(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信部が受信した制御信号に対して、正の極性で半波整流して第1の半波整流信号を出力するとともに、負の極性で半波整流して第2の半波整流信号を出力する整流部;
をさらに具備し、
前記制御部は、前記整流部が出力した半波整流信号のいずれかを用いて、前記照明部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
前記受信部が受信した制御信号に対して、正の極性で半波整流して第1の半波整流信号を出力するとともに、負の極性で半波整流して第2の半波整流信号を出力する整流部;
をさらに具備し、
前記制御部は、前記整流部が出力した半波整流信号のいずれかを用いて、前記照明部を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明システム1および照明装置5を説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、
図1〜
図9を用いて、第1の実施形態に係る照明システムについて説明する。
【0010】
[照明システムの構成]
図1は、第1の実施形態に係る照明システムの構成例を示す図である。
図1に示した照明システム1は、宅内やオフィス等に設置された照明装置の制御や監視を実現するシステムである。例えば、照明システム1は、照明装置の設置された環境の情報をセンサ等で取得し、取得した情報に基づいて、照明装置の制御を行う場合がある。
【0011】
図1に示した照明システム1は、上位装置2と複数の通信部3、4が接続される。また、通信部3は、複数の照明装置5〜7と接続される。また、通信部4は、照明装置8と接続される。また、照明装置5は、LED9と電源制御部10とを有する。LED9は、任意の場所を照明する。LED9は、照明部の一例である。電源制御部10は、LED9の制御を行う。また、照明装置6〜8は、照明装置5と同様の機能を発揮するものとして、以下の説明を省略する。また、
図1に示す照明システム1が有する通信部3,4、照明装置5〜8の数は、一例に過ぎず、照明システム1の構成に応じて適宜変更可能である。
【0012】
上位装置2は、通信部3、通信部4に対し、照明器具の制御を指示する制御信号を出力する。例えば、上位装置2は、通信部3に対し、照明装置5が有するLED9の点灯、消灯、照度の変更、光の色の変更等、任意の制御を指示する制御信号を出力する。また、上位装置2は、照明器具の制御を行うために、任意の種別の制御方式を利用することができる。例えば、上位装置2は、照明器具を制御するために、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)、PWM(Pulse Width Modulation)等、様々な制御方式に対応する制御信号を出力する。
【0013】
ここで、上位装置2は、制御方式ごとに異なる制御信号を出力する。例えば、上位装置2は、制御方式の種別に応じて、電圧の立上りや立下りの位置で制御内容を示す制御信号、一定の周期でパルスを分割した際に、立下りが存在するか立上りが存在するかで制御内容を示す制御信号、パルス幅の変調で制御内容を示す制御信号等を出力する。また、上位装置2は、制御方式の種別に応じて、電圧が正負両極の範囲で変化する制御信号や、電圧が正又は負の片方の範囲で変化する制御信号を出力する。
【0014】
例えば、上位装置2は、電圧が正負両極の範囲で変化する複極信号であって、電圧の立上りや立下りの位置で制御内容を示す所定の制御方式に基づく制御信号を出力する。また、上位装置2は、DALIの制御信号を出力する場合は、電圧が正又は負の片方の範囲で変化する単極信号であって、一定の周期でパルスを分割した際に、立下りが存在するか立上りが存在するかで制御内容を示す制御信号を出力する。また、上位装置2は、PWMを用いた制御信号を出力する場合は、単極信号であって、パルス幅の変調で制御内容を示す制御信号を出力する。
【0015】
ここで、上位装置2が出力する制御信号の周波数で制御方式を判別できたら便利である。しかしながら、所定の制御方式における制御信号の周波数が3.3kHz以上10kHz以下程度の場合には、PWMの制御方式における制御信号の周波数は、100Hz以上1kHz以下程度であり、DALIの制御方式における制御信号の周波数は、1.2kHz以上2.4kHz未満である。そのため、DALIとそれ以外の制御方式とでは周波数で判別可能だが、所定の制御方式とPWMとでは、周波数で判別することは困難である。そこで、上位装置2は、所定の制御方式において、照明装置5に対してそのままの状態を維持させるための待機制御信号を出力する場合があり、この待機制御信号の周波数を2.4kHz以上または100Hz未満(もしくは100Hz以下)とする。そのため、所定の制御方式については待機制御信号、PWM及びDALIについては制御信号の周波数を判別することにより、制御方式が、所定の制御方式、PWM及びDALIのいずれであるのかの判別を行うことが可能となる。
【0016】
通信部3は、上位装置2と各照明装置5〜7との通信を中継する中継装置である。例えば、通信部3は、上位装置2から、LED9に対する制御内容を示す制御信号を受信すると、受信した制御信号を、LED9を有する照明装置5に出力する。また、通信部3は、照明装置5から、制御信号が示す制御内容に基づいたLED9の制御を完了したことに対する応答を示す応答信号や、LED9の状態を示す通知信号を受信した場合は、受信した応答信号や通知信号を上位装置2へ送信する。この結果、上位装置2は、LED9の制御が完了した旨や、LED9の調光状態を把握することができる。通信部4は、通信部3と同様の機能を発揮するものとして、説明を省略する。
【0017】
照明装置5は、例えば、宅内やオフィス等に設置された照明装置である。照明装置5は、LED9と電源制御部10とを有する。LED9は、交換可能な照明である。電源制御部10は、LED9の制御を行う。また、照明装置5は、従来の照明装置と同様に、照明システム1の設置や更新を行う際に、設置や交換を行う単位となる。
【0018】
[電源制御部10の構成]
以下、
図2を用いて、電源制御部10の構成例を説明する。
図2は、第1の実施形態に係る照明装置の構成例を説明する図である。
図2に示すように、電源制御部10は、電源回路11、インターフェース回路12、マイコン13、制御回路14を有する。また、電源回路11には、LED9に供給される電力の電源が接続されている。
【0019】
[電源回路11]
電源回路11は、制御回路14による制御に応じて、LED9に対して供給する電力を変更する回路である。例えば、電源回路11は、電源から電力の供給を受ける。そして、電源回路11は、制御回路14からの制御信号を受信すると、受信した制御信号に従って、電源から供給された電力をLED9に供給する量の制御等を行うことで、LED9の点灯、消灯、照度の変更、光の色の変更等を行う。
【0020】
[インターフェース回路12]
インターフェース回路12は、上位装置2が複極信号を出力するのか単極信号を出力するのか解らない。
図3を用いて、上位装置2が出力する制御信号の例について説明する。
図3は、制御信号の種別を説明する図である。なお、
図3には、上位装置2が出力する可能性がある制御信号の例を複数記載した。
【0021】
例えば、上位装置2は、
図3中(A)に示すように、電圧が正負両極の範囲で変化する複極信号を制御信号として出力する場合がある。また、上位装置2は、
図3中(B)に示すように、電圧が正の範囲で変化する単極信号、または、
図3中(C)に示すように、電圧が負の範囲で変化する単極信号を制御信号として出力する場合がある。ここで、インターフェース回路12は、マイコン13が、どのような制御信号であっても、制御内容を識別できるようにするため、以下の処理を行う。すなわち、インターフェース回路12は、制御信号を正極側に半波整流した整流信号である第1の半波整流信号、及び、制御信号を負極側に半波整流した整流信号である第2の半波整流信号を生成する。そして、インターフェース回路12は、第1の半波整流信号及び第2の半波整流信号のうち、特定の半波整流信号がパルスを有する場合には特定の半波整流信号をマイコン13に出力する。また、インターフェース回路12は、第1の半波整流信号及び第2の半波整流信号のうち、特定の半波整流信号がパルスを有せず、かつ、特定の半波整流信号とは異なる半波整流信号がパルスを有する場合には、このパルスを有する半波整流信号をマイコン13に出力する。
【0022】
このように、インターフェース回路12は、パルスを有する半波整流信号をマイコン13に出力する。これにより、複極信号または単極信号が制御信号として入力された場合であっても、インターフェース回路12は、マイコン13において制御内容を識別することができる半波整流信号をマイコン13に出力することができる。また、マイコン13は、処理する半波整流信号が1系統ですむ。
【0023】
次に、
図4を用いて、インターフェース回路12の構成例を説明する。
図4は、実施形態に係るインターフェース回路12の構成例を説明する図である。
図4に示す例では、インターフェース回路12は、整流部15と、積分回路30aと、インバータ30bと、AND回路30cと、OR回路30dとを有する。
【0024】
整流部15は、2つの信号線から制御信号を入力し、一方の信号線から入力された制御信号と負極側の出力とを合せて出力するとともに、他方の信号線から入力された制御信号と負極側の出力とを合せて出力する。ここで、例えば、一方の信号線からの制御信号の入力を入力#1とし、他方の信号線からの制御信号の入力を入力#2とし、入力#1と負極側の出力とを合せた出力を出力#1とし、入力#2と負極側の出力とを合せた出力を出力#2とする。すなわち、整流部15は、制御信号に対して、正の極性で半波整流した第1の半波整流信号を出力するとともに、負の極性で半波整流した第2の半波整流信号を出力する。また、整流部15は、例えば、ブリッジ型に接続したダイオードやトランスを備える回路によって実現される整流回路であり、ダイオードの記号とダイオードの記号を囲むひし形の図形で記載した。なお、第1の半波整流信号は、出力#1に対応し、第2の半波整流信号は、出力#2に対応する。
【0025】
出力#1は、OR回路30dに入力される。また、出力#1は、積分回路30aに入力される。また、出力#2は、AND回路30cに入力される。
【0026】
積分回路30aは、入力電圧の波形の時間積分に等しい波形の電圧を出力する回路である。積分回路30aの出力端子は、インバータ30bの入力端子に接続されている。例えば、積分回路30aは、出力#1の電圧波形の時間積分に等しい波形の電圧の信号をインバータ30bに出力する。
【0027】
インバータ30bは、入力電圧の論理レベルを逆転させて出力する。インバータ30bの出力端子は、AND回路30cの2つの入力端子のうち一方の入力端子に接続される。例えば、インバータ30bは、積分回路30aから出力された電圧の信号の論理レベルを逆転させてAND回路30cに出力する。
【0028】
AND回路30cは、2つの入力電圧の論理レベルが「1(H)」である場合に、論理レベル「1」の電圧の信号を出力する。また、AND回路30cは、2つの入力電圧の論理レベルのうち少なくとも一方の入力電圧の論理レベルが「0(L)」である場合に、論理レベル「0」の電圧の信号を出力する。AND回路30cの出力端子は、OR回路30dの2つの入力端子のうち一方の入力端子に接続されている。例えば、AND回路30cは、出力#2の論理レベルとインバータ30bからの入力電圧の論理レベルとが「1」である場合に、論理レベル「1」の電圧の信号をOR回路30dに出力する。また、AND回路30cは、出力#2の論理レベル及びインバータ30bからの入力電圧の論理レベルのうち少なくとも一方の論理レベルが「0」である場合に、論理レベル「0」の電圧の信号をOR回路30dに出力する。
【0029】
OR回路30dは、2つの入力電圧の論理レベルが「0」である場合に、論理レベル「0」の電圧の信号を出力する。また、OR回路30dは、2つの入力電圧の論理レベルのうち少なくとも一方の入力電圧の論理レベルが「1」である場合に、論理レベル「1」の電圧の信号を出力する。OR回路30dの出力端子は、マイコン13に接続されている。例えば、OR回路30dは、出力#1の論理レベルとAND回路30cからの入力電圧の論理レベルとが「0」である場合に、論理レベル「0」の電圧の信号をマイコン13に出力する。また、OR回路30dは、出力#1の論理レベル及びAND回路30cからの入力電圧の論理レベルのうち少なくとも一方の論理レベルが「1」である場合に、論理レベル「1」の電圧の信号をマイコン13に出力する。
【0030】
ここで、インターフェース回路12に、電圧が正負両極の範囲で変化する複極信号が制御信号として入力された場合、電圧が正の範囲で変化する単極信号が制御信号として入力された場合、及び、電圧が負の範囲で変化する単極信号が制御信号として入力された場合のそれぞれの場合のインターフェース回路12の動作について
図5〜7を用いて説明する。
【0031】
図5は、インターフェース回路12に、電圧が正負両極の範囲で変化する複極信号が制御信号として入力された場合のインターフェース回路12の動作を示すタイミングチャートである。
図5において、「入力」は、入力された制御信号を示す。「出力#1」は、出力#1の信号を示す。「積分出力」は、インバータ30bが出力する信号を示す。「出力#2」は、出力#2の信号を示す。「AND出力」は、AND回路30cが出力する信号を示す。「合成出力」は、OR回路30dが出力する信号を示す。なお、後述の
図6、
図7においても同様である。
【0032】
図5に示すように、複極信号が制御信号として入力されると、制御信号に対して、正の極性で半波整流した第1の半波整流信号(出力#1)がOR回路30d及び積分回路30aに入力され、積分回路30aが出力する信号の論理レベルが「1」となる結果、インバータ30bがAND回路30cに出力する信号の論理レベルが「0」(積分出力)となる。また、制御信号に対して、負の極性で半波整流した第2の半波整流信号(出力#2)がAND回路30cに入力される。AND回路30cは、インバータ30bから論理レベルが「0」の信号が入力されているので、論理レベルが「0」の信号をOR回路30dに入力する。よって、OR回路30dは、AND回路30cから論理レベルが「0」の信号が入力されているので、第1の半波整流信号をそのままマイコン13に出力する(合成出力)。したがって、インターフェース回路12は、上位装置2が複極信号を制御信号として送信した場合であっても、マイコン13において制御内容を識別可能な制御信号をマイコン13に出力することができる。
【0033】
図6は、インターフェース回路12に、電圧が正の範囲で変化する単極信号が制御信号として入力された場合のインターフェース回路12の動作を示すタイミングチャートである。
図6に示すように、電圧が正の範囲で変化する単極信号が制御信号として入力されると、制御信号に対して、正の極性で半波整流した第1の半波整流信号(出力#1)がOR回路30d及び積分回路30aに入力され、積分回路30aの論理レベルが「1」となる結果、インバータ30bがAND回路30cに出力する信号の論理レベルが「0」(積分出力)となる。また、制御信号に対して、負の極性で半波整流した第2の半波整流信号(出力#2)がAND回路30cに入力される。ここで、出力#2は、論理レベルが「0」の信号である。このように、AND回路30cは、2つの入力端子から、論理レベルが「0」の信号が入力されているので、論理レベルが「0」の信号をOR回路30dに入力する。よって、OR回路30dは、AND回路30cから論理レベルが「0」の信号が入力されているので、第1の半波整流信号をそのままマイコン13に出力する(合成出力)。したがって、インターフェース回路12は、上位装置2が電圧が正の範囲で変化する単極信号を制御信号として送信した場合であっても、マイコン13において制御内容を識別可能な制御信号をマイコン13に出力することができる。
【0034】
図7は、インターフェース回路12に、電圧が負の範囲で変化する単極信号が制御信号として入力された場合のインターフェース回路12の動作を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、電圧が負の範囲で変化する単極信号が制御信号として入力されると、制御信号に対して、正の極性で半波整流した第1の半波整流信号(出力#1)がOR回路30d及び積分回路30aに入力され、積分回路30aの論理レベルが「0」となる結果、インバータ30bがAND回路30cに出力する信号の論理レベルが「1」(積分出力)となる。また、制御信号に対して、負の極性で半波整流した第2の半波整流信号(出力#2)がAND回路30cに入力される。このように、AND回路30cは、インバータ30bから論理レベルが「1」の信号が入力されているので、第2の半波整流信号をOR回路30dに入力する。よって、OR回路30dは、論理レベルが「0」の信号(出力#1)が入力されているので、第2の半波整流信号をそのままマイコン13に出力する(合成出力)。したがって、インターフェース回路12は、上位装置2が電圧が負の範囲で変化する単極信号を制御信号として送信した場合であっても、マイコン13において制御内容を識別可能な制御信号をマイコン13に出力することができる。
【0035】
[マイコン13]
図2に戻って説明を続ける。マイコン13は、予め用意されたプログラムを実行することで、所定の機能を発揮するマイクロコントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、マイコン13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって実現されてもよい。
【0036】
ここで、マイコン13は、予め用意されたプログラムを実行することで、以下の機能を発揮する。まず、マイコン13は、インターフェース回路12によって整流された信号を受信する。かかる場合、マイコン13は、整流された信号を用いて、上位装置2の制御方式を特定する。すなわち、マイコン13は、電源制御部10が受信した制御信号に対応する制御方式を特定する。そして、マイコン13は、特定した制御方式にそって、受信した信号が示す制御内容を導出し、導出した制御内容の実行指示を制御回路14に出力する。
【0037】
以下、
図8を用いて、マイコン13が有する機能構成の一例について説明する。
図8は、第1の実施形態に係るマイコンが有する機能構成を説明する図である。
図8に示す例では、マイコン13は、受信部16、特定部17、複数の制御部18〜20を有する。
【0038】
受信部16は、インターフェース回路12から半波整流された制御信号(第1の半波整流信号、第2の半波整流信号)を受信する。例えば、受信部16は、インターフェース回路12から制御信号を受信すると、受信した制御信号のうち、制御内容を識別するのに適した制御信号を選択する。
【0039】
ここで、受信部16は、照明装置5の設置後、初めて制御信号を受信した場合等、特定部17から制御部の指定を受信していない場合は、インターフェース回路12から受信した制御信号を所定の時間間隔分だけ特定部17に出力する。なお、このような場合に、制御方式が複極信号で制御信号が送信される所定の制御方式であるときには、インターフェース回路12から特定部17には、上述した待機制御信号が半波整流された第1の半波整流信号が出力される。そして、受信部16は、制御部18〜20のうち、制御信号の出力先となる制御部の指示を特定部17から受信した場合は、その後インターフェース回路12から受信した制御信号を特定部17から指定された制御部へ送信する。
【0040】
特定部17は、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を特定する。例えば、特定部17は、受信部16が出力した信号を所定の時間間隔分受信する。そして、特定部17は、受信した信号の周波数に基づいて、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を特定する。
【0041】
以下、特定部17が実行する処理の一例として、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式が、DALIであるか、PWMであるか、所定の制御方式であるか、つまりDALI、PWM以外の制御方式であるかを判定する処理の一例について説明する。なお、実施形態は、これに限定されるものではなく、特定部17は、制御信号の特性に応じて、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を特定すればよい。
【0042】
まず、特定部17は、受信した信号の周波数が2.4kHz以上または100Hz未満の周波数であるか否かを判定する。特定部17は、受信した信号の周波数が2.4kHz以上または100Hz未満の周波数であると判定した場合には、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を、DALI、PWM以外の所定の制御方式として特定する。
【0043】
一方、特定部17は、受信した信号の周波数が2.4kHz以上または100Hz未満の周波数でないと判定した場合には、受信した信号の周波数が100Hz以上1kHz以下の範囲内の周波数であるか否かを判定する。特定部17は、受信した信号の周波数が100Hz以上1kHz以下の範囲内の周波数であると判定した場合には、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を、PWMとして特定する。
【0044】
一方、特定部17は、受信した信号の周波数が100Hz以上1kHz以下の範囲内の周波数でないと判定した場合には、受信した信号の周波数が1.2kHz以上2.4kHz未満の範囲内の周波数であるか否かを判定する。特定部17は、受信した信号の周波数が1.2kHz以上2.4kHz未満の範囲内の周波数であると判定した場合には、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を、DALIとして特定する。
【0045】
また、特定部17は、特定した制御方式にそって、制御信号から制御内容を導出し、導出した内容の制御をLED9に対して行う制御部、すなわち、特定した制御方式に対応する制御部を受信部16に指示する。例えば、特定部17は、制御部18が所定の制御方式に対応し、制御部19がDALIに対応し、制御部20がPWMに対応する旨をあらかじめ記憶する。そして、特定部17は、特定した制御方式が所定の制御方式である場合は、受信部16に制御部18を通知し、特定した制御方式がDALIである場合は、受信部16に制御部19を通知し、特定した制御方式がPWMである場合は、受信部16に制御部20を通知する。
【0046】
制御部18〜20は、それぞれ異なる制御方式にそって、制御信号から制御内容を導出し、導出した内容の制御をLED9に対して実行する。例えば、制御部18は、所定の制御方式に対応する制御部であり、半波整流された制御信号を受信した場合は、受信した制御信号が示す制御内容を所定の制御方式の規約にそって導出し、導出した制御内容を反映させるよう制御回路14に指示する。また、制御部19は、DALIに対応する制御部であり、半波整流された制御信号を受信した場合は、受信した制御信号が示す制御内容をDALIの規約にそって導出し、導出した制御内容を反映させるよう制御回路14に指示する。また、制御部20は、PWMに対応する制御部であり、半波整流された制御信号を受信した場合は、受信した制御信号が示す制御内容をPWMの規約にそって導出し、導出した制御内容を反映させるよう制御回路14に指示する。
【0047】
[制御回路14]
図2に戻り、説明を続ける。制御回路14は、マイコン13が制御信号から特定した制御内容をLED9に反映させる。例えば、制御回路14は、LED9の点灯、消灯、照度の変更、光の色の変更等の制御内容をマイコン13から受信した場合は、受信した制御内容を反映させるよう電源回路11を制御することで、LED9に制御内容を反映させる。
【0048】
[照明装置5による処理の手順]
次に、
図9を用いて、照明装置5が受信した制御信号から、かかる制御信号に対応する制御方式を特定し、特定した制御方式でLED9を制御する処理の流れについて説明する。
図9は、第1の実施形態に係る照明装置5が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、受信部16は、インターフェース回路12から受信した制御信号を所定の時間間隔分だけ特定部17に出力する(ステップS101)。
【0049】
そして、特定部17は、受信部16が出力した信号を所定の時間間隔分受信する。そして、特定部17は、受信した信号の周波数が2.4kHz以上または100Hz未満の周波数であるか否かを判定する(ステップS102)。特定部17は、受信した信号の周波数が2.4kHz以上または100Hz未満の周波数であると判定した場合(ステップS102;Yes)には、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を、所定の制御方式として特定する(ステップS103)。そして、特定部17は、特定した制御方式が所定の制御方式であるので、受信部16に制御部18を通知する(ステップS104)。受信部16は、制御部18が通知されると、その後インターフェース回路12から受信した制御信号を制御部18へ送信する(ステップS105)。制御部18は、制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御内容を所定の制御方式の規約にそって導出し、導出した制御内容を反映させるよう制御回路14に指示する(ステップS106)。制御回路14は、LED9に制御内容を反映させ(ステップS107)、処理を終了する。
【0050】
一方、特定部17は、受信した信号の周波数が2.4kHz以上の周波数でなく、かつ、100Hz未満の周波数でないと判定した場合(ステップS102;No)には、受信した信号の周波数が100Hz以上1kHz以下の範囲内の周波数であるか否かを判定する(ステップS108)。特定部17は、受信した信号の周波数が100Hz以上1kHz以下の範囲内の周波数であると判定した場合(ステップS108;Yes)には、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を、PWMとして特定する(ステップS109)。そして、特定部17は、特定した制御方式がPWMであるので、受信部16に制御部19を通知する(ステップS110)。受信部16は、制御部19が通知されると、その後インターフェース回路12から受信した制御信号を制御部19へ送信する(ステップS111)。制御部19は、制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御内容をPWMの規約にそって導出し、導出した制御内容を反映させるよう制御回路14に指示する(ステップS112)。制御回路14は、LED9に制御内容を反映させ(ステップS113)、処理を終了する。
【0051】
一方、特定部17は、受信した信号の周波数が100Hz以上1kHz以下の範囲内の周波数でないと判定した場合(ステップS108;No)には、受信した信号の周波数が1.2kHz以上2.4kHz未満の範囲内の周波数であるか否かを判定する(ステップS114)。特定部17は、受信した信号の周波数が1.2kHz以上2.4kHz未満の範囲内の周波数でないと判定した場合(ステップS114;No)には、処理を終了する。また、特定部17は、受信した信号の周波数が1.2kHz以上2.4kHz未満の範囲内の周波数であると判定した場合(ステップS114;Yes)には、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を、DALIとして特定する(ステップS115)。そして、特定部17は、特定した制御方式がDALIであるので、受信部16に制御部20を通知する(ステップS116)。受信部16は、制御部20が通知されると、その後インターフェース回路12から受信した制御信号を制御部20へ送信する(ステップS117)。制御部20は、制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御内容をDALIの規約にそって導出し、導出した制御内容を反映させるよう制御回路14に指示する(ステップS118)。制御回路14は、LED9に制御内容を反映させ(ステップS119)、処理を終了する。
【0052】
[第1の実施形態の効果]
上述したように、照明装置5は、制御信号に対して、正の極性で半波整流して第1の半波整流信号を出力するとともに、負の極性で半波整流して第2の半波整流信号を出力する整流部15を具備する。また、照明装置5は、第1の半波整流信号及び第2の半波整流信号のうち、特定の半波整流信号(第1の半波整流信号)がパルスを有する場合には特定の半波整流信号に基づいて、LED9を制御するとともに、特定の半波整流信号がパルスを有せず、かつ、特定の半波整流信号とは異なる半波整流信号(第2の半波整流信号)がパルスを有する場合には、パルスを有する半波整流信号に基づいて、LED9を制御する制御部18〜20を具備する。これにより、照明装置5は、複極信号または単極信号が制御信号として入力された場合であっても、制御内容を識別することができる半波整流信号に基づいて、LED9を制御する。したがって、照明装置5は、複数種別の制御方式に対応できる。また、照明装置5のマイコン13では、処理する半波整流信号が1系統ですむ。
【0053】
また、照明装置5は、所定の制御方式における待機制御信号の周波数を2.4kHz以上または100Hz未満(もしくは100Hz以下)とする。そして、照明装置5は、待機制御信号および制御信号の周波数の値に応じて、所定の制御方式、PWM及びDALIの中から、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を特定する。したがって、照明装置5は、周波数に応じて制御方式を特定することができる。
【0054】
上述してきた照明システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の照明システム1の様々な変形例について説明する。
【0055】
[第1の実施形態の変形例]
例えば、第1の実施形態では、所定の制御方式における待機制御信号の周波数を2.4kHz以上または100Hz未満(もしくは100Hz以下)とした上で、照明装置5が、待機制御信号および制御信号の周波数の値に応じて、所定の制御方式、PWM及びDALIの中から、照明装置5が受信した制御信号に対応する制御方式を特定する場合について説明した。しかしながら、照明装置5は、他の方法でも複数の制御方式の中から、制御信号に対応する制御方式を特定することができる。
【0056】
ここで、所定の制御方式の通常の待機制御信号(周波数0.9kHz以上1.3kHz以下)を半波整流した半波整流信号と、PWMの制御信号(周波数1kHz、オンデューティ10%)を半波整流した半波整流信号とでは、見かけ上、ほぼ同一の波形となり、半波整流信号から所定の制御方式とPWMとを判別するのは困難である。そこで、例えば、パルスの周期が一定であるPWMなどの制御信号と区別が付くように、
図10に示すように、待機制御信号のパルスの周期をT1(例えば、0.002秒)、T2(例えば、0.001秒)として異ならせて、待機制御信号のパルスの周期を不定とすることができる。この場合、特定部17は、受信部16から出力された信号のパルスの周期が不定である場合には、この信号に対応する制御方式を、所定の制御方式として特定し、受信部16から出力された信号のパルスの周期が一定である場合には、この信号に対応する制御方式を、PWMやその他の制御信号のパルスの周期が一定であることが既知の制御方式として特定する。なお、
図10は、第1の実施形態の変形例について説明するための図である。
【0057】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。