(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持片は、折曲部を介して上方支持片と下方支持片とを有してなり、前記載置片が前記上方支持片に貼着される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の包装体。
前記延設部は、前記載置片に連設し、前記離反状態にて前記底部の下方に配設して前記底部を補強する補強片を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構造の包装用台紙においては、両シート片の下方から保持片が延設されており、その先端部を接着し、これらを離反した両シート片の下方部から内側方向へ押し込むことにより、被包装物を載置するスペースを確保しているため、当該載置スペースをより上方へと配設するためには、さらに内側方向へ押し込んで組み立てる必要があり、組立作業が煩雑になり生産性の低下が懸念されるものであった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、被包装物の形状に即した載置スペースを確保することができ、生産性の向上を図る包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明の請求項1に記載の包装体は、第1側部と、前記第1側部に対向する第2側部とから構成される側部の上方部を一体化するとともに、下方部を相互に離反可能とする包装体であって、前記第1側部と前記第2側部のいずれか一方に、前記側部の離反状態で被包装物を収容可能な開口部を形成し、前記第1側部における左右方向の側縁から延設され、少なくとも載置片を備える延設部を有し、前記第1側部に前記載置片が貼着される支持片を有してなり、前記離反状態にて、前記支持片を引き起こし前記側部の内側方向へ折曲するとともに、前記載置片を上方から重合させて底部を形成することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の包装体は、第1側部と、前記第1側部に対向する第2側部とから構成され、上下方部を相互に離反可能とする包装体であって、前記第1側部と前記第2側部のいずれか一方に、前記側部の離反状態で被包装物を視認可能な開口部を形
成し、前記第1側部における左右方向の側縁から延設され、少なくとも載置片を備える延設部を有し、前記第1側部に前記載置片が貼着される支持片を有してなり、前記離反状態にて、前記支持片を引き起こし前記側部の内側方向へ折曲するとともに、前記載置片を上方から重合させて底部を形成することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の包装体は、請求項2に記載の包装体において、前記支持片は、前記第1側部と前記第2側部のいずれか一方に、前記離反状態で上方部を閉蓋する蓋部を備えるものである。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の包装体は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の包装体において、前記支持片は、折曲部を介して上方支持片と下方支持片とを有してなり、前記載置片が前記上方支持片に貼着されるものである。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の包装体は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の包装体において、前記載置片は、前記離反状態にて前記側部を外側方向へ押圧する当接片を備えるものである。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の包装体は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の包装体において、前記延設部は、前記載置片に連設し、前記離反状態にて前記底部の下方に配設して前記底部を補強する補強片を備えるものである。
【0013】
また、本発明の請求項7に記載の包装体は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の包装体において、前記開口部は、前記開口部における縁部から内側方向へ突出し、前記被包装物を保持する保持部を備えるものである。
【0014】
また、本発明の請求項8に記載の包装体は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の包装体において、前記延設部は、前記第2側部に貼着される貼着片を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装体では、第1側部の左右方向に延設される延設部に載置片を設けるとともに、第1側部に形成される支持片に載置片を貼着することで、側部の内部に底部を形成することができる。これにより、側部における上下方向の所定位置に底部を形成することができ、被包装物の形状に即した載置スペースを確保することができ、従来品と比較して生産性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態における包装体を図面に基づいて説明する。当該包装体を自立させた状態を基準として、基準面側を当該包装体の下方とし、他方を当該包装体の上方とする。また、展開図において、縦方向を上下方向とし、横方向を左右方向とする。
【0018】
当該包装体は、第1側部と第2側部とから構成される側部の上方部を一体化するとともに、下方部を相互に離反可能となるよう構成するか、又は上下方部を相互に離反可能となるよう構成され、第1側部と第2側部のいずれか一方に、側部の離反状態で被包装物を収容可能な開口部を形成し、第1側部と第2側部のいずれか一方で、左右方向の側縁から延設され、少なくとも載置片を備える延設部を有し、第1側部と第2側部のいずれか一方に載置片が貼着される支持片を有してなり、離反状態にて、支持片を引き起こし側部の内側方向へ折曲するとともに、載置片を上方から重合させて底部を形成するものである。これにより、側部の内部に形成される底部にボトル、チューブ等の被包装物を載置可能とするとともに、他の部分を露呈した状態、又は一部を外部から視認可能にした状態で収容空間に収容することができるものである。
【実施例1】
【0019】
本発明に係る包装体は、
図1から
図6に示すように、一枚の合成樹脂製、厚紙等のシート材、台紙等から形成されており、
図1に示すような展開図からなるものである。
図1は、当該包装体を展開した状態の裏面図である。
【0020】
包装体は展開した状態において、側部を構成する2枚の第1側部1と第2側部2とを折線aを介して横方向に連接している。本実施例においては、例えば、第1側部1を表側板とし、第2側部2を裏側板としており、第1側部1の右端に載置片9を備える延設部3が設けられる。そして、第2側部2、第1側部1、延設部3とを折線a、bを介して左右方向に順次連接している。
【0021】
側部は、第1側部1と第2側部2の相互を貼着することで、折り畳み状態で扁平状となるよう形成され、組み立て状態にて、側部の上方部が一体化され、下方部が相互に離反可能となるよう構成される。また、離反状態において、第1側部1に形成される開口部14によって、被包装物Bを収容する収容空間15が側部に露呈され、当該収容空間15の下方には被包装物Bを載置する底部16が形成される。
【0022】
第1側部1と第2側部2は、例えば、略長方形状に形成され、両上端部には包装体をフック等に係止可能とする係止孔1a、2aが設けられる。また、第1側部1の下端は、第2側部2の下端より下方へ突出して形成され、包装体の離反状態で自立可能となるよう湾曲状に形成される。
【0023】
また、第1側部1には、側部の離反状態にて、被包装物Bを収容する際の開口部14を形成するための切込線と、底部16を構成する支持片7を形成するための切込線とが設けられる。当該切込線は、例えば、第1側部1における左右方向の略中央部に設けられるが、被包装物Bを収容する位置によって、適宜の位置とすることができるのは勿論である。また、切込線は、例えば、第1側部1を厚み方向に切断する連続線とされるが、部分的に接続部を有するようなミシン目、ハーフカット等とすることもできる。
【0024】
より詳細には、切込線は、第1側部1の上下方向に設けられる左右一対の第1線4と、左右方向の第1線4を連結する第2線5とからなる。第1線4は、第1側部1に対して開口貼着片6と支持片7の外形を形成するものであり、第2線5は、開口貼着片6と支持片7とを区画するものである。
【0025】
当該第1線4における左右方向の寸法は、収容される被包装物Bの外形と略同等の形状を少なくとも有するようにして形成される。また、第1線4の上端部は、開口貼着片6が不用意に切断するのを防止するため、第1側部1の内側方向へ円弧状に湾曲して形成することが望ましい。また、第1線4の下端部は、支持片7を折曲させる際の折線cにて連結される。
【0026】
さらに、第1線4における上下方向の所定箇所には、被包装物Bを収容するための収容空間15の内側方向(左右方向)へ突出し、被包装物Bを保持するための保持部8が設けられる。すなわち、当該保持部8は、離反時にて、開口部14における縁部から内側方向へ突出して設けられる。保持部8は、例えば、収容空間15の内側方向に向けて湾曲するように形成されるが、これに限られるものではなく、凸状であってもよいし、波型状等と特に制限されるものではない。また、保持部8は、被包装物Bを保持し得る位置であれば、第1線4の上方部、略中央部、下方部等、特に制限されるものではないし、複数の箇所に設けて被包装物Bを保持することもできる。
【0027】
また、第2線5は、例えば、第1線4と同様にして、第1側部1を厚み方向に切断する連続線とすることができるが、分断可能なハーフカット、ミシン目等で形成することが望ましい。これにより、開口貼着片6と支持片7とを連結しておくことで、側部の組み立て前に開口貼着片6、支持片7が折れ曲がってしまうのを防止することができる。
【0028】
支持片7は、被包装物Bが載置される後述の載置片9を下方から支持するために設けられ、折曲部となる折線dを介して上方支持片7aと下方支持片7bに区画される。また、支持片7は、上方支持片7aと下方支持片7bとによって折曲した状態で支持するため、当該折線dを支持片7における上下方向の略中央部に設けることが望ましい。
【0029】
開口貼着片6は、第2側部2に貼着されることで、側部の離反状態にて開口部14を形成するために設けられる。より詳細には、離反状態にて、開口貼着片6が第2側部2に追従することで、第1線4に沿って第1側部1から分離して開口部14を形成するとともに、側部の内部に収容空間15を形成するものである。
【0030】
また、第1側部1の右端部には、延設部3が延設される。当該延設部3は、少なくとも載置片9を備えてなり、当該載置片9を第1側部1の支持片7に貼着することで、側部の離反状態にて底部16を構成するものである。
【0031】
具体的には、延設部3には、折線bに隣接するようにして、第1側部1における上下方向の寸法と略同等の貼着片10が設けられる。また、貼着片10には、第1側部1にて支持片7が位置する上下方向の位置に対応するようにして載置片9が左右方向に設けられる。このとき、載置片9と貼着片10における左右方向の寸法は、第1側部1における左右方向の寸法と略同等となるよう設定される。また、載置片9における上下方向の寸法は、側部の離反状態にて、当該側部の内部に介在し得る寸法であって、第1側部1と第2側部2に内側から当接して支持し得るよう設定される。
【0032】
また、載置片9の下端には、折線eを介して貼着片10に連接される補強片11が左右方向に設けられる。当該折線eは、貼着される第2側部2における離反時の形状に沿うように円弧状に設けられる。また、載置片9と貼着片10との境界には、折線eにて載置片
9を折曲可能とするための第3線12が折線eに至るまで設けられる。当該第3線12は、例えば、載置片9の上端部から下方へ直線状に設けられ、第1線4及び第2線5と同様にして、第1側部1を厚み方向に切断する連続線等とされる。
【0033】
このとき、側部の内部に形成される底部16の上面と開口部14の下端部とが略同一面上となるよう、第2側部2の折線cと延設部3の折線eとが夫々対応するようにして設けることが望ましい。
【0034】
また、補強片11は、貼着片10とともに第2側部2に貼着されることで、側部の離反状態にて底部16の下方に配設され、底部16を補強するものである。本実施例においては、延設部3における貼着片10、載置片9及び補強片11は、
図1の展開図において略L字状となるよう形成される。
【0035】
また、載置片9の右端部には、離反時における側部の内部形状に沿うよう円弧状に形成される折線fを介して当接片13が設けられる。当該当接片13は、側部の離反状態にて第1側部1を外側方向へ押圧することで、被包装物Bの重量によって底部16が下方へ沈降するのを防止するものである。
【0036】
また、
図1に示すように、第1側部1の裏面部において、第1側部1の上方部、開口貼着片6、上方支持片7aには、糊等が塗布される貼着部Pが設けられる。また、延設部3の表面部において、貼着片10、補強片11には、糊等が塗布される貼着部Pが設けられる。
【0037】
このようにして、展開図が形成される包装体は、次のようにして組み立てられる。以下の組み立て順序は一例であり、これに限られるものではないのは勿論である。
【0038】
まず、
図2に示すように、折線bにしたがって延設部3を第1側部1側の内側方向へ折曲させ、載置片9を上方支持片7aに貼着する。そして、第1側部1の貼着部P、延設部3における貼着片10の貼着部P、補強片11の貼着部Pを第2側部2に貼着して、第1側部1と第2側部2を重合させて側部を形成し、扁平状とする。
【0039】
次に、側部の下方部を離反させる際には、第2側部2の下端部より下方側へ突出して形成される第1側部1の下端部に指をかけて、第1側部1と第2側部2とを離反させる。これにより、開口貼着片6が第2側部2に貼着されるので、第1側部1から分離されて第1線4に沿って開口部14が形成される。また、延設部3の載置片9が上方支持片7aに貼着されるので、支持片7を折線dを介して折曲し、側部の下方へ押し込んで底部16を形成し、
図3から
図6に示すように、側部を自立可能な状態とする。
【0040】
より詳細には、離反時に第1側部1の第2線5を分断した後、
図4及び
図5に示すように、上方支持片7aに貼着される載置片9を第1側部1に対して略直交するように折線eを介して側部の内側へ折曲させる。これにより、上方支持片7aが載置片9に追従することで、折線dを介して支持片7が側部の内部にて谷折りされることで、下方支持片7bの上方に上方支持片7aが重合されるとともに、上方支持片7aの上方に載置片9が重合される。これにより、被包装物Bを載置する底部16が構成される。このとき、載置片9に設けられる当接片13を折線fを介して内部にて谷折りさせることで、当該当接片13が第1側部1の内側面を外側方向へ押圧する。
【0041】
このようにして、側部の内部にて、支持片7と載置片9とが第1側部1と第2側部2に対して略直交するように配設されることで、側部における下方部の離反状態が維持される。そして、
図6に示すように、被包装物Bが載置された状態においては、底部16が側部
の下端部から上方へと浮き上がった状態となるよう構成されるため、緩衝性、意匠性に優れたものとなる。
【0042】
また、
図6においては、包装体の下方部に底部16が形成されるものであるが、開口貼着片6、支持片7及び載置片9の位置を適宜変更することで、包装体の略中央部に底部(図示しない)を形成することもできるし、これに限られない。
【0043】
このとき、被包装物Bを収容する開口部14は、第1側部1の対向する第1線4から収容空間15内に突出する保持部8を有してなるので、被包装物Bの外形を保持した状態で底部16に載置することができる。また、載置片9は、第2側部2に貼着される補強片11を介して折曲されるとともに、2つ折りされる支持片7の上方から重合されるので、被包装物Bの重量による撓みが防止される。さらに、当接片13が第1側部1の内側面を外側方向へ押圧するので、被包装物Bの重量による下方への沈降を防止し、補強的に離反状態を維持することができる。
【0044】
以上、説明した本発明に係る包装体によれば、第1側部1の左右方向に延設される延設部3に載置片9を設けるとともに、第1側部1に形成される支持片7に載置片9を貼着することで、側部の内部に底部16を形成することができる。これにより、側部における上下方向の所定位置に底部16を形成することができ、被包装物Bの形状に即した載置スペースを確保することができ、従来品と比較して生産性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0045】
本発明の実施例2に係る包装体について、
図7から
図12に基づいて説明する。本実施例における包装体は、実施例1における構造と略同様であるが、支持片7と離反時における開口部14の構造が実施例1と相違するものである。詳細につき、以下に説明する。
【0046】
本実施例における包装体は、
図7に示すような展開図からなり、
図7は、当該包装体を展開した状態の裏面図である。当該包装体は、例えば、第1側部1を裏側板とし、第2側部2を表側板としており、第1側部1の右端に載置片9を備える延設部3が設けられる。そして、第2側部2、第1側部1、延設部3とを折線a、bを介して左右方向に順次連接するのは同様である。
【0047】
実施例2においては、例えば、第1側部1に支持片7が形成され、第2側部2に開口部14が形成される。より詳細には、支持片7は、実施例1と同様にして、第1側部1の下方部にて、第1側部1の上下方向に設けられる左右一対の第1線4と、左右方向における第1線4の上端部を連結する第2線5と、左右方向における第1線4の下端部を連結する折線cとからなる。第1線4及び第2線5は、第1側部1と支持片7とを区画するものである。また、支持片7には、左右方向に折線dが設けられ、上方支持片7aと下方支持片7bとを区画している。
【0048】
また、開口部14は、第2側部2の略中央部から下方部にかけて、第2側部2の上下方向に設けられる左右一対の第1線4と、左右方向における第1線4の上下端部を連結する第2線5とからなる。すなわち、実施例1と相違して、第2側部2の一部が開口した状態となる。このとき、側部の内部に形成される底部16の上面と開口部14の下端部とが略同一面上となるよう、第2側部2における下方側の第2線5と延設部3の折線eとが夫々対応するようにして設けることが望ましい。また、実施例1と同様にして、第1線4に保持部8を設けることができるのは勿論である。また、実施例1と相違して、第2側部2の下端部が第1側部1の下端部よりも下方へ突出して形成される。
【0049】
このようにして、展開図が形成される実施例2の包装体は、実施例1と略同様に組み立
てられる。まず、
図8に示すように、折線bにしたがって延設部3を第1側部1側の内側方向へ折曲させ、載置片9を上方支持片7aに貼着する。そして、第1側部1の貼着部P、延設部3における貼着片10の貼着部P、補強片11の貼着部Pを第2側部2に貼着して、第1側部1と第2側部2を重合させて側部を形成し、扁平状とする。
【0050】
次に、側部の下方部を離反させる際には、第1側部1の下端部より下方側へ突出して形成される第2側部2の下端部に指をかけて、第1側部1と第2側部2とを離反させる。これにより、延設部3の載置片9が上方支持片7aに貼着されるので、支持片7を折線dを介して折曲し、側部の下方へ押し込んで底部16を形成し、
図9から
図12に示すように、側部を自立可能な状態とする。
【0051】
より詳細には、第1側部1の第2線5を分断した後、
図10及び
図11に示すように、上方支持片7aに貼着される載置片9を第1側部1に対して略直交するように折線eを介して側部の内側へ折曲させる。これにより、上方支持片7aが載置片9に追従することで、折線dを介して支持片7が側部の内部にて谷折りされることで、下方支持片7bの上方に上方支持片7aが重合されるとともに、上方支持片7aの上方に載置片9が重合される。これにより、被包装物Bを載置する底部16が構成される。このとき、載置片9に設けられる当接片13を折線fを介して内部にて谷折りさせることで、当該当接片13が第1側部1の内側面を外側方向へ押圧する。
【0052】
このようにして、側部の内部にて、支持片7と載置片9とが第1側部1と第2側部2に対して略直交するように配設されることで、側部における下方部の離反状態が維持される。このとき、
図10及び
図12に示すように、被包装物Bを収容する開口部14は、実施例1のように開口貼着片6によることなく第2側部2自体に形成されるものであり、第2側部2の対向する第1線4から収容空間15内に突出する保持部8を有してなるので、被包装物Bの外形を保持した状態で底部16に載置することができる。また、実施例1と同様にして、開口貼着片6、支持片7及び載置片9の位置を適宜変更することで、
図13に示すように、包装体の略中央部に底部16を形成することもできるし、これに限られない。その他の作用、効果等については、実施例1と同様である。
【実施例3】
【0053】
本発明の実施例3に係る包装体について、
図14から
図18に基づいて説明する。本実施例における包装体は、実施例1及び実施例2における構造と略同様であるが、組み立て状態にて、側部の上方部においても相互に離反する構造が相違するものである。詳細につき、以下に説明する。
【0054】
本実施例における包装体は、
図14に示すような展開図からなり、
図14は、当該包装体を展開した状態の裏面図である。当該包装体は、例えば、第1側部1を表側板とし、第2側部2を裏側板としており、第1側部1の右端に載置片9を備える延設部3が設けられる。そして、第2側部2、第1側部1、延設部3とを折線a、bを介して左右方向に順次連接するのは同様である。
【0055】
実施例3において、第2側部2の上端部には、折線gを介して蓋部17が設けられる。具体的には、折線gを介して蓋部片18が設けられ、蓋部片18の上端部には折線hを介して折曲片19が設けられる。さらに、折曲片19の上端部には、折線iを介して蓋部17の開蓋作業を容易とするための引き上げ片20を適宜箇所に設けることが望ましい。
【0056】
本実施例においては、側部にて形成される内部空間が略楕円形状に形成されるため、蓋部片18がこれに対応するよう略楕円形状に形成されるとともに、折曲片19が湾曲する第1側部1に対応するように形成される。また、引き上げ片20は、折曲片19の略中央
部から上方へ突出するようにして舌片状に形成される。
【0057】
また、第1側部1には、実施例1と同様にして、開口部14を形成する切込線と、支持片7を形成するための切込線とが設けられる。具体的には、切込線は、第1側部1の上下方向に設けられる左右一対の第1線4と、左右方向の第1線4を連結する第2線5とからなる。第1線4は、被包装物Bに当接する内側当接片21と支持片7の外形を形成するものである。上方に位置する第2線5は、第1線4を連結するものであり、下方に位置する第2線5は、内側当接片21と支持片7とを区画するものである。また、第1線4の下端部は、支持片7を折曲させる際の折線cにて連結される。
【0058】
また、内側当接片21の略中央部には上下方向に切込線22が設けられており、これによって左右に分断される一対の内側当接片21が第1線4を介して可動可能となるよう構成される。さらに、実施例1と同様にして、第1線4に保持部8を設けることができるし、本実施例においては、被包装物Bは、側部の内部に収容されることから保持部8を設けない構成とすることができるのは勿論である。
【0059】
このようにして、展開図が形成される実施例3の包装体は、実施例1及び実施例2と略同様に組み立てられる。そして、
図15及び
図16に示すように、側部の下方部が離反された状態においては、上方における第1側部1及び第2側部2が離反した状態となる。後に、蓋部片18を折線gを介して第1側部1側へ折曲するとともに、折曲片19を折線hを介して下方側へ折曲することにより、引き上げ片20を折線iを介して上方へ立設させた状態とすることで、蓋部17によって上方部を閉蓋することができる。
【0060】
これにより、側部の内部にて、支持片7、載置片9及び蓋部片18とが第1側部1と第2側部に対して略直交するように配設されることで、側部における上下方部の離反状態が維持され、底部16に載置した状態で被包装物Bを側部の内部に収容することができる。また、一対の内側当接片21によって、被包装物Bが側部の内部にて傾くのを防止したり、左右方向への移動を規制したりすることができるとともに、開口部14によって、被包装物Bを側部の外部から視認することができる。その他の作用、効果等については、実施例1及び実施例2と同様である。
【0061】
また、本実施例においては、第1側部1に内側当接片21を設けることなく、開口部14を形成することもできるのは勿論である。さらに、
図17及び
図18に示すように、包装体をフック等に係止する際に、第1側部1を補強する側部補強片23を形成することもできる。具体的には、組み立て状態にて、蓋部17より上方における第1側部1の外形に対応するようにして形成される側部補強片23を第1側部1の上端部に折線jを介して設け、側部補強片23の上端部に折線kを介して解除片24を設けるとともに、側部補強片23と解除片24の境界位置にて、解除片24側へ突状に形成される係止片25を設けてなる。
【0062】
また、蓋部片18と折曲片19の境界位置にて、係止片25より外形が小さく形成されるとともに、折曲片19の折曲状態にて当該境界位置に係止孔を形成するよう、蓋部片18側に突状に形成される突片26が形成される。
【0063】
このような側部補強片23を備える側部においては、蓋部片18及び折曲片19を折曲して蓋部17を形成するとともに、折線jを介して側部補強片23を第2側部2側へ折り返して第1側部1の裏面に重合させ、解除片24を折線kを介して折曲させて蓋部片18の上方へ重合させる。これにより、係止片25が解除片24より下方へ向けて突出した状態となり、折曲片19の折曲状態にて形成される係止孔(図示しない)に係止片25を係止することで、第1側部1を補強するとともに、蓋部17に係止させた態様とすることが
できる。
【0064】
これらの実施例3において、蓋部17においては、第2側部2に設ける構成に限られることなく、第1側部1に設ける構成とすることもでき、第1側部1又は第2側部2のいずれか一方に形成されてあればよい趣旨である。さらに、蓋部17、側部補強片23を設けない構成とし、組み立て状態にて上方部を開口した構成とすることができるのは勿論である。また、開口部14においては、第1側部1に設ける構成に限られることなく、第2側部2に設ける構成とすることもでき、第1側部1又は第2側部2のいずれか一方に形成されてあればよい趣旨である。
【0065】
上記実施例1から実施例3に示すように、支持片7と載置片9との関係においては、支持片7が形成される第1側部1、第2側部2のいずれかの左右方向に載置片9が延設されており、折り畳み状態で側部の内部にて両者が貼着され、離反状態にて側部の内部で載置片9が内側方向へ折曲されるとともに、支持片7を追従して折曲させ、載置片9が上方に位置するよう両者を重合し、底部16を構成するような態様であればよい趣旨である。
【0066】
その他、実施例1及び実施例2における第1側部1と第2側部2においては、上記実施例のように左右方向に順次連接するものに限られず、相互の上端部を連接して下方部を相互に離反可能な構成とすることもできる。また、支持片7、載置片9、貼着片10、補強片11、当接片13、開口貼着片6を含む開口部14、蓋部17等の形状、寸法、材質等を適宜変更して実施することが可能である。また、貼着部Pにおいても、適宜箇所に変更して実施することが可能である。また、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。