(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御ユニット(9)はインターネット、イントラネット、又はバスシステムを介して無線又は有線で外部データ処理ユニット(90)に接続され、前記外部データ処理ユニット(90)は特定された状態データを受信する、請求項12に記載の折り畳み可能摺動壁(1)。
【背景技術】
【0002】
部屋若しくは部屋のエリアを隔てるか、又は部屋若しくは部屋のエリアを作るため、部屋の開口部又は窓開口部を閉じるため、及び前面又はファサードを覆うために、多くの場合、摺動ドア等の壁要素が使用され、壁要素は、レールに沿って変位可能なキャリッジに搭載され、恐らくは回転可能に搭載される。この種の摺動ドアは、例えば、透明ガラス、木材、又は金属から作られる。多くの場合、壁要素は互いに結合され、それにより、全要素の組み合わせが、折り畳み可能摺動壁又は折り畳み可能な摺動シャッターを形成する。互いに組み合わせられる個々の壁要素又は複数の壁要素は、家具ユニット、特に、箪笥にも使用される。
【0003】
(特許文献1)には、2組の走行レールを備えた可動壁が開示されており、走行レールに沿って、壁要素はパーキング領域に移動することができる。走行レールはパーキング領域内に分岐を備え、分岐から、直線レール要素及び湾曲レール要素が延びる。壁要素は2つのキャリッジ上に懸架され、2つのキャリッジのうち、一方は直線レール要素内に案内され、他方は湾曲レール要素内に案内される。これにより、壁要素は90度ターンし、例えば、壁上で互いに平行に位置合わせされて停止する。したがって、壁要素をターンさせるために、専用のレールシステムが必要であり、恐らくは、専用のレールシステムを局所的な状況に適合させる必要がある。
【0004】
(非特許文献1)から、均等又は不均等な数の羽を有する摺動シャッターを折り畳む建具が既知であり、羽は、例えば、窓前部又はバルコニーの外側に設置される。折り畳み組立体の羽要素は、ヒンジにより互いに旋回可能に接続される。そのような折り畳み組立体は、横方向に壁に押しつけることができ、又は光若しくは風を遮るものとして自由に立てて使用することができる。折り畳み組立体の変位、開き、又は折り畳みは、手動介入を通して、追加のレール要素なしで実現される。それにより、羽要素は通常、不等な速度で回転し、結果として、手動介入に応じて、不規則な折り畳みプロセスが生じる。
【0005】
(特許文献2)から、電動キャリッジを備える折り畳み可能摺動壁が既知であり、電動キャリッジは、前部の最初の壁要素及び続く壁要素の各壁対に搭載される。それにより、キャリッジのモータは、所要速度でレールに沿って移動するように制御される。さらに、モータは駆動要素に結合され、駆動要素を用いて、旋回可能に保持された壁要素を駆動することができ、それにより、キャリッジにより保持された壁要素は、所要速度でレールに沿って移動するのみならず、ターンして、パーキング手順を実行することもできる。この装置は、拡張駆動機構と、それに従って複雑な制御回路とを備える複数の電動キャリッジを必要とする。折り畳み可能摺動壁を開閉するために、個々のキャリッジの駆動装置はそれに従ってプログラム又は制御される。必要な制御データは、折り畳み可能摺動壁の構成データに基づいて計算される。
【0006】
さらに、摺動可能なドアを移動する際、厳しい安全要件に従わなければならないため、妨害物が現れる場合には、対応する対策が取られる。
【0007】
(特許文献3)から、直流駆動装置に供給されるモータ電流を所与の閾値又は捕捉された基準値と比較することが既知である。このために、直流電流駆動装置のパラメータ及び被駆動要素のパラメータが、学習駆動中に特定され記憶される。後に、折り畳み可能摺動壁を使用する間、記憶されたパラメータ値からのずれの発生を監視することにより、障害物を検出することができる。
【0008】
(特許文献3)から既知の方法は、例えば、(特許文献2)から既知の折り畳み可能摺動壁において実施することができる。第1のステップにおいて、折り畳み可能摺動壁がプログラムされ、さらなるステップにおいて、直流駆動装置のパラメータを捕捉しながらの障害物のない学習駆動が実行される。ユーザの現場への設置後に、折り畳み可能摺動壁が妨害物と衝突した場合、直流電流駆動装置又は折り畳み可能摺動壁のそれぞれを停止させ、退避させることができる。例えば、端部停止装置との接触を検出することができ、それにより、モータ電流がそれに対応して上昇した後、直流駆動装置をオフに切り替えることができる。このためには、端部停止装置との接触が必要であり、端部停止装置との接触は通常、ノイズを生じさせるとともに、装置の組立部分に応力を生じさせる。
【0009】
常に同じ構成で製造され、ユーザの現場に輸送され、同じ構成で設置される折り畳み可能摺動壁では、所望の動作の快適さを提供する動作プログラムが製造業者により提供される。しかし、折り畳み可能摺動壁の構成が所与の基準からずれる場合、特定のプログラミングが必要であり、そのプログラミングは、ユーザの現場で、それに対応する手間を掛けて個々に行う必要がある。このために、ユーザの言語で書かれた設置ガイド又はトレーニングコースを提供する必要がある。通常、訓練された専門家が存在する必要があり、そのために、設置コスト及び設置時間がかなりのものになり得る。
【0010】
(特許文献2)から既知の折り畳み可能摺動壁等の既知の折り畳み可能摺動壁が複数のモータを備え、それにより、一方ではかなりの材料コスト及び他方では個々のモータの制御手順のプログラミングにかなりの手間が生じることにさらに留意する。
【0011】
折り畳み可能摺動壁に欠陥が生じた場合、これらの欠陥は初期の段階では認識されないことがあり、それにより、折り畳み可能摺動壁の動作により大きなエネルギーが使用されることになり、装置の部品が摩耗し、早期に交換しなければならなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、折り畳み可能要素を有するシステムの改良された動作方法、特に、折り畳み可能摺動壁の動作方法並びに折り畳み可能要素、特に、改良された折り畳み可能摺動壁を有する改良されたシステムを作るという目的に基づく。
【0015】
本発明によるシステムは最小の手間で輸送し設置することが可能である。特に、システムをプログラミングする作業は、好ましくは、完全に回避される。
【0016】
設置サービス提供者はもはや、システムの構成データを含む状態データを取得するというタスクを負担しない。
【0017】
さらに、好ましくは、リモートメンテナンスにより、簡単な対策でシステムの欠陥の位置を特定することが可能である。
【0018】
システムの要素を順次折り畳むことが可能であり、それにより、必要とされる折り畳み可能要素は完全に機能する状態を保ちながら、必要ではない折り畳み可能要素のみをターンさせてパーキングすることができる。
【0019】
さらに、好ましい実施形態では、折り畳み可能要素を有するシステムは、システムにより閉じることが可能な開口部の部品が、システムの特定の要素により選択的に閉じることができるように動作可能である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的は、請求項1及び請求項14のそれぞれにおいて定義される特徴を示す折り畳み可能要素を有するシステムの動作方法及び折り畳み可能要素を有するシステムを用いて達成される。本発明の好ましい実施形態が、さらなる請求項において定義される。
【0021】
方法は、制御ユニットが設けられた、折り畳み可能要素、特に折り畳み可能摺動壁を有するシステムを動作させるように機能し、システムは、接続シャフトを介して関連するキャリッジにそれぞれ接続される少なくとも2つの折り畳み可能要素を備え、キャリッジは走行レール内に摺動可能に支持され、キャリッジのうち、少なくとも前側折り畳み可能要素に接続するキャリッジには駆動モータが設けられる。方法は学習駆動を実行するステップを含み、そのステップを用いて、折り畳み可能要素を有するシステムは、第1の位置から第2の位置に移動し、関連する情報が捕捉される。折り畳み可能要素を有するシステムは、互いに接続され、レール内で案内され、互いに対して折り畳み可能な要素を有する任意のシステムであることができる。
【0022】
本発明によれば、作用負荷の少なくとも前側キャリッジでのデータ及び関連する位置データが捕捉され、それらから、設置された折り畳み可能要素を有するシステムの、構成データを含む状態データが特定されて、動作プログラムに提供され、動作プログラムはそれぞれ、特定された状態データに応じて少なくとも1つの駆動モータを制御又は調整する。
【0023】
好ましい実施形態では、作用負荷及び/又は作用負荷のプロファイルの少なくとも部分の変化が捕捉されて解析され、それから、自己学習制御システムの基準値が決定され、基準値を用いて、少なくとも1つの駆動モータは、最初に特定された状態データ及び現在捕捉された実際データに応じて制御される。
【0024】
折り畳み可能要素を有するシステムの正常動作中、現在捕捉された実際データは、動作中に記録され、最初に特定された状態データと比較され、それから、ずれが特定される。特定されたずれに応じて、少なくとも1つの駆動モータの制御及び/又は調整を行うための値が形成される。好ましくは、特定されるずれに応じて、基準値は、標準に対応し、最適に制御されるシステムに達するように連続適合する。
【0025】
折り畳み可能要素を有するシステムの設置後、制御ユニットは、自動的又は手動で初期化された学習駆動を実行し、それにより得られるデータをバッファメモリ、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)に記憶する。その後でのみ、動作モードへの切り替えが行われる。バッファメモリの使用により、電源のない長い期間中に記憶データが失われないことが保証されるため、新しい学習駆動を実行する必要がない、好ましくは、学習駆動の実行時間、動作時間、回数及び折り畳み可能要素を有するシステムの走行距離が連続して測定され、定期的に記憶される。特定されたデータに基づいて、メンテナンス予測を計算することができ、適切な場合、サービス要求を、無線又は有線ネットワークを介して送信するか、又は表示ユニットで通知することができる。
【0026】
本発明による方法では、生産者が、設置の手間を増やすことなく、クライアントの要件に従って折り畳み可能摺動壁を個々に構成することができる。折り畳み可能要素を有するシステムは、任意の数且つ任意の寸法の折り畳み可能要素を備えることができる。折り畳み可能要素を有するシステムは、閉じる必要がある開口部の一方又は他方の側に取り付け可能であり、したがって、開口部は一方又は他方の方向に閉じるか、又は開くことができる。選択可能な中間停止装置として機能し、任意の既知の様式で動作可能なアクチュエータを統合することも可能である。
【0027】
本発明による方法を用いる場合、折り畳み可能要素を有するシステムは、選ばれた構成から独立して自動的にプログラミングすることができる。このために、状態データが自動的に特定され、この状態データは、所望のすべての機能を実行する動作プログラムの入力値として機能する。全体的に、従来の折り畳み可能摺動壁と比較して、設置する手間の低減に繋がる。
【0028】
折り畳み可能要素を有するシステムの開閉方向、折り畳み可能要素の数、質量、及び/又は寸法等の特定された情報に基づいて、好ましくは、所与の技術的基準を考慮して、制御・調整システムの自己較正が実行される。例えば、妨害物に対して作用が許可される許容最大力を超える際に生じる最大モータ電流が自動的に特定される。
【0029】
したがって、制御ユニットは、折り畳み可能要素を有するシステムがどの方向に開くか、停止するか、又は閉じるかを自動的に認識するため、関連する構成データに装置のコマンド要素を結合することができる。開く手順に関連する制御データは、入力装置の要素、例えば、メニュー構造の「開く」フィールドに割り当てられ、それにより、この要素が選択された場合、折り畳み可能要素を有するシステムは自動的に開く。さらに、適宜プログラミングすることにより、ユーザが特定数の折り畳み可能要素をパーキングエリア内外に駆動させることができる選択肢を提供することができる。
【0030】
制御ユニットは初期プログラムを含み、このプログラムは、学習駆動を初期化して制御し、データを収集し、折り畳み可能要素を有するシステムの後の動作に必要な情報を特定できるようにする。学習駆動の実行により、輸送され設置された、折り畳み可能要素を有するシステムは、人員のサポートなしでそれ自体を構成することができる。さらに、ユーザは、折り畳み可能要素を有するシステムの後の動作中に考慮される追加のパラメータを入力することができる。例えば、最高駆動速度を設定することができる。さらに、ユーザは、折り畳み可能要素を有するシステムが採用できるいくつかの動作構成を定義することができる。例えば、折り畳み可能要素を有するシステムは、2つの第1の動作構成で完全に閉じるか、又は開くように制御可能である。さらなる動作構成では、特定数の折り畳み可能要素が完全に移動可能である。さらなる好ましい構成では、前側折り畳み可能要素は、選択的にアクティブ化することができる停止装置まで移動可能である。通常、学習駆動は、電動キャリッジの最大駆動距離を区切る端部停止装置の間でのみ実行される。したがって、制御ユニットを用いて、構成データを特定することができ、電気装置、特に折り畳み可能要素を有するシステムの少なくとも1つの駆動ユニットを制御し、調整することができる。
【0031】
選択可能な中間停止装置が提供される場合、学習駆動は最高で中間停止装置まで実行することができる。したがって、第1の段階では、動作プログラムは、学習駆動を実行し、次に、中間停止装置をアクティブ化させ、この中間停止装置まで学習駆動を実行する。
【0032】
好ましい実施形態では、開く場合の学習駆動及び閉じる場合の学習駆動が利用され、折り畳み可能要素を有するシステムは異なる情報を届ける。
【0033】
折り畳み可能要素を有するシステムを開く場合、移動を要する負荷が、折り畳み可能要素の各パーキングで段階的に低減する。それにより、関連するキャリッジの摺動摩擦から生じる力に対応する負荷割合が消える。しかし、好ましくは、キャリッジの停止後、関連する折り畳み可能要素がターンすることを考慮に入れ、それにより、風が折り畳み可能要素に衝突することから生じる力を登録することができる。
【0034】
通常、折り畳み可能要素のパーキングプロセス中の負荷変化は、精密に検出することができ、その後、負荷変化が発生した対応する位置及び折り畳み可能要素の寸法を特定することができる。さらに、個々のキャリッジの摺動摩擦に起因する負荷を特定することができる。
【0035】
摺動摩擦から生じる力を規則正しく測定して、発生する障害物を個々にすべてのキャリッジに登録し、無線又は有線でサービスセンターに報告することができる。折り畳み可能要素、特に折り畳み可能摺動壁を有するシステムが、例えば、ホテルに設置される場合、収集された情報は、例えば、イントラネットを介してメンテナンスサーバに転送することができ、メンテナンスサーバに、折り畳み可能要素を有するシステム又はその部品の状態が記憶される。システムを長時間動作させた後、キャリッジの機能が低下するか、又は学習駆動中に捕捉されたデータからのずれが検出される場合、メンテナンスサーバは、必要とされるメンテナンス作業を精密に指定するエラーメッセージを発行することができる。例えば、第3会議室の折り畳み可能要素を有する第2システムで、3番目のキャリッジがメンテナンスを要することを記載したエラーメッセージが、電子メールによりメンテナンス人員に直接発行又は送信される。このようにして、制御サービスを自動的に実行し、メンテナンス作業を精密に計画することができる。メンテナンスサービスは、複数のホテル、企業建物、ショッピングセンター、及び宿屋を同時に監視することができる。
【0036】
折り畳み可能要素を有するシステムが閉じられる学習駆動を実行する場合、追加の情報を得ることができる。この場合、折り畳み可能要素はパーキングエリアから出るように駆動され、単位毎に加速しなければならない。折り畳み可能要素を加速するために一時的に必要とされる力は、摺動摩擦を補償するために必要な力に重ねられる。
【0037】
したがって、折り畳み要素の対毎に、負荷プロファイルを記録することができ、負荷プロファイルは、折り畳み要素対の線形移動中に受ける負荷に対応する第1のプロファイル部と、折り畳み可能要素対の回転移動中に受ける負荷に対応する第2のプロファイル部とを含む。これらのデータから、装置部品の特性及び状態に対するシステムの構成に関連するさらなる情報を得ることができる。例えば、第1のプロファイル部から、折り畳み可能要素の摩擦損失を、第2のプロファイル部から折り畳み可能要素の質量を特定することができる。発生する状態変化は、欠陥のある装置部品を示し、したがって、メンテナンスに役立つ。
【0038】
得られた情報に基づいて、折り畳み可能要素を有するシステムを精密に動作させることができる。折り畳み可能要素が停止装置に当たる前に、折り畳み可能要素のシステムの質量並びに端部停止装置及び中間停止装置の特定された位置を考慮して、制動手順を精密に計算することができ、それにより、折り畳み可能要素を有するシステムは常に、衝突及び邪魔するノイズを発生させずに停止することができる。折り畳み可能要素の質量を考慮して、遅延を必要とせず、同時に邪魔するノイズを回避することができる最適な制動プロファイルを実行することができる。
【0039】
したがって、状態データの集まりに基づいて、折り畳み可能要素を有するシステムの事後制御のみならず、先を見越した制御も実施することができる。
【0040】
負荷を特定するために、好ましくは負荷に比例する高さのモータ電流が測定される。好ましくは、ホールセンサが統合され、モータの速度、位置、回転方向を特定でき、これらのパラメータをデジタル信号により提供可能な直流電流モータが使用される。従来のモータのホールセンサは通常、モータシャフトの回転毎に12個の信号を提供するため、例えば、毎分で1000個の信号を提供し、したがって、位置測定で、極度に高い分解能に達することができる。このようにして、負荷変化の駆動距離並びに位置をミリメートルの範囲の精密さで特定することが可能である。ホールセンサによるブラシレス直流電流モータの制御は、例えば、(非特許文献2)から既知である。
【0041】
本発明による方法は、1つ又は複数のモータ、好ましくは直流電流モータを備えた、折り畳み可能要素を有するシステムで実施することができる。
【0042】
好ましい実施形態では、本発明による方法に従って動作する折り畳み可能要素を有するシステムは、ロータを担持する関連する接続シャフトに、トルクに耐えられるように接続された折り畳み可能要素を備える。ロータは、走行レールに平行して位置合わせされ、ロータチャネル内で移動可能であり、ロータチャネルは、折り畳み可能要素をパーキング可能な1つ又は複数の領域に、ロータチャンバとの結合部材を備え、ロータチャンバ内で、ロータは回転可能であり、ロータチャネルに垂直に位置合わせされた位置に保持される。
【0043】
第1の実施形態では、結合部材は、走行レール又はレールの一体的に接続される結合部材本体上に一体として形成される。結合部材は、パーキング領域又はレール全体に沿って延びる。
【0044】
第2の実施形態では、結合部材は、走行レール内に提供される搭載チャネルに挿入可能な結合部材本体上に形成される。
【0045】
2つ以上のパーキング領域が提供される場合、複数の案内体を提供することができる。必要に応じて、案内体は、ロータチャネルの両側、一方側、又は他方側に搭載することができる。この実施形態では、折り畳み可能要素を一方又は他方の側にターンさせ、壁要素が一方若しくは他方の方向又は両方向で移動しないようにすることができる。キャリッジをパーキング位置、例えば、走行レールの中央範囲に停止させるために、選択的にアクティブ化可能な中間停止装置を設けることができる。パーキング領域が走行レールの端部に配置される場合、前側キャリッジの堅固な停止装置が設けられる。好ましくは、前側キャリッジの本体は、次に続くキャリッジの停止装置を形成する。制御ユニットを用いて、電動キャリッジを任意の位置に駆動することができ、したがって、中間停止装置は特定の場合のみ、例えば、セキュリティ目的又はユーザからの要求時のみに適用される。
【0046】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、6つの折り畳み可能要素11、12、13、14、15、16を有する、折り畳み可能要素を有するシステム1を示し、折り畳み可能要素は、天井側では走行レール2、床側ではフットレール4で案内され、安定化レール3を用いて天井側で安定保持される。折り畳み可能要素11、…、16は3つの対11、12;13、14;及び15、16を形成し、対間に保護形材18が設けられる。各壁対11、12;13、14;及び15、16の折り畳み可能要素は、一端部においてヒンジ19を通して互いに接続され、他端部において、後述するキャリッジ5A、5B、5Cを用いて保持される。折り畳み可能要素を有するシステム1の前側及び端部側において、対応する折り畳み要素11及び16に、例えば、受け形材内に移動可能な終端形材18A、18Cが設けられる。
【0049】
折り畳み可能要素を有するシステム1は、例えば、端部停止装置を両側に備える壁開口部を開閉するように機能する。後述するように、端部停止装置間に、中間停止装置を配置することができ、中間停止装置において、折り畳み可能要素11、…、16は停止することができ、適切な場合、パーキングすることができる。
【0050】
図1は、折り畳み可能要素の最初の壁対11、12が走行レール2に垂直に折り畳まれ、位置合わせされることをさらに示す。折り畳み可能要素を有するシステムを折り畳むプロセスが、残りの折り畳み可能要素13、14、15、16がまだ定位置に位置合わせされている状態のままで、パーキング領域において壁対毎に順次実行される。
【0051】
折り畳み可能要素を有するシステム1は駆動ユニット61により駆動され、駆動ユニット61は、制御ユニット9により制御される電気モータ、好ましくは直流電流モータを含む。
図2に示される電動キャリッジ5Cによる前縁折り畳み要素16に対する力の影響は、例えば、折り畳み可能要素を有するシステム1が動作するのに、すなわち、折り畳み可能要素11、…、16の折り畳み及び展開を行うのに十分である。
【0052】
図2は、走行レール2を除去した後の電動前部キャリッジ5Cを示す。前部キャリッジ5Cは、接続シャフト又は保持シャフト711Hを介してそれぞれ前縁折り畳み可能要素16に接続される。
【0053】
保持シャフト711Hは壁建具71により保持され、壁建具71は、折り畳み可能要素16の右上角に搭載される。折り畳み可能要素16の上部には、支持ブラケット73が設けられ、支持ブラケット73は、安定化レール3の外側に沿って案内される支持カム731を保持する。
【0054】
さらに、キャリッジ5Cの本体50Cには、キャリッジホィール51、52及び案内ホィール53が設けられるとともに、下側に、終端形材18Cを保持する形材ホルダ180が設けられる。さらに、直流電流モータ61は前部キャリッジ5Cの本体50Cに統合され、直流電流モータ61は、供給線及び/又はデータ線65を介して制御ユニット9に接続される。供給線及びデータ線65は、前部キャリッジ5Cを辿るケーブルチェーン64内で案内される。直流電流モータ61は歯車62を駆動し、歯車62は、レール2に搭載された歯付きベルト63に係合する。直流電流モータ61は、好ましくは、ウォームギアを備え、モータがオフに切り替えられた場合、ウォームギアを用いて、歯車62がブロックされる。したがって、駆動装置がオフに切り替えられた後、前部キャリッジ5Cに接続された折り畳み可能要素16がしっかりと保持される。
【0055】
図3は、
図2の前部キャリッジ5C及び続く中央キャリッジ5Bを有する、
図1の折り畳み可能要素を有するシステム1を示し、中央キャリッジ5Bは、間に保護形材18が保持される2つの折り畳み可能要素14、15を保持する。
【0056】
ケーブルチェーン64が、牽引チャネル26内で歯付きベルト63の真下で案内され、走行レール2内で自由に保たれる。このために、キャリッジ5A、5B、及び5Cの本体50A、50B、50Cには、対応する溝、すなわち、反転L字形材が設けられる。したがって、ケーブルチェーン64は、キャリッジ5A、5B、及び5Cを横切る走行レール2の牽引チャネル26内に配置される。牽引チャネル26内では、歯付きベルト63に係合するモータ61及び歯車62も移動する。したがって、完全な牽引装置は、最小のスペース要件で走行レール2に統合することができる。
【0057】
図3では、2つの折り畳み要素15及び16がヒンジ19により互いに接続され、折り畳み可能要素14及び15が保護形材18により互いに離間されることがさらに示される。
【0058】
図4a及び
図4bは、2つの折り畳まれた折り畳み可能要素11、12を有する、パーキング領域にある
図1の折り畳み可能要素を有するシステム1の断面を示し、折り畳み可能要素11、12は、互いに対して駆動された2つのキャリッジ5A、5Bにより保持される。
図4aは、走行レール2を有する、折り畳み可能要素を有するシステム1を示し、
図4bは、走行レール2がない、折り畳み可能要素を有するシステム1を示す。最初の2つの折り畳み可能要素11、12は折り畳まれており、すなわち、走行レール2に略垂直に位置合わせされているが、3番目の折り畳み可能要素13はまだ、走行レール2に平行に位置合わせされており、それにより、開口部又は前部の部分はまだ完全に覆われたままである。1番目及び3番目の折り畳み可能要素11、13は、ロータシャフト711R(
図6参照)を介して関連するキャリッジ5A、5Bにそれぞれ接続される。各ロータシャフト711Rの上部には、ロータ712が配置され、ロータ712は、ロータシャフト711Rを介して関連する折り畳み可能要素11;13にしっかりと結合され、折り畳み可能要素11;13に平行に位置合わせされる。2つのキャリッジ5A及び5Bはパーキング領域で互いに当接するように駆動されているため、ここで、3番目の折り畳み要素13が、ターン、すなわち、パーキングプロセスを実行する準備ができている。
【0059】
図5a及び
図5bは、互いに当接するように駆動された
図4bのキャリッジ、すなわち、端部キャリッジ5A及び中央キャリッジ5Bを2つの角度から示す。
【0060】
キャリッジ本体50A、50Bをそれぞれ備える2つのキャリッジ5A、5Bは、ロータシャフト711Rをそれぞれ支持し、壁建具71にしっかりとそれぞれ接続される。しかし、2つの折り畳み可能要素12、13を保持する中央キャリッジ5Bのみにさらに、ロータ712を備えていない保持シャフト711Hが設けられる。
【0061】
キャリッジ本体50A、50Bは、垂直の第1の形状部501、水平の第2の形状部502、及び垂直の第3の形状部503を有する逆L字形状の形態を示す。第3の形状部503には、第1のキャリッジホィール51を保持する水平に位置合わせされたホィールシャフトが設けられるとともに、案内ホィール53を保持する2つの垂直に位置合わせされたホィールシャフトが設けられる。第1の形状部501には、第2のキャリッジホィール52を保持する2つの水平に位置合わせされたホィールシャフトが設けられるとともに、ロータシャフト711R及び保持シャフト711Hを受けるボア55が設けられ、ボア55は第2の形状部502も垂直に横切る。
【0062】
キャリッジ本体50A又は50Bのボア55内に挿入されたロータシャフト711Rの上側に、フランジ要素7111が設けられ、フランジ要素7111は、片側で、キャリッジ本体50A又は50Bの上に着座し、逆側には、形状ロックでロータ712を受ける溝が設けられる。保持シャフト711Hは、好ましくは、ロータシャフト711Rと同一であるが、ロータは設けられない。
【0063】
各前側に、ロータ712には、
図7に示されるように、少なくともパーキング領域において結合部材8に沿って延び、ロータチャネル85から出てロータチャンバ81内に、及びこの逆にターン可能なロータヘッド7121、例えば、位置合わせ要素又はロールが設けられる。好ましくは、ロータ712は対称に設計され、中空円柱形ロータチャンバ81内に保持することができる。このようにして、ロータシャフト711Rは常に、ロータチャンバ81と同心に位置合わせされる。しかし、関連するキャリッジのロックに必要なのは、ロータ712の部分のみであるため、原理上、ロータ712及びロータチャンバ81の非対称実施形態を提供することも可能である。
図7では、能動ロータヘッド7121が案内される結合部材8は太線で示される。
【0064】
壁建具71は、折り畳み可能要素11又は13にねじ込むことができる建具リーブ(fitting leave)714及び垂直に位置合わせされ、例えば、ねじにより関連するロータシャフト711R又は保持シャフト711Hにしっかりと接続された建具レバー713を備える。それにより、建具リーブ714及び関連するロータシャフト711Rのロータ712は、互いに平行に位置合わせされる。建具レバー713を用いて、折り畳み可能要素11、…、16は、ファサード前部で所望の距離に保持することができる。さらに、建具レバー713のそれぞれにより、トルクが実現され、このトルクは、折り畳み可能要素11、…、16に対して作用し、折り畳み可能要素11、…、16をパーキング領域で自動的にターンさせる。
【0065】
中央キャリッジ5Bは、保護形材18(
図6参照)を搭載するための形材ホルダ180をロータシャフト711Rと保持シャフト711Hとの間に備え、保護形材18は、折り畳み要素12及び13の端部間での手動介入を回避する。しかし、端部キャリッジ5Aは終端形材18A(
図6参照)の形材ホルダ180を備え、形材ホルダ180は、好ましくは、縁部に搭載された受け形材内に駆動することができ、次に、終端形材18Aに重なる。
【0066】
図6は、中央キャリッジ5Bを部分的に分解した後の後ろ側からの
図4bの折り畳み要素を有するシステム1を示す。接続シャフト711のみ、すなわち、ロータシャフト711R及びロータシャフト711Rと同一であるが、ロータ712が設けられない保持シャフト711Hのみが残っている。端部キャリッジ5Aは個々に示され、ロータシャフト711Rのみを備え、保持シャフトを備えない。
【0067】
図7は、下から
図6の折り畳み可能要素を有するシステム1を示し、キャリッジ5A、5Bのロータ712はそれぞれ、走行レール2のロータチャンバ81内に保持される。ロータ712が関連する折り畳み可能要素11及び13のそれぞれに平行して位置合わせされることが示される。
【0068】
ロータチャンバ81内に保持される端部キャリッジ5Aのロータ712は、ロータチャネル85に垂直に位置合わせされるため、ロータチャネル85に入ることができない。したがって、端部キャリッジ5Aはブロックされ、関連する1番目の折り畳み可能要素11が90度ターンし、走行レール2に平行に位置合わせされる場合のみ、移動可能である。
【0069】
しかし、(第1の)中央キャリッジ5Bのロータ712は、ロータチャンバ81内でロータチャネル85に平行に位置合わせされ、ロータチャネル85に入ることができる。中央キャリッジ5Bがパーキング領域に入り、端部キャリッジ5Aに接触した場合、又は3番目の折り畳み可能要素13がパーキング領域から外され、ターンして再び走行レール2と平行して位置合わせされた場合、この位置に達する。最初の(入る)場合、ロータ712はまだロータチャンバ81内でターンしていない。2番目の(出る)場合、ロータ712はロータチャンバ81内で出る位置にターンしており、その後、中央キャリッジ5Bは出ることができる。中央キャリッジ5Bが出る際、最初の2つの折り畳み可能要素11、12のみがターンして走行レール2に平行して位置合わせされ、続けて端部キャリッジ5Cのロータ712もロータチャネル85に入ることができる。したがって、端部キャリッジ5A及び関連する1番目の折り畳み可能要素11は、中央キャリッジ5B並びに関連する折り畳み可能要素13及び15と同じ移動を示す。この重要性について
図10を参照して以下において説明する。
【0070】
図7は、案内チャネル41が内部に設けられたフットレール4を下からさらに示し、案内チャネル41で、下側キャリッジ5Af、5Bfの案内ホィール53fが案内される。下側キャリッジ5Af、5Bfは、下側に搭載され、接続シャフト711F(
図9参照)を介して下側建具71fに接続され、下側建具71fは折り畳み可能要素11、12、13の下側に取り付けられる。下側建具71fは、天井側に搭載された壁建具71と同一である。下側接続シャフト及び天井側接続シャフト711fは、互いに対応し、互いに同軸に位置合わせされ、それにより、折り畳み可能要素を有するシステム1の適切な企業が保証される。
【0071】
接続シャフト711は、建具レバー713を介して折り畳み可能要素11、…、16に接続され、そのため、手動の力又は駆動ユニット61により生成される力が、走行レール2に平行に折り畳み可能要素11、…、16に対して掛けられるとすぐに、トルクが折り畳み可能要素11、…、16に対して作用する。キャリッジ5A、5Bが停止し、ロータ712が関連するロータチャンバ81内に入るとすぐに、結果として生じるトルクにより、折り畳み可能要素11、…、16は順次ターンする。これより前では、折り畳み要素11、…、16のターンは、
図10を参照して以下に説明されるように、ロータチャネル85内で案内されるロータ712及び、好ましくは、安定化レール3内で案内される案内カム721により防止される。
【0072】
図8は、安定化レール3へのアクセスを提供する複数の通路31を備える安定化レール3を有する、折り畳み可能要素を有するシステム1を示す。1番目及び3番目の折り畳み可能要素11、13のそれぞれの上10に、案内カム721を備える案内建具72が搭載されることがさらに示される。さらに、すべての折り畳み可能要素11、12、13、及び14のそれぞれの上10に、支持カム731を備える支持ブラケット73が搭載され、支持カム731を用いて、関連する折り畳み可能要素11、12、13、及び14をパーキング位置に固定することができる。
【0073】
折り畳み可能要素を有するシステム1を閉じる場合、案内カム721は通路31を通して安定化チャネル32内に案内され、安定化チャネル32内に変位可能に保持される。折り畳み可能要素を有するシステム1が開かれた後、好ましくは、折り畳み可能要素を有するシステム1が閉じられた後でも、支持カム731は、安定化レール3の外側に当接するように位置決めされる。安定化チャネル32は、好ましくは、下に開いたU字形状を有する。好ましくは、案内要素33が提供され、案内要素33は、案内カム721を通路31に向けて案内し、同時に支持カム731を通過させる。このために、支持カム731は、例えば、案内カム721よりも小さな高さを備える。案内カム721及び支持カム731には、好ましくは、ロール又はグラインド要素が設けられる。
【0074】
1番目の折り畳み可能要素11の上部に搭載された案内カム721が安定化レール3に入るプロセスが
図10に示される。
【0075】
ロータシャフト712は、関連するロータチャンバ81内の定義された位置の定位置に保持されるが、回転可能なままであり、それにより、折り畳み可能要素を有するシステム1が開かれるか、又は閉じられる場合、折り畳み可能要素11、12、13、…、16は常に同じ経路に沿って案内される。したがって、折り畳み可能要素11、…、16の上10に搭載される案内カム721は、各ターンプロセスで、安定化レール3内に設けられる関連する通路31を通る。したがって、各ロータチャンバ81と関連する通路31との一定距離は、ロータシャフト711Rと関連する案内カム721との一定距離に対応する。
【0076】
図8は、
図7にすでに示した位置合わせでのキャリッジ5A、5Bのロータ7121を示す。中央キャリッジ5Bのロータ712は、ロータチャネル85と平行に位置合わせされ、ロータチャネル85に入ることができる。したがって、中央キャリッジ5Bはブロックされず、3番目の折り畳み可能要素13から出て、引き出すことができる。それにより、2番目の折り畳み可能要素12が続き、したがって、ヒンジ19を介してロータシャフト711Rを中心として1番目の折り畳み可能要素11をターンさせ、ロータシャフト711Rは端部キャリッジ5Aのロータ712により静止して保持される。したがって、1番目の折り畳み可能要素11は、走行レール2に平行して位置合わせされるまでターンする。
図10に示されるように、このターンプロセス中、案内カム721は関連する通路31を通り、安定化レール3に入る。これが完了するとすぐに、端部キャリッジ5Aのロータ712はロータチャネル85に平行に位置合わせされ、ロータチャネル85内に駆動されることができる。ここで、端部キャリッジ5Aもブロックされず、案内カム721が安定化チャネル32内でしっかりと保持されるまで、好ましくは、それまでの距離にわたるロック駆動で1番目の折り畳み可能要素11と一緒に駆動する。
【0077】
1番目の折り畳み可能要素11が近傍の壁に留まる場合、端部キャリッジ5Aの駆動長、すなわち、ロック駆動の長さは、通路31から離れて関連する案内カム721を移動させ、案内カム721を安定化チャネル32内に固定するために必要な駆動長に制限される。このプロセスの完了後、1番目の折り畳み可能要素11は、一方では端部キャリッジ5Aにより、他方では、案内カム721によりしっかりと保持され、案内カム721はヒンジ19の近傍に搭載され、そのため、後縁折り畳み可能要素11に対して作用する力が無効化される。これにより、折り畳み可能要素を有するシステム1のすべての折り畳み可能要素11、…、16が最適に保持され、外部からの影響が実際に完全に無効化されることが保証される。
【0078】
折り畳み可能要素を有するシステム1を閉じる場合、記載のプロセスは、折り畳み可能要素の各壁対11、12;13、14;15、16で順次実行され、この数は自由に選択することができる。壁対毎に、ロータチャンバ721が設けられ、好ましくは、安定化レール3内にそれに対応する通路31が設けられる。走行レール2は、より多数の折り畳み可能要素に向けて設計することもでき、そこからの一部分のみが使用される。
【0079】
折り畳み可能要素を有するシステム1を開く場合、記載のプロセスは逆に実行される。キャリッジ5A又は5Bのロータ712は、関連するロータチャンバ81内に保持され、ターンする。関連する案内カム721が通路31に現れ、安定化チャネル32から出ることができる。関連する折り畳み可能要素11、13、15はもはや変位することができず、ターンしてパーキングされる。
【0080】
図9は、3つのロータチャンバ81が内部に設けられる、異なる空間ビューでの走行レール2を示す。端部キャリッジ5A及び2つの中央キャリッジ5Bに、各ロータチャンバ81が設けられる。3つすべてのロータチャンバ81が占められ、次に、上記3つのキャリッジ5A、5Bはパーキング領域に互いに隣接してパーキングされる。
【0081】
図10は、結合部材本体80が内部に搭載された好ましい実施形態での走行レール2を示し、結合部材本体80は、側方に3つのロータチャンバ81及び上に2つの保持溝84を有する結合部材8を示す。走行レール2の中央部材203はフランジ要素24を備え、フランジ要素24は、保持溝84に係合し、結合部材本体80を保持する。したがって、フランジ要素24の間に、搭載チャネル86が形成され、搭載チャネル86内に、1つ又は複数の結合部材本体80を挿入し、例えば、ネジを用いて適した位置に固定することができる。
【0082】
図11は、折り畳み可能要素を有する本発明によるシステムの一部分を示し、この一部分は単に、走行レール2なしで、前部キャリッジ5C及び端部キャリッジ5A並びに結合部材本体80を含む。端部キャリッジ5Aには、第1のロータチャンバ81に入りターンした非対称ロータ712が設けられる。非対称実施形態により、ロータ712は、ロータチャネル85の他方側にスペースを必要としない。
【0083】
さらに、
図11は、入力装置95に接続され、電気線65を介して前部キャリッジ5cの駆動装置61に接続され、データ及び/又は電気エネルギーを転送させるように機能する制御ユニット9を象徴的に示す。これらの線65を介して、データを駆動装置61から制御ユニット9に転送することができる。駆動装置61がプロセッサを備える場合、データ転送は既知のプロトコルを用いて実行することができる。好ましくは、直流電流モータのホールセンサにより提供されるデータ並びにモータ電流の実際値を示すデータが、制御ユニット9に転送される。他の既知の装置は、データ転送に電流バーを使用し、電流バーは走行レールに統合され、キャリッジに取り付けられた電気接点に接触する。したがって、本発明による方法及び装置は、キャリッジを駆動させ、データを転送するように機能する異なる電気システムを用いて実施することもできる。
【0084】
受信したデータは、制御ユニットに提供される動作プログラム900により処理されて、モータ電流に対応する現在作用している負荷及び関連する位置データが特定される。それから、設置された折り畳み可能要素を有するシステム1の状態データが取得され、状態データは、上述したように、折り畳み可能要素を有するシステム1が動作する際、動作プログラム900により考慮される。
【0085】
動作プログラム900は、折り畳み可能要素を有するシステム1を開く方向、折り畳み可能要素11、…、16の数、寸法、及び重量等の折り畳み可能要素を有するシステム1のパラメータを特定し、特定されたパラメータを登録し、それに従って折り畳み可能要素を有するシステム1を動作させるように設計される。折り畳み可能要素を有するシステム1のパラメータを記録した後、好ましくは、ユーザへのインタフェースも同様に構成され、それにより、ユーザは、折り畳み可能要素を有するシステム1の構成に適合されたコマンドを選択又は入力することができる。例えば、それに従って折り畳み可能要素を有するシステム1を制御することができる適したメニュー構造が提供される。
【0086】
誤作動又は状態変化が検出された場合、制御ユニット9は、通信線901を介して、例えば、イントラネット又はインターネットを介して対応するメッセージを、例えば、システム供給者が操作するメンテナンスサーバ90に転送することができる。好ましい実施形態では、メンテナンスサーバ90は、必要なすべてのデータを制御ユニット9から検索することができ、又は学習駆動の実行さえも行い、折り畳み可能要素を有するシステム1をテストすることができる。
【0087】
入力装置95を用いて、ユーザは折り畳み可能要素を有するシステム1を制御し、追加の動作パラメータを入力することができる。動作プログラム900は、センサ91、92により提供されるさらなる情報も考慮に入れることができる。例えば、センサ91、92により、キャリッジ5の位置又は電気モータ61の温度が監視される。さらに、制御ユニット9は、さらなる装置、例えば、中間停止装置として機能し、プランジャ等のアクチュエータ部材を備えるアクチュエータ93を制御することができ、中間停止装置を用いて、キャリッジ5を停止させることができる。上述したように、電動キャリッジ5は、任意の位置で選択的に制御ユニットにより停止させることができ、したがって、中間停止装置は特別な場合のみ使用される。
【0088】
したがって、折り畳み可能要素を有するシステム1は、選択的にシフトすることができ、所望に応じてパーキングし位置決めすることができる。最適化された加速度プロファイル及び制動プロファイルを用いて、折り畳み可能要素を有するシステムを効率的に制御し、邪魔なノイズを回避することが可能である。
【0089】
図12は、折り畳み可能要素16、15、14、…が加速する際に常に生じる複数の負荷変化Lw1、Lw2、…を有する、
図1の折り畳み可能要素を有する変更されたシステム1を閉じている間に記録される負荷プロファイルLVを示す。
【0090】
図13は、折り畳み可能要素11、12、…をパーキング領域でターンさせる際に生じる負荷変化Lw1、Lw2、…を有する、
図1の折り畳み可能要素を有するシステム1を開く間に記録された負荷プロファイルLVを示す。
【0091】
駆動方向に応じて、異なる情報を個々の負荷プロファイルLVから得ることができ、折り畳み可能要素を有するシステム1の制御及び/又はメンテナンスに使用することができる。特に、折り畳み可能要素を有するシステム1の異なるパラメータを特定することができる。
【0092】
図は、前部キャリッジ5Dが移動した距離を示す。それに応じて、電気モータ61から記録されたモータ電流iのプロファイルLV又はそれに対応する、前部キャリッジ5Dに対して作用する負荷のそれぞれが示される。
【0093】
前部キャリッジ5Dの位置は、駆動モータ61の駆動シャフトの回転数又は回転の割合を測定することにより特定される。駆動シャフトの回転の割合についてのデータを送ることができるホールセンサを備えた直流電流モータは、それにより、前部キャリッジ5Dの位置を最高精度で特定することができる。このようにして、学習駆動を実行している間及び後の正常動作中に、前部キャリッジ5Dの各位置でのモータ電流iを特定することが可能である。続けて、正常動作中に捕捉される実際のデータを、学習駆動中に捕捉された期待データと比較して、例えば、妨害物を検出することができる。
【0094】
折り畳み可能要素の対11、12;13、14;15、16は、異なる寸法を備えることができ、異なる材料から製造することができ、したがって、異なる質量を有することができる。折り畳み可能要素を有するシステム1を開き、且つ/又は閉じる際の負荷プロファイルの解析を用いて、折り畳み可能要素を有するシステム1の構成並びに個々の折り畳み可能要素11;12;…の特性に関する情報を特定することができる。
図12の図の点P1、P2、P3は負荷プロファイルでの位置を示し、これらの点では、折り畳み可能要素の対11、12;13、14、又は15、16は常に捕捉され、パーキング領域外に駆動される。したがって、上述した点P1、P2、P3において大きな負荷変化が生じた。したがって、点P1、P2、P3の間隔は、折り畳み可能要素の関連する対11、12;13、14、又は15、16の幅に対応する。したがって、各折り畳み可能要素13、14、…の幅を精密に特定することができる。したがって、制御ユニット9は、パーキング領域内又は外への特定の折り畳み可能要素11、…、16を駆動するために移動する必要がある距離を登録することができる。
【0095】
さらに、選択された方向での駆動中に発生した負荷が連続して増大し続けることが登録され、したがって、制御ユニット9は、折り畳み可能要素を有するシステム1が、この方向での駆動中に閉じられることを登録する。したがって、この方向で駆動するための制御コマンドは、対応する入力要素、例えば、関連するメニュー点「閉じる(CLOSE)」を有する論理により結合される。
【0096】
図中、折り畳み可能要素の各対11、12;13、14、又は15、16に、第1及び第2のプロファイル部pa1又はpa2を含む負荷プロファイルp13〜14又はp15〜16が割り当てられる。第1のプロファイル部pa1は、キャリッジ5で発生する摺動摩擦に主に起因する関連する折り畳み可能要素15の一定の負荷割合を表す。
【0097】
負荷変化と一緒に生じる第2のプロファイル部pa2は、関連する折り畳み可能要素11、…、16を加速させるために必要なエネルギーを表す。比較的短い加速段階が終わった後、加速するために必要な力はもはや存在しない。第2のプロファイル部pa2の面積を測定することにより、折り畳み可能要素の関連する対11、12;13、14、又は15、16の質量を特定することができる。駆動装置に対して作用する負荷は、折り畳み可能要素の対15、16を展開する場合、次の折り畳み可能要素対13、14が解放されるまで連続して増大し続ける。したがって、折り畳み可能要素を有するシステム1を閉じる場合、異なる力が互いに重ね合わされるため、折り畳み可能要素11、12;13、14、又は15、16の特性は、好ましくは、折り畳み可能要素を有するシステム1を開く際に記録される負荷プロファイルを解析することにより特定される。
【0098】
折り畳み可能要素を有するシステム1を開く際に記録された
図13に示される負荷プロファイルLVは、折り畳み可能要素の対13、14及び15、16が停止し、約90度ターンして、例えば、
図4aに示される位置になる位置P0及びP1において生じるはるかに高い負荷ピークを示す。
【0099】
折り畳み可能要素を有するシステム1を開くプロセスでは、ターンする必要がある折り畳み可能要素11、12;13、14、又は15、16にトルクを与えることが可能なことが必要である。このために、折り畳み可能要素11、12、…はターン点からある距離のところに搭載され、このターン点には、
図6に示されるように、壁建具71に設けられた建具レバー713を用いて達する。建具レバー713の短い長さに鑑みて、折り畳み可能要素を有するシステム1を開く際に、必要トルクを生成するために大きな力が必要とされる。力Fの大きさは、折り畳み可能要素11、12の質量に比例するため、折り畳み可能要素を有するシステム1を開く際、より大きな測定値を捕捉することができ、それにより、折り畳み可能要素11、12、…の質量を精密に特定することができる。
【0100】
図13では、負荷プロファイルLVが、示される折り畳み可能要素を有するシステム1の状態から始まって右から左に記録されたことを観察することができる。折り畳み可能要素を有するシステム1はまだ動いており、折り畳み可能要素11及び12は完全に折り畳まれており、その間、さらなる折り畳み可能要素13、14、及び15、16は開口部の部分を閉じ、このために平面において位置合わせされる。電動前部キャリッジ5Dは、位置P0の前に密に位置決めされ、モータ電流i又は負荷Fのそれぞれが測定されている間、位置P2に向けて駆動される。
【0101】
図4bが示すように、折り畳み可能要素13のキャリッジ5Bは、前部キャリッジ5Dが位置P0に達するとすぐに第1のキャリッジ5aに衝突する。力のさらなる影響を用いて、折り畳み可能要素13及び14はそれ以上は移動しないが、ターンする。キャリッジ5Bのロータ712が走行レール内の関連するロータチャンバに達し、ロータチャンバ内でターン可能なため、折り畳み可能要素13のターンが可能である。
【0102】
ターンの開始時、小さなアクティブレバーに鑑みて、最大の力を加える必要がある。すでに加速した折り畳み可能要素13、14をターンさせる間、必要とされる力が急速に低減するように、レバーは連続して増大する。パーキングされたキャリッジ5Bの摩擦損失が消えるため、折り畳み可能要素13、14に必要な力はゼロに近づく。折り畳み可能要素13、14が完全に折り畳まれた後、折り畳み可能要素15のキャリッジ5Cはキャリッジ5Bに当たり、それにより、折り畳み可能要素15、16はもはや移動することができず、ターンすることしかできない。続けて、再び、折り畳み可能要素15及び16の質量に対応する大きな力を加える必要があり、この力は、折り畳み可能要素15及び16のターンに伴って急速に低減する。簡易化された図では、前部キャリッジ5Dの摩擦損失及び折り畳み可能要素への風の影響は考慮されない。負荷プロファイルLVの解析を用いて、外部の影響が存在するか否かが調べることもできる。そのような場合、学習駆動の繰り返しを自動的に命令することができる。
【0103】
学習駆動中に記録される負荷プロファイルLVは、終わりに、電流のさらなる増大psを示し、これは、前部キャリッジ5Dが前のキャリッジ5Cに当たる際に生じる。電流の増大psが指定された閾値を超えるとすぐに、駆動がオフに切り替えられる。学習駆動中に得られる所定のデータに基づいて、制御ユニットは続けて、前部キャリッジ5Dが位置P2に達したか否かを検出することができ、駆動装置の切り替えることができる。したがって、前のキャリッジ5Cとの衝突を回避することができる。
【0104】
上記情報を特定することにより、折り畳み可能要素を有するシステム1の動作に適合されたパラメータを選択し、加速プロファイル及び制動プロファイルをそれに従って適合させて、装置部品の摩耗を回避することが可能である。
【0105】
第1のプロファイル部pa1は、キャリッジ5の動作状態の特定に鑑みて特に関連がある。キャリッジ13、14のうちの一方がより高い摩擦損失を示す場合、関連する負荷割合は、図に示されるように増大する。
図12の図では、例えば、折り畳み可能要素13及び14の重量がより大きいことに起因して、ベアリングの摩耗が発生し、キャリッジを交換しなければならないという結末をもたらす摺動摩擦Fg
13〜14に関連するより大きな力が登録される。
【0106】
したがって、構成のみならず、折り畳み可能要素を有するシステム1の動作状態も有利に読み取ることができる。特定された構成データにより、制御ユニット9は、供給者の推奨に従い、システムの特性に適合された折り畳み可能要素を有するシステム1を構成し動作させることができる。状態データにより、折り畳み可能要素を有するシステム1の欠陥を検出し、標的志向の修正を行うことができる。
【0107】
好ましくは、制御ユニット9には、無線周波数インタフェース、有線ネットワーク又はデータバスのインタフェースが設けられ、インタフェースを介して、
図11に示されるメンテナンスサーバ90を、折り畳み可能要素を有するシステム1に接続することができる。