(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸筒の先端に芯保護管が配置され、前記芯保護管を軸筒に対して前後動可能に配置したシャープペンシルにおいて、前記芯保護管の先端外端部の形状を曲面とし、その曲面は半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満にすると共に、芯が通る内側の端部が前記半断面において90度以上又はR形状としたことを特徴とするシャープペンシル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の実施例は、紙面に触れる芯保護管の先端部の外面及び内面に曲面部を形成し、摩擦抵抗を低減させている。しかし、一般的なシャープペンシルに転用した際には機械的な動きの画線ヘッドと異なり、その筆記角度は筆記者による違いは基より、筆記中もめまぐるしく変化する。このため、前記芯保護管の先端部の外面及び内面を曲面部としても、紙面に触れる角度によっては被筆記面に対して食い込む、引っ掛かってしまう等、筆記感の向上には有効に機能していない場合があった。
【0004】
本発明の目的は、上記問題を鑑み、軸筒の先端に芯保護管が配置され、前記芯保護管を軸筒に対して前後動可能に配置したことを特徴とするシャープペンシルにおいて、確実に筆記感の向上につながる芯保護管先端曲面部を備えたシャープペンシルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、軸筒の先端に芯保護管が配置され、前記芯保護管を軸筒に対して前後動可能に配置したシャープペンシルにおいて、前記芯保護管の先端外端部の形状を曲面とし、その曲面は半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満
にすると共に、芯が通る内側の端部が前記半断面において90度以上又はR形状としたことを特徴とするシャープペンシルを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、軸筒の先端に芯保護管が配置され、前記芯保護管を軸筒に対して前後動可能に配置したシャープペンシルにおいて、前記芯保護管の先端外端部の形状を曲面とし、その曲面は半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満
にすると共に、芯が通る内側の端部が前記半断面において90度以上又はR形状としたことにより、筆記時に被筆記面と接する芯保護管の先端外端部と被筆記面の引っ掛かりを解消し、確実に筆記感を向上させる効果が得られる。また、芯が折れにくいパイプスライド式シャープペンシルの効果も得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
軸筒1の先端には芯保護管2が配され、その芯保護管2は先部材3に設けられた外部と連通する孔3aを通じて、前後に移動可能となっている。この芯保護管2は先部材3の内部で先部材内部を前後に移動可能となっているスライダー4に圧入されている。そして、そのスライダー4の内部には芯保持部材5が配されている。軸筒1は、前記先部材3と前記先部材3の後端に配置された軸筒本体6とから構成されており、その軸筒1の内部には芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)7が配置されている。前記軸筒本体6は、前記先部材3と前記芯繰り出しユニット7とで挟みこまれており、後述するように、前記先部材3と前記芯繰り出しユニット7とを螺着させることで、軸筒本体6を固定している。
芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)7は、芯を収納する芯タンク8を有し、その芯タンク8の前端には中継ぎ部材9が圧入によって固定されている。そして、その中継ぎ部材9の前方には、筆記芯を把持、解放するためのチャック体10が固定されており、そのチャック体10には、チャック体10の開閉を行うチャックリング11が囲繞した状態で配置され、チャック体10前方には当接リング12が固定されている。チャック体10は、その前方内部に形成された芯把持部10aにより、筆記芯の把持、解放を行う。更に、前記中継ぎ部材9、チャック体10、チャックリング11を内包するように中ネジ部材13が配置されている。そして、弾撥部材(コイルスプリング)14により、芯繰り出しユニット7が軸筒1内に配置された際に、チャック体10、中継ぎ部材9及び芯タンク8を軸筒1の後方に付勢する。また、芯タンク8の後端には、押圧部材15が着脱自在に取り付けられている。
【0009】
突出時は、押圧部材15に対する最初のノックの動作によってスライダー4の後方に配されている芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)7のチャック体10先端部でスライダー4の後端部が前方に押し出され、芯の突出と共に芯保護管2及びスライダー4も前方に移動する。2回目以降のノックでは芯保護管の先端から芯が突出する通常の芯出しが行われる。筆記の際、芯の摩耗によって芯保護管2の先端外端部16が被筆記面に触れた場合でも、筆記による芯の摩耗と共に筆圧によって芯保護管2の先端外端部16が被筆記面に押されて後方へと後退するため、筆記を継続できる。芯保護管2及びスライダー4が後退しきった状態では筆記を続けることが出来ないため、この時点で押圧部材15のノック動作が必要である。
【0010】
芯保護管2は、芯を内部に通し、保護できるものであればよく、特に限定されない。その材質はステンレス、アルミニウム、真鍮の金属やガラス、樹脂、酸化アルミニウム(アルミナ)、ジルコニア等のセラミックス等管体を形成できるものであればよく特に限定されないが、シャープペンシルの芯保護管としてはステンレスがよく使用されている。
【0011】
被筆記面と接する芯保護管2の先端外端部16の形状は曲面とし、その曲面は半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満とする。芯保護管2の先端外端部16の形状を曲面とすることで、被筆記面に対してなだらかに接触する面を多くすることが出来、被筆記面に対して端部の食い込みや引っ掛かりがない効果が得られる。効果が得られる曲面としては、半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満とする必要がある。47%未満の曲率半径では被筆記面となだらかに接触する面が少なく角張っているため、筆記時の被筆記面への食い込みや引っ掛かり感を解消出来ない。一方、曲率半径を、芯保護管肉厚を越えて設定すると芯が通る内側の端部が鋭角となってしまい、芯が折れやすくなってしまう。また、100%の曲率半径でも、わずかな摩耗で曲率半径が芯保護管2の肉厚を越えてしまう為、芯保護管2の先端外端部16が被筆記面と接触した状態でも筆記が可能なパイプスライド式シャープペンシルの先端形状としては望ましくない。
尚、ここで述べる芯保護管2の先端外端部16の半断面における曲率半径は、1種類に限らない。前記芯保護管2の先端外端部16の半断面が複数種の曲率半径からなっていてもよく、その場合であっても、その複数種の曲率半径全てが、前記芯保護管肉厚に対して47%以上100%未満となっていればよい。それにより、筆記時に被筆記面と接する芯保護管2の先端外端部16と被筆記面の引っ掛かりを解消し、確実に筆記感を向上させる効果が得られる。
【0012】
芯保護管2の先端外端部16の曲面形状の形成方法は、芯保護管2の基となる管を所定の長さの芯保護管へ切断し、その切断後にバレル研磨、切削加工、塑性変形加工等の2次加工で形成したり、切断時に同時に曲面を形成する砥石を用いて形成したりしてもよい。また、樹脂、ガラス、セラミックス等で成形する際には金型にて形状を決定することも可能である。いずれにしても、芯保護管2の先端外端部16の半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満の曲面となる形状が形成できればよく、その形成方法は特に限定されない。また、芯が通る内側の端部は切断状態のままであれば90°、バレル研磨、切削加工、塑性変形加工等の2次加工を行った場合にも90°、もしくは鈍角やR形状となっている。
【0013】
また、芯保護管2の外面に潤滑性のある層を形成し、被筆記面との摩擦抵抗を低減させる処理や、耐摩耗性のある層を形成し、被筆記面による芯保護管2の先端外端部16の摩耗を低減させる処理を施してもよい。被筆記面との摩擦抵抗を低減させることで、被筆記面への芯保護管2の外端部の食い込みや引っ掛かりが更になくなり、筆記感の向上につながる。また、芯保護管2の先端外端部16の曲面形状を摩耗から保護することで、長期間形状を維持する効果が得られる。潤滑性のある層としては、工業部品や金型に使用されるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)含有めっき、二硫化モリブデン(MoS
2)やグラファイト、二硫化タングステン、フッ化黒鉛、窒化ホウ素と言った固体潤滑材含有コーティング処理、調理器具等に使用されるテフロン(登録商標)加工、ドリル等の工具に使用されるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理等が挙げられる。耐摩耗性のある層としては、前記潤滑性のある層の処理の他、表面硬度を硬くする窒化クロム(CrN)、窒化チタン(TiN)、窒化ケイ素(SiN)等の窒化処理が挙げられる。被筆記面との摩擦抵抗が低減する処理や耐摩耗性が向上する処理であればよく、特に限定されない。
【0014】
更に、潤滑性のある層や耐摩耗性のある層はスライダー4外面やスライダー4及び芯保護管2を内蔵する先部材3内面に施してもよく、摩擦低減によるスライダー及び芯保護管のスムーズな前後移動は筆記感の向上につながる。
【0015】
本発明においては、芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)は、筆記芯を把持、解放するためのチャック体とチャック体の開閉を行うチャックリングからなる構成を例として取り上げているが、芯の前方への移動は許容するがその後方への移動を楔作用にて妨げることが可能な、所謂、ボールチャック機構を軸筒内に配置しても良い。ボールチャック機構を軸筒内に配置した芯繰り出しユニットにおいても、先部材に芯保護管が収納された状態で押圧部材に対する最初のノック動作をする。その際に、スライダーの後方に配されている芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)のチャック体先端部で、スライダーの後端部が前方に押し出され、芯の突出と共に芯保護管及びスライダーが前方に移動する。そして、2回目以降のノックでは芯保護管の先端から芯を突出する。
更に、前述のボールチャック機構を軸筒内に配置した芯繰り出しユニットにおいて、前記先部材に対して前記スライダーを弾撥部材によって前方に付勢する構成としても良い。これにより把持されている芯1本のほぼすべてが消費されるまで、押圧部材をノックすることなく、継続して筆記することができる。これは、前記筆記動作による芯の摩耗と共に筆圧によって芯保護管が先部材の内部へと後退するが、被筆記面から芯保護管を離間させると前記弾撥部材によって前記スライダーが前方へと復元するからであり、その際、前記スライダーの内部の芯保持部材によって、前記ボールチャックに把持された芯を引き抜く動作を行うからである。前記動作が筆圧の入力・解除(芯保護管が被筆記面に対して接触・離間)する度に行われる為、ボールチャックにより把持されている芯1本のほぼすべてが消費されるまで、押圧部材をノックすることなく、継続して筆記することができる(以下、自動シャープ構造と称する)。ここで、前記自動シャープ構造に加え、前記先部材内面や、芯保護管の外面に潤滑性のある層や耐摩耗性のある層を施すことで、スライダーの摺動による先部材とスライダー、及び、先部材と芯保護管の摩擦が低減される。よって、筆記時にはスライダー及び芯保護管をスムーズに前後移動させることができる為、筆記感や耐久性が更に向上するので、使い勝手が非常に良いものとなる。
【0016】
(実施例)
図1は、本発明のシャープペンシルの外観図である。
図2は
図1のA−A断面図である。
図3は
図2のB拡大図である。軸筒1の先端に芯保護管2が配され、芯保護管2は先部材3に設けられた外部と連通する孔3aを通じて先部材3の内部で先部材内部を前後に移動可能となっているスライダー4に圧入され、前後に移動可能となっている。呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の材質はステンレス、肉厚は0.15mmとなっている。バレル研磨によって曲率半径の調整を行った。
【0017】
(実施例1)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.07mm(芯保護管肉厚の47%)となっている。
【0018】
(実施例2)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.09mm(芯保護管肉厚の60%)となっている。
【0019】
(実施例3)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.10mm(芯保護管肉厚の67%)となっている。
【0020】
(実施例4)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.11mm(芯保護管肉厚の73%)となっている。
【0021】
(実施例5)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.13mm(芯保護管肉厚の88%)となっている。
【0022】
(比較例1)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.03mm(芯保護管肉厚の20%)となっている。
【0023】
(比較例2)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.05mm(芯保護管肉厚の33%)となっている。
【0024】
(比較例3)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.15mm(芯保護管肉厚の100%)となっている。
【0025】
(比較例4)
図1及び、
図2に示す外観の呼び直径が0.2mmの芯を使用するパイプスライド式シャープペンシルであり、芯保護管の肉厚は0.15mm、芯保護管2の先端外端部16の曲率半径は0.18mm(芯保護管肉厚の120%)となっている。
【0026】
実施例1〜5及び、比較例1〜4を用いて、筆記抵抗値測定、実筆記による官能評価、芯折れ評価を実施した。下記の表1が、その結果である。
【0027】
筆記抵抗値の測定は静・動摩擦測定機(Tribo−master Type TL201Sa、(株)トリニティーラボ製)を用い、筆記荷重を100g、筆記角度60°、筆記速度7cm/secで15cm直線筆記させたときの筆記抵抗値を測定した。筆記抵抗値の測定は、測定周波数200Hzにて2秒間測定を行った。筆記最中の抵抗値(動摩擦)を比較評価する為には、動き出すときと停止直前のデータは安定したデータが得られにくいので除去した。その処理として、2秒間の測定の開始0.5秒から2.0秒までの間で得られた筆記抵抗値のデータから、平均筆記抵抗値を算出した。
【0028】
実筆記による官能評価は様々な筆記角度や筆記方向が発生することを想定してアルファベットをAからZまで26文字筆記し、その間の筆記感がよく違和感がない場合は○、引っ掛かりや方向性等違和感がある場合は△とした。
【0029】
芯折れ評価は様々な筆記角度や筆記方向が発生することを想定してアルファベットをAからZまで26文字筆記し、その間に芯折れが発生しない場合を○、芯折れが発生した場合は×とした。
【0031】
実施例1〜5は芯保護管2の先端外端部16が被筆記面に対してなだらかに接触する面を多く出来、被筆記面に対して芯保護管2の先端外端部16の食い込みや引っ掛かりがなく筆記抵抗値が低く、筆記感がよい。また、芯が通る内側の端部はバレル研磨によって90°もしくは鈍角やR形状となっているため、芯が折れにくいパイプスライド式シャープペンシルの効果も維持している。
【0032】
比較例1は被筆記面に対してなだらかに接触する面が十分ではなく、被筆記面に対して芯保護管2の先端外端部16の食い込み、引っ掛かりが発生しているため、芯折れはないものの、筆記抵抗値は高く、筆記感も悪い。比較例2は被筆記面に対してなだらかに接触する面を多く出来、被筆記面に対して芯保護管2の先端外端部16の食い込みや引っ掛かりが少なく筆記抵抗値が低くなっているが、筆記感は悪い。一方、比較例3、4は被筆記面に対してなだらかに接触する面を多く出来、被筆記面に対して芯保護管2の先端外端部16の食い込みや引っ掛かりがなく筆記抵抗値が低くなっているが、芯が通る内側の端部が鋭角になるため、芯が折れやすくなり、その結果、筆記感も悪くなっている。
【0033】
また、実施例1、3と比較例1、2において、筆記角度を60°の他、40°、80°に変更した筆記抵抗値の測定も行った。その結果が、下記の表2である。
【0035】
実施例1、3は40°、60°、80°の筆記角度に対し、筆記抵抗値が低く、その差がほとんどないのに対し、比較例1では40°、60°で急激に筆記抵抗値が高くなっていた。比較例2は60°、80°の筆記角度では筆記抵抗値が低いが、40°で急激に筆記抵抗値が高くなっていた。これは実施例1、3が芯保護管2の先端外端部16の曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上にすることで、被筆記面に対してなだらかに接触する面が多く出来ている為、筆記角度を変えても引っ掛かりが発生しないが、比較例1では被筆記面となだらかに接触する面が少なく角張っているため、筆記角度の変化で筆記時の食い込みや引っ掛かりが顕著に発生して筆記抵抗値が高くなっていると考えられる。比較例2は60°、80°の筆記角度では被筆記面に対してなだらかに接触する面を多く出来、被筆記面に対して芯保護管2の先端外端部16の食い込みや引っ掛かりが少なく筆記抵抗値が低くなっているが、40°では筆記時の食い込みや引っ掛かりが顕著に発生して筆記抵抗値が高くなっており、実際の筆記で表1に示す通り筆記感が悪くなっている原因と考えられる。このように、実施例1、3では筆記角度による筆記抵抗値の変化が少なく、筆記角度によらず筆記感が良好に保たれる。これは実施例2、4、5にあっても同様である。
【0036】
表1、表2の結果から、芯保護管2の先端外端部16の形状は曲面とし、その曲面は半断面における曲率半径を芯保護管肉厚の47%以上100%未満とすることで、筆記角度による筆記抵抗値の変化が少なく、低い筆記抵抗値と良好な筆記感が得られる。
【0037】
(実施例6)
実施例3の芯保護管外面に潤滑性のある層として、フッ素潤滑めっき(PTFE含有無電解ニッケルめっき)を施した。具体的にはステンレスの芯保護管に対し、材質表面活性化の為のニッケルストライクめっき処理、及び下地の無電解ニッケルめっき処理を施した後、無電解ニッケル皮膜中にPTFEを共析させるフッ素潤滑めっき処理を施した。その結果が、下記の表3である。
【0039】
実施例3で得られた効果に加え、潤滑性が付与されていることで更に筆記抵抗値が低くなっている。このため、実施例6でも筆記感がよいものとなっている。