特許第6281952号(P6281952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6281952HIV複製阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6281952
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】HIV複製阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/58 20060101AFI20180208BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 209/86 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 221/12 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/473 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 279/02 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/5415 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4743 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 417/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 267/22 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/395 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 209/88 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 291/08 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 267/18 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 265/34 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/433 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 267/20 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 281/18 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 225/08 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 243/14 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/5513 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 241/44 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/499 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 243/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 471/06 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 513/06 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/549 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/538 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4741 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 495/14 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 209/80 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 223/18 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 285/36 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 243/12 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 281/02 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 237/26 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/502 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 267/00 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 471/10 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 221/18 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 311/80 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 221/16 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 491/06 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 335/10 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/382 20060101ALI20180208BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   C07D209/58CSP
   C07D405/04
   A61K31/4184
   A61K31/517
   C07D209/86
   A61K31/403
   C07D221/12
   A61K31/473
   C07D279/02
   A61K31/5415
   C07D498/04 112Q
   A61K31/5383
   C07D495/04 105A
   A61K31/4743
   C07D417/04
   A61K31/554
   C07D267/22
   A61K31/395
   C07D209/88
   C07D291/08
   C07D267/18
   A61K31/553
   C07D265/34
   A61K31/5386
   C07D513/04 325
   A61K31/433
   C07D267/20
   C07D281/18
   C07D498/04 116
   C07D225/08
   C07D487/04 140
   A61K31/498
   C07D243/14
   A61K31/5513
   C07D241/44
   A61K31/499
   C07D243/04
   A61K31/551
   C07D471/06
   C07D513/06
   A61K31/549
   C07D413/04
   A61K31/538
   C07D405/14
   A61K31/4439
   C07D491/048
   A61K31/4741
   C07D495/14 D
   A61K31/4745
   C07D209/80
   C07D223/18
   A61K31/55
   C07D285/36
   C07D471/04 112Z
   C07D243/12
   C07D281/02
   C07D513/04 391
   C07D491/056
   C07D237/26
   A61K31/502
   C07D491/107
   C07D267/00
   C07D471/10 102
   C07D221/18
   C07D311/80
   A61K31/352
   C07D513/04 383
   C07D513/04 371
   C07D498/04 105
   C07D519/00 301
   C07D221/16
   C07D491/06
   C07D471/04 120
   C07D401/04
   C07D335/10
   A61K31/382
   C07D513/04 343
   C07D471/04 105C
   C07D409/04
   C07D498/04 112T
   A61K31/4985
   A61P31/18
   A61P43/00 111
【請求項の数】21
【全頁数】345
(21)【出願番号】特願2014-559726(P2014-559726)
(86)(22)【出願日】2014年1月30日
(86)【国際出願番号】JP2014052030
(87)【国際公開番号】WO2014119636
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】特願2013-16433(P2013-16433)
(32)【優先日】2013年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-71415(P2013-71415)
(32)【優先日】2013年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-135926(P2013-135926)
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-202877(P2013-202877)
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108970
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 秀晃
(74)【代理人】
【識別番号】100113789
【弁理士】
【氏名又は名称】杉田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100103230
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 裕貢
(72)【発明者】
【氏名】富田 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】垰田 善之
(72)【発明者】
【氏名】岩耒 努
(72)【発明者】
【氏名】川筋 孝
(72)【発明者】
【氏名】秋山 俊行
(72)【発明者】
【氏名】杉山 修一
(72)【発明者】
【氏名】田村 嘉則
(72)【発明者】
【氏名】岩津 理史
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02511273(EP,A1)
【文献】 国際公開第2012/003497(WO,A1)
【文献】 特表2012−526728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、
環Aは、置換若しくは非置換の炭素環または置換若しくは非置換の複素環であり、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロまたは−X1−R11であり、
ここで、X1は、単結合、−O−、−S−、−NR12−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR12−CO−、−CO−NR12−、−NR12−CO−O−、−NR12−CO−NR13−、−NR12−SO−または−SO−NR12−であり、
11は、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、
12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
1が−NR12−、−CO−NR12−または−SO−NR12−の場合は、R11とR12が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
1が−NR12−CO−NR13−の場合は、R11とR13が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
ここで、Rは環Aの構成原子と一緒になって、置換若しくは非置換の炭素環または置換若しくは非置換の複素環を形成してもよく、
は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、置換若しくは非置換のシクロアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルキルスルファニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルファニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルスルファニルであり、
nは、1または2であり、
は、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、
は、水素原子であり、ならびに、
は、炭素数1〜4のアルキルである。)
で示される化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項2】
nが1である、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項3】
が置換若しくは非置換のアルキルオキシまたは置換若しくは非置換のシクロアルキルオキシである、請求項2記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項4】
環Aが単環の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環、若しくは非芳香族複素環に縮合されていてもよく、
他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環若しくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、
環Aを構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレン若しくはアルキニレンにより架橋されていてもよく、および/または、
1以上のRで置換されていてもよく、
ここで、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RA1であり、
は、単結合、−O−、−S−、−NRA2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRA2−CO−、−CO−NRA2−、−NRA2−CO−O−、−CO−O−NRA2−、−O−CO−NRA2−、−NRA2−O−CO−、−CO−NRA2−O−、−O−NRA2−CO−、−NRA2−CO−NRA3−、−NRA2−SO−または−SO−NRA2−であり、
A1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RA1は水素原子ではない。)
A2およびRA3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
が−NRA2−、−CO−NRA2−、−CO−O−NRA2−、−O−CO−NRA2−または−SO−NRA2−の場合は、RA1とRA2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRA2−CO−NRA3−の場合は、RA1とRA3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
ここで、RとRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRA’で置換されていてもよく、
A’は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XA’−RA’1であり、
A’は、単結合、−O−、−S−、−NRA’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRA’2−CO−、−CO−NRA’2−、−NRA’2−CO−O−、−CO−O−NRA’2−、−O−CO−NRA’2−、−NRA’2−O−CO−、−CO−NRA’2−O−、−O−NRA’2−CO−、−NRA’2−CO−NRA’3−、−NRA’2−SO−または−SO−NRA’2−であり、
A’1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、XA’が単結合の場合は、RA’1は水素原子ではない。)
A’2およびRA’3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
A’が−NRA’2−、−CO−NRA’2−、−CO−O−NRA’2−、−O−CO−NRA’2−または−SO−NRA’2−の場合は、RA’1とRA’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
A’が−NRA’2−CO−NRA’3−の場合は、RA’1とRA’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い、
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項5】
環Aが、他の3〜10員の単環または他の8〜18員の縮合環に縮合された5〜12員環であり、同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項6】
環Aが以下に示される環のいずれかである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化2】
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(式中、
環Bは、それぞれ独立して、単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環若しくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、および/または各環を構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレン若しくはアルキニレンにより架橋されていてもよく、

は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RB1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRB2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB2−CO−、−CO−NRB2−、−NRB2−CO−O−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−、−NRB2−O−CO−、−CO−NRB2−O−、−O−NRB2−CO−、−NRB2−CO−NRB3−、−NRB2−SO−または−SO−NRB2−であり、
B1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RB1は水素原子ではない。)
B2およびRB3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRB2−、−CO−NRB2−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−または−SO−NRB2−の場合は、RB1とRB2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRB2−CO−NRB3−の場合は、RB1とRB3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、

pは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRB’で置換されていてもよく、
ここで、RB’は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XB’−RB’1であり、
ここで、XB’は、単結合、−O−、−S−、−NRB’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB’2−CO−、−CO−NRB’2−、−NRB’2−CO−O−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−、−NRB’2−O−CO−、−CO−NRB’2−O−、−O−NRB’2−CO−、−NRB’2−CO−NRB’3−、−NRB’2−SO−または−SO−NRB’2−であり、
B’1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、XB’が単結合の場合は、RB’1は水素原子ではない。)
B’2およびRB’3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
B’は、−NRB’2−、−CO−NRB’2−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−または−SO−NRB’2−の場合は、RB’1とRB’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
B’が−NRB’2−CO−NRB’3−の場合は、RB’1とRB’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い)
【請求項7】
環Aが以下に示される環である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、
環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立して、単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環若しくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、および/または各環を構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレン若しくはアルキニレンにより架橋されていてもよく、

は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RB1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRB2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB2−CO−、−CO−NRB2−、−NRB2−CO−O−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−、−NRB2−O−CO−、−CO−NRB2−O−、−O−NRB2−CO−、−NRB2−CO−NRB3−、−NRB2−SO−または−SO−NRB2−であり、
B1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RB1は水素原子ではない。)
B2およびRB3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRB2−、−CO−NRB2−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−または−SO−NRB2−の場合は、RB1とRB2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRB2−CO−NRB3−の場合は、RB1とRB3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、

pは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRB’で置換されていてもよく、
ここで、RB’は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XB’−RB’1であり、
ここで、XB’は、単結合、−O−、−S−、−NRB’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB’2−CO−、−CO−NRB’2−、−NRB’2−CO−O−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−、−NRB’2−O−CO−、−CO−NRB’2−O−、−O−NRB’2−CO−、−NRB’2−CO−NRB’3−、−NRB’2−SO−または−SO−NRB’2−であり、
B’1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、XB’が単結合の場合は、RB’1は水素原子ではない。)
B’2およびRB’3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
B’は、−NRB’2−、−CO−NRB’2−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−または−SO−NRB’2−の場合は、RB’1とRB’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
B’が−NRB’2−CO−NRB’3−の場合は、RB’1とRB’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、

は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RC1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRC2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRC2−CO−、−CO−NRC2−、−NRC2−CO−O−、−CO−O−NRC2−、−O−CO−NRC2−、−NRC2−O−CO−、−CO−NRC2−O−、−O−NRC2−CO−、−NRC2−CO−NRC3−、−NRC2−SO−または−SO−NRC2−であり、
C1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RC1は水素原子ではない。)
C2およびRC3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRC2−、−CO−NRC2−、−CO−O−NRC2−、−O−CO−NRC2−または−SO−NRC2−の場合は、RC1とRC2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRC2−CO−NRC3−の場合は、RC1とRC3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、

qは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRで置換されていてもよく、

ならびに、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RD1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRD2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRD2−CO−、−CO−NRD2−、−NRD2−CO−O−、−CO−O−NRD2−、−O−CO−NRD2−、−NRD2−O−CO−、−CO−NRD2−O−、−O−NRD2−CO−、−NRD2−CO−NRD3−、−NRD2−SO−または−SO−NRD2−であり、
D1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RD1は水素原子ではない。)
D2およびRD3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRD2−、−CO−NRD2−、−CO−O−NRD2−、−O−CO−NRD2−または−SO−NRD2−の場合は、RD1とRD2が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRD2−CO−NRD3−の場合は、RD1とRD3が隣接する窒素原子と一緒になって置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、

rは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい)
【請求項8】
環Aが以下に示される環である、請求項7記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化4】
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【請求項9】
pが1以上である、請求項または8記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項10】
qが1以上である、請求項8記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項11】
が置換若しくは非置換のアルキルである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項12】
式(I’’a):
【化5】
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で示され、環B’が単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、RB’が、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、イミノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル、置換若しくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルスルホニルであり、pが0〜11のいずれかの整数であり、sが0〜11のいずれかの整数である、請求項または9に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項13】
が置換若しくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換若しくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項14】
以下の式で示される、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化6】
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(式中、
環Aは、置換若しくは非置換の複素環;
は、アルキル;
またはRは、環Aの構成原子と一緒になって、置換若しくは非置換の複素環を形成してもよく;
は、アルキルオキシまたは置換若しくは非置換のシクロアルキルオキシ;
は、置換若しくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換若しくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基;
は、炭素数1〜4のアルキル)
【請求項15】
以下のいずれかの式で示される、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化7】
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(式中、
は、アルキル;
は、アルキルオキシまたは置換若しくは非置換のシクロアルキルオキシ;
は、置換若しくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換若しくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基;
は、炭素数1〜4のアルキル;
環B、環C、環D、環E、および環B’は、それぞれ独立して、単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環;
環Eは、環Cと同意義;
B’およびRは、それぞれ独立してRと同意義;
tは、0〜12のいずれかの整数;
その他の記号は、請求項7と同意義)
【請求項16】
以下のいずれかの式で示される、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化8】
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【化9】
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【化10】
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(式中、
環Cおよび環Dは、それぞれ独立してベンゼン環または5〜8員の複素環;
環B’ は、5〜8員の複素環;
環Eは、架橋されていてもよい5〜8員の炭素環;
B’’およびRB’’’は、それぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ホルミル、アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環式基アルキルおよび置換スルホニルからなる群から選択される基;
破線は結合の存在または非存在を示す;
Kおよびmは、それぞれ独立して0〜4の整数;
その他の記号は、請求項15と同意義)
【請求項17】
式:(I−2−1)、(I−2−2)、(I−2−3)または(I−2−4)で示される、請求項16記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項18】
およびRが、それぞれ独立してハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ、オキソ、カルボキシ、および置換もしくは非置換のアミノからなる群から選択される基である、請求項17記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項19】
が、以下に示されるいずれかの基であり、該基はそれぞれ独立して、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン化アルキル、オキソ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アミノアルキル、モノもしくはジアルキルアミノアルキルおよびシアノからなる群から選択される、同一または異なる1〜4個の基で置換されていてもよい、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化15】
[この文献は図面を表示できません]

【化16】
[この文献は図面を表示できません]

【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項20】
請求項1〜19のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項21】
抗HIV作用を有する、請求項20記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス作用を有する新規化合物、更に詳しくは、抗HIV薬に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスのなかでも、レトロウイルスの一種であるヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus、以下HIVと略す)は、後天性免疫不全症候群(Acquired immunodeficiency syndrome、以下エイズ(AIDS)と略す)の原因となることが知られている。そのエイズの治療薬としては、これまでのところ逆転写酵素阻害剤(AZT、3TC等)、プロテアーゼ阻害剤(インディナビル等)、およびインテグラーゼ阻害剤(ラルテグラビル等)が主流であるが、腎臓障害等の副作用や耐性ウイルスの出現等の問題が判明しており、それらとは異なる作用メカニズムを有する抗HIV薬の開発が期待されている。
【0003】
また、エイズの治療においては、耐性ウイルスが容易に出現するという理由から、現在、多剤併用療法が効果的であると報告されている。抗HIV薬としては、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤の3種が臨床で使用されているが、同じ作用メカニズムを有する薬剤はしばしば交叉耐性を示し、または付加的な効果を示すに過ぎず、異なった作用メカニズムの抗HIV薬の開発が要望されている。
【0004】
特許文献1には、HIV逆転写酵素阻害剤としてカルボキシメチルベンゼン骨格を有する化合物が報告されている。また、本発明と構造が比較的類似したHIV複製阻害剤として、カルボキシメチルピリジン誘導体(特許文献2〜8、14、19、23、33)、カルボキシメチルピリミジン誘導体(特許文献8〜11、21、28、29)、フェニル酢酸誘導体(特許文献12〜13、25、26、30、31)、三環性カルボキシメチルピリジン誘導体(特許文献15、27)、カルボキシメチルピリドン誘導体(特許文献16、22)、置換五員環化合物(特許文献17)および置換六員環化合物(特許文献18)が報告されている。特許文献18には、縮合3環系化合物の実施例は記載されていない。
【0005】
非特許文献1および2には、本発明と構造が比較的類似した化合物が記載されているが、合成技術に関する文献である。非特許文献3には、本発明と構造が比較的類似した化合物が記載されているが、抗炎症剤に関する文献である。
【0006】
さらに、本出願人らによって、HIV複製阻害剤が特許出願されている(特許文献20、特許文献24、特許文献32 WO2013/157622)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開2008/071587号パンフレット
【特許文献2】国際公開2007/131350号パンフレット
【特許文献3】国際公開2009/062285号パンフレット
【特許文献4】国際公開2009/062288号パンフレット
【特許文献5】国際公開2009/062289号パンフレット
【特許文献6】国際公開2009/062308号パンフレット
【特許文献7】国際公開2010/130034号パンフレット
【特許文献8】国際公開2010/130842号パンフレット
【特許文献9】国際公開2011/015641号パンフレット
【特許文献10】国際公開2011/076765号パンフレット
【特許文献11】国際公開2012/033735号パンフレット
【特許文献12】国際公開2012/003497号パンフレット
【特許文献13】国際公開2012/003498号パンフレット
【特許文献14】国際公開2012/065963号パンフレット
【特許文献15】国際公開2012/066442号パンフレット
【特許文献16】国際公開2012/102985号パンフレット
【特許文献17】国際公開2012/137181号パンフレット
【特許文献18】国際公開2012/140243号パンフレット
【特許文献19】国際公開2013/012649号パンフレット
【特許文献20】国際公開2013/002357号パンフレット
【特許文献21】国際公開2013/025584号パンフレット
【特許文献22】国際公開2013/043553号パンフレット
【特許文献23】国際公開2013/073875号パンフレット
【特許文献24】国際公開2013/062028号パンフレット
【特許文献25】国際公開2013/103724号パンフレット
【特許文献26】国際公開2013/103738号パンフレット
【特許文献27】国際公開2013/123148号パンフレット
【特許文献28】国際公開2013/134113号パンフレット
【特許文献29】国際公開2013/134142号パンフレット
【特許文献30】国際公開2013/159064号パンフレット
【特許文献31】国際公開2012/145728号パンフレット
【特許文献32】国際公開2013/157622号パンフレット
【特許文献33】国際公開2014/009794号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society、133巻、45号、18183−18193頁(2011年)
【非特許文献2】Journal of the American Chemical Society、130巻、52号、17676−17677頁(2008年)
【非特許文献3】European Journal of Medicinal Chemistry、12巻、2号、161−171頁、(1977年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、抗ウイルス活性を有する新規化合物を提供することにある。本発明は、好ましくは、HIV複製阻害作用を有する抗HIV薬を提供する。より好ましくは、従来の抗HIV薬とは基本骨格が異なり、またHIVの変異株、耐性株にも有効な新規の抗HIV薬を提供する。さらに本発明は、それらの合成中間体も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、新規なHIV複製阻害剤を見出した。さらに、本発明化合物およびそれらを含有する医薬が、抗ウイルス薬(例:抗レトロウイルス薬、抗HIV薬、抗HTLV−1(Human T cell leukemia virus type 1:ヒトT細胞白血病ウイルス1型)薬、抗FIV(Feline immunodeficiency virus :ネコエイズウイルス)薬、抗SIV(Simian immunodeficiency virus :サルエイズウイルス)薬)、特に抗HIV薬、抗AIDS薬、またはその関連疾患の治療薬等として有用であることを見出し、以下に示す本発明を完成した。
【0011】
(1)式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、
環Aは、置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロまたは−X1−R11であり、
ここで、X1は、単結合、−O−、−S−、−NR12−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR12−CO−、−CO−NR12−、−NR12−CO−O−、−NR12−CO−NR13−、−NR12−SO−または−SO−NR12−であり、
11は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、
12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
1が−NR12−、−CO−NR12−または−SO−NR12−の場合は、R11とR12が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
1が−NR12−CO−NR13−の場合は、R11とR13が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い、
ここで、Rは環Aの構成原子と一緒になって、置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環を形成してもよく、
は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のシクロアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルファニルであり、
nは、1または2であり、
は、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、
は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、ならびに、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロまたは−X6−R61であり、
ここで、X6は、単結合、−O−、−S−、−NR62−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR62−CO−、−CO−NR62−、−NR62−CO−O−、−NR62−CO−NR63−、−NR62−SO−または−SO−NR62−であり、
61は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、
62およびR63は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
6が−NR62−、−CO−NR62−または−SO−NR62−の場合は、R61とR62が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
6が−NR62−CO−NR63−の場合は、R61とR63が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
但し、以下の化合物:
【化2】
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を除く。)
で示される化合物またはその製薬上許容される塩。

(2)Rが水素原子である、上記(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(3)nが1である、上記(1)または(2)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(4)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルオキシである、上記(3)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(5)環Aが単環の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、
他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環、非芳香族複素環もしくはそれらの縮合環に縮合されていてもよく、
他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環もしくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、
環Aを構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレンにより架橋されていてもよく、および/または、
1以上のRで置換されていてもよく、
ここで、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RA1であり、
は、単結合、−O−、−S−、−NRA2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRA2−CO−、−CO−NRA2−、−NRA2−CO−O−、−CO−O−NRA2−、−O−CO−NRA2−、−NRA2−O−CO−、−CO−NRA2−O−、−O−NRA2−CO−、−NRA2−CO−NRA3−、−NRA2−SO−または−SO−NRA2−であり、
A1は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RA1は水素原子ではない。)
A2およびRA3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
が−NRA2−、−CO−NRA2−、−CO−O−NRA2−、−O−CO−NRA2−または−SO−NRA2−の場合は、RA1とRA2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRA2−CO−NRA3−の場合は、RA1とRA3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
ここで、RとRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRA’で置換されていてもよく、
A’は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XA’−RA’1であり、
A’は、単結合、−O−、−S−、−NRA’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRA’2−CO−、−CO−NRA’2−、−NRA’2−CO−O−、−CO−O−NRA’2−、−O−CO−NRA’2−、−NRA’2−O−CO−、−CO−NRA’2−O−、−O−NRA’2−CO−、−NRA’2−CO−NRA’3−、−NRA’2−SO−または−SO−NRA’2−であり、
A’1は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、XA’が単結合の場合は、RA’1は水素原子ではない。)
A’2およびRA’3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
A’が−NRA’2−、−CO−NRA’2−、−CO−O−NRA’2−、−O−CO−NRA’2−または−SO−NRA’2−の場合は、RA’1とRA’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
A’が−NRA’2−CO−NRA’3−の場合は、RA’1とRA’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い、

上記(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(6)環Aが、他の3〜10員の単環または他の8〜18員の縮合環に縮合された5〜12員環であり、同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(7)環Aが、他の5〜10員環と共にスピロ環を形成した5〜12員環であり、同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(8)環Aが以下に示される環のいずれかである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【0012】
【化3】
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式中、
環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立して、単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環もしくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、および/または各環を構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレンにより架橋されていてもよく、

は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RB1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRB2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB2−CO−、−CO−NRB2−、−NRB2−CO−O−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−、−NRB2−O−CO−、−CO−NRB2−O−、−O−NRB2−CO−、−NRB2−CO−NRB3−、−NRB2−SO−または−SO−NRB2−であり、
B1は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RB1は水素原子ではない。)
B2およびRB3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRB2−、−CO−NRB2−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−または−SO−NRB2−の場合は、RB1とRB2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRB2−CO−NRB3−の場合は、RB1とRB3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
pは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRB’で置換されていてもよく、
ここで、RB’は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XB’−RB’1であり、
ここで、XB’は、単結合、−O−、−S−、−NRB’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB’2−CO−、−CO−NRB’2−、−NRB’2−CO−O−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−、−NRB’2−O−CO−、−CO−NRB’2−O−、−O−NRB’2−CO−、−NRB’2−CO−NRB’3−、−NRB’2−SO−または−SO−NRB’2−であり、
B’1は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、XB’が単結合の場合は、RB’1は水素原子ではない。)
B’2およびRB’3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
B’は、−NRB’2−、−CO−NRB’2−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−または−SO−NRB’2−の場合は、RB’1とRB’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
B’が−NRB’2−CO−NRB’3−の場合は、RB’1とRB’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
sは、0〜12のいずれかの整数であり、

は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RC1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRC2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRC2−CO−、−CO−NRC2−、−NRC2−CO−O−、−CO−O−NRC2−、−O−CO−NRC2−、−NRC2−O−CO−、−CO−NRC2−O−、−O−NRC2−CO−、−NRC2−CO−NRC3−、−NRC2−SO−または−SO−NRC2−であり、
C1は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RC1は水素原子ではない。)
C2およびRC3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRC2−、−CO−NRC2−、−CO−O−NRC2−、−O−CO−NRC2−または−SO−NRC2−の場合は、RC1とRC2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRC2−CO−NRC3−の場合は、RC1とRC3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
qは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRで置換されていてもよく、

ならびに、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RD1であり、
ここで、Xは、単結合、−O−、−S−、−NRD2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRD2−CO−、−CO−NRD2−、−NRD2−CO−O−、−CO−O−NRD2−、−O−CO−NRD2−、−NRD2−O−CO−、−CO−NRD2−O−、−O−NRD2−CO−、−NRD2−CO−NRD3−、−NRD2−SO−または−SO−NRD2−であり、
D1は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、(但し、Xが単結合の場合は、RD1は水素原子ではない。)
D2およびRD3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
は、−NRD2−、−CO−NRD2−、−CO−O−NRD2−、−O−CO−NRD2−または−SO−NRD2−の場合は、RD1とRD2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
が−NRD2−CO−NRD3−の場合は、RD1とRD3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
rは、0〜12のいずれかの整数であり、

とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい)

(9)環Aが以下に示される環である、上記(8)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化4】
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(10)環Aが以下に示される環である、上記(8)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化5】
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(11)環Aが以下に示される環である、上記(8)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化6】
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(12)環Bが、他の3〜10員環と共にスピロ環を形成していてもよい5〜10員環である、上記(9)〜(11)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(13)pが1以上である、上記(9)〜(11)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(14)Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルである、上記(13)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(15)環Cが3〜10員環である、上記(10)または(11)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(16)qが1以上である、上記(10)または(11)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(17)Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルである、上記(16)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(18)環Dが3〜10員環である、上記(11)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(19)rが1以上である、上記(11)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(20)Rが、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルである、上記(19)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(21)pが0〜3の整数である、上記(9)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(22)pおよびqが、それぞれ独立して0〜3の整数である、上記(10)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(23)p、qおよびrが、それぞれ独立して0〜3の整数である、上記(11)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(24)Rが、ハロゲン、シアノ、ニトロまたは−X1−R11であり、
ここで、X1は、単結合、−O−、−S−、−NR12−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR12−CO−、−CO−NR12−、−NR12−CO−O−、−NR12−CO−NR13−、−NR12−SO−または−SO−NR12−であり、
11は、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、
12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり、
1が−NR12−、−CO−NR12−または−SO−NR12−の場合は、R11とR12が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、
1が−NR12−CO−NR13−の場合は、R11とR13が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い、
上記(1)〜(23)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩、

(25)Rが水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである、上記(1)〜(24)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩、

(26)Rが置換もしくは非置換のアルキルである、上記(25)記載の化合物またはその製薬上許容される塩、

(27)式(I’’a):
【化7】
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で示され、環B’が単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、pが0〜11のいずれかの整数であり、sが0〜11のいずれかの整数である、上記(9)および(12)〜(14)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩、

(28)式(I’’b):
【化8】
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で示され、環B’が単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、pが0〜11のいずれかの整数であり、sが0〜11のいずれかの整数である、上記(10)および(12)〜(17)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩、

(29)式(Ic’’):
【化9】
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で示され、環B’が単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、pが0〜11のいずれかの整数であり、sが0〜11のいずれかの整数である、上記(11)〜(20)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(30)RB’が、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルである、上記(8)〜(20)および(27)〜(29)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(31)Rが置換もしくは非置換のアルキルである、上記(1)〜(30)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩、

(32)Rが置換もしくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換もしくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基である、上記(1)〜(31)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(33)以下の式で示される、上記(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化10】
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(式中、
環Aは、置換もしくは非置換の複素環;
は、アルキル;
またはRは、環Aの構成原子と一緒になって、置換もしくは非置換の複素環を形成してもよく;
は、アルキルオキシまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルオキシ;
は、置換もしくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換もしくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基;
は、アルキル)

(34)以下のいずれかの式で示される、上記(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化11】
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(式中、
は、アルキル;
は、アルキルオキシまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルオキシ;
は、置換もしくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換もしくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基;
は、アルキル;
環B、環C、環D、環E、および環B’は、それぞれ独立して、単環の、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環(各環は、好ましくは5〜11員環、より好ましくは6〜10員環、さらに好ましくは6〜8員環);
環Eは、環Cと同意義;
B’およびRは、それぞれ独立してRと同意義;
tは、0〜12のいずれかの整数;
その他の記号は、上記(8)と同意義)

(35)以下のいずれかの式で示される、上記(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化12】
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【化13-1】
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【化13-2】
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(式中、
環Cおよび環Dは、それぞれ独立して、好ましくはベンゼン環または5〜8員の複素環;
環B’ は、好ましくは5〜8員の複素環;
環Eは、好ましくは架橋されていてもよい5〜8員の炭素環;
B’’およびRB’’’は、それぞれ独立して、好ましくは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ホルミル、アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環式基アルキルおよび置換スルホニルからなる群から選択される基;
破線は結合の存在または非存在を示す;
kおよびmは、それぞれ独立して、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜2の整数;
その他の記号は、上記(34)と同意義)

(36)式:(I−2−1)、(I−2−2)、(I−2−3)または(I−2−4)で示される、上記(35)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(37)RおよびRが、それぞれ独立してハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ、オキソ、カルボキシ、および置換もしくは非置換のアミノからなる群から選択される基である、上記(35)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(38)以下の式で示される、上記(1)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化13-3】
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(式中、
は、アルキル;
は、アルキルオキシまたはメチルで置換されていてもよいシクロアルキルオキシ;
は、置換もしくは非置換の縮合されていてもよいフェニルまたは置換もしくは非置換の縮合されていてもよい5〜8員の複素環式基;
環Cは、ベンゼン環または5〜8員の複素環;
は、アルキル;
mは、0〜4の整数;
は、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、オキソ、アミノ、またはモノもしくはジアルキルアミノ;
qは、0〜4の整数;
mは、好ましくは0〜2、より好ましくは1;
qは、好ましくは0〜2)

(39)以下の式で示される、上記(38)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化13-4】
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(式中、各記号は上記(38)と同意義)

mは、好ましくは0〜2、より好ましくは1である。
qは、好ましくは0〜2である。

(40)環Cが5〜8員の複素環である、上記(38)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。

(41)以下のいずれかの式で示される、上記(38)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化13-5】
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【化13-6】
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(式中、qは0〜3の整数;その他の記号は上記(38)と同意義)

mは、好ましくは0〜2、より好ましくは1である。
qは、好ましくは0〜2である。

(42)Rが、以下に示されるいずれかの基であり、該基はそれぞれ独立して、好ましくはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン化アルキル、オキソ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アミノアルキル、モノもしくはジアルキルアミノアルキルおよびシアノからなる群から選択される、同一または異なる1〜4個の基で置換されていてもよい、上記(1)〜(41)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化14】
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【化15-1】
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【化15-2】
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(43)Rが、以下に示されるいずれかの基である、上記(1)〜(41)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【化16】
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【化17-1】
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【化17-2】
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(44)上記(1)〜(43)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
(45)抗HIV作用を有する、上記(44)記載の医薬組成物。
(46)上記(1)〜(43)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩をヒトに投与することを特徴とする、ウイルス感染症の治療または予防方法。好ましくは、抗ウイルス的に有効量が投与される。
(47)HIV感染症に対する、上記(46)記載の治療または予防方法。
(48)ウイルス感染症の治療または予防のための、上記(1)〜(43)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(49)HIV感染症の治療または予防のための、上記(48)記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
(50)ウイルス感染症の治療剤または予防剤の製造のための、上記(1)〜(43)のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
(51)HIV感染症の治療剤または予防剤の製造のための、上記(50)記載の使用。
【発明の効果】
【0013】
本発明化合物は、ウイルス、特にHIV(例:HIV−1)やその耐性ウイルスに対して複製阻害活性を有する。よって、ウイルス感染症(例:エイズ)等の予防または治療に有用である。また本発明化合物は、抗ウイルス剤の合成中間体としても有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本明細書において用いられる各用語の意味を説明する。各用語は特に断りのない限り、単独で用いられる場合も、または他の用語と組み合わせて用いられる場合も、同一の意味で用いられる。
【0015】
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を包含する。特にフッ素原子、および塩素原子が好ましい。
【0016】
「アルキル」とは、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
「アルキル」の好ましい態様として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルが挙げられる。さらに好ましい態様として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチルが挙げられる。
【0017】
「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル等が挙げられる。
「アルケニル」の好ましい態様として、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルが挙げられる。
【0018】
「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等を包含する。これらはさらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。
「アルキニル」の好ましい態様として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルが挙げられる。
【0019】
「アルキレン」とは、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分枝状の2価の炭化水素基を包含する。例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。
【0020】
「アルケニレン」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分枝状の2価の炭化水素基を包含する。例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等が挙げられる。
【0021】
「アルキニレン」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖または分枝状の2価の炭化水素基を包含する。これらはさらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。例えば、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン等が挙げられる。
【0022】
「炭素環」とは、単環または2環以上の環式炭化水素を意味し、縮合環、スピロ環および架橋式環を含む。縮合環、スピロ環および架橋式環の環構成原子は、ヘテロ原子を含んでいても良い。単環の炭素環は、芳香族炭素環および非芳香族炭素環を包含する。
単環の非芳香族炭素環としては、炭素数3〜16が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数4〜8である。例えば、シクロアルカン、シクロアルケン等が挙げられる。
「シクロアルカン」としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン等が挙げられる。
「シクロアルケン」としては、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロヘキサジエン等が挙げられる。
【0023】
「複素環」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上、好ましくは1〜4個有する、単環または2環以上の環を意味し、縮合環、スピロ環および架橋式環を含む。縮合環、スピロ環および架橋式環の環構成原子は、ヘテロ原子を含んでいなくてもよい。単環の複素環は、芳香族複素環および非芳香族複素環を包含する。2環以上の複素環は、単環または2環以上の複素環に、上記「炭素環」が縮合したものも包含する。複素環は、好ましくは5〜7員または8〜12員である。
【0024】
「炭素環」および「複素環」は、以下のように架橋式環またはスピロ環を形成する環も包含する。「架橋式環」とは、環を構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレン、アルキニレン等により架橋されている構造を有する環を意味する。
【化18】
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【0025】
「芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
「芳香族炭素環式基」の好ましい態様として、フェニルが挙げられる。
【0026】
「非芳香族炭素環式基」とは、単環または2環以上の、非芳香族飽和炭化水素基または非芳香族不飽和炭化水素基を意味する。2環以上の非芳香族炭素環式基は、単環または2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族炭素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化19】
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単環の非芳香族炭素環式基としては、炭素数3〜16が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数4〜8である。例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル等が挙げられる。
「シクロアルキル」としては、炭素数3〜10が好ましく、より好ましくは炭素数3〜7であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。
「シクロアルケニル」としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族炭素環式基としては、例えば、インダニル、インデニル、アセナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、ジヒドロインデニル等が挙げられる。
【0027】
「芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、芳香族環式基を意味する。
2環以上の芳香族複素環式基は、単環または2環以上の芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
単環の芳香族複素環式基としては、5〜10員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等が挙げられる。
2環の芳香族複素環式基としては、8〜18員が好ましく、例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等が挙げられる。
3環以上の芳香族複素環式基としては、11〜26員が好ましく、例えば、カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等が挙げられる。
【0028】
「非芳香族複素環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択される同一または異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環または2環以上の、非芳香族環式基を意味する。
2環以上の非芳香族複素環式基は、単環または2環以上の非芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」、および/または「芳香族複素環式基」におけるそれぞれの環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族複素環式基」は、以下のように架橋している基、またはスピロ環を形成する基も包含する。
【化20】
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単環の非芳香族複素環式基としては、3〜8員が好ましく、より好ましくは5員または6員である。例えば、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ジオキソラニル、ジオキサジニル、アジリジニル、ジオキソリニル、オキセパニル、チオラニル、チイニル、チアジニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族複素環式基としては、例えば、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、ジヒドロベンゾフリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾモルホリニル等が挙げられる。
【0029】
「ヒドロキシアルキル」とは、1以上のヒドロキシ基が、上記「アルキル」の炭素原子に結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1,2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
「ヒドロキシアルキル」の好ましい態様として、ヒドロキシメチルが挙げられる。
【0030】
「アルキルオキシ」とは、上記「アルキル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、へキシルオキシ等が挙げられる。
「アルキルオキシ」の好ましい態様として、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、tert−ブチルオキシが挙げられる。
【0031】
「アルケニルオキシ」とは、上記「アルケニル」が酸素原子に結合した基を意味する。
例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ、2−ヘプテニルオキシ、2−オクテニルオキシ等が挙げられる。
【0032】
「アルキニルオキシ」とは、上記「アルキニル」が酸素原子に結合した基を意味する。
例えば、エチニルオキシ、1−プロピニルオキシ、2−プロピニルオキシ、2−ブチニルオキシ、2−ペンチニルオキシ、2−ヘキシニルオキシ、2−ヘプチニルオキシ、2−オクチニルオキシ等が挙げられる。
【0033】
「ハロアルキル」とは、1以上の上記「ハロゲン」が上記「アルキル」に結合した基を意味する。例えば、モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、モノフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、モノクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,2−ジブロモエチル、1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル等が挙げられる。
「ハロアルキル」の好ましい態様として、トリフルオロメチル、トリクロロメチルが挙げられる。
【0034】
「ハロアルキルオキシ」とは、上記「ハロアルキル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、モノフルオロメトキシ、モノフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリクロロエトキシ等が挙げられる。
「ハロアルキルオキシ」の好ましい態様として、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシが挙げられる。
【0035】
「アルキルオキシアルキル」とは、上記「アルキルオキシ」が上記「アルキル」に結合した基を意味する。例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル等が挙げられる。
【0036】
「アルキルオキシアルキルオキシ」とは、上記「アルキルオキシ」が上記「アルキルオキシ」に結合した基を意味する。例えば、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ等が挙げられる。
【0037】
「アルキルカルボニル」とは、上記「アルキル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、へキシルカルボニル等が挙げられる。
「アルキルカルボニル」の好ましい態様として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニルが挙げられる。
【0038】
「アルケニルカルボニル」とは、上記「アルケニル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルカルボニル、プロペニルカルボニル等が挙げられる。
【0039】
「アルキニルカルボニル」とは、上記「アルキニル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルカルボニル、プロピニルカルボニル等が挙げられる。
【0040】
「モノアルキルアミノ」とは、上記「アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ等が挙げられる。
「モノアルキルアミノ」の好ましい態様として、メチルアミノ、エチルアミノが挙げられる。
【0041】
「ジアルキルアミノ」とは、上記「アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−イソプロピル−N−エチルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ」の好ましい態様として、ジメチルアミノ、ジエチルアミノが挙げられる。
【0042】
「アルキルスルホニル」とは、上記「アルキル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル等が挙げられる。
「アルキルスルホニル」の好ましい態様として、メチルスルホニル、エチルスルホニルが挙げられる。
【0043】
「アルケニルスルホニル」とは、上記「アルケニル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルホニル、プロペニルスルホニル等が挙げられる。
【0044】
「アルキニルスルホニル」とは、上記「アルキニル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルホニル、プロピニルスルホニル等が挙げられる。
【0045】
「モノアルキルカルボニルアミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「モノアルキルカルボニルアミノ」の好ましい態様としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0046】
「ジアルキルカルボニルアミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキルカルボニル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルカルボニルアミノ、ジエチルカルボニルアミノ、N,N−ジイソプロピルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルカルボニルアミノ」の好ましい態様として、ジメチルカルボニルアミノ、ジエチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0047】
「モノアルキルスルホニルアミノ」とは、上記「アルキルスルホニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、tert−ブチルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec−ブチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「モノアルキルスルホニルアミノ」の好ましい態様としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノが挙げられる。
【0048】
「ジアルキルスルホニルアミノ」とは、上記「アルキルスルホニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキルスルホニル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルスルホニルアミノ、ジエチルスルホニルアミノ、N,N−ジイソプロピルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルカルボニルアミノ」の好ましい態様として、ジメチルスルホニルアミノ、ジエチルスルホニルアミノが挙げられる。
【0049】
「アルキルイミノ」とは、上記「アルキル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルイミノ、エチルイミノ、n−プロピルイミノ、イソプロピルイミノ等が挙げられる。
【0050】
「アルケニルイミノ」とは、上記「アルケニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルイミノ、プロペニルイミノ等が挙げられる。
【0051】
「アルキニルイミノ」とは、上記「アルキニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルイミノ、プロピニルイミノ等が挙げられる。
【0052】
「アルキルカルボニルイミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルカルボニルイミノ、エチルカルボニルイミノ、n−プロピルカルボニルイミノ、イソプロピルカルボニルイミノ等が挙げられる。
【0053】
「アルケニルカルボニルイミノ」とは、上記「アルケニルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルカルボニルイミノ、プロペニルカルボニルイミノ等が挙げられる。
【0054】
「アルキニルカルボニルイミノ」とは、上記「アルキニルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルカルボニルイミノ、プロピニルカルボニルイミノ等が挙げられる。
【0055】
「アルキルオキシイミノ」とは、上記「アルキルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ、n−プロピルオキシイミノ、イソプロピルオキシイミノ等が挙げられる。
【0056】
「アルケニルオキシイミノ」とは、上記「アルケニルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルオキシイミノ、プロペニルオキシイミノ等が挙げられる。
【0057】
「アルキニルオキシイミノ」とは、上記「アルキニルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルオキシイミノ、プロピニルオキシイミノ等が挙げられる。
【0058】
「アルキルカルボニルオキシ」とは、上記「アルキルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ等が挙げられる。
「アルキルカルボニルオキシ」の好ましい態様としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシが挙げられる。
【0059】
「アルケニルカルボニルオキシ」とは、上記「アルケニルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチレニルカルボニルオキシ、プロペニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0060】
「アルキニルカルボニルオキシ」とは、上記「アルキニルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチニルカルボニルオキシ、プロピニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0061】
「アルキルスルホニルオキシ」とは、上記「アルキルスルホニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、tert−ブチルスルホニルオキシ、イソブチルスルホニルオキシ、sec−ブチルスルホニルオキシ等が挙げられる。
「アルキルスルホニルオキシ」の好ましい態様としては、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシが挙げられる。
【0062】
「アルケニルスルホニルオキシ」とは、上記「アルケニルスルホニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルホニルオキシ、プロペニルスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0063】
「アルキニルスルホニルオキシ」とは、上記「アルキニルスルホニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルホニルオキシ、プロピニルスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0064】
「アルキルオキシカルボニル」とは、上記「アルキルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、へキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
「アルキルオキシカルボニル」の好ましい態様としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニルが挙げられる。
【0065】
「アルケニルオキシカルボニル」とは、上記「アルケニルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルオキシカルボニル、プロペニルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0066】
「アルキニルオキシカルボニル」とは、上記「アルキニルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0067】
「アルキルスルファニル」とは、上記「アルキル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n−プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル等が挙げられる。
【0068】
「アルケニルスルファニル」とは、上記「アルケニル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルスルファニル、プロペニルスルファニル等が挙げられる。
【0069】
「アルキニルスルファニル」とは、上記「アルキニル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルスルファニル、プロピニルスルファニル等が挙げられる。
【0070】
「アルキルスルフィニル」とは、上記「アルキル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等が挙げられる。
【0071】
「アルケニルスルフィニル」とは、上記「アルケニル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルフィニル、プロペニルスルフィニル等が挙げられる。
【0072】
「アルキニルスルフィニル」とは、上記「アルキニル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルフィニル、プロピニルスルフィニル等が挙げられる。
【0073】
「モノアルキルカルバモイル」とは、上記「アルキル」がカルバモイル基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等が挙げられる。
【0074】
「ジアルキルカルバモイル」とは、上記「アルキル」がカルバモイル基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等が挙げられる。
【0075】
「モノアルキルスルファモイル」とは、上記「アルキル」がスルファモイル基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイルモイル等が挙げられる。
【0076】
「ジアルキルスルファモイル」とは、上記「アルキル」がスルファモイル基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等が挙げられる。
【0077】
「トリアルキルシリル」とは、上記「アルキル」3個がケイ素原子に結合している基を意味する。3個のアルキルは同一でも異なっていてもよい。例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等が挙げられる。
【0078】
「芳香族炭素環アルキル」、「非芳香族炭素環アルキル」、「芳香族複素環アルキル」、および「非芳香族複素環アルキル」、「芳香族炭素環アルキルオキシ」、「非芳香族炭素環アルキルオキシ」、「芳香族複素環アルキルオキシ」、および「非芳香族複素環アルキルオキシ」、
「芳香族炭素環アルキルスルファニル」、「非芳香族炭素環アルキルスルファニル」、「芳香族複素環アルキルスルファニル」、および「非芳香族複素環アルキルスルファニル」、
「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」、「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」、「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」、および「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」、「芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」、「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」、「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」、および「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」、ならびに「芳香族炭素環アルキルアミノ」、「非芳香族炭素環アルキルアミノ」、「芳香族複素環アルキルアミノ」、および「非芳香族複素環アルキルアミノ」のアルキル部分も、上記「アルキル」と同様である。
【0079】
「芳香族炭素環アルキル」またはアラルキルとは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルを意味する。例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピニル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、以下に示される基
【化21】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
「芳香族炭素環アルキル」の好ましい態様としては、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリルが挙げられる。
【0080】
「非芳香族炭素環アルキル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロへキシルメチル、以下に示される基
【化22】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0081】
「芳香族複素環アルキル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「芳香族複素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキル」も包含する。例えば、ピリジルメチル、フラニルメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチオフェニルメチル、オキサゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、イソピラゾリルメチル、ピロリジニルメチル、ベンズオキサゾリルメチル、以下に示される基
【化23】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0082】
「非芳香族複素環アルキル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチル、モルホリニルエチル、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、以下に示される基
【化24】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0083】
「芳香族炭素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピニルオキシ、ベンズヒドリルオキシ、トリチルオキシ、ナフチルメチルオキシ、以下に示される基
【化25】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0084】
「非芳香族炭素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロへキシルメチルオキシ、以下に示される基
【化26】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0085】
「芳香族複素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシ、フラニルメチルオキシ、イミダゾリルメチルオキシ、インドリルメチルオキシ、ベンゾチオフェニルメチルオキシ、オキサゾリルメチルオキシ、イソキサゾリルメチルオキシ、チアゾリルメチルオキシ、イソチアゾリルメチルオキシ、ピラゾリルメチルオキシ、イソピラゾリルメチルオキシ、ピロリジニルメチルオキシ、ベンズオキサゾリルメチルオキシ、以下に示される基
【化27】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0086】
「非芳香族複素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、以下に示される基
【化28】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0087】
「芳香族炭素環アルキルスルファニル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルスルファニルを意味する。例えば、ベンジルスルファニル、フェネチルスルファニル、フェニルプロピニルスルファニル、ベンズヒドリルスルファニル、トリチルスルファニル、ナフチルメチルスルファニル等が挙げられる。
【0088】
「非芳香族炭素環アルキルスルファニル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルスルファニルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルスルファニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルスルファニル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルスルファニル、シクロブチルメチルスルファニル、シクロペンチルメチルスルファニル、シクロへキシルメチルスルファニル等が挙げられる。
【0089】
「芳香族複素環アルキルスルファニル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルスルファニルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルスルファニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルスルファニル」も包含する。例えば、ピリジルメチルスルファニル、フラニルメチルスルファニル、イミダゾリルメチルスルファニル、インドリルメチルスルファニル、ベンゾチオフェニルメチルスルファニル、オキサゾリルメチルスルファニル、イソキサゾリルメチルスルファニル、チアゾリルメチルスルファニル、イソチアゾリルメチルスルファニル、ピラゾリルメチルスルファニル、イソピラゾリルメチルスルファニル、ピロリジニルメチルスルファニル、ベンズオキサゾリルメチルスルファニル等が挙げられる。
【0090】
「非芳香族複素環アルキルスルファニル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルスルファニルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルスルファニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルスルファニル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルスルファニル、モルホリニルエチルスルファニル、ピペリジニルメチルスルファニル、ピペラジニルメチルスルファニル等が挙げられる。
【0091】
「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、フェニルプロピニルオキシカルボニル、ベンゾヒドリルオキシカルボニル、トリチルオキシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニル、以下に示される基
【化29】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0092】
「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルメチルオキシカルボニル、シクロへキシルメチルオキシカルボニル、以下に示される基
【化30】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0093】
「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシカルボニル、フラニルメチルオキシカルボニル、イミダゾリルメチルオキシカルボニル、インドリルメチルオキシカルボニル、ベンゾチオフェニルメチルオキシカルボニル、オキサゾリルメチルオキシカルボニル、イソキサゾリルメチルオキシカルボニル、チアゾリルメチルオキシカルボニル、イソチアゾリルメチルオキシカルボニル、ピラゾリルメチルオキシカルボニル、イソピラゾリルメチルオキシカルボニル、ピロリジニルメチルオキシカルボニル、ベンズオキサゾリルメチルオキシカルボニル、以下に示される基
【化31】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0094】
「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、以下に示される基
【化32】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0095】
「芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。例えば、ベンジルオキシメチル、フェネチルオキシメチル、フェニルプロピニルオキシメチル、ベンゾヒドリルオキシメチル、トリチルオキシメチル、ナフチルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化33】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0096】
「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」は、非芳香族炭素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシメチル、シクロブチルメチルオキシメチル、シクロペンチルメチルオキシメチル、シクロへキシルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化34】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0097】
「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」は、芳香族複素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」および/または「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシメチル、フラニルメチルオキシメチル、イミダゾリルメチルオキシメチル、インドリルメチルオキシメチル、ベンゾチオフェニルメチルオキシメチル、オキサゾリルメチルオキシメチル、イソキサゾリルメチルオキシメチル、チアゾリルメチルオキシメチル、イソチアゾリルメチルオキシメチル、ピラゾリルメチルオキシメチル、イソピラゾリルメチルオキシメチル、ピロリジニルメチルオキシメチル、ベンズオキサゾリルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化35】
[この文献は図面を表示できません]

等が挙げられる。
【0098】
「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシ」は、非芳香族複素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」および/または「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシメチル、モルホリニルエチルオキシメチル、ピペリジニルメチルオキシメチル、ピペラジニルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化36】
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等が挙げられる。
【0099】
「芳香族炭素環アルキルアミノ」とは、上記「芳香族炭素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、フェニルプロピニルアミノ、ベンゾヒドリルアミノ、トリチルアミノ、ナフチルメチルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。
【0100】
「非芳香族炭素環アルキルアミノ」とは、上記「非芳香族炭素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノ、シクロへキシルメチルアミノ等が挙げられる。
【0101】
「芳香族複素環アルキルアミノ」とは、上記「芳香族複素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルメチルアミノ、フラニルメチルアミノ、イミダゾリルメチルアミノ、インドリルメチルアミノ、ベンゾチオフェニルメチルアミノ、オキサゾリルメチルアミノ、イソキサゾリルメチルアミノ、チアゾリルメチルアミノ、イソチアゾリルメチルアミノ、ピラゾリルメチルアミノ、イソピラゾリルメチルアミノ、ピロリジニルメチルアミノ、ベンズオキサゾリルメチルアミノ等が挙げられる。
【0102】
「非芳香族複素環アルキルアミノ」とは、上記「非芳香族複素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルアミノ、モルホリニルエチルアミノ、ピペリジニルメチルアミノ、ピペラジニルメチルアミノ等が挙げられる。
【0103】
「芳香族炭素環オキシ」、「芳香族炭素環アミノ」、「芳香族炭素環カルボニル」、「芳香族炭素環オキシカルボニル」、「芳香族炭素環カルボニルアミノ」、「芳香族炭素環スルファニル」、および「芳香族炭素環スルホニル」の「芳香族炭素環」部分も、上記「芳香族炭素環式基」と同様である。
「芳香族炭素環オキシ」とは、「芳香族炭素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
「芳香族炭素環アミノ」とは、「芳香族炭素環」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ等が挙げられる。
「芳香族炭素環カルボニル」とは、「芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル等が挙げられる。
「芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、上記「芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等が挙げられる。
「芳香族炭素環カルボニルアミノ」とは、上記「芳香族炭素環カルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「芳香族炭素環スルファニル」とは、「芳香族炭素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、フェニルスルファニル、ナフチルスルファニル等が挙げられる。
「芳香族炭素環スルホニル」とは、「芳香族炭素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。
【0104】
「非芳香族炭素環オキシ」、「非芳香族炭素環アミノ」、「非芳香族炭素環カルボニル」、「非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「非芳香族炭素環カルボニルアミノ」、「非芳香族炭素環スルファニル」、および「非芳香族炭素環スルホニル」の「非芳香族炭素環」部分も、上記「非芳香族炭素環式基」と同様である。
「非芳香族炭素環オキシ」とは、「非芳香族炭素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロへキセニルオキシ等が挙げられる。
「非芳香族炭素環アミノ」とは、「非芳香族炭素環」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロへキセニルアミノ等が挙げられる。
「非芳香族炭素環カルボニル」とは、「非芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロへキセニルカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、上記「非芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロへキセニルオキシカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族炭素環カルボニルアミノ」とは、上記「非芳香族炭素環カルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロへキセニルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「非芳香族炭素環スルファニル」とは、「非芳香族炭素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルスルファニル、シクロヘキシルスルファニル、シクロヘキセニルスルファニル等が挙げられる。
「非芳香族炭素環スルホニル」とは、「非芳香族炭素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘキセニルスルホニル等が挙げられる。
【0105】
「芳香族複素環オキシ」、「芳香族複素環アミノ」、「芳香族複素環カルボニル」、「芳香族複素環オキシカルボニル」、「芳香族複素環カルボニルアミノ」、「芳香族複素環スルファニル」、および「芳香族複素環スルホニル」の「芳香族複素環」部分も、上記「芳香族複素環式基」と同様である。
「芳香族複素環オキシ」とは、「芳香族複素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ピリジルオキシ、オキサゾリルオキシ等が挙げられる。
「芳香族複素環アミノ」とは、「芳香族複素環」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルアミノ、オキサゾリルアミノ等が挙げられる。
「芳香族複素環カルボニル」とは、「芳香族複素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルカルボニル、オキサゾリルカルボニル等が挙げられる。
「芳香族複素環オキシカルボニル」とは、上記「芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルオキシカルボニル、オキサゾリルオキシカルボニル等が挙げられる。
「芳香族複素環カルボニルアミノ」とは、上記「芳香族複素環カルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルカルボニルアミノ、オキサゾリルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「芳香族複素環スルファニル」とは、「芳香族複素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルスルファニル、オキサゾリルスルファニル等が挙げられる。
「芳香族複素環スルホニル」とは、「芳香族複素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルスルホニル、オキサゾリルスルホニル等が挙げられる。
【0106】
「非芳香族複素環オキシ」、「非芳香族複素環アミノ」、「非芳香族複素環カルボニル」、「非芳香族複素環オキシカルボニル」、「非芳香族複素環カルボニルアミノ」、「非芳香族複素環スルファニル」、および「非芳香族複素環スルホニル」の「非芳香族複素環」部分も、上記「非芳香族複素環式基」と同様である。
「非芳香族複素環オキシ」とは、「非芳香族複素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルオキシ、テトラヒドロフリルオキシ等が挙げられる。
「非芳香族複素環アミノ」とは、「非芳香族複素環」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、ピペリジニルアミノ、テトラヒドロフリルアミノ等が挙げられる。
「非芳香族複素環カルボニル」とは、「非芳香族複素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族複素環オキシカルボニル」とは、上記「非芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルオキシカルボニル、テトラヒドロフリルオキシカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族複素環カルボニルアミノ」とは、上記「非芳香族複素環カルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個または2個と置き換わった基を意味する。例えば、ピペリジニルカルボニルアミノ、テトラヒドロフリルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「非芳香族複素環スルファニル」とは、「非芳香族複素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ピペリジニルスルファニル、テトラヒドロフリルスルファニル等が挙げられる。
「非芳香族複素環スルホニル」とは、「非芳香族複素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルスルホニル、テトラヒドロフリルスルホニル等が挙げられる。
【0107】
「置換もしくは非置換のアルキル」、「置換もしくは非置換のアルケニル」、「置換もしくは非置換のアルキニル」、「置換もしくは非置換のハロアルキル」、「置換もしくは非置換のアルキルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルケニルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルキニルオキシ」、「置換もしくは非置換のハロアルキルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルキルカルボニル」、「置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル」、「置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル」、「置換もしくは非置換のモノアルキルアミノ」、「置換もしくは非置換のジアルキルアミノ」、「置換もしくは非置換のアルキルスルホニル」、「置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル」、「置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル」、「置換もしくは非置換のモノアルキルカルボニルアミノ」、「置換もしくは非置換のジアルキルカルボニルアミノ」、「置換もしくは非置換のモノアルキルスルホニルアミノ」、「置換もしくは非置換のジアルキルスルホニルアミノ」、「置換もしくは非置換のアルキルイミノ」、「置換もしくは非置換のアルケニルイミノ」、「置換もしくは非置換のアルキニルイミノ」、「置換もしくは非置換のアルキルカルボニルイミノ」、「置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルイミノ」、「置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルイミノ」、「置換もしくは非置換のアルキルオキシイミノ」、「置換もしくは非置換のアルケニルオキシイミノ」、「置換もしくは非置換のアルキニルオキシイミノ」、「置換もしくは非置換のアルキルカルボニルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ」、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルオキシ」、「置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル」、「置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル」、「置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル」、「置換もしくは非置換のアルキルスルファニル」、「置換もしくは非置換のアルケニルスルファニル」、「置換もしくは非置換のアルキニルスルファニル」、「置換もしくは非置換のアルキルスルフィニル」、「置換もしくは非置換のアルケニルスルフィニル」、「置換もしくは非置換のアルキニルスルフィニル」、「置換もしくは非置換のモノアルキルカルバモイル」、「置換もしくは非置換のジアルキルカルバモイル」、「置換もしくは非置換のモノアルキルスルファモイル」、「置換もしくは非置換のジアルキルスルファモイル」、「置換もしくは非置換のアルキレン」、「置換もしくは非置換のアルケニレン」および「置換もしくは非置換のアルキニレン」等の置換基としては、次の置換基が挙げられる。任意の位置の炭素原子が次の置換基から選択される1以上の同一または異なる、好ましくは1〜4個の、より好ましくは1〜3個の基と結合していてもよい。
置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルケニルスルホニルオキシ、アルキニルスルホニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環アミノ、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環アミノ、置換もしくは非置換の芳香族複素環アミノ、置換もしくは非置換の非芳香族複素環アミノ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環カルボニルアミノ、非芳香族炭素環カルボニルアミノ、芳香族複素環カルボニルアミノ、非芳香族複素環カルボニルアミノ、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルスルファニル、非芳香族炭素環アルキルスルファニル、芳香族複素環アルキルスルファニル、非芳香族複素環アルキルスルファニル、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル、および置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル。
【0108】
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環式基」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基」、
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシ」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシ」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ」、
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環アミノ」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環アミノ」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環アミノ」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環アミノ」、
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環カルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環カルボニル」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル」、
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル」、
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルファニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環スルファニル」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル」、ならびに
「置換もしくは非置換の芳香族炭素環スルホニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル」、「置換もしくは非置換の芳香族複素環スルホニル」、および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル」の「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」、「芳香族複素環」、および「非芳香族複素環」の環上、ならびに「炭素環」および「複素環」の環上の置換基としては、次の置換基が挙げられる。環上の任意の位置の原子が次の置換基から選択される1以上の同一または異なる、好ましくは1〜4個の、より好ましくは1〜3個の基と結合していてもよい。
置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アルケニルスルホニルオキシ、アルキニルスルホニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環アミノ、非芳香族炭素環アミノ、芳香族複素環アミノ、非芳香族複素環アミノ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環カルボニルアミノ、非芳香族炭素環カルボニルアミノ、芳香族複素環カルボニルアミノ、非芳香族複素環カルボニルアミノ、芳香族炭素環アルキル、非芳香族炭素環アルキル、芳香族複素環アルキル、非芳香族複素環アルキル、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルスルファニル、非芳香族炭素環アルキルスルファニル、芳香族複素環アルキルスルファニル、非芳香族複素環アルキルスルファニル、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、芳香族複素環アルキルオキシアルキル、非芳香族複素環アルキルオキシアルキル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、芳香族炭素環スルファニル、非芳香族炭素環スルファニル、芳香族複素環スルファニル、非芳香族複素環スルファニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、および非芳香族複素環スルホニル。
【0109】
また、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基」および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基」は「オキソ」で置換されていてもよい。この場合、以下のように炭素原子上の2個の水素原子が置換されている基を意味する。
【化37】
[この文献は図面を表示できません]

さらに、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基」および「置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基」は、以下のようにアルキレン、アルケニレン、もしくはアルキニレンにより架橋、または他の環、例えばシクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン、オキシラン、オキセタン、チイラン等と共にスピロ環が形成されていても良い。
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0110】
上記、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシ」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシ」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環アミノ」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環アミノ」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環カルボニルアミノ」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環カルボニルアミノ」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルファニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル」、「置換もしくは非置換の非芳香族複素環スルホニル」、「置換もしくは非置換の炭素環」および「置換もしくは非置換の複素環」の非芳香族炭素環、および非芳香族複素環部分も上記と同様に「オキソ」で置換されていてもよい。
【0111】
式(I)で示される化合物(以下、化合物(I)とも言う)における好ましい態様を以下に示す。
【化39】
[この文献は図面を表示できません]

環Aは、置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環であり、より好ましくは、置換もしくは非置換の芳香族炭素環、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環であり、他の置換もしくは非置換の芳香族炭素環、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環、置換もしくは非置換の非芳香族複素環もしくはそれらの縮合環に縮合されていてもよく、他の置換もしくは非置換の芳香族炭素環、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環もしくは置換もしくは非置換の非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、および/または環Aを構成する互いに隣接しない2個の原子が置換もしくは非置換のアルキレン、置換もしくは非置換のアルケニレンもしくは置換もしくは非置換のアルキニレンにより架橋されていてもよい。
【0112】
は環Aの構成原子と一緒になって、置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環を形成してもよい。
【0113】
環Aの好ましい態様として、置換もしくは非置換の以下の1)〜4)が挙げられる。
1)5〜12員、好ましくは5〜10員、より好ましくは7〜10員の単環。
2)他の3〜10員の単環または他の8〜18員の縮合環に縮合された5〜10員環。
より好ましくは、他の5〜7員の単環(例:炭素環、複素環)に縮合された5〜7員環(好ましくは、環構成原子としてNまたはS原子を含有する複素環)。

3)他の3〜4員環または5〜10員環と共にスピロ環を形成した5〜10員環。
4)他の3〜10員の単環または他の8〜18員の縮合環に縮合されていてもよい11〜12員環。
【0114】
環Aは、さらに好ましくは、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環、非芳香族複素環もしくはそれらの縮合環に縮合されていてもよく、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環もしくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、および/または環Aを構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレンにより架橋されていてもよい。
環Aは、特に好ましくは、置換されていてもよい5〜7員複素環である。該複素環は好ましくはN原子1〜2個含有し、置換されていてもよいベンゼン環または置換されていてもよい5〜7員複素環と縮合していてもよい。 環Aは、1以上、好ましくは1〜4個のRで置換されていてもよい。ここで、Rは、それぞれ独立して、好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソまたは−X−RA1である。
は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NRA2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRA2−CO−、−CO−NRA2−、−NRA2−CO−O−、−CO−O−NRA2−、−O−CO−NRA2−、−NRA2−O−CO−、−CO−NRA2−O−、−O−NRA2−CO−、−NRA2−CO−NRA3−、−NRA2−SO−または−SO−NRA2−である。Xは、より好ましくは、単結合、−O−、−NRA2−、−CO−、−SO−、または−CO−O−である。RA1は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。但し、Xが単結合の場合は、RA1は水素原子ではない。RA1は、より好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基である。 RA2およびRA3は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニル、より好ましくは、水素原子である。
が−NRA2−、−CO−NRA2−、−CO−O−NRA2−、−O−CO−NRA2−または−SO−NRA2−の場合は、RA1とRA2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、Xが−NRA2−CO−NRA3−の場合は、RA1とRA3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
【0115】
は、それぞれ独立して、より好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルである。これらの置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノが例示される。
【0116】
とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は、好ましくは5〜8員環であり、より好ましくは6〜7員環であり、および/または複素環であり、同一または異なる1以上のRA’で置換されていてもよい。ここで、RA’は、それぞれ独立して、好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XA’−RA’1である。
A’は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NRA’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRA’2−CO−、−CO−NRA’2−、−NRA’2−CO−O−、−CO−O−NRA’2−、−O−CO−NRA’2−、−NRA’2−O−CO−、−CO−NRA’2−O−、−O−NRA’2−CO−、−NRA’2−CO−NRA’3−、−NRA’2−SO−または−SO−NRA’2−である。
A’1は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。(但し、XA’が単結合の場合は、RA’1は水素原子ではない。)
A’2およびRA’3は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである。
A’が−NRA’2−、−CO−NRA’2−、−CO−O−NRA’2−、−O−CO−NRA’2−または−SO−NRA’2−の場合は、RA’1とRA’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、XA’が−NRA’2−CO−NRA’3−の場合は、RA’1とRA’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
【0117】
環Aは、好ましくは、以下に示される環のいずれかである。
【化40】
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環B、環Cおよび環Dは、それぞれ独立して、単環の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、好ましくは6〜12員、より好ましくは6〜8員環であり、他の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環もしくは非芳香族複素環と共にスピロ環を形成していてもよく、および/または各環を構成する互いに隣接しない2個の原子がアルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレンにより架橋されていてもよい。
【0118】
環Bは、他の3〜4員環または5〜10員環と共にスピロ環を形成していてもよい5〜10員環が好ましく、より好ましくは複素環、特に含窒素複素環である。また環Bは11〜12員環も好ましい。
環Aが式(I’a)で示される環である場合、環Bは7〜10員環がより好ましい。
環Aが式(I’b)で示される環である場合、環Bは6〜8員の複素環が好ましい。
【0119】
環Bは、1〜3本の二重結合を含むのが好ましく、より好ましくは、以下に示される環である。スピロ環の場合は、環B−環Eに相当する。
【化41】
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【0120】
【化42】
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【化43-1】
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上記式中、好ましくは、いずれかの2重結合部分が化合物(I)の母核ベンゼン環との縮合部位である。
【0121】
環Cは、好ましくは3〜10員環、より好ましく5〜8員環、さらに好ましくは5〜6員環である。
【0122】
環Cは、好ましくは、チオフェン、チオラン、フラン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、イミダゾール、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリジン、ピラゾリン、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、オキサゾリン、オキサジアゾール、イソキサゾール、チアゾール、チアゾリジン、チアジアゾール、イソチアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジンまたはシクロアルケンであり、より好ましくは、チオフェン、フラン、ピロリジン、トリアゾール、テトラゾール、イソキサゾール、ベンゼン、ピリジンまたはシクロヘキセンである。
【0123】
環Cは、チアジアゾリジンおよびテトラヒドロピリジンも好ましい。
【0124】
環Dは、好ましくは3〜10員環、より好ましく5〜8員環、さらに好ましくは5〜6員環である。
【0125】
環Dは、好ましくは、チオフェン、チオラン、フラン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、イミダゾール、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリジン、ピラゾリン、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、オキサゾリジン、オキサゾリン、オキサジアゾール、イソキサゾール、チアゾール、チアゾリジン、チアジアゾール、イソチアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、シクロアルカンまたはシクロアルケンであり、より好ましくは、チオフェン、イソキサゾールまたはベンゼンである。
【0126】
は、それぞれ独立して、好ましくは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RB1である。
は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NRB2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB2−CO−、−CO−NRB2−、−NRB2−CO−O−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−、−NRB2−O−CO−、−CO−NRB2−O−、−O−NRB2−CO−、−NRB2−CO−NRB3−、−NRB2−SO−または−SO−NRB2−である。
B1は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。(但し、Xが単結合の場合は、RB1は水素原子ではない。)
B2およびRB3は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである。
は、−NRB2−、−CO−NRB2−、−CO−O−NRB2−、−O−CO−NRB2−または−SO−NRB2−の場合は、RB1とRB2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、Xが−NRB2−CO−NRB3−の場合は、RB1とRB3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
【0127】
は、それぞれ独立して、より好ましくは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニル、置換もしくは非置換のアルキニルスルホニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環式基アルキルまたは置換スルホニルである。Rはさらに好ましくは、水素、ハロゲン、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換のベンジル、置換もしくは非置換の複素環式基、または置換もしくは非置換の複素環式基アルキルであり、特に好ましくは、水素、オキソ、イミノ、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のベンジルである。Rは最も好ましくは、水素、オキソ、イミノ、ハロゲンまたはそれぞれ置換もしくは非置換の、メチル、メトキシ、ベンジル、フェネチル、ベンジルオキシカルボニルまたはメチルスルホニルである。置換もしくは非置換の置換基は好ましくは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、フェニル、またはハロゲン化フェニルである。
【0128】
は、ヒドロキシまたは非芳香族炭素環式基もさらに好ましい。該非芳香族炭素環式基としては、シクロアルキルが好ましく、シクロヘキシルがより好ましい。
【0129】
環Bが含窒素複素環である場合、環Bを構成する窒素原子に隣接するいずれかの炭素原子または硫黄原子に結合するRの好ましい態様の一つは、以下のようにオキソである。
【化44】
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環Bが複素環である場合の別の好ましい態様の一つは、以下である。
【化45-1】
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(式中、Rはアルキル等)
【0130】
pの態様として、以下の1)および2)が挙げられる。
1)pが1以上である。
2)pが0である。
pは、好ましくは、0〜12のいずれかの整数であり、より好ましくは、0〜6のいずれかの整数であり、さらに好ましくは、0〜3のいずれかの整数である。
【0131】
とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよく、該環は同一または異なる1以上のRB’で置換されていてもよい。該環は、より好ましくは、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、さらに好ましくは、非芳香族複素環であり、特に好ましくは、ジヒドロピリジンまたはテトラヒドロピリジンであり、最も好ましくは、
【化46】
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である。該環は非置換が好ましい。
【0132】
B’は、それぞれ独立してRと同じ基が例示されるが、好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−XB’−RB’1である。
B’は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NRB’2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRB’2−CO−、−CO−NRB’2−、−NRB’2−CO−O−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−、−NRB’2−O−CO−、−CO−NRB’2−O−、−O−NRB’2−CO−、−NRB’2−CO−NRB’3−、−NRB’2−SO−または−SO−NRB’2−である。
B’1は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。(但し、XB’が単結合の場合は、RB’1は水素原子ではない。)
B’2およびRB’3は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり。
B’は、−NRB’2−、−CO−NRB’2−、−CO−O−NRB’2−、−O−CO−NRB’2−または−SO−NRB’2−の場合は、RB’1とRB’2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、XB’が−NRB’2−CO−NRB’3−の場合は、RB’1とRB’3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
【0133】
sは、好ましくは0〜11のいずれかの整数であり、より好ましくは0〜6のいずれかの整数であり、さらに好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
【0134】
は、それぞれ独立してRと同じ基が例示されるが、好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RC1である。
は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NRC2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRC2−CO−、−CO−NRC2−、−NRC2−CO−O−、−CO−O−NRC2−、−O−CO−NRC2−、−NRC2−O−CO−、−CO−NRC2−O−、−O−NRC2−CO−、−NRC2−CO−NRC3−、−NRC2−SO−または−SO−NRC2−である。
C1は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。(但し、Xが単結合の場合は、RC1は水素原子ではない。)
C2およびRC3は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである。
は、−NRC2−、−CO−NRC2−、−CO−O−NRC2−、−O−CO−NRC2−または−SO−NRC2−の場合は、RC1とRC2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、Xが−NRC2−CO−NRC3−の場合は、RC1とRC3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
【0135】
は、それぞれ独立して、より好ましくは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルであり、さらに好ましくは、水素、ハロゲン、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のアルキルスルホニルであり、特に好ましくは、ハロゲン、オキソ、アミノまたは置換もしくは非置換のアルキルであり、最も好ましくは、フルオロ、オキソ、アミノ、メチルまたはトリフルオロメチルである。置換もしくは非置換の置換基は好ましくは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、フェニル、ハロゲン化フェニルである。
【0136】
は、ニトロ、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基または非芳香族複素環式基もより好ましく、ニトロ、非芳香族炭素環式基または芳香族複素環式基がさらに好ましい。該非芳香族炭素環式基としては、シクロアルキルが好ましく、シクロヘキシルがより好ましい。該芳香族複素環式基としては、ピリジルが好ましい。
【0137】
qの態様として、以下の1)および2)が挙げられる。
1)qが1以上である。
2)qが0である。
qは、好ましくは、0〜12のいずれかの整数であり、より好ましくは、0〜6のいずれかの整数であり、さらに好ましくは、0または1である。
【0138】
とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよい。該環は、好ましくは5〜10員、より好ましくは5〜8員環であり、さらに同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい。
【0139】
は、それぞれ独立してRと同じ基が例示されるが、好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、アジド、トリメチルシリルまたは−X−RD1である。
は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NRD2−、=N−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NRD2−CO−、−CO−NRD2−、−NRD2−CO−O−、−CO−O−NRD2−、−O−CO−NRD2−、−NRD2−O−CO−、−CO−NRD2−O−、−O−NRD2−CO−、−NRD2−CO−NRD3−、−NRD2−SO−または−SO−NRD2−である。
D1は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。(但し、Xが単結合の場合は、RD1は水素原子ではない。)
D2およびRD3は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである。
は、−NRD2−、−CO−NRD2−、−CO−O−NRD2−、−O−CO−NRD2−または−SO−NRD2−の場合は、RD1とRD2が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、Xが−NRD2−CO−NRD3−の場合は、RD1とRD3が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
【0140】
は、それぞれ独立して、より好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルカルボニル、置換もしくは非置換のアルケニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキニルカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルホニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルホニルであり、さらに好ましくは、ハロゲン、オキソ、アミノ、イミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のアルキルスルホニルであり、特に好ましくは、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、最も好ましくは、メチルまたはメチルオキシである。置換もしくは非置換の置換基は好ましくは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、またはフェニルである。
【0141】
rの態様として、以下の1)および2)が挙げられる。
1)rが1以上である。
2)rが0である。
rは、好ましくは、0〜12のいずれかの整数であり、より好ましくは、0〜6のいずれかの整数であり、さらに好ましくは、0または1である。
【0142】
とRは、隣接する原子と一緒になって、芳香族炭素環、非芳香族炭素環、芳香族複素環または非芳香族複素環を形成してもよい。該環は、さらに同一または異なる1以上のRで置換されていてもよい。
【0143】
式(I’a)における環Bは、さらに好ましくは、以下に示される環である。スピロ環の場合は、環B−環Eに相当する。
【化47】
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【化48-1】
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【0144】
【化49】
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【0145】
式(I’b)における環B−環Cは、好ましくは、以下に示される環である。
【化50】
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環B−環Cは、より好ましくは、以下に示される環である。
【化51-1】
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【0146】
【化52】
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【化53-1】
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(式中、各記号は前記の通り)

上記式中、“(−CH−)m’’部分は、R等で示される置換基、好ましくはアルキルで置換されていてもよい
【0147】
式(I’c)における環B−環C−環Dは、好ましくは、前記の好ましい環B−環Cに環Dが結合したものであり、より好ましくは以下に示される環である。
【化54】
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【化55-1】
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環Eは、環Cと同意義であるが、好ましくは炭素環、より好ましくは3〜10員の炭素環、さらに好ましくは3〜8員の炭素環、特に非芳香族炭素環、好ましくは飽和炭素環である。
【0148】
は、比較的小さい基が好ましく、より好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロまたは−X1−R11である。
1は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NR12−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR12−CO−、−CO−NR12−、−NR12−CO−O−、−NR12−CO−NR13−、−NR12−SO−または−SO−NR12−である。
11は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。
12およびR13は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルであり。
1が−NR12−、−CO−NR12−または−SO−NR12−の場合は、R11とR12が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、X1が−NR12−CO−NR13−の場合は、R11とR13が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
は、より好ましくは、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルであり、さらに好ましくは、置換もしくは非置換のアルキルであり、特に好ましくは、炭素数1〜4のアルキルであり、最も好ましくは、メチルである。
【0149】
は、それぞれ独立して、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のシクロアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルファニルであり、より好ましくは、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、または置換もしくは非置換のアルキニルオキシであり、さらに好ましくは、置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、特に好ましくは、炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキルオキシであり、最も好ましくは、tert−ブチルオキシである。該置換基としては、メチル、エチル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノが例示される。シクロアルキルオキシ上の置換基として好ましくはメチルである。
【0150】
nは、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
nが1の場合、Rは好ましくは以下の立体構造をとる。
【化55-2】
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【0151】
は、好ましくは環状の基であり、具体的には置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基またはスペーサー(メチレン、エチレン、ヘテロ原子(例:O、S))を介して結合したこれらの環式基であり、より好ましくは、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のベンゾフリル、置換もしくは非置換のベンゾジオキソリル、置換もしくは非置換のベンゾジオキサニル、置換もしくは非置換のジヒドロベンゾフリル、置換もしくは非置換のクロマニル、置換もしくは非置換のベンゾモルホリニル、または置換もしくは非置換の5〜7員のN含有飽和複素環式基である。好ましくは置換されていてもよい、5〜7員環である。さらに好ましくは置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のクロマニルである。また各環は、1または2個の置換されていてもよい炭素環(好ましくは5〜7員環、例:ベンゼン環)および/または置換されていてもよい複素環(好ましくは5〜7員環、例:ピラン環)と縮合している場合も含む。5〜7員のN含有飽和複素環式基としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノが例示され、好ましくは母核のベンゼン環とN位で結合する。また該N含有飽和複素環式基は、1〜3個の同一または異なるR31で置換されていてもよく、また5〜7員の縮合環または3〜7員のスピロ環を形成していてもよい。
【0152】
が、置換もしくは非置換のベンゼンが縮合した置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である場合、該芳香族複素環式基または非芳香族複素環式基は、少なくとも酸素原子を1個含有するのが好ましい。
【0153】
が置換基を有する場合、好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、オキソ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルオキシアルキル、ハロアルキルオキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、またはアルキニルスルファニルであり、より好ましい置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、またはヒドロキシであり、さらに好ましい置換基は、アルキル(例:メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり、特に好ましい置換基は、メチルである。
【0154】
は、具体的には、以下の構造が好ましい。
【化56】
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ここで、R31、R32、R33、R34およびR35は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシハロアルキル、ハロアルキルオキシ、カルボキシ、カルバモイル、またはアルキルアミノであり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルまたはアルキルオキシであり、さらに好ましくは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、アミノ、メチル、エチルまたはメチルオキシであり、特に好ましくは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メチルまたはエチルである。
が縮合環を形成している形態として、R31とR32、R32とR33、R33とR34ならびにR34とR35は、それぞれ独立して、隣接する原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族炭素環、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環または置換もしくは非置換の非芳香族複素環を形成していても良い。
該環は、好ましくは5〜8員、より好ましくは5員または6員であり、6員がより好ましい。該環は、架橋式環でもよい。置換もしくは非置換の置換基は好ましくは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイルまたはフェニルであり、より好ましくは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ヒドロキシおよび/またはオキソであり、さらに好ましくは、メチル、エチル、F,Br,アミノ、ヒドロキシ等である。
【0155】
は、特に好ましくは、1〜2個の炭素環または複素環(例:5〜7員環)と縮合していてもよいフェニルであり、より好ましくは以下に例示される基である。該炭素環、複素環および/またはフェニル上には同一または異なる1〜3個の置換基(例:ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルキル、ハロゲン化アルキル、オキソおよびアルキルオキシ)が存在していてもよい。、
【化57】
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【化58-1】
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の好ましい例は、以下である。
【化58-2】
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【化58-3】
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化合物(I)の異性体の一態様としては、Rの環の向きによって特定される立体異性体を包含するが、本発明はそれらのすべての異性体およびラセミ体を包含する。
【0156】
は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基、または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、最も好ましくは、水素原子である。Rが水素以外の化合物であって水素に変換される化合物は、合成中間体としても有用である。
【0157】
は、比較的小さい基が好ましく、より好ましくは、ハロゲン、シアノ、ニトロまたは−X6−R61である。
6は、好ましくは、単結合、−O−、−S−、−NR62−、−CO−、−SO−、−O−CO−、−CO−O−、−NR62−CO−、−CO−NR62−、−NR62−CO−O−、−NR62−CO−NR63−、−NR62−SO−または−SO−NR62−であり、より好ましくは単結合である。
61は、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基である。
62およびR63は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルである。
6が−NR62−、−CO−NR62−または−SO−NR62−の場合は、R61とR62が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良く、X6が−NR62−CO−NR63−の場合は、R61とR63が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基を形成しても良い。
は、より好ましくは、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニルであり、さらに好ましくは、置換もしくは非置換のアルキルであり、特に好ましくは、炭素数1〜4のアルキルであり、最も好ましくは、メチルである。
【0158】
式(I)で示される化合物は、以下の式(I’’a)、式(I’’b)および式(I’’c)で示される化合物を包含する。
【化59】
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【化60】
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【化61】
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環B’としては、環Bと同様の基が例示されるが、好ましくはベンゼン環または5〜7員の複素環である。該複素環は好ましくは、N、S、および/またはO原子を合計1〜4個、より好ましくは1〜2個含有する。環B’上の置換基としては、環Bの場合と同様の基が例示される。
【0159】
式(I’’a)における環B−環B’は、好ましくは、以下に示される環である。
【化62】
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【0160】
式(I’’b)における環C−環B−環B’は、好ましくは、以下に示される環である。
【化63】
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【0161】
環Aは好ましくは、置換もしくは非置換の、以下の環である。
【化64】
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式中、環Bおよび環Cは、それぞれ独立して5〜10員であり、YおよびZは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子または硫黄原子であり、該炭素原子または硫黄原子はアルキルやオキソ等で置換されていてもよい。
式(IIa)および式(IIc)における環Cは、芳香族炭素環または5〜7員の複素環が好ましい。
式(IId)において、環Bは、構成するZの位置において他の3〜10員環、好ましくは3〜7員炭素環と共にスピロ環を形成しているのが好ましい。
式(IIe)において、環Bを構成する窒素原子に結合するRは、−X−RB1が好ましく、該Xは−CO−または−SO−が好ましい。RB1は、好ましくはアルキル、シクロアルキル、置換または非置換アラルキル(置換基の例:アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ)である。
【0162】
式(I)で示される化合物の好ましい態様として、以下の1)〜48)が挙げられる。
【化65】
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【化66】
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1)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが1以上である化合物。
2)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが1以上である化合物。
3)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが1以上である化合物。
4)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが1以上である化合物。
5)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよび/またはqが1以上である化合物。
6)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよび/またはqが1以上である化合物。
7)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよび/またはqが1以上である化合物。
8)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよび/またはqが1以上である化合物。
9)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよび/またはrが1以上である化合物。
10)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよび/またはrが1以上である化合物。
11)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよび/またはrが1以上である化合物。
12)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよび/またはrが1以上である化合物。
【0163】
13)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが0である化合物。
14)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが0である化合物。
15)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが0である化合物。
16)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’a)で示される環であり、pが0である化合物。
17)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよびqが0である化合物。
18)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよびqが0である化合物。
19)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよびqが0である化合物。
20)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’b)で示される環であり、pおよびqが0である化合物。
21)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよびrが0である化合物。
22)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよびrが0である化合物。
23)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよびrが0である化合物。
24)Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、環Aが式(I’c)で示される環であり、p、qおよびrが0である化合物。
【0164】
【化67】
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【化68】
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【化69】
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25)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが1以上である、式(I’’a)で示される化合物。
26)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが1以上である、式(I’’a)で示される化合物。
27)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが1以上である、式(I’’a)で示される化合物。
28)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが1以上である、式(I’’a)で示される化合物。
29)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよび/またはqが1以上である、式(I’’b)で示される化合物。
30)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよび/またはqが1以上である、式(I’’b)で示される化合物。
31)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよび/またはqが1以上である、式(I’’b)で示される化合物。
32)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよび/またはqが1以上である、式(I’’b)で示される化合物。
33)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよび/またはrが1以上である、式(I’’c)で示される化合物。
34)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよび/またはrが1以上である、式(I’’c)で示される化合物。
35)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよび/またはrが1以上である、式(I’’c)で示される化合物。
36)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよび/またはrが1以上である、式(I’’c)で示される化合物。
【0165】
37)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが0である、式(I’’a)で示される化合物。
38)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが0である、式(I’’a)で示される化合物。
39)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが0である、式(I’’a)で示される化合物。
40)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pが0である、式(I’’a)で示される化合物。
41)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよびqが0である、式(I’’b)で示される化合物。
42)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよびqが0である、式(I’’b)で示される化合物。
43)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよびqが0である、式(I’’b)で示される化合物。
44)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、pおよびqが0である、式(I’’b)で示される化合物。
45)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよびrが0である、式(I’’c)で示される化合物。
46)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよびrが0である、式(I’’c)で示される化合物。
47)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよびrが0である、式(I’’c)で示される化合物。
48)Rが置換もしくは非置換のアルキルオキシであり、nが1であり、Rが置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基であり、Rが水素原子であり、Rが置換もしくは非置換のアルキルであり、p、qおよびrが0である、式(I’’c)で示される化合物。
【0166】
環Bの好ましい態様として、以下のB1)〜B8)が挙げられる。
B1)pが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである芳香族複素環。
B2)pが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである非芳香族複素環。
B3)pが1以上であり、Rのうち1個がオキソである芳香族複素環。
B4)pが1以上であり、Rのうち1個がオキソである非芳香族複素環。
B5)他の環と共にスピロ環を形成した芳香族複素環。
B6)他の環と共にスピロ環を形成した非芳香族複素環。
B7)pが0である芳香族複素環。
B8)pが0である非芳香族複素環。
【0167】
環Cの好ましい態様として、以下のC1)〜C12)が挙げられる。
C1)qが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである芳香族炭素環。
C2)qが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである非芳香族炭素環。
C3)qが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである芳香族複素環。
C4)qが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである非芳香族複素環。
C5)qが1以上であり、Rのうち1個がハロゲンである芳香族炭素環。
C6)qが1以上であり、Rのうち1個がハロゲンである非芳香族炭素環。
C7)qが1以上であり、Rのうち1個がハロゲンである芳香族複素環。
C8)qが1以上であり、Rのうち1個がハロゲンである非芳香族複素環。
C9)qが0である芳香族炭素環。
C10)qが0である非芳香族炭素環。
C11)qが0である芳香族複素環。
C12)qが0である非芳香族複素環。
【0168】
環Dの好ましい態様として、以下のD1)〜D8)が挙げられる。
D1)rが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである芳香族炭素環。
D2)rが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである非芳香族炭素環。
D3)rが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである芳香族複素環。
D4)rが1以上であり、Rのうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである非芳香族複素環。
D5)rが0である芳香族炭素環。
D6)rが0である非芳香族炭素環。
D7)rが0である芳香族複素環。
D8)rが0である非芳香族複素環。
【0169】
環B’の好ましい態様として、以下のB1)〜B8)が挙げられる。
B’1)sが1以上であり、RB’のうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである芳香族複素環。
B’2)sが1以上であり、RB’のうち1個が置換もしくは非置換のアルキルである非芳香族複素環。
B’3)sが1以上であり、RB’のうち1個がオキソである芳香族複素環。
B’4)sが1以上であり、RB’のうち1個がオキソである非芳香族複素環。
B’5)他の環と共にスピロ環を形成した芳香族複素環。
B’6)他の環と共にスピロ環を形成した非芳香族複素環。
B’7)sが0である芳香族複素環。
B’8)sが0である非芳香族複素環。
【0170】
式(I)で示される化合物は、前述の、1)〜48)のいずれか、B1)〜B8)のいずれか、C1)〜C12)のいずれか、D1)〜D8)のいずれか、およびB’1)〜B’8)のいずれかからなる、任意の組み合わせを取りうる。
【0171】
環Aが式(I’c)で示される環は、前述の、B1)〜B8)のいずれかおよびC1)〜C12)のいずれかからなる、任意の組み合わせを取りうる。
【0172】
環Aが式(I’d)で示される環は、前述の、B1)〜B8)のいずれか、C1)〜C12)のいずれかおよびD1)〜D8)のいずれかからなる、任意の組み合わせを取りうる。
【0173】
式(I)で示される化合物のその他の好ましい態様として、前述の1)〜24)において、Rが水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルに置き換わっている化合物が挙げられる。
【0174】
また、式(I)で示される化合物のその他の好ましい態様として、前述の1)〜48)において、Rが置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアルケニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキニルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアルケニルスルファニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルスルファニルに置き換わっている化合物が挙げられる。
【0175】
また、式(I)で示される化合物のその他の好ましい態様として、前述の1)〜48)において、Rが水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニルに置き換わっている化合物が挙げられる。

化合物(I)は、より好ましくは、前記の式(I−0)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、または(I−5)で示される化合物であり、さらに好ましくは、式(I−1)、(I−2)、または(I−3)で示される化合物である(式中、各記号は広義には化合物(I)の場合に準じ、好ましくは化合物(I−0)の場合に準ずる)。これらの化合物は、以下に例示される。

【化70-1】
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【化70-2】
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上記の各式中、各記号は前記の通りであるが、好ましい態様は以下の通りである。

は、アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル;
は、アルキルオキシ、好ましくはC1〜C6アルキルオキシ、または置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、好ましくはメチルで置換されていてもよいC3〜C7シクロアルキルオキシ;
は、置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換の5〜7員の複素環、またはそれらの縮合環(縮合する環は、好ましくは1〜2個の、ベンゼン環および/または5〜7員の複素環)。R上の置換基は前記の通り;
は、アルキル;

環C、環D、および環B’は、それぞれ独立して、単環の、芳香族炭素環(例:ベンゼン環)、非芳香族炭素環(例:シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセン、シクロヘプテン)、芳香族複素環または非芳香族複素環であり、好ましくは5〜8員環;
環Eは、架橋されていてもよい炭素環、より好ましくはC3〜C8、さらに好ましくはC5〜8員の炭素環;

、R、RB’およびRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、イミノ、置換もしくは非置換のアミノ(置換基の例:アルキル)、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ(置換基の例:ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、フェニル)、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルアルキル、ホルミル、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル;置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環式基アルキル(好ましい置換基の例:アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン)、または置換スルホニル(好ましい置換基の例:アルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル)であり、より好ましくはハロゲン、オキソ、アミノ、置換もしくは非置換のアルキル、または置換もしくは非置換のアルコキシである。

は特にアルキル(例:メチル)が好ましい。

は特に水素、オキソ、イミノ、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルコキシ、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のベンジルである。Rは最も好ましくは、水素、オキソ、イミノ、ハロゲンまたはそれぞれ置換もしくは非置換の、メチル、メトキシ、ベンジル、フェネチル、ベンジルオキシカルボニルまたはメチルスルホニルである。置換もしくは非置換の置換基は好ましくは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、フェニル、またはハロゲン化フェニルである。

B’’およびRB’’’は、それぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ホルミル、アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換の複素環式基、置換もしくは非置換の複素環式基アルキル(各環上の好ましい置換基の例:アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ)および置換スルホニル(好ましい置換基の例:アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、アルキルフェニル)からなる群から選択される基;
破線は結合の存在または非存在を示す;

tは、0〜12、好ましくは0〜4、さらに好ましくは0〜2の整数;
q、r、s、kおよびmは、それぞれ独立して0〜4、好ましくは0〜2の整数。mは特に1が好ましい。

,B環、B’環、C環、D環、およびE環上の各置換基の改変は、本化合物の主活性向上のみならず代謝改善や副作用軽減等にも有効である。

本発明は、特に好ましくは化合物(I−2)を提供する。
【化70-3】
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化合物(I−2)において、環Bは好ましくは、5〜7員の複素環であり、環構成原子は、より好ましくは少なくともN原子および/またはS原子を含有する。より好ましくは、環Bは−N(SO)−、−N=CR−、または−N(RB’’)SO−で示される部分構造を含有する。
環Cは好ましくはベンゼン環または5〜7員の複素環(例:ピリジン環)である。
およびRは、それぞれ独立して好ましくは、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ、オキソ、カルボキシ、および置換もしくは非置換のアミノ(置換基の例:アルキル)からなる群から選択される。Rは特に、−SO−アルキル、アルキル(例:メチル)が好ましい。Rは特に、1または2個のアルキル(例:メチル)、アルコキシ(例:メトキシ)および/またはハロゲン(例:F)が好ましい。pおよびqはそれぞれ好ましくは、1または2である。
またRおよびRは、一緒になって置換もしくは非置換の5〜10員、好ましくは6〜8員の、炭素環もしくは複素環を形成していてもよい。置換もしくは非置換の置換基は好ましくは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、フェニル、またはハロゲン化フェニルである。

化合物(I−2)は、より好ましくは、上記化合物(I−2−1)、(I−2−2)、(I−2−3)、(I−2−4)、(I−2−5)、(I−2−6)または(I−2−7)であり、特に好ましくは、化合物(I−2−1)、(I−2−2)または(I−2−3)である。化合物(I−2−1)は、好ましくは、化合物(I−2−1−1)〜(I−2−1−9)および(I−2−1−2‘)〜(I−2−1−9‘)である。特に好ましくは、化合物(I−2−1−1)〜(I−2−1−5)である。これらの化合物においても、RおよびRの好ましい態様は上記の通りである。
さらに、化合物(I)のRは、好ましくは以下に例示されるいずれかの基であり、該基はそれぞれ独立して、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン化アルキル、オキソ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノおよびシアノからなる群から選択される、同一または異なる1〜4個の基で置換されていてもよい。
【化70-4】
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【0176】
本発明化合物の特徴は、式(I)において、
(1)主骨格であるベンゼン環上に、少なくとも一つの環式基(R)が置換しており、
(2)同ベンゼン環は、他の環(A)と縮合しており、
(3)同ベンゼン環上に、−C(RCOORで(n=1、2)示される側鎖を有することにより、
HIV複製阻害作用を有する点である。
【0177】
本発明化合物の別の特徴は、式(I)のRとして、好ましくは置換もしくは非置換のアルキルオキシまたはシクロアルキルオキシが導入され、および/またはRが水素原子であることにより、高いHIV複製阻害作用を有する点である。
環Aの好ましい態様の一つとして、1)環Aは7員以上であり、2)環Aは水素以外の置換基を有し、および/または3)環Aは他の環との縮合環である。
環Aが6員環の場合、好ましくは、他の環、好ましくはベンゼン環または5〜7員複素環と縮合し、さらに好ましくは、環Aまたは該縮合環上に置換基が存在する。
これらの構造的特徴によって、本発明化合物は、HIV複製阻害作用、各種の体内動態、および/または医薬品としての安全性等が顕著に改善されている。さらには、環AとRと好ましい組合せによって、これらのプロフィールが顕著に改善されている。
また化合物(I)で、Rが水素以外、好ましくはアルキルである化合物は、HIV複製阻害剤の中間体としても有用である。
【0178】
式(I)で示される化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。これらの異性体は、多くの場合、例えば光学分割、晶析、クロマト分離等により容易に分離可能であるが、便宜上、同一の平面構造式で表示される場合もある。またクロマト分離の場合には、ピーク時間(RT)で区別可能である。
【0179】
式(I)で示される化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。式(I)で示される化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、式(I)で示される化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
【0180】
式(I)で示される化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)で示されるトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、文書Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds (Part A),Chapter 6 (1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
【0181】
式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
【0182】
本発明の式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)で示される化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。
【0183】
本発明の式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解等を受けて式(I)で示される化合物に変換される化合物、胃酸等により加水分解されて式(I)で示される化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
【0184】
式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩がヒドロキシル基を有する場合は、例えば、ヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライド、適当な酸無水物、適当なスルホニルクロライド、適当なスルホニルアンハイドライドおよびミックスドアンハイドライドとを反応させることにより或いは縮合剤を用いて反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体やスルホニルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。例えば、CHCOO−、CCOO−、t−BuCOO−、C1531COO−、PhCOO−、(m−NaOOCPh)COO−、NaOOCCHCHCOO−、CHCH(NH)COO−、CHN(CHCOO−、CHSO−、CHCHSO−、CFSO−、CHFSO−、CFCHSO−、p−CH−O−PhSO−、PhSO−、p−CHPhSO−が挙げられる。
【0185】
(本発明化合物の製造法)
本発明化合物は、例えば、下記に示す一般的合成法によって製造することができる。また、抽出、精製等は、通常の有機化学の実験で行う処理を行えばよい。
本発明化合物の合成は、当該分野において公知の手法を参酌しながら実施することができる。本発明は、以下の一般的合成法における中間体および最終化合物も提供する。各化合物における置換基等の種類、好ましい態様は、前記の通りである。
なお、下記に示す一般的合成法において、Rおよび/またはRは水素でもよい。
【0186】
1)化合物A−1およびA−2の合成
【化71】
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(式中、R、R、R、RおよびRは前記と同意義。R2’は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニルまたは置換もしくは非置換のアルキニル。Lはハロゲン等の脱離基。)

第1工程
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリルやDMF等の溶媒中において、化合物a1に、臭素やNBS、NCS、NIS等のハロゲン化試薬を加え、Lがブロモの場合、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによって合成することができる。Lがクロロまたはヨードの場合、10℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応することによって、化合物a2を得ることができる。

第2工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフランやトルエン等の溶媒中において、化合物a2に、塩基としてトリエチルアミン、N−メチルモルホリンやN,N−ジイソプロピルエチルアミン等を加えた後、トリホスゲンを加え、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによって、またはアセトニトリル、DMFやDMA等の溶媒中において、カルボニルイミダゾールを加え、−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによっても、反応中間体であるイソシアネートを得ることができる。得られたイソシアネートは単離せずに、反応液中に市販もしくは公知の方法によって合成したアミンを加え、−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜12時間反応することによって、化合物a3を得ることができる。

第3工程
トルエン、キシレン、DMFやDMA等の溶媒中において、化合物a3に、2,6−ルチジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンやジアザビシクロウンデセン等の塩基とヨウ化銅(I)を加え、封管中において、30℃〜250℃、好ましくは80℃〜200℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによって、化合物A−1を得ることができる。

第4工程
メタノール、エタノール、テトラヒドロフランやDMSO等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中において、化合物A−1に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムや水酸化リチウム等を加え,0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、化合物A−2を得ることができる。
または、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、化合物A−1に、5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウム、二酸化白金等の触媒を加え、水素雰囲気下、1〜10気圧、好ましくは1〜3気圧下で、0℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物A−2を得ることができる。
【0187】
ここで、化合物a1は、以下の方法で合成することができる。
【化72】
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(式中、R、R2’、R、RおよびRは前記と同意義。Lは置換もしくは非置換のアルキル。Lはハロゲン等の脱離基。)

第5工程
市販もしくは公知の方法によって合成した化合物a1−1を、濃硫酸または酢酸等の溶媒中において、硝酸または発煙硝酸等を氷冷下にて加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜25℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることにより、ニトロ化合物を得ることができる。この化合物を塩化チオニル及びオキシ塩化りん等の溶媒中において、20℃〜120℃、好ましくは80℃〜100℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させ、溶媒を減圧濃縮することにより、粗酸塩化物を得ることができる。引き続き、LOH溶媒中において、20℃〜120℃、好ましくは50℃〜80℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることにより、化合物a1−2を得ることができる。

第6工程
化合物a1−2とR-Lとのカップリング反応により、化合物a1−3を得ることができる。Lは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛などが例示される。該反応としては、鈴木クロスカップリング、Ullmannクロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。
ジオキサン、DMF、DME、THF、水等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物a1−2にPd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム等の塩基と、市販もしくは公知の方法によって合成したボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物a1−3を得ることができる。

第7工程
塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、化合物a1−3に水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液または水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン溶液を加え、−100℃〜50℃、好ましくは−60℃〜0℃で、0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜3時間反応させ還元することにより、化合物a1−4を得ることができる。

第8工程
塩化メチレン、アセトン、DMSO等の溶媒中において、化合物a1−4にDess−Martin試薬、二酸化マンガン、三酸化硫黄ピリジン等の酸化剤を加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜3時間反応させ、酸化することにより、化合物a1−5を得ることができる。

第9工程
塩化メチレン,ジクロロエタン,トルエン等の溶媒中において、化合物a1−5にヨウ化亜鉛及びTMSCNを加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物a1−6を得ることができる。

第10工程
OH中において、化合物a1−6に濃硫酸や濃塩酸等の酸を加え、0℃〜150℃、好ましくは80℃〜110℃で、1時間〜24時間、好ましくは6時間〜12時間反応させ、TMS基の脱保護、ニトリル基のカルボン酸への加水分解、引き続きエステル化することにより、化合物a1−7を得ることができる。

第11工程
THF、DMF、トルエン等の溶媒中において、化合物a1−7に水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド等の塩基とR2’−I、R2’−Br、R2’−Clなどを加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜60℃で、1時間〜24時間、好ましくは3時間〜12時間反応させることにより、化合物a1−8を得ることができる。
また、tert−ブチルエーテル、tert−ペンチルエーテル、メチルシクロブタンエーテル等は、酢酸tert−ブチル、酢酸tert−ペンチル、メチレンシクロブタン等の溶媒中において、過塩素酸水溶液を1〜3当量加え、0℃〜60℃、好ましくは15℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることによっても得ることができる。

第12工程
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中において、化合物a1−8に、5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウムや二酸化白金等の触媒を加え,0℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、水素雰囲気下、常圧または加圧下にて反応させることよって化合物a1を得ることができる。
または、メタノール、エタノールやテトラヒドロフラン等の有機溶媒と水との混合溶媒中において、塩酸または酢酸酸性下、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムアルカリ性下、または塩化アンモニウム中性下にて、鉄、亜鉛やスズ等の金属を加え、0℃〜150℃、好ましくは、25℃〜80℃、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることによっても、化合物a1を得ることができる。
【0188】
2)化合物B−1およびB−2の合成
【化73】
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(式中、各記号は前記と同意義。)

第1工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、メタノールやエタノール等の溶媒中において、化合物b1に、酢酸やTFA等と市販もしくは公知の方法によって合成したアミンを加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、反応中間体であるイミンを得ることができる。得られたイミンは単離せずに、反応液中にソジウムシアノボロハイドライドやソジウムトリアセトキシボロハイドライド等の還元剤を加え、−30℃〜50℃、好ましくは0℃〜20℃、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜12時間反応することによって化合物b2を得ることができる。

第2工程
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチルや酢酸等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中において、化合物b2に、5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウムや二酸化白金等の触媒を加え,0℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、水素雰囲気下、常圧または加圧下にて反応させることよって化合物b3を得ることができる。
または、メタノール、エタノールやテトラヒドロフラン等の有機溶媒と水との混合溶媒中において、塩酸または酢酸酸性下、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムアルカリ性下、または塩化アンモニウム中性下にて、鉄、亜鉛やスズ等の金属を加え、0℃〜150℃、好ましくは、25℃〜80℃、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることによっても、化合物b3を得ることができる。

第3工程
化合物b3より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第1工程と同様の方法で、化合物b4を得ることができる。

第4工程
ジクロロエタン、トルエン、キシレン、ジオキサン、DMFやDMA等の溶媒中において、化合物b4に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2、6−ルチジンやジアザビシクロウンデセン等の塩基とカルボニルイミダゾールやトリホスゲン等を加え、20℃〜180℃、好ましくは80℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは4時間〜12時間反応させることにより、化合物b5を得ることができる。

第5工程
化合物b5とL−Rとのカップリング反応により、化合物B−1を得ることができる。該反応としては、鈴木クロスカップリング、Ullmannクロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。Lは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等が例示される。
ジオキサン、DMF、DMF、DMEやテトラヒドロフラン等の有機溶媒、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒中において、化合物b5に、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)ClやPd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムやリン酸カリウム等の塩基と、市販もしくは公知の方法により調製したボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズやハロゲン化亜鉛等を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜180℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物B−1を得ることができる。

第6工程
化合物B−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物B−2を得ることができる。
【0189】
ここで、化合物b1は、以下の方法で合成することができる。
【化74】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、RおよびLは前記と同意義。Lは水素またはフェニル。)

第7工程
市販もしくは公知の方法によって合成した化合物b1−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第8工程と同様の方法で、化合物b1−2を得ることができる。

第8工程
濃硫酸または酢酸等の溶媒中において、化合物b1−2に硝酸または発煙硝酸等を氷冷下にて加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜25℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることにより、化合物b1−3を得ることができる。

第9工程
DMF、DMA、THF、ジオキサン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物b1−3にトリtert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィンとジベンジリデンアセトンパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムなどの触媒とフッ化亜鉛と別途調製したシリルエノールエーテル(b1−4)を加え、30℃〜130℃、好ましくは50℃〜150℃で、0.1時間〜6時間、好ましくは0.5時間〜1時間で反応させることにより、化合物b1−5を得ることができる。

第10工程
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフランなどの溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物b1−5にピリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの塩基とトリフルオロメタンスルホン酸無水物、comin’s試薬などのトリフルオロメタンスルホニル化剤を加え、−50℃〜50℃、好ましくは−30℃〜30℃で、0.1時間〜4時間、好ましくは0.5時間〜1時間で反応させることにより、化合物b1−6を得ることができる。

第11工程
ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、水等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物b1−6にPd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl、Pd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基と、トランスエチニルボロン酸、ビニルボロン酸エステル、ビニルトリアルキルスズ等を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物b1−7を得ることができる。

第12工程
ジクロロメタン、メタノールやそれらの混合溶媒中において、化合物b1−7に−100℃〜0℃、好ましくは−78℃〜−50℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間、オゾンガスを通じ、その後、ジメチルスフィド、トリメチルフォスファイト等を加え、同温で、0.1時間〜3時間、好ましくは0.5時間〜1時間、撹拌することにより、化合物b1を得ることができる。
【0190】
3)化合物C−1およびC−2の合成
【化75】
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または、

【化76-1】
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(式中、R、R2’、R、R、R、RおよびRは前記と同意義。(Lはハロゲン等の脱離基。Aは単結合、−SO−、−CO−、−O−CO−、−NH−CO−、またはRで置換されていてもよいアルキレン。qは1〜4の整数。破線は環Cを示す。)

A工程
DMF、THF、ジオキサン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中において、化合物e6にピリジンやトリエチルアミン等の塩基と市販もしくは公知の方法により調整したアセチルクロリドや置換ベンゾイルクロリド等のアシル剤、あるいはメタンスルホニルクロリドや置換ベンゼンスルホニルクロリド等のスルホニル化剤、あるいはイソシアン酸エチル等のウレア化剤、あるいはアリルオキシカルボニルクロリド等のカーバメート化剤を加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させる。得られた化合物を、DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトンやアセトニトリル等の溶媒中において、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムや水素化ナトリウム等の塩基と市販または公知の方法により調製したRやRで置換されていてもよい、C環式基アルキルハライド(例:ベンジルハライド、ヘテロアリールメチルハライド)等を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物C1を得ることができる。また、化合物C1のRがアルキルスルホニル等の場合、テトラヒドロフラン、トルエンやジクロロメタン等の溶媒中、光延試薬としてDEAD、DIADやアゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)を、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィンやトリブチルホスフィンと市販または公知の方法により調製したRで置換されていてもよいベンジルアルコールもしくはヘテロアリールメチルアルコールを加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることによっても化合物C1を得ることができる。

第1工程
市販または公知の方法により調整した化合物c1をDMFやDMA等の溶媒に溶解し、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の塩基、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)ClやPd(dtbpf)等のパラジウム触媒、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のリガンドを加えて0℃〜150℃、好ましくは80℃〜130℃で、1時間〜24時間、好ましくは6時間〜12時間反応させることにより、化合物C−1を得ることができる。

第2工程
化合物C−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物C−2を得ることができる。
【0191】
4)化合物D−1およびD−2の合成
【化77】
[この文献は図面を表示できません]

【化78】
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(式中、R、R2’、R、R、RおよびRは前記と同意義。Lはハロゲン等の脱離基。Zは炭素原子または窒素原子。kは1〜5のいずれかの整数。)

第1工程
市販または公知の方法により調整した化合物d1を、濃硫酸または酢酸等の溶媒中において、硝酸、発煙硝酸等を氷冷下にて加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜25℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることにより、化合物d2を得ることができる。また、濃硫酸中において、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等の金属塩を氷冷下にて加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜25℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることによっても得ることができる。

第2工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン等の溶媒中において、化合物d2にヨウ化亜鉛及びTMSCNを加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物d3を得ることができる。また、アセトニトリルやDMF等の溶媒中において、ヨウ化亜鉛、TMSCl、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等の金属塩を、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることによっても得ることができる。

第3工程
OH中において、化合物d3に濃硫酸、濃塩酸等の酸を加え、0℃〜150℃、好ましくは80℃〜110℃で、1時間〜24時間、好ましくは6時間〜12時間反応させることにより、TMS基の脱保護、ニトリル基のカルボン酸への加水分解、引き続きエステル化することにより、化合物d4を得ることができる。

第4工程
DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の溶媒中において、化合物d4に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の塩基、およびベンジルブロマイドまたはベンジルクロライドを加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物d5を得ることができる。
また、テトラヒドロフラン、トルエンやジクロロメタン等の溶媒中、アゾジカルボン酸ジエチルやアゾジカルボン酸ジイソプロピルとベンジルアルコールを加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることによっても得ることができる。

第5工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の溶媒中において、化合物d5にデスマーチン試薬、二酸化マンガン、クロロクロム酸ピリジニウム等の酸化剤を加え、0℃〜80℃、好ましくは20℃〜45℃で、0.5時間〜5時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることにより、化合物d6を得ることができる。
また、一般的なSwern酸化によっても得ることができる。

第6工程
ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の溶媒中において、化合物d6に不斉源として(R)−CBS試薬を加え、カテコールボランや9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン等の還元剤を順次加え、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃〜−50℃で、0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜3時間反応させることにより、化合物d7を得ることができる。

第7工程
テトラヒドロフラン、DMF、トルエン等の溶媒中において、化合物d7に水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド等の塩基と市販または公知の方法により調整したR2’−I、R2’−Br、R2’−Cl等を加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜60℃で、1時間〜24時間、好ましくは3時間〜12時間反応させることにより、化合物d8を得ることができる。
また、tert−ブチルエステル等は、酢酸tert−ブチル中において、70%過塩素酸水溶液を1〜3当量加え、0℃〜60℃、好ましくは15℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることによっても得ることができる。

第8工程
メタノール、エタノール、THFや酢酸エチル等の溶媒中において、化合物d8に5%または10%パラジウム炭素、水酸化パラジウムや二酸化白金等の触媒を加え,0℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、水素雰囲気下にて反応させることよって化合物d9を得ることができる。
本条件において、酢酸あるいは塩酸等を添加することにより、反応が促進される場合がある。メタノール、エタノール、THF等の有機溶媒と水との混合溶媒中において、塩酸または酢酸酸性下、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムアルカリ性下、または塩化アンモニウム中性下にて、化合物d8に鉄、亜鉛やスズ等の金属を加え、0℃〜120℃、好ましくは、25℃〜80℃、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることによっても、化合物d9を得ることができる。

第9工程
ジクロロメタン、THF、トルエン、アセトニトリルやDMF等の溶媒中において、化合物d9に臭素やNBS、NCS、NISなどのハロゲン化試薬を加え、Lがブロモの場合、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによって、化合物d10を得ることができる。
がクロロまたはヨードの場合、10℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応することによって、化合物d10を得ることができる。

第10工程
化合物d10より、前述の「2)化合物B−1およびB−2の合成」における第5工程と同様の方法で、化合物d11を得ることができる。
環化が進行しなかった場合はジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶媒あるいは混合溶媒中において、酢酸などの酸あるいは炭酸セシウムなどの塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物d11を得ることができる。

第11工程
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、化合物d11に5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウム、二酸化白金等の触媒を加え、水素雰囲気下、0℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物d12を得ることができる。

第12工程
DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の溶媒中において、化合物d12に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の塩基、および市販または公知の方法により調整したアルキル化剤を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物d13を得ることができる。

第13工程
アセトニトリル、テトラヒドロフランやジメチルホルムアミド等の溶媒中、化合物d13に亜硝酸tert−ブチルや亜硝酸イソペンチル等のジアゾ化試薬およびトリメチルシリルアジドを順次加え、0℃〜80℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.1時間〜6時間、好ましくは0.5時間〜3時間反応させることにより、化合物d14を得ることができる。

第14工程
トルエン、アセトニトリルやジメチルホルムアミド等の溶媒中、化合物d14を0℃〜110℃、好ましくは20℃〜80℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜6時間反応させることにより、化合物d15を得ることができる。
また、水、リン酸バッファー等の溶媒中、化合物d14にヨウ化銅や塩化銅等の銅塩を加え、0℃〜110℃、好ましくは20℃〜80℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜6時間反応させることによっても得られる。

第15工程
化合物D−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物D−2を得ることができる。
【0192】
5)化合物E−1およびE−2の合成
【化79】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、R、R、R、Lは前記と同意義。Lはハロゲン等の脱離基。L3’はハロゲン等の脱離基。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物e1より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第11工程と同様の方法で、化合物e2を得ることができる。

第2工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフランなどの溶媒中、またはそれらの混合溶媒中において、化合物e2にピリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの塩基とトリフルオロメタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、N―フェニルビストリフルオロメタンスルホンイミド等のトリフルオロメタンスルホニル化試薬またはノナフルオロブタンスルホニルクロライドやノナフルオロブタンスルホン酸無水物等のノナフラート化試薬を加え、−50℃〜50℃、好ましくは−30℃〜30℃で、0.1時間〜4時間、好ましくは0.5時間〜1時間で反応させることにより、化合物e3を得ることができる。

第3工程
メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、化合物e3にトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基と5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウム、二酸化白金等の触媒を加え、水素雰囲気下、1〜10気圧、好ましくは2〜5気圧下で、0℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物e4を得ることができる。
また、トルエン、DMF、ジオキサン等の溶媒中において、化合物e3にギ酸とトリエチルアミン、トリブチルアミン等の塩基、トリフェニルホスフィン、dppf、dppp等のリガンド、及びPd(OAc)、Pd(PPh、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド等のパラジウム触媒を加え、20℃〜200℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることによっても得ることができる。

第4工程
化合物e4より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第9工程と同様の方法で、化合物e5を得ることができる。

第5工程
化合物e5より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第10工程と同様の方法で、化合物e6を得ることができる。

第6工程
化合物e6より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第9工程と同様の方法で、化合物e7を得ることができる。

第7工程
化合物e7より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第10工程と同様の方法で、化合物E−1を得ることができる。

第8工程
化合物E−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物E−2を得ることができる。
【0193】
6)化合物F−1およびF−2の合成
【化80】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、R、R、L3’およびLは前記と同意義。Lは置換もしくは非置換のアルキル。破線部は環Cを示す。C環上の置換基であるRは好ましくは1〜4個存在し得る(以下、同じ)。)

第1工程
化合物e7より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第10工程と同様の方法で、化合物F−1を得ることができる。

第2工程
化合物F−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物F−2を得ることができる。
【0194】
7)化合物G−1およびG−2の合成
【化81】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物e7をジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、DMSO等の溶媒あるいは混合溶媒中において、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)ClやPd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウムやリン酸カリウム等の塩基と、ビス(ピナコラト)ジボロンを加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物g1を得ることができる。

第2工程
化合物g1をジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、水等の溶媒あるいは混合溶媒中において、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)ClやPd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムやリン酸カリウム等の塩基と、市販または公知の方法により調整したハライドあるいはトリフルオロメタンスルホン酸エステルを加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物G−1を得ることができる。環化が進行しなかった場合はジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶媒あるいは混合溶媒中において、酢酸などの酸あるいは炭酸セシウムなどの塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物G−1を得ることができる。

第3工程
化合物G−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物G−2を得ることができる。
【0195】
8)化合物H−1およびH−2の合成
【化82】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、RおよびRは前記と同意義。Lはハロゲン、置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ等の脱離基。破線部は環Cを示す。)

第1工程
ピリジンやルチジン等の溶媒中、化合物g1に市販もしくは公知の方法で合成した置換スルホニルクロライドを加え、20℃〜100℃、好ましくは50℃〜100℃で、1時間〜24時間、好ましくは、2時間〜5時間反応させることにより、化合物h1を得ることができる。

第2工程
ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、水等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物h1にPd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)ClやPd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムやリン酸カリウム等の塩基を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物H−1を得ることができる。

第3工程
化合物H−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物H−2を得ることができる。
【0196】
9)化合物I−1の合成
【化83】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、RおよびRは前記と同意義。Lは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物d12より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第12工程と同様の方法で、化合物i1を得ることができる。

第2工程
化合物i1より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第15工程と同様の方法で、化合物i2を得ることができる。

第3工程
ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物i2にN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドやN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド等の縮合剤と、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールや1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール等の縮合促進剤、およびトリエチルアミンやN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、15時間〜72時間、好ましくは12時間〜24時間反応させることにより、化合物I−1を得ることができる。
【0197】
10)化合物J−1およびJ−2の合成
【化84】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
トルエン、キシレン、ジクロロメタン等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物e7に1,3−ジケトンおよび酢酸やパラトルエンスルホン酸等の酸を加え、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、30分間〜24時間、好ましくは1時間〜2時間反応させることにより、イミン中間体を得ることができる。このイミン体をジオキサン、DMF、DMA等の溶媒あるいは混合溶媒中において酢酸パラジウム等の触媒、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン等の配位子、酢酸ナトリウムや酢酸カリウム等の塩基および塩酸テトラエチルアンモニウム等を加え、50℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃で、1時間〜24時間、好ましくは2時間〜4時間反応させることにより、化合物J−1を得ることができる。

第2工程
化合物J−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物J−2を得ることができる。
【0198】
11)化合物K−1およびK−2の合成
【化85】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物d11より、前述の「8)化合物H−1およびH−2の合成」における第1工程と同様の方法で、化合物k1を得ることができる。

第2工程
化合物k1より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第11工程と同様の方法で、化合物k2を得ることができる。

第3工程
化合物k2をDMSO、DMF、DMA等の溶媒あるいは混合溶媒中において、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム等の塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、30分間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、化合物K−1を得ることができる。
また、化合物k2をトルエン、ジオキサン、DMF等の溶媒あるいは混合溶媒中において、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の触媒、トリスオルトトリルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィン、トリス−2−フリルホスフィン等の配位子、およびトリエチルアミン、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム等の塩基を加え、20℃〜180℃、好ましくは80℃〜160℃で、30分間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応させることにより、化合物K−1を得ることができる。
また、化合物k2をDMSO、DMF、ジオキサン等の溶媒あるいは混合溶媒中において、ヨウ化銅等の触媒、L−プロリン等の配位子、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、トリエチルアミン等の塩基を加え、20℃〜180℃、好ましくは60℃〜120℃で、1時間〜96時間、好ましくは24時間〜72時間反応させることにより、化合物K−1を得ることができる。

第4工程
化合物K−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物K−2を得ることができる。
【0199】
12)化合物L−1およびL−2の合成
【化86】
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(式中、R、R2’、R、R、R、LおよびRは前記と同意義。Lはハロゲンまたは置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ。hは1〜4のいずれかの整数。破線部は環Cを示す。)

第1工程
d12より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第12工程と同様の方法で、化合物l1を得ることができる。

第2工程
化合物l1より、前述の「11)化合物K−1およびK−2の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物L−1を得ることができる。

第3工程
化合物L−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物L−2を得ることができる。
【0200】
13)化合物M−1およびM−2の合成
【化87】
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(式中、各記号は前記と同意義。破線部はE環(スピロ環)を示す。)

第1工程
化合物d12より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第12工程と同様の方法で、化合物M−1を得ることができる。

第2工程
化合物M−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物M−2を得ることができる。
【0201】
14)化合物N−1〜N−3の合成
【化88】
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(式中、Aは単結合、−SO−、−CO−、−O−CO−、−NH−CO−、またはアルキレン。jは1〜3のいずれかの整数。その他の記号は、前記と同意義。)

第1工程
化合物d12より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第12工程と同様の方法で、化合物n1を得ることができる。

第2工程
DMF、THF、ジオキサン等の溶媒中において、化合物n1に水素化ナトリウムやトリエチルアミン等の塩基、および臭化アリル等のアルキル化剤、あるいはアクリル酸クロリド等のアシル剤、あるいは2−クロロエチルスルホニルクロリド等のスルホニル化剤、あるいはイソシアン酸アリル等のウレア化剤、あるいはアリルオキシカルボニルクロリド等のカーバメート化剤を加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物n2を得ることができる。

第3工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン等の溶媒あるいは混合溶媒において、化合物n2にグラブス触媒を加え,0℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、反応させることよって化合物N−1を得ることができる。

第4工程
化合物N−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物N−2を得ることができる。

第5工程
メタノール、エタノール、THFや酢酸エチル等の溶媒中において、化合物N−2に5%または10%パラジウム炭素、水酸化パラジウムや二酸化白金等の触媒を加え,0℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、水素雰囲気下にて反応させることよって化合物N−3を得ることができる。
【0202】
15)化合物O−1〜O−2の合成
【化89】
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(式中、R、R2’、R、R、R、L、LおよびRは前記と同意義。Lはアルキルまたは置換もしくは非置換のフェニル。L10はハロゲン。)

第1工程
化合物a2とZ−Lとのカップリング反応により、化合物(1−2)を得ることができる。該反応としては、鈴木クロスカップリング、Ullmannクロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等が例示される。化合物(1−1)をジオキサン、DMF、DMA、DMEやテトラヒドロフラン等の有機溶媒、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒中において、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl、Pd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基と、市販もしくは公知の方法により調製したLで置換されたビニルボロン酸、ビニルボロン酸エステル、アルキルビニルスズ、ビニルハロゲン化亜鉛等を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜180℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物o1を得ることができる。

第2工程
ピリジン、ルチジンやコリジン等の溶媒中において、化合物o1に、市販もしくは公知の方法により調製したL―SOClまたは(L―SOを加え、0℃〜120℃、好ましくは20℃〜60℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応することによって、化合物o2を得ることができる。

第3工程
ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール等の溶媒中において、またはこれらの混合溶媒中において、化合物o2または化合物o2にピリジンを加え、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃〜30℃、0.1時間〜5時間、好ましくは0.5時間〜2時間、オゾンガスをバブリングした後、ジメチルスルフィド、リン酸トリメチルエステル、トリフェニルホスフィン等を加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜20℃、0.1時間〜5時間、好ましくは0.5時間〜2時間、反応することによって、化合物o3を得ることができる。
また、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン等の有機溶媒と水の混合溶媒中において、化合物o2に触媒量の四酸化オスミウムまたは四酸化オスミウムのカリウム塩、およびN−メチルモルホリンオキシドまたはN−トリメチルアミンオキシドを加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜20℃、0.5時間〜24時間、好ましくは2時間〜12時間、反応することによって、ジオール体を得ることができる。そして、上記と同様の溶媒中において、ジオール体に過ヨウ素酸ナトリウムを加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜20℃、0.5時間〜24時間、好ましくは2時間〜12時間、反応することによっても、化合物o3を得ることができる。

第4工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶媒中において、化合物o3に、酢酸やTFA等と市販もしくは公知の方法によって合成したアミンを加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、反応中間体であるイミンを得ることができる。得られたイミンは単離せずに、反応液中にソジウムシアノボロハイドライド、ソジウムトリアセトキシボロハイドライド等の還元剤を加え、−30℃〜50℃、好ましくは0℃〜20℃、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜12時間反応することによって化合物o4を得ることができる。

第5工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶媒中において、化合物o4に、ピリジン、トリエチルアミン、N―メチルモルホリン等の塩基とハロゲン化アセチルクロリドを加え、−50℃〜80℃、好ましくは−10℃〜20℃で、0.1時間〜12時間、好ましくは0.5時間〜3時間反応させることによって、化合物o5を得ることができる。

第6工程
DMF、DMA、テトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン等の溶媒中において、化合物o5に、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の塩基を加え、0℃〜120℃、好ましくは40℃〜80℃で、0.1時間〜6時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることによって、化合物o6を得ることができる。

第7工程
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、DMSO等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中において、化合物o6に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等を加え,0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃で、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応させることにより、化合物O−1を得ることができる。

第8工程
化合物O−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物O−2を得ることができる。
【0203】
16)化合物P−1〜P−2の合成
【化90】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、RおよびRは前記と同意義。L11はハロゲン等の脱離基。)

第1工程
ジクロロエタン、トルエン、キシレン、ジオキサン、DMF、DMA等の溶媒中において、後述の「17)化合物Q−1およびQ−2の合成」に記載の方法で得られた化合物q1に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2、6−ルチジン、ジアザビシクロウンデセン等の塩基、およびカルボニルジイミダゾール、トリホスゲン等を加え、20℃〜180℃、好ましくは80℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは4時間〜12時間反応させることにより、化合物p1を得ることができる。

第2工程
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル、DMF等の溶媒中において、化合物p1に、臭素やNBS、NCS、NIS等のハロゲン化試薬を加え、L11がブロモの場合、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによって合成することができる。L11がクロロまたはヨードの場合、10℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応することによって、化合物p2を得ることができる。

第3工程
化合物p2とZ−Rとのカップリング反応により、化合物p3を得ることができる。該反応としては、鈴木クロスカップリング、Ullmannクロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等が例示される。
化合物p2をジオキサン、DMF、DMF、DME、テトラヒドロフラン等の有機溶媒、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒中において、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl、Pd(dtbpf)等のパラジウム触媒、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基、および市販もしくは公知の方法により調製したボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜180℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物P−1を得ることができる。

第4工程
化合物P−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物P−2を得ることができる。
【0204】
17)化合物Q−1〜Q−2の合成
【化91】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、各記号は前記と同意義。)

第1工程
化合物e7とZ−アリルとのカップリング反応により、化合物q1を得ることができる。該反応としては、鈴木クロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等が例示される。
化合物e7をジオキサン、DMF、DMA、DME、テトラヒドロフラン等の有機溶媒、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒中において、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl、Pd(dtbpf)等のパラジウム触媒、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基、および市販もしくは公知の方法により調製したアリルボロン酸、アリルボロン酸エステル、アルキルアリルスズ、アリルハロゲン化亜鉛等を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜180℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物q1を得ることができる。

第2工程
ピリジン、ルチジン、コリジン等の溶媒中において、化合物q1に、市販もしくは公知の方法により調製したR―NHSOClを加え、0℃〜120℃、好ましくは20℃〜60℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応することによって、化合物q2を得ることができる。

第3工程
ジオキサン、DMF、DMA、DME、テトラヒドロフラン等の有機溶媒、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒中において、化合物q2に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基、およびCu(OAc)、ネオデカン酸銅(II)等の銅試薬を加え、40℃〜180℃、好ましくは80℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物Q−1を得ることができる。

第4工程
化合物Q−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物Q−2を得ることができる。
【0205】
18)化合物R−1〜R−2の合成
【化92】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、R、RおよびL11は前記と同意義。L12はハロゲン等の脱離基。)

第1工程
化合物r1とZ−アリルとのカップリング反応により、化合物r2を得ることができる。該反応としては、鈴木クロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等が例示される。
ジオキサン、DMF、DMA、DMEやテトラヒドロフラン等の有機溶媒、水等の溶媒あるいはそれらの混合溶媒中において、化合物r1に、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl、Pd(dtbpf)等のパラジウム触媒、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムやリン酸カリウム等の塩基、および市販もしくは公知の方法により調製したアリルボロン酸、アリルボロン酸エステル、アルキルアリルスズ、アリルハロゲン化亜鉛等を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜180℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物r2を得ることができる。

第2工程
ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール等の溶媒中において、またはこれらの混合溶媒中において、化合物r2にピリジンを加え、−100℃〜0℃、好ましくは−78℃〜30℃、0.1時間〜5時間、好ましくは0.5時間〜2時間、オゾンガスをバブリングすることによって、化合物r3を得ることができる。
また、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランやアセトン等の有機溶媒と水の混合溶媒中において、化合物r2に触媒量の四酸化オスミウムまたは四酸化オスミウムのカリウム塩、およびN−メチルモルホリンオキシドまたはN−トリメチルアミンオキシドを加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜20℃、0.5時間〜24時間、好ましくは2時間〜12時間、反応することによって、ジオール体を得ることができる。そして、上記と同様の溶媒中において、ジオール体に過ヨウ素酸ナトリウムを加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜20℃、0.5時間〜24時間、好ましくは2時間〜12時間、反応することによっても、化合物r3を得ることができる。

第3工程
ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶媒中において、化合物r3に、酢酸やTFA等と市販もしくは公知の方法によって合成したアミンを加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、反応中間体であるイミンを得ることができる。得られたイミンは単離せずに、反応液中にソジウムシアノボロハイドライド、ソジウムトリアセトキシボロハイドライド等の還元剤を加え、−30℃〜50℃、好ましくは0℃〜20℃、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜12時間反応することによって化合物r4を得ることができる。

第4工程
メタノール、エタノール、THF等の有機溶媒と水との混合溶媒中において、塩酸または酢酸酸性下、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムアルカリ性下、または塩化アンモニウム中性下にて、化合物r4に鉄、亜鉛やスズ等の金属を加え、0℃〜120℃、好ましくは、25℃〜80℃、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることによって、化合物r5を得ることができる。

第5工程
ピリジン、ルチジン、コリジン等の溶媒中において、化合物r5に、スルファミドを加え、20℃〜150℃、好ましくは50℃〜120℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応することによって、化合物r6を得ることができる。

第6工程
トルエン、キシレン、DMF、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中において、化合物r6に、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基を加え、20℃〜150℃、好ましくは50℃〜120℃、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応することによって、化合物r7を得ることができる。

第7工程
ジクロロメタン、THF、トルエン、アセトニトリル、DMF等の溶媒中において、化合物r7に臭素やNBS、NCS、NISなどのハロゲン化試薬を加え、L11がブロモの場合、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜48時間、好ましくは2時間〜24時間反応することによって、化合物r8を得ることができる。
11がクロロまたはヨードの場合、10℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃、0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応することによって、化合物r8を得ることができる。

第8工程
化合物r8とZ−Rとのカップリング反応により、化合物R−1を得ることができる。該反応としては、鈴木クロスカップリング、Ullmannクロスカップリング、根岸クロスカップリング、Stilleカップリング等が例示される。Zは、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛等が例示される。
ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、水等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物r8に、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Cl、Pd(dtbpf)等のパラジウム触媒、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の塩基、および市販または公知の方法により調整したボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、ハロゲン化亜鉛を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物R−1を得ることができる。

第9工程
化合物R−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物R−2を得ることができる。
【0206】
19)化合物S−1〜S−2の合成
【化93】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物s1に、ボラン、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤を加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、30分間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、化合物S−1を得ることができる。

第2工程
化合物S−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物S−2を得ることができる。
【0207】
20)化合物T−1〜T−3の合成
【化94】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、RおよびRは前記と同意義。L13はハロゲンまたは置換もしくは非置換のアルキルスルホニルオキシ等の脱離基。破線部は環Cを示す。)

第1工程
ジクロロメタン、トルエン、キシレン等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物d12に、p−トルエンスルホン酸、酢酸等の酸、または無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム等の脱水剤を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜120℃で、30分間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、イミン体を得ることができる。得られたイミン体をDMSO、DMF、DMA等の溶媒あるいは混合溶媒中において、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン等の塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、30分間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、化合物T−1を得ることができる。

第2工程
化合物T−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物T−2を得ることができる。

第3工程
化合物T−2より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第5工程と同様の方法で、化合物T−3を得ることができる。
【0208】
21)化合物U−1〜U−3の合成
【化95】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、RおよびAは前記と同意義。fおよびgはそれぞれ独立して0〜6のいずれかの整数。)

第1工程
化合物u1より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第2工程と同様の方法で、化合物u2を得ることができる。

第2工程
化合物u2より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物U−1を得ることができる。

第3工程
化合物U−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物U−2を得ることができる。

第4工程
化合物U−2より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第5工程と同様の方法で、化合物U−3を得ることができる。
【0209】
22)化合物V−1〜V−3の合成
【化96】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、R、jおよびAは前記と同意義。eは0〜5のいずれかの整数。)

第1工程
化合物n1より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第2工程と同様の方法で、化合物v1を得ることができる。

第2工程
化合物v1より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物V−1を得ることができる。

第3工程
化合物V−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物V−2を得ることができる。

第4工程
化合物V−2より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第5工程と同様の方法で、化合物V−3を得ることができる。
【0210】
23)化合物W−1〜W−2の合成
【化97】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、R、RおよびLは前記と同意義。L14はハロゲン等の脱離基。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物d12をDMF、THF、ジオキサン等の溶媒あるいは混合溶媒中に溶解し、水素化ナトリウムやトリエチルアミン等の塩基、市販あるいは公知の手法により合成した酸クロリド等のアシル剤を加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物w1を得ることができる。
また、化合物d12をジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン等の溶媒あるいは混合溶媒中に溶解し、市販あるいは公知の手法により合成したカルボン酸、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド等の縮合剤と、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール等の縮合促進剤、およびトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、15時間〜72時間、好ましくは12時間〜24時間反応させることでも、化合物w1を得ることができる。

第2工程
化合物w1より、前述の「11)化合物K−1およびK−2の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物W−1を得ることができる。

第3工程
化合物W−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物W−2を得ることができる。
【0211】
24)化合物X−1〜X−3の合成
【化98】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R2’、R、R、R、R、L3’およびLは前記と同意義。dは0〜6のいずれかの整数。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物e7より、前述の「2)化合物B−1およびB−2の合成」における第5工程と同様の方法、または前述の「7)化合物G−1およびG−2の合成」における第1〜2工程と同様の方法で、化合物X−1を得ることができる。

第2工程
化合物X−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物X−2を得ることができる。

第3工程
ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物X−2にN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド等の縮合剤、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール等の縮合促進剤、およびトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、1時間〜72時間、好ましくは12時間〜24時間反応させることにより、化合物X−3を得ることができる。
活性エステルが得られた場合はメタノール、エタノール等に溶解し、炭酸カリウム等の塩基を加え0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、15時間〜72時間、好ましくは12時間〜24時間反応させることにより、エステルに誘導した後、もしくは活性エステルをメタノール、エタノール、ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン等の溶媒あるいは混合溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の塩基を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜60℃で、0.5時間〜72時間、好ましくは1時間〜2時間反応させることにより、化合物X−3を得ることができる。
【0212】
25)化合物Y−1〜Y−2の合成
【化99】
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(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
ジクロロメタン、THF、ジクロロエタン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物F−1にピリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの塩基とトリフルオロメタンスルホン酸無水物、comin’s試薬などのトリフラート化剤を加え、−50℃〜50℃、好ましくは−30℃〜30℃で、0.1時間〜4時間、好ましくは0.5時間〜1時間反応させることにより、化合物y1を得ることができる。

第2工程
DMF、DMA、THF、ジオキサン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物y1にトリエチルアミン、ルチジン、ピリジン等の塩基、ジベンジリデンアセトンパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムなどの触媒、キサントホス、トリ−tert−ブチルホスフィン等の配位子、および市販あるいは公知の手法により合成したアミンを加え、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃で、0.1時間〜8時間、好ましくは0.5〜2時間反応させることにより、化合物Y−1を得ることができる。

第3工程
化合物Y−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物Y−2を得ることができる。
【0213】
26)化合物Z−1〜Z−2の合成
【化100】
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(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
化合物e7より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第2工程と同様の方法で、化合物z1を得ることができる。

第2工程
DMF、DMA、THF、ジオキサン、ジクロロメタン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物z1にジエチルアミン、ピペリジン等の塩基を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜8時間、好ましくは1〜2時間反応させることにより、化合物z2を得ることができる。

第3工程
DMF、DMA、トルエン、ジオキサン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物z2に炭酸セシウム、tert−ブトキシカリウム、トリエチルアミン等の塩基、トリスベンジリデンアセトンパラジウム、ジベンジリデンアセトンパラジウム、酢酸パラジウム等の触媒、およびトリオルトトリルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウムテトラフルオロホウ素塩等の配位子を加え、マイクロ波照射下、100℃〜200℃、好ましくは120℃〜160℃で、5分間〜1時間、好ましくは10分間〜30分間反応させることにより、化合物Z−1を得ることができる。

第4工程
化合物Z−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物Z−2を得ることができる。
【0214】
27)化合物AA−1〜AA−2の合成
【化101】
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(式中、R2’、R、R、RおよびRは前記と同意義。L15およびL16はハロゲン等の脱離基。)

第1工程
テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa1に、ボラン・テトラヒドロフラン錯体、ボラン・ジエチルエーテル錯体、ボラン・ジメチルスルフィド錯体などの還元剤を加え、10℃〜110℃、好ましくは30℃〜90℃で、0.1時間〜12時間、好ましくは、0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物aa2を得ることができる。

第2工程
ジクロロメタン、アセトニトリル、DMF等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa2に、臭素、NBS、NCS、NISなどのハロゲン化試薬を加え、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜8時間、好ましくは0.5時間〜1時間反応することによって化合物aa3を得ることができる。

第3工程
DMF、DMA、THF、ジオキサン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa3に、シアン化亜鉛、シアン化銅、シアン化ナトリウムなどのシアン化物、およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムなどの触媒を加え、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃で、0.1時間〜12時間、好ましくは0.5〜2時間反応させることにより、化合物aa4を得ることができる。

第4工程
メタノール、酢酸エチル、酢酸等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa4に、Pd/C、Pd(OH)などの触媒を加え、水素雰囲気下、30℃〜130℃、好ましくは50℃〜110℃で、0.1時間〜12時間、好ましくは0.5〜2時間で反応させることにより、化合物aa5を得ることができる。

第5工程
ベンゼン、トルエン、キシレンの溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa5に、硫酸アミド、チオニルクロリド等のスルホニル化剤、およびトリエチルアミン、ルチジン、ピリジン等の塩基を加え、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃で、0.1時間〜12時間、好ましくは0.5〜2時間反応させることにより、化合物aa6を得ることができる。

第6工程
DMF、DMA、THF等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa6に、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基と、アルキルクロライド、アルキルブロマイド、アルキルトリフラート等のアルキル化剤を加え、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜8時間、好ましくは0.5時間〜1時間反応することによって化合物AA−1を得ることができる。

第7工程
化合物AA−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AA−2を得ることができる。
【0215】
第5工程のスルホニル化剤の代わりに尿素、CDI、炭酸ジエチル等のカルボニル化剤を用いることで、化合物AA−1およびAA−2のスルホニルウレア部がウレア構造に置き換わった化合物を得ることができる。
【0216】
ここで、化合物aa1は、以下の方法で合成することができる。
【化102】
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(式中、R2’、R、RおよびRは前記と同意義。L17はハロゲン等の脱離基。L18は置換もしくは非置換のアルキル。)

第8工程
ジクロロメタン、THF、トルエン、アセトニトリルやDMF等の溶媒中において、化合物a1(ただし、Rは水素。)に臭素やNBS、NCS、NISなどのハロゲン化試薬を加え、L17がブロモの場合、−30℃〜50℃、好ましくは−10℃〜20℃、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応することによって、化合物aa1−1を得ることができる。
17がクロロまたはヨードの場合、10℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応することによって、化合物aa1−1を得ることができる。

第9工程
DMF、DMA、THF、ジオキサン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa1−1をKCO、NaCO、KPOなどの塩基の水溶液および市販もしくは公知の方法で調整した(E)−3−ボラニルアクリル酸エステルを加え、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃で、0.1時間〜8時間、好ましくは0.5〜2時間で反応させることにより、化合物aa1−2を得ることができる。

第10工程
エタノール、メタノール、DMF、酢酸等の溶媒中、またはその混合溶媒中、化合物aa1−2にパラジウム炭素を加え、水素雰囲気下、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、1時間〜24時間、好ましくは2時間〜6時間反応させることにより、化合物aa1を得ることができる。
【0217】
28)化合物AB−1〜AB−2の合成
【化103】
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(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Cを示す。)

第1工程
DMF、DMA、THF、ジオキサン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物aa3に、KCO、NaCO、KPOなどの塩基の水溶液、ボロン酸またはボロン酸エステル、およびテトラキストリフェニルホスフィンンパラジウム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムなどの触媒を加え、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃で、0.1時間〜8時間、好ましくは0.5〜2時間で反応させることにより、化合物AB−1を得ることができる。

第2工程
化合物AB−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AB−2を得ることができる。
【0218】
29)化合物AC−1〜AC−2の合成
【化104】
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(式中、各記号は前記と同意義。破線部は環Bを構成するスピロ環の一部を示す。)

第1工程
化合物e7より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物AC−1を得ることができる。ここで、溶媒としてDMSOを用いてもよく、塩基として炭酸セシウムを用いてもよい。

第2工程
化合物AC−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AC−2を得ることができる。
【0219】
30)化合物AD−1〜AD−2の合成
【化105】
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(式中、各記号は前記と同意義。(RB(2)はRと同意義。破線部はE環(スピロ環)を示す。)

第1工程
化合物AC−1より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第12工程と同様の方法で、化合物AD−1を得ることができる。

第2工程
化合物AD−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AD−2を得ることができる。

31)化合物AD−3〜AD−4の合成
【化106-1】
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(式中、Rはアシル残基義。破線部はE環(スピロ環)。その他の記号は前記と同意義。)

第1工程
DMF、THF、ジオキサン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中において、化合物AC−1に、塩基(例:ピリジン、トリエチルアミン)とアシル化剤(例:アセチルクロリド、置換ベンゾイルクロリド)を加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより化合物AD−3を得ることができる。

第2工程
化合物AD−3より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AD−4を得ることができる。

32)化合物AE−1〜AE−2の合成
【化106-2】
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(式中、Lはハロゲン等の脱離基;R1Aは(置換)アルキル、(置換)アルケニル等);その他の記号は前記と同意義)

第1工程
化合物(1)より、前述の「14)化合物N−1〜N−3の合成」における第2工程と同様の方法で、化合物(2)を得ることができる。

第2工程
化合物(2)より、前述の「4)化合物D−1〜D−2の合成」における第12工程と同様の方法で、化合物(3)を得ることができる。

第3工程
化合物(3)より、前述の「26)化合物Z−1〜Z−2の合成」における第2工程と同様の方法で、化合物(4)を得ることができる。
または、DMF、DMA、トルエン、ジオキサン等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物(3)にDBU、水酸化リチウム等の塩基とメルカプトエタノール、メルカプト酢酸等のチオールを加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜60℃で、5分間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、化合物(4)を得ることができる。

第4工程
化合物(4)より、前述の「26)化合物Z−1〜Z−2の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物AE−1を得ることができる。

第5工程
化合物AE−1より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AE−2を得ることができる。

33)化合物AF−1〜AF−2の合成
【化106-3】
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(式中、各記号は前記と同意義)

第1工程
アセトニトリル、メタノール、アセトン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物(1)に亜硝酸tert−ブチル、亜硝酸イソブチル等の亜硝酸エステルおよび塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等のハロゲン化塩を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜8時間、好ましくは2〜4時間反応させることにより、化合物(2)を得ることができる。

第2工程
化合物(2)をジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、DMSO等の溶媒あるいは混合溶媒中において、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Clジクロロメタン錯体やPd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウムやリン酸カリウム等の塩基と、bis(pinacolato)diboronを加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物(3)を得ることができる。

第3工程
化合物(3)をジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、DMSO等の溶媒あるいは混合溶媒中において、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基と、過酸化水素水を加え、−20℃〜30℃、好ましくは−10℃〜20℃で、0.5時間〜12時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物(4)を得ることができる。

第4工程
DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の溶媒中において、化合物(4)に炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム等の塩基、および市販もしくは公知の方法に従い調製したベンジルブロマイドまたはベンジルクロライドを加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜60℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物(5)を得ることができる。また化合物(4)に、テトラヒドロフラン、トルエンやジクロロメタン等の溶媒中、アゾジカルボン酸ジエチルやアゾジカルボン酸ジイソプロピルと市販もしくは公知の方法に従い調製したベンジルアルコールを加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることによって化合物(5)得ることができる。

第5工程
前記3)「化合物C-1およびC-2の合成」の第2工程と同様の方法で化合物AF−1を得ることができる。

第6工程
前記3)「化合物C-1およびC-2の合成」の第3工程と同様の方法で化合物AF−2を得ることができる。

34)化合物AB−3〜AB−4の合成
【化106-4】
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(式中、Xはハロゲン等の脱離基;その他の記号は前記と同意義)

第一工程
27)の第五工程と同様な方法で、スルホニル化剤の代わりに尿素、CDI、炭酸ジエチル等のカルボニル化剤を用いることで得ることで、化合物2を得る。

第二工程
27)の第六工程と同様の方法で、化合物AB−3を得る。

第三工程
27)の第七工程と同様の方法で、化合物AB−4得る。

35)化合物AC−1〜AC−2の合成
【化106-5】
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(式中、Xは−SO−、−CO−、−CONH−、−COO−等;RB1は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換の芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換もしくは非置換の芳香族複素環式基または置換もしくは非置換の非芳香族複素環式基:qは1〜4の整数。mは1〜4の整数。破線はC環を示す。その他の記号は前記と同意義。ここでRは水素でもよい)

第1工程
化合物e7のジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエンやピリジン等の溶媒中において、塩基としてトリエチルアミン、N−メチルモルホリンやピリジンと市販または公知の方法により調製したRB1−SOCl、RB1−COCl、RB1−NCOやRB1−OCOCl等を加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物1を得ることができる。

第2工程
化合物1を、DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトンやアセトニトリル等の溶媒中において、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムや水素化ナトリウム等の塩基と市販または公知の方法により調製したRやRで置換されていてもよい、C環式基アルキルハライド(例:ベンジルハライド)を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物2を得ることができる。また、化合物1の−X−が−SO−の場合、テトラヒドロフラン、トルエンやジクロロメタン等の溶媒中、光延試薬としてDEAD、DIADやアゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)を、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィンやトリブチルホスフィンと市販または公知の方法により調製した、Rで置換されたベンジルアルコール(R=H)を加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることによっても得ることができる。

第3工程
化合物2より、前記3)「化合物C−1およびC−2の合成」における第1工程と同様の方法で、化合物AC−1を得ることができる。

第4工程
化合物AC−1より、前記1)「化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AC−2を得ることができる。

36)化合物AF−1〜AF−2の合成
【化106-6】
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(式中、各記号は前記と同意義であるが、好ましくは、AはRで置換されていてもよいアルキレン(特にメチレン)、Xは−SO−、RB1はアルキル。)

第1工程
化合物r1を、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンや酢酸エチル等の溶媒またはそれらの混合溶媒中において、塩基としてトリエチルアミン、N−メチルモルホリンやピリジンと5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウム等の触媒を加え,0℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃、常圧〜10気圧、好ましくは、3〜5気圧、0.1時間〜48時間、好ましくは4時間〜24時間、水素雰囲気下にて反応させることにより、化合物1を得ることができる。

第2工程
化合物1のジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエンやピリジン等の溶媒中において、塩基としてトリエチルアミン、N−メチルモルホリンやピリジンと市販または公知の方法により調製したRB1−SOCl、RB1−COCl、RB1−NCOやRB1−OCOCl等を加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜10時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物2を得ることができる。

第3工程
化合物2を、DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトンやアセトニトリル等の溶媒中において、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムや水素化ナトリウム等の塩基と市販または公知の方法により調製したRで置換されていてもよいC環式基アルキルハライド(例:ベンジルハライド)を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物3を得ることができる。また、化合物2の−X−が−SO−の場合、テトラヒドロフラン、トルエンやジクロロメタン等の溶媒中、光延試薬としてDEAD、DIADやアゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)を、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィンやトリブチルホスフィンと市販または公知の方法により調製したRで置換されたベンジルアルコールを加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることによっても得ることができる。

第4工程
化合物3より、前記3)「化合物C−1およびC−2の合成」における第1工程と同様の方法で、化合物4を得ることができる。

第5工程
化合物4を、酢酸溶媒中において、濃硫酸や濃塩酸とハロゲン化試薬としてNBS、1、3−ジブロモ−5、5−ジメチルヒダントイン、1、3−ジヨード−5、5−ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸やジヨードイソシアヌル酸を加え、−20℃〜60℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.1時間〜12時間、好ましくは0.5時間〜2時間反応させることにより、化合物5を得ることができる。

第6工程
化合物5より、前記1)「化合物A−1およびA−2の合成」における第11工程と同様の方法で、化合物6を得ることができる。

第7工程
化合物6より、前記2)「化合物B−1およびB−2の合成」における第5工程と同様の方法で、化合物AF−1を得ることができる。

第8工程
化合物7より、前記1)「化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物AF−2を得ることができる。

37)化合物AG−1〜AG−2の合成
【化106-7】
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(式中、各記号は前記と同意義)

第1工程
アセトニトリル、メタノール、アセトン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物e7に亜硝酸tert−ブチル、亜硝酸イソブチル等の亜硝酸エステルおよびヨウ化銅やヨウ化カリウムなどのヨウ化塩を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜60℃で、0.5時間〜8時間、好ましくは2〜4時間反応させることにより、化合物1を得ることができる。

第2工程
トルエン、1,4−ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物1に市販もしくは公知の方法で調整したRCで置換されたチオ安息香酸、チオ酢酸などのチオカルボン酸、1,10−フェナントロリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンなどの配位子、およびN−エチル−N−ジイソプロピルアミン、トリエチルアミンなどの塩基、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)などのハロゲン化銅を加え、80℃〜150℃、好ましくは100℃〜130℃で、2時間〜24時間、好ましくは4〜8時間反応させることにより、化合物2を得ることができる。

第3工程
メタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物2に炭酸カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基を加え、0℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃で、15分〜4時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物3を得ることができる。

第4工程
N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物3に市販または公知の方法で調整したRやRで置換されていてもよい、C環式基アルキルハライド(例:ベンジルブロミドやベンジルクロリド)、炭酸カリウムや水素化ナトリウムなどの塩基を加え、0℃〜60℃、好ましくは10℃〜30℃で、10分〜12時間、好ましくは30分〜4時間反応させることにより、化合物4を得ることができる。

第5工程
ジクロロメタン、テトラクロロメタン、水等の溶媒中、またはそれらの混合溶媒中、化合物4にメタクロロ過安息香酸や過ヨウ素酸ナトリウムなどの酸化剤、炭酸カリウムや水素化ナトリウムなどの塩基を加え、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃で、1時間〜12時間、好ましくは2時間〜6時間反応させることにより、化合物5を得ることができる。

第6工程
化合物5より、前記3)「化合物C−1およびC−2の合成」における第1工程と同様の方法で、化合物6を得ることができる。

第7工程
化合物6より、前記「化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物7を得ることができる。

38)化合物AH−1〜AH−2の合成
【化106-8】
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(式中、各記号は前記と同意義。Aは好ましくは、R等で置換されていてもよいアルキレン)
第1工程
化合物e7より、7)化合物G−2の合成における第1工程と同様の方法で、化合物1を得ることができる。

第2工程
化合物1をジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトンやアセトニトリル等の溶媒中において、ピリジンやルチジン、トリエチルアミン等の塩基と市販もしくは公知の方法で合成した置換スルホニルクロライド等を加え、0℃〜100℃、好ましくは0℃〜20℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは、0.5時間〜5時間反応させることにより、化合物2を得ることができる。

第3工程
化合物2を、DMF、DME、テトラヒドロフラン、アセトンやアセトニトリル等の溶媒中において、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムや水素化ナトリウム等の塩基と市販または公知の方法により調製したRで置換されていてもよいC環式基アルキルハライド(例:ピコリルハライド)等を加え、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることにより、化合物3を得ることができる。また、化合物2のRがアルキルスルホニル等の場合、テトラヒドロフラン、トルエンやジクロロメタン等の溶媒中、光延試薬としてDEAD、DIADやアゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)を、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィンやトリブチルホスフィンと市販または公知の方法により調製したRで置換されていてもよいベンジルアルコールを加え、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜30℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間反応させることによっても得ることができる。

第4工程
ジオキサン、DMF、DME、テトラヒドロフラン、水等の溶媒あるいは混合溶媒中において、化合物3にPd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PPhCl、Pd(dppf)ClやPd(dtbpf)等のパラジウム触媒と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムやリン酸カリウム等の塩基を加え、窒素雰囲気下にて、0℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃で、0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物4を得ることができる。

第5工程
化合物4より、1)「化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物5を得ることができる。

39)化合物(3)の合成
【化106-9】
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(式中、R4Aはハロゲン;R4Bはアルキル、アラルキル等;XはO;破線部はA環;その他の記号は前記と同意義)

第1工程
化合物(1)より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第3工程と同様の方法で、化合物(2)を得ることができる。

第2工程
以下の方法により化合物(3)を得ることができる。
(方法1)メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、化合物(2)に、5%または10%パラジウムカーボン、水酸化パラジウム、二酸化白金等の触媒を加え、水素雰囲気下、1〜10気圧、好ましくは1〜3気圧下で、0℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃で、0.1時間〜48時間、好ましくは1時間〜12時間反応させることにより、化合物(3)を得ることができる。
(方法2)メタノール、エタノール、テトラヒドロフランやDMSO等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中において、化合物(2)に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムや水酸化リチウム等を加え,0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜6時間反応させることにより、化合物(3)を得ることができる。
(方法3)テトラヒドロフラン、アセトニトリルやヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶媒中またはこれらの混合溶媒中において、化合物(2)に、フッ化テトラブチルアンモニウムやフッ化水素等のフッ化物を加え,0℃〜150℃、好ましくは20℃〜80℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは0.5時間〜3時間反応させることにより、化合物(3)を得ることができる。
(方法4)アセトニトリル、ジクロロメタンやトルエン等の溶媒中において、化合物(2)に、三臭化リン、ヨウ化トリメチルシリルや三塩化アルミニウム等のルイス酸を加え、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜80℃で、0.1時間〜24時間、好ましくは1時間〜6時間反応させることにより、化合物(3)を得ることができる。

40)化合物(4)の合成
【化106-10】
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第1工程
化合物(1)より、前述の「2)化合物B−1およびB−2の合成」における第2工程と同様の方法で、化合物(2)を得ることができる。

第2工程
アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、化合物(2)に亜硝酸tert−ブチルや亜硝酸イソペンチル等のジアゾ化試薬および塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)等の銅塩またはトリメチルシリルクロリド、トリメチルシリルアジド等を順次加え、0℃〜80℃、好ましくは20℃〜50℃で、0.1時間〜6時間、好ましくは0.5時間〜3時間反応させることにより、化合物(3)を得ることができる。化合物(3)は、2化合物の混合物(例:R7AがHとハロゲン)であってもよい。

第3工程
化合物(3)より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物(4)を得ることができる。化合物(4)は、2化合物の混合物(例:R7AがHとハロゲン)であってもよく、カラムクロマト等の精製により各単一化合物として得られる。

41)化合物(3)の合成
【化106-11】
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(式中、L3はハロゲン;R3Aはアルキル等;R3A’はNH2, OH 等)

第1工程
化合物(1)より、前述の「4)化合物D−1およびD−2の合成」における第9工程と同様の方法で、化合物(2)を得ることができる。

第2工程
化合物(2)より、前述の「1)化合物A−1およびA−2の合成」における第4工程と同様の方法で、化合物(3)を得ることができる。
【0220】
本発明化合物は、HIV複製阻害作用を有するため、エイズ等、ウイルス感染症の治療剤および/または予防剤として有用である。
本発明化合物のHIV複製阻害作用は、例えば、後記試験例1において、好ましくは、EC50値が100nM以下、より好ましくは50nM以下、さらに好ましくは20nM以下、特に好ましくは10nM以下である。同作用の評価としては、EC90値も使用可能である。また好ましい化合物では、ウイルス変異耐性が強い。またより好ましい化合物では、C24/EC50値が高い(C24:投与24時間後の血中濃度)
本発明化合物は、さらに好ましくは、下記いずれかあるいは全ての優れた特徴を有している。
a)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
b)高い血中濃度やバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示す。
c)代謝安定性が高い。
d)CYP酵素(例えば、CYP3A4)に対し、本明細書に記載する測定条件の濃度範囲内で不可逆的阻害作用を示さない。
e)変異原性を有さない。
f)心血管系のリスクが低い。
g)高い溶解性を示す。
h)耐性ウイルスに対しても強い薬効を示す。
I)水溶液中での安定性が高い。
j)光安定性が高く、および/または光毒性を有さないか低い。
【0221】
本発明の医薬組成物を投与する場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、注射剤等の通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。本発明化合物は、好ましくは経口吸収性が高いため、経口剤として好適に使用できる。
【0222】
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬組成物とすることができる。
【0223】
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、成人に経口投与する場合、通常0.05〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005〜10mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回〜数回に分けて投与すれば良い。
【0224】
本発明化合物は、該化合物の作用の増強または該化合物の投与量の低減等を目的として、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、その他の抗HIV薬等(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。この際、本発明化合物と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明化合物と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類の製剤として投与されてもよいし、両方の活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。
【0225】
併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0226】
また、本発明化合物は、遺伝子治療の分野において、HIVやMLVをもとにしたレトロウイルスベクターを用いる際に、目的の組織以外にレトロウイルスベクターの感染が広がるのを防止するために使用することができる。特に、試験管内で細胞等にベクターを感染しておいてから体内にもどすような場合に、本発明化合物を事前に投与しておくと、体内での余計な感染を防ぐことができる。
【0227】
逆転写酵素阻害剤としては、例えば、AZT、3TC、ジダノシン、ザルシタビン、サニルブジン、アバカビル、テノホビル、エムトリシタビン、ネビラビン、エファビレンツ、カプラビリン、エトラビリン、デラビルジン等が挙げられる。
【0228】
プロテアーゼ阻害剤としては、例えば、インディナビル、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、アタナザビル、ロピナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル、アタザナビル、ブレカナビル、ティプラナビル等が挙げられる。
【0229】
インテグラーゼ阻害剤としては、例えば、ラルテグラビル、エルビテグラビル、JTK−656、ドルテグラビル(S−349572)、S−265744等が挙げられる。
【0230】
その他の抗HIV薬としては、例えば、マラビロク、ビクリビロク等の侵入阻害剤、エンフュビルタイド、シフュビルタイド、アルブビルタイド等の融合阻害剤等が挙げられる。
【実施例】
【0231】
以下に本発明の実施例および参考例、ならびに試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0232】
本明細書中で用いる略語は以下の意味を表す。
Ac:アセチル
n−Bu:n−ブチル
t−Bu:tert−ブチル
Bn:ベンジル
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
DME:ジメトキシエタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DCM:ジクロロメタン
DMSO:ジメチルスルホキシド
dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
dppp:1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
dtbpf:1,1’−ジ−tert−ブチルホスフィノフェロセン
Et:エチル
Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Me:メチル
Ms:メチルスルホニル
NBS:N−ブロモスクシンイミド
NCS:N−クロロスクシンイミド
NIS:N−ヨードスクシンイミド
Ph:フェニル
TBS:tert−ブチルジメチルシリル
THF:テトラヒドロフラン
Tf:トリフルオロメタンスルホニル
TFA:トリフルオロ酢酸
TMS:トリメチルシリル
Ts:p−トルエンスルホニル
【0233】
各実施例で得られたNMR分析は300MHzまたは400Mhzで行い、DMSO−d、CDClを用いて測定した。
表中にRTとあるのは、LC/MS:液体クロマトグラフィー/質量分析でのリテンションタイムを表し以下の条件で測定した。なお、移動相中で2種の異性体として存在し得る化合物については、測定ピークが2本になり得る。

(測定条件)
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm)(Waters)
流速:0.8 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。

なお、※と記載している化合物については、以下の測定条件に変更して測定を行った。
カラム:Shim−pack XR−ODS (2.2μm、i.d.50x3.0mm) (Shimadzu)
流速:1.6 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:3分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。

▲と記載している化合物については、以下の測定条件に変更して測定を行った。
カラム:Shim−pack XR−ODS (2.2μm、i.d.50x3.0mm) (Shimadzu)
流速:1.6 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液、[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:8分間で10%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行い、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。

※2と記載している化合物については、以下の測定条件に変更して測定を行った。
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18 (1.7μm i.d.2.1x50mm)(Waters)
流速:0.8 mL/分
UV検出波長:254nm
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジェント:9.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
【0234】
実施例1 化合物3の合成
【化107】
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第1工程 化合物(2)の合成
化合物(1)(6.50g、16.0mmoL)をDMF(50.0mL)に溶解し、NBS(3.10g、17.6mmoL)をDMF(10.0mL)に溶解した溶液を、0℃にて滴下した。同温で10分間撹拌し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル−酢酸エチル)により精製し、化合物(2)を黄色固体(5.10g、収率65%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 2.06-2.09 (m, 5H), 2.28 (s, 3H), 2.69-2.83 (m, 2H), 3.66 (d, 3H), 4.23 (s, 2H), 5.01 (d, 1H), 6.78-6.87 (m, 2H), 6.98 (m, 1H). LC/MS (ESI):m/z = 476 [M + H]+.

第2工程 化合物(3)の合成
化合物(2)(150mg、0.315mmoL)をジクロロメタン(2.00mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.044mL、0.315mmoL)を加え、氷浴で冷却した。トリホスゲン(37.4mg、0.126mmoL)を加え、室温に昇温して15分間撹拌した。再度氷浴で冷却し、ベンジルアミン(0.103mL、0.945mmoL)のジクロロメタン(2.00mL)溶液を加え、室温に昇温して3時間45分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(3)を淡橙色固体(200mg、収率>100%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.92 (s, 9H), 1.98-2.08 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.39 (s, 3H), 2.63-2.84 (m, 2H), 3.58-3.61 (m, 3H), 4.08-4.24 ( m, 2H), 4.41-4.47 (m, 2H), 4.63 (br s, 1H), 4.99-5.02 (m, 1H), 5.94 (s, 1H), 6.79-6.95 (m, 3H), 7.24-7.30 (m, 5H).

第3工程 化合物(4)の合成
化合物(3)(192mg、0.315mmoL)、ヨウ化銅(I)(90.0mg、0.473mmoL)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.110mL、0.630mmoL)をDMA(2.50mL)に縣濁し、封管にて、150℃で2時間15分撹拌した。氷水と2moL/L塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(4)を淡黄色泡状物質(145mg、収率87.1%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.98(s, 9H), 1.93-1.96 (m, 3H), 1.96-2.05 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.63-2.77 (m, 2H), 3.62-3.67 (m, 3H), 4.20-4.25 (m, 2H),4.40 (m, 1H), 5.00 (m, 1H), 5.25-5.37 (m, 2H), 6.73-6.99 (m, 3H), 7.18-7.32 (m, 5H), 9.00 (m, 1H).

第4工程 化合物3の合成
化合物(4)(140mg、0.265mmoL)をエタノール(2.65mL)に溶解し、2moL/L水酸化ナトリウム水溶液(0.662mL、1.32mmoL)を加え、100℃で2時間50分撹拌した。氷水に注ぎ、水層を2 mol/L塩酸水溶液でpH≒3に調整し、酢酸エチルで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製し、60℃で減圧乾燥することにより、化合物3を淡橙色固体(110mg、収率80.7%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ:0.88(s, 9H), 1.75-1.86 (m, 5H), 2.50-2.75 (m, 2H), 4.14 (s, 2H), 4.84 (m, 1H), 5.10-5.30 (m, 2H), 6.70-6.85 (m, 2H),6.88 (m, 1H), 7.10-7.40 (m, 5H), 11.02 (s, 1H), 12.35 (br s, 1H). MS(ESI) m/z:515 [M + H]+
【0235】
実施例2 化合物7の合成
【化108】
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第1工程 化合物(6)の合成
化合物(5)(100mg、0.309mmoL)をジクロロエタン(2mL)に溶解し、酢酸(0.0350mL、0.619mmoL)とベンジルアミン(0.0340mL、0.309mmoL)を加え、60℃で3時間35分撹拌した。反応液を室温に冷却し、ソジウムトリアセトキシボロハイドライド(103mg、0.464mmoL)を加え、室温で16時間15分撹拌した。反応液を氷水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(6)を淡黄色油状物(175mg、収率>100%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:1.22 (s, 9H), 2.27 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 5.18 (s, 1H), 7.20-7.35 (m, 5H), 7.40 (s, 1H).

第2工程 化合物(7)の合成
化合物(6)(128mg、0.309mmoL)を酢酸(2.00mL)に溶解し、亜鉛粉末(202mg、3.09mmoL)を加え、60℃で2時間5分撹拌した。反応液を氷水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(7)を無色油状物(76mg、収率64.0%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ:1.14 (s, 9H), 2.04 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 3.50-3.65 (m, 6H), 4.95-5.25 (m, 3H), 6.48 (s, 1H), 7.20-7.40 (m, 5H).

第3工程 化合物(8)の合成
化合物(7)(361mg、0.939mmoL)をジクロロメタン(4.00mL)に溶解し、氷浴で冷却した。ブロミン(0.0480mL、0.939mmoL)のジクロロメタン(4.00mL)溶液を加え、同温で1時間撹拌した。反応液を氷水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(8)を無色油状物(133mg、収率30.6%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ:1.14 (s, 9H), 2.04 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 3.57 (s, 4H), 3.65 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 4.95-5.25 (m, 2H), 5.85 (s, 1H), 7.20-7.40 (m, 5H).

第4工程 化合物(9)の合成
化合物(8)(165mg、0.356mmoL)とカルボニルジイミダゾール(289mg、1.780mmoL)をジオキサン(5.00mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.622mL、3.56mmoL)を加え、120℃で14時間25分撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(9)を白色結晶性粉末(139mg、収率79.8%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:1.21 (s, 9H), 2.20 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.32 (s, 2H), 4.60-4.75 (m, 2H), 5.95 (s, 1H), 6.55 (s, 1H), 7.26-7.40 (m, 5H).

第5工程 化合物(10)の合成
化合物(9)(136mg、0.278mmoL)と6-クロマンボロン酸(74.2mg、0.417mmoL)をジオキサン(4.20mL)に溶解し、2moL/L炭酸カリウム水溶液(0.417mL、0.834mmoL)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。PdCl(dppf)(22.7mg、0.0280mmoL)を加え、再度脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行い、100℃で3時間45分撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水と2 mol/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(10)を淡黄色泡状物(106mg、収率70.3%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.96 (s, 9H), 1.69-1.75 (m, 3H), 1.95-2.15 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.65-2.95 (m, 2H), 3.60-3.70 (m, 3H), 4.20-4.30 (m, 3H), 4.30 (s, 2H), 4.60-4.73 (m, 2H), 5.00 (m, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.45-7.00 (m, 3H), 7.26-7.40 (m, 5H).

第6工程 化合物7の合成
化合物(10)(104mg、0.192mmoL)をエタノール(1.92mL)に溶解し、2moL/L水酸化ナトリウム水溶液(0.479mL、0.958mmoL)を加え、100℃で2時間35分撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水に注ぎ、水層を2moL/L塩酸水溶液でpH≒3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製し、60℃で減圧乾燥することにより、化合物7を淡黄色結晶性粉末(83mg、収率81.9%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ:0.86 (s, 9H), 1.68 (s, 3H), 1.80-2.00 (m, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.50-2.80 (m, 2H), 4.10-4.20 (m, 2H), 4.29 (s, 2H), 4.50-4.65 (m, 2H), 4.87 (m, 1H), 6.40-6.80 (m, 2H), 6.90 (m, 1H), 7.25-7.40 (m, 5H), 8.21 (s, 1H), 12.37 (br s, 1H).
MS(ESI) m/z:529 [M + H]+
【0236】
実施例3 化合物16の合成
【化109】
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第1工程 化合物(12)の合成
後述の化合物(33)と同様の手法で合成した化合物(11)(300 mg, 0.844 mmol)、1,2-ジブロモベンゼン (199 mg, 0.844 mmol)、キサントホス(37 mg, 0.063 mmol)、炭酸セシウム (550 mg, 1.69 mmol)、Pd2(dba)3 (39 mg, 0.042 mmol) をトルエン (3 ml) に加え、窒素雰囲気下において18時間加熱還流した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(12) (282 mg, 収率66%) を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 510, 512 [M+H] +

第2工程 化合物(13)の合成
化合物(12)(276 mg, 0.541 mmol)、酢酸パラジウム (12 mg, 0.054 mmol)、炭酸カリウム (149 mg, 1.08 mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウム テトラフルオロほう酸塩 (40 mg, 0.11 mmol) をジメチルアセトアミド (5 ml) に加え、窒素雰囲気下において130℃で2時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(13) (112 mg, 収率48%) を淡黄色固体として得た。
MS: m/z = 452 [M+Na] +

第3工程 化合物16の合成
化合物(13) (109 mg, 0.254 mmol) をメタノール (3 ml) とTHF (3 ml) に溶解し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液 (1.27 ml, 2.54 mmol) を加えて80℃で3時間攪拌した。反応液を希塩酸に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶し、化合物16 (78 mg, 収率74%) を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.88 (s, 9H), 2.41 (s, 6H), 2.58 (s, 3H), 5.02 (s, 1H), 7.14 (m, 2H), 7.29 (m, 3H), 7.38 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 11.13 (s, 1H).
MS: m/z = 438 [M+Na] +
【0237】
実施例4 化合物20の合成
【化110】
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第1工程 化合物(14)の合成
化合物(11)(500 mg, 1.41 mmol) をピリジン (5 ml) に溶解し、室温で塩化メタンスルホニル (483 mg, 0.329 mmol) を加えてそのまま18時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を希塩酸で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(14) (538 mg, 収率88%) を無色泡状物質として得た。

第2工程 化合物(15)の合成
化合物(14) (300 mg, 0.692 mmol) をDMF (3 ml) に溶解し、1−ブロモ−2−(ブロモメチル)ベンゼン(190 mg, 0.761 mmol) と炭酸セシウム (451 mg, 1.38 mmol) を室温で加えてそのまま4時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(15)(382 mg, 収率92%) を淡黄色固体として得た。
MS: m/z = 624, 626 [M+Na] +

第3工程 化合物(16)の合成
化合物(15)(356 mg, 0.591 mmol)、酢酸パラジウム (13 mg, 0.059 mmol)、炭酸カリウム (163 mg, 1.18 mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウム テトラフルオロほう酸塩 (44 mg, 0.12 mmol) をジメチルアセトアミド (6.5 ml) に加え、窒素雰囲気下において130℃で2時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(16)(288 mg, 収率93%) を淡黄色固体として得た。
MS: m/z = 544 [M+Na] +

第4工程 化合物20の合成
化合物(16)(285 mg, 0.546 mmol) をメタノール (6 ml) とTHF (4 ml) に溶解し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液 (2.73 ml, 5.46 mmol) を加えて80℃で3時間攪拌した。反応液を希塩酸に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をジイソプロピルエーテル-n-ヘキサンから再結晶し、化合物20(193 mg, 収率70%) を得た。
MS: m/z = 530 [M+Na] +
【0238】
実施例5 化合物22の合成
【化111】
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第1工程 化合物(17)の合成
化合物(11)(300 mg, 0.844 mmol) をピリジン (5 ml) に溶解し、室温で2−ブロモベンゼン−1−スルホニルクロリド(237 mg, 0.928 mmol) を加えてそのまま18時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を希塩酸で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(17)(422 mg, 収率87%) を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 596, 598 [M+Na] +

第2工程 化合物(18)の合成
化合物(17)(413 mg, 0.719 mmol) をDMF (5 ml) に溶解し、ヨードメタン (255 mg, 0.112 mmol) と炭酸セシウム (703 mg, 2.16 mmol) を室温で加えてそのまま4時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(18)(370 mg, 収率88%) を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 610, 612 [M+Na] +

第3工程 化合物(19)の合成
化合物(18)(365 mg, 0.620 mmol)、酢酸パラジウム (14 mg, 0.062 mmol)、炭酸カリウム (171 mg, 1.24 mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウム テトラフルオロほう酸塩 (46 mg, 0.12 mmol) をジメチルアセトアミド (7 ml) に加え、窒素雰囲気下において130℃で4時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(19)(283 mg, 収率90%) を淡黄色固体として得た。
MS: m/z = 530 [M+Na] +

第4工程 化合物22の合成
化合物(19)(262 mg, 0.516 mmol) をメタノール (4 ml) とTHF (2 ml) に溶解し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液 (2.58 ml, 5.16 mmol) を加えて80℃で3時間攪拌した。反応液を希塩酸に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をジイソプロピルエーテル-n-ヘキサンから再結晶し、化合物22 (177 mg, 収率70%) を得た。
MS(※): m/z = 516 [M+Na] +
【0239】
実施例6 化合物23の合成
【化112】
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第1工程 化合物(20)の合成
化合物(11)(200 mg, 0.563 mmol) をピリジン (3 ml) に溶解し、室温で塩化(2−ブロモ)ベンゾイル(136 mg, 0.619 mmol) を加えてそのまま18時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を希塩酸で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(20)(250 mg, 収率83%) を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 560, 562 [M+Na] +

第2工程 化合物(21)の合成
化合物(20)(243 mg, 0.451 mmol) をDMF (2.5 ml) に溶解し、水素化ナトリウム (60% in oil, 54.1 mg, 1.35 mmol) を0℃で加えて室温で10分攪拌した。ヨードメタン (192 mg, 1.35 mmol) を室温で加えてそのまま30分攪拌した。反応液を希塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(21)(216 mg, 収率87%) を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 552, 554 [M+H] +

第3工程 化合物(22)の合成
化合物(21)(208 mg, 0.376 mmol)、酢酸パラジウム (8.5 mg, 0.038 mmol)、炭酸カリウム (104 mg, 0.753 mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウム テトラフルオロほう酸塩 (28 mg, 0.075 mmol) をジメチルアセトアミド (4 ml) に加え、窒素雰囲気下において130℃で4時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗って硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(22)(99 mg, 収率56%) を淡黄色固体として得た。
MS: m/z = 472 [M+H] +

第4工程 化合物23の合成
化合物(22)(95 mg, 0.201 mmol) をメタノール (2 ml) とTHF (1 ml) に溶解し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液 (1.01 ml, 2.01 mmol) を加えて80℃で3時間攪拌した。反応液を希塩酸に加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧留去した。粗生成物をジイソプロピルエーテル-n-ヘキサンから再結晶し、化合物23(65 mg, 収率71%) を得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 0.91 (s, 9H), 2.41 (s, 6H), 2.46 (s, 6), 3.53 (s, 3H), 4.96 (s, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.61 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.74-7.78 (m, 1H), 8.26 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.34 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 12.65 (br s, 1H).
MS(※): m/z = 458 [M+H] +
【0240】
実施例7 化合物21の合成
【化113】
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【化114】
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第1工程 化合物(24)の合成
化合物(23)(25.0g、166mmol)の硫酸(350mL)溶液に、氷冷下、硝酸カリウム(18.5g、183mmol)を加えた。0℃で1.5時間攪拌し、反応液を氷水の中へ注いだ。析出してきた固体をろ過し、化合物(24)(31.8g、収率98%)を黄色固体として得た。
MS(ESI) m/z: 194.30[M−H]−

第2工程 化合物(25)の合成
化合物(24)(25.0g、128mmol)のジクロロメタン(750mL)溶液に、塩化亜鉛(40.9g、128mmol)、TMSCN(51.5mL、384mmol)を氷冷下加えた。0℃で20分間攪拌し、飽和重曹水(100mL)、水(600mL)を加えた。ジクロロメタン(500mL×3)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮することにより、化合物(25)の粗生成物(47g)を茶色油状物質得た。
MS(ESI) m/z: 292.95[M−H]−

第3工程 化合物(26)の合成
化合物(25)の粗生成物(45.6g)に対して、5〜10%塩化水素/メタノール溶液(456mL)、水(2.2mL、123mmol)を加え加熱還流下20時間攪拌した。減圧下メタノールを留去し、水(300mL)を加えた。酢酸エチル(300mL×3)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮する。残渣にジイソプロピルエーテル、ヘキサンを加えることにより、固体を析出させ、ろ過することによって化合物(26)(28.6g、収率91% 2工程)を黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:2.28(s,3H)、2.50(s,3H)、3.41(s,1H)、3.78(s,3H)、5.37(s,1H)、7.33(s,1H)、 9.48(s,1H)
MS(ESI) m/z: 254.05[M−H]−

第4工程 化合物(27)の合成
化合物(26)(29.0g、114mmol)のDMF(290mL)溶液に、炭酸カリウム(31.4g、227mmol)、ベンジルブロミド(14.9mL、125mmol)を加えた。室温で45分間攪拌し、2mol/L塩酸(300mL)と水(300mL)を加えた。酢酸エチル(300mL×3)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、化合物(27)(38.0g、収率97%)を黄色油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:2.30(s,3H)、2.32(s,3H)、3.46(d,1H,J=4.3Hz)、3.80(s,3H)、4.93(s,2H)、5.33(d,1H,J=4.3Hz)、7.30(s,1H)、7.37-7.44(m,5H)

第5工程 化合物(28)の合成
化合物(27)(38.0g、110mmol)のジクロロメタン(380mL)溶液に、二酸化マンガン(47.8g、550mmol)を加え加熱還流下2時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過後、濃縮することにより、化合物(28)(32.9g、収率87%)を黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:2.37(s,3H)、2.45(s,3H)、3.98(s,3H)、5.00(s,2H)、7.37-7.40(m,5H)、7.65(s,1H)

第6工程 化合物(29)の合成
化合物(28)(32.5g、95mmol)のジクロロメタン(325mL)溶液に、1M−(R)−CBS試薬(18.9mL、18.9mmol)、カテコールボラン(20.2mL、189mmol)を−78度に冷却下加えた。−78度で20分間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)加え、酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、化合物(29)(24.8g、収率76%)を黄色油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:2.30(s,3H)、2.32(s,3H)、3.46(d,1H,J=4.3Hz)、3.80(s,3H)、4.93(s,2H)、5.33(d,1H,J=4.3Hz)、7.30(s,1H)、7.37-7.44(m,5H)

第7工程 化合物(30)の合成
化合物(29)(24.5g、70.9mmol)の酢酸tert−ブチル(245mL)溶液に、過塩素酸(18.3mL、213mmol)を氷冷下加えた。0度で10分間攪拌し、飽和重曹水(400mL)を加え、酢酸エチル(300mL×3)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、化合物(30)(21、2g、収率74%)を黄色油状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:1.24(s,9H)、2.31(s,3H)、2.34(s,3H)、3.70(s,3H)、4.93(s,2H)、5.17(s,1H)、7.37-7.40(m,5H)、7.53(s,1H)

第8工程 化合物(31)の合成
化合物(30)(38.8g、97.0mmol)を酢酸(194mL)に溶解し、室温で亜鉛(25.3g、386mmol)を加え、60度で2.5時間攪拌した。濃縮した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)を加え、酢酸エチル(1000mL)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、化合物(31)の粗精製物(36.0g)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 372.2 [M+H] +

第9工程 化合物(32)の合成
化合物(31)(36.0g、97.0mmol)をアセトニトリル(180mL)に溶解した。氷冷下、NBS(16.7g、94.0mmol)を加え、氷冷下で1.5時間撹拌した。水(500mL)を加え、酢酸エチル(1000mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(300mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、化合物(32)の粗生成物(44.0g)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 450.2, 452.2 [M+H] +

第10工程 化合物(33)の合成
化合物(32)(41.9g、93.0mmol)をDMA(210mL)および水(21mL)に溶解し、4−メチルフェニルボロン酸(17.7g、130mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(6.06g、9.30mmol)、および炭酸カリウム(25.7g、186mmol)を加え、窒素雰囲気下130℃で2時間攪拌した。水(400mL)を加え、酢酸エチル(1000mL)で抽出した。有機層を水(500mL×2)および飽和食塩水(500mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(33)(15.1g、収率33%、3工程)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:0.96(s,9H)、1.91(s,3H)、2.25(s,3H)、2.41(s,3H)、3.67(s,3H)、3.89(s,2H)、4.84(d,J=11.3Hz,1H)、5.00(s,1H)、7.06(d,J=7.8Hz,1H)、7.18(d,J=7.8Hz,1H)、7.21(s,2H)、7.31-7.43(m,3H)、7.39(d,J=7.4Hz,1H)
MS: m/z = 462.2 [M+H] +

第11工程 化合物(34)の合成
化合物(33)(14.6g、31.7mmol)のメタノール(146mL)溶液に、20%wt、50%wet、水酸化パラジウム(4.45g)を加えた。室温で水素雰囲気下、3時間攪拌し、反応溶液をセライトろ過した。ろ液を濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製することにより、化合物(34)(4.38g、収率37%)を無色固体として得た。
MS: m/z = 372.3 [M+H] +

第12工程 化合物(35)の合成
化合物(34)(300mg、0.808mmol)をDMF(6mL)に溶解し、60%Wt水素化ナトリウム(35.5mg、0.888mmol)を氷冷下で加え、10分間攪拌した。1−ブロモ−2−ブチン(0.081mL、0.808mmol)を氷冷下で加え、45分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)および水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(35)(243mg、収率71%)を黄色固体として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:0.95(s,9H)、1.87-1.91(m,6H)、2.23(s,3H)、2.40(s,3H)、3.66(s,3H)、3.88(s,2H)、4.42-4.47(m,2H)、4.97(s,1H)、7.04(d,J=7.8Hz,1H)、7.14-7.23(m,3H)
MS: m/z = 424.4 [M+H] +

第13工程 化合物(36)の合成
化合物(35)(232mg、0.548mmol)をアセトニトリル(4.54mL)に溶解した。氷冷下で亜硝酸tert−ブチル(0.099mL、0.822mmol)およびトリメチルシリルアジド(0.087mL、0.657mmol)を加え、氷冷下で30分間攪拌した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(36)(242mg、収率98%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:0.94(s,9H)、1.87(t,J=2.3Hz,3H)、1.92(s,3H)、2.30(s,3H)、2.41(s,3H)、3.68(s,3H)、4.53-4.57(m,2H)、4.96(s,1H)、7.03(dd,J=7.8,1.8Hz,1H)、7.13-7.25(m,3H)
MS: m/z = 472.3 [M+Na] +

第14工程 化合物(37)の合成
化合物(36)(253mg、0.563mmol)をトルエン(5mL)に溶解し、加熱還流下で45分間攪拌した。濃縮して化合物(37)(241mg、収率95%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:0.97(s,9H)、1.91(s,3H)、2.40(s,3H)、2.43(s,3H)、2.83(s,3H)、3.72(s,2H)、5.08(s,1H)、5.15(d,J=13.3Hz,1H)、5.22(d,J=13.3Hz,1H)、7.07(dd,J=7.8,1.8Hz,1H)、7.15-7.28(m,3H)
MS: m/z = 450.3 [M+H] +

第15工程 化合物21の合成
化合物(37)(240mg、0.534mmol)をエタノール(5.34mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(1.34mL、2.67mmol)を加え、加熱還流下で30分間攪拌した。1mol/L塩酸(2.65mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物21(217mg、収率93%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:1.01(s,9H)、1.93(s,3H)、2.41(s,3H)、2.42(s,3H)、2.82(s,3H)、5.10(d,J=13.3Hz,1H)、5.21(s,1H)、5.29(d,J=13.3Hz,1H)、7.08(d,J=7.7Hz,1H)、7.22-7.27(m,2H)、7.41(d,J=7.7Hz,1H)
MS: m/z = 436.4 [M+H] +
【0241】
実施例8 化合物12の合成
【化115】
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第1工程 化合物(39)の合成
化合物(38)(21.2g、52.8mmol)の酢酸エチル(212mL)溶液に、10%wt、50%wet、Pd/C(2.12g)を加えた。室温で水素雰囲気下、6時間攪拌し、反応溶液をセライトろ過した。ろ液を濃縮後、カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、化合物(39)(16.2g、収率99%)を黄色油状として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:1.23(s,9H)、2.29(s,3H)、2.51(s,3H)、3.68(s,3H)、5.22(s,1H)、7.60(s,1H)、 9.51(s,1H)
MS(ESI) m/z: 315.35[M−H]−

第2工程 化合物(40)の合成
化合物(39)(16.2g、52mmol)のジクロロメタン(160mL)溶液に、ピリジン(8.42mL、104mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(13.2mL、78mmol)を氷冷下加えた。0度で10分間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加え、ジクロロメタン(100mL×2)で抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、化合物(40)(21、2g、収率92%)を薄いピンク色固体として得た。

第3工程 化合物(41)の合成
化合物(40)(10.0g、22.6mmol)をエタノール(150ml)に溶解し、10%Pd(OH)カーボン粉末(3.17g、2.26mmol)とトリエチルアミン(3.13ml、22.6mmol)を加えた。5気圧の水素雰囲気下、室温で18時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製し、化合物(41)(5.02g、収率84%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:1.25(s,9H), 2.17(s,3H), 2.23(s,3H), 3.55(br s,2H), 3.66(s,3H), 5.20(s,1H), 6.47(s,1H), 6.81(s, H).

第4工程 化合物(42)の合成
化合物(41)(5.02g、18.9mmol)をアセトニトリル(60ml)に溶解し、N−ブロモスクシンイミド(3.40g、18.9mmol)を0℃で加え、そのまま2時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製し、化合物(42)(4.95g、収率76%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:1.25(s,9H), 2.18(s,3H), 2.34(s,3H), 3.57(br s,2H), 3.67(s,3H), 5.95(s,1H), 6.57(s,1H).

第5工程 化合物(43)の合成
化合物(42)(4.80g、13.9mmol)をDMA(24mL)および水(2.4mL)に溶解し、2−(クロマン−6−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(5.44g、20.9mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(1.82g、2.79mmol)、および炭酸カリウム(3.85g、2.79mmol)を加え、窒素雰囲気下130℃で1.5時間攪拌した。水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を水(150mL×2)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(43)(5.04g、収率91%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 398.3 [M+H] +

第6工程 化合物(44)の合成
化合物(43)(1.73g、4.35mmol)をアセトニトリル(17.3mL)に溶解した。氷冷下、NBS(775mg、4.35mmol)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(44)(1.91g、収率92%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 476.2, 478.2 [M+H] +

第7工程 化合物(45)の合成
化合物(44)(100mg、0.210mmol)をDMA(0.5mL)および水(0.05mL)に溶解し、2−アセチルフェニルボロン酸(51.6mg、0.315mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(27.4mg、0.042mmol)、および炭酸カリウム(58.0mg、0.420mmol)を加え、封緘にて130℃で1.5時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(45)(40.4mg、収率39%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 498.2 [M+H] +

第2工程 化合物12の合成
化合物(45)(40.0mg、0.080mmol)をエタノール(0.8mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.2mL、0.400mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。1mol/L塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物12(36.9mg、収率95%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 484.0 [M+H] +
【0242】
実施例9 化合物8の合成
【化116】
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第1工程 化合物(47)の合成
前述の化合物(44)と同様の手法で合成した化合物(46)(69.6mg、0.142mmol)をDMA(0.5mL)および水(0.05mL)に溶解し、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル(59.0mg、0.213mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(18.5mg、0.029mmol)、および炭酸カリウム(39.0mg、0.284mmol)を加え、封緘にて130℃で2時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(47)(29.6mg、収率41%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 514.3 [M+H] +

第2工程 化合物8の合成
化合物(47)(29.0mg、0.056mmol)をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.25mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物8(28.0mg、収率99%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 500.3 [M+H] +
【0243】
実施例10 化合物9の合成
【化117】
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第1工程 化合物(48)の合成
化合物(46)(1.51g、3.08mmol)をDMF(11.2mL)に溶解し、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.91g、15.4mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン和物(336mg、0.411mmol)、および酢酸カリウム(1.51g、15.4mmol)を加え、封緘にて110℃で17時間攪拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(100mL×2)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(48)(1.12g、収率68%)を黄色泡状物質として得た。
MS: m/z = 538.4 [M+H] +

第2工程 化合物(49)の合成
化合物(48)(116mg、0.216mmol)をDMA(0.75mL)および水(0.075mL)に溶解し、3−ヨードチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(87.1mg、0.324mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(39.4mg、0.060mmol)、および炭酸カリウム(60.0mg、0.144mmol)を加え、封緘にて130℃で2時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、酢酸エチル(3mL)および酢酸(0.125mL)に溶解し、室温で17時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(49)(80.3mg、収率73%)を無色固体として得た。
MS: m/z = 520.3 [M+H] +

第3工程 化合物9の合成
化合物(49)(80.0mg、0.154mmol)をエタノール(1.54mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.385mL、0.770mmol)を加え、加熱還流下で2時間攪拌した。1mol/L塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物3(62.2mg、収率80%)を無色固体として得た。
MS: m/z = 506.2 [M+H] +
【0244】
実施例11 化合物10の合成
【化118】
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第1工程 化合物(50)の合成
化合物(48)(232mg、0.432mmol)をピリジン(3mL)に溶解した。100度に加熱し、2−ブロモベンジルスルフォニルクロリド(349mg、1.30mmol)を加え、100度で1時間攪拌した。室温まで冷却した後、水(25mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を1mol/L塩酸(30mL)、水(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(50)(139mg、収率42%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 768.3, 770.3 [M+H] +

第2工程 化合物(51)の合成
化合物(50)(142mg、0.184mmol)をDMA(1.42mL)および水(0.142mL)に溶解し、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(24.0mg、0.037mmol)、および炭酸カリウム(50.9mg、0.369mmol)を加え、封緘にて130℃で1.5時間攪拌した。1mol/L塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を1mol/L塩酸(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(51)(37.4mg、収率36%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 562.3 [M-H] +

第3工程 化合物10の合成
化合物(51)(42.2mg、0.075mmol)をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.25mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で2.5時間攪拌した。1mol/L塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物10(25.9mg、収率63%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 548.3 [M-H] +
【0245】
実施例12 化合物18の合成
【化119】
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第1工程 化合物(52)の合成
化合物(34)(300mg、0.808mmol)をDMF(6mL)に溶解し、60%Wt水素化ナトリウム(35.5mg、0.888mmol)を氷冷下で加え、10分間攪拌した。2−(ブロモメチル)安息香酸エチル(196mg、0.808mmol)を氷冷下で加え、45分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)および水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(52)(274mg、収率63%)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 534.5 [M+H] +

第2工程 化合物(53)の合成
化合物(52)(283mg、0.530mmol)をエタノール(5.30mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(1.33mL、2.65mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。1mol/L塩酸(2.65mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し化合物(53)(257mg、収率99%)の粗生成物を黄色泡状物質として得た。
MS: m/z = 492.4 [M-H] -

第3工程 化合物18の合成
化合物(53)(240mg、0.534mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(198mg、1.03mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(140mg、1.03mmol)をDMF(12.7mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.180mL、1.03mmol)を加え、室温で66時間攪拌した。1mol/L塩酸(50mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した後、有機層を1mol/L塩酸(50mL×2)飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物18(90.8mg、収率37%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3、400MHz)δ:0.70(s,9H)、1.86(s,3H)、2.18(s,3H)、2.34(s,3H)、4.75(s,1H)、5.03-5.26(m,1H)、5.40-5.62(m,1H)、6.88-7.37(m,8H)、9.29(s,1H) 、12.4(s,1H)
MS: m/z = 474.2 [M+H] +
【0246】
実施例13 化合物25の合成
【化120】
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第1工程 化合物(55)の合成
前述の化合物(44)と同様の手法で合成した化合物(54)(100mg、0.230mmol)をトルエン(2mL)に溶解し、1,3−シクロヘキサンジオン(25.8mg、0.230mmol)、およびパラトルエンスルホン酸一水和物(4.38mg、0.023mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣をDMA(2mL)に溶解し、酢酸パラジウム(5.17mg、0.023mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(9.50mg、0.23mmol)、酢酸ナトリウム(76.0mg、0.921mmol)および塩酸テトラエチルアンモニウム(381mg、2.30mmol)を加え、封緘にて120℃で4時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(55)(29.1mg、収率28%)を茶色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 2.12-2.22 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.52-2.63 (m, 8H), 2.96 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.64 (s, 3H), 5.07 (s, 1H), 7.11 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.16-7.24 (m, 3H), 8.97 (s, 1H).
MS: m/z = 448.3 [M+H] +

第2工程 化合物25の合成
化合物(55)(29.0mg、0.065mmol)をエタノール(0.648mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.162mL、0.324mmol)を加え、加熱還流下で45分間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物25(24.4mg、収率87%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (s, 9H), 2.09-2.18 (m, 2H), 2.41 (s, 6H), 2.50-2.61 (m, 5H), 2.83-2.93 (m, 2H), 5.23 (s, 1H), 7.15 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.20-7.26 (m, 2H), 7.37 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 9.88 (s, 0H).
MS: m/z = 434.2 [M-H] -
【0247】
実施例14 化合物29の合成
【化121】
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第1工程 化合物(56)の合成
化合物(33)(50.0mg、0.108mmol)をピリジン(1mL)に溶解した。100度に加熱し、2−フルオロベンゼンスルフォニルクロリド(0.043mL、0.325mmol)を加え、100度で1.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を1mol/L塩酸(30mL)、水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(56)(62.7mg、収率93%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94 (s, 9H), 2.20 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 4.81 (s, 2H), 4.98 (s, 1H), 6.43 (s, 1H), 6.99-7.05 (m, 2H), 7.11-7.18 (m, 2H), 7.19-7.24 (m, 2H), 7.31-7.37 (m, 5H), 7.41-7.48 (m, 1H), 7.75 (ddd, J = 7.5, 7.5, 1.5 Hz, 1H).
MS: m/z = 618.3 [M-H] -

第2工程 化合物(57)の合成
化合物(56)(60.0mg、0.097mmol)のメタノール(2mL)溶液に、20%wt、50%wet、水酸化パラジウム(13.6mg)を加えた。室温で水素雰囲気下、15時間攪拌し、反応溶液をセライトろ過した。ろ液を濃縮後することにより、化合物(57)(41.3mg、収率81%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.81 (s, 9H), 1.82 (s, 3H), 1.89 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 3.58 (s, 3H), 4.86 (s, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.92 (s, 1H), 7.01-7.05 (m, 1H), 7.10-7.14 (m, 1H), 7.18-7.24 (m, 4H), 7.57-7.64 (m, 1H), 7.78 (ddd, J = 7.5, 7.5, 1.1 Hz, 1H).
MS: m/z = 528.2 [M-H] -

第3工程 化合物(58)の合成
化合物(57)(40.0mg、0.076mmol)をDMF(1mL)に溶解した。氷冷下で60%wt水素化ナトリウム(9.06mg、0.227mmol)を加え、80℃で2時間攪拌した。1mol/L塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより化合物(58)の粗生成物を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 508.2 [M-H] -

第4工程 化合物29の合成
化合物(58)の粗生成物をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.250mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で3時間攪拌した。1mol/L塩酸(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物29(32.0mg、収率86% 2工程)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (s, 9H), 2.07 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.52 (s, 3H), 5.11 (s, 1H), 6.69 (s, 1H), 7.02 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.27-7.39 (m, 5H), 7.51 (ddd, J = 7.5, 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 7.9, 0.9 Hz, 1H).
MS: m/z = 494.1 [M-H] -
【0248】
実施例15 化合物30の合成
【化122】
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第1工程 化合物(59)の合成
化合物(34)(200mg、0.538mmol)をDMF(4mL)に溶解し、60%Wt水素化ナトリウム(23.7mg、0.592mmol)を氷冷下で加え、15分間攪拌した。2−ブロモ−5−フルオロベンジルブロミド(144mg、0.538mmol)を氷冷下で加え、1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)および水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2回)および飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(59)(223mg、収率74%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (s, 9H), 1.88 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.82 (s, 2H), 4.87 (s, 2H), 5.00 (s, 1H), 6.93 (td, J = 8.3, 3.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.16-7.23 (m, 3H), 7.48 (dd, J = 9.4, 3.0 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 8.8, 5.1 Hz, 1H).
MS: m/z = 558.2, 560.2 [M+H] +

第2工程 化合物(60)の合成
化合物(59)(50.0mg、0.090mmol)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(8.2mg、0.009mmol)、tert−ブトキシナトリウム(17.2mg、0.179mmol)、炭酸カリウム(24.8mg、0.179mmol)をトルエン(1mL)に溶解した。室温でtert−ブチルホスフィン(0.9mg、0.004mmol)を加え、封緘にて95℃で4時間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮することにより化合物(60)の粗生成物を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 478.2 [M+H] +

第3工程 化合物30の合成
化合物(60)の粗生成物をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.250mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で30分間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物30(37.2mg、収率90% 2工程)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 1.93 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 5.00 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 5.85 (s, 1H), 6.73-6.81 (m, 2H), 6.88 (td, J = 8.3, 2.7 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.18-7.24 (m, 2H), 7.35 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 9.85 (br s, 1H).
MS: m/z = 464.2 [M+H] +
【0249】
実施例16 化合物33の合成
【化123】
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第1工程 化合物(61)の合成
化合物(34)(300mg、0.808mmol)をDMF(3mL)に溶解し、60wt%水素化ナトリウム(35.5mg、0.888mmol)を氷冷下で加え、15分間攪拌した。1-ブロモシクロブタン酸エチルエステル(0.392mL、2.42mmol)を氷冷下で加え、室温で4.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)および水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(61)(35.0mg、収率10%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.90 (s, 3H), 1.94-2.03 (m, 2H), 2.26-2.36 (m, 5H), 2.42 (s, 3H), 2.61-2.73 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 4.98 (s, 1H), 7.04 (dd, J = 7.6, 1.4 Hz, 1H), 7.16-7.25 (m, 3H), 7.44 (s, 1H).
MS: m/z = 452.2 [M+H] +

第2工程 化合物33の合成
化合物(61)(35.0mg、0.078mmol)をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.250mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で30分間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物33(24.1mg、収率71%)を薄茶色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 1.89-2.04 (m, 5H), 2.23-2.38 (m, 5H), 2.41 (s, 3H), 2.49-2.58 (m, 1H), 2.74-2.83 (m, 1H), 5.10 (s, 1H), 7.05 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 10.88 (s, 1H).
MS: m/z = 438.2 [M+H] +
【0250】
実施例17 化合物34および35の合成
【化124】
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第1工程 化合物(62)の合成
化合物(34)(1.00mg、2.69mmol)をDMF(20mL)に溶解し、60wt%水素化ナトリウム(118mg、2.96mmol)を氷冷下で加え、20分間攪拌した。臭化アリル(0.233mL、2.69mmol)を氷冷下で加え、45分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)および水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL×2回)飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(62)(733mg、収率64%)を茶色油状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.88 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 3.81 (s, 2H), 4.30-4.39 (m, 2H), 4.98 (s, 1H), 5.26 (dd, J = 10.4, 1.4 Hz, 1H), 5.45 (dd, J = 17.1, 1.4 Hz, 1H), 6.07-6.18 (m, 1H), 7.05 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15-7.22 (m, 3H).
MS: m/z = 412.2 [M+H] +

第2工程 化合物(63)の合成
化合物(62)(606mg、1.47mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、2−クロロエタンスルホニルクロリド(0.186mL、1.77mmol)のジクロロメタン溶液(1mL)およびピリジン(0.357mL、4.42mmol)のジクロロメタン溶液(1mL)を氷冷下で加え、室温に昇温しながら2.5時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を1mol/L塩酸水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(63)(565mg、収率74%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94 (s, 9H), 1.88 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 4.40 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.99 (s, 1H), 5.30 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 17.2, 1.3 Hz, 1H), 5.90 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.03 (s, 1H), 6.06-6.16 (m, 1H), 6.22 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 6.82 (dd, J = 16.6, 9.9 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20-7.25 (m, 2H).
MS(ESI) m/z: 500.2[M-H]-

第3工程 化合物(64)の合成
化合物(63)(547mg、1.09mmol)をジクロロメタン(54.7mL)に溶解し、第二世代グラブス触媒(278mg、0.327mmol)を室温で加え、25時間攪拌した。濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(64)(113mg、収率21%)を茶色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.89 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.77-4.89 (m, 2H), 4.99 (s, 1H), 6.15 (s, 1H), 6.37 (dt, J = 11.0, 4.0 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.18-7.26 (m, 2H).
MS(ESI) m/z: 472.2[M-H]-

第4工程 化合物34の合成
化合物(64)(105mg、0.222mmol)をエタノール(2.22mL)に溶解した。室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.554mL、1.11mmol)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物34(44.5mg、収率44%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.99 (s, 9H), 1.92 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 3.57 (dd, J = 15.2, 7.7 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 15.2, 7.7 Hz, 1H), 4.85 (ddd, J = 7.7, 7.7, 7.7 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 6.74 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 7.23-7.28 (m, 2H), 7.37 (d, J = 6.5 Hz, 1H).
MS: m/z = 458.2 [M-H] -

第5工程 化合物35の合成
化合物34(30.0mg、0.065mmol)をメタノール(1.5mL)に溶解し、10wt%水酸化パラジウム(18.3mg、0.013mmol)を室温で加え、水素雰囲気下1時間攪拌した。不溶物をセライトろ過により除去し、ろ液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム―メタノール)で精製することにより、化合物35(18.7mg、収率62%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 1.93 (s, 3H), 2.03-2.18 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 3.23-3.43 (m, 2H), 4.07-4.17 (m, 1H), 4.23-4.34 (m, 1H), 5.10 (s, 1H), 6.20 (s, 1H), 7.07 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.20-7.27 (m, 2H), 7.37 (d, J = 5.1 Hz, 1H).
MS: m/z = 460.2 [M-H] -
【0251】
実施例18 化合物46および47の合成
【化125】
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第1工程 化合物(65)の合成
化合物(54)(210mg、0.483mmol)とアリルテトラブチルすず(240mg、0.725mmol)をDMF(2mL)に溶解し、塩化リチウム(2mg、0.047mmol)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。PdCl(dtbpf)(31mg、0.048mmol)を加え、再度脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行い、100℃で30分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(5mL)で希釈後、飽和フッ化カリウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をエバポレーターで減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(66)(135mg、74.1%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.89 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 3.39 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.65 (s, 3H), 3.68 (s, 2H), 5.00 (s, 1H), 5.05-5.07 (m, 1H), 5.09 (s. 1H), 5.88-5.97 (m, 1H), 7.05 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 2H),7.20 (s, 2H).

第2工程 化合物(66)の合成
化合物(65)(536mg、1.36mmol)をピリジン(5mL)に溶解し、氷冷下、公知の方法で合成したベンジルスルファモイルクロリド(557mg、2.71mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を1mol/L塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(66)(766mg、100%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.89 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.51 (s, 3H),3.66 (s, 3H), 3.68 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.70-4,77 (m, 1H), 4.95 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 5.06 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.87-5.97 (m, 1H), 5.99-6.02 (m, 1H), 7.04 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.16-7.27 (m, 3H), 7.29-7.33 (m, 1H), 7.36 (d, J = 4.0 Hz, 4H).

第3工程 化合物(67)および(68)の合成
化合物(66)(342mg、0.606mmol)をDMF(4mL)に溶解し、酢酸銅(II)(165mg、0.908mmol)と炭酸カリウム(251mg、1.82mmol)を加え、100℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(67)(38mg、11.2%)と(68)(59mg、17.3%)を得た。
化合物(67)
1H NMR (CDCl3) δ: 0.99 (s, 9H), 1.82 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 3.06 (dd, J = 15.6, 8.4 Hz, 1H), 3.16 (dd, J = 15.6, 9.2 Hz, 1H), 3.24 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 9.6, 6.0 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.86 (d. J = 13.2 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 14.8, 7.6 Hz, 1H), 4.97 (s, 1H), 7.10 (dd, J = 16.8, 7.2 Hz, 2H), 7.22 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 7.32-7.41 (m, 5H).
化合物(68)
1H NMR (CDCl3) δ: 0.94 (s, 9H), 1.83 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.57 (s, 3H), 3.05 (dd, J = 15.2, 8.4 Hz, 1H), 3.16 (dd, J = 15.6, 9.2 Hz, 1H), 3.24 (d, J = 10.0 Hz, 1H),
3.44 (dd, J = 9.6, 5.6 Hz, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.93 (d. J = 13.2 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 14.4, 8.0 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 7.03 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 7.31-7.38 (m, 5H).

第4工程 化合物47および48の合成
化合物(67)(38mg、0.068mmol)をエタノール(2mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1mL、2mmol)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(5mL)で希釈し、2mol/L塩酸水溶液(2mL、4mmol)を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物47(29mg、78.3%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.02 (s, 9H), 1.86 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.07 (dd, J = 15.6, 8.4 Hz, 1H), 3.15 (dd, J = 15.6, 9.2 Hz, 1H), 3.25 (d. J = 10.4 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 9.6, 6.0 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 4.65 (dd, J = 14.8, 6.8 Hz, 1H), 5.10 (s, 1H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.33-7.39 (m, 6H).
MS(ESI) m/z:547.0 [M - H]-(※)

同様にして、化合物(68)より化合物48を得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.99 (s, 9H), 1.82 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 3.05 (dd,J = 16.6, 8.4 Hz, 1H), 3.12 (dd, J = 15.6, 9.2 Hz, 1H), 3.44 (dd, J = 9.6, 6.0 Hz), 3.68 (s, 3H), 3.96 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 14.8, 7.2 Hz, 1H), 4.97 (s, 1H), 7.08 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 7.32-7.41 (m, 5H).
MS(ESI) m/z:547.1 [M - H]-(※)
【0252】
実施例19 化合物49の合成
【化126】
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第1工程 化合物(71)の合成
化合物(70)(1.00g、2.67mmol)とアリルテトラブチルすず(1.33g、4.02mmol)をDMF(5mL)に溶解し、塩化リチウム(11mg、0.259mmol)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。PdCl(dtbpf)(174mg、0.267mmol)を加え、再度脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行い、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(10mL)で希釈後、飽和フッ化カリウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をエバポレーターで減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(71)(618mg、69.0%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ:1.23 (s, 9H), 2.28 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 3.25 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 4.97 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 5.19 (s, 1H), 5.76-5.85 (m, 1H), 7.49 (s, 1H).

第2工程 化合物(72)の合成
化合物(71)(1.00g、2.98mmol)とピリジン(707mg、8.94mmoL)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、ドライアイス浴にて、−78℃に冷却した。オゾンガスを30分間反応液中にバブリング、引き続き窒素ガスを10分間バブリングした。ドライアイス浴を除去し、室温まで昇温した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をエバポレーターで減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製することで、化合物(72)(707mg、70.3%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ:1.24 (s, 9H), 2.28 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 3.60 (s, 2H), 3.70 (s, 3H), 5.21 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 9.66 (s, 1H).

第3工程 化合物(73)の合成
化合物(72)(350mg、1.04mmol)とシクロヘキシルアミン(206mg、2.08mmol)と酢酸(20mg、0.333mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、氷冷下、ソジウムトリアセトキシボロハイドライド(331mg、1.56mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をエバポレーターで減圧留去することで、粗生成物として化合物(73)(453mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。

第4工程 化合物(74)の合成
上記粗生成物(453mg)を酢酸(5mL)に溶解させ、室温下、亜鉛(1.02g、15.6mmol)を加え、同温度で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、不溶物をろ過した。溶媒をエバポレーターで減圧留去し、得られた残渣をジクロロメタンに溶解させ、重曹水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をエバポレーターで減圧留去することで、化合物(74)を粗精製物として得た。本化合は精製することなく、次反応に用いた。

第5工程 化合物(75)の合成
上記粗生成物をピリジン(3mL)に溶解させ、スルファミド(300mg、3.12mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をエバポレーターで減圧留去することで、粗生成物として化合物(75)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。

第6工程 化合物(76)の合成
上記粗生成物をキシレン(3mL)に溶解させ、トリエチルアミン(315mg、3.11mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1mol/L塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(76)(226mg、48.0%(四工程収率))を得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.88-1.01 (m, 1H) 1.13-1.28 (m, 4H), 1.22 (s, 9H), 1.37-1.44 (m, 1H), 1.51-1.59 (m, 2H), 1.66-1.71 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.03 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.34-3.48 (m, 2H), 3.65 (s, 3H), 3.69-3.75 (m, 1H), 5.22 (s, 1H), 5.70 (s, 1H), 7.35 (s, 1H).

第7工程 化合物(77)の合成
化合物(76)(226mg、0.499mmol)をDMF(2mL)に溶解し、室温下、NBS(89mg、0.500mmol)を加え、同温度で24時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで溶媒を減圧留去することで、化合物(77)を粗生成物として得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。

第8工程 化合物(78)の合成
上記粗生成物とクロマン−6−イルボロン酸(125mg、0.702mmol)をDMF(3mL)と水(0.3mL)の混合溶媒に溶解し、炭酸カリウム(195mg、1.41mmoL)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。PdCl(dtbpf)(31mg、0.048mmoL)を加え、再度脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行い、100℃で30分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(78)(226mg、74.5%(二工程収率))を得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.80-0.99 (m, 1H), 0.96 (s, 9H), 1.10-1.28 (m, 6H), 1.44-1.51 (m, 1H), 1.56-1.60 (m, 2H), 1.69-1.73 (m, 2H), 1.94 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 2.02-2.08 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.68-2.85 (m, 2H), 3.11 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.43 (t, J = 6.0 Hz), 3.63 (s, 1.33H), 3.66 (s, 1.67H), 3.76 (t, J = 11.2 Hz, 1H), 4.24 (brs, 2H), 5.01 (d, J = 9.6 Hz), 5.79 (s, 1H), 6.75-6.85 (m, 2H), 6.90-6.95 (m, 1H).

第9工程 化合物49の合成
化合物(78)(205mg、0.351mmol)をエタノール(2mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1mL、2mmol)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(5mL)で希釈し、2mol/L塩酸水溶液(2mL、4mmol)を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物49(130mg、65.0%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.84-0.90 (m, 1H), 1.00 (s, 9H), 1.08-1.33 (m, 6H), 1.97-1.98 (m, 3H), 2.01-2.07 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.70-2.85 (m, 2H), 3.08-3.16 (m, 2H), 3.01-3.41 (m, 1H), 3.45-3.54 (m, 1H), 3.69-3.77 (m, 1H), 4.22-4.25 (m, 2H), 5.17 (s, 1H), 5.72-5.73 (m, 1H), 6.71-6.86 (m, 2H), 7.11 (brs, 1H).
MS(ESI) m/z:570.7 [M - H]-(※)
【0253】
実施例20 化合物50の合成
【化127】
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第1工程 化合物(80)の合成
化合物(22)(50.0mg、0.106mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解した。氷冷下、2mol/Lボラン−ジメチルスルフィド錯体テトラヒドロフラン溶液(0.106mL、0.212mmol)を加えた。室温に昇温しながら5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(80)(43.5mg、収率90%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 2.21 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.43 (s, 6H), 3.71 (s, 3H), 3.95 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 5.01 (s, 1H), 7.19 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.22-7.33 (m, 6H), 7.68 (dd, J = 6.0, 1.8 Hz, 1H).
MS(ESI) m/z: 458.2[M+H]+

第2工程 化合物50の合成
化合物(80)(43.0mg、0.094mmol)をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.250mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で45分間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物50(31.1mg、収率75%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.99 (s, 9H), 2.22 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.93 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 4.09 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 7.20 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.23-7.34 (m, 5H), 7.45 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.69 (dd, J = 6.3, 2.0 Hz, 1H), 9.90 (s, 1H).
MS: m/z = 444.2 [M+H]+
【0254】
実施例21 化合物38および39の合成
【化128】
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第1工程 化合物(81)の合成
化合物(34)(293mg、0.788mmol)をトルエン(5mL)に懸濁した。室温で2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(112mg、0.788mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(7.50mg、0.039mmol)を加え、加熱還流下で30分間攪拌した。トリエチルアミン(0.125mL)を加え、反応液を濃縮した後、得られた残渣をエタノール(6mL)に溶解した。トリエチルアミン(2.19mL、15.8mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(81)(210mg、収率56%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94 (s, 9H), 2.06 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 5.00 (s, 1H), 6.93 (dd, J = 8.2, 8.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.05 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 7.16-7.25 (m, 3H), 7.38 (ddd, J = 8.2, 8.2, 6.5 Hz, 1H), 8.81 (s, 1H).
MS(ESI) m/z: 476.2[M+H]+

第2工程 化合物39の合成
化合物(81)(107mg、0.226mmol)をエタノール(2.26mL)に溶解した。室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.565mL、1.13mmol)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物39(80.8mg、収率78%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.98 (s, 9H), 2.08 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 5.13 (s, 1H), 6.93 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.20-7.26 (m, 2H), 7.34 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.39 (ddd, J = 8.3, 8.3, 6.5 Hz, 1H), 8.82 (s, 1H).
MS: m/z = 462.4 [M+H]+

第3工程 化合物38の合成
化合物39(48.5mg、0.105mmol)をメタノール(1.5mL)に溶解し、10%Wt水酸化パラジウム(29.5mg、0.021mmol)を室温で加え、水素雰囲気下で15時間攪拌した。不溶物をセライトろ過により除去し、ろ液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム―メタノール)で精製することにより、化合物38(28.4mg、収率58%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 2.09 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 4.57 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 5.10 (s, 1H), 6.85 (dd, J = 8.2, 8.2 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.15-7.24 (m, 3H), 7.33 (d, J = 7.5 Hz, 1H).
MS: m/z = 464.4 [M+H]+
【0255】
実施例22 化合物61の合成
【化129】
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第1工程 化合物(82)の合成
化合物(65)(93.0mg、0.218mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。氷冷下、ピリジン(0.053mL、0.657mmol)およびアリルスルホニルクロリド(47.0mg、0.334mmol)のジクロロメタン溶液(1mL)を加え、室温に昇温しながら7時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機層を1mol/L塩酸水溶液(10mL)および飽和食塩水(15mL×2回)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(82)(46.9mg、収率42%)を茶色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z: 498.10[M-H]-

第2工程 化合物(83)の合成
化合物(82)(34.6mg、0.069mmol)をジクロロメタン(7mL)に溶解し、第二世代グラブス触媒(9.5mg、0.004mmol)のジクロロメタン溶液(0.2mL)を室温で加え、窒素雰囲気下25時間攪拌した。濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(83)(29.4mg、収率90%)を茶色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z: 470.10[M-H]-

第3工程 化合物61の合成
化合物(83)(32.5mg、0.069mmol)をメタノール(1mL)、テトラヒドロフラン(1mL)および水(1mL)に溶解した。室温で水酸化リチウム(10.0mg、0.418mmol)を加え、50℃で24時間攪拌した。1mol/L塩酸(0.75mL)および飽和食塩水(10mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物61(31.6mg、収率100%)を無色固体として得た。
MS: m/z = 456.05 [M-H]-(▲)
【0256】
実施例23 化合物52の合成
【化130】
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第1工程 化合物(84)の合成
化合物(62)(704mg、1.71mmol)をピリジン(10mL)に溶解した。氷冷下、アリルスルホニルクロリド(1.49mg、6.20mmol)を加え、室温で終夜攪拌した後、さらに50℃にて1時間攪拌した。反応液を水(40mL)および1mol/L塩酸水溶液(14mL)に注ぎ、酢酸エチル(80mL)で抽出した。有機層を水(40mL)および飽和食塩水(40mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(84)(302mg、収率34%)を黄色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z: 514 [M+H]+

第2工程 化合物(85)の合成
化合物(84)(160mg、0.310mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解した。室温で第二世代グラブス触媒(26.3mg、0.031mmol)を加え、5.5時間攪拌した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(85)(125mg、収率83%)を茶色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z: 486 [M-H]-

第3工程 化合物52の合成
化合物(85)(109mg、0.224mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)、メタノール(1mL)、水(1.5mL)に溶解した。室温で水酸化リチウム(26.8mg、1.12mmol)を加え、50℃で9.5時間攪拌した。2mol/L塩酸(1mL)および水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物52(59.0mg、収率56%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 472 [M-H] -(※)
【0257】
実施例24 化合物54の合成
【化131】
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第1工程 化合物(86)の合成
化合物52(125mg、0.256mmol)を酢酸エチル(2mL)およびメタノール(2mL)に溶解した。10%wtパラジウム炭素(25mg)を加え、室温、水素雰囲気下で3時間攪拌した後、反応溶液をセライトろ過した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(86)(51.0mg、41%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 488 [M-H]-

第2工程 化合物54の合成
化合物(86)(51.0mg、0.104mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)、メタノール(1mL)、水(1mL)に溶解した。室温で水酸化リチウム(15.0mg、0.625mmol)を加え、60℃で9.5時間攪拌した。2mol/L塩酸(1mL)および水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物54(37.0mg、収率75%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 474 [M-H]-(※)
【0258】
実施例25 化合物67の合成
【化132】
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第1工程 化合物(87)の合成
化合物(34)(100mg、0.269mmol)、2−クロロ−6−トリフルオロメチルニコチン酸(60.7mg、0.269mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(41.2mg、0.269mmol)をDMF(2mL)に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(51.6mg、0.269mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、有機層を水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(87)(134mg、収率86%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (s, 9H), 1.95 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 5.02 (s, 1H), 7.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.16-7.25 (m, 3H), 7.33 (s, 1H), 7.83 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.53 (d, J = 7.9 Hz, 1H).
MS: m/z = 577.4 [M-H]-

第2工程 化合物(88)の合成
化合物(87)(130mg、0.225mmol)をDMF(2.6mL)に溶解した。室温で炭酸カリウム(62.1mg、0.449mmol)を加え、100℃で45分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(30mL×2回)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(88)(110mg、収率91%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94 (s, 9H), 2.23 (s, 3H), 2.42 (d, J = 5.9 Hz, 6H), 3.67 (s, 3H), 5.02 (s, 1H), 7.04 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.20-7.25 (m, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.67 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.50 (d, J = 7.8 Hz, 1H).
MS: m/z = 541.4 [M-H]-

第3工程 化合物67の合成
化合物(88)(105mg、0.194mmol)をエタノール(1.94mL)に溶解した。室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.484mL、0.968mmol)を加え、加熱還流下で45分間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物67(66.6mg、収率65%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.98 (s, 9H), 2.26 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 5.15 (s, 1H), 7.07 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.20-7.31 (m, 3H), 7.68 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.48 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 10.27 (s, 0H).
MS: m/z = 527.4 [M-H]-
【0259】
実施例26 化合物42の合成
【化133】
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第1工程 化合物(87)の合成
化合物(54)より化合物(48)と同様の合成法により得られた化合物(48’)(292mg、0.607mmol)をDMA(6mL)および水(0.6mL)に溶解し、3−(2−ブロモフェニル)プロパン酸エチルエステル(187mg、0.728mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(79.0mg、0.121mmol)、および炭酸カリウム(168mg、1.21mmol)を加え、窒素雰囲気下130℃で1.5時間攪拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(60mL)で抽出した。有機層を水(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(87)(89.0g、収率28%)を黄色泡状物質として得た。
MS: m/z = 532 [M+H]+

第2工程 化合物(88)の合成
化合物(87)(123mg、0.231mmol)をエタノール(3mL)に溶解した。室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.694mL、1.39mmol)を加え、50℃で10.5時間攪拌した。2mol/L塩酸(3mL)および水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥することにより化合物(88)(117mg、収率103%)を黄色泡状物質として得た。
MS: m/z = 490 [M+H]+

第3工程 化合物(89)の合成
化合物(88)(113mg、0.231mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(88.0mg、0.462mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(62.4mg、0.462mmol)をDMF(5.7mL)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.081mL、0.462mmol)を加え、室温で29時間攪拌した。2mol/L塩酸(10mL)および水(10mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を水(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(89)(78.0mg、収率57%)を黄色泡状物質として得た。

第4工程 化合物(90)の合成
化合物(89)(78.0mg、0.132mmol)をメタノール(2mL)に溶解した。室温で2mol/L炭酸カリウム水溶液(0.331mL、0.662mmol)を加え、室温で17.5時間攪拌した。2mol/L塩酸(4mL)および水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(90)(52.0mg、収率81%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 486 [M+H]+

第5工程 化合物42の合成
化合物(90)(52.0mg、0.107mmol)をエタノール(2mL)に溶解した。室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.268mL、0.535mmol)を加え、室温で87.5時間攪拌した。2mol/L塩酸(2mL)および水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物42(42.0mg、収率83%)を黄色泡状物質として得た。
MS: m/z = 472 [M-H]-
【0260】
実施例27 化合物64および81の合成
【化134】
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第1工程 化合物(91)の合成
化合物(54)より化合物(47)と同様の合成法により得られた化合物(47’)(173mg、0.378mmol)をジクロロメタン(1.73mL)に溶解し、氷冷下、ピリジン(0.040mL、0.492mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.070mL、0.416mmol)を加え、氷冷下、1時間攪拌した。1mol/L塩酸水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(91)(206mg、収率94%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (s, 9H), 2.47 (s, 3H), 2.62 (s, 3H), 2.82 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 5.15 (s, 1H), 7.22-7.25 (m, 1H), 7.29-7.34 (m, 3H), 7.77 (dd, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 7.86-7.90 (m, 1H), 8.28 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
MS: m/z = 590.2 [M+H]+

第2工程 化合物(92)の合成
化合物(91)(50.0mg、0.085mmol)をトルエン(1mL)に溶解した。室温でベンジルアミン(0.019mL、0.170mmol)、炭酸セシウム(55.3mg、0.170mmol)、キサントホス(7.36mg、0.013mmol)およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(4.9mg、0.008mmol)を加え、加熱還流下で3時間攪拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(92)(25.8mg、収率56%)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 547.5 [M+H]+

第3工程 化合物64の合成
化合物(92)(25.0mg、0.046mmol)をエタノール(1mL)に溶解した。室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.250mL、0.500mmol)を加え、加熱還流下で45分間攪拌した。1mol/L塩酸(0.5mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物64(24.3mg、収率100%)を黄色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 2.44 (s, 3H), 2.52 (s, 3H), 2.75 (s, 3H), 4.92 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.99 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.26 (s, 1H), 5.62 (s, 1H), 7.26-7.39 (m, 6H), 7.47-7.59 (m, 4H), 7.66 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.57 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 9.96 (s, 1H).
MS: m/z = 533.5 [M+H]+

第4工程 化合物81の合成
化合物64(56.0mg、0.105mmol)をメタノール(1mL)および酢酸(0.1mL)に溶解した。10%wt水酸化パラジウム(29.5mg)を加え、室温、水素雰囲気下で16時間攪拌した後、反応溶液をセライトろ過した。ろ液を濃縮後、ジオールシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)によって精製することにより、化合物81(7.7mg、17%)を無色固体として得た。
1H-NMR (MeOD) δ: 0.86 (s, 9H), 2.37 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 2.62 (s, 3H), 5.06 (s, 1H), 7.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.25-7.29 (m, 3H), 7.76 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
MS: m/z = 443.4 [M+H]+
【0261】
実施例28 化合物73の合成
【化135】
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第1工程 化合物(93)の合成
化合物(54)(100mg、0.230mmol)をピリジン(2mL)に溶解し、室温でFmoc−L−プロリン酸クロリド(316mg、0.888mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。1mol/L塩酸水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(93)(109mg、収率59%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 753.4/755.4 [M+H]+

第2工程 化合物(94)の合成
化合物(93)(100mg、0.133mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解した。室温でジエチルアミン(1mL)を加え、室温で1.5時間攪拌した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(94)(60.7mg、収率86%)を無色油状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.72-1.84 (m, 1H), 1.86-1.97 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 2.14-2.24 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.07-3.15 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.96 (dd, J = 8.3, 5.8 Hz, 1H), 4.99 (s, 1H), 7.01-7.08 (m, 1H), 7.13-7.18 (m, 1H), 7.19-7.25 (m, 2H), 9.44 (s, 1H).
MS: m/z = 531.4/533.4 [M+H]+

第3工程 化合物73の合成
化合物(94)(55.0mg、0.103mmol)をジオキサン(1mL)に溶解した。室温でトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(9.48mg、0.010mmol)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−1Hイミダゾリウムテトラフルオロボラン酸塩(9.90mg、0.021mmol)、tert−ブトキシカリウム(46.4mg、0.414mmol)を加え、マイクロ波照射下、160℃で10分間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物73(10.0mg、収率22%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 1.76-1.85 (m, 1H), 1.91 (s, 3H), 1.95-2.01 (m, 1H), 2.16-2.24 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.70-2.78 (m, 1H), 2.95 (ddd, J = 8.5, 8.5, 4.8 Hz, 1H), 3.58 (dd, J = 16.1, 7.3 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.15 (s, 1H), 7.07 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.32 (s, 1H).
MS: m/z = 437.4 [M+H]+
【0262】
実施例29 化合物51の合成
【化136】
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第1工程 化合物(95)の合成
化合物(54)(4.34g、10.0mmoL)と(E)−スチリルボロン酸(1.78g、12.0mmoL)をDMF(43.4mL)と水(4.34mL)の混合溶液に懸濁し、炭酸カリウム(4.15 g、30.0mmoL)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。PdCl(dtbpf)(326mg、0.500mmoL)を加え、再度脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行い、120℃で30分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水と2 mol/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(95)を淡黄色泡状物(4.26g、93.1%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 0.98 (s, 9H), 1.91 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 5.02 (s, 1H), 6.81 (d, J = 16.0, 1H), 7.00-7.40 (m, 8H), 7.50-7.56 (m, 2H).

第2工程 化合物(96)の合成
化合物(95)(2.86g、6.25mmoL)をピリジン(28.6mL)に溶解し、メタンスルホニルクロリド(1.46mL、18.8mmoL)を加え、室温で2時間10分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣を結晶化(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(96)を淡橙色結晶性粉末(3.00g、89.5%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.97 (s, 9H), 1.55 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 5.04 (s, 1H), 5.98 (s, 1H), 6.66 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.00-7.43 (m, 8H), 7.40-7.52 (m, 2H).

第3工程 化合物(97)の合成
化合物(96)(3.00g、5.59mmoL)とピリジン(1.35mL、16.8mmoL)をジクロロメタン(50.0mL)に溶解し、ドライアイス浴にて、−78℃に冷却した。オゾンガスを31分間反応液中にバブリング、引き続き窒素ガスを17分間バブリングした。ドライアイス浴を除去し、室温まで昇温した後、さらに1時間25分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(97)を淡黄色泡状物(690mg、26.7%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.97(s, 9H), 2.25 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.97 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 5.05 (s, 1H), 7.00-7.30 (m, 4H), 6.73-6.99 (m, 3H), 8.64 (s, 1H), 10.55 (s, 1H).

第4工程 化合物(98)の合成
化合物(97)(690mg、1.50mmoL)をジクロロエタン(7.00mL)に溶解し、酢酸(0.171mL、2.99mmoL)とベンジルアミン(0.196mL、1.79mmoL)を加え、60℃で2時間48分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、ソジウムトリアセトキシボロハイドライド(500mg、2.24mmoL)を加え、室温で3時間20分間撹拌した。反応液を氷水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(98)を淡黄色泡状物(633mg、76.6%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.94(s, 9H), 1.89 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 3.13 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 3.87 (s, 2H), 4.05 (s, 2H), 4.98 (s, 1H), 7.01 (m, 1H), 7.10-7.40 (m, 9H).

第5工程 化合物(99)の合成
化合物(98)(83.0mg、0.150mmoL)をジクロロメタン(2.00mL)に溶解し、塩水浴にて冷却した。ピリジン(0.0240mL、0.300mmoL)とブロモアセチルクロリド(0.0220mL、0.225mmoL)を加え、塩水浴下にて57分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(99)を黄色油状物(96.0mg、94.9%)として得た。
1H NMR (CDCl3)δ:0.96(s, 9H), 1.85 (s, 3H), 2.42 (s, 6H), 3.07 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.85 (s, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.70-5.00 (m, 2H), 5.02 (s, 1H), 6.75-7.45 (m, 10H).

第6工程 化合物(100)の合成
化合物(99)(94.0mg、0.140mmoL)をジメチルホルムアミド(2.00mL)に溶解し、炭酸カリウム(38.6mg、0.279mmoL)を加え、50℃で1時間8分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(100)をジアステレアマーで分離し、それぞれ白色泡状物(42.0mg、50.8%)と白色泡状物(31.0mg、37.5%)として得た。
LC/MS(ESI)r.t.= 2.65 min, m/z:593.15 [M + H]+ and r.t.= 2.66 min, m/z:593.15 [M + H]+.

第7工程 化合物51の合成
化合物(100)(40.0mg、0.0670mmoL)をエタノール(1.35mL)に溶解し、2moL/L水酸化ナトリウム水溶液(0.337mL、0.675mmoL)を加え、90℃で3時間16分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水に注ぎ、水層を2 mol/L塩酸水溶液でpH≒3に調整し、酢酸エチルで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製し、60℃で減圧乾燥することにより、化合物51を白色泡状物(23.0mg、68.4%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ:0.86(s, 9H), 1.55 (br s, 1H), 2.36 (s, 6H), 4.25 (br s, 2H), 4.51 (m, 1H), 4.82 (br s, 2H), 6.86 (br s, 1H),7.00-7.35 (m, 8H), 8.29 (s, 1H), 12.57 (br s, 1H). MS(ESI) m/z:499.3 [M + H]+
【0263】
実施例30 化合物53の合成
【化137】
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第1工程 化合物(101)の合成
化合物(54)(500mg、1.15mmol)をDMSO(10mL)に溶解し、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸(330mg、0.30mmol)、炭酸セシウム(750mg、0.30mmol)およびヨウ化銅(66mg、0.345mmol)を加え、窒素ガス導入後、封管で130℃、7時間攪拌した。室温まで冷却し、水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(101)(262mg、収率47%)を無色固体として得た。
MS: m/z = 478 [M+H] +

第2工程 化合物53の合成
化合物(101)(126mg、0.263mmol)をメタノール(1mL)、テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(1.32mL、2.54mmol)を加え、60度で7時間攪拌した。2mol/L塩酸(1.3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後HPLC分取することにより化合物53(28mg、収率23%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.35-1.50 (m, 4H), 1.68-1.80 (m, 6H),1.88 (s, 3H), 2.00-2.10 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 4.17(s, 1H), 5.08 (s, 1H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.20-7.26 (m, 2H), 7.38 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H)
MS: m/z = 449 [M-H] -
【0264】
実施例31 化合物71の合成
【化138】
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第1工程 化合物(102)の合成
化合物(74)(260mg、0.666mmoL)をジオキサン(6.00mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン( 1.16mL、6.66mmoL)とカルボニルジイミダゾール(540mg、3.33mmoL)を加え、120℃で1時間22分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水と2 mol/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(102)を白色固体(195mg、70.3%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.00-1.75 (m, 19H), 2.22 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.80-2.95 (m, 2H), 3.30-3.50 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 4.14 (m, 1H), 5.19 (s, 1H), 6.24 (s, 1H), 7.02 (s, 1H).

第2工程 化合物(103)の合成
化合物(102)(193mg、0.463mmoL)をDMF(2.00mL)に溶解し、氷浴で冷却した。NBS(83.0mg、0.463mmoL)を加え、室温で1時間22分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(103)を淡黄色固体(215mg、93.7%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.00-1.75 (m, 19H), 2.33 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.90-3.10 (m, 2H), 3.35-3.60 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 4.13 (m, 1H), 6.01 (s, 1H), 6.23 (s, 1H).

第3工程 化合物(104)の合成
化合物(103)(100mg、0.202mmoL)と4−メチルフェニルボロン酸(41.2mg、0.303mmoL)をDMF(1.00mL)と水(0.100mL)の混合溶液に懸濁し、炭酸カリウム(112m g、0.807mmoL)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。PdCl(dtbpf)(13.2mg、0.807mmoL)を加え、再度脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行い、120℃で17分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水と2 mol/L塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(104)を淡黄色泡状物(101mg、98.8%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 0.90 (s, 9H), 1.00-1.85 (m, 10H), 1.86 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.90-3.05 (m, 2H), 3.40-3.50 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 4.13 (m, 1H), 4.99 (s, 1H), 6.33 (s, 1H), 6.95-7.10 (m, 2H), 7.15-7.25 (m, 2H).

第4工程 化合物71の合成
化合物(104)(99.0mg、0.195mmoL)をエタノール(1.95mL)に溶解し、2moL/L水酸化ナトリウム水溶液(0.488mL、0.977mmoL)を加え、90℃で1時間27分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水に注ぎ、水層を2 mol/L塩酸水溶液でpH≒3に調整し、酢酸エチルで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製し、60℃で減圧乾燥することにより、化合物71を白色結晶性粉末(76.0mg、79.0%)として得た。
1H NMR (DMSO-d6)δ:0.84 (s, 9H), 1.00-1.80 (m, 10H), 1.82 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.85-2.95 (m, 2H), 3.30-3.50 (m, 2H), 3.42 (m, 1H), 4.84 (s, 1H),7.00-7.15 (m, 2H), 7.20-7.35 (m, 3H), 12.46 (br s, 1H). MS(ESI) m/z:493.3 [M + H]+
【0265】
実施例32 化合物78の合成
【化139】
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第1工程 化合物(106)の合成
化合物(105)(100g、456mmol)と濃硫酸(300mL)を塩化ナトリウム−氷浴中で攪拌し、発煙硝酸(40mL、456mmol)を0℃で滴下した。室温で2時間攪拌後、氷に反応混合物を加え析出する固体をろ過した。析出固体を酢酸エチル(500mL)に溶解し、水、食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。濃縮残渣を塩化チオニル(270mL)に溶解し、1時間加熱還流した後に、濃縮乾固した。さらに濃縮残渣にメタノール(400mL)をゆっくり加え、1時間加熱還流した後に、濃縮乾固した。濃縮残渣を酢酸エチルから再結晶化することにより化合物(106)(72g)を得た。
1H-NMR(CD3OD) δ:2.59(s,3H), 3.98(s,3H), 8.32(s,2H)

第2工程 化合物(107)の合成
化合物(106)(50g、183mmol)、2−(クロマン−6−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(57.8g、220mmol)、CsCO(178g、550mmol)をジオキサン(400mL)−水(80mL)に溶解し、窒素雰囲気下、Pd(dppf)Cl(2g、2.4mmol)を加え、90℃で14時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル、水を加え有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製することにより化合物(107)(47.2g)を得た。
LC-MS (ESI): m/z=328[M+H]+.

第3工程 化合物(108)の合成
化合物(107)(47.2g、145mmol)をメタノール(200mL)に溶解し、窒素雰囲気下で10%パラジウム炭素(20g)を加えた。反応容器を水素置換し、室温で14時間攪拌した。パラジウムをセライトろ過し、ろ液を濃縮乾固することにより、化合物(108)(42g)を得た。濃縮残渣を精製することなく次の反応に用いた。
1HNMR (CDCl3):2.04-2.06(m, 2H), 2.24(s,3H), 2.80(s,2H), 3.66(s,3H),4.23-4.25(m, 2H),6.80-6.85(m, 3H), 8.23(s,1H), 8.46 (s,1 H).

第4工程 化合物(109)の合成
化合物(108)(42g、142mmol)をDMF(200mL)に溶解し、NBS(25.2g、142mmol)のDMF(50mL)溶液を氷冷下滴下し、10分攪拌した。酢酸エチルと水を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製することにより化合物(109)(23g)を得た。
LC-MS (ESI): m/z=376[M+H]+.
1HNMR (CDCl3): 2.01-2.04(m,5H), 2.75-2.78(m,2H), 3.59(s,3H), 4.19-4.21(m,2H), 6.71-6.76(m,2H), 6.85-6.89 (m,2 H).
【0266】
【化140】
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【化141】
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第5工程 化合物(110)の合成
化合物(109)の1,4−ジオキサン/水(100mL/10mL)溶液に炭酸セシウム(48.5g、149mmol),Pd(dppf)Clを加え、窒素置換後、化合物(109’)(15.7g、69.4mmol)を加え、85℃で14時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル、水を加え、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(110)(15.0g)を得た。
LC/MS (ESI): m/z=396 [M+H]+

第6工程 化合物(111)の合成
化合物(110)(15.0g、38mmol)をエタノール(500mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(7g)を加え、40℃で4時間、水素雰囲気下攪拌し、さらに80℃で攪拌した。室温まで冷却後、パラジウム炭素をろ過、ジクロロメタン(200mL×3回)で洗浄して、ろ液を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固することにより化合物(111)(9.5g)を得た。精製することなく次の反応に用いた。
LC/MS (ESI): m/z=351 [M+H]+

第7工程 化合物(112)の合成
化合物(111)(9.5g、27mmol)をジクロロメタンに溶解し、−60℃で1M 水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(81mL、81mmol)を滴下し、2時間攪拌後、室温まで昇温させた。1M塩酸を加え、有機層を分液し、水層を酢酸エチル(300mL×3回)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(112)(4.8g)を得た。
LC/MS (ESI): m/z=323 [M+H]+

第8工程 化合物(113)の合成
化合物(112)(4.8g、14.9mmol)をDMSOに溶解し、2−ヨードキシ安息香酸(8.3g、29.7mmol)を加え、45℃で攪拌する。酢酸エチル、水を加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(113)(3.5g)を得た。
LC/MS (ESI): m/z=321 [M+H]+

第9工程 化合物(114)の合成
化合物(113)(3.5g、10.9mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、ヨウ化亜鉛(3.5g、11.0mmol)を加え、氷冷下、TMSCN(3.3g、32.7mmol)を加え攪拌する。水(100mL)を加え、ジクロロメタン(100mL×2回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固することにより化合物(112)(5.0g)を得た。精製することなく次の反応に用いた。

第10工程 化合物(115)の合成
化合物(114)(5g、10.9mmol)をメタノール(250mL)に溶解し、塩化水素ガスを吹き込み60℃で14時間攪拌した。室温まで冷却後、水を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固することにより化合物(115)(2.6g)を得た。精製することなく次の反応に用いた。

第11工程 化合物(116)の合成
化合物(115)(2.6g、6.8mmol)をtert−ブチル酢酸(100mL)に溶解し、窒素気流中、過塩素酸(70%、8.0g、80mmol)を少量づつ加え、室温で30分攪拌した。反応液を飽和食塩水に流入し、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(116)(2.4g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ:10.01 (s, 1H), 6.88-6.73 (m, 4H), 4.95 (d, 1H, J=5.6 Hz), 4.18 (s, 2H), 3.62-3.58 (m, 3H), 3.07 (m, 1H),2.83-2.76 (m, 3H), 2.35-2.31 (m, 3H), 1.99-1.89 (m, 5H), 0.90 (s, 9H).
【0267】
【化142】
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第12工程 化合物(117)の合成
化合物(116)(2.9g、6.63mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、窒素雰囲気下1mol/L ボラン・テトラヒドロフラン溶液(19.9mL、19.9mmol)を加え50度で攪拌した。一時間後、氷冷下メタノール(5mL)と水(25mL)を加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製することにより、白色泡状の化合物(117)(2.70g、96.2%)を得た。
MS(ESI) m/z: 424.15(M+H+)

第13工程 化合物(118)の合成
化合物(117)(2.6g、6.14mmol)のジクロロメタン(26mL)溶液に、氷冷下NBS(1.20g、6.75mmol)を加え攪拌した。1時間後、飽和重曹水(20mL)を加え、ジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製することにより、白色泡状の化合物(118)(2.73g、88.5%)を得た。
MS(ESI) m/z: 502.05(M+H+)

第14工程 化合物(119)の合成
化合物(118)(100mg、0.199mmol)のDMF(1mL)溶液に、2mol/L 炭酸カリウム水溶液(0.30mL、0.59mmol)、エチル2−(4、4、5、5−テトラメチル−1、3、2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエート(110mg、0.398mmol)、[1、1−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(13.0mg、0.02mmol)を加え窒素雰囲気下120度で攪拌した。30分後、水(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製し、不純物まざりの化合物を得た。次にその化合物に酢酸(1mL)を加え室温で攪拌した。30分後濃縮し、粗生成物(119)を得た。
MS(ESI) m/z: 526.15(M+H+)

第15工程 化合物78の合成
粗生成物(119)のメタノール(1mL)溶液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1mL、1.99mmol)を加え、60度で攪拌した。3時間後、2mol/L塩酸(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(クロロホルム)によって精製し、白色泡状の化合物78(45.1mg、44.1%(3工程))を得た。
MS(ESI) m/z: 512.15 (M+H+)(※)
1H-NMR(400MHz, CDCl3): δ1.01(9H, s), 1.98-2.18(4H, m), 2.48(1.5H, s), 2.50(1.5H, s), 2.63-2.94(3H, m), 3.35-3.44(1H, m), 4.13-4.38(4H, m), 5.31(1H, s), 6.89(1H, dd, J=8.8Hz, 2.3Hz), 6.98-7.11(1H, m), 7.22(1H, s), 7.57(1H, dd, J=7.8Hz, 7.8Hz), 7.68(1H, dd, J=7.8Hz, 7.8Hz), 8.21(1H, d, J=8.1Hz), 8.55(1H, d, J=8.1Hz), 9.68(1H, brs)
【0268】
実施例33 化合物79の合成
【化143】
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第1工程 化合物(120)の合成
化合物(118)(300mg、0.597mmol)のDMF(3mL)溶液に、シアン化亜鉛(140mg、1.19mmol)、Pd(PPh(69.0mg、0.06mmol)を加え、窒素雰囲気下120度で攪拌した。3時間後、水(6mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製することにより、白色泡状の化合物(120)(262mg、97.8%)を得た。
MS(ESI) m/z: 449.15 (M+H+)

第2工程 化合物(121)の合成
化合物(120)(200mg、0.446mmol)の酢酸(2mL)溶液に、10%Pd/C(50%含水)(20mg)を加え、水素雰囲気下80度で攪拌した。1時間後、反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮することによって、粗生成物(121)を得た。

第3工程 化合物(122)の合成
粗生成物(121)のキシレン(2mL)溶液に、硫酸アミド(86mg、0.893mmol)、トリエチルアミン(0.186mL、1.34mmol)を加え加熱還流下攪拌した。1.5時間後、反応液を濃縮しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製することにより、白色泡状の化合物(122)(121.4mg、52.9%(2工程))を得た。
MS(ESI) m/z: 537.10 (M+Na+)

第4工程 化合物(123)の合成
化合物(122)(50mg、0.097mmol)のDMF(1mL)溶液に水素化ナトリウム(7.7mg、0.194mmol)、ベンジルブロミド(0.023mL、0.194mmol)を加え、室温で攪拌した。30分後、2mol/L塩酸(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製し、白色泡状の化合物(123)(57mg、97.0%)を得た。
MS(ESI) m/z: 627.30 (M+Na+)

第5工程 化合物79の合成
化合物(123)(55mg、0.091mmol)のメタノール(1mL)溶液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.455mL、0.909mmol)を加え60度で攪拌した。1時間後、2mol/L塩酸(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製し、白色泡状の化合物79(50mg、93.1%)を得た。
MS(ESI) m/z: 591.10 (M+H+)(※)
1H-NMR(400MHz, CDCl3): δ1.02(9H, s), 1.69(0.5H, s), 1.71(0.5H, s), 1.90-2.17(4H, m), 2.45-2.59(1H, m), 2.67-2.87(2H, m), 3.06-3.17(1H, m), 3.54-3.65(1H, m), 3.91-4.05(2H, m), 4.19-4.53(5H, m), 5.19(0.5H, s), 5.20(0.5H, s), 6.72-6.87(2H, m), 7.13(1H, brs), 7.29-7.41(5H, m), 9.66(1H, brs)
【0269】
実施例34 化合物80の合成
【化144】
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第1工程 化合物(124)の合成
化合物(120)(230mg、0.513mmol)の酢酸(2mL)溶液に、10%Pd/C(50%含水)(23mg)を加え、水素雰囲気下80度で攪拌した。1時間後、反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮することによって、粗生成物(124)を得た。

第2工程 化合物(125)の合成
粗生成物(124)のキシレン(2mL)溶液に、尿素(61.6mg、1.03mmol)、トリエチルアミン(0.213mL、1.54mmol)を加え加熱還流下攪拌した。2時間後、反応液を濃縮しカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製することにより、白色泡状の化合物(125)(64.5mg、26.3%(2工程))を得た。
MS(ESI) m/z: 479.20(M+Na+)

第3工程 化合物(126)の合成
化合物(125)(60mg、0.125mmol)のDMF(1mL)溶液に水素化ナトリウム(10.0mg、0.251mmol)、ベンジルブロミド(0.03mL、0.251mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、2mol/L塩酸(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製し、白色泡状の化合物(126)(40mg、56.1%)を得た。
MS(ESI) m/z: 589.15 (M+Na+)

第4工程 化合物80の合成
化合物(126)(40mg、0.07mmol)のメタノール(1mL)溶液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.35mL、0.703mmol)を加え60度で攪拌した。1時間後、2mol/L塩酸(2mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)によって精製し、白色泡状の化合物80(33mg、84.6%)を得た。
MS(ESI) m/z: 555.20 (M+H+)
1H-NMR(400MHz, CDCl3): δ1.01(9H, s), 1.74(1.5H, s), 1.75(1.5H, s), 1.79-1.93(1H, m), 1.95-2.09(4H, m), 2.42-2.54(1H, m), 2.67-2.85(2H, m), 2.93-3.05(1H, m), 3.55-3.72(1H, m), 4.18-4.27(4H, m), 4.62-4.74(2H, m), 5.16(1H, s), 6.78(1H, d, J=8.3Hz), 6.82(1H, d, J=8.3Hz), 7.12(1H, brs), 7.27-7.38(5H, m), 9.62(1H, brs)
【0270】
実施例35 化合物87の合成
【化145】
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第1工程 化合物(127)の合成
化合物53(50mg、0.104mmol)をアセトン(1mL)に溶解し、炭酸セシウム(68mg、0.209mmol)およびヨウ化メチル(44mg、0.31mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を水(10mL)、飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後精製することなく次の反応に用いた。無色固体 55mg
MS: m/z = 493 [M+H] +

第2工程 化合物87の合成
化合物(127)(55mg、0.104mmol)をメタノール(0.5mL)、テトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解し、室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.52mL、1.04mmol)を加え、60度で10時間攪拌した。2mol/L塩酸(0.52mL)および飽和食塩水(15mL)を加え、酢酸エチル(25mL)で抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後HPLC分取することにより化合物87(19mg、収率38%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.97 (s, 9H), 1.10-1.70 (m, 10H),1.86 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 4.16(s, 1H), 5.13 (s, 1H), 7.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.19-7.26 (m, 2H), 7.45-7.55 (m, 1H)
MS: m/z = 479[M+H] +
【0271】
実施例36 上記実施例に従い、以下の化合物を合成した。
【表1】
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【0272】
【表2】
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【0273】
【表3】
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【0274】
【表4】
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【0275】
【表5】
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【0276】
【表6】
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【0277】
【表7】
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【0278】
【表8】
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【0279】
【表9】
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【0280】
【表10】
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【0281】
【表11】
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【0282】
【表12】
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【0283】
実施例37 上記実施例に従い、以下の化合物が合成可能である。
【化146】
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【0284】
【化147】
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【化148】
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【0285】
【化149】
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実施例38 化合物92の合成
【化150-1】
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第一工程 化合物(2)の合成
化合物(1)(50mg、0.104mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリエチルアミン(43μL、0.313mmol)およびアセチルクロリド(22μL、0.313mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を水(10mL)、飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して化合物(2)を得た。化合物(2)を精製することなく次の反応に用いた。無色固体 60mg
MS: m/z = 521 [M+H] +

第2工程 化合物92の合成
化合物(2)(60mg)をメタノール(0.5mL)、テトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解し、室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.52mL、1.04mmol)を加え、60度で4時間攪拌した。2mol/L塩酸(0.52mL)および飽和食塩水(15mL)を加え、酢酸エチル(25mL)で抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、HPLC分取することにより化合物92(8mg、収率15%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.98 (s, 9H), 1.10-1.90 (m, 10H),1.89 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.25(s,3H), 3.21 (s, 1H), 5.13 (s, 1H), 6.90-7.50 (m, 4H)
MS: m/z = 507[M+H] +
【0286】
実施例39 化合物93の合成
【化150-2】
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第1工程 化合物(2)の合成
化合物(1)(500mg、1.15mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、100度でメタンスルホニルクロリド(0.323mL、4.14mmol)を加え、45分間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を1mol/L塩酸水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(2)(81.4mg、収率14%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 2.10 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 5.00 (s, 1H), 6.19 (s, 1H), 7.05 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.21-7.25 (m, 2H).
MS: m/z = 510.3/512.2 [M-H]-

第2工程 化合物(3)の合成
化合物(2)(80.0mg、0.156mmol)、Fmoc−L−プロリノール(151mg、0.468mmol)およびトリフェニルホスフィン(123mg、0.468mmol)をテトラヒドロフラン(1.6mL)に溶解し、氷冷下DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)トルエン溶液(2.2molar、0.213mL、0.468mmol)を滴下し、室温で1時間攪拌した。メタノール(0.5mL)を加え、濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(3)(76.3mg、収率60%)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 817.4/819.4 [M+H]+

第3工程 化合物(4)の合成
化合物(3)(76.3mg、0.093mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解した。室温でジエチルアミン(1mL)を加え、室温で2時間攪拌した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(4)(43.9mg、収率79%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 595.4/597.4 [M+H]+

第4工程 化合物93の合成
化合物(4)(42.0mg、0.071mmol)をジオキサン(1mL)に溶解した。室温でトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(12.9mg、0.014mmol)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−1Hイミダゾリウムテトラフルオロボラン酸塩(13.5mg、0.028mmol)、tert−ブトキシカリウム(31.7mg、0.282mmol)を加え、封緘110度で4時間攪拌した。1mol/L塩酸(3mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、クロロホルム(30mL×2回)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)および高速液体クロマトフラフィー(0.1%ギ酸水溶液−アセトニトリル)により精製して化合物93(2.6mg、収率7%)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 501.4 [M+H]+
【0287】
実施例40 化合物170の合成
【化150-3】
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第1工程
化合物(1)(200mg、0.563mmol)をアセトニトリル(4mL)に溶解した。氷冷下、亜硝酸tert−ブチル(0.101mL、0.844mmol)および塩化銅(I)(121mg、0.844mmol)を加え、室温に昇温しながら5.5時間撹拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(2)(52.6mg、収率23%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (s, 9H), 1.93 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 5.03 (s, 1H), 7.06 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.15-7.25 (m, 3H), 7.43 (s, 1H)

第2工程
化合物(2)(69mg、0.165mmol)を1,4−ジオキサン(1.4mL)に溶解した。室温にて、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(54mg、0.214mmol)、酢酸カリウム(48mg、0.494mmol)およびPd(dppf)Clジクロロメタン錯体(6.7mg、0.0082mmol)を加え、2時間加熱還流した。水(2mL)を加え、クロロホルム(2mLx3)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(3)(89mg)を無色固体として得た。
第3工程
化合物(3)(89mg)をテトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解した。氷冷下、30%過酸化水素水(0.020mL、0.198mmol)および2N水酸化ナトリウム水溶液(0.099mL、0.198mmol)を加え、45分撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加え、クロロホルム(2mLx4)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(4)(55mg、0.154mmol、)を無色固体として得た。

第4工程
化合物(4)(54mg、0.151mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.8mL)に溶解した。室温にて炭酸セシウム(74mg、0.227mmol)および1−ブロモ2−(ブロモメチル)ベンゼン(0.099mL、0.198mmol)を加え、40℃に昇温し、90分撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(5mLx2)で抽出した。有機層を水(5mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(5)(87mg、不純物含む)を無色固体として得た。

第5、6工程
実施例3の第2、3工程に準じて反応を行うことにより、化合物170を得た。

化合物170
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.99 (9H, s), 2.26 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.42 (3H, s), 4.90 (1H, J = 12.3 Hz, d), 5.05 (1H, J = 12.3 Hz, d), 5.13 (1H, s), 7.20-7.48 (7H, m), 7.69 (1H, J = 8.0 Hz, d).
【0288】
実施例41
上記実施例に従い、以下の化合物を合成した。
【表13】
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【0289】
【表14】
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【0290】
【表15】
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【0291】
【表16】
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【0292】
【表17】
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【0293】
【表18】
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【0294】
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0295】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【0298】
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0300】
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【0302】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
【表29】
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【0305】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
【表31】
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【0307】
【表32】
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【0308】
【表33】
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【0309】
【表34】
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【0310】
実施例42 化合物213の合成
【化151】
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第1工程
実施例13の化合物(54)(500 mg、1.15 mmol)をピリジン(3 mL)に溶解し、氷浴で冷却した。メタンスルホニルクロライド(0.269 mL、3.45 mmol)を加え、室温に昇温し18時間撹拌した。反応液を氷水と2mol/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(1)を無色泡状物質(419 mg、71%)として得た。
MS(ESI) m/z:534, 536 [M + Na]+

第2工程
化合物(1)(255 mg、0.498 mmol)をDMF(2.6 mL)に溶解し、炭酸セシウム(324mg、0.995mmol)と1−ブロモメチル−2,3−ジフルオロベンゼン(113 mg、0.547 mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応液を氷水と2 mol/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(2)を無色泡状物質(306 mg、96%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.87 (s, 4.5H), 0.90 (s, 4.5H), 2.05 (s, 3H), 2.08 (s, 1.5H), 2.09 (s, 1.5H), 2.42 (s, 3H), 3.28 (s, 1.5 H), 3.30 (s, 1.5H), 3.62 (s, 1.5H), 3.63 (s, 1.5H), 4.79-4.96 (m, 3H), 6.96-7.22 (m, 7H).

第3工程
化合物(2)(298 mg、0.467 mmol)をDMA(5 mL)に溶解し、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(34.4 mg、0.093 mmol)、炭酸カリウム(129 mg、0.933 mmol)とPd(OAc)(10.5 mg、0.0470 mmol)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。窒素雰囲気下、130℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液を氷水と2 mol/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(3)を白色泡状物(237 mg、91%)として得た。
MS(ESI) m/z:580 [M + Na]+

第4工程
化合物(3)(237 mg、0.425 mmol)をメタノール(4 mL)とテトラヒドロフラン(2 mL)に溶解し、2 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.13 mL、4.26 mmol)を加え、90℃で4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水に注ぎ、水層を2 mol/L塩酸水溶液でpH約3に調整し、酢酸エチルで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルとヘキサンから再結晶し、60℃で減圧乾燥することにより、化合物213を無色粉末(160 mg、69%)として得た。
MS(ESI) m/z:566 [M+Na]+
【0311】
実施例43 化合物224の合成
【化152】
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第1工程
実施例19の化合物(70)(20.0g、53.4mmoL)をエタノール(150mL)とテトラヒドロフラン(50.0mL)の混合溶液に溶解し、トリエチルアミン(7.41mL、53.4mmoL)と10%水酸化パラジウム(7.51g、5.34mmoL)を加え、脱気及び水素置換の操作を3回繰り返し行った。水素雰囲気下、中圧下にて、室温で20時間45分間撹拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧流去した。残渣を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、室温で減圧乾燥し、粗化合物(1)を淡緑色固体(14.72g)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.23 (s, 9H), 2.17 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 3.55 (br s, 2H), 3.66 (s, 3H), 5.20 (s, 1H), 6.47 (s, 1H), 6.81 (s, 1H).

第2工程
粗化合物(1)(14.72g)をピリジン(70.8mL)に溶解し、氷浴で冷却した。メタンスルホニルクロライド(4.99mL、64.1mmoL)を加え、室温に昇温し1時間35分間撹拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターで溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(2)を淡黄色固体(17.78g、96.9%(2工程通して))として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:1.23 (s, 9H), 2.33 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 3.01 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 5.21 (s, 1H),6.13 (br s, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.29 (s, 1H).

第3工程
化合物(2)(500mg、1.46mmoL)をDMF(5.00mL)に溶解し、炭酸セシウム(949mg、2.91mmoL)と1−ブロモメチル−2−クロロ−3−フルオロベンゼン(411mg、1.75mmoL)を加え、室温で2時間25分間攪拌した。反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(3)を白色泡状物(680mg、96.1%)として得た。
MS(ESI) m/z:530.2 [M + HCOO]-

第4工程
化合物(3)(200mg、0.412mmoL)をDMA(3.00mL)に溶解し、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(30.3mg、0.0820mmoL)、炭酸カリウム(114mg、0.823mmoL)とPd(OAc)(9.24mg、0.410mmoL)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。窒素雰囲気下、130℃で56分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(4)を白色泡状物(165mg、89.2%)として得た。
MS(ESI) m/z:467.3 [M + NH4]+

第5工程
化合物(4)(535mg、1.19mmoL)と1、3−ジブロモ−5、5−ジメチルヒダントイン(289mg、1.01mmoL)を酢酸(10.7mL)に懸濁し、氷浴で冷却した。濃硫酸(1.07mL、19.3mmoL)を加え、室温に昇温し1時間37分間撹拌した。反応液を氷水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(5)を白色泡状物(356mg、63.3%)として得た。
MS(ESI) m/z:516.2 [M + HCOO]-

第6工程
化合物(5)(436mg、0.923mmoL)を酢酸tert−ブチル(12.3mL)に溶解し、70%過塩素酸水溶液(0.238mL、2.77mmoL)を加え、室温で22分間撹拌した。反応液を氷水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(6)を白色固体(270mg、55.4%)として得た。
MS(ESI) m/z:572.0 [M + HCOO]-

第7工程
化合物(6)(250mg、0.473mmoL)と化合物(7)(195mg、0.710mmoL)をDMF(2.50mL)と水(0.250mL)の混液に溶解し、炭酸カリウム(262mg、1.89mmoL)とPdCl(dtbpf)(30.8mg、0.0470mmoL)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。窒素雰囲気下、120℃で21分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液を氷水と2moL/L塩酸水溶液の混液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(8)を淡茶色泡状物(261mg、92.6%)として得た。
MS(ESI) m/z:640.6 [M + HCOO]-

第8工程
化合物(8)(255mg、0.428mmoL)をエタノール(16.8mL)に溶解し、2moL/L水酸化ナトリウム水溶液(1.07mL、2.14mmoL)を加え、90℃で2時間20分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、氷水に注ぎ、水層を2moL/L塩酸水溶液でpH約3に調整し、酢酸エチルで抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製し、60℃で減圧乾燥することにより、化合物224を淡黄色粉末(177mg、71.1%)として得た。
MS(ESI) m/z:580.4 [M - H]-
【0312】
実施例44 化合物291の合成
【化153】
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第1工程
化合物(54)(360mg、0.829mmol)をアセトニトリル(7.2mL)に溶解した。亜硝酸tert−ブチル(0.179mL、1.492mmol)およびヨウ化銅(I)(284mg、1.492mmol)を加え、1.5時間撹拌した後、60℃に加熱し、4時間撹拌した。水(10mL)を加え、ヘキサン(10mLx2)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(1)(295mg、不純物含む)を得た。
MS(ESI) m/z:567[M+Na]+

第2工程
化合物(1)(414mg、不純物含む)をトルエン(4.1mL)に溶解した。室温にて、チオ安息香酸(126mg、0.911mmol)、1,10−フェナントロリン(27.4mg、0.152mmol)、N−エチル−N−ジイソプロピルアミン(0.27mL、1.52mmol)およびヨウ化銅(I)(14.5mg、0.076mmol)を加え、3時間加熱還流した。氷冷下、飽和重曹水(10mL)を加え、ヘキサン-酢酸エチル(3:1、10mLx2)で抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(2)(148mg、0.266mmol)を無色油状物質として得た。
MS(ESI) m/z:577[M+Na]+

第3工程
化合物(2)(23mg、0.041mmol)をメタノール(0.9mL)に溶解した。室温にて炭酸カリウム(11.4mg、0.083mmol)を加え、40分撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)を加え、クロロホルム(2mLx5)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(3)(15mg、不純物含む)を得た。
MS(ESI) m/z:473[M+Na]+

第4工程
化合物(3)(15mg、不純物含む)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.6mL)に溶解した。室温にて炭酸カリウム(14mg、0.100mmol)およびベンジルブロミド(0.012mL、0.100mmol)を加え、30分撹拌した。水(4mL)を加え、酢酸エチル(4mLx2)で抽出した。有機層を水(5mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(4)(17mg、0.031mmol、収率95%(2工程))を無色油状物質として得た。
MS(ESI) m/z:563[M+Na]+

第5工程
化合物(4)(17mg、0.031mmol)をジクロロメタン(0.8mL)に溶解した。室温にて含水メタクロロ過安息香酸(70%、18mg、0.074mmol)を加え、10分撹拌した後、炭酸水素ナトリウムを加え、2時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(2mL)、飽和重曹水(2mL)を加え、クロロホルム(2mLx4)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(5)(14mg、0.025mmol、収率83%)を無色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z:499 [M-OC(CH3)3]+

第6工程
化合物(5)(17mg、0.031mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(1mL)に溶解した。室温にてトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(14.4 mg、0.039mmol)、炭酸カリウム(6.8mg、0.049mmol)およびPd(OAc)(4.4mg、0.020mmol)を加え、130℃にて2時間撹拌した。水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mLx2)で抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物(6)(7.9mg、0.016mmol、収率66%)を黄色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z:515 [M+Na]+

第7工程
化合物(6)(7.5mg、0.015mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)、メタノール(0.5mL)に溶解した。室温にて水酸化ナトリウム水溶液(2規定、0.038mL、0.076mmol)を加え、80℃にて2時間撹拌した。塩酸(2規定、0.038mL、0.076mmol)を加え、酢酸エチル(5mLx2)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製することにより、化合物291(6.6mg、0.014mmol、収率91%)を無色個体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.03 (9H, s), 2.13 (3H, s), 2.44 (3H, s), 2.78 (3H, s), 4.29 (1H, brs), 4.49 (1H, brs), 5.19 (1H, s), 7.19 (1H, s), 7.28-7.49 (8H, m).
【0313】
実施例45 化合物214の合成
【化154】
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第1工程
実施例13の化合物(54)(1.30g、2.99mmol)をエタノール(12mL)とテトラヒドロフラン(4 mL)に溶解し、2moL/L水酸化ナトリウム水溶液(4 mL、8 mmol)を加え、90℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(20ml)を加え、反応液を2moL/L塩酸水溶液でpH約3に調整し、ジクロロメタンで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、粗化合物(1)を得た。

第2工程
粗化合物(1)をDMF(10 mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.24g、8.97mmol)とベンジルブロミド(563 mg、3.29 mmolを加え、室温で1時間間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(2)を無色泡状物質(1.53g、100%)として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.94 (s, 9H), 2.03 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 4.17 (s, 2H), 5.00 (s, 1H), 5.06 (d, J = 12.0 Hz, 1.5 H), 5.15 (d, J = 12.0 Hz, 1.5H), 6.99-7.08 (m, 3H), 7.15-7.20 (m, 3H), 7.30-7.34 (m, 3H).

第3工程
化合物(2)(1.53g、2.99mmol)をDMF(5mL)に溶解し、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.30g、8.97mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン和物(246mg、0.299mmol)、および酢酸カリウム(889mg、8.97mmol)を加え、110℃で0.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(3)(1.61g、収率96%)を黄色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z:558.1 [M + H]+

第4工程
化合物(3)(1.61g、2.89mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(1.46g、14.5mmol)とメタンスルホニルクロリド(430mg、3.76mmol)を加え、同温度で2時間各藩した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(4)(1.06g、収率58%)を黄色泡状物質として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.94 (s, 9H), 1.39-1.42 (m, 12H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.38 (s, 6H), 2.86 (s, 3H), 5.01 (s, 1 H), 5.08 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.97-7.05 (m, 3H), 7.17-7.26 (m, 3H), 7.30-7.35 (m, 3H).

第5工程
化合物(4)(200mg、0.315mmol)と、(5−ブロモ−2−メトキシピリジン−4−イル)メタノール(89mg、0.410mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、室温でトリフェニルホスフィン(107mg、0.410mmol)と、40%DEADトルエン溶液(119mg、0.410mmol)を加え、同温度で0.5時間攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(5)(259mg、収率99%)を無色泡状物質として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.93 (s, 9H), 1.36-1.41 (m, 12H), 1.59-1.63 (m, 3H), 1.81 (s, 1.5H), 1.97 (s, 1.5H), 2.03-2.06 (m, 3H), 2.36 (s, 1.5H), 2.38 (s, 1.5H), 2.90 (s, 1.5H), 3.05 (s, 1.5H), 3.83 (s, 1.5H), 3.86 (s, 1.5H), 4.80-4.99 (m, 3H), 5.09-5.26 (m, 2H), 6.64 (s, 0.5H), 6.77 (s, 0.5H), 6.95-6.98 (m, 2H), 7.01-7.06 (m, 1H), 7.15-7.37 (m, 5H), 8.17 (s, 1H).
第6工程
化合物(5)(259mg、0.309mmol)をDMF(3mL)と水(0.3mL)の混合溶媒に溶解し、炭酸カリウム(86mg、0.618mmol)と、[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン和物(20mg、0.031mmol)を加え、110℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(6)(47mg、収率24%)を無色泡状物質として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.95 (s, 9H), 2.15 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 4.30 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.90 (d, J = 16 Hz, 1H), 5.00 (s, 1H), 5.15-5.25 (m, 2H), 6.78 (s, 1H), 7.06-7.09 (m, 1H), 7.16-7.18 (m, 2H), 7.21-7.34 (m, 5H), 8.57 (s, 1H).

第7工程
化合物(6)(47mg、0.075mmol)をメタノール(2mL)に溶解し、10%Pdカーボン粉末(50.6%含水品)(47mg、50.6wt%)を加えた。1気圧の水素雰囲気下、室温で0.5時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製し、化合物214(29mg、収率72%)を白色固体として得た。
MS(ESI) m/z:539.4 [M + H]+
【0314】
実施例46 化合物305合成
【化155】
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第1工程
化合物(2)(1.88g、3.68mmol)をピリジン(20mL)に溶解し、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(1.27g、11.0mmol)を加え、室温で8時間
攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1規定塩酸で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(7)(1.53g、収率71%)を無色泡状物質として得た。
MS(ESI) m/z:587.1 [M - H]-

第2工程
化合物(7)(300mg、0.510mmol)と(2−メチルオキサゾール−5−イル)・メタノール(115mg、1.02mmol)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、室温でトリフェニルホスフィン(268mg、1.02mmol)と、アゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)(239mg、1.02mmol)を加え、同温度で1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(8)(298mg、収率86%)を無色泡状物質として得た。
1H NMR (CDCl3) δ:0.92 (s, 9H), 2.04-2.07 (m, 6H), 2.20 (s, 1.5H), 2.22 (s, 1.5H), 2.39-2.43 (m, 6H), 3.22 (s, 1.5H), 3.23 (s, 1.5H), 4.73-4.87 (m, 2H), 4.98 (s, 1H), 5.07-5.18 (m, 2H), 6.63 (s, 0.5H), 6.70 (s, 0.5H), 6.93-7.06 (m, 3H), 7.20-7.52 (m, 7H).

第3工程
化合物(8)(151 mg、0.221 mmol)をDMA(5 mL)に溶解し、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(49 mg、0.133 mmol)、炭酸カリウム(92 mg、0.663 mmol)とPd(OAc)(15 mg、0.066 mmol)を加え、脱気及び窒素置換の操作を3回繰り返し行った。窒素雰囲気下、130℃で0.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製し、化合物(9)を白色泡状物(70 mg、59%)として得た。
MS(ESI) m/z:603.2 [M + H]+

第4工程
化合物(9)(87mg、0.144mmol)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、10%Pdカーボン粉末(50.6%含水品)(44mg、26wt%)を加えた。1気圧の水素雰囲気下、室温で10分間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル)で精製し、化合物305(54mg、収率73%)を白色固体として得た。
MS(ESI) m/z:513.2 [M + H]+
【0315】
実施例47 化合物288の合成
【化156】
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第1工程
化合物(1)(850mg、1.66mmol)、N−(2−ニトロベンゼンスルホニル)ピペリジン−2−イル・メタノール(996mg、3.32mmol)およびトリフェニルホスフィン(870mg、3.32mmol)をテトラヒドロフラン(8.5mL)に溶解し、氷冷下、ビス(2−メトキシエチル)ジアゼン−1,2−ジカルボキシレート(777mg、3.32mmol)を加え、室温に昇温しつつ1時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(2)(1.21g、収率86%)を無色油状物質として得た。
MS: m/z = 794.4/796.5 [M+H]+

第2工程
化合物(2)(1.13g、1.42mmol)をDMF(11.3mL)に溶解した。室温でメルカプト酢酸(0.198mL、2.84mmol)および水酸化リチウム一水和物(239mg、5.69mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。水(50mL×2回)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(3)(840mg、収率94%)を無色油状物質として得た。
MS: m/z = 609.4/611.4 [M+H]+

第3工程
化合物(3)(580mg、0.951mmol)をジオキサン(11.6mL)に溶解した。室温でRuPhos(133mg、0.285mmol)、炭酸セシウム(930mg、2.85mmol)およびPd2(dba)3(87.0mg、0.095mmol)を加え、窒素雰囲気下、100度で8時間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(4)(392mg、収率75%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 529.5 [M+H]+

第4工程
化合物(4)(370mg、0.700mmol)をエタノール(7.4mL)に溶解した。室温で2mmol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.50mL、7.00mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。1mol/L塩酸(7mL)および飽和食塩水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)および高速液体クロマトフラフィー(0.1%ギ酸水溶液−アセトニトリル)により精製して化合物288(169mg、収率47%および116mg、収率32%)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 515.4 [M+H]+
【0316】
実施例48
上記実施例に従い、以下の化合物を合成した。
【表35】
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【0317】
【表36】
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【0318】
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
【表38】
[この文献は図面を表示できません]
【0320】
【表39】
[この文献は図面を表示できません]
【0321】
【表40】
[この文献は図面を表示できません]
【0322】
【表41】
[この文献は図面を表示できません]
【0323】
【表42】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0324】
【表43】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0325】
【表44】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0326】
【表45】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0327】
【表46】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0328】
【表47】
[この文献は図面を表示できません]
【0329】
【表48】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0330】
【表49】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0331】
【表50】
[この文献は図面を表示できません]
【0332】
【表51】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0333】
【表52】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0334】
【表53】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0335】
【表54】
[この文献は図面を表示できません]


















































【0336】
【表55】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
【表56】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
【表57】
[この文献は図面を表示できません]
【0339】
【表58】
[この文献は図面を表示できません]
【0340】
【表59】
[この文献は図面を表示できません]

実施例49 化合物324の合成
【化157】
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(原料化合物(2’)の合成)
化合物(1’)(6.64g、22.3mmol)をDMF(50mL)に溶解し、酢酸カリウム(6.57g、66.9mmol)、ビスピナコールボラン(7.37g、29.0mmol)、炭酸カリウム(2.20g、15.9mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(911mg、1.12mmol)を加え、窒素雰囲気下100℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで放冷後、酢酸エチル(100mL)を加え、不溶物をろ去した。水(100mL)を加え、酢酸エチル
で抽出し、有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(2’)(3.85g、収率50%)を茶色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.36 (s, 12H), 5.10 (s, 2H), 6.93-6.97 (m, 2H), 7.28-7.42 (m, 3H), 7.59-7.63 (m, 3H).

第1工程 化合物(2)の合成
化合物(1)(500mg、0.946mmol)をDMF(5.0mL)および水(0.5mL)に溶解し、化合物(2’)(185mg、0.284mmol)、および炭酸カリウム(523mg、3.79mmol)を加え、窒素雰囲気下120℃で15分間攪拌した。水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、化合物(2)の組成生物(473mg)を茶色泡状物質として得た。

第2工程 化合物(3)の合成
化合物(2)(470mg、0.705mmol)をエタノール(4.7mL)に溶解し、室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.8mL、3.60mmol)を加え、加熱還流下で0.5時間攪拌した。2mol/L塩酸水溶液(1.8mL)、および飽和食塩水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(3)(237mg、2段階、収率38%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 650 [M-H]-

第3工程 化合物324の合成
化合物(3)(237mg、0.363mmol)をメタノール(2.4mL)に溶解し、室温で10%プラチナ炭素(213mg、0.110mmol)を加え、水素雰囲気下室温で18時間攪拌した。不溶物をセライトにて濾去し、濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)および分取用薄層クロマトフラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(4)(7.9mg、収率3.9%)を黄色泡状物質として得た。
化合物(4) MS: m/z = 560 [M-H]-

実施例50 化合物325および326の合成
【化158】
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第1工程 化合物(2)の合成
化合物(1)(30.0g、87.0mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、氷冷下ピリジン(28.1mL、349mmol)およびメタンスルホニルクロリド(20.4mL、261mmol)を加え、室温に昇温しつつ4時間攪拌した。水(200mL)および1mol/L塩酸水溶液(500mL)を加え、酢酸エチル(1000mL)で抽出した。1mol/L塩酸水溶液(500mL)、水(500mL)および飽和食塩水(250mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、粗化合物(2)(41.6g)を無色油状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3、400 MHz) δ: 1.21 (s, 9H), 2.33 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 3.00 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 6.00 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 7.37 (s, 1H).
MS: m/z = 420.3, 422.3 [M+H]+

第2工程 化合物(3)の合成
化合物(2)(36.8g、87.0mmol)をエタノール(520mL)に溶解し、室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(131mL、261mmol)を加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。濃縮後、1mol/L塩酸水溶液(500mL)を加え、酢酸エチル(1000mL)で抽出した。飽和食塩水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、粗化合物(3)(36.0g)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 406.2, 408.1 [M+H]+

第3工程 化合物(4)の合成
化合物(3)(35.6g、87.0mmol)をDMF(240mL)に溶解し、室温で炭酸水素カリウム(13.1g、131mmol)を加え、室温で5分間撹拌した。室温でベンジルブロミド(10.1mL、85.0mmol)のDMF溶液(116mL)を加え、室温で16.5時間攪拌した。水(350mL)を加え、酢酸エチル(1200mL)で抽出した。水(500mL×2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)および飽和食塩水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、化合物(4)(37.4g、3工程で収率86%)を茶色油状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.21 (s, 9H), 2.19 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 5.07 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 6.06 (s, 1H), 6.11 (s, 1H), 7.16-7.21 (m, 2H), 7.25-7.29 (m, 3H), 7.37 (s, 1H).
MS: m/z = 496.4, 498.4 [M-H]+

第4工程 化合物(5)の合成
化合物(4)(3.96g、7.94mmol)をDMA(19.8mL)および水(1.98mL)に溶解し、4−ニトロフェニルボロン酸(1.99g、11.9mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(259mg、0.397mmol)、および炭酸カリウム(2.20g、15.9mmol)を加え、窒素雰囲気下130℃で45分間攪拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL×2)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(5)(3.44g、収率80%)を茶色泡状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (s, 9H), 1.92 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 3.02 (s, 3H), 4.83 (s, 1H), 5.11 (s, 2H), 6.19 (s, 1H), 7.16-7.22 (m, 2H), 7.29-7.37 (m, 5H), 7.41 (s, 1H), 8.09 (dd, J = 8.7, 2.0 Hz, 1H), 8.27 (dd, J = 8.7, 2.0 Hz, 1H).
MS: m/z = 539.3 [M-H]+

第5工程 化合物(6)の合成
化合物(5)(1.50g、2.77mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、室温で2−クロロ−6−フルオロ−3−(ヒドロキシメチル)ピリジン(538mg、3.33mmol)、アゾジカルボン酸ジ−2−メトキシエチルエステル(780mg、3.33mmol)およびトリフェニルホスフィン(873mg、3.33mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。水(100mL×2回)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(6)(1.67g、収率88%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 684.3 [M+H]+

第6工程 化合物(7)の合成
化合物(6)(1.67g、2.44mmol)をDMA(16.7mL)に溶解し、室温でトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(539mg、1.47mmol)、炭酸水素ナトリウム(410mg、4.88mmol)および酢酸パラジウム(164mg、0.732mmol)を加え、窒素雰囲気下130℃で5時間攪拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出した。水(100mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(7)(778mg、収率49%)を茶色泡状物質として得た。
MS: m/z = 648.3 [M+H]+

第7工程 化合物(8)の合成
化合物(7)(775mg、1.20mmol)を酢酸(7.75mL)に溶解し、室温で亜鉛粉末(391mg、5.98mmol)を加え、60℃で1時間攪拌した。濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(8)(390mg、収率53%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 618.3 [M+H]+

第8工程 化合物(9)および化合物(10)の合成
化合物(8)(105mg、0.170mmol)をアセトニトリル(2.1mL)に溶解し、氷冷下で亜硝酸tert−ブチル(0.0408mL、0.340mmol)および塩化銅(II)(45.7mg、0.340mmol)を加え、室温に昇温しながら1時間攪拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(9)および化合物(10)の混合物(58.4mg)を茶色泡状物質として得た。
化合物(9) MS: m/z = 637.2 [M+H]+
化合物(10) MS: m/z = 603.3 [M+H]+

第9工程 化合物325および化合物326の合成
化合物(9)と化合物(10)の混合物(56.0mg)をメタノール(2mL)に溶解し、室温で10%プラチナ炭素(17.2mg、0.009mmol)を加え、水素雰囲気下室温で1時間攪拌した。不溶物をセライトにて濾去し、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)および高速液体クロマトフラフィー(0.1%ギ酸水溶液−アセトニトリル)により精製して、化合物325(18.3mg、2工程で収率19%)を桃色固体として、化合物326(9.2mg、2工程で収率11%)を桃色固体として得た。
化合物325 MS: m/z = 547.2 [M+H]+
化合物326 MS: m/z = 513.2 [M+H]+

実施例51 化合物327の合成
【化159】
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第1工程 化合物(3)の合成
化合物(1)(300mg、0.568mmol)をDMF(3.0mL)および水(0.3mL)に溶解し、化合物(2)(199mg、0.85mmol)、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルフォスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(74mg、0.114mmol)、および炭酸カリウム(314mg、2.27mmol)を加え、窒素雰囲気下120℃で15分間攪拌した。水(30mL)、酢酸エチル(30mL)を加え、有機層を水(30mL)および飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)により精製して化合物(3)(196mg、収率62%)を白色泡状物質として得た。
MS: m/z = 555 [M+H]+


第2工程 化合物327の合成
化合物(3)(50mg、0.090mmol)をDMF(0.5mL)に溶解し、NCS(14.4mg、0.108mmol)を加え、60℃で5.5時間撹拌した。水(20mL)、酢酸エチル(20mL)を加え、有機層を水(20mL)および飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後に得られる白色泡状物質にエタノール(0.5mL)に溶解し、室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.2mL、0.4mmol)を加え、加熱還流下で6時間攪拌した。2mol/L塩酸水溶液(0.2mL)、および飽和食塩水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)により精製して化合物327(10mg、収率19%)を白色泡状物質として得た。
MS: m/z = 573 [M-H]-

実施例52
前記実施例に準じて、以下の化合物を合成した。
【表60】
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【表61】
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【表62】
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【表63】
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【表64】
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【表65】
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【表66】
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【表67】
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【表68】
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【表69】
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【表70】
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【表71】
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【表72】
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【表73】
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【表74】
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(上記化合物401の合成法)
【化160】
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第1工程 化合物(2)の合成
化合物(1)(2.00g、13.1mmol)をエタノール(20mL)および濃硫酸(2mL)の混合溶液に加え、加熱還流下で2時間攪拌した。濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後ヘキサンで固化して化合物(2)(2.12g、収率90%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.41 (s, 3H), 4.36 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 6.59 (s, 1H), 7.06 (s, 1H), 13.24 (s, 1H).
MS: m/z = 182.0 [M+H]+

第2工程 化合物(3)の合成
化合物(2)(1.00g、5.52mmol)をDMF(20mL)に溶解し、室温で炭酸カリウム(1.53g、11.0mmol)を加え、室温で5分間撹拌した。室温でヨウ化メチル(10.1mL、85.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。水(100mL)を加え、クロロホルム(100mL、50mL×2)で抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(3)(982mg、収率91%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.37 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 2.41 (s, 3H), 3.55 (s, 3H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 6.55 (s, 1H), 7.09 (s, 1H).
MS: m/z = 196.1 [M+H]+

第3工程 化合物(4)の合成
化合物(3)(880mg、5.07mmol)をTHF(19.8mL)に溶解し、氷冷下水素化リチウムアルミニウム(385mg、10.1mmol)を加え、氷冷下で1時間攪拌した。氷冷下硫酸ナトリウム十水和物を加えた後、セライトにて不要物を濾去した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(4)(281mg、収率36%)を無色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.34 (s, 3H), 3.02 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.50 (s, 3H), 4.48 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 6.06 (s, 1H), 6.44 (s, 1H).
MS: m/z = 157.0 [M+H]+

第4工程 化合物(5)の合成
化合物(4)(52.1mg、0.340mmol)、化合物(7)(200mg、0.340mmol)、トリフェニルホスフィン(107mg、0.406mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、室温でアゾジカルボン酸ジ−2−メトキシエチルエステル(96.0mg、0.408mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で抽出した。飽和食塩水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)により精製して化合物(5)(102.7mg、収率42%)を無色泡状物質として得た。
MS: m/z = 723.3,725.3 [M+H]+

第5工程 化合物(6)の合成
化合物(5)(100mg、0.141mmol)をDMA(1.45mL)に溶解し、室温でトリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩(10.4mg、0.028mmol)、炭酸カリウム(39.0mg、0.282mmol)および酢酸パラジウム(3.17mg、0.014mmol)を加え、窒素雰囲気下130℃で45分間攪拌した。水(30mL)を加え、クロロホルム(30mL×3回)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物(6)(7.6mg、収率8%)を茶色油状物質として得た。
MS: m/z = 643.4 [M+H]+

第6工程 化合物401の合成
化合物(6)(7.5mg)をメタノール(2mL)に溶解し、室温で10%水酸化パラジウム(4.92mg、0.004mmol)を加え、水素雰囲気下室温で30分間攪拌した。不溶物をセライトにて濾去し、濃縮後シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製して化合物401(5.6mg、収率87%)を無色固体として得た。
MS: m/z = 553.3 [M+H]+

実施例53
【化161】
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環Qで示される環状アミンの例:
【化162】
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実施例54
【化163】
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環Qで示される環状アミンの例:
【化164】
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実施例55
前記実施例に準じて、以下の化合物を合成した。
【表75】
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【表76】
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【表77】
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【表78】
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【0341】
以下に、本発明化合物の生物試験例を記載する。
試験例1 HIV複製阻害試験
HIV(HTLV−IIIB株)持続感染ヒトT細胞株Molt−4 clone8を、10%牛胎児血清添加RPMI−1640培地で培養し、上清を濾過してウイルスの力価を測定し、−80℃で保存した。一方、各抗ヒト免疫不全ウイルス活性物質を上記の培養培地で所定の濃度になるように希釈し、96ウエルマイクロプレートに50μLずつ分注した。ついで、MT−4細胞浮遊液を100μL(2.5×10細胞)ずつ分注し、更に上記HIV含有上清を上記の培養培地で希釈したものを50μl(60pfu(plaque forming unit))ずつ加えた。
【0342】
炭酸ガス培養器内で37℃、4日間培養した後、すべてのウエルに3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)5mg/mL)、PBSを30μLずつ加え、更に1時間培養した。このとき、生存する細胞はMTTを還元してフォルマザンを析出するので、すべてのウエルから細胞上清を150μLずつ取り除き、代わりに150μLの溶解液(10%トリトンX−100および0.4%(v/v)HCl添加イソプロパノール)を加え、プレートミキサーで振とうしてフォルマザンを溶出した。マイクロリーダーを用いてフォルマザンをOD 560nmと690nm(参照波長)で測定し、結果を被対照と比較した。ウイルスによる細胞障害を50%抑制する化合物濃度をEC50とした。
【0343】
結果を以下に示す。

【表A-1】
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【0344】
【表A-2】
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【0345】
【表A-3】
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【0346】
【表A-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
【表A-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
【表A-6】
[この文献は図面を表示できません]

【表A-7】
[この文献は図面を表示できません]

【表A-8】
[この文献は図面を表示できません]

【表A-9】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
試験例2 CYP阻害試験
市販のプールドヒト肝ミクロソームを用いて、ヒト主要CYP5分子種(CYP1A2、2C9、2C19、2D6、3A4)の典型的基質代謝反応として7−エトキシレゾルフィンのO−脱エチル化(CYP1A2)、トルブタミドのメチル−水酸化(CYP2C9)、メフェニトインの4’−水酸化(CYP2C19)、デキストロメトルファンのO脱メチル化(CYP2D6)、テルフェナジンの水酸化(CYP3A4)を指標とし、それぞれの代謝物生成量が本発明化合物によって阻害される程度を評価した。
【0350】
反応条件は以下のとおり:基質、0.5μmol/L エトキシレゾルフィン(CYP1A2)、100μmol/L トルブタミド(CYP2C9)、50μmol/L S−メフェニトイン(CYP2C19)、5μmol/L デキストロメトルファン(CYP2D6)、1μmol/L テルフェナジン(CYP3A4);反応時間、15分;反応温度、37℃;酵素、プールドヒト肝ミクロソーム0.2mg タンパク質/mL;本発明化合物濃度、1、5、10、20μmol/L(4点)。
【0351】
96穴プレートに反応溶液として、50mmol/L Hepes緩衝液中に各5種の基質、ヒト肝ミクロソーム、本発明化合物を上記組成で加え、補酵素であるNADPHを添加して、指標とする代謝反応を開始した。37℃、15分間反応した後、メタノール/アセトニトリル=1/1(V/V)溶液を添加することで反応を停止した。3000rpm、15分間の遠心後、遠心上清中のレゾルフィン(CYP1A2代謝物)を蛍光マルチラベルカウンタで定量し、トルブタミド水酸化体(CYP2C9代謝物)、メフェニトイン4’水酸化体(CYP2C19代謝物)、デキストロルファン(CYP2D6代謝物)、テルフェナジンアルコール体(CYP3A4代謝物)をLC/MS/MSで定量した。
【0352】
薬物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。
【0353】
試験の結果、化合物10のCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6、およびCYP3A4の活性に対するIC50が全て20μM以上であった。。
【0354】
試験例3 CYP3A4蛍光MBI試験
CYP3A4蛍光MBI試験は、代謝反応による本発明化合物のCYP3A4阻害の増強を調べる試験である。CYP3A4酵素(大腸菌発現酵素)により7−ベンジルオキシトリフルオロメチルクマリン(7−BFC)が脱ベンジル化されて、蛍光を発する代謝物7−ハイドロキシトリフルオロメチルクマリン(7−HFC)が生じる。7−HFC生成反応を指標としてCYP3A4阻害を評価した。
【0355】
反応条件は以下のとおり:基質、5.6μmol/L 7−BFC;プレ反応時間、0または30分;反応時間、15分;反応温度、25℃(室温);CYP3A4含量(大腸菌発現酵素)、プレ反応時62.5pmol/mL、反応時6.25pmol/mL(10倍希釈時);本発明化合物濃度、0.625、1.25、2.5、5、10、20μmol/L(6点)。
【0356】
96穴プレートにプレ反応液としてK−Pi緩衝液(pH7.4)中に酵素、本発明化合物溶液を上記のプレ反応の組成で加え、別の96穴プレートに基質とK−Pi緩衝液で1/10希釈されるようにその一部を移行し、補酵素であるNADPHを添加して指標とする反応を開始し(プレ反応無)、所定の時間反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1(V/V)を加えることによって反応を停止した。また残りのプレ反応液にもNADPHを添加しプレ反応を開始し(プレ反応有)、所定時間プレ反応後、別のプレートに基質とK−Pi緩衝液で1/10希釈されるように一部を移行し指標とする反応を開始した。所定の時間反応後、アセトニトリル/0.5mol/L Tris(トリスヒドロキシアミノメタン)=4/1(V/V)を加えることによって反応を停止した。それぞれの指標反応を行ったプレートを蛍光プレートリーダーで代謝物である7−HFCの蛍光値を測定した。(Ex=420nm、Em=535nm)
【0357】
本発明化合物を溶解した溶媒であるDMSOのみを反応系に添加したものをコントロール(100%)とし、本発明化合物をそれぞれの濃度添加したときの残存活性(%)を算出し、濃度と抑制率を用いて、ロジスティックモデルによる逆推定によりIC50を算出した。IC50値の差が5μmol/L以上の場合を(+)とし、3μmol/L以下の場合を(−)とした。
【0358】
試験の結果、化合物10が(−)であった。
【0359】
試験例4 代謝安定性試験
市販のプールドヒト肝ミクロソームと本発明化合物を一定時間反応させ、反応サンプルと未反応サンプルの比較により残存率を算出し、本発明化合物が肝で代謝される程度を評価した。
【0360】
ヒト肝ミクロソーム0.5mgタンパク質/mLを含む0.2mLの緩衝液(50mmol/L Tris−HCl pH7.4、150mmol/L 塩化カリウム、10mmol/L 塩化マグネシウム)中で、1mmol/L NADPH存在下で37℃、0分あるいは30分間反応させた(酸化的反応)。反応後、メタノール/アセトニトリル=1/1(v/v)溶液の100μLに反応液50μLを添加、混合し、3000rpmで15分間遠心した。その遠心上清中の本発明化合物をLC/MS/MSにて定量し、反応後の本発明化合物の残存量を0分反応時の化合物量を100%として計算した。なお、加水分解反応はNADPH非存在下で、グルクロン酸抱合反応はNADPHに換えて5mmol/L UDP−グルクロン酸の存在下で反応を行い、以後同じ操作を実施した。
【0361】
試験の結果、化合物10のヒト肝およびラット肝ミクロソームにおける残存率はそれぞれ75%および91%であった。
【0362】
試験例5 溶解性試験
本発明化合物の溶解度は、1%DMSO添加条件下で決定した。DMSOにて10mmol/L化合物溶液を調製し、本発明化合物溶液6 μLをpH6.8人工腸液(0.2mol/L リン酸二水素カリウム試液 250mLに0.2mol/L NaOH試液118mL、水を加えて1000mLとした)594μLに添加した。25℃で16時間静置させた後、混液を吸引濾過した。濾液をメタノール/水=1/1(V/V)にて2倍希釈し、絶対検量線法によりHPLCまたはLC/MS/MSを用いて濾液中濃度を測定した。
【0363】
試験の結果、化合物10の当該人工腸液に対する溶解度は、50μM以上であった。
【0364】
試験例6 Fluctuation Ames Test
本発明化合物の変異原性を評価した。
凍結保存しているネズミチフス菌(Salmonella typhimurium TA98株、TA100株)20μLを10mL液体栄養培地(2.5% Oxoid nutrient broth No.2)に接種し37℃にて10時間、振盪前培養する。TA98株は9mLの菌液を遠心(2000×g、10分間)して培養液を除去した。9mLのMicro F緩衝液(KHPO:3.5g/L、KHPO:1g/L、(NHSO:1g/L、クエン酸三ナトリウム二水和物:0.25g/L、MgSO・7H0:0.1g/L)に菌を懸濁し、110mLのExposure培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mLを含むMicroF緩衝液)に添加した。TA100株は3.16mL菌液に対しExposure培地120mLに添加し試験菌液を調製した。本発明化合物DMSO溶液(最高用量50mg/mLから2〜3倍公比で数段階希釈)、陰性対照としてDMSO、陽性対照として非代謝活性化条件ではTA98株に対しては50μg/mLの4−ニトロキノリン−1−オキシドDMSO溶液、TA100株に対しては0.25μg/mLの2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミドDMSO溶液、代謝活性化条件ではTA98株に対して40μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液、TA100株に対しては20μg/mLの2−アミノアントラセンDMSO溶液それぞれ12μLと試験菌液588μL(代謝活性化条件では試験菌液498μLとS9 mix 90μLの混合液)を混和し、37℃にて90分間、振盪培養する。本発明化合物を暴露した菌液460μLを、Indicator培地(ビオチン:8μg/mL、ヒスチジン:0.2μg/mL、グルコース:8mg/mL、ブロモクレゾールパープル:37.5μg/mLを含むMicroF緩衝液)2300μLに混和し50μLずつマイクロプレート48ウェル/用量に分注し、37℃にて3日間、静置培養した。アミノ酸(ヒスチジン)合成酵素遺伝子の突然変異によって増殖能を獲得した菌を含むウェルは、pH変化により紫色から黄色に変色するため、1用量あたり48ウェル中の黄色に変色した菌増殖ウェルを計数し、陰性対照群と比較して評価する。変異原性が陰性のものを(−)、陽性のものを(+)として示した。
【0365】
試験の結果、化合物7の変異原性が陰性であった。
【0366】
試験例7 BA試験
経口吸収性の検討実験材料と方法
(1)使用動物:マウスあるいはSDラットを使用する。
(2)飼育条件:マウスあるいはSDラットは、固形飼料および滅菌水道水を自由摂取させる。
(3)投与量、群分けの設定:経口投与、静脈内投与を所定の投与量により投与する。以下のように群を設定する。(化合物ごとで投与量は変更有)
経口投与 1〜30mg/kg(n=2〜3)
静脈内投与 0.5〜10mg/kg(n=2〜3)
(4)投与液の調製:経口投与は溶液または懸濁液として投与する。静脈内投与は可溶化して投与する。
(5)投与方法:経口投与は、経口ゾンデにより強制的に胃内に投与する。静脈内投与は、注射針を付けたシリンジにより尾静脈から投与する。
(6)評価項目:経時的に採血し、血漿中本発明化合物濃度をLC/MS/MSを用いて測定する。
(7)統計解析:血漿中本発明化合物濃度推移について、非線形最小二乗法プログラムWinNonlin(登録商標)を用いて血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUC)を算出し、経口投与群と静脈内投与群のAUCから本発明化合物のバイオアベイラビリティ(BA)を算出する。
【0367】
試験例8 hERG試験
本発明化合物の心電図QT間隔延長リスク評価を目的として、human ether−a−go−go related gene (hERG)チャンネルを発現させたHEK293細胞を用いて、心室再分極過程に重要な役割を果たす遅延整流K電流(IKr)への本発明化合物の作用を検討した。
全自動パッチクランプシステム(PatchXpress 7000A、AxonInstruments Inc.)を用い、ホールセルパッチクランプ法により、細胞を−80mVの膜電位に保持した後、+40mVの脱分極刺激を2秒間、さらに−50mVの再分極刺激を2秒間与えた際に誘発されるIKrを記録した。発生する電流が安定した後、本発明化合物を目的の濃度で溶解させた細胞外液(NaCl:135 mmol/L、KCl:5.4 mmol/L、NaHPO:0.3mmol/L、CaCl・2HO:1.8mmol/L、MgCl・6HO:1mmol/L、グルコース:10mmol/L、HEPES(4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸):10mmol/L、pH=7.4)を室温条件下で、10分間細胞に適用させた。得られたIKrから、解析ソフト(DataXpress ver.1、Molecular Devices Corporation)を使用して、保持膜電位における電流値を基準に最大テール電流の絶対値を計測した。さらに、本発明化合物適用前の最大テール電流に対する阻害率を算出し、媒体適用群(0.1%ジメチルスルホキシド溶液)と比較して、本発明化合物のIKrへの影響を評価した。
【0368】
試験の結果、化合物7による阻害率は2.6%であった。
【0369】
試験例9 粉末溶解度試験
適当な容器に本発明化合物を適量入れ、各容器にJP−1液(塩化ナトリウム2.0g、塩酸7.0mLに水を加えて1000mLとする)、JP−2液(pH6.8のリン酸塩緩衝液500mLに水500mLを加える)、20mmol/L タウロコール酸ナトリウム(TCA)/JP−2液(TCA1.08gにJP−2液を加え100mLとする)を200μLずつ添加する。試験液添加後に全量溶解した場合には、適宜、本発明化合物を追加する。密閉して37℃で1時間振とう後に濾過し、各濾液100μLにメタノール100μLを添加して2倍希釈を行う。希釈倍率は、必要に応じて変更する。気泡および析出物がないかを確認し、密閉して振とうする。絶対検量線法によりHPLCを用いて本発明化合物を定量する。

試験例10 光溶血試験
本発明化合物を目的の濃度で溶解させ、マイクロプレート上において赤血球浮遊液と混合し、紫外線蛍光ランプを用いてUVAおよびUVB領域での光照射(10 J/cm2)を行う。光照射終了後の混合液を採取し、遠心を行う。遠心後の上清を採取しマイクロプレートに移した後、上清の吸光度(540または630 nm)を測定、吸光度を基にした判定を行う。540 および630 nmでの吸光度は、それぞれ生体膜損傷および脂質膜過酸化の指標となる。
【0370】
以下に示す製剤例を示す。
製剤例1 錠剤
本発明化合物 15mg
乳糖 15mg
ステアリン酸カルシウム 3mg
ステアリン酸カルシウム以外の成分を均一に混合し、破砕造粒して乾燥し、適当な大きさの顆粒剤とする。次にステアリン酸カルシウムを添加して圧縮成形して錠剤とする。
【0371】
製剤例2 カプセル剤
本発明化合物 10mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 80mg
を均一に混合して粉末または細粒状として散剤をつくる。それをカプセル容器に充填してカプセル剤とする。
【0372】
製剤例3 顆粒剤
本発明化合物 30g
乳糖 265g
ステアリン酸マグネシウム 5g
よく混合し、圧縮成型した後、粉砕、整粒し、篩別して適当な大きさの顆粒剤とする。
【産業上の利用可能性】
【0373】
本発明に係る化合物は、エイズ等、ウイルス感染症の治療剤として有用な医薬となり得る。