(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
(遊技機10)
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。
なお、遊技機10としてのスロットマシンを例示したが、これに限定されず、パチンコ機でもよい。
遊技機10は、前方に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在に覆う前扉12とを備えている。ここで、「前方」とは、遊技者と対向する方向をいい、「後方」は「前方」と反対の方向をいい、「裏側」ともいう。
前扉12には、ほぼ中央に、筐体11の内部を透過可能な図柄表示窓部13が形成され、当該図柄表示窓部13の裏側には、後述するリールユニット50が配置されている。
また、リールユニット50の上方には、後述する役物装置60が配置されている。
【0023】
(前扉12)
前扉12には、
図1に示すように、上方より次の各部を備えている。
なお、前扉12の各部について後述する。
(1)上パネル部20
(2)操作部30
(3)下パネル部40
なお、前扉12の各部は、上記した(1)〜(3)に限定されない。
【0024】
(上パネル部20)
上パネル部20には、
図1に示すように、次の各部を備えている。
なお、(1)〜(3)について後述する。
(1)上部スピーカー21
(2)上飾り22(
図8参照)
(3)役物装置60(
図7参照)
なお、上パネル部20の各部は、上記した(1)〜(3)に限定されず、図示しないが、液晶等を用いた画像表示装置を備えていてもよい。
【0025】
(リールユニット50)
リールユニット50には、前扉12に形成された透過可能な図柄表示窓部13の裏側に配置されている。
リールユニット50には、表面に図柄(図示せず)が表示された複数の回転リール51〜53、ここでは3個の左リール51、中リール52、右リール53が回転可能に配置されている。各回転リール51〜53は、図示しないが、ステッピングモーター等の駆動源により個別に回転・停止可能に構成されている。
なお、複数の回転リール51〜53として、左リール51、中リール52、右リール53の3個を例示したが、これに限定されず、例えば2個、或いは4個以上設けてもよい。
【0026】
図柄は、図示しないが、リール枠の周囲に貼り付けられるリールテープの表面に、所定の間隔で複数、例えば21個表示されている。
なお、図柄の個数として、21個を例示したが、これに限定されず、例えば20個でもよい。
図柄としては、単色或いは複数色の数字の「7」、「バー」(或いはシンボル)、「ベル」、「リプ」、「チェリー」、「スイカ」等の種類があるが、これらに限定されない。
ここで、「リプ」は、「リプレイ」の略語であり、「再遊技」ともいう。
ここで、「バー」は、「シンボル」ともいう。
【0027】
各回転リール51〜53は、3個全てが停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄が、図柄表示窓部13を通して見えるように配置されている。
図柄表示窓部13の表面には、図示しないが、有効ラインが表示されている。有効ラインとして、各回転リール51〜53の中段とを結んだ1本の直線が表示されている。有効ラインは、後述の遊技結果判定手段230の判定対象となるラインを意味する。
なお、有効ラインとして、「直線」を例示したが、これに限定されず、直線は、左リール51、中リール52、右リール53の順に、「上段・中段・下段」或いは「下段・中段・上段」のように傾斜していたり、「上段・中段・中段」や「中段・中段・下段」のうように折れ曲がったり、「上段・中段・上段」、「上・下段・上段」、「下段・中段・下段」或いは「下段・上段・下段」のように「V」字や「山形」に形成してもよく、叉、「1本」にも限定されず、2本以上としてもよい。
【0028】
(上部スピーカー21)
上部スピーカー21は、リールユニット50の上側に位置し、左右両側に一対配置され、各種の効果音を出力するものである。
【0029】
(上飾り22)
上飾り22は、
図3〜
図9に示すように、上パネル部20の上側の前面を覆うものであり、その裏側には、後述する役物装置60が配置されている。
【0030】
(役物装置60)
役物装置60は、
図2を用いて後述する遊技制御手段100による遊技状態を示唆可能なものであり、
図4以降を用いて後述するが、表示板510を1枚ずつ反転させながら回転させる左右に並んだ2個の表示装置61,62から構成されている。
なお、役物装置60を、
図1において、リールユニット50の上側に配置したが、これに限定されず、図示しないが、例えば下側や、同図において向かって左側や右側に配置してもよい。また、役物装置60を左右に並んだ2個の表示装置61,62から構成したが、これに限定されず、図示しないが、例えば1個の表示装置から構成してもよいし、或いは3個以上の表示装置から構成してもよい。さらに、2個の表示装置61,62を、左右に横並びに配置したが、これに限定されず、図示しないが、2個の表示装置61,62を上下方向に配置してもよい。
【0031】
(操作部30)
操作部30には、
図1に示すように、次の各部を備えている。
なお、操作部30の各部について後述する。
(1)ベットスイッチ31
(2)演出スイッチ32
(3)メダル投入口33
(4)スタートスイッチ34
(5)ストップスイッチ35〜37
(6)精算スイッチ38
なお、操作部30の各部は、上記した(1)〜(6)に限定されない。
【0032】
(ベットスイッチ31)
ベットスイッチ31は、操作部30の
図1において、向かって左側に位置し、先にクレジットとして内部的にカウントされているメダルのうちからベットするためのものである。
なお、ベットスイッチ31として、1個のスイッチを例示したが、複数個設けてもよい。
【0033】
クレジットメダルは、クレジット機能により機内に貯留された遊技媒体の一例であるメダルをいう。クレジット機能は、遊技開始の条件として、後述するメダル投入口33から予めメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能な機能をいい、具体的には投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
遊技媒体として、メダルを例示したが、これに限定されず、例えばパチンコ球等でもよい。
【0034】
(演出スイッチ32)
演出スイッチ32は、ベットスイッチ31の
図1において右隣に位置し、演出に用いられるスイッチである。演出スイッチ32は、常時は消灯し、操作が無効であることを表示し、遊技の進行に伴って所定のタイミングで点灯することで、操作が可能であることを表示し、操作が可能な状態において操作されることで、各種の予告演出が報知される。
【0035】
(メダル投入口33)
メダル投入口33は、操作部30の
図1において、向かって右側に位置し、遊技媒体の一例であるメダルを機内に投入するためのものである。内部には、
図1においては図示しないが、
図2に示すメダルセンサー39が配置され、正規なメダルを電子的に検出している。
【0036】
(スタートスイッチ34)
スタートスイッチ34は、操作部30の下段に位置し、
図1において向かって左側に配置され、遊技者の操作により3個の回転リール51〜53の回転を開始させるためのものである。
スタートスイッチ34は、レバー状に形成され、メダルの投入又は後述するベットスイッチ31の操作を条件に、回転リール51〜53の回転を開始させるためのものである。すなわち、このスタートスイッチ34は、遊技者の操作により回転リール51〜53の図柄の変動表示を開始させるためのものである。
【0037】
(ストップスイッチ35〜37)
ストップスイッチ35〜37は、操作部30の下の段の中央に位置し、複数、例えば3個、左ストップスイッチ35、中ストップスイッチ36、右ストップスイッチ37から構成している。
3個の各ストップスイッチ35〜37は、押しボタン状に形成され、3個の回転リール51〜53の各々に対応して設けられ、スタートスイッチ34の操作により回転中の3個の回転リール51〜53を個別に停止可能なものである。
左ストップスイッチ35は、左リール51に、中ストップスイッチ36は中リール52に、右ストップスイッチ37は右リール53にそれぞれ対応している。
【0038】
(精算スイッチ38)
精算スイッチ38は、操作部30の下段において、
図1において向かって左側に位置し、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すためのものである。
【0039】
(下パネル部40)
下パネル部40には、
図1に示すように、次の各部を備えている。
なお、下パネル部40の各部について後述する。
(1)下パネル41
(2)下部スピーカー42
(3)メダル払出口43
(4)メダル受け皿44
なお、下パネル部40の各部は、上記した(1)〜(4)に限定されない。
【0040】
(下パネル41)
下パネル41は、中央に位置し、絵柄や文字等が表示され、図示しないが、照明により点灯するように構成されている。
【0041】
(下部スピーカー42)
下部スピーカー42は、下パネル41の下側の左右一対に配置され、上部スピーカー21とともに、各種の効果音を出力するものである。下部スピーカー42は、上部スピーカー21とともに、「スピーカー群」を構成している。
【0042】
(メダル払出口43)
メダル払出口43は、下パネル41の下側中央に位置し、内部に配置され、
図1においては図示しないが、
図2に示すホッパーユニット80から払い出されたメダルが通過する開口である。
【0043】
(メダル受け皿44)
メダル受け皿44は、メダル払出口43の下側に配置され、当該メダル払出口43から払い出されたメダルを貯留するためのものである。
【0044】
(遊技制御手段100)
遊技制御手段100は、遊技機10の内部に位置し、複数種類、例えば、図示しないがメイン制御基板とサブ制御基板から構成されている。各制御基板は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/Oポート等を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0045】
そして、ROM等の記憶部に記憶される各種のプログラム及びデータをCPUが読み込むことで、メイン制御基板とサブ制御基板を全体として概観したときには、遊技制御手段100として機能する。また、メイン制御基板を単独で概観すると、メイン制御手段200として、叉、サブ制御基板を単独で概観すると、サブ制御手段300としてそれぞれ機能する。
メイン制御基板とサブ制御基板との通信は、メイン制御基板からサブ制御基板への一方向の通信に限定される。サブ制御基板からメイン制御基板への逆方向の通信は禁止され、逆方向の通信による不正行為を防止している。
【0046】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、遊技機10の全体の動作を制御するものである。
メイン制御手段200の入力段には、
図2に示すように、メダルセンサー39、ベットスイッチ31、スタートスイッチ34、ストップスイッチ35〜37及び精算スイッチ38等がそれぞれ接続されている。
メイン制御手段200の出力段には、サブ制御手段300のほか、リールユニット50及びホッパーユニット80等がそれぞれ接続されている。
【0047】
メイン制御手段200には、
図2に示すように、大別すると、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(7)については後述する。
(1)役抽選手段210
(2)リール制御手段220
(3)遊技結果判定手段230
(4)払出制御手段240
(5)通常遊技制御手段250
(6)有利遊技制御手段260
(7)送信制御手段270
なお、メイン制御手段200の手段は、上記した(1)〜(7)に限定されない。
【0048】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号(コマンドや情報)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うためのものである。
サブ制御手段300の入力段には、
図2に示すように、メイン制御手段200のほか、演出スイッチ32等がそれぞれ接続されている。
サブ制御手段300の出力段には、
図1に示す役物装置60及びスピーカー群(上部スピーカー21、下部スピーカー42)等がそれぞれ接続されている。
【0049】
サブ制御手段300には、
図2に示すように、大別すると、次の手段を備える。
なお、次の(1)〜(4)については後述する。
(1)受信制御手段310
(2)通常遊技演出制御手段320
(3)有利遊技演出制御手段330
(4)役物制御手段340
なお、サブ制御手段300の手段は、上記した(1)〜(4)に限定されない。
【0050】
(メイン制御手段200の役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。
すなわち、役抽選手段210は、スタートスイッチ34の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うためのものである。
役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0051】
本実施の形態では、役として、大別すると、「小役」(メダルの払い出しを伴う役)、「再遊技役」(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、「移行役」(遊技状態の移行を伴う役、例えば「ボーナス移行役」)が設けられている。役のうち、「ボーナス移行役」については、次ゲームへの持ち越しが可能である。
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
【0052】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、リールユニット50のステッピングモーター等の駆動源(図示せず)の駆動を制御することで、各回転リール51〜53の駆動・停止制御を行うものである。
リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ35〜37が操作されたときの対応する回転リール51〜53の回転位置とに基づいて、各回転リール51〜53の回転を停止させる。
【0053】
(遊技結果判定手段230)
遊技結果判定手段230は、全ての回転リール51〜53が停止した際に、
図1に示す有効ライン(図示せず)上の図柄の組合せに基づいて入賞等の判定をするためのものである。
【0054】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、ホッパーユニット80のステッピングモーター等の駆動源(図示せず)の駆動を制御することで、遊技結果判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、遊技結果判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されると、当該小役に対応する所定枚数のメダルの払い出しを行う。
【0055】
(通常遊技制御手段250)
通常遊技制御手段250は、
図3を用いて後述する「通常遊技」の進行を制御するものである。
【0056】
(有利遊技制御手段260)
有利遊技制御手段260は、
図3を用いて後述する「有利遊技」の進行を制御するものである。
【0057】
(役物制御手段340)
役物制御手段340は、遊技制御手段100及び役物装置60に接続され、遊技制御手段100による遊技の進行に連動して役物装置60を制御するものである。
役物装置60の制御としては、左右の表示装置61,62を独立して制御できるようにしている。
具体的には、役物制御手段340は、メイン制御手段200の役抽選手段210による役抽選結果に基づいて、後述する表示板510による表示内容及びタイミング、並びに同じく後述する表示板照明装置700及びシート照明装置800の点灯状態(点灯・点滅の別、点灯色)及びタイミングによる演出状態を決定する。演出状態の決定後、役物制御手段340は、左右の表示装置61,62の後述する駆動源610の駆動状態(駆動、停止)を制御するとともに、表示板照明装置700及びシート照明装置800の点灯状態を制御することで、演出状態を実現している。
【0058】
(送信制御手段270)
送信制御手段270は、サブ制御手段300へ信号(コマンドや情報)を送信するためのものである。
【0059】
(サブ制御手段300の受信制御手段310)
受信手段310は、送信手段290からの信号(コマンドや情報)を受信するものである。
【0060】
(通常遊技演出制御手段320)
通常遊技演出制御手段320は、
図3を用いて後述する「通常遊技」における各種の演出を制御するものである。
ここで、「各種の演出」は、
図1に示す役物装置60及びスピーカー群(上部スピーカー21、下部スピーカー42)等を用いた演出をいう。
【0061】
(有利遊技演出制御手段330)
有利遊技演出制御手段330は、
図3を用いて後述する「有利遊技」における各種の演出を制御するものである。
ここで、「各種の演出」は、
図1に示す役物装置60及びスピーカー群(上部スピーカー21、下部スピーカー42)等を用いた演出をいう。
【0062】
(
図3に示す遊技状態の説明)
つぎに、
図3を用いて「遊技状態」について説明する。
「遊技状態」は、
図2に示すメイン制御手段200により主として制御され、各種の演出については、メイン制御手段200からの信号(コマンドや情報)をサブ制御手段300が受けて、当該サブ制御手段300により遊技の進行に応じた演出を制御している。
【0063】
「遊技状態」は、大別すると、次の遊技から構成されている。
なお、次の遊技については、後述する。
(1)通常遊技
(2)前兆遊技
(3)有利遊技
なお、「遊技状態」は、上記した(1)〜(3)に限定されず、「通常遊技」に「前兆遊技」を含めてもよいし、或いは「前兆遊技」を「有利遊技」に含めてもよい。
【0064】
(通常遊技)
「通常遊技」は、後述するいわゆる「有利遊技」を除く遊技状態である。
「通常遊技」においては、
図2に示す役抽選手段210による役抽選が実行され、当該役抽選の結果、「有利遊技」への移行役に当選した場合には、後述する「前兆遊技」に移行するほか、「前兆遊技」への移行役に当選した場合も、「前兆遊技」に移行する。また、「有利遊技」への移行役に当選し、当該移行役に対応する図柄を揃えた場合には、「通常遊技」から「前兆遊技」を経ずに、直接、「有利遊技」に移行する場合もある。
【0065】
(前兆遊技)
「前兆遊技」は、「有利遊技」への移行を遊技者に暗示させる遊技状態である。「前兆遊技」は、単に「前兆」ともいう。
「有利遊技」への移行役の当選を契機として移行した場合には、いわゆる「本前兆」とよばれ、当該移行図柄を揃えた場合には、図示しないが、いわゆる「準備遊技」を経て、「有利遊技」に移行する。これに対し、「有利遊技」への移行役の当選を契機とせず、「前兆遊技」への移行役の当選を契機として移行した場合には、いわゆる「ガセ前兆」とよばれ、「前兆遊技」を終了後、「通常遊技」に戻る。
【0066】
(有利遊技)
「有利遊技」は、「通常遊技」より遊技者に有利な遊技状態である。
「有利遊技」には、次の遊技状態を含む。
なお、次の遊技状態については、後述する。
(1)ボーナス
(2)ART
なお、「有利遊技」に、上記した2つの遊技状態を含めたが、これに限定されず、いずれか一方でもよい。
【0067】
(ボーナス)
「ボーナス」は、いわゆる「BB」「RB」の作動状態をいう。「ボーナス」は、「通常遊技」又は「前兆遊技」において、移行役である「ボーナス役」に当選し、当該「ボーナス役」に対応する図柄を揃えることで移行する。
ここで、「RB」は、「レギュラー・ボーナス」の略語であり、いわゆる「役物」の「作動装置」の作動状態をいう。
ここで、「BB」は、「ビッグ・ボーナス」の略語であり、いわゆる「役物」の「連続作動装置」の作動状態をいい、「BB」中に複数回の「RB」が可能となる。
「ボーナス」は、後述する「ART」に移行する場合を除き、終了後、「通常遊技」に移行する。
【0068】
(ART)
「ART」は、いわゆる「RT状態」で、且つ「AT状態」の遊技状態をいう。「ART」は、「通常遊技」、「前兆遊技」又は「ボーナス」において、「AT役」の当選を契機として「AT状態」に移行後、移行役である「ART役」の当選し、当該「ART役」に対応する図柄を揃えることで移行する。
ここで、「RT状態」は、いわゆる「リプレイタイム」ともよばれ、「通常遊技」よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く設定されている状態をいう。
ここで、「AT状態」は、いわゆる「アシストタイム」ともよばれ、
図2に示す役抽選手段210により当選した小役の押し順が報知され、当該報知された押し順に従ってストップスイッチ35〜37を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる状態をいう。
「ART」の終了後、「通常遊技」に移行する。
【0069】
(
図4以降を用いた役物装置60の説明)
役物装置60は、
図10に示すように、大別すると、次のパーツを有する。
なお、次の(1)及び(2)については後述する。
(1)表示装置61,62
(2)ユニットケース400
【0070】
(表示装置61,62)
表示装置61,62は、
図14に示すように、後述する表示板510を1枚ずつ反転させながら上方から下方に向かって回転させ、役物表示窓421に臨む上下2枚の表示板510により、遊技状態を示唆可能なものである。
表示板510には、その表裏面に、図示しないが、文字、数字、絵柄、或いはこれらの組み合わせが表示されている。
【0071】
例えば、役物表示窓421に臨む上下2枚の表示板510により、「前兆」の文字を表示させる場合には、
図14に示すように、回転方向の前方に位置する前列の表示板510の裏面に「兆」の文字を表示する。次列の表示板510の表面に「前」の文字を表示する。
表示板510を回転すると、前列の表示板510が下方に回転し、表示面が反転し、裏側の「兆」の文字が下側に出現する。
このとき、次列の表示板510が、上側に位置し、その表面の「前」の文字が上側に出現する。
このため、上側の「前」と下側の「兆」との文字の組み合わせである「前兆」の文字が、役物表示窓421に表示される。
【0072】
表示装置61,62は、
図10〜
図13に示すように、ユニットケース400内に左右方向に隣接させて収納され、これらの図において向かって左側に位置する左側表示装置61と、右側に位置する右側表示装置62との計2個の表示装置61,62から構成されている。
左右の表示装置61,62は、
図20を用いて後述する中心軸530に独立して回転可能に支持され、
図13及び
図15に示すように、後述する左右の駆動源610により、独立して回転・停止可能に駆動される。
左右の表示装置61,62は、
図20に示すように、中心軸530の中間点を中心に左右対称に配置され、同一の構造を有することから、以下、
図20において、向かって右側に位置する右側表示装置62を中心として、以下に説明する。
【0073】
右側表示装置62は、
図15に示すように、大別すると、次のパーツを有する。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)装置本体500
(2)駆動装置600
【0074】
(装置本体500)
装置本体500は、
図20に示すように、次のパーツから構成されている。
なお、次の(1)〜(8)については後述する。
(1)表示板510
(2)円板520
(3)中心軸530
(4)回転ドラム540
(5)従動ドラム550
(6)第1、第2ガイド板560,570
(7)上ストッパー580
(8)下ストッパー590
なお、装置本体500のパーツは、上記した(1)〜(8)に限定されない。
【0075】
(表示板510)
表示板510は、
図20〜
図23に示すように、後述する円板520の円周方向に沿って等間隔で複数個設けられた穴521を軸心として回転可能なものである。
表示板510は、
図23に示すように、同図において左右方向に長い平面が長方形の板状に形成されている。
表示板510は、適度な弾性と剛性とを有する合成樹脂製のシート材を打ち抜き形成している。
表示板510は、複数枚、例えば18枚有る。なお、表示板510の枚数として、18枚を例示したが、これに限定されない。
【0076】
表示板510には、その表裏面に、図示しないが、文字、数字、絵柄、或いはこれらの組み合わせが表示されている。
例えば、表示したい文字が2文字の場合、例えば「前」の文字と、「兆」の文字との組み合わせである「前兆」の場合には、回転方向の前方に位置する前列の表示板510の裏面に「兆」の文字を表示し、次列の表示板510の表面に「前」の文字を表示しておく。
【0077】
また、表示したい文字が1文字の場合、例えば数字の「2」や数字の「10」の場合には、前列の表示板510の裏面に数字の「2」や「10」の下半部を表示し、次列の表示板510の表面に数字の「2」や「10」の上半部を表示しておく。
【0078】
表示板510には、
図21及び
図23に示すように、後述する中心軸530の軸方向における両端部のうち、一方の端部に円板520の後述する穴521に支持される軸部511を設け、他方の端部を自由端部512としている。
軸部511は、
図23において、表示板510の下側に位置し、同図において向かって右側の端部から凸状に突出する。自由端部512は、表示板510において、向かって左側に位置し、軸部511が無く、直線的に形成されている。
また、表示板510には、
図22及び
図23に示すように、後述する第1、第2ガイド板560,570の一部がそれぞれはまり込む第1、第2ガイド溝513,514を設けている。
第1、第2ガイド溝513,514は、
図23に示すように、下端部から上方に向かってコ字形に切り欠かれ、同図において左右方向の長さの途中に位置し、左右一対形成されている。
【0079】
第1、第2ガイド溝513,514には、
図23に示すように、突起状のガイド凸部515を設けている。
【0080】
ガイド凸部515は、
図23に示すように、第1、第2ガイド溝513,514内にそれぞれ位置し、第1、第2ガイド溝513,514の一方の端面から溝内に向かって平面が半円形に突出する。ガイド凸部515は、
図23において向かって右側に位置する第1ガイド溝513においては、軸部511側の端面から自由端部512側に向かって突出する。左側に位置する第2ガイド溝514においては、自由端部512側の端面から軸部511側に向かって突出する。
【0081】
(円板520)
円板520は、
図20〜
図23に示すように、後述する中心軸530を中心に回転するものである。
円板520は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形される。なお、円板520を樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
円板520には、
図18〜
図23に示すように、次の各部を備える。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)穴521
(2)円筒部522
(3)嵌合部524
なお、円板520の各部は、上記した(1)〜(3)に限定されない。
【0082】
(穴521)
穴521は、
図18、
図19、
図22及び
図23に示すように、円板520の円周方向に沿って等間隔で複数個設けられている。
穴521は、円板520の表裏面に貫通する円形の穴として形成され、表示板510の軸部511が回転可能にはまり込むものである。穴521の個数は、表示板510の枚数に一致し、例えば18個設けている。
【0083】
(円筒部522)
円筒部522は、
図18に示すように、円板520に対し、後述する回転ドラム540を連結するためのものである。
円筒部522は、円板520において、回転ドラム540と対向する面から円筒形に延び、その内径を後述する中心軸530の外径に略等しく設定するとともに、外径を回転ドラム540の内径に略等しく設定している。
円筒部522の外周面には、円板520と回転ドラム540とが一体に回転するように、回転ドラム540の回転を阻止するための回転阻止部523を設けている。回転阻止部523は、円筒部522の外周面からリブ状に突出し、回転ドラム540の後述するスリット541にはまり込むものである。
【0084】
(嵌合部524)
嵌合部524は、
図18に示すように、円板520に対し、後述する回転歯車650を一体的に回転するように連結するためのものである。
嵌合部524は、円板520において、回転歯車650と対向する円形の縁部に位置し、当該縁部に凹状に形成され、直径方向に対向させて一対形成している。
嵌合部524には、回転歯車650の後述する凸状の嵌入部653がそれぞれはまり込み、円板520と回転歯車650とを一体的に回転するように連結するとともに、両者の取付位置を整合させている。
なお、嵌合部524を凹状に形成し、回転歯車650の嵌入部653を凸状に形成したが、これに限定されず、図示しないが、嵌合部524を「凸状」に形成し、嵌入部653を「凹状」に形成してもよい。
【0085】
(中心軸530)
中心軸530は、
図15に示すように、左右のベース480,490の間に回転不能に支持され、
図20及び
図21に示すように、円板520は、後述する駆動装置600の駆動力により、中心軸530を中心に回転する。
中心軸530は、金属製のシャフトから構成され、ユニットケース400の後述する左右のベース480,490に、駆動装置600の同じく後述する回転歯車650を介して支持される。
中心軸530は、左右の表示装置61,62に共通に設けられ、左右の表示装置61,62の円板520は同軸上に回転する。
なお、中心軸530を、左右の表示装置61,62に共通に設けたが、これに限定されず、図示しないが、左右の表示装置61,62に独立して2本の中心軸を設けてもよい。
【0086】
(回転ドラム540)
回転ドラム540は、
図20〜
図23に示すように、中心軸530を中心にして、円板520と一体的に回転するものである。
回転ドラム540は、円筒形に形成され、内径を中心軸530の外径に略等しく設定し、中心軸530の軸方向に長く延びている。そして、回転ドラム540は、その長手方向をスリット541で切り割られ、断面がC字形に形成されている。
回転ドラム540の全長は、
図21に示す表示板510の左右の長さ未満に設定されている。そして、表示板510の自由端部512側には、回転ドラム540と同様に中心軸530に外嵌され、当該回転ドラム540に隣接する従動ドラム550が位置する。
回転ドラム540は、金属製のパイプ材から構成されているが、これに限定されず、樹脂製としてもよい。
【0087】
(従動ドラム550)
従動ドラム550は、
図20及び
図21に示すように、中心軸530を中心に回転可能なものであり、その外周面と対向する表示板510の自由端部512側の端面とが当接可能なものである。
従動ドラム550は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形される。なお、従動ドラム550を樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
従動ドラム550は、回転ドラム540に隣接して配置されるが、回転ドラム540の回転力は伝達されず、中心軸530を中心に自由に回転可能に支持されている。
【0088】
そして、従動ドラム550は、
図20に示すように、同図において向かって左側に配置された表示装置61における自由端部512と、右側に配置された表示装置62における自由端部512とにまたがって位置している。
なお、従動ドラム550を、左右の表示装置61,62にまたがって位置させ、1個としたが、これに限定されず、図示しないが、左側に配置された表示装置61における自由端部512に当接する第1の従動ドラム550と、右側に配置された表示装置62における自由端部512に当接する第2の従動ドラム550とから構成し、2個としてもよい。
【0089】
つぎに、従動ドラム550の作用について説明する。
表示板510は、軸部511が片側にしか無く、自由端部512側が従動ドラム550の外周面に接近する方向に傾斜するおそれがある。
このとき、表示板510の自由端部512の端面を、従動ドラム550の外周面に当接させることで、それ以上、表示板510が傾斜するのを阻止する。
また、表示板510の自由端部512の端面が従動ドラム550の外周面に当接した状態において、円板520が回転すると、両者の間の摩擦抵抗が増大するおそれがある。
このため、両者が当接した状態において、円板520が回転した際に、両者の間の摩擦抵抗により、従動ドラム550が表示板510の回転に追従して自由に回転することで、両者の間の摩擦抵抗が増大するのを防止する。
これにより、表示板510の傾きや破損を防止できるとともに、駆動装置600の後述する駆動源610の負荷の増大を防止できる。
【0090】
(ガイド板560,570)
ガイド板560,570は、
図20及び
図22に示すように、円板520と一体的に回転するものであり、表示板510の回転を補助するものである。
ガイド板560,570は、
図23に示すように、回転ドラム540のはまり込む平面が略ドーナツ状に形成され、回転ドラム540に回転不能に支持される。
【0091】
ガイド板560,570は、
図22及び
図23に示すように、複数枚、例えばこれらの図において左右に形成され、回転ドラム540の軸方向の途中、すなわち向かって右側に位置する第1ガイド板560と、回転ドラム540の終端部、すなわち左かって左側に位置する第2ガイド板570とからなる。
なお、ガイド板560,570として、2枚を例示したが、これに限定されず、図示しないが、1枚でもよく、或いは3枚以上としてもよい。
2個の第1、第2ガイド板560,570は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的にそれぞれ成形される。なお、ガイド板560,570を樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0092】
第1、第2ガイド板560,570には、
図23に示すように、表示板510のガイド溝513,514との間に、軸部511の軸線上において、表示板510を回転可能に支持する凹凸部515,561,571のいずれか一方をそれぞれに設けている。
ここで、「凹凸部515,561,571」として、第1、第2ガイド板560,570側に、ガイド凸部515を回転可能に支持するガイド凹部561,571を設けている。
【0093】
ガイド凹部561,571は、円周方向に沿って等間隔で複数個設けられ、第1、第2ガイド板560,570の表裏面に貫通する円形の穴として形成されている。
ガイド凹部561,571には、第1、第2ガイド板560,570を表示板510のガイド溝513,514に差し込んだ際に、当該ガイド溝513,514内に突出するガイド凸部515が回転可能にはまり込む。ガイド凹部561,571の個数は、表示板510の枚数に一致し、例えば18個設けている。
ここで、「凹凸部515,561,571」として、表示板510におけるガイド溝513,514に、爪状の「ガイド凸部515」を設け、ガイド板560,570に穴状の「ガイド凹部561,57)」を設けたが、これに限定されず、図示しないが、ガイド溝513,514側に「凹部」を設け、ガイド板560,570側に「凸部」を設けてもよい。
すなわち、ガイド溝513,514側に「凹部」を設ける場合には、図示しないが、当該「凹部」を円筒状に形成する必要がある。このように形成した円筒状の筒内に、ガイド板560,570側に設けた軸状の「凸部」を挿入することで、ガイド板560,570側に対し、表示板510を回転可能に支持する。
【0094】
第1、第2ガイド板560,570は、
図23に示すように、異なる形状に形成され、同図において向かって右側に位置する第1ガイド板560は、回転ドラム540の外嵌される平面が略ドーナツ状に形成されている。第1ガイド板560の中心穴には、回転ドラム540のスリット541にはまり込む突起状の回転阻止部562を設けている。回転阻止部562は、回転ドラム540のスリット541にはまり込むことで、回転ドラム540と協同した回転動作を行う。
【0095】
第2ガイド板570は、
図23に示すように、同図において向かって右側に位置し、回転ドラム540内に挿入される円筒部572を有する。円筒部572の外周には、回転ドラム540のスリット541にはまり込む突起状の回転阻止部573を設けている。回転阻止部573は、回転ドラム540のスリット541にはまり込むことで、回転ドラム540と協同した回転動作を行う。
【0096】
(上ストッパー580)
上ストッパー580は、
図14に示すように、表示板510の回転を規制するためのものである。
上ストッパー580は、
図11〜
図13に示すように、左右の表示装置61,62にそれぞれ位置し、計2個形成されている。2個の上ストッパー580は、ユニットケース400の後述する上部ベース460に着脱可能に取り付けられている。
なお、上ストッパー580を、上部ベース460と別体に形成したが、これに限定されず、図示しないが、上部ベース460と一体的に形成してもよい。
2個の上ストッパー580は、同一構造であり、適度な弾性と剛性とを有する熱可塑性合成樹脂により一体的にそれぞれ成形される。
【0097】
2個の上ストッパー580は、
図12に示すように、次の各部を有する。
(1)基部581
基部581は、
図11及び
図12に示すように、ユニットケース400の後述する取付凹部461にはまり込み、ネジ止めされる。
(2)当接部582
当接部582は、
図11及び
図12に示すように、当該基部581から下方に向かって棒状に延び、前記表示板510に押されて弾性的に撓むことが可能なものである。
【0098】
(下ストッパー590)
下ストッパー590は、
図14に示すように、上ストッパー580と対向する下側に位置し、当該上ストッパーに規制されて1枚ずつ下方に回転する下側の表示板510の下端部に当接し、当該下側の表示板510を垂直状態に係止するものである。
下ストッパー590は、
図12に示すように、左右の表示装置61,62にそれぞれ位置し、計2個形成されている。2個の下ストッパー590は、ユニットケース400の後述する下部ベース470に着脱可能に取り付けられている。
なお、下ストッパー590を、上部ベース460と別体に形成したが、これに限定されず、図示しないが、上部ベース460と一体的に形成してもよい。
2個の下ストッパー590は、同一構造であり、適度な弾性と剛性とを有する熱可塑性合成樹脂により一体的にそれぞれ成形される。
【0099】
(駆動装置600)
駆動装置600は、
図15に示すように、装置本体500の円板520を駆動するためのものである。駆動装置600は、左右の表示装置61,62にそれぞれ設けられ、左右方向に対称に配置されている。
駆動装置600は、
図15〜
図19に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)駆動源610
(2)歯車機構620
(3)センサー基板660
なお、駆動装置600のパーツは、上記した(1)〜(3)に限定されず、歯車機構620を省略し、駆動源610により円板520を直接、駆動するようにしてもよい。
【0100】
(駆動源610)
駆動源610は、
図2に示すように、役物制御手段340に接続され、
図15に示すように、円板520を回転駆動するものである。
駆動源610は、例えばステッピングモーターから構成され、その駆動力を、後述する歯車機構620を介して円板520に伝達する。
駆動源610は、
図15〜
図17に示すように、ユニットケース400の後述する左右のベース480,490に、駆動ベース481,491を介して固定される。
なお、駆動源610として、ステッピングモーターを例示したが、これに限定されず、それ以外のDCモーターやACモーターから構成してもよい。
【0101】
(歯車機構620)
歯車機構620は、
図15に示すように、駆動源610の駆動力を、装置本体500の円板520に伝達するためのものである。
歯車機構620は、
図15〜
図17に示すように、ユニットケース400の後述する左右のベース480,490の外側面側に回転可能にそれぞれ支持される。
【0102】
歯車機構620は、
図15〜
図19に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(3)については、後述する。
(1)駆動歯車630
(2)中間歯車640
(3)回転歯車650
なお、歯車機構620のパーツは、上記した(1)〜(3)に限定されず、中間歯車640を省略してもよいし、或いは中間歯車640を2段以上設けてもよい。
【0103】
(駆動歯車630)
駆動歯車630は、
図15〜
図17に示すように、モーターである駆動源610の駆動軸に固定され、駆動軸と一体的に回転する。
駆動歯車630は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、駆動歯車630を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0104】
(中間歯車640)
中間歯車640は、
図15〜
図17に示すように、ユニットケース400の後述する左右のベース480,490の外側面側に回転可能に支持され、
図25に示すように、駆動歯車630にかみ合うものである。
中間歯車640は、駆動歯車630と同様に、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、中間歯車640を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0105】
(回転歯車650)
回転歯車650は、
図15〜
図19に示すように、円板520と一体的に回転するとともに、駆動源610からの駆動力により回転駆動されるものである。
回転歯車650は、駆動歯車630と同様に、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、回転歯車650を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0106】
回転歯車650は、
図15〜
図17に示すように、ユニットケース400の後述する左右のベース480,490の外側面側に回転可能に支持され、中間歯車640とかみ合う。
回転歯車650は、
図18及び
図19に示すように、円板520に連結され、当該円板520に駆動源610の駆動力を伝達する。
回転歯車650は、
図18及び
図19に示すように、次の各部を備える。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)第1位置検出部651(原点)
(2)第2位置検出部652(表示板位置)
(3)嵌入部653
なお、回転歯車650の各部は、上記した(1)〜(3)に限定されない。
【0107】
(第1位置検出部651)
第1位置検出部651は、
図19に示すように、センサー基板660の後述する第1センサー661(
図16参照)により、回転歯車650の回転位置、すなわち原点位置を検出するためのものである。
第1位置検出部651は、
図19に示すように、回転歯車650の外側面に位置し、当該外側面から板状に突出する。後述する第1センサー661(
図16参照)は、発光素子と、受光素子からなるフォトセンサから構成され、板状の第1位置検出部651が発光素子から照射された光を遮光することで、回転歯車650、すなわち回転歯車650と一体的に回転する円板520の原点位置を検出できる。
【0108】
(第2位置検出部652)
第2位置検出部652は、
図19に示すように、センサー基板660の後述する第2センサー662(
図16参照)により、回転歯車650の回転位置、すなわち当該回転歯車650と一体的に回転する円板520の各穴521に回転可能に軸止された表示板510の位置を検出するためのものである。
第2位置検出部652は、
図19に示すように、回転歯車650の外側面において、第1位置検出部651の外周側に位置し、当該外側面から板状に突出する。
第2位置検出部652は、円周方向に沿って等間隔で複数枚、すなわち表示板510の枚数と同数の18枚設けられている。
第2位置検出部652は、第2センサー662(
図16参照)を遮光することで、表示板510の位置、すなわち円板520の各穴521に軸止された軸止位置を検出できる。
【0109】
(嵌入部653)
嵌入部653は、
図18に示すように、回転歯車650に対し、円板520を一体的に回転するように連結するためのものである。
嵌入部653は、円板520の嵌合部524にはまり込むものである。嵌入部653は、回転歯車650において、円板520と対向する内側面に位置し、平面が円弧状に湾曲した凸状に形成され、直径方向に対向させて一対形成している。
嵌入部653は、円板520の嵌合部524にはまり込み、回転歯車650に対し、円板520を一体的に回転するように連結するとともに、両者の取付位置を整合させる。
【0110】
(センサー基板660)
センサー基板660は、
図16及び
図17に示すように、回転歯車650の回転位置を検出するためのものである。
センサー基板660は、ユニットケース400の後述する左右のベース480,490の外側面側に固定される。
センサー基板660は、
図16に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については後述する。
(1)第1センサー661(原点)
(2)第2センサー662(表示板位置)
なお、センサー基板660のパーツは、次の(1)及び(2)に限定されない。
【0111】
(第1センサー661)
第1センサー661は、
図16に示すように、回転歯車650の第1位置検出部651の移動軌跡内、すなわち回転歯車650が回転することによる回転軌跡記内に位置し、回転歯車650の回転位置、すなわち原点位置を検出するためのものである。
第1センサー661は、発光素子と、受光素子からなるフォトセンサから構成され、常時は発光素子からの照射光が受光素子に入射され、オン状態にある。これに対し、発光素子と受光素子との間が遮光されると、オン状態からオフ状態に変化する。
第1センサー661は、第1位置検出部651の無い部分では、発光素子からの照射光が受光素子に入射され、常時はオン状態となっている。これに対し、第1位置検出部651の有る部分では遮光され、オン状態からオフ状態に変化する。
【0112】
第1センサー661は、オン状態からオフ状態に変化した位置にもとづいて、回転歯車650の回転位置を検出できる。また、例えばステッピングモーターである駆動源610に駆動パルス信号を入力中、第1センサー661が所定の時間内にオン状態からオフ状態に変化しない場合には、いわゆる「脱調」を検出できる。
なお、第1センサー661により、回転歯車650の回転位置を検出したが、これに限定されず、円板520、或いは歯車機構620の他の駆動歯車630、中間歯車640のいずれか一つ以上の回転位置を検出させてもよい。
【0113】
(第2センサー662)
第2センサー662は、
図16に示すように、回転歯車650の第2位置検出部652の移動軌跡内、すなわち回転歯車650が回転することによる回転軌跡記内に位置し、回転歯車650の回転位置、すなわち当該回転歯車650と一体的に回転する円板520の各穴521に回転可能に軸止された表示板510の位置を検出するためのものである。
第2センサー662は、第1センサー661と同様に、フォトセンサから構成されている。
【0114】
第2センサー662は、隣接する第2位置検出部652の間の隙間部分では、発光素子からの照射光が受光素子に入射され、常時はオン状態となっている。これに対し、第2位置検出部652の有る部分では遮光され、オン状態からオフ状態に変化する。
第2センサー662は、オン状態からオフ状態に変化した位置にもとづいて、円板520に対する表示板510の軸止位置を検出することができる。
なお、第2センサー662により、表示板510の軸止位置を検出させたが、これに限定されず、第2センサー662を省き、第1センサー661による原点位置の検出により、表示板510の軸止位置をソフト的に算定するようにしてもよい。
【0115】
(ユニットケース400)
ユニットケース400は、
図10に示すように、表示装置61,62を収納するものであり、遊技者と対向する前面に表示板510が臨む役物表示窓421を有する。
また、ユニットケース400内には、表示装置61,62のほか、
図27及び
図49を用いて後述する表示板照明装置700及びシート照明装置800を収納している。
【0116】
ユニットケース400は、
図8〜
図14に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(5)については後述する。
(1)ケース本体410
(2)前面ベース420
(3)背面カバー430
(4)装飾カバー440
(5)前面カバー450
なお、ユニットケース400のパーツは、上記した(1)〜(5)に限定されない。
【0117】
(ケース本体410)
ケース本体410は、
図11〜
図15に示すように、表示装置61,62の上面、下面及び左右の側面の四方を取り囲むものであり、遊技者と対向する前面及び背面は開放されている。
ケース本体410には、左右の表示装置61,62がユニット化されて収納される。
なお、ケース本体410内に、計2個の表示装置61,62を収納したが、これに限定されず、図示しないが、ケース本体410を2個設け、各1個の表示装置61,62を収納してもよい。
【0118】
ケース本体410は、
図11〜
図17に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)上部ベース460
(2)下部ベース470
(3)左右のベース480,490
なお、ケース本体410のパーツは、上記した(1)〜(3)に限定されず、図示しないが、4分割せずに、一体的に形成してもよいし、或いは2分割や3分割としてもよい。
【0119】
ケース本体410には、
図11、
図12、
図14、
図16及び
図17に示すように、略ハニカム形状の構造体411を配置している。
ここで、「略ハニカム形状」としては、
図12においては、「ひし形」に形成し、
図14、
図16及び
図17においては、正方形、長方形、台形及び三角形等の「多角形」に形成している。
なお、「略ハニカム形状」として、主として「ひし形」等の「方形」を例示したが、これに限定されず、図示しないが、例えば「正六角形」等のように5角形以上の多角形に形成してもよい。
【0120】
構造体411は、ケース本体410の種々の位置に設けられ、
図12に示すように、上部ベース460の上面、下部ベース470の上面、
図16に示すように、左右のベース480,490の外側面の一部、
図17に示すように、左右のベース480,490の内側面の一部にそれぞれ形成されている。
構造体411は、上部ベース460、下部ベース470及び左右のベース480,490の剛性の向上と、樹脂で成形する際に、板厚を一定にし、樹脂のヒケ発生を抑制するためのものである。
なお、構造体411を、上部ベース460、下部ベース470及び左右のベース480,490のいずれにも形成したが、これに限定されず、図示しないが、いずれか1個に形成してもよいし、対応する二面に位置する上部ベース460と下部ベース470、或いは左右のベース480,490に形成したり、或いは四面中の三面に形成してもよい。
【0121】
構造体411は、
図12に示すように、大別すると、次の各部から構成されている。
(1)ベース板412
ベース板412は、
図12においては後述する上部ベース460の底面が相当する。
(2)第1リブ413
第1リブ413は、
図12に示すように、ベース板412から当該ベース板412の厚み方向に板状に延出するものである。
(3)第2リブ414
第2リブ414は、第1リブ413と交差し、第1リブ413と同様にベース板412の厚み方向に板状に延出するものである。第2リブ414は、第1リブ413とともに格子状に配置されている。
【0122】
(前面ベース420)
前面ベース420は、
図8〜10及び
図26〜
図31に示すように、ケース本体410であって、遊技者と対向する前面に取り付けられ、左右の表示装置61,62の表示板510が臨む方形の役物表示窓421を有するものである。
前面ベース420は、後述する遮光板427を除き、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、前面ベース420を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0123】
前面ベース420は、
図26〜
図29に示すように、方形の役物表示窓421を取り囲むように額縁状に形成され、上枠422、下枠423、左枠424及び右枠425から構成されている。
前面ベース420は、
図10、
図26及び
図44に示すように、大別すると、次の各部やパーツを有する。
なお、次の(1)〜(3)については後述する。
(1)照明配置溝426
(2)遮光板427
(3)押圧部428
なお、前面ベース420の各部やパーツは、上記した(1)〜(3)に限定されず、図示しないが、遮光板427を別パーツとせず、前面ベース420に一体的に形成してもよい。
【0124】
(照明配置溝426)
照明配置溝426は、
図26及び
図44に示すように、上枠422、下枠423、左枠424及び右枠425に位置し、背面側から、
図27及び
図34に示すように、表示板照明装置700の後述する上部照明基板710、下部照明基板720及び側部照明基板730が望む。
上部照明基板710、下部照明基板720及び側部照明基板730の後述するLEDである前面発光源740から照射された光は、照明配置溝426を通って前面ベース420において、遊技者と対向する前面側に達し、役物表示窓421に臨む左右の表示装置61,62の表示板510を前面側から照明する。
なお、照明配置溝426を、上枠422、下枠423、左枠424及び右枠425の全てに形成したが、これに限定されず、いずれか1個に形成してもよいし、対応する二辺に位置する上枠422と下枠423、或いは左枠424と右枠425に形成したり、或いは四辺中の三辺に形成してもよい。
【0125】
照明配置溝426には、
図26及び
図44に示すように、次の各部を有する。
なお、照明配置溝426の各部は、次の(1)に限定されない。
(1)取付部426a
取付部426aは、
図26及び
図44に示すように、後述する遮光板427を取り付けるためのものであり、上枠422、下枠423、左枠424及び右枠425の各長手方向に所定の間隔で複数個設けられている。
取付部426aは、
図26及び
図44に示すように、照明配置溝426の底に位置し、表裏面に貫通する穴状に設けられている。取付部426aには、遮光板427の後述する突起状の被取付部427aが着脱可能にはまり込む。
【0126】
(遮光板427)
遮光板427は、後述するが、表示板照明装置700の隣接する前面発光源740の間に位置するものである。
すなわち、遮光板427は、
図26及び
図44に示すように、照明配置溝426に着脱可能に取り付けられ、後述するLEDである前面発光源740から照射された光が、照明配置溝426を通る際に、前面発光源740から照射された光が混在しないように遮光するためのものである。
【0127】
遮光板427は、
図44に示すように、照明配置溝426の底に取り付けた状態において、前面側に向かって突出するとともに、役物表示窓421の中央に向かって突出量を徐々に減少させ、
図26に示すように、平面が三角形に形成されている。
なお、遮光板427を、平面が三角形に形成したが、これに限定されず、図示しないが、例えば台形状に形成してもよい。
遮光板427は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、遮光板427を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0128】
遮光板427には、
図26及び
図44に示すように、次の各部を有する。
なお、遮光板427の各部は、次の(1)に限定されない。
(1)被取付部427a
被取付部427aは、
図26及び
図44に示すように、照明配置溝426の取付部426aに着脱可能にはまり込むものである。
被取付部427aは、取付部426aに表面側から差し込むように、取付部426aにはめ込み、取付部426aに裏面側に引っ掛かるように、略かぎ形に折れ曲がった突起状に形成されている。
被取付部427aを照明配置溝426の取付部426aに取り付けることで、遮光板427を取付部426aの間隔に合わせて取り付けることができる。このように、遮光板427を取付部426aの全てに取り付けるほか、1個置き或いは複数個置きに取り付けることも可能である。これは、後述するLEDである前面発光源740の間隔が異なる場合に対応できるようにするためである。また、遮光板427を、前面ベース420と別体とし、着脱可能としていることから、遮光板427が破損した場合に交換が可能である。
【0129】
(押圧部428)
押圧部428は、
図43及び
図44に示すように、前面ベース420を前面カバー450の後述する差込溝451に差し込む際に、当該差込溝451の左右方向の溝幅を拡大する方向に、均等に押圧する位置決め用のものである。
押圧部428は、
図44に示すように、前面ベース420の左枠424及び右枠425の外側面にそれぞれ位置し、当該左枠424及び右枠425の高さ方向に複数個、例えば3個形成され、差込溝451の差し込み方向に長く延びるリブ形状に形成されている。
押圧部428は、
図43及び
図44に示すように、前面カバー450の後述する差込溝451の差し込み方向において、先端部から後端部に向かって徐々に突出量を増加させている。
【0130】
(背面カバー430)
背面カバー430は、
図45〜
図49に示すように、ケース本体410がはまり込むのであり、ケース本体410の開放した背面を覆うものであり、遊技者と対向する前面が開放されている。
背面カバー430は、後述するシート432を除き、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、背面カバー430を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
背面カバー430は、
図48及び
図49に示すように、大別すると、次の各部やパーツを有する。
なお、次の(1)及び(2)については後述する。
(1)開放背面431
(2)シート432
なお、背面カバー430の各部は、上記した(1)及び(2)に限定されない。
【0131】
(開放背面431)
開放背面431は、
図48及び
図49に示すように、背面カバー430の背壁に位置し、当該背壁の表裏面に貫通し、平面が方形に開口している。
【0132】
(シート432)
シート432は、
図48及び
図49に示すように、開放背面431の少なくとも一部を覆う目隠し用のものである。
シート432は、適度な剛性を有する合成樹脂製のシート材を打ち抜き形成している。
シート432には、
図48及び
図49に示すように、次の各部を有する。
なお、シート432の各部は、次の(1)に限定されない。
【0133】
(1)印刷部433
印刷部433は、
図45に示すように、円板520の上方に位置する表示板510の背面側に位置するとともに、
図49に示すように、遊技者と対向するシート432の前面に位置する。
印刷部433には、
図49に示すように、「あたり」の文字を印刷している。
なお、印刷部433の印刷内容として、文字を例示したが、これに限定されず、図示しないが、日本文字以外の「アルファベット」、「数字」、「記号」、或いは図柄から構成してもよい。
印刷部433の印刷内容は、
図14に示すように、表示板510が上ストッパー580に係止され、垂直に直立した状態においては、当該表示板510に隠れて遊技者に視認不能となっている。
これに対し、
図47に示すように、表示板510が上ストッパー580から離れ、後方に向かって倒れた状態においては、
図45及び
図46に示すように、遊技者に視認可能となる。
表示板510を後方に向かって倒れた状態は、
図2に示す役物制御手段340により、駆動源610を逆転駆動させることで実現している。
【0134】
すなわち、役物制御手段340は、
図14に示すように、駆動源610を正転駆動させて、円板520を回転させ、上ストッパー580に規制されて表示板510を1枚ずつ下方に回転する制御を実行している。
これに加え、役物制御手段340は、
図45〜
図47に示すように、駆動源610を逆転駆動させて、円板520を逆回転する制御を実行している。円板520を逆回転させると、上ストッパー580の後方に位置する表示板510を下方に倒れさせ、遊技者から印刷部433を視認可能となる。
遊技者は、印刷部433を視認することにより、例えば有利遊技であるボーナスやARTへの移行役に当選した確率が高いことを認識することが可能である。
【0135】
(装飾カバー440)
装飾カバー440は、
図8及び
図9に示すように、前面ベース420の遊技者と対向する前面側に取り付けられ、装飾的なものである。
装飾カバー440は、前面ベース420より一回り大きい額縁状に形成され、上飾り22の背面側に固定される。
装飾カバー440は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、装飾カバー440を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
【0136】
(前面カバー450)
前面カバー450は、
図8及び
図9に示すように、前面ベース420の役物表示窓421において、遊技者と対向する前面側を覆うものであり、透明に形成されている。
なお、前面カバー450を透明に形成したが、当該透明には「半透明」を含むものであり、前面カバー450を通して、役物表示窓421に臨む左右の表示装置61,62の表示板510が遊技者から視認可能であればよい。
前面カバー450は、
図7〜
図8に示すように、上飾り22の背面側に固定され、上飾り22から遊技者と対向する側に円弧状に湾曲して突出する。
前面カバー450は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、前面カバー450を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、ガラス製としてもよい。
【0137】
前面カバー450には、
図8及び
図9に示すように、次の各部を有する。
なお、前面カバー450の各部は、次の(1)に限定されない。
(1)差込溝451
差込溝451は、
図9及び
図43に示すように、遊技機10の奥側から遊技者と対向する前面側に向かって、前面ベース420を差し込み可能なものである。
なお、差込溝451と前面ベース420との互いに対向する対向面の少なくとも一方、本実施の形態では、前面ベース420には、
図43及び
図44に示すように、押圧部428を設けている。押圧部428は、前面ベース420を前面カバー450の後述する差込溝451に差し込む際に、当該差込溝451の左右方向の溝幅を拡大する方向に、均等に押圧する位置決め用のものである。これに対し、差込溝451の内部、すなわち、図示しないが、前面ベース420の左枠424及び右枠425の外側面と対向する内側面に、「押圧部」を設けてもよい。
【0138】
(上部ベース460)
上部ベース460は、
図11〜
図15に示すように、表示装置61,62の上部に位置するものである。
上部ベース460は、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、上部ベース460を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
上部ベース460には、
図11及び
図12に示すように、その上面に構造体411を備えるほか、
図11〜
図15に示すように、次の各部を備える。
なお、上部ベース460の各部は、次の(1)に限定されない。
【0139】
(1)取付凹部461
取付凹部461には、
図11及び
図12に示すように、上ストッパー580の基部581がはまり込む凹状のものである。
取付凹部461は、左右の表示装置61,62に対応し、左右一対設けられている。
各取付凹部461には、上ストッパー580の基部581をはめ込み、ネジ止めしている。
この取付状態において、
図11〜
図14に示すように、上ストッパー580の当接部582がユニットケース400の内部に向かって突出する。
【0140】
(下部ベース470)
下部ベース470は、
図12〜
図15に示すように、表示装置61,62の下部に位置するものである。
下部ベース470は、上部ベース460と同様に、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、下部ベース470を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
下部ベース470には、
図11及び
図12に示すように、上部ベース460と同様に、下部ベース470の上面に構造体411を備える。
また、下部ベース470の上面には、
図12及び
図14に示すように、2個の下ストッパー590をネジ止めしている。
【0141】
(左右のベース480,490)
左右のベース480,490は、
図11〜
図13及び
図15に示すように、表示装置61,62の左右両側に位置するものである。
左右のベース480,490は、次のパーツに分かれている。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)左側ベース480
(2)右側ベース490
【0142】
(左側ベース480)
左側ベース480は、
図11〜
図13及び
図15に示すように、表示装置61,62のこれらの図において向かって左側に位置するものである。
左側ベース480は、上部ベース460と同様に、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、下部ベース470を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
左側ベース480は、
図16に示すように、上部ベース460と同様に、左側ベース480の内側面の上下に構造体411を備えている。また、左側ベース480の外側面にも、図示しないが、右側ベース490の外側面と同様に、
図17に示すように、構造体411を備える。
【0143】
左側ベース480には、
図15及び
図16に示すように、
図15において向かって左側に位置する左側表示装置61が回転可能に支持される。具体的には、左側表示装置61の円板520は、
図18及び
図19に示すように、回転歯車650に連結された状態で、左側ベース480に回転可能に支持される。また、中間歯車640も、左側ベース480に回転可能に支持され、回転歯車650とかみ合う。
左側ベース480には、
図15及び
図16に示すように、次のパーツが取り付けられる。
【0144】
(1)駆動ベース481
駆動ベース481は、
図16に示すように、駆動源610を固定するものである。
駆動ベース481は、左側ベース480と同様に、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、駆動ベース481を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
駆動ベース481には、駆動源610を固定した後、左側ベース480に固定され、このとき、駆動源610の駆動軸に固定された駆動歯車630が、左側ベース480に回転可能に支持された中間歯車640とかみ合う。
【0145】
(2)サイドカバー482
サイドカバー482は、
図16に示すように、左側ベース480の外側面を覆うものである。
サイドカバー482は、左側ベース480と同様に、適度な剛性を有する熱可塑性合成樹脂により一体的に成形されている。なお、駆動ベース481を、合成樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
サイドカバー482は、左側ベース480の外側面側に駆動ベース481、センサー基板660の順に取り付けた後、被せるように取り付けられ、駆動ベース481、センサー基板660及びサイドカバー482は、最終的には左側ベース480の外側面側に対して固定される。
【0146】
(右側ベース490)
右側ベース490は、
図11〜
図13及び
図15に示すように、表示装置61,62のこれらの図において向かって右側に位置するものである。具体的には、右側表示装置62の円板520は、
図18及び
図19に示すように、回転歯車650に連結された状態で、右側ベース490に回転可能に支持される。
右側ベース490は、左側ベース480と左右対称の構造を有し、叉、駆動ベース491及びサイドカバー492についても、先に説明した駆動ベース481及びサイドカバー482と左右対称の構造を有するので、説明を省略する。
【0147】
(表示板照明装置700)
表示板照明装置700は、
図27〜
図34に示すように、ユニットケース400内に収納された左右の表示装置61,62の表示板510、すなわち前面ベース420の役物表示窓421に臨む表示板510を照明するものである。
表示板照明装置700は、
図29〜
図31に示すように、後述する前面発光源740により、遊技者と対向する前面側からの前面側照明と、同じく後述する背面発光源750により、ユニットケース400の内部から内部照明とを行っている。
【0148】
表示板照明装置700は、
図27〜
図42に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(5)については後述する。
(1)上部照明基板710
(2)下部照明基板720
(3)側部照明基板730
(4)上部拡散レンズ760
(5)下部拡散レンズ770
なお、表示板照明装置700のパーツは、上記した(1)〜(5)に限定されない。
【0149】
(上部照明基板710)
上部照明基板710は、
図27〜
図30に示すように、前面ベース420の上枠422の背面に取り付けられるものである。
上部照明基板710は、
図27に示すように、前面ベース420の上枠422の左右の長手方向に長く延び、同図の下部照明基板720を見ると明らかなように、左右に分離され、計2枚の基板から構成されている。2枚の基板は、左右の表示装置61,62にそれぞれ対応し、左右の表示装置61,62を独立して照明できるようにしている。また、2枚の基板は、左右対称の構造を有する。
上部照明基板710には、
図32及び
図33に示すように、次の発光源を備える。
つぎの(1)及び(2)については後述する。
(1)前面発光源740
(2)背面発光源750
【0150】
(前面発光源740)
前面発光源740は、
図32に示すように、上部照明基板710の表裏面のいずれか一方の面、ここでは表面側に設けられ、「第2の発光源」ともいう。前面発光源740には、RGBカラーのLEDが使用されている。
前面発光源740は、上部照明基板710の長手方向に沿って、等間隔で複数個、例えば6個設けられている。
前面発光源740は、
図29及び
図30に示すように、上部照明基板710を前面ベース420の上枠422の背面に取り付けた際に、背面と対向する側に位置する。
【0151】
前面発光源740から照射された光は、照明配置溝426を通って前面ベース420において、遊技者と対向する前面側に達し、役物表示窓421に臨む左右の表示装置61,62の表示板510を前面側から照明する。
また、前面発光源740から照射された光は、照明配置溝426に取り付けられた遮光板427により遮られ、隣接する前面発光源740から照射された光が混在しないように遮光される。遮光板427の取付間隔は、隣接する前面発光源740の間隔の略中央に、遮光板427が位置するように取り付けられる。
【0152】
(背面発光源750)
背面発光源750は、
図33に示すように、上部照明基板710の裏面側に設けられ、「第1の発光源」ともいう。背面発光源750は、前面発光源740と同様に、RGBカラーのLEDが使用されている。
背面発光源750は、上部照明基板710の長手方向に沿って、等間隔で複数個、例えば6個設けられている。背面発光源750は、前面発光源740と上部照明基板710の表裏方向において、互い違いとなるように配置されている。
【0153】
背面発光源750は、
図29及び
図30に示すように、上部照明基板710を前面ベース420の上枠422の背面に取り付けた際に、背面と背向する側、すなわちユニットケース400の内部に向かって位置する。
背面発光源750から照射された光は、後述する上部拡散レンズ760を通過する際に拡散され、役物表示窓421に臨む左右の表示装置61,62の表示板510を上方から照明する。
【0154】
(下部照明基板720)
下部照明基板720は、
図27〜
図29及び
図31に示すように、前面ベース420の下枠423の背面に取り付けられるものである。
下部照明基板720は、上部照明基板710と同様の構造を有し、前面発光源740及び背面発光源750が設けられている。
前面発光源740は、
図29及び
図31に示すように、上部照明基板710を前面ベース420の下枠423の背面に取り付けた際に、背面と対向する側に位置する。
【0155】
背面発光源750は、
図29及び
図31に示すように、上部照明基板710を前面ベース420の下枠423の背面に取り付けた際に、背面と背向する側、すなわちユニットケース400の内部に向かって位置する。
背面発光源750から照射された光は、後述する下部拡散レンズ770を通過する際に拡散され、役物表示窓421に臨む左右の表示装置61,62の表示板510を下方から照明する。
【0156】
(側部照明基板730)
側部照明基板730は、図示しないが、前面ベース420の左枠424及び右枠425の背面にそれぞれ取り付けられ、左右一対の基板から構成されている。
側部照明基板730は、
図34に示すように、前面ベース420の左枠424及び右枠425の上下の高さ方向に長く延びている。側部照明基板730の表裏面のいずれか一方の面、ここでは表面側に前面発光源740のみが設けられている。
前面発光源740は、
図34に示すように、側部照明基板730の高さ方向に沿って、等間隔で複数個、例えば8個設けられている。
前面発光源740は、図示しないが、側部照明基板730を前面ベース420の左枠424及び右枠425の背面にそれぞれ取り付けた際に、背面と対向する側に位置する。
【0157】
前面発光源740から照射された光は、照明配置溝426を通って前面ベース420において、遊技者と対向する前面側に達し、役物表示窓421に臨む左右の表示装置61,62の表示板510を前面側から照明する。
また、前面発光源740から照射された光は、照明配置溝426に取り付けられた遮光板427により遮られ、隣接する前面発光源740から照射された光が混在しないように遮光される。遮光板427の取付間隔は、隣接する前面発光源740の間隔の略中央に、遮光板427が位置するように取り付けられる。
【0158】
(上部拡散レンズ760)
上部拡散レンズ760は、
図27〜
図30に示すように、上部照明基板710の背面発光源750から照射された光を拡散するものである。
上部拡散レンズ760は、
図27、
図35及び
図36に示すように、前面ベース420の上枠422の左右の長手方向に長く延びている。
上部拡散レンズ760は、
図30及び
図35〜
図38に示すように、背面発光源750から照射された光が入射する入射面761を平面に形成するとともに、当該入射面761から上部拡散レンズ760を通って光が出射される出射面762を曲面に形成している。
上部拡散レンズ760は、樹脂で成形したが、これに限定されず、ガラス製としてもよい。
【0159】
(下部拡散レンズ770)
下部拡散レンズ770は、
図27〜
図29及び
図31に示すように、下部照明基板720の背面発光源750から照射された光を拡散するものである。
下部拡散レンズ770は、
図27、
図39及び
図40に示すように、前面ベース420の下枠423の左右の長手方向に長く延びている。
下部拡散レンズ770は、上部拡散レンズ760と同様に、
図30及び
図39〜
図42に示すように、背面発光源750から照射された光が入射する入射面771を平面に形成するとともに、当該入射面771から下部拡散レンズ770を通って光が出射される出射面772を曲面に形成している。
下部拡散レンズ770は、上部拡散レンズ760と同様に、樹脂で成形したが、これに限定されず、ガラス製としてもよい。
【0160】
(シート照明装置800)
シート照明装置800は、
図49及び
図50に示すように、ユニットケース400の内部、すなわち背面カバー430の内部に位置し、シート432の印刷部433を照明するものである。
シート照明装置800は、大別すると、次のパーツから構成されている。
(1)照明基板810
照明基板810は、
図49及び
図50に示すように、背面カバー430の上壁の下面に取り付けられ、上壁の左右の幅方向に長く延びている。
【0161】
(2)発光源820
発光源820は、
図50に示すように、照明基板810表裏面のいずれか一方の面、ここでは裏面側に設けられている。発光源820には、RGBカラーのLEDが使用されている。
発光源820は、照明基板810の長手方向に沿って、等間隔で複数個、例えば4個設けられている。
発光源820は、
図49に示すように、照明基板810を背面カバー430の上壁の下面に取り付けた際に、背面カバー430の内部に向かって位置する。
シート432の印刷部433は、発光源820から照射された光により、上方から斜め下向きに照明される。
【課題】リールユニットに加え、表示板を1枚ずつ反転させながら回転させる表示装置を用いたものであり、表示板を軸止する円板と一体的に回転する回転ドラムと、回転ドラムと表示板とを連結するガイド板とを備え、表示板をガイド板に対しワンタッチで取り付けられる遊技機を提供する。
【解決手段】表示装置61、62には、中心軸530を中心に円板520と一体的に回転し、表示板510において、中心軸530の軸方向に延びる回転ドラム540と、回転ドラム540と一体的に回転し、表示板510に向かって延びるガイド板560、570とを備え、表示板510には、その中心軸530の軸方向の途中に位置し、ガイド板560、570がはまり込むガイド溝513、514を設け、ガイド板560、570とガイド溝513、514との間には、互いにはまり込む凹凸部の一方をそれぞれに設ける。