(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記壁板部(11a〜11c)の外面から夫々前記一つのロア側板部(3b1)方向に突出するように形成され前記第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動きを阻止する第1及び第2の動き止め部(11d、11e)を備えた請求項1記載のセキュリティ機器。
前記囲繞壁部(11)の各壁板部(11b、11c)のうち前記第2の開口(11k)側の端部(11b2、11c2)と前記第1の開口(11j)側の端部(11b1、11c1)とにかけて斜状部(21)を構成した請求項1から3のいずれか一項記載のセキュリティ機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、表示器が薄形で大型化しており、監視状況を映し出すことも容易となっている。このような大型の表示器をケースに搭載する場合、表示器の外周縁部がケースの周縁部近くまで到達する形態となるため、ケースにおける余白部分が当該ケースの周縁部近くのみとなってしまう。このため、前記光センサを設置する部分もロアケースの周縁部近くとなってしまう。すると、前記不正道具が光センサに届きやすくなって、アッパケースの不正開放が検出される前に当該光センサが壊されてしまうおそれがある。光センサが壊されると、光センサが開放検出信号を出力できなくなってしまう。このためアッパケースが不正に開放されてもこれを検出できなくなってしまい、警備会社などへの通報ができなくなってしまう。
【0007】
又、光センサがロアケースの周縁部(ロアケースとアッパケースとの接合部分)近くに位置することで、ホームコントローラを窓際等に設置した場合にケース外部からの強い光(太陽光)がケース内に入りやすくなってしまい、光センサが誤動作するおそれもある。さらに、上述したケースにおける余白部分が狭いため、光センサをねじ止めなどにより取り付ける場合、狭いところでの取付作業となるため、取付作業が面倒となる不具合もある。
【0008】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アッパケースの開放検出用の光センサを備えたセキュリティ機器において、光センサが不正に壊されることを回避できると共に、光センサが外部光によって誤動作することを回避でき、さらに光センサの取り付けも容易となるセキュリティ機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明においては、ケース(2)の内部に表示器(8)を備えている。表示器(8)は前述したように大型化してきていることから、大型の表示器(8)を採用することを考慮すると、アッパケース開放検出用の光センサ(9)は、ロアケース(3)において開放側のロア側板部(3b3)の近くに設けられる。
このように光センサ(9)が、ロアケース(3)の開放側のロア側板部(3b3)の近くに設けられると、賊が不正道具を用いてロアケース(3)とアッパケース(4)との接合部でアッパケース(4)をこじ開けようとしたときに、不正道具が光センサ(9)に届きやすくなって当該光センサ(9)を壊してしまうおそれがある。
【0010】
この点、この請求項1の発明では、光センサ(9)を囲繞壁部(11)によって囲繞するので、光センサ(9)の近くである前記開放側のロア側板部(3b3)及び開放側のアッパ側板部(4b3)の接合部から不正道具がケース(2)内部に進入し得たとしても、この囲繞壁部(11)によって不正道具のそれ以上の光センサ(9)方向への進入を阻止でき、光センサ(9)が壊されることを回避できる。
【0011】
特に、請求項1の発明では、上記囲繞壁部(11)を、前記開放側のロア側板部(3b3)及びこれの両側に連なるロア側板部(3b2、3b4)と光センサ(9)との間に介在する壁板部(11a〜11c)を有する構成としたので、不正道具が開放側のロア側板部(3b3)から光センサ(9)に対して向かってきたとしても、又、前記開放側のロア側板部(3b3)の両側に連なるロア側板部(3b2、3b4)から向かってきたとしても、不正道具の光センサ(9)への進入を阻止できる。なお、光センサ(9)は、回動支点側である一つのロア側板部(3b1)及び一つのアッパ側板部(4b1)とは遠いので、この方向から光センサ(9)が壊されることはない。
【0012】
又、光センサ(9)が、ロアケース(3)の前記開放側のロア側板部(3b3)の近くに位置することで、セキュリティ機器を窓際等に設置した場合にケース(2)外部から太陽光などの外部光が光センサ(9)に入りやすくなることが懸念されるが、この請求項1の発明によれば、前記開放側のロア側板部(3b3)及びその両側のロア側板部(3b2、3b4)と光センサ(9)との間に介在する囲繞壁部(11)の壁板部(11a〜11c)により光センサ(9)に外部光が入ることを防止できる。従って、光センサ(9)の誤動作も防止できる。
【0013】
又、外部光の入光防止の観点から、前記囲繞壁部(11)の壁板部(11a〜11c)と光センサ(9)との隙間を小さくする形態、つまり囲繞壁部(11)を光センサ(9)より僅かに大きい程度とすると良い。しかし、囲繞壁部(11)を光センサ(9)より僅かに大きいぐらいの大きさとすると光センサ(9)を囲繞壁部(11)内に配置し難くなることが予想される。又、表示器(8)と前記開放側のロア側板部(3b3)との間も狭いことから光センサ(9)の取り付けも難しくなると予想される。
【0014】
この点、請求項1の発明では、係止爪部(12、13)を、囲繞壁部(11)の両端部(11b1、11c1)と対向するようにロアケース(3)に形成したので、前記光センサ(9)を前記第2の開口(11k)に対応させた状態で前記センサ用基板(10)の第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)を前記囲繞壁部(11)の前記両端部(11b1、11c1)と各係止爪部(12、13)との間に挿入させれば、当該各端部(11b1、11c1)と各係止爪部(12、13)とで上記挿入をガイドできて、光センサ(9)を簡単に囲繞壁部(11)内に配置できる。そして、センサ用基板(10)を挿入するのみで当該センサ用基板(10)を当該各端部(11b1、11c1)と各係止爪部(12、13)とで係止固定できる。つまり、囲繞壁部(11)の一部を利用した係止手段(14)により、光センサ(9)を簡単に囲繞壁部(11)内に配置できると共に取付固定できる。
【0015】
又、アッパケース(4)が回動支点を中心として開放された場合に当該アッパケース(4)の前記開放側のアッパ側板部(4b3)が先にロアケース(3)に対して離間(開放)する。そして被検出部(16)をアッパケース(4)の前記開放側のアッパ側板部(4b3)側に設け、光センサ(9)をロアケース(3)の前記開放側のロア側板部(3b3)側に設けているので、アッパケース(4)の開放角度が小さくても、当該アッパケース(4)の開放を直ちに検出することができる。
【0016】
又、請求項2の発明では、さらに、前記壁板部(11a〜11c)の外面から夫々前記一つのロア側板部(3b1)方向に突出するように形成され前記第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動きを阻止する第1及び第2の動き止め部(11d、11e)を備えている。
【0017】
前記係止手段(14)の係止爪部(12、13)の係止力によってセンサ用基板(10)の第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動き止めも期待できるが、この請求項2の発明のように第1及び第2の動き止め部(11d、11e)を備えることで、第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動き止めを確実にできる。
【0018】
又、請求項3では、前記センサ用基板(10)は前記第1の開口(11j)を閉塞するようにしている。これによれば、囲繞壁部(11)とセンサ用基板(10)とで光センサ(9)の全周囲を囲繞する形態となるので、ロアケース(3)及びアッパケース(4)の接合部全周のどの部分から外部光が進入したとしても、確実に遮光することができる。
【0019】
又、請求項4の発明は、前記囲繞壁部(11)の各壁板部(11b、11c)のうち前記第2の開口(11k)側の端部(11b2、11c2)と前記第1の開口(11j)側の端部(11b1、11c1)とにかけて斜状部(21)を構成している。これによれば、光センサ(9)の取り付け時において、センサ用基板(10)を、前記斜状部(21)に摺接させつつ前記各端部(11b1、11c1)方向へ移動させれば、当該センサ用基板(10)を前記各端部(11b1、11c1)と各係止爪部(12、13)との間に自ずと挿入させることができ、光センサ(9)の取り付けが容易となる。つまり、前記斜状部(21)を、囲繞壁部(11)の各端部(11b1、11c1)と各係止爪部(12、13)との間へセンサ用基板(10)を挿入するときのガイドとすることができる。
【0020】
請求項5の発明においては、前記アッパケース(4)の一つのアッパ側板部(4b1)は前記ロアケース(3)の一つのロア側板部(3b1)に係合手段(5)により回動可能に係合し、前記係合手段(5)は、前記一つのアッパ側板部(4b1)に形成した被係合部(5b)と、前記一つのロア側板部(3b1)に形成した係合部(5a)とから構成され、前記被係合部(5b)は前記係合部(5a)に対して側方から係脱可能に係合しロアケース(3)に対してアッパケース(4)が離反する方向には外れない構成であり、前記開放側のロア側板部(3b3)及び前記開放側のアッパ側板部(4b3)には前記ロアケース(3)に対する前記アッパケース(4)の閉塞状態をロックするロック手段(6)を備え、前記ケース(2)には特定操作により前記ロック手段(6)のロックを解除するためのロック解除部(15a)を備えている。
【0021】
これによれば、アッパケース(4)が閉塞された状態では、当該アッパケース(4)はロアケース(3)に対して離反する方向には外れない。つまり、係合手段(5)部分ではアッパケース(4)がロアケース(3)に係合されていて当該アッパケース(4)を外せない。そこで、前記開放側のロア側板部(3b3)及び前記開放側のアッパ側板部(4b3)に前記ロアケース(3)に対する前記アッパケース(4)の閉塞状態をロックするロック手段(6)を備えることで、1つのロック手段(6)によりアッパケース(4)の全体的な閉塞をロックできる。
【0022】
さらに、本請求項5の発明においては、特定操作によりロック手段(6)のロックを解除するためのロック解除部(15a)を備えることにより、ユーザーの特定操作により簡単にロックを解除でき且つ賊に対して簡単にロックを解除できないようにできる。
【0023】
ところが上述の構成においては、常習的な賊の場合、わざわざこのロック解除部(15a)が有る前記開放側のロア側板部(3b3)を狙って不正道具を差し込むことも懸念される。この場合、このロック解除部(15a)が存在する前記開放側のロア側板部(3b3)及び前記開放側のアッパ側板部(4b3)部分に上述の光センサ(9)も存在するため、この光センサ(9)が前記不正道具によって壊される確率も高くなることが予想される。しかし、この請求項5の発明では、光センサ(9)に対する破壊行為確率が高い場合でも、前述したように囲繞壁部(11)により光センサ(9)を有効に防御できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1実施形態について
図1〜
図11を参照して説明する。
図1には、例えばセキュリティシステムのホームコントローラなどに採用されるセキュリティ機器1を示している。セキュリティ機器1のケース2は、合成樹脂製のロアケース3とアッパケース4とを有して構成されている。なお、上記ケース2は建物などの垂直な壁面などに配設されるが、以下の構成説明においては、便宜上、ロアケース3が適宜の水平面に置かれていると仮定して説明する。
【0026】
ロアケース3は、矩形状をなすロア主板部3aと、当該ロア主板部3aの各辺縁部から相互に連続して立ち上がる4つのロア側板部3b1〜3b4を有する構成としている。なお、ロア側板部3b1を第1のロア側板部3b1と称し、ロア側板部3b2を第2のロア側板部3b2と称し、ロア側板部3b3を第3のロア側板部3b3と称し、ロア側板部3b4を第4のロア側板部3b4と称する。
【0027】
一つのロア側板部に相当する前記第1のロア側板部3b1には、係合手段5(
図2及び
図3参照)の係合部に相当する二つの係合孔部5a、5aが形成されている。前記第1のロア側板部3b1とは反対側である開放側のロア側板部に相当する第3のロア側板部3b3には、ロック手段6(
図2〜
図4参照)の一部を構成するロック片部6aを上方へ延出するように形成しており、このロック片部6aは、
図3に二点鎖線で示すように可撓変形可能である。このロック片部6aには係止孔部6bが形成されている。
【0028】
上記ロアケース3のロア主板部3a内面には、図示しないセキュリティ機能を実現するための電子部品(図示せず)を実装した制御基板7が配設されていると共に、この制御基板7に矩形状をなす表示器8が搭載されている。この表示器8は、例えば液晶ディスプレーから構成され、一面に表示面8aを有する。この表示器8は、平面的な大きさが大きく、外周縁部はロアケース3の各ロア側板部3b1〜3b4の近くまで到達する。このため、表示器8の外周縁部とロアケース3の各ロア側板部3b1〜3b4との間(余白部分)は比較的狭くなっている。
【0029】
図2に示すように、光センサ9は、前記ロアケース3において、表示器8と開放側の第3のロア側板部3b3と間となる部位に、後述する係止手段14により取り付けられている。この光センサ9はアッパケース開放検出用である。この場合、表示器8の外周縁部と第3のロア側板部3b3との間が狭いことからこの光センサ9は第3のロア側板部3b3の近くに位置する。
【0030】
この光センサ9は光透過型であり、
図7及び
図8に示すように、橋架部9hの両端部に一対のほぼ平行なアーム部9a、9bを一方向に突出した形態をなす。前記アーム部9a、9bの内部にそれぞれ発光部及び受光部を備えており、このアーム部9a、9bの間が検出領域9Eとなっている。そして、この光センサ9の一面(アーム部9a、9b先端面と反対側の面)を基板取付面9iとしている。この基板取付面9iにはセンサ用基板10が取り付けられている。当該センサ用基板10と光センサ9とは一体物(センサユニット)とされている。
【0031】
前記センサ用基板10は、光センサ9より上下方向に長い寸法であり、当該センサ用基板10の上部に光センサ9が位置する。つまり、センサ用基板10には、光センサ9より下方(ロア主板部3a方向)へ突出する突出部10aを有する。
このセンサ用基板10の突出部10aの両端部は、光センサ9の両側部9a1、9b1より横方向に張り出していて、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを構成している。
【0032】
前記光センサ9は後述より明らかとなるが表示器8と開放側の第3のロア側板部3b3との間に設けられる。
囲繞壁部11は、
図5、
図6、
図9、
図10に示すように、ロアケース3のロア主板部3aの内面に当該内面から上方向(アッパケース4のアッパ主板部4a(後述する)内面方向)へ立ち上がる形態に形成されている。この囲繞壁部11は光センサ9を囲繞するものである。
【0033】
この囲繞壁部11は、光センサ9と第3のロア側板部3b3及びこれの両側に連なるロア側板部3b2、3b4との間に介在する壁板部である第1〜第3の壁板部11a〜11cを有する。この場合、第1の壁板部11aは、第3のロア側板部3b3と対向し、第2の壁板部11b、第3の壁板部11cは、第1の壁板部11aの両側に連なる第2、第4のロア側板部3b2、3b4と対向する形態である。さらに、この囲繞壁部11は、前記第1のロア側板部3b1に向く面に第1の開口11j(
図6及び
図10参照)を有すると共に、立ち上がり方向の先端面に第2の開口11k(
図9参照)を有する。
【0034】
さらに、この囲繞壁部11は第1及び第2の動き止め部11d、11eを備えている。この第1及び第2の動き止め部11d、11eは、第2、第3の側板部11b、11cの外面から夫々前記第1のロア側板部3b1方向(
図6の矢印Aと反対方向)に突出するように形成されており、第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動きを阻止するものである。
【0035】
係止爪部12、13は、ロア主板部3aの内面において囲繞壁部11の壁板部11a〜11cにおける第1の開口11j側の両端部11b1、11c1と夫々対向する位置に立設する形態で可撓変形可能に形成されている。この係止爪部12、13は前記両端部11b1、11c1とで、係止手段14を構成する。
【0036】
上記係止爪部12、13は、同一形状であるので、一方の係止爪部12について説明する。係止爪部12は、ロア主板部3aに立設された直状部12aと、この直状部12aの先端部である上端部に囲繞壁部11の端部11b1方向へ鉤状に突出する係止突部12bとを有する。前記係止突部12bは先端(上端)が端部11b1方向へ下降傾斜している。なお、係止爪部13において係止爪部12と同じ部分には同一添え字を付している。
【0037】
前記壁板部11b、11cの各端部11b1、11c1と、係止爪部12、13とで係止手段14が構成されている。
ここで、囲繞壁部11の端部11b1と係止爪部12の直状部12aとの離間距離g1(
図10参照)と、センサ用基板10の第1の張り出し板部10bの板厚t1(
図8参照)とをほぼ同等としている。壁板部11cの端部11c1と係止爪部13の直状部13aとの離間距離と、第2の張り出し板部10cの板厚との関係も同様である。
【0038】
又、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの張り出し方向を横方向としたとき当該第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの縦方向長さh1(
図7参照)を係止爪部12、13の直状部12a、13aの基端から係止突部12b、13bまでの長さh2(
図11(a)参照)とほぼ同等としている。
さらに、囲繞壁部11の動き止め部11d、11e間距離w1(
図10参照)は、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの外端間距離w2(
図8参照)とほぼ同等としている。
【0039】
前記光センサ9をロアケース3に取り付ける場合、
図11(a)に示すように、光センサ9を第2の開口9kに対応させた状態で、
図11(b)、(c)に示すように、センサ用基板10の第1及び第2の張り出し板部10b、10cを囲繞壁部11の各端部11b1、11c1と各係止爪部12、13との間に挿入させることにより、光センサ9を囲繞壁部11内に収容配置すると共に、光センサ9と一体物である第1及び第2の張り出し板部10b、10cを前記各端部11b1、11c1と各係止爪部12、13とからなる係止手段14により係止固定している。
【0040】
この場合、前述したように、囲繞壁部11の各端部11b1、11c1と係止爪部12、13の直状部12a、13aとの離間距離g1と、センサ用基板10の第1の張り出し板部10bの板厚t1とをほぼ同等としているので、囲繞壁部11の壁板部11b、11cの各端部11b1、11c1と係止爪部12、13の各直状部12a、13aとが、センサ用基板10の第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを、その板厚方向についてがたつきなく保持することができる。
【0041】
又、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの縦方向長さh1を係止爪部12、13の直状部12a、13aの基端から係止突部12b、13bまでの長さh2とほぼ同等としているので、ロアケース3のロア主板部3a内面と係止爪部12、13の係止突部12b、13bとにより、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを、その縦方向について、がたつきなく保持できる。さらに、囲繞壁部11の動き止め部11d、11e間距離w1を、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの外端間距離w2とほぼ同等としているので、囲繞壁部11の動き止め部11d、11eにより、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを、その横方向についても、がたつきなく動き止めできる。総じて第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを、がたつきなく取り付けることができ、よって、光センサ9を、がたつきなく所定の位置である囲繞壁部11の内部に取り付けることができる。
【0042】
この取付状態において、囲繞壁部11の第1の壁板部11aは、前記光センサ9において第3のロア側板部3b3と対向する対向部分9z(これは
図7に示すようにアーム部先端9a2、9b2及びこれらと並ぶ検出領域9Eの先端面9E1を含む)を覆い、第2及び第3の壁板部11b、11cは、第1の壁板部11aの両端部から光センサ9の両側部9a1、9b1方向へ延びて当該両側9a1、9b1部分を覆う。
【0043】
又、この取付状態において、センサ用基板10が光センサ9よりもロアケース3のロア主板部3a方向へ突出する突出部10aを有するから、
図11(c)に示すように、当該突出部10aにより光センサ9がロアケース3のロア主板部3aから浮く(離間する)形態となる。又、前記第1の開口11jはセンサ用基板10によって閉塞される。
【0044】
一方、前記アッパケース4は、矩形状をなすアッパ主板部4aと、このアッパ主板部4aの各辺縁部から相互に連続して立ち上がる4つのアッパ側板部4b1〜4b4を有する。なお、アッパ側板部4b1を第1のアッパ側板部4b1と称し、アッパ側板部4b2を第2のアッパ側板部4b2と称し、アッパ側板部4b3を第3のアッパ側板部4b3、アッパ側板部4b4を第4のアッパ側板部4b4と称する。
【0045】
又、このアッパ主板部4aには、表示器用窓4cが設けられており、この表示器用窓4cには透明パネル4dが装着されている。なお、この透明パネル4dは無くても良い。
前記第1のアッパ側板部4b1には、前記係合孔部5a、5aとで、前記係合手段5を構成する被係合部としての係合突起部5b、5bが形成されている。この係合突起部5b、5bは前記係合孔部5a、5aに横方向(側方)から挿入係合可能であり、挿入係合されると上下方向(アッパケース4がロアケース3と離反する方向)には外れない形態に係合される。
又、前記第3のアッパ側板部4b3の内面には、
図2〜
図4に示すように、前記ロック片部6a及び係止孔部6bとでロック手段6を構成する係止爪部6cが形成されている。前記係止爪部6cは前記係止孔部6bに挿入されて係止される。
【0046】
又、前記第3のアッパ側板部4b3においてロック片部6aの上部と対応する部分には、ロック解除部としてのロック解除用孔部15aが形成されている。又、この実施形態では、このロック解除用孔部15aに差し込むための解除器具15bを備えている。
さらに、
図2に示すように、アッパケース4のアッパ主板部4aにおいて前記光センサ9の検出領域9Eに対応する部分には、ロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態で光センサ9の検出領域9Eに進入する板状の被検出部16が形成されている。
【0047】
上記アッパケース4をロアケース3に取り付ける場合には、係止突起部5b、5bを、ロアケース3の前記係止孔部5a、5aに側方(
図3の矢印B方向)から挿入係合し、この係合部分を回動支点としてアッパケース4を回動させてロアケース3に被せる(ロアケース3を閉塞する)。すると係止爪部6cがロック片部6aを
図3の二点鎖線のように変形させ、そしてロック片部6aが係止孔部6bに遭遇したところでロック片aが変形状態から復帰して係止爪部6cが係止孔部6bに係止される。この係止によりロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態をロックする。この閉塞状態のケース2において、ロアケース3の各のロア側板部3b1〜3b4に対してアッパケース4のアッパ側板部4b1〜4b4が板厚方向で接合された形態となる。
【0048】
前記アッパケース4をロアケース3に対して開放する場合には、ロック解除用孔部15aに対して専用の解除器具15bを挿入するといった特定操作をしてロック片部6aを
図3の二点鎖線に示すように変形させ、つまり係止孔部6bを係止爪部6cから外して係合を解除し、この状態で、アッパケース4の第3のロア側板部3b3部分を二点鎖線で示すように開放させる。この後、二点鎖線状態のアッパケース4を
図3の反矢印B方向へ動かすことで、係合突起部5bを係合孔部5aから外せば、アッパケース4をロアケース3から分離できる。
【0049】
又、上記アッパケース4の閉塞時に前記被検出部16が検出領域9E内に進入する。又、前記表示器8の表示面8aが前記アッパケース4の表示用窓部4cから外部に目視可能となっている。
なお、アッパケース4が第1のアッパ側板部4b1側の係合手段5を中心として開放された場合に当該アッパケース4の第3のアッパ側板部4b3が先にロアケース3に対して離間(開放)する。この場合、被検出部16をアッパケース4の第3のアッパ側板部4b3側に設け、光センサ9をロアケース3の第3のロア側板部3b3側に設けているので、アッパケース4の開放角度が小さくても、当該アッパケース4の開放を直ちに検出することができる。
【0050】
上述した実施形態においては、大型の表示器8を採用している。このような大型の表示器8を採用する場合、ロアケース3において表示器8と第3のロア側板部3b3との間の余白部分がどうしても狭くなる。このような事情下では、アッパケース開放検出用の光センサ9は、ロアケース3において上記狭い余白部分に設けられることになる。
光センサ9は、上記余白部分のうちでも、アッパケース4が第1のアッパ側板部4b1側を回動支点として開閉される場合、早くにアッパケース4の開放を検出できる第3のロア側板部3b3側に設けられることになる。この場合、上記余白部分が狭いことから光センサ8は当然当該ロア側板部3bの近くとなる。
【0051】
このように光センサ9が、ロアケース3の第3のロア側板部3b3の近くに設けられると、賊が不正道具を用いてロアケース3とアッパケース4との接合部でアッパケース4をこじ開けるようとしたときに、不正道具が光センサ9に届きやすくなって当該光センサ9を壊してしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、光センサ9を囲繞壁部11によって囲繞するので、不正道具がケース2内部に進入し得たとしても、この囲繞壁部11によって不正道具のそれ以上の光センサ9方向への進入を阻止でき、光センサ9が壊されることを回避できる。
【0052】
特に、本実施形態では、上記囲繞壁部11を、光センサ9と第3のロア側板部3b3及びこれの両側に連なるロア側板部3b2、3b4との間に介在する第1〜第3の壁板部11a〜11cを連続して有する構成としたので、不正道具が第3のロア側板部3b3から光センサ9に対して向かってきたとしても、あるいは第2及び第3のロア側板部3b2、3b4から向かってきたとしても不正道具の光センサ9への進入を阻止できる。なお、光センサ9は、第1のロア側板部3b1及び第1のアッパ側板部4b1とは遠いので、この方向から光センサ9が壊されることはない。
【0053】
又、光センサ9が、ロアケース3の第3のロア側板部3b3の近くに位置することで、セキュリティ機器1を窓際等に設置した場合にケース2外部からの太陽光(強い外部光)が光センサ9に入りやすくなることが懸念されるが、この実施形態によれば、光センサ9と第3のロア側板部3b3及びその両側のロア側板部3b2、3b4との間に介在する第1〜第3の壁板部11a〜11cにより光センサ9にケース2外部の光が入ることを防止できる。この結果、光センサ9が外部光によって誤動作することを回避できる。
【0054】
ここで、前記囲繞壁部11の各壁部は、外部光進入防止の観点から、光センサ9に近づける形態、つまり光センサ9より僅かに大きな形態とすると良い。しかし、囲繞壁部11が光センサ9より僅かに大きい大きさであると光センサ9を囲繞壁部11内に配置し難くなることが予想される。又、表示器8とロア側板部3b3との間も狭いことからも光センサ9の取り付けも難しくなると予想される。
【0055】
しかし、本実施形態では、係止爪部12、13を、囲繞壁部11の両端部11b1、11c1と対向するようにロアケース3に形成したので、前記光センサ9を前記第2の開口11kに対応させた状態でセンサ用基板10の第1及び第2の張り出し板部10b、10cを前記囲繞壁部11の壁板部11a〜11cにおける前記両端部11b1、11c1と各係止爪部12、13との間に挿入させれば、当該各端部11b1、11c1と各係止爪部12、13とで上記挿入をガイドできて、光センサ9を簡単に囲繞壁部11内に配置できる。
【0056】
そして、センサ用基板10を挿入するのみで当該センサ用基板10を当該各端部11b1、11c1と各係止爪部12、13とで係止固定できる。つまり、囲繞壁部11の一部を利用した係止手段14により、光センサ9を簡単に囲繞壁部11内に配置できると共に取付固定できる。
【0057】
ここで、係止手段14の係止爪部12、13の係止力によってセンサ用基板10の第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動き止めも期待できるが、この実施形態では、第1及び第2の動き止め部11d、11eを備えたので、第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動き止めを確実にできる。
又、この実施形態では、センサ用基板10により第1の開口11jを閉塞するようにしている。これによれば、囲繞壁部11とセンサ用基板10とで光センサ9の全周囲を囲繞する形態となるので、ロアケース3及びアッパケース4の接合部全周のどの部分から外部光が進入したとしても、確実に遮光することができる。
【0058】
又、本実施形態においては、係合手段5を、第1のアッパ側板部4b1に形成した係合突起部5b、5bと、第1のロア側板部3b1に形成した係合孔部5a、5aとから構成し、前記係合突起部5b、5bを前記係合孔部5aに対して側方から係脱可能に係合しロアケース3に対してアッパケース4が離反する方向には外れない構成とし、第3のロア側板部3b3及び第3のアッパ側板部4b3にはロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態をロックするロック手段6を備え、アッパケース4又はロアケース3には特定操作によりロック手段6のロックを解除するためのロック解除用孔部15aを備えている。
【0059】
これによれば、アッパケース4が閉塞された状態では、当該アッパケース4はロアケース3に対して離反しない。つまり、係合手段5部分ではアッパケース4がロアケース3に係合されていて当該アッパケース4を外せない。そこで、第3のロア側板部3b3及び第3のアッパ側板部4b3に、ロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態をロックするロック手段6を備えることで、1つのロック手段6によりアッパケース4の全体的な閉塞をロックできる。
さらに、この実施形態では、特定操作によりロック手段6のロックを解除するためのロック解除部であるロック解除用孔部15aを備えることにより、ユーザーの特定操作により簡単にロックを解除でき且つ賊に対して簡単にロックを解除できないようにできる。
【0060】
ところが上述の構成とすると、賊がわざわざこのロック解除用孔部15aがある第3のロア側板部3b3を狙って不正道具を差し込むことも懸念される。この場合、このロック解除用孔部15aが存在する第3のロア側板部3b3及び第3のアッパ側板部4b3部分に上述の光センサ9も存在するため、この光センサ9が前記不正道具によって壊される確率も高くなることが予想される。しかし、この実施形態では、光センサ9に対する破壊行為確率が高い場合でも、前述したように囲繞壁部11により光センサ9を有効に防御できる。
【0061】
又、本実施形態においては、センサ用基板10が光センサ9よりもロアケース3のロア主板部3a方向へ突出する突出部10aを有するから、当該突出部10aにより光センサ9がロアケース3のロア主板部3aから浮く(離間する)形態となる。これによれば、光センサ9をアッパケース4のアッパ主板部4aに近づけることができる。この結果、光センサ9がロア主板部3a近くに配設される場合に比して、被検出部16の突出長さを短くできる。つまり、被検出部16をアッパ側板部4b1〜4b4より短くすること(突出しないようにすること)が可能となる。そうすると、保守点検時において、アッパケース4が外されて適宜の置き台に置かれたとしても当該被検出部16が置き台などに当たることがなく、被検出部16の損傷を防止できる。特に被検出部16は光センサ9の狭い検出領域9Eに入ることから薄板状であるため破損し易いから、上記構成は有利である。
【0062】
次に
図12は第2実施形態を示し、この実施形態では囲繞壁部11の第1の壁板部11aに被検出部16逃げ用のスリット20を形成した点が第1実施形態と異なる。この構成によると、被検出部16の幅を広くでき、光センサ9による被検出部16の検出の確実化に寄与できる。この場合、このスリット20は、アッパケース4の閉塞状態では前記被検出部16により殆ど埋められるので、不正道具の侵入防止や外部光の侵入防止を損なうことがない。
【0063】
次に
図13は第3実施形態を示しており、斜状部21を形成した点が次の点が第1実施形態と異なる。この斜状部21は、囲繞壁部11の第1及び第2の壁板部11b、11cのうち第2の開口11k側の端部11b2、11c2と、第1の開口11j側の端部11b1、11c1とにかけて形成されている。これによれば、光センサ9の取り付け時において、センサ用基板10を、斜状部21に摺接させつつ前記各端部11b1、11c1方向へ移動させれば、当該センサ用基板10を前記各端部11b1、11c1と各係止爪部12、13との間に自ずと挿入させることができ、光センサ9の取り付けが容易となる。つまり、前記斜状部21を、囲繞壁部11の各端部11b1、11c1と各係止爪部12、13との間へセンサ用基板10を挿入するときのガイドとすることができる。
【0064】
なお、光センサ9は、開放側のロア側板部3b3の近くに設けられれば良く、第2のロア側板部3b2部分又は第4のロア側板部3b4部分においてロア側板部3b3の近くであっても良い。又、囲繞壁部11の壁板部を、第1〜第3の壁板部11a〜11cから平面的に見てコ字状に構成したが、円弧状などでも良い。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。