(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
痛み;神経変性及び神経炎症性疾患;骨関節疾患;閉塞性気道疾患;心血管疾患;眼疾患;皮膚疾患;腹腔及び消化管疾患;泌尿生殖器疾患;癌;他の自己免疫性及びアレルギー性障害;並びに炎症性又は免疫性要素を伴う他の障害から選択される疾患の予防又は治療
のための医薬の製造のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
痛み;神経変性及び神経炎症性疾患;骨関節疾患;閉塞性気道疾患;心血管疾患;眼疾患;皮膚疾患;腹腔及び消化管疾患;泌尿生殖器疾患;癌;他の自己免疫性及びアレルギー性障害;並びに炎症性又は免疫性要素を伴う他の障害から選択される疾患の予防又は治療における使用のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【発明の概要】
【0005】
以下に、本発明の種々の態様を記載する。
1) 本発明は、式(I)の複素環アミド誘導体及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0006】
【化1】
式中、
nは、1、2又は3を表し;
mは、0、1又は2を表し;
pは、0、1又は2を表し;
Xは、−O−又は−CH
2−を表し;
R
1は、水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキルを表し、かつR
2は、水素又はハロゲンを表すか;又はR
1とR
2は、一緒に−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれは、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、
(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン又はフェノキシを表し;
R
4は、水素、(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、アミノ、ハロゲン又はフェニルを表し;
R
5は、水素又はメチルを表す。
【0007】
態様1)に従う式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。二重結合の置換基は、特に明記しない限り、Z−又はE−配置で存在してもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0008】
本特許出願においては、可変的に結合した結合(bonds)が、置換基又は基に対して用いられるかもしれない。そのような場合は、可変的に結合した結合が書き込まれている環系のいずれかの炭素原子に置換基又は基が結合することを意味するが、ただし、当該炭素原子が未だ特異的に置換されていないことを条件とする。例えば、いかなる基R
3も、式(I)のフェニル環の未だ置換されていないいずれの炭素原子に結合していてもよいと解される。したがって、pが1を表す場合には、式(I)は、下記の4つの式を包含する:
【化2】
【0009】
pが2を表す場合には、2つ目のR
3基は、式(I−1)、(I−2)、(I−3)又は(I−4)のいずれか1つのフェニル環の未だ置換されていないいずれの炭素原子に結合していてもよく、2つのR
3基は同一であっても異なっていてもよい。pが0を表す場合には、R
3基は存在しない。
【0010】
ここに記載される定義は、態様1)〜26)のいずれか1つに定義されるような式(I)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I
Bn)、(I
XO)及び(I
XC)の化合物に対して一律に適用されるものであり、特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り本明細書及び請求項を通じて準用される。当然ながら
、ある用語の定義又は好ましい定義が、ここに定義されるいずれか又は他のすべての用語のいずれか又は好ましい定義におけるそれぞれの用語を、独立して(及びそれらと共に)定義し置き換えるものであってよい。
【0011】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1から4個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。「(C
x−C
y)アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C
1−C
4)アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の代表的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチルが挙げられる。
【0012】
「R
1」が「(C
1−C
2)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
2)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル及びエチルである。好ましくは、メチルである。
【0013】
「R
3」が「(C
1−C
4)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
4)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチルである。好ましくは、メチルである。
【0014】
「R
4」が「(C
1−C
4)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
4)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチルである。好ましくは、メチルである。
【0015】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、アルキル基が前記部分で定義した通りのアルキル−O−基を意味する。「(C
x−C
y)アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義した通りのアルコキシ基を意味する。例えば、(C
1−C
4)アルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を含む。アルコキシ基の代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ及びtert.−ブトキシが挙げられる。
【0016】
「R
3」が「(C
1−C
4)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
4)アルコキシ基を意味する。当該基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ及びtert.−ブトキシである。好ましくは、メトキシである。
【0017】
「ヒドロキシ−(C
x−C
y)アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、x〜y個の炭素原子を含み、1個の水素原子がヒドロキシで置換された、前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含み、1個の水素原子がヒドロキシで置換されている。当該基の例は、ヒドロキシ−メチル、ヒドロキシ−エチル及びヒドロキシ−プロピルである。
【0018】
「R
1」が「ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義したヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、ヒドロキシ−メチル、1−ヒドロキシ−エチル及び2−ヒドロキシ−エチルである。好ましくは、ヒドロキシ−メチルである。
【0019】
「R
3」が「ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義したヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、ヒドロキシ−メチル、1−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、1−ヒドロキシ−プロパ−1−イル、2−ヒドロキシ−プロパ−1−イル、3−ヒドロキシ−プロパ−1−イル、1−ヒドロキシ−プロパ−2−イル及び2−ヒドロキシ−プロパ−2−イルである。好ましくは、ヒドロキシ−メチルである。
【0020】
「(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子が、前記部分で定義した(C
1−C
2)アルコキシで置き換えられた、1又は2個の炭素原子を含む前記部分で定義したアルキル基を意味する。当該基の例は、メトキシ−メチル、メトキシ−エチル、エトキシ−メチル及びエトキシ−エチルである。
【0021】
「R
3」が「(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、メトキシ−メチル、1−メトキシ−エチル、2−メトキシ−エチル、エトキシ−メチル、1−エトキシ−エチル及び2−エトキシ−エチルである。好ましくは、メトキシ−メチルである。
【0022】
「ヒドロキシ−(C
x−C
y)アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、x〜y個の炭素原子を含み、1個の水素原子がヒドロキシで置換された、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ基は、2〜3個の炭素原子を含み、1個の水素原子がヒドロキシで置換されている。当該基の例は、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ、3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ及び1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシである。
【0023】
「R
3」が「ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義したヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ基を意味する。当該基の代表的な例は、2−ヒドロキシ−エトキシ、2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ、3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ及び1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシである。好ましくは、2−ヒドロキシ−エトキシである。
【0024】
「ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子が、前記部分で定義したヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシで置き換えられた、1又は2個の炭素原子を含む前記部分で定義したアルキル基を意味する。当該基の例は、(2−ヒドロキシ−エトキシ)−メチル、1−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチル、2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチル、(2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−メチル、(3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−メチル、(1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシ)−メチル、1−(2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル、1−(3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル、1−(1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシ)−エチル、2−(2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル、2−(3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル及び2−(1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシ)−エチルである。
【0025】
「R
3」が「ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義したヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、(2−ヒドロキシ−エト
キシ)−メチル、1−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチル、2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチル、(2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−メチル、(3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−メチル、(1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシ)−メチル、1−(2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル、1−(3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル、1−(1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシ)−エチル、2−(2−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル、2−(3−ヒドロキシ−プロパ−1−オキシ)−エチル及び2−(1−ヒドロキシ−プロパ−2−オキシ)−エチルである。好ましくは、(2−ヒドロキシ−エトキシ)−メチルである。
【0026】
「(C
3−C
6)シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、3〜6個の炭素原子を持つシクロアルキル基を意味する。(C
3−C
6)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0027】
「R
3」が「(C
3−C
6)シクロアルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
3−C
6)シクロアルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくは、シクロプロピルである。
【0028】
「(C
x−C
y)フルオロアルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフルオロで置き換えられた、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義した通りのアルキル基を意味する。例えば、(C
1−C
3)フルオロアルキル基は、1〜3個の炭素原子を含み、1〜7個の水素原子がフルオロで置き換えられている。
【0029】
「R
3」が「(C
1−C
3)フルオロアルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、トリフルオロメチルである。
【0030】
「R
4」が「(C
1−C
3)フルオロアルキル」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の代表的な例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、トリフルオロメチルである。
【0031】
「(C
x−C
y)フルオロアルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフルオロで置き換えられた、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ基は、1から3個の炭素原子を含み、1から7個の水素原子がフルオロで置換されている。
【0032】
「R
3」が「(C
1−C
3)フルオロアルコキシ」を表す場合には、この用語は、前記部分で定義した(C
1−C
3)フルオロアルコキシ基を意味する。当該基の代表的な例は、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリフルオロエトキシである。好ましくは、トリフルオロメトキシである。
【0033】
ハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ又はブロモを意味する。
【0034】
「R
2」が「ハロゲン」を表す場合には、この用語は、フルオロ、クロロ又はブロモを意味する。好ましくは、クロロである。
【0035】
「R
3」が「ハロゲン」を表す場合には、この用語は、フルオロ、クロロ又はブロモを意味する。好ましくは、クロロ及びブロモである。
【0036】
「R
4」が「ハロゲン」を表す場合には、この用語は、フルオロ、クロロ又はブロモを意味する。好ましくは、ブロモである。
【0037】
2) 本発明のさらなる態様は、式(I
Bn)の化合物でもある、態様1)に従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0038】
【化3】
式中、
nは、1、2又は3を表し;
pは、1又は2を表し;
Xは、−O−又は−CH
2−を表し;
R
1は、水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキルを表し、かつR
2は、水素又はハロゲンを表すか;又はR
1とR
2は、一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれは、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、シアノ又はハロゲンを表し;
R
4は、水素、(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、アミノ又はハロゲンを表す。
【0039】
3) 本発明のさらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
pが、1又は2を表し;
Xが、−O−又は−CH
2−を表し;
R
1が、水素又はメチルを表し、かつR
2がクロロを表すか;又はR
1とR
2が一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれが、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、トリフルオロメチル又はハロゲンを表し;
R
4が水素、(C
1−C
4)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ又はハロゲンを表す;
態様2)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0040】
4) 本発明のさらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
pが、1又は2を表し;
Xが、−O−又は−CH
2−を表し;
R
1が、水素又はメチルを表し、かつR
2がクロロを表すか;又はR
1とR
2が、一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれが、独立にメチル、シクロプロピル、メトキシ、ヒドロキシ−メチル、2−ヒドロキシ−エトキシ、(2−ヒドロキシ−エトキシ)−メチル、メトキシ−メチル、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ又はブロモを表し;
R
4が、水素、メチル、トリフルオロメチル、アミノ又はブロモを表す;
態様2)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0041】
5) 本発明のさらなる態様は、式(I
XO)の化合物でもある、態様1)に従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0042】
【化4】
式中、
nは、1、2又は3を表し;
mは、0、1又は2を表し;
pは、1又は2を表し;
R
1は、水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキルを表し、かつR
2は、水素又はハロゲンを表すか;又はR
1とR
2は、一緒に−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれは、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン又はフェノキシを表し;
R
5は、水素又はメチルを表す。
【0043】
6) 本発明のさらなる態様は、
nが、1又は2を表し;
mが、0を表し;
pが、1又は2を表し;
R
1が水素を表し、かつR
2が水素又はハロゲンを表すか;又はR
1とR
2が、一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれが、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、トリフルオロメチル、シアノ又はハロゲンを表し;
R
5が、水素を表す;
態様5)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0044】
7) 本発明のさらなる態様は、
nが、1又は2を表し;
mが、0を表し;
pが、1又は2を表し;
R
1が水素を表し、かつR
2がクロロを表すか;又はR
1とR
2が一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれが、独立にメチル、シクロプロピル、ヒドロキシ−メチル、2−ヒドロキシ−エトキシ、(2−ヒドロキシ−エトキシ)−メチル、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ又はブロモを表し;
R
5が、水素を表す;
態様5)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0045】
8) 本発明のさらなる態様は、式(I
XC)の化合物でもある、態様1)に従う式(I)の化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0046】
【化5】
式中、
nは、1、2又は3を表し;
mは、0、1又は2を表し;
pは、1又は2を表し;
R
1は、水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキルを表し、かつR
2は水素又はハロゲンを表すか;又はR
1とR
2は、一緒に−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれは、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン又はフェノキシを表し;
R
4は、水素、(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、アミノ、ハロゲン又はフェニルを表し;
R
5は、水素又はメチルを表す。
【0047】
9) 本発明のさらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
mが、0を表し;
pが、1又は2を表し;
R
1が、水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキルを表し
、かつR
2が、水素又はハロゲンを表すか;又はR
1とR
2が、一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれが、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル、トリフルオロメチル又はハロゲンを表し;
R
4が、水素、(C
1−C
4)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ又はハロゲンを表し;
R
5が、水素を表す;
態様8)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0048】
10) 本発明のさらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
mが、0を表し;
pが、1又は2を表し;
R
1が水素又はメチルを表し、かつR
2がクロロを表すか;又はR
1とR
2は、一緒に−CH
2CH
2−基を表し;
R
3のそれぞれが、独立にメチル、メトキシ、ヒドロキシ−メチル、メトキシ−メチル、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ又はブロモを表し;
R
4が、水素、メチル、トリフルオロメチル、アミノ又はブロモを表し;
R
5が、水素を表す;
態様8)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0049】
11) 本発明のさらなる態様は、
nが、1を表す;
態様1)〜10)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0050】
12) 本発明のさらなる態様は、
nが、2を表す;
態様1)〜10)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0051】
13) 本発明のさらなる態様は、
nが、3を表す;
態様1)〜5)又は8)〜10)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0052】
14) 本発明のさらなる態様は、
mが、0を表す;
態様1)、5)、8)又は11)〜13)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0053】
15) 本発明のさらなる態様は、
pが、2を表す;
態様1)〜14)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0054】
16) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素、メチル又はヒドロキシ−メチルを表し、かつR
2がクロロを表す;
態様1)、2)、5)、8)、9)又は11)〜15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0055】
17) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素を表し、かつR
2がクロロを表す;
態様1)〜15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0056】
18) 本発明のさらなる態様は、
R
1とR
2が、一緒に−CH
2CH
2−基を表す;
態様1)〜15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0057】
19) 本発明のさらなる態様は、
第1のR
3基が、R
1を有する炭素原子に対してパラ位に結合し、かつクロロを表し;
第2のR
3基が、存在しないか、又はR
1を有する炭素原子に対してオルト位に結合し、かつメチル、シクロプロピル、メトキシ、ヒドロキシ−メチル、2−ヒドロキシ−エトキシ、(2−ヒドロキシ−エトキシ)−メチル、メトキシ−メチル、クロロ又はブロモを表す;
態様1)〜5)又は11)〜18)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0058】
20) 本発明のさらなる態様は、
第1のR
3基が、R
1を有する炭素原子に対してパラ位に結合し、かつクロロを表し;
第2のR
3基が、R
1を有する炭素原子に対してオルト位に結合し、かつメチル、ヒドロキシ−メチル、クロロ又はブロモを表す;
態様1)〜18)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0059】
21) 本発明のさらなる態様は、
R
4が、水素を表す;
態様1)〜4)又は8)〜20)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0060】
22) 本発明のさらなる態様は、
R
4が、メチル又はアミノを表す;
態様1)〜4)又は8)〜20)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0061】
23) 本発明のさらなる態様は、
R
5が、水素を表す;
態様1)、5)、8)又は11)〜22)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0062】
24) 本発明のさらなる態様は、
複素環系のキラル中心が、(S)配置である;態様1)〜23)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0063】
25) 本発明のさらなる態様は、
複素環系のキラル中心が、(R)配置である;態様1)〜23)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0064】
26) 態様1)に定義する式(I)の好ましい化合物は、下記の化合物から成る群より選択される:
N−(4−クロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロフェネチル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(3−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)ベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フェノキシベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロフェネチル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−3−シアノベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロ
ペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メトキシベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−クロロベンジル)−N−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,3−ジクロロベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロフェネチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−3−シアノベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(3−(2,4−ジクロロフェニル)プロピル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−((S)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−((S)−5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(4−フェノキシベンジル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(4−クロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(4−クロロベンジル)−N−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(3−クロロ−2−メチルベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]
チアゾール−7−カルボキサミド;
2−アミノ−N−(2,4−ジクロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−4−フルオロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,3−ジクロロベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−((R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−2−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
2−アミノ−N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロフェネチル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−((S)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−(ヒドロキシメチル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
2−ブロモ−N−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−(メトキシメチル)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
N−(4−フェノキシベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド;
2−アミノ−N−(2,4−ジクロロベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボキサミド;
2−アミノ−N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボキサミド;
N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボキサミド;
(R)−N−((S)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボキサミド;及び
(S)−N−((S)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボキサミド;
又はそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)。
【0065】
上記の化合物のいずれについても、具体的に帰属されていないキラル中心は、絶対(R)配置にあっても、又は絶対(S)配置にあってもよいと解される;例えば、N−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミドとして記載される化合物は、(R)−N−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミドであっても、(S)−N−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミドであっても、又はそれらのいかなる混合物であってもよい。
【0066】
当然ながら、本発明は、態様1)に係る;又は態様1)に従属する態様の特徴により限定された態様1)に係る;又は一連の従属態様の特徴により限定された態様1)(例えば、「態様1)に従属する態様2)に従属する態様3)」の形式)に係る化合物に関する。ある態様が1つを超える他の態様に従属している場合は、それぞれの組み合わせが具体的に開示されているものと解される。また、ある態様が1つを超える他の態様に従属し、当該他の態様自身の1つ又はそれ以上が、1つ又はそれ以上のさらなる他の態様に従属している場合は、当該所与の従属関係及び多項従属関係において可能とされるものであれば、それぞれの組み合わせが具体的に開示されているものと解される。特に、互いに従属する3つを超える態様の連なりから得られる態様は、所与の従属関係及び多項従属関係に基づいて解釈されてよく、従って具体的に開示されるものであることが意図されている。以上に開示した態様1)から26)の従属関係に基づき可能とされる態様の代表例、つまり意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される態様の代表例は:
1、2+1、3+2+1、4+2+1、5+1、6+5+1、7+5+1、8+1、9+8+1、10+8+1、11+3+2+1、11+6+5+1、11+9+8+1、12+3+2+1、12+6+5+1、12+9+8+1、13+3+2+1、13+9+8+1、14+1、15+1、15+2+1、15+3+2+1、15+4+2+1、15+5+1、15+6+5+1、15+7+5+1、15+8+1、15+9+8+1、15+10+8+1、16+1、16+2+1、16+5+1、16+9+8+1、17+1、17+3+2+1、17+6+5+1、17+9+8+1、17+15+1、17+15+2+1、17+15+3+2+1、17+15+4+2+1、17+15+5+1、17+15+6+5+1、17+15+7+5+1、17+15+8+1、17+15+9+8+1、17+15+10+8+1、18+1、18+3+2+1、18+6+5+1、18+9+8+1、18+15+1、18+15+2+1、18+15+3+2+1、18+15+4+2+1、18+15+5+1、18+15+6+5+1、18+15+7+5+1、18+15+8+1、18+15+9+8+1、18+15+10+8+1、19+1、19+3+2+1、19+5+1、19+14+1、19+15+1、19+15+2+1、19+15+3+2+1、19+15+4+2+1、19+15+5+1、19+15+6+5+1、19+15+7+5+1、19+15+8+1、19+15+9+8+1、19+15+10+8+1、19+16+1、19+16+2+1、19+16+5+1、19+16+9+8+1、20+1、20+2+1、20+3
+2+1、20+4+2+1、20+5+1、20+6+5+1、20+7+5+1、20+8+1、20+9+8+1、20+10+8+1、
21+1、21+2+1、21+3+2+1、21+4+2+1、21+8+1、21+9+8+1、21+10+8+1、21+20+1、21+20+2+1、21+20+3+2+1、21+20+4+2+1、21+20+5+1、21+20+6+5+1、21+20+7+5+1、21+20+8+1、21+20+9+8+1、21+20+10+8+1、22+1、22+2+1、22+3+2+1、22+4+2+1、22+8+1、22+9+8+1、22+10+8+1、22+20+1、22+20+2+1、22+20+3+2+1、22+20+4+2+1、22+20+5+1、22+20+6+5+1、22+20+7+5+1、22+20+8+1、22+20+9+8+1、22+20+10+8+1、23+1、23+5+1、23+8+1、24+1、24+2+1、24+3+2+1、24+4+2+1、24+5+1、24+6+5+1、24+7+5+1、24+8+1、24+9+8+1、24+10+8+1、24+17+1、24+17+3+2+1、24+17+6+5+1、24+17+9+8+1、24+17+15+1、24+17+15+2+1、24+17+15+3+2+1、24+17+15+4+2+1、24+17+15+5+1、24+17+15+6+5+1、24+17+15+7+5+1、24+17+15+8+1、24+17+15+9+8+1、24+17+15+10+8+1、25+1、25+2+1、25+3+2+1、25+4+2+1、25+5+1、25+6+5+1、25+7+5+1、25+8+1、25+9+8+1、25+10+8+1、25+17+1、25+17+3+2+1、25+17+6+5+1、25+17+9+8+1、25+17+15+1、25+17+15+2+1、25+17+15+3+2+1、25+17+15+4+2+1、25+17+15+5+1、25+17+15+6+5+1、25+17+15+7+5+1、25+17+15+8+1、25+17+15+9+8+1、25+17+15+10+8+1、及び26+1である;
ここで上記のリストは、以上に開示する態様1)から26)の従属関係に基づき可能とされ、また意図されているさらなる態様についての限定とは解釈されない。上記の表中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様への従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「3+2+1」は、態様3)であって、態様2)に従属し、態様1)に従属することを意味し、すなわち、態様「3+2+1」は、態様2)及び3)の特徴によりさらに限定された態様1)の化合物に相当する。
【0067】
本発明はまた、同位体標識された、特に
2H(デューテリウム)標識された式(I)の化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特に
2H(デューテリウム)標識された式(I)の化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体
2H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)の化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式(I)の化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式(I)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0068】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩を意味する、文献、例えば、「Salt selection for basic
drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217。
【0069】
化合物、塩、医薬組成物、疾患等に対して複数形が使用される場合には、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0070】
態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、医薬としての使用に適切である。特に、式(I)の化合物はP2X
7受容体を調節し、すなわち、P2X
7受容体アンタゴニストとして作用し、痛み;神経変性及び神経炎症性疾患;骨関節疾患;閉塞性気道疾患;心血管疾患;眼疾患;皮膚疾患;腹腔及び消化管疾患;泌尿生殖器疾患;癌;他の自己免疫性及びアレルギー性障害;並びに炎症性又は免疫性成分を伴う他の障害等のP2X
7受容体の活性化に関連する疾患の予防又は治療に有用である。
【0071】
特に、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、痛みの予防又は治療に適切である。痛みは、急性痛;慢性痛;捻挫および筋挫傷に伴う痛み;慢性関節痛;リウマチ熱に伴う痛み;筋骨格痛;腰部頚部痛;炎症性疼痛;神経因性疼痛;内臓痛;インフルエンザ又は他のウイルス感染症に伴う痛み;癌及び腫瘍浸潤に伴う痛み;関節及び骨痛;非定型顔面痛;偏頭痛に伴う痛み、歯痛及び月経困難;緊張型頭痛及び群発頭痛を含む頭痛;心筋虚血に伴う痛み;機能性腸障害に伴う痛み;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌化学療法に伴う痛み;並びに術後痛を意味する。
【0072】
神経因性疼痛は、特に糖尿病性ニューロパシー、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、及び身体外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素又は慢性炎症性状態により生じる痛みを含む。加えて、神経因性疼痛状態は、「ちくちくした感覚」のような通常は無痛の感覚に伴う痛み(知覚異常および異常感覚)、触れられた際の感受性の増大(知覚過敏)、無害な刺激後の痛みの感覚(動的、静的、熱的または冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械刺激に対する痛覚過敏症)、刺激の除去後の痛みの感覚の継続(痛覚過敏)又は選択的感覚経路の不在または欠損(痛覚鈍麻)を含む。
【0073】
慢性関節痛は、特に関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎を含む。
【0074】
機能性腸障害に伴う痛みは、特に非潰瘍性胃腸障害、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群を含む。
【0075】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、神経変性及び神経炎症性疾患の予防又は治療に適切である。神経変性及び神経炎症性疾患は、アルツハイマー病、並びにクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及び新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(nvCJD);筋萎縮性側索硬化症、アミロイドーシス;多発性硬化症及び他の脱髄症;脳動脈硬化症及び血管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;ハンチントン病;レビー小体型認知症;及びパーキンソン病を含むが、これらに限定されない他の認知症性疾患を含む。
【0076】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、骨関節疾患の予防又は治療に適切である。骨関節疾患は、関節リウマチ、骨関節炎、痛風又は結晶性関節症等の関節炎;椎間板変性;顎関節変性;骨粗鬆症、ページェット病又は骨壊死等の骨リモデリング疾患;多発性軟骨炎;強皮症;混合結合組織病;脊椎関節症;歯周炎等の歯周病;原発性及び、例えば先天性股関節形成異常に続発性の双方の変形性関節炎/骨関節症に関連する、又はそれらを含む関節炎;頸椎症及び腰椎症;スティル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎及び未分化型脊椎関節炎を含
む血清反応陰性脊椎関節炎;化膿性関節炎並びにポット病及びポンセ症候群を含む、結核等の他の感染症関連関節症及び骨障害;尿酸痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患及びカルシウムアパタイト関連性腱、滑液嚢及び滑膜炎症を含む急性及び慢性の結晶誘発性滑膜炎;ベーチェット病;原発性及び続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症及び限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病及び未分化結合組織疾患;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋疾患;リウマチ性多発筋痛症;罹患関節を問わない特発性炎症性関節炎を含む若年性関節炎及び関連症候群並びにリウマチ熱及びその全身性合併症;巨細胞動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎並びにウイルス感染、過敏性反応、クリオグロブリン及び異常タンパクに関連する血管炎を含む血管炎;家族性地中海熱、マックル−ウエルズ症候群及び家族性アイルランド熱、菊池病;並びに薬物誘発性関節痛、腱炎及びジストロフィー及び他の炎症性筋疾患を含む筋障害を含む。
【0077】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、気道の閉塞性疾患の予防又は治療に適切である。閉塞性気道疾患は、間欠性及び持続性の両方の、そして全ての重篤度の、気管支、アレルギー性、内因性及び外因性喘息、運動誘発性、(アスピリン及びNSAID誘発性を含む)薬物誘発性及び塵埃誘発性喘息を含む喘息及び他の原因の気道過敏症;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺及び関連疾患;過敏性肺炎;特発性線維性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗悪性腫瘍治療並びに結核及びアスペルギルス症その他の真菌感染症を含む慢性感染の合併症としての線維症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺血管系の脈管炎性及び血栓性障害並びに肺高血圧;気道の炎症及び分泌症状を伴う慢性咳並びに医原性咳の治療を含む鎮咳作用;薬物性鼻炎及び血管神経性鼻炎を含む急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性及び季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ;並びに感冒を含む急性ウイルス感染症及び呼吸系発疹ウイルス、インフルエンザ、(SARSを含む)コロナウイルス及びアデノウイルスに因る感染症;を含む。
【0078】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、心血管疾患の予防又は治療に適切である。心血管疾患は、冠動脈及び末梢循環に悪影響を与えるアテローム性動脈硬化;心膜炎;心筋炎;心サルコイドーシスを含む炎症性及び自己免疫性心筋症;虚血再灌流障害;心内膜炎、弁膜炎及び感染性(例えば、梅毒性)血管炎を含む大動脈炎;並びに深部静脈血栓及び静脈瘤の合併症を含む、静脈炎及び血栓症を含む近位及び末梢静脈の障害を含む。
【0079】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、眼疾患の予防又は治療に適切である。眼疾患は、眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に悪影響を与える自己免疫性、変性又は炎症性の障害;交感性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;並びにウイルス性、真菌性及び細菌性感染症を含む眼の感染症を含む。
【0080】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、皮膚疾患の予防又は治療に適切である。皮膚疾患は、乾癬、火傷、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎若しくは他の湿疹性皮膚疾患及び遅延型過敏反応;植物性及び光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭症、スウィート症候群、ウェーバー−クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性及び非感染性の両方の蜂窩織炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非メラノーマ性皮膚がん及び他の腫瘍性病変;並びに固定薬疹を含む薬物誘発性障害を含む。
【0081】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、腹腔及び消化管疾患の予防又は治療に適切である。腹腔及び消化管疾患は、自己免疫性、アルコール性及びウイルス性肝炎を含む肝炎;肝線維症及び肝硬変;胆嚢炎;急性及び慢性の両方の膵臓炎;非炎症性下痢;舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性食道炎を含む食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸疾患/症候群及び消化管から離れた作用(例えば、片頭痛、鼻炎又は湿疹)を有し得る食物関連アレルギー;例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚若しくは網膜の移植後又は輸血後の急性及び慢性の同種移植拒絶を含む同種移植拒絶;並びに慢性移植片対宿主病;を含む。
【0082】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、泌尿生殖器疾患の予防又は治療に適切である。泌尿生殖器疾患は、間質性及び糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性及び慢性の(間質性)膀胱炎を含む膀胱炎及びハナー潰瘍;急性及び慢性の尿道炎、出血性膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵巣炎及び卵管炎;外陰腟炎;ペイロニー病;並びに(男性及び女性両方の)勃起障害を含む。
【0083】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、癌の予防又は治療に適切である。癌の治療は、脳腫瘍、前立腺、肺、乳、卵巣、腸及び結腸、胃、膵臓、皮膚及び(白血病を含む)骨髄並びに非ホジキン及びホジキンリンパ腫等のリンパ増殖系を含み、また、転移性疾患及び腫瘍の再発並びに新生物随伴症候群の予防又は治療を含む。
【0084】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、他の自己免疫性及びアレルギー性障害の予防又は治療に適切である。他の自己免疫性及びアレルギー性障害は、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群及び抗リン脂質症候群を含む。
【0085】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、炎症性の又は免疫学的な要素を伴う他の障害の予防又は治療に適切である。炎症性の又は免疫学的な要素を伴う他の障害は、後天性免疫不全症候群(AIDS)、らい病、セザリー症候群及び新生物随伴症候群を含む。
【0086】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、気分、うつ病、睡眠及び不安障害の予防又は治療に適切である。
【0087】
さらに、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、外傷誘発性損傷(injury induced trauma)及び脊髄損傷の予防又は治療に適切である。
【0088】
特に、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてから選択される疾患の予防又は治療に適切である:
1) 痛みであって、急性疼痛;慢性疼痛;捻挫及び筋挫傷に伴う痛み;慢性関節痛;リウマチ熱に伴う痛み;筋骨格痛;腰部頚部痛;炎症性疼痛;神経因性疼痛;内臓痛;インフルエンザ又は他のウイルス感染症に伴う痛み;癌及び腫瘍浸潤に伴う痛み;関節及び骨痛;非定型顔面痛;偏頭痛に伴う痛み、歯痛及び月経困難;緊張型頭痛及び群発頭痛を含む頭痛;心筋虚血に伴う痛み;機能性腸障害に伴う痛み;交感神経依存性疼痛;筋炎;
癌化学療法に伴う痛み;並びに術後痛;を意味する上記痛み;
神経因性疼痛は特に、糖尿病性ニューロパシー、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛及び身体外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素又は慢性炎症性状態により生じる痛みを含む。加えて、神経因性疼痛状態は、「ちくちくした感覚」のような通常は無痛の感覚に伴う痛み(知覚異常および異常感覚)、触れられた際の感受性の増大(知覚過敏)、無害な刺激後の痛みの感覚(動的、静的、熱的又は冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械刺激に対する痛覚過敏症)、刺激の除去後の痛みの感覚の継続(痛覚過敏)又は選択的感覚経路の不在または欠損(痛覚鈍麻);を含む。
【0089】
慢性関節痛状態は特に関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎;を含む。
【0090】
機能性腸障害に伴う痛みは特に非潰瘍性胃腸障害、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群;を含む。
【0091】
2) アルツハイマー病、並びにクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及び新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(nvCJD);アミロイドーシス;筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症及び他の脱髄症;脳動脈硬化症及び血管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;ハンチントン病;レビー小体型認知症;及びパーキンソン病;を含むが、これらに限定されない他の認知症性疾患;等の神経変性及び神経炎症性疾患;
3) 関節リウマチ、骨関節炎、痛風若しくは結晶性関節症;椎間板変性等の関節炎;顎関節変性;骨粗鬆症、ページェット病又は骨壊死等の骨リモデリング疾患;多発性軟骨炎;強皮症;混合結合組織病;脊椎関節症;歯周炎等の歯周病;ベーチェット病;原発性及び続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症及び限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病及び未分化結合組織疾患;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋疾患;リウマチ性多発筋痛症;罹患関節を問わない特発性炎症性関節炎を含む若年性関節炎及び関連症候群並びにリウマチ熱およびその全身性合併症;巨細胞動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎並びにウイルス感染、過敏性反応、クリオグロブリン及び異常タンパクに関連する血管炎を含む血管炎;マックル−ウエルズ症候群及び家族性アイルランド熱、菊池病;並びに薬物誘発性関節痛、腱炎及び筋障害;等の骨関節疾患;
4) 慢性閉塞性肺疾患(COPD);嚢胞性線維症;肺気腫;サルコイドーシス;農夫肺及び関連疾患;結核の合併症としての線維症を含む肺線維症;及び気道の炎症及び分泌症状を伴う慢性咳等の閉塞性気道疾患;
5) 炎症性及び自己免疫性心筋症等の心血管疾患;
6) 網膜に悪影響を与える変性又は炎症性の障害等の眼疾患;
7) 乾癬、火傷、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎若しくは他の湿疹性皮膚疾患;及び円板状エリテマトーデス等の皮膚疾患;
8) 肝線維症及び肝硬変;胆嚢炎;急性及び慢性の両方の膵臓炎;クローン病;潰瘍性大腸炎を含む大腸炎;及び過敏性腸疾患/症候群等の腹腔及び消化管疾患;
9) 間質性及び糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;並びに急性及び慢性の(間質性)膀胱炎を含む膀胱炎等の泌尿生殖器疾患;並びに
10) 橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群及び抗リン脂質症候群等のその他の自己免疫性及びアレルギー性障害。
【0092】
最も好ましくは、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてから選択される疾患の予防又は治療に適切である:
1) 痛みであって、急性疼痛;慢性疼痛;捻挫および筋挫傷に伴う痛み;慢性関節痛;リウマチ熱に伴う痛み;筋骨格痛(好ましい);腰部頚部痛;炎症性疼痛;神経因性疼痛(好ましい);内臓痛;インフルエンザまたは他のウイルス感染症に伴う痛み;癌及び腫瘍浸潤に伴う痛み;関節及び骨痛;非定型顔面痛;偏頭痛に伴う痛み、歯痛及び月経困難;緊張型頭痛および群発頭痛を含む頭痛;心筋虚血に伴う痛み;機能性腸障害に伴う痛み;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌化学療法に伴う痛み;及び術後痛を意味する上記痛み;
神経因性疼痛は、特に糖尿病性ニューロパシー、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛及び身体外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素又は慢性炎症性状態により生じる痛みを含む。加えて、「ちくちくした感覚」のような通常は無痛の感覚に伴う痛み(知覚異常および異常感覚)、触れられた際の感受性の増大(知覚過敏)、無害な刺激後の痛みの感覚(動的、静的、熱的または冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械刺激に対する痛覚過敏症)、刺激の除去後の痛みの感覚の継続(痛覚過敏)又は選択的感覚経路の不在または欠損(痛覚鈍麻)を含む神経因性疼痛状態;
特に関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎を含む慢性関節痛;
特に非潰瘍性胃腸障害、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群を含む機能性腸障害に伴う痛み;
2) 関節リウマチ及び骨関節炎;
3) 慢性閉塞性肺疾患(COPD);及び
4) クローン病。
【0093】
本発明はまた、上記の疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物の製造のための態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の使用に関する。
【0094】
本発明はまた、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の薬学的に許容される塩並びに医薬組成物及び製剤に関する。 本発明に従う医薬組成物は、活性成分として、態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の少なくとも1つ(又は、その薬学的に許容される塩)と、任意で担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントとを含む。 態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、たとえば(特に経口等の)経腸又は(局所的適用又は吸入を含む)非経口投与用の医薬組成物の形態で使用することができる。
【0095】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた方法により(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams & Wilkinsより出版]参照)、上記の式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上適合性のある固体又は液体の担体材料、及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。 本発明はまた、薬学的に活性な量の態様1)〜26)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、本明細書に言及した疾患又は障害の予防又は治療方法に関する。
【0096】
本明細書における、式(I)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I
Bn)、(I
XO)又は(I
XC)の化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ文脈に応じて、そのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと解される。式(I)の化合物に対して示した好適性は、当然のことながら、式(I−1)
、式(I−2)、式(I−3)、式(I−4)、式(I
Bn)、式(I
XO)及び式(I
XC)の化合物並びに式(I)、式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−4)、式(I
Bn)、式(I
XO)及び式(I
XC)の化合物の塩及び薬学的に許容される塩にも準用される。医薬としてのこれらの化合物に、これらの化合物を活性成分として含む医薬組成物に、又は疾患の治療のための医薬の製造のためのこれらの化合物の使用についても同様である。
【0097】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に付される「約」(あるいは「およそ」)という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に付される「約」(あるいは「およそ」)という用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。さらに、ここで使用される「室温」(RT)という用語は、約25℃の温度を意味する。 数値範囲の記載に「間」という単語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれると解される。これは、例えば、温度範囲が40℃から80℃の間であると記載される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し;あるいは、可変数が1から4の間の整数であると定義される場合、可変数は整数の1、2、3又は4であることを意味する。
【0098】
式(I)の化合物は、下記の方法により、実施例に記載された方法により、又は類似の方法により製造することができる。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質又は溶媒により変わるが、そのような条件は、当業者によるルーティンの最適化手順により決定することができる。
【0099】
特に示さない限り、包括的な基、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、n、m、p及びXは、式(I)に対して定義した通りである。その他使用される略語は、実験の部に定義する。
【0100】
場合によっては、包括的な基、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、n、m、p及びXは、下記のスキームに図示した製法に適合しないため、保護基(PG)の使用が必要となるだろう。保護基の使用は、当技術分野において周知である(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley−Interscience、1999参照)。この目的のために、そのような保護基が必要に応じて導入されているものと仮定する。
【0101】
式(I)の化合物の製造:
式(I)の化合物は、EDC.HCl/HOBt、SiliaBond(登録商標)、カルボジイミド/HOAt、HATU/HOAt又はPyBOP等の標準的なアミドカップリング試薬及びDIPEA等の塩基を用い、DCM、THF又はDMF等の溶媒中、好ましくはRTから45℃の間の温度にて、カルボン酸(II)をアミン(III)と反応させることにより製造することができる(スキーム1)。
【0102】
【化6】
R
4がCF
3を表す式(I)の化合物は、Pd(0)により仲介される手順により、DMF等の脱気した溶媒中、80℃から120℃の間の温度にて、Pd
2(dba)
3、CuI、Ph
3As及びメチル 2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルフォニル)アセテートを用いて、R
4がブロモを表す式(I)の化合物から製造することができる。
【0103】
市販されていない場合には、式(II)の化合物は、下記のスキーム及び実験の部に概略した手順に従って製造することができる。
【0104】
Xが−CH
2−を表し、R
4が水素、(C
1−C
4)アルキル、フェニル又はアミノを表す式(II)の化合物は、ブロモヒドリン形成/酸化シークエンスにより、(1) THF/H
2O混合物中、RT付近の温度にて、NBS、及び(2) DCM等の溶媒中、RT付近の温度にて、DMP等の酸化剤を用いて、α−ブロモケトン(V)を生成させることにより、例えばメチルシクロヘキサ−2−エンカルボキシレート(Bioorg.Med.Chem.1999、7、1505−1511)等のメチルエステル(IV)から製造することができる(スキーム2)。ジオキサン又はEtOH等の溶媒中、60℃から110℃の間の温度にて、チオ尿素又はチオアミド誘導体(VI)(R
4は、水素、(C
1−C
4)アルキル、フェニル又はNH
2を表す。)との縮合により、チアゾール(VII)を与える。市販されていない場合には、チオアミド(VI)は、ジオキサン又はトルエン等の溶媒中、60℃から110℃の間の温度にて、P
4S
10又はLawessonの試薬を用いて、対応するアミドから製造することができる。THF/MeOH/H
2O混合物中のLiOH、好ましくは0℃から45℃の間の温度等の標準的な条件下、メチルエステル(VII)のけん化を行うことができ、式(IIa)の化合物を生成する。
【0105】
【化7】
R
4がクロロ又はブロモを表す式(II)の化合物は、それぞれCu(II)Cl
2又はCu(II)Br
2並びにtBu−亜硝酸を用いて、MeCN中、RTから60℃の間
の温度にて、R
4がアミノを表す式(VII)の化合物のSandmeyer型反応を行い、次いで、THF/MeOH/H
2O等の溶媒混合物中、RT付近の温度にて、LiOH等の塩基によるけん化を行う事により製造することができる(スキーム2)。
【0106】
R
4がフルオロを表す式(II)の化合物は、R
4がアミノを表す式(VII)の化合物を、Et
2O等の溶媒中、−50℃からRTの間の温度にて、HBF
4及びNOBF
4で処理し、次いで、THF/MeOH/H
2O等の溶媒混合物中、LiOH等の塩基を用いて、RT付近の温度にてけん化することにより製造することができる(スキーム2)。
【0107】
あるいは、Xが−CH
2−を表し、R
4が水素又はアミノを表す式(II)の化合物は、(1) ノルボルナジエンの存在下、THF等の溶媒中、RT付近の温度にて、Ni(cod)
2及びGd(OTf)
3を触媒としてTMS−CNの付加、及び(2) THF/H
2O混合物中、0℃付近の温度にて、NBS等の求電子臭素源を用いて得られるシリルエノールエーテルのブロモ化によって、α−ブロモケトン(IX)を生成させることにより、対応するシクロアルカ−2−エノン(VIII)から製造することができる(スキーム3)。アミノチアゾール(X)は、ジオキサン等の溶媒中、60℃から100℃の間の温度にて、対応するα−ブロモケトン(IX)のチオ尿素との縮合により製造される。60℃から100℃の間の温度にて、濃HCl水溶液を用いた加水分解により、R
4がアミノを表すカルボン酸(IIb)が生成する。任意で、式(X)のアミノチアゾールは、THF中、60℃から80℃の間の温度にて、tBu−亜硝酸を用いてジアゾ化することができ、対応するチアゾールを与える。濃HCl水溶液を用いて、60℃から100℃の間の温度にて、ニトリル基を加水分解することにより、R
4が水素を表すカルボン酸(IIb)を生成する。
【0108】
【化8】
Xが−O−を表し、nが2又は3を表し、R
4が水素を表す式(II)の化合物は、(1) THF等の溶媒中、−78℃にて、それぞれ3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロパナール又は4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブタナールの、5−リチウム化2,4−ジクロロチアゾール(THF等の溶媒中、−20℃からRTの間の温度にて、2,4−ジクロロチアゾール及びLDA等の強い非求核塩基から得られる。)への付加、及び(2) DCM等の溶媒中、RTから還流の間の温度にて、DHP及び、PPTS等の触媒を用いた、得られるヒドロキシ基の保護によって、中間体(XII)を生成させることにより製造することができる(スキーム4)。環化前駆体(XIII)は、(1) THF等の溶媒中、−100℃から−40℃の間の温度にて、nBuLi等のアルキルリチウム種を用いた脱塩素化、及び(2) THF等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて、TBAF等のフルオリド源による処理により製造することができる。式(XIV)の化合物への環化は、それぞれDMF又はtBuOH等の溶媒中、NaH又はKOtBu等の塩基を用いて、あるいは、トルエン等の溶媒中、80℃から110℃の間の温度にて、Pd(OAc)
2、rac−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル及びCs
2CO
3等の塩基を用いたパラジウムを介した処理によって、行うことができる。式(IIc)の化合物は、(1) THF/H
2O等の溶媒混
合物中、RT付近の温度にて、例えば触媒量のPTSAを用いて、酸性条件下にてTHP保護基を除去、(2) Mitsunobu反応、及び(3) 60℃から100℃の間の温度にて、濃HCl水溶液を用いて、ニトリルを加水分解することにより得られる。Mitsunobu反応は、アセトンシアノヒドリン、(nBu)
3P及び1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンを用いて、THF等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて行うことができる。
【0109】
【化9】
Xが−O−を表し、nが1を表し、R
4が水素を表す式(II)の化合物は、120℃から150℃の間の温度にて、4−ブロモチアゾール(XV)をDL−1,2−イソプロピリデングリセロールのナトリウム塩と反応させ、続けてMeCN等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて、NBS等の求電子臭素源によりブロモ化することにより製造することができる(スキーム5)。得られる5−ブロモチアゾール(XVI)は、(1) MeOH等の溶媒中、還流付近の温度にて、触媒量のPPTS等の酸、(2) DCM等の溶媒中、RT付近の温度にて、オルトギ酸トリメチル、(3) DCM等の溶媒中、RT付近の温度にて、AcBr、及び(4) MeOH等の溶媒中、RT付近の温度にて、K
2CO
3等の炭酸塩基で順次処理することにより、オキシラン(XVII)を生成する。−78℃からRTの間の温度にて、オキシラン(XVII)をTHF等のエーテル溶媒に溶解したものを、nBuLi等のアルキルリチウム試薬、TIPSCl等のトリアルキルシリルクロリド、及び再度のnBuLi等のアルキルリチウム試薬で連続的に処理することにより、ジヒドロフロチアゾール(XVIII)が生成される。(1) DCM等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて、Dess Martinの試薬、及び(2) 0℃付近の温度にて、tBuOHを助溶媒、2−メチル−2−ブテンを捕捉剤として含む緩衝水溶液中の亜塩素酸ナトリウムを用いた2工程の酸化手順により、カルボン酸(XIX)が与えられる。シリル保護基を除去して式(IId)の化合物を形成するには、THF等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて、TBAF等のフルオリド源を用いてそれを行うことができる。
【0110】
【化10】
式(III)の化合物は、市販されていない場合には、下記のスキーム中及び実験の部中に概略した手順に従って製造することができる。
【0111】
R
5が水素を表し、mが1又は2を表す式(III)の化合物は、CH
3CN、EtOH又はDMF等の溶媒中、好ましくはRTから65℃の間の温度にて、NaCN又はKCNによるシアノ化を介して、Xが好ましくはブロミド又はヨージドであり、R
aが置換フェニル−(C
1−C
2)アルキルを表すハライド(XX)から製造することができる(スキーム6)。生成したニトリル(XXI)は、MeOH中NH
3等の溶媒中、ラネーニッケルを触媒として用いて、水素化により還元することができる。あるいは、好ましくは0℃から65℃の間の温度にて、THF中BH
3等の還元剤、又は、THF又はEt
2O等の溶媒中、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、LiAlH
4等の還元剤を用いることができ、アミン(IIIa)を形成する。同様に、R
1及びR
5が水素を表し、mが0を表す式(III)の化合物(ベンジル等)は、R
aが置換フェニルを表すニトリル(XXI)の還元により(そして特に、THF中BH
3による還元により)製造することができる。
【0112】
【化11】
あるいは、式(XXI)のニトリルは、R
aが置換フェニル−(C
1−C
2)アルキル又は置換フェニルを表す式(XXII)のカルボン酸を出発物質として、DCM又はDMF及びアンモニア等の溶媒中、EDC.HCl/HOBt等の標準的なアミド形成条件下、対応するカルボキサミド(XXIII)を製造することにより合成することができる(スキーム6)。カルボキサミド(XXIII)は、Et
3Nの存在下、DCM等の溶媒中、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、TFAAを脱水剤として用いて脱水して、ニトリル(XXI)とすることができる。
【0113】
あるいは、R
5が水素を表し、mが0、1又は2を表す式(III)の化合物は、R
aが置換フェニル−(C
1−C
2)アルキル又は置換フェニルを表す式(XXIV)のアルデヒドから、EtOH等の溶媒中、RTから60℃の温度などの標準的な条件下、ヒドロキシアミン塩酸塩を用いた対応するオキシム(XXV)の形成と、次いで、酢酸等の溶媒中、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、亜鉛末を用いて、又はTHF等の溶媒中、好ましくはRTから60℃の間の温度にて、BH
3を用いた各オキシムの還元による、2工程で製造することができる(スキーム6)。
【0114】
R
5がメチルを表す式(III)の化合物は、PtO
2又はラニーニッケル等の適宜な触媒の存在下、EtOH等の溶媒中、好ましくはRTから45℃の間の温度にて、又は、NaBH
4又はNaBH(OAc)
3等の還元剤の存在下、MeOH又はClCH
2CH
2Cl等の溶媒中、RTから65℃の間の温度にて、触媒的水素化を介して、ホルムアルデヒドを用いて、式(IIIa)の1級アミンの還元的アミノ化により合成することができる。あるいは、MeIによるメチル化は、NaH等の塩基の存在下、THF又はDMF等の適宜な溶媒中、0℃からRTの間の温度にて行うことができる(スキーム6)。
【0115】
R
3が、(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
2)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシ−(C
1−C
2)アルキル置換基であり、「アリール」が式(III)に示すフェニル基を意味し、当該フェニルが、(1) 任意に1個のさらなるR
3基により置換され、(2) R
2により置換され、かつ(3) R
bにより置換される式(XXVI)の化合物は、スキーム7中に概略した手順に従って製造することができる。R
bは、シアノ、シアノ−(C
1−C
2)アルキル、ホルミル又はPGN−(C
1−C
3)アルキル(式中、PGはアミン保護基を表す。)等の式(III)の化合物のR
5NH−(CH
2
)
m−CHR
1−部分に対する前駆体を表す。R
bが、シアノ又はシアノ−(C
1−C
2)アルキル基を表す場合には、式(III)の化合物は、式(XXI)の化合物の式(IIIa)の化合物への変換について記載した手順に従って、式(XXVI)の化合物から製造してもよい(スキーム6)。R
bがホルミル基を表す場合には、式(III)の化合物は、式(XXIV)の化合物の式(IIIa)の化合物への変換について記載した手順に従って、式(XXVI)の化合物から製造してもよい(スキーム6)。R
bがPGN−(C
1−C
3)アルキル基(式中、PGはフタルイミド保護基を表す。)を表す場合には、式(III)の化合物は、EtOH等の溶媒中、RT付近の温度にて、例えばヒドラジンを用いてフタルイミド基を除去することにより、式(XXVI)の化合物から製造してもよい。
【0116】
R
3が(C
1−C
4)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキルであり、「アリール」が式(III)に示すフェニル基を意味し、当該フェニルが、(1)任意に1個のさらなるR
3基により置換され、(2)R
2により置換され、かつ(3)R
bにより置換され、R
bがPGN−(C
1−C
3)アルキルを表し、PGがフタルイミド保護基等のアミン保護基を表す式(XXVI)の化合物は、Suzuki型のカップリング反応により、Xが、R
3の前駆体としてのハロゲン原子(好ましくはブロミド)である式(XXVII)の化合物から製造することができる。Suzuki反応は、K
3PO
4等の適宜な塩基及び酢酸パラジウムとトリフェニルホスフィン等のパラジウム触媒の存在下、トルエン又はジオキサン等の溶媒中、好ましくはRTから100℃の間の温度にて、例えば、(C
1−C
4)アルキルボロン酸誘導体又は(C
3−C
6)シクロアルキル−ボロン酸誘導体(例えば、エチルボロン酸)を用いて行うことができる。
【0117】
R
3が(C
1−C
4)アルコキシ又はヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシであり、「アリール」が式(III)に示すフェニル基を意味し、当該フェニルが、(1) 任意に1個のさらなるR
3基により置換され、(2) R
2により置換され、かつ(3) R
bにより置換され、R
bがホルミル、シアノ又はシアノ−(C
1−C
2)アルキルを表す式(XXVI)の化合物は、DMF等の溶媒中、(C
1−C
4)アルキル−L又はヒドロキシ−(C
2−C
3)アルキル−L(式中、Lは、ブロミド又はヨージド等の脱離基を表す。)等の適宜なアルキル化剤(例えば、ヨードメタン)の存在下、K
2CO
3又はCs
2CO
3等の塩基を用いたアルキル化反応により、式(XXVIII)の各フェノールから製造することができる。
【0118】
R
3がヒドロキシメチル、(C
1−C
2)アルコキシメチル又はヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシメチルであり、「アリール」が式(III)に示すフェニル基を意味し、当該フェニルが、(1) 任意に1個のさらなるR
3基により置換され、(2) R
2により置換され、かつ(3) R
bにより置換され、R
bがシアノ又はシアノ−(C
1−C
2)アルキルを表す式(XXVI)の化合物は、(1) 触媒量のAIBNの存在下、クロロベンゼン等の溶媒中、好ましくは40℃から80℃の間の温度にて、NBS等の標準的な条件を用いたWohl−Ziegler型の臭素化反応、及び(2) 次いで、例えば、NaOH、NaOMe、NaOEt又はAcO−(C
2−C
3)アルキル−ONaによる各臭化ベンジルの置換反応により、式(XXIX)の各メチル化化合物から製造することができる。
【0119】
R
3がヒドロキシエチル、(C
1−C
2)アルコキシエチル又はヒドロキシ−(C
2−C
3)アルコキシエチルであり、「アリール」が式(III)に示すフェニル基を意味し、当該フェニルが、(1) 任意に1個のさらなるR
3基により置換され、(2) R
2により置換され、かつ(3) R
bにより置換され、R
bがシアノ又はシアノ−(C
1−C
2)アルキルを表す式(XXVI)の化合物は、(1) 任意に臭化亜鉛と組み合わせたジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム等の適宜な触媒の存在下、D
MF等の溶媒中、好ましくはRTから80℃の間の温度にて、例えばエチル トリブチルスタニルアセテートを用いたStille型のカップリング反応、及び(2) 次いで、ジグリム等の溶媒中、NaBH
4による、又は、THF等の溶媒中、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、LiAlH
4による対応するエステルの還元、及び任意に(3) 次いで、DMF等の溶媒中、(C
1−C
2)アルキル−L又はヒドロキシ−(C
2−C
3)アルキル−L(式中、Lは、ブロミド又はヨージド等の脱離基を表す。)等の適宜なアルキル化剤(例えば、ヨードメタン)の存在下、K
2CO
3又はCs
2CO
3等の塩基を用いたアルキル化反応により、Xがハロゲンを表す式(XXVII)の化合物から製造することができる。
【0120】
R
3がヒドロキシプロピルであり、「アリール」が式(III)に示すフェニル基を意味し、当該フェニルが、(1) 任意に1個のさらなるR
3基により置換され、(2) R
2により置換され、かつ(3) R
bにより置換され、R
bがシアノ又はシアノ−(C
1−C
2)アルキルを表す式(XXVI)の化合物は、(1) Et
3N等の塩基及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適宜なパラジウム触媒の存在下、DMF等の溶媒中、好ましくはRTから100℃の間の温度にて、例えばアクリル酸メチルを用いたHeck型のカップリング、及び(2) 次いで、ジグリム等の溶媒中、NaBH
4による、又は、THF等の溶媒中、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、LiAlH
4による対応する不飽和エステルの還元により、Xがハロゲンを表す式(XXVII)の化合物から製造することができる。
【0121】
【化12】
R
5が水素を表し、mが0を表し、R
1がヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキルを表す式(III)の化合物は、THF等の溶媒中、LiAlH
4又はBH
3による還元を介して、又は、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、MeOH中のNaBH
4を用いることにより、R
cがフェニルを表し、当該フェニルがR
2により置換され、かつ任意に1又は2個のR
3により置換され、Rが(C
1−C
4)アルキル(好ましくはメチル又はエチル)を表すアミノ酸誘導体(XXX)から製造することができ、各アミノアルコールを生成する(スキーム8)。R
5がメチルを表す式(IIId)の化合物は、式(IIIb)の化合物の合成について記載したようなメチル化条件下で合成することができる。
【0122】
【化13】
R
5が水素を表し、mが0を表し、R
1及びR
2が一緒に−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH
2−を表す式(III)の化合物は、R
3がハロゲンを表し、pが0、1又は2を表すケトン(XXXI)から、(1) MeOH等の溶媒中、任意にNaOAcの存在下、O−メチルヒドロキシルアミン等の標準的条件を用いたオキシム形成による、式(XXXII)の化合物の形成と、(2) BH
3等の還元剤の存在下、THF等の溶媒中、好ましくはRTから60℃の間の温度における、水素化反応、を経る2工程で製造することができ、mが0を表し、R
3がハロゲンを表す式(IIIe)のアミンを生成する(スキーム9)。R
5がメチルを表す式(IIIf)の化合物は、上記のメチル化条件下で製造することができる。
【0123】
R
5が水素を表し、mが1又は2を表し、R
1及びR
2が一緒に−CH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH
2−を表す式(III)の化合物は、MeOH中NH
3等の溶媒中、H
2及び触媒としてラネーニッケルを用いて、qが0又は1を表し、R
3がハロゲンを表すニトリル(XXXIII)を還元することにより製造することができる(スキーム9)。あるいは、好ましくは0℃から65℃の間の温度にて、THF中BH
3等の還元剤、又は、THF又はEt
2O等の溶媒中、好ましくは0℃からRTの間の温度にて、LiAlH
4等の還元剤を用いることができ、mが1又は2を表す式(IIIe)のアミンを形成する。R
5がメチルを表す式(IIIf)の化合物は、上記のメチル化条件下で製造することができる。qが0を表すニトリル(XXXIII)は、DME/EtOH等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて、TosMIC及び、tBuOK等の塩基を用いて、van Leusen反応を介して、R
3がハロゲンを表すケトン(XXXI)から製造することができる。qが1を表すニトリル(XXXIII)は、(1) THF等の溶媒中、0℃からRTの間の温度にて、(EtO)
2P(=O)CH
2CN及び、NaH又はtBuOK等の塩基を用いて、Horner−Wadsworth−Emmons反応、及び(2) MeOH等の溶媒中、RTから65℃の間の温度にて、H
2及び活性炭上のPd等の触媒を用いた還元を介して、R
3がハロゲンを表すケトン(XXXI)から2工程で製造することができる。
【0124】
【化14】
あるいは、R
1及びR
5が水素を表し、mが0を表す式(III)の化合物は、MeCN等の溶媒中、CuCl
2等のCu(II)塩、tBu−亜硝酸及び1,1−ジクロロエチレンを用いたMeerweinアリール化型の反応と、次いで、ナトリウムメトキシドの存在下、MeOH中での還流、及びそれに続く、好ましくはRTから90℃の間の温度における、濃縮H
2SO
4を用いた処理により、アリールがフェニルを意味し、当該フェニルがR
2により置換され、かつ任意にR
3により置換される、アニリン誘導体(XXXIV)から製造することができる(スキーム10)。得られたエステル誘導体は、水と、MeOH、EtOH又はTHF等の適宜な有機溶媒の混合物中、NaOH又はLiOH等の標準的な条件を用いて加水分解することにより、対応する式(XXXV)の化合物を与える。トルエン等の適宜な溶媒中、好ましくは100℃付近の温度における、DPPAを用いたCurtius転移と、次いで、0℃付近の温度における、水又はカリウムトリメチルシラノレートによる処理により、R
5が水素である式(IIIg)の化合物が得られる。R
5がメチルを表す式(IIIh)の化合物は、上記のメチル化条件下で製造することができる。
【0126】
実験の部
(この項において、及び明細書の上記の部分において使用される)略語:
Ac アセチル
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
anh. 無水物
aq 水溶液
Ar アルゴン
nBu ブチル
tBu tert−ブチル
CC カラムクロマトグラフィー
cod 1,5−シクロオクタジエン
conc. 濃縮した
comb. 合わせた
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DHP 3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
DIPA ジイソプロピルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMP Dess−Martinペルヨージナン
DMSO ジメチルスルフォキシド
DPPA ジフェニルホスフォリルアジド
Et エチル
EDC.HCl N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−
エチルカルボジイミド塩酸塩
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−
N,N,N’,N’−
テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Hept ヘプタン
HOAT 1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HV 高真空
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
M モル濃度
Me メチル
MeCN アセトニトリル
min 分
NBS N−ブロモスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
org. 有機
PG 保護基
Ph フェニル
PPTS ピリジニウム−p−トルエンスルフォネート
PTSA p−トルエンスルホン酸
PyBOP (ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)
トリピロリジノホスフォニウムヘキサフルオロ−ホスフェート
RT 室温
sat. 飽和
soln. 溶液
TBAF テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
TBS tert−ブチルジメチルシリル
Tf トリフルオロメタンスルホニル
TFA トリフルオロ酢酸
TFAA トリフルオロ酢酸無水物
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロピラン
TIPS トリイソプロピルシリル
TMS トリメチルシリル
TosMIC トルエンスルホニルメチルイソシアニド
t
R 保持時間
UV 紫外線
Vis 可視
【0127】
A.
使用した定性分析法
核磁気共鳴:
Brucker Avance 400、400MHz;化学シフトは、使用する溶媒と比較してppmで示す;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br=広域、結合定数はHzで示す。
【0128】
分析HPLC−MS法:
HPLC−MS分析は、Dionex Ultimate HPG−3000ポンプ及びDionex Ultimate 3000光ダイオードアレイ検出器を備えたThermo MSQ質量検出器上で行った。
【0129】
(1) 溶出液:A:H
2O+0.05%HCOOH、B:CH
3CN;勾配:5%Bから95%Bへ(0.0min−2.0min)、95%B(2.0min−2.3min);流速:1.8mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはminで表す;カラム:Ascentis Express C18、2.7um、2.1x50mm。
【0130】
(2) 溶出液:A:H
2O+0.05%NH
4OH、B:CH
3CN;勾配:5%Bから95%Bへ(0.0min−2.0min)、95%B(2.0min−2.3min);流速:1.8mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはminで表す;カラム:Ascentis Express C18、2.7um、2.1x50mm。
【0131】
HPLC−MS分析は、Dionex HPG−3200RSポンプ(又はAgilent G4220A)及びDionex DAD−3000RS光ダイオードアレイ検出器(又はAgilent G4212A)を備えたThermo MSQ Plus 質量検出器上で行った。
【0132】
(3) 溶出液:A:H
2O+0.04%TFA、B:CH
3CN;勾配:5%Bから95%Bへ(0.0min−1.0min)、95%B(1.0min−1.5min);流速:4.5mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはminで表す;カラム:Waters XBridge C18、2.5um、4.6x30mm。
【0133】
(4) 溶出液:A:H
2O+0.04%TFA、B:CH
3CN;勾配:2%Bから40%Bへ(0.0min−0.8min)、40%Bから95%Bへ(0.8min−1.2min)、95%B(1.2min−1.5min);流速:4.5mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはminで表す;カラム:Waters XBridge C18、2.5um、4.6x30mm。
【0134】
(5) 溶出液:A:H
2O+0.04%TFA、B:CH
3CN;勾配:5%Bから95%Bへ(0.0min−1.0min)、95%B(1.0min−1.5min);流速:4.5mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはminで表す;カラム:Waters Atlantis T3、5um、4.6x30mm。
【0135】
使用した精製方法
分取用LC−MS法:
分取用HPLC/MS精製は、バイナリーグラジエントモジュール(2545)、HPLCポンプ(515)、光ダイオードアレイ検出器(2998)及び質量検出器(3100)を備えたWatersシステム上で行った。
【0136】
酸性溶出液:A:H
2O+0.1%HCOOH、B:CH
3CN+0.1%HCOOH;塩基性溶出液:A:H
2O+0.1%NH
4OH、B:CH
3CN+0.1%NH
4OH;流速:40mL/min;カラム:Waters XBridge C18、5um
OBD(登録商標)、19x50mm。
【0137】
順相勾配:75%A(0.0min−0.2min)、75%Aから65%Aへ(0.2min−0.3min)、65%Aから35%Aへ(0.3min−3.2min)、35%Aから5%Aへ(3.2min−3.3min)、5%A(3.3min−4.3min)。
【0138】
極性勾配:90%A(0.0min−0.2min)、90%Aから80%Aへ(0.2min−0.3min)、80%Aから50%Aへ(0.3min−3.2min)、50%Aから5%Aへ(3.2min−3.3min)、5%A(3.3min−4.3min)。
【0139】
【表1】
分取用HPLC/MS精製は、Gilson 215オートサンプラー、Gilson
333/334ポンプ、Dionex MSQ Plus検出器システム及びDionex UVD340U(又はDionex DAD−3000)UV検出器を備えたGilson HPLCシステム上で行った。
【0140】
酸性溶出液:A:CH
3CN、B:H
2O+0.5%HCOOH;塩基性溶出液:A:CH
3CN、B:H
2O+0.5%NH
4OH;流速:75mL/min;カラム:Waters XBridge C18、10um、30x75mm。
【0141】
順相勾配:80%Bから5%Bへ(0.0min−4.0min)、5%B(4.0min−6.0min)。
【0142】
極性勾配:90%Bから5%Bへ(0.0min−4.0min)、5%B(4.0min−6.0min)。
【0143】
【表2】
方法(I):溶出液:A:CH
3CN、B:H
2O+0.5%HCOOH;勾配:100%B(0.0min−1.0min)、100%Bから80%Bへ(1.0min−3.5min)、80%Bから5%Bへ(3.5min−4.0min)、5%B(4.0min−6.0min);流速:75mL/min;カラム:Waters Atlantis T3 OBD、10um、30x75mm。
【0144】
方法(J):溶出液:A:CH
3CN、B:H
2O+0.5%HCOOH;勾配:90%Bから5%Bへ(0.0min−4.0min)、5%B(4.0min−6.0min);流速:75mL/min;カラム:Waters Atlantis T3 OBD、10um、30x75mm。
【0145】
カラムクロマトグラフィー(CC)(方法K):
CCは、シリカゲル60 Merck(0.063−0.200mm)又はBiotageの充填済カートリッジ(SNAP KP−SIL(登録商標))を用いて行った。
【0146】
抽出(方法L、M):
(L):反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液及び塩水(brine)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。残渣をDCM中に懸濁し、ろ過した。
【0147】
(M):反応混合物をろ過し、残渣をDCM中に溶解し、飽和NaHCO
3水溶液、クエン酸水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。
【0148】
粉砕(方法N):
(N):残渣をDCM中に懸濁し、ろ過した。
【0149】
ラセミ体は、分取用キラルHPLCにより、それらのエナンチオマーに分離することができる。
【0150】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではまったくない。
【0151】
A. 前駆体と中間体の製造:
A.1 カルボン酸誘導体(II)の合成
A.1.1. 4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
A.1.1.1. メチル 2−ブロモ−3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート0℃にて、NBS(9.08g、51.0mmol)を、メチル シクロヘキサ−2−エンカルボキシレート(5.96g、42.5mmol)[Bioorg.Med.Chem.1999、7、1505−1511]をTHF/H
2O(500mL、9:1)中に溶解したものに添加した。混合物をRTまで温まるようにし、そして2h撹拌した。次いで、飽和Na
2S
2O
3水溶液及び飽和NaHCO
3水溶液を添加し、そして混合物を真空濃縮した。残渣をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液の間で分画した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液及び塩水で複数回洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。
【0152】
残渣をDCM(386mL)中に溶解し、そしてDMP(24.54g、57.9mmol)を0℃にて添加した。混合物をRTまで温まるようにし、そして2h撹拌した。次いで、混合物を飽和Na
2S
2O
3水溶液及び飽和NaHCO
3水溶液の添加によりクェンチし、H
2Oで希釈し、そしてDCMで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄
し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(0〜0.5%MeOH/DCM)により精製して、黄色のオイルを得た。
1H−NMR(CDCl
3)δ:4.75(dd、J=6.7、1.0Hz、0.2H)、4.65(d、J=3.7Hz、0.8H)、3.75、3.75(2s、3H)、3.16−3.01、2.85−2.79、2.47−2.39、2.35−2.29(4m、3H)、2.28−1.95、1.88−1.79、1.72−1.59(3m、4H)。
【0153】
A.1.1.2. メチル 4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート
0℃にて、細かく砕いたP
4S
10(9.35g、21.0mmol)を、ホルムアミド(4.73g、105.0mmol)のジオキサン(28.5mL)中の混合物に添加した。次いで、混合物を封止したバイアル内で100℃にて1.5h撹拌し、RTに冷却し、ろ過した。ろ液を、メチル 2−ブロモ−3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(2.06g、8.76mmol)をジオキサン(16.5mL)中に混合した混合物に添加し、封止したバイアル内で80℃にて一晩攪拌した。混合物を、飽和NaHCO
3水溶液の添加によりクェンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(10〜40%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.47min;[M+H]+:198.16。
【0154】
A.1.1.3. 4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸
メチル 4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート(1.22g、6.11mmol)及びLiOH.H
2O(0.39g、9.17mmol)をTHF/MeOH/H
2O(60mL、3:1:1)中に混合した混合物を、RTにて75min撹拌した。混合物をpH=3に酸性化し、そしてDCMで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、黄色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.32min;[M+H]+:184.21。
【0155】
A.1.2. 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
A.1.2.1. メチル 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート
メチル 2−ブロモ−3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(1.00g、4.25mmol)とチオ尿素(0.36g、4.68mmol)をEtOH(16mL)中に溶解した溶液を70℃にて一晩撹拌した。次いで、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(0〜1%MeOH/DCM)により精製して、黄色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.37min;[M+H]+:213.19。
【0156】
A.1.2.2. 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸
メチル 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート(52mg、0.24mmol)及びLiOH.H
2O(12mg、0.29mmol)をTHF/MeOH/H
2O(2.5mL、3:1:1)中に混合したものを、RTにて2h撹拌した。混合物をaq.HClで中和し、真空濃縮した。粗製の黄色の固体を、さらに精製すること無く用いた。LC−MS(3):t
R=0.28min;[M+H]+:199.14。
【0157】
A.1.3. 2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
A.1.3.1. メチル 2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート
メチル 2−ブロモ−3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(150mg、0.64mmol)とチオアセタミド(53mg、0.70mmol)をEtOH(3mL)中に溶解したものを、85℃にて一晩撹拌した。次いで、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(0〜40%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.44min;[M+H]+:212.17。
【0158】
A.1.3.2. 2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸
メチル 2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート(59mg、0.28mmol)及びLiOH.H
2O(14mg、0.33mmol)をTHF/MeOH/H
2O(2.5mL、3:1:1)中に混合した混合物を、RTにて2h撹拌した。混合物をpH=3に酸性化し、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。LC−MS(3):t
R=0.30min;[M+H]+:198.17。
【0159】
A.1.4. 2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
A.1.4.1. メチル 2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレートの合成
メチル 2−ブロモ−3−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(100mg、0.43mmol)とチオベンズアミド(64mg、0.47mmol)をEtOH(2mL)中に溶解したものを、85℃にて一晩撹拌した。次いで、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(2〜15%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.83min;[M+H]+:273.85。
【0160】
A.1.4.2. 2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
メチル 2−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート(12.0mg、0.044mmol)及びLiOH.H
2O(2.7mg、0.065mmol)をTHF/MeOH/H
2O(1mL、3:1:1)中に混合したものを、RTにて45min撹拌した。混合物をpH=3に酸性化し、そしてDCMで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。LC−MS(3):t
R=0.66min;[M+H]+:260.13。
【0161】
A.1.5. 2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
A.1.5.1. メチル 2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート
RTにて、メチル 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート(735mg、3.46mmol)を、臭化銅(II)(1160mg、5.19mmol)、亜硝酸tert−ブチル(595mg、5.19mmol)及びMeCN(65mL)の混合物に、アルゴン雰囲気下、少しずつ添加した。混合物
をRTにて20min、次いで、55℃にて15min撹拌した。混合物を真空濃縮し、そしてCC(EtOAc/Hept、0〜30%)で精製し、黄色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.74min;[M+H]+:275.98。
【0162】
A.1.5.2. 2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボン酸
メチル 2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキシレート(150mg、0.54mmol)及びLiOH.H
2O(34mg、0.81mmol)をTHF/MeOH/H
2O(5mL、3:1:1)中に混合したものを、RTにて90min撹拌した。混合物をH
2Oで希釈し、DCMで抽出した。水層をpH=3に酸性化し、DCMで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。LC−MS(3):t
R=0.57min;[M+H]+:262.03。
【0163】
A.1.6. 5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボン酸の合成
A.1.6.1. 2−ブロモ−3−オキソシクロペンタンカルボニトリル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(0.84g、9.14mmol)、次いで、Gd(OTf)
3(1.84g、3.05mmol)、2−シクロペンテン−1−オン(5.00g、60.9mmol)及びTMS−CN(9.25g、91.4mmol)を、Ni(cod)
2(0.84g、3.04mmol)をTHF(160mL)中に溶解した脱気溶液に添加し、混合物をRTにて4h撹拌した。次いで、混合物を固体NaHCO
3及び飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣の黄色のオイルを、THF/H
2O(450mL、9:1)中に溶解した。0℃にて、NBS(11.98g、67.3mmol)を添加し、混合物を0℃にて30min撹拌した。次いで、混合物を飽和Na
2SO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを5%NaHCO
3水溶液及び塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣をEtOAc中に再溶解し、複数回5%NaHCO
3水溶液及び塩水で洗浄し、有機層を合わせたものをNa
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮して、茶色の液体を得た。
1H−NMR(CDCl
3)δ:4.42(d、J=7.7Hz、0.5H)、4.34(d、J=5.8Hz、0.5H)、3.43−3.40(m、0.5H)、3.33−3.28(m、0.5H)、2.72−2.26(m、4H)。
【0164】
A.1.6.2. 2−アミノ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボニトリル
2−ブロモ−3−オキソシクロペンタンカルボニトリル(A.1.7.1.からの粗製物;約13g)及びチオ尿素(13.77g、181mmol)をジオキサン(600mL)中に混合したものを、80℃にて1h撹拌した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮したCC(2〜20%MeOH(0.5%Et
3N)/DCM)により精製して、茶色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.19min;[M+H]+:166.06。
【0165】
A.1.6.3. 5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボニトリル
2−アミノ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボニトリル(1.00g、6.05mmol)をTHF(54mL)中に溶解したものに、亜硝酸tert−ブチル(1.04g、9.08mmol)を添加し、混合物を65℃にて3h撹拌した。次いで、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで
抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(10〜80%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(4):t
R=0.52min;[M+H]+:151.13。
【0166】
A.1.6.4. 5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボン酸
5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボニトリル(265mg、1.59mmol)を濃HCl水溶液中に溶解したものを、密封した管内で、90℃にて45min撹拌した。混合物をpH=3に調整し、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.33min;[M+H]+:170.03。
【0167】
A.1.7. 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボン酸の合成
A.1.7.1. 2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボニトリル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(0.50g、5.45mmol)、次いで、Gd(OTf)
3(1.10g、1.82mmol)、2−シクロヘプテン−1−オン(5.00g、36.3mmol)及びTMS−CN(5.51g、54.5mmol)を、Ni(cod)
2(0.50g、1.82mmol)をTHF(100mL)中に溶解した脱気溶液に添加し、混合物をRTにて4h撹拌した。次いで、混合物を固体NaHCO
3及び飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。
【0168】
残渣の黄色のオイルを、THF/H
2O(200mL、9:1)中に溶解した。0℃にて、NBS(5.53g、31.0mmol)を添加し、混合物を0℃にて30min撹拌した。次いで、混合物を飽和Na
2SO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを5%NaHCO
3水溶液及び塩水で洗浄した。Na
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣をEtOAc中に再溶解し、5%NaHCO
3水溶液及び塩水で複数回洗浄し、有機層を合わせたものをNa
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮して、残渣を、EtOAc/Hept(1:1)を溶出液として、SiO
2プラグ上でろ過した。
【0169】
真空濃縮の後、残渣の茶色のオイル及びチオ尿素(6.34g、83.2mmol)を、ジオキサン(330mL)中に溶解し、そして混合物を80℃にて2h撹拌した。次いで、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(2〜20%MeOH/DCM)により精製して、茶色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.34min;[M+H]+:194.21。
【0170】
A.1.7.2. 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボニトリル
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボニトリル(1.00g、5.17mmol)をTHF(4mL)中に溶解したものに、亜硝酸tert−ブチル(0.65g、5.68mmol)を添加し、混合物を65℃にて2.5h撹拌した。次いで、混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。CC(2〜40%EtOAc/Hept)、CC(0〜1.5%MeOH/DCM)及び分取用(prep.)HPLC(F)により精製して、黄色のオ
イルを得た。LC−MS(3):t
R=0.51min;[M+H]+:179.23。
【0171】
A.1.7.3. 5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボン酸
5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボニトリル(151mg、0.84mmol)を濃HCl水溶液(2mL)中に溶解したものを、90℃にて1h密封した管内で撹拌した。混合物をpH=3に調整し、そしてEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、ベージュ色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.36min;[M+H]+:198.20。
【0172】
A.1.8. 2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボン酸の合成
2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−シクロヘプタ[d]チアゾール−8−カルボニトリル(300mg、1.40mmol)を濃HCl水溶液(7mL)中に溶解したものを、90℃にて1h密封した管内で撹拌した。混合物をpH=3に調整し、真空濃縮して、DMF/MeCN/H
2O混合物中に再溶解し、ろ過した。ろ液をprep.HPLC(J)で精製して、黄色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.34min;[M+H]+:213.20。
【0173】
A.1.9. 6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボン酸の合成
A.1.9.1. 3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(2,4−ジクロロチアゾール−5−イル)プロパン−1−オール
−20℃にて、n−BuLiをヘキサン中に溶解したもの(2.3M、10.9mL、25.0mmol)を、DIPA(3.5mL、25.0mmol)をTHF(102mL)中に溶解したものに添加した。溶液を−20℃にて30min撹拌し、次いで、それを−78℃に冷却し、そして2,4−ジクロロチアゾール(3.50g、22.7mmol)をTHF(16mL)中に溶解したものを添加した。混合物を−78℃にて30min撹拌し、次いで、3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−プロパナール(4.51g、22.7mmol)を添加し、混合物を−78℃にて1h撹拌した。次いで、混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(2〜15%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=1.08min;[M+H]+:342.08。
【0174】
A.1.9.2. 5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロピル)−2,4−ジクロロチアゾール
3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−(2,4−ジクロロチアゾール−5−イル)プロパン−1−オール(6.62g、19.3mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(8.9mL、96.7mmol)及びPPTS(0.49g、1.93mmol)をDCM(75mL)中に溶解したものを、還流下、2h撹拌した。次いで、揮発物を真空除去し、残渣をCC(1〜10%EtOAc/Hept)によりろ過して、生成物を異性体の混合物の無色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=1.27min;1.28min;[M+H]+:426.11;426.10。
【0175】
A.1.9.3. 5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロピル)−4−クロロチアゾール
−78℃にて、n−BuLiをヘキサン中に溶解したもの(2.2M、9.6mL、21.0mmol)を、5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロピル)−2,4−ジクロロチアゾール(6.89g、16.2mmol)をTHF(125mL)中に溶解したものに添加した。混合物を−78℃にて45min撹拌し、次いで、飽和NaHCO
3水溶液の添加によりクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(2〜20%EtOAc/Hept)により精製して、生成物を異性体の混合物の黄色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=1.15min;1.16min;[M+H]+:392.17;392.17。
【0176】
A.1.9.4. 3−(4−クロロチアゾール−5−イル)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロパン−1−オール
0℃にて、TBAFをTHF中に溶解したもの(1M、19.2mL、19.2mmol)を、5−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロピル)−4−クロロチアゾール(6.27g、16.0mmol)をTHF(80mL)中に溶解したものに添加し、混合物をRTまで温まるようにし、一晩撹拌した。次いで、混合物を飽和NaHCO
3水溶液の添加によりクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(20〜85%EtOAc/Hept)により精製して、生成物を異性体の混合物の黄色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.55min;0.57min;[M+H]+:278.11;278.10。
【0177】
A.1.9.5. 7−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール
3−(4−クロロチアゾール−5−イル)−3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロパン−1−オール(520mg、1.87mmol)をMePh(10mL)中に溶解したものを、Pd(OAc)
2(63mg、0.28mmol)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(140mg、0.35mmol)及び(Cs
2CO
3 915mg、2.81mmol)を仕込んだArを満たしたバイアルに添加した。バイアルを密封し、予熱したオイルバス(100℃)に一晩置いた。次いで、混合物をDCMで希釈し、セライト上でろ過し、真空濃縮した。CC(20〜80%EtOAc/Hept)により精製して、生成物を異性体の混合物の黄色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.60min;0.64min;[M+H]+:241.94;241.94。
【0178】
A.1.9.6. 6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−オール
7−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール(895mg、3.71mmol)とPTSA(141mg、0.74mmol)をTHF/H
2O(7.4mL、1:1)中に溶解したものを、RTにて一晩撹拌した。混合物をDCMで希釈し、Na
2SO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(40〜100%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.23min;[M+H]+:158.15。
【0179】
A.1.9.7. 6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボニトリル
6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−オール(0.65g、4.14mmol)、アセトンシアノヒドリン(880mg、10.3mmol)及び(n−Bu)
3P(1.67g、8.27mmol)をTHF(79mL)中に混合したものに、0℃にて1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(2.09g、8.27
mmol)を添加した。混合物を0℃にて30min撹拌し、次いで、それをRTまで温まるようにし、そして2h撹拌した。次いで、反応混合物をジイソプロピルエーテルで希釈し、ろ過し、ろ液を真空濃縮した。CC(5〜70%EtOAc/Hept)により精製して、黄色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.36min;[M+H]+:167.13。
【0180】
A.1.9.8. 6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボン酸
6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボニトリル(462mg、2.78mmol)をaq.HCl(32%、13.9mL)中に溶解したものを、60℃にて30min撹拌した。氷浴による冷却下、混合物のpHを約3に調整し、そして混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮して、ベージュ色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.33min;[M+H]+:186.18.
A.1.10. 5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボン酸の合成
A.1.10.1. 4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)チアゾール
NaH(鉱油中60%分散液、12.19g、305.3mmol)を、DL−1,2−イソプロピリデングリセロール(16.11g、1218mmol)に少しずつ添加し、混合物をガスの発生が止むまで撹拌した(室温にて約30min、次いで、60℃にて2h)。次いで、4−ブロモチアゾール(20.00g、121.9mmol)を添加し、混合物を140℃にて45min撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣を蒸留に供し、揮発物を(HV、60℃)除去した。残渣をCC(5〜40%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.52min;[M+H]+:216.20。
【0181】
A.1.10.2. 5−ブロモ−4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)チアゾール
0℃にて、NBS(11.94g、67.1mmol)を、4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)チアゾール(13.75g、63.9mmol)をMeCN(320mL)中に溶解したものに、90minかけて加えた。混合物をさらに0℃にて30min撹拌し、次いで、それを5%NaHCO
3水溶液の添加によりクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを5%NaHCO
3水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。LC−MS(3):t
R=0.74min;[M+H]+:294.13。
【0182】
A.1.10.3. 5−ブロモ−4−(オキシラン−2−イルメトキシ)チアゾール
5−ブロモ−4−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)チアゾール(18.80g、63.9mmol)とPPTS(0.80g、3.19mmol)をMeOH(256mL)中に溶解したものを、還流下、3h撹拌した。さらにPPTS(0.40g、1.60mmol)を添加し、混合物を、還流下、さらに2h撹拌した。混合物を真空濃縮し、残渣をMeOH(256mL)中に溶解し、還流下、2h撹拌した。混合物を真空濃縮し、残渣をDCM(256mL)中に溶解し、オルトギ酸トリメチル(10.5mL、95.8mmol)で処理した。混合物をRTにて一晩撹拌した。次いで、さらなるオルトギ酸トリメチル(3.5mL、31.9mmol)を添加し、混合物をRTにて1h撹拌した。次いで、混合物を真空濃縮し、残渣をDCM(256mL)中に溶解し、AcBr(5.73mL、76.7mmol)で処理し、RTにて90min撹拌した。次いで、混合物を真空濃縮し、残渣をMeOH(320mL)中に溶
解し、K
2CO
3(17.66g、128mmol)を混合物に加えた。混合物をRTにて90min撹拌した後、混合物をろ過し、ろ液を冷飽和NH
4Cl水溶液に注いだ。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣をCC(2〜40%EtOAc/Hept)により精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=0.60min;[M+H]+:236.06。
【0183】
A.1.10.4. (2−(トリイソプロピルシリル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−イル)メタノール
−78℃にて、n−BuLiをヘキサン中に溶解したもの(2.18M、16.7mL、36.4mmol)を、5−ブロモ−4−(オキシラン−2−イルメトキシ)チアゾール(7.17g、30.4mmol)をTHF(564mL)中に溶解したものに30minかけて加えた。混合物を−78℃にて2h撹拌し、次いで、TIPSCl(6.63mL、31.0mmol)を添加し、混合物をRTまで温まるようにし、そしてRTにて30min撹拌した。次いで、混合物を、−78℃に冷却し、n−BuLiをヘキサン中に溶解したもの(2.18M、13.9mL、30.4mmol)で処理した。混合物を0℃にて2h撹拌し、次いで、それを飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。残渣をCC(100gKP−Sil、EtOAc/Hept、5〜50%)、次いで、CC(EtOAc/Hept、5〜50%)で精製して、黄色のオイルを得た。LC−MS(3):t
R=1.01min;[M+H]+:314.13。
【0184】
A.1.10.5. 2−(トリイソプロピルシリル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボン酸
(2−(トリイソプロピルシリル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−イル)メタノール(1.77g、5.64mmol))をDCM(56mL)中に溶解したものを、0℃にて、DMP(2.87g、6.77mmol)で1時間かけて少しずつ処理した。混合物を0℃にて2h撹拌し、次いで、それをRTまで温まるようにし、そして2h撹拌した。次いで、混合物を、飽和Na
2S
2O
3水溶液及び飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、そしてDCMで抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、そして真空濃縮した。残渣をtert−BuOH(16mL)及び2−メチル−2−ブテン(4mL)中に溶解し、0℃にて、NaH
2PO
4(2.64g、16.9mmol)とNaClO
2(0.96g、8.46mmol)をH
2O(5mL)中に溶解したものを30minかけて滴下して処理した。混合物をRTにて45min撹拌し、次いで、揮発物を真空除去し、残渣をH
2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。LC−MS(3):t
R=0.99min;[M+H]+:328.24。
【0185】
A.1.10.6. 5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボン酸
TBAFをTHF中に溶解したもの(1M、4.9mL、4.90mmol)を、0℃にて、2−(トリイソプロピルシリル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボン酸(1.62mg、4.90mmol)をTHF(25mL)中に溶解したものに添加した。混合物を0℃にて30min撹拌し、AcOH(0.42mL、7.35mmol)を添加し、揮発物を真空除去した。残渣を分取用(prep.)HPLC(I)により精製して、無色の固体を得た。LC−MS(3):t
R=0.30min;[M+H]+:172.05。
【0186】
A.2. アミン(III)の合成
A.2.1. 2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルベンジルアミンの合成
A.2.1.1. 2−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)イソインドリン−1,3−ジオンの合成
1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−3,5−ジクロロベンゼン(1.98mmol)
[J.Med.Chem.1992、35、4221−4229]を10mLのCH
3CN中に溶解したものに、フタルイミド(1.98mmol)及びK
2CO
3(5.93mmol)を添加した。反応混合物を50℃にて6h、次いで、RTにて一晩撹拌した。飽和NaHCO
3水溶液を添加し、混合物をDCMで3回抽出した。有機相を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物をベージュ色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.99min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.91−7.71(m、4H)、7.57(s、1H)、7.41(s、1H)、5.13(s、2H)。
【0187】
A.2.1.2. 2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルベンジルアミンの合成
2−(2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.96mmol)を、16mLのトルエンと0.8mLの水中に溶解したものに、K
3PO
4(6.85mmol)、PPh
3(0.23mmol)、シクロプロピルボロン酸(2.35mmol)及びPd(OAc)
2(0.15mmol)を添加した。さらなるシクロプロピルボロン酸(1.96mmol)とPd(OAc)
2(0.15mmol)を添加して、混合物を80℃にて24h撹拌した。反応混合物を80℃にてさらに4日間撹拌し、RTに冷却し、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、粗製の白色の固体を得た。この固体を15mLのEtOH中に再溶解し、12.6mLのヒドラジン一水和物を添加した。RTにて30min撹拌した後、EtOAcを添加した。水相を1M NaOH溶液で塩基性化し、EtOAcで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、濃縮した。CC(KP−NH(登録商標)、Biotage製)で精製して、所望の化合物を赤/茶色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.60min;[M+H]+:216.15。
【0188】
A.2.2. (2−(アミノメチル)−3,5−ジクロロフェニル)メタノールの合成
A.2.2.1. 2−(ブロモメチル)−4,6−ジクロロベンゾニトリルの合成
2,4−ジクロロ−6−メチルベンゾニトリル(16.9mmol)を34mLのクロロベンゼン中に溶解したものを50℃に加熱し、NBS(18.6mmol)を添加した。フラスコをArでパージした後、引き続き50℃にて、AIBN(1.69mmol)を一度に添加した。次いで、反応混合物を78℃にて撹拌した。2h後及び4h後に、さらなるAIBN(1.69mmol)を添加し、78℃での加熱を一晩続けた。次いで、溶媒を蒸発させ、得られた残渣をEt
2O中に再溶解し、残った固形物をろ過により除去した。ろ液を2N HCl溶液と塩水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(0〜100% EtOAc/Hept)で精製して、所望の化合物を黄色がかった固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.88min;
1H NMR((CD
3)
2SO) δ:8.02(2、1H)、7.92(s、1H)、4.79(s、2H)。
【0189】
A.2.2.2. 3,5−ジクロロ−2−シアノベンジルアセテートの合成
2−(ブロモメチル)−4,6−ジクロロベンゾニトリル(15.1mmol)を30mLのAcOH中に溶解したものに、NaOAc(75.7mmol)を添加した。懸濁液を100℃に2h加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCMと水の間で分画した。有機相を水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(5〜70%EtOAc/Hept)で精製して、所望の化合物を白色の固体として得た。LC−MS(5):t
R=0.88min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.02(s、1H)、7.
76(s、1H)、5.23(s、2H)、2.12(s、3H)。
【0190】
A.2.2.3. (2−(アミノメチル)−3,5−ジクロロフェニル)メタノールの合成
3,5−ジクロロ−2−シアノベンジルアセテート(11.7mmol)を50mLのTHF中に溶解したものに、BH
3の溶液(50mmol、THF中1M)を添加した。反応混合物を75℃に7h加熱し、次いで0℃に冷却した。水、次いでMeOHを添加し、混合物を濃縮した。残渣を水とEtOAc中に取り、1N HCl溶液で酸性化し、DCMで抽出した。次いで、水相を1M NaOH溶液で塩基性化し、DCMで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(0〜10%MeOH/DCM;1%Et
3N)で精製して、所望の化合物をピンク色がかった固体として得た。LC−MS(5):t
R=0.42min;
1H NMR((CD
3)
2SO) δ:7.46(s、1H)、7.38(s、1H)、4.60(s、2H)、3.76(s、2H)。
【0191】
A.2.3. 2,4−ジクロロ−6−メトキシベンジルアミンの合成
A.2.3.1. 2,4−ジクロロ−6−メトキシベンゾアルデヒドの合成
4,6−ジクロロサリチルアルデヒド(2.69mmol)を5mLのDMF中に溶解したものに、K
2CO
3(5.39mmol)、次いでヨードメタン(2.96mmol)を添加した。反応混合物を50℃に3.5h加熱した。RTにて、混合物をEtOAcで希釈し、水で3回、次いで塩水で洗浄した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物をベージュ色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.78min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:10.30(s、1H)、7.36(s、1H)、7.32(s、1H)、3.39(s、3H)。
【0192】
A.2.3.2. 2,4−ジクロロ−6−メトキシベンゾアルデヒド オキシムの合成
2,4−ジクロロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2.39mmol)を5mLのDMF中に溶解したものを0℃に冷却し、NaOAc(2.63mmol)、次いでヒドロキシアミン HCl(2.63mmol)を添加した。氷浴を除き、反応混合物をRTにて10min撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水と塩水で1回洗浄した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の化合物を白色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.73min;[M+H]+:220.14。
【0193】
A.2.3.3. 2,4−ジクロロ−6−メトキシベンジルアミンの合成
2,4−ジクロロ−6−メトキシベンズアルデヒドオキシム(2.24mmol)を3mLのAcOH中に懸濁したものを0℃に冷却し、亜鉛末(8.53mmol)を添加した。反応混合物をRTにて2h撹拌した。それをセライトのパッド上でろ過し、EtOAcとMeOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、水中(pH4、2N HCl溶液による)に再溶解した。それをEtOAcで1回洗浄し、水相を1M NaOH溶液で塩基性化し、EtOAcとDCMで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物を黄色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.47min;[M+CH
3CN+H]+:246.99。
【0194】
A.2.4. 2−(2−(アミノメチル)−3,5−ジクロロフェノキシ)エタノールの合成
A.2.4.1. 2−(3,5−ジクロロ−2−ホルミルフェノキシ)酢酸エチルの合成
4,6−ジクロロサリチルアルデヒド(3.72mmol)を5mLのDMF中に溶解したものに、Cs
2CO
3(3.72mmol)、次いで、KI(3.72mmol)と
2−ブロモ酢酸エチル(8.68mmol)を添加した。反応混合物を100℃に4h加熱し、次いで、RTにて3日間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水で3回、次いで塩水で洗浄した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(EtOAc/Hept 20〜100%)で精製して、所望の化合物をベージュ色の固体として得た。LC−MS(5):t
R=0.86min;[M+H]+:227.12。
【0195】
A.2.4.2. 2−(3,5−ジクロロ−2−((ヒドロキシイミノ)メチル)フェノキシ)酢酸エチルの合成
2−(3,5−ジクロロ−2−ホルミルフェノキシ)酢酸エチル(1.48mmol)を2.5mLのDMF中に溶解したものを0℃に冷却し、NaOAc(1.62mmol)、次いでヒドロキシアミン HCl(1.62mmol)を添加した。氷浴を除き、反応混合物をRTにて1.5h撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水と塩水で1回洗浄した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptとEtOAcを用いてCCで精製して、所望の化合物を白色の固体として得た。LC−MS(5):t
R=0.81min;[M+H]+:292.25。
【0196】
A.2.4.3. 2−(2−(アミノメチル)−3,5−ジクロロフェノキシ)エタノールの合成
2−(3,5−ジクロロ−2−((ヒドロキシイミノ)メチル)フェノキシ)酢酸エチル(1.15mmol)を2mLのAcOH中に懸濁したものを、0℃に冷却し、亜鉛末(4.36mmol)を添加した。反応混合物をRTにて1h撹拌した。それをセライトのパッド上でろ過し、EtOAcとMeOHで洗浄した。ろ液を濃縮し、水中(pH4、2N HCl溶液による)に再溶解した。それをEtOAcで1回洗浄し、水相を1M NaOH溶液で塩基性化し、EtOAcとDCMで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物を白色の固体として得た。LC−MS(5):t
R=0.46min;[M+H]+:236.01。
【0197】
A.2.5. 2−クロロ−3−シアノベンジルアミンの合成
A.2.5.1. 3−(ブロモメチル)−2−クロロベンゾニトリルの合成
2−クロロ−3−メチルベンゾニトリル(6.6mmol)を25mLのクロロベンゼン中に溶解したものを50℃に加熱し、NBS(7.9mmol)を添加した。フラスコをArでパージした後、引き続き50℃にて、AIBN(0.66mmol)を一度に添加した。反応混合物を80℃にて2h撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた残渣をEt
2O中に再溶解し、1N HCl溶液と塩水で3回洗浄した。それをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(EtOAc/Hept 0〜15%)で精製して、所望の化合物を白色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.78min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.98(m、2H)、7.58(t、1H)、4.80(s、2H)。
【0198】
A.2.5.2. 2−クロロ−3−シアノベンジルアミンの合成
3−(ブロモメチル)−2−クロロベンゾニトリル(0.87mmol)を9mLのDMF中に溶解したものに、NaN
3(1.3mmol)を添加し、得られた茶色の溶液をRTにて20min撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水と塩水で2回洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。粗製のアジドを4.3mLのTHFと0.1mLの水中に再溶解した。トリフェニルホスフィン(1.04mmol)を添加し、混合物をRTにて一晩撹拌した。反応混合物を0.1N HCl溶液でpH3になるまで酸性化し、それをEt
2Oで3回抽出した。水相を1M NaOH溶液で塩基性化し、DCMで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物を黄色がかったオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.31min;[M
+CH
3CN+H]+:208.04。
【0199】
A.2.6. 2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルベンジルアミンの合成
A.2.6.1. 2,4−ジクロロ−6−(メトキシメチル)ベンゾニトリルの合成
2−(ブロモメチル)−4,6−ジクロロベンゾニトリル(1.04mmol)(A.2.2.1)を2.5mLのMeOH中に懸濁したものに、NaOMe溶液(1.27mmol、MeOH中0.5M)を添加した。反応混合物を50℃に1h加熱した。混合物を真空濃縮し、EtOAc中に再溶解し、次いで、それをKHSO
4水溶液で2回、飽和NaHCO
3水溶液で2回、そして塩水で1回洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物をオレンジ色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.84min;
1H NMR((CD
3)
2SO) δ:7.97(s、1H)、7.67(s、1H)、4.59(s、2H)、3.37(s、3H)。
【0200】
A.2.6.2. 2,4−ジクロロ−6−メトキシメチルベンジルアミンの合成
BH
3の溶液(3.5mL、THF中1M)を、2,4−ジクロロ−6−(メトキシメチル)ベンゾニトリル(0.88mmol)を3mLのTHF中に溶解したものに添加した。反応混合物を60℃に2h加熱した。0℃にて、3.5mLのMeOHを滴下し、ガスの発生が止むまで混合物を撹拌した。引き続き冷却下にて、10%NaOH水溶液を添加した。溶媒を真空除去し、残渣を水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物をオレンジ色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.45min;[M+H]+:220.26。
【0201】
A.2.7. 2−トリフルオロメチル−3−クロロベンジルアミンの合成
2−クロロ−3−メチルベンゾニトリルを1−クロロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンで置き換えて、本化合物を2−クロロ−3−シアノベンジルアミン(A.2.5.)と類似の方法を用いて製造した。LC−MS(3):t
R=0.44min;[M+CH
3CN+H]+:250.99。
【0202】
A.2.8. 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミンの合成
A.2.8.1. 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン
O−メチルオキシムの合成
5,7−ジクロロ−1−インダノン(0.34mmol)を2mLのMeOH中に溶解したものに、O−メチルヒドロキシアミン HCl(0.34mmol)を添加した。反応混合物をRTにて17h撹拌し、次いで、50℃に24h加熱した。混合物をRTに冷却し、水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物を白色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.99min;[M+H]+:229.96。
【0203】
A.2.8.2. 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミンの合成
BH
3の溶液(0.6mL、THF中1M)を、5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン O−メチルオキシム(0.31mmol)を1mLのTHF中に溶解したものに添加した。反応混合物を60℃に3日間加熱した。1M NaOH水溶液を添加し、60℃での加熱をさらに24h続けた。溶媒を真空除去し、残渣を飽和NaHCO
3水溶液で希釈し、EtOAcで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物を無色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.46min;[M+H]+:202.03。
【0204】
A.2.8.3. 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミ
ンのキラル分離
分取用(prep.)キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AY−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH、90/10 0.1%DEA、流速16mL/min)を用いて、rac 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミンを、各エナンチオマーに分離した。検出:UV210nm。
【0205】
分析用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AY−H、5μm、250x4.6mm、Hept 0.05%DEA/EtOH 0.05%DEA、90/10、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm。
【0206】
エナンチオマーA:t
R=7.57min;
エナンチオマーB:t
R=8.59min。
【0207】
A.2.9. 2−ブロモ−4,6−ジクロロベンジルアミンの合成
3−(ブロモメチル)−2−クロロベンゾニトリルを1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−3,5−ジクロロベンゼン[J.Med.Chem.、1992、35、4221)]で置き換えて、本化合物を2−クロロ−3−シアノベンジルアミン(A.2.5.)と類似の方法を用いて製造した。LC−MS(3):t
R=0.45min;[M+CH
3CN+H]+:294.83。
【0208】
A.2.10. 2−((2−(アミノメチル)−3,5−ジクロロベンジル)オキシ)エタノールの合成
A.2.10.1. 2−((3,5−ジクロロ−2−シアノベンジル)オキシ)酢酸エチルの合成
2−(ブロモメチル)−4,6−ジクロロベンゾニトリル(1.3mmol)(A.2.5.1)と2−ヒドロキシ酢酸エチル(1.43mmol)を、7mLのTHF中に溶解したものに、NaH(1.95mmol、オイル中の60%分散液)を添加した。反応混合物をRTにて一晩撹拌し、次いで1M HCl溶液中に注いだ。混合物をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(EtOAc/Hept 0〜25%)で精製して、所望の化合物をオレンジ色のオイルとして得た。LC−MS(3):t
R=0.82min;[M+H]+:287.89。
【0209】
A.2.10.2 2−((2−(アミノメチル)−3,5−ジクロロベンジル)オキシ)エタノールの合成
BH
3の溶液(1.46mL、THF中1M)を、2−((3,5−ジクロロ−2−シアノベンジル)オキシ)酢酸エチル(0.36mmol)を1.5mLのMeOH中に溶解したものに添加した。反応混合物を60℃に3h加熱した。0℃にて、1.5mLのMeOHを滴下し、ガスの発生が止むまで混合物を撹拌した。引き続き冷却下にて、10%NaOH水溶液を添加した。溶媒を真空除去し、残渣を水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮して、所望の生成物を黄色の固体として得た。LC−MS(3):t
R=0.43min;[M+H]+:250.20。
【0210】
B. 実施例の製造:
B.1. 式(I)の化合物の合成(一般的方法)
それぞれのカルボン酸(II)(0.30mmol)、それぞれのアミン(III)(0.36mmol)、HOBt(0.45mmol)、EDC HCl(0.45mmol)及びDIPEA(0.90mmol)をDMF(1.2mL)中に混合したものを、RTにて一晩撹拌した。混合物をろ過し、そしてろ液を前述の精製法で精製し、所望のア
ミド(I)を得た。
【0211】
N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5,6−ジヒドロフロ[2,3−d]チアゾール−6−カルボキサミド(実施例11)、N−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(実施例27)及びN−(5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]チアゾール−7−カルボキサミド(実施例41)の合成には、A.2.8.3に記載するキラル分離により得られた5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミンのエナンチオマーBを、式(III)のアミンとして用いた。
【0212】
B.2. N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−2−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミドの合成(実施例58)
2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロ−6−メチルベンジル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール−7−カルボキサミド(12mg、0.0276mmol)(実施例61)をDMF(0.5mL)中に溶解した脱気溶液に、ヨウ化銅(I)(26mg、0.1380mmol)、トリフェニルアルシン(3.4mg、0.0111mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加体(1.4mg、0.0014mmol)及びメチル 2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルフォニル)アセテート(26mg、0.1380mmol)を順番に添加した。得られた懸濁液を100℃にて4.5h撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を分取用(prep.)HPLC(F)で精製した。LC−MS(3):t
R=0.97min;[M+H]+:422.97。
【0220】
【表10】
II. 生物学的アッセイ
A. in vitro試験
式(I)の化合物のP2X
7受容体アンタゴニスト活性を、以下の実験方法に従って測定する。
【0221】
B. 実験方法:
細胞株の樹立及びYO−PRO試験
概して細胞株の樹立は、確立された分子クローニングプロトコルに従って行った。具体的には、Qiagen RNeasy kit(Qiagen、CH)を製造業者の取り扱い説明書に従って用いて、RNAをヒト全血から抽出した。続いてcDNAを作成し(Superscript II、Invitrogen AG、CH)、ヒトP2X7遺伝子(genbank ref. BC011913)を下記のプライマーを用いて増幅した:
ATCGCGGCCGCTCAGTAAGGACTCTTGAAGCCACT及びCGCCGCTAGCACCACCATGCCGGCCTGCTGCAGCTGCA。次に、増幅したシークエンスをpcDNA3.1(+)NotI、NheI消化(digested)プラスミド内にライゲーションした。lipofectアミン2000(Invitrogen AG、CH)を製造業者の取り扱い説明書に従って用いて、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞(ATCC CRL−1573、Manassas、VA、USA)にpcDNA3.1(+).hP2X7プラスミドを導入した。DNAに24h暴露した後、細胞をトリプシン処理し、250μgのジェネティシンの存在下で低密度で再播種した。段階的限界希釈(serial limiting dilution)による連続した2回のクローニングの間にジェネティシン耐性細胞を目視にて選択した。ATPを加え、結果として生じるYO−PRO1の取り込みを記録することにより、個々のクローンをP2X7の発現でスクリーニングした。RNAとタンパクの発現に基づいて細胞クローンを選択した。P2X7を安定に発現するHEK細胞を、YO−PRO1試験を用いた薬剤のスクリーニングに用いた。細胞を、加湿5%CO
2インキュベーター内で37℃にて、コンフルエントになるまで接着培養で増殖させた(10%のFCS、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、250μg/mlのジェネティシンを加えたDMEMで3〜4日毎に1/5の継代比率)。接着細胞をトリプシン(165cm
2ディッシュ当たり1ml)で2分間インキュベートして剥がし、次いで10mlの(Mg
2+及びCa
2+を含まない)PBSで洗浄し、そして10%のFCS、1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含み、ジェネティシンを含まないDMEMに再懸濁した。50μlの完全培地(full
medium)中、1ウェル当たり10’000細胞(試験前48時間)又は1ウェル当たり25’000細胞(Vi−cell XR(Beckman Coulter)(試験前24時間)を側面が黒く底面が透明の384ウェルプレートに藩種した。プレートは、予め1ウェル当たり10μlのポリ−L−リジンでコートし、37℃にて30〜60分間インキュベートし、PBSで1回洗浄した。培地を細胞から除き、0.5μMのYO−PRO−1を含む試験バッファー50μlをウェルに添加した。アンタゴニスト化合物の溶液は、アンタゴニストの10mM DMSO溶液をBioMek(Beckman Coulter)を用いてPBSで段階希釈することにより調製した。各濃度について2度ずつ試験を行った。IC
50の測定については、10種の濃度で試験を行った(10μ
Mを最も高い濃度とし、それについて1/3の比率で9回の段階希釈を行う。)。細胞を本発明のアンタゴニスト及び最終濃度が250μMのATPと90分間インキュベートした。この時間内の4時点を選び、各時点において、数秒内に行う数回の測定を行いそれらを平均した。蛍光は、YO−PRO−1蛍光(励起485/20、発光530/25)に適切なフィルターを用いて、FLIPR tetra(Molecular Devices)で測定した。FLIPR tetraは、実験プロトコルを定義し作動させるためのMolecular Devices Screen Worksシステムコントロールソフトウェアを備えている。アンタゴニスト活性の測定について、最大強度は、アゴニストによる活性化に対するEC
50値(ヒト組み換えP2X7受容体を発現するHEK−293細胞に対して0.25mMのATP)により誘導される最大強度の百分率として表した。IC50の測定については、最大強度を化合物の濃度に対してプロットしてIC50値を決定した。
【0222】
例示化合物のP2X
7受容体に対するアンタゴニスト活性(IC
50値)を表1に示す。