(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項6記載の自動弁装置点検システムに於いて、前記手動点検指示部は、前記操作部位の操作を検知した場合、前記配管系統図の操作された機器の近傍に流れの方向を示す矢印を表示することを特徴とする自動弁装置点検システム。
請求項6記載の自動弁装置点検システムに於いて、前記手動点検指示部は、前記操作部位の操作を検知した場合、前記配管系統図に水の流れを示す所定の識別色を表示することを特徴とする自動弁装置点検システム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は本発明による自動弁装置点検システムを備えた水噴霧設備の概略を示した説明図である。
図1において、自動弁装置1はトンネル側壁のコンクリート枠体に対し枠抜きされたスペースに例えば50メートル間隔で設置されている。自動弁装置1の一次側には給水配管8が接続され、給水配管8には所定圧力範囲、例えば0.7MPa〜1.77MPaの範囲となる加圧水(加圧消火用水)が充填されている。
【0026】
自動弁装置1の二次側にはヘッド配管3が設けられ、ヘッド配管3はコンクリート側壁に沿って立ち上がった後に長手方向に分岐され、このヘッド配管3に所定間隔で複数の水噴霧ヘッド4が接続されている。
【0027】
自動弁装置1には端末ユニット2が設けられ、伝送路9を介してセンタ装置5に接続されている。端末ユニット2はセンタ装置5からの水噴霧起動コマンドを含む電文を受信して自動弁装置1を起動して水噴霧ヘッド4から散水し、起動後に、圧力センサで検出した放水圧力を含む電文をセンタ装置5に伝送し、センタ装置5側で自動弁装置1の動作を表示する。
【0028】
また端末ユニット2はセンタ装置5からの遠隔的な点検操作に伴うテスト放水起動コマンドを含む電文を受信して自動弁装置1をテスト放水可能状態に動作した後に起動し、水噴霧ヘッド4から放水せずに排水側に加圧水を流すテスト放水を行い、テスト放水中に、自動弁装置1に設けた圧力センサで検出した放水圧力を含む電文をセンタ装置5に伝送し、センタ装置5側で自動弁装置1のテスト放水中の動作を表示する。
【0029】
センタ装置5に対してはポンプ制御盤6と防災受信盤7が信号線接続されている。ポンプ制御盤6は、センタ装置5からの自動弁装置1の起動またはテスト放水に伴うポンプ起動信号を受けてポンプ設備を運転し、自動弁装置1へ通じる給水配管8に加圧水を供給する。
【0030】
防災受信盤7は図示しないトンネル内に設置された火災検知装置からの火災検知信号を受信して火災警報を行うもので、火災警報に連動してセンタ装置5に火災移報信号を出力して、センタ装置5は火災発生地区に対応した自動弁装置1の遠隔起動を行わせる。なお、センタ装置5は防災受信盤7にその機能を組み込んで一体化しても良い。
【0031】
図2は
図1に設けた本発明による自動弁装置の実施形態を示した説明図である。
図2において、自動弁装置1は開閉可能な弁体22を内部に有する自動弁10を備え、自動弁10は定常時は閉じており、一次側には給水配管8が接続され、加圧水が充填されている。
【0032】
自動弁10の二次側にはテスト用制水弁11が設けられ、その二次側に
図1に示したようにヘッド配管3を介して複数の水噴霧ヘッド4を接続している。テスト用制水弁11は、定常時は全開としており、自動弁装置の点検時は閉鎖して水噴霧ヘッド4から実際に散水することなく、排水配管にテスト放水を行う。
【0033】
ここで、自動弁10の圧力制御機構およびそのための制御機器を説明する。自動弁10の圧力制御機構14は、シリンダ室18内にピストン16を摺動自在に収納している。ピストン16は弁体22が連結しており、ピストン16の左側に備えたリターンスプリング20により弁閉方向に付勢して定常時は閉鎖している。自動弁10を開放するときは、ピストン16の右側のシリンダ室18に加圧水を供給することでリターンスプリング20に抗して弁体22を左側に移動することで開放する。
【0034】
自動弁用圧力調整弁12は、自動弁10の二次側配管内の圧力を監視して、二次側圧力を所定圧力に維持するように自動弁10の弁体22の開度を制御する装置である。自動弁用圧力調整弁12は、4つポートを備えており、自動弁10の一次側と連通する一次側ポートP1、自動弁10の二次側と連通する二次側ポートP2とパイロットポートPL、自動弁のシリンダ室18に連通するシリンダポートCLを備える。自動弁10を閉じている定常時は、一次側ポートP1とシリンダポートCLが連通し、一次側ポートP1と二次側ポートP2の連通状態を閉鎖している。また、シリンダポートCLと二次側ポートP2は、他のポート同士が連通する時の水量と比較して極めて少ない量が流れるように連通している。自動弁用圧力調整弁12は二次側の加圧水をパイロットポートPLに取り込んで二次側圧力を監視している。
【0035】
定常時から自動弁10を開放する水噴霧時の動作は、電動弁を用いたパイロット弁30をセンタ装置5からの遠隔起動による開操作で行われる。なお、パイロット弁30と並列に接続された手動起動弁32を手動操作で開放することもできる。パイロット弁30が開くと、一次側の加圧水が止め弁26、パイロット弁30、自動弁用圧力調整弁12(ポートP1より入力しポートCLから出力される)及びオリフィス28を介して自動弁10のシリンダ室18内のピストン16よりも右側の空間に供給され、ピストン16を左側にストロークして、弁体22を弁座からリフトして開放し、自動弁10の二次側に加圧水を供給し、水噴霧ヘッド4からトンネル内に散水させる。
【0036】
ピストン16よりも右側のシリンダ室18内に加圧水が供給され続けると、自動弁10は全開方向に制御されるため、二次側の圧力値は一次側の圧力値に近づく。自動弁用圧力調整弁12のパイロットポートPLに入る加圧水は内部のダイアフラム室に入り、ダイアフラムの反対に設けたスプリングとの圧力比較により、二次側圧力が規定の圧力を超えるかを監視している。二次側の加圧水が上昇し、自動弁用圧力調整弁12のパイロットポートPLに入る二次側の圧力値が規定圧力より高くなった場合、自動弁用圧力調整弁12は一次側ポートP1とシリンダポートCLの間の流路を閉じると共に、シリンダポートCLと二次側ポートP2の連通量を定常時より多くする。
【0037】
このためパイロット弁30から自動弁用圧力調整弁12を通って自動弁10のシリンダ室18に対する加圧水の供給が止まり、シリンダ室18の加圧水は自動弁用圧力調整弁12のシリンダポートCLを入り二次側ポートP2を通って二次側に排出することで圧力が下がり、リターンスプリング20によるピストン16の右側への戻りで弁体22の開度が小さくなる。これによって二次側圧力値が減少し、規定の圧力値に近づく。
【0038】
二次側圧力値が規定の圧力値より小さくなると自動弁用圧力調整弁12の一次側ポートP1とシリンダポートCLが連通し、シリンダポートCLと二次側ポートP2の連通状態を定常時のように狭くする。これによってパイロット弁30を通る自動弁10の一次側加圧水がシリンダ室18に入り、自動弁10はふたたび開方向に動くことで弁体22の開度を大きくして二次側圧力を大きくする。このような自動弁用圧力調整弁12による自動弁10の開閉調整の繰り返しで二次側圧力を規定の圧力値に調整する。
【0039】
水噴霧ヘッド4からの散水を停止したい場合にはパイロット弁30を遠隔的に閉制御する。パイロット弁30を閉じると自動弁10のリターンスプリング20により弁体22が閉止方向に移動し、シリンダ室18の加圧水が自動弁用圧力調整弁12のシリンダポートCLから入り、二次側圧力が低下していくことで定常状態になっている自動弁用圧力調整弁12のシリンダポートCLと二次側ポートP2の狭い連通状態を介して二次側に流れ、弁体22を緩やかに閉鎖する。なお、テスト放水時における自動弁10の起動動作及び停止動作も水噴霧時と同じになる。
【0040】
次にテスト用制水弁11を説明する。テスト用制水弁11として本実施形態にあっては、全開時の流過面積が大きく圧力損失の少ないバタフライ弁を使用している。なお、全開時の流過面積が大きく圧力損失の少ない弁としては、バタフライ弁以外にボール弁があり、バタフライ弁に代えてボール弁を使用しても良い。
【0041】
テスト用制水弁11には遠隔開閉操作を行うために水圧アクチュエータ34が設けられている。水圧アクチュエータ34の詳細は
図3に示される。
図3のシリンダ60の内部にピストン62を摺動自在に設け、ピストン62から外部に取り出したピストンロッド64の先端にガイドローラ66を設け、バタフライ弁体24の弁回転軸72に連結した回動レバー70の先端に設けたスライダ68をピストンロッド64のガイドローラ66に嵌め入れている。ここで、ピストンロッド64のガイドローラ66と回動レバー70のスライダ68の連結により、ピストン62の直線運動を弁回転軸72の回転運動に変換する変換機構が構成される。
【0042】
シリンダ60はピストン62により弁開放時に加圧水が供給される第1シリンダ室61aと、弁閉鎖時に加圧水が供給される第2シリンダ室61bに分けられている。テスト用制水弁11を開操作する場合は、矢印Aで示すように第1シリンダ室61aに加圧水を供給すると同時に第2シリンダ室61bを点線の矢印aで示すように排水側に連通する。
【0043】
このため第1シリンダ室61aに供給された加圧水によりピストン62は第2シリンダ室61bの水を排水しながら上方にストロークし、ピストンロッド64のガイドローラ66と回動レバー70のスライダ68の連結による変換機構を介して直線運動を弁回転軸72の左回転運動に変換し、バタフライ弁体24を開操作する。
【0044】
テスト用制水弁11を閉操作する場合は、逆に第2シリンダ室61bに矢印Bに示すように加圧水を供給すると同時に第1シリンダ室61aを点線の矢印bで示すように排水側に連通する。
【0045】
このため第2シリンダ室61bに供給された加圧水によりピストン62は第1シリンダ室61aの水を排水しながら下方にストロークし、ピストンロッド64のガイドローラ66と回動レバー70のスライダ68の連結による変換機構を介して直線運動を弁回転軸72の右回転運動に変換し、バタフライ弁体24を閉操作する。この開閉操作に伴う弁回転軸72の回転角は概ね90度となる。
【0046】
なお、水圧アクチュエータは
図3に限定されず、適宜のピストン・シリンダ機構を用いることができる。
【0047】
再び
図2を参照するに、テスト用制水弁11に設けた水圧アクチュエータ34にはリミットスイッチ25が設けられ、バタフライ弁体の全開位置及び全閉位置を検知し、全開検知信号または全閉検知信号を出力する。具体的には、
図3に示したピストンロッド64又は回動レバー70などの全開位置でオンするリミットスイッチと、全閉位置でオンするリミットスイッチを設ける。
【0048】
テスト用制水弁11に設けた水圧アクチュエータ34を駆動制御する機器として、本実施形態にあっては、水圧アクチュエータ用圧力調整弁36、点検弁40およびテスト放水弁42を設けている。なお、テスト放水弁42は、本来、自動弁10のテスト放水における排水側への経路を形成するものであるが、水圧アクチュエータ34を開閉操作する際の排水側への経路切り替えにも利用している。
【0049】
水圧アクチュエータ用圧力調整弁36は自動弁10に対する給水配管8からの加圧水を止め弁26を介して導入し、導入圧より低い所定圧に調整した加圧水を点検弁40のポートaに供給している。なお、このとき水圧アクチュエータ34のピストン62の移動速度を制御するために、点検弁40の一次側或いは二次側にオリフィス38若しくはニードル弁を設けてもよい。
【0050】
ここで、一次側加圧水は例えば0.70MPa〜1.77MPaの比較的高い圧力範囲をもつが、このような高い水圧を水圧アクチュエータ34に加えると、例えば許容最大圧(耐圧)を例えば2.66MPaとする堅牢な構造を必要とし、水圧アクチュエータ34が大型化してコストアップになる。
【0051】
これに対し本実施形態にあっては、水圧アクチュエータ用圧力調整弁36が調整する設定圧を一次側加圧水の圧力範囲より低い例えば0.50MPaに設定しており、このため水圧駆動する水圧アクチュエータ34の許容最大圧(耐圧)を例えば1.05MPaと半減でき、その分、水圧アクチュエータ34の強度を低下することができ、小型軽量化によりコストダウンすることができる。
【0052】
なお、水圧アクチュエータ用圧力調整弁36は、その二次側の水圧アクチュエータ34のいずれか一方のシリンダ室に加圧水を充填すると、水圧アクチュエータ用圧力調整弁36の二次側圧力が所定圧力よりも高くなったことを検知して水圧アクチュエータ用圧力調整弁36内部に設けた弁体を閉鎖する。この水圧アクチュエータ用圧力調整弁36の閉鎖により、充填した側のシリンダ室に加圧水を継続して充填することで、テスト用制水弁11の開閉状態を保持する。
【0053】
点検弁40は遠隔操作可能な電動式の三方切替弁を使用している。定常時、テスト用制水弁11は全開状態に保たれることから、点検弁40はポートaをポートbに連通する定常位置、即ち、水圧アクチュエータ用圧力調整弁36で調整した加圧水を水圧アクチュエータ34を開操作する定常位置に切替えている。この定常位置は
図3の水圧アクチュエータ34の場合、
第1シリンダ室61aに加圧水を供給してピストン62を上方にストロークさせる開位置となる。
【0054】
またテスト放水時、テスト用制水弁11は水噴霧ヘッドからの実放水を阻止するために全閉状態に保たれることから、点検弁40はポートbを切り離し、ポートaをポートcに連通する点検位置、即ち、水圧アクチュエータ用圧力調整弁36で調整した加圧水を水圧アクチュエータ34を閉操作する点検位置に切替えている。この点検位置は
図3の水圧アクチュエータ34の場合、
第2シリンダ室61bに加圧水を供給してピストン62を下方にストロークさせる閉位置となる。
【0055】
テスト放水弁42は遠隔操作可能な電動式の三方切替弁を使用している。定常時、自動弁10の弁体22は閉状態に保たれ、同時にテスト用制水弁11は開状態に保たれており、テスト用制水弁11に設けた水圧アクチュエータ34のシリンダ室の一方を排水側に連通させる必要があることから、テスト放水弁42はポートbをポートaに連通する定常位置、即ち水圧アクチュエータ34を開操作するための排水側に連通する定常位置に切り替わっている。このテスト放水弁42の定常位置は、
図3の水圧アクチュエータ34の場合、
第2シリンダ室61bの水を排水してピストン62を上方にストロークさせて全開状態を保持する切替位置となる。
【0056】
またテスト放水時には、テスト用制水弁11は水噴霧ヘッドからの実放水を阻止するために閉操作され、続いて自動弁10の起動により調圧された二次側加圧水を排水側に流すテスト放水を行う。このテスト放水のため自動弁10の二次側からテスト放水配管55が引き出され、逆止弁50を介してテスト放水弁42のポートcに接続している。
【0057】
このためテスト放水時、テスト放水弁42はポートcをポートaに連通する点検位置に切り替わっている。テスト放水弁42の点検位置は、テスト用制水弁11を閉鎖するために水圧アクチュエータ34を閉操作した場合の排水経路を形成する。
【0058】
即ち、水圧アクチュエータ34の閉操作で流出された水を逆止弁52を介してテスト放水弁42のポートcに加え、点検位置への切り替えで連通しているポートaを介して排水側に流す。
図3の水圧アクチュエータ34の場合、閉操作の際には
第1シリンダ室61aの水をテスト放水弁42を介して排水してピストン62を下方にストロークさせて閉操作を行う。
【0059】
またテスト用制水弁11の閉操作が完了すると、後の説明で明らかにするように、パイロット弁30を遠隔的に開操作することにより、自動弁10の開制御が行われ、このときテスト放水弁42はポートcをポートaに連通する点検位置に切り替わってテスト放水経路を形成しており、自動弁10の二次側に調圧供給された二次側加圧水は、テスト放水配管55、逆止弁50及びテスト放水弁42を介して排水側に流れるテスト放水が行われる。
【0060】
なお、逆止弁52は自動弁10のテスト放水による二次側加圧水が閉操作を保持している水圧アクチュエータ34に回り込まないようにし、また逆止弁50は水圧アクチュエータ34からの排水が自動弁10の二次側に回り込まないようしている。
【0061】
また、自動弁10の二次側から引き出したテスト放水配管55に対して自動排水弁54を設けている。自動排水弁54は自動弁10が閉鎖している定常時の圧力がない状態で開放し、テスト放水あるいは実火災時の放水による自動弁10から二次側加圧水が出力されると閉鎖し、テスト放水や実火災時放水が停止されたあとのヘッド配管3内の水を排水するために設けられている。
【0062】
自動弁10の二次側から引き出したテスト放水配管55に対しては圧力センサ44が設けられている。パイロット弁30の開放に伴う自動弁10の開放により、水噴霧ヘッドから消火用水が散水されたとき、二次側の放水圧力が圧力センサ44に導入され、圧力センサ44は水噴霧ヘッドからの放水圧力を検出し、端末ユニット2を介して
図1のセンタ装置5に放水圧力の検出情報を含む電文を送信する。これを受けてセンタ装置5にあっては、圧力センサ44で検出した放水圧力に基づき放水動作確認表示を行うことになる。
【0063】
図4は
図1の実施形態について遠隔的な点検操作により自動弁装置をテスト放水動作に切替えた状態を示している。テスト放水時には、まず点検弁40がポートaをポートcに連通する点検位置に切替えられ、またテスト放水弁42もポートcをポートaに連通する点検位置に切替えられる。
【0064】
このため水圧アクチュエータ用圧力調整弁36で一次側圧力に対し低い設定圧に調整された加圧水は、点検弁40から水圧アクチュエータ34を閉操作するシリンダ室側、
図3の第2シリンダ室61bに矢印Bに示すように供給される。同時に、第1シリンダ室61aは点線の矢印bに示すように、テスト放水弁42を介して排水側に連通し、第1シリンダ室61aの水は排水側に流れ出す。これによってピストン62は下方にストロークし、ピストンロッド64、ガイドローラ66及び回動レバー70を介して弁回転軸72を時計回りに回動し、バタフライ弁体24を閉鎖位置に回動し、テスト用制水弁11が閉鎖する。
【0065】
テスト用制水弁11の閉鎖が完了すると、パイロット弁30に開制御信号が与えられて開動作し、自動弁用圧力調整弁12と自動弁10の圧力制御機構14の動作を通じて弁体22が開放されると同時に二次側圧力を所定の設定圧に調整する圧力調整制御が行われ、自動弁10の二次側に供給された加圧水は、テスト放水配管55、逆止弁50及びテスト放水弁42を通って排水側に流れ、水噴霧ヘッドから噴霧することなくテスト放水を行うことができる。このテスト放水時のテスト放水配管55内の圧力を圧力センサ44で測定することで放水圧力が正しいか点検することができる。
【0066】
図5は
図1のセンタ装置と自動弁装置に設けた端末ユニットの詳細を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0067】
図5において、自動弁装置側の端末ユニット2には端末伝送部86と端末処理部84が設けられ、端末処理部84に対しては制御負荷としてパイロット弁30、点検弁40及びテスト放水弁42が設けられ、またセンサとしてテスト用制水弁のリミットスイッチ25、圧力センサ44及び圧力スイッチ48が設けられている。端末処理部84にはコンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される機能として、水噴霧
制御部88及びテスト放水制御部90が設けられている。
【0068】
一方、センタ装置5にはセンタ伝送部92とセンタ処理部94が設けられ、センタ処理部94に対しては表示部100、操作部102、警報部104、更に記憶部106が接続されている。表示部100は例えば操作部102を兼ねたタッチパネル付きの液晶表示パネルで構成される。センタ処理部94にはコンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される機能として、水噴霧指示部96及び手動点検指示部98が設けられている。
【0069】
なお、センタ処理部94には必要に応じて自動点検指示部も設けられるが、本実施形態にあっては省略している。自動点検処理部は、例えば順次点検、並列点検、個別点検といった自動点検を所定の点検手順に従って制御コマンドを含む電文を送信して自動弁装置のテスト放水を自動的に行わせる。
【0070】
センタ処理部94に設けた水噴霧指示部96は、防災受信盤7から火災移報信号を受けて表示部100に火災地区表示を行い、且つ警報部104から火災警報を出した際に、火災警報内容を確認した担当員が、操作部102により火災発報地区に対応した自動弁装置を指定した自動弁起動操作を行うことで水噴霧起動コマンドを含む電文を作成し、この電文をセンタ伝送部92から伝送路9により自動弁装置側の端末ユニット2に伝送する。
【0071】
センタ伝送部92からの電文には伝送先を示す端末アドレスと制御内容を示す制御コマンドが含まれており、端末伝送部86は受信電文から取得したアドレスが自己アドレスに一致することを検知した場合に有効な電文として電文内容を解析し(以下「有効受信」という)、例えば水噴霧起動コマンドであった場合には、水噴霧制御部88によりパイロット弁30に開制御信号を出力して開動作することで自動弁の開制御を行わせ、水噴霧ヘッドから散水させる。
【0072】
自動弁の開放後に火災が鎮火して放水を停止する際にも、操作部102による自動弁停止操作に基づき、水噴霧指示部96は放水停止コマンドを含む電文を生成してセンタ伝送部92から伝送し、この電文を端末伝送部86で有効受信した場合、水噴霧制御部88によりパイロット弁30に閉制御信号を出力して自動弁10を閉動作することで水噴霧ヘッドからの散水を停止させる。
【0073】
センタ処理部94に設けた手動点検指示部98は、点検員が自動弁装置の点検を手動操作により行う場合の開始操作を検知して表示部100の画面上に点検画面を表示する。表示部100の点検画面には点検対象とする自動弁装置の系統図を表示すると共に自動弁装置の点検に必要な機器の操作部位として例えば操作ノブを画面表示する。なお、操作部位は操作ノブに限定されず、操作釦、操作スイッチ、操作キーなどの適宜の操作部位を表示できる。
【0074】
また手動点検指示部98は、点検画面に表示中の操作ノブの操作を検知した場合、対応する制御コマンドを含む電文を作成し、この電文をセンタ伝送部92から伝送路9により自動弁装置側の端末ユニット2に送信して自動弁装置を動作させ、当該操作に対応する自動弁装置の所定の動作状態が端末ユニット2からの電文の有効受信による解析で検知された場合に、表示部100の系統図に当該動作状態を反映表示する。
【0075】
即ち、手動点検指示部98は、表示部100の画面上に点検画面を表示した場合に、
図3に示した自動弁10、テスト用制水弁11、水圧アクチュエータ34、テスト放水弁42、点検弁40及びパイロット弁30を含む系統図を表示すると共に、テスト放水弁及び点検弁の操作部位を定常位置の切替状態で表示する。
【0076】
図6は
図5のセンタ装置の手動点検指示部98により点検操作を開始する場合に表示する点検画面を示した説明図である。
図6において、点検画面110Aは、タッチパネル付画面で構成され、上部左側に点検対象とする自動弁装置の番号を示した画面タイトル112を表示し、その右側に放水圧力表示部114を表示し、中央に自動弁を含む関連の配管系統
図116を表示し、更に下部に操作部118を表示し、更に自動弁選択釦128とメニュー画面切替釦130を表示している。
【0077】
最初の点検画面110Aにあっては、配管系統
図116は
図2に示した自動弁装置の実施形態に対応しており、配管系統
図116には該当する機器の近傍に、自動弁、テスト用制水弁、テスト放水弁、点検弁、パイロット弁、圧力センサといった機器名称が表示されている。
【0078】
点検画面110Aは通常監視状態にあることから、テスト放水弁と点検弁は定常位置にあり、それぞれ矢印によって切替えによる連通方向を示している。またテスト放水弁と点検弁の定常位置への切替えに伴い、一次側の加圧水が充填している状態をグレー(灰色)で示すように所定の表示色を使用して表示し、動作状態が分かるようにしている。加圧水の充填されていない配管は、充填部分とは別の表示色で表示される。また、テスト放水弁と点検弁は定常位置にあるためにテスト用制水弁の近傍に「全開」を表示し、更に、圧力スイッチの動作状態として「OFF」を表示している。圧力センサ44の計測値を該当する圧力センサの位置付近に表示することもできる。
【0079】
操作部118には手動点検操作で使用する操作部位として、テスト放水弁42の状態を切換操作するテスト放水弁操作ノブ120、点検弁40の状態を切換操作する点検弁操作ノブ122、パイロット弁30の開閉状態を切換操作するパイロット弁操作ノブ124及びポンプ設備を起動操作するポンプスイッチ126を表示している。ここでテスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122は「定位」として示した定常位置に切替えた状態を表示し、パイロット弁操作ノブ124は「閉」と表示した閉位置に切替えた状態で表示し、更にポンプスイッチ126は「OFF」と表示したオフ位置(停止位置)に切替えた状態で表示している。
【0080】
この点検画面110Aにおいて、点検員はまずテスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122をそれぞれ「定位」から「点検」、即ち定常位置から点検位置に切替え操作する。この切替操作はタッチパネル付画面の場合はタッチ操作により行う。更にポンプスイッチ126をオン位置(運転位置)に切替える。
【0081】
ここで、テスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122の操作の順番はどちらが先でも後でもよい。つまり、テスト放水弁42と点検弁40については点検位置への切替えにつき順番的な制限は原則としてない。しかしながら、テスト放水弁42を点検位置に切替えて水圧アクチュエータ34の排水となるシリンダ室を排水側に連通した後に、点検弁40を点検位置に切替えて加圧水を水圧アクチュエータ34の反対側のシリンダ室に加えることが、水圧アクチュエータ34に水撃が加わり難い点で望ましい。
【0082】
図5の手動点検指示部98は、点検画面110Aにおけるテスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122の点検位置への切替操作を検知した場合、点検切替コマンドを含む電文を作成し、この電文をセンタ伝送部92から伝送路9により自動弁装置側の端末ユニット2に送信する。またポンプスイッチ126のオン操作を検知し、
図1に示したポンプ制御盤6にポンプ起動信号を送信してポンプ運転を開始させ給水配管8に消火用水を加圧供給させる。
【0083】
端末ユニット2の端末伝送部86はセンタ装置5からの電文を有効受信して端末処理部84のテスト放水制御部90に出力し、テスト放水制御部90は電文内容を解析する。解析した電文がテスト放水弁42の点検切替コマンドであった場合には、テスト放水弁42に切替制御信号を出力して点検位置に切替え、テスト用制水弁11の水圧アクチュエータ34の第1シリンダ室61a側を排水側に連通する。また点検弁40の点検切替コマンドであった場合には、テスト放水制御部90は点検弁40に切替制御信号を出力して点検位置に切替え、一次側圧力水をテスト用制水弁11の水圧アクチュエータ34の第2シリンダ室61b側に供給する。
【0084】
これによってテスト用制水弁11は水圧アクチュエータ34により全閉位置へ駆動され、全閉位置に達するとリミットスイッチ25がこれを検知してテスト放水制御部90に読み込まれ、全閉検知データを含む電文をセンタ装置5に送信する。ここで、水圧アクチュエータ34に全開でオンする全開リミットスイッチと全閉でオンする全閉リミットスイッチを設けている場合、テスト用制水弁11の全閉検知データは、全開リミットスイッチのオフと全閉リミットスイッチのオンを示すデータとなる。
【0085】
また手動点検指示部98はテスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122の点検位置への切替操作を検知すると、
図6の最初の点検画面110Aを
図7に示す次の点検画面110Bに切り替え、配管系統
図116と操作部118を操作後の表示に切替える。手動点検指示部98による操作部118の表示切替えは、テスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122の切替位置を示す向きを、
図6の定常位置から
図7の点検位置に切替え、またポンプスイッチ126はオン位置に切替える。
【0086】
また手動点検指示部98による配管系統
図116の表示切替えは、テスト放水弁操作ノブ120と点検弁操作ノブ122の点検位置への切替操作に対応してそれぞれの連通方向を示す矢印の表示を切替える。また手動点検指示部98は端末ユニット2からの電文を有効受信して解析することで、テスト用制水弁11の全閉検知データを検知した場合、配管系統
図116におけるテスト用制水弁の状態表示を
図6の「全開」から
図7の「全閉」に変更する。さらに、各弁の切換状態に対応して、加圧水の充填されている配管の表示色を切り換える。
【0087】
続いて点検員は
図7の点検画面110Bにおいて、パイロット弁操作ノブ124を閉位置から開位置に切替操作する。
図5の手動点検指示部98は、点検画面110Bにおけるパイロット弁操作ノブ124の閉位置から開位置への切替操作を検知した場合、テスト用制水弁11の全閉が検知されていることを条件に、パイロット弁操作ノブ124の切替操作を有効として検知し、パイロット弁開制御コマンドを含む電文を作成し、この電文をセンタ伝送部92から伝送路9により自動弁装置側の端末ユニット2に送信する。
【0088】
一方、手動点検指示部98は、パイロット弁操作ノブ124の閉位置から開位置への切替操作を検知した場合に、テスト用制水弁11の全閉が検知されていない場合は、当該操作を無効とし、対応する処理動作は行わない。このためテスト用制水弁11が全閉となっていない状態でパイロット弁操作ノブ124を操作しても自動弁装置でのパイロット弁30の開制御は行われず、点検手順に従わずにパイロット弁30を誤操作しても、水噴霧ヘッドからトンネル内に放水されることはない。
【0089】
端末ユニット2の端末伝送部86はセンタ装置5からの電文を有効受信してテスト放水制御部90に出力し、テスト放水制御部90が受信電文を解析してパイロット弁開制御コマンドを検知した場合、パイロット弁30に開制御信号を出力して開位置に切替え、自動弁用圧力調整弁12に自動弁10の開動作を行わせ、自動弁10の二次側加圧水をテスト放水配管55および点検位置に切替えているテスト放水弁42を介して排水側に流すテスト放水を実行させる。
【0090】
テスト放水が実行されると、圧力スイッチ48に自動弁10の二次側圧力が導入されてオンし、これをテスト放水制御部90が読み込み、テスト放水開始データを含む電文を生成してセンタ装置5に送信し、センタ装置5側で端末ユニット2からの電文を有効受信して解析することで圧力スイッチ48のオンを検知し、これによりテスト放水の開始を確認可能とする。
【0091】
またテスト放水中にあっては、圧力センサ44に自動弁10の二次側圧力が導入されており、圧力センサ44で検知された二次側放水圧力の圧力検知信号がテスト放水制御部90で読み込まれ、二次側検知圧力データを含む電文を生成してセンタ装置5に送信し、センタ装置5側で端末ユニット2からの電文を有効受信して解析することで2次側放水圧力を取得して点検画面に表示し、テスト放水による動作性能を確認可能とする。
【0092】
またセンタ装置5の手動点検指示部98は、パイロット弁操作ノブ124の開位置への有効な切替操作を検知すると、
図7の点検画面110Bを
図8に示す次の点検画面110Cに切り替え、配管系統
図116と操作部118を操作後の表示に切替える。
【0093】
この場合の手動点検指示部98による操作部118の表示切替えは、パイロット弁操作ノブ124の向きを
図7の閉位置から
図8の開位置に切替える。
【0094】
また手動点検指示部98による配管系統
図116の表示切替えは、パイロット弁、圧力調整弁及び自動弁の間の経路に、グレー(灰色)で示すように加圧水の流れを示す状態表示に切替え、且つ、自動弁の二次側の圧力センサ、圧力スイッチ、逆止弁及びテスト放水弁を介して排水に至る経路についてもグレー(灰色)で示すように加圧水の流れを示す状態表示に切替える。
【0095】
更に点検画面110Cの上部右側の放水圧力表示部114に、端末ユニット2から送信されてきた電文を有効受信して解析することで、圧力センサ44で検知した放水圧力を取得し、例えば「圧力 0.500 MPa」を表示し、テスト放水による動作性能の判断を可能とする。
【0096】
このような点検操作が終了した場合、手動点検指示部98は、
図8、
図7及び
図6となる逆の順番で点検画面110C、110B、110Aを使用した操作、制御指示、点検画面への反映表示を行い、自動弁装置を通常監視状態に戻して手動点検を終了する。このように自動弁装置の手動点検が終了したら、必要に応じて自動弁選択釦128を操作して次の自動弁装置を選択するか、或いはメニュー画面切替釦130を操作してメニュー画面に戻り、メニュー画面上で終了操作を行うことになる。
【0097】
図9及び
図10は
図4のセンタ装置に設けた手動点検指示部による自動弁装置遠隔点検処理の概略を示したフローチャートである。
【0098】
図9において、センタ装置5を電源投入により起動すると、ステップS1で初期化及び自己診断を行い、エラーがなければステップS2に進み、メニュー画面を表示する。メニュー画面には自動点検、手動点検などを含む各種のメニュー項目が表示される。
【0099】
続いてステップS3に進み、メニュー画面において手動操作により点検する自動弁の選択操作が検知されるとステップS5に進み、例えば
図6に示した点検画面110Aを表示する。尚、ステップS3で手動点検する自動弁の選択操作が検知されない場合はステップS4に進み、メニュー画面での終了操作を検知すると処理を終了する。
【0100】
続いてステップS6で点検画面を使用したテスト放水弁42の点検切替操作を検知するとステップS7に進み、端末ユニット2にテスト放水弁42の点検位置への切替制御を指示し、点検画面の系統図に動作状態を反映表示すると共に操作部にも操作結果を反映表示する。
【0101】
続いてステップS8で点検画面を使用した点検弁40の点検位置への切替操作を検知するとステップS9に進み、端末ユニット2に点検弁40の点検位置への切替制御を指示し、点検画面の系統図に動作状態を反映表示すると共に操作部にも操作結果を反映表示する。
【0102】
続いてステップS10でポンプスイッチによる起動操作を検知するとステップS11に進み、ポンプ制御盤6にポンプ運転信号を送信してポンプ運転を開始させ、点検画面の操作部にも操作結果を反映表示する。
【0103】
続いてステップS12で端末ユニット2から送られてくる電文を有効受信して解析することで、テスト用制水弁11に設けたリミットスイッチ25による全閉を検知するとステップS13に進み、
図7の点検画面110Bに示したように、テスト用制水弁の状態を「全開」から「全閉」に切替表示する。
【0104】
続いて
図10のステップS14でパイロット弁30の開操作を検知すると、この場合、ステップS12で既にテスト用制水弁の全閉が検知されていることから、当該操作を有効としてステップS15に進み、端末ユニット2にパイロット弁30の開制御を指示し、これにより自動弁10を調圧開制御して排水側に加圧水を流すテスト放水を実行させ、点検画面の系統図に動作状態を反映表示すると共に操作部にも操作結果を反映表示する。
【0105】
続いてステップS16で端末ユニット2からの電文の電文を有効受信して解析することで、圧力センサ44で検出された放水圧力を検知するとステップS17に進み、
図8の点検画面110Cのように、放水圧力を表示する。
【0106】
続いてステップS18〜S25の処理により点検開始の場合とは逆に、パイロット弁30の閉操作、ポンプ停止操作、点検弁40の定常位置への切替操作及び
テスト放水弁42の定常位置への切替操作と、これらの操作に伴う点検画面に対する反映表示を行い、
図9のステップS2に戻る。
【0107】
図11は本発明による点検画面の他の実施形態を示した説明図であり、点検画面に表示している系統図と操作部位の連携をより明確にするようにしたことを特徴とする。
【0108】
図11において、点検画面110Aは点検操作の開始で表示される初期画面であり、
図6の点検画面と同様、上部左側に点検対象とする自動弁装置の番号を示した画面タイトル112を表示し、その右側に放水圧力表示部114を表示し、中央に
配管系統
図116を表示し、更に下部に操作部118を表示し、更に自動弁選択釦128とメニュー画面切替釦130を表示している。
【0109】
配管系統
図116は
図2に示した自動弁装置の実施形態に対応しており、
配管系統
図116には該当する機器の近傍に、自動弁、テスト用制水弁、圧力センサといった機器名称が表示しているが、手動点検で操作するテスト放水弁、点検弁及びパイロット弁については名称に代えて丸付きの数字1〜3を表示している。
【0110】
一方、操作部118には手動点検操作に使用する操作部位として、テスト放水弁操作ノブ120、点検弁操作ノブ122、パイロット弁操作ノブ124及びポンプスイッチ126を表示している。この内、テスト放水弁操作ノブ120、点検弁操作ノブ122、パイロット弁操作ノブ124には、
配管系統
図116との連携をとるため、丸付きの数字1〜3がそれぞれの名称と共に表示されている。このように
配管系統
図116の機器とこれを操作する操作部118の操作部位に例えば丸付き数字といった記号を使用することで、点検員は両者の対応関係を簡単且つ容易に把握でき、所定の操作手順に従った手動点検操作を行いやすくできる。
【0111】
またテスト放水弁操作ノブ120、点検弁操作ノブ122、パイロット弁操作ノブ124に操作手順に従って丸付き数字1〜3が表示されており、数字の順番に従って操作することを促している。このためテスト用制水弁の全閉検知を有効操作の条件に設定していなくとも、テスト用制水弁が全閉とならない状態でパイロット弁を開操作してしまうような誤操作を確実に防止できる。
【0112】
なお、上記の実施形態における点検画面は一例であり、手動点検操作を行う自動弁装置の系統図と操作部位を連携表示するものであれば、適宜の点検画面とすることができる。
【0113】
また、上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【0114】
またテスト時の自動弁二次側からの加圧水の排水と、テスト用制水弁11を閉止する際の水圧アクチュエータ34の第1シリンダ室61aの排水は、混合してからテスト放水弁42のポートcに入力して排水しているが、これに限らず、混合せずに、複数のテスト放水弁を使用してそれぞれ独立して排水する構成としても良い。テスト放水弁42は3方切替弁に限らず、水圧アクチュエータ34の開閉いずれかのシリンダ室を排水するように切替可能とする複数の弁で構成しても良い。
【0115】
また水圧アクチュエータ34に導入する加圧水の切替のために、点検弁40とテスト放水弁42の2つの三方切替弁で構成しているが、これに限らず、例えば一つの4方切替弁で構成しても良い。つまり、オリフィス38の二次側に接続するポートa、水圧アクチュエータ34の
第1シリンダ室61aに接続するポートbと
第2シリンダ61bに接続するポートc、及び排水側に接続するポートdの4つのポートを備える。そしてテスト用制水弁11を開放する常態時は、ポートaとポートbを連通し、ポートcとポートdを連通することで、
第1シリンダ室61aに加圧水を供給するとともに、
第2シリンダ室61bの水を排水する。テスト用制水弁11を閉鎖するテスト時は、ポートaとポートcを連通し、ポートbとポートdを連通することで、
第2シリンダ室61bに加圧水を導入し、
第1シリンダ室61aの水を排水させる。この場合は、テスト用制水弁11の開閉制御を一つの弁で構成し、テスト時の自動弁二次側の加圧水を排水側に接続する切替弁を別途設ければ良い。テスト用制水弁11は上記の実施形態の開閉構造に限らず、自動弁10とパイロット弁30と同様の構造による開閉制御や、テスト用制水弁11を電動弁で構成してもよい。
【0116】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。