特許第6282083号(P6282083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6282083配管、特に原動機付車両の配管のためのネジ接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282083
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】配管、特に原動機付車両の配管のためのネジ接続装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 19/025 20060101AFI20180208BHJP
   F02M 55/02 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   F16L19/025
   F02M55/02 330C
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-232767(P2013-232767)
(22)【出願日】2013年11月11日
(65)【公開番号】特開2014-95472(P2014-95472A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】20 2012 104 347.5
(32)【優先日】2012年11月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504117534
【氏名又は名称】テーイー・アウトモティーフェ(ハイデルベルク)ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ウエナル・オエツベンリカン
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・フィードラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・シュターン
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−180875(JP,A)
【文献】 特開平10−103189(JP,A)
【文献】 実開昭48−099913(JP,U)
【文献】 米国特許第05332267(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/025
F02M 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管(1)、特に原動機付車両の配管のためのネジ接続装置であって、
内部空間(3)と内部空間(3)の周囲にわたり取囲んでいる雌ネジ(4)を備えた袋ナット(2)ならびに雄ネジ(6)を備えた接続要素を有するネジ接続装置において、
袋ナット(2)内配管(1)の配管端部(7)が収容されており、配管端部(7)が長手方向軸線(L)に対してネジ接続部側にフランジ(8)を備えていること、
袋ナット(2)が、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたストッパ面(9)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された当接面(17)を備えていること、
配管(1)が上記ストッパ面(9)に対応する、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたフランジ(8)の傾斜面(10)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された周面を備えていること、
ネジ締めの際に、上記ストッパ面(9)と上記傾斜面(10)の間に挟み込まれる、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたストッパ部分(18)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された、上記当接面(17)と上記周面に挟み込まれる当接部分(19)を備えたバネ要素(11)が設けられていることを特徴とするネジ接続装置。
【請求項2】
接続要素が、接続配管(5)あるいは接続配管(5)に接続しているか、あるいは接続配管(5)を収容する接続装置であることを特徴とする請求項1記載のネジ接続装置。
【請求項3】
配管端部(7)のフランジ(8)が、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、接続面(12)でもって接続要素の補完的接続面(13)に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載のネジ接続装置。
【請求項4】
袋ナット(2)のストッパ面(9)が、ネジ締めの過程でバネ要素(11)と接触し、バネ要素(11)が、上記傾斜面(10)と接触するので、バネ要素(11)が、ストッパ面(9)と上記傾斜面(10)の間の中間空間内で収納されるかあるいは挟み込まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項5】
バネ要素(11)がネジ締めの過程で変形されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項6】
バネ要素(11)が金属から、好ましくは鋼から成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項7】
袋ナット(2)のストッパ面(9)が、配管(1)の長手方向軸線(L)と、10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度αをなしていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項8】
袋ナット側のバネ要素(11)のストッパ面(14)が、配管(1)の長手方向軸線(L)と10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、推奨的には35°〜45°の角度αをなしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項9】
バネ要素(11)のフランジ側のストッパ面(15)が、配管(1)の長手方向軸線(L)と10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度αをなしていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項10】
配管(1)の上記傾斜面(10)が、配管(1)の長手方向軸線(L)と10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度αをなしていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項11】
配管(1)が袋ナット(2)の中央開口部(20)を占めていること、および袋ナット(2)のストッパ面(9)が中央開口部(20)に隣接しているか、あるいは接続していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【請求項12】
バネ要素(11)のフランジ側のストッパ面(15)が、コーティング部(21)により摩擦係数μを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載のネジ接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管、特に原動機付車両の配管のためのネジ接続装置に関する。本発明の範囲では、少なくとも1つの配管あるいは原動機付車両の配管が、別の配管あるいは接続管もしくは接続集合体と接続している。原動機付車両の配管は、本発明の範囲では、燃料パイプあるいはブレーキオイル用の配管を指す。
【背景技術】
【0002】
先に挙げた様式のネジ接続装置は、実践から異なる実施形態において公知である。これら公知のネジ接続装置の多くは、短所的には短所では弛緩トルク(Lockerungsdrehmoment)あるいは緩みトルク(Loesedrehmoment)がわずかであること、ならびに緩み回転角(Loesedrehwinkel)あるいは弛緩回転角(Lockerungsdrehwinkel)が小さすぎることを特徴とする。これらのネジ接続装置をネジ締めする際に、特に配管は一緒に回転し、配管のねじれにより弾力はほとんど配管内に蓄積される。配管のねじれにより、望ましくないあるいは制御されないネジ接続装置の弛緩あるいは緩みとなる恐れがある復元モーメントが生じる。望ましくないネジ接続装置の弛緩あるいは緩みは、それらが何度も原動機付車両で発生するように、特に振動によっても生じる。接続装置のこのような弛緩あるいは緩みは、極めて不都合な弛緩を生む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それに対して本発明の根底をなす課題は、ネジ接続部の不都合な弛緩あるいは緩みを効果的でかつ絶対安全な方法で防止できる冒頭で挙げた様式のネジ接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術的な課題を解決するために、本発明は、
配管(1)、特に原動機付車両の配管のためのネジ接続装置であって、
内部空間(3)と内部空間(3)の周囲にわたり取囲んでいる雌ネジ(4)を備えた袋ナット(2)ならびに雄ネジ(6)を備えた接続要素を有するネジ接続装置において、
袋ナット(2)内配管(1)の配管端部(7)が収容されており、配管端部(7)が長手方向軸線(L)に対してネジ接続部側にフランジ(8)を備えていること、
袋ナット(2)が、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたストッパ面(9)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された当接面(17)を備えていること、
配管(1)が上記ストッパ面(9)に対応する、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたフランジ(8)の傾斜面(10)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された周面を備えていること、
ネジ締めの際に、上記ストッパ面(9)と上記傾斜面(10)の間に挟み込まれる、長手方向軸線(L)に対して斜めに配置されたストッパ部分(18)と、それに接続して長手方向軸線(L)に対して平行に配置された、上記当接面(17)と上記周面に挟み込まれる当接部分(19)を備えたバネ要素(11)が設けられていることを特徴とするネジ接続装置を教示する。
【0005】
冒頭に挙げたように、原動機付車両用配管は、本発明の範囲では、ブレーキオイルのための燃料パイプあるいは配管を指す。実用的な正面側の端部形状はフランジとして構成されているのが好ましい。フランジとは本発明の範囲では公知のものとしては、配管あるいは配管端部の外径の形状を指す。本発明の範囲では、配管あるいは原動機付車両用配管の端部形状あるいはフランジは、ネジ接続装置がネジ締めされた状態では、袋ナットの内部空間内に収容されている。
【0006】
本発明の範囲では、バネ要素は、ネジ接続装置がネジ締めされた状態では、袋ナットのストッパ面に、ならびに配管あるいは原動機付車両用配管の傾斜面に当接している。実用的には、袋ナットの雌ネジは、袋ナットの少なくとも正面側領域あるいはストッパ要素側の領域内に形成されている。
【0007】
本発明の範囲では、接続要素は、接続配管あるいは接続配管に接続しているか、あるいは接続配管を収容する接続装置である。本発明の好ましい実施形態によれば、接続要素は接続配管を収容している、雄ネジを備えたネジ式継手である。別の好ましい本発明による実施形態によれば、雄ネジは接続すべき配管あるいは接続配管に直接設けられている。さらに、袋ナットはいわば接続すべき配管あるいは接続配管上にネジ締めされる。本発明の範囲では、接続要素の雄ネジは、袋ナットに属している接続要素の正面端部に配置されている。
【0008】
実用的には、配管端部のフランジは、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、接続面でもって接続要素の補完的接続面に当接している。フランジの接続面は、配管の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されているのが得策である。その際に、接続面は円錐形あるいは丸みを付されて仕上げられていてもよい。接続要素の補完的接続面は、相応して同様に円錐形あるいは丸みを付されて形成されている。
【0009】
本発明の範囲では、袋ナットの内部空間のストッパ面は、ネジ締めの過程でバネ要素と接触し、バネ要素は傾斜面と接触するので、バネ要素は、袋ナットのストッパ面と配管の傾斜面の間の中間空間内で収納されるかあるいは挟み込まれる。実用的には、袋ナットのストッパ面は、内部空間の内周にわたり取囲む
さらに本発明の範囲では、バネ要素はネジ接続装置のネジ締め前に配管に配置されているか、あるいは配管のフランジの背後に配置されている。実用的に、バネ要素はネジ締め前に配管上に差込まれ、従って配管により保持される。バネ要素あるいは配管上に差込まれたバネ要素は、配管の長手軸線方向に移動可能である。バネ要素はネジ締めの過程で、ストッパ面と傾斜面の間の中間空間で収容した後、実用的には弾性的に変形されるのが好ましい。それにより、バネ要素は解除ねじりモーメントを上げる力を、袋ナットあるいは袋ナットの雌ネジに加える。本発明の特に推奨される実施形態によれば、バネ要素は金属からあるいは基本的には金属から、好ましくは鋼から、あるいは基本的に鋼から成る。
【0010】
本発明の範囲では、袋ナットのストッパ面は、配管の長手方向軸線Lあるいは袋ナットの長手方向軸線Lに対して斜めに配置されていること、および好ましくは袋ナットのストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと、あるいは袋ナットの長手方向軸線Lと、10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、実施の変形によれば35°〜45°の角度αをなしている。本発明の範囲では、先に挙げた角度指示は、ネジ接続装置がネジ締めされた状態に関連している。
【0011】
実用的に、バネ要素の袋ナット側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと、あるいは袋ナットの長手方向軸線Lに対して斜めに配置されており、および好ましくはバネ要素の袋ナット側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、極めて好ましくは35°〜45°の角度をなしている。さらにここでは本発明の範囲では、角度の指示は、ネジ接続装置のネジ締めされた状態に関連している。好ましくは、バネ要素のフランジ側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されており、実用的にはこのフランジ側のストッパ面は、配管の長手方向軸線Lと10°〜170、α特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度をなしている。
【0012】
さらに本発明の範囲では、配管のフランジ傾斜面が、配管(1)の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されていること、およびこの傾斜面(10)あるいは傾斜面の相当するストッパ面が、配管(1)の長手方向軸線Lと10°〜170、特に20°〜60°、実用的には30°〜50°、極めて推奨的には35°〜45°の角度αをなしている。この角度指示も、実用的にはネジ接続装置のネジ締めされた状態に関連している。
【0013】
代替え的な実施形態は、袋ナットのストッパ面が、袋ナットのストッパ肩部の構成要素であること、およびストッパ面に、ストッパ面に対して曲げられた当接面が接続していること、好ましくは当接面が配管の長手方向軸線Lに対して、あるいは袋ナットの長手方向軸線に対して平行にあるいはほぼ平行に配置されている。本発明の範囲では、ストッパ面およびストッパ肩部の当接面は、10°〜170、特に20°〜60°、実用的には30°〜50°、極めて推奨的には35°〜45°の角度αをなしている。
【0014】
推奨的に、バネ要素はストッパ部分を備えており、このストッパ部分には袋ナット側のストッパ面とバネ要素のフランジ側のストッパ面が設けられている。さらにバネ要素はストッパ部分に対して曲げられた当接部分を備えており、好ましくは当接部分は配管の長手方向軸線Lに対して、あるいは袋ナットの長手方向軸線Lに対して平行にあるいはほぼ平行に配置されている。バネ要素のストッパ部分は、ストッパ部分に対して曲げられた当接部分と10°〜170、特に20°〜60°、好ましくは30°〜50°、特に好ましくは35°〜45°の角度αをなしている。本発明の範囲では、バネ要素の当接部分は、ネジ接続装置のネジ締めされた状態で、一方ではストッパ肩部の当接面に、他方では配管に当接している。
【0015】
本発明の別の代替え的な特別な実施形態は、バネ要素が、袋ナットのストッパ面とフランジの端部形状背面部の間にだけ、あるいはほぼ間にだけ配置されていることを特徴とする。この実施形態において、バネ要素は、いわば先に説明した本発明の第一の代替え的な実施形態のストッパ部分からのみ成る。
【0016】
本発明の範囲では、配管が袋ナットの中央開口部を占めており、袋ナットのストッパ面は中央開口部(20)に隣接しているか、あるいは接続している。その際に、中央開口部は袋ナットのストッパ面に直接接続しているか、あるいは前述の当接面のストッパ肩部の中間位置の下方でストッパ面に接続している。
【0017】
本発明の特に推奨的な実施形態は、バネ要素のフランジ側のストッパ面が、コーティング部によりわずかな摩擦係数μを備えていることを特徴とする。実用的に、配管の所属する傾斜面、あるいは配管の傾斜面のストッパ面もコーティング部によりわずかな摩擦係数μを備えている。
【0018】
本発明の根底をなす認識は、本発明によるネジ接続装置により、配管を高い圧下にある液体の媒体により簡単でかつコストを安く互いに接続することができることである。本発明によるバネ要素の実現により、雌ネジと割当てられた接触領域の間の簡単でかつ適切な摩擦力の調節あるいは最適化が可能になる。バネ要素の形状により、バネ要素とフランジあるいはフランジの間の接触面の大きさ、およびバネ要素と袋ナットあるいはその大きさの間の接触面の大きさは、簡単な方法で確定することができる。本発明によるネジ接続装置の最初のネジ締め部は、わずかな摩擦力とわずかなねじり力で接続されている。ネジ締めされた状態で、摩擦力とねじり力は増す。接続部あるいはネジ接続部の不慮の緩みあるいは不慮の弛緩は十分防ぐことができる。ネジ接続部の緩みを防ぐねじりモーメントは、ネジの接続部をねじる際、あるいは開放する際にもわずかな程度だけ一定であるのが有利である。その理由は、バネ要素がさらに相応する力を袋ナットに及ぼし、従って袋ナットの雌ネジにも影響を及ぼすことにある。それに対して、ネジ接続部の簡単で意図的な緩みあるいは弛緩が可能である。
【0019】
本発明を図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるネジ接続装置の第一の実施形態のまだネジ締めしていない状態の断面図である。
図2】一部がネジ締めされている状態の、図1による対象物を示す図である。
図3】完全にネジ締めされている状態の、図1による対象物を示す図である。
図4】第二の実施形態の、図1による対象物を示す図である。
図5】第二の実施形態の、図2による対象物を示す図である。
図6】本発明の第二の実施形態の、図3による対象物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
図にはすべて、配管1のための、特に原動機付車両のための本発明によるネジ接続装置が示してある。ネジ接続装置は、内部空間3とこの内部空間3の周囲にわたって取囲んでいる雌ネジ4を備えた袋ナット2を備えている。そのほかさらにネジ接続装置は、接続要素を備え、この接続要素は実施例では接続配管5として構成されており、かつ雄ネジ6を備えている。ネジ接続装置のネジ締めされた状態(図3および6)において、雄ネジ6は袋ナット2の雌ネジ4内に係合している。
【0022】
袋ナット2内に、あるいは袋ナット2の内部空間内に、配管1の配管端部7が収容されており、この配管端部7は、正面側のフランジ8を備えている。すなわち、接続要素あるいは配管5の雄ネジ6と、袋ナット2の雌ネジ4をネジ締めする際に、袋ナット2の内部空間3内に配置された背面側のストッパ面9が、フランジ8のフランジ背面10の方向に動かされるか、あるいは逆にフランジ背面10は袋ナット2のストッパ面9の方向に動かされる(図2および5)。本発明によれば、袋ナット2のストッパ面9とフランジ8のフランジ背面10の間には、配管1の周囲にわたり取囲んでいるバネ要素11が配置されている。実用的に、かつ実施形態において(図1および4)、バネ要素11は、まだ尚ネジ接続装置がネジ締めされていない状態で配管1に配置されているか、あるいは配管1上に差込まれている(aufschieben)。
【0023】
ネジ接続装置の別のネジ締めの過程において、袋ナット2のストッパ面9はバネ要素11と接触するか、あるいはバネ要素11がフランジ背面10と接触するので、バネ要素11はストッパ面8とフランジ背面10の間の中間空間にほとんど挟み込まれる。好ましくはかつ実施形態では、バネ要素は圧縮される。本発明の範囲において、バネ要素11は金属から、好ましくは鋼から成る。
【0024】
ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、実用的に配管端部のフランジ8は、ストッパ面12でもって接続配管5の補完的接続面13に密着する。好ましくはかつ実施形態では、フランジ8の接続面12も、接続配管5の補完的接続面13も円錐形に構成されている。
【0025】
推奨的にかつ実施形態では、袋ナット2のストッパ面9は、配管1の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されている。好ましくはかつ実施形態では、袋ナット2のストッパ面9は、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、配管1の長手方向軸線Lと35°〜45°の角度αを、特には40°の角度αを成している。バネ要素11の袋ナット側のストッパ面14は、配管1の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されているのが有利であり、かつ推奨的には袋ナット側のストッパ面14は、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、配管1の長手方向軸線Lと同様に35°〜45°の角度αを、特には40°の角度αを成している。バネ要素11のフランジ側のストッパ面15も配管1の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されており、このフランジ側のストッパ面15が、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、配管1の長手方向軸線Lと35°〜45°の角度αを、特には40°の角度αを成しているのが推奨的である。さらに、配管1のフランジ8のフランジ背面10が、配管1の長手方向軸線Lに対して斜めに配置されており、フランジ背面10が、ネジ接続装置がネジ締めされた状態で、配管1の長手方向軸線Lと35°〜45°の角度αを、特には40°の角度αを成しているのが好ましい。
【0026】
図1と3には、本発明によるネジ接続装置の第一の実施例が示してある。この実施形態において、袋ナット2のストッパ面9は、袋ナット2のストッパ肩部16の構成要素であり、ストッパ面9にはここではストッパ面9に対して曲げられた当接面17が接続している。好ましくはかつ実施例では、当接面17は配管1の長手方向軸線Lに対して平行に配置されている。推奨的にかつ実施形態では、ストッパ面9と当接面17は、35°〜45°の角度αを、特には40°の角度αを成している。この実施形態において、バネ要素11は実用的にはストッパ部分18を備えており、このストッパ部分には、袋ナット側のストッパ面14とフランジ側のストッパ面15が設けられている。さらにバネ要素11は、ストッパ部分18に対して曲げられた当接部分19を備えており、この当接部分は好ましくはかつ実施例では、配管1の長手方向軸線Lに対して平行に配置されている。ここではバネ要素11の当接部分18は、当接部分19と好ましくは35°〜45°の角度αを、特には40の角度αを成している。当接部分19は、一方では当接肩部16の当接面17に溶接しており、他方では配管1に当接している。図1と3からは、当接肩部16が、袋ナット2の配管1により占められた開口部20に直接接続していることが見て取れる。
【0027】
図4〜6には、本発明によるネジ接続装置の第二の好ましい実施形態が示してある。ここではバネ要素11が図1〜3による実施例よりも短く構成されており、バネ要素11は単に袋ナット2のストッパ面9とフランジ8の傾斜面10の間に配置されているにすぎない。バネ要素11は、ここではほとんど本発明の前述した第一の実施形態のストッパ面18に相当しているにすぎない。実用的にかつ実施形態では、ストッパ面9はこの実施形態においては配管1により占められた、袋ナット2の中央開口部20に直接している。
【0028】
これらの図において、バネ要素11の少なくともストッパ面15はコーティング部21とわずかな摩擦係数μを有している。それにより、不都合なねじれ力の発生を阻止することができ、ネジ接続の部の不慮の緩みを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0029】
1 配管
2 袋ナット
3 内部空間
4 雌ネジ
6 雄ネジ
7 配管端部
フランジ
9 ストッパ面
10 傾斜面
12 接続面
13 補完的接続面
14 ストッパ面
15 ストッパ面
16 ストッパ肩部
17 当接面
18 ストッパ部分
19 当接部分
20 中央開口部
21 コーティング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6