【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術的な課題を解決するために、本発明は、
配管(1)、特に原動機付車両の配管のためのネジ接続装置であって、
内部空間(3)と内部空間(3)の周囲にわたり取囲んでいる雌ネジ(4)を備えた袋ナット(2)ならびに雄ネジ(6)を備えた接続要素を有するネジ接続装置において、
袋ナット(2)内
に、
配管(1)の配管端部(7)が収容されており、配管端部(7)が
長手方向軸線(L)に対してネジ接続部側にフランジ(8)を備えていること、
袋ナット(2)が、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたストッパ面(9)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された当接面(17)を備えていること、
配管(1)が上記ストッパ面(9)に対応する、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたフランジ(8)の傾斜面(10)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された周面を備えていること、
ネジ締めの際に、上記ストッパ面(9)と上記傾斜面(10)の間に挟み込まれる、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたストッパ部分(18)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された、上記当接面(17)と上記周面に挟み込まれる当接部分(19)を備えたバネ要素(11)が設けられていることを特徴とするネジ接続装置を教示する。
【0005】
冒頭に挙げたように、原動機付車両用配管は、本発明の範囲では、ブレーキオイルのための燃料パイプあるいは配管を指す。実用的な正面側の端部形状はフランジとして構成されているのが好ましい。フランジとは本発明の範囲では公知のものとしては、配管あるいは配管端部の外径の形状を指す。本発明の範囲では、配管あるいは原動機付車両用配管の端部形状あるいはフランジは、ネジ接続装置がネジ締めされた状態では、袋ナットの内部空間内に収容されている。
【0006】
本発明の範囲では、バネ要素は、ネジ接続装置がネジ締めされた状態では、袋ナットのストッパ面に、ならびに配管あるいは原動機付車両用配管の傾斜面に当接している。実用的には、袋ナットの雌ネジは、袋ナットの少なくとも正面側領域あるいはストッパ要素側の領域内に形成されている。
【0007】
本発明の範囲では、接続要素は、接続配管あるいは接続配管に接続しているか、あるいは接続配管を収容する接続装置である。本発明の好ましい実施形態によれば、接続要素は接続配管を収容している、雄ネジを備えたネジ式継手である。別の好ましい本発明による実施形態によれば、雄ネジは接続すべき配管あるいは接続配管に直接設けられている。さらに、袋ナットはいわば接続すべき配管あるいは接続配管上にネジ締めされる。本発明の範囲では、接続要素の雄ネジは、袋ナットに属している接続要素の正面端部に配置されている。
【0008】
実用的には、配管端部の
フランジは、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、接続面でもって接続要素の補完的接続面に当接している。
フランジの接続面は、配管の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されているのが得策である。その際に、接続面は円錐形あるいは丸みを付されて仕上げられていてもよい。接続要素の補完的接続面は、相応して同様に円錐形あるいは丸みを付されて形成されている。
【0009】
本発明の範囲では、袋ナットの内部空間のストッパ面は、ネジ締めの過程でバネ要素と接触し、バネ要素は
傾斜面と接触するので、バネ要素は、袋ナットのストッパ面と配管の
傾斜面の間の中間空間内で収納されるかあるいは挟み込まれる。実用的には、袋ナットのストッパ面は、内部空間の内周にわたり取囲む
さらに本発明の範囲では、バネ要素はネジ接続装置のネジ締め前に配管に配置されているか、あるいは配管の
フランジの背後に配置されている。実用的に、バネ要素はネジ締め前に配管上に差込まれ、従って配管により保持される。バネ要素あるいは配管上に差込まれたバネ要素は、配管の長手軸線方向に移動可能である。バネ要素はネジ締めの過程で、ストッパ面と
傾斜面の間の中間空間で収容した後、実用的には弾性的に変形されるのが好ましい。それにより、バネ要素は解除ねじりモーメントを上げる力を、袋ナットあるいは袋ナットの雌ネジに加える。本発明の特に推奨される実施形態によれば、バネ要素は金属からあるいは基本的には金属から、好ましくは鋼から、あるいは基本的に鋼から成る。
【0010】
本発明の範囲では、袋ナットのストッパ面は、配管の長手方向軸線Lあるいは袋ナットの長手方向軸線Lに対して斜めに配置されていること、および好ましくは袋ナットのストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと、あるいは袋ナットの長手方向軸線Lと、10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、実施の変形によれば35°〜45°の角度αをなしている。本発明の範囲では、先に挙げた角度指示は、ネジ接続装置がネジ締めされた状態に関連している。
【0011】
実用的に、バネ要素の袋ナット側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと、あるいは袋ナットの長手方向軸線Lに対して斜めに配置されており、および好ましくはバネ要素の袋ナット側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、極めて好ましくは35°〜45°の角度をなしている。さらにここでは本発明の範囲では、角度の指示は、ネジ接続装置のネジ締めされた状態に関連している。好ましくは、バネ要素の
フランジ側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されており、実用的にはこの
フランジ側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと10°〜170、α
2特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度をなしている。
【0012】
さらに本発明の範囲では、配管の
フランジの
傾斜面が、配管(1)の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されていること、およびこの
傾斜面(10)あるいは
傾斜面の相当するストッパ面が、配管(1)の長手方向軸線Lと10°〜170、特に20°〜60°、実用的には30°〜50°、極めて推奨的には35°〜45°の角度α
3をなしている。この角度指示も、実用的にはネジ接続装置のネジ締めされた状態に関連している。
【0013】
代替え的な実施形態は、袋ナットのストッパ面が、袋ナットのストッパ肩部の構成要素であること、およびストッパ面に、ストッパ面に対して曲げられた当接面が接続していること、好ましくは当接面が配管の長手方向軸線Lに対して、あるいは袋ナットの長手方向軸線に対して平行にあるいはほぼ平行に配置されている。本発明の範囲では、ストッパ面およびストッパ肩部の当接面は、10°〜170、特に20°〜60°、実用的には30°〜50°、極めて推奨的には35°〜45°の角度α
4をなしている。
【0014】
推奨的に、バネ要素はストッパ部分を備えており、このストッパ部分には袋ナット側のストッパ面とバネ要素の
フランジ側のストッパ面が設けられている。さらにバネ要素はストッパ部分に対して曲げられた当接部分を備えており、好ましくは当接部分は配管の長手方向軸線Lに対して、あるいは袋ナットの長手方向軸線Lに対して平行にあるいはほぼ平行に配置されている。バネ要素のストッパ部分は、ストッパ部分に対して曲げられた当接部分と10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度α
5をなしている。本発明の範囲では、バネ要素の当接部分は、ネジ接続装置のネジ締めされた状態で、一方ではストッパ肩部の当接面に、他方では配管に当接している。
【0015】
本発明の別の代替え的な特別な実施形態は、バネ要素が、袋ナットのストッパ面と
フランジの端部形状背面部の間にだけ、あるいはほぼ間にだけ配置されていることを特徴とする。この実施形態において、バネ要素は、いわば先に説明した本発明の第一の代替え的な実施形態のストッパ部分からのみ成る。
【0016】
本発明の範囲では、配管が袋ナットの中央開口部を占めており、袋ナットのストッパ面は中央開口部(20)に隣接しているか、あるいは接続している。その際に、中央開口部は袋ナットのストッパ面に直接接続しているか、あるいは前述の当接面のストッパ肩部の中間位置の下方でストッパ面に接続している。
【0017】
本発明の特に推奨的な実施形態は、バネ要素の
フランジ側のストッパ面が、コーティング部によりわずかな摩擦係数μを備えていることを特徴とする。実用的に、配管の所属する
傾斜面、あるいは配管の
傾斜面のストッパ面もコーティング部によりわずかな摩擦係数μを備えている。
【0018】
本発明の根底をなす認識は、本発明によるネジ接続装置により、配管を高い圧下にある液体の媒体により簡単でかつコストを安く互いに接続することができることである。本発明によるバネ要素の実現により、雌ネジと割当てられた接触領域の間の簡単でかつ適切な摩擦力の調節あるいは最適化が可能になる。バネ要素の形状により、バネ要素と
フランジあるいはフランジの間の接触面の大きさ、およびバネ要素と袋ナットあるいはその大きさの間の接触面の大きさは、簡単な方法で確定することができる。本発明によるネジ接続装置の最初のネジ締め部は、わずかな摩擦力とわずかなねじり力で接続されている。ネジ締めされた状態で、摩擦力とねじり力は増す。接続部あるいはネジ接続部の不慮の緩みあるいは不慮の弛緩は十分防ぐことができる。ネジ接続部の緩みを防ぐねじりモーメントは、ネジの接続部をねじる際、あるいは開放する際にもわずかな程度だけ一定であるのが有利である。その理由は、バネ要素がさらに相応する力を袋ナットに及ぼし、従って袋ナットの雌ネジにも影響を及ぼすことにある。それに対して、ネジ接続部の簡単で意図的な緩みあるいは弛緩が可能である。
【0019】
本発明を図に基づいて詳細に説明する。