特許第6281172号(P6281172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6281172回転翼飛行も固定翼飛行もできる翼システムの航空機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6281172
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】回転翼飛行も固定翼飛行もできる翼システムの航空機
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/24 20060101AFI20180208BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20180208BHJP
   B64B 1/30 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   B64C27/24
   B64C27/08
   B64B1/30
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-43180(P2017-43180)
(22)【出願日】2017年3月7日
【審査請求日】2017年9月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513276765
【氏名又は名称】合同会社ICグロー
(72)【発明者】
【氏名】石黒 安男
【審査官】 前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03494707(US,A)
【文献】 米国特許第03797783(US,A)
【文献】 特開2012−111475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両翼が交わる中心点に設けた垂直軸を中心に該両翼が水平に回転して回転翼飛行する回転翼の航空機で、該回転翼の横に、さらにもう一体の回転翼を横並びに左右対称にして設けて各々の前記垂直軸を横軸等の支持部材で連接して固定して一体となって回転翼飛行できるようにするとともに、該回転翼飛行から固定翼飛行へ移行の為に該回転翼の回転を止めた時に、二体の該回転翼が固定翼モードでの水平飛行方向に対して直角線上に左右対称で、さらに該翼が直線的に連なる様な状態で停止して固定できるようにして水平飛行方向へ向けて左右に翼を広げた固定翼としてそのまま飛行できるようにした回転翼飛行も固定翼飛行もできる航空機において、二つの左右対称に並べて設けた前記回転翼が回転飛行時には各々の両翼の其々の片翼が回転方向向きで回転飛行するが、固定翼飛行に移行の為各々の前記両翼が直線的に連なる様になる状態で固定された時に、水平飛行方向の前向きとなる其々の翼だけにプロペラ等の推進動力を設けたことを特徴とした回転翼飛行も固定翼飛行もできる翼システムの航空機。
【請求項2】
請求項1において、二つの左右対称に並べて設けた2体の前記回転翼の各々の翼の枚数が3翼以上の場合に、固定翼飛行に移行の為に停止して固定された時には、前記回転翼の各々の翼の向き方向も、左右対称にした向き方向で固定するとともに該各々の翼の内の一翼以上が揚力を得られる向き位置となることを特徴とした回転翼飛行も固定翼飛行もできる翼システムの航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の回転翼飛行及び固定翼飛行の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、航空機の回転翼は固定翼としての機能は無く、非常時に一時的に代用されるか、水平飛行方向向きに回転させて推進動力とする程度であった。
【0003】
また、回転翼と固定翼との複合機においては、固定翼での水平方向への飛行時には、回転翼は飛行の役割を果さずに自由回転とするか、または、後方に折りたたんで空気抵抗を軽減させる航空機が見受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表第2009−541124号
【特許文献2】特開第2014−065477号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで本発明は、回転翼を固定翼としても利用して、垂直飛行はもちろん高高度への飛行及び長距離の水平飛行をするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明の請求項1は、両翼が交わる中心点に設けた垂直軸を中心に該両翼が水平に回転して回転飛行する回転翼の航空機において、該回転翼の横に、さらにもう一体の回転翼を横並びに左右対称にして設けて、各々の前記垂直軸を横軸等の支持部材で連接して固定して一体となって回転飛行できるようにするとともに、固定翼飛行の為に該回転翼の回転を止めた時に、二体の該回転翼が固定翼モードでの水平飛行方向に対して直角線上に左右対称で、さらに該翼が直線的に連なる様な状態で停止して固定できるようにして、水平飛行方向へ向けて左右に翼を広げた固定翼として、そのまま飛行できるようにした。
【0007】
本発明の請求項2は、請求項1において、二つの左右対称に並べて設けた前記回転翼が、回転飛行時には各々の両翼の其々の片翼が回転方向向きで回転飛行するが、固定翼飛行に移行の為、各々の前記両翼が直線的に連なる様になる状態で固定された時に、水平飛行方向に対し前向きとなる其々の翼だけにプロペラ等の推進動力を設けて飛行できるようにした。
【0008】
本発明の請求項3は、請求項1において、二つの左右対称に並べて設けた前記回転翼が、回転飛行時には各々の両翼の其々の片翼が回転方向向きで回転飛行するが、固定翼飛行に移行の為、各々の前記両翼が直線的に連なる様になる状態で固定された時に、水平飛行方向に対して後ろ向きとなる其々の翼側に可変ピッチプロペラによる推進動力を設けて、該翼の回転翼飛行時と固定翼飛行時にも動力飛行できるようにした。
【0009】
本発明の請求項4は、 請求項1において、二つの左右対称に並べて設けた2体の前記回転翼の各々の翼の枚数が3翼以上の場合に、固定翼飛行に移行の為に停止して固定された時には、前記回転翼の各々の翼の向き方向も、左右対称の向き方向で固定するとともに、該各々の翼の内の一翼以上が揚力を得られる向き位置となって飛行できるようにした。
【0010】
本発明の請求項5は、 請求項1において、二つの左右対称に並べて設けた2体の前記回転翼の各々の前記垂直軸を連接して固定して一体化する為の横軸等の前記支持部材を、さらに、固定翼の機能と形態を加えた支持部材にして、安定した飛行が
できるようにした。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、回転翼を、固定翼と同様に水平飛行方向に対して直角線上に左右対称に2体設けたことで、バランスが保たれて、回転翼から固定翼へ簡単に切り替える事ができ、航空機としても安全性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】は、本航空機の正面図で、最上部の2体の回転翼を左右対称の水平飛行方向向きに固定された状態時を示している。
図2】は、本航空機の側面図である。
図3】は、本航空機の平面図である。
図4】は、本航空機の平面図であるが、2体の回転翼が、各々4枚翼の場合のものである。
図5】は、回転翼と固定翼機能形態型の支待部材の右端部の部分拡大図で、回転翼の回転停止装置と、固定装置を表している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
翼が交わる中心点に設けた垂直軸を中心に水平に回転して回転飛行する回転翼の横に、さらに、もう一体の同様の回転翼を左右対称に並べて設けて、各々の前記垂直軸を横軸等の支持部材で連接して固定して一体となって回転飛行できるようにするとともに、固定翼飛行に移行の為に前記回転翼の回転を止めて固定した時には、2体の該回転翼は、水平飛行方向に対して、直角線上の左右対称の位置であり、各々の該回転翼の翼が2枚翼の場合は、前記直角線上に直線的に連なる様な状態になるようにして、また、各々の該回転翼の翼が3枚翼以上の場合は、各々の前記回転翼の内の1翼以上を揚力が得られる向きにして、水平飛行方向へ向けた固定翼としても飛行できるようにしたことで、回転翼飛行と固定翼飛行の両飛行を、該回転翼11の回転と固定の切り替えだけで、選択して飛行できるようにした。
【実施例1】
【0014】
まず、図面1から図面3までを説明すると、両翼が交わる中心点に設けた垂直軸20を中心に該両翼が水平に回転して回転飛行する回転翼11の航空機において、該回転翼11の横に、さらにもう一体の回転翼11を左右対称に並べて設けて、各々の前記垂直軸20を、横軸等からなる固定翼機能形態型の支待部材13で連接して固定して一体となって回転飛行できるようにするとともに、前記回転翼11の回転を止めて横並びの二体の該回転翼11の翼が、固定翼モードでの水平飛行方向に対して直角線上に左右対称で直線的に連なって固定できるようにして、水平飛行方向へ向けて左右に翼を広げた固定翼としても飛行できるようにしている。
【実施例2】
【0015】
また、二体の左右対称に並べて設けた回転翼11Rと11Lが回転飛行時には各々の両翼の其々の片翼が回転方向向きで回転飛行するが、固定翼飛行モードの為各々の前記両翼が連なる様に直線的になって固定された時に、水平進行方向に対して前向きとなる其々の翼だけにプロペラ18の推進動力を設けている。
【0016】
次に、図面4を説明すると、二つの左右対称に並べて設けた2体の回転翼11Rと11Lの各々の翼の枚数を4翼にして設けているもので、固定翼飛行モードの為に前記回転翼11Rと11Lの其々の翼が左右対称の向き位置で停止して固定された状態を示していて、水平進行方向に対して各々の翼の内の1翼だけが揚力が得られる前向きの状態であるが、垂直軸20を挟んで反対側の翼は、後ろ向き状態になるが、可動翼16と可変ピッチプロペラ19による推進動力を設けて、前進の水平飛行ができる様にしている。
【実施例3】
【0017】
次に、図面5を説明すると、回転翼11を水平飛行の為に固定翼状態として、其々、右側回転翼11Rの右部と、右側垂直軸20Rと、固定翼機能形態型の支待部材13の右部の部分拡大図で、前記回転翼11の回転停止装置として、該回転翼11の下側に収納されていて、必要時に引き出されて、下に向けて垂れ下げることができるフレーム状の掛り受け用枠23と、前記固定翼機能形態型の支待部材13の上側に収納されていて、必要時に引き出されて、上方に立ち上げることができ、前記掛り受け用枠23の下側を捕捉する為の捕捉部と断衝用の引きバネを備えた引掛け具付き伸縮棒24を設けていて、停止必要時には、各々が上下から出て来て、出会う所定の位置にて結合し、前記回転翼の回転を停止させるもので、前記回転翼の各々の両翼ともに、この回転停止装置を設けているが、設置場所を前記垂直軸20からの距離をずらしているため、両翼が其々の専用の位置で停止の捕捉が実行されることとなる。
【0018】
また、前記回転翼11が停止した後に、前記垂直軸20Rの上部に設けた回転止ピン25を、さらに、その上部の前記回転翼11Rに設けた回転止ピン挿入穴27に挿入して前記回転翼11Rを固定できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0019】
回転翼と固定翼の両用の航空機として、回転翼も固定翼として活用でき、また、安定して滑空できるグライダーの様に、翼を長く宏面積にする事ができ、回転翼航空機として、高高度の静止飛行が可能で、さらに、固定翼航空機として、長距離の物資輸送が可能となる。
【符号の説明】
【0020】
11…回転翼
11R…回転翼(右翼)
11L…回転翼(左翼)
13…固定翼機能形態型の支待部材
14…水平尾翼
15…垂直尾翼
16…可動翼
18…プロペラ
19…可変ピッチプロペラ
20…垂直軸
20R…垂直軸(右翼側)
20L…垂直軸(左翼側)
23…掛り受け用枠(回転停止装置)
24…引掛け具付き伸縮棒(回転停止装置)
25…回転止ピン(回転翼固定装置)
26…回転止ピン上下動操作棒(回転翼固定装置)
27…回転止ピン挿入穴(回転翼固定装置)
31…操縦室窓
35…脚部
【要約】
【課題】 航空機の、回転翼飛行と固定翼飛行の両飛行を、簡単に安定して切り替えて飛行できる翼システムを提供する。
【解決手段】 両翼が交わる中心点に設けた垂直軸を中心に水平に回転して回転飛行する該回転翼の横に、さらに、もう一体の回転翼を左右対称にして設け、各々の前記垂直軸を、固定翼の機能と形態を備えた支持部材で連接して固定して一体となって回転飛行できるようにして、該回転翼の回転を止めて、2体の該回転翼の翼が水平飛行方向に対して直角線上に左右対称な状態で固定し、水平飛行方向に向けて左右に翼を広げた固定翼として、そのまま飛行できるようにしたことを特徴とする。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5