(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
【0012】
(パチンコ機1の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すパチンコ機1は、矩形状の外枠2と、外枠2の前側に配設された内枠3と、内枠3の前側に配設された扉ユニット4と、を備えている。
内枠3は、矩形状に形成され、外枠2に対して開閉することが可能となるように配設されている。内枠3の内側には、後述する遊技盤ユニット10(
図2から
図4参照)が取り付けられている。
扉ユニット4は、略方形の扉状に形成され、外枠2に対して開閉することが可能となるように配設されている。これによって、扉ユニット4は、内枠3に取り付けられた遊技盤ユニット10(遊技領域30)の正面側を開閉することが可能となっている。扉ユニット4は、略中央部に配設された透明板4aと、透明板4aの周囲に配設された装飾部4bと、透明板4aの下側に配設された受皿ユニット5と、受皿ユニット5の側方に配設された発射ハンドル6と、を備えている。
透明板4aは、樹脂、ガラス等の透明な材料により平板状に形成され、内枠3に取り付けられた遊技盤ユニット10(遊技盤20)の正面側に配設される。これによって、遊技者は、透明板4aを介して、遊技盤ユニット10(遊技盤20)を視認することが可能となっている。装飾部4bは、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部4bの上側の各角部には、内部に配設された音発生装置(スピーカ)11(
図9参照)が出力する音声を通過させるための複数の音抜孔が設けられた音抜部4cが設けられている。また、装飾部4bには、複数のランプ12が配設されている。
【0013】
受皿ユニット5は、遊技球(貸球及び賞球)を受ける受皿5aと、受皿5aの前側に配設された演出ボタン5b及び回転型セレクター5cと、を有している。
演出ボタン5bは、略円柱状に形成され、受皿ユニット5から上方に向かって突出するように配設されている。演出ボタン5bは、遊技者による押下操作(下方に向かって押し込む操作)が可能となっている。受皿ユニット5の内部には、演出ボタン5bの押下操作を検出する第1操作検出スイッチ13(
図9参照)が配設されている。第1操作検出スイッチ13は、演出ボタン5bが押下操作されるごとに、第1操作信号を演出制御装置300(
図9参照)に対して出力する。
回転型セレクター5c(いわゆる「ジョグダイヤル」)は、略円筒状に形成され、演出ボタン5cの周囲を囲むように配設されている。回転型セレクター5cは、遊技者による回転操作(円筒軸を中心に回転させる操作)が可能となっている。受皿ユニット5の内部には、回転型セレクター5cの回転操作を検出する第2操作検出スイッチ14(
図9参照)が配設されている。第2操作検出スイッチ14は、回転型セレクター5cが所定角度(例えば、60[°])回転操作されるごとに、第2操作信号を演出制御装置300に対して出力する。
【0014】
また、受皿ユニット5の上面には、貸出操作部7が配設されている。貸出操作部7は、球貸ボタン7aと、返却ボタン7bと、度数表示装置7cと、を有している。ここで、パチンコ機1は、プリペイドカードに記録されている情報の読出し及び更新を行うことが可能なCRユニット500(
図9参照)と通信可能に接続されている。そして、プリペイドカード(図示せず)がCRユニット500に挿入されると、CRユニット500に挿入されたプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。そして、プリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で球貸ボタン7aが操作されると、所定数の遊技球が受皿5aに払い出される。この際、払い出された遊技球の数に応じてプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が更新されて、更新された有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。また、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で返却ボタン7bが操作されると、CRユニット500からプリペイドカードが返却される。
ここで、プリペイドカートとしては、例えば、磁気記憶媒体、記憶IC内蔵媒体等が該当する。
発射ハンドル6は、遊技者による回転操作が可能となっている。そして、発射ハンドル6は、回転操作されたことに応じて、この回転操作量に応じた抵抗値を払出制御装置400(
図9参照)に対して出力する。
【0015】
(遊技盤ユニット10の構成)
次に、遊技盤ユニット10の構成を説明する。
図2は、サブ画像表示装置が第1状態を形成している遊技盤ユニットの正面図である。
図3は、
図2に示す遊技盤ユニットの斜視図である。
図4は、サブ画像表示装置が第2状態を形成している遊技盤ユニットの斜視図である。
図5は、光学素子プレートの一部を拡大した状態を示す平面図である。
図6は、
図5に示す光学素子プレートの一部を拡大した状態を示す斜視図である。
図7は、サブ画像表示装置が第1状態を形成しているサブ画像表示ユニットによる演出表示と遊技者の視点との位置関係を示す概略図である。
図8は、サブ画像表示装置が第2状態を形成しているサブ画像表示ユニットによる演出表示と遊技者の視点との位置関係を示す概略図である。なお、
図7及び
図8では、サブ画像表示ユニットによる演出表示と遊技者の視点との位置関係を、パチンコ機1の側方から見た状態を示している。また、
図7及び
図8では、遊技者の視線の向きを矢印により示している。
図2から
図4に示すように、遊技盤ユニット10は、遊技盤20と、遊技盤20の背面に取り付けられたセット板30と、セット板30の背面側に取り付けられたメイン画像表示装置40と、セット板30の内側に取り付けられたサブ画像表示ユニット50と、を備えている。
遊技盤20は、樹脂等により、平板状に形成されている。遊技盤20の略中央部には、中央開口部21が設けられている。中央開口部21は、セット板30に設けられた中央開口部31に対応する位置に設けられている。これによって、遊技者は、遊技盤20の中央開口部21及びセット板30の中央開口部31を介して、メイン画像表示装置40の表示画面41を視認することが可能となっている。
【0016】
遊技盤20の正面における中央開口部21の周囲には、発射ハンドル6の回転操作に応じて打ち出された遊技球が流下する遊技領域22が形成されている。また、遊技盤20における中央開口部21の下方には、複合入賞装置(図示せず)が配設される第1設置用開口部23、大入賞装置(図示せず)が配設される第2設定用開口部24及びゲート装置(図示せず)が配設される第3設置用開口部25が設けられている。
複合入賞装置は、第1始動入賞装置と、第1始動入賞装置の下方に配設された第2始動入賞装置と、を有している。
第1始動入賞装置は、第1始動口と、第1始動口へ入球した遊技球を検出する特
図1始動球検知センサ101(
図9参照)と、を有している。第1始動口は、上向きに開口した入球口(いわゆる「ヘソ」)であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。特
図1始動球検知センサ101は、第1始動口への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200(
図9参照)に対して出力する。主制御装置200は、特
図1始動球検知センサ101からの検出信号の入力に応じて、第1特別図柄抽選を実行する。
第2始動入賞装置は、第2始動口と、始動口開閉部材(いわゆる「電動チューリップ」)と、始動口開閉部材を駆動(開閉)する始動口ソレノイド64(
図9参照)と、第2始動口へ入球した遊技球を検出する特
図2始動球検知センサ102(
図9参照)と、を有している。始動口開閉部材は、第2始動口への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と、遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能に構成されている。第2始動入賞装置では、通常時は、始動口開閉部材が閉止状態とされて、第2始動口へ遊技球の入球が不可能となっているが、普通図柄抽選に当選した場合に、始動口開閉部材が開放状態とされて、第2始動口への遊技球の入球が可能となる。特
図2始動球検知センサ102は、第2始動口への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。主制御装置200は、特
図2始動球検知センサ102からの検出信号の入力に応じて、第2特別図柄抽選を実行する。
【0017】
大入賞装置は、大入賞口と、大入賞口開閉部材(いわゆる「アタッカー」)と、大入賞口開閉部材を駆動(開閉)する大入賞口ソレノイド65(
図9参照)と、大入賞口へ入球した遊技球を検出する大入賞球検知センサ103(
図9参照)と、を有している。大入賞口開閉部材は、大入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と、遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能に構成されている。大入賞装置では、通常時は、大入賞口開閉部材が閉止状態とされて、大入賞口へ遊技球の入球が不可能となっているが、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に当選して、所定の大当たり遊技状態が生起された場合に、大入賞口開閉部材が開放状態とされて、大入賞口への遊技球の入球が可能となる。大入賞球検知センサ103は、大入賞口への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。主制御装置200は、大入賞球検知センサ103からの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置440による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を実行する。
ゲート装置は、始動ゲートと、始動ゲートを通過する遊技球を検出する普図始動球検知センサ104(
図9参照)と、を有している。始動ゲートは、常時、遊技球による通過が可能となるように形成されている。普図始動球検知センサ104は、遊技球による始動ゲート41の通過の検出に応じて、検出信号を主制御装置200に対して出力する。主制御装置200は、普図始動球検知センサ104からの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
【0018】
遊技領域22には、第1始動口、第2始動口、大入賞口、始動ゲート等に遊技球を導くように、複数の釘nが配設されている。また、遊技領域22における最下方には、いずれの入球口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)にも入球しなかった遊技球を回収するためのアウト口26が設けられている。
また、遊技盤20には、普図表示装置60(
図9参照)、特
図1表示装置61(
図9参照)、特
図2表示装置62(
図9参照)及び状態表示装置63(
図9参照)が配設されている。各表示装置60,61,62,63は、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成されている。
普図表示装置60は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普図表示装置60では、停止表示された普通図柄によって、普通図柄抽選の結果が表示される。ここで、普図表示装置60に停止表示された普通図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である普図当たり遊技状態が生起される。
【0019】
特
図1表示装置61は、数字や図柄等からなる第1特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特
図1表示装置61では、停止表示された第1特別図柄によって、第1特別図柄抽選の結果が表示される。特
図2表示装置62は、数字や図柄等からなる第2特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特
図2表示装置62では、停止表示された第2特別図柄によって、第2特別図柄抽選の結果が表示される。
ここで、特図表示装置61,62における特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の表示と、メイン画像表示装置40の演出図柄表示領域における演出図柄z1,z2の表示とは、変動表示が開始される時期、変動表示が終了して停止表示が行われる時期及び停止表示された図柄が示す抽選結果のそれぞれについて対応付けられている。
そして、特
図1表示装置61に停止表示された第1特別図柄が特定の図柄となった場合又は特
図2表示装置62において停止表示された第2特別図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である大当たり遊技状態が生起される。
状態表示装置63は、第1特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(いわゆる「保留数」)、第2特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数、普通図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数、大当たり遊技状態の種類(ラウンド遊技の実行回数)等を表示することが可能となっている。
【0020】
セット板30は、正面側が開放された箱状に形成されている。セット板30の背面板における略中央部には、中央開口部31が設けられている。セット板30は、遊技盤20の背面に取り付けられている。そして、セット板30の内側には、複合入賞装置、大入賞装置、ゲート装置、サブ画像表示ユニット50、各種の可動役物装置等の各種の演出用装置が取り付けられる。
【0021】
メイン画像表示装置40は、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。メイン画像表示装置40は、演出画像を表示することが可能な表示画面41を有している。メイン画像表示装置40は、中央開口部31を介して表示画面41を視認することが可能となるように、セット板30の背面側に取り付けられている。
表示画面41には、それぞれにおいて第1演出図柄を表示することが可能な3つの第1演出図柄表示領域と、第2演出図柄を表示することが可能な1つの第2演出図柄表示領域と、を構成することが可能となっている。各第1演出図柄表示領域では、第1演出図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。第1演出図柄は、数字、文字、記号、キャラクター等の識別情報(いわゆる「図柄」)を含んで構成されている。本実施形態では、演出図柄として、数字(「1」〜「9」のうちいずれか一つ)を含んで構成された「数字図柄」を有している。第2演出図柄表示領域では、第2演出図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。本実施形態では、第2演出図柄は、カラーバーから構成されている。
【0022】
演出図柄(第1演出図柄及び第2演出図柄)の変動表示とは、各第1演出図柄表示領域において、複数種類の第1演出図柄をスクロールさせた状態で表示するとともに、第2演出図柄表示領域において、第2演出図柄の種類(カラーバーが表す色)が順次変化される状態で表示することをいう。一方、演出図柄の停止表示とは、各第1演出図柄表示領域の抽選結果表示位置において、一の種類の第1演出図柄を停止させた状態で表示するとともに、第2演出図柄表示領域において、一の種類の第2演出図柄を表示(カラーバーが所定の色を表示)することをいう。
そして、演出図柄表示領域(第1演出図柄表示領域及び第2演出図柄表示領域)では、4つの領域において停止表示された演出図柄(第1演出図柄及び第2演出図柄)の組み合わせによって、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果が表示される。
【0023】
サブ画像表示ユニット50は、サブ画像表示装置51と、サブ液晶表示装置51を回転させる駆動装置52と、サブ画像表示装置51の下方に配設された光学素子プレート53と、を備えている。
サブ画像表示装置51は、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。本実施形態では、サブ画像表示装置51は、バックライトを備える液晶ディスプレイにより構成されている。サブ画像表示装置51は、演出画像を表示することが可能な表示画面51aを有している。表示画面51aは、サブ画像表示装置51の正面側に配設されている。本実施形態では、サブ画像表示装置51の背面側には、所定の装飾が施されている。
サブ画像表示装置51の左右方向(
図2に示す左右方向)の各側面には、外方に向かって突出する回転軸51bが設けられている。両回転軸51bは、同軸上に延びている。各回転軸51bは、円柱状に形成され、中心軸が左右方向に沿って延びるように設けられている。また、両回転軸51bのうち一方には、従動ギヤ(図示せず)が固定されている。
駆動装置52は、一対の軸受部52aと、駆動モータ52bと、位置検出センサ(図示せず)と、を備えている。各軸受部52aは、サブ画像表示装置51に設けられた各回転軸51bを回転自在に支持している。駆動モータ52bは、ステッピングモータ等により構成されている。駆動モータ52bの駆動軸(図示せず)には、サブ画像表示装置51の従動ギヤに噛合するモータギヤ(図示せず)が固定されている。位置検出センサは、サブ画像表示装置51の回転位置を検出することが可能となっている。
【0024】
サブ画像表示ユニット50では、駆動モータ52bを駆動することによって、両回転軸51bを中心として、サブ画像表示装置51を回転させることが可能となっている。特に、サブ画像表示装置51は、回転によって、表示画面51aが第1の向きに配置される第1状態(
図2及び
図3参照)と、表示画面51aが第2の向きに配置される第2状態(
図4参照)と、を形成することが可能となっている。なお、サブ画像表示装置51が形成している状態(第1状態又は第2状態)は、位置検出センサにより検出することが可能となっている。
図2及び
図3に示すように、第1の向きは、遊技者が表示画面51aに表示されている演出画像を視認することができる向きとなっている。また、第1の向きは、表示画面51aから出射された光が光学素子プレート53(光学素子54)に入射されず、後述する空間画像p(
図8参照)が結像されない向きとなっている。具体的には、サブ画像表示装置51が第1状態を形成している際には、表示画面51aが正面側(本実施形態では、正面側かつ下側)を向くように配置される。
図4に示すように、第2の向きは、遊技者が表示画面51aに表示されている演出画像を視認することができない向きとなっている。また、第2の向きは、表示画面51aから出射された光が光学素子プレート53(光学素子54)に入射されて、空間画像pが結像される向きとなっている。具体的には、サブ画像表示装置51が第2状態を形成している際には、表示画面51aが背面側(本実施形態では、背面側かつ下側)を向くように配置される。
サブ画像表示ユニット50は、メイン画像表示装置40の表示画面41に対して、正面側かつ上側の位置に配設されている。また、本実施形態では、サブ画像表示ユニット50は、遊技盤20(遊技盤の正面)に対して、背面側の位置に配設されている。
【0025】
図5及び
図6に示すように、光学素子プレート53は、複数の光学素子54が同一平面(以下、「所定基準面」とする)に沿って碁盤の目状(格子状)に並設されてなる。ここで、所定基準面は、仮想の平面となっている。また、各光学素子54は、光学素子プレート53(平面寸法)と比較して、極めて微小に形成されている。
各光学素子54は、互いに交差する方向に沿って延びる一対の鏡面55a,55bから構成されている(いわゆる、「2面コーナーリフレクター」として構成されている)。そして、各光学素子54は、光学素子プレート53の表面側から入射する光を、一対の鏡面55a,55bのそれぞれに1回ずつ反射させた後に、光学素子プレート53の裏面側へ通過させることが可能となるように構成されている。ここで、光学素子プレートの両面のうち一方側(
図2及び
図6に示す上側)の面を表面とし、他方側(
図2及び
図6に示す下側)の面を裏面とする。
本実施形態では、各鏡面55a,55bは、略方形の平面となっている。そして、一対の鏡面55a,55bは、互いに直交するように配設されている。また、各鏡面55a,55bは、所定基準面に対して直交するように配設されている。
光学素子プレート53では、全ての光学素子54の鏡面55aの向きが互いに同一となっている(全ての鏡面55aが、並行している)とともに、全ての光学素子54の鏡面55bの向きが互いに同一となっている(全ての鏡面55bが、並行している)。これによって、光学素子プレート53では、全ての光学素子54の二等分基準線が互いに平行している。ここで、二等分基準線とは、所定基準面上において定義される線であって、各光学素子54の一対の鏡面55a,55bの内角を二等分する直線となっている。
【0026】
具体的には、光学素子プレート53は、平板状の基板53aと、基板53aの略全域に設けられた複数の貫通孔53bと、各貫通孔53bの内面に形成された光学素子54(一対の鏡面55a,55b)と、を有してなる。
基板53aは、金属、樹脂、ガラス等によって形成されている。本実施形態では、基板53aは、透明又は半透明の材料により形成されている。なお、基板53aにおける貫通孔53bを除いた部分には、表面側から裏面側への光の通過を防止する遮光処理が施されていても構わない。
基板53aは、その厚みが10μm〜500μm程度に形成され、フィルム状となっている。基板53aの左右方向の寸法は、サブ画像表示装置51の表示画面51aの左右方向の寸法より大きく設定されている。また、基板53aの前後方向(
図2に示す奥行き方向)の寸法は、サブ画像表示装置51の表示画面51aの前後方向の寸法より大きく設定されている。
複数の貫通孔53bは、所定の間隔で、碁盤の目状(格子状)に配置されている。各貫通孔53bは、平面視で略方形(本実施形態では、正方形)に形成され、基板53aの表面(裏面)に対して直交する方向に沿って延びている。また、各貫通孔53bは、平面視の一辺が10μm〜500μm程度の微小な孔となっている。そして、各貫通孔53bの4つの内面のうち互いに隣接する2つの内面には、一対の鏡面55a,55bが形成されている。各鏡面55a,55bは、2つの内面のそれぞれに鏡面形成処理を施すことによって形成されている。また、各貫通孔53bの4つの内面のうち鏡面55a,55bが形成されている内面を除いた2つの内面は、それぞれ、光が反射しない非反射面56a,56bとなっている。各非反射面56a,56bは、光を吸収する黒色の面となっている。これによって、各光学素子54において、多重反射光の発生を抑制している。なお、各非反射面56a,56bを、所定基準面(素子面)に対して直交しない方向に沿って延びるように設けることによって、多重反射光の発生を抑制しても構わない。
【0027】
光学素子プレート53は、固定枠57を介してセット板30に固定されている。光学素子プレート53は、メイン画像表示装置40の表示画面41に対して、正面側かつ上側の位置に配設されている。また、光学素子プレート53は、サブ画像表示装置51に対して、下側の位置に配設され、第2状態を形成しているサブ画像表示装置51の表示画面51aから出射される光を入射させることが可能となっている。さらに、本実施形態では、光学素子プレート53は、遊技盤20(遊技盤20の正面)に対して、背面側の位置に配設されている。
また、光学素子プレート53は、表面(裏面)が水平となり、各光学素子54の一対の鏡面55a,55bが正面側を向くように(各光学素子54の二等分基準線が、前後方向に沿って、背面側から正面側に向かって延びるように)配設されている。ここで、光学素子プレート53では、その表面(裏面)が、所定基準面となる。そして、光学素子プレート53では、表面(裏面)に並行する仮想の素子面が定義される。
【0028】
図7及び
図8に示すように、サブ画像表示ユニット50は、遊技者の視点e(観察位置)に対して、上側の位置に配設されている。そして、
図7に示すように、サブ画像表示装置51が第1状態を形成している際には、表示画面51aが正面側を向くことによって、遊技者は、表示画面51aに表示された演出画像を直接視認することが可能となる。この際、遊技者の視線の向きは、背面側かつ上側に向いている。
一方、
図8に示すように、サブ画像表示装置51が第2状態を形成している際には、表示画面51aが背面側を向くことによって、遊技者は、表示画面51aに表示された演出画像を視認することが不可能となる。この際、遊技者は、サブ演出画像表示装置51の背面側に施された装飾を視認することが可能となる。
ここで、サブ画像表示装置51が第2状態を形成している際には、サブ画像表示装置51の表示画面51aの各点光源から出射された光は、光学素子プレート53に設けられた各貫通孔53bの表面側から入射し、一対の鏡面55a,55bのそれぞれにおいて1回ずつ反射された後に、各貫通孔53bの裏面側から出射される。そして、各貫通孔53bの裏面側から出射された光は、各点光源に対して光学素子プレート53の素子面を対象面とする面対称位置の1点に集まる。
これによって、サブ画像表示装置51が第2状態を形成している際には、光学素子プレート53の裏面側の空間(空中)において、表示画面51aに表示されている演出画像に基づく実像(以下、「空間画像p」とする)が結像される。この際、表示画面51a及び空間画像pは、光学素子プレート53の素子面を対称面として、互いに面対称の位置関係となる。具体的には、空間画像pは、光学素子プレート53の裏面側の空間における、メイン画像表示装置40の表示画面41と扉ユニット4の透明板4aとの間の位置に結像される。本実施形態では、サブ画像表示ユニット50が遊技盤20(遊技領域22)に対して背面側の位置に配設されているため、空間画像pは、光学素子プレート53の裏面側の空間における、メイン画像表示装置40の表示画面41と遊技盤20(遊技領域22)との間の位置に結像される。これによって、サブ画像表示装置51が第2状態を形成している際には、遊技者は、光学素子プレート53の裏面側の空間(空中)において結像された空間画像pを視認することが可能となる。この際、遊技者の視線の向きは、背面側かつ上側(
図7に示す向きと比較して下側)に向いている。
【0029】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図9は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、パチンコ機1は、主制御装置200と、演出制御装置(サブ制御装置)300と、払出制御装置400と、各制御装置200,300,400に電源(電力)を供給する電源装置600と、を備えている。
各制御装置200,300,400は、CPU(Central Processing Unit)と、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されているプログラムに基づく処理を進行するために使用される一時記憶領域となるRAM(Random Access Memory)と、を備えるマイクロコンピュータである。
【0030】
主制御装置200は、CPU210と、ROM220と、RAM230と、入力ポート240と、出力ポート250と、周波数発生回路260と、ハード乱数発生回路270と、を備える。
入力ポート240は、各検知センサ101〜104から入力された検出信号及び払出制御装置400から入力された制御コマンドのそれぞれを、CPU210に対して出力する。出力ポート250は、演出制御装置300及び払出制御装置400のそれぞれに対して制御コマンドを出力するとともに、各表示装置60〜63及び各ソレノイド64,65に対して制御信号を出力する。また、出力ポート250は、パチンコ機1の賞球の払い出しに関する情報やエラー信号をホールコンピュータ(図示せず)に対して出力する。
ROM220には、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータが格納されている。特に、ROM220には、遊技の進行に必要なデータとして、各種抽選を実行するための判定テーブル、演出制御装置300を制御するために必要な各種制御コマンドが格納されている。
【0031】
RAM230には、主制御装置200における入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタ等の各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。特に、RAM230は、特
図1始動球検知センサ101、特
図2始動球検知センサ102及び普図始動球検知センサ104のそれぞれからの検出信号の入力を契機として取得される始動情報(乱数情報)を記憶することが可能な始動情報記憶領域が設けられている。ここで、始動情報とは、各検出信号の入力を契機として取得された各種乱数値等の情報をいう。
ここで、パチンコ機1は、電源装置600による電源の供給が遮断された際に主制御装置200に対して電源を供給することが可能なバックアップ電源回路(図示せず)を備えている。これにより、RAM230は、電源装置600による電源の供給時には、この電源に基づいて記憶された情報を保持することができ、電源装置600による電源の供給の遮断時には、バックアップ電源回路から供給される電源に基づいて記憶された情報を保持(保存)することができる。
【0032】
周波数発生回路260は、クロック(同期信号)を発生させて、このクロックをCPU210及びハード乱数発生回路270のそれぞれに対して出力する。ハード乱数発生回路270は、普通図柄抽選の当たり乱数、第1特別図柄抽選の当たり乱数及び第2特別図柄抽選の当たり乱数のそれぞれを発生させる。ハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごと(例えば、0.005[s]ごと)に、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0〜65535の範囲内)において1ずつ更新することによって、当たり乱数を発生させる。なお、ループカウンタは、普通図柄抽選、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。
【0033】
演出制御装置300は、主制御装置200から受信した制御コマンドに基づいて、メイン画像表示装置40における演出画像の表示、サブ画像表示装置51における演出画像の表示、ランプ12の点灯・点滅及び音発生装置11による音の出力のそれぞれを制御する。また、演出制御装置30は、駆動装置52の駆動を制御する。
演出制御装置300のROMには、演出の進行に係るプログラム、演出の進行に必要なデータが格納されている。演出制御装置300のRAMには、主制御装置200から受信した制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
演出制御装置300のCPUは、主制御装置200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出内容を決定する。そして、決定した演出内容に係る演出プログラムにしたがって、画像データ、ランプ制御データ及び音制御データを読み出して、読み出した制御データをメイン画像表示装置40、サブ画像表示装置51、音発生装置11及びランプ12のそれぞれに対して出力する。
特に、演出制御装置300のCPUは、演出ボタン5bを用いた演出内容が決定された場合には、第1操作検出スイッチ13からの第1操作信号の入力の有無を監視し、第1操作信号の入力の有無に応じた制御データを読み出して、読み出した制御データをメイン画像表示装置40、サブ画像表示装置51、ランプ12及び音発生装置11のそれぞれに対して出力する。さらに、演出制御装置300のCPUは、回転型セレクター5cを用いた演出内容が決定された場合には、第2操作検出スイッチ14からの第2操作信号の入力の有無を監視し、第2操作信号の入力の有無に応じた制御データを読み出して、読み出した制御データをメイン画像表示装置40、サブ画像表示装置51、音発生装置11及びランプ12のそれぞれに対して出力する。
また、演出制御装置300のCPUは、サブ画像表示ユニット50を用いた演出内容が決定された場合には、決定した演出内容に係る演出プログラムにしたがって、駆動装置制御データ及び画像データを読み出して、読み出した制御駆動装置制御データに基づいて駆動装置52を制御するとともに、読み出した画像データをサブ画像表示装置51に対して出力する。これによって、サブ画像表示装置51が第1状態又は第2状態を形成するように制御される。
【0034】
払出制御装置400は、発射ハンドル6が備える発射ボリューム(図示せず)から入力された信号に基づいて、遊技球発射装置423による遊技球の発射動作を制御する。
具体的には、払出制御装置400には、発射ボリューム及び遊技球発射装置423が接続されている。発射ボリュームは、発射ハンドル6が回転操作されると、この回転操作量に応じた信号を払出制御装置400に対して出力する。そして、払出制御装置400は、発射ボリュームから入力された信号に応じた強さで遊技球を遊技領域22に発射するように、遊技球発射装置423による遊技球の発射動作を制御する。
また、払出制御装置400は、主制御装置200から受信した制御コマンド及びCRユニット500から受信した球貸指示信号のそれぞれに基づいて、遊技球払出装置440による遊技球払出動作を制御する。
具体的には、払出制御装置400には、遊技球払出装置440が接続されている。遊技球払出装置440は、遊技球を受皿5aに払い出す遊技球払出動作を実行する。
そして、払出制御装置400は、主制御装置200から受信した制御コマンドに基づいて、遊技球払出装置440による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。
【0035】
また、払出制御装置400には、接続基板410を介して、球貸スイッチ401、返却スイッチ402、度数表示装置7c及びCRユニット500のそれぞれが接続されている。
球貸スイッチ401は、球貸ボタン7aが操作されたことに応じて、球貸操作信号を、接続基板410を経由してCRユニット500に対して送信する。
CRユニット500は、球貸スイッチ401から球貸操作信号を受信すると、挿入されているプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数から所定数の貸球を払い出すために必要な度数を減算して、プリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新するとともに、所定数の遊技球の払い出しを指示する球貸指示信号を、接続基板410を経由して払出制御装置400に対して送信する。
そして、払出制御装置400は、CRユニット500から受信した球貸指示信号に基づいて、遊技球払出装置440による貸球の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。具体的には、CRユニット500から球貸指示信号を受信するごとに、所定数(例えば、25個)の遊技球の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。
【0036】
また、CRユニット500は、プリペイドカートが挿入されたとき及びプリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新したときのそれぞれにおいて、有価媒体の残存度数を示す度数信号を、接続基板410を経由して度数表示装置7cに送信する。そして、度数表示装置7cは、度数信号を受信すると、この度数信号が示す有価媒体の残存度数を表示する。
返却スイッチ402は、返却ボタン7bが操作されたことに応じて、返却操作信号を、接続基板410を経由してCRユニット500に対して送信する。そして、CRユニット500は、返却操作信号を受信すると、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードを返却(排出)する。
【0037】
(各種抽選について)
次に、パチンコ機1で実行される各種抽選について説明する。
パチンコ機1では、遊技球による始動ゲートの通過を契機として、普通図柄抽選が実行される。そして、普通図柄抽選に当選した場合に、普図当たり遊技状態が生起される。普図当たり遊技状態では、始動口開閉部材が閉止状態から開放状態に変位(開放)されて、第2始動口への遊技球の入球が可能な状態となる。
普通図柄抽選に当選した場合には、普図表示装置60において、普通図柄を「普図当たり図柄」で停止表示させるように制御する。一方、普通図柄抽選に落選した場合には、普図表示装置60において、普通図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。
また、パチンコ機1では、第1始動口への遊技球の入球を契機として、第1特別図柄抽選が実行され、第2始動口への遊技球の入球を契機として、第2特別図柄抽選が実行される。そして、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に当選した場合に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、大入賞口開閉部材が閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞口への遊技球の入球が可能な状態となる。
本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の抽選に当選した場合に生起される大当たり遊技状態の種別として、「通常大当たり」及び「確変大当たり」の2種類が設定されている。
【0038】
「通常大当たり」に当選した場合には、表示装置61,62において、特別図柄を「通常大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。この際、メイン画像表示装置40の演出図柄表示領域(第1演出図柄表示領域及び第2演出図柄表示領域)において、演出図柄(第1演出図柄及び第2演出図柄)を「通常大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。メイン画像表示装置40において表示される「通常大当たり図柄」は、例えば、3つの第1演出図柄表示領域に停止表示された第1演出図柄が、「2、2、2」等、同一の偶数の数字を示す「数字図柄」で揃うとともに、第2演出図柄表示領域に停止表示された第2演出図柄が青色を示す態様とする。
「確変大当たり」に当選した場合には、表示装置61,62において、特別図柄を「確変大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。この際、メイン画像表示装置40の演出図柄表示領域において、演出図柄を「確変大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。メイン画像表示装置40において表示される「確変大当たり図柄」は、例えば、3つの第1演出図柄表示領域に停止表示された第1演出図柄が、「1、1、1」等、同一の奇数の数字を示す「数字図柄」で揃うとともに、第2演出図柄表示領域に停止表示された第2演出図柄が赤色を示す態様とする。
一方、特別図柄抽選に落選した場合(「はずれ」の場合)には、表示装置61,62において特別図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。この際、メイン画像表示装置40の演出図柄表示領域において、演出図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。メイン画像表示装置40において停止表示される「はずれ図柄」は、例えば、3つの第1演出図柄表示領域に停止表示された第1演出図柄を、「1、6、9」等、少なくとも一の領域に停止表示された「数字図柄」が示す数字が、他の領域に停止表示された「数字図柄」が示す数字と異なる組み合わせとなるとともに、第2演出図柄表示領域に停止表示された第2演出図柄が白色を示す態様とする。
【0039】
「通常大当たり」又は「確変大当たり」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が15[回]に設定され、各回のラウンド遊技における大入賞口開閉部材の最長開放時間が所定時間(例えば、30.0[s])に設定される。各回のラウンド遊技における大入賞口開閉部材の開放は、大入賞口開閉部材が開放状態とされてから設定された最長開放時間が経過するか、または、大入賞口への遊技球の入球数が所定数(例えば、10[球])に達することにより終了する。
ここで、パチンコ機1では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選)の当選確率に係る遊技状態として、「特図低確率状態」及び「特図高確率状態」を有している。「特図低確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第1の確率(以下、「低確率」とする)(例えば、1/390)に設定される。一方、「特図高確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第1の確率より高い第2の確率(以下、「高確率」とする)(例えば、1/39)に設定される。なお、主制御装置200は、第1特別図柄抽選の当選確率と第2特別図柄抽選の当選確率とが同期するように、各抽選の当選確率を設定する。
「通常大当たり」に当選した場合には、この大当たり遊技状態が終了した後から次の大当たり遊技状態が生起される前までの期間において、「特図低確率状態」が生起される。一方、「確変大当たり」に当選した場合には、この大当たり遊技状態が終了した後から次の大当たり遊技状態が生起される前までの期間において、「特図高確率状態」が生起される。
【0040】
また、パチンコ機1では、補助制御として、時短制御を実行することが可能となっている。時短制御とは、該制御が実行されていないときと比較して、特別図柄の変動表示を行う時間(以下、「変動時間」とする)が短縮される制御をいう。本実施形態では、時短制御が実行されているときには、該制御が実行されていないときと比較して、普通図柄抽選の当選確率が向上され、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材の開放回数が増加され、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材の開放時間が延長され、かつ、普通図柄の変動表示を行う時間が短縮される。
そして、「通常大当たり」又は「確変大当たり」に当選した場合には、この大当たり遊技状態の終了後において、時短制御が実行される。この時短制御は、大当たり遊技状態の終了に応じて開始され、この時短制御の開始後、大当たり遊技状態が生起されることなく、所定回数(例えば、70[回])の特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が実行されたことに応じて終了される。
【0041】
(制御コマンドについて)
次に、主制御装置200から演出制御装置300に対して送信される制御コマンドについて説明する。
図10は、主制御装置から演出制御装置に対して送信される制御コマンドを説明する図である。
主制御装置200と演出制御装置200とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御装置200と演出制御装置300との間における通信は、主制御装置200から演出制御装置300への一方向のみで行われ、演出制御装置300から主制御装置200への通信は行われない。
主制御装置200から演出制御装置300に対して送信される各制御コマンドは、制御コマンドの種類を示す1バイトの先行データと、制御コマンドの内容を示す1バイトの後続データと、から構成されている。
そして、主制御装置200は、シリアル通信によって、先行データ及び後続データから構成される制御コマンドを演出制御装置300に対して送信する。演出制御装置300では、主制御装置200から制御コマンドを受信すると、シリアル通信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAMの所定領域に記憶する。
【0042】
図10に示すように、パチンコ機1では、主制御装置200から演出制御装置300に対して送信される制御コマンドとして、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド、第2変動パターン指定コマンド、停止指定コマンド、状態指定コマンド等が設定されている。
図柄種別指定コマンドは、特別図柄(演出図柄)の停止図柄(特別図柄抽選の抽選結果)を指定するコマンドである。図柄種別指定コマンドは、停止表示させる演出図柄の態様(停止図柄)として、「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」を指定する。図柄種別指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に送信される。
第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、それぞれ、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動パターンを指定するコマンドである。本実施形態では、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、それぞれ、変動時間を指定することによって、当該変動時間に対応付けられている変動パターンを指定するように構成されている。
【0043】
第1変動パターン指定コマンドは、演出図柄の変動表示のうち第1期間(例えば、演出図柄の変動表示の開始後から後述するリーチ表示の開始前までの期間)の変動パターン(以下、「第1変動パターン」とする)を指定する。本実施形態では、第1変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出(後述する擬似連続変動表示の内容等)が対応付けられた、m(複数)種類の変動パターン(変動時間)が設定されている。そして、第1変動パターン指定コマンドは、m種類の第1変動パターンのうち一のものを指定する。
本実施形態では、第1変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「擬似連続変動パターン」が設定されている。
「通常変動パターン」とは、演出図柄の変動表示中に、大当たり遊技状態が生起されることを期待させる表示(「擬似連続変動表示」等)が行われない変動パターンをいう。また、「擬似連続変動パターン」とは、演出図柄の変動表示中に、1回以上の擬似連続変動表示が行われる変動パターンをいう。
ここで、擬似連続変動表示とは、第2演出図柄表示領域における第2演出図柄の変動表示が継続されつつ、3つの第1演出図柄表示領域のうち二以上の領域の抽選結果表示位置(第1演出図柄が停止表示されて、特別図柄抽選の結果が表示される位置)において第1演出図柄の仮停止表示が行われた後に、再び、全ての第1演出図柄表示領域において第1演出図柄の通常変動表示が行われる表示をいう。
仮停止表示とは、第1演出図柄表示領域の抽選結果表示位置において、表示されている第1演出図柄が変更されることなく、一の種類の第1演出図柄が揺れた状態で表示される表示をいう。また、通常変動表示とは、第1演出図柄表示領域の抽選結果表示位置に表示される第1演出図柄が、順次変更される(入れ替えられる)表示をいう。
【0044】
第2変動パターン指定コマンドは、演出図柄の変動表示のうち第2期間(例えば、リーチ表示の開始後から演出図柄の停止表示の開始前までの期間)の変動パターン(以下、「第2変動パターン」とする)を指定する。ここで、第2期間は、第1期間より後の期間となっている。本実施形態では、第2変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出(後述するリーチ表示の内容等)が対応付けられた、n(複数)種類の変動パターン(変動時間)が設定されている。そして、第2変動パターン指定コマンドは、n種類の第2変動パターンのうち一のものを指定する。
本実施形態では、第2変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「リーチ変動パターン」が設定されている。
「通常変動パターン」とは、演出図柄の変動表示中に、大当たり遊技状態が生起されることを期待させる表示(リーチ表示等)が行われない変動パターンをいう。また、「リーチ変動パターン」とは、演出図柄の変動表示中に、リーチ表示が行われる変動パターンをいう。
リーチ表示とは、演出図柄がリーチ状態を形成するとともに、演出図柄がリーチ状態を形成した際に、所定のリーチ演出が実行される表示をいう。リーチ状態とは、第2演出図柄表示領域における第2演出図柄の変動表示が継続されつつ、3つの第1演出図柄表示領域のうち二以上の領域において第1演出図柄の仮停止表示が行われ、かつ、二以上の領域において仮停止表示されている第1演出図柄が、「大当たり図柄」に含まれる組み合わせとなる状態(例えば、二以上の第1演出図柄表示領域において互いに同一の数字を示す「数字図柄」が仮停止表示されている状態)をいう。
【0045】
(主制御装置で実行される処理)
次に、主制御装置200で実行される処理を説明する。
図11は、主制御装置が実行するメインループ処理を示すフローチャートである。
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御装置200のハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごと(例えば、0.005sごと)に、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0〜65535の範囲内)において1ずつ更新するハード乱数更新処理を開始する。そして、ハード乱数更新処理によって、普通図柄抽選の普図当たり乱数、第1特別図柄抽選の大当たり乱数及び第2特別図柄抽選の大当たり乱数のそれぞれが更新される。なお、ハード乱数更新処理は、
図11に示すメインループ処理と非同期で実行される。
【0046】
また、パチンコ機1に対して電源が投入されると、主制御装置200のCPU210は、所定の初期化処理を実行した後に、
図11に示すメインループ処理を繰り返し実行する。
メインループ処理は、CPU210により実行されると、まず、ステップS10に移行する。
ステップS10では、割込み禁止処理を実行して、ステップS11に移行する。割込み禁止処理では、他の処理の割込みを禁止する割込み禁止状態を設定する。これにより、割込み禁止状態が設定されている期間中には、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の実行が禁止される。
ステップS11では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS12に移行する。初期値乱数更新処理では、初期値乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。初期値乱数とは、プログラム上で発生する乱数であるソフト乱数(大当たり図柄乱数、変動パターン乱数等)の初期値及び終了値を更新(変更)するための乱数である。
すなわち、ソフト乱数を発生させるループカウンタは、予め設定された初期値から終了値までの範囲内において更新される。そして、ループカウンタの初期値及び終了値は、ループカウンタの乱数値が終了値に達するごとに変更される。この際、ループカウンタに設定される初期値及び終了値は、初期値乱数に基づいて決定される。
【0047】
ステップS12では、制御コマンド解析処理を実行し、ステップS13に移行する。制御コマンド解析処理では、払出制御装置400から受信した制御コマンドの解析を行う。
ステップS13では、制御コマンド送信処理を実行し、ステップS14に移行する。制御コマンド送信処理では、演出制御装置300に対する制御コマンドの送信を行う。具体的には、制御コマンド送信処理では、ポート出力要求バッファに記憶されている制御コマンドを、演出制御装置300に対して送信する。
ステップS14では、割込み許可処理を実行し、ステップS15に移行する。割込み許可処理では、割込み禁止状態を解除する。これにより、ステップS14に係る処理が実行されてからステップS10に係る処理が実行されるまでの期間中が、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の実行が許可された割込み許可期間となる。
ステップS15では、その他乱数更新処理を実行し、ステップS10に移行する。その他乱数更新処理では、ソフト乱数のうち大当たり図柄乱数を除いたもの(変動パターン乱数等)の更新を行う。
【0048】
次に、CPU210が実行するシリアル通信受信割込み処理を説明する。
図12は、主制御装置が実行するシリアル通信受信割込み処理を示すフローチャートである。
CPU210は、メインループ処理に係る割込み許可期間中又はタイマ割込み処理に係る割込み許可期間中において、払出制御装置400から制御コマンドを受信した場合に、シリアル通信受信割込み処理を実行する。なお、シリアル通信受信割込み処理は、多重割込みを禁止する処理となっている。
図12に示すように、シリアル通信受信割込み処理は、CPU210により実行されると、まず、ステップS20に移行する。
ステップS20では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS21に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータA及びフラグレジスタF)の値をRAM230の退避領域に退避させる。
【0049】
ステップS21では、制御コマンドを受信するための受信バッファにデータが存在するか否かを判定し、受信バッファにデータが存在すると判定した場合(Yes)には、ステップS22に移行し、受信バッファにデータが存在しないと判定した場合(No)には、ステップS23に移行する。
ステップS22では、受信データ格納処理を実行し、ステップS23に移行する。受信データ格納処理では、受信バッファに存在するデータをRAM230の所定領域に格納する。
ステップS23では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS20で退避しておいたレジスタの値を復帰させ、割込みを許可する。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0050】
次に、CPUが実行するタイマ割込み処理を説明する。
図13は、主制御装置が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
周波数発生回路260は、所定周期(例えば、4.0[ms])ごとに、割込み要求信号を発生させる。そして、CPU210は、メインループ処理に係る割込み許可期間中において、割込み要求信号の発生に応じて、タイマ割込み処理を実行する。なお、タイマ割込み処理は、多重割込みを許可する処理となっている。
図13に示すように、タイマ割込み処理は、CPU210により実行されると、まず、ステップS30に移行する。
ステップS30では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS31に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していた全てのレジスタの値をRAM230の退避領域に退避させ、割込みを許可する。
ステップS31では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS32に移行する。ステップS31の初期値乱数更新処理は、ステップS11の初期値乱数更新処理と同一の処理となっている。
【0051】
ステップS32では、ソフト乱数更新処理を実行し、ステップS33に移行する。ソフトランス更新処理では、ソフト乱数のうち大当たり図柄乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ステップS33では、スイッチチェック処理を実行し、ステップS34に移行する。スイッチチェック処理では、入力ポート240における各検知センサ101〜104からの検出信号の入力の有無をチェックする。そして、いずれかの検知センサ101〜104からの検出信号の入力を検出した場合には、該検出を示す情報をRAM230の所定領域に記憶する。
ステップS34では、特別図柄抽選に係る各種乱数を記憶する特図乱数記憶処理を実行し、ステップS35に移行する。特図乱数記憶処理については、後述する。
ステップS35では、特別図柄抽選の抽選結果を報知する特図変動処理を実行し、ステップS36に移行する。特図変動処理については、後述する。
ステップS36では、大当たり遊技状態を制御する大当たり遊技処理を実行し、ステップS37に移行する。大当たり遊技処理については、後述する。
【0052】
ステップS37では、普通図柄抽選に係る各種乱数を記憶する普図乱数記憶処理を実行し、ステップS38に移行する。普図乱数記憶処理では、ステップS33の処理結果に基づいて、普図始動球検知センサ104からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合には、普通図柄抽選の普図当たり乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した乱数(乱数値)を、普図始動情報として、RAM230の普図始動情報記憶領域に記憶する。
ステップS38では、普通図柄抽選の抽選結果を報知する普図変動処理を実行し、ステップS39に移行する。普図変動処理では、RAM230の普図始動情報記憶領域において普図始動情報が記憶されているか否かを判定し、普図始動情報が記憶されていると判定した場合には、普図始動情報に含まれる普図当たり乱数を読み出して、この普図当たり乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定(普図当たり判定)する。
そして、普図表示装置60において、普通図柄の変動表示を開始して、普図変動時間タイマによる変動時間の計測を開始する。普通図柄の変動表示は、普図変動時間タイマにより計測された変動時間が所定時間に達した場合に終了さる。
さらに、普通図柄の変動表示の終了に応じて、普通図柄の停止表示を実行する。この際、普通図柄抽選に当選したと判定された場合には、停止図柄として「普図当たり図柄」が停止表示され、普通図柄抽選に落選したと判定された場合には、停止図柄として「はずれ図柄」が停止表示される。
【0053】
ステップS39では、普図当たり遊技状態を制御する普図当たり遊技処理を実行し、ステップS40に移行する。普図当たり遊技処理では、ステップS38で停止表示された停止図柄が「普図当たり図柄」であるか否かを判定し、「普図当たり図柄」であると判定した場合には、普図当たり遊技状態を生起させる。
普図当たり遊技状態では、始動口開閉部材が開放状態とされて、第2始動口への遊技球の入球が可能となる。始動口開閉部材は、開放状態とされてから所定時間が経過したことに応じて、閉止状態とされる。
ステップS40では、賞球の払い出し動作を実行する賞球払出処理を実行し、ステップS41に移行する。賞球払出処理では、ステップS33の処理結果に基づいて、各検知センサ101〜103からの検出信号の入力の有無を判定する。そして、各検知センサ101〜103からの検出信号の入力があった場合には、賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。さらに、賞球払出処理では、払出制御装置400に対する制御コマンドの送信を行う。
本実施形態では、第1始動球検知センサ101から検出信号の入力があった場合には、3[球]の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、第2始動球検知センサ102から検出信号の入力があった場合には、5[球]の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、大入賞球検知センサ103から検出信号の入力があった場合には、15[球]の賞球数を指定する賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。そして、ポート出力要求バッファに記憶されている制御コマンドを、払出制御装置400に対して送信する。
払出制御装置400は、主制御装置200から賞球数指定コマンドを受信すると、当該賞球数指定コマンドで指定されている賞球数の遊技球賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を遊技球払出装置440に実行させる。
【0054】
ステップS41では、ポート出力処理を実行し、ステップS42に移行する。ポート出力処理では、各種制御信号が、普図表示装置60、特
図1表示装置61、特
図2表示装置62、状態表示装置63、始動口ソレノイド64、大入賞口ソレノイド65等に対して出力される。
ステップS42では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS30で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0055】
次に、ステップS34の特図乱数記憶処理を説明する。
図14は、特図乱数記憶処理を示すフローチャートである。
特図乱数記憶処理は、ステップS34において実行されると、
図14に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、ステップS33の処理結果に基づいて、特
図1始動球検知センサ101からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS101に移行し、入力を検出しないと判定した場合(No)には、ステップS103に移行する。
ステップS101では、特
図1保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合(No)には、ステップS102に移行し、上限数に達していると判定した場合(Yes)には、ステップS103に移行する。
ここで、特
図1保留数とは、特
図1表示装置61における第1特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が保留されている数をいう。本実施形態では、特
図1保留数の上限数は、「4」に設定されている。
ステップS102では、特
図1乱数記憶処理を実行し、ステップS103に移行する。特
図1乱数記憶処理では、第1特別図柄抽選の大当たり乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数(乱数値)を、特
図1始動情報(乱数情報)として、RAM230の特
図1始動情報記憶領域に記憶する。
【0056】
ステップS103では、ステップS33の処理結果に基づいて、特
図2始動球検知センサ102からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS104に移行し、入力を検出しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS104では、特
図2保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合(No)には、ステップS105に移行し、上限数に達していると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、特
図2保留数とは、特
図2表示装置62における第2特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が保留されている数をいう。本実施形態では、特
図2保留数の上限数は、「4」に設定されている。
ステップS105では、特
図2乱数記憶処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。特
図2乱数記憶処理では、第2特別図柄抽選の大当たり乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数(乱数値)を、特
図2始動情報として、RAM230の特
図2始動情報記憶領域に記憶する。
【0057】
次に、ステップS35の特図変動処理を説明する。
図15は、特図変動処理を示すフローチャートである。
特図変動処理は、ステップS35において実行されると、
図15に示すように、まず、ステップS110に移行する。
ステップS110では、大当たり遊技状態中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態中でないと判定した場合(No)には、ステップS111に移行し、大当たり遊技状態中であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に設定(記憶)されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップS111では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の報知表示中であるか否かを判定し、特別図柄の報知表示中でないと判定した場合(No)には、ステップS112に移行し、特別図柄の報知表示中であると判定した場合(Yes)には、ステップS117に移行する。ここで、特別図柄の報知表示中とは、特別図柄の変動表示又は停止表示が行われている期間中をいう。
【0058】
ステップS112では、特図保留数が「0」であるか否かを判定し、特図保留数が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS113に移行し、特図保留数が「0」であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、特図保留数とは、特
図1保留数及び特
図2保留数の合計数をいう。
ステップS113では、大当たり判定処理を実行し、ステップS114に移行する。大当たり判定処理では、RAM230の始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域又は特
図2始動情報記憶領域)に記憶されている始動情報(特
図1始動情報又は特
図2始動情報)に含まれる大当たり乱数を読み出して、この大当たり乱数の値が大当たり値と一致しているか否かを判定(大当たり判定)する。そして、大当たり乱数の値が大当たり値と一致している場合には、「大当たり」と判定し、大当たり乱数の値が大当たり値と一致していない場合には、「はずれ」と判定する。
この際、本実施形態では、始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域及び特
図2始動情報記憶領域)に記憶されている始動情報(特
図1始動情報及び特
図2始動情報)は、特
図1始動情報及び特
図2始動情報を通じて、先に取得(記憶)された始動情報から順に、大当たり判定が実行される。なお、特
図2始動情報記憶領域において特
図2始動情報が記憶されている場合には、特
図1始動情報に対して優先して、当該特
図2始動情報に基づく大当たり判定を実行する構成としても構わない。以下、ステップS113において大当たり判定が実行された始動情報を、「判定始動情報」とする。
【0059】
ROM220には、大当たり乱数と当たり値との対応が登録された特別図柄抽選テーブルが格納されている。また、特別図柄抽選テーブルとして、特図低確率状態に対応する特別図柄抽選テーブル及び特図高確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルが格納されている。特図低確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率(例えば、1/390)となるように、当たり値が登録されている。一方、特図高確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率より高い第2の確率(例えば、1/39)となるように、当たり値が登録されている。そして、大当たり判定処理では、現在設定されている遊技状態に対応する特別図柄抽選テーブルを読み出して、大当たり判定を行う。これにより、特別図柄抽選の抽選結果(当選又は落選)が判定される。
ここで、現在設定されている遊技状態は、RAM230の所定領域において特図低確率状態フラグ及び特図低確率状態フラグのうちいずれのフラグが設定されているかに基づいて判定する。
【0060】
ステップS114では、停止図柄設定処理を実行し、ステップS115に移行する。停止図柄設定処理では、ステップS113の処理結果に基づいて、停止表示させる特別図柄の態様(停止図柄)を設定する。
具体的には、大当たり判定により特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)に当選したと判定された場合には、判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数を読み出して、読み出した大当たり図柄乱数に基づいて、停止図柄(「大当たり図柄」の種類)を決定する。一方、大当たり判定により特別図柄抽選に落選したと判定された場合には、停止図柄として、「はずれ図柄」が判定される。
ROM220には、大当たり図柄乱数と大当たり図柄の種類との対応が登録された大当たり図柄決定テーブルが格納されている。また、大当たり図柄決定テーブルとして、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブル及び第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルが格納されている。第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルと第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとでは、各種類の大当たり図柄が選択される確率が互いに異なっている。
【0061】
そして、停止図柄設定処理では、判定始動情報が特
図1始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数と、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとに基づいて、大当たり図柄の種類(「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)が判定される。一方、判定始動情報が特
図2始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数と、第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとに基づいて、大当たり図柄の種類が判定される。
さらに、停止図柄設定処理では、停止図柄させる特別図柄の態様として、決定した停止図柄を設定する。また、決定した停止図柄に対応する図柄種別指定コマンド(「通常大当たり図柄指定」、「確変大当たり図柄指定」又は「はずれ図柄指定」)を、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS13の制御コマンド送信処理において、図柄種別指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
【0062】
ステップS115では、変動時間設定処理を実行し、ステップS116に移行する。変動時間設定処理では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間を設定する。
具体的には、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数を読み出して、読み出した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動時間(第1変動パターンの内容及び第2変動パターンの内容)を決定する。
ROM220には、変動パターン乱数と第1変動パターンの内容(変動時間)との対応が登録された第1変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、第1変動パターン決定テーブルとして、大当たり判定の結果のそれぞれ(「大当たり」又は「はずれ」)に対応する第1変動パターン決定テーブルが格納されている。また、「はずれ」に対応する第1変動パターン決定テーブルとして、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と保留数との組み合わせのそれぞれに対応する第1変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する第1変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する第1変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間(例えば、0.5[s])に係る第1変動パターンが登録されている。また、保留数が多いほど短い変動時間に係る第1変動パターンが決定されるように、各保留数に対応する第1変動パターン決定テーブルの内容が設定されている。
【0063】
また、ROM220には、変動パターン乱数と第2変動パターンの内容(変動時間)との対応が登録された第2変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、第2変動パターン決定テーブルとして、大当たり判定の結果(「大当たり」又は「はずれ」)に対応する第2変動パターン決定テーブルが格納されている。また、「はずれ」に対応する第2変動パターン決定テーブルとして、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と保留数との組み合わせのそれぞれに対応する第2変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する第2変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する第2変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間(例えば、0.5[s])に係る第2変動パターンが登録されている。また、保留数が多いほど短い変動時間に係る第2変動パターンが決定されるように、各保留数に対応する第2変動パターン決定テーブルの内容が設定されている。
【0064】
そして、変動時間設定処理では、まず、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、当たり判定の結果、時短制御の実行状況、保留数等に対応する第1変動パターン決定テーブルとに基づいて、第1変動パターンの内容(「通常変動パターン」、「擬似連続変動パターン」等)を判定する。
また、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、当たり判定の結果、時短制御の実行状況、保留数等に対応する第2変動パターン決定テーブルとに基づいて、第2変動パターンの内容(「通常変動パターン」、「リーチ変動パターン」等)を判定する。ここで、時短制御の実行状況は、RAM230の所定領域に設定されている時短制御フラグに基づいて判定する。
本実施形態では、大当たり判定の結果が当選である場合には、第2変動パターンの内容として、「リーチ変動パターン」が決定される(「通常変動パターン」が決定されることがない)。一方、大当たり判定の結果が落選である場合には、第2変動パターンの内容として、「通常変動パターン」又は「リーチ変動パターン」が決定される。
さらに、変動時間設定処理では、判定した第1変動パターンの内容を指定する第1変動パターン指定コマンド(変動パターンm指定)及び判定した第2変動パターンの内容を指定する第2変動パターン指定コマンド(変動パターンn指定)を、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS13の制御コマンド送信処理において、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
【0065】
ステップS116では、報知表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。報知表示開始処理では、ステップS115で決定した特別図柄の変動時間(変動パターンに対応する変動時間)を、特図変動時間タイマに設定する。ここで、特別図柄の変動時間とは、第1変動パターンに係る変動時間と第2変動パターンに係る変動時間とを合計した時間をいう。
そして、特
図1表示装置61又は特
図2表示装置62において、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を開始するとともに、設定した特図変動時間タイマによる変動時間の計測を開始する。
また、RAM230の始動情報記憶領域に記憶されている判定始動情報を消去して、当該判定始動情報を、RAM230の変動中始動情報記憶領域に記憶する。
ステップS117では、特図変動時間タイマに基づいて、ステップS116で設定した特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、設定した特別図柄の変動時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS118に移行し、設定した特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0066】
ステップS118では、報知表示終了処理を実行し、ステップS119に移行する。報知表示終了処理では、特
図1表示装置61又は特
図2表示装置62において、ステップS114で設定された停止図柄による特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の停止表示を行う。なお、特別図柄の停止表示は、予め設定されている所定時間行われる。
また、報知表示終了処理では、停止指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップS13の制御コマンド送信処理において、停止指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
ステップS119では、ステップS118で停止表示された停止図柄が「大当たり図柄」(「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)であるか否かを判定し、大当たり図柄であると判定した場合(Yes)には、ステップS120に移行し、大当たり図柄でないと判定した場合(No)には、ステップS121に移行する。
【0067】
ステップS120では、大当たり遊技状態開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。大当たり遊技状態開始処理では、まず、ステップS118で停止表示された「大当たり図柄」(停止図柄)に基づいて、生起させる大当たり遊技状態の種類(「通常大当たり」又は「確変大当たり」)を確認する。
次に、生起させる大当たり遊技状態の種類に対応する大当たり遊技状態フラグ及びオープニング期間中フラグを、RAM230の所定領域に設定する。また、所定のオープニング時間を、オープニング期間タイマに設定して、オープニング期間タイマによる設定したオープニング時間の計測を開始する。
また、現在、時短制御を実行中である場合には、時短制御を停止して、RAM230の所定領域に記載されている時短制御フラグを消去する。また、時短カウンタの値をリセットする。
【0068】
ステップS121では、時短制御を実行中であるか否かを判定し、時短制御を実行中であると判定した場合(Yes)には、ステップS122に移行し、時短制御を実行中でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、時短制御を実行中であるか否かは、RAM230の所定領域に記憶されている時短制御フラグに基づいて判定する。
ステップS122では、時短制御を終了するか否かを判定し、時短制御を終了すると判定した場合(Yes)には、ステップS123に移行し、時短制御を終了しないと判定した場合(No)には、ステップS124に移行する。
本実施形態では、後述する時短カウンタの値が「0」となっている場合には、時短制御を終了すると判定し、時短カウンタの値が「1」以上の場合には、時短制御を終了しないと判定する。
【0069】
ステップS123では、時短制御停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。時短制御停止処理では、時短制御を停止して、RAM230の所定領域に設定されている時短制御フラグを解除(消去)する。また、時短カウンタの値をリセットする。
ステップS124では、時短カウンタ更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。時短カウンタ更新処理では、時短カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに時短カウンタに設定する。
【0070】
次に、ステップS36の大当たり遊技処理を説明する。
図16は、大当たり遊技処理を示すフローチャートである。
大当たり遊技処理は、ステップS36において実行されると、
図16に示すように、まず、ステップS130に移行する。
ステップS130では、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、ステップS131に移行し、大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、RAM230の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップS131では、オープニング期間中であるか否かを判定し、オープニング期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS132に移行し、オープニング期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS134に移行する。
ここで、オープニング期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に設定されているオープニング期間中フラグに基づいて判定する。
ステップS132では、オープニング期間を終了するか否かを判定し、オープニング期間を終了すると判定した場合(Yes)には、ステップS133に移行し、オープニング期間を終了しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、オープニング期間タイマに設定されたオープニング時間が経過した場合に、オープニング期間を終了すると判定する。
【0071】
ステップS133では、ラウンド遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ラウンド遊技開始処理では、オープニング期間を終了して、ラウンド遊技を開始する。
具体的には、ラウンド遊技開始処理では、まず、RAM230の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグに基づいて、現在の大当たり遊技状態の種類(「通常大当たり」又は「確変大当たり」)を確認する。
次に、確認した大当たり遊技状態の種類に対応するラウンド遊技回数(本実施形態では、全て、15[回])を、ラウンド遊技カウンタに設定するとともに、この大当たり遊技状態の種類に対応する最長開放時間(本実施形態では、全て、30.0[s])を、ラウンド遊技タイマに設定する。
そして、大入賞装置の大入賞口開閉部材の開放を開始して、設定したラウンド遊技タイマによる大入賞口開閉部材の開放時間の計測を開始するとともに、大入賞口入球数カウンタによる大入賞口への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、RAM230の所定領域に設定されているオープニング期間中フラグを解除するとともに、ラウンド遊技中フラグを、RAM230の所定領域に設定する。
【0072】
ステップS134では、インターバル期間中であるか否かを判定し、インターバル期間中であると判定した場合(Yes)には、ステップS135に移行し、インターバル期間中でないと判定した場合(No)には、ステップS137に移行する。
ここで、インターバル期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に設定されているインターバル期間中フラグに基づいて判定する。
ステップS135では、インターバル期間を終了するか否かを判定し、インターバル期間を終了すると判定した場合(Yes)には、ステップS136に移行し、インターバル期間を終了しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、インターバル期間タイマに設定されたインターバル時間が経過した場合に、インターバル期間を終了すると判定する。
【0073】
ステップS136では、ラウンド遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ラウンド遊技開始処理では、インターバル期間を終了して、ラウンド遊技を開始する。
具体的には、ラウンド遊技開始処理では、まず、RAM230の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグに基づいて、現在の大当たり遊技状態の種類(「通常大当たり」又は「確変大当たり」)を確認する。
次に、確認した大当たり遊技状態の種類に対応する最長開放時間(本実施形態では、全て、30.0[s])を、ラウンド遊技タイマに設定する。
そして、大入賞口開閉部材の開放を開始して、設定したラウンド遊技タイマによる大入賞口開閉部材の開放時間の計測を開始するとともに、大入賞口入球数カウンタによる大入賞口への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、RAM230の所定領域に設定されているインターバル期間中フラグを解除(消去)するとともに、ラウンド遊技中フラグを、RAM230の所定領域に設定する。
【0074】
ステップS137では、ラウンド遊技中であるか否かを判定し、ラウンド遊技中であると判定した場合(Yes)には、ステップS138に移行し、ラウンド遊技中でないと判定した場合(No)には、ステップS143に移行する。
ここで、ラウンド期間中であるか否かは、RAM230の所定領域に設定されているラウンド遊技中フラグに基づいて判定する。
ステップS138では、ラウンド遊技終了条件を満たすか否かを判定し、ラウンド遊技終了条件を満たすと判定した場合(Yes)には、ステップS139に移行し、ラウンド遊技終了条件を満たさないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、ラウンド遊技タイマに設定された最長開放時間が経過したこと及び大入賞口入球数カウンタによりカウントされた大入賞口への遊技球の入球数が所定数(例えば、10[個])に達したことのうち一方が達成された場合に、ラウンド遊技終了条件を満たすと判定する。
【0075】
ステップS139では、ラウンド遊技終了処理を実行し、ステップS140に移行する。ラウンド遊技終了処理では、大入賞口開閉部材を閉鎖して、ラウンド遊技タイマ及び大入賞口入球数カウンタのそれぞれの値をリセットする。
また、ラウンド遊技カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たにラウンド遊技カウンタに設定する。さらに、RAM230の所定領域に設定されているラウンド遊技中フラグを解除する。
ステップS140では、最終回のラウンド遊技が終了したか否かを判定し、最終回のラウンド遊技が終了していないと判定した場合(No)には、ステップS141に移行し、最終回のラウンド遊技が終了したと判定した場合(Yes)には、ステップS142に移行する。
ここで、ラウンド遊技カウンタに設定されている値が「1」以上である場合には、最終回のラウンド遊技が終了していないと判定し、ラウンド遊技カウンタに設定されている値が「0」である場合には、最終回のラウンド遊技が終了したと判定する。
【0076】
ステップS141では、インターバル期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。インターバル期間開始処理では、インターバル期間中フラグを、RAM230の所定領域に設定する。また、所定のインターバル時間を、インターバル期間タイマに設定して、インターバル期間タイマによる設定したインターバル時間の計測を開始する。
ステップS142では、エンディング期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。エンディング期間開始処理では、エンディング期間中フラグを、RAM230の所定領域に設定する。また、所定のエンディング時間を、エンディング期間タイマに設定して、エンディング期間タイマによる設定したエンディング時間の計測を開始する。
【0077】
ステップS143では、エンディング期間を終了するか否かを判定し、エンディング期間を終了すると判定した場合(Yes)には、ステップS144に移行し、エンディング期間を終了しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、エンディング期間タイマに設定されたエンディング時間が経過した場合に、エンディング期間を終了すると判定する。
ステップS144では、大当たり遊技状態終了処理を実行し、ステップS145に移行する。大当たり遊技状態終了処理では、RAM230の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグを解除する。
また、終了に係る大当たり遊技状態の種類が「確変大当たり」である場合には、特図高確率状態フラグをRAM230の所定領域に設定して、特図高確率状態の設定を指定する状態指定コマンドをRAM230の所定領域に格納する。
一方、終了に係る大当たり遊技状態の種類が「通常大当たり」である場合には、特図低確率状態フラグをRAM230の所定領域に設定して、特図低確率状態の設定を指定する状態指定コマンドをRAM230の所定領域に格納する。
これにより、ステップS13の制御コマンド送信処理において、状態指定コマンドが演出制御装置300に対して送信される。
【0078】
ステップS145では、時短制御を開始するか否かを判定し、時短制御を開始すると判定した場合(Yes)には、ステップS146に移行し、時短制御を開始しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。本実施形態では、全ての種類の大当たり遊技状態の終了後に時短制御を開始すると判定する。したがって、ステップS145では、必ず、時短制御を開始すると判定される。
ステップS146では、時短制御実行処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。時短制御実行処理では、時短制御フラグをRAM230の所定領域に設定して、時短制御を開始する。また、所定回数(本実施形態では、70[回])を、時短カウンタに設定する。
【0079】
(演出制御装置で実行される処理)
次に、演出制御装置300で実行される処理を説明する。
図17は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
パチンコ機1に電源が投入されると、演出制御装置300のCPUは、所定の初期設定処理を実行した後に、図示しないメイン処理を繰り返し実行する。そして、演出制御装置300のCPUは、メイン処理の実行中において、所定の割込周期(例えば、2.0[ms])でタイマ割り込みを発生させて、
図17に示す演出制御処理を繰り返し実行する。
演出制御処理は、演出制御装置300のCPUにより実行されると、まず、ステップS200に移行する。
【0080】
ステップS200では、コマンド受信処理を実行し、ステップS201に移行する。コマンド受信処理では、主制御装置200が送信した制御コマンドの受信の有無をチェックして、制御コマンドの受信があった場合には、受信した制御コマンドを解析して、RAMのコマンドバッファ領域に保存する。
また、コマンド受信処理では、第1操作検出スイッチ24及び第2操作検出スイッチ25のそれぞれからの操作信号の入力の有無をチェックして、操作信号の入力があった場合には、当該操作信号の受信を示す情報を、RAMの所定領域に保存する。
ステップS201では、演出フラグ設定処理を実行し、ステップS202に移行する。演出フラグ設定処理では、状態指定コマンドを受信したか否かを判定し、状態指定コマンドを受信したと判定した場合(状態指定コマンドがRAMのコマンドバッファ領域に保存されている場合)には、各種演出フラグの設定を行う。
具体的には、特図高確率状態を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、確変演出フラグを、RAMの所定領域に設定する。一方、特図低確率状態を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、RAMの所定領域に設定されている確変演出フラグを解除する。
【0081】
ステップS202では、報知演出開始処理を実行し、ステップS203に移行する。報知演出開始処理については、後述する。
ステップS203では、演出用乱数更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。演出用乱数更新処理では、演出の抽選に用いる各種乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。ここで、演出用乱数としては、後述する予告演出乱数等が該当する。
【0082】
次に、ステップS202の報知演出開始処理を説明する。
図18は、報知演出開始処理を示すフローチャートである。
報知演出開始処理は、ステップS202において実行されると、
図18に示すように、まず、ステップS220に移行する。
ステップS220では、所定の制御コマンドを受信したか否かを判定し、所定の制御コマンドを受信したと判定した場合(Yes)には、ステップS221に移行し、所定の制御コマンドを受信していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、所定の制御コマンドとは、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドをいう。
所定の制御コマンドを受信したか否かは、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドがRAMのコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
【0083】
ステップS221では、変動表示内容設定処理を実行し、ステップS222に移行する。変動表示内容設定処理では、演出図柄の変動表示に係る演出データを設定する。
具体的には、変動表示内容設定処理では、第1変動パターン指定コマンドが指定する第1変動パターンの内容に対応する演出プログラムを読み出して、この演出プログラムにしたがって、第1変動パターンに係る演出データ(画像データ、ランプ制御データ、音制御データ等)を読み出す。
また、第2変動パターン指定コマンドが指定する第2変動パターンの内容に対応する演出プログラムを読み出して、この演出プログラムにしたがって、第2変動パターンに係る演出データ(画像データ、ランプ制御データ、音制御データ等)を読み出す。
そして、第1変動パターンに係る演出データ及び第2変動パターンに係る演出データを合わせた演出図柄の変動表示(報知表示)に係る演出データ(以下、「変動演出データ」とする)を編集して、編集した変動演出データを設定する。
さらに、図柄種別指定コマンドが指定する停止図柄(「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)に基づいて、演出図柄の停止表示に係る画像データを決定して、決定した画像データ(以下、「停止画像データ」とする)を設定する。
【0084】
ステップS222では、予告演出抽選処理を実行し、ステップS223に移行する。予告演出抽選処理では、予告演出を実行するか否かを決定する予告演出抽選を実行する。
ここで、予告演出とは、演出図柄の変動表示中に実行される演出であって、当該変動表示に係る特別図柄抽選の結果を示唆(予告)する演出となっている。
演出制御装置300のROMには、予告演出乱数と予告演出抽選の当たり値との対応が登録された予告演出抽選テーブルが格納されている。
予告演出抽選処理では、まず、予告演出乱数を、所定の乱数カウンタから取得する。そして、取得した予告演出乱数及び予告演出抽選テーブルに基づいて、予告演出を実行するか否かを決定する。
ステップS223では、ステップS222で実行した予告演出抽選に当選したか否かを判定し、予告演出抽選に当選したと判定した場合(Yes)には、ステップS224に移行し、予告演出抽選に当選していない(落選した)と判定した場合(No)には、ステップS225に移行する。
【0085】
ステップS224では、予告演出内容設定処理を実行し、ステップS225に移行する。予告演出内容設定処理では、予告演出に係る演出データを設定する。
本実施形態では、予告演出は、サブ画像表示ユニット50を用いた演出となっている。ここで、パチンコ機1に電源が投入されると、演出制御装置300のCPUは、サブ画像表示ユニット50の初期状態として、サブ画像表示装置51を第1状態とする。
本実施形態では、予告演出の種別として、互いに異なる演出内容が設定された「第1予告演出」、「第2予告演出」、「第3予告演出」及び「第4予告演出」が設定されている。
「第1予告演出」は、サブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」が表示される予告演出となっている。ここで、「所定予告演出画像」は、所定のキャラクターによる演出画像となっている。すなわち、「第1予告演出」では、サブ画像表示装置51が、常時、第1状態とされ、表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」が表示される。これによって、「第1予告演出」は、表示画面51aに表示されている「所定予告演出画像」を遊技者に直接視認させる予告演出となっている。
「第2予告演出」は、サブ画像表示装置51の背面側に施された所定の装飾が表示される予告演出となっている。すなわち、「第2予告演出」では、サブ画像表示装置51が、常時、第1状態から第2状態に変位される。なお、「第2予告演出」では、サブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて演出画像が表示されず、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において、空間画像pが結像されることがない。これによって、「第2予告演出」は、サブ画像表示装置51の背面側に施された所定の装飾を遊技者に視認させる予告演出となっている。なお、サブ画像表示装置51は、「第2予告演出」の終了に応じて、第2状態から第1状態に変位される。
【0086】
「第3予告演出」は、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において、空間画像pが結像(表示)される予告演出となっている。すなわち、「第2予告演出」では、サブ画像表示装置51が、常時、第1状態から第2状態に変位され、表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」が表示される。これによって、「第3予告演出」は、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において結像された空間画像p(「所定予告演出画像」に基づく空間画像p)を遊技者に視認させる予告演出となっている。なお、サブ画像表示装置51は、「第3予告演出」の終了に応じて、第2状態から第1状態に変位される。
「第4予告演出」は、サブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」が表示されるとともに、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において、空間画像pが結像(表示)される予告演出となっている。すなわち、「第4予告演出」では、予告演出の開始から所定時間が経過するまでの期間中、サブ画像表示装置51が第1状態とされて、表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」が表示される。また、所定時間の経過時から予告演出が終了するまでの期間中、サブ画像表示装置51が第1状態から第2状態に変位されて、表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」が表示される。これによって、「第4予告演出」は、表示画面51aに表示されている「所定予告演出画像」を遊技者に直接視認させた後に、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において結像された空間画像p(「所定予告演出画像」に基づく空間画像p)を遊技者に視認させる予告演出となっている。なお、サブ画像表示装置51は、「第4予告演出」の終了に応じて、第2状態から第1状態に変位される。
【0087】
各種別の「予告演出」の期待値は、期待値が高いものから順に、「第4予告演出」、「第3予告演出」、「第2予告演出」、「第1予告演出」(期待値高→期待値低)となるように設定されている。ここで、期待値とは、当該種別の「予告演出」が実行された場合に、大当たり遊技状態が生起される可能性の度合いをいう。
ここで、空間画像pを結像する際(サブ画像表示装置51を第2状態として、表示画面51aに演出画像を表示する際)には、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像を遊技者に直接視認させる際(サブ画像表示装置51を第1状態として、表示画面51aに演出画像を表示する際)と比較して、サブ画像表示装置51のバックライトの輝度(照度)を向上させる構成としても構わない。
【0088】
予告内容設定処理では、まず、複数種別の予告演出(「第1予告演出」、「第2予告演出」、「第3予告演出」及び「第4予告演出」)のうちから実行する予告演出の種別を決定する。
演出制御装置300のROMには、予告演出乱数と予告演出パターン(予告演出の種別)との対応が登録された予告演出内容決定テーブルが格納されている。また、予告演出内容決定テーブルとして、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の抽選結果のそれぞれに対応する予告演出内容決定テーブルが格納されている。
そして、予告内容設定処理では、受信した図柄種別指定コマンドが指定する停止図柄(「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)に基づいて、特別図柄抽選の結果を判定し、判定した特別図柄抽選の結果に対応する予告演出内容決定テーブルを読み出す。そして、ステップS222で取得した予告演出乱数及び読み出した予告演出内容決定テーブルに基づいて、実行する予告演出パターンを判定する。
また、決定された予告演出パターンに係る演出プログラムを読み出して、読み出した演出プログラムに基づいて、予告演出に係る演出データ(画像データ、ランプ制御データ、音制御データ、駆動装置制御データ等)を設定する。具体的には、読み出した演出プログラムに基づいて、予告演出を開始するタイミング、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示する演出画像、サブ画像表示装置51の状態を変化させるタイミング、予告演出を終了するタイミング等を設定する。
【0089】
ステップS225では、変動表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。変動表示開始処理では、ステップS221で設定した変動演出データに基づく演出を開始する。これによって、メイン画像表示装置40の表示画面41において、演出図柄の変動表示が開始される。
また、ステップS223で予告演出抽選に当選したと判定した場合には、演出図柄の変動表示の開始に伴い、ステップS224で設定した予告演出に係る演出データに基づく予告演出が実行される。これによって、当該演出図柄の変動表示中において、予告演出が実行される。
【0090】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
パチンコ機1では、始動口(第1始動口又は第2始動口)への遊技球の入球があると、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)が実行されて、表示装置61,62において、特別図柄の変動表示が開始された後に、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様による特別図柄の停止表示が行われる。
また、特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示のそれぞれ)に同期して、メイン画像表示装置40の演出図柄表示領域(第1演出図柄表示領域及び第2演出図柄表示領域)において、演出図柄(第1演出図柄及び第2演出図柄)の変動表示が行われた後に、演出図柄の停止表示が行われる。
そして、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄の停止表示が行われた後に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、大入賞口開閉部材が閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞口への遊技球の入球が可能となる。
【0091】
また、パチンコ機1では、演出図柄の変動表示を開始する際に、当該変動表示の実行中において予告演出を実行するか否かを決定する予告演出抽選が実行される。ここで、予告演出は、演出図柄の変動表示中に実行される演出であって、当該変動表示に係る特別図柄抽選の結果を示唆(予告)する演出となっている。
そして、予告演出を実行することが決定された場合には、実行する予告演出の種別(「第1予告演出」、「第2予告演出」、「第3予告演出」又は「第4予告演出」)が抽選により決定される。
実行する予告演出の種別として「第1予告演出」が決定された場合には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、「第1予告演出」が開始される。具体的には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、第1状態とされているサブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」の表示が開始される。表示画面51aにおける「所定予告演出画像」の表示は、その開始から所定時間が経過したことに応じて終了される。これによって、「第1予告演出」が終了する。
実行する予告演出の種別として「第2予告演出」が決定された場合には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、「第2予告演出」が開始される。具体的には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、サブ画像表示装置51が第1状態から第2状態に変位されて、サブ画像表示装置51の背面側に施された所定の装飾が正面側に向けて表示される。サブ画像表示装置51は、第2状態とされてから所定時間が経過したことに応じて、第2状態から第1状態に変位される。これによって、「第2予告演出」が終了する。
【0092】
実行する予告演出の種別として「第3予告演出」が決定された場合には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、「第3予告演出」が開始される。具体的には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、サブ画像表示装置51が第1状態から第2状態に変位されて、第2状態とされているサブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」の表示が開始される。これによって、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において、「所定予告演出画像」に基づく空間画像pが結像(表示)される。表示画面51aにおける「所定予告演出画像」の表示は、その開始から所定時間が経過したことに応じて終了される。また、表示画面51aにおける「所定予告演出画像」の表示の終了に応じて、サブ画像表示装置51が、第2状態から第1状態に変位される。これによって、「第3予告演出」が終了する。
実行する予告演出の種別として「第4予告演出」が決定された場合には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、「第4予告演出」が開始される。具体的には、演出図柄の変動表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、第1状態とされているサブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」の表示が開始される。また、当該予告演出の開始から所定時間が経過したことに応じて、サブ画像表示装置51が第1状態から第2状態に変位されて、第2状態とされているサブ画像表示装置51の表示画面51aにおいて、「所定予告演出画像」の表示が継続される。これによって、メイン画像表示装置40の表示画面41の正面側の空間(光学素子プレート53の背面側の空間)において、「所定予告演出画像」に基づく空間画像pが結像(表示)される。表示画面51aにおける「所定予告演出画像」の表示は、サブ画像表示装置51が第2状態とされてから所定時間が経過したことに応じて終了される。また、表示画面51aにおける「所定予告演出画像」の表示の終了に応じて、サブ画像表示装置51が、第2状態から第1状態に変位される。これによって、「第4予告演出」が終了する。
【0093】
(パチンコ機1の作用)
次にパチンコ機1の作用について説明する。
パチンコ機1では、予告演出(「第3予告演出」及び「第4予告演出」)において、光学素子プレート53の表面側に配設されたサブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に基づく実像(空間画像p)が、光学素子プレート53の裏面側の空間において結像される。
これによって、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に基づく実像(空間画像p)を、サブ画像表示装置51の表示画面51aとは異なる位置、特に、光学素子プレート53の裏面側の空間における空中に出現させることができる。したがって、演出画像の出現方法についての意外性を向上することができ、演出画像に対する遊技者の注目を向上することができる。
特に、パチンコ機1では、サブ画像表示装置51の表示画面51aの向きを切り替えることが可能な駆動装置52を備えている。そして、駆動装置52は、表示画面51aの向きを、表示画面51aに表示されている演出画像に基づいて実像(空間画像p)が結像されない第1の向きと、表示画面51aに表示されている演出画像に基づいて実像(空間画像p)が結像される第2の向きと、に切り替えることが可能となるように構成されている。
これによって、サブ画像表示装置51の表示面が第1の向きとされている場合(サブ画像表示装置51が第1状態とされている場合)には、光学素子プレート53の裏面側の空間において演出画像に基づく実像(空間画像p)が形成されず、サブ画像表示装置51の表示画面51aが第2の向きとされている場合(サブ画像表示装置51が第2状態とされている場合)には、光学素子プレート53の裏面側の空間において演出画像に基づく実像(空間画像p)が形成される。
したがって、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に基づく演出として、演出画像に基づく実像(空間画像p)が出現する演出と、演出画像に基づく実像(空間画像p)が出現しない演出と、を実行することができる。よって、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示される演出画像に基づく演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0094】
また、パチンコ機1では、第1の向きは、遊技者が表示画面51aに表示されている演出画像を視認することができる向きであり、第2の向きは、遊技者が表示画面51aに表示されている演出画像を視認することができない向きとなっている。
これによって、サブ画像表示装置51の表示画面51aが第1の向きとされている場合(サブ画像表示装置51が第1状態とされている場合)には、光学素子プレート53の裏面側の空間において演出画像に基づく実像(空間画像p)が形成されず、かつ、遊技者が表示画面51aに表示された演出画像を視認することができる状態となる。一方、サブ画像表示装置51の表示画面51aが第2の向きとされている場合(サブ画像表示装置51が第2状態とされている場合)には、遊技者が表示画面51aに表示された演出画像を視認することができず、かつ、光学素子プレート53の裏面側の空間において演出画像に基づく実像(空間画像p)が形成される状態となる。
したがって、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に基づく演出として、演出画像に基づく実像(空間画像p)を遊技者に視認させずに、表示画面51aに表示された演出画像を遊技者に視認させる演出と、表示画面51aに表示された演出画像を遊技者に視認させずに、演出画像に基づく実像(空間画像p)を遊技者に視認させる演出と、を実行することができる。よって、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示される演出画像に基づく演出を更に多様化することができ、遊技の興趣を更に向上することが可能となる。
【0095】
さらに、パチンコ機1では、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に基づく実像(空間画像p)が、大当たり遊技状態を生起させるか否かを決定する特別図柄抽選の結果を報知する画像が表示されるメイン画像表示装置40の表示画面41と扉ユニット4の透明板4aとの間の位置に形成される。
これによって、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に基づく実像(空間画像p)に対する遊技者の注目を更に向上することができ、結果として、サブ画像表示装置51の表示画面51aに表示された演出画像に対する遊技者の注目を更に向上することが可能となる。
以上のように、パチンコ機1によれば、サブ画像表示装置51に表示される演出画像に対する遊技者の注目を向上することが可能となる。
【0096】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
図19は、変形例に係る光学素子プレートの一部を拡大した状態を示す斜視図である。
例えば、上記実施形態では、光学素子プレートとして、複数の貫通孔53bが設けられた基板53aからなり、各貫通孔53bの内面において光学素子54(一対の鏡面55a,55b)が形成された光学素子プレート53を適用している。しかしながら、光学素子プレートは、互いに交差する方向に沿って延びる一対の鏡面からなる光学素子が同一平面に沿って複数並設されてなるものであれば、他の構成に係るものを適用することが可能となっている。
具体的には、上記実施形態では、光学素子プレートとして、光学素子プレート53に替えて、
図19に示す光学素子プレート70を適用しても構わない。
図19に示すように、光学素子プレート70は、互いに積層するように配設された第1反射層71及び第2反射層72を有してなる。
【0097】
第1反射層71は、複数の柱体71aから構成されている。各柱体71aは、樹脂、ガラス等の透明又は半透明の材料により、略四角柱状に形成されている。また、各柱体71aの外面のうち一の面には、鏡面71bが形成されている。そして、第1反射層71は、複数の柱体71aが、所定基準面(光学素子プレート70の表面)に沿って並設されてなる。具体的には、第1反射層71は、隣り合う両柱体71aのうち、一方の柱体71aの鏡面71bと、他方の柱体71aの外面のうち鏡面71bと反対側の面と、が互いに密着されてなる。第1反射層71では、各鏡面71bは、所定基準面に対して直交するように配設されている。また、第1反射層71では、全ての柱体71aの鏡面71bの向きが互いに同一となっている(全ての鏡面71bが、並行している)。
第2反射層72は、複数の柱体72aから構成されている。各柱体72aは、樹脂、ガラス等の透明又は半透明の材料により、略四角柱状に形成されている。また、各柱体72aの外面のうち一の面には、鏡面72bが形成されている。そして、第2反射層72は、複数の柱体72aが、所定基準面(光学素子プレート70の表面)に沿って並設されてなる。具体的には、第2反射層72は、隣り合う両柱体72aのうち、一方の柱体72aの鏡面72bと、他方の柱体72aの外面のうち鏡面72bと反対側の面と、が互いに密着されてなる。第2反射層72では、各鏡面72bは、所定基準面に対して直交するように配設されている。また、第2反射層72では、全ての柱体72aの鏡面72bの向きが互いに同一となっている(全ての鏡面72bが、並行している)。
【0098】
そして、光学素子プレート70は、第1反射層71の表面と第2反射層72の裏面とを密着させた状態で、第1反射層71及び第2反射層72を積層してなる。この際、第1反射層71及び第2反射層72は、第1反射層71の各柱体71aと第2反射層72の各柱体72aとが互いに直交するように積層される。光学素子プレート70では、各鏡面71bと各鏡面72bとは、互いに直交するように配設されている。これによって、光学素子プレート70では、平面視で、各鏡面71bと各鏡面72bとが交差する部位のそれぞれにおいて、当該交差する一対の鏡面71b及び鏡面72bによって光学素子74が構成される。
各光学素子74は、光学素子プレート70の表面側から入射する光を、一対の鏡面71b,72bのそれぞれに1回ずつ反射させた後に、光学素子プレート70の裏面側へ通過させることが可能となるように構成されている。ここで、光学素子プレート70の両面のうち一方側(
図19に示す上側)の面を表面とし、他方側(
図19に示す下側)の面を裏面とする。
光学素子プレート70では、各光学素子74は、一対の鏡面71b,72bが正面側(
図2及び
図19に示す手前側)を向くように(各光学素子74の二等分基準線が、前後方向に沿って、背面側から正面側に向かって延びるように)配設されている。すなわち、光学素子プレート70では、全ての光学素子74の二等分基準線が互いに平行している。ここで、二等分基準線とは、所定基準面上において定義される線であって、各光学素子74の一対の鏡面71b,72bの内角を二等分する直線となっている。
【0099】
また、上記実施形態では、予告演出において、「所定予告演出画像」に基づく実像(空間画像p)が結像される構成となっている。しかしながら、他の演出画像に基づく実像(空間画像p)が結像される構成としても構わない。例えば、リーチ表示において、リーチ状態を形成している演出図柄を第2状態とされたサブ画像表示装置51の表示画面51aに表示することによって、リーチ状態を形成している演出図柄を空間画像pとして表示しても構わない。この際、メイン画像表示装置40の表示画面41においては、演出図柄が表示されることなく、リーチ演出が表示される。また、大当たり遊技状態の生起中の演出において、当該大当たり遊技状態に係る「大当たり図柄(停止図柄)」を第2状態とされたサブ画像表示装置51の表示画面51aに表示することによって、「大当たり図柄」を空間画像pとして表示しても構わない。さらに、演出図柄の変動表示中において、特別図柄の保留数を示す情報を第2状態とされたサブ画像表示装置51の表示画面51aに表示することによって、保留数を示す情報を空間画像pとして表示しても構わない。
さらに、上記実施形態では、光学素子プレート53,70が固定された状態で配設されている。しかしながら、光学素子プレート53,70を、第2状態とされたサブ画像表示装置51の表示画面51aに対して、近づく又は離れる方向に移動させることが可能となるように配設しても構わない。また、光学素子プレート53,70を、第2状態とされたサブ画像表示装置51の表示画面51aに対して、当該表示画面51aに沿う方向に移動させることが可能となるように配設しても構わない。さらに、光学素子プレート53,70を、第2状態とされたサブ画像表示装置51の表示画面51aに対して、表示画面51aと光学素子プレート53,70の表面(素子面)とのなす角度が変化するように移動させることが可能となるように配設しても構わない。
さらに、上記実施形態においては、本発明をパチンコ機1に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。