特許第6281337号(P6281337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6281337通信装置、通信装置を備えた検針システム、及び通信装置における駆動信号検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6281337
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】通信装置、通信装置を備えた検針システム、及び通信装置における駆動信号検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20180208BHJP
   H04Q 9/14 20060101ALI20180208BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20180208BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311J
   H04Q9/14
   G08C15/00 B
   G08C17/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-49496(P2014-49496)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-177198(P2015-177198A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】日高 靖浩
【審査官】 永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−352366(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3086135(JP,U)
【文献】 特開平08−130533(JP,A)
【文献】 特開2009−206594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00−25/04
H03J 9/00− 9/06
H04B 1/60
H04B 1/76− 3/60
H04B 7/005− 7/015
H04B 17/00−17/40
H04L 1/00
H04L 1/08− 1/24
H04L 7/00− 7/10
H04L 13/02−13/18
H04L 29/00−29/12
H04M 11/00
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置の起動要求信号を受信したとき、当該起動要求信号の信号幅を検出し、検出した信号幅が予め設定した信号幅検出可能領域内にあるときのみ、前記起動要求信号を検出可能な通信装置であって、
信号幅検出可能領域を設定する手段と、
受信した起動要求信号の受信回数を所定幅の信号領域毎に計数する計数手段と、
計数手段で計数した起動要求信号の受信回数を、所定の信号幅毎に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した前記所定の信号幅毎の受信回数のうち、受信回数が最大又は所定の設定値を超えた信号幅をピーク値として決定し、設定済み信号幅検出可能領域を、当該ピーク値を中心にした所定幅を有する信号幅検出可能領域に変更する信号幅検出可能領域変更手段と、
を有し、
変更した信号幅検出可能領域を設定して前記起動要求信号を検出する通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載された通信装置において、
前記信号幅のピーク値の決定は、起動要求信号の受信回数が所定の設定値を超えたことを条件に行う通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載された通信装置において、
前記信号幅のピーク値の決定は、信号幅検出可能領域の設定後所定期間経過毎に行う通信装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載された通信装置において、
前記信号幅検出可能領域変更手段は、前記所定の設定値を超えた前記ピーク値が複数あるとき、最小のピーク値及び最大のピーク値間の領域を含む信号幅検出可能領域に変更する通信装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずかに記載された通信装置において、
前記信号幅は時間幅であり、前記計数手段は、起動要求信号の時間幅を計数する周期カウンタである通信装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載された通信装置において、
前記通信装置は検針システムにおける子機に電気的に接続された無線子機である通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載された通信装置と、検針メータ及びセンタとを備えた検針システム。
【請求項8】
他の通信装置の起動要求信号を受信したとき、当該起動要求信号の信号幅を検出し、検出した信号幅が予め設定した信号幅検出可能領域内であるとき、前記起動要求信号を検出可能な通信装置における駆動信号検出方法であって、
規定値を中心にした所定範囲の信号幅検出可能領域を設定する工程と、
受信した起動要求信号の受信回数を所定幅の信号領域毎に計数する計数工程と、
計数工程で計数した起動要求信号の受信回数を、所定の信号幅毎に記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記記憶手段に記憶した前記所定の信号幅毎の受信回数のうち、受信回数が最大又は所定の設定値を超えた信号幅をピーク値として決定し、設定済み信号幅検出可能領域を、当該ピーク値を中心にした所定幅を有する信号幅検出可能領域に変更する信号幅検出可能領域変更工程と、
を有し、
変更した信号幅検出可能領域を設定して前記起動要求信号を検出するようにした通信装置における駆動信号検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信装置を備えた検針システム、及び通信装置における駆動信号検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検針装置の無人化を図るため、検針メータの検針装置と無線子機を接続して、無線子機が検針メータから取得した「検針メータ検針値」及び「検針メータ警報」をセンタに送信するシステム(検針システム)が知られている(特許文献1参照)。
図8は、従来の検針システムの一例を模式的に示す図である。
この検針システムは、検針メータ(例えばガス検針メータ)1と、無線子機2と、無線親機3と、検針センタ(センタ)4から構成されている。
この検針システムにおいて、検針メータ1からの検針メータ検針値及び検針メータ警報は、検針メータ1に接続された無線子機2で受信し、無線子機2から無線通信により無線親機3、さらに無線親機3から図示しない公衆通信回線などを介してセンタ4に送信される。また、センタ4からは、検針要求などがこれとは逆の経路を経て検針メータ1に送信される。
【0003】
ところで、このような検針システムにおいて上述のような交信を行うためには、その前提として、検針メータ1と無線子機2とが交信できるように通信設定がなされていることが必要である。
図9は、検針メータと無線子機との間で行われる通信設定のための手順を概略的に示す図である。
検針メータと無線子機間における通信設定は、一般に、図9に示すように、まず検針メータ1から「起動要求信号」を開始信号として発信し、これを無線子機2が受信して検出することで始まる。即ち、検針メータ1から、起動要求信号を無線子機2に対して一定時間送信して通信開始の要求を伝える。起動要求信号を受信した無線子機2は、次にこれを起動要求信号として検出すると、検針メータ1に対してデータ送信要求を送信する。検針メータ1は、無線子機2からのデータ送信要求を受信すると、無線子機2に対してデータ送信応答を行う。これにより、検針メータと無線子機間の通信設定が確立する。
【0004】
なお、上述の手順において、無線子機2は、検針メータ1からの起動要求信号を受信したとき、以下の手順で起動要求信号の検出を行う。
即ち、まず、検針メータ1から送信される「起動要求信号」は、通常は、起動要求信号の信号幅(時間幅)として規格化されたもの(規格信号幅)が用いられる。
次に、起動要求信号の検出幅として、規格時間幅「Ams(ミリ秒)」を用い、それに誤差「Bms」を加えて、信号幅(時間幅)「A」ms±「B」msの時間幅(ここでは、規定値又は信号幅検出可能領域という)を設定する。
次に、無線子機2は、この規定値内にある受信信号(起動要求信号)を、起動要求信号として検出し、他方、「起動要求信号」の規定値内でなければ、起動要求信号として検出せず受信した起動要求信号を破棄する。
【0005】
図10は、以上の説明を図解したものであり、検針メータ1から発信する起動要求信号の信号幅と、無線子機2における検出可否の関係を説明する図である。
即ち、検針メータ1から起動要求信号X、Y、Zが発信された場合において、起動要求信号Xの信号幅は、規格信号幅−誤差の信号幅検出可能領域に届かず、また、起動要求信号Zの信号幅は規格信号幅+誤差の信号幅検出可能領域を超えるため、検出失敗としていずれも無線子機2側で破棄される。起動要求信号Yだけが、規格信号幅±誤差の領域内の信号幅を有するために、起動要求信号として検出されることを示している。
【0006】
ところで、検針メータ1から送信される起動要求信号の信号幅を規格信号幅に設定しても、実際に受信する起動要求信号は、規格信号幅を中心に分布した信号幅を持つ。そのため、上述のように、この規格信号幅に誤差を加えた信号幅を設定して、実効上問題のない程度の確率で起動要求信号が検出できるようにしている。
しかし、これに加え、起動要求信号の信号幅は、周囲の通信環境或いは経年変化等により変化するため、実際に受信する起動要求信号の信号幅の規格幅からのずれが大きくなると、それに伴って起動要求信号の誤差の範囲から逸脱する起動要求信号が増える。そのため、そのままでは、検針メータ1から起動要求信号が発信されて無線子機2がそれを受信しても、検出されずそのまま破棄される可能性がある。つまり無線子機2が起動要求信号を取りこぼすケースが増え、その場合は、検針メータ1と無線子機2間の通信設定ができないケースが増えるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−10409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、通信装置、例えば前記従来の検針メータと無線子機間における前記問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、他の通信装置からの起動要求信号の通信幅(時間幅)が設定値から時間をかけて変化したとき、それに合わせて起動要求信号検出幅を当該通信幅のピーク値で自動追従して変更することで、受信側通信装置における起動要求信号の取りこぼしを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、他の通信装置の起動要求信号を受信したとき、当該起動要求信号の信号幅を検出し、検出した信号幅が予め設定した信号幅検出可能領域内にあるときのみ、前記起動要求信号を検出可能な通信装置であって、信号幅検出可能領域を設定する手段と、受信した起動要求信号の受信回数を所定幅の信号領域毎に計数する計数手段と、計数手段で計数した起動要求信号の受信回数を、所定の信号幅毎に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した前記所定の信号幅毎の受信回数のうち、受信回数が最大又は所定の設定値を超えた信号幅をピーク値として決定し、設定済み信号幅検出可能領域を、当該ピーク値を中心にした所定幅を有する信号幅検出可能領域に変更する信号幅検出可能領域変更手段と、を有し、変更した信号幅検出可能領域を設定して前記起動要求信号を検出する通信装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、他の通信装置からの起動要求信号の通信幅(時間幅)が設定値から時間をかけて変化したとき、それに合わせて起動要求信号検出幅を当該通信幅のピーク値で自動追従して変更することで、受信側通信装置における起動要求信号の取りこぼしを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の起動要求信号の受信側となる通信装置の実施形態に係る無線子機の構造を示すブロック図である。
図2】起動要求信号幅統計カウンタテーブルの一例を示す図である。
図3図2のカウンタテーブルのデータに更に検出不可、検出可能の表示を加え、さらに、その上段に、起動要求信号の検出幅分布とピーク値を、縦軸に比率(%)、横軸に時間(ms)をとって示した棒グラフを追加した図である。
図4】検針メータから受信した起動要求信号の信号幅が規格値からずれた場合を示す図3と同様の図である。
図5】ピーク値が2つある場合における図3と同様の図である。
図6】起動要求信号を検出して検針メータとの通信を行い、取得したデータをセンタに送信するまでの処理手順を説明するフロー図である。
図7図6のフローのサブルーチンであってステップS108の処理を示すフロー図である。
図8】従来の検針システムの一例を模式的に示す図である。
図9】検針メータと無線子機との間で行われる通信設定のための手順を概略的に示す図である。
図10】検針メータから発信する起動要求信号の信号幅と、無線子機側における検出可否の関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の起動要求信号の受信側となる通信装置の実施形態に係る無線子機2の構造を示すブロック図である。
無線子機2は、無線子機2全体を制御し、本発明の信号幅検出可能領域変更手段として機能するCPU(Central Processing Unit)101で構成された制御部101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、操作部104、表示部105、無線親機3又はセンタ4と通信するための通信部である特定小電力無線部106とアンテナ107、起動要求信号の送信側となる通信装置である検針メータと接続するための検針メータI/F(インタフェース)108、電源部109から成っている。
【0013】
ROM102は、CPU101を動作させるためのプログラム、例えば、信号幅検出可能領域の変更のための処理を実行する信号幅自動追従プログラム等を保存する。
RAM103は、CPU101の動作のための一時的な記憶領域として機能する記憶手段であって、起動要求信号幅統計カウンタテーブル(カウンタテーブルと略称する)を有し、起動要求信号の信号幅の検出値に関する統計データ等を保存する。
操作部104は、例えばキーなどの操作手段を備え、無線子機の装置状況確認、設置操作、通信試験を行う。
【0014】
表示部105は、例えば、LED等の表示手段を備え、設置確認結果、試験結果表示などを行う。
特定小電力無線部106は、外部通信装置、即ち無線親機やセンタからの検針データの要求信号の受信とそれに応じた外部への検針データの送信等を行う通信手段として働く。
電源部109は、本無線子機の駆動電源となる電池等で構成されている。
【0015】
なお、本実施形態の無線子機2には、図示しない計数手段である周期カウンタが設けられている。この周期カウンタは、検針メータ1からの起動要求信号の、単位データ当たりに要するデータの移動時間経過毎に出力する周期タイマと、周期タイマの出力を積算するカウンタとから構成され、カウンタのカウント値によって信号幅(時間;ms)を求める。
【0016】
無線子機2は、検針メータ1と無線子機2間の通信で「起動要求信号」を受信した際の信号幅を、周期カウンタで所定の信号幅毎にカウントし、そのカウント値を信号幅毎に設けた、RAM103内の「カウンタテーブル」に保存(又は蓄積)する。
本実施形態では、この「カウンタテーブル」に保存した検出幅データ(統計データ)に基づき、後述するように、現在設定されている信号幅検出可能領域を、その所定の信号幅毎の受信頻度(受信回数)から、頻度の相対的に高い部分を基準に変更して再設定する。つまり、無線子機2は、検針メータからの受信信号(起動要求信号)の信号幅の分布に合わせて、信号幅検出可能領域を自動で可変制御する。
【0017】
以下、本実施形態に係る無線子機2において、信号幅検出可能領域を自動変更する処理について説明する。
まず、カウンタテーブル(起動要求信号幅統計カウンタテーブル)について説明する。
図2は、カウンタテーブル(起動要求信号幅統計カウンタテーブル)の一例を示す図である。
カウンタテーブルは、無線子機2が受信した起動要求信号(検出前の起動要求信号)の信号幅(検出幅)を周期カウンタで計測した結果、即ち、計測した起動要求信号幅(時間幅、単位ms)の所定時間幅単位(図示例では100ms単位)毎のカウンタ値(受信回数)、及び全体の受信回数に対する当該時間単位における受信回数の比率、つまり、検出幅(ms)、周期カウンタによる受信回数、全体比率を蓄積したものである。
【0018】
ここで、検出幅は、無線子機2が検針メータ1から受信した起動要求信号の信号幅を時間(ms(ミリ秒))で表したものである。受信回数カウンタ値は、周期カウンタで計測した無線子機2の検針メータ1からの受信信号の受信回数を、所定の検出幅毎(ここでは100ms毎)に合計した回数である。全体比率は、一定期間における全受信回数に対する、所定の検出幅毎の受信回数の割合を%で示した数値である。
周期カウンタは、検針メータ1から無線子機2に起動要求信号の着信があると、その信号幅を信号幅の所定の単位幅毎に計数する。CPU101は、周期タイマの1回の出力毎に「カウンタテーブル」内の所定の検出幅毎の「受信回数カウンタ値」を1増加(インクリメント)してRAM103に蓄積する。また、CPU101は、所定の検出幅毎の受信回数カウンタ値の全体受信回数に対する受信比率を再計算して、該当するカウンタ値の位置に保存する。
【0019】
次に、カウンタテーブルに蓄積されたデータに基づき信号幅検出可能領域(規定値)を変更する処理について説明する。
図3は、図2のカウンタテーブルのデータに更に検出不可、検出可能の表示を加え、さらに、その上段に、起動要求信号の検出幅分布とピーク値を、縦軸に比率(%)、横軸に時間(ms)をとって示した棒グラフを追加した図である。
【0020】
図3は、検出可の領域(信号幅検出可能領域)に入る起動要求信号は、起動要求信号として検出し、逆に、この規定値外では、起動要求信号として検出しないことを示している。
全体比率では、100ms単位毎に、全体の受信回数に対する当該検出幅における受信回数の比率が示されており、この例では、最も高い値(ピーク値)は47%である。また、これに対応する検出幅は、基準値A幅(基準値Ams以上でA+100ms未満)で、ここには規格値が入っている。
このカウンタテーブルの検出幅データ例によれば、無線子機2は、全体の受信数のうちその94%は起動要求信号として検出可能である。なお、検出不可の割合は基準値(最小)未満が3%、基準値(最大)以上が3%の計6%あるが、この検出幅データは、規格通りに規定値を設定したことで実効上とくに問題のないことを示している。
【0021】
図4は、検針メータに起因し或いは設置環境および経年変化等に起因して、検針メータから受信した起動要求信号の信号幅が規格値からずれた場合を示す図3と同様の図である。
ここでは、受信した起動要求信号の受信回数の信号幅(検出幅)におけるピーク値が、規定値の基準値から−200msずれた場合を示している。
この場合、無線子機2の信号幅検出可能領域が規格値に基づく信号幅検出可能領域(規定領域;基準値±200ms)に固定であると、全体として基準値(−200ms)未満の22%、基準値(+200ms)以上の3%の計25%が検出できないことになる。つまり、4回に1回は検針メータ1側からの起動要求信号が無線子機側で検出できず、したがって両者の通信が行われない。
【0022】
そこで、図4の例では、無線子機2(のCPU101)は、カウンタテーブルから、受信頻度数(全体比率)の最も高い値(47%)に対応する検出幅(ピーク値)に基準値を再設定して、それに誤差範囲を加えた新基準値±200msを新たな設定値即ち信号幅検出可能領域に設定し直す。再設定により規格値を外れそうな時は、規格値を含んだ設定値とすることもできる。
【0023】
なお、ピーク値選択の際のカウンタテーブルの検出幅等の蓄積量については、安定したピーク値を選択出来るように、受信回数の総数に規定値(又は閾値)を設けておき、受信回数の総数が規定値を超えたときにピーク値を決定するようにしてもよい。
また、受信回数の総数に代えて、時間、日付(例えば30日分)など一定期間中の受信回数のカウント値を保存しておき、カウント値が一番大きい検出幅をピーク(中心)として検出領域を決定する条件としてもよい。
【0024】
また、ピーク値を決定する場合に、全体に対する比率に規定値(又は閾値)を設けておき、その規定値を超えたもののみをピーク値とすることもできる。
この場合、規定値(閾値)を超えた比率のものが複数ある場合は、そのうち最小のものに対応する検出幅(ピーク値1)と最大のものに対応する検出幅(ピーク値2)をピーク値として決定し、小さいピーク値1から「−誤差」分を減算し、大きいピーク値2からは、「+誤差」分を加算して、新たな信号幅検出可能領域とし、この変更した信号幅可能領域に基づき、起動要求信号の検出を行う。
【0025】
図5は、ピーク値が2つある場合における図3と同様の図である。
この場合も、無線子機2側で設定済みの信号幅検出可能領域に基づき起動要求信号を検出すると、規定値(最小)未満で13%、規定値(最大)以上で3%の計16%は、無線子機2側で取りこぼされることになる。
そこで、ここでは、それぞれのピーク値1、2に基づき、つまり、下限はピーク値1から誤差200msを引いた値とし、上限はピーク値2に誤差200ms加えた値の領域、つまり、ピーク値−200msとピーク値2+200ms間の領域を信号幅検出可能領域として、設定された信号幅検出可能領域を変更する。これにより、検出不可比率は、下限側(ピーク値1−200ms)1%、上限側(ピーク値2+200ms)3%の計4%のみとなる。
【0026】
なお、このピーク値を基準とした信号幅検出可能領域設定は、通信傾向が安定(受信回数の総数が所定の規定値以上との場合)したところで行い、設定が終了するまでは、予め定検針メータ(本来の)規定値内の検出幅で動作させるようにするのが好ましい。
このように、設定済みの信号幅検出可能領域を変更して新たな信号幅検出可能領域を再設定することにより、規定値を外れる「起動要求信号」を極力減らし、高い確率で起動要求信号を検出することができる。
【0027】
本実施形態によれば、設置された現場において発生する起動要求信号の受信回数をその信号幅毎にカウントして蓄積し、蓄積したデータを基に、信号幅検出可能領域の設定を行うので、検針メータからの起動要求信号の通信幅(時間幅)が設定値から変化したとき、それに合わせて起動要求信号検出幅を自動で追従して変更し、それによって、無線子機2における起動要求信号の取りこぼしを防止することができる。即ち、現場での信号幅検出可能領域設定後に「起動要求信号」の信号幅が、経年変化などによりゆっくり変化しても、その変化に追従した信号幅検出可能領域の設定ができる。
更に、複数のピーク値を包括した設定を行うことができるので、検出した起動要求信号幅の検出幅の分散が大きい場合であっても確率の高い検出が可能である。
【0028】
次に、以上で説明した信号幅検出可能領域の設定のために、無線子機2側で行う制御の処理手順について添付図面を参照して説明する。
図6は、起動要求信号を検出して検針メータ1との通信を行い、取得したデータをセンタに送信するまでの処理手順を説明するフロー図である。
即ち、まず、無線子機2のRAM103に設けたカウンタテーブルを初期化し、かつ信号幅検出可能領域(有効検出幅)を初期基準値で初期化する(S101)。
【0029】
ここで、起動要求信号がオンになる(発信する)まで待ち(S102、No)、起動要求信号がオンになれば(S102、Yes)、周期カウンタの信号幅カウント値をリセットし(S103)、一定時間経過後(S104)、起動要求信号がオンの状態中は(S105、Yes)、起動要求信号がオフになるまで信号幅カウントを1ずつ加算する(S106)処理を繰り返す。
【0030】
ステップS105で、起動要求信号がオンでなくなれば(S105、No)、信号幅時間が確定するので(S107)、次に、信号幅検出可能領域をチェック(判別)する。このステップでは、図7のフロー図において説明するサブルーチンを実行する(S108)。その後、起動要求信号が信号幅検出可能領域(図中では有効検出幅)内か否か判定し(S109)、信号幅検出可能領域(有効検出幅)内であれば(S109、Yes)、検針メータとの通信を実施する(S110)。ここで、検針メータからの応答があり、検針メータ通信が成功すれば(S111、Yes)、検針メータ取得データをセンタにデータ送信して(S113)、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0031】
ステップS109で、起動要求信号幅が信号幅検出可能領域(有効検出領域)内でない場合(S109、No)、ならびにステップS111で、検針メータ通信が成功でない場合(S111、No)は、検針メータとの通信が失敗である(S114)ので、ステップS102に戻り処理を繰り返す。
【0032】
図7は、図6のフローのサブルーチンであってステップS108の処理手順を示すフロー図である。
図6のステップS107で信号幅(検出幅;時間)が確定すると、CPU101は、カウンタテーブルの該当する受信回数(カウント値)を+1し(S201)、検出回数の総数を+1する(S202)。次に、カウンタテーブルの全体比率を再計算して更新する(S203)。ここで、総数が規定値を超えたときは(S204、Yes)、データ取得数が足りた状態であるので、所定幅毎に合計した受信回数の全体の受信回数に対する比率(図中では全体比率)が規定値を超えていれば(S205、Yes)、ピーク値が安定しているので、次はピーク値が単数であれば(S206、No)、ピーク値から「−誤差」分を引いた時間幅(最小有効幅)を決定し(S207)、かつ、ピーク値に「+誤差」分の時間幅を加えた時間幅(信号幅検出可能領域;図中では最大有効幅)を決定して(S208)、この処理を終了する。
なお、ステップS204で総数が規定値を超えないときは(S204、No)、データ取得数が足りないので、ピーク値が安定せず、したがって、信号幅検出可能領域(最大有効幅、最小有効幅)は変更せず(S212)、この処理を終了する。
【0033】
なお、カウンタテーブルに蓄積した統計データが増えてくると、小さな変化に追従し難くなる。そのため、カウンタテーブルに蓄積した検出幅データ(統計データ)等から信号幅検出可能領域を設定したときは、蓄積した統計データをリセットする。そのリセットのタイミングは、検出幅データ量(例えば、最大300件としてリングバッファに蓄積して古いものから上書きする)、或いは蓄積開始から一定の日数の経過したものを削除するなどが考えられる。
ステップS206において、ピーク値が複数であれば(S206、Yes)、カウンタテーブルの検出幅データから、最小検出幅:ピーク値1と最大検出幅:ピーク2を決定する(S209)。次に、ピーク値1の時間幅から−誤差分の時間幅を減算した有効幅最小値を決定すると共に(S210)、ピーク値2の時間幅に+誤差分の時間幅を加算して有効幅最大値を決定し(S211)、信号幅検出可能領域を決定してこの処理を終了する。
【0034】
なお、以上で説明した信号幅検出可能領域の設定に当たり、無線子機の初期設置時は、信号幅の検出領域を規格値で設定する。そのため、例えば700ms、1300msなど規定値以外の信号幅を持った起動要求信号を受信した場合、検出幅データ(カウンタテーブルの記録データ)により信号幅検出可能領域が変更されるまでの間、起動要求信号が検出できないことが考えられる。
【0035】
そこで、初期設定時には、例えば仮運用期間を設けて、最初の数回(例えば10回程度)検針メータからの起動要求信号を受信し、回数が多い検出幅をピークとして検出信号幅を決定することもできる。
また、初期設定時に、最初から受信した起動要求信号に追従するよう、つまり、最初に受信した起動要求信号を中心に±誤差を加えた信号幅検出可能領域を設定してもよい。
さらに、以上で説明したように、信号幅検出可能領域をピーク値に応じてずらすだけではなく信号幅検出可能領域の規格値を満たすよう幅自体を変更する(広げる或いは狭める)ようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1・・・検針メータ、2・・・無線子機、3・・・無線親機、4・・・センタ、101・・・CPU、102・・・ROM、103・・・RAM、104・・・操作部、105・・・表示部、106・・・特定小電力無線部、107・・・アンテナ、108・・・検針メータI/F、109・・・電源部。
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