特許第6281481号(P6281481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6281481
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】コネクタ及び電線ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6471 20110101AFI20180208BHJP
   H01R 13/6463 20110101ALI20180208BHJP
【FI】
   H01R13/6471
   H01R13/6463
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-255456(P2014-255456)
(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2016-115625(P2016-115625A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳吾
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−022107(JP,A)
【文献】 特開平11−265754(JP,A)
【文献】 特表2008−541354(JP,A)
【文献】 特表2014−502415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/646 − 13/6599
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のハウジング内に設けられ、非シールド線に接続すべき1対又は複数対の第1端子を有する第1コネクタと、他のハウジング内に設けられ、前記1対又は複数対の第1端子にそれぞれ接続すべき1対又は複数対の第2端子を有する第2コネクタとを備えるコネクタにおいて、
前記一のハウジング内に固定され、前記第1端子を1対単位で囲繞し、他と絶縁された1又は複数の第1端子囲繞導体と、前記他のハウジング内に固定され、前記第2端子を1対単位で囲繞し、他と絶縁された1又は複数の第2端子囲繞導体とを備え、前記第1端子及び第2端子がそれぞれ接続されるときは、対応する第1端子囲繞導体及び第2端子囲繞導体もそれぞれ接続されるように構成してあることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1端子及び第2端子は、前記第1端子囲繞導体及び第2端子囲繞導体によりそれぞれ断面視が各端子対の中間線を対称軸とする線対称形状に囲繞されている請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1コネクタは、前記第1端子の間隔より小さい間隔を有する複数の他の第1端子を更に有し、前記第2コネクタは、前記第2端子の間隔より小さい間隔を有する複数の他の第2端子を更に有する請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載されたコネクタと、該コネクタが備える第1端子対にそれぞれ接続された1又は複数の非シールドツイストペア線と、前記コネクタが備える第2端子対にそれぞれ接続された1又は複数の非シールドツイストペア線とを備えることを特徴とする電線ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1対又は複数対の第1端子を有する第1コネクタと、1対又は複数対の第2端子を有する第2コネクタとを備え、高速通信線(Ethernet:登録商標)を接続するコネクタ、及びこのコネクタに高速通信線としてツイストペア線が接続された電線ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、多くの電気機器が搭載されており、これらの電気機器に電源を供給する為、また、電気機器間で通信する為に、多くのワイヤーハーネスが使用されている。ワイヤーハーネスの電線対が平行線であれば、外乱ノイズの影響が大きくなる。
そこで、高速通信線を含むワイヤーハーネス間を、車載標準コネクタ(0.64型、マルチピン)で接続する場合、高速通信線にはノイズ耐性が高いツイストペア線を使用して外乱ノイズを抑制している。
【0003】
しかし、コネクタ部分は、ツイストペア線ではないので、近接配置した他の線の影響を受け、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が悪化し、ノイズ耐性が低下する。
その為、従来は、完全シールドコネクタ等の高速通信専用のコネクタを使用していた。
【0004】
特許文献1には、複数の横列にて絶縁性ハウジング内に保持された差動対を有し、電子システム内のプリント回路板を相互に接続する差動電気コネクタが開示されている。
【0005】
特許文献2には、筺体と、筺体を少なくとも部分的に覆うホイルとを備え、ホイルが、隙間により離間された2つの部分により構成された通信コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−525972号公報
【特許文献2】特開2013−93335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、ワイヤーハーネスの接続に完全シールドコネクタ等の高速通信専用のコネクタを使用すると、部品コストが上昇するという問題がある。また、コネクタに空きピン(4ピン程度)を設けると、ノイズ耐性を改善できるということがあるが、無駄なピンが多数になり現実的でない。
【0008】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が良く、ノイズ耐性が高いコネクタを提供することを目的とする。
また、本発明は、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が良く、ノイズ耐性が高いコネクタにツイストペア線が接続された電線ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係るコネクタは、一のハウジング内に設けられ、非シールド線に接続すべき1対又は複数対の第1端子を有する第1コネクタと、他のハウジング内に設けられ、前記1対又は複数対の第1端子にそれぞれ接続すべき1対又は複数対の第2端子を有する第2コネクタとを備えるコネクタにおいて、前記一のハウジング内に固定され、前記第1端子を1対単位で囲繞し、他と絶縁された1又は複数の第1端子囲繞導体と、前記他のハウジング内に固定され、前記第2端子を1対単位で囲繞し、他と絶縁された1又は複数の第2端子囲繞導体とを備え、前記第1端子及び第2端子がそれぞれ接続されるときは、対応する第1端子囲繞導体及び第2端子囲繞導体もそれぞれ接続されるように構成してあることを特徴とする。
【0010】
このコネクタでは、第1コネクタが、一のハウジング内に設けられ、非シールド線に接続すべき1対又は複数対の第1端子を有し、第2コネクタが、他のハウジング内に設けられ、1対又は複数対の第1端子にそれぞれ接続すべき1対又は複数対の第2端子を有する。1又は複数の第1端子囲繞導体が、一のハウジング内に固定され、第1端子を1対単位で囲繞し、他と絶縁され、1又は複数の第2端子囲繞導体が、他のハウジング内に固定され、第2端子を1対単位で囲繞し、他と絶縁されている。第1端子及び第2端子がそれぞれ接続されるときは、対応する第1端子囲繞導体及び第2端子囲繞導体もそれぞれ接続される。
【0011】
第2発明に係るコネクタは、前記第1端子及び第2端子は、前記第1端子囲繞導体及び第2端子囲繞導体によりそれぞれ断面視が各端子対の中間線を対称軸とする線対称形状に囲繞されていることを特徴とする。
【0012】
このコネクタでは、第1端子は、第1端子囲繞導体により断面視が端子対の中間線を対称軸とする線対称形状に囲繞され、第2端子は、第2端子囲繞導体により断面視が端子対の中間線を対称軸とする線対称形状に囲繞されている。
【0013】
第3発明に係るコネクタは、前記第1コネクタは、前記第1端子の間隔より小さい間隔を有する複数の他の第1端子を更に有し、前記第2コネクタは、前記第2端子の間隔より小さい間隔を有する複数の他の第2端子を更に有することを特徴とする。
【0014】
このコネクタでは、第1コネクタは、第1端子囲繞導体により囲繞された第1端子の間隔より小さい間隔を有する複数の他の第1端子を更に有し、第2コネクタは、第2端子囲繞導体により囲繞された第2端子の間隔より小さい間隔を有する複数の他の第2端子を更に有している。
【0015】
第4発明に係る電線ユニットは、本発明に係るコネクタと、該コネクタが備える第1端子対にそれぞれ接続された1又は複数の非シールドツイストペア線と、前記コネクタが備える第2端子対にそれぞれ接続された1又は複数の非シールドツイストペア線とを備えることを特徴とする。
【0016】
この電線ユニットでは、第1発明から第3発明の何れかに係るコネクタが備える1又は複数の第1端子対に1又は複数の非シールドツイストペア線がそれぞれ接続され、1又は複数の第2端子対に1又は複数の非シールドツイストペア線がそれぞれ接続されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るコネクタによれば、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が良く、ノイズ耐性が高いコネクタを実現することができる。
本発明に係る電線ユニットによれば、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が良く、ノイズ耐性が高いコネクタにツイストペア線が接続された電線ユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態の平断面A及び側断面Bを模式的に示す断面図である。
図2図1のa−a′における横断面を示す断面図である。
図3図1のa−a′における他の横断面の例を示す断面図である。
図4】本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態の平断面A及び側断面Bを模式的に示す断面図である。
図5図4のb−b′における横断面を示す断面図である。
図6図4のb−b′における他の横断面の例を示す断面図である。
図7】本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態の概略構成を部分的に透視して示す斜視図である。
図8】本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態の外観を示す平面図A及び正面図Bである。
図9】本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態の外観を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態1の平断面A及び側断面Bを模式的に示す断面図であり、図2は、図1のa−a′における横断面を示す断面図である。
このコネクタ及び電線ユニットは、図1に示すように、2対のツイストペア線6,6が接続され、直方体形状のハウジング3を有するメスコネクタ1(第1コネクタ又は第2コネクタ)と、2対のツイストペア線9,9が接続され、メスコネクタ1を嵌入する為の凹部4aが設けられた略直方体形状のハウジング4を有するオスコネクタ2(第2コネクタ又は第1コネクタ)とを備えている。
【0020】
メスコネクタ1は、ピン形状のオス端子8と嵌合して接続する筒形状の8極のメス端子5(第1端子又は第2端子)が、図2に示すように、接続面で4極×2列に配列されるように埋め込まれている(但し、ここでは1列分は空である)。ハウジング3の厚さ方向(ツイストペア線6の長さ方向)は、図1に示すように、メス端子5の長さより僅かに大きくしてある。
メス端子5は、図2に示すように、隣接する1対毎に、格子形状のメス端子囲繞導体7(第1端子囲繞導体又は第2端子囲繞導体)により囲繞され、ツイストペア線6に接続されている。1対毎のメス端子5とそれを囲繞する部分のメス端子囲繞導体7とは、断面視が端子対の中間線を対称軸とする線対称形状をなしており、メス端子囲繞導体7は他とは絶縁された状態で、ハウジング3に埋め込まれている。
【0021】
オスコネクタ2は、ピン形状の8極のオス端子8が、接続面で4極×2列に配列されるように埋め込まれている(但し、ここでは1列分は空である)。ハウジング4の厚さ方向(ツイストペア線9の長さ方向)は、図1に示すように、オス端子8(第2端子又は第1端子)の長さより僅かに大きくしてあり、オス端子8のツイストペア線9に接続された側の約1/2は、ハウジング4に埋め込まれ、残りの1/2は、メスコネクタ1を嵌入する為の凹部4aへ突出している。
【0022】
オス端子8は、隣接する1対毎に、ハウジング4に埋め込まれた部分が、格子形状のオス端子囲繞導体10(第2端子囲繞導体又は第1端子囲繞導体)により囲繞され、ツイストペア線9に接続されている。1対毎のオス端子8とそれを囲繞する部分のオス端子囲繞導体10とは、断面視が端子対の中間線を対称軸とする線対称形状をなしており、オス端子囲繞導体10は他とは絶縁された状態で、ハウジング4に埋め込まれている。
メス端子囲繞導体7と、それに対応するオス端子囲繞導体10とは、断面視が同形状に形成されている。
【0023】
このような構成のコネクタ及び電線ユニットでは、メスコネクタ1が、オスコネクタ2の凹部4aに嵌入されると、ピン形状の各オス端子8は、筒形状の各メス端子5とそれぞれ嵌合して接続する。この際、対応するメス端子囲繞導体7及びオス端子囲繞導体10もそれぞれ接続され、メス端子5の対及びオス端子8の対は、メス端子囲繞導体7、オス端子囲繞導体10により囲繞される。
これにより、電線ユニットのコネクタ部分において、特性インピーダンスが大きく変化せず、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が悪化せず、外乱ノイズに対する耐性が高くなる。
【0024】
尚、メス端子囲繞導体7及びオス端子囲繞導体10は、格子形状又は筒形状のように、各端子対を透き間無く完全に囲繞しておく必要はなく、図3に示すように、断面視において、例えば、方形の四隅に透き間を設けたメス端子囲繞導体7a及びオス端子囲繞導体であっても、同様の作用、効果を得ることは可能である。
【0025】
(実施の形態2)
図4は、本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態2の平断面A及び側断面Bを模式的に示す断面図であり、図5は、図4のb−b′における横断面を示す断面図である。
このコネクタ及び電線ユニットは、図4に示すように、ツイストペア線16及び2本の一般電線22,22が接続され、直方体形状のハウジング13を有するメスコネクタ11と、ツイストペア線19及び2本の一般電線24,24が接続され、メスコネクタ11を嵌入する為の凹部14aが設けられた略直方体形状のハウジング14を有するオスコネクタ12とを備えている。
【0026】
メスコネクタ11は、ピン形状のオス端子18及びオス端子23と嵌合して接続する筒形状の2極のメス端子15及び3極のメス端子21が、図5に示すように、接続面で(2+3)個×2列に配列されるように埋め込まれている(但し、ここでは1列分のメス端子15,21と1個のメス端子21は空である)。ハウジング13の厚さ方向(ツイストペア線16の長さ方向)は、図4に示すように、メス端子15の長さより僅かに大きくしてある。
【0027】
メス端子15は、図5に示すように、隣接する1対が、格子形状のメス端子囲繞導体17により囲繞され、ツイストペア線16に接続されている。1対のメス端子15とそれを囲繞する部分のメス端子囲繞導体17とは、断面視が端子対の中間線を対称軸とする線対称形状をなしており、メス端子囲繞導体17は他とは絶縁された状態で、ハウジング13に埋め込まれている。
メス端子21は、メス端子囲繞導体17により囲繞されておらず、電源線等の一般電線22にそれぞれ接続されている。
【0028】
オスコネクタ12は、ピン形状の2個のオス端子18及び3極のオス端子23が、接続面で(2+3)極×2列に配列されるように埋め込まれている(但し、ここでは1列分のオス端子18,23と1極のオス端子23は空である)。ハウジング14の厚さ方向(ツイストペア線19の長さ方向)は、図4に示すように、オス端子18,23の長さより僅かに大きくしてある。
オス端子18のツイストペア線19に接続された側の約1/2、及びオス端子23の一般電線24に接続された側の約1/2は、ハウジング14に埋め込まれ、残りのそれぞれ1/2は、メスコネクタ11を嵌入する為の凹部14aへ突出している。
【0029】
オス端子18の隣接する1対は、ハウジング14に埋め込まれた部分が、格子形状のオス端子囲繞導体20により囲繞され、ツイストペア線19に接続されている。1対のオス端子18とそれを囲繞する部分のオス端子囲繞導体20とは、断面視が端子対の中間線を対称軸とする線対称形状をなしており、オス端子囲繞導体20は他とは絶縁された状態で、ハウジング14に埋め込まれている。
メス端子囲繞導体17と、それに対応するオス端子囲繞導体20とは、断面視が同形状に形成されている。
【0030】
メス端子囲繞導体17により囲繞されたメス端子15,15は、その間隔cが、メス端子囲繞導体17により囲繞されていないメス端子21,21の間隔dより大きくなるように配置して、特性インピーダンスが長さ方向で大きく変化しないようにしている。例えば、特性インピ―ダンスが100Ωである場合、メス端子15,15の間隔cは、メス端子21,21の間隔dより100μm程度大きくしてある。
【0031】
このような構成のコネクタ及び電線ユニットでは、メスコネクタ11が、オスコネクタ12の凹部14aに嵌入されると、ピン形状の各オス端子18,23は、筒形状の各メス端子15,21とそれぞれ嵌合して接続する。この際、対応するメス端子囲繞導体17及びオス端子囲繞導体20もそれぞれ接続され、メス端子15の対及びオス端子18の対は、メス端子囲繞導体17、オス端子囲繞導体20により囲繞される。
これにより、電線ユニットのコネクタ部分において、特性インピーダンスが大きく変化せず、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が悪化せず、外乱ノイズに対する耐性が高くなる。
【0032】
尚、メス端子囲繞導体17及びオス端子囲繞導体20は、その断面視を格子形状のように方形に限定する必要はなく、例えば、図6に示すように、断面視において、楕円形状のメス端子囲繞導体17a及びオス端子囲繞導体により端子対の中間線を対称軸とする線対称形状に各端子を囲繞するようにしても、同様の作用、効果を得ることができる。
【0033】
(実施の形態3)
図7は、本発明に係るコネクタ及び電線ユニットの実施の形態3の概略構成を部分的に透視して示す斜視図であり、図8は、実施の形態3の外観を示す平面図A及び正面図Bであり、図9は、実施の形態3の外観を示す側面図である。
このコネクタ及び電線ユニットは、1対のツイストペア線36が接続され、直方体形状のハウジング33を有するオスコネクタ31と、1対のツイストペア線39が接続され、略直方体形状のハウジング34を有するメスコネクタ32とを備えている。
【0034】
オスコネクタ31は、筒形状の2極のオス端子35が、ハウジング33の断面長尺方向に配列されるように、ハウジング33に埋め込まれている。2極のオス端子35は、筒形状のオス端子囲繞導体37により囲繞され、ツイストペア線36に接続されている。2極のオス端子35とそれを囲繞するオス端子囲繞導体37とは、断面視が、2極のオス端子35の中間線を対称軸とする線対称形状をなしており、オス端子囲繞導体37は、他とは絶縁された状態で、ハウジング33に埋め込まれている。
ハウジング33のオス端子囲繞導体37以外のスペースには、筒形状のオス端子21がハウジング33の断面長尺方向に6極配列されたものが2列埋め込まれている。ここでは、オス端子21には配線していない。
【0035】
メスコネクタ32は、先端部がピン形状の2極のメス端子38が、2極のオス端子35にそれぞれ対応するように、ハウジング34の断面長尺方向に配列され、ハウジング34に埋め込まれている。2極のメス端子38は、筒形状のメス端子囲繞導体40により囲繞され、ツイストペア線39に接続されている。2極のメス端子38とそれを囲繞するメス端子囲繞導体40とは、断面視が、2極のメス端子38の中間線を対称軸とする線対称形状をなしており、メス端子囲繞導体40は、他とは絶縁された状態で、ハウジング34に埋め込まれている。
【0036】
ハウジング34のメス端子囲繞導体40外のスペースには、先端がピン形状のメス端子23がハウジング34の断面長尺方向に6極配列されたものが2列埋め込まれている。ここでは、メス端子23には配線していない。
オス端子囲繞導体37と、それに対応するメス端子囲繞導体40とは、断面視が同形状に形成されている。
【0037】
このような構成のコネクタ及び電線ユニットでは、先端部がピン形状の各メス端子38は、筒形状の各オス端子35とそれぞれ嵌合して接続する。この際、対応するオス端子囲繞導体37及びメス端子囲繞導体40もそれぞれ接続され、オス端子35の対及びメス端子38の対は、オス端子囲繞導体37、メス端子囲繞導体40により囲繞される。
これにより、電線ユニットのコネクタ部分において、特性インピーダンスが大きく変化せず、クロストーク特性およびノーマル・コモン変換特性が悪化せず、外乱ノイズに対する耐性が高くなる。
【0038】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0039】
1,11,32 メスコネクタ(第1コネクタ又は第2コネクタ)
2,12,31 オスコネクタ(第2コネクタ又は第1コネクタ)
3,4,13,14,33,34 ハウジング
4a,14a 凹部
5,15,21,23a,38 メス端子(第1端子又は第2端子)
6,9,16,19,36,39 ツイストペア線
7,7a,17,17a,40 メス端子囲繞導体(第1端子囲繞導体又は第2端子囲繞導体)
8,18,21a,23,35 オス端子(第2端子又は第1端子)
10,20,37 オス端子囲繞導体(第2端子囲繞導体又は第1端子囲繞導体)
22,24 一般電線
c,d 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9