特許第6282056号(P6282056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282056
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】機械式駐車場用引戸式ゲート
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/06 20060101AFI20180208BHJP
【FI】
   E04H6/06 B
【請求項の数】15
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-149295(P2013-149295)
(22)【出願日】2013年7月18日
(65)【公開番号】特開2015-21268(P2015-21268A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年7月5日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年4月3日、株式会社ピーアイエー建築研究所に機械式駐車場用引戸ゲートの図面を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年5月21日、日本国土開発株式会社に機械式駐車場用引戸式ゲートを公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年5月24日、荒川建設工業株式会社に機械式駐車場用引戸式ゲートを公開
(73)【特許権者】
【識別番号】511164570
【氏名又は名称】株式会社アサップ
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(72)【発明者】
【氏名】遠山 恒幸
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−254088(JP,A)
【文献】 実開平02−021298(JP,U)
【文献】 米国特許第04416578(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/06
E04H 6/18
E06B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車輌スペースが併設された機械式駐車場のピット前部間口にゲートを配置する機械式駐車場用引戸式ゲートであって、
前記ピット前部間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、
連基ピッチに合わせて、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、
一対の前記端部用ゲート支柱の間に配設して前記ゲートを移動させるレールと
を有し、
前記ゲートの枚数を、連基数に対応させ、
前記ゲートの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイドを設け、
前記端部用ゲート支柱には、一方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した端部用支柱ブラケットを設け、
前記中用ゲート支柱には、他方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した中用支柱ブラケットを設けたことを特徴とする機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項2】
前記端部用支柱ブラケット及び前記中用支柱ブラケットは、前記凹部ガイドを下面に形成して、前記凹部ガイドが前記先端ガイドの上端を上方からガイドし、
前記端部用支柱ブラケットを前記端部用ゲート支柱に対して着脱可能に設け、
前記中用支柱ブラケットを前記中用ゲート支柱に対して着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項3】
前記端部用支柱ブラケットは、前記端部用ゲート支柱の幅から突出せず、
前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態では、一方の前記先端ガイドは前記端部用ゲート支柱の前記幅内に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項4】
前記ゲートの一方の側部には、側方へ突出させた取手を設け、
前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態では、前記取手は前記端部用ゲート支柱の幅内に配置したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項5】
前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、
前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態で、前記ゲートの閉を検知する検知器を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項6】
前記機械式駐車場が昇降機構を有し、
前記検知器が前記ゲートの閉を検知しない状態では、前記昇降機構を動作させないことを特徴とする請求項5に記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項7】
前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、
前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態で、前記ゲートの閉を維持するロック装置を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項8】
前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、
前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ゲートの閉方向の移動を規制するストッパーを設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項9】
前記ゲートの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項10】
一方の前記端部用ゲート支柱の前面に、前記昇降機構の操作指示を行う操作盤を設けた
ことを特徴とする請求項6に記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項11】
前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、
前記端部用ゲート支柱の前記背面に、ピット奥行き方向での移動体を検知する光電センサーを配置し、
前記光電センサーが前記移動体を検知すると、前記昇降機構を動作させないことを特徴とする請求項6に記載の機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項12】
複数の車輌スペースが併設され、昇降機構を有する機械式駐車場のピット前部間口にゲートを配置する機械式駐車場用引戸式ゲートであって、
前記ピット前部間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、
連基ピッチに合わせて、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、
一対の前記端部用ゲート支柱の間に配設して前記ゲートを移動させるレールと
を有し、
前記ゲートの枚数を、連基数に対応させ、
前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、
前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態で、前記ゲートの閉を検知する検知器を設け、
前記端部用ゲート支柱の前面に、前記昇降機構の操作指示を行う操作盤を設け、
前記検知器が前記ゲートの閉を検知しない状態では、前記操作盤での操作にかかわらず前記昇降機構を動作させないことを特徴とする機械式駐車場用引戸式ゲート。
【請求項13】
間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、
一対の前記端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、
一対の前記端部用ゲート支柱の間に配設してゲートを移動させるレール
を有し、
前記ゲートの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイドを設け、
前記端部用ゲート支柱には、一方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した端部用支柱ブラケットを設け、
前記中用ゲート支柱には、他方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した中用支柱ブラケットを設けたことを特徴とする引戸式ゲート。
【請求項14】
前記端部用支柱ブラケット及び前記中用支柱ブラケットは、前記凹部ガイドを下面に形成して、前記凹部ガイドが前記先端ガイドの上端を上方からガイドし、
前記端部用支柱ブラケットを前記端部用ゲート支柱に対して着脱可能に設け、
前記中用支柱ブラケットを前記中用ゲート支柱に対して着脱可能に設けたことを特徴とする請求項13に記載の引戸式ゲート。
【請求項15】
前記端部用ゲート支柱の背面に、前記ゲートの閉方向の移動を規制するストッパーを設け、
前記ゲートの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材を設けたことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の引戸式ゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車場として利用される機械式駐車場用引戸式ゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
立体駐車場として利用される機械式駐車場では、昇降動作の操作中に機械式駐車場に子供が侵入すると危険である。
そのため、機械式駐車場の両側面と後面にはフェンスを設けているが、前面はチェーンを張っていることが多い。
チェーンでは、侵入防止機能が十分とは言えないため、門型の昇降式ゲート、多段伸縮型の引戸式ゲート、光電センサーによる侵入防止装置などが対応策として考えられる。
ところで、特許文献1では、左右の側壁体で形成される開口部の中間部に案内支柱を立設し、両側壁体間には、その開口部のほぼ半分の長さ寸法をそれぞれ有する二つの引戸が、前後平行にして配置されている。そして、二つの引戸が、各引戸を左右の側壁体側にそれぞれ寄って開口部の全体を閉鎖させる閉位置と、両方の引戸が一方の側壁体側に寄り、反対側の側壁体と案内支柱との間の開口部を開ける開位置とを移動可能とし、案内支柱の上方部には、二つの引戸上を架橋したほぼ水平な案内ビームが固設されている。そして、案内ビームに、二つの引戸の上縁部を添接して、二つの引戸の移動に伴って転動する複数のガイドローラが吊設されている。
特許文献1における引き違い式引戸門扉によれば、2台の自動車を収納可能とした車庫の門扉を安定に開閉することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−254088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、門型の昇降式ゲートでは、大きな柱が必要となるため十分なスペースが無くてはならない。また基礎の強度が要求される。更に、複数連基に渡ってゲートを開閉するため、入出庫を行わない箇所のゲートも開いてしまうという問題がある。
また、多段伸縮型の引戸式ゲートでは、縮めたゲートを配置するスペースが必要であり、入出庫に関係しないスペースを別途に確保する必要がある。
また、光電センサーによる侵入防止装置では、光電間の隙間を潜って侵入できてしまうという問題がある。
なお、特許文献1における引き違い式引戸門扉は、車庫の門扉を安定に開閉することができるとともに、2台の自動車について、それぞれ入出庫が可能であるが、機械式駐車場用では、限られた連基ピッチの中で、検知器やロック機構などをゲート支柱に設けなければならない。
【0005】
そこで本発明は、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態で、端部用ゲート支柱及び中用ゲート支柱に、ゲートが位置しない面ができ、このゲートが位置しない面を有効に利用できる機械式駐車場用引戸式ゲートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の機械式駐車場用引戸式ゲートは、複数の車輌スペースが併設された機械式駐車場のピット前部間口にゲートを配置する機械式駐車場用引戸式ゲートであって、前記ピット前部間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、連基ピッチに合わせて、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配設して前記ゲートを移動させるレールとを有し、前記ゲートの枚数を、連基数に対応させ、前記ゲートの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイドを設け、前記端部用ゲート支柱には、一方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した端部用支柱ブラケットを設け、前記中用ゲート支柱には、他方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した中用支柱ブラケットを設けたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記端部用支柱ブラケット及び前記中用支柱ブラケットは、前記凹部ガイドを下面に形成して、前記凹部ガイドが前記先端ガイドの上端を上方からガイドし、前記端部用支柱ブラケットを前記端部用ゲート支柱に対して着脱可能に設け、前記中用支柱ブラケットを前記中用ゲート支柱に対して着脱可能に設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記端部用支柱ブラケットは、前記端部用ゲート支柱の幅から突出せず、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態では、一方の前記先端ガイドは前記端部用ゲート支柱の前記幅内に配置したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記ゲートの一方の側部には、側方へ突出させた取手を設け、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態では、前記取手は前記端部用ゲート支柱の幅内に配置したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態で、前記ゲートの閉を検知する検知器を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記機械式駐車場が昇降機構を有し、前記検知器が前記ゲートの閉を検知しない状態では、前記昇降機構を動作させないことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態で、前記ゲートの閉を維持するロック装置を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ゲートの閉方向の移動を規制するストッパーを設けたことを特徴とする。
請求項9の本発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記ゲートの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材を設けたことを特徴とする。
請求項10の本発明は、請求項6に記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、一方の前記端部用ゲート支柱の前面に、前記昇降機構の操作指示を行う操作盤を設けたことを特徴とする。
請求項11の本発明は、請求項6に記載の機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、前記端部用ゲート支柱の前記背面に、ピット奥行き方向での移動体を検知する光電センサーを配置し、前記光電センサーが前記移動体を検知すると、前記昇降機構を動作させないことを特徴とする。
請求項12の本発明の機械式駐車場用引戸式ゲートは、複数の車輌スペースが併設され、昇降機構を有する機械式駐車場のピット前部間口にゲートを配置する機械式駐車場用引戸式ゲートであって、前記ピット前部間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、連基ピッチに合わせて、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配設して前記ゲートを移動させるレールとを有し、前記ゲートの枚数を、連基数に対応させ、前記レールを、一対の前記端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも前記車輌スペース側に設け、前記端部用ゲート支柱の前記背面に、前記ピット前部間口を前記ゲートにより閉じた状態で、前記ゲートの閉を検知する検知器を設け、前記端部用ゲート支柱の前面に、前記昇降機構の操作指示を行う操作盤を設け、前記検知器が前記ゲートの閉を検知しない状態では、前記操作盤での操作にかかわらず前記昇降機構を動作させないことを特徴とする。
請求項13の本発明の引戸式ゲートは、間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、一対の前記端部用ゲート支柱の間に配設してゲートを移動させるレールとを有し、前記ゲートの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイドを設け、前記端部用ゲート支柱には、一方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した端部用支柱ブラケットを設け、前記中用ゲート支柱には、他方の前記先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した中用支柱ブラケットを設けたことを特徴とする。
請求項14の本発明は、請求項13に記載の引戸式ゲートにおいて、前記端部用支柱ブラケット及び前記中用支柱ブラケットは、前記凹部ガイドを下面に形成して、前記凹部ガイドが前記先端ガイドの上端を上方からガイドし、前記端部用支柱ブラケットを前記端部用ゲート支柱に対して着脱可能に設け、前記中用支柱ブラケットを前記中用ゲート支柱に対して着脱可能に設けたことを特徴とする。
請求項15の本発明は、請求項13又は請求項14に記載の引戸式ゲートにおいて、前記端部用ゲート支柱の背面に、前記ゲートの閉方向の移動を規制するストッパーを設け、前記ゲートの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態で、端部用ゲート支柱及び中用ゲート支柱に、ゲートが位置しない面ができ、このゲートが位置しない面を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートの設置状態を示す機械式駐車場の正面図
図2】同機械式駐車場の側面図
図3】本実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートの透視正面図
図4図3のA1矢視図
図5図3のA2矢視図
図6】本実施例によるゲートを示す正面図
図7図6の一方のゲート側部を示す拡大正面図
図8図6の一方のゲート側部を示す左側面図
図9図6の他方のゲート側部を示す拡大正面図
図10図6の他方のゲート側部を示す右側面図
図11図3のB1矢視図
図12図3のB2矢視図
図13図3のB3矢視図
図14図3のA3矢視図
図15図3のA4矢視図
図16図3の要部背面図
図17図16の側面図
図18図16の要部拡大図
図19】本発明の他の実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートの透視正面図
図20図19のA1矢視図
図21図19のA2矢視図
図22図19のB1矢視図
図23図19のB2矢視図
図24図19のB3矢視図
図25図19のB4矢視図
図26図19のA3矢視図
図27図19のA4矢視図
図28図19の要部背面図
図29】同機械式駐車場用引戸式ゲートを設置する駐車場の平面図
図30】同機械式駐車場用引戸式ゲートの要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートは、ピット前部間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、連基ピッチに合わせて、一対の端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、一対の端部用ゲート支柱の間に配設してゲートを移動させるレールとを有し、ゲートの枚数を、連基数に対応させ、ゲートの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイドを設け、端部用ゲート支柱には、一方の先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した端部用支柱ブラケットを設け、中用ゲート支柱には、他方の先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した中用支柱ブラケットを設けたものである。本実施の形態によれば、側方へ突出させた先端ガイドをガイドすることで、ゲート側部と端部用ゲート支柱との重なり、及びゲート側部と中用ゲート支柱との重なりを少なくできる。従って、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態で、端部用ゲート支柱及び中用ゲート支柱には、ゲートが位置しない面ができ、このゲートが位置しない面を有効に利用できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、端部用支柱ブラケット及び中用支柱ブラケットは、凹部ガイドを下面に形成して、凹部ガイドが先端ガイドの上端を上方からガイドし、端部用支柱ブラケットを端部用ゲート支柱に対して着脱可能に設け、中用支柱ブラケットを中用ゲート支柱に対して着脱可能に設けたものである。本実施の形態によれば、先端ガイドを上方からガイドすることで、ゲートの転倒を防止できるとともに、ゲートをレール上に配置した状態で端部用支柱ブラケット及び中用支柱ブラケットを装着できるため、施工性に優れている。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、端部用支柱ブラケットは、端部用ゲート支柱の幅から突出せず、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態では、一方の先端ガイドは端部用ゲート支柱の幅内に配置したしたものである。本実施の形態によれば、連基ピッチを狭めることなく、限られた空間を有効に活用することができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、ゲートの一方の側部には、側方へ突出させた取手を設け、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態では、取手は端部用ゲート支柱の幅内に配置したものである。本実施の形態によれば、連基ピッチを狭めることなく、限られた空間を有効に活用することができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、レールを、一対の端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも車輌スペース側に設け、端部用ゲート支柱の背面に、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態で、ゲートの閉を検知する検知器を設けたものである。本実施の形態によれば、端部用ゲート支柱の背面に検知器を設けることができ、また検知器を設けることで、ゲートの開閉状態による制御が可能となる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第5の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、機械式駐車場が昇降機構を有し、検知器がゲートの閉を検知しない状態では、昇降機構を動作させないものである。本実施の形態によれば、ゲートが開いた状態では昇降機構を動作させないことで、安全性を高めることができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、レールを、一対の端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも車輌スペース側に設け、端部用ゲート支柱の背面に、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態で、ゲートの閉を維持するロック装置を設けたものである。本実施の形態によれば、端部用ゲート支柱の背面にロック装置を設けることができ、またロック装置を設けることで、ゲートの閉を維持でき、安全性を高めることができる。
【0016】
本発明の第8の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、レールを、一対の端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも車輌スペース側に設け、端部用ゲート支柱の背面に、ゲートの閉方向の移動を規制するストッパーを設けたものである。本実施の形態によれば、端部用ゲート支柱の背面にストッパーを設けることができ、またストッパーを設けることで、ゲートの外れや損傷を防止できる。
【0017】
本発明の第9の実施の形態は、第1から第8のいずれかの実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、ゲートの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材を設けたものである。本実施の形態によれば、ゲートの脱落やいたずらによるゲートの取り外しを防止できる。
【0018】
本発明の第10の実施の形態は、第6の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、一方の端部用ゲート支柱の前面に、昇降機構の操作指示を行う操作盤を設けたものである。本実施の形態によれば、ゲートの外から昇降機構の操作を行えるため安全性が高い。
【0019】
本発明の第11の実施の形態は、第6の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートにおいて、レールを、一対の端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも車輌スペース側に設け、端部用ゲート支柱の背面に、ピット奥行き方向での移動体を検知する光電センサーを配置し、光電センサーが移動体を検知すると、昇降機構を動作させないものである。本実施の形態によれば、端部用ゲート支柱の背面に光電センサーを設けることができ、また光電センサーを設けることで、安全性を高めることができる。
【0020】
本発明の第12の実施の形態による機械式駐車場用引戸式ゲートは、ピット前部間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、連基ピッチに合わせて、一対の端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、一対の端部用ゲート支柱の間に配設してゲートを移動させるレールとを有し、ゲートの枚数を、連基数に対応させ、レールを、一対の端部用ゲート支柱の背面を結ぶ仮想線よりも車輌スペース側に設け、端部用ゲート支柱の背面に、ピット前部間口をゲートにより閉じた状態で、ゲートの閉を検知する検知器を設け、
端部用ゲート支柱の前面に、昇降機構の操作指示を行う操作盤を設け、検知器がゲートの閉を検知しない状態では、操作盤での操作にかかわらず昇降機構を動作させないものである。本実施の形態によれば、ゲートが開いた状態では昇降機構を動作させないことで、安全性を高めることができる。
【0021】
本発明の第13の実施の形態による引戸式ゲートは、間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱と、一対の端部用ゲート支柱の間に配置する中用ゲート支柱と、一対の端部用ゲート支柱の間に配設してゲートを移動させるレールとを有し、ゲートの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイドを設け、端部用ゲート支柱には、一方の先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した端部用支柱ブラケットを設け、中用ゲート支柱には、他方の先端ガイドをガイドする凹部ガイドを形成した中用支柱ブラケットを設けたものである。本実施の形態によれば、側方へ突出させた先端ガイドをガイドすることで、ゲート側部と端部用ゲート支柱との重なり、及びゲート側部と中用ゲート支柱との重なりを少なくできる。従って、ゲートを閉じた状態で、端部用ゲート支柱及び中用ゲート支柱には、ゲートが位置しない面ができ、このゲートが位置しない面を有効に利用できる。
【0022】
本発明の第14の実施の形態は、第13の実施の形態による引戸式ゲートにおいて、端部用支柱ブラケット及び中用支柱ブラケットは、凹部ガイドを下面に形成して、凹部ガイドが先端ガイドの上端を上方からガイドし、端部用支柱ブラケットを端部用ゲート支柱に対して着脱可能に設け、中用支柱ブラケットを中用ゲート支柱に対して着脱可能に設けたものである。本実施の形態によれば、先端ガイドを上方からガイドすることで、ゲートの転倒を防止できるとともに、ゲートをレール上に配置した状態で端部用支柱ブラケット及び中用支柱ブラケットを装着できるため、施工性に優れている。
【0023】
本発明の第15の実施の形態は、第13又は第14の実施の形態による引戸式ゲートにおいて、端部用ゲート支柱の背面に、ゲートの閉方向の移動を規制するストッパーを設け、
ゲートの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材を設けたものである。本実施の形態によれば、ゲートの脱落やいたずらによるゲートの取り外しを防止できる。
【実施例】
【0024】
以下本発明の一実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートについて説明する。
図1は本実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートの設置状態を示す機械式駐車場の正面図、図2は同機械式駐車場の側面図である。
本実施例による機械式駐車場用引戸式ゲート20Aは、複数の車輌スペースが併設された機械式駐車場10のピット前部間口11にゲート21x、21yを配置する。
図では、連基ピッチP、ピット前部間口W、及びピット奥行Bの2連基の機械式駐車場10を示している。
ゲート21x、21yは、乗り込み面Hから所定高さの空間を覆うように配置される。
機械式駐車場10は、昇降機構12を有している。
【0025】
図3は本実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートの透視正面図、図4図3のA1矢視図、図5図3のA2矢視図である。
本実施例による機械式駐車場用引戸式ゲート20Aは、ピット前部間口Wの両側に配置する一対の端部用ゲート支柱22x、22yと、連基ピッチPに合わせて、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの間に配置する中用ゲート支柱23と、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの間に配設してゲート21x、21yを移動させるレール24とを有している。
レール24は、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの背面を結ぶ仮想線X−Xよりも車輌スペース側に設けている。
本実施例では、機械式駐車場10の連基数に対応させて、2枚のゲート21x、21yを設けている。
【0026】
図6は本実施例によるゲートを示す正面図、図7図6の一方のゲート側部を示す拡大正面図、図8図6の一方のゲート側部を示す左側面図、図9図6の他方のゲート側部を示す拡大正面図、図10図6の他方のゲート側部を示す右側面図である。
図6から図10では、ゲート21xを示す。なお、ゲート21yについても基本構成は同じである。
【0027】
ゲート21xの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイド31x、31yを設けている。
ゲート21xの側部下端には、側方へ突出させたゲート抜け止め材32x、32yを設けている。
ゲート21xは、上辺を形成する上フレーム33と、下辺を形成する下フレーム34と、一方のゲート側部を形成する側部フレーム35xと、他方のゲート側部を形成する側部フレーム35yとで枠を構成し、枠内には格子状の網材36を設けている。
先端ガイド31xは一方の側部フレーム35xの側部上端に設け、先端ガイド31yは他方の側部フレーム35yの側部上端に設けている。
ゲート抜け止め材32xは一方の側部フレーム35xの側部下端に設け、ゲート抜け止め材32yは他方の側部フレーム35yの側部下端に設けている。
【0028】
図7及び図9に示すように、先端ガイド31x、31yは、側部フレーム35x、35yへの取付面31aと、側方へ突出する突出片31bとでL字状に形成されている。
先端ガイド31x、31yは、突出片31bの上面が上フレーム33の上面と同じ高さとなるように取り付けている。
また、ゲート抜け止め材32x、32yは、側部フレーム35x、35yへの取付面32aと、側方へ突出する突出片32bとでL字状に形成されている。
【0029】
図8及び図10に示すように、ゲート抜け止め材32x、32yの突出片32bは、側部フレーム35x、35yの奥行き寸法を超えて突出している。
下フレーム34の両側部には、レール24に載置する車輪37x、37yを備えている。
ゲート21xの一方の側部、すなわち一方の側部フレーム35xの側面には、側方へ突出させた取手38を設けている。
また、ゲート21xの一方の側部、すなわち一方の側部フレーム35xの側面には、リミットストライカー41と、ロック部材51xとを設けている。
なお、ゲート21xの他方の側部、すなわち他方の側部フレーム35yの側面にも、ロック部材51yを設けることが好ましい。
【0030】
図11図3のB1矢視図、図12図3のB2矢視図、図13図3のB3矢視図である。
図11に示すように、一方の端部用ゲート支柱22xには端部用支柱ブラケット60xを設けている。
また、図12に示すように、他方の端部用ゲート支柱22yには端部用支柱ブラケット60yを設けている。
また、図13に示すように、中用ゲート支柱23には中用支柱ブラケット70を設けている。
【0031】
一方の端部用支柱ブラケット60xは、ゲート21xが閉状態でゲート21xの一方の先端ガイド31xをガイドし、ゲート21yが全開状態でゲート21yの他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド61xを形成している。
他方の端部用支柱ブラケット60yは、ゲート21yが閉状態でゲート21yの一方の先端ガイド31xをガイドし、ゲート21xが全開状態でゲート21xの他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド61yを形成している。
中用支柱ブラケット70は、ゲート21xが閉状態でゲート21xの他方の先端ガイド31yをガイドし、ゲート21yが閉状態でゲート21yの他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド71を形成している。
【0032】
凹部ガイド71は、ゲート21xが全開状態でゲート21xの一方の先端ガイド31xをガイドし、ゲート21yが全開状態でゲート21yの一方の先端ガイド31xをガイドする。
また、凹部ガイド71は、ゲート21x、21yの開閉動作中には、上フレーム33をガイドする。
図11から図13に示すように、端部用支柱ブラケット60x、60y、及び中用支柱ブラケット70は、凹部ガイド61x、61y、71を下面に形成して、凹部ガイド61x、61y、71が先端ガイド31x、31yの上端、すなわち上方から突出片31bの両側部をガイドしている。
【0033】
図14図3のA3矢視図であり、一部省略した拡大図である。
端部用支柱ブラケット60x、60yは、端部用ゲート支柱22x、22yの幅から突出せず、中用支柱ブラケット70は、中用ゲート支柱23の幅から突出させない。
本実施例では、端部用支柱ブラケット60x、60yの幅は、端部用ゲート支柱22x、22yの幅と同一とし、中用支柱ブラケット70の幅は、中用ゲート支柱23の幅と同一としている。
ゲート21xが閉状態では、ゲート21xの一方の先端ガイド31xは一方の端部用ゲート支柱22xの幅内に配置し、ゲート21yが閉状態では、ゲート21yの一方の先端ガイド31xは他方の端部用ゲート支柱22yの幅内に配置される。
【0034】
端部用支柱ブラケット60x、60yは、端部用ゲート支柱22x、22yに対して、上方からのボルト62の挿入により着脱可能に設けている。また、中用支柱ブラケット70は、中用ゲート支柱23に対して、上方からのボルト72の挿入により着脱可能に設けている。
【0035】
図15図3のA4矢視図であり、一部省略した拡大図である。
中用ゲート支柱23に対向した位置で、乗り込み面Hにはストッパースタンド81を設けている。レール24は、中用ゲート支柱23とストッパースタンド81との間に位置する。
図15に示すように、ゲート21x、21yが閉状態にあるときは、ゲート21xのゲート抜け止め材32yを構成する突出片32bはストッパースタンド81と近接又は当接し、ゲート21yのゲート抜け止め材32yを構成する突出片32bは中用ゲート支柱23の背面と近接又は当接する。
また、ゲート21xが全開状態にあるときは、ゲート21xのゲート抜け止め材32x
を構成する突出片32bがストッパースタンド81と近接又は当接する。
また、ゲート21yが全開状態にあるときは、ゲート21yのゲート抜け止め材32x
を構成する突出片32bが中用ゲート支柱23の背面と近接又は当接する。
従って、ゲート21x、21yの側部下端に、側方へ突出させたゲート抜け止め材32x、32yを設けることで、ゲート21x、21yの脱落やいたずらによるゲート21x、21yの取り外しを防止できる。
【0036】
図16図3の要部背面図、図17図16の側面図、図18図16の要部拡大図である。
図16に示すように、側方へ突出させた先端ガイド31xを端部用支柱ブラケット60xでガイドすることで、ゲート21xの側部と端部用ゲート支柱22xとの重なりを少なくできる。従って、ゲート21xを閉じた状態で、端部用ゲート支柱22xには、ゲート21xが位置しない面ができ、このゲート21xが位置しない面を有効に利用できる。
ゲート21xを閉じた状態では、取手38は、端部用ゲート支柱22xの幅内に配置される。本実施例によれば、連基ピッチPを狭めることなく、限られた空間を有効に活用することができる。
【0037】
端部用ゲート支柱22xの背面には、ゲート21xを閉じた状態で、ゲート21xの閉を検知する検知器40を設けている。本実施例では検知器40としてリミットスイッチを用い、リミットストライカー41が当接することでゲート21xの閉状態を検知する。本実施例によれば、端部用ゲート支柱22xの背面に検知器40を設けることができ、また検知器40を設けることで、ゲート21xの開閉状態による昇降機構12の制御が可能となる。
すなわち、検知器40がゲート21xの閉状態を検知しない状態では、昇降機構12を動作させないことで、安全性を高めることができる。
端部用ゲート支柱22xの背面には、ゲート21xを閉じた状態で、ゲート21xの閉状態を維持するロック装置50を設けている。
【0038】
図16及び図18に示すように、本実施例ではロック装置50として雌型のロック部材51xを用い、雄型のロック部材51xと嵌合させることでゲート21xの閉を維持でき、安全性を高めることができる。
また、図16及び図18に示すように、端部用ゲート支柱22xの背面に、ゲート21xの閉方向の移動を規制するストッパー52を設けている。本実施例では、ストッパー52として緩衝材を用いている。端部用ゲート支柱22xの背面にストッパー52を設けることで、ゲート21xの外れや損傷を防止できる。
なお、本実施例においては、保持部材53を、端部用ゲート支柱22xの背面から垂直方向に延出させ、この保持部材53に、ロック装置50とストッパー52を設けている。
【0039】
図17に示すように、一方の端部用ゲート支柱22xの前面に、昇降機構12の操作指示を行う操作盤80を設けている。本実施例によれば、ゲート21xの外から昇降機構12の操作を行えるため安全性が高い。
【0040】
以下本発明の他の実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートについて説明する。
図19は他の実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートの透視正面図、図20図19のA1矢視図、図21図19のA2矢視図である。
本実施例による機械式駐車場用引戸式ゲート20Bは、ピット前部間口Wの両側に配置する一対の端部用ゲート支柱22x、22yと、連基ピッチPに合わせて、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの間に配置する中用ゲート支柱23x、23yと、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの間に配設してゲート21x、21y、21zを移動させるレール24とを有している。
レール24は、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの背面を結ぶ仮想線X−Xよりも車輌スペース側に設けている。
本実施例では、機械式駐車場10の連基数を3つとした場合であり、3枚のゲート21x、21y、21zを設けている。
ゲート21zについては、図6から図10で説明したゲート21xと基本構成は同じであるので説明を省略する。
【0041】
図22図19のB1矢視図、図23図19のB2矢視図、図24図19のB3矢視図、図25図19のB4矢視図である。
図22に示すように、一方の端部用ゲート支柱22xには端部用支柱ブラケット60xを設けている。
また、図23に示すように、他方の端部用ゲート支柱22yには端部用支柱ブラケット60yを設けている。
また、図24に示すように、中用ゲート支柱23xには中用支柱ブラケット70xを設けている。
また、図25に示すように、中用ゲート支柱23yには中用支柱ブラケット70yを設けている。
【0042】
一方の端部用支柱ブラケット60xは、ゲート21xが閉状態でゲート21xの一方の先端ガイド31xをガイドし、ゲート21yが全開状態でゲート21yの他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド61xを形成している。
他方の端部用支柱ブラケット60yは、ゲート21zが閉状態でゲート21zの他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド61yを形成している。
中用支柱ブラケット70xは、ゲート21xが閉状態でゲート21xの他方の先端ガイド31yをガイドし、ゲート21yが閉状態でゲート21yの他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド71xを形成している。
凹部ガイド71xは、ゲート21xが全開状態でゲート21xの一方の先端ガイド31xをガイドし、ゲート21yが全開状態でゲート21yの一方の先端ガイド31xをガイドする。
また、凹部ガイド71xは、ゲート21x、21yの開閉動作中には、ゲート21x、21yの上フレーム33をガイドする。
【0043】
中用支柱ブラケット70yは、ゲート21yが閉状態でゲート21yの一方の先端ガイド31xをガイドし、ゲート21zが閉状態でゲート21zの一方の先端ガイド31xをガイドする凹部ガイド71yを形成している。
凹部ガイド71yは、ゲート21zが全開状態でゲート21zの他方の先端ガイド31yをガイドする。
また、凹部ガイド71yは、ゲート21zの開閉動作中には、ゲート21zの上フレーム33をガイドする。
図22から図25に示すように、端部用支柱ブラケット60x、60y、及び中用支柱ブラケット70x、70yは、凹部ガイド61x、61y、71x、71yを下面に形成して、凹部ガイド61x、61y、71x、71yが先端ガイド31x、31yの上端、すなわち上方から突出片31bの両側部をガイドしている。
【0044】
図26図19のA3矢視図であり、一部省略した拡大図である。
端部用支柱ブラケット60x、60yは、端部用ゲート支柱22x、22yの幅から突出せず、中用支柱ブラケット70x、70yは、中用ゲート支柱23x、23yの幅から突出させない。
本実施例では、端部用支柱ブラケット60x、60yの幅は、端部用ゲート支柱22x、22yの幅と同一とし、中用支柱ブラケット70x、70yの幅は、中用ゲート支柱23x、23yの幅と同一としている。
ゲート21xが閉状態では、ゲート21xの一方の先端ガイド31xは一方の端部用ゲート支柱22xの幅内に配置し、ゲート21zが閉状態では、ゲート21zの他方の先端ガイド31yは他方の端部用ゲート支柱22yの幅内に配置される。
端部用支柱ブラケット60x、60yは、端部用ゲート支柱22x、22yに対して、上方からのボルト62の挿入により着脱可能に設けている。また、中用支柱ブラケット70x、70yは、中用ゲート支柱23x、23yに対して、上方からのボルト72の挿入により着脱可能に設けている。
【0045】
図27図19のA4矢視図であり、一部省略した拡大図である。
中用ゲート支柱23x、23yに対向した位置で、乗り込み面Hにはストッパースタンド81x、81yを設けている。レール24は、中用ゲート支柱23x、23yとストッパースタンド81x、81yとの間に位置する。
【0046】
図27に示すように、ゲート21x、21yが閉状態にあるときは、ゲート21xのゲート抜け止め材32yを構成する突出片32bはストッパースタンド81xと近接又は当接し、ゲート21yのゲート抜け止め材32yを構成する突出片32bは中用ゲート支柱23xの背面と近接又は当接する。
また、ゲート21xが全開状態にあるときは、ゲート21xのゲート抜け止め材32x
を構成する突出片32bがストッパースタンド81xと近接又は当接する。
また、ゲート21yが全開状態にあるときは、ゲート21yのゲート抜け止め材32x
を構成する突出片32bが中用ゲート支柱23xの背面と近接又は当接する。
従って、ゲート21x、21yの側部下端に、側方へ突出させたゲート抜け止め材32x、32yを設けることで、ゲート21x、21yの脱落やいたずらによるゲート21x、21yの取り外しを防止できる。
【0047】
ゲート21y、21zが閉状態にあるときは、ゲート21zのゲート抜け止め材32xを構成する突出片32bはストッパースタンド81yと近接又は当接し、ゲート21yのゲート抜け止め材32xを構成する突出片32bは中用ゲート支柱23yの背面と近接又は当接する。
また、ゲート21zが全開状態にあるときは、ゲート21zのゲート抜け止め材32yを構成する突出片32bがストッパースタンド81yと近接又は当接する。
従って、21zの側部下端に、側方へ突出させたゲート抜け止め材32x、32yを設けることで、ゲート21zの脱落やいたずらによるゲート21zの取り外しを防止できる。
【0048】
図28図19の要部背面図である。
図28に示すように、ゲート21yの先端ガイド31xを中用支柱ブラケット70yでガイドすることで、ゲート21yの側部と中用ゲート支柱23yとの重なりを少なくできる。従って、ゲート21yを閉じた状態で、中用ゲート支柱23yには、ゲート21yが位置しない面ができ、このゲート21yが位置しない面を有効に利用できる。
ゲート21yを閉じた状態では、取手38は、中用ゲート支柱23yの幅内に配置される。本実施例によれば、連基ピッチPを狭めることなく、限られた空間を有効に活用することができる。
【0049】
中用ゲート支柱23yの背面には、ゲート21yを閉じた状態で、ゲート21yの閉を検知する検知器40を設けている。本実施例では検知器40としてリミットスイッチを用い、リミットストライカー41が当接することでゲート21yの閉状態を検知する。本実施例によれば、中用ゲート支柱23yの背面に検知器40を設けることができ、また検知器40を設けることで、ゲート21yの開閉状態による昇降機構12の制御が可能となる。
すなわち、検知器40がゲート21yの閉状態を検知しない状態では、昇降機構12を動作させないことで、安全性を高めることができる。
中用ゲート支柱23yの背面には、ゲート21yを閉じた状態で、ゲート21yの閉状態を維持するロック装置50を設けている。
本実施例ではロック装置50として雌型のロック部材51xを用い、雄型のロック部材51xと嵌合させることでゲート21yの閉を維持でき、安全性を高めることができる。
【0050】
また、中用ゲート支柱23yの背面に、ゲート21yの閉方向の移動を規制するストッパー52を設けている。本実施例では、ストッパー52として緩衝材を用いている。中用ゲート支柱23yの背面にストッパー52を設けることで、ゲート21yの外れや損傷を防止できる。
なお、本実施例においては、保持部材53を、中用ゲート支柱23yの背面から垂直方向に延出させ、この保持部材53に、ロック装置50とストッパー52を設けている。
【0051】
図22に示すように、一方の端部用ゲート支柱22xの前面に、昇降機構12の操作指示を行う操作盤80を設けている。本実施例によれば、ゲート21xの外から昇降機構12の操作を行えるため安全性が高い。
【0052】
図29及び図30に更に他の実施例による機械式駐車場用引戸式ゲートを示す。
図29は同機械式駐車場用引戸式ゲートを設置する駐車場の平面図、図30は同機械式駐車場用引戸式ゲートの要部側面図である。
本実施例では、2連基の機械式駐車場10Aと3連基の機械式駐車場10Bとが併設された駐車場を示している。
2連基の機械式駐車場10Aには、機械式駐車場用引戸式ゲート20Aを、3連基の機械式駐車場10Bには、機械式駐車場用引戸式ゲート20Bを設けている。
機械式駐車場用引戸式ゲート20Aは、一対の端部用ゲート支柱22Ax、22Ayを有し、機械式駐車場用引戸式ゲート20Bは、一対の端部用ゲート支柱22Bx、22Byを有している。
なお、機械式駐車場用引戸式ゲート20A及び機械式駐車場用引戸式ゲート20Bは、上記実施例で説明した構成と同一であるので説明を省略する。
【0053】
機械式駐車場10Bが隣接する機械式駐車場用引戸式ゲート20Aの端部用ゲート支柱22Ayに対応して、光電センサー用支柱90Aを設けている。すなわち、光電センサー用支柱90Aは、端部用ゲート支柱22Ayのピット奥行B方向に設けている。
また、機械式駐車場10Aが隣接する機械式駐車場用引戸式ゲート20Bの端部用ゲート支柱22Bxに対応して、光電センサー用支柱90Bを設けている。すなわち、光電センサー用支柱90Bは、端部用ゲート支柱22Bxのピット奥行B方向に設けている。
図30に示すように、端部用ゲート支柱22Ay、22Bxの背面には、光電センサー91の照射部を、光電センサー用支柱90A、90Bには、受光部92を設けている。
光電センサー91の照射部からの光が遮られることで、端部用ゲート支柱22Ayと光電センサー用支柱90Aとの間、又は端部用ゲート支柱22Bxと光電センサー用支柱90Bとの間に移動体が侵入したことを検知する。
【0054】
端部用ゲート支柱22Ayの背面に、ピット奥行き方向での移動体を検知する光電センサー91を配置し、端部用ゲート支柱22Ayの光電センサー91が移動体を検知すると、昇降機構12Aを動作させない。また、端部用ゲート支柱22Bxの背面に、ピット奥行き方向での移動体を検知する光電センサー91を配置し、端部用ゲート支柱22Bxの光電センサー91が移動体を検知すると、昇降機構12Bを動作させない。
本実施例によれば、端部用ゲート支柱22Ay、22Bxの背面に光電センサー91を設けることができ、また光電センサー91を設けることで、安全性を高めることができる。
【0055】
上記実施例では、機械式駐車場に設置する機械式駐車場用引戸式ゲートを説明したが、機械式駐車場以外にも適用することができる。
すなわち、間口を閉塞する引戸式ゲートとして適用することができる。
引戸式ゲートは、間口の両側に配置する一対の端部用ゲート支柱22x、22yと、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの間に配置する中用ゲート支柱23、23x、23yと、一対の端部用ゲート支柱22x、22yの間に配設してゲート21x、21y、21zを移動させるレール24とを有し、ゲート21x、21y、21zの側部上端には、側方へ突出させた先端ガイド31x,31yを設け、端部用ゲート支柱22x、22yには、一方の先端ガイド31x又は他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド61を形成した端部用支柱ブラケット60を設け、中用ゲート支柱23、23x、23yには、一方の先端ガイド31x又は他方の先端ガイド31yをガイドする凹部ガイド71を形成した中用支柱ブラケット70を設けることで、ゲート側部と端部用ゲート支柱21xとの重なり、及びゲート側部と中用ゲート支柱23、23x、23yとの重なりを少なくでき、ゲート21x、21y、21zを閉じた状態で、端部用ゲート支柱22x、22y及び中用ゲート支柱23、23x、23yには、ゲート21x、21y、21zが位置しない面ができ、このゲート21x、21y、21zが位置しない面を有効に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、機械式駐車場用引戸式ゲートの他、その他の引戸式ゲートにも適用できる。
【符号の説明】
【0057】
10 機械式駐車場
11 ピット前部間口
12 昇降機構
20A 機械式駐車場用引戸式ゲート
20B 機械式駐車場用引戸式ゲート
21x、21y、21z ゲート
22x、22y 端部用ゲート支柱
23、23x、23y 中用ゲート支柱
24 レール
31x、31y 先端ガイド
32x、32y ゲート抜け止め材
38 取手
40 検知器
50 ロック装置
52 ストッパー
60x、60y 端部用支柱ブラケット
61x、61y 凹部ガイド
70、70x、70y 中用支柱ブラケット
71、71x、71y 凹部ガイド
80 操作盤
81、81x、81y ストッパースタンド
90A、90B 光電センサー用支柱
91 光電センサー
92 受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図23
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図25
図26
図27
図28
図29
図30