特許第6281839号(P6281839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6281839
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】鉄道用車両走行システム
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/12 20060101AFI20180208BHJP
   B61D 15/06 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   B61B13/12 F
   B61D15/06
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-250964(P2013-250964)
(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公開番号】特開2015-107710(P2015-107710A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】512283564
【氏名又は名称】福田 重樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】福田 重樹
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭44−019565(JP,B1)
【文献】 特開2006−346182(JP,A)
【文献】 特開2006−341714(JP,A)
【文献】 特開2002−234435(JP,A)
【文献】 特開2002−178919(JP,A)
【文献】 実公昭47−000656(JP,Y1)
【文献】 実開昭59−145452(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 13/00 , 13/12
B61D 1/00 − 1/08
B61D 13/00 − 13/02
B61D 15/06
B61F 5/00 , 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道に沿って走行する鉄道用車両と、前記鉄道用車両を駆動走行させるための駆動機構とを具備し、前記鉄道用車両は、車両本体と、前記車両本体を支持するための台枠と、前記台枠に取り付けられた車輪構造とを備えており、
前記台枠の長手方向中間部に一対の支持体が設けられ、前記一対の支持体は、前記車両本体の右部を支持するための右支持部と、前記車両本体の左部を支持するための左支持部とを備えており、
前記車輪構造は、前記一対の支持体の前記右支持部間に取り付けられた右車輪構造と、前記一対の支持体の前記左支持部間に取り付けられた左車輪構造とを備え、前記右車輪構造は、前記一対の支持体の前記右支持部間に所定範囲にわたって上下方向に移動自在に支持された右車軸支持部材と、前記台枠の右側部に前後方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持された右車軸受け部材と、右車輪が固定された右車軸とを有し、前記右車軸の内側端部が前記右車軸支持部材に回転自在に支持され、その外側端部が前記右車軸受け部材に回転自在に支持され、また前記左車輪構造は、前記一対の支持体の前記左支持部間に所定範囲にわたって上下方向に移動自在に支持された左車軸支持部材と、前記台枠の左側部に前記前後方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持された左車軸受け部材と、左車輪が固定された左車軸とを有し、前記左車軸の内側端部が前記左車軸支持部材に回転自在に支持され、その外側端部が前記左車軸受け部材に回転自在に支持されており、
前記駆動機構は、前記軌道の両側に配設された複数の駆動源を含み、前記複数の駆動源は、駆動モータと、前記駆動モータにより回転駆動される駆動用回転体とを有し、前記軌道の片側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体が前記鉄道用車両の前記台枠の片側に作用し、前記軌道の他側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体が前記鉄道用車両の前記台枠の他側に作用し、前記軌道の片側及び他側の前記複数の駆動源の前記駆動用回転体によって、前記鉄道用車両が前記軌道に沿って走行されることを特徴とする鉄道用車両走行システム。
【請求項2】
前記鉄道用車両は、乗客及び/又は貨物を輸送するための第1車両と、衝撃を吸収するための第2車両とから構成され、前記第1及び第2車両を連結して走行車両連結体が構成され、前記走行車両連結体の走行方向前側及び/又は走行方向後側に前記第2車両が連結され、前記鉄道用車両の前記第1車両に、前記一対の支持体に関する構成並びに前記車輪構造の前記右車輪構造及び前記左車輪構造に関する構成が適用されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道用車両走行システム。
【請求項3】
前記走行車両連結体の走行方向中間領域に乗客・貨物ゾーンが配設され、前記乗客・貨物ゾーンに複数台の第1車両が連結され、また前記走行車両連結体の走行方向前領域及び後領域に前衝撃吸収ゾーン及び後衝撃吸収ゾーンが配設され、前記前衝撃吸収ゾーン及び前記後衝撃吸収ゾーンに複数台の第2車両が連結されていることを特徴とする請求項2に記載の鉄道用車両走行システム。
【請求項4】
前記第1車両は、相互に横方向に旋回自在に連結された前車両部及び後車両部からなる連結車両から構成され、前記前車両部及び前記後車両部の走行方向中間部に前記車輪構造の前記右車輪構造及び前記左車輪構造が配設され、前記連結車両が走行方向に複数連結されることを特徴とする請求項に記載の鉄道用車両走行システム。
【請求項5】
前記軌道の片側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体とその他側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体とは、前記走行方向に一致して又は千鳥状に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道用車両走行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用車両を軌道に沿って走行させるための鉄道用車両走行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な鉄道用車両走行システムでは、軌道に一対のレールが敷かれ、この軌道に沿って鉄道用車両が走行する。鉄道用走行車両は、車両本体と、この車両本体を支持するための台枠と、台枠に取り付けられた車輪構造とを備えている(例えば、特許文献1参照)。この鉄道用車両としては、駆動機構(例えば、駆動用電動モータ、ディーゼルエンジンなど)を装備した駆動走行車両と、駆動機構を装備していない従動走行車両とがあり、駆動走行車両及び従動走行車両を適宜組み合わせて走行車両列組が編成され、このような走行車両列組でもって走行させている。
【0003】
このような鉄道用車両走行システムでは、一般的に、一対のレールは鋼鉄から形成され、また車輪構造の車輪も鋼鉄から形成され、鋼鉄製のレール上を鋼鉄製車輪が転がることにより、転がり抵抗が少なくなり、このような摩擦抵抗の少ない状態で鉄道用走行車両が走行される。
【0004】
近年、鉄道の高速化が進み、鉄道用走行車両の走行速度が速くなると、緊急停止時の制動距離が長くなる。このようなことから、走行車両列組の走行中の安全を確保するために安全管理システムが開発されて運用されている。この安全管理システムでは、走行車両列組の運行状況が管理され、前を走行する走行車両列組にトラブルが発生して緊急停止した場合、後続の走行車両列組が自動的に緊急停止するようにし、このように走行管理することによって、運行中の走行車両列組全ての安全性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−219273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の安全管理システムでは、システムの故障などにより自動制動装置(自動ブレーキ)が作動せず、運転士が目視で危険を察知して手動で緊急制動装置(緊急ブレーキ)を作動させることを想定していなく、それ故に、緊急停止時の制動距離については改善されていない。加えて、安全管理システムが正常に作動している状態では、車両の衝突事故は発生しないとの考えのもとで車両設計されており、それ故に、万一に衝突事故が発生したときには大きな事故となるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、鉄道用車両の高速化に適し、高速走行中に緊急停止したときにも制動距離を短くすることができる鉄道用車両走行システムを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、高速走行のままで衝突事故が発生したときにもその衝撃を吸収して乗客の安全を図ることができる鉄道用車両走行システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の鉄道用車両走行システムは、軌道に沿って走行する鉄道用車両と、前記鉄道用車両を駆動走行させるための駆動機構とを具備し、前記鉄道用車両は、車両本体と、前記車両本体を支持するための台枠と、前記台枠に取り付けられた車輪構造とを備えており、
前記台枠の長手方向中間部に一対の支持体が設けられ、前記一対の支持体は、前記車両本体の右部を支持するための右支持部と、前記車両本体の左部を支持するための左支持部とを備えており、
前記車輪構造は、前記一対の支持体の前記右支持部間に取り付けられた右車輪構造と、前記一対の支持体の前記左支持部間に取り付けられた左車輪構造とを備え、前記右車輪構造は、前記一対の支持体の前記右支持部間に所定範囲にわたって上下方向に移動自在に支持された右車軸支持部材と、前記台枠の右側部に前後方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持された右車軸受け部材と、右車輪が固定された右車軸とを有し、前記右車軸の内側端部が前記右車軸支持部材に回転自在に支持され、その外側端部が前記右車軸受け部材に回転自在に支持され、また前記左車輪構造は、前記一対の支持体の前記左支持部間に所定範囲にわたって上下方向に移動自在に支持された左車軸支持部材と、前記台枠の左側部に前記前後方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持された左車軸受け部材と、左車輪が固定された左車軸とを有し、前記左車軸の内側端部が前記左車軸支持部材に回転自在に支持され、その外側端部が前記左車軸受け部材に回転自在に支持されており、
前記駆動機構は、前記軌道の両側に配設された複数の駆動源を含み、前記複数の駆動源は、駆動モータと、前記駆動モータにより回転駆動される駆動用回転体とを有し、前記軌道の片側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体が前記鉄道用車両の前記台枠の片側に作用し、前記軌道の他側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体が前記鉄道用車両の前記台枠の他側に作用し、前記軌道の片側及び他側の前記複数の駆動源の前記駆動用回転体によって、前記鉄道用車両が前記軌道に沿って走行されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の鉄道用車両走行システムでは、前記鉄道用車両は、乗客及び/又は貨物を輸送するための第1車両と、衝撃を吸収するための第2車両とから構成され、前記第1及び第2車両を連結して走行車両連結体が構成され、前記走行車両連結体の走行方向前側及び/又は走行方向後側に前記第2車両が連結され、前記鉄道用車両の前記第1車両に、前記一対の支持体に関する構成並びに前記車輪構造の前記右車輪構造及び前記左車輪構造に関する構成が適用されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の鉄道用車両走行システムでは、前記走行車両連結体の走行方向中間領域に乗客・貨物ゾーンが配設され、前記乗客・貨物ゾーンに複数台の第1車両が連結され、また前記走行車両連結体の走行方向前領域及び後領域に前衝撃吸収ゾーン及び後衝撃吸収ゾーンが配設され、前記前衝撃吸収ゾーン及び前記後衝撃吸収ゾーンに複数台の第2車両が連結されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に記載の鉄道用車両走行システムでは、前記第1車両は、相互に横方向に旋回自在に連結された前車両部及び後車両部からなる連結車両から構成され、前記前車両部及び前記後車両部の走行方向中間部に前記車輪構造の前記右車輪構造及び前記左車輪構造が配設され、前記連結車両が走行方向に複数連結されることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明の請求項に記載の鉄道用車両走行システムでは、前記軌道の片側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体とその他側に配設された前記複数の駆動源の前記駆動用回転体とは、前記走行方向に一致して又は千鳥状に配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の鉄道用車両走行システムによれば、軌道に沿って走行する鉄道用車両は、車両本体と、車両本体を支持するための台枠と、台枠に取り付けられた車輪構造とを備え、またこの鉄道車両を駆動走行させるための駆動機構は、軌道の両側に配設された複数の駆動源を含み、軌道の片側に配設された複数の駆動源の駆動用回転体が鉄道用車両の台枠の片側に作用し、軌道の他側に配設された複数の駆動源の駆動用回転体が鉄道用車両の台枠の他側に作用するので、これら駆動用回転体からの駆動力を受けて鉄道用車両を高速で走行させることができる。また、また鉄道用車両の台枠に作用する駆動用回転体を回転制御することによって大きな制動力を発生させて急ブレーキを掛けることができ、これにより、緊急停止時の制動距離を抑えることができる。例えば、鉄道用車両の前進走行中(又は後進走行中)に走行方向の回転速度を低下させることによって、鉄道用車両に制動力を作用させることができ、それらの回転速度を急激に低下させることによって、大きな制動力を得ることができる。
また、台枠を支持する一対の支持体は、車両本体の右部及び左部を支持するための右支持部及び左支持部を有し、これら右支持部間及び左支持部間に右車輪構造及び左車輪構造の右車軸支持部材及び左車軸支持部材が取り付けられ、右車軸及び左車軸の内側端部が右車軸支持部材及び左車軸支持部材に回転自在に支持され、それらの外側端部が台枠の左側部及び右側部に支持された右車軸受け部材及び左車軸受け部材に回転自在に支持されているので、右車輪及び左車輪が固定された右車軸及び左車軸を安定して支持することができる。
更に、右車輪構造及び左車輪構造の右車軸支持部材及び左車軸支持部材が一対の支持体の右支持部及び左支持部間に所定範囲にわたって上下方向に移動自在に支持され、またそれらの右車軸受け部材及び左車軸受け部材が台枠の右側部及び左側部にて前後方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持されているので、右車軸及び左車軸はかかる旋回軸線を中心として上下方向に揺動自在に支持することができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の鉄道用車両走行システムによれば、鉄道用車両は、乗客及び/又は貨物を輸送するための第1車両と、衝撃を吸収するための第2車両とから構成されているので、衝突時などにおいては第2車両が破損してその衝撃を吸収し、これによって、第1車両で輸送する乗客及び/又は貨物の安全を図ることができる。また、走行車両連結体の走行方向前側に第2車両を連結することによって、走行方向前側から衝突した際の衝撃を所要の通りに吸収することができ、また走行方向後側に第2車両を連結することによって、後側から衝突された際の邀撃を所要の通りに吸収することができる。更に、鉄道用車両の第1車両に、一対の支持体に関する構成並びに車輪構造の右車輪構造及び左車輪構造に関する構成が適用されているので、この第1車両を安定させて走行させることができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の鉄道用車両走行システムによれば、走行車両連結体の前領域に前衝撃吸収ゾーンが設けられ、その後領域に後衝撃吸収ゾーンが設けられ、また前衝撃吸収ゾーンと後衝撃吸収ゾーンの間の中間領域に乗客・貨物ゾーンが設けられているので、前衝撃吸収ゾーンの第2車両及び後衝撃吸収ゾーンの第2車両によって、乗客・貨物ゾーンの第1車両を衝突時の衝撃などから守ることができる。
【0020】
また、本発明の請求項に記載の鉄道用車両走行システムによれば、第1車両が相互に横方向に旋回自在に連結された前車両部及び後車両部からなる連結車両から構成され、前車両部及び後車両部の走行方向中間部に車輪構造の右車両構造及び左車両構造が配設されているので、軌道が曲がっていても安定して走行することができる。
【0022】
更に、本発明の請求項に記載の鉄道用車両走行システムによれば、軌道の片側に配設された複数の駆動源の駆動用回転体とその他側に配設された複数の駆動源の駆動用回転体とは、走行方向に一致して又は千鳥状に配設されているので、複数の駆動源の駆動用回転体からの駆動力を鉄道用車両の台枠の両側にバランス良く伝えて安定して走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に従う鉄道用車両走行システムの一実施形態の一部を簡略的に示す側面図。
図2図1の鉄道用車両走行システムにおける走行車両連結体の第1車両を簡略的に示す側面図。
図3図1の鉄道用車両走行システムの一部を簡略的に示す平面図。
図4図1の鉄道用車両走行システムの駆動機構の一部及びそれに関連する構成を示す側面図。
図5図1の鉄道用車両走行システムにおける軌道切換ポイント領域の構成を示す平面図。
図6図2におけるVI−VI線による断面図。
図7】鉄道用車両走行システムにおける第1車両の他の形態を簡略的に示す側面図。
図8図7の第1車両を簡略的に示す平面図。
図9図1の鉄道用車両走行システムにおける第2車両の台枠及びこれに取り付けられた車輪構造を示す断面図。
図10図9の第2車両の台枠及び車輪構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う鉄道用車両走行システムの一実施形態について説明する。図1図4において、図示の鉄道用車両走行システムは、軌道2に沿って走行する鉄道用車両4と、この鉄道用車両4を駆動走行させるための駆動機構6とを備え(図1及び図2において駆動機構6を省略して示す)、駆動機構6が軌道2側に設けられている。この実施形態では、鉄道用車両4は、乗客を輸送するための第1車両8と、衝突時の衝撃を吸収するための第2車両9とから構成され、これらの第1車両8及び第2車両9が所要の通りに連結されて走行車両連結体3を構成する(図1参照)。
【0025】
走行車両連結体3の走行方向、即ち矢印10で示す方向の前領域Fには第2車両9が配設され、図示しないが、この走行方向の後領域にも第2車両9が配設され、前領域Fと後領域との間の中間領域Mが設けられ、この中間領域Mに第1車両8が配設される。この例では、前領域Fには複数台(例えば、4台)の第2車両9が連結され、これら第2車両9は走行車両連結体3の前衝撃吸収ゾーンとして機能する。また、図示していないが、後領域には複数台(例えば、4台)の第2車両9が連結され、これら第2車両9は走行車両連結体3の後衝撃吸収ゾーンとして機能する。更に、中間領域Mには複数台(例えば、8〜16台)の第1車両8が連結され、これら第1車両8が乗客・貨物ゾーンとして機能する。尚、この形態では、乗客・貨物ゾーンの前側に前衝撃吸収ゾーンを設け、その後側に後衝撃吸収ゾーンを設けているが、このような構成に限定されず、前衝撃吸収ゾーン及び後衝撃吸収ゾーンのいずれか一方を設けることによって所望の効果を達成することができる。また、前領域F及び後領域に連結する第2車両9の台数については衝突時の安全性などを考慮して適宜設定することができ、また中間領域Mに連結する第1車両8の台数についても乗客数などを考慮して適宜設定することができる。
【0026】
次に、走行車両連結体3の第1車両8について説明する。この形態では、走行車両連結体3の乗客・貨物ゾーンにおいては、複数の第1車両8が矢印10で示す走行方向(前進方向)に連結手段12を介して連結されている。各第1車両8は、前側に位置する前車両部14と及び後側に位置する後車両部16ならなる連結車両から構成され、前車両部14及後車両部16が連結部18を介して相互に横方向に旋回自在に連結されている。尚、連結部18としては、明確に図示していないが、前車両部14に取り付けられた前連結部材と後車両部16に連結された後連結部材とを連結ピンを介して相互に旋回自在に連結したものを用いることができる。
【0027】
この形態では、第1車両8の前車両部14及び後車両部16は、実質上同一の構成であり、車両フレームとしての台枠20と、この台枠20に後述する如く支持された車両本体22と、台枠20に後述する如く取り付けられた車輪構造24とを備えている。車両本体22は箱状に形成され、例えば客車両である場合、図示していないが、客車両の床となる床構造、乗客が座る椅子、乗り降りするときに開閉されるドア、窓部材などが取り付けられる。尚、台枠20及び車輪構造24については後述する。
【0028】
図示の駆動機構4は、軌道2の両側に配設された複数の駆動源26(26a,26b)を含み、軌道2の片側、例えば矢印10で示す走行方向に見て右側(図3において上側)に配設された複数の駆動源26aは、走行車両連結体3(第1車両8及び第2車両9)の台枠20の右側部に作用し、この軌道2の他側、例えば上記走行方向に見て左側(図3において下側)に配設された複数の駆動源26bは、走行車両連結体3(第1車両8及び第2車両9)の台枠20の左側部に作用する。
【0029】
この実施形態では、片側の複数の駆動源26aは、軌道2に沿ってその片側に実質上等間隔をおいて配設され、また他側の複数の駆動源26bは、軌道2に沿ってその他側に実質上等間隔をおいて配設され、片側の駆動源26aと他側の駆動源26bとは横方向(走行方向に対して垂直な方向であって、図2において上下方向)に一致して配設されており、このように配設することによって、片側の駆動源26aと他側の駆動源26bとが走行車両連結体3(この形態では、第1車両8の前車両部14及び後車両部16並びに第2車両9)にバランスよく安定して作用し、走行車両連結体3を軌道2に沿って高速で走行させることができる。
【0030】
複数の駆動源26(26a,26b)は、実質上同一の構成であり、図4図8及び図9に示すように、駆動モータ28と、この駆動モータ28の出力軸30(図8及び図9参照)に取り付けられた駆動用回転体32とを備え、軌道2の片側の駆動源26aの駆動用回転体32が走行車両連結体3(第1車両8及び第2車両9)の台枠20の右側部(具体的には、右駆動作用部34)に作用し、この軌道2の他側の駆動源26bの駆動用回転体32が走行車両連結体3(第1車両8及び第2車両9)の台枠20の左側部(具体的には、左駆動作用部36)に作用し、右駆動作用部34及び左駆動作用部36は、走行車両連結体3(第1車両8及び第2車両9)の実質上全長にわたって設けられている。
【0031】
このように構成されているので、片側の駆動源26aが所定方向に、他側の駆動源26bの駆動モータ28が所定方向と反対方向に回動されると、それらの駆動用回転体32は前進方向に回動され、走行車両連結体3は前進方向(即ち、矢印10で示す方向)に走行する。また、上述とは反対に、片側の駆動源26aが所定方向と反対方向に、他側の駆動源26bの駆動モータ28が所定方向に回動されると、それらの駆動用回転体32は後進方向に回動され、走行車両連結体3は後進方向(即ち、矢印10で示す方向と反対方向)に走行する。更に、前進方向走行中(又は後進方向に走行中)に片側の駆動源26aの所定方向(又は所定方向と反対方向)の回転速度を低下させるとともに、他側の駆動源26bの駆動モータ28の所定方向と反対方向(又は所定方向)の回転速度を低下させると、鉄道用車両4に制動力を作用させることができ、それらの回転速度を急激に低下させることによって、大きな制動力を得ることができ、走行速度が遅い場合、これら駆動源26の回転速度を走行方向と反対方向に回動させるようにすることもできる。
【0032】
このような鉄道用車両走行システムでは、走行車両連結体3の第1車両8の長さは、例えば40〜60m程度に、またその前車両部14及び後車両部16の長さは、例えば20〜30m程度にすることができ、更に、その第2車両9の長さは、例えば20〜30m程度にすることができる。これに対応して、軌道2側の駆動源26a,26bは、例えば1〜6m程度の間隔に配設され、第1車両8の前車両部14及び後車両部16並びに第2車両9の片側に3〜30個程度の駆動源26aが作用し、それらの他側に3〜30個の駆動源26bが作用するように構成することができる。
【0033】
軌道の分岐部は、例えば、図5に示すように構成される。図5に示す例では、軌道2Aは主軌道42と、この主軌道42から分岐する分岐軌道44とを有し、主軌道42は、図5の右から左に直線状に延び、分岐軌道44は、主軌道42の一部から図5において左下側に延びている。上述したと同様に、主軌道42の片側(図5において上側)においては、軌道2の長手方向に沿って実質上等間隔をおいて複数の駆動源26aが配設され、その他側(図5において下側)には、軌道2Aの実質上等間隔をおいて複数の駆動源26bが配設され、分岐軌道44との接続部においては、走行車両連結体3との干渉を避けるために長手方向(図5において左右方向)に間隔L1にわたって駆動源26bが省略されている。
【0034】
また、分岐軌道44の片側(図5において上側)には、上述したと同様に、実質上等間隔をおいて複数の駆動源26a’が配設され、分岐軌道44の他側(図5において下側)にも、実質上等間隔をおいて複数の駆動源26b’が配設され、分岐軌道44の片側における複数の駆動源26a’は、走行車両連結体3との干渉を避けるために長手方向に間隔L2、幅方向(図5において上下方向)に間隔Wにわたって駆動源26aが省略されている。尚、分岐軌道44の他側の駆動源26b’は、主軌道42の他側における複数の駆動源に実質上連続して間隔をおいて配設される。
【0035】
このように構成されているので、走行車両連結体3(第1車両8及び第2車両9)が軌道2Aの主軌道42を走行するときには、主軌道42の複数の駆動源26aが走行車両連結体3の片側部、即ち右駆動作用部34(図8参照)に作用するとともに、その複数の駆動源26bが走行車両連結体3の他側部、即ち左駆動作用部38(図8参照)に作用し、これらの駆動源26a,26bからの駆動力によって走行車両連結体3は主軌道42上を前進方向及び/又は後進方向に走行する。
【0036】
また、この走行車両連結体3が主軌道42から分岐軌道44(又は分岐軌道44から主軌道42)に向けて走行するときには、主軌道42及び分岐軌道44の複数の駆動源26a,26a’が走行車両連結体3の片側部に作用するとともに、それらの複数の駆動源26b,26b’が走行車両連結体3の他側部に作用し、これら駆動源26a,26a’,26b,26b’からの駆動力によって、走行車両連結体3は主軌道42及び分岐軌道44上を前進方向及び/又は後進方向に走行する。
【0037】
次に、図6を参照して、走行車両連結体3における第1車両8の前車両部14(後車両部16)について説明すると、図示の前車両部14(後車両部16)の台枠20は、前車両部14(後車両部16)の底部形状に対応して略矩形状であり、この台枠20の長手方向(図5において紙面に垂直な走行方向)中間部に、上記長手方向に間隔をおいて一対の支持体46(図6において一方のみ示す)が設けられている。一対の支持体46は、前車両部14(後車両部16)の右部52を支持するための右支持部48と、その左部54を支持するための左支持部50とを備え、一対の支持体46の右支持部48間に車輪構造56の右車輪構造56aが取り付けられ、それらの左支持部50間に左車輪構造56bが取り付けられている。
【0038】
支持体46の右支持部48は、台枠20から垂直上方に延びる右主支持部58と、台枠20の右側部から右主支持部58の上端部に上方に傾斜して延びる右上傾斜部60と、台枠20の右側部から右主支持部58の中間部に上方に傾斜して延びる右中間傾斜部62とを有し、またその左支持部50は、台枠20から垂直上方に延びる左主支持部64と、台枠20の左側部から左主支持部64の上端部に上方に傾斜して延びる左上傾斜部66と、台枠20の左側部から左主支持部64の中間部に上方に傾斜して延びる左中間傾斜部68とを有している。
【0039】
一対の支持体46の右支持部48と左支持部50とは接続体70を介して接続されている。図示の接続体70は、一対の支持体46の右支持部48における右主支持部58間を接続する右接続部72と、それらの左支持部50における左主支持部64間を接続する左接続部74を有し、これら右接続部72及び左接続部74が複数の連結接続部76(図6において一つのみを示す)を介して連結接続されている。このことに関連して、一対の支持体46の右支持部48における右主支持部58(及び接続体70の右接続部72)、それらの左支持部50における左主支持部64(及び接続体70の左接続部74)、台枠20及び接続体70の連結接続部76が、車両本体22の長手方向(即ち、走行方向)中間部にて略矩形状の空間78を規定し、かかる空間78内に車両本体22の客室間を連通する通路枠部材80が配置され、この通路枠部材80が、乗客が移動するための移動通路82を規定する。また、接続体70の右接続部72及び左接続部74の上端面には、それらの長手方向(図5において紙面に垂直な方向)に間隔をいて複数の空気ダンパ84,86が設けられ、これら空気ダンパ84,86を介して車両本体22が支持される。
【0040】
次いで、車輪構造24について説明すると、右車輪構造56aは右車軸88を備え、この右車軸88に右車輪90が固定されている。右車軸88の内側端部は、右車軸支持部材92に回転自在に支持され、この右車軸支持部材92の一端側が、一方の支持体46の右主支持部58に上下方向に所定範囲にわたって移動自在に支持され、その他端側が他方の支持体46の右主支持部58に上下方向に所定範囲にわたって移動自在に支持されている。また、一対の支持体46の右主支持部58の下部には、取付ピン94を介してばね受け部材96が取り付けられ、各ばね受け部材96と右車輪支持部材92の端部との間にばね部材98が介在されている。また、右車軸88の外側端部は、右車軸受け部材100に回転自在に支持され、この右車軸受け部材100が、台枠20の右側部に前後方向(図6において紙面に垂直な方向)に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持され、右車軸88は、上記旋回軸線を中心として上下方向に揺動自在である。
【0041】
また、左車輪構造56bは、上述した右車輪構造56aと同様であり、その構成を概説すると、次の通りである。左車輪構造56bは左車軸102を備え、この左車軸102に左車輪104が固定されている。左車軸102の内側端部は、左車軸支持部材106に回転自在に支持され、この右車軸支持部材106の一端側が、一方の支持体46の左主支持部64に所定範囲にわたって移動自在に支持され、その他端側が他方の支持体46の左主支持部64に所定範囲にわたって移動自在に支持されている。また、一対の支持体46の左主支持部64の下部には、取付ピン108を介してばね受け部材110が取り付けられ、各ばね受け部材110と左車輪支持部材106の端部との間にばね部材112が介在されている。また、左車軸102の外側端部は、左車軸受け部材114に回転自在に支持され、この左車軸受け部材114が、台枠20の左側部に前後方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に支持されている。
【0042】
この実施形態では、右車軸88及び左車軸102の先端部に発電機116が取り付けられている。また、軌道2(2A)には、一対のレール、即ち右レール118及び左レール120が敷設され、鉄道用車両2(複数の走行連結車両体8)の右車輪90が右レール118上を走行し、その左車輪104が左レール120上を走行し、かかる走行により右車輪90(即ち、右車軸88)及び左車輪104(即ち、左車軸102)が回転すると、発電機116により発電が行われ、発電により生じた電力が走行連結車両体2の電気系統で消費される。
【0043】
また、台枠20に設けられた右駆動作用部34及び左駆動作用部36は、実質上同一の構成であり、以下右駆動作用部34(左駆動作用部36)について説明する。右駆動作用部34(左駆動作用部36)は、駆動用回転体32により駆動される被駆動部材35を備え、この被駆動部材35は、駆動用回転体32が作用する本体部33を備え、この本体部33の上端側部には外側に向けて上方に傾斜する上傾斜部37が設けられ、またその下端側部には外側に向けて下方に傾斜する下傾斜部39が設けられ、これら本体部33、上傾斜部37及び下傾斜部39によって駆動用回転体32を受け入れる受け凹部を規定する。
【0044】
台枠20の右側部(左側部)には長手方向(図6において紙面に垂直な方向)に間隔をおいて支持部41が設けられ、これら支持部41に被駆動部材35が取り付けられている。このように構成することにより、被駆動部材35が弾性変形可能となり、軌道2がカーブしていた場合に、軌道2のカーブに沿って被駆動部材35が弾性変形するようになり、その結果、カーブを走行するときにも駆動用回転体32からの駆動力が被駆動部材35に伝達され、走行車両連結体3に走行駆動力を伝達させながら軌道2のカーブに沿って所要の通りに走行させることができる。
【0045】
次に、図7及び図8を参照して、走行車両連結体の第1車両の他の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態において、上述した実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図7及び図8において、図示の走行車両連結体の第1車両8Aは、相互に連結された前車両部14A及び後車両部16Aから構成され、この前車両部14A及び後車両部16Aの車輪構造24A及びこれに関連する構成について修正が施され、この他の構成は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0047】
前車両部14A及び後車両部16Aの車輪構造24A及びこれに関連する構成について概説すると、この形態の車輪構造24Aの右車輪構造及び左車輪構造は実質上同一の構成であり、以下、図7に一部示された左車輪構造56Aについて説明する。左車輪構造56A(右車輪構造)は、二つの左車輪104(右車輪)を備え、このことに関連して、図示していないが、上述したと同様の構成の三つの支持体、即ち前支持体、中間支持体及び後支持体が設けられる。左車輪構造56A(右車輪構造)の前側の左車輪104(右車輪)及びこれに関連する構成要素、例えば左車軸支持部材(右車軸支持部材)などは、前支持体と中間支持体との間に配置され、また左車輪構造56A(右車輪構造)の後側の左車輪104(右車輪)及びこれに関連する構成要素、例えば左車軸支持部材(右車軸支持部材)などは、中間支持体と後支持体との間に配置され、各左車輪104(右車輪)を支持する構造は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0048】
このような第1車両8Aの前車両部14A及び後車両部16Aは、左右の車輪104を二つずつ備えているので、大きな荷重を支持することが可能となり、例えば多くの乗客を輸送する乗客用車両、或いは重量の大きい貨物を運搬する貨物用車両に好都合に適用することができる。
【0049】
次いで、図9及び図10を参照して、走行車両連結体3の第2車両9について説明する。図9及び図10において、この形態では、第2車両16の台枠20Bは、水平に両側に延びる中間支持枠部120と、中間支持枠部120から両側に向けて下方に傾斜して延びる右傾斜部122及び左傾斜部124と、右傾斜部122及び左傾斜部126から外側に延びる右側端部126及び左側端部128とを有し、右側端部126に右駆動作用部34が設けられ、左側端部128に左駆動作用部36が設けられ、軌道2の片側に沿って配設された駆動源26aの駆動回転体32が台枠20Bの右駆動作用部34に作用し、またその他側に沿って配設された駆動源26bの駆動回転体32が台枠20Bの左駆動作用部36に作用する。
【0050】
この形態では、台枠20Bの中間支持枠部120の両端部にばね受け部材130が設けられ、これらばね受け部材130にばね部材132を介して空気ダンパ134が装着され、かかる空気ダンパ134を介して車両本体22Bの床構造136(その一部を簡略的に示す)が支持されている。この第2車両9は、衝突時の際に破損して衝撃を吸収するためのものであり、衝撃吸収効果を高めるために、車両本体22B内は衝撃吸収用の空間となっているとともに、車両本体22B自体も第1車両8に比して強度が弱く、衝撃の際に壊れやすくなっている。
【0051】
この第2車両9では、台枠20Bの右傾斜部122に右車輪手段152が取り付けられ、その左傾斜部124に左車輪手段154が取り付けられている(図9参照)。即ち、台枠20Bの右傾斜部122には、横方向(図9及び図10において左右方向)内側に向けて下方に傾斜する右車軸136が固定され、この右車軸136に軸受140を介して右車輪90Bが回転自在に支持され、右車軸136及び右車輪90Bなどが右車輪手段152を構成する。また、同様に、台枠20Bの左傾斜部124には、横方向内側に向けて下方に傾斜する左車軸138が固定され、この左車軸138に軸受を介して左車輪104Bが回転自在に支持され、左車軸138及び左車輪104Bなどが左車輪手段154を構成する。
【0052】
右車軸90B及び左車軸104Bが傾斜していることに関連して、右車輪90B及び左車輪104Bの周面は、右レール118及び左レール120の上面に水平に接触するようにテーパ状(具体的には、先端に向けて外径が漸減するテーパ状)に形成され、このように構成することによって、右車輪90B及び左車輪104Bの先端部に脱輪防止用環状フランジ142が設けられている。右車輪90Bの脱輪防止用環状フランジ142は、右レール118の上部内側面に作用し、また左車輪104Bの脱輪防止用環状フランジ142は、左レール120の上部内側面に作用し、このように作用することによって、第1車両9が左右のレール118,120から脱輪するのを防止する。
【0053】
以上、本発明に従う鉄道用車両走行システムの実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0054】
例えば、上述した実施形態では、軌道2(2A)の片側に配設された複数の駆動源26a(26a’)とその他側に配設された複数の駆動源26b(26b’)とを横方向(鉄道用車両4の幅方向)に一致して配設しているが、このような構成に限定されず、片側に配設された複数の駆動源26a(26a’)とその他側に配設された複数の駆動源26b(26b’)とを横方向に千鳥状に配設するようにしてもよく、このように配設しても、上述したと同様に鉄道用車両4を軌道2(2A)に沿って安定して高速走行させることができる。
【符号の説明】
【0055】
2 軌道
3 走行車両連結体
4 鉄道用車両
6 駆動機構
8 第1車両
9 第2車両
14,14A 前車両部
16,16A 後車両部
24 車輪機構
20,20B 台枠
24 車輪機構
26,26a,26a’,26b,26b’ 駆動源
46 支持体
56,56a,56b 車輪機構
90,90B,104,104B 車輪





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10