(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の告知放送システムでは、光電変換装置を受信機とは別個の独立した装置として形成していたので、これら装置を別々に製造して設置する必要があり、製造コストが増大したり、設置作業が面倒であった。特に、TV放送信号をアンテナ等を介して受信する住戸等では、TV放送信号を光信号として受信する必要がなく、光電変換装置におけるTV放送信号用の構成要素が不要になるにも関わらず、TV放送信号用の構成要素を光電変換装置に一律に備えていたので、光電変換装置の製造コストが一律に増大していた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、告知放送システムの各装置の製造コストの低減や設置作業の簡素化を図ることができる、告知放送システムの受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の告知放送システムの受信機は、送信手段から送信された光信号を受信して少なくとも告知放送を行う告知放送システムの受信機であって、前記光信号の入力を受け付ける光入力端子と、前記光入力端子より入力された前記光信号を電気信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段より出力された前記電気信号に含まれる告知放送信号に基づいて告知放送を
音声出力する放送出力手段と、電池電源と
、前記受信機の外部からの電気信号の入力を受け付ける電気入力端子と、受信した光信号のレベル、及び前記電気入力端子より入力された電気信号のレベルを測定する光電レベル測定手段と、前記光電レベル測定手段により測定された結果に基づいて、前記光入力端子に対する光信号又は前記電気入力端子に対する電気信号のいずれかの入力のみを受け付ける選択手段と、を備え、前記光電変換手段及び前記放送出力手段に対して前記電池電源から電源供給可能である。
【0008】
また、請求項2に記載の告知放送システムの受信機は、請求項1に記載の告知放送システムの受信機において、少なくとも前記光電変換手段を収容する筐体を備え、前記光電変換手段を前記筐体から着脱可能とした。
【0009】
また、請求項3に記載の告知放送システムの受信機は、請求項2に記載の告知放送システムの受信機において、前記光電変換手段は、ユニットケースを備え、前記光電変換手段の前記ユニットケースを前記筐体に対して構造的に着脱可能に接続すると共に、前記光電変換手段を前記放送出力手段に対して電気的に接続する、取り付け手段を備える。
【0010】
また、請求項4に記載の告知放送システムの受信機は、請求項1または2に記載の告知放送システムの受信機において、前記光信号はTV放送信号を含み、
前記光電変換手段より出力された前記電気信号に含まれるTV放送信号を前記受信機の外部に出力する。
【0013】
また、請求項
5に記載の告知放送システムの受信機は、請求項1から
4のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、受信した光信号が緊急告知放送信号を含む場合は、当該表示手段に警報メッセージを表示す
る表示手段を備える。
【0014】
また、請求項
6に記載の告知放送システムの受信機は、請求項1から
5のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、受信した光信号のレベルを測定する光レベル測定手段と、前記光レベル測定手段により測定した信号のレベルを出力する光レベル出力手段と、を備える。
【0016】
また、請求項
7に記載の告知放送システムの受信機は、請求項1から
6のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、同軸ケーブルを介してTV受像機と接続されることで前記光電変換手段より入力された電気信号をTV受像機に対して出力する電気出力端子、を備える。
【0017】
また、請求項
8に記載の告知放送システムの受信機は、請求項1から
7のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、前記受信機から送信する電気信号を光信号に変換する電光変換手段と、前記電光変換手段より出力された前記光信号を出力する光出力端子と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の告知放送システムの受信機によれば、光電変換手段が受信機に内蔵されているため、受信機と共に光電変換手段を一体として同時に設置することができ、光電変換手段を光電変換装置として個別的に設置する場合に比べて、告知放送システムの設置や維持にかかる手間や費用を削減することが可能である。
また、光電変換手段及び放送出力手段に対して電池電源から電源供給することで、停電時でも確実に告知放送を受信して、住戸内に放送することができる。
また、光信号による放送信号レベルと電気信号による放送信号レベルとを比較し、放送信号として最適な信号のみを入力することが可能である。
【0019】
また、請求項2に記載の告知放送システムの受信機によれば、光電変換手段を受信機から着脱することが可能であるため、光電変換手段が必要であるか否かに関わらず受信機を当該光電変換手段を除外した共通の構成とした上で、光電変換手段が必要な場合にのみ当該光電変換手段を受信機に装着することができる。このため、光電変換手段を装着した受信機と光電変換手段を装着していない受信機とを相互に異なる構造でそれぞれ製造する場合に比べて、受信機の製造コストを低減することが可能である。また、光電変換手段が不要な場合には、当該光電変換手段を未装着とした受信機を設置することができるので、光電変換手段が不要な場合であっても当該光電変換手段を装着した受信機を設置しなければならない場合に比べて、告知放送システムの設置や維持にかかる手間や費用を一層削減することが可能である。
【0020】
また、請求項3に記載の告知放送システムの受信機によれば、光電変換手段と放送出力手段を取り付け手段を介して取り付けることにより、光電変換手段を放送出力手段に電気的かつ機械的に接続することができ、電気的接続と機械的接続を相互に異なる手段を介して行う場合に比べて、光電変換手段の接続を容易に行うことが可能である。
【0021】
また、請求項4に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号として送信されたTV放送信号を受信し、
光電変換手段より出力された電気信号に含まれるTV放送信号を受信機の外部に出力することが可能である。
【0024】
また、請求項
5に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号として送信された緊急告知放送信号を受信し、警報メッセージを表示することが可能であるため、ユーザに対して視覚に訴える方法により、警報メッセージを出力することが可能である。
【0025】
また、請求項
6に記載の告知放送システムの受信機によれば、ユーザが受信機の光信号の受信状況を容易に把握することが可能である。
【0027】
また、請求項
7に記載の告知放送システムの受信機によれば、光入力端子より受信したTV放送信号を、TV受像機に対して出力可能であるため、光電変換装置を用いることなく、TV受像機でのTV受像が可能になる。
【0028】
また、請求項
8に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号を用いて、受信機から放送センターへの上り通信を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る告知放送システムの受信機の各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0031】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本発明は、放送センターより送信された放送信号を各住戸等において受信する告知放送システムの受信機に関するものである。ここで、「告知放送システム」とは、放送センターから複数の住戸等に対して各種の告知放送(さらに場合によってはTV放送)を行うためのシステムであって、放送センター側に配置されるセンター装置と、各住戸側に配置される受信機と、センター装置から送信された放送信号を受信機に送信する伝送系統を備えて構成されている。「放送信号」とは、放送のために送信する電波信号であって、例えば告知放送信号、TV放送信号、デジタルラジオ放送信号等を含む。また、光信号と電気信号の両方を含む概念であり、特記する場合を除き単に「放送信号」と称する。「放送信号を送信する」とは、放送信号を放送波として無線にて送信すること、及び、放送信号を有線にて電線路や光伝送線路にて送信することを含む。「放送センター」とは、センター装置が備えられた発信所であって、例えば役所、消防署、CATV局などを含む。「センター装置」とは、放送信号を送信する装置である。
【0032】
この告知放送システムの受信機の特徴の一つは、概略的に受信機が光電変換部を内蔵していることにある。従って、従来のように受信機とは別個に光電変換装置を設ける必要がなくなり、光電変換装置を省略することができるので、告知放送システムの製造コストの低減や設置作業の簡素化を図ることができる。
【0033】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
【0034】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。本実施の形態は、光信号を電気信号に変換する光電変換手段を内蔵する受信機についての形態である。
【0035】
(構成)
まず、この実施の形態に係る告知放送システム1の構成を説明する。
図1は本実施の形態に係る告知放送システム1を機能概念的に示したブロック図である。この
図1に示すように、告知放送システム1は、センター側に配置されたセンター装置10、各住戸に配置された受信機20(告知放送受信機)、及びセンター装置10から送信された放送信号を受信機20に送信する伝送系統50を備えて構成されている。なお、特記する構成を除き、センター装置10、受信機20、及び伝送系統50は、従来の告知放送システムと同様に構成することが出来る。
【0036】
(構成−センター装置)
このうち、センター装置10は、告知放送信号を送信する送信手段であり、操作部11、表示部12、マイク13、BGM源14、メモリ15、日時回路16、送信部17、及び制御部18を備えて構成されている。
【0037】
操作部11は、当該センター装置10に対する各種の操作を行うための操作手段であり、例えば、各種の図示しないスイッチを含んで構成されている。表示部12は、所要の情報を操作者に向けて表示するための表示手段であり、例えば、図示しないモニタや表示灯を含んで構成されている。マイク13は、告知放送用の音声を入力するための音声入力手段である。BGM源14は、告知放送用の背景音楽の音源になる音源手段である。メモリ15は、当該センター装置10の各種制御に必要な情報を記録する記録手段である。日時回路16は、年月日及び時分を含んだ日時情報を出力する日時手段である。送信部17は、告知放送信号をヘッドエンド51へ送信する送信手段である。そして、制御部18は、当該センター装置10の各部を制御する制御手段であり、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)及びこのCPU上で解釈実行されるプログラムを含んで構成されている(後述する制御部39も同じ)。
【0038】
(構成−伝送系統)
次に、伝送系統50は、ヘッドエンド51、このヘッドエンド51から各住戸の受信機20に至る光伝送線路52、さらに、この光伝送線路52に配置された、光増幅器53、光分配増幅器54、及び光分配器55を備えて構成されている。ヘッドエンド51は、センター装置10の送信部17から送信された電気信号を受信し、この電気信号をレベル増幅して電光変換した上で光伝送線路52に送出する増幅送信手段である。光伝送線路52は、告知放送信号を送信する送信線路であり、例えば、光ケーブルが用いられる。光増幅器53は、光伝送線路52を流れる信号を増幅する光増幅手段である。光分配増幅器54は、信号を増幅した上で、各住戸に向けて分配する光分配増幅手段である。光分配器55は、光分配増幅器54にて増幅された信号を各住戸に向けて分配する光分配手段である。
【0039】
(構成−受信機)
次に、本実施の形態に係る受信機20について説明する。
【0040】
(構成−受信機−基本構成)
まず、受信機20の基本構成について説明する。
図2は、受信機20の外観を示す斜視図であり、
図2に示すように、受信機20は、筐体21の内部に図示しない各種の電子部品等を収容して構成されている。この筐体21は、正面カバー21aと背面カバー21bとを組み合わされて構成されている。
【0041】
この筐体21の正面には、操作部41及び表示部42が設けられている。操作部41としては、具体的には、受信機20に録音された告知放送の再生を指示するための告知再生スイッチ41a、後述するアンテナ43から受信したFMラジオの放送を指示するためのFM放送選択スイッチ41b、及び放送音量を調節するためのボリュームスイッチ41cが設けられている。表示部42としては、具体的には、電源ON時に点灯する電源表示灯42a、緊急放送時に点灯又は点滅する緊急放送表示灯42b、及び一般放送時に点灯又は点滅する一般放送表示灯42cが設けられている。また、筐体21の正面には、筐体21の内部に設けた後述するスピーカ37から出力された音を、当該筐体21の外部に放出するための音響孔22が設けられている。
【0042】
また、筐体21には、図示しない停電時の予備電源としての電池を収容するための空間部である電池取付部23と、この電池取付部23を開閉自在に覆う電池カバー23aが設けられている。このように電池カバー23aを筐体21の正面に設けることで、電池カバー23aの着脱や電池交換を容易に行うことができる。
【0043】
また、筐体21の左側面には、FMラジオ等の電波を受信するためのアンテナ43が設けられている。従って、告知放送がセンター装置から受信できない状況であっても、アンテナ43にてFMラジオ等を受信することができる。
【0044】
(構成−受信機−配線)
次に、受信機20に配線を接続等するために形成された構造について説明する。
図3は、本実施の形態に係る受信機20を示す図であり、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
図3(a)に示すように、筐体21に対して接続される配線としては、告知放送用信号を入力するための光ケーブル25及び商用電源を供給するための電源コード26がある。以下では、これら光ケーブル25及び電源コード26を、相互に特に区別する必要がない場合には「配線」と総称する。
【0045】
配線は、いずれも筐体21の背面に接続される。具体的には、
図3(a)(c)に示すように、筐体21の背面における図示右上部には収容空間部27が形成されており、この収容空間部27には光ケーブル25を接続するための光入力端子28が収容されている。この光入力端子28は、光信号の入力を受け付ける光信号入力手段であって、受信機20の背面における所定の位置に設けられた、光ケーブル25を接続することが可能な形状及び構造を有する端子である。この光入力端子28に光ケーブル25を接続することで、後述する光電変換部44aと光ケーブル25が電気的に接続され、このことによって、受信機20が光信号を受信することが可能な状態となる。また、筐体21の背面における図示左下部には、電源コード26を接続するための電源端子29が設けられている。
【0046】
ここで、筐体21の背面には、配線の取り回しを行うための配線ガイド部30が形成されている。この配線ガイド部30は、第1配線路30a及び引出口30bを有する。第1配線路30aは、筐体21の図示右側に設けられた配線路であり、少なくとも光ケーブル25を挿通可能な径で形成された溝状の配線路であって、収容空間部27から引出口30bに至るように連続状に形成されている。引出口30bは、受信機20の背面における上下左右の略中央位置に設けられたものであって、少なくとも光ケーブル25を挿通可能な径で形成された凹部である。
【0047】
(構成−受信機−内部構成−光電変換部)
次に、
図1に戻り、受信機20の内部構成について説明する。受信機20には、信号変換部44が設けられている。この信号変換部44は、受信機20の筐体の内部に設けられたものであって、センター装置から送信された光ケーブル25を介して送信された光信号を光入力端子28を介して受信し、この光信号を電気信号に変換して、図示しない通信ケーブルを介して放送出力部31に出力する光電変換手段(光電変換部44a)である。この信号変換部44は、例えば、PD(フォトダイオード)を含んだ公知の光電変換回路として構成され、後述する制御部39と同じ基板に実装され、あるいは、他の部分から独立した基板に実装されて、筐体の内部にネジ止め等の公知の固定構造によって固定されている。なお、本実施の形態では、受信機20にはTV受像機が接続されておらず、受信機20からTV放送信号を出力する必要がないことから、信号変換部44には、光電変換後の放送信号から告知放送信号の所定の周波数帯域の信号のみを通過させて放送出力部31に出力するバンドパスフィルタ(通過帯域制限手段)を設けてもよい。
【0048】
(構成−受信機−内部構成−放送出力部)
放送出力部31は、光電変換部44aより出力された電気信号を出力することで少なくとも告知放送を行う放送出力手段である。この放送出力部31は、受信機20の筐体の内部に設けられた、復調部32、音声切換え部33、音声記録部34、音量調整部35、アンプ36、スピーカ37、メモリ38、制御部39、及びマイク40と、受信機20の筐体の外部に設けられた、操作部41、表示部42、及びアンテナ43を備えて構成されている。
【0049】
復調部32は、信号変換部44から出力された告知放送信号を復調する告知放送復調手段であり、音声情報を音声切換え部33に出力するとともに制御部39に出力する。音声切換え部33は、復調部32から出力された音声情報又は復調部32から出力された音声信号を音声記録部34に出力し、あるいは、復調部32又は音声記録部34から出力された音声情報を音量調整部35に出力する音声切換え手段である。音声記録部34は、音声情報を所定回数だけ録音する格納手段である。音量調整部35は、音声切換え部33から出力された音声情報の音量を調整してアンプ36に出力する。この音声情報は、アンプ36にて増幅された後、スピーカ37から出力される。このスピーカ37は、音声記録部34にて録音された音声情報を再生する再生手段である。メモリ38は、当該放送出力部31の各種制御に必要な情報を記録する記録手段である。そして、制御部39は、当該放送出力部31の各部を制御する制御手段である。マイク40は、ボイスメッセージを録音する録音手段である。
【0050】
操作部41は、当該受信機20に対する各種の操作を行うための操作手段である。具体的には、FM放送を選択するためのFM放送選択スイッチ41b、録音された告知放送の再生を指示するための告知再生スイッチ41a、放送音量を調節するためのボリュームスイッチ41cなどが設けられている。表示部42は、受信した光信号が緊急告知放送信号を含む場合は、その旨の警報メッセージを表示する表示手段である。この表示部42は、受信した放送信号に含まれる情報を視覚より認識できる態様で表示するものであり、例えば受信機20の筐体の外面に配置された表示灯として構成される。
【0051】
(処理)
次に、このように構成された受信機20を用いて行われる処理について説明する。受信機の電源コード26からの商用電源及び予備電源としての電池電源は、受信機20内の光電変換部44aを含む信号変換部44と放送出力部31に電源を供給し、停電時を含めて受信機20を動作させて、告知放送を受信及び放送することができる。センター装置から光ケーブル25を介して送信された光信号は、光入力端子28を介して信号変換部44に入力される。この光信号は、信号変換部44にて光電変換されて電気信号として放送出力部31に出力される。この際、必要に応じて、電気信号からバンドパスフィルタによって告知放送信号のみが取り出されて放送出力部31に出力される。放送出力部31では、この告知放送信号に基づいて、公知の処理により告知放送処理を行う。
【0052】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、光電変換部44aが受信機20に内蔵されているため、受信機20と共に光電変換部44aを一体として同時に設置することができ、光電変換部44aを光電変換装置として個別的に設置する場合に比べて、告知放送システム1の設置や維持にかかる手間や費用を削減することが可能である。また、光電変換部を含めた受信機回路に電源供給することで、停電時でも確実に告知放送を受信して、住戸内に放送することができる。
【0053】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態は、光電変換部44aを筐体61から着脱可能とした形態である。なお、実施の形態2の構成や手順は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成や手順と略同一であり、実施の形態1の構成や手順と略同一の構成や手順についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0054】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る告知放送システム2の受信機60の構成について説明する。
図4は、実施の形態2に係る告知放送システム2の受信機60の概要図である。この告知放送システム2の受信機60は、概略的に、筐体61、ユニットケース62を備えて構成されている。
【0055】
(構成−筐体)
筐体61は、少なくとも放送出力部31を備える受信機60の外郭であり、筐体61の背面カバー21bにおける下部には開口部が設けられており(以下、ユニットケース取付口63)、このユニットケース取付口63にユニットケース62を嵌め込むことにより筐体61とユニットケース62が接合される。また、正面カバー21aにおけるユニットケース取付口63と対向する面の所定位置には、筐体61の幅方向に沿って二つのプラグインコネクタ64が設けられている。なお、筐体61とユニットケース62を接合する方法は後述する。
【0056】
(構成−筐体−プラグインコネクタ)
プラグインコネクタ64は、光電変換部44aを筐体61から着脱可能とする取り付け手段であり、後述するプラグコネクタ65と嵌合するプラグイン形状として形成される。プラグインコネクタ64は、筐体61の内部において放送出力部31に電気的に接続されており、また、後述するプラグコネクタ65を介してユニットケース62と接続することで、ユニットケース62の内部の光電変換部44aと電気的に接続される。
【0057】
(構成−ユニットケース)
ユニットケース62は、その内部に信号変換部44を備える信号変換部格納手段であって、筐体61のユニットケース取付口63に嵌合する箱型形状にて形成される。なお、ユニットケース62の外面であって、筐体61と対向する面にはプラグコネクタ65が設けられており、一方、取り付け手段が設けられている面と逆側の面にはケーブル挿通孔66が設けられている。以下、それぞれについて説明する。
【0058】
(構成−ユニットケース−プラグコネクタ)
プラグコネクタ65は、光電変換部44aを筐体61から着脱可能とする取り付け手段である。このプラグコネクタ65はプラグインコネクタ64と嵌合するプラグ形状を有しており、ユニットケース62の一側面におけるプラグインコネクタ64に対応する位置及び数(ここでは2つ)で設けられる。
【0059】
(構成−ユニットケース−ケーブル挿通孔)
ケーブル挿通孔66は、ユニットケース62の内部の信号変換部44に対して配線を挿通するためにユニットケース62の外面に設けられた孔であって、このケーブル挿通孔66に光ケーブル25を差込むことで、ユニットケース62の内部に設けられた光入力端子28に光ケーブル25を接続することが出来る。なお、本実施の形態における光入力端子28は、
図4に示すように、ユニットケース62の内部に設けられ、このユニットケース62の内部において信号変換部44と電気的に接続されている。
【0060】
(ユニットケースの着脱方法)
ユニットケース62を筐体61のユニットケース取付口63に差し込むことで、ユニットケース62に設けられたプラグコネクタ65と筐体61に設けられたプラグインコネクタ64とが相互に対応する位置に位置し、さらにユニットケース62をユニットケース取付口63の奥側に押し込むことで、ユニットケース62のプラグコネクタ65が筐体61のプラグインコネクタ64と接合され、これによりユニットケース62を筐体61に構造的に接続することができる。またこのように接合を行うことにより、プラグインコネクタ64及びプラグコネクタ65を介して信号変換部44と放送出力部31とを電気的に接続することができる。
【0061】
このように、ユニットケース62の着脱方法として、ユニットケース62を筐体61に押し込むことにより接続できる構成を説明したが、その他の方法を採用しても構わない。例えば、本実施形態におけるプラグコネクタ65やプラグインコネクタ64を備えず、ユニットケース62をネジで直接筐体61に対して構造的に接合した後に、放送出力部31と信号変換部44の配線を繋いでも良い。
【0062】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、光電変換部44aを受信機60から着脱することが可能であるため、光電変換部44aが必要であるか否かに関わらず受信機60を光電変換部44aを除外した共通の構成とした上で、光電変換部44aが必要な場合にのみ光電変換部44aを受信機60に装着することができる。このため、光電変換部44aを装着した受信機60と光電変換部44aを装着していない受信機60とを相互に異なる構造でそれぞれ製造する場合に比べて、受信機60の製造コストを低減することが可能である。また、光電変換部44aが不要な場合には、光電変換部44aを未装着とした受信機60を設置することができるので、光電変換部44aが不要な場合であっても光電変換部44aを装着した受信機60を設置しなければならない場合に比べて、告知放送システム2の設置や維持にかかる手間や費用を一層削減することが可能である。
【0063】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態は、光電変換部44aと放送出力部31とを接続する取り付け部73を備え、取り付け部73は放送出力部31に対して信号変換部44を電気的かつ構造的に接続可能とした形態である。なお、実施の形態3の構成や手順は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成や手順と略同一であり、実施の形態2の構成や手順と略同一の構成や手順についてはこの実施の形態2で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0064】
(構成)
最初に、実施の形態3に係る告知放送システム3の受信機70の構成について説明する。
図5は、実施の形態3に係る告知放送システム3の受信機70を示す概要図である。この告知放送システム3の受信機70は、概略的に、筐体71、ユニットケース72、取り付け部73を備えて構成されている。なお、筐体71、ユニットケース72については、実施の形態2と同様の構成を採用することが出来るため、その詳細な説明を省略する。また、取り付け部73は、筐体71の底面に設けられるプラグインコネクタ74と、ユニットケース72の上面に設けられるプラグコネクタ75とを含む概念である。以下、これらの各構成要素について説明する。
【0065】
プラグインコネクタ74は光電変換部44aを筐体71から着脱可能とする取り付け手段であり、筐体71の底面において、筐体71の幅方向に沿って2つ設けられている。
【0066】
プラグコネクタ75は光電変換部44aを筐体71から着脱可能とする取り付け手段であり、ユニットケース72の上面において、筐体71のプラグインコネクタ74に対応する位置及び数(ここでは2つ)で設けられている。
【0067】
(ユニットケースの着脱方法)
ユニットケース72に設けられたプラグコネクタ75と筐体71に設けられたプラグインコネクタ74とを相互に対応する位置に設置し、ユニットケース72を筐体71の底面に向けて押し込むことで、ユニットケース72のプラグコネクタ75が筐体71のプラグインコネクタ74と接合され、これによりユニットケース72を筐体71に構造的に接続することができる。またこのように接合を行うことにより、プラグインコネクタ74及びプラグコネクタ75を介して信号変換部44と放送出力部31とを電気的に接続することができる。
【0068】
ここで、筐体71はその背面において壁に設置されているが、本実施の形態のように、筐体71の背面ではなく底面にプラグインコネクタ74を設けることで、筐体71を壁から取り外すことなく、ユニットケース72を筐体71に着脱することが可能となる。
【0069】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、光電変換部44aと放送出力部31を取り付け部73を介して取り付けることにより、光電変換部44aを放送出力部31に電気的かつ機械的に接続することができ、電気的接続と機械的接続を相互に異なる手段を介して行う場合に比べて、光電変換部44aの接続を容易に行うことが可能である。
【0070】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。本実施の形態は、光信号のレベルを測定し、測定した信号のレベルを出力可能とした形態である。なお、実施の形態4の構成や手順は、特記する場合を除いて実施の形態1から3の構成や手順と略同一であり、実施の形態1から3の構成や手順と略同一の構成や手順についてはこの実施の形態1から3で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0071】
(構成)
最初に、実施の形態4に係る受信機80の構成について説明する。
図6は、実施の形態4に係る告知放送システム4の受信機80の外観を示す斜視図であり、
図7は、受信機80を機能概念的に示したブロック図である。この告知放送システム4の受信機80は、概略的に、レベル測定部82と、レベル出力部83とを備えて構成されている。以下、これらの各構成要素について説明する。
【0072】
レベル測定部82は、受信した光信号のレベルを測定する光レベル測定手段であり、放送出力部81を構成する回路として形成される。放送出力部81に入力された放送信号は、まずこのレベル測定部82にてそのレベルを測定される。なお、このレベル測定部82は、公知の測定器を採用することが出来るため、その詳細な説明を省略する。
【0073】
なお、「光信号のレベル」とは、信号変換部44により光電変換する前の光信号のレベルと、信号変換部44により光電変換した後の電気信号のレベルの両方を含む概念であり、レベル測定部82が計測する放送信号のレベルは、このうちのいずれであっても構わない。
【0074】
レベル出力部83は、レベル測定部82により測定した光信号のレベルを出力する光レベル出力手段であり、
図6に示すように筐体21の外面における所定の位置に設けられる。このレベル出力部83は例えば数字表示灯により構成され、測定した光信号のレベルを数値として表示することで、ユーザに対して放送信号の出力状況を表示する。あるいは、単に表示灯として形成され、光信号のレベルが所定の基準を満たしていない時に点灯することで、ユーザに対して警告することとしても良い。
【0075】
(実施の形態4の効果)
従来の屋外等に設置される光電変換装置では測定器を接続して信号受信レベルを把握する必要があり、レベル測定が困難であったが、実施の形態4によれば、ユーザが住戸内に設置された表示部を有する受信機80にて、光信号の受信状況を容易に把握することが可能である。
【0076】
〔実施の形態5〕
次に、実施の形態5について説明する。本実施の形態は、電気信号による放送信号レベルと光信号による放送信号レベルを比較し、放送信号として最適な方のみの信号入力を受付可能とする処理(以下、最適信号選択処理)を行う形態である。なお、実施の形態5の構成や手順は、特記する場合を除いて実施の形態1から4の構成や手順と略同一であり、実施の形態1から4の構成や手順と略同一の構成や手順についてはこの実施の形態1から4で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0077】
(構成)
図8は、本実施の形態に係る告知放送システム5の受信機90を機能概念的に示したブロック図であり、
図9は、受信機90の外観を示す背面図である。本実施の形態に係る受信機90は、
図8に示すように、放送出力部91は、レベル測定部92及び選択部93を備え、
図9に示すように、筐体21の背面には、電気入力端子94を備える。以下、これらの各構成要素について
図8及び
図9を参照しつつ説明する。
【0078】
(構成−電気入力端子)
電気入力端子94は、電気信号の入力を受け付ける電気信号入力手段であって、例えば筐体21の背面における光入力端子28の上部に配置される。受信機90に光入力端子28だけでなく電気入力端子94も設けられていることの理由は、受信機90が光通信による放送信号だけでなく電気通信による放送信号も受信できるようにするためである。この電気入力端子94は、筐体21の内部において放送出力部91に電気的に接続され、筐体21の外部において同軸ケーブル95を介して電気信号に係る放送信号の光伝送線路52と接続される。このような接続を行うことで、受信機90が電気信号に係る放送信号を受信することが可能となる。なお、電気入力端子94から入力される放送信号は元より電気信号であり、光電変換する必要はないため、
図8に示すように、信号変換部44を介さずに直接放送出力部91と接続される。また、この同軸ケーブル95の接続方法は、光ケーブル25を光入力端子28に接続する方法と同様の方法により行うことが出来るため、その説明を省略する。
【0079】
(構成−レベル測定部)
レベル測定部92は、光入力端子28から入力された光信号のレベル、及び電気入力端子94より入力された電気信号のレベルを測定する光電レベル測定手段であり、放送出力部91を構成する回路として形成される。放送出力部91に入力された放送信号は、まずこのレベル測定部92にてそのレベルを測定され、その測定結果は後述の選択部93における最適信号選択処理の指標となる。なお、このレベル測定部92は、公知の測定器を採用することが出来るため、その詳細な説明を省略する。
【0080】
なお、「光信号のレベル」とは、信号変換部44により光電変換する前の光信号のレベルと、信号変換部44により光電変換した後の電気信号のレベルの両方を含む概念であり、レベル測定部92が計測する放送信号のレベルは、このうちのいずれであっても構わない。
【0081】
(構成−選択部)
選択部93は、レベル測定部92により測定された結果に基づいて、光入力端子28に対する光信号又は電気入力端子94に対する電気信号のいずれかの入力のみを受け付ける選択手段である。このレベル測定部92は、
図8に示すように、光入力端子28に接続される導線と、電気入力端子94に接続される導線とを、相互に切換え可能となるように復調部32に接続する切換えスイッチとして形成される。
【0082】
(処理−最適信号選択処理)
続いて、最適信号選択処理について説明する。まず、レベル測定部92により測定されたデータは、制御部39に入力され、この制御部39が電気信号のレベルと光信号のレベルのどちらの信号を優先すべきかを判断する。そして、現在入力を受け付けている放送信号の種類と制御部39が優先すべきと判断した放送信号の種類が異なる場合、制御部39は選択部93に対してスイッチの切換えを行う旨の信号を出力する。一方、現在入力を受け付けている放送信号の種類と制御部39が優先すべきと判断した放送信号の種類が同一である場合、現在入力を受け付けている放送信号の入力を継続する。このようにして最適信号選択処理が完了する。
【0083】
(実施の形態5の効果)
このように実施の形態5によれば、光信号による放送信号レベルと電気信号による放送信号レベルとを比較し、放送信号として最適な信号のみを入力することが可能である。
【0084】
〔実施の形態6〕
次に、実施の形態6について説明する。本実施の形態は、電気出力端子101より受信したTV放送信号を、TV受像機102に対して出力可能とした形態である。なお、実施の形態6の構成や手順は、特記する場合を除いて実施の形態1から5の構成や手順と略同一であり、実施の形態1から5の構成や手順と略同一の構成や手順についてはこの実施の形態1から5で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0085】
(構成)
図10は、本実施の形態に係る告知放送システム6の受信機100の外観を示す背面図であり、
図11は、受信機100を機能概念的に示したブロック図である。
図10に示すように、本実施の形態に係る受信機100には、電気出力端子101が設けられている。
【0086】
(構成−電気出力端子)
電気出力端子101は、同軸ケーブル95を介してTV受像機102と接続されることで信号変換部44より入力された電気信号をTV受像機102に対して出力する電気出力手段であって、筐体21の背面における所定位置に配置される。そして、この電気出力端子101に同軸ケーブル95を接続することで放送出力部31と同軸ケーブル95を電気的に接続することが出来る。なお、この同軸ケーブル95の接続方法は、光ケーブル25を光入力端子28に接続する方法と同様の方法により行うことが出来るため、その説明を省略する。
【0087】
(実施の形態6の効果)
このように実施の形態6によれば、光入力端子28より受信したTV放送信号を、TV受像機102に対して出力可能であるため、光電変換装置を用いることなく、TV受像機102でのTV受像が可能になる。
【0088】
〔実施の形態7〕
次に、実施の形態7について説明する。本実施の形態は、入力装置111より受け付けた入力信号を電光変換し、光信号として放送センターに対して送信可能とした形態である。なお、実施の形態7の構成や手順は、特記する場合を除いて実施の形態1から6の構成や手順と略同一であり、実施の形態1から6の構成や手順と略同一の構成や手順についてはこの実施の形態1から6で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0089】
(構成)
図12は、本実施の形態に係る告知放送システム7の受信機110の外観を示す背面図であり、
図13は、受信機110を機能概念的に示したブロック図である。
図12、
図13に示すように、本実施の形態に係る受信機110は、入力装置111、受付入力端子112、信号変換部113を含む。以下、各構成要素について説明する。
【0090】
(構成−入力装置)
入力装置111は、放送センターに対して出力する信号の入力を受け付ける受付手段である。入力装置111は、例えばPCのような外部機器として形成され、同軸ケーブル116を介して受付入力端子112と接続されて構成される。ユーザは、この入力装置111を用いて放送センターに対して送信する内容を入力することが可能である。
【0091】
(構成−受付入力端子)
受付入力端子112は、同軸ケーブル116を介して入力装置111と接続されることで当該入力装置111より入力された電気信号を受け付ける受付入力手段であり、筐体21の背面における所定の位置に配置される。この受付入力端子112は、筐体21の内部において後述する電光変換部114に電気的に接続され、筐体21の外部において同軸ケーブル116を介して入力装置111と接続される。
【0092】
(構成−信号変換部)
信号変換部113は、光電変換部44aと電光変換部114を備えている。なお、光電変換部44aは、上述した実施形態1の光電変換部44aと同様に構成することができるため、その説明を省略する。
【0093】
(構成−信号変換部−電光変換部)
電光変換部114は、受付入力端子112より受け付けた電気信号を光信号に変換する電光変換手段であって、受信機110の内部に構成される回路として形成される。電光変換部114は受付入力端子112に同軸ケーブル116を接続することで同軸ケーブル116を介して入力装置111と電気的に接続され、入力装置111から送信された電気信号を、同軸ケーブル116を介して受信することが可能となる。そして、この電光変換部114により光信号に変換された放送信号は、光ケーブル117を介して伝送系統50に出力される。このように入力装置111から送信された電気信号を、電光変換部114によって伝送系統50に対応する信号形態である光信号に変換することで、放送信号を伝送系統50に入力することが可能となる。また、放送出力部31の操作部41の操作状況を制御部39を介して信号変換部113の電光変換部114へ入力し、センター装置10等へ信号を送信するようにしても良く、ユーザが告知放送を聴いたときに受信機の操作部を操作することで、告知放送を視聴したことをセンター装置側で確認することができる。
【0094】
(構成−光出力端子)
光出力端子115は、電光変換部114より出力された前記光信号を出力する光出力手段であって、筐体21の背面における所定位置に配置される。そして、この光出力端子115に光ケーブル117を接続することで伝送系統50と光ケーブル117を電気的に接続することが出来る。なお、この光ケーブル117の接続方法は、光ケーブル25を光入力端子に接続する方法と同様の方法により行うことが出来るため、その説明を省略する。
【0095】
(処理)
最後に、放送センターに対して信号を送信する処理について説明する。入力装置111により出力される信号が、受付入力端子112を介して電光変換部114に出力され、この電光変換部114によって光信号に変換された上で、光出力端子115から出力される。そして、光出力端子115から出力された信号は、光伝送線路52を介して放送センターに送信される。このような構成により、ユーザが入力装置111により出力した信号を放送センターに対して送信することが可能となる。すなわち、この入力装置111、受付入力端子112、信号変換部113、及び光出力端子115を備えることによって、受信機110と放送センターとの相互間における通信を行うことが可能となる。
【0096】
(実施の形態7の効果)
このように実施の形態7によれば、光信号を用いて、受信機110から放送センターへの上り通信を行うことが可能となる。また、信号変換部113を含む受信機110内の回路に商用電源又は予備電源を供給することができるため、停電状態であってもセンター装置からの告知放送の受信と放送及びセンター装置への情報の送信を行うことができる。
【0097】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0098】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、告知放送システムの受信機の維持にかかる手間や費用を従来に比べて削減できていない場合であっても、従来と異なる手段にて告知放送システムの受信機の維持が可能となっている場合には、本願発明の課題が達成されている。
【0099】
(入力装置について)
入力装置111は必ずしも外部機器である必要は無く、受信機自体に入力装置111を設けても良い。例えば、緊急事態発生時に放送センターに対して緊急信号を送信する押しボタンとして、受信機110の外面に形成することが可能であり、このように、受信機110の外面に入力装置111を設ける場合は、受付入力端子112は省略しても良い。すなわち、受信機110自体に入力装置111を設けた場合は、外部機器としての入力装置111を接続するための受付入力端子112を設けずとも入力装置111と電光変換部114が電気的に接続されているため、ユーザがその入力装置111に対して入力を行うことで、入力した信号が電光変換部114に対して入力される。
〔付記〕
付記1に記載の告知放送システムの受信機は、送信手段から送信された光信号を受信して少なくとも告知放送を行う告知放送システムの受信機であって、前記光信号の入力を受け付ける光入力端子と、前記光入力端子より入力された前記光信号を電気信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段より出力された前記電気信号を出力することで少なくとも告知放送を行う放送出力手段と、を備えた。
また、付記2に記載の告知放送システムの受信機は、付記1に記載の告知放送システムの受信機において、少なくとも前記光電変換手段を収容する筐体を備え、前記光電変換手段を前記筐体から着脱可能とした。
また、付記3に記載の告知放送システムの受信機は、付記2に記載の告知放送システムの受信機において、前記光電変換手段は、ユニットケースを備え、前記光電変換手段の前記ユニットケースを前記筐体に対して構造的に着脱可能に接続すると共に、前記光電変換手段を前記放送出力手段に対して電気的に接続する、取り付け手段を備える。
また、付記4に記載の告知放送システムの受信機は、付記1または2に記載の告知放送システムの受信機において、前記光信号はTV放送信号を含み、前記放送出力手段はTV放送を行う。
また、付記5に記載の告知放送システムの受信機は、付記4に記載の告知放送システムの受信機において、前記TV放送信号が緊急TV放送信号を含む場合、前記放送出力手段は所定の方法により当該緊急放送を行う。
また、付記6に記載の告知放送システムの受信機は、付記1から5のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、前記光信号はデジタルラジオ放送信号を含み、前記放送出力手段は当該デジタルラジオ放送を行う。
また、付記7に記載の告知放送システムの受信機は、付記1から6のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、受信した光信号が緊急告知放送信号を含む場合は、当該表示手段に警報メッセージを表示する表示手段を備える。
また、付記8に記載の告知放送システムの受信機は、付記1から7のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、受信した光信号のレベルを測定する光レベル測定手段と、前記光レベル測定手段により測定した信号のレベルを出力する光レベル出力手段と、を備える。
また、付記9に記載の告知放送システムの受信機は、付記1から7に記載の告知放送システムの受信機において、電気信号の入力を受け付ける電気入力端子と、受信した光信号のレベル、及び前記電気入力端子より入力された電気信号のレベルを測定する光電レベル測定手段と、前記光電レベル測定手段により測定された結果に基づいて、前記光入力端子に対する光信号又は前記電気入力端子に対する電気信号のいずれかの入力のみを受け付ける選択手段と、を備える。
また、付記10に記載の告知放送システムの受信機は、付記1から9のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、同軸ケーブルを介してTV受像機と接続されることで前記光電変換手段より入力された電気信号をTV受像機に対して出力する電気出力端子、を備える。
また、付記11に記載の告知放送システムの受信機は、付記1から10のいずれか一項に記載の告知放送システムの受信機において、前記受信機から送信する電気信号を光信号に変換する電光変換手段と、前記電光変換手段より出力された前記光信号を出力する光出力端子と、を備える。
〔付記の効果〕
付記1に記載の告知放送システムの受信機によれば、光電変換手段が受信機に内蔵されているため、受信機と共に光電変換手段を一体として同時に設置することができ、光電変換手段を光電変換装置として個別的に設置する場合に比べて、告知放送システムの設置や維持にかかる手間や費用を削減することが可能である。
また、付記2に記載の告知放送システムの受信機によれば、光電変換手段を受信機から着脱することが可能であるため、光電変換手段が必要であるか否かに関わらず受信機を当該光電変換手段を除外した共通の構成とした上で、光電変換手段が必要な場合にのみ当該光電変換手段を受信機に装着することができる。このため、光電変換手段を装着した受信機と光電変換手段を装着していない受信機とを相互に異なる構造でそれぞれ製造する場合に比べて、受信機の製造コストを低減することが可能である。また、光電変換手段が不要な場合には、当該光電変換手段を未装着とした受信機を設置することができるので、光電変換手段が不要な場合であっても当該光電変換手段を装着した受信機を設置しなければならない場合に比べて、告知放送システムの設置や維持にかかる手間や費用を一層削減することが可能である。
また、付記3に記載の告知放送システムの受信機によれば、光電変換手段と放送出力手段を取り付け手段を介して取り付けることにより、光電変換手段を放送出力手段に電気的かつ機械的に接続することができ、電気的接続と機械的接続を相互に異なる手段を介して行う場合に比べて、光電変換手段の接続を容易に行うことが可能である。
また、付記4に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号として送信されたTV放送信号を受信し、TV放送を出力することが可能であるため、TV受像機を別個に設けることなく、告知放送システムの受信機のみを用いてTVの視聴が可能となる。
また、付記5に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号として送信された緊急TV放送信号を受信し、緊急TV放送を出力することが可能であるため、TV受像機を別個に設けることなく、告知放送システムの受信機のみを用いて緊急TV放送の視聴が可能となる。
また、付記6に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号として送信されたデジタルラジオ放送信号を受信し、デジタルラジオ放送を出力することが可能であるため、ラジオ受信機を別個に設けることなく、告知放送システムの受信機のみを用いてラジオ放送の聴取が可能となる。
また、付記7に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号として送信された緊急告知放送信号を受信し、警報メッセージを表示することが可能であるため、ユーザに対して視覚に訴える方法により、警報メッセージを出力することが可能である。
また、付記8に記載の告知放送システムの受信機によれば、ユーザが受信機の光信号の受信状況を容易に把握することが可能である。
また、付記9に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号による放送信号レベルと電気信号による放送信号レベルとを比較し、放送信号として最適な信号のみを入力することが可能である。
また、付記10に記載の告知放送システムの受信機によれば、光入力端子より受信したTV放送信号を、TV受像機に対して出力可能であるため、光電変換装置を用いることなく、TV受像機でのTV受像が可能になる。
また、付記11に記載の告知放送システムの受信機によれば、光信号を用いて、受信機から放送センターへの上り通信を行うことが可能となる。