特許第6281860号(P6281860)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルパイン株式会社の特許一覧

特許6281860ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム
<>
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000002
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000003
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000004
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000005
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000006
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000007
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000008
  • 特許6281860-ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6281860
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーションシステム、ポータブル装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20180208BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20180208BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   G01C21/36
   G01C21/26 P
   G06F13/00 560A
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-114882(P2013-114882)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-235015(P2014-235015A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年2月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】原田 圭一
【審査官】 相羽 昌孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−181555(JP,A)
【文献】 特開2010−243194(JP,A)
【文献】 特開2012−018148(JP,A)
【文献】 特開2008−224530(JP,A)
【文献】 特開2010−112810(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/035620(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
G01C 23/00−25/00
G08G 1/00−99/00
G09B 23/00−29/14
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を設定し設定した経路を案内するナビゲーション装置と、ポータブル装置とを含むナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、
前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を前記目的地に設定する目的地設定部と、
当該ナビゲーション装置との間の通信が接続された前記ポータブル装置に記憶されている当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報が登録されている訪問履歴データを、前記通信を介して当該ポータブル装置から取得し、取得した訪問履歴データに登録されている地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部とを有し、
前記ポータブル装置は、
現在位置座標を算出する現在位置算出部と、
前記当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、
前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を登録した前記訪問履歴データを生成する訪問履歴生成部と、
投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた投稿記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を投稿する投稿部とを有し、
前記ポータブル装置の前記訪問地点算出部は、前記投稿部が前記投稿サーバに前記位置情報が付加された投稿記事を投稿したときに、前記投稿部から当該投稿部が当該投稿記事に付加した位置情報を取得し、取得した位置情報を当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーションシステムであって、
前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点を表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
目的地までの経路を設定し設定した経路を案内するナビゲーション装置と、ポータブル装置とを含むナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、
前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を前記目的地に設定する目的地設定部と、
当該ナビゲーション装置との間の通信が接続された前記ポータブル装置に記憶されている当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報が登録されている訪問履歴データを、前記通信を介して当該ポータブル装置から取得し、取得した訪問履歴データに登録されている地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部とを有し、
前記ポータブル装置は、
現在位置座標を算出する現在位置算出部と、
前記当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、
前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を登録した前記訪問履歴データを生成する訪問履歴生成部と、
投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた投稿記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を、当該ポータブル装置のユーザを投稿者として投稿する投稿部を有し、
前記ポータブル装置の前記訪問地点算出部は、当該ポータブル装置のユーザが投稿者となっている前記投稿記事を前記投稿サーバから取得し、取得した投稿記事に付加されている位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定し、
前記ポータブル装置の前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点を表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
目的地までの経路を設定し、設定した経路を案内するポータブル装置であって、
複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、
前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を前記目的地に設定する目的地設定部と、
現在位置座標を算出する現在位置算出部と、
当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、
前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部と、
投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた投稿記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を投稿する投稿部とを有し、
前記訪問地点算出部は、前記投稿部が前記投稿サーバに前記位置情報が付加された投稿記事を投稿したときに、前記投稿部から当該投稿部が当該投稿記事に付加した位置情報を取得し、取得した位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定することを特徴とするポータブル装置。
【請求項5】
請求項4記載のポータブル装置であって、
前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点を表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿することを特徴とするポータブル装置。
【請求項6】
目的地までの経路を設定し、設定した経路を案内するポータブル装置であって、
複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、
前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を前記目的地に設定する目的地設定部と、
現在位置座標を算出する現在位置算出部と、
当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、
前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部と、
投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた投稿記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を、当該ポータブル装置のユーザを投稿者として投稿する投稿部とを有し、
前記訪問地点算出部は、当該ポータブル装置のユーザが投稿者となっている前記投稿記事を前記投稿サーバから取得し、取得した投稿記事に付加されている位置情報に基づいて、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定し、
前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点を表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿することを特徴とするポータブル装置。
【請求項7】
ポータブル型のコンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、
前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を目的地に設定する目的地設定部と、
設定された目的地までの経路を設定し、設定した経路を案内する経路案内部と、
現在位置座標を算出する現在位置算出部と、
当該コンピュータを携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、
前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部と、
投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた投稿記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該コンピュータの投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を投稿する投稿部として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記訪問地点算出部は、前記投稿部が前記投稿サーバに前記位置情報が付加された投稿記事を投稿したときに、前記投稿部から当該投稿部が当該投稿記事に付加した位置情報を取得し、取得した位置情報を、当該コンピュータを携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のコンピュータプログラムであって、
前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点を表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
ポータブル型のコンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、
前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を目的地に設定する目的地設定部と、
設定された目的地までの経路を設定し、設定した経路を案内する経路案内部と、
現在位置座標を算出する現在位置算出部と、
当該コンピュータを携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、
前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部と、
投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた投稿記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該コンピュータの投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を、当該コンピュータのユーザを投稿者として投稿する投稿部として機能させるコンピュータプログラムであって、
前記訪問地点算出部は、当該コンピュータのユーザが投稿者となっている前記投稿記事を前記投稿サーバから取得し、取得した投稿記事に付加されている位置情報に基づいて、当該コンピュータを携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定し、
前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点を表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿することを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、目的地の設定を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
目的地までの経路案内を行うナビゲーションシステムにおいて、目的地の設定を支援する技術としては、ユーザによって目的地に設定された地点の履歴を記憶しておき、目的地の設定受付時に、履歴に含まれる地点の一覧を表示すると共に、一覧中からユーザによって選択された地点を目的地として設定する技術が知られている(たとえば、特許文献1、2)。
【0003】
また、本発明に関連する技術としては、投稿記事の受け付けと公開を行う、SNS(social networking service)などの投稿システムのサーバにおいて、投稿者の現在位置の情報を位置情報として含む投稿記事の投稿を受け付けると共に、投稿を受け付けた投稿記事を当該投稿記事に含まれる位置情報と共に公開する技術も知られている(たとえば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-023149号公報
【特許文献2】特開2007-248365号公報
【特許文献3】特開2004-086618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した目的地に設定された地点の履歴を利用して目的地の設定を支援する技術によれば、ユーザが訪問したことのある地点であっても、ナビゲーションシステムにおいて目的地に設定して訪問したものでない地点については、ユーザは自身で当該地点を探索して目的地として設定する煩雑な作業を行わなければならない。
【0006】
すなわち、たとえば、ユーザが他人の自動車や電車などで訪問した地点は、ナビゲーションシステムの目的地の履歴に含まれないため、当該地点を目的地として設定する場合、ユーザは自身で当該地点を探索して目的地として設定する作業を行う必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザが訪問したことのある地点が、ナビゲーションシステムにおいて目的地に設定して訪問したものでない地点である場合にも、当該地点を容易に目的地に設定することができるナビゲーションシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題達成のために、本発明は、目的地までの経路を設定し、設定した経路を案内するナビゲーション装置に、複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を前記目的地に設定する目的地設定部と、当該ナビゲーション装置との間の通信が接続されたポータブル装置に記憶されている当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報が登録されている訪問履歴データを、前記通信を介して当該ポータブル装置から取得し、取得した訪問履歴データに登録されている地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部とを設けたものである。
【0009】
ここで、このようなナビゲーション装置は、さらに、ユーザから前記地点データに情報が登録された地点の一覧を用いない形態で地点の指定を受け付け、指定を受け付けた地点を目的地に設定すると共に、前記地点データに前記目的地に設定した地点の情報を登録する目的地履歴登録部を設けるようにしてもよい。
【0010】
また、前記課題達成のために、本発明は、以上のナビゲーション装置と、前記ポータブル装置とを含むナビゲーションシステムを提供する。
ここで、前記ポータブル装置は、現在位置座標を算出する現在位置算出部と、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して、前記当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を登録した前記訪問履歴データを生成する訪問履歴生成部とを備えたものである。
【0011】
ただし、前記ポータブル装置の前記訪問地点算出部は、当該ポータブル装置のユーザが作成し保存したデータ、または、当該ポータブル装置のユーザが作成し送信したデータであって、かつ、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して求めた現在位置を表す位置情報が付加されたデータである位置情報付ユーザデータに付加された前記位置情報に基づいて当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定するものとしてもよい。
【0012】
また、前記ポータブル装置に、投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を投稿する投稿部を設け、前記ポータブル装置の前記訪問地点算出部において、前記投稿部が前記投稿サーバに投稿した投稿記事に付加した位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定するようにしてもよい。
【0013】
また、前記ポータブル装置に、カメラと、前記カメラで撮影した画像に前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を位置情報として付加して保存する画像保存部とを設け、前記ポータブル装置の前記訪問地点算出部において、前記画像保存部が保存した画像に付加された位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定するようにしてもよい。
【0014】
また、前記ポータブル装置に、投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を、当該ポータブル装置のユーザを投稿者として投稿する投稿部を設け、前記ポータブル装置の前記訪問地点算出部において、当該ポータブル装置のユーザが投稿者となっている前記投稿記事を前記投稿サーバから取得し、取得した投稿記事に付加されている位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定するようにしてもよい。
【0015】
なお、以上の投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿するものであってもよい。
【0016】
このようなナビゲーション装置やナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション装置において目的地として過去に設定した地点でなくても、ユーザがポータブル装置を携帯して訪問した地点について、その地点の情報がナビゲーション装置の地点データに登録されることとなるので、当該地点データを用いて、ユーザが、当該訪問した地点を容易に目的地に設定できるように支援することができるようになる。
【0017】
ところで、以上のナビゲーションシステムの機能は、ポータブル装置に集約することもできる。
すなわち、この場合には、ポータブル装置を、目的地までの経路を設定し、設定した経路を案内するポータブル装置とし、当該ポータブル装置に、複数の地点の情報を登録した地点データを記憶した記憶部と、前記地点データに情報が登録された地点の一覧を表示し、表示した一覧中で選択された地点を前記目的地に設定する目的地設定部と、現在位置座標を算出する現在位置算出部と、当該ポータブル装置のユーザが作成し地点データ以外のデータとして保存したデータ、または、当該ポータブル装置のユーザが作成し送信したデータであって、かつ、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して求めた現在位置を表す位置情報が付加されたデータである位置情報付ユーザデータに付加された前記位置情報に基づいて、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定する訪問地点算出部と、前記訪問地点算出部が算定した地点の情報を、前記地点データに登録する地点データ登録部とを設けるようにすればよい。
【0018】
ここで、このようなポータブル装置には、さらに、ユーザから前記地点データに情報が登録された地点の一覧を用いない形態で地点の指定を受け付け、指定を受け付けた地点を目的地に設定すると共に、前記地点データに前記目的地に設定した地点の情報を登録する目的地履歴登録部を設けるようにしてもよい。
【0019】
また、以上の記ポータブル装置に、投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を投稿する投稿部を設け、前記訪問地点算出部において、前記投稿部が前記投稿サーバに投稿した投稿記事に付加した位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定するようにしてもよい。
【0020】
または、以上のポータブル装置に、カメラと、前記カメラで撮影した画像に前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を位置情報として付加して保存する画像保存部とを設け、前記訪問地点算出部において、前記画像保存部が保存した画像に付加された位置情報を、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報として算定するようにしてもよい。
【0021】
または、以上のポータブル装置に、投稿記事の投稿を受け付けて投稿を受け付けた記事を公開する投稿サーバに、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標を利用して設定された、当該ポータブル装置の投稿時の現在位置を表す位置情報を付加した前記投稿記事を、当該ポータブル装置のユーザを投稿者として投稿する投稿部を設け、前記訪問地点算出部において、当該ポータブル装置のユーザが投稿者となっている前記投稿記事を前記投稿サーバから取得し、取得した投稿記事に付加されている位置情報に基づいて、当該ポータブル装置を携帯したユーザが訪問した地点の情報を算定するようにしてもよい。
【0022】
なお、以上のポータブル装置の前記投稿部は、前記現在位置算出部が算出した現在位置座標周辺の地点の情報を前記投稿サーバから取得し取得した地点の一覧を表示すると共に、取得した一覧中からユーザによって選択された地点表す前記位置情報を付加した前記投稿記事を投稿するものであってよい。
【0023】
これらのようなポータブル装置によれば、目的地として過去に設定した地点でなくても、ユーザがポータブル装置を携帯して訪問した地点について、その地点の情報が地点データに登録されるので、当該地点データを用いて、ユーザが当該訪問した地点を容易に目的地に設定できるように支援することができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、ユーザが訪問したことのある地点が、ナビゲーションシステムにおいて目的地に設定して訪問したものでない地点である場合にも、当該地点を容易に目的地に設定することができるナビゲーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る車載装置とスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る車載装置の記憶装置とスマートフォンの記憶部の記憶内容を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る車載装置の表示例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る訪問履歴登録処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係る訪問履歴取得処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る投稿済訪問履歴登録処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係るスマートフォンの他の構成例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る訪問地点登録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る車載装置とスマートフォンの構成を示す。
車載装置1は、自動車に搭載される装置であり、図示するように、ユーザは、車載装置1にユーザよって携帯されるモバイル装置であるスマートフォン2を選択的に接続することができる。また、スマートフォン2は、移動通信網やインターネットなどのWAN4を介してSNS(Social Networking Service)サーバ5にアクセスすることができる。
【0027】
また、車載装置1は、入力装置11、表示装置12、マイクやスピーカを備え各種音声の入出力を行う音声入出力装置13、GPS受信機14、ジャイロ装置15、自動車の車速等の状態を検出するセンサなどのその他の周辺装置16、記憶装置17、スマートフォン2と接続するためのデバイスインタフェース18、車載装置1のOSであるところのH-オペレーティングシステム19、H-オペレーティングシステム19によって管理されH-オペレーティングシステム19上で稼働するアプリケーションであるH-APを備えている。
【0028】
ここで、車載装置1は、H-APとして、車載装置1をカーナビゲーションとして機能させるナビゲーションアプリケーション191、訪問履歴取得アプリケーション192、その他のアプリケーション193を備えている。ここで、その他のアプリケーション193には、記憶装置17や接続されたスマートフォン2に格納されたオーディオファイルを再生出力するミュージックプレイヤアプリケーションや、音声入出力装置13を通話音声の入出力に、接続されたスマートフォン2の移動音通信機能を通話音声の送受に用いた移動電話機能を提供するハンズフリーテレフォンアプリケーションなどが含まれる。
【0029】
次に、スマートフォン2は、操作部21、ディスプレイ22、マイクやスピーカなどを備え音声の入出力を行う音声入出力部23、車載装置1と接続するためのホストインタフェース24、記憶部25、移動電話網にアクセスするための移動通信装置26、GPS受信ユニット27、カメラ28、その他の周辺デバイス29、スマートフォン2のOSであるところのSPオペレーティングシステム30、SPオペレーティングシステム30によって管理されSPオペレーティングシステム30上で稼働するアプリケーションである複数のSPAPを備えている。
【0030】
ここで、スマートフォン2は、SPAPとして、通信装置や音声入出力部23や操作部21を用いた移動電話機としてスマートフォン2を機能させる移動電話アプリケーション301、SNSサーバ5に通信装置を介してアクセスし、SNSサーバ5が提供するSocial Networking Serviceのクライアントとしてスマートフォン2を機能させるSNSアプリケーション302、カメラアプリケーション303、訪問履歴管理アプリケーション304、その他のアプリケーション305を備えている。ここで、その他のアプリケーション305には、電子メールアプリケーションや、地図アプリケーションなどが含まれる。
【0031】
なお、スマートフォン2のホストインタフェース24と車載装置1のデバイスインタフェース18は、Bluetooth(登録商標)や、WIFI、USBなどにより接続し、相互通信を行うものである。
次に、車載装置1の記憶装置17には、図2aに示すように、車載装置1のナビゲーションアプリケーション191が使用するデータとして、地図データを格納した地図データベース、施設データベース、住所データベース、目的地履歴データベースなどが記憶される。
【0032】
施設データベースには、施設毎に対応して設けられた施設データが予め格納されており、各施設データには、対応する施設の施設名や住所や施設位置の座標が登録されている。
また、住所データベースには、住所毎に対応して設けられた住所データが予め登録されており、各住所データには、対応する住所と対応する住所に対応する座標範囲が登録されている。
また、目的地履歴データベースには、複数の目的地履歴データを格納することができる。また、各目的地履歴データには、施設の施設名、住所、座標、設定日時などを登録することができる。
【0033】
次、スマートフォン2の記憶部25には、図2bに示すように、訪問履歴データベースと、写真データベースが記憶される。
訪問履歴データベースには、訪問履歴データを複数格納することができ、各訪問履歴データには、訪問地名、訪問地住所、訪問地座標、訪問日時を登録することができる。
また、写真データベースには、複数の写真データを登録することができる。また、各写真データには、タイトル、画像データ、位置情報、撮影日時を登録することができる。
さて、このような以上のような構成において、車載装置1のナビゲーションアプリケーション191は、記憶装置17に記録されている地図データを用いて、GPS受信機14やジャイロ装置15等を利用した、自車の現在位置の算出や、ユーザ操作に応じた目的地の設定や、設定した目的地までのルートの探索を行う。
【0034】
ここで、ナビゲーションアプリケーション191は、ユーザの目的地の設定を、記憶装置17に記憶されている施設データベースや住所データベースや目的地履歴データベースを用いて支援することができる。
すなわち、ナビゲーションアプリケーション191は、施設データベースの各施設データに登録されている施設名のリストを表示装置12に表示して表示したリスト中から施設の選択を受け付け、選択を受け付けた施設の施設データの座標を目的地に設定したり、ユーザから指定された住所が登録された住所データベースの座標範囲の中心を目的地として設定する。
【0035】
また、ナビゲーションアプリケーション191は、たとえば、図3aに示すように、目的地履歴データベースの各目的地履歴データに登録されている当該目的地履歴データに登録された施設名や住所を、登録されている設定日時の新しい順に並べたリスト300を表示装置12に表示し、表示したリスト300の内から目的地として設定する地点の選択を受け付け、選択を受け付けた地点の目的地履歴データの座標を目的地に設定する。
【0036】
また、ナビゲーションアプリケーション191は、以上のようにして、目的地を設定したならば、目的地履歴データベースに新たな目的地履歴データを作成し、目的地として設定した地点の施設名、住所、座標、現在日時を、作成した目的地履歴データに施設名、住所、座標、設定日時として登録する。
【0037】
また、ナビゲーションアプリケーション191は、図3bに示すような、現在位置周辺の地図201上に現在位置を表すマーク202や目的地までのルート203や目的地を表すマーク204を表したナビゲーション画像を表示装置12への表示することにより、ユーザに対する目的地までのルートの案内を行う。
【0038】
次に、スマートフォン2のカメラアプリケーション303は、ユーザ操作に応じてカメラ28の撮影動作を制御して、カメラ28で撮影した画像データを取得し、自動付与したもしくはユーザから設定を受け付けたタイトル、取得した画像データ、GPS受信ユニット27で算出した現在位置座標、現在日時を、各々タイトル、画像データ、位置情報、撮影日時として登録した写真データを作成し、写真データベースに格納する。
【0039】
次に、スマートフォン2のSNSアプリケーション302は、移動通信装置26を介して、SNSサーバ5にアクセスして、操作部21を用いてユーザが入力した記事にGPS受信ユニット27で算出した現在位置座標を位置情報として付加した投稿記事や、カメラ28で撮影した画像にタイトルやGPS受信ユニット27で算出した現在位置座標を位置情報として付加した投稿記事を、SNSサーバ5に投稿したり、SNSサーバ5が公開している投稿記事を読み込んでディスプレイ22に表示する処理などを行う。
【0040】
また、スマートフォン2のSNSアプリケーション302は、SNSサーバ5が施設のリストであるスポットリストを提供する機能を有する場合には、移動通信装置26を介してSNSサーバ5にアクセスして、GPS受信ユニット27で算出した現在位置周辺の施設のリストであるスポットリストをSNSサーバ5から取得してディスプレイ22に表示し、表示したスポットリスト中から施設の選定をユーザから受け付け、選択された施設を現在地名として含めた位置情報を付加した投稿記事の編集をユーザ操作に応じて行い、編集した投稿記事をSNSサーバ5に投稿する処理なども行う。なお、このようなSNSサーバ5から取得したスポットリスト中の施設を現在地名として含めた位置情報を付加した投稿記事の投稿は、「チェックイン」などと呼ばれ、このような投稿記事の投稿や利用を可能とするSNSの機能は「スポット機能」などと呼ばれている。
【0041】
次に、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304は、図4に示す訪問履歴登録処理を行う。
図示するように、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304は、この訪問履歴登録処理において、位置情報付ユーザ作成データの発生を監視する(ステップ402)。
ここで、位置情報付ユーザ作成データとしては、上述した位置情報が登録された写真データ、位置情報が付加された投稿済投稿記事のデータ、GPS受信ユニット27で算出された現在位置が位置情報として付加された送信済電子メールのデータなどの予め定めた種類のデータを用いる。
【0042】
また、位置情報付ユーザ作成データの発生は、たとえば、位置情報付ユーザ作成データを生成したアプリケーションから、位置情報付ユーザ作成データの発生の通知を受けることにより検出する。すなわち、たとえば、カメラアプリケーション303は位置情報を含めた写真データを写真データベースに格納したならば、位置情報付ユーザ作成データの発生を訪問履歴管理アプリケーション304に通知し、SNSアプリケーション302は位置情報を付加した投稿記事をSNSサーバ5に投稿したならば、位置情報付ユーザ作成データの発生を訪問履歴管理アプリケーション304に通知する。
【0043】
そして、位置情報付ユーザ作成データが発生したならば(ステップ402)、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304は、位置情報付ユーザ作成データの位置情報に含まれる現在地名、現在地住所、現在地座標とを、各々訪問地名、訪問地住所、訪問地座標として含めると共に、現在日時を訪問日時として含めた訪問履歴データを作成し、訪問履歴データベースに登録し(ステップ404)、ステップ402の監視に戻る。ただし、位置情報付ユーザ作成データが投稿済投稿記事のデータである場合には投稿日時を、位置情報付ユーザ作成データが写真データであり当該写真データに撮影日時が付加されている場合には撮影日時を訪問日時として訪問履歴データに含めるようにしてもよい。
【0044】
ここで、ステップ404では、位置情報付ユーザ作成データの位置情報を、たとえば、位置情報付ユーザ作成データを生成したアプリケーションから取得することにより入手する。すなわち、たとえば、カメラアプリケーション303は位置情報を含めた写真データを写真データベースに格納したならば、位置情報付ユーザ作成データの発生の通知と共に、写真データに含めた位置情報を訪問履歴管理アプリケーション304に通知し、SNSアプリケーション302は、位置情報付ユーザ作成データの発生の通知と共に、投稿済投稿記事に含めた位置情報を訪問履歴管理アプリケーション304に通知する。ただし、ステップ404では、位置情報付ユーザ作成データの位置情報を、位置情報付ユーザ作成データを生成したアプリケーションが保存した位置情報付ユーザ作成データから取得するようにしてもよい。
【0045】
また、ステップ404では、位置情報付ユーザ作成データの位置情報に、現在地名、現在地住所、現在地座標のうちの一部のデータのみが含まれる場合には、当該含まれているデータのみを訪問履歴データに含める。
以上、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304が行う訪問履歴登録処理について説明した。
次に、車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192が行う訪問履歴取得処理について説明する。
図5に、この訪問履歴取得処理の手順を示す。
図示するように、車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192は、訪問履歴取得処理において、スマートフォン2のデバイスインタフェース18への接続の発生を監視し(ステップ502)、スマートフォン2の接続が発生したならば、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304に訪問履歴データの送信要求を発行することにより、スマートフォン2から訪問履歴データベースに格納されている訪問履歴データを取得する(ステップ504)。
【0046】
ここで、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304は、車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192から訪問履歴データの送信要求を受け取ると、訪問履歴データベースに格納されている各訪問履歴データを車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192に転送する。
【0047】
そして、車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192は、訪問履歴データを取得したならば(ステップ504)、取得した各訪問履歴データについて(ステップ506、512、514)、以下の処理を行う。
すなわち、まず、住所データベースや施設データベースを参照して、訪問履歴データに対応する施設名や住所や座標や設定日時を算出する(ステップ508)。
ここで、この施設名や住所や座標や設定日時の算出は次のように行う。
すなわち、訪問履歴データに訪問地名が含まれている場合には、当該訪問地名を施設名として算出し、訪問履歴データに訪問地名が含まれていない場合には、訪問履歴データに含まれている訪問地住所または訪問地座標で施設データベースを探索して、訪問地住所または訪問地座標が住所または座標として登録された施設データの施設名を、求める施設名として算出する。また、訪問履歴データに訪問地住所が含まれている場合には、当該問地住所を住所として算出し、訪問履歴データに訪問地住所が含まれていない場合には、訪問履歴データに含まれている訪問地名または訪問地座標で施設データベースを探索し、訪問地名または訪問地座標が施設名または座標として登録された施設データの住所を求める住所として算出するか、訪問履歴データに含まれている訪問地座標で住所データベースを探索し、訪問地座標が含まれる座標範囲が登録された住所データの住所を求める住所として算出する。また、訪問履歴データに訪問地座標が登録されている場合には登録されている訪問地座標を座標として算出し、訪問履歴データに訪問地座標が登録されていない場合には、訪問履歴データに含まれている訪問地名または訪問地住所で施設データベースを探索し、訪問地名または訪問地住所が施設名または住所として登録された施設データの座標を求める座標として算出するか、訪問履歴データに含まれている訪問地住所で住所データベースを探索し、訪問地住所が登録された住所データの座標範囲の中心の座標を求める座標として算出する。そして、訪問履歴データに含まれる訪問日時を設定日時として算出する。
【0048】
次に、以上のようにして算出した訪問履歴データに対応する施設名や住所や座標や設定日時を登録した目的地履歴データを目的地履歴データベースに登録する(ステップ510)。
そして、取得した全ての訪問履歴データについてステップ508、510の処理を終了したならば(ステップ512)、目的地履歴データを設定日時の新しい順にソートし(ステップ516)、ステップ502の監視に戻る。
以上、車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192が行う訪問履歴取得処理について説明した。
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように本実施形態によれば、車載装置1のナビゲーションアプリケーション191で目的地として設定した地点でなくても、ユーザがスマートフォン2を携帯して訪問した地点も、当該地点で写真を撮影したり、当該地点で位置情報を含む投稿記事をSNSサーバ5に投稿していれば、スマートフォン2を車載装置1に接続した時点で、目的地履歴データベースに登録されることとなる。よって、ユーザは、図3aに示したような目的地履歴データの地点のリストを用いて、これらの地点についても容易に目的地に設定することができるようになる。
【0049】
ところで、以上の実施形態では、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304の訪問履歴登録処理において、投稿済投稿記事に付加された位置情報を訪問履歴データに登録するようにしたが、投稿済投稿記事に付加された位置情報の訪問履歴データへの登録は、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304において図6に示す投稿済訪問履歴登録処理によって行うようにしてもよい。
【0050】
図示するように、この投稿済訪問履歴登録処理において、スマートフォン2の訪問履歴管理アプリケーション304は、車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192から、訪問履歴データの送信要求を受け取ったならば(ステップ602)、SNSアプリケーション302にSNSサーバ5にアクセスさせ、スマートフォン2のユーザが過去に投稿した投稿記事を取得させる(ステップ604)。
【0051】
そして、取得した各投稿記事について(ステップ606、612、614)、以下の処理を行う。
すなわち、投稿記事に位置情報が付加されているかどうかを調べ(ステップ608)、付加されていなければ当該投稿記事についての処理を終了する。
一方、投稿記事に位置情報が付加されていれば、位置情報に含まれる現在地名、現在地住所、現在地座標とを、各々訪問地名、訪問地住所、訪問地座標として含めると共に、投稿記事の投稿日時を訪問日時として含めた訪問履歴データを作成し、訪問履歴データベースに登録する(ステップ610)。ただし、位置情報に、現在地名、現在地住所、現在地座標のうちの一部のデータのみが含まれる場合には、当該含まれているデータのみを訪問履歴データに含める。
【0052】
そして、取得した全ての投稿記事についてステップ608、610の処理を終了したならば、それまでに作成した訪問履歴データを車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192に転送し(ステップ616)、ステップ602の処理に戻る。
ここで、このようにして投稿済訪問履歴登録処理から、訪問履歴データを受け取った車載装置1の訪問履歴取得アプリケーション192は、上述の訪問履歴取得処理によって、受け取った各訪問履歴データに対応する目的地履歴データを作成し、目的地履歴データベースに登録することとなる。
【0053】
さて、ここで、以上の実施形態で示した、ユーザがスマートフォン2を携帯して訪問した地点を、目的地履歴データベースに登録して、目的地の設定の支援に用いることができるようにする機能は、スマートフォン単体で実施するようにしてもよい。
【0054】
すなわち、この場合には、図7に示すように、スマートフォン2に訪問履歴管理アプリケーション304に代えて、訪問地点登録アプリケーション701と、ナビゲーションアプリケーション702とを設ける。
また、スマートフォン2の記憶部25に、地図データベース、施設データベース、住所データベース、目的地履歴データベースを記憶する。
そして、ナビゲーションアプリケーション702は、記憶部25の地図データベース、施設データベース、住所データベース、目的地履歴データベースを用いて、上述した車載装置1のナビゲーションアプリケーション191の動作と同様の動作を、スマートフォン2上で行う。
また、訪問地点登録アプリケーション701は、図8に示す訪問地点登録処理を行う。
図示するように、この訪問地点登録処理では、上述のように位置情報付ユーザ作成データが発生を監視し(ステップ802)、位置情報付ユーザ作成データが発生したならば、住所データベースや施設データベースを参照して、位置情報付ユーザ作成データの位置情報に対応する施設名や住所や座標や設定日時を算出する(ステップ804)。
【0055】
ここで、この施設名や住所や座標や設定日時の算出は次のように行う。
すなわち、位置情報に現在地名が含まれている場合には、当該現在地名を施設名として算出し、位置情報に現在地名が含まれていない場合には、位置情報に含まれている現在地住所または現在地座標で施設データベースを探索して、現在地住所または現在地座標が住所または座標として登録された施設データの施設名を、求める施設名として算出する。また、位置情報に現在地住所が含まれている場合には、当該現在地住所を住所として算出し、位置情報に現在地住所が含まれていない場合には、位置情報に含まれている現在地名または現在地座標で施設データベースを探索し、現在地名または現在地座標が施設名または座標として登録された施設データの住所を求める住所として算出するか、位置情報に含まれている現在地座標で住所データベースを探索し、現在地座標が含まれる座標範囲が登録された住所データの住所を求める住所として算出する。また、位置情報に現在地座標が登録されている場合には登録されている現在地座標を座標として算出し、位置情報に現在地座標が登録されていない場合には、位置情報に含まれている現在地名または現在地住所で施設データベースを探索し、現在地名または現在地住所が施設名または住所として登録された施設データの座標を求める座標として算出するか、位置情報に含まれている現在地住所で住所データベースを探索し、現在地住所が登録された住所データの座標範囲の中心の座標を求める座標として算出する。そして、現在日時を設定日時として算出する。
【0056】
そして、算出した施設名や住所や座標や設定日時を登録した目的地履歴データを目的地履歴データベースに登録し(ステップ806)、目的地履歴データを設定日時の新しい順にソートし(ステップ808)、ステップ802の監視に戻る。
なお、投稿済投稿記事である位置情報付ユーザ作成データについては、定期的または適当な契機で、SNSアプリケーション302にSNSサーバ5にアクセスさせ、取得した位置情報付の投稿済投稿記事を位置情報付ユーザ作成データとし、位置情報付の投稿済投稿記事が取得された時点を位置情報付ユーザ作成データが発生した時点として、以上の訪問地点登録処理を適用するようにしてもよい。
【0057】
ところで、以上の実施形態では、位置情報付ユーザ作成データの位置情報が示す地点のデータを目的地履歴データとして目的地履歴データベースに登録したが、位置情報付ユーザ作成データの位置情報が示す地点のデータは、目的地履歴データベースとは別に設けた地点データベースに地点データとして登録して、ユーザの目的地の設定を支援するようにしてもよい。
すなわち、この場合には、上述した訪問地履歴取得処理や訪問地登録処理で作成した目的地履歴データを、目的地履歴データベースに登録せずに、地点データとして地点データベースに登録するようにする。
そして、車載装置1のナビゲーションアプリケーション191やスマートフォン2のナビゲーションアプリケーション702は、ユーザからの要求に応じて、地点データベースに登録されている地点データに対応する地点のリストを表示し、表示したリストの内から目的地として設定する地点の選択を受け付け、選択を受け付けた地点を目的地に設定するようにする。
【0058】
なお、以上の実施形態はスマートフォン2に代えて、タブレット装置などの他のモバイル装置を用いる場合にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…車載装置、2…スマートフォン、4…WAN、5…SNSサーバ、11…入力装置、12…表示装置、13…音声入出力装置、14…GPS受信機、15…ジャイロ装置、16…周辺装置、17…記憶装置、18…デバイスインタフェース、19…H-オペレーティングシステム、21…操作部、22…ディスプレイ、23…音声入出力部、24…ホストインタフェース、25…記憶部、26…移動通信装置、27…GPS受信ユニット、28…カメラ、29…周辺デバイス、30…SPオペレーティングシステム、192…訪問履歴取得アプリケーション、191…ナビゲーションアプリケーション、301…移動電話アプリケーション、302…SNSアプリケーション、303…カメラアプリケーション、304…訪問履歴管理アプリケーション、701…訪問地点登録アプリケーション。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8