(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282012
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】照明用電源装置および照明用電源システム
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-210051(P2014-210051)
(22)【出願日】2014年10月14日
(65)【公開番号】特開2016-81644(P2016-81644A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 勇樹
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−262891(JP,A)
【文献】
特開2010−73575(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0278160(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧の入力状態と前記入力電圧の非入力状態との繰り返しに応じて、照明装置に供給する出力電流の電流量を予め設定された順序で段階的に切り替える照明用電源装置であって、
スイッチング動作により前記出力電流を生成するスイッチ手段と、
前記入力電圧に応じた電源電圧が供給され、前記非入力状態から前記入力状態に切り替わった際、前記電源電圧の電圧値が予め設定されたリセット電圧よりも大きい場合は前記出力電流の電流量が前記順序に従って切り替わる一方、前記電源電圧の電圧値が前記リセット電圧よりも小さい場合は前記出力電流の電流量が前記順序の最初の状態に切り替わるように、前記スイッチ手段を制御する制御回路と、
前記入力状態のときに充電され、かつ前記非入力状態のときに第1放電経路で放電して前記制御回路に前記電源電圧を供給するコンデンサと、
前記入力状態から前記非入力状態に切り替わった後、前記第1放電経路での放電により前記電源電圧が前記リセット電圧以下になる前に、前記第1放電経路とは異なる第2放電経路を形成して前記コンデンサを放電させる放電回路と、
を備えたことを特徴とする照明用電源装置。
【請求項2】
前記放電回路は、
前記照明装置に供給される出力電圧の低下を検出し、前記出力電圧が所定の閾値よりも小さくなると検出信号を出力する出力電圧検出部と、
前記検出信号が入力されているときに前記第2放電経路を形成する放電経路形成部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明用電源装置。
【請求項3】
前記出力電圧検出部は、
前記出力電圧が前記閾値よりも小さくなると非導通状態になる第1スイッチと、
前記第1スイッチが非導通状態になると非導通状態になる第2スイッチと、
前記第2スイッチが非導通状態になると導通状態になる第3スイッチと、
前記第3スイッチが導通状態になると前記検出信号として光を発する発光素子と、
を含み、
前記放電経路形成部は、
前記発光素子の光を受光しているときに前記第2放電経路を形成する受光素子を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の照明用電源装置。
【請求項4】
入力端が単一の電圧源に接続され、かつ出力端がそれぞれ別の照明装置に接続される複数の照明用電源装置を含み、前記複数の照明用電源装置のそれぞれが、前記電圧源からの入力電圧の入力状態と前記入力電圧の非入力状態との繰り返しに応じて、前記出力端に接続された照明装置に供給する出力電流の電流量を予め設定された順序で段階的に切り替える照明用電源システムであって、
前記照明用電源装置は、
スイッチング動作により前記出力電流を生成するスイッチ手段と、
前記入力電圧に応じた電源電圧が供給され、前記非入力状態から前記入力状態に切り替わった際、前記電源電圧の電圧値がリセット電圧よりも大きい場合は前記出力電流の電流量が前記順序に従って切り替わる一方、前記電源電圧の電圧値が前記リセット電圧よりも小さい場合は前記出力電流の電流量が前記順序の最初の状態に切り替わるように、前記スイッチ手段を制御する制御回路と、
前記入力状態のときに充電され、かつ前記非入力状態のときに第1放電経路で放電して前記制御回路に前記電源電圧を供給するコンデンサと、
前記第1放電経路とは異なる第2放電経路を形成して前記コンデンサを放電させる放電回路と、
を備え、
前記リセット電圧は、前記制御回路ごとに予め設定されており、
前記放電回路は、前記入力状態から前記非入力状態に切り替わった後、前記第1放電経路での放電により前記電源電圧が、前記制御回路ごとに予め設定されたリセット電圧の最大値以下になる前に、前記第2放電経路を形成して前記コンデンサを放電させる
ことを特徴とする照明用電源システム。
【請求項5】
前記放電回路は、
前記照明装置に供給される出力電圧の低下を検出し、前記出力電圧が所定の閾値よりも小さくなると検出信号を出力する出力電圧検出部と、
前記検出信号が入力されているときに前記第2放電経路を形成する放電経路形成部と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の照明用電源システム。
【請求項6】
前記出力電圧検出部は、
前記出力電圧が前記閾値よりも小さくなると非導通状態になる第1スイッチと、
前記第1スイッチが非導通状態になると非導通状態になる第2スイッチと、
前記第2スイッチが非導通状態になると導通状態になる第3スイッチと、
前記第3スイッチが導通状態になると前記検出信号として光を発する発光素子と、
を含み、
前記放電経路形成部は、
前記発光素子の光を受光しているときに前記第2放電経路を形成する受光素子を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の照明用電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光機能を有する照明用電源装置および当該照明用電源装置を複数備えた照明用電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、調光機能を有する照明用電源装置として、例えば、非特許文献1に記載のものが知られている。
図5に示すように、非特許文献1に記載の照明用電源装置11は、整流平滑回路2と、スイッチ手段Q1を含む出力電流生成回路3と、スイッチ手段Q1を制御する制御回路U1と、制御回路U1の電源電圧(VDD電圧)を生成する電源電圧生成回路4とを主に備えており、LED照明装置20に供給する直流出力電流の電流量を予め設定された順序で段階的に切り替えることができる。なお、LED照明装置20は、直列接続された複数(例えば、12個)のLEDを光源として含み、供給される直流出力電流の電流量に応じて光源の明るさが変わる。
【0003】
整流平滑回路2は、入力された交流入力電圧を整流するダイオードブリッジDBと、整流後の交流入力電圧を平滑するコンデンサC1、C2とを含んでいる。照明用電源装置11の入力端と整流平滑回路2との間には、ヒューズFが設けられている。
【0004】
出力電流生成回路3は、電流路の一端(ドレイン)が整流平滑回路2の出力側に接続されたMOSFETからなるスイッチ手段Q1と、照明用電源装置11のプラス側の出力端とスイッチ手段Q1の電流路の他端(ソース)と間に介装された抵抗R5およびコイルL1(トランスの一次巻線)からなる直列回路と、カソードがスイッチ手段Q1と抵抗R5との接続点に接続され、アノードがグラウンド接続されたダイオードD2と、一端がコイルL1とプラス側の出力端との接続点に接続され、他端がグラウンド接続されたコンデンサC3と、一端がコンデンサC3の一端に接続され、他端が照明用電源装置11のマイナス側の出力端に接続された抵抗R6を含んでいる。
【0005】
スイッチ手段Q1は、制御回路U1の制御下でスイッチング動作を行う。スイッチ手段Q1のONデューティが大きいほど、照明用電源装置11から出力される直流出力電流の電流量は大きくなる。すなわち、スイッチ手段Q1のONデューティを段階的に切り替えることで、直流出力電流の電流量が段階的に切り替わり、その結果、LED照明装置20の明るさが段階的に切り替わる。
【0006】
電源電圧生成回路4は、一端がフレームグラウンドに接続されたコイルL2(トランスの二次巻線)と、アノードがコイルL2の他端に接続され、カソードが抵抗R8を介して制御回路U1の電源電圧端子(VDD端子)に接続されたダイオードD1と、一端がVDD端子と抵抗R8との接続点に接続されたコンデンサC5とを含んでいる。コンデンサC5は、交流入力電圧が入力状態(ON)のときに充電され、交流入力電圧が非入力状態(OFF)のときに放電して制御回路U1に電源電圧(VDD電圧)を供給する。
【0007】
制御回路U1は、ZCD端子と、GND端子と、COMP端子と、CS端子と、DRV端子と、VDD端子とを備えている。ZCD端子は、コイルL2に流れる電流がボトム(最小値)となるタイミングの検出と過電圧保護動作とを行うための端子であり、抵抗R7を介してコイルL2の他端に接続されている。COMP端子は、エラーアンプの端子であり、コンデンサC4を介してフレームグラウンドに接続されている。CS端子は、スイッチ手段Q1のドレイン電流をモニターするための端子であり、スイッチ手段Q1と抵抗R5との接続点に接続されている。DRV端子は、スイッチ手段Q1の制御端子(ゲート)に駆動信号を出力するための端子であり、抵抗R4を介してスイッチ手段Q1のゲートに接続されている。VDD端子は、制御回路U1の電源電圧(VDD電圧)が供給される端子であり、抵抗R1、R2、R3を介して照明用電源装置11の入力端に接続され、かつコンデンサC5と抵抗R8の接続点に接続されている。
【0008】
制御回路U1は、VDD電圧をモニターし、VDD電圧の電圧値に応じた駆動信号をDRV端子から出力することによりスイッチ手段Q1のONデューティを制御する「調光制御」を行う。
【0009】
図6に、照明用電源装置11における調光制御と直流出力電流の電流量との関係を示す。制御回路U1では、動作電圧V1、スレッシュ電圧V2(例えば、約10.0V)、リセット電圧V3(例えば、約2.5V)が予め設定されており、スイッチ手段Q1のONデューティを切り替える順序(100%→40%→2.5%)も予め設定されている。
【0010】
交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わると、VDD電圧は、動作電圧V1まで一気に上昇する。VDD電圧が動作電圧V1まで上昇すると、制御回路U1は、スイッチ手段Q1のゲートに駆動信号を出力してスイッチ手段Q1のスイッチング動作を開始させる。
【0011】
一方、交流入力電圧が入力状態(ON)から非入力状態(OFF)に切り替わると、VDD電圧は、動作電圧V1からスレッシュ電圧V2まで一気に低下する。VDD電圧がスレッシュ電圧V2まで低下すると、制御回路U1がスイッチ手段Q1のスイッチング動作を停止させるので、制御回路U1の消費電流が低下する。その結果、コンデンサC5の放電速度も低下し、VDD電圧の低下が緩やかになる。
【0012】
また、制御回路U1は、交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わるタイミングに応じて、スイッチ手段Q1のONデューティを変える。
【0013】
より詳しくは、VDD電圧がリセット電圧V3に達する前に交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わった場合、制御回路U1は、スイッチ手段Q1のONデューティが予め設定された順序(100%→40%→2.5%)で切り替わるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を制御する。すなわち、制御回路U1は、直前のONデューティが100%のときは40%のONデューティになるように、直前のONデューティが40%のときは2.5%のONデューティになるように、直前のONデューティが2.5%のときは100%のONデューティになるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を制御する。
【0014】
一方、VDD電圧がリセット電圧V3に達した後に交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わった場合、制御回路U1は、スイッチ手段Q1のONデューティが上記順序の最初の状態(100%の状態)に切り替わるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を開始させる。すなわち、制御回路U1は、直前のONデューティが100%または40%であったとしても、100%のONデューティになるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を制御する。
【0015】
以上のように、照明用電源装置11では、VDD電圧がリセット電圧V3に達する前に交流入力電圧の入力/非入力の切り替えを繰り返すことで、LED照明装置20に供給する直流出力電流の電流量を予め設定された順序で段階的に切り替えることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】INTELLIGENT PO2WER for Industrial/Automotive Applications, page 21. Datasheet. [online]. O2Micro International Limited, 2012-13. [平成26年9月10日検索]、インターネット<URL: http://www.electronicsdatasheets.com/pdf-datasheets/o2micro/oz8022m/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、
図7に示すように、単一の交流電圧源30に対して複数(N個、Nは3以上の整数)の照明用電源装置11−1〜11−Nを並列に接続した照明用電源システム101の場合、各照明用電源装置11−1〜11−Nに備えられた制御回路U1〜UNのリセット電圧V3は、制御回路U1〜UNによってバラツキが生じることがある。リセット電圧V3にバラツキが生じると、リセット時間(VDD電圧がスレッシュ電圧V2からリセット電圧V3に達するまでの時間)にもバラツキが生じるため、照明用電源システム101では、LED照明装置20−1〜20−Nの中で明るさの異なるものが存在してしまうおそれがあった。なお、各照明用電源装置11−1〜11−NおよびLED照明装置20−1〜20−Nの構成要素については、いずれも
図5に示す照明用電源装置11およびLED照明装置20と同様とする。
【0018】
例えば、照明用電源装置11−1に備えられた制御回路U1のリセット電圧V3が最も小さく、照明用電源装置11−2に備えられた制御回路U2のリセット電圧V3が最も大きい場合(以下、制御回路U1のリセット電圧V3をV3
MINとし、制御回路U2のリセット電圧V3をV3
MAXとする。)、
図8に示すように、制御回路U1、U2のVDD電圧がリセット電圧V3
MAXよりも小さく、かつリセット電圧V3
MINよりも大きいときに、交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わると、制御回路U1は、スイッチ手段Q1のONデューティが予め設定された順序(40%→2.5%)で切り替わるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を開始させる一方、制御回路U2は、スイッチ手段Q1のONデューティが上記順序の最初の状態(100%の状態)に切り替わるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を開始させる。
【0019】
これにより、LED照明装置20−1にはONデューティ2.5%に相当する直流出力電流が供給されるのに対して(
図8(C)参照)、LED照明装置20−2にはONデューティ100%に相当する直流出力電流が供給される(
図8(D)参照)。その結果、照明用電源システム101では、LED照明装置20−1とLED照明装置20−2との明るさが異なってしまう。
【0020】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、リセット時間のバラツキを解消することが可能な照明用電源装置および照明用電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明用電源装置は、入力電圧の入力状態と入力電圧の非入力状態との繰り返しに応じて、照明装置に供給する出力電流の電流量を予め設定された順序で段階的に切り替える照明用電源装置であって、スイッチング動作により出力電流を生成するスイッチ手段と、入力電圧に応じた電源電圧が供給され、非入力状態から入力状態に切り替わった際、電源電圧の電圧値が予め設定されたリセット電圧よりも大きい場合は出力電流の電流量が上記順序に従って切り替わる一方、電源電圧の電圧値がリセット電圧よりも小さい場合は出力電流の電流量が上記順序の最初の状態に切り替わるように、スイッチ手段を制御する制御回路と、入力状態のときに充電され、かつ非入力状態のときに第1放電経路で放電して制御回路に電源電圧を供給するコンデンサと、入力状態から非入力状態に切り替わった後、第1放電経路での放電により電源電圧がリセット電圧以下になる前に、第1放電経路とは異なる第2放電経路を形成してコンデンサを放電させる放電回路と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、電源電圧がリセット電圧以下になる前に、電源電圧を供給するコンデンサを強制的に放電させることができるので、リセット時間がリセット電圧に左右されることがなくなる。したがって、この構成によれば、リセット時間のバラツキを解消することが可能となる。
【0023】
上記照明用電源装置では、放電回路は、照明装置に供給される出力電圧の低下を検出し、出力電圧が所定の閾値よりも小さくなると検出信号を出力する出力電圧検出部と、検出信号が入力されているときに第2放電経路を形成する放電経路形成部と、を含むことが好ましい。
【0024】
上記照明用電源装置では、例えば、出力電圧検出部は、出力電圧が閾値よりも小さくなると非導通状態になる第1スイッチと、第1スイッチが非導通状態になると非導通状態になる第2スイッチと、第2スイッチが非導通状態になると導通状態になる第3スイッチと、第3スイッチが導通状態になると検出信号として光を発する発光素子と、を含み、放電経路形成部は、発光素子の光を受光しているときに第2放電経路を形成する受光素子を含むよう構成できる。
【0025】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明用電源システムは、入力端が単一の電圧源に接続され、かつ出力端がそれぞれ別の照明装置に接続される複数の照明用電源装置を含み、複数の照明用電源装置のそれぞれが、電圧源からの入力電圧の入力状態と入力電圧の非入力状態との繰り返しに応じて、出力端に接続された照明装置に供給する出力電流の電流量を予め設定された順序で段階的に切り替える照明用電源システムであって、照明用電源装置は、スイッチング動作により出力電流を生成するスイッチ手段と、入力電圧に応じた電源電圧が供給され、非入力状態から入力状態に切り替わった際、電源電圧の電圧値がリセット電圧よりも大きい場合は出力電流の電流量が上記順序に従って切り替わる一方、電源電圧の電圧値がリセット電圧よりも小さい場合は出力電流の電流量が上記順序の最初の状態に切り替わるように、スイッチ手段を制御する制御回路と、入力状態のときに充電され、かつ非入力状態のときに第1放電経路で放電して制御回路に電源電圧を供給するコンデンサと、第1放電経路とは異なる第2放電経路を形成してコンデンサを放電させる放電回路と、を備え、リセット電圧は、制御回路ごとに予め設定されており、放電回路は、入力状態から非入力状態に切り替わった後、第1放電経路での放電により電源電圧が、制御回路ごとに予め設定されたリセット電圧の最大値以下になる前に、第2放電経路を形成してコンデンサを放電させることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、各照明用電源装置は、電源電圧がリセット電圧の最大値以下になる前にコンデンサを強制的に放電させることができるので、リセット時間がリセット電圧のバラツキに左右されることがなくなる。したがって、この構成によれば、リセット時間のバラツキを解消することが可能となる。
【0027】
上記照明用電源システムでは、放電回路は、照明装置に供給される出力電圧の低下を検出し、出力電圧が所定の閾値よりも小さくなると検出信号を出力する出力電圧検出部と、検出信号が入力されているときに第2放電経路を形成する放電経路形成部と、を含むことが好ましい。
【0028】
上記照明用電源システムでは、例えば、出力電圧検出部は、出力電圧が閾値よりも小さくなると非導通状態になる第1スイッチと、第1スイッチが非導通状態になると非導通状態になる第2スイッチと、第2スイッチが非導通状態になると導通状態になる第3スイッチと、第3スイッチが導通状態になると検出信号として光を発する発光素子と、を含み、放電経路形成部は、発光素子の光を受光しているときに第2放電経路を形成する受光素子を含むよう構成できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、リセット時間のバラツキを解消することが可能な照明用電源装置および照明用電源システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る照明用電源装置の回路図である。
【
図2】本発明の照明用電源装置における調光制御と直流出力電流との関係を示す図である。
【
図3】本発明に係る照明用電源システムのブロック図である。
【
図4】本発明の照明用電源システムにおける調光制御と直流出力電流との関係を示す図である。
【
図6】従来の照明用電源装置における調光制御と直流出力電流との関係を示す図である。
【
図7】従来の照明用電源システムのブロック図である。
【
図8】従来の照明用電源システムにおける調光制御と直流出力電流との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る照明用電源装置および照明用電源システムについて説明する。
【0032】
[照明用電源装置]
図1に、本発明の一実施形態に係る照明用電源装置10を示す。本実施形態に係る照明用電源装置10は、
図5に示した従来の照明用電源装置11に放電回路1を追加したものである。なお、
図1に示されている各構成要素のうち、
図5と同一の符号を付した構成要素については従来技術で説明したものと同様なので、ここでは説明を一部省略する。
【0033】
放電回路1は、LED照明装置20に供給される直流出力電圧の低下を検出して検出信号を出力する出力電圧検出部と、上記検出信号が入力されているときにコンデンサC5の放電経路(第2放電経路X2)を形成する放電経路形成部とを含んでいる。
【0034】
放電回路1の出力電圧検出部は、本発明の「第1スイッチ」に相当するツェナーダイオードZD1と、抵抗R9、R10、R11、R12と、本発明の「第2スイッチ」に相当するNPN型のトランジスタQ2と、本発明の「第3スイッチ」に相当するNPN型のトランジスタQ3と、フォトカプラPCの発光素子(本実施形態では、発光ダイオード)とを含んでいる。また、放電回路1の放電経路形成部は、フォトカプラPCの受光素子(本実施形態では、フォトトランジスタ)と、抵抗R13とを含んでいる。
【0035】
ツェナーダイオードZD1は、カソードが照明用電源装置10のプラス側の出力端に接続され、アノードが抵抗R9および抵抗R10の直列回路を介してグラウンド接続されている。ツェナーダイオードZD1は、交流入力電圧が入力状態(ON)のときに導通状態(ON)になる一方、交流入力電圧が非入力状態(OFF)となりコンデンサC3の電圧が低下したとき(直流出力電圧が低下したとき)に非導通状態(OFF)となるように、ツェナー電圧(本発明の「閾値」に相当)が設定されている。
【0036】
トランジスタQ2は、制御端子(ベース)が抵抗R9と抵抗R10の接続点に接続され、電流路の一端(コレクタ)が抵抗R11を介してツェナーダイオードZD1のカソードに接続され、電流路の他端(エミッタ)がグラウンド接続されている。
【0037】
トランジスタQ3は、制御端子(ベース)がトランジスタQ2のコレクタに接続され、電流路の一端(コレクタ)が抵抗R12を介してツェナーダイオードZD1のカソードに接続され、電流路の他端(エミッタ)がフォトカプラPCの発光ダイオードを介してグラウンド接続されている。
【0038】
フォトカプラPCの発光ダイオードは、アノードがトランジスタQ3のエミッタに接続されており、トランジスタQ3を経由した電流が流れると発光する。なお、発光ダイオードが発する光が、本発明の「検出信号」に相当する。
【0039】
フォトカプラPCのフォトトランジスタは、電流路の一端(コレクタ)が電源電圧生成回路4のコンデンサC5と抵抗R8との接続点に接続され、電流路の他端(エミッタ)が抵抗R13を介してフレームグラウンドに接続されている。フォトカプラPCのフォトトランジスタは、発光ダイオードが発する光を受光しているときに導通する。言い換えれば、フォトトランジスタは、発光ダイオードからの検出信号が入力されているときにコンデンサC5の第2放電経路X2を形成する。
【0040】
次に、
図2を参照して、照明用電源装置10における調光制御と直流出力電流との関係について説明する。
【0041】
制御回路U1では、動作電圧V1、スレッシュ電圧V2(例えば、約10.0V)、リセット電圧V3(例えば、約2.5V)が予め設定されており、スイッチ手段Q1のONデューティを切り替える順序(本実施形態では、100%→40%→2.5%)も予め設定されている。
【0042】
時刻t
1の直前まで、制御回路U1は、ONデューティが40%になるようにスイッチ手段Q1のスイッチング動作を制御しており、LED照明装置20にはONデューティ40%に相当する直流出力電流が供給されている。このとき、放電回路1では、ツェナーダイオードZD1が導通状態、トランジスタQ2が導通状態、トランジスタQ3が非導通状態になるので、フォトカプラPCの発光ダイオードに電流が流れず、フォトカプラPCの発光ダイオードは光を発しない。このため、フォトカプラPCのフォトトランジスタは、非導通状態となり、コンデンサC5の第2放電経路X2を形成しない。
【0043】
交流入力電圧が入力状態(ON)から非入力状態(OFF)に切り替わると、電源電圧生成回路4のコンデンサC5は、当該コンデンサC5の一端と制御回路U1のVDD端子とを接続する経路(第1放電経路X1)で放電して制御回路U1にVDD電圧を供給する。これにより、VDD電圧は一気に低下する。時刻t
1において、VDD電圧がスレッシュ電圧V2に達すると、制御回路U1がスイッチ手段Q1のスイッチング動作を停止させるので、LED照明装置20に供給される直流出力電流はゼロになる。
【0044】
また、制御回路U1がスイッチ手段Q1のスイッチング動作を停止させるとLED照明装置20に供給される直流出力電圧も低下する。直流出力電圧の低下によりツェナーダイオードZD1の両端に印加される電圧がツェナー電圧よりも小さくなると、放電回路1では、ツェナーダイオードZD1が非導通状態、トランジスタQ2が非導通状態、トランジスタQ3が導通状態に切り替わり、フォトカプラPCの発光ダイオードに電流が流れて、フォトカプラPCの発光ダイオードが光を発する。これにより、フォトカプラPCのフォトトランジスタは、導通状態となり、コンデンサC5の第2放電経路X2を形成する(時刻t
2)。その結果、コンデンサC5が第2放電経路X2で放電するので、時刻t
2において、VDD電圧は一気に低下してゼロになる。
【0045】
照明用電源装置10では、交流入力電圧が入力状態(ON)から非入力状態(OFF)に切り替わった後、第1放電経路X1での放電によりVDD電圧がリセット電圧V3以下になる前に、放電回路1が第2放電経路X2を形成するように、コンデンサC5の容量を
従来の照明用電源装置10におけるコンデンサC5の容量よりも大きくしている。例えば、従来の照明用電源装置11において、容量が2.2[μF]程度のコンデンサC5を使用する場合、本実施形態に係る照明用電源装置10では、容量が4.7[μF]程度のコンデンサC5を使用することが好ましい。
【0046】
上述したように、放電回路1が第2放電経路X2を形成するとVDD電圧は一気に低下してゼロになるので、その後、時刻t
3において交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わり、時刻t
4においてVDD電圧が動作電圧V1まで上昇すると、制御回路U1は、スイッチ手段Q1のONデューティが上記順序の最初の状態(100%の状態)に切り替わるように、スイッチ手段Q1のスイッチング動作を開始させる。これにより、LED照明装置20にはONデューティ100%に相当する直流出力電流が供給される(
図2(C)参照)。
【0047】
結局、本実施形態に係る照明用電源装置10では、制御回路U1のVDD電圧がリセット電圧V3以下になる前にコンデンサC5を強制的に放電させる放電回路1を備えているので、リセット時間(交流入力電圧の非入力状態において、VDD電圧がスレッシュ電圧V2からリセット電圧V3に達するまでの時間)がリセット電圧V3に左右されることがなくなる。
【0048】
[照明用電源システム]
図3に、本発明の一実施形態に係る照明用電源システム100を示す。照明用電源システム100は、単一の交流電圧源30に対して複数(N個、Nは3以上の整数)の照明用電源装置10−1〜10−Nを並列に接続したものである。各照明用電源装置10−1〜10−Nの構成要素については、いずれも
図1に示す照明用電源装置10と同様なので、ここでは説明を一部省略する。
【0049】
照明用電源システム100では、交流電圧源30と照明用電源装置10−1〜10−Nの入力端との間に、スイッチSが設けられている。スイッチSが導通状態(ON)のときは、照明用電源装置10−1〜10−Nに対して交流入力電圧が入力状態(ON)になり、スイッチSが非導通状態(OFF)のときは、照明用電源装置10−1〜10−Nに対して交流入力電圧が非入力状態(OFF)になる。スイッチSは、例えば、照明用電源装置10−1〜10−Nが取り付けられた部屋の壁に設けることができる。
【0050】
照明用電源装置10−1〜10−Nに備えられた制御回路U1〜UNは、いずれも動作電圧V1、スレッシュ電圧V2、リセット電圧V3が予め設定されており、スイッチ手段Q1のONデューティを切り替える順序(本実施形態では、100%→40%→2.5%)も予め設定されている。リセット電圧V3は、制御回路U1〜UNによってバラツキがある。
【0051】
照明用電源装置10−1〜10−Nに備えられた各放電回路1は、いずれも、VDD電圧が制御回路U1〜UNの各リセット電圧V3の最大値以下になる前に、第2放電経路X2を形成してコンデンサC5を強制的に放電させる。
【0052】
図4に、照明用電源システム100における調光制御と直流出力電流との関係を示す。照明用電源システム100では、照明用電源装置10−1に備えられた制御回路U1のリセット電圧V3が最も小さく、照明用電源装置10−2に備えられた制御回路U2のリセット電圧V3が最も大きいものとする。そして、制御回路U1のリセット電圧V3をV3
MINとし、制御回路U2のリセット電圧V3をV3
MAXとする。
【0053】
照明用電源システム100では、
図4(A)および(B)に示すように、交流入力電圧が入力状態(ON)から非入力状態(OFF)に切り替わると、照明用電源装置10−1〜10−Nに備えられた各放電回路1は、各制御回路U1〜UNのVDD電圧がリセット電圧V3
MAX以下になる前に、第2放電経路X2を形成してコンデンサC5を強制的に放電させる。これにより、各制御回路U1〜UNのVDD電圧は、いずれもゼロになる。
【0054】
その後、交流入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わると、各制御回路U1〜UNは、各スイッチ手段Q1のONデューティが上記順序の最初の状態(100%の状態)に切り替わるように、各スイッチ手段Q1のスイッチング動作を開始させる。これにより、LED照明装置20−1および20−2には、ONデューティ100%に相当する直流出力電流が供給される(
図4(C)および(D)参照)。当然ながら、残りのLED照明装置20−3〜20−Nにも、ONデューティ100%に相当する直流出力電流が供給される。
【0055】
結局、照明用電源システム100では、各照明用電源装置10−1〜10−Nは、VDD電圧がリセット電圧V3の最大値(リセット電圧V3
MAX)以下になる前にコンデンサC5を強制的に放電させる放電回路1を備えているので、リセット時間がリセット電圧V3のバラツキに左右されることがなくなる。その結果、照明用電源システム100によれば、
図7に示す従来の照明用電源システム101のようにLED照明装置20−1とLED照明装置20−2との明るさが異なってしまうということはなく、LED照明装置20−1〜20−Nの明るさを揃えて切り替えることができる安定した調光制御が可能になる。
【0056】
以上、本発明に係る照明用電源装置および照明用電源システムの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0057】
例えば、放電回路1は、入力電圧が入力状態(ON)から非入力状態(OFF)に切り替わった後、電源電圧(VDD電圧)がリセット電圧V3以下になる前に新たな放電経路を形成し、電源電圧を供給するコンデンサC5を強制的に放電させることができるのであれば、その構成を適宜変更することができる。
【0058】
整流平滑回路2の構成も適宜変更することができ、入力電圧が直流の場合は、整流平滑回路2自体を省略することができる。また、出力電流生成回路3は、スイッチング動作により出力電流を生成するスイッチ手段Q1を含むのであれば、その構成を適宜変更することができる。
【0059】
制御回路U1は、入力電圧に応じた電源電圧が供給され、入力電圧が非入力状態(OFF)から入力状態(ON)に切り替わった際、電源電圧の電圧値が予め設定されたリセット電圧V3よりも大きい場合は、出力電流の電流量が予め設定された順序に従って切り替わる一方、電源電圧の電圧値がリセット電圧V3よりも小さい場合は出力電流の電流量が上記順序の最初の状態に切り替わるように、スイッチ手段Q1を制御する回路であれば、適宜用いることができる。また、制御回路U1は、スイッチ手段Q1のONデューティを2段階で切り替えてもよいし、4段階以上で切り替えてもよい。
【0060】
電源電圧生成回路4は、入力電圧が入力状態(ON)のときに充電され、かつ入力電圧が非入力状態(OFF)のときに放電して制御回路U1に電源電圧を供給するコンデンサC5を含むのであれば、その構成を適宜変更することができる。
【0061】
上記実施形態における照明用電源システム100は、N台の照明用電源装置10を備えているが、本発明に係る照明用電源システムは、少なくとも2台の照明用電源装置10を備えていればよい。
【0062】
上記実施形態では、照明装置としてLED照明装置20を例に挙げて説明しているが、供給される出力電流の電流量に応じて明るさが変わるものであれば、LED照明装置20以外の照明装置を使用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 放電回路
2 整流平滑回路
3 出力電流生成回路
4 電源電圧生成回路
10 照明用電源装置
20 LED照明装置
30 交流電圧源
100 照明用電源システム