【文献】
Journal of ETHNOPHARMACOLOGY,1994年 1月,Vol.41, No.1-2,p.71-76
【文献】
Planta Medica,2012年 8月,Vol.78, No.12,p.1357-1362,(送付文献はAuthor Manuscriptのp.1-16)
【文献】
Archives of Pharmacal research,2010年,Vol.33, No.8,p.1159-1163
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、グリオキサラーゼI阻害活性と抗増殖活性を有することが肯定された前記被験化合物について、当該被験化合物の存在下において前記ガン細胞の分泌するメチルグリオキサール量を評価する工程、を備える、請求項7に記載のスクリーニング方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書の開示は、フラボノイドと総称される化合物群に包含されるイソフラボン骨格を有する化合物(以下、イソフラボン化合物という。)又はその薬学的に許容される塩を含有するGLOI阻害剤及びその利用に関する。
【0016】
本明細書に開示されるある種のイソフラボン化合物(以下、本イソフラボン化合物という。)は、GLOI阻害活性を示すことができる。また、本イソフラボン化合物は、好ましくは、ガン細胞に対してGLOI阻害活性に基づく抗増殖活性も示すことができる。GLOIは正常細胞ではほとんど発現されていないのに対してガン細胞での過剰発現が認められることから、GLOI阻害剤は、ガン細胞に対して高い選択性で作用し細胞死を誘導することができる。
【0017】
以下、本イソフラボン化合物を含むGLOI阻害剤、抗腫瘍剤及び医薬組成物並びにGLOI阻害剤のスクリーニング方法等について説明する。
【0018】
(GLOI阻害剤)
本イソフラボン化合物は、以下の式(1)で表される。
【化4】
【0019】
式(1)において、R
1、R
2、R
4、R
5、R
7、R
8、R
9、R
11、R
12、R
13及びR
14は、それぞれ独立して水素原子、水酸基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表すことができる。
【0020】
置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよいが、好ましくは直鎖状である。こうしたアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、2,2−ジメトキシエチル基等が挙げられる。好ましくは、エチル基及びプロピル基であり、より好ましくはメチル基及びエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。置換基としては、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アルキルエーテル基、アルキルカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、ニトリル基、ハロゲン原子が挙げられる。これら置換基におけるアルキル基は、炭素数1〜4であることが好ましく、より好ましくはメチル基である。
【0021】
式(1)において、R
1、R
2、R
4、R
5、R
7、R
8、R
9、R
11、R
12、R
13及びR
14は、これら11個の置換基のうち、水素原子が5個以上であってもよく、6個以上であってもよく、7個以上であってもよく、8個以上であってもよく、9個以上であってもよく、全てが水素原子であってもよい。R
1、R
2、R
4、R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、これら9個の置換基のうち、水素原子が5個以上であってもよく、6個以上であってもよく、7個以上であってもよく、全てが水素原子であってもよい。
【0022】
また、式(1)において、R
1〜R
8、R
10、R
12、R
13及びR
14は、これら12個の置換基のうち、メチル基が2個以上であってもよく、3個以上であってもよく、4個以上であってもよく、5個以上であってもよく、6個以上であってもよい。また、R
1、R
2、R
4、R
5、R
7、R
8、R
12、R
13及びR
14は、これら9個の置換基のうち、水酸基が2個以上であってもよく、3個以上であってもよく、4個以上であってもよく、5個以上であってもよく、6個以上であってもよい。
【0023】
式(1)において、R
3、R
6及びR
10は、それぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表すことができる。置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基については既に説明したとおりである。R
3、R
6及びR
10は、これら3つの置換基のうち、上記アルキル基が1個以上であってもよく、2個以上であってもよく、全てが上記アルキル基であってもよい。また、R
3、R
6及びR
10は、これら3つの置換基のうち、水素原子を1個以上3個以下とすることができる。
【0024】
式(1)において、R
1〜R
8、R
10、R
12、R
13及びR
14は水素原子を表し、R
9及びR
11はメチル基である化合物は、以下の式(2)で表される。この化合物は、マメ科植物である Erythrina poeppingianaに属する植物の樹皮に存在する天然のイソフラボン化合物であり、以下、Erypoegin (エリポエギン)Kと称する。本イソフラボン化合物はこの天然のイソフラボン化合物エリポエギンKを含み、エリポエギンKの構造において、その水素原子部位の水酸基や炭素数1〜4のアルキル基等による置換によって一定範囲内で調節された化合物を包含している。
【0026】
本イソフラボン化合物は、Erythrina poeppingiana に属する植物の樹皮から取得する式(2)で表される化合物として得られるほか、当該化合物以外の態様は、当該化合物を有機合成的によりあるいは酵素的に適宜修飾して得ることができる。本イソフラボン化合物は、また、全合成によりあるいは天然由来の他の化合物を出発原料として半合成により取得することができる。
【0027】
例えば、式(2)で表される化合物を、Erythrina poeppingiana に属する植物の樹皮から得るには、以下の方法を採用できる。前記樹皮を細切し、アセトンにて冷浸し、その後、溶媒を減圧留去し油状物を得る。この油状物を、例えば、n−ヘキサンの疎水性溶媒で洗浄後、ジクロロメタン等の疎水性溶媒と水とで分配し、疎水性溶媒相を減圧留去して残渣を得る。この残渣を、クロロホルム−アセトン(1→10:1)等を用いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲル500g, 10 x 13 cm)に付し、各フラクションを取得する。式(2)で表される化合物が含まれている可能性が高いことが推測されるフラクションをベンゼン−酢酸エチル (5:1) 等にて、繰り返しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲル150g, 4.5 x 24 cmを使用後にシリカゲル10g, 1.0 x 27cmに付す。)により精製する。さらに、ことにより、式(2)で表される化合物を含むフラクションを得ることができる。
【0028】
さらに、このフラクションを逆相HPLCで分取することで式(2)で表される化合物を精製することができる。逆相HPLCとしては、例えば、逆相HPLCカラムとして汎用されるODSカラムを用い、移動相としては、水:アセトニトリル=60〜70:40〜30(体積比)を用いることができる。より具体的には、以下の条件を採用できる。条件Aは、分離に好適であり、条件Bは分取に好適である。
【0029】
Column:STR ODS-II 4.6 ×150 mm (Shinwa Chemical 社)×2本連結
Controller:LC-9A (Shimadzu 社)
Detector:SPD-10A (254nm; Shimadzu 社)
Mobile phase:35% acetonitrile+65% H
2O
Flow rate:1.0 mL/min
Sample volume:10~100 μL
【0030】
Column:Develosil ODS-10 20 ×250 mm (Nomura Chemical 社)
Controller:LC-9A (Shimadzu 社)
Detector:SPD-10A (254nm; Shimadzu 社)
Mobile phase:30% acetonitrile+70% H
2O
Flow rate:6.0 mL/min
Sample volume:250 μL
【0031】
本化合物の薬学的に許容される塩は、例えば薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。
【0032】
薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、薬学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられ、薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩が挙げられる。
【0033】
本化合物のGLOI阻害活性は、公知の方法で測定することができるほか、後述の実施例に開示される方法で測定することができる。本化合物のGLOI阻害活性は、少なくともin vitroにおいて、通常程度に精製されたGLOIに対する阻害活性を意味している。その活性程度は特に限定しないが、後述する実施例に準じて得られるIC
50は、既知のGLOI阻害剤であるS−p−ブロモ−ベンジルグルタチオン(BBG)(式(3)においてR=Hである)の50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
【0035】
また、本イソフラボン化合物のGLOI阻害活性は、さらに、ガン細胞の抗増殖活性を意味していてもよい。ガン細胞の抗増殖活性は、公知の方法を用いて評価できるほか、後述する実施例に準じてヒト白血病細胞株HL−60に対する抗増殖活性として評価できる。この方法における抗増殖活性は、IC
50が好ましくは20μM以下、より好ましくは15μM以下、さらに好ましくは10μM以下、一層好ましくは5μM以下、より一層好ましくは3μM以下である。
【0036】
本化合物は、GLOI阻害剤として使用できるほか、アポトーシス誘導剤(特にガン細胞の)や抗腫瘍剤としても用いることができる。特に、本化合物がGLOI阻害活性の一態様としてガン細胞のアポトーシスを誘導し、抗増殖活性を有するときには抗腫瘍剤として有用である。
【0037】
本明細書に開示される抗腫瘍剤及び医薬組成物は、有効成分である本イソフラボン化合物のほか、賦形剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤、pH調整剤、界面活性剤、稀釈剤、担体、溶解助剤、矯味剤、保存剤、芳香剤、着色剤、コーティング剤などの添加成分や水などを含むものであってもよい。
【0038】
本明細書に開示される抗腫瘍剤及び医薬組成物は、経口投与、非経口投与いずれの投与方法をも採用することができ、それぞれに適した医薬製剤の形態とすることができる。医薬製剤としては、例えば、液剤、シロップ剤、注射剤、液状吸入剤、乳剤等の液状剤、錠剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、軟膏剤、固形吸入剤、座剤等の固形剤などを挙げることができる。
【0039】
本明細書に開示される抗腫瘍剤及び医薬組成物における本イソフラボン化合物の含有量は、用途、剤型、配合目的等によって異なるが、一般的には、組成物全量中1〜100質量%が好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。
【0040】
本発明の抗腫瘍剤及び医薬組成物本発明の医薬組成物等の投与量は、投与対象者の年齢、体重、投与方法などに応じて適宜決めればよい。例えば、通常成人1日、体重1kgあたり、本イソフラボン化合物0.001mg以上100mg以下、好ましくは、0.01mg以上10mg以下を1日1回又は数回に分けて投与することができる。
【0041】
(スクリーニング方法)
本明細書に開示されるGLOI阻害剤のスクリーニング方法は、イソフラボン化合物である被験化合物のGLOI阻害活性を評価する工程、を備えることができる。このスクリーニング方法によれば、イソフラボノイド骨格を有するイソフラボン化合物から有用なGLOI活性阻害剤をスクリーニングできる。また、抗腫瘍剤のシード化合物をスクリーニングできる。なお、イソフラボン化合物は、天然由来の化合物のほか、合成によって取得されたものでもよい。天然由来の化合物は、マメ科植物を取得源とすることができる。取得源植物は、好ましくはErythrina variegata、Erythrina suberosa、Erythrina poeppigiana、Erythrina x bidwilliiなどのErythrina属植物であり、より好ましくはErythrina poeppingiana である。
【0042】
GLOI阻害活性は、公知の方法のほか、後述する実施例において開示する方法を採用して評価することができる。この評価工程において、GLOI阻害活性は、例えば、コントロールとしてのBBGのGLOI阻害活性と対比することで評価することができる。典型的には、BBGの50%以上、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上のGLOI阻害活性があれば、GLOI阻害活性を有すると肯定的に評価できる。
【0043】
本明細書に開示される抗腫瘍剤のスクリーニング方法は、イソフラボン化合物である被験化合物のグリオキサラーゼI阻害活性を評価する工程を備えることができる。GLOI阻害活性は、GLOI阻害活性に基づく抗腫瘍剤の基本的な活性である。このため、当該評価工程によれば、抗腫瘍剤として可能性のあるイソフラボン化合物(シード化合物)を広くかつ容易にスクリーニングできる。なお、本スクリーニング方法におけるGLOI阻害活性は、GLOI阻害活性の評価工程と同様の態様で実施することができる。
【0044】
本明細書に開示される抗腫瘍剤のスクリーニング方法は、さらに、GLOI阻害活性を有することが肯定された被験化合物についてガン細胞に対する抗増殖活性を評価する工程を備えることができる。こうした評価工程を備えることで、より実用的な抗腫瘍剤又はそのシード化合物をスクリーニングすることができる。ガン細胞の抗増殖活性は、例えば、ガン細胞に対して被験化合物を供給し、一定時間培養後の生細胞又は死細胞に関する指標を測定することによって行う。より詳細には、被験化合物の添加濃度を異ならせてIC
50を測定してもよい。この評価工程において、被験化合物のガン細胞の抗増殖活性を確認できる場合には、抗増殖活性を有すると肯定的に評価できる。
【0045】
なお、本明細書に開示される抗腫瘍剤のスクリーニング方法は、GLOI阻害活性とガン細胞抗増殖活性を有すると肯定された被験化合物について、当該被験化合物の存在下において前記ガン細胞の分泌するMG量を評価する工程と、を備えることもできる。MG量評価工程を備えることで、ガン細胞におけるGLOI阻害によってガン細胞の増殖が阻害されていることを確認できる。MG量の評価は、この種の化合物に対するHPLCなど公知の方法を採用することができる。例えば、ガン細胞の培養液に対してo−フェニレンジアミンを加えてMGを2−メチルキノキサリンに変換後、HPLCに負荷して検出波長315nmで検出することができる。
【0046】
本明細書に開示される抗腫瘍剤のスクリーニング方法は、式(1)で表される化合物(本イソフラボン化合物)及びその誘導体である被験化合物から選択される1種以上のグリオキサラーゼI阻害活性を評価する工程を、備えることができる。このスクリーニング方法によれば、式(1)で表される被験化合物及びその誘導体からシード化合物としてより有用な抗腫瘍剤(リード化合物)をスクリーニングできる。本スクリーニング方法は、既に記載した抗腫瘍剤のスクリーニング方法における各種態様を適用することができる。本イソフラボン化合物の誘導体の範囲は特に限定しないが、例えば、式(1)における各種Rにつき、式(1)で規定される以外の置換基への修飾を含むことができる。
【0047】
(GLOI活性阻害剤、抗腫瘍剤の製造方法)
本明細書に開示されるGLOI活性阻害剤又は抗腫瘍剤の製造方法は、Erythrina poeppingianaに属する植物体又はその一部を原料とし、式(1)で表される化合物を分離する工程、を備えることができる。この製造方法によれば、植物体を原料として効率的に式(1)で表される化合物又はその原料を得ることができる。
【0048】
前記植物体は、好ましくは、数ミリ程度の細片として原料とすることが好ましい。また、その部位は、樹皮であることが好ましい。式(1)で表される化合物の抽出分離は、当業者であれば適宜実施できるが、例えば、既述したように、アセトンにて冷浸後、溶媒を減圧留去して得た油状物から脂質を除去し、一般的な溶媒分配手法を用いて非極性化合物分画を得た後、シリカなどの極性充填材を用い疎水性移動相を用いる液体クロマトグラフィーを用いて当該分画をさらに分離分画する。さらに、式(2)で表される化合物が含まれている可能性が高いことが推測されるフラクションを繰り返し逆相カラムクロマトグラフィーにより精製することにより、式(2)で表される化合物を得ることができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0050】
(阻害剤候補化合物の取得)
Erythrina poeppingianaの樹皮(8.88 Kg)を細切し、アセトン36Lにて浸漬して軟化し、アセトンを減圧留去し油状物(133.7 g)を得た。この油状物をn−ヘキサン溶解分画、ジクロロエタン溶解分画及び酢酸エチル溶解分解に分配した。ジクロロエタン溶解分画を、移動相としてジクロロエタン・アセトン混液(40:1、10:1、1:1)、アセトン及びクロロホルム・メタノール混液(10:1、1:1)(各500ml)で用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10×44cm、1.7kg)にかけて溶出させて36個のフラクションに分画した(A1〜A36)。
【0051】
フラクションA28(27.7g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10×44cm、550g)にかけてクロロホルム・アセトン混液(10:1.5、3:1)(各200ml)で溶出して、42個のフラクション(B1〜B42)を得た。
【0052】
フラクションB14〜21(2.73g)をシリカゲルクロマトグラフィー(3×28cm、80g)にかけてベンゼン・酢酸エチル混液(5:1)で溶出して26個のフラクション(C1〜26)を得た。
【0053】
フラクションC23及びC24(250mg)を混合して、エリスリニンCを得るために酢酸エチルから結晶化して粗精製物を得た。当該粗精製物には、少なくともエリスリニンCを含んでいた。当該粗精製物(乾固物)をDMSOで400倍希釈し、これを以下に示す条件による分析用逆相HPLCにて分析した。
【0054】
〈 測定条件 〉
Column:STR ODS-II 4.6 ×150 mm (Shinwa Chemical 社)×2本連結
Controller:LC-9A (Shimadzu 社)
Detector:SPD-10A (254nm; Shimadzu 社)
Mobile phase:35% acetonitrile+65% H
2O
Flow rate:1.0 mL/min
Sample volume:10~100 μL
【0055】
分析用逆相HPLCの結果(クロマトグラム)を
図1に示す。
図1に示すように、クロマトグラム上においてエリスリニンC以外のピークが確認された。
【0056】
次いで、得られた粗精製物の固形分(21.8mg)を、以下に示す条件で調製用逆相HPLCを行い、化合物X(6.6mg、保持時間153分)及びエリスリニンC(15.9mg、保持時間163分)を得た。各ピークをナス型フラスコを用いて分取した後、ロータリーエバポレーターまたはSpeedVac SDP1010 (Thermo SCIENTIFIC社) を用いて濃縮、乾固した。
【0057】
〈測定条件 〉
Column:Develosil ODS-10 20 ×250 mm (Nomura Chemical 社)
Controller:LC-9A (Shimadzu 社)
Detector:SPD-10A (254nm; Shimadzu 社)
Mobile phase:30% acetonitrile+70% H
2O
Flow rate:6.0 mL/min
Sample volume:250 μL
【実施例2】
【0058】
本実施例では、実施例1で取得した化合物Xは、高分解能電子衝撃質量スペクトル法、IRスペクトル分析、NMR分析及びUV分析結果より、C
20H
18O
6(m./z354.1100[M]
+)である5-hydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)-8-(2-hydroxypropan-2-yl)-8,9-dihydro-4H-furo[2,3-h]chromen-4-oneであり、以下の構造式(式(2))を有するエリスリニンCの異性体であることを確認した。なお、エリスリニンCの構造式も別途以下に示す。
【0059】
【化7】
【0060】
【化8】
【0061】
すなわち、IRスペクトルでは、共役カルボニル(1654cm
-1)及びヒドロキシ(3435cm
-1)を示した。また、UVスペクトル及びC−2(δ
H8.19及びδ
C153.9)に関するNMRスペクトルデータからは、イソフラボン誘導体であることがわかった。H
1−NMRスペクトルからは、芳香族プロトン(δH 6.22)と、4-ヒドロキシベンゼン部分上のオルト結合芳香族プロトン(δH 6.91及び7.45)のセットと、水素結合ヒドロキシル基(δH13.24 )を示し、そのほか、3つの脂肪族プロトン(δH 3.27、3.32および4.87 )と2−(1-ヒドロキシ1−1−メチルエチル)−2.3−ジヒドロフラン置換体上の2つのメチル基(δH 1.26及び1.30 )のセットを示した。
【0062】
ジヒドロフラン誘導体の存在は、特性MSによるフラグメントピークm/z 295[M -59 ]
+とのm / z 59(C-2''とC- 4"との間の開裂)を示す特性MSから支持された(Murray RDH, Sutcliffe M, McCabe PH. Claisen rearrangements-IV Oxidative cyclisation of two coumarin o-isoprenylphenols.Tetrahedron 1971; 27: 4901-4906.)
【0063】
ジヒドロフラン環はC-7位及びC-8位の位置に結合していることが1H−13C相関観測(HMBC)スペクトラムによるH−3''とC- 8''との相関関係から決定された。4−ジヒドロベンゼン環の位置は、HMBC(H−2'(H−6')とC−3との相関)及びNOESY(h−2’(H−6’)及びH−2とのNOE相関)から決定された。
【0064】
【化9】
【0065】
以下、エリポエギンKの物性を記載する。
性状:無色の油状物
[a]
D: ± 0 (c 0.10, Me
2CO)
UV (EtOH): λ
max (log ε) 266 (4.37), 203 (4.41) nm
IR (KBr): ν
max 3435, 1654, 1625, 1558, 1541, 1508, 1398, 1255, 1145 cm
-1
1H-NMR (500 MHz, Me
2CO-d
6): δ 1.26 (3H, s, H-6"), 1.30 (3H, s, H-5"), 3.27 (1H, dd, J = 15.4, 9.5 Hz, H-3''), 3.32 (1H, dd, J = 15.4, 8.1 Hz, H-3''), 3.84 (1H, s, 4'-OH or 4"-OH), 4.87 (1H, dd, J = 9.5, 8.1 Hz, H-2''), 6.22 (1H, s, H-6), 6.91 (2H, d, J = 8.8 Hz, H-3', H-5'), 7.45 (2H, d, J = 8.8 Hz, H-2', H-6'), 8.19 (1H, s, H-2), 8.57 (1H, brs, 4'-OH or 4"-OH), 13.24 (1H, s, 5-OH)
13C-NMR (125 MHz, Me
2CO-d
6): δ 181.7 (C-4), 167.7 (C-7), 164.3 (C-5), 158.5 (C-4'), 153.9 (C-2), 153.6 (C-9), 131.2 (C-2', C-6'), 124.0 (C-3), 123.0 (C-1'), 115.9 (C-3', C-5'), 106.2 (C-10), 104.8 (C-8), 94.4 (C-6), 92.7 (C-2"), 71.4 (C-4''), 27.1 (C-3''), 26.0 (C-6''), 25.5 (C-5'') EIMS m/z 354 [M]
+ (69), 321 (51), 295 (100), 268 (16), 59 (20), 44 (26)
HR-EIMS m/z 354.1100 [M]
+ (calcd. for C
20H
18O
6: 354.1103)
【実施例3】
【0066】
(ヒト白血病細胞株HL−60に対する抗増殖活性の評価)
本実施例では、実施例1で取得したエリポエギンKのHL−60株に対する抗増殖活性を測定した。なお、本実施例では、GLOIの既知の阻害剤であるBBGは細胞膜透過性が乏しく、培養液への添加では効果を示さないと考えられるため、細胞膜透過性を増大させるために、BBGのシクロペンチルエステル体であるBBGCを用いて培養細胞に対する効果を評価した。BBGCは細胞膜透過後、細胞内でエステル基が加水分解され、BBGに変換されると考えられる。また、コントロールとしてエリスリニンCも用いた。
【0067】
ヒト白血病細胞株HL−60細胞を96ウェルプレート上に播種し (1.2×10
4 個、100μL/well)、37℃にて24時間培養した。その後、各濃度に調製したエリポエギンK、エリスリニンC及びBBGC(コントロール)を培地に溶かし、80μL/wellで添加し、48時間培養した。なお、化合物の溶解、希釈にはDMSOを用い、DMSO終濃度が0.2〜0.5%となるように薬液を調製した。
【0068】
次いで、薬液処理後の96ウェルプレート中の細胞培養液に1wellあたり、MTS試薬(CellTiter 96 Aqueous One Solution reagent; Promega社)30μLと培地(10%FBS/RPMI)10μLを加えた溶液40μLを添加し、培養条件下にて2.5時間インキュベートした。その後、生成したformazan色素の490nmにおける吸光度をマルチラベルカウンター ( Wallac 1420 ARVOsx 、PerkinElmer社) により測定した。MTSは生細胞中のミトコンドリアに含まれるデヒドロゲナーゼによって還元されることによって褐色のformazanを生成するため、490nmにおける吸光度は、生細胞数に比例する。結果を
図2に示す。
【0069】
図2に示すように、エリポエギンKは、BBGC及びエリスリニンCに比較して強力な細胞増殖抑制活性を有することがわかった。HL−60細胞の増殖に対するBBGC及びエリポエギンKのIC
50の値は、3.71μM、0.32μMであった。また、エリスリニンCは、抗増殖活性をほとんど示さないこともわかった。
【0070】
以上のことから、エリポエギンKは、既知のGLOI阻害剤であるBBGCに対して非常に高い抗増殖活性を有していることがわかった。このことから、エリポエギンKは、培養細胞に対する透過性が高い点からも強力な抗増殖活性を有していることが示唆された。
【実施例4】
【0071】
(HL−60細胞培養上清中のMG量の評価)
本実施例では、エリポエギンKの細胞に対する抗増殖活性がGLOI阻害作用に基づくものであることを確認するために、培養上清中のMG量を評価した。
【0072】
(阻害剤候補化合物への細胞の暴露)
HL−60細胞を6cmディッシュに播種(1.5×10
6個、5mL/dish)し、37℃にて24時間培養後、各濃度に調製したエリポエギンKとBBGC(コントロール)を終濃度10μMとなるよう添加し、さらに24時間培養した。なお、エリポエギンKの溶解、希釈にはDMSOを用い、DMSO終濃度が0.2〜0.5%となるように薬液を調製した。
【0073】
(培養上清中のMGの測定)
薬液処理後の培養液を回収後、遠心して得た上清をサンプルとして使用した。回収した上清4.5mLに60%過塩素酸(PCA)450μLを加え(終濃度0.45M)、10分間氷上でインキュベートした。その後、遠心(12000rpm、15min)して得た上清をSep−Pak(登録商標)LighttC18カートリッジ(Waters社)にアプライした。なお、tC18カートリッジは前処理としてアセトニトリル6〜8mLで洗浄後、10mMKH
2PO
4(pH2.5)を6〜8mL流したものを使用した。この溶出液にPBSに溶解させたo−フェニレンジアミン(o−PD)および、内部標準としてQWに溶解させた5−メチルキノキサリン(5−MQ)をそれぞれ終濃度25μM(125nmol)、および0.5μM(2.5nmol)となるよう添加し、室温で3.5時間反応させた。o−PDは培養液中のMGと反応し、2−メチルキノキサリン(2−MQ)を生成するため、2−MQならびに5−MQをHPLC/UV法によって定量した。
【0074】
反応後のサンプルを再度tC18カートリッジを用いて、約1〜2mL/minのスピードでアプライし、tC18カートリッジに2−MQおよび5−MQを保持させた。次に、10mMKH
2PO
4(pH2.5)でtC18カートリッジを洗浄した後、2mLのアセトニトリルで目的化合物を溶出した。この溶出液を約100μL程度まで濃縮し(SpeedVacSPD1010;ThermoFisherSCIENTIFIC社)、PVDFメンブレンフィルター(0.45μm;MILLIPORE社)でろ過した後、以下の条件でHPLC/UV法によって定量した。結果を
図3に示す。
【0075】
〈測定条件〉
Column:Develosil C30-UG-5 4.6 mm i.d.×150 mm
(Nomura Chemical社)
Controller:Jasco PU-980 (日本分光株式会社)
Detector:Jasco UV-1570 (315 nm; 日本分光株式会社)
Mobile phase:20% acetonitrile、80% 10 mM KH
2PO
4 (pH 2.5)
Flow rate:1.5 mL/min
Sample volume:40 μL
〈レコーダー条件〉
Recorder:クロマトパックC-R5A (Shimadzu社)
Chart speed:0.2 cm/ min
【0076】
図3に示すように、コントロール(DMSOで処理した細胞)の培養上清中のMG濃度は0.038±0.010μMであったのに対し、ポジティブコントロールとして用いたBBGCは0.119±0.039μMであった。エリポエギンKでは0.364±0.017μMのMGが検出された。すなわち、BBGCの約3倍のMGが検出された。
【0077】
以上のことから、エリポエギンKは、HL−60細胞において、GLOI活性を阻害することにより、MGの蓄積を引き起こし、その結果として、細胞増殖抑制を誘導するものと考えられた。
【実施例5】
【0078】
本実施例では、エリポエギンKによって誘導される細胞死がアポトーシス誘導によるものであるか否かを確認するために、エリポエギンKで処理したHL−60におけるカスパーゼ−3活性を測定した。カスパーゼ−3は、アポトーシスによって活性化される。
【0079】
(薬液調製)
HL−60細胞を24ウェルプレート上に播種し(5×10
5個、500μl/well)、各濃度に調製したエリポエギンK及びBBGCをメディウムと共に添加し、継代培養条件下にてそれぞれ2,4,6時間培養した。なお、天然化合物の溶解、希釈にはDMSOを用い、培養中のDMSO終濃度が0.2〜0.5%となるように薬液を調製した。
【0080】
(カスパーゼ−3の蛍光アッセイ)
カスパーゼ-3の活性測定には、Caspase-3 Fluorometric Assay Kit (R&D SYSTEMS社) を用いた。薬液処理後のHL−60細胞を回収し、PBSで2回洗浄後、Lysis Bufferを加えて氷上に10分間放置した。これを遠心して得た上清に等量の2×Reaction Buffer / DTT (2×Reaction Buffer:DTT=100:1)を添加し、さらに終濃度が5%となるようにCaspase-3 fluorogenic substrate (DEVD-AFC)を添加した。十分に混和した後、蛍光用BLACK 96ウェルプレートに60μL/wellずつサンプルを添加し、37℃において1.5時間インキュベートした。その後、生成した蛍光色素である7-amino-4-trifluoromethyl coumarin(AFC)の蛍光強度をWallac 1420 ARVOsx マルチラベルカウンター(励起フィルター:390nm、蛍光フィルター:510nm)により測定した。DEVD-AFCは青色蛍光を発する色素(λ
em=400nm)であり、Caspase−3存在下においてDEVDが切断され、黄緑色の蛍光を発するAFC(λ
em=505nm)が遊離する。カスパーゼ−3の活性はAFCの蛍光強度に比例する。
【0081】
(タンパク質定量)
上記で得たLysisBuffer中のタンパク質量をBCA
TM Protein Assay Kit (PIERCE社) を用いて測定した。まず、Albumin Standard (2 mg/mL) を希釈し、検量線を作成するために0,2.5,5,10,15,20μg/mLのタンパク質溶液を調製した。タンパク質量を測定するサンプルは0〜20μg/mLに収まるよう適当に希釈した。次にWorking Reagent (Micro Reagent A (MA):Micro Reagent B (MB):Micro Reagent C (MC)=50:48:2)を調製し、希釈した各タンパク溶液に等量のWorking Reagentを添加した後、60℃で1時間インキュベートした。その後、室温まで冷却し、分光光度計 (UV-1600; Shimadzu社)で562nmにおける吸光度を測定した。
【0082】
BCAprotein assayでは、ビシンコニン酸(BCA)溶液と硫酸銅溶液からなるWorking Reagent中の黄緑色の第二銅イオンが、タンパク質の存在下で第一銅イオンに還元される。第一銅イオンはタンパク質(ペプチド結合)濃度に依存して、試薬中のBCA2分子とキレートを形成し、562nmに吸収をもつ紫色の溶液へと変化する。
【0083】
(カスパーゼ-3 阻害剤を用いた細胞生存活性測定)
HL−60細胞を96ウェルプレート上に播種し(1.2×10
4細胞/100μL/well)、37℃にて24時間培養し、カスパーゼ−3阻害剤(Z-DEVD-FMK; R&D Systems社)を、薬液処理の2時間前に終濃度100μMとなるよう添加した。その後、各濃度に調製したエリポエギンKを培養液でさらに希釈したものを80μL/well添加し、継代培養条件下にてそれぞれ6、24、48時間培養した。
【0084】
(MTSアッセイ)
薬液処理後の96ウェルプレート中の細胞培養液に1wellあたり、MTS試薬(CellTiter 96 Aqueous One Solution reagent; Promega社)30μLに培養液(10%FBS/RPMI)10μlを加えた溶液(40μL)を添加し、培養条件下にて2.5時間インキュベートした。その後、生成したホルマザン色素の490nmにおける吸光度をマルチラベルカウンター ( Wallac 1420 ARVOsx 、PerkinElmer社) により測定した。
【0085】
HL−60細胞にたいするエリポエギンKによるカスパーゼ−3活性化の確認結果を
図4に示し、カスパーゼ−3阻害剤を用いた抗細胞増殖活性の測定結果を
図5に示す。
【0086】
図4に示すように、エリポエギンK処理後のHL−60細胞で、処理時間に応じてカスパーゼ−3活性が増大した。このことから、エリポエギンKで処理した細胞においてカスパーゼ−3の活性化が引き起こされることが明らかとなった。
【0087】
また、
図5に示すように、カスパーゼ−3阻害剤を添加して経時的にMTSアッセイを行った結果、阻害剤を添加した細胞と添加しなかった細胞で、細胞の生存率に差が現われたことからも、エリポエギンKのHL−60細胞に対する抗増殖活性は、カスパーゼ−3の活性化を介したアポトーシスの誘導によるものであることが示された。
【実施例6】
【0088】
本実施例では、ヒト急性前骨髄球性白血病由来細胞株HL−60に対し、強力な抗増殖活性を有することが確認されたエリポエギンK について、正常リンパ球の生存率に及ぼす影響を検討した。
【0089】
(薬液処理)
正常ヒトリンパ球を96ウェルプレート上に播種(15×10
4細胞/100μl/well)し、37℃にて24時間培養した。その後、各濃度に調製したエリポエギンKを培養液でさらに希釈したものを80μL/wellで添加し、48時間培養した。なお、化合物の溶解、希釈にはDMSOを用い、培養中のDMSO終濃度が0.2〜0.5%となるように薬液を調製した。
【0090】
(MTSアッセイ)
薬液処理後の96ウェルプレート中の細胞培養液に1wellあたり、MTS試薬(CellTiter 96 Aqueous One Solution reagent; Promega社) 30μLに培養液(10%FBS/RPMI)10μlを加えた溶液(40μl)を添加し、培養条件下にて2.5時間インキュベートした。その後、生成したホルマザン色素の490nmにおける吸光度をマルチラベルカウンター ( Wallac 1420 ARVOsx 、PerkinElmer社) により測定した。結果を
図6に示す。
【0091】
図6に示すように、エリポエギンKをHL−60細胞および正常リンパ球に添加して48時間培養した後、生細胞数をMTSアッセイで評価したところ HL−60細胞と比較して、正常リンパ球では生存率が高く、エリポエギンKが正常リンパ球に及ぼす影響は低いことが示された。このことから、エリポエギンKによる抗増殖作用は、腫瘍細胞に特異的に現われると考えられる。
【0092】
以上の実施例によれば、エリポエギンKは、HL−60細胞に対して非常に強力な抗増殖活性を有することが示された。また、その作用は、HL−60細胞内のGLOIを阻害することにより、MGの蓄積を引き起こし、その結果として細胞増殖抑制を誘導するものと考えられる。さらに、エリポエギンKによるHL−60細胞に対する抗増殖活性は、カスパーゼ−3の活性化を介したアポトーシスの誘導によるものであることが示された。また、エリポエギンKは正常リンパ球に及ぼす影響は低いことが示された。
【0093】
以上の結果から、エリポエギンKによる抗増殖作用は、腫瘍細胞に特異的に現われると考えられ、エリポエギンKは抗がん剤としてあるいはその有用なシード化合物になりうると考えられる。
【0094】
以上、本発明の実施形態および実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0095】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。