【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要約
本発明の1つの目的は、装置、特に光学系、光電子モジュールおよびカメラなどの光学装置の代替的な製造方法を提供することであり、特に、装置、特に光学系、光電子モジュールおよびカメラなどの光学装置の改善された製造方法を提供することである。さらに、対応する装置、特に光学系、光電子モジュールおよびカメラなどの光学装置、ならびにウェハおよびウェハスタックなどの関連の装置および器具も提供される。
【0011】
本発明の別の目的は、光学系、光電子モジュールおよびカメラなどの光学装置の製造における製造歩留まりを改善することである。
【0012】
本発明の別の目的は、光学系、光電子モジュールおよびカメラなどの光学装置の、特にこれらがウェハスケールで製造された場合の品質を改善することである。
【0013】
さらなる目的が以下の説明および実施形態から明らかになる。
これらの目的の少なくとも1つは、特許請求項に係る器具および方法によって、ならびに/または以下に記載の器具および方法によって、少なくとも部分的に達成される。
【0014】
本発明は特に装置(特に光学装置)およびその製造、ならびに光学装置の製造の際に用いられるウェハ(スペーサウェハ)およびウェハ積層体(スペーサウェハおよび光学ウェハを含む)に関する。本発明は一般に、少なくとも1つの能動光学コンポーネントおよび/または少なくとも1つの受動光学コンポーネントを一般的に含む少なくとも1つの光学部材を備える。当該製造は一般にウェハスケールの製造工程に係わる。
【0015】
装置、特に光学装置の製造時には、たとえば、単に、1つ以上の処理ステップにおいて多少避けられない変化または不正確さのために、製造異常または製造偏差が発生し得る。たとえば、装置が少なくとも1つのレンズ素子を含む場合、ウェハ(光学ウェハと称される)上の複数のそのようなレンズ素子は、名目上は同じ焦点距離を有するにも関わらず、実際は、(若干)異なる焦点距離を有する。
【0016】
本発明者は、ウェハレベルで製造異常を少なくとも部分的に訂正または補償することができ、それによって、装置の歩留まりおよび/または光学特性を改善できることを見出した。
【0017】
このような製造異常をウェハレベルで補償するスペーサウェハが提案されている。より特定的には、スペーサウェハの形状、特にその厚さ(縦の長さ)および厚さの分布(スペーサウェハの横方向にわたる、縦の長さの分布)は、前記製造異常が少なくとも部分的に補償されるような態様で選択される。さらに、代替的にまたは付加的に、求められる補償に寄与するスペーサの他の特性、たとえばスペーサウェハによって形成される光チャネルでの透明な材料といった、材料の選択および/または材料の厚さ(縦の長さ)も提供される。スペーサウェハと呼ばれる提案されているウェハは、受動光学コンポーネントを含み得る。
【0018】
場合によっては、前記製造異常はある程度、再現可能である、または製造工程を繰返し行なうと再現される。このような場合、複製を用いて製造される、製造異常を(少なくとも部分的に)補償するためのスペーサウェハを用いることが有利であり得る。他の製造異常は予測できる態様を示さないようである。場合によっては、光学ウェハで測定を行なうことが役に立ち得る。これにより、製造異常を少なくとも部分的に補償するのに適するスペーサウェハを選択または製造できることになる。
【0019】
本発明において3つの副局面がある。
第1の副局面において、(光学ウェハにわたる)前記製造異常の平均値が、たとえば試料測定に基づき、決定され、その平均値に基づいて選択された厚さ(縦の長さ)を有するスペーサウェハが用いられる。このスペーサウェハは、複数の予め製造されたスペーサウェハから選択する、または製造され得る。この第1の局面において、一般に製造異常の(横の)分布にありうる傾向は無視される。
【0020】
第2の副局面において、このような傾向が利用される。たとえば、光学ウェハで行なわれた測定に基づき、適切なスペーサウェハ、たとえば全体的な傾斜を有するスペーサウェハが用いられる。
【0021】
第3の副局面において、多数の領域を有するスペーサウェハであって、スペーサウェハの厚さ(縦の長さ)が個別の値を有するスペーサウェハを用いることが提案される。たとえば、光学ウェハに含まれる多数の光学部材の各々に対して、前記製造異常に関連する値が定められ、スペーサウェハは各々が前記光学部材の1つに関連する多数の領域を有し、前記領域の各々の厚さ(縦の長さ)は、それぞれの関係のある光学部材に対して定められる値に関連付けられているおよび/またはその値に基づいて選択される。
【0022】
第3の副局面は、複製工程を用いてスペーサウェハを製造することを含むことによって実現でき、製造異常を既に考慮している複製マスタが用いられる。こうして、このような複製マスタを用いて得られたスペーサウェハは、少なくともある程度、製造異常を補償することができる。複製マスタの設計は、製造異常がスペーサウェハによって補償される(特定の)光学ウェハに基づいて、または同じ態様で製造された付加的光学ウェハ(または複数のこのような付加的光学ウェハ)に基づいて、定めることができる。光学ウェハの製造が複製工程を含む場合、特に注意を引くものであり、1対の一致した複製マスタの生成であって、1つは光学ウェハの製造用、もう1つはスペーサウェハの製造用の複製マスタをもたらし、光学ウェハおよびスペーサウェハを含むウェハ対は、特に一致して得ることができ、その結果高い製造歩留まりおよび/または特に高い品質の装置をもたらす。
【0023】
第3の副局面を実現する別の態様は、たとえばフライス削りにより、スペースウェハから材料を局所的に取除く、または材料を追加することを含む。生産速度を上げるために、1つのスペーサウェハを同時に複数の場所で加工できる。
【0024】
第3の副局面は、上記の2つの可能な方法を組合せることによって実現することができる。すなわち、製造異常を事前に考慮した複製マスタを用いた複製により製造されたスペーサウェハを使用し、次に局所的に材料を除去または追加する。後者は微調整工程であり、複製によって得られたスペーサウェハでは補償されなかった製造異常の量を定めるために、(さらなる)測定に基づいている。
【0025】
スペーサウェハが多数の光チャネルを備え、各々が前記光学ウェハの多数の光学部材のいずれかに関連付けられる場合、その光チャネルの長さは、前記製造異常を少なくとも部分的に補償するためのある大きさとして用いることができる。上記の副局面について、以下がたとえば意図される:
−第1の副局面において、前記光チャネルのすべてに対して、前記光チャネルの長さは、上記の平均値になる製造異常を少なくともほぼ補償する値となる;
−第2の副局面において、スペーサウェハにわたる前記光チャネルの長さの横方向の分布は、数学的関数によって記述できるように選択され、前記数学的関数はフィッティング関数から得ることができ、これは前記製造異常の横方向の分布を記述する数学的関数に適合する;
−第3の副局面において、各前記光チャネルの長さは、それぞれの関係のある光学部材の製造異常に対して定められた値に関連付けられたおよび/またはその値に基づいて選択された値となる。
【0026】
前記副局面と無関係に、本発明は分離工程、より特定的にはウェハ積層体を一般になす前記スペーサウェハおよび前記光学ウェハが複数のモジュールに分離される、より特定的には各々が1つの光学部材を含む多数のモジュールに分離される工程を含む。
【0027】
さらに、光チャネルはスペーサウェハを縦に延在する開口、たとえばスルーホールであり得る。さらに、光チャネル(または少なくともいずれかの光チャネル)の中に透明材があり、光チャネルは不透明材によって取囲まれ得る。透明材は光チャネルを完全にまたは部分的に充填し得る。個別に各チャネルに調整された量を与えることにより、前記製造異常を補償することに寄与し得る。たとえば、求められる補償を達成するための2つの方策(または提供または工程)の1つとして、たとえば微調整工程として、与えることができる。
【0028】
特に、以下の実施の形態は、本発明の少なくとも特定の観点において、本発明に対して以下の特徴を有する:
方法:
本方法は装置、特に光学装置を製造するための方法である。本方法は、製造異常を少なくとも部分的に補償するための訂正工程を行なうことを含み、前記訂正工程はスペーサウェハと呼ばれるウェハを設けることを含み、前記スペーサウェハは前記製造異常を少なくとも部分的に補償するよう構成されている。特に、前記製造異常は、名目値からの偏差を含み得る。具体的に、前記製造異常は前記装置の構成の寸法的異常を含み得る。
【0029】
さらに、前記装置は光学部材を含み、より特定的には、前記光学部材は少なくとも1つの受動光学コンポーネントおよび/または少なくとも1つの能動光学コンポーネントを含み得る。
【0030】
一実施の形態において、本方法は前記スペーサウェハを製造する工程を含む。この場合、前記スペーサウェハの製造は、前記製造異常に基づいて一般に行なわれる。
【0031】
上記の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、本発明は前記スペーサウェハを複数の予め製造されたスペーサウェハから選択する工程を含む。特に、前記予め製造されたウェハは、異なる仕様に従い製造され、より特定的には、前記予め製造されたスペーサウェハは、縦の長さが互いに異なる。これは求められる補償(第1の副局面)を達成する相対的に簡単な方法である。
【0032】
1つ以上の上記の実施の形態と組合せることができる一実施例において、前記装置は光学部材を含み、前記光学部材は、光学ウェハと呼ばれるウェハ上に配置される多数の光学部材を製造することによって製造され、前記多数の光学部材は前記光学部材を含む。
【0033】
最後に記載した実施の形態に従う一実施の形態において、前記スペーサウェハは、前記補償を少なくとも部分的に達成するために、1つ以上の概して横方向に延在する領域を示すよう製造され、その領域においてスペーサウェハは概して湾曲した形状を規定し、前記1つ以上の領域の各々は、前記多数の光学部材のうちのいくつかの光学部材によって前記光学ウェハが占める面積ほど大きい面積にわたって延在し、特に前記スペーサウェハはちょうどこのような1つの領域を示し、より特定的には、前記1つの領域はスペーサウェハ全体にわたって実質的に延在する。このようなおよび以下で言及する「概して横方向に延在する領域」は「横方向に規定される領域」であると考えることができる。なぜなら、これらの領域はその横方向の位置および長さによって規定されるからである。これは第2の副局面を実現する1つの態様である。
【0034】
2つの最後に記載した実施の形態の一方または両方に従う一実施の形態において、前記スペーサウェハは概して楔形状または全体的な傾斜を示すよう製造され、より特定的にはスペーサウェハの横方向の面に対して傾斜を有して製造される。これも第2の副局面を実施する1つの態様である。
【0035】
最後に記載した3つの実施の形態の1つ以上と組合せることができる一実施の形態において、前記スペーサウェハは概して横方向に延在する領域を多数含むよう製造され、前記多数の領域の各々は、前記多数の光学部材の一つと関連付けられる。前記領域の各々におけるスペーサウェハの縦の長さは、それぞれの関係のある光学部材の少なくとも1つの特性に基づいて選択される。前記少なくとも1つの特性は焦点距離を含み得る。特に、前記スペーサウェハは複製工程を用いて製造され、前記複製工程で用いられる複製マスタは、前記製造異常を少なくとも部分的に補償するよう設計されている。これは第3の副局面を実施する一つの態様である。
【0036】
前に記載した1つ以上の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、前記スペーサウェハは互いに異なる材料からなる第1の層および第2の層を含む。たとえば、前記第2の層はポリマー材からなる。さらに材料は(特に、上記の概して横方向に延在する領域において)前記第2の層から除去されるが、前記第1の層からは除去されない。前記第1の層は特に(異なる)ポリマーまたはガラスからなる。前記第1および第2の層は2つの互いに接着する板を形成する。
【0037】
前に記載した1つ以上の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、当該方法は第1の処理工程を行い、前記第1の処理工程の後で、前記第1の処理工程と異なる第2の処理工程を行なうことを含む。前記第1および第2の処理工程は、スペーサウェハから材料を除去する、またはスペーサウェハに材料を追加する工程であり得る。特に、前記第1の処理工程が前記第2の処理工程と異なるのは、少なくとも:
−適用された処理技術;
−それぞれの処理工程で用いられるツール;
−それぞれの処理工程で用いられる少なくとも1つの処理パラメータ;
のいずれか1つである。
【0038】
たとえば、前記第1の処理工程は、前記第2の処理工程と比べて、前記多数の領域のうちの複数からより高い速度で材料を除去(または追加)して行なわれる。第2の工程は、たとえば微調整工程であると考えられる。
【0039】
第1の処理工程は第2の処理工程と異なる(横方向に規定される)領域に対して行なわれ得る。これは特にマルチチャネル装置の場合有用であり得る。
【0040】
前に記載した1つ以上の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、前記スペーサウェハは概して横方向に延在する領域を多数含むよう製造され、前記スペーサウェハは、前記多数の概して横方向に延在する領域の各々において、複製材からなる受動光学コンポーネント(たとえばレンズ)を含む。前記訂正工程は複製を用いて前記多数の受動光学コンポーネントを製造することを含み、前記多数の受動光学コンポーネントの各々は、前記スペーサウェハの基板上に複製され、それとともに前記基板とそれぞれの受動光学コンポーネントとの間に配置される複製材の層を形成する前記複製材の付加的部分が複製される。前記領域の各々における複製材のそれぞれの層の縦の長さは、それぞれの領域に対して個別に選択される。本実施の形態は、前記スペーサウェハへの材料の局所的追加を、特定的な態様で実施すると考えられる。光路長および光学コンポーネントの相対的位置は、このような複製材の層の厚さを変える場合に、変えられる。前記スペーサウェハは光学ウェハであると考えられる。なぜなら、前記受動光学コンポーネントを含むからである。
【0041】
最後に記載した実施の形態に従う一実施の形態において、前記装置は光学部材を含み、前記光学部材は光学ウェハと呼ばれるウェハ上に配置される多数の光学部材を製造することによって製造された光学部材であり、前記多数の光学部材は前記光学部材を含み、前記多数の概して横方向に延在する領域の各々は、前記多数の光学部材の一つと関連付けられる。前記領域の各々において、それぞれの層の縦の長さは、それぞれの関係のある光学部材の少なくとも1つの特性に関連付けられる、またはその特性に基づいて選択され、前記少なくとも1つの特性は任意に焦点距離を含む。特に、前記受動光学コンポーネントを複製するために用いられる複製マスタは、前記光学部材の製造異常を少なくとも部分的に補償するために設計されている。
【0042】
第1の観点における装置:
第1の観点において、本特許出願に記載されている製造方法に従って製造された装置が本発明に含まれる。このような装置は、たとえば光電子モジュール、カメラ用モジュール、撮像装置、スマートフォンのような通信装置であり得る。
【0043】
本発明は本発明に従う対応する方法の特徴を有する装置を含み、およびその逆に、本発明に従う対応する装置の特徴を有する方法を含む。
【0044】
当該装置の利点は、対応する方法の利点に基本的に対応し、その逆に、当該方法の利点は対応する装置の利点に基本的に対応する。
【0045】
第2の観点における装置:
第2の観点において、光学ウェハと呼ばれる第1のウェハおよびスペーサウェハと呼ばれる第2のウェハを含む装置が本発明に含まれ、前記光学ウェハは製造異常を有し、前記スペーサウェハは前記製造異常を少なくとも部分的に補償する。当該装置は特にウェハ積層体であり得る。
【0046】
本装置の一実施の形態において、前記スペーサウェハは互いに異なる材料からなる第1の層および第2の層を含み、特に前記第2の層はポリマー材からなり、および/または前記第1の層はガラスからなる、または、たとえば異なるポリマーが第1および第2の層に用いられる。
【0047】
最後に記載した実施の形態に従う一実施の形態において、前記光学ウェハは多数の光学部材を含み、前記スペーサウェハは多数の概して横方向に延在する領域を含み、前記多数の領域の各々は、前記多数の光学部材の一つと関連付けられる。前記領域の各々における前記第2の層の縦の長さは、それぞれの関係のある光学部材の少なくとも1つの特性に関連付けられるまたはその特性に基づいて選択され、特に前記少なくとも1つの特性は焦点距離を含む。ここでは、前記第1の層の縦の長さは前記領域の各々では実質的に同一である。
【0048】
前記スペーサウェハは、複製工程を用いて製造され、および/または前記スペーサウェハは硬化可能ポリマーといった硬化された硬化可能材料からなる。
【0049】
前に記載した1つ以上の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、前記スペーサウェハは多数の光チャネルを形成する。特に、前記多数の光チャネルの各々は、前記スペーサウェハによって形成されるチャネル壁によって取囲まれる。前記チャネル壁が不透明材料からなる場合、光チャネルの少なくとも部分的な光学的分離が得られる。しかし、一般に、チャネル壁は透明材料からもなり得る。
【0050】
さらに、前記多数の光チャネルの1つ以上の光チャネル(特に、前記多数の光チャネルの各々)において、透明材料がある。光チャネルを通過する光は前記透明材料を通る。液体またはやや固化した透明材を通る光路長は、−典型的に真空であるまたは空気が存在する)「通常の」(「充填されていない」開口を通る光路長と一般的に異なる。こうして、前記製造異常の補償を達成または少なくとも寄与するために、前記多数の光チャネルのうちの第1の光チャネルにある前記透明材の量は、前記多数の光チャネルのうちの少なくとも第2の光チャネルにある前記透明材料の量と異なるよう選択できる。
【0051】
複製によって、開口を取囲む多数のチャネル壁を含むウェハを製造することができ、このようなウェハは、たとえば角柱状または管状の開口を有する平たいふるいのように形作られ得る。さらに、前記透明材料は硬化された硬化可能材料であり得る。このような態様で、材料は液体の形でチャネルに充填され、後で硬化される。前記多数の光チャネルのいずれかにある透明材料は、縦に規定された範囲に沿って全体的に、特に前記縦の規定された範囲が前記それぞれのチャネルの端部で終わる場合、それぞれのチャネルを充填する。
【0052】
上記の3つの副局面に類似して、光チャネルに透明材料を(少なくとも)以下の3つの態様で設けることができる:
−光チャネルすべてにおいて前記透明材料の量または厚さが(名目上)同じである;
−光チャネルにある前記透明材料の量または厚さは、スペーサウェハにわたって全体的傾向を規定する;
−光チャネルにある前記透明材料の量または厚さは、スペーサウェハの多数の領域に対して個々に選択される、たとえば各スペーサ部材または光学部材に対して個々に選択される。
【0053】
前記光学ウェハが多数の光学部材を含むのなら、前記光チャネルの各々は前記光学部材のいずれかと一般に関連付けられる。
【0054】
前に記載した1つ以上の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、前記スペーサウェハは多数の概して横方向に延在する領域および前記概して横方向に延在する領域すべてにわたって延在する基板を含み、前記スペーサウェハは前記多数の概して横方向に延在する領域の各々において受動光学コンポーネント(たとえばレンズ)を含む。前記多数の概して横方向に延在する領域の各々において、ある材料層が前記基板とそれぞれの受動光学コンポーネントとの間にあり、各前記領域のそれぞれの層の縦の長さは、それぞれの領域に対して個々に選択される。特に、前記層は受動光学コンポーネントと同じ材料からなり、より特定的には、前記層の各々は、それぞれの受動光学コンポーネントとともに一体的部分を形成する。さらに、前記受動光学コンポーネントは複製材からなるおよび/または複製を用いて製造される。受動光学コンポーネントが同時に1工程でそれぞれの関連する材料層とともに製造されるのなら、前記製造異常の補償はほんの少しの手間だけで達成できる。
【0055】
最後に記載した実施の形態に従う一実施の形態において、前記光学ウェハは多数の光学部材を含み、前記多数の光学部材の各々は前記多数の概して横方向に延在する領域の一つと関連付けられ、前記領域の各々において、それぞれの領域における層の縦の長さは、それぞれの関係のある光学部材の少なくとも1つの特性に関連付けられるまたはその特性に基づいて選択され、特に前記少なくとも1つの特性は焦点距離を含む。
【0056】
前に記載した1つ以上の実施の形態と組合せることができる一実施の形態において、前記光学ウェハは複製工程を用いて製造される、および/または本発明に従う対応する方法の特徴を有して、硬化された硬化可能材(特に、硬化された硬化性材料)からなる。
【0057】
本発明は、本発明に従う対応する装置の特徴を有する方法、およびその逆に、本発明に従う対応する方法の特徴を有する装置を含む。
【0058】
本発明の利点は対応する装置の利点に基本的に対応し、およびその逆に、装置の利点は対応する方法の利点に基本的に対応する。
【0059】
さらなる実施の形態および利点は、請求項および図面から明らかとなる。
図面の簡単な説明
以下に、実施例および添付の図面によって本発明はより詳細に説明される。図面は非常に簡略化された態様で示される。
【0060】
説明される実施の形態は一例であって、本発明を限定するものではない。