特許第6281477号(P6281477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6281477
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】頭部保護エアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/232 20110101AFI20180208BHJP
   B60R 21/21 20110101ALI20180208BHJP
【FI】
   B60R21/232
   B60R21/21
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-242040(P2014-242040)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-101881(P2016-101881A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】樫尾 篤
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−308035(JP,A)
【文献】 特開2006−175920(JP,A)
【文献】 特開2013−075568(JP,A)
【文献】 米国特許第08851507(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16−33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車内側における窓の上縁側に、膨張完了時の下縁側を上縁側に接近させるように上下方向側の幅寸法を縮められるように折り畳まれて収納されて、上縁側を前記車両のボディ側に取付固定され、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて、下方に突出しつつ前記窓の車内側を覆うように展開膨張する構成のエアバッグを、備える構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
前記エアバッグが、
内部に膨張用ガスを流入させて膨張する構成とされるとともに、前記膨張用ガスの流れの上流側に位置し、かつ、膨張完了時に車体側部材と近接して配置される近接膨張部位を、備えるバッグ本体と、
前記近接膨張部位の前記車体側部材との干渉側を覆うカバー部材と、
を備える構成とされ、
前記カバー部材が、上縁側と下縁側とを、前記バッグ本体において、膨張用ガスを流入させない非流入部の部位に、結合させることにより、前記バッグ本体に連結され
前記バッグ本体が、前記車両のロールオーバー時に乗員の頭部を保護可能に、前記インフレーターから吐出される膨張用ガスを流入させて膨張する一次膨張部と、該一次膨張部と連通されて前記一次膨張部より遅れて膨張する二次膨張部と、を備える構成とされて、
前記カバー部材の下縁側を結合させる前記非流入部が、前記一次膨張部と前記二次膨張部とを連通させる連通部近傍において、前記バッグ本体の膨張初期において前記二次膨張部側への膨張用ガスの流入を抑制可能に、前記一次保護部側となる位置に、配置されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
【請求項2】
車両の車内側における窓の上縁側に、膨張完了時の下縁側を上縁側に接近させるように上下方向側の幅寸法を縮められるように折り畳まれて収納されて、上縁側を前記車両のボディ側に取付固定され、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて、下方に突出しつつ前記窓の車内側を覆うように展開膨張する構成のエアバッグを、備える構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
前記エアバッグが、
内部に膨張用ガスを流入させて膨張する構成とされるとともに、前記膨張用ガスの流れの上流側に位置し、かつ、膨張完了時に車体側部材と近接して配置される近接膨張部位を、備えるバッグ本体と、
前記近接膨張部位の前記車体側部材との干渉側を覆うカバー部材と、
を備える構成とされ、
前記バッグ本体が、内部に膨張用ガスを流入させて膨張するガス流入部と、前記膨張用ガスを流入させない非流入部と、を備える構成とされ、
前記カバー部材が、上縁側と下縁側とを、前記非流入部の部位に、結合させることにより、前記バッグ本体に連結され
前記カバー部材の下縁側を結合させる前記非流入部が、前記ガス流入部の領域内において、乗員の頭部を保護する領域の上側に配置されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
【請求項3】
前記バッグ本体が、前記車両のロールオーバー時に乗員の頭部を保護可能に、前記インフレーターから吐出される膨張用ガスを流入させて膨張する一次膨張部と、該一次膨張部と連通されて前記一次膨張部より遅れて膨張する二次膨張部と、を備える構成とされて、
前記カバー部材の下縁側を結合させる前記非流入部が、前記一次膨張部と前記二次膨張部とを連通させる連通部近傍において、前記バッグ本体の膨張初期において前記二次膨張部側への膨張用ガスの流入を抑制可能に、前記一次保護部側となる位置に、配置されていることを特徴とする請求項2に記載の頭部保護エアバッグ装置。
【請求項4】
前記カバー部材が、前記バッグ本体を構成する部材から延設されて、前記バッグ本体と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の頭部保護エアバッグ装置。
【請求項5】
前記カバー部材の上縁側に、前記エアバッグを折り畳んで形成される折り完了体の周囲に巻き付けられる折り崩れ防止用のテープ材を巻き付けるための目印が、配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭部保護エアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車内側における窓の上縁側に、膨張完了時の下縁側を上縁側に接近させるように上下方向側の幅寸法を縮められるように折り畳まれて収納されるエアバッグを、備える構成の頭部保護エアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、頭部保護エアバッグ装置としては、窓の上縁側に配置されるインフレーターから吐出される膨張用ガスを内部に流入させて、エアバッグを、窓の上縁側の収納部位から下方に向かって展開しつつ、膨張させる構成として、エアバッグが、膨張用ガスを流入させて膨張するバッグ本体と、バッグ本体の所定箇所の外周側を覆うカバー部材と、を備える構成のものがあった(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−98658公報
【特許文献2】米国特許第8,851,507号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1,2に記載の頭部保護エアバッグ装置では、いずれも、カバー部材は、バッグ本体において、内部に膨張用ガスを流入させる膨張部位に、縫合糸を用いて縫着させている構成であることから、縫合作業において、バッグ本体の膨張部位に微細な穴が生じることとなって、この穴から膨張用ガスが抜けてしまうことが避けられず、バッグ本体の気密性を確保する点に、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、膨張時のバッグ本体の気密性を良好に確保できて、かつ、膨張時にバッグ本体が車体側部材と近接して配置される構成であっても、バッグ本体と車体側部材との強干渉を抑制可能な頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車両の車内側における窓の上縁側に、膨張完了時の下縁側を上縁側に接近させるように上下方向側の幅寸法を縮められるように折り畳まれて収納されて、上縁側を車両のボディ側に取付固定され、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて、下方に突出しつつ窓の車内側を覆うように展開膨張する構成のエアバッグを、備える構成の頭部保護エアバッグ装置であって、
エアバッグが、
内部に膨張用ガスを流入させて膨張する構成とされるとともに、膨張用ガスの流れの上流側に位置し、かつ、膨張完了時に車体側部材と近接して配置される近接膨張部位を、備えるバッグ本体と、
近接膨張部位の車体側部材との干渉側を覆うカバー部材と、
を備える構成とされ、
カバー部材が、上縁側と下縁側とを、バッグ本体において、膨張用ガスを流入させない非流入部の部位に、結合させることにより、バッグ本体に連結されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の頭部保護エアバッグ装置では、バッグ本体が、膨張用ガスの流れの上流側に位置して、膨張完了時に車体側部材と近接して配置される近接膨張部位を備える構成であっても、この近接膨張部位の車体側部材との干渉側は、カバー部材によって、覆われる構成とされている。また、このカバー部材は、上縁側と下縁側とを、バッグ本体に結合させることにより、バッグ本体に連結されている。そのため、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの展開膨張時に、近接膨張部位の車体側部材側が、カバー部材によって覆われることとなり、また、このカバー部材は、上縁側と下縁側とをバッグ本体に結合されていることから、車体側部材と接触した場合にも、まくれ上がることを抑制されて、確実に、近接膨張部位の車体側部材側を覆うことができる。その結果、近接膨張部位が、車体側部材と強く干渉することを抑制できて、バッグ本体を迅速かつ安定して膨張完了させることができる。また、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、カバー部材は、バッグ本体において、膨張用ガスを流入させない非流入部の部位に、結合されていることから、仮に縫合糸を用いて縫着させる構成であっても、バッグ本体への結合部位から、膨張用ガスが漏れることも抑制できて、バッグ本体の気密性も確保することができる。
【0008】
したがって、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、膨張時のバッグ本体の気密性を良好に確保できて、かつ、膨張時にバッグ本体が車体側部材と近接して配置される構成であっても、バッグ本体と車体側部材との強干渉を抑制することができる。
【0009】
また、本発明の頭部保護エアバッグ装置において、カバー部材を、バッグ本体を構成する部材から延設させて、バッグ本体と一体的に形成する構成とすれば、カバー部材のバッグ本体への連結作業が簡便となって、好ましい。
【0010】
さらに、上記構成の頭部保護エアバッグ装置において、バッグ本体を、車両のロールオーバー時に乗員の頭部を保護可能に、インフレーターから吐出される膨張用ガスを流入させて膨張する一次膨張部と、一次膨張部と連通されて一次膨張部より遅れて膨張する二次膨張部と、を備える構成とし、
カバー部材の下縁側を結合させる非流入部を、一次膨張部と二次膨張部とを連通させる連通部近傍において、バッグ本体の膨張初期において二次膨張部側への膨張用ガスの流入を抑制可能に、一次保護部側となる位置に、配置させる構成とすることが、好ましい。
【0011】
上記構成の頭部保護エアバッグ装置では、一次膨張部と二次膨張部とを連通させる連通部近傍の部位が、カバー部材によって車体側部材側を覆われることとなり、この連通部近傍の部位の車体側部材との強干渉を的確に抑制することができる。また、カバー部材の下縁側を結合させる非流入部が、バッグ本体の膨張初期において二次膨張部側への膨張用ガスの流入を抑制可能とするように、構成されていることから、バッグ本体の膨張初期に、二次膨張部が膨張することを抑制して、一次膨張部を迅速に膨張させることができて、一次膨張部によって乗員の頭部を迅速に保護することができる。また、カバー部材によって連通部近傍の部位の車体側部材との強干渉が抑制されることから、連結部近傍の部位の気密性を確保できて、一次膨張部より遅れて膨張する二次膨張部の内圧を長時間維持させることができ、車両のロールオーバー時にも、乗員の頭部を的確に保護することができる。
【0012】
さらにまた、上記構成の頭部保護エアバッグ装置において、カバー部材の上縁側に、エアバッグを折り畳んで形成される折り完了体の周囲に巻き付けられる折り崩れ防止用のテープ材を巻き付けるための目印を、配設させる構成とすれば、折り完了体へのテープ材を巻き付ける際に、巻付位置を目視し易く、カバー部材の配置位置での折り完了体へのテープ材の巻付け作業が容易となる。また、カバー部材の配置位置にテープ材が巻き付けられることから、カバー部材における上下の中間部位が、バッグ本体に対して、だぶつくことを抑制できて、折畳完了時のエアバッグの運搬時等において、カバー部材の上げの中間部位が干渉物と干渉しても、だぶつかず、カバー部材を含めたバッグ本体の奇麗な折り畳み形状を維持できて、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態である頭部保護エアバッグ装置を車内側から見た概略正面図である。
図2】実施形態の頭部保護エアバッグ装置で使用するエアバッグを平らに展開した状態の正面図である。
図3図2のエアバッグにおいて、カバー部材の配置部位付近を示す部分拡大背面図である。
図4図3のIV−IV部位の断面図である。
図5図2のエアバッグにおいて、バッグ本体とカバー部材とを平らに展開した状態を示す部分拡大平面図である。
図6】実施形態の頭部保護エアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を車内側から見た概略正面図である。
図7】実施形態の頭部保護エアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mは、図1に示すように、2つの窓(サイドウィンド)W1,W2を有した二列シートタイプの車両Vに搭載されている。実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mは、図1に示すように、エアバッグ20と、インフレーター14と、取付ブラケット11,16と、エアバッグカバー9と、を備えて構成されている。エアバッグ20は、図1に示すように、車両Vの車内側における窓W1,W2の上縁側において、フロントピラー部FPの下縁側から、ルーフサイドレール部RRの下縁側を経て、リヤピラー部RPの上方の領域まで、折り畳まれて収納されている。
【0015】
エアバッグカバー9は、図1,7に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5と、のそれぞれの下縁から、構成されている。フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5とは、合成樹脂製として、フロントピラー部FPとルーフサイドレール部RRとにおいて、それぞれ、ボディ(車体)1側のインナパネル2における車内側Iに、取付固定されている。また、エアバッグカバー9は、折り畳まれて収納されるエアバッグ20の車内側Iを覆って、展開膨張時のエアバッグ20を車内側下方へ突出可能とするために、エアバッグ20に押されて車内側Iに開き可能に、構成されている(図7参照)。
【0016】
インフレーター14は、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するもので、図1に示すように、外形形状を略円柱状としたシリンダタイプとして、先端側に、膨張用ガスを吐出可能な図示しないガス吐出口を、配設させている。インフレーター14は、ガス吐出口付近を含めた先端側を、エアバッグ20の後述する接続口部26に挿入させ、接続口部26の外周側に配置されるクランプ15を用いて、エアバッグ20に対して連結されている。また、インフレーター14は、インフレーター14を保持する取付ブラケット16と、取付ブラケット16をボディ1側のインナパネル2に固定するためのボルト17と、を利用して、インナパネル2における窓W2の上縁側となる位置に、取り付けられている(図1参照)。インフレーター14は、図示しないリード線を介して、車両Vの図示しない制御装置と電気的に接続されており、制御装置が、車両Vの側面衝突やロールオーバーを検知した際に、制御装置からの作動信号を入力させて作動するように、構成されている。
【0017】
各取付ブラケット11は、2枚の板金製のプレートから構成されるもので、エアバッグ20の後述する取付部46を、表裏から挟むようにして、各取付部46に取り付けられ、ボルト12を利用して、各取付部46を、ボディ1側のインナパネル2に取付固定している。
【0018】
エアバッグ20は、図2〜4に示すように、バッグ本体21と、バッグ本体21の外表面側を覆うように配置されるカバー部材60と、を備える構成とされている。
【0019】
バッグ本体21は、図1の二点鎖線及び図6に示すように、インフレーター14からの膨張用ガスを内部に流入させて、折畳状態から展開して、窓W1,W2や、窓W1,W2の間に配置されるセンターピラー部CPのセンターピラーガーニッシュ6の車内側を覆うように、膨張する構成とされている。
【0020】
バッグ本体21は、実施形態の場合、ポリアミド糸やポリエステル糸等を使用した袋織りによって製造されている。バッグ本体21は、図2〜4に示すように、膨張完了時に車内側Iに位置する車内側壁部22aと車外側Oに位置する車外側壁部22bとを離隔させるように内部に膨張用ガスGを流入させて膨張するガス流入部22と、膨張用ガスを流入させない非流入部41と、を備えて構成されている。
【0021】
また、バッグ本体21は、車両Vのロールオーバー時にも乗員の頭部を保護可能に、構成されている。具体的には、実施形態の場合、ガス流入部22が、インフレーター14から吐出される膨張用ガスを流入させて膨張する主膨張部24(一次膨張部)と、主膨張部24と連通されて主膨張部24より遅れて膨張する副膨張部30(二次膨張部)と、主膨張部24と副膨張部30とを連通させる連通部35,36,37と、を備える構成とされている。
【0022】
一次膨張部としての主膨張部24は、ガス案内流路25、接続口部26、前席用保護部27、及び、後席用保護部28を、備えている。
【0023】
ガス案内流路25は、バッグ本体21の上縁21a側において、前後方向に略沿って延びるように、主膨張部24の領域の前後の略全域にわたって配設されるもので、インフレーター14から吐出される膨張用ガスを、ガス案内流路25の下方に配置される前席用保護部27及び後席用保護部28に、案内するように構成されている。実施形態の場合、ガス案内流路25の前後の略中央となる位置(バッグ本体21の前後の中央よりやや後方にずれた位置)には、インフレーター14と接続される接続口部26が、ガス案内流路25と連通されて、ガス案内流路25から上方に突出するように、配設されている。実施形態の場合、接続口部26は、ガス案内流路25に対して後上がりに傾斜して形成されて、後端26a側を、インフレーター14を挿入可能に開口させている。そして、接続口部26は、内部にインフレーター14を挿入させた状態で、外周側にクランプ15を嵌めることにより、インフレーター14に連結されることとなる。なお、実施形態のエアバッグ20では、接続口部26からガス案内流路25における接続口部26の直下にかけての部位に、耐熱性を高めるための別体のインナチューブ(図符号省略)が、配設されている(図2参照)。
【0024】
前席用保護部27は、膨張完了時に前席の側方に配置されるもので、側面衝突時においてエアバッグ20が膨張を完了させた際に、前席に着座した乗員の頭部を保護するための部位である。この前席用保護部27は、前側に、前側副膨張部31を隣接させて構成されており、前席用保護部27は、後述する連通部35によって、前上端側を、前側副膨張部31に連通されている。実施形態のエアバッグ20では、主膨張部(一次膨張部)24である前席用保護部27において、連通部35近傍となる前上端側の部位が、膨張用ガスGの流れの上流側に位置し、かつ、膨張完了時に車体側部材と近接して配置される近接膨張部位39を、構成している。
【0025】
後席用保護部28は、膨張完了時に後席の側方に配置されるもので、側面衝突時においてエアバッグ20が膨張を完了させた際に、後席に着座した乗員の頭部を保護するための部位である。
【0026】
二次膨張部としての副膨張部30は、実施形態の場合、前席用保護部27の前側に隣接して配置される前側副膨張部31と、前席用保護部27の後側に隣接して配置される中央側副膨張部32と、後席用保護部28の前側に隣接して配置される後側副膨張部33と、を備えている。
【0027】
前側副膨張部31は、主膨張部24(前席用保護部27)の前側に隣接するように、バッグ本体21の前端側に配置されている。この前側副膨張部31は、後上端側に開口される連通部35によって、前席用保護部27と連通されている。連通部35は、開口幅寸法を小さく設定されて、前側副膨張部31内への膨張用ガスの流入開始を、前席用保護部27よりも遅らせるように、構成されている。
【0028】
中央側副膨張部32は、実施形態の場合、前席用保護部27の後側であって、ガス案内流路25の下側の領域において、主膨張部24(前席用保護部27)に隣接して配置されている。この中央側副膨張部32は、前席用保護部27の後端側に開口される連通部36により、前席用保護部27と連通されている。この連通部36も、開口幅寸法を小さく設定されており、中央側副膨張部32内への膨張用ガスの流入開始を、前席用保護部27よりも遅らせるように、構成されている。
【0029】
後側副膨張部33は、実施形態の場合、中央側副膨張部32と後席用保護部28との間においてガス案内流路25の下側の領域を埋めるように配置されるもので、主膨張部24(後席用保護部28)に隣接して配置されている。この後側副膨張部33は、後席用保護部28の前下端側に開口される連通部37により、後席用保護部28と連通されている。この連通部37も、開口幅寸法を小さく設定されており、後側副膨張部33への膨張用ガスの流入開始を、後席用保護部28よりも遅らせるように、構成されている。
【0030】
実施形態のエアバッグ20では、膨張完了時に、前側副膨張部31と、後側副膨張部33と、後席用保護部28と、が、下端側を、ベルトラインBLより下方に突出させるように構成され、前席用保護部27と中央側副膨張部32とは、ベルトラインBLより上側となる位置に、配置される構成である(図6参照)。
【0031】
非流入部41は、周縁部42と、取付部46と、区画部48,49,50と、厚さ規制部53,54と、連結ベルト56,57と、を備えて構成されている。
【0032】
周縁部42は、ガス流入部22の外周縁を構成するもので、接続口部26の後端26a側を除いて、ガス流入部22の周囲を全周にわたって囲むように、配置されている。周縁部42において、バッグ本体21の上縁21a側となる上縁側部位43には、凸部44と凹部45とが、前後の略全域にわたって断続的に形成されている(図2参照)。これらの凸部44と凹部45とには、図示しないが、エアバッグ20の折畳作業時において、エアバッグ20を折り畳んで形成される折り完了体の周囲に巻き付けられる折り崩れ防止用のテープ材が巻き付けられることとなる。凸部44は、上縁側部位43の端縁から、略長方形状に上方に突出して形成されるもので、テープ材巻付用の目印を構成しており、この凸部44の部位には、全面にわたって接着剤層を有して、折り完了体に接着可能とされる図示しないテープ材が巻き付けられることとなる。凹部45は、凸部44よりも前後に幅広として、上縁側部位43の端縁を略台形状に凹ませて形成されるもので、この凹部45の部位には、不織布製の接着剤層を備えないテープ材(図示せず)が、巻き付けられることとなる。
【0033】
取付部46は、エアバッグ20をボディ1側のインナパネル2に取り付けるための部位であり、図2に示すように、バッグ本体21の上縁21a側となる周縁部42の上縁側部位43から上方に突出するようにして、前後方向に沿って複数配置されている。実施形態の場合、取付部46は、5個配置されており、バッグ本体21の前端側に配置される前側取付部46Fは、図1,6に示すように、フロントピラー部FPの部位に取り付けられるもので、他の取付部46よりも一段下がった位置に、配置されている。各取付部46には、取付ボルト12を挿通可能な取付孔(図符号省略)が、形成されている。
【0034】
区画部48は、ガス流入部22の領域内に配置されるもので、前側副膨張部31と前席用保護部27とを区画するように、周縁部42の下縁側の領域から上方に延びるような略棒状として、構成されている。この区画部48は、上端側の端末部48aを、後述する区画部50の横棒部51よりも上方に突出させるように、形成されている。区画部49は、中央側副膨張部32と後側副膨張部33とを区画するように、周縁部42の下縁側の領域から上方に延びるような略棒状として配置されている。区画部50は、ガス案内流路25の下縁側を構成し、かつ、中央側副膨張部32と後側副膨張部33とを、ガス案内流路25と区画するとともに、後側副膨張部33と後席用保護部28とを区画している。区画部50は、区画部49の上端から前後に延びるように形成される横棒部51と、横棒部51の後端から後下方に向かって傾斜しつつ延びる傾斜部52と、を備えている。横棒部51は、ガス案内流路25の下縁側を構成して、中央側副膨張部32及び後側副膨張部33を、ガス案内流路25と、区画している。傾斜部52は、後側副膨張部33と後席用保護部28とを区画している。区画部50における横棒部51の前端側には、前席用保護部27と中央側副膨張部32とを区画するように前下方に向かって傾斜するとともに、この領域の厚さを規制するように略円形状とされる端末部51aが、配置されている。
【0035】
厚さ規制部53は、外形形状を略円形状として、ガス案内流路25の前端近傍であって、連通部35の後方となる前席用保護部27側となる位置に、配置されている。すなわち、厚さ規制部53は、ガス流入部22の領域内であって、乗員の頭部を保護する前席用保護部27の上側となる位置に、配置されている。詳細には、厚さ規制部53は、図2,3に示すように、前席用保護部27の前端から、前席用保護部27の前後の長さの1/3程度離れた位置において、周縁部42の上縁側部位43との間に僅かに隙間を設けつつ、区画部48の端末部48aよりも上方に突出するようにして、配置されている。この厚さ規制部53は、主膨張部24の膨張時に、連通部35側(前側副膨張部31側)に多量の膨張用ガスが流れて前側副膨張部31が膨張することを抑制し、かつ、ガス案内流路25と一体的に構成される前席用保護部27の前上側の部位が厚く膨張することを抑制するために、配置されている。厚さ規制部54は、中央側副膨張部32の下縁側において、周縁部42の下縁側の部位から上方に突出するように、形成されている。
【0036】
そして、実施形態のバッグ本体21では、図2に示すように、区画部48の端末部48aと周縁部42の上縁側部位43との間の隙間が、連通部35を構成し、区画部50における端末部51aと厚さ規制部54との間の隙間が、連通部36を構成している。また、区画部50における傾斜部52と周縁部42における下縁側の部位との間の隙間が、連通部37を構成している。
【0037】
連結ベルト56,57は、バッグ本体21と別体として、実施形態の場合、バッグ本体21の前端側と後端側とにおいて、それぞれ、前後方向に沿って略延びるように配置されている。前側に配置される連結ベルト56は、バッグ本体21の上下の中央よりやや上方となる位置から前方に延びるように、形成されている。連結ベルト56の先端(前端)側には、フロントピラー部FPにおけるインナパネル2に取り付けられる取付部56aが、形成されている。後側に配置される連結ベルト57は、前側の連結ベルト56よりも上方となる位置において、バッグ本体21の後端から後方に延びるように、形成されている。連結ベルト57の先端(後端)側には、リヤピラー部RPにおけるインナパネル2に取り付けられる取付部57aが、形成されている。
【0038】
実施形態のバッグ本体21では、前席用保護部27の上縁側の部位であって、厚さ規制部53付近の部位が、図7に示すように、膨張完了時に車体側部材としてのインナパネル2に近接して配置される近接膨張部位39を構成することとなり、カバー部材60は、図2〜4に示すように、この近接膨張部位39のインナパネル2側となる車外側Oを覆うように、配置されている。
【0039】
カバー部材60は、実施形態の場合、図5に示すように、バッグ本体21の織成時に、バッグ本体21の上縁21a側から上方に延びるようにして、バッグ本体21と一体的に構成されるもので、折り返して、バッグ本体21の車外側Oを覆うように配置されている(図2〜4参照)。詳細には、カバー部材60は、外形形状を、前後方向側を幅広とした略長方形状として、前席用保護部27の上縁側の部位において、厚さ規制部53と、厚さ規制部53の後側に配置されている取付部46と、の間の領域の車外側Oを覆うように、構成されている(図2,3参照)。カバー部材60の前端付近と後端付近との上縁側には、バッグ本体21の上縁21a側に形成される凸部44に対応して、テープ材巻き付け用の凸部61,61が、配置されており、カバー部材60は、凸部61の上端の部位で、バッグ本体21から連なるように形成されている(図5参照)。そして、カバー部材60は、バッグ本体21の車外側Oを覆うように折り返された状態で、上縁60a側を、前後の略全域にわたって周縁部42の上縁側部位43に、縫合部位62を形成するようにして、縫合糸を用いて縫着(結合)され、下縁60b側を、厚さ規制部53に、縫合部位63を形成するようにして、縫合糸を用いて縫着(結合)されて、バッグ本体21に連結されている。
【0040】
次に、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載について説明をする。まず、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを重ねて平らに展開した状態のバッグ本体21を、カバー部材60とともに、下縁21b側を上縁21a側に接近させつつ、上下の幅寸法を縮めるように折り畳んで、エアバッグ20を折り畳み、図示しない折り完了体を形成する。エアバッグ20の折り畳み完了後には、破断可能な図示しない折り崩れ防止用の図示しないテープ材を、折り完了体の周囲に巻き付けておく。
【0041】
その後、取付ブラケット16を取付済みのインフレーター14を、クランプ15を利用して、エアバッグ20の接続口部26と接続させ、エアバッグ20の各取付部46に取付ブラケット11を固着させて、エアバッグ組付体を形成する。
【0042】
次いで、取付ブラケット11,16を、ボディ1側のインナパネル2の所定位置に配置させて、ボルト12,17止めし、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を、インフレーター14に結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1側のインナパネル2に取り付け、さらに、ピラーガーニッシュ6,7をボディ1側のインナパネル2に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置Mを車両Vに搭載することができる。
【0043】
頭部保護エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後において、車両Vの側面衝突時、若しくは、ロールオーバー時に、制御装置からの作動信号を受けてインフレーター14が作動されれば、インフレーター14から吐出される膨張用ガスが、バッグ本体21内に流入して、膨張するバッグ本体21が、図示しないテープ材を破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5との下縁から構成されるエアバッグカバー9を押し開いて、下方へ突出しつつ、図1の二点鎖線及び図6に示すごとく、窓W1,W2、センターピラー部CPの車内側を覆うように、大きく膨張することとなる。実施形態では、エアバッグ20のバッグ本体21では、まず、主膨張部24(前席用保護部27,後席用保護部28)が、膨張を完了させることとなり、その後、副膨張部30(前側副膨張部31,中央側副膨張部32,後側副膨張部33)が、膨張を完了させることとなる。
【0044】
そして、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、バッグ本体21が、膨張用ガスGの流れの上流側に位置して、膨張完了時にインナパネル2等の車体側部材と近接して配置される近接膨張部位39を備える構成であっても、この近接膨張部位39のインナパネル2との干渉側となる車外側Oは、カバー部材60によって、覆われる構成とされている。また、このカバー部材60は、上縁60a側と下縁60b側とを、バッグ本体21に結合(縫着)させることにより、バッグ本体21に連結されている。そのため、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、エアバッグ20の展開膨張時に、近接膨張部位39の車体側部材側となる車外側Oが、カバー部材60によって覆われることとなり、また、このカバー部材60は、上縁60a側と下縁60b側とをバッグ本体21に結合されていることから、車体側部材であるインナパネル2等と接触した場合にも、まくれ上がることを抑制されて、確実に、近接膨張部位39の車体側部材側(車外側O)を覆うことができる(図7参照)。その結果、近接膨張部位39が、車体側部材としてのインナパネル2と強く干渉することを抑制できて、バッグ本体21を迅速かつ安定して膨張完了させることができる。また、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、カバー部材60は、バッグ本体21において、膨張用ガスを流入させない非流入部41である周縁部42の上縁側部位43と厚さ規制部53とに、縫着(結合)されていることから、縫合糸を用いて縫着させる構成であっても、バッグ本体21への縫合部位62,63から、膨張用ガスが漏れることも抑制できて、バッグ本体21の気密性も確保することができる。
【0045】
したがって、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、膨張時のバッグ本体21の気密性を良好に確保できて、かつ、膨張時にバッグ本体21が車体側部材と近接して配置される構成であっても、バッグ本体21と車体側部材との強干渉を抑制することができる。
【0046】
また、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、カバー部材60を、バッグ本体21の織成時に、バッグ本体21を構成する部材から延設させて、バッグ本体21と一体的に形成していることから、カバー部材60のバッグ本体21への連結作業が簡便となる。勿論、このような点を考慮しなければ、カバー部材を、バッグ本体と別体として構成してもよい。
【0047】
さらに、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、バッグ本体21が、車両のロールオーバー時にも、乗員の頭部を保護可能に、構成されている。具体的には、バッグ本体21は、インフレーター14から吐出される膨張用ガスを流入させて膨張する一次膨張部としての主膨張部24と、主膨張部24と連通されて主膨張部24より遅れて膨張する二次膨張部としての副膨張部30と、を備える構成とされ、カバー部材60の下縁60b側を結合させる非流入部41としての厚さ規制部53が、主膨張部24である前席用保護部27と、副膨張部30である前側副膨張部31と、を連通させる連通部35近傍において、バッグ本体21の膨張初期に前側副膨張部31側への膨張用ガスの流入を抑制可能に、前席用保護部27側となる位置に、配置されている。そのため、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、前席用保護部27と前側副膨張部31とを連通させる連通部35近傍の部位が、カバー部材60によってインナパネル2側となる車外側Oを覆われることとなり、この連通部35近傍の部位のインナパネル2との強干渉を的確に抑制することができる。また、カバー部材60の下縁60b側を結合させる厚さ規制部53が、バッグ本体21の膨張初期において前側副膨張部31側への膨張用ガスの流入を抑制可能とするように、構成されていることから、バッグ本体21の膨張初期に、前側副膨張部31が膨張することを抑制して、前席用保護部27を迅速に膨張させることができて、前席用保護部27によって乗員の頭部を迅速に保護することができる。また、カバー部材60によって連通部35近傍の部位の車体側部材との強干渉が抑制されることから、連通部35近傍の部位の気密性を確保できて、前席用保護部27より遅れて膨張する前側副膨張部31の内圧を長時間維持させることができ、車両のロールオーバー時にも、乗員の頭部を的確に保護することができる。なお、このような点を考慮しなければ、エアバッグとして、側面衝突時のみに乗員の頭部を保護可能な構成のものを使用してもよい。
【0048】
さらにまた、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Mでは、バッグ本体21の上縁21a側に、エアバッグ20を折り畳んで形成される折り完了体の周囲に巻き付けられる折り崩れ防止用のテープ材を巻き付けるための目印としての凸部44と凹部45とが、形成されており、カバー部材60の上縁60a側にも、凸部44に対応して、凸部61が、配設されている。そのため、折り完了体へのテープ材を巻き付ける際に、巻付位置を目視し易く、カバー部材60の配置位置での折り完了体へのテープ材の巻付け作業が容易となる。また、カバー部材60の配置位置にテープ材が巻き付けられることから、カバー部材60における上下の中間部位が、バッグ本体21に対して、だぶつくことを抑制できて、折畳完了時のエアバッグ20の運搬時等において、カバー部材60の上げの中間部位が干渉物と干渉しても、だぶつかず、カバー部材60を含めたバッグ本体21の奇麗な折り畳み形状を維持できる。勿論、このような点を考慮しなければ、カバー部材の上縁側に、テープ材巻付用の目印を配設させず、カバー部材の部位にテープ材を巻き付けなくともよく、さらには、バッグ本体の上縁側に、テープ材巻付用の目印を形成しなくともよい。
【0049】
なお、実施形態では、カバー部材60は、近接膨張部位39と車体側部材としてのインナパネル2との接触を抑制するために、バッグ本体21の近接膨張部位39の車外側Oを覆うように配置されているが、カバー部材は、バッグ本体の車外側を覆う構成に限られるものではない。例えば、膨張するバッグ本体の上流側の部位の車内側(エアバッグカバーによって覆われる領域の車内側)に、車体側部材としてのアシストグリップ等が近接して配置される場合、カバー部材は、近接膨張部位とアシストグリップとの接触を抑制するために、近接膨張部位の車内側を覆うように配置させる構成としてもよい。また、実施形態では、カバー部材60は、前席用保護部27側に配置されているが、後席用保護部の膨張領域に、膨張完了時に車体側部材と近接して配置される部位があれば、この部位を覆うように、後席用保護部の領域内に、カバー部材を配置させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…ボディ、2…インナパネル(車体側部材)、9…エアバッグカバー、14…インフレーター、20…エアバッグ、21…バッグ本体、22…ガス流入部、24…主膨張部(一次膨張部)、27…前席用保護部、30…副膨張部(二次膨張部)、31…前側副膨張部、35…連通部、39…近接膨張部位、41…非流入部、42…周縁部、43…上縁側部位、44…凸部、53…厚さ規制部、60…カバー部材、60a…上縁、60b…下縁、61…凸部、G…膨張用ガス、W1,W2…窓、V…車両、M…頭部保護エアバッグ装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7