【実施例1】
【0009】
[センターコンソールの構造の説明]
図1は、本発明の一実施形態であるセンターコンソール10の外観を示す図である。
【0010】
センターコンソール10は、車両の車幅方向のほぼ中心部に、車両の前後方向に沿って設置される。通常、その前部はシフトレバーやスイッチ類や収納装置などが設置された操作部とされ、後部はコンソールボックス11とされている。
【0011】
すなわち、センターコンソール10は、
図1に示すように、コンソール本体12と、リッド部14を備えている。コンソール本体12は、センターコンソール10を構成する主要部材であり、樹脂材料からなる。リッド部14は、コンソール本体12の後方上部に開閉可能に設置される。このリッド部14の内部にはコンソールボックス11が形成されており、小物入れとして活用される。
【0012】
コンソール本体12の前方上部には、シフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)が装着される。また、コンソール本体12の後方には、後部フィニッシャーパネル31が装着されている。
【0013】
さらに、コンソール本体12の前方左右側面には、サイドパネル20a,20b(側面パネル)がそれぞれ装着されている。このサイドパネル20a,20bの上端は、シフトレバー用フィニッシャーパネル40の上面位置よりもさらに上方に突出するように設置されている。そして、このサイドパネル20a,20bの外表面には、表面にシボ模様が形成された表皮材30,30が被着されている。
【0014】
なお、コンソール本体12には、
図1(b)に示すように、まず、サイドパネル20a,20b(側面パネル)がコンソール本体12の左右側方から取付けられて、上方から複数のビス32でコンソール本体12に固定される。
【0015】
次に、コンソール本体12の上方からシフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)が取付けられる。
【0016】
サイドパネル20a,20b(側面パネル)、およびシフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)の詳細な取付け構造については後述する。
[側面パネルと上面パネルの取付け構造の説明]
【0017】
次に、
図2〜4を用いて、サイドパネル20a,20b(側面パネル)とシフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)の取付け構造について説明する。
【0018】
図2は、サイドパネル20bの、コンソール本体12に取付けられる側の面の構造を示す。このサイドパネル20bは、コンソール本体12の右側面に取付けられるパネルであるが、コンソール本体12の左側面に取付けられるサイドパネル20a(
図1(b)参照)も同様の構造を有している。
【0019】
サイドパネル20b(側面パネル)の裏面側には、裏面から突出する方向に設けられた複数の係合爪片22a,22b,22c,22d,22e,22fと、複数のビス32(
図1(b)参照)によってコンソール本体12と締結される締結舌片24a,24bと、シフトレバー用フィニッシャーパネル40を係止する複数の係止金具26a,26b,26c,26d(係止部)と、が備えられている。
【0020】
複数の係合爪片22a,22b,22c,22d,22e,22fは、それぞれコンソール本体12の側面に設けられた複数の係合孔(非図示)にそれぞれ挿入されて、サイドパネル20bをコンソール本体12側面の所定の位置に固定する。
【0021】
複数の係止金具26a,26b,26c,26d(係止部)は、それぞれ金属性の板状部材からなり、サイドパネル20bの裏面に、それぞれ、ビス27a,27b,27c,27dと位置決めピン28a,28b,28c,28dによって固定されている。係止金具26a,26b,26c,26dは、それぞれ、サイドパネル20bの上方に向かって延び、サイドパネル20bの裏面との間に隙間部29を有するように、クランク状に曲げ加工されている。そして、後述するように、この複数の係止金具26a,26b,26c,26dによって、シフトレバー用フィニッシャーパネル40(
図1(b))が係止される。
【0022】
図3は、シフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)の構造を示す。シフトレバー用フィニッシャーパネル40は、その上面に、シフトレバーが設置されるシフトレバー設置部40aと、カップホルダー部40bを備えている。そして、シフトレバー用フィニッシャーパネル40の裏面側には、その外周縁に沿ってフランジ44(係止用フランジ)が形成されている。このフランジ44は、シフトレバー用フィニッシャーパネル40の強度を上げるために設けられたものであり、シフトレバー用フィニッシャーパネル40をコンソール本体12に取付けた際に、コンソール本体12との干渉が発生する部位を除いて、シフトレバー用フィニッシャーパネル40の外周縁のほぼ全周に亘って形成されている。
【0023】
さらに、シフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)の裏面外周部には、裏面から突出した複数の係合爪片42a,42b,42c,42dが備えられている。
【0024】
これら複数の係合爪片42a,42b,42c,42dは、それぞれ、コンソール本体12の上面に設けられた複数の係合孔(非図示)にそれぞれ挿入されて、シフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)をコンソール本体12上部の所定の位置に固定する。
【0025】
そして、このときフランジ44(係止用フランジ)は、サイドパネル20bに取付けられた複数の係止金具26a,26b,26c,26d(係止部)とサイドパネル20bの裏面側との間にそれぞれ形成された、複数の隙間部29に挿入されて、上方からサイドパネル20bを係止する。これによって、サイドパネル20bの、コンソール本体12の側方方向に対する変位が規制される。すなわち、係止金具26a,26b,26c,26d(係止部)とフランジ44(係止用フランジ)によって、サイドパネル20bの変位を規制する隙間発生防止部34(後述する
図4参照)が形成される。
【0026】
なお、前述した隙間部29の間隔(例えば、係止金具26bとサイドパネル20bの間隔)は、フランジ44(係止用フランジ)の厚さと略等しくされている。そして、この隙間部29にフランジ44が挿入されて係止されることによって、サイドパネル20bの変位を確実に規制することができる。
【0027】
図4は、このようにしてサイドパネル20a,20b(側面パネル)とシフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)とが組付けられたコンソール本体12を、
図1(a)に示す切断線A−Aで切断して、コンソール本体12の後方から見た断面図を示す。
【0028】
図4に示すように、フランジ44(係止用フランジ)は、係止金具26bとサイドパネル20b(側面パネル)の裏面側に巻き込まれた表示材30との間に形成された隙間部29に挿入されることによって係止されている。したがって、
図4において、サイドパネル20bの上端を把持して図面上で右方向の引っ張り力を与えても、サイドパネル20bは、係止金具26bとフランジ44によって形成された隙間発生防止部34によって移動が規制されるため、コンソール本体12とサイドパネル20bの間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0029】
なお、
図4において、サイドパネル20a(側面パネル)側も、全く同様の構成を有している。
【0030】
以上説明したように、実施例1に係るセンターコンソール10によれば、コンソール本体12の上面に上方から取付けられたシフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)と、コンソール本体12の左右両側面に側方から取付けられた、シフトレバー用フィニッシャーパネル40よりも上方に突出したサイドパネル20a,20b(側面パネル)と、の間に、サイドパネル20a,20bがコンソール本体12の側方へ変位してサイドパネル20a,20bとシフトレバー用フィニッシャーパネル40との間に隙間ができるのを防止する隙間発生防止部34を設けたため、サイドパネル20a,20bを把持してコンソール本体12の側方へ変位させようとしても、サイドパネル20a,20bとシフトレバー用フィニッシャーパネル40との間に隙間ができるのを防止することができるため、見栄え品質の悪化を防止することができる。
【0031】
また、実施例1に係るセンターコンソール10によれば、隙間発生防止部34は、サイドパネル20a(側面パネル)がコンソール本体12と接する側に、サイドパネル20aとの間に隙間部29を有して上方に向けて延びて形成された係止金具26a,26b,26c,26d(係止部)と、シフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)の側部に形成された、係止金具26a,26b,26c,26d(係止部)に対して上方から係止可能なフランジ44(係止用フランジ)と、によって構成されて、この隙間部29にフランジ44(係止用フランジ)が係止されるため、サイドパネル20aとシフトレバー用フィニッシャーパネル40との間の隙間の発生を防止しつつ、コンソール本体12に対するサイドパネル20aとシフトレバー用フィニッシャーパネル40の装着性を向上させることができる。
【0032】
特に、シフトレバー用フィニッシャーパネル40の裏面外周縁部には、パネルの強度を確保するためにフランジ44が設けられるが、このフランジ44を係止用フランジ44として流用することができる。したがって、新たな係止部材を設けることなく、サイドパネル20a,20b(側面パネル)とシフトレバー用フィニッシャーパネル40(上面パネル)とを確実かつ容易に係止することができる。
【0033】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。