特許 6282101 遊技機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6282101

(24)【登録日】2018年2月2日

(45)【発行日】2018年2月21日

(54)【発明の名称】遊技機

(51)【国際特許分類】

   A63F 7/02 20060101AFI20180208BHJP

【ＦＩ】

   A63F7/02 320

【請求項の数】1

【全頁数】49

(21)【出願番号】特願2013-254580(P2013-254580)

(22)【出願日】2013年12月9日

(65)【公開番号】特開2015-112166(P2015-112166A)

(43)【公開日】2015年6月22日

【審査請求日】2016年9月14日

(73)【特許権者】

【識別番号】000154679

【氏名又は名称】株式会社平和

(74)【代理人】

【識別番号】100131303

【弁理士】

【氏名又は名称】吉村 徳人

(74)【代理人】

【識別番号】100070183

【弁理士】

【氏名又は名称】吉村 公一

(72)【発明者】

【氏名】酒井 大介

【審査官】 土屋 保光

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０００−０００３５５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００９−０７２３９５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１２−１７９１７５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−２０５０７７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１３−０５２１７６（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ６３Ｆ ７／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

所定領域を通過する遊技球を検出する第１検出手段と、
第１入球口へ入球した遊技球を検出する第２検出手段と、
第２入球口へ入球した遊技球を検出する第３検出手段と、
前記第１入球口への遊技球の入球が困難となる第１状態と遊技球の入球が容易となる第２状態とに変位することが可能な第１開閉手段と、
前記第２入球口への遊技球の入球が困難となる第１状態と遊技球の入球が容易となる第２状態とに変位することが可能な第２開閉手段と、
前記第１検出手段による遊技球の検出に応じて、前記第１開閉手段が第１状態から第２状態に変位される第１入球口開放遊技状態を生起させるか否かを決定する第１抽選を実行する第１抽選手段と、
第１抽選が実行された場合に、当該第１抽選の結果を報知する第１報知表示と、当該第１抽選に当選した場合には第１入球口開放遊技状態と、を含む第１遊技を実行する第１遊技制御手段と、
前記第２検出手段による遊技球の検出に応じて、前記第２開閉手段が第１状態から第２状態に変位される第２入球口開放遊技状態を生起させるか否かを決定する第２抽選を実行する第２抽選手段と、
第２抽選が実行された場合に、当該第２抽選の結果を報知する第２報知表示と、当該第２抽選に当選した場合には第２入球口開放遊技状態と、を含む第２遊技を実行する第２遊技制御手段と、
前記第３検出手段による遊技球の検出に応じて、賞球の払い出しを実行する賞球払出制御手段と、
第１報知表示の態様として第１態様が選択された場合に、所定演出を実行し、第１報知表示の態様として第２態様が選択された場合に、所定演出を実行しない報知演出制御手段と、
客待ち演出を実行する客待ち演出制御手段と、を備える遊技機であって、
前記客待ち演出制御手段は、
第１遊技又は第２遊技が終了されてから所定時間が経過するまでに第１遊技又は第２遊技が開始されない場合に、客待ち演出を開始する客待ち演出開始手段と、
客待ち演出の実行中に第２遊技が開始される場合に、当該客待ち演出を終了する客待ち演出終了手段と、を有し、
前記客待ち演出終了手段は、客待ち演出の実行中に第１態様の第１報知表示が開始される場合に、当該客待ち演出を終了し、客待ち演出の実行中に第２態様の第１報知表示が開始される場合に、当該客待ち演出を終了しないことを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、遊技が実行されていない際に客待ち演出を実行する遊技機に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、遊技が実行されていない際に客待ち演出を実行する遊技機が知られている（特許文献１参照）。
この遊技機では、始動口への遊技球の入球に応じて大当たりを生起させるか否かを決定する大当たり抽選を実行する主制御部と、画像表示装置における表示を制御する演出制御部と、を備えている。
主制御部は、始動口への遊技球の入球に応じて、判定用情報（乱数値）を取得し、取得した判定用情報に基づいて大当たりを生起させるか否かを判定する。そして、大当たり抽選が実行された場合には、特別図柄表示部において、特別図柄の変動表示が行われた後に、当該大当たり抽選の結果に応じた態様により特別図柄の停止表示が行われる。また、主制御部は、特別図柄の変動表示中に始動口への遊技球の入球があった場合には、規定数を上限として、取得した判定用情報をＲＡＭの判定用情報記憶領域に記憶する。
演出制御部は、判定用情報記憶領域に記憶されている判定用情報の数が「０」になってから所定時間が経過した場合に、客待ち演出を開始する。客待ち演出では、画像表示装置において、遊技客を勧誘するデモ画像が表示される。また、演出制御部は、客待ち演出の実行中において特別図柄の変動表示が開始された場合には、客待ち演出を終了する。
特に、この遊技機では、客待ち演出の実行中には普図演出を実行しないことによって、普図演出により客待ち演出が妨げられることを防止している。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１２−１７９１７３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、従来の遊技機では、演出効果が低下する恐れがある。
すなわち、従来の遊技機では、客待ち演出の実行中には普図演出が実行されないため、客待ち演出によって普図演出が妨げられ、普図演出の演出効果が低下する恐れがある。
本発明の課題は、遊技に係る演出効果の低下を抑制しつつ、客待ち演出を適切に実行することである。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記目的を達成するために、第一の発明に係る遊技機は、所定領域を通過する遊技球を検出する第１検出手段と、第１入球口へ入球した遊技球を検出する第２検出手段と、第２入球口へ入球した遊技球を検出する第３検出手段と、前記第１入球口への遊技球の入球が困難となる第１状態と遊技球の入球が容易となる第２状態とに変位することが可能な第１開閉手段と、前記第２入球口への遊技球の入球が困難となる第１状態と遊技球の入球が容易となる第２状態とに変位することが可能な第２開閉手段と、前記第１検出手段による遊技球の検出に応じて、前記第１開閉手段が第１状態から第２状態に変位される第１入球口開放遊技状態を生起させるか否かを決定する第１抽選を実行する第１抽選手段と、第１抽選が実行された場合に、当該第１抽選の結果を報知する第１報知表示と、当該第１抽選に当選した場合には第１入球口開放遊技状態と、を含む第１遊技を実行する第１遊技制御手段と、前記第２検出手段による遊技球の検出に応じて、前記第２開閉手段が第１状態から第２状態に変位される第２入球口開放遊技状態を生起させるか否かを決定する第２抽選を実行する第２抽選手段と、第２抽選が実行された場合に、当該第２抽選の結果を報知する第２報知表示と、当該第２抽選に当選した場合には第２入球口開放遊技状態と、を含む第２遊技を実行する第２遊技制御手段と、前記第３検出手段による遊技球の検出に応じて、賞球の払い出しを実行する賞球払出制御手段と、第１報知表示の態様として第１態様が選択された場合に、所定演出を実行し、第１報知表示の態様として第２態様が選択された場合に、所定演出を実行しない報知演出制御手段と、客待ち演出を実行する客待ち演出制御手段と、を備える遊技機であって、前記客待ち演出制御手段は、第１遊技又は第２遊技が終了されてから所定時間が経過するまでに第１遊技又は第２遊技が開始されない場合に、客待ち演出を開始する客待ち演出開始手段と、客待ち演出の実行中に第２遊技が開始される場合に、当該客待ち演出を終了する客待ち演出終了手段と、を有し、前記客待ち演出終了手段は、客待ち演出の実行中に第１態様の第１報知表示が開始される場合に、当該客待ち演出を終了し、客待ち演出の実行中に第２態様の第１報知表示が開始される場合に、当該客待ち演出を終了しないことを特徴とする。

【0006】

第一の発明に係る遊技機では、第１遊技又は第２遊技が終了された後、第１遊技及び第２遊技が開始されることなく所定時間が経過した場合に、客待ち演出が開始される。そして、開始された客待ち演出は、所定終了条件が成立した場合に終了される。特に、第１報知表示の態様として第１態様が選択された場合に、所定演出が実行される。そして、客待ち演出の実行中に第１態様の第１報知表示が開始される場合に、当該客待ち演出が終了される。
これによって、客待ち演出の実行中に所定演出が開始される場合には、実行中の客待ち演出が終了された後に、第１抽選の結果を報知する報知表示及び所定演出が開始される。したがって、客待ち演出によって第１抽選の結果を報知する報知表示及び所定演出が妨げられることが防止され、第１遊技に係る演出効果の低下を抑制することができる。
また、客待ち演出の開始条件に係る所定時間の計測を開始する契機に第１遊技の終了が含まれているため、第１遊技の開始に基づいて客待ち演出が終了された場合に、当該第１遊技が終了された後に第１遊技又は第２遊技が開始されないときには、所定時間の経過に応じて再び客待ち演出が開始される。したがって、第１遊技の開始に基づいて客待ち演出が終了された場合に、その後、客待ち演出を適切な時機に開始することができる。
以上のように、第一の発明に係る遊技機によれば、第１遊技に係る演出効果の低下を抑制しつつ、客待ち演出を適切に実行することが可能となる。

【0007】

ここで、所定領域としては、後述する始動ゲート４１が該当する。第１検出手段としては、後述する普図始動球検知センサ１０４が該当する。第１入球口としては、後述する第２始動口５２が該当する。第２検出手段としては、後述する特図２始動球検知センサ１０２が該当する。第２入球口としては、後述する大入賞口５３，５４が該当する。第３検出手段としては、後述する大入賞球検知センサ１０３，１０５が該当する。第１開閉手段としては、後述する始動口開閉部材５２ａが該当する。第２開閉手段としては、後述する大入賞口開閉部材５３ａ，５４ａが該当する。第１入球口開放遊技状態としては、後述する普図当たり遊技状態が該当する。第１抽選としては、後述する普通図柄抽選が該当する。第１抽選手段としては、後述する主制御装置２００（ステップＳ１８２、Ｓ１９４）が該当する。第１遊技としては、後述する普通図柄遊技が該当する。第１遊技制御手段としては、後述する主制御装置２００（ステップＳ３９、Ｓ４０、Ｓ４１）が該当する。第２入球口開放遊技状態としては、後述する大当たり遊技状態が該当する。第２抽選としては、後述する特別図柄抽選が該当する。第２抽選手段としては、後述する主制御装置２００（ステップＳ１０２、Ｓ１０７、Ｓ１１４）が該当する。第２遊技としては、後述する特別図柄遊技が該当する。賞球払出制御手段としては、後述する払出制御装置４００が該当する。客待ち演出制御手段としては、後述する演出制御装置３００（ステップＳ３０４）が該当する。所定時間としては、後述する所定停止時間が該当する。客待ち演出開始手段としては、後述する演出制御装置３００（ステップＳ３３４）が該当する。客待ち演出終了手段としては、後述する演出制御装置３００（ステップＳ３１２、Ｓ３２２）が該当する。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、遊技に係る演出効果の低下を抑制しつつ、客待ち演出を適切に実行することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。

【図2】遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。

【図3】パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。

【図4】各種抽選における当たりの種類を示す図である。

【図5】主制御装置から演出制御装置に対して送信される制御コマンドを説明する図である。

【図6】主制御装置が実行するメインループ処理を示すフローチャートである。

【図7】主制御装置が実行するシリアル通信受信割込み処理を示すフローチャートである。

【図8】主制御装置が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。

【図9】特図乱数記憶処理を示すフローチャートである。

【図10】特図変動処理を示すフローチャートである。

【図11】特図停止処理を示すフローチャートである。

【図12】大当たり遊技処理を示すフローチャートである。

【図13】普図乱数記憶処理を示すフローチャートである。

【図14】普図変動処理を示すフローチャートである。

【図15】普図停止処理を示すフローチャートである。

【図16】普図当たり遊技処理を示すフローチャートである。

【図17】客待ち設定処理を示すフローチャートである。

【図18】演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。

【図19】特図報知演出管理処理を示すフローチャートである。

【図20】普図報知演出管理処理を示すフローチャートである。

【図21】客待ち演出管理処理を示すフローチャートである。

【図22】画像表示装置の表示領域において行われる特図演出図柄の報知表示及び普図演出図柄の報知表示の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機１に適用している。

【0013】

（パチンコ機１の全体構成）
まず、パチンコ機１の全体構成を説明する。
図１は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図１に示すパチンコ機１は、矩形状の外枠２と、外枠２の前側に配設された内枠３と、内枠３の前側に配設された扉ユニット４と、を備えている。
内枠３は、矩形状に形成され、外枠２に対して開閉することが可能となるように配設されている。内枠３の内側には、遊技盤１０（図２参照）が取り付けられている。
扉ユニット４は、略方形の扉状に形成され、外枠２に対して開閉することが可能となるように配設されている。これによって、扉ユニット４は、内枠３に取り付けられた遊技盤１０の正面側を開閉することが可能となっている。扉ユニット４は、略中央部に配設された透明板４ａと、透明板４ａの周囲に配設された装飾部４ｂと、透明板４ａの下側に配設された受皿ユニット５と、受皿ユニット５の側方に配設された発射ハンドル６と、を備えている。
透明板４ａは、樹脂、ガラス等の透明な材料により平板状に形成され、内枠３に取り付けられた遊技盤１０の正面側に配設される。これによって、遊技者は、透明板４ａを介して、遊技盤１０を視認することが可能となっている。装飾部４ｂは、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部４ｂの上側の各角部には、その内部に音発生装置（スピーカ）２２（図３参照）が配設された音抜部４ｃが設けられている。各音抜部４ｃには、音発生装置２２が出力する音声を通過させる複数の音抜孔が設けられている。また、装飾部４ｂには、複数のランプ２１（図３参照）が配設されている。

【0014】

受皿ユニット５は、遊技球（貸球及び賞球）を受ける受皿５ａと、受皿５ａの前側に配設された演出ボタン５ｂ及び回転型セレクター５ｃと、を有している。
演出ボタン５ｂは、略円柱状に形成され、受皿ユニット５から上方に向かって突出するように配設されている。演出ボタン５ｂは、遊技者による押下操作（下方に向かって押し込む操作）が可能となっている。受皿ユニット５の内部には、演出ボタン５ｂの押下操作を検出する第１操作検出スイッチ２４（図３参照）が配設されている。第１操作検出スイッチ２４は、演出ボタン５ｂが押下操作されるごとに、第１操作信号を演出制御装置３００（図３参照）に対して出力する。
回転型セレクター５ｃ（いわゆる「ジョグダイヤル」）は、略円筒状に形成され、演出ボタン５ｃの周囲を囲むように配設されている。回転型セレクター５ｃは、遊技者による回転操作（円筒軸を中心に回転させる操作）が可能となっている。受皿ユニット５の内部には、回転型セレクター５ｃの回転操作を検出する第２操作検出スイッチ２５（図３参照）が配設されている。第２操作検出スイッチ２５は、回転型セレクター５ｃが所定角度（例えば、６０［°］）回転操作されるごとに、第２操作信号を演出制御装置３００に対して出力する。

【0015】

また、受皿ユニット５の上面には、貸出操作部７が配設されている。貸出操作部７は、球貸ボタン７ａと、返却ボタン７ｂと、度数表示装置７ｃと、を有している。ここで、パチンコ機１は、プリペイドカードに記録されている情報の読出し及び更新を行うことが可能なＣＲユニット５００（図３参照）と通信可能に接続されている。そして、プリペイドカード（図示せず）がＣＲユニット５００に挿入されると、ＣＲユニット５００に挿入されたプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が度数表示装置７ｃに表示される。そして、プリペイドカードがＣＲユニット５００に挿入されている状態で球貸ボタン７ａが操作されると、所定数の遊技球が受皿５ａに払い出される。この際、払い出された遊技球の数に応じてプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が更新されて、更新された有価媒体の残存度数が度数表示装置７ｃに表示される。また、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードがＣＲユニット５００に挿入されている状態で返却ボタン７ｂが操作されると、ＣＲユニット５００からプリペイドカードが返却される。
ここで、プリペイドカートとしては、例えば、磁気記憶媒体、記憶ＩＣ内蔵媒体等が該当する。
発射ハンドル６は、遊技者による回転操作が可能となっている。そして、発射ハンドル６は、回転操作されたことに応じて、この回転操作量に応じた抵抗値を払出制御装置４００（図３参照）に対して出力する。

【0016】

（遊技盤１０の構成）
次に、遊技盤１０の構成を説明する。
図２は、遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図２に示すように、遊技盤１０の略中央部には、演出画像を表示することが可能な画像表示装置２０が設けられている。遊技盤１０の正面には、発射ハンドル６が操作されることに応じて打ち出された遊技球が流下する遊技領域３０が形成されている。
画像表示装置２０は、例えば、液晶ディスプレイ、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。そして、画像表示装置２０の表示領域２１には、特図演出図柄ｚ１（図２２参照）が表示される３つの特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３（図２２参照）を構成することが可能となっている。また、画像表示装置２０の表示領域２１には、普図演出図柄ｘ１（図２２参照）が表示される２つの普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２（図２２参照）を構成することが可能となっている。
また、画像表示装置２０の左方には、図柄表示装置２３が設けられている。図柄表示装置２３は、例えば、ＬＥＤ等によって構成される。そして、図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ４には、特図演出図柄ｚ２（図示せず）が表示される。本実施形態では、図柄表示装置２３（特図演出図柄表示領域ａ４）は、フルカラーＬＥＤ等によって構成される。

【0017】

各特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３では、特図演出図柄ｚ１の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。各特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３で表示される特図演出図柄ｚ１は、数字、文字、記号、キャラクター等の識別情報（図柄）を含んで構成されている。本実施形態では、特図演出図柄ｚ１として、数字（「１」〜「８」のうちいずれか一つ）を含んで構成された「数字図柄」と、文字を含んで構成された「ボーナス図柄」と、を有している。
特図演出図柄表示領域ａ４では、特図演出図柄ｚ２の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。本実施形態では、特図演出図柄表示領域ａ４で表示される特図演出図柄ｚ２は、カラーバーから構成されている。
特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示とは、各特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３において、特図演出図柄ｚ１が移動（抽選結果表示位置に表示される演出図柄ｚ１の種類が順次変更）され、かつ、特図演出図柄表示領域ａ４において、表示されている特図演出図柄ｚ２の種類（カラーバーが表す色）が順次変更される表示をいう。一方、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の停止表示とは、各特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３の抽選結果表示位置において、一の種類の特図演出図柄ｚ１が停止され、かつ、特図演出図柄表示領域ａ４において、一の種類の特図演出図柄ｚ２が停止される（カラーバーが所定の色を表示する）表示をいう。
そして、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４では、４つの領域ａ１〜ａ４において停止表示された特図演出図柄ｚ１，ｚ２の組み合わせによって、特別図柄抽選（第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選）の結果が表示される。

【0018】

各普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２では、普図演出図柄ｘ１の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。各普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２で表示される普図演出図柄ｘ１は、数字、文字、記号等の識別情報（図柄）を含んで構成されている。本実施形態では、普図演出図柄ｚ１として、記号（「○」又は「×」）を含んで構成された図柄を有している。
普図演出図柄ｘ１の変動表示とは、各普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、表示されている普図演出図柄ｘ１の種類が順次変更される表示をいう。一方、普図演出図柄ｘ１の停止表示とは、各普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、一の種類の普図演出図柄ｘ１が停止される表示をいう。
そして、普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２では、２つの領域ｂ１，ｂ２において停止表示された普図演出図柄ｘ１の組み合わせによって、普通図柄抽選の結果が表示される。

【0019】

画像表示装置２０の右方には、始動ゲート４１が設けられている。始動ゲート４１は、常時、遊技球による通過が可能となるように形成されている。始動ゲート４１には、普図始動球検知センサ１０４（図３参照）が配設されている。普図始動球検知センサ１０４は、遊技球による始動ゲート４１の通過の検出に応じて、検出信号を主制御装置２００（図３参照）に対して出力する。主制御装置２００は、普図始動球検知センサ１０４からの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
画像表示装置２０の下方には、第１始動口５１が設けられている。第１始動口５１は、上向きに開口した入球口（いわゆる「ヘソ」）であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。第１始動口５１内には、特図１始動球検知センサ１０１（図３参照）が配設されている。特図１始動球検知センサ１０１は、第１始動口５１への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置２００に対して出力する。主制御装置２００は、特図１始動球検知センサ１０１からの検出信号の入力に応じて、第１特別図柄抽選を実行する。

【0020】

第１始動口５１の下方には、第２始動口５２が設けられている。第２始動口５２には、第２始動口５２への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能な始動口開閉部材５２ａ（いわゆる「電動チューリップ」）が設けられている。始動口開閉部材５２ａは、始動口ソレノイド６４（図３参照）によって開閉される。第２始動口５２は、通常時は、始動口開閉部材５２ａが閉止状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、普通図柄抽選に当選した場合に、始動口開閉部材５２ａが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。第２始動口５２内には、特図２始動球検知センサ１０２（図３参照）が配設されている。特図２始動球検知センサ１０２は、第２始動口５２への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置２００に対して出力する。主制御装置２００は、特図２始動球検知センサ１０２からの検出信号の入力に応じて、第２特別図柄抽選を実行する。

【0021】

画像表示装置２０の右方には、第１大入賞口５３が設けられている。第１大入賞口５３には、大入賞口５３への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能な第１大入賞口開閉部材５３ａ（いわゆる「アタッカー」）が設けられている。
第１大入賞口開閉部材５３ａは、第１大入賞口ソレノイド６５（図３参照）によって開閉される。第１大入賞口５３は、通常時は、第１大入賞口開閉部材５３ａが閉止状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選に当選して、所定の大当たり遊技状態が生起された場合に、第１大入賞口開閉部材５３ａが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。第１大入賞口５３内には、第１大入賞球検知センサ１０３（図３参照）が配設されている。第１大入賞球検知センサ１０３は、第１大入賞口５３への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置２００に対して出力する。主制御装置２００は、第１大入賞球検知センサ１０３からの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置４４０（図３参照）による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を実行する。

【0022】

また、第１大入賞口５３には、入球した遊技球を誘導する誘導路５３ｂが接続されている。誘導路５３ｂは、画像表示装置２０の外縁に沿って、画像表示装置２０の右方から下方まで延びている。具体的には、誘導路５３ｂは、その一方側の端部が、画像表示装置２０の右方に配設された第１大入賞口５３に連通され、その他方側の端部が、画像表示装置２０の下方に設けられた排出孔５３ｃに連通されている。そして、誘導路５３ｂは、第１大入賞口５３に入球した遊技球を、排出孔５３ｃに誘導する。また、誘導路５３ｂは、誘導路５３ｂ内を通過する遊技球を遊技盤１０の正面側から視認することが可能となるように、透明な材料により形成されている。
排出孔５３ｃには、排出検知センサ１０６（図３参照）が配設されている。排出検知センサ１０６は、遊技球による排出孔５３ｃの通過の検出に応じて、検出信号を演出制御装置３００に対して出力する。演出制御装置３００は、排出検知センサ１０６からの検出信号の入力に応じて、所定の演出を実行する。なお、排出孔５３ｃを通過した遊技球は、始動口５１，５２、第２大入賞口５４、アウト口５５等に入球した遊技球と同様に、遊技盤１０の背面側に排出される。

【0023】

第１大入賞口５３の下方には、第２大入賞口５４が設けられている。第２大入賞口５４には、第２大入賞口５４への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能な第２大入賞口開閉部材５４ａ（いわゆる「アタッカー」）が設けられている。
第２大入賞口開閉部材５４ａは、第２大入賞口ソレノイド６６（図３参照）によって開閉される。第２大入賞口５４は、通常時は、第２大入賞口開閉部材５４ａが閉止状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選に当選して、所定の大当たり遊技状態が生起された場合に、第２大入賞口開閉部材５４ａが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。第２大入賞口５４内には、第２大入賞球検知センサ１０５（図３参照）が配設されている。第２大入賞球検知センサ１０５は、第２大入賞口５４への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御装置２００に対して出力する。主制御装置２００は、第２大入賞球検知センサ１０５からの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置４４０による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を実行する。

【0024】

遊技領域３０における第２始動口５２の下方には、いずれの入球口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口５５が設けられている。なお、遊技領域３０には、各入球口５１，５２，５３，５４やゲート４１に遊技球を導くように複数の釘（図示せず）が配置されている。
第２大入賞口５４の下方には、状態表示装置６３が設けられている。状態表示装置６３は、ＬＥＤ等によって構成されている。状態表示装置６３には、第１特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数（いわゆる「保留数」）、第２特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数、普通図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数、大当たり遊技状態の種類（ラウンド遊技の実行回数）等が表示される。

【0025】

状態表示装置６３の下方には、普図表示装置６０、特図１表示装置６１及び特図２表示装置６２が設けられている。各表示装置６０，６１，６２は、７セグメントＬＥＤ、ドットマトリクスＬＥＤ等によって構成されている。
普図表示装置６０は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普図表示装置６０では、停止表示された普通図柄によって、普通図柄抽選の結果が表示される。ここで、普図表示装置６０に停止表示された普通図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である普図当たり遊技状態が生起される。
ここで、普図表示装置６０における普通図柄の表示と、普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２における普図演出図柄ｘ１の表示とは、変動表示が開始される時期、変動表示が終了して停止表示が行われる時期及び停止表示された図柄が示す抽選結果のそれぞれについて対応付けられている。
特図１表示装置６１は、数字や図柄等からなる第１特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特図１表示装置６１では、停止表示された第１特別図柄によって、第１特別図柄抽選の結果が表示される。特図２表示装置６２は、数字や図柄等からなる第２特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特図２表示装置６２では、停止表示された第２特別図柄によって、第２特別図柄抽選の結果が表示される。
ここで、特図表示装置６１，６２における特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の表示と、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４における特図演出図柄ｚ１，ｚ２の表示とは、変動表示が開始される時期、変動表示が終了して停止表示が行われる時期及び停止表示された図柄が示す抽選結果のそれぞれについて対応付けられている。
そして、特図１表示装置６１に停止表示された第１特別図柄が特定の図柄となった場合又は特図２表示装置６２において停止表示された第２特別図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である大当たり遊技状態が生起される。

【0026】

（制御系の構成）
次に、パチンコ機１における制御系の構成を説明する。
図３は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図３に示すように、パチンコ機１は、主制御装置２００と、演出制御装置（サブ制御装置）３００と、払出制御装置４００と、各制御装置２００，３００，４００に電源（電力）を供給する電源装置６００と、を備えている。
各制御装置２００，３００，４００は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）と、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータを格納するＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）と、ＣＰＵがＲＯＭに格納されているプログラムに基づく処理を進行するために使用される一時記憶領域となるＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）と、を備えるマイクロコンピュータである。

【0027】

主制御装置２００は、ＣＰＵ２１０と、ＲＯＭ２２０と、ＲＡＭ２３０と、入力ポート２４０と、出力ポート２５０と、周波数発生回路２６０と、ハード乱数発生回路２７０と、を備える。
入力ポート２４０は、各検知センサ１０１〜１０５から入力された検出信号及び払出制御装置４００から入力された制御コマンドのそれぞれを、ＣＰＵ２１０に対して出力する。出力ポート２５０は、演出制御装置３００及び払出制御装置４００のそれぞれに対して制御コマンドを出力するとともに、各表示装置６０〜６３及び各ソレノイド６４〜６６に対して制御信号を出力する。また、出力ポート２５０は、パチンコ機１の賞球の払い出しに関する情報やエラー信号をホールコンピュータ（図示せず）に対して出力する。
ＲＯＭ２２０には、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータが格納されている。特に、ＲＯＭ２２０には、遊技の進行に必要なデータとして、各種抽選を実行するための判定テーブル、演出制御装置３００を制御するために必要な各種制御コマンドが格納されている。

【0028】

ＲＡＭ２３０には、主制御装置２００における入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタ等の各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。特に、ＲＡＭ２３０は、特図１始動球検知センサ１０１、特図２始動球検知センサ１０２及び普図始動球検知センサ１０４のそれぞれからの検出信号の入力を契機として取得される始動情報（遊技情報）を記憶することが可能な始動情報記憶領域が設けられている。ここで、始動情報とは、各検出信号の入力を契機として取得された各種乱数値等の情報をいう。
ここで、パチンコ機１は、電源装置６００による電源の供給が遮断された際に主制御装置２００に対して電源を供給することが可能なバックアップ電源回路（図示せず）を備えている。これにより、ＲＡＭ２３０は、電源装置６００による電源の供給時には、この電源に基づいて記憶された情報を保持することができ、電源装置６００による電源の供給の遮断時には、バックアップ電源回路から供給される電源に基づいて記憶された情報を保持（保存）することができる。

【0029】

周波数発生回路２６０は、クロック（同期信号）を発生させて、このクロックをＣＰＵ２１０及びハード乱数発生回路２７０のそれぞれに対して出力する。ハード乱数発生回路２７０は、普通図柄抽選の当たり乱数、第１特別図柄抽選の当たり乱数及び第２特別図柄抽選の当たり乱数のそれぞれを発生させる。ハード乱数発生回路２７０は、周波数発生回路２６０から１クロックが入力されるごと（例えば、０．００５［ｓ］ごと）に、ループカウンタの値を所定の範囲内（例えば、０〜６５５３５の範囲内）において１ずつ更新することによって、当たり乱数を発生させる。なお、ループカウンタは、普通図柄抽選、第１特別図柄抽選及び第２特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。

【0030】

演出制御装置３００は、主制御装置２００から受信した制御コマンドに基づいて、画像表示装置２０における演出画像（特図演出図柄ｚ１、普図演出図柄ｘ１，客待ち演出画像ｗ等）の表示、図柄表示装置２３における特図演出図柄ｚ２の表示、ランプ２１の点灯・点滅及び音発生装置２２による音の出力のそれぞれを制御する。
演出制御装置３００のＲＯＭには、演出の進行に係るプログラム、演出の進行に必要なデータが格納されている。演出制御装置３００のＲＡＭには、主制御装置２００から受信した制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
演出制御装置３００のＣＰＵは、主制御装置２００から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出内容を決定する。そして、決定した演出内容に係る演出プログラムにしたがって、画像データ、ランプ制御データ及び音制御データを読み出して、読み出した制御データを画像表示装置２０、図柄表示装置２３、ランプ２１及び音発生装置２２のそれぞれに対して出力する。
また、演出制御装置３００のＣＰＵは、演出ボタン５ｂを用いた演出内容が決定された場合には、第１操作検出スイッチ２４からの第１操作信号の入力の有無を監視し、第１操作信号の入力の有無に応じた制御データを読み出して、読み出した制御データを画像表示装置２０、ランプ２１及び音発生装置２２のそれぞれに対して出力する。さらに、演出制御装置３００のＣＰＵは、回転型セレクター５ｃを用いた演出内容が決定された場合には、第２操作検出スイッチ２５からの第２操作信号の入力の有無を監視し、第２操作信号の入力の有無に応じた制御データを読み出して、読み出した制御データを画像表示装置２０、ランプ２１及び音発生装置２２のそれぞれに対して出力する。
さらに、演出制御装置３００のＣＰＵは、所定の演出内容が決定された場合には、排出検知センサ１０６からの検出信号の入力の有無を監視し、排出検知センサ１０６からの検出信号の入力の有無に応じた制御データを読み出して、読み出した制御データを画像表示装置２０、ランプ２１及び音発生装置２２のそれぞれに対して出力する。

【0031】

払出制御装置４００は、発射ハンドル６が備える発射ボリューム（図示せず）から入力された信号に基づいて、遊技球発射装置４２３による遊技球の発射動作を制御する。
具体的には、払出制御装置４００には、発射ボリューム及び遊技球発射装置４２３が接続されている。発射ボリュームは、発射ハンドル６が回転操作されると、この回転操作量に応じた信号を払出制御装置４００に対して出力する。そして、払出制御装置４００は、発射ボリュームから入力された信号に応じた強さで遊技球を遊技領域３０に発射するように、遊技球発射装置４２３による遊技球の発射動作を制御する。
また、払出制御装置４００は、主制御装置２００から受信した制御コマンド及びＣＲユニット５００から受信した球貸指示信号のそれぞれに基づいて、遊技球払出装置４４０による遊技球払出動作を制御する。
具体的には、払出制御装置４００には、遊技球払出装置４４０が接続されている。遊技球払出装置４４０は、遊技球を受皿５ａに払い出す遊技球払出動作を実行する。
そして、払出制御装置４００は、主制御装置２００から受信した制御コマンドに基づいて、遊技球払出装置４４０による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。

【0032】

また、払出制御装置４００には、接続基板４１０を介して、球貸スイッチ４０１、返却スイッチ４０２、度数表示装置７ｃ及びＣＲユニット５００のそれぞれが接続されている。
球貸スイッチ４０１は、球貸ボタン７ａが操作されたことに応じて、球貸操作信号を、接続基板４１０を経由してＣＲユニット５００に対して送信する。
ＣＲユニット５００は、球貸スイッチ４０１から球貸操作信号を受信すると、挿入されているプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数から所定数の貸球を払い出すために必要な度数を減算して、プリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新するとともに、所定数の遊技球の払い出しを指示する球貸指示信号を、接続基板４１０を経由して払出制御装置４００に対して送信する。
そして、払出制御装置４００は、ＣＲユニット５００から受信した球貸指示信号に基づいて、遊技球払出装置４４０による貸球の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。具体的には、ＣＲユニット５００から球貸指示信号を受信するごとに、所定数（例えば、２５個）の遊技球の払い出しに係る遊技球払出動作を制御する。

【0033】

また、ＣＲユニット５００は、プリペイドカートが挿入されたとき及びプリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新したときのそれぞれにおいて、有価媒体の残存度数を示す度数信号を、接続基板４１０を経由して度数表示装置７ｃに送信する。そして、度数表示装置７ｃは、度数信号を受信すると、この度数信号が示す有価媒体の残存度数を表示する。
返却スイッチ４０２は、返却ボタン７ｂが操作されたことに応じて、返却操作信号を、接続基板４１０を経由してＣＲユニット５００に対して送信する。そして、ＣＲユニット５００は、返却操作信号を受信すると、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードを返却（排出）する。

【0034】

（各種抽選について）
次に、パチンコ機１で実行される各種抽選について説明する。
図４は、各種抽選における当たりの種類を示す図である。
パチンコ機１では、遊技球による始動ゲート４１の通過を契機として、普通図柄抽選が実行される。そして、普通図柄抽選に当選した場合に、普図当たり遊技状態が生起される。普図当たり遊技状態では、始動口開閉部材５２ａが閉止状態から開放状態に変位されて、第２始動口５２への遊技球の入球が可能な状態となる。
図４（ａ）に示すように、本実施形態では、普通図柄抽選に当選した場合に生起される普図当たり遊技状態の種類として、「普図当たり１」及び「普図当たり２」の２種類が設定されている。

【0035】

「普図当たり１」に当選した場合には、普図表示装置６０において、普通図柄を「普図当たり１図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、普図演出図柄ｘ１を「普図当たり１図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０において表示される「普図当たり１図柄」は、例えば、２つの普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２に停止表示された普図演出図柄ｘ１が、「○、×」等、１つの「○」を含む態様とする。
「普図当たり２」に当選した場合には、普図表示装置６０において、普通図柄を「普図当たり２図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、普図演出図柄ｘ１を「普図当たり２図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０において表示される「普図当たり２図柄」は、例えば、２つの普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２に停止表示された普図演出図柄ｘ１が、「○、○」等、２つの「○」を含む態様とする。
一方、普通図柄抽選に落選した場合（「はずれ」の場合）には、普図表示装置６０において、普通図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、普図演出図柄ｘ１を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０において表示される「はずれ図柄」は、例えば、２つの普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２に停止表示された普図演出図柄ｘ１が、「×、×」等、「○」を含まない態様とする。

【0036】

ここで、パチンコ機１では、補助制御として、時短制御を実行することが可能となっている。時短制御とは、該制御が実行されていないときと比較して、特別図柄の変動表示を行う時間（以下、「変動時間」とする）が短縮される制御をいう。本実施形態では、時短制御が実行されているときには、時短制御が実行されていないときと比較して、普通図柄抽選の当選確率が向上され、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材５２ａの開放回数が増加され、各回の始動口開閉部材５２ａの開放時間が延長され、かつ、普通図柄の変動表示を行う時間が短縮される。
「普図当たり１」に当選した場合には、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材５２ａの開放回数が１［回］又は３［回］に設定され、各回における始動口開閉部材５２ａの開放時間が０．５［ｓ］又は２．０［ｓ］に設定される。ここで、始動口開閉部材５２ａの開放時間及び開放回数は、時短制御の実行中には、２．０［ｓ］×３［回］に設定され、時短制御の停止中には、０．５［ｓ］×１［回］に設定される。各回における始動口開閉部材５２ａの開放は、始動口開閉部材５２ａが開放状態とされてから、設定された開放時間が経過した場合に終了する（「普図当たり２」において同様）。
「普図当たり２」に当選した場合には、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材５２ａの開放回数が１［回］に設定され、各回における始動口開閉部材５２ａの開放時間が６．０［ｓ］に設定される。ここで、始動口開閉部材５２ａの開放時間及び開放回数は、時短制御の実行中と停止中とで同一となっている。

【0037】

また、パチンコ機１では、第１始動口５１への遊技球の入球を契機として、第１特別図柄抽選が実行され、第２始動口５２への遊技球の入球を契機として、第２特別図柄抽選が実行される。そして、第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選に当選した場合に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、第１大入賞口開閉部材５３ａ又は第２大入賞口開閉部材５４ａが閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、第１大入賞口５３又は第２大入賞口５４への遊技球の入球が可能な状態となる。
図４（ｂ）に示すように、本実施形態では、特別図柄抽選（第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選）の抽選に当選した場合に生起される大当たり遊技状態の種類として、「大当たり１」〜「大当たり５」の５種類が設定されている。

【0038】

「大当たり１」に当選した場合には、表示装置６１，６２において、特別図柄を「通常大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２を「通常大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において表示される「通常大当たり図柄」は、例えば、３つの特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３に停止表示された特図演出図柄ｚ１が、「２、２、２」等、同一の偶数の数字を示す「数字図柄」で揃うとともに、特図演出図柄表示領域ａ４に停止表示された特図演出図柄ｚ２が青色を示す態様とする。
「大当たり２」に当選した場合には、表示装置６１，６２において、特別図柄を「確変大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２を「確変大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において表示される「確変大当たり図柄」は、例えば、３つの特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３に停止表示された特図演出図柄ｚ１が、「１、１、１」等、同一の奇数の数字を示す「数字図柄」で揃うとともに、特図演出図柄表示領域ａ４に停止表示された特図演出図柄ｚ２が赤色を示す態様とする。

【0039】

「大当たり３」に当選した場合には、表示装置６１，６２において、特別図柄を「ボーナス１図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２を「ボーナス１図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において表示される「ボーナス１図柄」は、例えば、特図演出図柄表示領域ａ１，ａ３に停止表示された特図演出図柄ｚ１が、「ボーナス図柄」で揃うとともに、特図演出図柄表示領域ａ４において停止表示された特図演出図柄ｚ２が白色を示す態様とする。
「大当たり４」に当選した場合には、表示装置６１，６２において、特別図柄を「ボーナス２図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２を「ボーナス２図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において表示される「ボーナス２図柄」は、例えば、特図演出図柄表示領域ａ１，ａ３に停止表示された特図演出図柄ｚ１が、「ボーナス図柄」で揃うとともに、特図演出図柄表示領域ａ４において停止表示された特図演出図柄ｚ２が緑色を示す態様とする。

【0040】

「大当たり５」に当選した場合には、表示装置６１，６２において、特別図柄を「ボーナス３図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２を「ボーナス３図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において表示される「ボーナス３図柄」は、例えば、特図演出図柄表示領域ａ１，ａ３に停止表示された特図演出図柄ｚ１が、「ボーナス図柄」で揃うとともに、特図演出図柄表示領域ａ４において停止表示された特図演出図柄ｚ２が赤色を示す態様とする。
ここで、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において表示される「ボーナス１図柄」、「ボーナス２図柄」及び「ボーナス３図柄」は、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３において停止表示された特図演出図柄ｚ１の組み合わせのみからは、互いに区別することができないようになっている。
一方、特別図柄抽選に落選した場合（「はずれ」の場合）には、表示装置６１，６２において特別図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。この際、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。画像表示装置２０及び図柄表示装置２３において停止表示される「はずれ図柄」は、例えば、３つの特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３に停止表示された特図演出図柄ｚ１を、「１、６、９」等、少なくとも一の領域に停止表示された「数字図柄」が示す数字が、他の領域に停止表示された「数字図柄」が示す数字と異なる組み合わせとなるとともに、特図演出図柄表示領域ａ４に停止表示された特図演出図柄ｚ２が白色を示す態様とする。

【0041】

ここで、パチンコ機１では、特別図柄抽選（第１特別図柄抽選及び第２特別図柄抽選）の当選確率に係る遊技状態として、「特図低確率状態」及び「特図高確率状態」を有している。「特図低確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第１の確率（以下、「低確率」とする）（例えば、１／３９０）に設定される。一方、「特図高確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第１の確率より高い第２の確率（以下、「高確率」とする）（例えば、１／３９）に設定される。なお、主制御装置２００は、第１特別図柄抽選の当選確率と第２特別図柄抽選の当選確率とが同期するように、各抽選の当選確率を設定する。ここで、特別図柄抽選の当選確率とは、大当たり遊技状態が生起される「当たり」（「大当たり１」〜「大当たり５」）に当選する確率をいう。

【0042】

「大当たり１」〜「大当たり５」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、所定回数のラウンド遊技が実行される。各回のラウンド遊技は、１回又は複数回の単開放（大入賞口開閉部材５３ａ，５４ａが閉止状態から開放状態に変位されることによる大入賞口５３，５４の開放）から構成されている。また、各回の単開放として、最長開放時間が第１最長開放時間に設定される短時間開放と、最長開放時間が第１最長開放時間より長い第２最長開放時間に設定される長時間開放と、を有している。ここで、第１最長開放時間は、当該単開放中における大入賞口５３，５４への遊技球の入球が困難となる時間（例えば、０．１［ｓ］）に設定されている。また、第２最長開放時間は、当該単開放中における大入賞口５３，５４への遊技球の入球が容易となる時間（例えば、３０．０［ｓ］）に設定されている。
そして、パチンコ機１では、ラウンド遊技の種類として、当該ラウンド遊技中における大入賞口５３，５４への遊技球の入球が困難となる入賞困難ラウンドと、当該ラウンド遊技中における大入賞口５３，５４への遊技球の入球が容易となる入賞容易ラウンドと、を有している。入賞困難ラウンドは、１回又は複数回の短時間開放からなり、長時間開放を含まないラウンド遊技となっている。入賞容易ラウンドは、少なくとも１回（本実施形態では、１［回］）の長時間開放を含んでなるラウンド遊技をいう。なお、入賞容易ラウンドは、１回又は複数回の短時間開放を含んでいても、短時間開放を含んでいなくても、どちらでも構わない。

【0043】

「大当たり１」又は「大当たり２」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、第２大入賞口開閉部材５４ａが閉止状態から開放状態に変位され、第２大入賞口５４への遊技球の入球が可能となる。また、「大当たり１」又は「大当たり２」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が１６回に設定される。そして、各回のラウンド遊技は、１回の長時間開放からなる入賞容易ラウンドに設定される。これによって、「大当たり１」又は「大当たり２」に当選した場合の実質ラウンド回数（当該大当たり遊技状態において実行される入賞容易ラウンドの回数）は、１６回となる。
「大当たり１」又は「大当たり２」に当選した場合には、各回のラウンド遊技（１回の長時間開放）は、第２大入賞口開閉部材５４ａが開放状態とされてから設定された第２最長開放時間（３０．０［ｓ］）が経過するか、または、第２大入賞口５４への遊技球の入球数が所定数（例えば、１０［球］）に達することにより終了する。

【0044】

「大当たり３」、「大当たり４」又は「大当たり５」に当選した場合には、大当たり遊技状態において、第１大入賞口開閉部材５３ａが閉止状態から開放状態に変位され、第１大入賞口５３への遊技球の入球が可能となる。また、「大当たり３」、「大当たり４」又は「大当たり５」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が１６回に設定される。
「大当たり３」に当選した場合には、１６回のラウンド遊技のうち、１２回（１回目〜１２回目）のラウンド遊技が入賞困難ラウンドに設定され、４回（１３回目〜１６回目）のラウンド遊技が入賞容易ラウンドに設定される。本実施形態では、各回の入賞困難ラウンドは、１回の短時間開放から構成される。また、各回の入賞容易ラウンドは、１回の長時間開放から構成される。これによって、「大当たり３」に当選した場合の実質ラウンド回数は、４回となる。
「大当たり４」に当選した場合には、１６回のラウンド遊技のうち、６回（１回目〜６回目）のラウンド遊技が入賞困難ラウンドに設定され、１０回（７回目〜１６回目）のラウンド遊技が入賞容易ラウンドに設定される。本実施形態では、各回の入賞困難ラウンドは、１回の短時間開放から構成される。また、１０回の入賞容易ラウンドのうち初回の入賞容易ラウンド（７回目のラウンド遊技）は、６回の短時間開放と、１回の長時間開放と、から構成されている。さらに、１０回の入賞容易ラウンドのうち２回目以降の入賞容易ラウンド（８回目〜１６回目のラウンド遊技）は、１回の長時間開放から構成されている。これによって、「大当たり４」に当選した場合の実質ラウンド回数は、１０回となる。

【0045】

「大当たり５」に当選した場合には、１６回のラウンド遊技のそれぞれが、入賞容易ラウンドに設定される。本実施形態では、１６回の入賞容易ラウンドのうち初回の入賞容易ラウンド（１回目のラウンド遊技）は、１２回の短時間開放と、１回の長時間開放と、から構成されている。さらに、１６回の入賞容易ラウンドのうち２回目以降の入賞容易ラウンド（２回目〜１６回目のラウンド遊技）は、１回の長時間開放から構成されている。これによって、「大当たり５」に当選した場合の実質ラウンド回数は、１６回となる。
ここで、「大当たり３」〜「大当たり５」に当選した場合に実行される大当たり遊技状態では、当該大当たり遊技状態において実行される短時間開放の回数が、互いに同一（本実施形態では、１２［回］）に設定されている。また、「大当たり３」〜「大当たり５」に当選した場合に実行される大当たり遊技状態では、１２回の短時間開放が実行された後に、長時間開放が実行されるようになっている。これによって、遊技者において、第１大入賞口開閉部材５３ａの開閉パターンに基づいて、生起されている大当たり遊技状態の種類（「大当たり３」〜「大当たり５」のうちいずれの大当たり遊技状態であるか）を判別することを困難としている。

【0046】

「大当たり３」、「大当たり４」又は「大当たり５」に当選した場合には、１回の短時間開放からなるラウンド遊技（入賞困難ラウンド）は、第１大入賞口開閉部材５３ａが開放状態とされてから設定された第１最長開放時間（０．１［ｓ］）が経過するか、または、第１大入賞口５３への遊技球の入球数が所定数（例えば、１０［球］）に達することにより終了する。また、１回の長時間開放からなるラウンド遊技（入賞容易ラウンド）は、第１大入賞口開閉部材５３ａが開放状態とされてから設定された第２最長開放時間（３０．０［ｓ］）が経過するか、または、第１大入賞口５３への遊技球の入球数が所定数（例えば、１０［球］）に達することにより終了する。さらに、６回の短時間開放及び１回の長時間開放からなるラウンド遊技（「大当たり４」に係る７回目のラウンド遊技（入賞容易ラウンド））は、全ての単開放（０．１［ｓ］×６［回］＋３０．０［ｓ］×１［回］）が実行されるか、または、当該ラウンド遊技における第１大入賞口５３への遊技球の入球数が所定数（例えば、１０［球］）に達することにより終了する。

【0047】

また、「大当たり１」に当選した場合には、この大当たり遊技状態が終了した後から次の大当たり遊技状態が生起される前までの期間において、「特図低確率状態」が生起される。一方、「大当たり２」〜「大当たり５」に当選した場合には、この大当たり遊技状態が終了した後から次の大当たり遊技状態が生起される前までの期間において、「特図高確率状態」が生起される。
さらに、「大当たり１」〜「大当たり５」に当選した場合には、この大当たり遊技状態の終了後において、時短制御が実行される。この時短制御は、「大当たり１」〜「大当たり５」の終了に応じて開始され、この時短制御の開始後、大当たり遊技状態が生起されることなく、所定回数（例えば、７０［回］）の特別図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）が実行されたことに応じて終了される。

【0048】

（制御コマンドについて）
次に、主制御装置２００から演出制御装置３００に対して送信される制御コマンドについて説明する。
図５は、主制御装置から演出制御装置に対して送信される制御コマンドを説明する図である。
主制御装置２００と演出制御装置２００とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御装置２００と演出制御装置３００との間における通信は、主制御装置２００から演出制御装置３００への一方向のみで行われ、演出制御装置３００から主制御装置２００への通信は行われない。
主制御装置２００から演出制御装置３００に対して送信される各制御コマンドは、制御コマンドの種類を示す１バイトの先行データと、制御コマンドの内容を示す１バイトの後続データと、から構成されている。
そして、主制御装置２００は、シリアル通信によって、先行データ及び後続データから構成される制御コマンドを演出制御装置３００に対して送信する。演出制御装置３００では、主制御装置２００から制御コマンドを受信すると、シリアル通信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをＲＡＭの所定領域に記憶する。

【0049】

図５に示すように、パチンコ機１では、主制御装置２００から演出制御装置３００に対して送信される制御コマンドとして、特図図柄種別指定コマンド、特図第１変動パターン指定コマンド、特図第２変動パターン指定コマンド、特図停止指定コマンド、普図図柄種別指定コマンド、普図変動パターン指定コマンド、普図停止指定コマンド、状態指定コマンド、客待ち指定コマンド等が設定されている。
特図図柄種別指定コマンドは、特別図柄（特図演出図柄ｚ１，ｚ２）の停止図柄（特別図柄抽選の抽選結果）を指定するコマンドである。特図図柄種別指定コマンドは、停止表示させる特図演出図柄ｚ１，ｚ２の態様（停止図柄）として、「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」、「確変大当たり図柄」、「ボーナス１図柄」、「ボーナス２図柄」及び「ボーナス３図柄」のうち一のものを指定する。特図図柄種別指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に送信される。本実施形態では、特図図柄種別指定コマンドは、第１特別図柄抽選及び第２特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。

【0050】

特図第１変動パターン指定コマンド及び特図第２変動パターン指定コマンドは、それぞれ、特別図柄（特図演出図柄ｚ１，ｚ２）の変動表示の変動パターンを指定するコマンドである。本実施形態では、特図第１変動パターン指定コマンド及び特図第２変動パターン指定コマンドは、それぞれ、変動時間を指定することによって、当該変動時間に対応付けられている変動パターンを指定する。
特図第１変動パターン指定コマンドは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示のうち第１期間（例えば、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示の開始後から後述するリーチ表示の開始前までの期間）の変動パターン（以下、「第１変動パターン」とする）を指定する。本実施形態では、第１変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出が対応付けられた、ｍ（複数）種類の変動パターン（変動時間）が設定されている。そして、特図第１変動パターン指定コマンドは、ｍ種類の第１変動パターンのうち一のものを指定する。

【0051】

本実施形態では、第１変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「擬似連続変動パターン」が設定されている。
「通常変動パターン」とは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示中に、大当たり遊技状態が生起されることを期待させる表示（擬似連続変動表示等）が行われない変動パターンをいう。また、「擬似連続変動パターン」とは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示中に、１回以上の擬似連続変動表示が行われる変動パターンをいう。
ここで、擬似連続変動表示とは、特図演出図柄表示領域ａ４における特図演出図柄ｚ２の変動表示が継続されつつ、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３のうち二以上の領域の抽選結果表示位置において特図演出図柄ｚ１の仮停止表示が行われた後に、再び、全ての特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３において特図演出図柄ｚ１の通常変動表示が行われる表示をいう。
仮停止表示とは、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３の抽選結果表示位置において、表示されている特図演出図柄ｚ１が変更されることなく、一の種類の特図演出図柄ｚ１が揺れた状態で表示される表示をいう。また、通常変動表示とは、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３の抽選結果表示位置（演出図柄ｚ１が停止表示されて、特別図柄抽選の結果が表示される位置）に表示される特図演出図柄ｚ１が、順次変更される（入れ替えられる）表示をいう。

【0052】

特に、本実施形態では、「擬似連続変動パターン」として、１回の擬似連続変動表示が行われる「１回擬似連続変動」、２回の擬似連続変動表示が行われる「２回擬似連続変動」及び３回の擬似連続変動表示が行われる「３回擬似連続変動」が設定されている。
そして、各第１変動パターンの期待値は、期待値が高いものから順に、「３回擬似連続変動」、「２回擬似連続変動」、「１回擬似連続変動」、「通常変動パターン」（期待値高→期待値低）となるように設定されている。ここで、期待値とは、当該「変動パターン」が選択された場合に、大当たり遊技状態が生起される可能性の度合いをいう（以下、同様）。

【0053】

特図第２変動パターン指定コマンドは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示のうち第２期間（例えば、リーチ表示の開始後から特図演出図柄ｚ１，ｚ２の停止表示の開始前までの期間）の変動パターン（以下、「第２変動パターン」とする）を指定する。ここで、第２期間は、第１期間より後の期間となっている。本実施形態では、第２変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出が対応付けられた、ｎ（複数）種類の変動パターン（変動時間）が設定されている。そして、第２変動パターン指定コマンドは、ｎ種類の第２変動パターンのうち一のものを指定する。
本実施形態では、第２変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「リーチ変動パターン」が設定されている。
「通常変動パターン」とは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示中に、大当たり遊技状態が生起されることを期待させる表示（リーチ表示等）が行われない変動パターンをいう。また、「リーチ変動パターン」とは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示中に、リーチ表示が行われる変動パターンをいう。
リーチ表示とは、特図演出図柄ｚ１，ｚ２がリーチ状態を形成するとともに、特図演出図柄ｚ１，ｚ２がリーチ状態を形成した際に、所定のリーチ演出が実行される表示をいう。リーチ状態とは、特図演出図柄表示領域ａ４における特図演出図柄ｚ２の変動表示が継続されつつ、特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３のうち二以上の領域において特図演出図柄ｚ１の仮停止表示が行われ、かつ、二以上の領域において仮停止表示されている特図演出図柄ｚ１が、「大当たり図柄」に含まれる組み合わせとなる状態（例えば、二以上の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３において互いに同一の数字を示す「数字図柄」が仮停止表示されている状態）をいう。
特に、本実施形態では、「リーチ変動パターン」として、互いに異なるリーチ演出が実行される「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」及び「スペシャルリーチ」が設定されている。
そして、各第２変動パターンの期待値は、期待値が高いものから順に、「スペシャルリーチ」、「スーパーリーチ」、「ノーマルリーチ」、「通常変動パターン」（期待値高→期待値低）となるように設定されている。
特図第１変動パターン指定コマンド及び特図第２変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に送信される。
特図停止指定コマンドは、特別図柄（特図演出図柄ｚ１，ｚ２）の停止表示を指定するコマンドである。特図停止指定コマンドは、特別図柄の停止表示時に送信される。

【0054】

普図図柄種別指定コマンドは、普通図柄（普図演出図柄ｘ１）の停止図柄（普通図柄抽選の抽選結果）を指定するコマンドである。普図図柄種別指定コマンドは、停止表示させる普図演出図柄ｘ１の態様（停止図柄）として、「はずれ図柄」、「普図当たり１図柄」及び「普図当たり２図柄」のうち一のものを指定する。普図図柄種別指定コマンドは、普通図柄の変動開始時に送信される。
普図変動パターン指定コマンドは、普通図柄（普図演出図柄ｘ１）の変動表示の変動パターン（以下、「普図変動パターン」とする）を指定するコマンドである。本実施形態では、普図変動パターン指定コマンドは、変動時間を指定することによって、当該変動時間に対応付けられている変動パターンを指定する。本実施形態では、普通変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出が対応付けられた、ｐ（複数）種類の変動パターン（変動時間）が設定されている。そして、普図変動パターン指定コマンドは、ｐ種類の普図変動パターンのうち一のものを指定する。
本実施形態では、普図変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「チャンス変動パターン」が設定されている。「通常変動パターン」とは、普図演出図柄ｘ１の変動表示中に、「普図当たり２」に当選することを期待させる演出（後述する「チャンス演出」）が行われない変動パターンをいう。また、「チャンス変動パターン」とは、チャンス演出が行われる変動パターンをいう。チャンス演出とは、画像表示装置２０の表示領域２１において、所定のキャラクターによる演出画像が表示されることによって、「普図当たり２」に当選することを示唆する演出となっている。
普図変動パターン指定コマンドは、普通図柄の変動開始時に送信される。
普図停止指定コマンドは、普通図柄（普図演出図柄ｘ１）の停止表示を指定するコマンドである。普図停止指定コマンドは、普通図柄の停止表示時に送信される。

【0055】

状態指定コマンドは、遊技状態を指定するコマンドである。状態指定コマンドは、時短制御の開始、時短制御の終了、特図高確率状態の設定及び特図低確率状態の設定のうち一のものを指定する。状態指定コマンドは、各制御の開始時又は終了時、各確率の設定時に送信される。
客待ち指定コマンドは、遊技停止状態の開始を指定するコマンドである。本実施形態では、遊技停止状態とは、保留されている遊技（特別図柄遊技又は普通図柄遊技）が存在せず、かつ、遊技（特別図柄遊技又は普通図柄遊技）が実行されていない状態をいう。ここで、特別図柄遊技には、特別図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）と、大当たり遊技状態と、が含まれる。また、普通図柄遊技には、普通図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）と、普図当たり遊技状態と、が含まれる。さらに、保留される遊技が存在しないとは、ＲＡＭ２３０の特図１始動情報記憶領域において特図１始動情報が記憶されておらず（特図１保留数が「０」であり）、かつ、ＲＡＭ２３０の特図２始動情報記憶領域において特図２始動情報が記憶されておらず（特図２保留数が「０」であり）、かつ、ＲＡＭ２３０の普図始動情報記憶領域に普図始動情報が記憶されていない（普図保留数が「０」である）ことをいう。
本実施形態では、客待ち指定コマンドは、遊技停止状態の開始と、最後に終了された遊技の種類（特別図柄遊技又は普通図柄遊技）と、を指定する。具体的には、特別図柄遊技の終了によって遊技停止状態が開始された場合には、「客待ち１」を指定する客待ち指定コマンドが送信され、普通図柄遊技の終了によって遊技停止状態が開始された場合には、「客待ち２」を指定する客待ち指定コマンドが送信される。客待ち指定コマンドは、遊技停止状態の開始時に送信される。

【0056】

（主制御装置で実行される処理）
次に、主制御装置２００で実行される処理を説明する。
まず、主制御装置２００に構成されているハードウェアの機能について説明する。
パチンコ機１に電源が投入されると、ハード乱数発生回路２７０は、周波数発生回路２６０から１クロックが入力されるごと（例えば、０．００５ｓごと）に、ループカウンタの値を所定の範囲内（例えば、０〜６５５３５の範囲内）において１ずつ更新するハード乱数更新処理を開始する。そして、ハード乱数更新処理によって、普通図柄抽選の当たり乱数、第１特別図柄抽選の大当たり乱数及び第２特別図柄抽選の大当たり乱数のそれぞれが更新される。なお、ハード乱数更新処理は、ハード乱数発生回路２７０（ハードウェア）の機能として実行され、後述するＣＰＵ２１０がソフトウェアに基づいて実行する処理とは独立して実行される。
次に、主制御装置２００のＣＰＵ２１０がＲＯＭ２２０に記憶されている遊技の進行に係るプログラム（ソフトウェア）に基づいて実行する遊技制御処理について説明する。
図６は、主制御装置が実行するメインループ処理を示すフローチャートである。
パチンコ機１に電源が投入されると、主制御装置２００のハード乱数発生回路２７０は、周波数発生回路２６０から１クロックが入力されるごと（例えば、０．００５ｓごと）に、ループカウンタの値を所定の範囲内（例えば、０〜６５５３５の範囲内）において１ずつ更新するハード乱数更新処理を開始する。そして、ハード乱数更新処理によって、普通図柄抽選の普図当たり乱数、第１特別図柄抽選の大当たり乱数及び第２特別図柄抽選の大当たり乱数のそれぞれが更新される。なお、ハード乱数更新処理は、図６に示すメインループ処理と非同期で実行される。

【0057】

また、パチンコ機１に対して電源が投入されると、主制御装置２００のＣＰＵ２１０は、所定の初期化処理を実行した後に、図６に示すメインループ処理を繰り返し実行する。
メインループ処理は、ＣＰＵ２１０により実行されると、まず、ステップＳ１０に移行する。
ステップＳ１０では、割込み禁止処理を実行して、ステップＳ１１に移行する。割込み禁止処理では、他の処理の割込みを禁止する割込み禁止状態を設定する。これにより、割込み禁止状態が設定されている期間中には、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の実行が禁止される。
ステップＳ１１では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップＳ１２に移行する。初期値乱数更新処理では、初期値乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。初期値乱数とは、プログラム上で発生する乱数であるソフト乱数（大当たり図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり図柄乱数、普図変動パターン乱数等）の初期値及び終了値を更新（変更）するための乱数である。
すなわち、ソフト乱数を発生させるループカウンタは、予め設定された初期値から終了値までの範囲内において更新される。そして、ループカウンタの初期値及び終了値は、ループカウンタの乱数値が終了値に達するごとに変更される。この際、ループカウンタに設定される初期値及び終了値は、初期値乱数に基づいて決定される。

【0058】

ステップＳ１２では、制御コマンド解析処理を実行し、ステップＳ１３に移行する。制御コマンド解析処理では、払出制御装置４００から受信した制御コマンドの解析を行う。
ステップＳ１３では、制御コマンド送信処理を実行し、ステップＳ１４に移行する。制御コマンド送信処理では、演出制御装置３００に対する制御コマンドの送信を行う。具体的には、制御コマンド送信処理では、ＲＡＭ２３０のポート出力要求バッファに記憶されている制御コマンドを出力ポート２５０の送信バッファに格納する。これによって、送信バッファに格納された制御コマンドは、演出制御装置３００に対して送信される。
ステップＳ１４では、割込み許可処理を実行し、ステップＳ１５に移行する。割込み許可処理では、割込み禁止状態を解除する。これにより、ステップＳ１４に係る処理が実行されてからステップＳ１０に係る処理が実行されるまでの期間中が、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の実行が許可された割込み許可期間となる。
ステップＳ１５では、その他乱数更新処理を実行し、ステップＳ１０に移行する。その他乱数更新処理では、ソフト乱数のうち大当たり図柄乱数及び普図当たり図柄乱数を除いたもの（特図変動パターン乱数、普図変動パターン乱数等）の更新を行う。

【0059】

次に、ＣＰＵ２１０が実行するシリアル通信受信割込み処理を説明する。
図７は、主制御装置が実行するシリアル通信受信割込み処理を示すフローチャートである。
ＣＰＵ２１０は、メインループ処理に係る割込み許可期間中又はタイマ割込み処理に係る割込み許可期間中において、払出制御装置４００から制御コマンドを受信した場合に、シリアル通信受信割込み処理を実行する。なお、シリアル通信受信割込み処理は、多重割込みを禁止する処理となっている。
図７に示すように、シリアル通信受信割込み処理は、ＣＰＵ２１０により実行されると、まず、ステップＳ２０に移行する。
ステップＳ２０では、レジスタ退避処理を実行し、ステップＳ２１に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していたレジスタ（アキュムレータＡ及びフラグレジスタＦ）の値をＲＡＭ２３０の退避領域に退避させる。

【0060】

ステップＳ２１では、入力ポート２４０の受信バッファにデータが存在するか否かを判定し、受信バッファにデータが存在すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２２に移行し、受信バッファにデータが存在しないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ２３に移行する。
ステップＳ２２では、受信データ格納処理を実行し、ステップＳ２３に移行する。受信データ格納処理では、受信バッファに存在するデータをＲＡＭ２３０の所定領域に格納する。
ステップＳ２３では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップＳ２０で退避しておいたレジスタの値を復帰させ、割込みを許可する。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理（スタックポインタで指示されるプログラムアドレス）に復帰する。

【0061】

次に、ＣＰＵが実行するタイマ割込み処理を説明する。
図８は、主制御装置が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
周波数発生回路２６０は、所定周期（例えば、４．０［ｍｓ］）ごとに、割込み要求信号を発生させる。そして、ＣＰＵ２１０は、メインループ処理に係る割込み許可期間中において、割込み要求信号の発生に応じて、タイマ割込み処理を実行する。なお、タイマ割込み処理は、多重割込みを許可する処理となっている。
図８に示すように、タイマ割込み処理は、ＣＰＵ２１０により実行されると、まず、ステップＳ３０に移行する。
ステップＳ３０では、レジスタ退避処理を実行し、ステップＳ３１に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していた全てのレジスタの値をＲＡＭ２３０の退避領域に退避させ、割込みを許可する。
ステップＳ３１では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップＳ３２に移行する。ステップＳ３１の初期値乱数更新処理は、ステップＳ１１の初期値乱数更新処理と同一の処理となっている。

【0062】

ステップＳ３２では、ソフト乱数更新処理を実行し、ステップＳ３３に移行する。ソフトランス更新処理では、ソフト乱数のうち大当たり図柄乱数及び普図当たり図柄乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ステップＳ３３では、スイッチチェック処理を実行し、ステップＳ３４に移行する。スイッチチェック処理では、入力ポート２４０における各検知センサ１０１〜１０５からの検出信号の入力の有無をチェックする。そして、いずれかの検知センサ１０１〜１０５からの検出信号の入力を検出した場合には、該検出を示す情報をＲＡＭ２３０の所定領域に記憶する。
ステップＳ３４では、特別図柄抽選に係る各種乱数を記憶する特図乱数記憶処理を実行し、ステップＳ３５に移行する。特図乱数記憶処理については、後述する。
ステップＳ３５では、特別図柄の変動表示を行う特図変動処理を実行し、ステップＳ３６に移行する。特図変動処理については、後述する。
ステップＳ３６では、特別図柄の停止表示を行う特図停止処理を実行し、ステップＳ３７に移行する。特図停止処理については、後述する。
ステップＳ３７では、大当たり遊技状態を制御する大当たり遊技処理を実行し、ステップＳ３８に移行する。大当たり遊技処理については、後述する。

【0063】

ステップＳ３８では、普通図柄抽選に係る各種乱数を記憶する普図乱数記憶処理を実行し、ステップＳ３９に移行する。普図乱数記憶処理については、後述する。
ステップＳ３９では、普通図柄の変動表示を行う普図変動処理を実行し、ステップＳ４０に移行する。普図変動処理については、後述する。
ステップＳ４０では、普通図柄の停止表示を行う普図停止処理を実行し、ステップＳ４１に移行する。普図停止処理については、後述する。
ステップＳ４１では、普図当たり遊技状態を制御する普図当たり遊技処理を実行し、ステップＳ４２に移行する。普図当たり遊技処理については、後述する。
ステップＳ４２では、賞球の払い出し動作を実行する賞球払出処理を実行し、ステップＳ４３に移行する。賞球払出処理では、ステップＳ３３の処理結果に基づいて、各検知センサ１０１〜１０３，１０５からの検出信号の入力の有無を判定する。そして、各検知センサ１０１〜１０３，１０５からの検出信号の入力があった場合には、賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。さらに、賞球払出処理では、払出制御装置４００に対する制御コマンドの送信を行う。
本実施形態では、第１始動球検知センサ１０１から検出信号の入力があった場合には、３［球］の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、第２始動球検知センサ１０２から検出信号の入力があった場合には、５［球］の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、大入賞球検知センサ１０３，１０５から検出信号の入力があった場合には、１５［球］の賞球数を指定する賞球数指定コマンドをポート出力要求バッファに記憶する。そして、ポート出力要求バッファに記憶されている制御コマンドを、払出制御装置４００に対して送信する。
払出制御装置４００は、主制御装置２００から賞球数指定コマンドを受信すると、当該賞球数指定コマンドで指定されている賞球数の遊技球賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を遊技球払出装置４４０に実行させる。
また、大入賞球検知センサ１０３，１０５から検出信号の入力があった場合には、入賞指定コマンド、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、入賞指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0064】

ステップＳ４３では、客待ち指定コマンドの送信を制御する客待ち設定処理を実行し、ステップＳ４４に移行する。客待ち設定処理については、後述する。
ステップＳ４４では、ポート出力処理を実行し、ステップＳ４５に移行する。ポート出力処理では、各種制御信号が、普図表示装置６０、特図１表示装置６１、特図２表示装置６２、状態表示装置６３、始動口ソレノイド６４、第１大入賞口ソレノイド６５、第２大入賞口ソレノイド６６等に対して出力される。
ステップＳ４５では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップＳ３０で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理（スタックポインタで指示されるプログラムアドレス）に復帰する。

【0065】

次に、ステップＳ３４の特図乱数記憶処理を説明する。
図９は、特図乱数記憶処理を示すフローチャートである。
特図乱数記憶処理は、ステップＳ３４において実行されると、図９に示すように、まず、ステップＳ１００に移行する。
ステップＳ１００では、ステップＳ３３の処理結果に基づいて、特図１始動球検知センサ１０１からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１０１に移行し、入力を検出しないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１０５に移行する。
ステップＳ１０１では、特図１保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１０２に移行し、上限数に達していると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１０５に移行する。
ここで、特図１保留数とは、特図１表示装置６１における第１特別図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）が保留されている数をいう。本実施形態では、特図１保留数の上限数は、「４」に設定されている。
ステップＳ１０２では、特図１乱数記憶処理を実行し、ステップＳ１０３に移行する。特図１乱数記憶処理では、第１特別図柄抽選の大当たり乱数、大当り図柄乱数、特図変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数（乱数値）を、特図１始動情報（遊技情報）として、ＲＡＭ２３０の特図１始動情報記憶領域に記憶する。

【0066】

ステップＳ１０３では、ＲＡＭ２３０の所定領域において客待ち要求フラグが設定されているか否かを判定し、客待ち要求フラグが設定されていると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１０４に移行し、客待ち要求フラグが設定されていないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１０５に移行する。
ステップＳ１０４では、客待ち要求フラグ解除処理を実行し、ステップＳ１０５に移行する。客待ち要求フラグ解除処理では、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている客待ち要求フラグを解除（消去）する。
ステップＳ１０５では、ステップＳ３３の処理結果に基づいて、特図２始動球検知センサ１０２からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１０６に移行し、入力を検出しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１０６では、特図２保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１０７に移行し、上限数に達していると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、特図２保留数とは、特図２表示装置６２における第２特別図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）が保留されている数をいう。本実施形態では、特図２保留数の上限数は、「４」に設定されている。
ステップＳ１０７では、特図２乱数記憶処理を実行し、ステップＳ１０８に移行する。特図２乱数記憶処理では、第２特別図柄抽選の大当たり乱数、大当り図柄乱数、特図変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数（乱数値）を、特図２始動情報として、ＲＡＭ２３０の特図２始動情報記憶領域に記憶する。

【0067】

ステップＳ１０８では、ＲＡＭ２３０の所定領域において客待ち要求フラグが設定されているか否かを判定し、客待ち要求フラグが設定されていると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１０９に移行し、客待ち要求フラグが設定されていないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１０９では、客待ち要求フラグ解除処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。客待ち要求フラグ解除処理では、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている客待ち要求フラグを解除する。

【0068】

次に、ステップＳ３５の特図変動処理を説明する。
図１０は、特図変動処理を示すフローチャートである。
特図変動処理は、ステップＳ３５において実行されると、図１０に示すように、まず、ステップＳ１１０に移行する。
ステップＳ１１０では、大当たり遊技状態中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１１１に移行し、大当たり遊技状態中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定（記憶）されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップＳ１１１では、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の停止表示中であるか否かを判定し、特別図柄の停止表示中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１１２に移行し、特別図柄の停止表示中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、特別図柄の停止表示中であるか否かは、特図停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ１１２では、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の変動表示中であるか否かを判定し、特別図柄の変動表示中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１１３に移行し、特別図柄の変動表示中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１１８に移行する。ここで、特別図柄の変動表示中であるか否かは、特図変動時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。

【0069】

ステップＳ１１３では、特図保留数が「０」であるか否かを判定し、特図保留数が「０」でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１１４に移行し、特図保留数が「０」であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、特図保留数とは、特図１保留数及び特図２保留数の合計数をいう。
ステップＳ１１４では、大当たり判定処理を実行し、ステップＳ１１５に移行する。大当たり判定処理では、ＲＡＭ２３０の始動情報記憶領域（特図１始動情報記憶領域又は特図２始動情報記憶領域）に記憶されている始動情報（特図１始動情報又は特図２始動情報）に含まれる大当たり乱数を読み出して、この大当たり乱数の値が大当たり値と一致しているか否かを判定（大当たり判定）する。そして、大当たり乱数の値が大当たり値と一致している場合には、「大当たり」と判定し、大当たり乱数の値が大当たり値と一致していない場合には、「はずれ」と判定する。
本実施形態では、始動情報記憶領域（特図１始動情報記憶領域及び特図２始動情報記憶領域）に記憶されている始動情報（特図１始動情報及び特図２始動情報）は、特図１始動情報及び特図２始動情報を通じて、先に取得（記憶）された始動情報から順に、大当たり判定が実行される。なお、特図２始動情報記憶領域において特図２始動情報が記憶されている場合には、特図１始動情報に対して優先して、当該特図２始動情報に基づく大当たり判定を実行する構成としても構わない。以下、ステップＳ１１４において大当たり判定が実行された始動情報を、「特図判定始動情報」とする。

【0070】

ＲＯＭ２２０には、大当たり乱数と当たり値との対応が登録された特別図柄抽選テーブルが格納されている。また、特別図柄抽選テーブルとして、特図低確率状態に対応する特別図柄抽選テーブル及び特図高確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルが格納されている。特図低確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルでは、当選確率が第１の確率（例えば、１／３９０）となるように、当たり値が登録されている。一方、特図高確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルでは、当選確率が第１の確率より高い第２の確率（例えば、１／３９）となるように、当たり値が登録されている。そして、大当たり判定処理では、現在設定されている遊技状態に対応する特別図柄抽選テーブルを読み出して、大当たり判定を行う。これにより、特別図柄抽選の抽選結果（当選又は落選）が判定される。
ここで、現在設定されている遊技状態は、ＲＡＭ２３０の所定領域において特図低確率状態フラグ及び特図低確率状態フラグのうちいずれのフラグが設定されているかに基づいて判定する。

【0071】

ステップＳ１１５では、停止図柄設定処理を実行し、ステップＳ１１６に移行する。停止図柄設定処理では、ステップＳ１１４の処理結果に基づいて、停止表示させる特別図柄の態様（停止図柄）を設定する。
具体的には、大当たり判定により特別図柄抽選（第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選）に当選したと判定された場合には、特図判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数を読み出して、読み出した大当たり図柄乱数に基づいて、停止図柄（「大当たり図柄」の種類）を決定する。一方、大当たり判定により特別図柄抽選に落選したと判定された場合には、停止図柄として、「はずれ図柄」が判定される。
ＲＯＭ２２０には、大当たり図柄乱数と大当たり図柄の種類との対応が登録された大当たり図柄決定テーブルが格納されている。また、大当たり図柄決定テーブルとして、第１特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブル及び第２特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルが格納されている。第１特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルと第２特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとでは、各種類の大当たり図柄が選択される確率が互いに異なっている。

【0072】

そして、停止図柄設定処理では、特図判定始動情報が特図１始動情報である場合には、当該特図判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数と、第１特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとに基づいて、大当たり図柄の種類（「通常大当たり図柄」、「確変大当たり図柄」、「ボーナス１図柄」、「ボーナス２図柄」又は「ボーナス３図柄」）が判定される。一方、特図判定始動情報が特図２始動情報である場合には、当該特図判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数と、第２特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとに基づいて、大当たり図柄の種類が判定される。
さらに、停止図柄設定処理では、停止図柄させる特別図柄の態様として、決定した停止図柄を設定する。また、決定した停止図柄に対応する特図図柄種別指定コマンド（「通常大当たり図柄指定」、「確変大当たり図柄指定」、「ボーナス１図柄指定」、「ボーナス２図柄指定」、「ボーナス３図柄指定」又は「はずれ図柄指定」）を、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、特図図柄種別指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0073】

ステップＳ１１６では、変動時間設定処理を実行し、ステップＳ１１７に移行する。変動時間設定処理では、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の変動時間を設定する。
具体的には、特図判定始動情報に含まれる特図変動パターン乱数を読み出して、読み出した特図変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動時間（第１変動パターンの内容及び第２変動パターンの内容）を決定する。
ＲＯＭ２２０には、特図変動パターン乱数と第１変動パターンの内容（変動時間）との対応が登録された第１変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、第１変動パターン決定テーブルとして、大当たり判定の各結果（「大当たり」又は「はずれ」）に対応する第１変動パターン決定テーブルが格納されている。また、「はずれ」に対応する第１変動パターン決定テーブルとして、時短制御の実行状況（実行中又は停止中）と保留数との組み合わせのそれぞれに対応する第１変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する第１変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する第１変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間（例えば、０．５［ｓ］）に係る第１変動パターンが登録されている。また、保留数が多いほど短い変動時間に係る第１変動パターンが決定されるように、各保留数に対応する第１変動パターン決定テーブルの内容が設定されている。

【0074】

また、ＲＯＭ２２０には、特図変動パターン乱数と第２変動パターンの内容（変動時間）との対応が登録された第２変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、第２変動パターン決定テーブルとして、大当たり判定の結果（「大当たり」又は「はずれ」）に対応する第２変動パターン決定テーブルが格納されている。また、「はずれ」に対応する第２変動パターン決定テーブルとして、時短制御の実行状況（実行中又は停止中）と保留数との組み合わせのそれぞれに対応する第２変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する第２変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する第２変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間（例えば、０．５［ｓ］）に係る第２変動パターンが登録されている。また、保留数が多いほど短い変動時間に係る第２変動パターンが決定されるように、各保留数に対応する第２変動パターン決定テーブルの内容が設定されている。

【0075】

そして、変動時間設定処理では、まず、特図判定始動情報に含まれる特図変動パターン乱数と、当たり判定の結果、時短制御の実行状況、保留数等に対応する第１変動パターン決定テーブルとに基づいて、第１変動パターンの内容を判定する。
また、特図判定始動情報に含まれる特図変動パターン乱数と、当たり判定の結果、時短制御の実行状況、保留数等に対応する第２変動パターン決定テーブルとに基づいて、第２変動パターンの内容を判定する。ここで、時短制御の実行状況は、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている時短制御フラグに基づいて判定する。
本実施形態では、大当たり判定の結果が当選である場合には、第２変動パターンの内容として、「リーチ変動パターン」が決定される（「通常変動パターン」が決定されることがない）。一方、大当たり判定の結果が落選である場合には、第２変動パターンの内容として、「通像変動パターン」又は「リーチ変動パターン」が決定される
さらに、変動時間設定処理では、判定した第１変動パターンの内容を指定する特図第１変動パターン指定コマンド（変動パターンｍ指定）及び判定した第２変動パターンの内容を指定する特図第２変動パターン指定コマンド（変動パターンｎ指定）を、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、特図第１変動パターン指定コマンド及び特図第２変動パターン指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0076】

ステップＳ１１７では、変動表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。変動表示開始処理では、ステップＳ１１６で決定した特別図柄の変動時間（変動パターンに対応する変動時間）を、特図変動時間タイマに設定する。ここで、特別図柄の変動時間とは、第１変動パターンに係る変動時間と第２変動パターンに係る変動時間とを合計した時間をいう。
そして、特図１表示装置６１又は特図２表示装置６２において、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の変動表示を開始するとともに、特図変動時間タイマによる変動時間の計測を開始する。
また、ＲＡＭ２３０の始動情報記憶領域に記憶されている特図判定始動情報を消去して、当該特図判定始動情報を、ＲＡＭ２３０の変動中始動情報記憶領域に記憶する。
ステップＳ１１８では、特図変動時間タイマに基づいて、ステップＳ１１７で設定した特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、設定した特別図柄の変動時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１１９に移行し、設定した特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１１９では、停止表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。停止表示開始処理では、特図１表示装置６１又は特図２表示装置６２において、ステップＳ１１５で設定された停止図柄による特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の停止表示を開始する。
具体的には、停止表示開始処理では、所定の停止時間（本実施形態では、０．５［ｓ］）を、特図停止時間タイマに設定する。そして、特図１表示装置６１又は特図２表示装置６２において、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の停止表示を開始するとともに、特図停止時間タイマによる停止時間の計測を開始する。
また、停止表示開始処理では、特図停止指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、特図停止指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0077】

次に、ステップＳ３６の特図停止処理を説明する。
図１１は、特図停止処理を示すフローチャートである。
特図停止処理は、ステップＳ３６において実行されると、図１１に示すように、まず、ステップＳ１３０に移行する。
ステップＳ１３０では、特別図柄（第１特別図柄又は第２特別図柄）の停止表示中であるか否かを判定し、特別図柄の停止表示中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１３１に移行し、特別図柄の停止表示中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、特別図柄の停止表示中であるか否かは、特図停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ１３１では、特図停止時間タイマに基づいて、ステップＳ１１９で設定した特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定し、設定した特別図柄の停止時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１３２に移行し、設定した特別図柄の停止時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１３２では、停止表示終了処理を実行し、ステップＳ１３３に移行する。停止表示終了処理では、特図停止時間タイマによる特別図柄の停止時間の計測を終了して、特図停止時間タイマの計測値をリセットする。これによって、特図１表示装置６１又は特図２表示装置６２において、新たに特別図柄の変動表示を開始することが可能な状態となる。
ステップＳ１３３では、ステップＳ１１９で停止表示が開始された停止図柄が「大当たり図柄」（「通常大当たり図柄」、「確変大当たり図柄」、「ボーナス１図柄」、「ボーナス２図柄」又は「ボーナス３図柄」）であるか否かを判定し、大当たり図柄であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１３４に移行し、大当たり図柄でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１３５に移行する。

【0078】

ステップＳ１３４では、大当たり遊技状態開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。大当たり遊技状態開始処理では、まず、ステップＳ１１９で停止表示が開始された「大当たり図柄」（停止図柄）に基づいて、生起させる大当たり遊技状態の種類（「大当たり１」〜「大当たり５」のうちいずれか）を確認する。
次に、生起させる大当たり遊技状態の種類に対応する大当たり遊技状態フラグ及びオープニング期間中フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。また、所定のオープニング時間を、オープニング期間タイマに設定して、オープニング期間タイマによるオープニング時間の計測を開始する。
また、現在、時短制御を実行中である場合には、時短制御を停止して、ＲＡＭ２３０の所定領域に記載されている時短制御フラグを消去する。また、時短カウンタの値をリセットする。そして、時短制御の終了を指定する状態指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、状態指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0079】

ステップＳ１３５では、特図保留数が「０」であるか否かを判定し、特図保留数が「０」であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１３６に移行し、特図保留数が「０」でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１３７に移行する。
ステップＳ１３６では、客待ち要求フラグ設定処理を実行し、ステップＳ１３７に移行する。客待ち要求フラグ設定処理では、客待ち要求フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。
ステップＳ１３７では、時短制御を実行中であるか否かを判定し、時短制御を実行中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１３８に移行し、時短制御を実行中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、時短制御を実行中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に記憶されている時短制御フラグに基づいて判定する。
ステップＳ１３８では、時短制御を終了するか否かを判定し、時短制御を終了すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１３９に移行し、時短制御を終了しないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１４０に移行する。
本実施形態では、時短カウンタの値が「０」となっている場合には、時短制御を終了すると判定し、時短カウンタの値が「１」以上の場合には、時短制御を終了しないと判定する。

【0080】

ステップＳ１３９では、時短制御停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。時短制御停止処理では、時短制御を停止して、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている時短制御フラグを解除する。また、時短カウンタの値をリセットする。
また、時短制御停止処理では、時短制御の終了を指定する状態指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、状態指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。
ステップＳ１４０では、時短カウンタ更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。時短カウンタ更新処理では、時短カウンタに設定されている値から「１」を減算した値を、新たに時短カウンタに設定する。

【0081】

次に、ステップＳ３７の大当たり遊技処理を説明する。
図１２は、大当たり遊技処理を示すフローチャートである。
大当たり遊技処理は、ステップＳ３７において実行されると、図１２に示すように、まず、ステップＳ１５０に移行する。
ステップＳ１５０では、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５１に移行し、大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、大当たり遊技状態の生起中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップＳ１５１では、オープニング期間中であるか否かを判定し、オープニング期間中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５２に移行し、オープニング期間中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１５４に移行する。
ここで、オープニング期間中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されているオープニング期間中フラグに基づいて判定する。
ステップＳ１５２では、オープニング期間を終了するか否かを判定し、オープニング期間を終了すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５３に移行し、オープニング期間を終了しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、オープニング期間タイマに設定されたオープニング時間が経過した場合に、オープニング期間を終了すると判定する。

【0082】

ステップＳ１５３では、ラウンド遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ラウンド遊技開始処理では、オープニング期間を終了して、ラウンド遊技を開始する。
具体的には、ラウンド遊技開始処理では、まず、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグに基づいて、現在の大当たり遊技状態の種類（「大当たり１」〜「大当たり５」のうちいずれか）を確認する。
次に、ラウンド遊技において開放する大入賞口として、確認した大当たり遊技状態の種類に対応する大入賞口（第１大入賞口５３又は第２大入賞口５４）を設定する。また、確認した大当たり遊技状態の種類に対応するラウンド遊技回数（本実施形態では、全て１６［回］）を、ラウンド遊技カウンタに設定する。さらに、確認した大当たり遊技状態の種類に応じて、各ラウンド遊技における大入賞口５３，５４（大入賞口開閉部材５３ａ，５４ａ）の開閉パターン（以下、「ラウンド開閉パターン」とする）を設定する。ここで、ラウンド開閉パターンには、当該ラウンド遊技において実行される単開放の回数、単開放の種類（短時間開放又は長時間開放）、当該ラウンド遊技において複数回の単開放が実行される場合には単開放の順序等が含まれる。

【0083】

例えば、「大当たり１」又は「大当たり２」に当選した場合には、開放される大入賞口の種類として第２大入賞口５４が設定され、ラウンド遊技回数として１６回が設定される。また、各回のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１回の長時間開放（３０．０［ｓ］）を実行するパターンが設定される。
また、「大当たり３」〜「大当たり５」に当選した場合には、開放される大入賞口の種類として第１大入賞口５３が設定され、ラウンド遊技回数として１６回が設定される。
そして、「大当たり３」に当選した場合には、１回目〜１２回目の各回のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１回の短時間開放（０．１［ｓ］）を実行するパターンが設定され、１３回目〜１６回目の各回のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１回の長時間開放（３０．０［ｓ］）を実行するパターンが設定される。
また、「大当たり４」に当選した場合には、１回目〜６回目の各回のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１回の短時間開放（０．１［ｓ］）を実行するパターンが設定され、７回目のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、６回の短時間開放（０．１［ｓ］）を実行した後に１回の長時間開放（３０．０［ｓ］）を実行するパターンが設定され、８回目〜１６回目の各回のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１回の長時間開放（３０．０［ｓ］）を実行するパターンが設定される。
さらに、「大当たり５」に当選した場合には、１回目のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１２回の短時間開放（０．１［ｓ］）を実行した後に１回の長時間開放（３０．０［ｓ］）を実行するパターンが設定され、２回目〜１６回目の各回のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンとして、１回の長時間開放（３０．０［ｓ］）が実行されるパターンが設定される。

【0084】

そして、ラウンド遊技開始処理では、設定した１回目のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンに基づいて、設定した大入賞口５３，５４（大入賞口開閉部材５３ａ，５４ａ）の開放を開始するとともに、大入賞口入球数カウンタによる大入賞口５３，５４への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されているオープニング期間中フラグを解除するとともに、ラウンド遊技中フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。

【0085】

ステップＳ１５４では、インターバル期間中であるか否かを判定し、インターバル期間中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５５に移行し、インターバル期間中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１５７に移行する。
ここで、インターバル期間中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されているインターバル期間中フラグに基づいて判定する。
ステップＳ１５５では、インターバル期間を終了するか否かを判定し、インターバル期間を終了すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５６に移行し、インターバル期間を終了しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、インターバル期間タイマに設定されたインターバル時間が経過した場合に、インターバル期間を終了すると判定する。

【0086】

ステップＳ１５６では、ラウンド遊技開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ラウンド遊技開始処理では、インターバル期間を終了して、ラウンド遊技を開始する。
具体的には、ラウンド遊技開始処理では、ラウンド遊技カウンタの計数値に基づいて、開始するラウンド遊技の回数（何回目のラウンド遊技を開始するか）を確認する。そして、ステップＳ１５３で設定した内容に基づいて、確認した回数のラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンによる大入賞口５３，５４（大入賞口開閉部材５３ａ，５４ａ）の開放を開始するとともに、大入賞口入球数カウンタによる大入賞口５３，５４への遊技球の入球数のカウントを開始する。
また、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されているインターバル期間中フラグを解除（消去）するとともに、ラウンド遊技中フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。

【0087】

ステップＳ１５７では、ラウンド遊技中であるか否かを判定し、ラウンド遊技中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５８に移行し、ラウンド遊技中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１６３に移行する。
ここで、ラウンド期間中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されているラウンド遊技中フラグに基づいて判定する。
ステップＳ１５８では、ラウンド遊技終了条件を満たすか否かを判定し、ラウンド遊技終了条件を満たすと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１５９に移行し、ラウンド遊技終了条件を満たさないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、ステップＳ１５３で設定した当該ラウンド遊技に係るラウンド開閉パターンに基づく大入賞口５３，５４の開放が完了したこと及び大入賞口入球数カウンタによりカウントされた大入賞口５３，５４への遊技球の入球数が所定数（例えば、１０［個］）に達したことのうち一方が達成された場合に、ラウンド遊技終了条件を満たすと判定する。

【0088】

ステップＳ１５９では、ラウンド遊技終了処理を実行し、ステップＳ１６０に移行する。ラウンド遊技終了処理では、開閉部材５３ａ，５４ａを閉鎖して、大入賞口入球数カウンタの値をリセットする。
また、ラウンド遊技カウンタに設定されている値から「１」を減算した値を、新たにラウンド遊技カウンタに設定するとともに、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されているラウンド遊技中フラグを解除する。
ステップＳ１６０では、最終回のラウンド遊技が終了したか否かを判定し、最終回のラウンド遊技が終了していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１６１に移行し、最終回のラウンド遊技が終了したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１６２に移行する。
ここで、ラウンド遊技カウンタに設定されている値が「１」以上である場合には、最終回のラウンド遊技が終了していないと判定し、ラウンド遊技カウンタに設定されている値が「０」である場合には、最終回のラウンド遊技が終了したと判定する。

【0089】

ステップＳ１６１では、インターバル期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。インターバル期間開始処理では、インターバル期間中フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。また、所定のインターバル時間を、インターバル期間タイマに設定して、インターバル期間タイマによる設定したインターバル時間の計測を開始する。
ステップＳ１６２では、エンディング期間開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。エンディング期間開始処理では、エンディング期間中フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。また、所定のエンディング時間を、エンディング期間タイマに設定して、エンディング期間タイマによる設定したエンディング時間の計測を開始する。

【0090】

ステップＳ１６３では、エンディング期間を終了するか否かを判定し、エンディング期間を終了すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１６４に移行し、エンディング期間を終了しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、エンディング期間タイマに設定されたエンディング時間が経過した場合に、エンディング期間を終了すると判定する。
ステップＳ１６４では、大当たり遊技状態終了処理を実行し、ステップＳ１６５に移行する。大当たり遊技状態終了処理では、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている大当たり遊技状態フラグを解除する。
また、終了に係る大当たり遊技状態の種類が「大当たり２」〜「大当たり５」である場合には、特図高確率状態フラグをＲＡＭ２３０の所定領域に設定して、特図高確率状態の設定を指定する状態指定コマンドをＲＡＭ２３０の所定領域に格納する。
一方、終了に係る大当たり遊技状態の種類が「大当たり１」である場合には、特図低確率状態フラグをＲＡＭ２３０の所定領域に設定して、特図低確率状態の設定を指定する状態指定コマンドをＲＡＭ２３０の所定領域に格納する。
これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、状態指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0091】

ステップＳ１６５では、特図保留数が「０」であるか否かを判定し、特図保留数が「０」であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１６６に移行し、特図保留数が「０」でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１６７に移行する。
ステップＳ１６６では、客待ち要求フラグ設定処理を実行し、ステップＳ１６７に移行する。客待ち要求フラグ設定処理では、客待ち要求フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。
ステップＳ１６７では、時短制御を開始するか否かを判定し、時短制御を開始すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１６８に移行し、時短制御を開始しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。本実施形態では、全ての種類の大当たり遊技状態の終了後に時短制御を開始すると判定する。したがって、ステップＳ１６７では、必ず、時短制御を開始すると判定される。
ステップＳ１６８では、時短制御実行処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。時短制御実行処理では、時短制御フラグをＲＡＭ２３０の所定領域に設定して、時短制御を開始する。また、所定回数（本実施形態では、７０［回］）を、時短カウンタに設定する。
また、時短制御実行処理では、時短制御の開始を指定する状態指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、状態指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0092】

次に、ステップＳ３８の普図乱数記憶処理を説明する。
図１３は、普図乱数記憶処理を示すフローチャートである。
普図乱数記憶処理は、ステップＳ３８において実行されると、図１３に示すように、まず、ステップＳ１８０に移行する。
ステップＳ１８０では、ステップＳ３３の処理結果に基づいて、普図始動球検知センサ１０４からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１８１に移行し、入力を検出しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１８１では、普図保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１８２に移行し、上限数に達していると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、普図保留数とは、普図表示装置６０における普通図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）が保留されている数をいう。本実施形態では、普図保留数の上限数は、「４」に設定されている。
ステップＳ１８２では、普図乱数記憶処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。普図乱数記憶処理では、普通図柄抽選の普図当たり乱数、普図当たり図柄乱数、普図変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数（乱数値）を、普図始動情報として、ＲＡＭ２３０の普図始動情報記憶領域に記憶する。

【0093】

次に、ステップＳ３９の普図変動処理を説明する。
図１４は、普図変動処理を示すフローチャートである。
普図変動処理は、ステップＳ３９において実行されると、図１４に示すように、まず、ステップＳ１９０に移行する。
ステップＳ１９０では、普図当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、普図当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１９１に移行し、普図当たり遊技状態の生起中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、普図当たり遊技状態の生起中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に記憶されている普図当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。

【0094】

ステップＳ１９１では、普通図柄の停止表示中であるか否かを判定し、普通図柄の停止表示中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１９２に移行し、普通図柄の停止表示中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、普通図柄の停止表示中であるか否かは、普図停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ１９２では、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し、普通図柄の変動表示中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１９３に移行し、普通図柄の変動表示中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１９８に移行する。ここで、普通図柄の変動表示中であるか否かは、普図変動時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。

【0095】

ステップＳ１９３では、普図保留数が「０」であるか否かを判定し、普図保留数が「０」でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１９４に移行し、普図保留数が「０」であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１９４では、普図当たり判定処理を実行し、ステップＳ１９５に移行する。普図当たり判定処理では、ＲＡＭ２３０の普図始動情報記憶領域に記憶されている普図始動情報に含まれる普図当たり乱数を読み出して、この普図当たり乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定（当たり判定）する。そして、普図当たり乱数の値が当たり値と一致している場合には、「当たり」と判定し、普図当たり乱数の値が当たり値と一致していない場合には、「はずれ」と判定する。
ＲＯＭ２２０には、普図当たり乱数と当たり値との対応が登録された普通図柄抽選テーブルが格納されている。また、普通図柄抽選テーブルとして、時短制御停止時に対応する普通図柄抽選テーブル及び時短制御実行時に対応する普通図柄抽選テーブルが格納されている。時短制御停止時に対応する普通図柄抽選テーブルでは、当選確率が第１の確率（例えば、１／８０）となるように、当たり値が登録されている。一方、時短制御実行時に対応する普通図柄抽選テーブルでは、当選確率が第１の確率より高い第２の確率（例えば、１／１．１）となるように、当たり値が登録されている。そして、普図当たり判定処理では、現在の時短制御の実行状況に対応する普通図柄抽選テーブルを読み出して、普図当たり判定を行う。これにより、普通図柄抽選の抽選結果（当選又は落選）が判定される。
ここで、時短制御の実行状況は、ＲＡＭ２３０の所定領域に記憶されている時短制御フラグに基づいて判定する。
以下、ステップＳ１９４において当たり判定が実行された普図始動情報を、「普図判定始動情報」とする。

【0096】

ステップＳ１９５では、停止図柄設定処理を実行し、ステップＳ１９６に移行する。停止図柄設定処理では、ステップＳ１９４の処理結果に基づいて、停止表示させる普通図柄の態様（停止図柄）を設定する。
具体的には、普図当たり判定により普通図柄抽選に当選したと判定された場合には、普図判定始動情報に含まれる普図当たり図柄乱数を読み出して、読み出した普図当たり図柄乱数に基づいて、停止図柄（「普図当たり図柄」の種類）を決定する。一方、普図当たり判定により普通図柄抽選に落選したと判定された場合には、停止図柄として、「はずれ図柄」が判定される。
ＲＯＭ２２０には、普図当たり図柄乱数と普図当たり図柄の種類との対応が登録された普図当たり図柄決定テーブルが格納されている。
そして、停止図柄設定処理では、普図判定始動情報に含まれる普図当たり図柄乱数と、普図当たり図柄決定テーブルとに基づいて、普図当たり図柄の種類（「普図当たり１図柄」又は「普図当たり２図柄」）が判定される。
さらに、停止図柄設定処理では、停止図柄させる普通図柄の態様として、決定した停止図柄を設定する。また、決定した停止図柄に対応する普図図柄種別指定コマンド（「普図当たり１図柄指定」、「普図当たり２図柄指定」又は「はずれ図柄指定」）を、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、特図図柄種別指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0097】

ステップＳ１９６では、変動時間設定処理を実行し、ステップＳ１９７に移行する。変動時間設定処理では、普通図柄の変動時間を設定する。
具体的には、普図判定始動情報に含まれる普図変動パターン乱数を読み出して、読み出した普図変動パターン乱数に基づいて、普通図柄の変動時間（普図変動パターンの内容）を決定する。
ＲＯＭ２２０には、普図変動パターン乱数と普図変動パターンの内容（変動時間）との対応が登録された普図変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、普図変動パターン決定テーブルとして、当たり判定の各結果（「普図当たり１」、「普図当たり２」又は「はずれ」）と時短制御の実行状況（実行中又は停止中）との組み合わせのそれぞれに対応する普図変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する普図変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する普図変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間に係る普図変動パターンが登録されている。
本実施形態では、時短制御の停止中に対応する普図変動パターン決定テーブルでは、「通常変動パターン（１．０［ｓ］）」及び「チャンス変動パターン（１０．０［ｓ］）」が登録されている。一方、時短制御の実行中に対応する普図変動パターン決定テーブルでは、「通常変動パターン（０．５［ｓ］）」のみが登録されている。
また、「普図当たり２」に対応する普図変動パターン決定テーブルでは、「普図当たり１」に対応する普図変動パターン決定テーブル及び「はずれ」に対応する普図変動パターン決定テーブルのそれぞれと比較して、「チャンス変動パターン（１０．０［ｓ］）」に当選する確率が高く設定されている。

【0098】

そして、変動時間設定処理では、まず、普図判定始動情報に含まれる普図変動パターン乱数と、当たり判定の結果及び時短制御の実行状況の組み合わせに対応する普図変動パターン決定テーブルとに基づいて、普図変動パターンの内容を判定する。
本実施形態では、時短制御の停止中である場合には、普図変動パターンの内容として、「通常変動パターン（１．０［ｓ］）」又は「チャンス変動パターン（１０．０［ｓ］）」が決定される。一方、時短制御の実行中である場合には、普図変動パターンの内容として、「通常変動パターン（０．５［ｓ］）」が決定される。
また、変動時間設定処理では、判定した普図変動パターンの内容を指定する普図変動パターン指定コマンド（変動パターンｐ指定）を、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、普図変動パターン指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0099】

ステップＳ１９７では、変動表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。変動表示開始処理では、ステップＳ１９６で決定した普通図柄の変動時間（普図変動パターンに対応する変動時間）を、普図変動時間タイマに設定する。
そして、普図表示装置６０において、普通図柄の変動表示を開始するとともに、普図変動時間タイマによる変動時間の計測を開始する。
また、ＲＡＭ２３０の普図始動情報記憶領域に記憶されている普図判定始動情報を消去して、当該普図判定始動情報を、ＲＡＭ２３０の変動中始動情報記憶領域に記憶する。
ステップＳ１９８では、普図変動時間タイマに基づいて、ステップＳ１９７で設定した普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、設定した普通図柄の変動時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ１９９に移行し、設定した普通図柄の変動時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ１９９では、停止表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。停止表示開始処理では、普図表示装置６０において、ステップＳ１９５で設定された停止図柄による普通図柄の停止表示を開始する。
具体的には、停止表示開始処理では、所定の停止時間（本実施形態では、０．５［ｓ］）を、普図停止時間タイマに設定する。そして、普図表示装置６０において、普通図柄の停止表示を開始するとともに、普図停止時間タイマによる停止時間の計測を開始する。
また、停止表示開始処理では、普図停止指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、普図停止指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。

【0100】

次に、ステップＳ４０の普図停止処理を説明する。
図１５は、普図停止処理を示すフローチャートである。
普図停止処理は、ステップＳ４０において実行されると、図１５に示すように、まず、ステップＳ２００に移行する。
ステップＳ２００では、普通図柄の停止表示中であるか否かを判定し、普通図柄の停止表示中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２０１に移行し、普通図柄の停止表示中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、普通図柄の停止表示中であるか否かは、普図停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ２０１では、普図停止時間タイマに基づいて、ステップＳ１９９で設定した普通図柄の停止時間が経過したか否かを判定し、設定した普通図柄の停止時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２０２に移行し、設定した普通図柄の停止時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ２０２では、停止表示終了処理を実行し、ステップＳ２０３に移行する。停止表示終了処理では、普図停止時間タイマによる普通図柄の停止時間の計測を終了して、普図停止時間タイマの計測値をリセットする。これによって、普図表示装置６０において、新たに普通図柄の変動表示を開始することが可能な状態となる。
ステップＳ２０３では、ステップＳ１９９で停止表示が開始された停止図柄が「普図当たり図柄」（「普図当たり１図柄」又は「普図当たり２図柄」）であるか否かを判定し、普図当たり図柄であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２０４に移行し、普図当たり図柄でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。

【0101】

ステップＳ２０４では、普図当たり遊技状態開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。普図当たり遊技状態開始処理では、まず、ステップＳ１９９で停止表示が開始された「普図当たり図柄」（停止図柄）に基づいて、生起させる普図当たり遊技状態の種類（「普図当たり１」又は「普図当たり２」）を確認する。
次に、生起させる普図当たり遊技状態の種類に対応する普図当たり遊技状態フラグを、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定するとともに、現在の時短制御の実行状況及び生起させる普図当たり遊技状態の種類に応じて、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材５２ａの開放回数（１［回］又は３［回］）を開放回数カウンタに設定するとともに、各回の開放時間（０．５［ｓ］、２．０［ｓ］又は６．０［ｓ］）を設定する。
そして、始動口開閉部材５２ａの開放を開始するとともに、１回目の開放に係る開放時間を開放時間タイマに設定して、開放時間タイマによる開放時間の計測を開始する。

【0102】

次に、ステップＳ４１の普図当たり遊技処理を説明する。
図１６は、普図当たり遊技処理を示すフローチャートである。
普図当たり遊技処理は、ステップＳ４１において実行されると、図１６に示すように、まず、ステップＳ２１０に移行する。
ステップＳ２１０では、普図当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、普図当たり遊技状態の生起中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２１１に移行し、普図当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、普図当たり遊技状態の生起中であるか否かは、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている普図当たり遊技状態フラグに基づいて判定する。
ステップＳ２１１では、始動口開閉部材４２ａの開放中であるか否かを判定し、始動口開閉部材５２ａの開放中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２１２に移行し、始動口開閉部材５２ａの開放中でない（閉鎖中である）と判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ２１６に移行する。
ステップＳ２１２では、始動口開閉部材５２ａの開放を終了するか否かを判定し、始動口開閉部材５２ａの開放を終了すると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２１３に移行し、始動口開閉部材５２ａの開放を終了しないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、開放時間タイマに設定された開放時間が経過した場合に、始動口開閉部材５２ａの開放を終了すると判定する。

【0103】

ステップＳ２１３では、始動口閉鎖処理を実行し、ステップＳ２１４に移行する。始動口閉鎖処理では、始動口開閉部材５２ａを閉鎖して、開閉時間タイマの計測値をリセットする。また、開放回数カウンタに設定されている値から「１」を減算した値を、新たに開放回数カウンタに設定する。
ステップＳ２１４では、最終回の開放が終了したか否かを判定し、最終回の開放が終了したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２１５に移行し、最終回の開放が終了していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ２１８に移行する。
ここで、開放回数カウンタに設定されている値が「１」以上である場合には、最終回の開放が終了していないと判定し、開放回数カウンタに設定されている値が「０」である場合には、最終回の開放が終了したと判定する。
ステップＳ２１５では、普図当たり遊技状態終了処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。普図当たり遊技状態終了処理では、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている普図当たり遊技状態フラグを解除する。
ステップＳ２１６では、インターバルタイマに設定したインターバル時間が経過したか否かを判定し、インターバル時間が経過したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２１７に移行し、インターバル時間が経過していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ２１７では、始動口開放処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。始動口開放処理では、始動口開閉部材５２ａの開放を開始するとともに、当該開放に係る開放時間を開放時間タイマに設定して、開放時間タイマによる開放時間の計測を開始する。
ステップＳ２１８では、インターバル時間設定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。インターバル時間設定処理では、所定のインターバル時間（本実施形態では、０．５［ｓ］）を、インターバルタイマに設定して、インターバルタイマによるインターバル時間の計測を開始する。

【0104】

次に、ステップＳ４３の客待ち設定処理を説明する。
図１７は、客待ち設定処理を示すフローチャートである。
客待ち設定処理は、ステップＳ４３において実行されると、図１７に示すように、まず、ステップＳ２２０に移行する。
ステップＳ２２０では、ＲＡＭ２３０の所定領域において客待ち要求フラグが設定されているか否かを判定し、客待ち要求フラグが設定されていると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２２１に移行し、客待ち要求フラグが設定されていないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ２２１では、普通図柄遊技について変動待ち状態であるか否かを判定し、変動待ち状態であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ２２２に移行し、変動待ち状態でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、変動待ち状態とは、保留されている普通図柄遊技が存在せず（普図保留数が「０」であり）、かつ、普通図柄遊技が実行されていない（普通図柄の報知表示が行われておらず、かつ、普図当たり遊技状態が生起されていない）状態をいう。
ステップＳ２２２では、客待ち要求フラグ解除処理を実行し、ステップＳ２２３に移行する。客待ち要求フラグ解除処理では、ＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている客待ち要求フラグを解除する。
ステップＳ２２３では、客待ち指定コマンド設定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。客待ち指定コマンド設定処理では、客待ち指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。これにより、ステップＳ１３の制御コマンド送信処理において、客待ち指定コマンドが演出制御装置３００に対して送信される。
本実施形態では、最後に終了された遊技の種類（特別図柄遊技又は普通図柄遊技）を指定する客待ち要求指定コマンド（「客待ち１指定」又は「客待ち２指定」）を、演出制御装置３００に対して送信する。

【0105】

（演出制御装置で実行される処理）
次に、演出制御装置３００のＣＰＵがＲＯＭに記憶されているプログラム（ソフトウェア）に基づいて実行する演出制御処理について説明する。
図１８は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置３００は、パチンコ機１に電源が投入されると、演出制御装置３００のＣＰＵは、メインルーチンとして、初期化処理を実行した後に、メインループ処理を繰り返し実行する。また、演出制御装置３００のＣＰＵは、メインループの実行中において、所定の割込周期（例えば、２．０［ｍｓ］）でタイマ割り込みを発生させて、図１８に示す演出制御処理を繰り返し実行する。
演出制御処理は、演出制御装置３００のＣＰＵにより実行されると、まず、ステップＳ３００に移行する。
ステップＳ３００では、コマンド受信処理を実行し、ステップＳ３０１に移行する。コマンド受信処理では、主制御装置２００が送信した制御コマンドの受信の有無をチェックして、制御コマンドの受信があった場合には、受信した制御コマンドを解析して、ＲＡＭのコマンドバッファ領域に保存する。
また、コマンド受信処理では、第１操作検出スイッチ２４及び第２操作検出スイッチ２５のそれぞれからの操作信号の入力の有無をチェックして、操作信号の入力があった場合には、当該操作信号の受信を示す情報を、ＲＡＭの所定領域に保存する。
ステップＳ３０１では、演出フラグ設定処理を実行し、ステップＳ３０２に移行する。演出フラグ設定処理では、状態指定コマンドを受信したか否かを判定し、状態指定コマンドを受信したと判定した場合には、各種演出フラグの設定を行う。
具体的には、時短制御の開始を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、時短演出フラグを、ＲＡＭの所定領域に設定する。一方、時短制御の終了を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、ＲＡＭの所定領域に設定されている時短演出フラグを解除する。
また、特図高確率状態を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、確変演出フラグを、ＲＡＭの所定領域に設定する。一方、特図低確率状態を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、ＲＡＭの所定領域に設定されている確変演出フラグを解除する。

【0106】

ステップＳ３０２では、特図報知演出管理処理を実行し、ステップＳ３０３に移行する。特図報知演出管理処理については、後述する。
ステップＳ３０３では、普図報知演出管理処理を実行し、ステップＳ３０４に移行する。普図報知演出管理処理については、後述する。
ステップＳ３０４では、客待ち演出管理処理を実行し、ステップＳ３０５に移行する。客待ち演出管理処理については、後述する。
ステップＳ３０５では、演出用乱数更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。演出用乱数更新処理では、演出の抽選に用いる各種乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。

【0107】

次に、ステップＳ３０２の特図報知演出管理処理を説明する。
図１９は、特図報知演出管理処理を示すフローチャートである。
特図報知演出管理処理は、ステップＳ３０２において実行されると、図１９に示すように、まず、ステップＳ３１０に移行する。
ステップＳ３１０では、所定の制御コマンドを受信したか否かを判定し、所定の制御コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３１１に移行し、所定の制御コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３１７に移行する。ここで、所定の制御コマンドとは、特図図柄種別指定コマンド、特図第１変動パターン指定コマンド及び特図第２変動パターン指定コマンドをいう。
所定の制御コマンドを受信したか否かは、特図図柄種別指定コマンド、特図第１変動パターン指定コマンド及び特図第２変動パターン指定コマンドがＲＡＭのコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。

【0108】

ステップＳ３１１では、客待ち演出の実行中であるか否かを判定し、客待ち演出の実行中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３１２に移行し、客待ち演出の実行中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３１３に移行する。
ここで、客待ち演出の実行中であるか否かは、演出制御装置３００のＲＡＭの所定領域において、客待ち演出中フラグが設定されているか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３１２では、客待ち演出終了処理を実行し、ステップＳ３１３に移行する。客待ち演出終了処理では、実行中の客待ちを終了して、演出制御装置３００のＲＡＭの所定領域に設定されている客待ち演出中フラグを解除する。これによって、画像表示装置２０の表示領域２１における客待ち演出画像ｗ（図示せず）の表示が終了される。
ステップＳ３１３では、遊技停止時間の計測中であるか否かを判定し、遊技停止時間の計測中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３１４に移行し、遊技停止時間の計測中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３１５に移行する。
ここで、遊技停止時間の計測中であるか否かは、遊技停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３１４では、遊技停止時間計測終了処理を実行し、ステップＳ３１５に移行する。遊技停止時間計測終了処理では、遊技停止時間タイマによる遊技停止時間の計測を終了して、遊技停止時間タイマの計測値をリセットする。

【0109】

ステップＳ３１５では、特図変動内容設定処理を実行し、ステップＳ３１６に移行する。特図変動内容設定処理では、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示に係る演出データを設定する。
具体的には、特図変動内容設定処理では、特図第１変動パターン指定コマンドが指定する第１変動パターンの内容に対応する演出プログラムを読み出す。そして、読み出した演出プログラムにしたがって、第１変動パターンに係る演出データ（画像データ、ランプ制御データ、音制御データ等）を読み出す。
また、特図第２変動パターン指定コマンドが指定する第２変動パターンの内容に対応する演出プログラムを読み出す。そして、読み出した演出プログラムにしたがって、第２変動パターンに係る演出データ（画像データ、ランプ制御データ、音制御データ等）を読み出す。
そして、第１変動パターンに係る演出データ及び第２変動パターンに係る演出データを合わせた特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示（報知表示）に係る演出データ（以下、「特図変動演出データ」とする）を編集して、編集した特図変動演出データを実行する演出データとして設定する。
さらに、特図図柄種別指定コマンドが指定する停止図柄（「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」、「確変大当たり図柄」、「ボーナス１図柄」、「ボーナス２図柄」又は「ボーナス３図柄」）に基づいて、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の停止表示に係る画像データを決定して、決定した画像データ（以下、「特図停止画像データ」とする）を表示する画像データとして設定する。

【0110】

ステップＳ３１６では、特図変動表示開始処理を実行し、ステップＳ３１７に移行する。特図変動表示開始処理では、ステップＳ３１５で設定した特図変動演出データに基づく演出を開始する。これによって、画像表示装置２０の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３において、特図演出図柄ｚ１の変動表示が開始されるとともに、図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ４において、特図演出図柄ｚ２の変動表示が開始される。
ステップＳ３１７では、特図停止指定コマンドを受信したか否かを判定し、特図停止指定コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３１８に移行し、特図停止指定コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
特図停止指定コマンドを受信したか否かは、特図停止指定コマンドがＲＡＭのコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３１８では、特図停止表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。特図停止表示開始処理では、画像表示装置２０の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ３及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示を終了して、ステップＳ３１５で設定した特図停止画像データに基づく特図演出図柄ｚ１，ｚ２の停止表示（報知表示）を開始する。ここで、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の停止表示は、所定時間（表示装置６１，６２における特別図柄の停止表示時間と一致）継続して行われる。

【0111】

次に、ステップＳ３０３の普図報知演出管理処理を説明する。
図２０は、普図報知演出管理処理を示すフローチャートである。
普図報知演出管理処理は、ステップＳ３０３において実行されると、図２０に示すように、まず、ステップＳ３２０に移行する。
ステップＳ３２０では、所定の制御コマンドを受信したか否かを判定し、所定の制御コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３２１に移行し、所定の制御コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３２７に移行する。ここで、所定の制御コマンドとは、普図図柄種別指定コマンド及び普図変動パターン指定コマンドをいう。
所定の制御コマンドを受信したか否かは、普図図柄種別指定コマンド及び普図変動パターン指定コマンドがＲＡＭのコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。

【0112】

ステップＳ３２１では、客待ち演出の実行中であるか否かを判定し、客待ち演出の実行中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３２２に移行し、客待ち演出の実行中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３２３に移行する。
ここで、客待ち演出の実行中であるか否かは、演出制御装置３００のＲＡＭの所定領域において、客待ち演出中フラグが設定されているか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３２２では、客待ち演出終了処理を実行し、ステップＳ３２３に移行する。客待ち演出終了処理では、実行中の客待ちを終了して、演出制御装置３００のＲＡＭの所定領域に設定されている客待ち演出中フラグを解除する。これによって、画像表示装置２０の表示領域２１における客待ち演出画像ｗの表示が終了される。
ステップＳ３２３では、遊技停止時間の計測中であるか否かを判定し、遊技停止時間の計測中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３２４に移行し、遊技停止時間の計測中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３２５に移行する。
ここで、遊技停止時間の計測中であるか否かは、遊技停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３２４では、遊技停止時間計測終了処理を実行し、ステップＳ３２５に移行する。遊技停止時間計測終了処理では、遊技停止時間タイマによる遊技停止時間の計測を終了して、遊技停止時間タイマの計測値をリセットする。

【0113】

ステップＳ３２５では、普図変動内容設定処理を実行し、ステップＳ３２６に移行する。普図変動内容設定処理では、普図演出図柄ｘ１の変動表示に係る演出データを設定する。
具体的には、普図変動内容設定処理では、普図変動パターン指定コマンドが指定する普図変動パターンの内容に対応する演出プログラムを読み出す。そして、読み出した演出プログラムにしたがって、普図変動パターンに係る演出データ（画像データ、ランプ制御データ、音制御データ等）を読み出し、読み出した演出データ（以下、「普図変動演出データ」とする）を実行する演出データとして設定する。
さらに、普図図柄種別指定コマンドが指定する停止図柄（「はずれ図柄」、「普図当たり１図柄」又は「普図当たり２図柄」）に基づいて、普図演出図柄ｘ１の停止表示に係る画像データを決定して、決定した画像データ（以下、「普図停止画像データ」とする）を表示する画像データとして設定する。

【0114】

ステップＳ３２６では、普図変動表示開始処理を実行し、ステップＳ３２７に移行する。普図変動表示開始処理では、ステップＳ３２５で設定した普図変動演出データに基づく演出を開始する。これによって、画像表示装置２０の普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、普図演出図柄ｘ１の変動表示が開始される。
ステップＳ３２７では、普図停止指定コマンドを受信したか否かを判定し、普図停止指定コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３２８に移行し、普図停止指定コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
普図停止指定コマンドを受信したか否かは、普図停止指定コマンドがＲＡＭのコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３２８では、普図停止表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。普図停止表示開始処理では、画像表示装置２０の普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、普図演出図柄ｘ１の変動表示を終了して、ステップＳ３２５で設定した普図停止画像データに基づく普図演出図柄ｘ１の停止表示（報知表示）を開始する。ここで、普図演出図柄ｘ１の停止表示は、所定時間（普図表示装置６０における普通図柄の停止表示時間と一致）継続して行われる。

【0115】

次に、ステップＳ３０４の客待ち演出管理処理を説明する。
図２１は、客待ち演出管理処理を示すフローチャートである。
客待ち演出管理処理は、ステップＳ３０４において実行されると、図２１に示すように、まず、ステップＳ３３０に移行する。
ステップＳ３３０では、客待ち指定コマンドを受信したか否かを判定し、客待ち指定コマンドを受信したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３３１に移行し、客待ち指定コマンドを受信していないと判定した場合（Ｎｏ）には、ステップＳ３３２に移行する。
ここで、客待ち指定コマンドを受信したか否かは、客待ち指定コマンドがＲＡＭのコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３３１では、遊技停止時間計測開始処理を実行し、ステップＳ３３２に移行する。遊技停止時間計測開始処理では、遊技停止時間の計測を開始する。
ここで、遊技停止時間とは、遊技停止状態の継続時間をいう。本実施形態では、遊技停止状態の開始に応じて、遊技停止時間の計測を開始する。そして、遊技停止時間が所定時間（以下、「所定停止時間」とする）に達した場合に、客待ち演出を開始する。
具体的には、遊技停止時間計測開始処理では、遊技停止時間タイマに所定停止時間を設定して、遊技停止時間タイマによる遊技停止時間の計測を開始する。この際、客待ち指定コマンドが「客待ち２」を指定している場合（最後に終了された遊技の種類が普通図柄遊技である場合）には、所定停止時間として第１停止時間（本実施形態では、３０．０［ｓ］）を設定する。一方、客待ち指定コマンドが「客待ち１」を指定している場合（最後に終了された遊技の種類が特別図柄遊技である場合）には、所定停止時間として第２停止時間（本実施形態では、６０．０［ｓ］）を設定する。

【0116】

ステップＳ３３２では、遊技停止時間の計測中であるか否かを判定し、遊技停止時間の計測中であると判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３３３に移行し、遊技停止時間の計測中でないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、遊技停止時間の計測中であるか否かは、遊技停止時間タイマの作動中であるか否かに基づいて判定する。
ステップＳ３３３では、遊技停止時間タイマにより計測された遊技停止時間が所定停止時間に達したか否かを判定し、遊技停止時間が所定停止時間に達したと判定した場合（Ｙｅｓ）には、ステップＳ３３４に移行し、遊技停止時間が所定停止時間に達していないと判定した場合（Ｎｏ）には、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップＳ３３４では、客待ち演出開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。客待ち演出開始処理では、客待ち演出中フラグを演出制御装置３００のＲＡＭの所定領域に設定して、客待ち演出を開始する。また、遊技停止時間タイマによる遊技停止時間の計測を終了して、遊技停止時間タイマの計測値をリセットする。
ここで、客待ち演出とは、遊技の停止中に実行される演出であって、遊技店への来店者の興味を喚起（宣伝）するための演出となっている。特に、客待ち演出では、画像表示装置２０の表示領域２１において、遊技機１に係る演出の主題となっているキャラクター等の画像（所謂、「デモ画像」）が表示されることによって、来店者に対する宣伝効果を向上している。
本実施形態では、客待ち演出として、画像表示装置２０の表示領域２１における客待ち演出画像ｗ（図示せず）の表示が含まれている。客待ち演出画像ｗは、所定のキャラクターによる演出画像となっており、表示領域２１の略全域において表示される。
そして、客待ち演出開始処理では、客待ち演出の演出プログラム（以下、「客待ち演出プログラム」とする）を読み出して、読み出した客待ち演出プログラムに基づく演出を開始する。これによって、画像表示装置２０の表示領域２１において、客待ち演出画像ｗの表示が開始される。なお、客待ち演出の実行中には、客待ち演出プログラムに基づく演出が繰り返し実行される。

【0117】

（パチンコ機１の動作）
次に、パチンコ機１の動作を説明する。
図２２は、画像表示装置の表示領域において行われる特図演出図柄の報知表示及び普図演出図柄の報知表示の一例を示す図である。
パチンコ機１では、遊技球による始動ゲート４１の通過があると、普通図柄抽選が実行されて、表示装置６０において、普通図柄の変動表示が行われた後に、当該普通図柄抽選の結果に応じた態様による普通図柄の停止表示が行われる。
また、図２２に示すように、普通図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）に同期して、画像表示装置２０の普図演出図柄表示領域ｂ１，ｂ２において、普図演出図柄ｘ１の変動表示が行われた後に、普図演出図柄ｘ１の停止表示が行われる。特に、普図変動パターンとして「チャンス変動パターン」が選択された場合には、画像表示装置２０の表示領域２１において所定のキャラクターによる演出画像が表示される「チャンス演出」が実行され、「普図当たり２」に当選することが示唆される。
そして、普通図柄抽選に当選した場合には、普通図柄の停止表示が行われた後に、普図当たり遊技状態が生起される。普図当たり遊技状態では、始動口開閉部材５２ａが閉止状態から開放状態に変位されて、第２始動口５２への遊技球の入球が可能となる。この際、「普図当たり１」に当選した場合には、時短制御の実行状況に応じて、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材５２ａの開放回数が、１［回］又は３［回］に設定され、各回における始動口開閉部材５２ａの開放時間が、０．５［ｓ］又は２．０［ｓ］に設定される。一方、「普図当たり２」に当選した場合には、時短制御の実行状況に関わらず、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材５２ａの開放回数が１［回］に設定され、各回における始動口開閉部材５２ａの開放時間が６．０［ｓ］に設定される。

【0118】

また、パチンコ機１では、始動口（第１始動口５１又は第２始動口５２）への遊技球の入球があると、特別図柄抽選（第１特別図柄抽選又は第２特別図柄抽選）が実行されて、表示装置６１，６２において、特別図柄の変動表示が開始された後に、当該特別図柄抽選の結果に応じた態様による特別図柄の停止表示が行われる。
また、図２２に示すように、特別図柄の報知表示（変動表示及び停止表示）に同期して、画像表示装置２０及び図柄表示装置２３の特図演出図柄表示領域ａ１〜ａ４において、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の変動表示が行われた後に、特図演出図柄ｚ１，ｚ２の停止表示が行われる。
そして、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄の停止表示が行われた後に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、大入賞口開閉部材（第１大入賞口開閉部材５３ａ又は第２大入賞口開閉部材５４ａ）が閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞口（第１大入賞口５３又は第２大入賞口５４）への遊技球の入球が可能となる。ここで、「大当たり１」又は「大当たり２」に当選した場合には、第２大入賞口５４への遊技球の入球が可能となり、「大当たり３」、「大当たり４」又は「大当たり５」に当選した場合には、第１大入賞口５３への遊技球の入球が可能となる。

【0119】

特に、パチンコ機１では、遊技停止状態が発生した場合に、客待ち指定コマンドが、主制御装置２００から演出制御装置３００に対して送信される。
具体的には、主制御装置２００は、特別図柄抽選に落選した場合には、特別図柄の報知表示の終了時に、特図保留数が「０」であるか否かを判定し、特図保留数が「０」であるときには、客待ち要求フラグをＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。一方、特別図柄抽選に当選した場合には、大当たり遊技状態の終了時に、特図保留数が「０」であるか否かを判定し、特図保留数が「０」であるときには、客待ち要求フラグをＲＡＭ２３０の所定領域に設定する。
また、主制御装置２００は、客待ち要求フラグがＲＡＭ２３０の所定領域に設定されている場合には、普通図柄遊技が変動待ち状態であるか否かを判定して、普通図柄遊技が変動待ち状態であるときには、客待ち指定コマンドを演出制御装置３００に対して送信する。この際、特別図柄遊技の終了によって遊技停止状態が開始された場合には、「客待ち１」を指定する客待ち指定コマンドを送信し、普通図柄遊技の終了によって遊技停止状態が開始された場合には、「客待ち２」を指定する客待ち指定コマンドを送信する。

【0120】

そして、演出制御装置３００は、客待ち指定コマンドの受信に応じて、遊技停止時間の計測を開始し、遊技停止時間が所定停止時間に達した場合には、客待ち演出を開始する。この際、受信した客待ち指定コマンドが「客待ち１」を指定する場合には、所定停止時間として第２停止時間（本実施形態では、６０．０［ｓ］）を設定し、受信した客待ち指定コマンドが「客待ち２」を指定する場合には、所定停止時間として第１停止時間（本実施形態では、３０．０［ｓ］）を設定する。
一方、演出制御装置３００は、遊技停止時間が所定停止時間に達する前に、特別図柄遊技の開始を指定する制御コマンド（本実施形態では、特図図柄種別指定コマンド、特図第１変動パターン指定コマンド又は特図第２変動パターン指定コマンド）又は普通図柄遊技の開始を指定する制御コマンド（本実施形態では、普図図柄種別指定コマンド又は普図変動パターン指定コマンド）を受信した場合には、遊技停止時間の計測を終了（リセット）する。
一方、演出制御装置３００は、客待ち演出の実行中において、特別図柄遊技の開始を指定する制御コマンド又は普通図柄遊技の開始を指定する制御コマンドを受信した場合には、客待ち演出を終了する。

【0121】

（パチンコ機１の作用）
次にパチンコ機１の作用について説明する。
パチンコ機１では、特別図柄遊技又は普通図柄遊技が終了された後、特別図柄遊技及び普通図柄遊技が開始されることなく所定停止時間が経過した場合に、客待ち演出が開始される。そして、開始された客待ち演出は、所定終了条件が成立した場合に終了される。特に、所定終了条件として、特別図柄遊技の開始と、特別図柄遊技の開始と、が含まれている。
これによって、所定終了条件に普通図柄遊技の開始が含まれているため、客待ち演出の実行中に普通図柄遊技が開始される場合には、実行中の客待ち演出が終了された後に、普通図柄抽選の結果を報知する報知表示が開始される。したがって、客待ち演出によって普通図柄抽選の結果を報知する報知表示（特に、チャンス演出）が妨げられることが防止され、普通図柄遊技に係る演出効果の低下を抑制することができる。
また、客待ち演出の開始条件に係る所定停止時間の計測を開始する契機に普通図柄遊技の終了が含まれているため、普通図柄遊技の開始に基づいて客待ち演出が終了された場合に、当該普通図柄遊技が終了された後に特別図柄遊技又は普通図柄遊技が開始されないときには、所定停止時間の経過に応じて再び客待ち演出が開始される。したがって、普通図柄遊技の開始に基づいて客待ち演出が終了された場合に、その後、客待ち演出を適切な時機に開始することができる。
例えば、従来の遊技機では、遊技者による遊技が行われている際に、特別図柄遊技が開始されない場合（特別図柄抽選の開始契機となる入球口への遊技球の入球がない）には、遊技者による遊技中にも関わらず客待ち演出が開始されて、遊技者に対して違和感を与える恐れがある。これに対して、パチンコ機１では、遊技者による遊技が行われている際に、普通図柄遊技及び特別図柄遊技のうち一方が開始された場合には、客待ち演出が開始されることがないため、遊技者による遊技中にも関わらず客待ち演出が開始される恐れが低減され、遊技者に対して違和感を与える恐れを低減することが可能となる。
また、客待ち演出として役物による所定動作を実行する構成とした場合には、客待ち演出が開始される頻度が高くなるほど、役物の動作量が増加し、役物の駆動部分における摩耗量が進行する。これに対して、パチンコ機１では、従来の遊技機と比較して、客待ち演出が開始される頻度が低くなるため、客待ち演出として役物による所定動作を実行する構成とした場合でも、役物の駆動部分における摩耗を低減することが可能となる。

【0122】

また、パチンコ機１では、演出制御装置３００は、普通図柄遊技が終了された場合には、所定停止時間として第１停止時間を設定し、特別図柄遊技が終了された場合には、所定停止時間として第１停止時間より長い第２停止時間を設定する
これによって、普通図柄遊技が終了された後に特別図柄遊技及び普通図柄遊技が開始されない場合には、特別遊技が終了された後に特別図柄遊技及び普通図柄遊技が開始されない場合と比較して短い遊技停止時間で、客待ち演出が開始される。したがって、普通図柄遊技の開始に基づいて客待ち演出が終了された場合に、当該普通図柄遊技が終了された後に特別図柄遊技及び普通図柄遊技が開始されないときには、早い時機に客待ち演出を開始することができる。
以上のように、パチンコ機１によれば、普通図柄遊技に係る演出効果の低下を抑制しつつ、客待ち演出を適切に実行することが可能となる。

【0123】

（変形例）
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態では、演出制御装置３００は、遊技停止時間が所定停止時間に達する前に、特別図柄遊技の開始を指定する制御コマンド又は普通図柄遊技の開始を指定する制御コマンドを受信した場合には、遊技停止時間の計測を終了する。しかしながら、普通図柄遊技の開始を指定する制御コマンドについては、所定の制御コマンドを受信した場合に、遊技停止時間の計測を終了する構成としても構わない。例えば、「通常変動パターン」を指定する普図変動パターン指定コマンドを受信した場合には、遊技停止時間の計測を終了せず、特別図柄遊技の開始を指定する制御コマンド又は「チャンス変動パターン」を指定する普図変動パターン指定コマンドを受信した場合には、遊技停止時間の計測を終了する構成としても構わない。
また、上記実施形態では、演出制御装置３００は、客待ち演出の実行中において、特別図柄遊技の開始を指定する制御コマンド又は普通図柄遊技の開始を指定する制御コマンドを受信した場合には、客待ち演出を終了する。しかしながら、普通図柄遊技の開始を指定する制御コマンドについては、所定の制御コマンドを受信した場合に、客待ち演出を終了する構成としても構わない。例えば、「通常変動パターン」を指定する普図変動パターン指定コマンド（演出がない普図変動パターンを指定する普図変動パターン指定コマンド）を受信した場合には、客待ち演出を終了せず、特別図柄遊技の開始を指定する制御コマンド又は「チャンス変動パターン」を指定する普図変動パターン指定コマンド（演出がある普図変動パターンを指定する普図変動パターン指定コマンド）を受信した場合には、客待ち演出を終了する構成としても構わない。
また、上記実施形態では、客待ち演出の所定終了条件として、演出ボタン５ｂの押下操作の検出、回転型セレクター５ｃの回転操作の検出、発射ハンドル６の操作に基づく遊技球の打ち出しの検出等を含めても構わない。
さらに、上記実施形態においては、本発明をパチンコ機１に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。

【符号の説明】

【0124】

１ パチンコ機
１０ 遊技盤
２０ 画像表示装置
２１ 表示領域
２３ 図柄表示装置
３０ 遊技領域
４１ 始動ゲート
５１ 第１始動口
５２ 第２始動口
５２ａ 始動口開閉部材
５３ 第１大入賞口
５３ａ 第１大入賞口開閉部材
５４ 第２大入賞口
５４ａ 第２大入賞口開閉部材
６１ 特図１表示装置
６２ 特図２表示装置
６３ 状態表示装置
６４ 始動口ソレノイド
６５ 第１大入賞口ソレノイド
６６ 第２大入賞口ソレノイド
１０１ 特図１始動球検知センサ
１０２ 特図２始動球検知センサ
１０３ 第１大入賞球検知センサ
１０４ 普図始動球検知センサ
１０５ 第２大入賞球検知センサ
２００ 主制御装置
３００ 演出制御装置
４００ 払出制御装置
４４０ 遊技球払出装置

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】