【実施例】
【0073】
[0093] エンドSグリコシンターゼ突然変異体の生成及びインタクトなモノクローナル抗体リツキシマブのグリコシル化リモデリングへのその使用
[0094] グリコシンターゼは以前は、加水分解中にオキサゾリニウムイオンの中間形成を促進する役割を果たす重要なアスパラギン(Asn)残基の部位特異的突然変異によって、エンドA、エンドM及びエンドDなどの幾つかのGH85エンドグリコシダーゼ(ENGase)から作成されていた(36〜39、43)。エンドSはグリコシドヒドロラーゼ科18(GH18)に属するエンドグリコシダーゼであり(40,41)、これはエンドF1、エンドF2及びエンドF3と同じGH科であり、最近、グリコシル転移活性を有することが示された(44)。エンドF3などの他のGH18エンドグリコシダーゼで実証されたように、エンドS触媒の加水分解も、オキサゾリニウムイオン中間体の形成に関与する基質補助メカニズムによって進行するという仮説(45)に基づき、オキサゾリニウムイオン形成を促進する役割を果たす残基の同定及び突然変異によって、エンドSから潜在的グリコシダーゼが作り出された。以前のエンドF3に関する構造及び突然変異誘発研究は、GH85科酵素の場合のようにアスパラギン残基ではなく、位置165にあるアスパラギン酸残基(D165)が、オキサゾリン形成を促進する役割を果たし、E167残基が触媒加水分解の一般酸/塩基であることを示している(45)。エンドSとエンドF3との配列アラインメント(
図2)により、触媒作用のためのエンドSの2つの重要な残基、すなわち、
図2に示すように、オキサゾリニウムイオン形成を促進する役割を果たすD233残基(エンドF3のD165に対応する)、及びグリカン加水分解における一般酸/塩基残基としてのE235残基(エンドF3のE167の等価物)が同定された。機能的には、D233残基が、GH85エンドグリコシダーゼであるエンドA、エンドM及びエンドDそれぞれのN171、N175、及びN322とも同等であるはずである。このように、オキサゾリニウムイオン中間体を介して基質補助メカニズムで進行するエンドA、エンドM及びエンドDからグリコシンターゼを生成する方法(36〜39)に従い、
図17に示すように、2つの特異的突然変異体D233A(配列番号:2)及びD233Q(配列番号:3)を、エンドS(配列番号:1)の部位特異的突然変異によって生成した。これらの突然変異体も野生型エンドSも、GST融合タンパク質として高い収率(30〜40mg/L)で大腸菌中に発現し、グルタチオン親和クロマトグラフィで精製した。
【0074】
[0095] 治療用モノクローナル抗体であるリツキシマブを、モデルmAbとして使用し、酵素の脱グリコシル化活性及び潜在的グリコシル転移活性を検査した。市販のリツキシマブの主要Fcグリカンは、
図10に示すように、PNGaseFによって放出されたN−グリカンのマトリクス支援レーザー脱離イオン化飛程時間型質量分析(MALDI−TOF MS)によって明らかにされたように、それぞれG0F、G1F及びG2Fグリコフォームと命名された0〜2個のガラクトース部分を保有するコアフコシル化二分岐性複合型オリゴ糖である。リツキシマブをエンドS−GST融合タンパク質(ここでは野生型エンドS又はエンドSと呼ぶ)で処理すると、急速に脱グリコシル化し、
図11に示すような対応するFC N−グリカン(還元端にGlcNAcが1個しかない)、及びグリコシル化部位(N297)にフコシル化GlcNAc二糖部分(Fucα1,6GlcNAc)を保有する脱グリコシル化されたリツキシマブを提供する。これらの結果は、インタクトなIgGに対する野生型エンドSの驚くべきFcグリカン−加水分解活性を確認し、mAbsのグリコシル化リモデリングの第一のステップにおける有用性を示唆する。次に、
図3A及び
図3Bに示すように、アクセプタとして脱グリコシル化リツキシマブを、供与体基質として幾つかの合成グリカンオキサゾリンを使用して、エンドS及びその突然変異体のグリコシル転移の可能性を検討した。グリコシル化リモデリングのプロセスを、
図4に示すように、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)及び液体クロマトグラフィ質量分析(LC−MS)でモニタした。リツキシマブの重鎖及び軽鎖が、還元条件でそれぞれ約50kDa及び約25kDaに現れた(
図4Aのa、レーン1)。野生型エンドSでの脱グリコシル化の後、重鎖が約48kDaに単一の帯として現れ、リツキシマブの(それぞれ重鎖からの)2個のN−グリカンが除去されたことを示唆した(
図4Aのa、レーン2)。脱グリコシル化リツキシマブ(1)及び合成シアログリカンオキサゾリン(2)(構造は
図3Aを参照)(供与体/アクセプタ、50:1、モル比)を突然変異体エンドS−D233Aでインキュベートすると、グリコシル転移産物(3)が与えられ、その重鎖は単一の帯として現れ、脱グリコシル化リツキシマブ(1)より約2kDa大きかった(
図4Aのa、レーン3)。この結果は、新しいN−グリカンがそれぞれのFc重鎖に結合したことを示唆する。(1)及び(2)をエンドS−D233Qでインキュベートすると、同じグリコシル転移産物が与えられた(
図4Aのa、レーン4)。興味深いことに、インタクトな抗体のFcドメインで基本的に定量的なグリコシル転移がインキュベーション1時間内に達成された。これより長時間のインキュベーション(10時間)では、グリコシル転移産物が加水分解しないことが判明した。これらの結果は、2つのエンドS突然変異体が、産物を加水分解せずにインタクトな脱グリコシル化IgGを複合型N−グリカンでグリコシル化できる新しい効率的なグリコシンターゼであることを示す。
【0075】
[0096] グリコシル転移はLC−MS分析でさらに特徴付けられた。リツキシマブの重鎖及び軽鎖を、
図12に示すようにLC−MS条件で分離した。軽鎖MSデータの逆畳込み解析で、23044の質量が与えられ、これはリツキシマブ軽鎖の質量計算値(M=23042Da)(47)と矛盾しなかった。重鎖のMSデータの逆畳込み解析では、
図4Aのグラフbに示すように、3つの別個のm/z種、すなわち、50508、50670及び50834が与えられ、これは重鎖グリコフォームの理論的質量、それぞれG0FはM=50515Da、G1FはM=50677Da、及びG2FはM=50839Da(47)と良好に一致した。脱グリコシル化リツキシマブ(1)の重鎖の逆畳込み解析エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)は、
図4Bのグラフcに示すように、49420に単一の種を示し、これはFucα1,6GlcNAc二糖部分(計算値M=49420Da)を保有する重鎖と十分に一致する。グリコシル化リモデリングの後、
図4Bのグラフdに示すように、グリコシル転移産物(3)の重鎖から51426に単一のピークが観察され、リツキシマブの脱グリコシル化重鎖に2006Daが追加されていた。この結果は、対応する糖オキサゾリン(2)からのシアログリカンが重鎖に結合していることを示す。グリコシル転移産物のSDS−PAGE上の単一の帯及び適切なMSスペクトルは、グリコシル転移が、リツキシマブのFcドメインの2つのグリコシル化部位で基本的に定量的であったことを明白に示唆する(Fcホモ二量体の2つの部位のいずれかが不完全にグリコシル化すると、還元後にFucα1,6GlcNAc−重鎖が観察されることになる、M=49420Da)。N−グリカンがFcドメインのGlcNAcに特異的に結合することをさらに確認するために、Asn−グリカン連結間のアミド結合を特異的に加水分解するPNGaseFで処理することによってグリコ−リモデリングしたリツキシマブ(3)からN−グリカン全体を放出した。放出されたN−グリカンを蛍光タグ2−アミノベンズアミド(2−AB)で標識し、蛍光高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)及びMS分析にかけた。LC−MS分析は、放出されたN−グリカンがコアフコース及び末端シアル酸を保有する予想された二分岐複合型N−グリカンであったことを明白に明らかにし、これは
図13bに示すように、約92%のジシアル酸付加N−グリカン及び約8%のモノシアル酸付加N−グリカンで構成されていた。N−グリカンの組成物は、グリコシル転移に使用した対応するN−グリカンオキサゾリン(2)に見られる比率と十分に整合した。この結果で、転移N−グリカンが脱グリコシル化リツキシマブのGlcNAcプライマに特異的に結合したことが確認された。
【0076】
[0097] 本明細書で述べる結果は、エンドS及びエンドS系グリコシンターゼを組み合わせて使用することにより可能になった高効率の脱グリコシル化−再グリコシル化プロトコルを通して、完全長の天然複合型N−グリカンをFcドメインに一括転移させたインタクトなIgGモノクローナル抗体のグリコシル化リモデリングの最初の報告である。グリコシル転移が完了した後、産物を単純タンパク質A親和クロマトグラフィで精製し、明確に規定された均一なグリコフォームにした。市販のリツキシマブは、
図13aに示すように微量のシアル酸付加グリコフォームしか含有していないことを指摘しておかねばならない。シアル酸付加Fc及びIgGは抗炎症活性を有すると提唱されているので、十分にシアル酸付加したFc N−グリカンを保有する糖鎖改変リツキシマブは抗炎症機能を得ることができ、したがってその治療領域はがん治療から自己免疫疾患の治療まで拡大できる可能性がある(21,22)。
【0077】
[0098] シアル酸付加複合型N−グリカンオキサゾリン(2)に加えて、エンドS突然変異体はMan3GlcNAcコアオキサゾリン(4)(48)及びアジドタグ付きN3Man3GlcNAcオキサゾリン(6)(49)を使用してリツキシマブ糖鎖改変するのに同等に効率的であって、
図3Aに示すように、それぞれ対応する均一なグリコフォーム(5)及び(7)が形成された。グリコシル転移産物(5)の重鎖の逆畳込み解析ESI−MSは、
図4Cのグラフeに示すように50112に単一の種を示し、これはMan3GlcNAc2グリカンを保持するリツキシマブ重鎖の分子量計算値(M=50109Da)に十分一致した。同様に、グリコシル転移産物(7)の重鎖の逆畳込み解析ESI−MSは、
図4Cのグラフfに示すように50143に単一の種を示し、これはN3Man3GlcNAcグリカンを保有するリツキシマブ重鎖の分子量計算値(M=50134Da)に良好に合致した。この場合も、これらの結果はグリコシル転移が基本的に定量的であることを示す。供与体/アクセプタのモル比を25:1まで減少させても、なお転移は効率的であり、エンドSグリコシンターゼ突然変異体の驚くべきグリコシル転移効率を暗示することに留意されたい。特に、Fc N−グリカンのコアのアジド官能基をインタクトなモノクローナル抗体に選択的に導入することにより、クリックケミストリーを通して抗体の部位特異的修飾がさらに可能になり(50,51)、これは標識付け及び標的指向目的に、又はさらに構造と活性との関係を研究するために抗体グリコフォームの多様性を拡大するために使用することができる。
【0078】
[0099] 野生型エンドSも、エンドS突然変異体と同じ条件で、グリカンオキサゾリン(2及び4)での脱グリコシル化リツキシマブ(1)のグリコシル転移について試験し、LC−MSでモニタして対応するグリコシル転移産物の一時的な形成しか観察されず、これは恐らく野生型酵素による産物がその場で迅速に加水分解されたためであろう。最近、Scanlan、DavisらがエンドSの基質特異性に関して独立した研究を報告し、脱グリコシルIgGの効率的なグリコシル転移のために野生型エンドSがMan3GlcNAcオキサゾリンを使用できることを実証した(42)。この明らかな観察結果の矛盾に対応するために、この最近の報告(42)に従い、低い温度(4℃)で、使用する酵素の量をはるかに少なくして、野生型エンドSのグリコシル転移効率を再評価した。変更したこの条件を用い、
図14に示すように、初期インキュベーション期間に野生型エンドSによる複合糖オキサゾリン(2)での脱グリコシル化リツキシマブ(1)の重大なグリコシル転移が観察されたが、インキュベーションを継続すると、産物は徐々に加水分解された。このように、野生型エンドSを使用する場合はグリコシル転移産物を捕捉するために、反応条件を慎重に制御しなければならない。実際的な応用で、エンドSグリコシンターゼ突然変異体は、産物の加水分解活性がないので、効率的かつ完全なグリコシル転移の選択肢になるはずである。
【0079】
[00100] 非フコシル化及びガラクトシル化G2グリコフォームを提供するリツキシマブの糖鎖改変
[00101] 抗がん療法には非フコシル化IgGグリコフォームが望ましい。何故なら、Fc N−グリカンのフコース含有率が低いmAbはin vitroでADCC活性の向上を、in vivoで抗がん有効性の向上を示し、FcγIIIa受容体の親和性が低いF158対立遺伝子を保有する患者では特にそうであることが以前に実証されている(16〜19、52)からである。既存のフコシル化mAb(哺乳類の細胞で産生される組換え型mAbの主要グリコフォーム)を非フコシル化mAbに効率的に変換する効率的な方法はなかった。この問題に対応するために、一連の市販のα−フコシダーゼを試験したが、インタクトなリツキシマブ中でα1,6−フコースを除去できるものはなかった。
図5A及び
図5Bの概略図を参照されたい。これらの結果は、α−1,6−フコース部分がFcドメイン及び/又は複合N−グリカンによって遮蔽され、α−フコシダーゼへのアクセスを不可能にしているかもしれないことを意味する。脱グリコシル化の後、得られたリツキシマブのFuc(α1,6)GlcNAcグリコフォームが、α−フコシダーゼへよりアクセス可能になるかもしれないとの理論を立てた。したがって、Fuc(α1,6)GlcNAc部分のみを保持する脱グリコシル化リツキシマブ(1)で、幾つかの市販のα−フコシダーゼの活性を試験した。ウシ腎臓からの非特異的α−フコシダーゼは実際に穏やかな活性を有し、脱グリコシル化リツキシマブ(1)からフコース残基を除去し、GlcNAc−含有リツキシマブ(8)を与えられることが判明した(
図15A及び
図15B参照)。α−フコシダーゼの穏やかな活性により、エンドS−脱グリコシル化リツキシマブの完全な脱フコシル化を達成するために比較的大量のα−フコシダーゼ及び長い反応時間が必要であったが、このα−フコシダーゼの活性の発見は、更なる糖鎖改変のために脱フコシル化リツキシマブ前駆物質(8)を得る代替法を提供する。
【0080】
[00102] 次に、シアル酸付加N−グリカンオキサゾリン(9)(38)でグリコシル転移して、基本的に定量的な変換で均一な非フコシル化G2グリコフォーム(10)を提供するために、グリコシンターゼエンドS−D233A及びエンドS−D233Qも(8)中の非フコシル化GlcNAcを認識するのに効率的であると判定された(
図5)。産物をタンパク質A親和クロマトグラフィで精製した。糖鎖改変した産物(10)の同一性及び純度は、
図6に示すようにSDS−PAGE及びLC−MS分析で確認した。脱フコシル化リツキシマブ(8)は、49274に単一の種を示し(
図6b)、フコースの除去が確認された(GlcNAc−リツキシマブの重鎖の計算値、M=49274Da)。グリコシル転移産物(10)の重鎖の逆畳込み解析ESI−MSは、50695に単一の種として現れ(
図6c)、これはアシアリル化二分岐複合型N−グリカン、すなわち、Gal2GlcNac2Man3GlcNAc2を保有するリツキシマブ重鎖の分子量計算値(M=50693Da)と十分一致した。比較研究で、突然変異体D233A及びD233Qはフコシル化GlcNAc−リツキシマブ(1)及び非フコシル化GlcNAc−リツキシマブ(8)の両方をグリコシル転移のアクセプタとして認識したが、該2つのグリコシンターゼ突然変異体はアクセプタとしてフコシル化GlcNAc−リツキシマブ(1)を優先し、非フコシル化アクセプタ(8)よりグリコシル転移反応が高速であることも判明した(データは示さず)。まとめると、これらの実験結果により、市販のモノクローナル抗体から非フコシル化及び完全にガラクトシル化した均一なグリコフォームを作成する複合の酵素的方法が明らかになった。その結果である非フコシル化及びガラクトシル化リツキシマブは、以前の研究で示唆された(2,16〜20、52)ように、改良されたADCC及びCDCエフェクター機能を得ると予想される。
【0081】
[00103] 十分にFcシアル酸付加したIVIGグリコフォームを提供するIVIGの部位選択的Fc糖鎖改変
[00104] リツキシマブのグリコシル化リモデリングが成功したことにより、抗炎症活性を向上させることを目的としたIVIGの糖鎖改変のための酵素化学的方法の考察が促進された。IVIGは、数千人の健康なドナーの血漿から精製されてプールされたIgG画分である。最近の研究は、微小なα2,6−シアル酸付加Fcグリコフォームは、関節リウマチのマウスモデルで実証された(21,22,53、54)ように、抗炎症活性を与えるIVIG中の活性種であることを示唆している。シアル酸付加FcグリコフォームはIVIGのマイナーな構成部分であるので(55)、末端Fcシアル酸付加に対するIVIGの抗炎症活性の依存性により、防御を与えるためにIVIGの高用量(1〜2g/kg)の注入が必要である理由が部分的に説明される。ヒトα−1,6−シアリル転移酵素(ST6Gal−I)を使用してFc及びIVIGの直接的なシアル酸付加を試みたが、効率は低く、大抵の場合、主要産物としてモノシアル酸付加グリコフォームしか得られなかった(22,56)。さらに、FABグリカンにシアル酸付加した場合、IVIGのFABドメインの約30%がN−グリコシル化され、IVIGのFcシアル酸付加グリコフォームのレクチン強化の効率が低下することになる(2,57)。したがって、FABグリコシル化を変化させずに、シアル酸付加N−グリカンでFc特異的糖鎖改変が達成できれば非常に望ましい。
【0082】
[00105] エンドSは、穏やかな条件でFABドメインのN−グリカンを加水分解せずにIVIGのFcドメインを選択的に脱グリコシル化できることが判明した。さらに、
図7に示すように、エンドS−D233Q突然変異体によってシアログリカンオキサゾリン(2)でIVIG(11)の脱グリコシル化Fcドメインを選択的にグリコシル化し、Fc完全シアル酸付加IVIG(12)を提供することができた。最初にSDS−PAGE分析で糖鎖改変をモニタした。
図16に示すように、重鎖の帯のサイズ変化で示すように、IVIGの脱グリコシル化及び再グリコシル化が明白であった。IVIGの糖鎖改変の部位選択性をさらに特徴付けるために、パパイン分解(58)によってFABドメインとFcドメインを切断した。Fcドメインをタンパク質A親和クロマトグラフィで分離し、フロースルーに残されたFABドメインは、高速タンパク質液体クロマトグラフィ(FPLC)システムのサイズ排除クロマトグラフィで分離した。次に、2−アミノベンズアミド(2−AB)(59)で標識したPNGaseF処理によってFc及びFAB N−グリカンを別個に放出し、HPLC(蛍光検出及び定量化)によって分析してMSで特徴付けした。IVIGの糖鎖改変前後のFAB及びFc N−グリカンのプロフィールを
図8に示した。IVIGのFcグリコシル化パターンは、モノクローナル抗体リツキシマブのFcグリコシル化より複雑であることが判明した。主要成分としてのG0F、G1F及びG2Fグリコフォームに加えて、多量のモノシアル酸付加(ピーク2及び7)グリコフォーム(約10%)及び二分GlcNAc−含有グリコフォーム(ピーク13〜15)(5%)があった(
図8a)。(エンドS−脱グリコシル化及びその後のエンドS−D233Qによるシアログリカンオキサゾリン(2)でのグリコシル転移で)糖鎖改変した後のFcグリコシル化は、主要なグリコフォーム(>90%)として完全シアル酸付加グリカン(ピーク1及び6)を示した(
図8b)。興味深いことに、FABグリコシル化パターンは、少量の完全シアル酸付加グリコフォーム(ピーク6)が生成されることを除き、糖鎖改変プロセスの前後で同様であった(
図8cと
図8dを比較)。これらの結果は、エンドS系グリコシル化リモデリングプロセスが、FABグリコシル化があっても、インタクトなIgG抗体のFc N−グリカンに対して高選択性であることを示す。本発明のFc糖鎖改変方法は驚くほど選択的で効率が高く、そのことにより、市販のIVIGを、マウスモデルを使用した以前の研究で実証された(21,22,53,54)ように、向上した抗炎症活性を示すことが予測される完全Fc−シアル酸付加IVIG製剤に変換する新規の道を提供する。
【0083】
[00106] 糖鎖改変したリツキシマブの刺激性Fcγ受容体(FcγRIIIa)及び抑制性Fcγ受容体(FcγRIIb)との結合
[00107] 表面プラズモン共鳴(SPR)分析で、個々のFcγ受容体(FcγRIIIa−F158、FcγRIIIa−V158及びFcγRIIb)に対するリツキシマブのリモデリングしたグリコフォームの親和性を試験した。本発明者の最近報告した手順(35)に従い、リツキシマブグリコフォームをタンパク質Aチップ上で部位特異的に固定化し、様々な濃度のFcγ受容体を検体として注入した。予測通りに、非フコシル化G2グリコフォームは、市販のリツキシマブと比較した場合、
図9に示すように低親和性及び高親和性の両方のFcγIIIa受容体、FcγRIIIa−F158及びFcγRIII−V158に対して大幅に向上した親和性を示した。FcγRIIIa−F158及びFcγRIIIa−V158に対するG2グリコフォーム(10)の結合のKD値は、それぞれ123±11及び12±2nMであり、それはBIAcore T100評価ソフトウェアを使用して、結合データを1:1定常状態モデルに当てはめることによって取得した。他方で、FcγRIIIa−F158及びFcγRIIIa−V158に対する市販のリツキシマブの結合のKD値は、それぞれ1042±155及び252±18nMと推定された。したがって、低親和性及び高親和性Fcγ受容体(FcγRIIIa−F158及びFcγRIIIa−V158)に対する糖鎖改変G2グリコフォームの親和性は、それぞれ市販のリツキシマブより約9倍及び20倍高かった。他方で、G2グリコフォーム及び市販のリツキシマブは、抑制性Fcγ受容体FcγRIIbに対して同等の親和性を実際に示し、Kd値はそれぞれ2.3±0.5及び2.0±0.7μMであった。これらの結果は、糖鎖改変したリツキシマブで有利な機能の明白な増加を明らかにする。高親和性FcγRIIIa−結合グリコフォームの効率的な製剤は、一般的MAbでの治療に対する反応が低い又は反応しないがん患者で見られるFcγ受容体多形の問題に対応するために、臨床的に重大であることを指摘しておかねばならない。これらの患者では、そのFcγRIIIa−F158対立遺伝子は、高親和性受容体FcγRIIIa−V158対立遺伝子と比較して、リツキシマブなどの治療用mAbに対して親和性が低い(52,60,61)。Fcγ受容体媒介のエフェクター機能は、HIV−中和抗体に対する防御免疫を達成するために重要なメカニズムであることも示唆された(62)。したがって、本明細書で述べる糖鎖改変方法は、機能研究、さらに生物医学的用途にとって貴重なモノクローナル抗体の様々な規定されたグリコフォームを産生する上で広い用途を見出すことができる。
【0084】
[00108] 本明細書で、インタクトなIgG抗体の糖鎖改変に対する効率的な酵素化学的方法を説明する。部位特異的突然変異によって生成された2つの新しいエンドS系グリコシンターゼは、対応するグリカンオキサゾリンからのシアル酸付加及びアシアリル化及び複合型N−グリカン、さらに選択的に修飾されたN−グリカンコアをインタクトなFc−脱グリコシル化抗体に転移することができる広範な基質特異性を実証している。さらに、脱グリコシル化/再グリコシル化方法は、α−フコシダーゼが適切に併用される場合、コアフコシル化及び非フコシル化IgG抗体の両方に効率的である。これらの新しい発見は酵素化学的方法の範囲を大幅に拡大し、インタクトなモノクローナル抗体を既存の方法ではこれまで得ることが困難であった様々な特定のグリコフォームに効率的に変換することが可能になった。この糖鎖改変方法は、治療の有効性が改善され、及び/又は新しい機能を得た生物学的に類似し、及び/又は生物学的に向上した生物製剤の開発を促進できることが予想される。
【0085】
材料及び方法
[00109] Premium Health Services Inc.(メリーランド州コロンビア)を通してモノクローナル抗体リツキシマブ(リツキサン、Genentech Inc.、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)及びIVIGを購入した。以前に報告された手順(38,46)に従って、シアログリカンオキサゾリン(2)及びアシアロ複合型グリカンオキサゾリン(5)を合成した。ウシ腎臓α−1−フコシダーゼをSigma(ミズーリ州セントルイス)及びProzyme(カリフォルニア州ヘイワード)から購入し、Arthrobacter protophormiaeからのエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ(エンドA)及びMucor hiemalisからのエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ(エンドM)及びその突然変異体を、報告された手順(38)に従って大腸菌から過剰産生した。PNGaseFをNew England Biolabs(マサチューセッツ州イプスウィッチ)から購入した。
【0086】
[00110] 液体クロマトグラフィ質量分析(LC−MS)
[00111] Hypersil GOLDカラム(1.9μm、50×2.1mm)を有するLXQシステム(Thermo Scientific)でLC−MSを実施した。IgGサンプルを0.5%のβ−メルカプトエタノールで処理し、60℃で15分間加熱してから、LC−MS測定にかけた。分析は、0.1%の蟻酸を含有する10〜40%のMeCNの線形勾配で溶出させ、60℃で10分以内、0.25mL/分の流量で実施した。
【0087】
[00112] エレクトロンスプレイオン化質量分析(ESI−MS)及びマトリクス支援レーザー脱離イオン化飛程時間型質量分析(MALDI−TOF MS)
[00113] ESI−MSスペクトルを、Waters Micromass ZQ-4000単四重極質量分析計で測定した。MALDI−TOF MSは、Autoflex II NIALD-TOF質量分析計(Bruker Daltonics、マサチューセッツ州ダルトニックス)で実施した。計器は、ProteoMass Peptide MALDI-MS較正キット(MSCAL2、Sigma/Aldirich)を使用して較正した。中性のグリカンには2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)のマトリクスを使用し、産生グリカンには2’,4’,6’−トリヒドロキシアセトフェノン(THAP)を使用した。
【0088】
[00114] エンドS及び突然変異体の過剰発現及び精製
[00115] 野生型エンドSを、以前に報告された手順(40,63)に従い、M. Collin博士(スウェーデン、ルンド大学)が親切にも提供してくれたプラスミドpGEX−エンドSを使用して大腸菌で過剰産生し、精製した。製造業者の指示に従ってGENEART部位特異的突然変異キット(Invitrogen)を使用して、2つのエンドS突然変異体、D233A及びD233Qを生成した。pGEX−エンドSプラスミドをテンプレートとして使用し、LA Taqポリメラーゼ(日本、タカラ)をPCRに使用した。突然変異をDNA配列で確認し、BL21(DE3)に形質転換した。形質転換体を、100mg/Lのカルベニシリンを含有するLuria-Bertani媒質中で培養し、0.1mMのイソプロピル−β−d−チオガラクトピラノシドで16時間、25℃で誘導した。1700gで15分間、4℃で遠心分離し、細胞を採取した。細胞ペレットを、リゾチーム及びPMSFを含むリン酸緩衝食塩水(pH7.4)中に懸濁させた。溶解混合物を16000gで20分間、4℃で遠心分離した。遠心分離後、細胞溶解からの上澄みを3mLの50%グルタチオン−セファロース4B樹脂(Ge Healthcare)に塗布した。サンプルを、穏やかに揺動し、25℃で60分間インキュベートした。樹脂を100mLのカラム(PD-10、GE Healthcare)に適用し、PBSで5回洗浄した。500μLのグルタチオン溶出緩衝液(50mMのトリス−HCl、10mMのグルタチオン、pH8.0)をカラムに添加し、室温で5分間インキュベートし、採取して、次に3回繰り返した。溶出したフラクションをプールし、リン酸ナトリウム緩衝液(50mM、pH7.0)に対して一晩、4℃で透析分離した。次に、Amicon超遠心分離フィルタ10kDa(ミリポア)を使用してタンパク質サンプルを濃縮した。濃縮したタンパク質サンプルをSDS−PAGEで分析し、Nano-Drop 2000c分光測光器を使用してタンパク質濃縮物を数量化した。野生型エンドSの過剰産生の収率は約40mg/Lであり、突然変異体の収率は約30mg/Lであった。
【0089】
[00116] (Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)を与える野生型エンドSによるリツキシマブの脱グリコシル化
[00117] トリス−Cl緩衝液(50mM、pH8.0、2mL)中に市販のリツキシマブ(20mg)をエンドS(30μg)で1時間、37℃でインキュベートした。LC−MS及びSDS−PAGE分析は、重鎖上のN−グリカンが完全に切断していることを示した。反応混合物を、トリス−Cl緩衝液(20mM、pH8.0)で事前平衡化したタンパク質A−アガロース樹脂(5mL)のカラム上で親和クロマトグラフィにかけた。カラムをトリス−Cl(20mM、pH8.0、25mL)及びグリシン−HCl(20mM、pH5.0、20mL)で続けて洗浄した。結合IgGをグリシン−HCl(100mM、pH2.5、20mL)で放出させ、溶出フラクションを即座にトリス−Cl緩衝液(1.0M、pH8.8)で中和した。Fcフラグメントを含有するフラクションを化合させ、遠心濾過(Amicon Ultra遠心フィルタ、Millipore、マサチューセッツ州ビルリカ)で濃縮し、(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)(18mg)を得た。LC−MS:(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)の重鎖に対し計算、M=49420Da(47)、(m/z)49420であると判明(逆畳込み解析データ)。
【0090】
[00118] エンドS突然変異体D233A又はD233Qによるシアログリカンオキサゾリン(2)での(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)のグリコシル転移
[00119] トリス緩衝液(50mM、pH7.4、2mL)中に(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)(10mg)及びシアログリカン−オキサゾリン(2)(10mg)を入れた溶液を、エンドS突然変異体D233A又はD233Q(200μg)で30℃でインキュベートした。間隔をあけてアリコートを採取し、LC−MSで分析した。2〜3時間後、LC−MSのモニタリングで(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)が完全に反応し、完全にシアル酸付加したN−グリカンを保有するグリコシル転移産物(3)が得られたことが示された。反応混合物を、上述した手順に従ってタンパク質A−アガロースカラム上で親和クロマトグラフィにかけた。産物を含有するフラクションを化合させ、超遠心分離で濃縮して、シアル酸付加リツキシマブ(3)(11mg、定量)が得られた。LC−MS:完全シアル酸付加N−グリカンを保有する(3)の重鎖に対し計算、M=51421Da、(m/z)51426であると判明(逆畳込み解析データ)。
【0091】
[00120] エンドS−D233QによるMan3GlcNAcオキサゾリン(4)及びアジド−タグ付きMan3GlcNAcオキサゾリン(6)での(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)のグリコシル転移
[00121] (3)を調製して対応する産物を与えるために、上述したようにグリコシル転移を実施した。糖鎖改変したリツキシマブ(5及び7)のLC−MS分析:フコシル化Man3GlcNAc2 N−グリカンを保持する(5)の重鎖に対し計算、M=50109Da、(m/z)50112であると判明(逆畳込み解析データ);フコシル化アジド−Man3GlcNAc2 N−グリカンを保有する(7)の重鎖に対し計算、M=50134Da、(m/z)50143であると判明(逆畳込み解析データ)。
【0092】
[00122] ウシ腎臓α−フコシダーゼによる(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)の脱フコシル化
[00123] 0.05のアジ化ナトリウムを含有するリン酸緩衝液(500mM、pH5.5、200μL)に(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)(2mg)を入れた溶液を、ウシ腎臓からのフコシダーゼ(Prozyme、5U)で37℃でインキュベートした。間隔をあけてアリコートを採取し、LC−MSで分析した。20日後、LC−MSのモニタリングで、(Fucα1,6)GlcNAc−リツキシマブ(1)が完全に脱フコシル化し、産物のGlcNAc−リツキシマブ(2)が得られたことが示された。反応混合物を、上述した手順に従ってタンパク質Aのカラム上で親和クロマトグラフィにかけた。産物を含有するフラクションを化合させ、超遠心分離で濃縮してGlcNAc−リツキシマブ(2)(2mg、定量)が得られた。LC−MS:GlcNAc部分を保有するGlcNAc−リツキシマブ(2)の重鎖に対し計算、M=49274Da、(m/z)49274であることが判明(逆畳込み解析データ)。
【0093】
[00124] D233Q突然変異体によるアシアリル化複合型グリカンオキサゾリン(5)でのGlcNAc−リツキシマブ(4)のグリコシル転移
[00125] トリス緩衝液(50mM、pH7.4、0.5mL)にGlcNAc−リツキシマブ(4)(2mg)及びオキサゾリン(5)(5mg)を入れた溶液を、エンドS−D233Q(200μg)で37℃でインキュベートした。間隔をあけてアリコートを採取し、LC−MSで分析した。2時間後、LC−MSのモニタリングで、4が完全に反応し、対応するグリコシル転移産物(6)が得られたことが示された。反応混合物をタンパク質Aのカラム上で親和クロマトグラフィにかけた。産物を含有するフラクションを化合させ、超遠心分離で濃縮して、非フコシル化リツキシマブグリコフォーム(6)(2mg、定量)が得られた。LC−MS:非フコシル化N−グリカンを保有する(6)の重鎖に対し計算、M=50693Da、(m/z)50695であると判明(逆畳込み解析データ)。
【0094】
[00126] エンドSによるIVIGのFcドメインにおける部位特異的脱グリコシル化
[00127] トリス−Cl緩衝液(50mM、pH8.0、2mL)中に市販のIVIG(20mg)をエンドS(配列番号:1)(30μg)で1時間、37℃でインキュベートした。残基をタンパク質Aのカラム上で親和クロマトグラフィにかけ、(Fucα1,6)GlcNAc−IVIG(20mg、定量)が得られ、このFc N−グリカンを除去して、N297部位にα1,6−フコシル化GlcNAcを残した。
【0095】
[00128] D233Q突然変異体によるシアログリカンオキサゾリン(2)での(Fucα1,6)GlcNAc−IVIGのグリコシル転移
[00129] トリス緩衝液(50mM、pH7.4、2mL)中に(Fucα1,6)GlcNAc−IVIG(3mg)及びシアログリカン−オキサゾリン(2)(3mg)を入れた溶液をD233Q突然変異体(配列番号:2)(60μg)で30℃でインキュベートした。2時間後、SDS−PAGE分析で、(Fucα1,6)GlcNAc−IVIGが完全に反応し、グリコシル転移産物が得られたことが示された。反応混合物をタンパク質Aのカラム上で親和クロマトグラフィにかけ、グリコ−リモデリングしたIVIG(3mg、定量)が提供され、そのFc N−グリカンをリモデリングして、完全にシアル酸付加した複合型N−グリカンにした。
【0096】
[00130] 表面プラズモン共鳴(SPR)結合実験
[00131] Biacore T100計器(GE Healthcare、米国)を使用し、表面プラズモン共鳴(SPR)でIgG及びFcγ受容体の様々なグリコフォーム間の結合を測定した。標準的な第一アミンカップリング化学を用いてpH4.5でCM5バイオセンサチップ(Ge Healthcare)上に5000RUのタンパク質Aを固定化し、IgGの様々なグリコフォームを捕捉した。タンパク質Aを注入せずに、基準のフローセルを同様に調製した。HBS−P緩衝液(10mMのHEPES、pH7.4、0.15MのNaCl、0.05%v/v界面活性剤P20)にIgGの個々の各グリコフォームを入れて10μL/分でタンパク質Aの表面上に注入し、150RUの捕捉レベルに達した。FcγIIIa及びFcγIIb受容体の連続希釈を10μL/分で注入した。各サイクルの後、10mMのHClを10μL/分で30秒注入することにより、表面を再生した。BIAcore T100評価ソフトウェアを使用してデータを1:1 Langmuir結合モデルに当てはめ、平衡定数(KD)データを取得した。
【0097】
[00133] 参照文献
[00134] 本明細書で引用された全ての参照文献の内容は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
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