
スイッチ用トランジスタ11eは、ゲート端子がゲート信号線17cに接続され、ソースまたはドレインの一方がVrefに接続されている。スイッチ用トランジスタ11cは、Viniをコンデンサ19aの電極に印加するタイミングを決定する機能を有する。スイッチ用トランジスタ11e及びスイッチ用トランジスタ11cは、たとえば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0207】
コンデンサ19aは、第1電極が駆動用トランジスタ11aのゲート端子に接続され、第2電極が駆動用トランジスタ11aのソース端子に接続されたコンデンサである。
【0208】
コンデンサ19aは、ソース信号線18から供給された信号電圧に対応した電圧を保持し、たとえば、スイッチ用トランジスタ11bがオフ状態となった後に、駆動用トランジスタ11aのゲート・ソース電極間電位を安定的に保持し、駆動用トランジスタ11aからEL素子15へ供給する電流を安定化する機能を有する。
【0209】
駆動用トランジスタ11aは、ドレインがスイッチ用トランジスタ11dを介して第1電源線であるアノード電圧Vddに接続され、ソースがEL素子15のアノードに接続された駆動素子である。駆動用トランジスタ11aは、ゲート−ソース間に印加された信号電圧に対応した電圧を、当該信号電圧に対応したドレイン電流に変換する。そして、このドレイン電流を信号電流としてEL素子15に供給する。駆動用トランジスタ11aは、たとえば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0210】
EL素子15は、カソードが第2電源線であるカソード電圧Vssに接続された発光素子であり、駆動用トランジスタ11aにより上記信号電流が流れることにより発光する。
【0211】
スイッチ用トランジスタ11dは、ゲートがゲート信号線17bに接続され、ソースまたはドレイン端子の一方が駆動用トランジスタ11aのドレイン端子に接続されたスイッチ用トランジスタである。スイッチ用トランジスタ11dは、たとえば、n型の薄膜トランジスタ(n型TFT)で構成される。
【0212】
コンデンサ19aは、コンデンサ19aは、まず、定常状態において駆動用トランジスタ11aのソース電位(ソース信号線18の電位)を、スイッチ用トランジスタ11bが導通している状態で記憶する。その後、スイッチ用トランジスタ11bがオフ状態となっても、コンデンサ19aの電位が確定されるので駆動用トランジスタ11aのゲート電圧が確定される。
【0213】
なお、コンデンサ19aは、ソース信号線18、ゲート信号線17にオーバーラップするように(重なるように)形成または配置する。この場合、レイアウトの自由度が向上し、素子間のスペースをより広く確保することが可能になり、歩留まりが向上する。
【0214】
また、画像表示装置は、画素列数分のソース信号線18を備えている。ゲート信号線17は、ゲートドライバIC(回路)12に接続され、EL素子15を含む画素行に属する各EL素子15に接続されている。これにより、ゲート信号線17は、画素16を含む画素行に属する各EL素子15に上記信号電圧を書き込むタイミングを供給する機能、及び当該EL素子15の有する駆動用トランジスタ11aのゲートに参照電圧を印加するタイミングを供給する機能を有する。
【0215】
画像表示装置(EL表示パネル)は、オン電圧(Von)が複数種類必要となる場合があり、オフ電圧(Voff)も複数電圧が必要となる場合がある。その他、イニシャル電圧(Vini)、リファレンス電圧(Vref)などが必要である。
【0216】
画像表示装置をこのような構成とすることにより、画像表示装置は表示画面20に映像の書き込みと消去を同時に行うことができる。したがって、従来のように書き込みが終了するのを待ってから映像を一括表示しなくてもよく、書き込みが終了する前に表示画面20に行毎に映像を表示することができる。
【0217】
図21の画素16において、Nチャンネルの駆動用トランジスタ11aのドレイン端子に、スイッチ用トランジスタ11dのソース端子が接続され、スイッチ用トランジスタ11dのドレイン端子にEL素子15のアノード端子が接続されている。アノード端子には、アノード電圧Vddが印加あるいは供給されている。
【0218】
なお、トランジスタ11のチャンネル間は双方向であるため、ソース端子とドレイン端子の名称は、説明を容易にするためであり、ソース端子とドレイン端子は入れ替えてもよい。また、ソース端子とドレイン端子の名称は、便宜上あるいは説明を容易にするためであり、たとえば、駆動用トランジスタ11a以外のソース端子とドレイン端子は第1の端子、第2の端子などとしてもよい。また、トランジスタ11は、Nチャンネルトランジスタとして説明するが、Pチャンネルトランジスタに置き換えることも可能である。
【0219】
EL素子15のカソード端子には、カソード電圧Vssが印加されている。駆動用トランジスタ11aのソース端子とEL素子のアノード電圧端子とが電気的に接続されている。スイッチ用トランジスタ11cのソース端子は、駆動用トランジスタ11aのソース端子と電気的に接続されている。また、スイッチ用トランジスタ11cのドレイン端子には、イニシャル電圧Viniが印加あるいは供給されている。
【0220】
なお、電気的に接続とは、電圧の経路、電流の経路が形成されている状態あるいは形成されうる状態である。たとえば、第1のトランジスタと第2のトランジスタ間に、第3のトランジスタが配置されていても、第1のトランジスタと第2のトランジスタは電気的に接続されている。また、本明細書において、接続を電気的に接続の意味として使用する場合がある。
【0221】
スイッチ用トランジスタ11bのソース端子は駆動用トランジスタ11aのゲート端子と接続されており、スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子は、ソース信号線18と接続されている。スイッチ用トランジスタ11eのソース端子は駆動用トランジスタ11aのゲート端子と接続されており、スイッチ用トランジスタ11eのドレイン端子には、リファレンス電圧Vrefが印加あるいは供給されている。
【0222】
コンデンサ19は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子と駆動用トランジスタ11aのソース端子との間に接続されている。
【0223】
なお、
図21などの実施の形態において、アノード電圧Vdd>リファレンス電圧Vref>カソード電圧Vss>イニシャル電圧Vini、なる関係にすることが好ましい。具体的には、一例として、アノード電圧Vdd=10〜18(V)、リファレンス電圧Vref=1.5〜3(V)、カソード電圧Vss=0.5〜2.5(V)、イニシャル電圧Vini=0〜−3(V)である。
【0224】
なお、スイッチ用トランジスタ11dは、駆動用トランジスタ11aのソース端子とEL素子15のアノード端子との間に配置または形成してもよい。
【0225】
スイッチ用トランジスタ11dのゲート端子は、ゲート信号線17bに接続されている。スイッチ用トランジスタ11eのゲート端子は、ゲート信号線17cに接続されている。スイッチ用トランジスタ11bのゲート端子は、ゲート信号線17aに接続されている。スイッチ用トランジスタ11cのゲート端子は、ゲート信号線17dに接続されている。
【0226】
ゲート信号線17b(GE)にオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11dがオンし、駆動用トランジスタ11aからの発光電流がEL素子15に供給される。EL素子15は、発光電流の大きさに基づき、発光する。発光電流の大きさは、ソース信号線18に印加された映像信号を、スイッチ用トランジスタ11bで画素16に印加することにより決定する。
【0227】
駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、コンデンサ19の1端子が接続され、コンデンサ19の他の端子は、駆動用トランジスタ11aのソース端子と接続されている。スイッチ用トランジスタ11bのドレイン端子は、ソース信号線18と接続されている。ソースドライバIC14は、ソース信号線18に映像信号を印加する。
【0228】
ゲート信号線17a、17bは、表示画面20の左右に配置されたゲートドライバIC(12a、12b)に接続されている。また、ゲート信号線17c、17dは、表示画面20の左に配置されたゲートドライバIC12aに接続されている。
【0229】
ゲートドライバIC12は、画素の選択電圧(オン電圧Von)をゲート信号線17に印加する。ゲート信号線17bのオン電圧が印加されると、スイッチ用トランジスタ11bがオンして、ソース信号線18に印加された映像信号が、画素16に印加される。
【0230】
EL表示パネルには、EL素子15を有する画素16がマトリックス状に形成された表示画面20が形成されている。
【0231】
ゲート信号線17a、17bの両端には、ゲートドライバIC12(12a、12b)が接続されている。ゲート信号線17c、17dの片側には、ゲートドライバIC12aが接続されている。ゲートドライバIC12は、COF(Chip On Film)(図示せず)に実装されている。
【0232】
同様に、各画素16には、ソース信号線18が接続されている。ソース信号線18の一端には、ソースドライバIC(ソースドライバ回路)14が接続されている。ソースドライバIC14は、COF22(Chip On Film)(図示せず)に実装されている。
【0233】
ソースドライバIC(回路)14は、映像信号を出力し、映像信号は、ソース信号線18に供給あるいは印加される。
【0234】
[3−1−2.全体構成]
図22は、
図21の画素構成の場合の本開示の画像表示装置の説明図である。ゲート信号線17a、17bはゲートドライバIC12a、12bによる両側駆動が実施される。ゲート信号線17c、17dはゲートドライバIC12aによる片側駆動が実施される。ソースドライバIC(回路)14は、映像信号電圧を発生し、ソース信号線18に印加する。スイッチ用トランジスタ11bは、ソース信号線18に印加された映像信号電圧を、画素16の駆動用トランジスタ11aに印加する。
【0235】
[3−2.効果等]
以上のように、
図21の画素構成を有する本変形例に係る画像表示装置は、実施の形態2と同様の効果を奏する。すなわち、ゲート信号線17の数および配列にかかわらず、また画像表示装置の仕様等にかかわらず使用できる汎用性の高いゲートドライバIC12a、12bを用いることができる。また、ゲートドライバIC12bの使用個数をゲートドライバIC12aの使用個数の半分に削減することができ、低コスト化できる。
【0236】
(他の実施の形態)
なお、本開示の実施の形態において、両側駆動とは、表示画面20の左右に配置された2つのゲートドライバIC12で駆動するとしたが、これに限定するものではない。両側駆動とは、1つのゲートドライバIC12で駆動するものであれば該当する。たとえば、ゲート信号線17の片側に2つのゲートドライバIC12を接続または配置し、駆動する方式も該当する。
【0237】
つまり、両側駆動とは、1つのゲート信号線17を複数のゲートドライバIC12で駆動する方式である。また、ゲート信号線17は、ゲートドライバIC12で駆動するとして説明をするが、これに限定するものではない。たとえば、ポリシリコン技術でアレイ基板に直接にゲートドライバ回路(図示せず)を形成または配置し、このゲートドライバ回路でゲート信号線17を駆動する構成も該当する。
【0238】
したがって、1つのゲート信号線17の両側にゲートドライバ回路を接続する構成も本開示の範疇である。また、1つのゲート信号線17の片側にゲートドライバIC12を接続し、他の端にゲートドライバ回路を接続した構成も本開示の範疇である。また、1つのゲート信号線17の片側に、2つのゲートドライバ回路を接続した構成も本開示の範疇である。
【0239】
また、本開示は、上述した画像表示装置に限らず、このような画素16がマトリックス状に配置された表示画面20を有する画像表示装置に用いるゲートドライバ回路として実現されてもよい。
【0240】
すなわち、本開示の一態様に係るゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)は、CLK**端子(クロック入力端子)と、STV**端子(データ入力端子)と、画像表示装置のゲート信号線17と接続される複数の出力端子34と、1クロック入力によりシフトレジスタ回路等が1シフト動作する第1のモード、または、n(nは2以上の整数)クロック入力によりシフトレジスタ回路等が1シフト動作する第2のモードを設定する設定手段(設定端子(FNC**)、設定回路351)とを具備する。ここで、ゲート信号線17には、出力端子34から出力される、選択電圧(オン電圧)または非選択電圧(オフ電圧)が印加される。本開示の一態様に係るゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)は、STV**端子(データ入力端子)に設定されたデータを、CLK**端子(クロック入力端子)に入力されたクロックにより、STV**端子(データ入力端子)に取り込み、データはCLK**端子(クロック入力端子)に入力されたクロックに同期して、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)内をシフトし、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)内のデータ位置に対応して、出力端子から選択電圧または非選択電圧が出力される。また、FNC**端子または設定回路351が、第1のモードに設定されている時は、データは、CLK**端子(クロック入力端子)に入力されたクロックに同期して、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)内をシフトし、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)内のデータ位置に対応して、選択電圧または非選択電圧が出力される。一方、FNC**端子または設定回路351が、第2のモードに設定されている時は、データは、CLK**端子(クロック入力端子)に入力されたクロックのn(nは2以上の整数)クロック周期に同期して、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)内をシフトし、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)内のデータ位置に対応して、選択電圧または非選択電圧が出力される。
【0241】
また、非選択電圧には、第1の非選択電圧(Voff1電圧、オフ電圧1)と第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)とがあり、任意の出力端子34では、選択電圧が出力された後の1クロック周期の期間において、第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)が出力され、第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)が出力された後、第1の非選択電圧(Voff1電圧、オフ電圧1)が出力されてもよい。
【0242】
また、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)は、複数の走査・出力バッファ回路31a及び31b(走査回路)を有してもよく、当該走査・出力バッファ回路31a及び31b(走査回路)は、それぞれ、CLK**端子(クロック入力部)と、STV**端子(データ入力部)とを有してもよい。
【0243】
また、本開示は、このようなゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)を用いた画像表示装置として実現されてもよい。つまり、本開示の他の一態様に係る画像表示装置は、画素16がマトリックス状に配置された表示画面20と、表示画面20の第1の辺に配置された上述のゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)であるゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)と、表示画面20の第2の辺に配置された上述のゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)であるゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)とを具備する。また、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)は、走査・出力バッファ回路31a(第1の走査回路)と、走査・出力バッファ回路31b(第2の走査回路)とを有し、走査・出力バッファ回路31a(第1の走査回路)は、GE*端子(第1の出力端子)と電気的に接続され、走査・出力バッファ回路31b(第2の走査回路)は、GS*端子(第2の出力端子)と電気的に接続されている。また、画素16のそれぞれには、ゲート信号線17a(第1のゲート信号線)と、ゲート信号線17b(第2のゲート信号線)とを有し、画素16には、第1の画素と第2の画素があり、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)のGE*端子(第1の出力端子)は、第1の画素のゲート信号線17a(第1のゲート信号線)と電気的に接続され、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)のGE*端子(第1の出力端子)は、第2の画素のゲート信号線17a(第1のゲート信号線)と電気的に接続され、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)のGS*端子(第2の出力端子)は、第1の画素のゲート信号線17b(第2のゲート信号線)と電気的に接続され、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)のGS*端子(第2の出力端子)は、第2の画素のゲート信号線17b(第2のゲート信号線)と電気的に接続され、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)のGE*端子(第1の出力端子)は、第1の画素のゲート信号線17a(第1のゲート信号線)と電気的に接続され、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)のGS*端子(第2の出力端子)は、第2の画素のゲート信号線17a(第1のゲート信号線)と電気的に接続されている。
【0244】
また、本開示は、次のような画像表示装置として実現されてもよい。つまり、本開示のさらに他の一態様に係る画像表示装置は、画素16がマトリックス状に配置された表示画面20を有するアクティブマトリックス型の画像表示装置であって、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)と、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)とを具備する。また、画素16には、ゲート信号線17a(第1のゲート信号線)およびゲート信号線17b(第2のゲート信号線)が形成され、ゲート信号線17a(第1のゲート信号線)の一端は、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)の出力端子に接続され、ゲート信号線17a(第1のゲート信号線)の他端は、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)の出力端子に接続され、ゲート信号線17b(第2のゲート信号線)の一端は、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)の出力端子に接続され、ゲート信号線17b(第2のゲート信号線)の他端は、開放されている。
【0245】
また、本開示は、次のような画像表示装置として実現されてもよい。つまり、本開示のさらに他の一態様に係る画像表示装置は、画素16がマトリックス状に配置された表示画面20と、画素16に印加する映像信号を出力するソースドライバIC14(ソースドライバ回路)と、ソースドライバIC14(ソースドライバ回路)が出力する映像信号を伝達するソース信号線18と、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)と、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)と、画素16を選択する選択電圧、または画素16を非選択にする非選択電圧を伝達するゲート信号線17a(第1のゲート信号線)およびゲート信号線17b(第2のゲート信号線)を具備する。また、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)およびゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)は、非選択電圧または選択電圧を選択して、ゲート信号線17a(第1のゲート信号線)およびゲート信号線17b(第2のゲート信号線)に出力し、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)の走査・出力バッファ回路31a及び31b(走査回路)は、入力されたクロックの1クロック周期に同期して動作し、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)の走査・出力バッファ回路31a及び31b(走査回路)は、入力されたクロックのn(nは2以上の整数)クロック周期に同期して動作する。
【0246】
例えば、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)は、表示画面20の第1の辺に配置され、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)は、表示画面20の第1の辺と異なる第2の辺に配置されていてもよい。
【0247】
また、例えば、非選択電圧には、第1の非選択電圧(Voff1電圧、オフ電圧1)と第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)とがあり、任意の出力端子34に、選択電圧が出力された後の1クロック周期の期間において、任意の出力端子34に、第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)が出力され、第2の非選択電圧(Voff2電圧、オフ電圧2)が出力された後、任意の出力端子34に、第1の非選択電圧(Voff1電圧、オフ電圧1)が出力されてもよい。
【0248】
また、例えば、画素16には、それぞれ、EL素子15と、EL素子15に電流を供給する駆動用トランジスタ11aが形成されていてもよい。
【0249】
また、例えば、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)は、表示画面20の第1の辺に配置され、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)は、表示画面20の第1の辺と異なる第2の辺に配置され、ゲートドライバIC12(ゲートドライバ回路)は、ドライバICであり、ゲートドライバIC12a(第1のゲートドライバ回路)の個数は、ゲートドライバIC12b(第2のゲートドライバ回路)の個数よりも多くてもよい。
【0250】
本開示は、主として、画素16に映像信号電圧を印加する方式(プログラム電圧方式)を例示して説明した。しかし、本開示は、これに限定するものではない。画素16に映像信号電流を印加する方式(プログラム電流方式)であってもよい。また、PWM駆動のように、画素16を点滅あるいはデジタル的に点灯させて表示するデジタル駆動方式であってもよい。また、他の駆動方式であってもよい。発光面積で発光強度を表現する発光面積可変駆動であってもよい。
【0251】
一例として、PWM駆動とは、所定の電圧値をトランジスタ11bで画素16に印加し、階調に対応するビット数を、トランジスタ11dをオンオフさせて、階調表示する方式が例示される。
【0252】
また、トランジスタ11dをオンオフ制御し、表示画面20に帯状の黒表示(非表示)を発生させ、表示画面20に流れる電流量を制御する。
【0253】
また、表示画面20に流れる電流の大きさに基づいて、アノード電圧Vddを可変できるように構成することが好ましい。表示画面20に流れる電流が所定値よりも大きい場合は、アノード電圧Vddを低下させてパネルの消費電力を抑制する。表示画面20に流れる電流が所定値よりも小さい場合は、アノード電圧Vddを高くあるいは、所定の電圧を保持させて各画素16のEL素子15に規定の電流を流れるように制御する。
【0254】
上記実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)を様々な電子機器に適用することができる。具体的には、電子機器の表示部に適用することができる。
【0255】
そのような電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
【0256】
図32はディスプレイ(画像表示装置)であり、支柱232、保持台233、本願開示の画像表示装置(EL表示パネル)231を含む。
図32に示すディスプレイは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、
図32に示すディスプレイが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0257】
図33はカメラであり、シャッター241、ビューファインダ242、カーソル243を含む。
図33に示すカメラは、静止画を撮影する機能を有する。動画を撮影する機能を有する。なお、
図33に示すカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0258】
図34はコンピュータであり、キーボード251、タッチパッド252を含む。
図34に示すコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、
図34に示すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0259】
以上の実施の形態は、本開示の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。また、他の実施の形態と組み合わせることができることも言うまでもない。
【0260】
本実施形態の表示部に上記実施の形態で説明した画像表示装置(EL表示パネル)もしくは駆動方式を用いて構成とすることで、上述の
図32〜
図34の情報機器などを高画質化することができ、また、低コスト化を実現できる。また、検査、調整を容易に実施することができる。
【0261】
本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0262】
また、本開示において、各図面は理解を容易するために、また、作図を容易にするために、省略、拡大あるいは縮小した箇所がある。
【0263】
本開示の実施の形態に図示あるいは明細書で説明した事項あるいは内容は、他の実施の形態においても適用される。また、本開示の実施の形態で説明あるいは図示したEL表示パネルは、本開示の画像表示装置に採用できる。
【0264】
たとえば、
図34のノート型パーソナルコンピュータの画像表示装置231として、本開示の実施の形態で図示した、あるいは説明した画像表示装置(EL表示パネル)を採用し、また、情報機器を構成することができることは言うまでもない。
【0265】
また、同一番号または、記号等を付した箇所は、同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作、あるいは関連する事項、作用などを有する。
【0266】
各図面等で説明した内容は特に断りがなくとも、他の実施の形態等と組み合わせることができる。たとえば、
図1の本開示のEL表示パネルにタッチパネルなどを付加し、
図32、
図33、
図34に図示する情報表示装置などを構成することができる。
【0267】
本開示の画像表示装置とは、情報機器などのシステム機器を含む概念である。EL表示パネルの概念は、広義には情報機器などのシステム機器を含む。
【0268】
また、以上の実施の形態及びその変形例において、ゲートドライバIC12bの必要個数は、ゲートドライバIC12aの必要個数の1/2でよいと記載したが本開示はこれに限定するものではない。
【0269】
たとえば、各画素に4種類のゲート信号線17(17a、17b、17c、17d)が配置または形成され、ゲートドライバIC12に4つの走査・出力バッファ回路31(31a、31b、31c、31d)が形成され、ゲート信号線17aが両側駆動で、他のゲート信号線17(17b、17c、17d)が片側駆動の場合、
図1の構成では、ゲートドライバIC12bの個数は、ゲートドライバIC12aの1/4の個数となる。
【0270】
以上のように、本開示は、各画素のゲート信号線17の種類(本数)、ゲート信号線17の両側駆動と片側駆動の種別、ゲートドライバIC12内の走査・出力バッファ回路31の回路数により、ゲートドライバIC12の個数が決定される。
【0271】
ゲートドライバIC12bの走査・出力バッファ回路31aは、4n−3(nは、1以上の整数)番目の画素行のゲート信号線17aを駆動し、走査・出力バッファ回路31bは、4n−2(nは、1以上の整数)番目の画素行のゲート信号線17aを駆動し、走査・出力バッファ回路31cは、4n−1(nは、1以上の整数)番目の画素行のゲート信号線17aを駆動し、走査・出力バッファ回路31dは、4n(nは、1以上の整数)番目の画素行のゲート信号線17aを駆動する。
【0272】
以上のように、一方のゲートドライバIC12aの使用数量を、他方のゲートドライバIC12bの数量の整数倍をするものである。
【0273】
また、各画素のゲート信号線17の種類をmとし、mのうち両側駆動を行うゲート信号線17をn(n<m)とした時、一方のゲートドライバIC12aの使用数量を、他方のゲートドライバIC12bの数量のm/n倍をするものである。
【0274】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0275】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0276】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。